説明

移動体通信端末試験装置及び試験結果表示方法

【課題】LTE通信方式に沿ってEVM又は送信電力測定の結果を、割当帯域と非割当帯域とに分けてそれぞれを識別可能に表示する移動体通信端末試験装置を提供する。
【解決手段】通信チャネル及び割当帯域を示す制御情報を含む試験信号を移動体通信端末に送り、前記移動体通信端末が出力した試験信号を受信して出力された波形データを解析し所定の測定項目の測定値をシンボル単位で求め、求めたシンボル単位の測定値をグラフ表示し、かつ、該グラフ上の割当帯域と、前記通信チャネル内の非割当帯域とを識別可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば被測定物或いは被測定信号を測定し、その測定データを表示する試験装置に関する。特に、本発明は、移動体通信端末からの信号を測定し、該信号のチャネル内において移動体通信端末に割当てた割当帯域における測定結果と、該チャネル内の割当帯域以外の帯域における測定結果とを、それぞれ識別可能に表示する試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信端末の送受信特性を試験する移動体通信端末試験装置が従来から知られている。この移動体通信端末試験装置は、移動体通信端末へ信号を送信する送信部と、移動体通信端末からの信号を受信する受信部とを有し、疑似基地局として動作することで、移動体通信端末と信号を送受信することで、該移動体通信端末の試験を行っている。
【0003】
移動体通信端末の試験項目としては、移動体通信端末からの信号の帯域(以下「帯域チャネル」と呼ぶ)内における理想変調信号に対する測定変調信号の位置ずれの度合いを測定するEVM(Error Vector Magnitude)測定が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、移動体通信端末からの信号のレベルを測定する移動体通信端末試験装置が公開されている。
【0005】
一方で、次世代の移動体通信規格であるLTE(Long Term Evolution)では、複数のチャネル幅(1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、又は、20MHz)が3GPPの規格で規定されている。
【0006】
LTEでは、通信方式として周波数分割多重方式が採用されており、これにより、帯域チャネルのうち実際に通信で使用される1つのチャネル(以下「送信チャネル」と呼び、送信チャネルの帯域幅を「送信チャネル幅」と呼ぶ)で複数の移動体通信端末の通信が多重される。そのため、1つの移動体通信端末が1つの送信チャネルの周波数帯域全てを使用することはほとんど無く、1つの移動体通信端末には、1つの送信チャネルの周波数帯域のうち、一部の周波数帯域が割り当てられて通信が行われる。この帯域の割当はRB(Resource Block)と呼ばれる単位で行われる。
【0007】
具体的には、LTEシステムでは、単位周波数帯域幅ΔF(例えば、ΔF=12のサブキャリア)の周波数範囲、及び単位時間幅(例えば、ΔT=0.5ms=1スロット=7のシンボル数)のデータ束を1つのリソースブロック(以下、単に「RB」と言う。)とし、そのRB単位で形成される、単位時間幅ΔTと周波数帯域幅nΔF(nは1から始まる整数)からなるブロック(以下、「カレントブロック」と言う。n=1の場合は、カレントブロック=RBとなる。)を、時間経過と共に、周波数―時間領域にて、ディジタル通信信号をホッピング状に変化させて伝送している。言い換えれば、単位時間幅ΔT毎に、周波数帯域がF〜F+nΔF(カレントブロックの周波数範囲)の周波数Fと帯域幅の大きさを示すnの値が変化する。ただし、周波数Fは、単位時間幅ΔTの2倍(2スロット)毎に変わる可能性がある。
【0008】
また、単位時間幅ΔT毎に周波数の外にも、変調方式、伝送レート、パワー等の伝送条件を規定(これらを纏めて「伝送情報」と言う。)して伝送している。これらの伝送情報の変更は、伝搬状況に応じて伝送品質を確保するために局側からコントロールされて行われる。
【0009】
なお、上記の伝送情報の一部は、ディジタル通信信号を規定するデータフォーマットに組み込まれている。以下、そのデータフォーマットについて説明しておく。ディジタル信号は、図7に示すようなデータフォーマットで伝送される。図7で1フレームは10ms(m秒)で、10個のサブフレームで構成されている。その中にP−SS(第1の同期信号)やS−SS(第2の同期信号)を含むサブフレームが0番目と5番目に存在する。各サブフレームは、複数のRBで構成されている。各RBは、図7(b)に示すように時間軸方向に1スロットで構成され、1スロットは、時間軸に沿って7個のシンボルデータで構成される。1RBの縦軸は、図7(b)に示すようによう12サブキャリアで構成されている。サブキャリアは15kHz間隔に設定されている。そして、RBには、図7(b)及び(c)の模様で示すように各シンボルに搭載されるデータが決められている。図7(b)及び(c)で、P−SS(Primary synchronization signal)、S−SS(Secondary synchronization Signal)は、ディジタル信号を同期して送受するのに用いられる第1の同期信号、第2の同期信号である。