説明

移動端末、放送局およびこれらを用いた地図更新システム

【課題】 ユーザに好適な優先順位で地図更新データを配信できる移動端末、放送局およびこれらを用いた地図更新システムを提供する。
【解決手段】所定の放送エリアを有する放送局と移動端末とを備えた地図更新システムにおいて、放送局は、複数の地域の更新データを記憶する放送データ記憶手段101と、記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア内の更新データが放送エリア外の更新データより高い頻度で放送されるように優先度を設定する優先度設定手段102と、記憶されている複数の更新データの中から設定された優先度に従って決定した更新データを放送する放送手段105を備え、移動端末は、放送局から放送された更新データを受信する受信手段201と、地図データを記憶する地図データ記憶手段204と、受信手段で受信された更新データに基づいて地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する地図データ更新手段205を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動端末、放送局およびこれらを用いた地図更新システムに関し、特に移動端末に記憶されている地図データを放送局からの放送により更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基地局から複数の移動局へ向けて広範囲の地図情報を効率よく送ることができる地図情報提供システムが知られている(特許文献1参照)。この地図情報提供システムは、対象範囲の地図を全部送ろうとすると、長期間変わってない部分も毎回送ることになるので無駄が多く、地図を送るのに時間がかかりすぎるという問題を解消するために、次のように構成されている。
【0003】
すなわち、基地局は、不特定の複数の移動局に向けて、所定の対象範囲の地図を配信する。このとき、対象範囲の地図情報が複数の区域地図に分割され、区域地図毎に配信が行われる。地図送出事業者は、配信すべき区域地図とその順番を含む配信スケジュールを立てる。このとき、最近書き換えられた区域地図の配信頻度が、長期間書き換えられていない区域地図の配信頻度よりも高くなるように、配信スケジュールが立てられる。従って、新しい区域地図が1日のうちに何回も配信され、移動局は高い確率で新しい地図を入手できる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−15372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された地図情報提供システムでは、所定の対象範囲内の区域地図を配信するために、対象範囲外の区域地図は配信されないという問題がある。例えば、対象範囲が東京都のみとされた場合は、東京都以外の区域地図は永久に配信されないという問題がある。
【0006】
また、対象範囲が日本全国とされた場合は、いつかは日本全国の区域地図が配信されるが、新鮮度に基づいた配信頻度で配信されるために、現在自車がいる地域の区域地図が優先的に配信されない可能性があるという問題がある。
【0007】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、ユーザに好適な優先順位で地図更新データを配信できる移動端末、放送局およびこれらを用いた地図更新システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る移動端末は、所定の放送エリアを有する放送局から、該放送エリア内の地図データに適用される更新データが該放送エリア外の地図データに適用される更新データより高い頻度で放送される更新データを受信する受信手段と、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、受信手段で受信された更新データに基づいて地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する地図データ更新手段とを備えている。
【0009】
第2の発明に係る放送局は、所定の放送エリアを有する放送局において、複数の地域の地図データを更新するための複数の更新データを記憶する放送データ記憶手段と、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア内の地図データに適用される更新データが放送エリア外の地図データに適用される更新データより高い頻度で放送されるように優先度を設定する優先度設定手段と、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データの中から優先度設定手段によって設定された優先度に従って決定した更新データを放送する放送手段を備えている。
【0010】
第3の発明に係る地図更新システムは、所定の放送エリアを有する放送局と移動端末とを備えた地図更新システムにおいて、放送局は、複数の地域の地図データを更新するための複数の更新データを記憶する放送データ記憶手段と、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア内の地図データに適用される更新データが放送エリア外の地図データに適用される更新データより高い頻度で放送されるように優先度を設定する優先度設定手段と、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データの中から優先度設定手段によって設定された優先度に従って決定した更新データを放送する放送手段を備え、移動端末は、放送局から放送された更新データを受信する受信手段と、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、受信手段で受信された更新データに基づいて地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する地図データ更新手段とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明に係る移動端末、第2の発明に係る放送局および第3の発明に係る地図更新システムによれば、更新データの放送頻度は、放送エリア内が最も高く、放送エリアから遠ざかるほど低くなる。