説明

移動体装置及び露光装置

【課題】電機子コイルの熱を効率よく除熱する。
【解決手段】 平面モータ50を構成する固定子60内の電機子コイル38の熱は、定盤21の本体部35内に設けられた熱伝導素子71aを介して、定盤21の底部に配置された流路71b内の冷媒に伝熱され、この流路71bを有する蒸発器71を含んで蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する冷却装置により効率良く除熱される。これにより、定盤21上の基板ステージWSTの周囲の雰囲気の揺らぎを抑えることが可能となる。そして、干渉計を用いて構成されるウエハ干渉計の高い位置計測精度を維持することができ、ウエハW(基板ステージWST)の位置決め精度を向上するとともにスループットを改善することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体装置及び露光装置に係り、特に、ベース上で移動する移動体を駆動する移動体装置、及び該移動体装置を有し、半導体素子、液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程で用いられる露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)と、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))と、が用いられている。これらの露光装置では、照明光を、レチクル(又はマスク)及び投影光学系を介して、感光剤(レジスト)が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に投射することによって、レチクルに形成されたパターン(の縮小像)がウエハ上の複数のショット領域に逐次転写される。
【0003】
ウエハの位置決め精度を向上するとともにスループットを改善するために、ウエハを保持して移動するウエハステージを2次元方向に駆動する平面モータ、例えば、非接触でウエハステージを駆動可能な可変磁気抵抗駆動方式のリニアパルスモータを2軸分結合させた構造のもの、或いはリニアモータを2次元方向に展開したローレンツ電磁力駆動による平面モータが開発されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、いずれの平面モータにおいても、大きな駆動力を得るためにコイルユニット(に含まれる電機子コイル)に大きな電流を流すことにより、コイルユニットの発熱が問題となる。コイルユニットの発熱は、例えば、ウエハステージの周囲の雰囲気の揺らぎを生じ、干渉計を用いて構成されるウエハステージの位置計測系の計測誤差の原因となり、ウエハ(ウエハステージ)の位置決め精度、さらにスループットの低下を招くこととなる。従って、平面モータの冷却設計が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,196,745号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情の下でなされたものであり、第1の観点からすると、ベース上で移動する移動体と、前記ベース内に配列された複数のコイルユニットを含む固定子と前記移動体内に設けられた少なくとも1つの磁石ユニットを含む可動子とから構成される駆動装置と、前記複数のコイルユニットを挟んで前記移動体の逆側に配置され、前記複数のコイルユニットのうちの少なくとも一部に前記ベース内に設けられた熱伝導素子を介して接続する流路を有し、該流路に潜熱変化する第1熱媒体が流れる蒸発器を含んで第1蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する冷却装置と、を備える移動体装置である。
【0007】
これによれば、コイルユニットの発熱は、ベース内に設けられた熱伝導素子を介して、複数のコイルユニットを挟んで移動体の逆側に配置された流路内の第1熱媒体に伝熱され、この流路を有する蒸発器を含んで第1蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する冷却装置によりコイルユニットが冷却される。これにより、ベース上の移動体の周囲の雰囲気の揺らぎを抑えることが可能となる。
【0008】
本発明は、第2の観点からすると、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光装置であって、前記物体を保持する前記移動体を駆動する本発明の移動体装置を備える露光装置である。
【0009】
これによれば、本発明の移動体装置を備えることによりベース上の移動体の周囲の雰囲気の揺らぎが抑えられるため、移動体の位置決め精度を向上するとともにスループットを改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】基板ステージ装置を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】第1の実施形態における冷却装置(蒸気圧縮冷凍機)の簡略構成を示す図である。
【図5】図4の冷却装置における蒸気圧縮冷凍サイクルを示す図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、図4の冷却装置に対する冷却シミュレーションの結果を示す図である。
【図7】図1の露光装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。