PBCH(Physical Broadcast Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びRS(Reference Signal)がある。中でも、PDCCHは、PDSCHの変調方式(例えば、QPSK変調、16QAM、64QAM等)、及びRBを制御するコントロール情報が含まれている。PDSCHには、ユーザのデータが含まれており、PDCCHで制御された変調方式で変調されている。なお、変調方式が変わるのは、その時の伝搬状況等により伝送品質を確保するためである。RSは、基準信号とも言われ、無線端末(移動局)側の受信装置が復調する際の基準信号として使用されたり、伝搬路の等化(イコライゼーション)に使用されたりするものである。
【0010】
また、アップリンクにおいては、変調方式としてSC−FDMAを用いる。SC−FDMAでは、周波数ドメインの各サブキャリアを時間ドメインのシンボルに変換したうえで通信を行う。なお以降は、1スロットを時間ドメインに沿って構成するシンボル(1スロットに含まれる7シンボル)を「時間方向のシンボル」と呼び、各サブキャリアを周波数ドメインから時間ドメインに変換したシンボルを「周波数方向のシンボル」と呼ぶ。また、単に「シンボル」と呼ぶ場合、周波数方向のシンボルの位置及び時間方向のシンボルの位置により特定される、1つのシンボルを指すものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−46431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来(例えば、特許文献1)の移動体通信端末試験装置では、上述したEVM測定の結果が、一方の軸を周波数、他方の軸を測定値(信号のレベル又はEVM)とする2次元のグラフ上に表示される。このとき、該移動体通信端末試験装置は、周波数軸として移動体通信端末の送信チャネル幅全体を表示する。
【0013】
LTEに沿ってEVM測定の結果を、移動体通信端末へ割当てられた帯域に該当するRB(以下「割当帯域」と呼ぶ)における測定結果と、送信チャネル内の割当帯域以外の帯域に該当するRB(以下「非割当帯域」と呼ぶ)における測定結果を表示しようとした場合、従来の方法では、双方の測定結果が混在して表示されることになる。
【0014】
この場合、割当帯域における測定結果と非割当帯域における測定結果とが識別可能に表示されないため、試験者は表示されたグラフから割当帯域の測定値に該当する部分を遂次読出す必要があり、測定結果の解析や良否の判断に手間がかかっていた。
【0015】
上記問題に対し、割当帯域の測定結果と非割当帯域の測定結果とを識別可能に表示する対処が考えられる。しかし、移動体通信端末が送信した信号には、割当帯域を示す制御情報が含まれていない。そのため、移動体通信端末試験装置が、移動体通信端末からの信号を、該信号に含まれる情報を基に、割当帯域に該当する部分と非割当帯域に該当する部分とに分けて、それぞれを識別することが困難であった。
【0016】
本発明は上記の問題を解決するものであり、LTEにおけるEVM測定に関し、割当帯域における測定結果と非割当帯域における測定結果とを識別可能に表示する移動体通信端末試験装置及び試験結果表示方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、通信チャネル及び前記通信チャネル内において移動体通信端末に割り当てられた割当帯域を示す制御情報を含む信号を前記移動体通信端末に送信する信号送信部(12)と、前記制御情報に基づいて前記移動体通信端末が出力した試験信号を受信して波形データとして出力する信号受信部(14)と、前記波形データを基に、所定の測定項目の測定値をシンボル単位で測定する信号解析部(15)と、LTE通信方式に対応して、前記信号送信部、前記信号受信部及び前記信号解析部に、前記通信チャネルと、前記通信チャネルの帯域幅、及び、前記割当帯域の帯域幅を含む試験条件を通知する制御部(11)と、前記信号解析部で測定した測定値を表示する表示部(17)と、前記表示部に、横軸を前記通信チャネルの帯域幅に対応する周波数方向のシンボル、縦軸を測定値とする座標を表示し、前記座標上に前記信号解析部による前記測定値をグラフ表示し、かつ該グラフ上の前記割当帯域と、前記通信チャネル内の前記割当帯域以外の帯域とを識別可能に表示する表示制御部(16)とを備えることを特徴とする移動体通信端末試験装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動体通信端末試験装置であって、前記所定の測定項目は、前記通信チャネルの帯域内における理想変調信号に対する測定変調信号の位置ずれの度合いを示すEVMまたは前記移動体通信端末の送信電力のいずれかであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、試験結果表示方法であって、通信チャネルと、前記通信チャネルの帯域幅と、前記通信チャネル内において移動体通信端末に割り当てられた割当帯域とを含む測定条件を基に、移動体通信端末に、LTE通信方式に対応して、前記測定条件に