その結果、移動端末における重要度が高い地域地図データほど早期に更新される確率が高くなる。従って、ユーザに好適な優先順位で地図更新データを配信できる移動端末、放送局およびこれらを用いた地図更新システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る地図更新システムは、放送局と移動端末とから構成されている。放送局は、放送エリアに対して例えば地上デジタル放送、FM多重放送によるデータ放送を行うことができる放送局から構成される。ここで、「放送エリア」とは、例えば都道府県を単位とする区域をいう。移動端末は、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置や、歩行者等が携行する携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)、パーソナルコンピュータ等から構成される。
【0013】
図1は、この発明の実施の形態1に係る地図更新システムを構成する放送局の構成を示すブロック図である。この放送局は、放送データ記憶手段101、優先度設定手段102、放送エリア内判定手段103、放送データ決定手段104および放送手段105から構成されている。
【0014】
放送データ記憶手段101は、当該放送局から放送する放送データを記憶する。優先度設定手段102は、放送データ記憶手段101に記憶されている放送データに対して放送の順番および頻度の優先度を設定する。放送エリア内判定手段103は、放送データ記憶手段101に記憶されている放送データの範囲が放送エリア内であるかどうかを判定する(詳細は後述する)。放送データ決定手段104は、優先度設定手段102によって設定された優先度に従って放送する放送データを決定する。放送手段105は、放送データ決定手段104によって決定された放送データを放送する。
【0015】
図2は、この発明の実施の形態1に係る地図更新システムを構成する移動端末の構成を示すブロック図である。この移動端末は、受信手段201、受信データ選択手段202、受信データ記憶手段203、地図データ記憶手段204、地図データ更新手段205、現在位置特定手段206、操作手段207、表示手段208、現在日時取得手段209および制御手段210から構成されている。
【0016】
受信手段201は、放送局から送信される放送データを受信する。この受信手段201で受信された放送データは、受信データ選択手段202からの指示に応じて受信データ記憶手段203に送られる。受信データ選択手段202は、受信手段201で受信された放送データのうち受信データ記憶手段203に記憶するべき放送データを選択するように受信手段201および受信データ記憶手段203に指示する。受信データ記憶手段203は、受信手段201から送られてくる放送データのうち、受信データ選択手段202から指示された放送データを記憶する。この受信データ記憶手段203に記憶されている放送データは、地図データ更新手段205によって読み出される。
【0017】
地図データ記憶手段204は、地図データを記憶する。この地図データ記憶手段204に記憶されている地図データは、地図データ更新手段205によって更新されるとともに、制御手段210から読み出される。地図データ更新手段205は、地図データ記憶手段204に記憶されている地図データを、受信データ記憶手段203から読み出した放送データに含まれる更新データに従って更新する。これにより、地図データ記憶手段204の内容が最新の地図データに更新される。
【0018】
現在位置特定手段206は、自己の現在位置を特定する。この現在位置特定手段206によって特定された現在位置を表す現在位置データは制御手段210に送られる。操作手段207は、ユーザが各種指示を当該移動端末に与えるために使用される。この操作手段207の操作によって入力された操作データは、制御手段210に送られる。表示手段208は、制御手段210から送られてくる表示データに従って、地図や種々のメッセージを表示する。現在日時取得手段209は、現在の日時を取得する。この現在日時取得手段209によって取得された現在の日時を表すデータは、制御手段210に送られる。
【0019】
制御手段210は、移動端末の全体を制御する。この制御手段210は、ナビアプリ実行手段211を備えている。ナビアプリ実行手段211は、ナビゲーション機能を実現するためのアプリケーションを実行する。ナビアプリ実行手段211でアプリケーションを実行することにより実現されるナビゲーション機能には、地図データ記憶手段204に記憶された地図データを用いて表示手段208に地図を表示する「地図表示機能」、現在位置特定手段206から送られてくる現在位置データを用いて自己の現在位置を特定する「ロケータ機能」、地図データ記憶手段204に記憶された地図データを用いて操作手段207から設定された目的地までの経路を求める「経路探索機能」、経路探索機能によって求められた経路の走行時に右左折案内等を行う「経路誘導機能」等が含まれる。
【0020】
次に、実施の形態1に係る地図更新システムで使用される地図データのフォーマットを、図3を参照しながら説明する。地図データは、図3(a)に示すように、地図データ全体の構成を規定するヘッダ情報と、地域毎に分割された複数の地域地図データ#0〜#nとから構成されている。ヘッダ情報は、図3(b)に示すように、地図データの種別を示すデータ種別、データバージョン、ファイルサイズおよびファイル内の地域地図データの数を表すデータ数から構成されている。