【図8】第1の実施形態における冷却装置(蒸気圧縮冷凍機)に対する変形構成を示す図である。
【図9】第2の実施形態における冷却装置(蒸気圧縮冷凍機)の簡略構成を示す図である。
【図10】図9の冷却装置における第2蒸気圧縮冷凍サイクルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜図8を用いて説明する。
【0012】
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の全体的な構成が概略的に示されている。露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン露光方式の走査型露光装置である。
【0013】
露光装置100は、照明系10、レチクル(マスク)Rを保持するレチクルステージRST、レチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系11、投影光学系PL、基板としてのウエハWを保持する基板ステージWST及び基板ステージWSTを駆動するステージ駆動系(平面モータ)50等を含む基板ステージ装置30、並びにこれらの制御系等を備えている。
【0014】
照明系10は、例えば特開平9−320956号公報に開示されるように、光源ユニット、シャッタ、2次光源形成光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系等(いずれも不図示)から構成され、照度分布のほぼ均一な露光用照明光を射出する。この照明光により、レチクルR上の矩形(あるいは円弧状)の照明領域IARが均一な照度で照明される。
【0015】
レチクルステージRST上にはレチクルRが、例えば真空吸着により、固定されている。また、レチクルステージRSTは、レチクルベース(不図示)上をリニアモータ等で構成されたレチクルステージ駆動系11(図7参照)により、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
【0016】
レチクルステージRST上にはレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されており、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置はレチクル干渉計16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報は、主制御装置20に送られる。主制御装置20は、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて、レチクルステージ駆動系11(図7参照)を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0017】
投影光学系PLは、レチクルステージRSTの下方に配置され、その光軸AX(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とされ、ここでは両側テレセントリックな光学配置となるように光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されている。投影光学系PLは所定の投影倍率、例えば1/5(あるいは1/4)を有する縮小光学系である。このため、照明系10からの照明光によってレチクルRの照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通過した照明光により、投影光学系PLを介してレチクルRの照明領域IAR内の回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレジストが塗布されたウエハW上の照明領域IARに共役な露光領域IAに形成される。
【0018】
基板ステージ装置30は、図1に示されるように、ベース盤12、ベース盤12上に配置された定盤21、ベース盤12上で定盤21を駆動する定盤駆動系68(図7参照)、定盤21上に配置された基板ステージWST、定盤21上で基板ステージWSTを駆動するステージ駆動系(平面モータ)50(図7参照)、平面モータ50を冷却する冷却装置70(図7参照)等を備えている。
【0019】
ベース盤12は、床面F上に防振機構(不図示)を介してほぼ水平に(XY平面に平行に)支持されている。ベース盤12の上面側には、XY二次元方向を行方向、列方向としてマトリックス状に配置された複数のコイルを含むコイルユニット(不図示)が収容されている。
【0020】
定盤21は、ベース盤12上に、エアベアリング(不図示)を介して支持されている。定盤21の底部には、ベース盤12の上面側に収容されたコイルユニットに対応して、XY二次元方向を行方向、列方向としてマトリックス状に配置された複数の永久磁石及びヨークから成る磁石ユニット(不図示)が収容されている。また、定盤21の上部には、後述する固定子60が収容されている。
【0021】
上述のベース盤12内のコイルユニット(不図示)と定盤21内の磁石ユニット(不図示)とから、例えば米国特許出願公開第2003/0085676号明細書などに開示されるローレンツ電磁力駆動方式の平面モータから成る定盤駆動系68(図7参照)が構成される。定盤駆動系68は、ベース盤12上で定盤21をXY平面内の3自由度方向(X、Y、θz)に駆動する。
【0022】