基づく制御情報を含む信号を送信する送信ステップと、前記制御情報に基づいて前記移動体通信端末が出力した試験信号を受信して波形データとして出力する波形データ出力ステップと、前記波形データを基に、少なくとも前記割当帯域の範囲において所定の測定項目の測定値をシンボル単位で測定する測定ステップと、横軸を前記通信チャネルの帯域幅に対応する周波数方向のシンボル、縦軸を前記測定値とする座標を表示する座標表示ステップと、前記通信チャネルと、前記通信チャネルの帯域幅と、前記割当帯域とを基に、前記割当帯域内のシンボルにおける前記測定値を、前記割当帯域を横軸の位置とし、前記測定値を縦軸の位置とする第1のグラフを前記座標上に表示する測定値表示ステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の試験結果表示方法であって、前記測定ステップにおいて、更に、前記通信チャネル内の前記割当帯域以外の非割当帯域における信号の測定値をシンボル単位で測定し、前記測定値表示ステップにおいて、更に、前記非割当帯域内のシンボルを横軸の位置とし、前記非割当帯域における信号の測定値を縦軸の位置とする第2のグラフを、前記第1のグラフと識別可能に、前記座標上に表示することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の試験結果表示方法であって、前記測定値表示ステップにおいて、前記第1のグラフと、前記第2のグラフとのうち、少なくともいずれか一方に色をつけて表示することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の試験結果表示方法であって、前記測定値表示ステップにおいて、前記第1のグラフを表示する領域と、前記第2のグラフを表示する領域とのうち、少なくともいずれか一方に色をつけて表示することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の試験結果表示方法であって、前記所定の測定項目は、前記通信チャネルの帯域内における理想変調信号に対する測定変調信号の位置ずれの度合いを示すEVMまたは前記移動体通信端末の送信電力のいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、横軸を移動体通信におけるシンボル、縦軸をEVMとする座標に対して、移動体通信端末からの信号のEVMの測定値を、制御部から受信した少なくとも割当帯域を含む測定条件を基に、割当帯域における測定値と非割当帯域における測定値とに分けて、それぞれを識別可能に表示する。
【0019】
これにより試験者は、表示されたグラフから割当帯域の測定値に該当する部分を容易に識別することが可能となり、測定結果の良否を容易に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】移動体通信端末試験装置の機能ブロック図である。
【図2】移動体通信端末試験装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のみを表示し、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフを表示する領域と、非割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフを表示する領域とを色分けして表示した場合の表示例である。
【図4】シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のみを表示した場合の表示例である。
【図5】シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフと、非割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフとを色分けして表示した場合の表示例である。
【図6】シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフを表示する領域と、非割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフを表示する領域とを色分けして表示した場合の表示例である。
【図7】ディジタル通信におけるデータフォーマットを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、本発明に係る移動体通信端末試験装置の構成について図1を参照しながら説明する。
【0022】
(構成)
本発明に係る移動体通信端末試験装置1は、LTE通信方式に対応した移動体通信端末2からの信号のEVMを測定する移動体通信端末試験装置である。移動体通信端末試験装置1は、操作部10と、制御部11と、移動体通信端末2が試験信号を送信するための制御情報を移動体通信端末2に送信する信号送信部12と、方向性結合器13と、移動体通信端末2から返送された信号を受信する信号受信部14と、信号受信部14が受信した信号の波形データを解析する信号解析部15と、表示部17と、該解析の結果を可視化して表示部17に表示させる表示制御部16とで構成される。以下に各部の詳細について説明する。
【0023】