【0021】
地域地図データは、例えば図4に示すような全体の地図を複数に分割することによって得られるエリアの地図データである。地域地図データは、図5に示す地域地図データのフォーマットに示すように、表示用データと道路ネットワークデータとから構成されている。表示用データは、図5(a)に示すように、当該表示用データを特定するためのユニークな値であるデータID、データサイズ、階層レベルおよびデータ範囲と、表示対象を指定するための道路座標列、背景線座標列、表示文字列および表示シンボルとから構成されている。
【0022】
道路ネットワークデータは、図5(b)に示すように、当該道路ネットワークデータを特定するためのユニークな値であるデータID、データサイズ、階層レベル、データ範囲、交差点等を表すノードデータ、交差点間の道路を表すリンクデータおよび一方通行等といった交通規制を表す交通規制データから構成されている。ここで、表示用データおよび道路ネットワークデータに含まれる「データ範囲」は、例えば図4に示すように複数に分割されたエリアの各々の範囲を規定する。
【0023】
表示用データおよび道路ネットワークデータに含まれる「階層レベル」は、エリア範囲を規定するために使用され、図6に示すように、階層レベル0から階層レベル1、階層レベル2とレベル値が大きくなるほどエリア範囲が大きくなるように規定されている。また、地図データは、階層レベルのレベル値が小さくなるほど詳細な地図を描画できるように構成されている。
【0024】
次に、実施の形態1に係る地図更新システムにおいて最新の地図データに更新するために使用される更新データのフォーマットを、図7を参照しながら説明する。更新データは、図7(a)に示すように、ヘッダ情報と複数の地域地図更新データ#0〜#nとから構成されている。ヘッダ情報は、図7(b)に示すように、当該更新データのデータ種別、更新対象となる地図データのバージョンを表す対応データバージョン、更新後データバージョン、ファイルサイズおよび更新データ数から構成されている。地域地図更新データ#0〜#nの各々は、当該地域地図更新データを特定するためのユニークな値であるデータID、データ種別、階層レベル、対応データバージョン、更新後データバージョン、データサイズ、データ範囲、更新後データサイズおよび更新データ実体から構成されている。
【0025】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る地図更新システムの動作を説明する。まず、放送局において行われる優先度設定処理を、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、この優先度設定処理は、放送局の優先度設定手段102において行われる。
【0026】
優先度設定処理では、まず、更新データのエリア判定が行われる(ステップST10)。すなわち、優先度設定手段102は、放送データ記憶手段101に記憶されている放送データに含まれる更新データの中の最初の地域地図更新データ#0からデータ範囲を取り出し、このデータ範囲で示されるエリアを判定する。次いで、ステップST10で判定されたエリアが、放送エリア内であるかどうかが調べられる(ステップST11)。この場合、図6に示すように、地域地図データのデータ範囲(斜線で示す部分)で示されるエリアが放送エリア601に少しでも重なっていれば放送エリア内とみなされる。
【0027】
このステップST11で、放送エリア内であることが判断されると、その地域地図更新データの優先度が「1」に設定される(ステップST12)。具体的には、図9に示すような優先度テーブルの、当該地域地図更新データのデータIDと同じデータIDの位置に優先度「1」が記憶される。その後、シーケンスはステップST14に進む。一方、上記ステップST11において、放送エリア内でない、つまり放送エリア外であることが判断されると、放送エリア外の優先度設定が行われる(ステップST13)。このステップST13で行われる放送エリア外の優先度設定処理の詳細は後述する。その後、シーケンスはステップST14に進む。
【0028】
ステップST14では、最後のデータであるかどうかが調べられる。すなわち、地域地図更新データ#nに対する処理が完了したかどうかが調べられる。ここで、最後のデータでないことが判断されると、シーケンスはステップST10に戻り、次の地域地図更新データ#1に対する処理が行われる。以下、ステップST10〜ST14の処理が繰り返し実行され、ステップST14において最後のデータであることが判断されると、優先度設定処理は終了する。
【0029】
次に、上記ステップST13で行われる「放送エリア外の優先度設定処理」の詳細を、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。放送エリア外の優先度設定処理では、まず、ループ変数iがゼロに初期化される(ステップST20)。次いで、ループ変数iがインクリメント(+1)される(ステップST21)。次いで、図8のフローチャートのステップST10で判定されたエリアが、図11に示すような放送エリアの外側のエリア+iの範囲内であるかどうかが調べられる(ステップST22)。この場合、図6に示すように、地域地図データのデータ範囲で示されるエリアがエリア+iに少しでも重なっていればエリア+i内とみなされる。このステップST22で、エリア+iの範囲内であることが判断されると、優先度テーブルに優先度「i+1」が設定される(ステップST23)。その後、シーケンスは図8のフローチャートにリターンする。
【0030】
上記ステップST22において、エリア+iの範囲内でないことが判断されると、ループ変数iが「n」であるかどうかが調べられる(ステップST24)。このステップST24で、ループ変数iが「n」でないことが判断されると、シーケンスはステップST21に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST24で、ループ変数iが「n」であることが判断されると、優先度テーブルに優先度「n+1」が設定される(ステップST25)。その後、シーケンスは図8のフローチャートにリターンする。