定盤21の3自由度方向の位置情報は、例えば干渉計又はエンコーダから構成される定盤位置計測系69(図7参照)によって計測される。定盤位置計測系69の出力は、主制御装置20(図7参照)に供給される。主制御装置20は、定盤位置計測系69の出力に基づいて、定盤駆動系68のコイルユニットを構成する各コイルに供給する電流の大きさ及び方向を制御し、定盤21のXY平面内の3自由度方向の位置を制御する。主制御装置20は、定盤21が、カウンタマスとして機能した際に、定盤21の基準位置からの移動量が所定範囲に収まるように定盤21を駆動する。すなわち、定盤駆動系68は、トリムモータとして使用される。
【0023】
基板ステージWSTは、後述するように、可動子51、支持機構32a、32b、32c、基板テーブル18等から構成されている。定盤21の上部に収容された固定子60と、基板ステージWSTの底部(ベース対向面側)に固定された可動子51とから成る平面モータが、ステージ駆動系50として使用される。以下においては、ステージ駆動系50を、便宜上、平面モータ50と呼ぶものとする。
【0024】
基板テーブル18上に、ウエハWが、例えば真空吸着によって固定されている。また、基板テーブル18上にはウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からのレーザビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に配置されたウエハ干渉計31により、基板テーブル18のXY面内での位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際には、図3に示されるように、基板テーブル18上には走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡27Yと非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡27Xとが設けられ、ウエハ干渉計31は走査方向に1軸、非走査方向には2軸設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡27、ウエハ干渉計31として示されている。基板テーブル18の位置情報(又は速度情報)は、主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その位置情報(又は速度情報)に基づいて平面モータ50を介して基板ステージWSTのXY面内の移動を制御する。
【0025】
基板ステージWSTの構成各部、特に平面モータ50について詳述する。
【0026】
図2には、基板ステージ装置30の平面図が示されている。図3には、図2のA−A線断面図が一部省略して拡大して示されている。図2及び図3に示されるように、基板テーブル18は、平面モータ50を構成する可動子51の上面(定盤21対向面と反対側の面)にボイスコイルモータ等を含む支持機構32a、32b、32cによって異なる3点で支持されており、XY面に対して傾斜及びZ軸方向の駆動が可能になっている。支持機構32a〜32cは、主制御装置20によって独立に制御される(図7参照)。
【0027】
可動子51は、一種の空気静圧軸受け装置であるエアスライダ57と、エアスライダ57にその一部が上方から嵌合して一体化される平板状発磁体53と、平板状発磁体53に上方から係合する磁性体材料から成る磁性体部材52とを備えている。平板状発磁体53は、隣り合う磁極面の極性が互いに異なるようにマトリクス状に配列された複数の平板磁石から構成され、磁性体部材52とともに磁石ユニットを構成する。また、エアスライダ57によって、基板ステージWSTが定盤21の上面上に、例えば5μm程度のクリアランスを介して、浮上支持されている(図1及び図3参照)。
【0028】
定盤21は、図3に示されるように、上面が開口した中空の本体部35と、本体部35の開口部を閉塞するセラミック板36とを備えている。セラミック板36の可動子51に対向する面(上面)には、可動子51の移動面21aが形成されている。本体部35とセラミック板36とにより形成される定盤21の内部空間41には、移動面21aに沿ってXY2次元方向に9行9列のマトリクス状に9×9=81個の電機子コイル38が配置されている(図2参照)。電機子コイル38としては、図2に示されるように、熱伝導率の高い部材(熱伝導部材)39に回巻された正方形状コイルが用いられている。これらの電機子コイル38から、平面モータ50の固定子60が構成されている。なお、電機子コイル38それぞれに供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20(図7参照)によって制御される。
【0029】
セラミック板36の移動面21aと反対側(下面側)には、図3に示されるように、所定間隔で断面円形の多数の突起部36aが形成されている。突起部36aは、図2に示されるように、セラミック板36を本体部35に組み付けた場合に、隣接する4つの電機子コイル38相互間の空間に対応する位置に8×8=64個それぞれ設けられている。
【0030】
平面モータ50を冷却する冷却装置70について詳述する。
【0031】
図3に示されるように、定盤21の上部に形成された内部空間41に、黒塗り矢印の方向に、電機子コイル38を冷却するための顕熱変化する熱媒体がポンプ(不図示)により流される。顕熱変化する熱媒体として、例えば、水(冷却水)が好適である。なお、後述する蒸気圧縮冷凍サイクルにより内部空間41内の温度が変わらない場合には、真空ポンプ(ターボ分子ポンプ等)を用いて、内部空間41内を真空(例えば1×10-6〔Torr〕以下)にすることとしても良い。