操作部10は、試験者が測定の条件の設定や試験の実行を指示するためのインタフェースである。試験者は、操作部10から、移動体通信端末2からの信号のEVMに関する測定の条件としての移動体通信端末2が送信する信号の送信チャネル幅(1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、又は、20MHz)や、送信チャネル内において移動体通信端末2に割り当てる帯域を設定する。
【0024】
制御部11は、操作部10で指定された移動体通信端末2に割当てる帯域から割当帯域(RB)を特定する。なお、送信チャネル内で同時に利用可能なRBの数は送信チャネル幅により異なる。例えば、送信チャネル幅が20MHzの場合、同時に利用可能なRBの数は100となる。同様に、送信チャネル幅が10MHzの場合、同時に利用可能なRBの数は50となる。本件は、3GPPの規格により定められている。
【0025】
また制御部11は、操作部10で指定された送信チャネル幅と特定した割当帯域を基に、移動体通信端末2が指定された送信チャネル幅及び割当帯域に従い試験信号を送信するための制御情報を作成する。この制御情報は、DCI(Downlink Control Information:ダウンリンク制御情報)と呼ばれ、送信チャネル幅、移動体通信端末に割り当てられたカレントブロック(つまり割当帯域)、変調方式、伝送レートを示す情報等の伝送情報が含まれている。
【0026】
制御部11は、送信チャネル幅及び割当帯域の情報を含むDCIを測定条件として設定値記憶部110に記憶する。制御部11は、信号送信部12、信号受信部14、及び、信号解析部15に該測定条件を送信するとともに、各部の動作を制御する。信号送信部12、信号受信部14、及び、信号解析部15については後述する。
【0027】
信号送信部12は、移動体通信端末2が試験信号を送信するための制御情報を移動体通信端末2に送信する送信手段121と、送信手段121の動作を制御する送信制御手段120とで構成される。
【0028】
送信制御手段120は、制御部11からの指示を受け、操作部10からDCIを受信し、該DCIを移動体通信端末2に送信するように、送信手段121に指示する。
【0029】
送信手段121は、送信制御手段120の指示を受け、該DCIを送信信号(搬送波)に乗せて、後述する方向性結合器13を介して移動体通信端末2に送信する。移動体通信端末2は、送信手段121から受信した送信信号に含まれる該DCIに基づいて、該DCIで指定された送信チャネル及び割当帯域に従って、試験信号を移動体通信端末試験装置1に送信する。
【0030】
方向性結合器13は、送信手段121からの試験信号を移動体通信端末2に伝送する。また、方向性結合器13は、移動体通信端末2から送信された試験信号を受信手段140に伝送する。
【0031】
信号受信部14は、移動体通信端末2から返送される試験信号を受信しディジタル信号のデータ(以下「波形データ」と呼ぶ)に変換する受信手段140と、波形データを記憶する波形メモリ141とで構成される。
【0032】
受信手段140は、制御部11から測定条件として送信チャネル幅及び割当帯域を受け、受信周波数を制御する。これにより、受信手段140の受信周波数が、移動体通信端末2から出力される試験信号の搬送周波数と等しくなるように制御される。
【0033】
受信手段140は、周波数変換手段、A/D変換手段、直交復調手段及び信号波形記憶手段で構成される。この受信手段140は、移動体通信端末2から、直交周波数分割多重によるディジタル通信信号であって、図7に係るデータフォーマットのフレームを有する変調信号で変調されたディジタル通信信号を受けて、周波数変換手段によりディジタル通信信号の周波数を中間周波数の信号に変換する。A/D変換手段は中間周波数の信号をディジタルデータに変換する。そして、直交復調手段は、IとQの互いに直交するデータに分離して(以下、それぞれを「Iデータ」、「Qデータ」と言うことがある。)、復調する。そして、ディジタルの復調データを受信の時間経過に対応させて波形メモリ141に記憶させる。
【0034】
波形メモリ141は、受信手段140から出力される移動体通信端末2からの試験信号の波形データを記憶する。なお、この波形メモリ141は、例えばデータの書き込みとデータの読出しとが独立に行なえる構造のものである。
【0035】
波形メモリ141に記憶された波形データは、信号解析部15によって読み出され解析される。信号解析部15は、波形メモリ141から波形データを読出し信号処理を施す信号処理部150と、波形データを解析し移動体通信端末2からの信号の送信電力又はEVMを測定する測定手段151と、解析結果を記憶する解析結果メモリ152とで構成される。
【0036】
復調データは、いわば図7の変調データと同様のフレームのデータフォーマットであり、そのフォーマットの時間位置の順に取得されるが、フレームは次から次と到来するので、そのままでは、そのフレームの位置が不明瞭である。
【0037】
そこで、信号処理部150における同期処理部1502において、波形メモリ141から読出された復調データに含まれる第1の同期信号P−SS、及び第2の同期信号S−SSのいずれかもしくは双方を用いて、復調データと同期をとる。つまり、復調データのフレーム位置、例えば、その先頭位置を知ることができる。