【0031】
以上の優先度設定処理により、図9に示すような優先度テーブルの作成が完了する。なお、優先度テーブルに設定された優先度の値は、放送エリア内が「1」で最も小さく、放送エリアから遠ざかるほど大きい値になる。この優先度テーブルは、設定された値が小さいほど優先度が高いことを表している。
【0032】
次に、放送局において行われる更新データの放送処理を、図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。この更新データの放送処理は、主に放送局の放送データ決定手段104および放送手段105において行われる。
【0033】
更新データの放送処理では、まず、第1のループ変数iがゼロに初期化される(ステップST30)。次いで、第1のループ変数iがインクリメント(+1)される(ステップST31)。次いで、第2のループ変数jがゼロに初期化される(ステップST32)。次いで、第2のループ変数jがインクリメント(+1)される(ステップST33)。次いで、優先度jの更新データが送信(放送)される(ステップST34)。次いで、第2のループ変数jが「i」であるかどうかが調べられる(ステップST35)。
【0034】
このステップST35で、第2のループ変数jが「i」でないことが判断されると、シーケンスはステップST33に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST35において、第2のループ変数jが「i」であることが判断されると、次いで、第1のループ変数iが「n+1」であるかどうかが調べられる(ステップST36)。このステップST36で、第1のループ変数iが「n+1」でない(i<n+1である)ことが判断されると、シーケンスはステップST31に戻って上述した処理が繰り返される。一方、ステップST36において、第1のループ変数iが「n+1」であることが判断されると、更新データの放送処理は終了する。以上の処理によって、更新データは、図13に示すような順番および頻度で放送される。すなわち、優先度の高い更新データは高い頻度で放送され、優先度が低くなるに連れて更新データが放送される頻度は低く成る。
【0035】
次に、移動端末で行われるデータ受信処理を、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。このデータ受信処理は、主に受信手段201、受信データ選択手段202、受信データ記憶手段203、受信データ記憶手段204および地図データ更新手段205において行われる。
【0036】
データ受信処理では、まず、放送されている更新データが受信される(ステップST40)。次いで、ステップST40で受信された更新データは受信済みであるかどうかが調べられる(ステップST41)。このステップST41において、受信済みであることが判断されると、シーケンスはステップST40に戻り、以下、ステップST40およびST41の処理が繰り返される。
【0037】
ステップST40およびST41の繰り返し実行中に、ステップST41において、受信済みでないことが判断されると、ステップST40で受信された更新データに対応する地域地図データが地図データ記憶手段204から取得される(ステップST42)。次いで、取得された地域地図データがステップST42で取得された更新データに基づき最新データに更新される(ステップST43)。次いで、ステップST42において取得された更新データが受信データ記憶手段203に記録される(ステップST44)。次いで、ステップST43において最新データに更新された地域地図データが地図データ記憶手段204に記録される(ステップST45)。その後、シーケンスはステップST40に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0038】
次に、移動端末のナビアプリ実行手段211によって行われる地図データ取得処理を、図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。この地図データ取得処理は、主に制御手段210の内部のナビアプリ実行手段211によって行われる。地図データ取得処理では、まず、アプリケーションの実行に必要な地図データが選定される(ステップST50)。次いで、ステップST50で選定された地図データが地図データ記憶手段204から取得される(ステップST51)。
【0039】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る地図更新システムによれば、更新データの放送頻度は、放送エリア内が最も高く、放送エリアから遠ざかるほど低くなる。その結果、移動端末における重要度が高い地域地図データほど早期に更新される確率が高くなる。
【0040】
なお、上述した実施の形態1に係る地図更新システムでは、移動端末は、受信していない更新データをすべて受信するように構成したが、ユーサがあらかじめ受信可否の設定を行い、受信可に設定されている更新データのみ受信するように構成することができる。この構成によれば、ユーザが所望する地図データのみを更新することができるので、移動端末の処理負荷を軽減することができる。
【0041】
また、上述した実施の形態1に係る地図更新システムでは、移動端末は、放送局から受信したすべての更新データを保存するように構成したが、更新データを受信する毎にユーザに保存するかどうかを問い合わせ、ユーザによって許可された更新データのみ保存するように構成することもできる。この構成によれば、ユーザが望まない更新データは保存されないので、受信データ記憶手段203として、記憶容量が小さい記憶媒体を使用することができる。
【0042】
実施の形態2.