【0032】
定盤21の本体部35には、電機子コイル38と同じ数のパイプ状の熱伝導素子71aが、電機子コイル38の中心と同じ位置に、本体部35を貫通して内設されている。熱伝導素子71aの上端は本体部35の上部に突出し、電機子コイル38が回巻された熱伝導部材39の孔部に嵌入されている。熱伝導素子71aの下端は本体部35の底部に設けられた流路71b内に突出している。流路71bは、全ての熱伝導素子71aの下端を繋ぐように蛇行して本体部35の底部に形成されている。
【0033】
熱伝導素子71aとして、例えばヒートパイプが好適である。ヒートパイプは、熱伝導率の高い材質から構成されるパイプ内に揮発性液体が封入されたもので、熱伝導素子71aの上端が電機子コイル38の発熱により加熱され、下端を後述する蒸気圧縮冷凍サイクルにより冷却することで、揮発性液体の蒸発(潜熱の吸収)と凝縮(潜熱の放出)とのサイクルが発生して、熱伝導素子71aの上端から下端に電機子コイル38の発熱を移動する。
【0034】
なお、本体部35の底部に流路71bを設けることに代えて、流路71bが形成された本体部35と独立の部材を本体部35を挟んで電機子コイル38の反対側に配置することとしてもよい。いずれにおいても、固定子60が設けられた定盤21の上部と本体部35と流路71bが形成された部分とが一体的に構成されて、カウンタマスとして機能する。
【0035】
上述の流路71bに白抜き矢印の方向に潜熱変化する熱媒体を流すことにより、熱伝導素子71aと流路71bとにより蒸発器71が構成される。潜熱変化する熱媒体として、HFC(ハイドロフルオロカーボン)(特にR−410A)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(特にR−123)等の冷媒が好適である。本実施形態では、HFC−410Aを採用する。
【0036】
冷却装置70は、図4に示されるように、上述の蒸発器71と圧縮機72と凝縮器73と膨張弁74とを含んで蒸気圧縮冷凍機を構成する。図5には、対応する蒸気圧縮冷凍サイクルが、実線及び破線を用いて示されている。図4及び図5において、冷媒の状態が、符号0〜3を用いて示されている。
【0037】
冷媒は、常温(23度)、高圧1.3MPa、気液率20%の状態0において、蒸発器71(流路71b)に入る。蒸発器71内において、冷媒は、熱伝導素子71aにより伝熱される電機子コイル38の熱を吸収して気化し、常温(23度)、高圧1.3MPaを維持したまま、ただし気液率100%の状態1に遷移して、蒸発器71(流路71b)から出る。
【0038】
蒸発器71からの冷媒は、状態1において、圧縮機72に入る。圧縮機72は、冷媒を断熱圧縮する。これにより、冷媒は、温度40度、圧力2.4MPa、気液率100%の状態2に遷移する。
【0039】
圧縮機72からの冷媒は、状態2において、凝縮器73に入る。凝縮器73は、工場用水aを汲み上げ、工場用水aと冷媒との間で熱交換して、冷媒を定圧定温(温度40度、圧力2.4MPa)で凝縮するとともに、気化した用水bを排水することにより、冷媒の熱を排熱する。これにより、冷媒は、状態3に遷移する。
【0040】
凝縮器73からの冷媒は、状態3において、膨張弁74に入る。膨張弁74は、冷媒を絞り膨張する。これにより、冷媒は、状態0(常温(23度)、高圧1.3MPa、気液率20%)に戻り、再び蒸発器71(流路71b)に入る。
【0041】
上述の冷却装置70において、例えば、蒸発器71(流路71b)の出口(さらに入口)に温度センサを設けて、冷媒の温度を測定することとしても良い。温度センサの測定結果は、主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その結果に基づいて圧縮機72と凝縮器73と膨張弁74とのうちの少なくとも1つを制御して、蒸発器71(流路71b)の入口における、すなわち状態0における冷媒の温度、圧力、流量、及び気液率のうちの少なくとも1つを制御する。
【0042】
発明者は、上述の冷却装置70による固定子60(電機子コイル38)の冷却シミュレーションを行った。図6(A)に示されるように、電機子コイル38は1000秒ごとに12500Wの発熱を繰り返すと仮定する。さらに、電機子コイル38が配列された内部空間41に流される冷却水の流量が毎分20l、電機子コイル38と冷却水との間の熱コンダクタンスが200W/K、ヒートパイプを介しての電機子コイル38と冷媒との間の熱コンダクタンスが2000W/K、蒸発器71(流路71b)の入口(状態0)での冷媒の温度23度(常温)、圧力1.3MPa、気液率20%とする。また、冷媒のスーパーヒート(過熱)は、圧縮機72に冷媒を入れる前に完全に気化させる必要があるので、2度に設定する。
【0043】
図6(B)には、電機子コイル38が配列された内部空間41に冷却水を流すのみの従来型の冷却方法におけるシミュレーションの結果として、内部空間41に流した冷却水の温度変化が示されている。冷却水の温度は、電機子コイル38の発熱の繰り返しに併せて、低温度27.5度と高温度30.2度の間で振動している。高低差は2.7度である。
【0044】