【0038】
信号処理部150は、同期処理部1502の処理結果を基にフレームの先頭位置を特定し、1スロット内に含まれる時間方向のシンボルそれぞれのシンボル番号(以下「時間方向のシンボル番号」と呼ぶ)を特定する。また信号処理部150は、時間方向のシンボル番号を特定したら、時間方向のシンボルそれぞれに対応する周波数方向のシンボルそれぞれのシンボル番号(以下「周波数方向のシンボル番号」と呼ぶ)を特定する。時間方向のシンボル番号と周波数方向のシンボル番号により、個々のシンボルを特定することが可能となる。
【0039】
FFT処理部1501は、フレーム位置を知ることができるので、例えば、少なくともフレームの先頭位置からの1サブフレーム(2スロット、T=1ms)単位で、波形メモリ141から読出された復調データをFFT処理して、時間領域データを周波数領域データに変換し、更にIDFT処理を施し、周波数領域のデータに含まれる各周波数成分を時間領域のデータ(周波数方向のシンボル)に変換したうえで、測定手段151に送る。FFT処理は、図7のような復調データであるとしたとき、図7(b)の各時間方向のシンボルにおけるデータ毎に行われ、そのときの、各周波数成分を出力する。少なくともカレントブロックを構成する周波数範囲(上記のF〜F+nΔF)の成分(帯域はnΔF、つまりRBの帯域のn倍である。nは1,2,3,・・・の整数である。)を含む成分を出力する。また、IDFT処理はFFT処理により出力された各周波数成分におけるデータ毎に行われ、各周波数成分に対応する周波数方向のシンボルごとのデータを出力する。
【0040】
測定手段151は、同時に利用可能な周波数方向のシンボルごとにEVMを測定する。測定手段151は、EVMを次のようにして測定する。時間方向のシンボルそれぞれに対応する周波数方向のシンボルごとに、IQ平面上において、理想の信号とFFT処理部1501の出力(IデータとQデータ)とのベクトルの差を算出する。
【0041】
例えば、Tk時間の時間方向のシンボル及びサブキャリア周波数に対応する周波数方向のシンボルFhについての理想信号のベクトル(IQ平面でのベクトル)をR(Tk、Fh)で表し、そのTk時間のシンボル及びサブキャリア周波数に対応する周波数方向のシンボルFhのときの復調データにおけるベクトルをM(Tk、Fh)で表したときに、1シンボルにおけるEVMは次の式で示される。
{M(Tk、Fh)―R(Tk、Fh)}
【0042】
解析結果メモリ152は、測定手段151で測定されたシンボル単位のEVMの測定値を、各シンボルのシンボル番号(時間方向のシンボル番号及び周波数方向のシンボル番号)とともに記憶する記憶領域である。解析結果メモリ152は、各測定値を記憶するときに、制御部11から測定条件として送信チャネル幅及び割当帯域を受け、各シンボルのシンボル番号と照合することにより、シンボル単位のEVMの各測定値を、割当帯域を構成するシンボルごとの測定値と、非割当帯域に対応するシンボルごとの測定値とを、例えばそれぞれを識別する情報を付加する等により、それぞれ識別可能に記憶する。
【0043】
表示部17は、解析結果メモリ152に記憶された解析結果を基に可視化されたグラフを表示する表示手段である。表示部17に表示されるグラフは、後述する表示制御部16により生成される。
【0044】
表示制御部16は、解析結果メモリ152に記憶された、シンボル単位のEVMの測定値を、グラフとして可視化し表示部17に表示させる。表示制御部16は、まず、シンボル単位のEVMの測定値を表示させるための座標系を作成し、表示部17に表示させる。
【0045】
図3にはシンボル単位のEVMの測定結果の表示例が示されている。図3に示すように、表示制御部16は、横軸を周波数方向のシンボル(以下「Demod Symbol」と呼ぶ場合がある)とし、縦軸をEVMとする座標系(以下「第1の座標系」と呼ぶ)を作成する。また第1の座標系では全シンボルの結果を表示することができない。そのため、表示制御部16は、横軸を時間方向のシンボル(以下「SC−FDMA symbol」と呼ぶ場合がある)、縦軸をEVMとする座標系(以下「第2の座標系」と呼ぶ)を作成する。第1の座標系と第2の座標系をあわせて表示することにより、第1の座標系で指定した横軸の位置(Demod Symbol)と、第2の座標系で指定した横軸の位置(SC−FDMA symbol)とにより、それぞれのシンボルを特定することが可能となる。
【0046】
なお表示制御部16は、第1の座標系の横軸の表示範囲を同時に利用可能な周波数方向のシンボル(Demod Symbol)の範囲とする。例えば、図3に示した例は送信チャネル幅が20MHzの場合を示しており、同時に利用可能なRBの数は100である。そのため、周波数方向のシンボルの数は、(RBあたりの周波数方向のシンボルの数:12)×(RBの数:100)=1200となり、第1の座標系の横軸の範囲は0〜1199となる。また、表示制御部16は、第2の座標系の横軸の表示範囲を、1スロットを構成する時間方向のシンボル(SC−FDMA symbol)の範囲とする。1スロットを構成する時間方向のシンボルの数は7であるため、第2の座標系の横軸の範囲は0〜7となる。
【0047】
また表示制御部16は、第1の座標系及び第2の座標系の縦軸の表示範囲として、例えば下端を0%としたうえで、RBそれぞれのEVMを表示可能な範囲として上端を決定する。このとき、解析結果メモリ152に記憶された測定値を基に上端を決定してもよいし、固定値として決定してもよい。以降では、縦軸の上端を50%の固定値とするものとして説明する。
【0048】
なお上記では、各軸の表示範囲を表示制御部16が自動的に決定するものとして説明しているが、表示操作部(図示しない)を設け、該表示操作部からの試験者による操作により表示範囲を変更可能としてもよい。
【0049】
表示制御部16は、座標系を作成したら、該座標系上に各RBに対応する測定値をグラフとして表示させる。具体的には、表示制御部16は、シンボル単位のEVMの測定値を表示させる場合、シンボル単位のEVMの測定値を第1の座標系上に周波数方向のシンボル(Demod Symbol)ごとに表示し、第2の座標系に時間方向のシンボル(SC−FDMA Symbol)ごとに表示する。
【0050】
このとき表示制御部16は、第1の座標系に表示した測定値と第2の座標系に表示した測定値とをリンクさせる。このとき表示制御部16は、所定のシンボルを基準として第1の座標系上及び第2の座標系上にシンボルごとのEVMの測定値を表示させる。なお、前記所定のシンボルは、表示操作部(図示しない)から操作者により指定されたシンボルでも良いし、表示制御部16が設定した特定のシンボル番号のシンボルでも良い。
【0051】
例えば、時間方向のシンボル番号2とし周波数方向のシンボル番号279に該当するシンボルがマークされているものとして、測定結果を表示するものとする。この場合、第1の座標系上には、1スロット内の時間方向のシンボルのシンボル番号2に該当する周波数方向のシンボルの測定結果を、横軸の位置を周波数方向のシンボル(Demod Symbol)の位置とし、縦軸の位置を各周波数方向のシンボルのEVMの測定値として測定結果を表示させる。このとき、第2の座標系上には、周波数方向のシンボルのシンボル番号279に該当する時間方向のシンボルの測定結果を、横軸の位置を時間方向のシンボルの位置とし、縦軸の位置を各時間方向のシンボルのEVMの測定値の位置として表示させる。
【0052】
表示制御部16は、EVMの測定値を座標系上に表示させる場合、各測定値に付された割当帯域と非割当帯域とを識別する識別子を基に、割当帯域に該当する測定値と、非割当帯域に該当する測定値とを区別して表示方法を変更する。
【0053】
例えば、表示制御部16は、割当帯域に該当するシンボルの測定結果のみを各座標系上に表示するようにしてもよい。図4は、シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のみを表示した場合の表示例である。
【0054】
割当帯域の測定結果のみを表示する場合は、測定手段151は、非割当帯域に該当するシンボルの測定に係る処理を省略し、割当帯域の測定結果のみを解析結果メモリ152に記憶するようにしても良い。このとき、表示制御部16は、解析結果メモリ152に記憶された割当帯域に該当するシンボルの測定値のみを読出し、測定結果を表示することになる。
【0055】
また、表示制御部16は、割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフと、非割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフとのうち、少なくともいずれか一方に色を付けることで、それぞれを識別可能に表示するようにしてもよい。図5は、シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフと、非割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフとを色分けして表示した場合の表示例である。
【0056】
また、表示制御部16は、割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフを表示する領域と、非割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフを表示する領域とのうち、少なくともいずれか一方に色を付けることで、それぞれを識別可能に表示するようにしてもよい。図6は、シンボル単位のEVMの測定結果として、割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフを表示する領域と、非割当帯域に該当するシンボルにおける測定値のグラフを表示する領域とを色分けして表示した場合の表示例である。
【0057】
(処理)
次に、移動体通信端末試験装置1における、移動体通信端末2からの信号のEVMの測定結果の表示に係る処理について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2は、移動体通信端末試験装置1の処理を示すフローチャートである。
【0058】
(ステップS1)