図6(C)には、上述の冷却装置70を用いた場合の冷却水の温度変化が示されている。冷却水の温度は、電機子コイル38の発熱の繰り返しに併せて、低温度23.35度と高温度23.60度の間で振動している。その高低差は、上の従来型の冷却方法における高低差2.7度に対して0.25度と約10倍小さい。さらに、温度は4度以上低い。従って、冷却装置70により、高効率で電機子コイル38が除熱できることが分かる。
【0045】
図7には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。制御系は、装置全体を統括制御するマイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)などを含む主制御装置20を中心として構成されている。
【0046】
次に、前述した基板ステージ装置30を含む露光装置100における露光動作の流れについて簡単に説明する。
【0047】
まず、主制御装置20の管理の下、レチクルローダ及びウエハローダ(いずれも不図示)によってそれぞれレチクルロード及びウエハロードが行われ、また、レチクルアライメント検出系13、基板テーブル18上の基準マーク板(不図示)、アライメント検出系ASを用いてレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が所定の手順に従って行われる。
【0048】
その後、主制御装置20により、アライメント検出系ASを用いてEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のアライメント計測が実行される。
【0049】
アライメント計測の終了後、以下のようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われる。露光動作にあたって、まず、ウエハWのXY位置が、ウエハW上の最初のショット領域(ファースト・ショット)の露光のための走査開始位置となるように、基板テーブル18が移動される。同時に、レチクルRのXY位置が、走査開始位置となるように、レチクルステージRSTが移動される。そして、主制御装置20が、レチクル干渉計16によって計測されたレチクルRのXY位置情報、ウエハ干渉計31によって計測されたウエハWのXY位置情報に基づき、レチクル駆動部(不図示)及び平面モータ50を介してレチクルRとウエハWとを同期移動させることにより、走査露光が行われる。このウエハWの移動は、主制御装置20により、電機子コイル38に供給する電流値及び電流方向の少なくとも一方を制御することにより行われる。
【0050】
このようにして、1つのショット領域に対するレチクルパターンの転写が終了すると、基板テーブル18が1ショット領域分だけステッピングされて、次のショット領域に対する走査露光が行われる。このようにして、ステッピングと走査露光とが順次繰り返され、ウエハW上に必要なショット数のパターンが転写される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の冷却装置70を備えることにより、電機子コイル38の熱は、定盤21の本体部35内に設けられた熱伝導素子71aを介して、定盤21の底部に配置された流路71b内の冷媒に伝熱され、この流路71bを有する蒸発器71を含んで蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する冷却装置70により効率良く除熱される。これにより、定盤21上の基板ステージWSTの周囲の雰囲気の揺らぎを抑えることが可能となる。そして、干渉計を用いて構成されるウエハ干渉計31の高い位置計測精度を維持することができ、ウエハW(基板ステージWST)の位置決め精度を向上するとともにスループットを改善することが可能となる。
【0052】
なお、冷却装置70を構成する蒸発器71及び圧縮機72を、図8に示される冷却装置70’のように、複数の電機子コイル38を複数(n)の組に分け、各組に対応する複数(n)の蒸発器71〜71及び圧縮機72〜72に置き換えてもよい。各組の電機子コイル38に接続する熱伝導素子71aの下端が、蒸発器71〜71のそれぞれが有する流路71b内に配置される。さらに、凝縮器73と膨張弁74についても、電機子コイル38の組に対応して、複数の凝縮器73と膨張弁74に置き換えても良い。すなわち、電機子コイル38の組毎に、図4に示される蒸気圧縮冷凍サイクルを構築することとしても良い。
【0053】
《第2の実施形態》
本発明の第2の実施形態を、図9及び図10を用いて説明する。
【0054】
第2の実施形態では、図9に示されるように、冷却装置70’’は2段構成の蒸気圧縮冷凍機を構成する。すなわち、第1の実施形態における蒸発器71を含んで構成された蒸気圧縮冷凍機を1次の蒸気圧縮冷凍機とし、1次の蒸気圧縮冷凍機を構成する凝縮器73の熱を排熱する2次の蒸気圧縮冷凍機が追加されている。
【0055】
2次の蒸気圧縮冷凍機の基本構成及びその機能を説明する。1次の蒸気圧縮冷凍機の基本構成及びその機能は、第1の実施形態における蒸気圧縮冷凍機(図4及び図5参照)のそれらと同じであるため、説明を省略する。
【0056】
2次の蒸気圧縮冷凍機は、図9に示されるように、1次の蒸気圧縮冷凍機を構成する凝縮器73と圧縮機75と第1及び第2凝縮器76,78と第1及び第2膨張弁77,79とを含んで構成される。冷媒(潜熱変化する熱媒体)として、HCFC−123を採用する。図10には、対応する蒸気圧縮冷凍サイクルが、実線及び破線を用いて示されている。図9及び図10において、冷媒の状態が、符号0’〜5’を用いて示されている。