まず、制御部11は、試験者が指定した送信チャネル幅及び移動体通信端末2に割当てる帯域を操作部10から受けて、割当帯域(RB)を特定し、該送信チャネル幅及び該割当帯域を基にDCIを作成し、作成したDCIを測定条件として設定値記憶部110に記憶させる。設定値記憶部110に記憶された測定条件は、制御部11により、信号送信部12、信号受信部14、及び、信号解析部15の各部が動作するタイミングにあわせて送信される。また、制御部11は、信号送信部12にDCIを送信し、移動体通信端末2に該DCIを含む信号の送信を指示する。信号送信部12は、制御部11からの指示に従い送信信号を送信し、移動体通信端末2は、信号送信部12からの送信信号に含まれるDCIを基に、DCIで指定された送信チャネル幅及び割当帯域に従い試験信号を信号受信部14に送信する。
【0059】
(ステップS2)
次に、信号受信部14は、移動体通信端末2からの試験信号を受信し、中間周波数の信号に変換したうえで、ディジタルデータに変換し、直交復調したうえで波形データとして波形メモリ141に記憶させる。このステップS1及びステップS2が送信ステップ及び波形データ出力ステップに相当する。
【0060】
(ステップS3)
波形メモリ141に記憶された波形データは、信号処理部150により読出される。信号処理部150は、読出した波形データを信号処理することで、測定対象となる信号のフレーム位置と各RB及び各シンボルのシンボル番号(時間方向のシンボル番号及び周波数方向のシンボル番号)を特定する。測定手段151は、信号処理部150の信号処理結果を受けて、RBを構成するシンボルごとのEVMを測定し、各測定結果を解析結果メモリ152に記憶させる。このステップS3が測定ステップに相当する。
【0061】
解析結果メモリ152は、測定手段151からの各測定結果を記憶するときに、制御部11から測定条件として送信チャネル幅及び割当帯域を受け、シンボル単位のEVMの測定値を、割当帯域を構成するシンボルの測定値と、非割当帯域を構成するシンボルの測定値とを、それぞれを識別する情報を付加する等により、それぞれ識別可能に記憶する。
【0062】
(ステップS4)
次に、表示制御部16は、座標系を作成し表示部17に表示させる。具体的には表示制御部16は、該座標系として、横軸を周波数方向のシンボル(Demod Symbol)とし縦軸をEVMとする第1の座標系と、横軸を時間方向のシンボル(SC−FDMA symbol)とし縦軸をEVMとする第2の座標系とを表示させる。このステップS4が座標表示ステップに相当する。
【0063】
(ステップS5)
次に、表示制御部16は、解析結果メモリ152に記憶されたシンボル単位のEVMの測定値をグラフとして該座標系上に表示させる。このステップS5が測定値表示ステップに相当する。
【0064】
具体的には、表示制御部16は、シンボル単位のEVMの測定値を、第1の座標系上と第2の座標系上に表示させる。このとき表示制御部16は、第1の座標系上に、1スロット内の所定の時間方向のシンボル(例えば、シンボル番号2に相当するシンボル)に該当する周波数方向のシンボルの測定結果を、横軸の位置を周波数方向のシンボル(Demod Symbol)の位置とし、縦軸の位置を各周波数方向のシンボルのEVMの測定値として測定結果を表示させる。また表示制御部16は、第2の座標系上に、所定の周波数方向のシンボル(例えば、シンボル番号279に相当するシンボル)に該当する時間方向のシンボルの測定結果を、横軸の位置を時間方向のシンボル(SC−FDMA Symbol)、縦軸の位置を各時間方向のシンボルのEVMの測定値の位置として測定結果を表示させる。
【0065】
このとき表示制御部16は、各測定値に付された割当帯域と非割当帯域とを識別する識別子を基に、割当帯域に該当する測定値と、非割当帯域に該当する測定値とを区別して表示方法を変更する。
【0066】
具体的には、図4に示すように表示制御部16が、割当帯域に該当するシンボルの測定結果のみを各座標系上に表示させるようにしても良い。また、図5に示すように表示制御部16が、割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフと、非割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフとのうち、少なくともいずれか一方に色を付けることで、それぞれを識別可能に表示するようにしてもよい。また、図6に示すように表示制御部16が、割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフを表示する領域と、非割当帯域に該当するシンボルの測定値のグラフを表示する領域とのうち、少なくともいずれか一方に色を付けることで、それぞれを識別可能に表示するようにしてもよい。
【0067】
なお、ステップS4とステップS5で、表示制御部16は、座標系と測定値を個々に表示しているが、ステップS4で座標系の表示データを準備し、ステップS5で測定値の表示データを準備した後に、表示部17に座標系と測定値とを一度に表示すようにしても良い。
【0068】
また、上記はシンボルごとのEVMの測定を例に割当帯域における測定結果と非割当帯域における測定結果を識別可能に表示する場合を例に説明したが、RBごとの送信電力の測定についても同様に測定結果を表示することが可能である。この場合、表示制御部16が、制御部11から測定条件として送信チャネル幅と割当帯域(RB)の情報を受信し、RBごとの送信電力の測定値を、割当帯域における測定値と非割当帯域における測定値とに分けて表示すると良い。