【0057】
冷媒は、30度、圧力約0.1MPa、気液率25%の状態0’において、凝縮器73に入る。凝縮器73内において、冷媒は、1次の蒸気圧縮冷凍機の冷媒から熱を吸収して(熱交換して)気化し、30度、圧力約0.1MPa、気液率100%の状態1’に遷移する。
【0058】
凝縮器73からの冷媒は、状態1’において、圧縮機75に入る。圧縮機75は、冷媒を断熱圧縮する。これにより、冷媒は、温度110度、圧力1.0MPa、気液率100%の状態2’に遷移する。
【0059】
圧縮機75からの冷媒は、状態2’において、第1凝縮器76に入る。第1凝縮器76は、工場用水aを汲み上げ、工場用水a(例えば温度20度)と冷媒との間で熱交換して、冷媒を定圧定温(温度110度、圧力1.0MPa)で凝縮する。これにより、冷媒は、状態3’に遷移する。一方、工場用水aの温度は例えば50度になる。
【0060】
第1凝縮器76からの冷媒は、状態3’において、第1膨張弁77に入る。第1膨張弁77は、冷媒を絞り膨張する。これにより、冷媒は、温度70度、圧力0.4MPa(気液率30%)の状態4’に遷移する。
【0061】
第1膨張弁77からの冷媒は、状態4’において、さらに、第2凝縮器78に入る。第2凝縮器78は、工場用水a(温度50度)と冷媒との間で熱交換して、冷媒を定圧定温(温度70度、圧力0.4MPa)で凝縮する。これにより、冷媒は、状態5’に遷移する。一方、工場用水aは気化し(温度100度)、その気化した用水bを排水することにより、冷媒の熱を排熱する。
【0062】
第2凝縮器78からの冷媒は、状態5’において、第2膨張弁79に入る。第2膨張弁79は、冷媒を絞り膨張する。これにより、冷媒は、温度30度、圧力約0.1MPa、気液率25%の状態0’に戻り、再び凝縮器73に入る。
【0063】
上述の冷却装置70’’において、例えば、蒸発器71(流路71b)の出口(さらに入口)に温度センサを設けて、冷媒の温度を測定することとしても良い。温度センサの測定結果は、主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その結果に基づいて圧縮機72と凝縮器73と膨張弁74とのうちの少なくとも1つを制御して、蒸発器71(流路71b)の入口における、すなわち状態0における1次の蒸気圧縮冷凍機の冷媒の温度、圧力、流量、及び気液率のうちの少なくとも1つを制御する。さらに或いはこれに代えて、主制御装置20は、圧縮機75と第1及び第2凝縮器76,78と第1及び第2膨張弁77,79のうちの少なくとも1つを制御して、凝縮器73の入口における、すなわち状態0’における2次の蒸気圧縮冷凍機の冷媒の温度、圧力、流量、及び気液率のうちの少なくとも1つを制御する。
【0064】
排熱に要する工場用水の流量を考える。電機子コイル38の発熱をQ=70kWと仮定する。電機子コイル38が配列された内部空間41に冷却水を流すのみの従来型の冷却方法の場合、工場用水の温度を20度、排熱用水の温度を35度(温度差ΔT=15度)として、電機子コイル38の発熱を排熱するには毎分67lの流量を要することとなる。これに対し、本実施形態の冷却装置70’’を採用した場合、工場用水は、上述の通り第1及び第2凝縮器76,78により20度から100度に加熱され且つ気化する。この工場用水が吸収する単位流量〔毎分1l〕あたりの熱量は約43kWである。従って、電機子コイル38の発熱Q=70kWを排熱するには、毎分1.6lの流量を要することとなる。これは、従来型の冷却方法の場合に要する工場用水の流量の約40分の1である。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の冷却装置70を含んで2段構成の蒸気圧縮冷凍機を構成する冷却装置70’’を採用することにより、少ない量の工場用水を用いて効率的に電機子コイル38の熱を排熱することが可能となる。これにより、定盤21上の基板ステージWSTの周囲の雰囲気の揺らぎを抑えることが可能となる。そして、干渉計を用いて構成されるウエハ干渉計31の高い位置計測精度を維持することができ、ウエハW(基板ステージWST)の位置決め精度を向上するとともにスループットを改善することが可能となる。また、少ない量の工場用水を用いて効率的に排熱できるため、経済的でもある。
【0066】
なお、上述の実施形態では、本発明が、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば国際公開第99/49504号、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号、米国特許第6,952,253号明細書などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置にも本発明を適用することができる。また、例えば国際公開第2007/097379号(対応米国特許出願公開第2008/0088843号明細書)に開示される、液浸露光装置などにも、本発明を適用することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明は適用することができる。さらに、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも本発明を適用できる。また、例えば国際公開第2005/074014号などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも本発明は適用が可能である。