【0069】
以上により、試験者は、表示されたグラフから割当帯域の測定値に該当する部分を容易に識別することが可能となり、測定結果の良否を容易に判断することが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
1 移動体通信端末試験装置 2 移動体通信端末
10 操作部 11 制御部 12 信号送信部 13 方向性結合器
14 信号受信部 15 信号解析部 16 表示制御部 17 表示部
110 設定値記憶部 120 送信制御手段 121 送信手段
140 受信手段 141 波形メモリ
150 信号処理部 1501 FFT処理部 1502 同期処理部
151 測定手段 152 解析結果メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信チャネル及び前記通信チャネル内において移動体通信端末に割り当てられた割当帯域を示す制御情報を含む信号を前記移動体通信端末に送信する信号送信部(12)と、
前記制御情報に基づいて前記移動体通信端末が出力した試験信号を受信して波形データとして出力する信号受信部(14)と、
前記波形データを基に、所定の測定項目の測定値をシンボル単位で測定する信号解析部(15)と、
LTE通信方式に対応して、前記信号送信部、前記信号受信部及び前記信号解析部に、前記通信チャネルと、前記通信チャネルの帯域幅、及び、前記割当帯域の帯域幅を含む試験条件を通知する制御部(11)と、
前記信号解析部で測定した測定値を表示する表示部(17)と、
前記表示部に、横軸を前記通信チャネルの帯域幅に対応する周波数方向のシンボル、縦軸を測定値とする座標を表示し、前記座標上に前記信号解析部による前記測定値をグラフ表示し、かつ該グラフ上の前記割当帯域と、前記通信チャネル内の前記割当帯域以外の帯域とを識別可能に表示する表示制御部(16)とを備えることを特徴とする移動体通信端末試験装置。
【請求項2】
前記所定の測定項目は、前記通信チャネルの帯域内における理想変調信号に対する測定変調信号の位置ずれの度合いを示すEVMまたは前記移動体通信端末の送信電力のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末試験装置。
【請求項3】
通信チャネルと、前記通信チャネルの帯域幅と、前記通信チャネル内において移動体通信端末に割り当てられた割当帯域とを含む測定条件を基に、移動体通信端末に、LTE通信方式に対応して、前記測定条件に基づく制御情報を含む信号を送信する送信ステップと、
前記制御情報に基づいて前記移動体通信端末が出力した試験信号を受信して波形データとして出力する波形データ出力ステップと、
前記波形データを基に、少なくとも前記割当帯域の範囲において所定の測定項目の測定値をシンボル単位で測定する測定ステップと、
横軸を前記通信チャネルの帯域幅に対応する周波数方向のシンボル、縦軸を前記測定値とする座標を表示する座標表示ステップと、
前記通信チャネルと、前記通信チャネルの帯域幅と、前記割当帯域とを基に、前記割当帯域内のシンボルにおける前記測定値を、前記割当帯域を横軸の位置とし、前記測定値を縦軸の位置とする第1のグラフを前記座標上に表示する測定値表示ステップとを備えることを特徴とする試験結果表示方法。
【請求項4】
前記測定ステップにおいて、更に、前記通信チャネル内の前記割当帯域以外の非割当帯域における信号の測定値をシンボル単位で測定し、
前記測定値表示ステップにおいて、更に、前記非割当帯域内のシンボルを横軸の位置とし、前記非割当帯域における信号の測定値を縦軸の位置とする第2のグラフを、前記第1のグラフと識別可能に、前記座標上に表示することを特徴とする請求項3に記載の試験結果表示方法。
【請求項5】
前記測定値表示ステップにおいて、前記第1のグラフと、前記第2のグラフとのうち、少なくともいずれか一方に色をつけて表示することを特徴とする請求項4に記載の試験結果表示方法。
【請求項6】
前記測定値表示ステップにおいて、前記第1のグラフを表示する領域と、前記第2のグラフを表示する領域とのうち、少なくともいずれか一方に色をつけて表示することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の試験結果表示方法。
【請求項7】
前記所定の測定項目は、前記通信チャネルの帯域内における理想変調信号に対する測定変調信号の位置ずれの度合いを示すEVMまたは前記移動体通信端末の送信電力のいずれかであることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の試験結果表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−130086(P2011−130086A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285337(P2009−285337)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】