【0068】
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、前述の照明領域及び露光領域はその形状が矩形であるものとしたが、これに限らず、例えば円弧、台形、あるいは平行四辺形などでも良い。
【0069】
なお、上記実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0070】
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置に本発明を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。
【0071】
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
【0072】
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
【0073】
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
【0074】
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【符号の説明】
【0075】
12…ベース盤、21…定盤、30…基板ステージ装置、38…電機子コイル、41…内部空間、50…ステージ駆動系(平面モータ)、70…冷却装置、71…蒸発器、71a…熱伝導素子、71b…流路、72,75…圧縮機、73,76,78…凝縮器、74,77,79…膨張弁、100…露光装置、W…ウエハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース上で移動する移動体と、
前記ベース内に配列された複数のコイルユニットを含む固定子と前記移動体内に設けられた少なくとも1つの磁石ユニットを含む可動子とから構成される駆動装置と、
前記複数のコイルユニットを挟んで前記移動体の逆側に配置され、前記複数のコイルユニットのうちの少なくとも一部に前記ベース内に設けられた熱伝導素子を介して接続する流路を有し、該流路に潜熱変化する第1熱媒体が流れる蒸発器を含んで第1蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する冷却装置と、を備える移動体装置。
【請求項2】
前記蒸発器には前記第1熱媒体の温度を測定する温度センサが設けられ、
前記温度センサの測定結果に基づいて、前記第1熱媒体の温度、圧力、流量、及び気液率のうちの少なくとも1つを制御する制御系をさらに備える、請求項1に記載の移動体装置。
【請求項3】
前記冷却装置は、前記複数のコイルユニットに接続する複数の前記流路をそれぞれ有する前記蒸発気を複数含む、請求項1又は2に記載の移動体装置。
【請求項4】
前記第1蒸気圧縮冷凍サイクルは、さらに、前記蒸発器からの前記第1熱媒体を断熱圧縮する圧縮機と、該圧縮機からの前記第1熱媒体を定圧冷却して凝縮する凝縮器と、該凝縮器からの前記第1熱媒体を絞り膨張する膨張弁と、を含んで構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動体装置。
【請求項5】
前記凝縮器は、前記第1熱媒体と用水との間で熱交換する、請求項4に記載の移動体装置。
【請求項6】
前記冷却装置は、さらに、前記凝縮器との間で熱交換する別の蒸発器を含んで第2蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する、請求項4に記載の移動体装置。
【請求項7】
前記第2蒸気圧縮冷凍サイクルは、さらに、前記別の蒸発器からの潜熱変化する第2熱媒体を断熱圧縮する別の圧縮機と、該別の圧縮機からの前記第2熱媒体を凝縮する第1凝縮器と、該第1凝縮器からの前記第2熱媒体を絞り膨張する第1膨張弁と、該第1膨張弁からの前記第2熱媒体を凝縮する第2凝縮器と、該第2凝縮器からの前記第2熱媒体を絞り膨張する第2膨張弁と、を含んで構成される、請求項6に記載の移動体装置。
【請求項8】
前記第1及び第2凝縮器は、前記第2熱媒体と用水との間で熱交換する、請求項7に記載の移動体装置。
【請求項9】
前記複数のコイルユニットが配列された前記ベース内の空間に顕熱変化する第3熱媒体が流れる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体装置。
【請求項10】
前記ベースと前記流路とを含んで前記移動体に対するカウンタマスが構成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の移動体装置。
【請求項11】
エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光装置であって、
前記物体を保持する前記移動体を駆動する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の移動体装置を備える露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105815(P2013−105815A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247280(P2011−247280)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】