上述した実施の形態1に係る地図更新システムの移動端末は、更新データが受信される毎に地図データを更新するのに対し、この発明の実施の形態2に係る地図更新システムでは、移動端末は、放送局から放送された更新データを受信した時点では、それを記憶するにとどめ、後に地図データが必要になった時に、その地図データを記憶されている更新データに基づいて更新するようにしたものである。
【0043】
この発明の実施の形態2に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、移動端末の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、移動端末の動作を中心に説明する。
【0044】
図16は、この発明の実施の形態2に係る地図更新システムの移動端末で行われるデータ受信処理を示すフローチャートである。このデータ受信処理は、主に受信手段201、受信データ選択手段202、受信データ記憶手段203、受信データ記憶手段204および地図データ更新手段205において行われる。
【0045】
データ受信処理では、まず、放送されている更新データが受信される(ステップST60)。次いで、ステップST60で受信された更新データが受信済みであるかどうかが調べられる(ステップST61)。このステップST61において、受信済みであることが判断されると、シーケンスはステップST60に戻り、以下、ステップST60およびST61の処理が繰り返される。この繰り返し実行の途中で、ステップST61において、受信済みでないことが判断されると、ステップST60で受信された更新データが受信データ記憶手段203に記録される(ステップST62)。その後、シーケンスはステップST60に戻る。以上の処理により、受信されていない更新データが受信データ記憶手段203に順次蓄積される。
【0046】
次に、移動端末のナビアプリ実行手段211によって行われる地図データ取得処理を、図1に示すフローチャートを参照しながら説明する。この地図データ取得処理は、主に地図データ記憶手段204、地図データ更新手段205および制御手段210の内部のナビアプリ実行手段211によって行われる。
【0047】
地図データ取得処理では、まず、アプリケーションの実行に必要な地図データが選定される(ステップST70)。次いで、ステップST70で選定された地図データが地図データ記憶手段204から取得される(ステップST71)。次いで、取得された地図データに対応する更新データが存在するかどうかが調べられる(ステップST72)。ここで、対応する更新データが存在することが判断されると、ステップST71で取得された地図データが、その対応する更新データに基づき最新データに更新される(ステップST73)。その後、地図データ取得処理は終了する。上記ステップST72において、対応する更新データが存在しないことが判断されると、地図データの更新は行われず、地図データ取得処理は終了する。
【0048】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る地図更新システムによれば、実施の形態1に係る地図更新システムと同様の効果を奏する。また、放送により受信した更新データを記憶しておき、必要になった時に、記憶されている更新データに基づいて地図データを更新するように構成したので、移動端末で不必要な場合は地図データは更新されない。その結果、移動端末の処理負荷の増大を抑止することができる。
【0049】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る地図更新システムは、放送エリア外の優先度設定を実際の距離に基づいて行うようにしたものである。
【0050】
この発明の実施の形態3に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の優先度設定の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0051】
この実施の形態3に係る地図更新システムの放送局で行われる優先度設定処理は、「放送エリア外の優先度設定処理」を除けば、図8に示すフローチャートを参照して既に説明した実施の形態1のそれと同じである。従って、以下では、図8に示すフローチャートのステップST13で行われる放送エリア外の優先度設定処理を、図18に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0052】
放送エリア外の優先度設定処理では、まず、更新データが適用される地域地図の中心座標が算出される(ステップST80)。次いで、放送エリアの中心座標が取得される(ステップST81)。次いで、ステップST80で取得された中心座標で示される地点と、ステップST81で取得された中心座標で示される地点との間の実際の距離(L)、つまり地図上の直線距離が算出される(ステップST82)。次いで、図19に示すような優先度と距離との関係を規定した優先度設定テーブルが参照され、距離(L)に応じた優先度を表す値が優先度テーブルに設定される(ステップST83)。
【0053】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る地図更新システムによれば、放送エリアからの実際の距離が近い地図データから優先して更新されるので、放送エリアから外れた場合に使用する可能性の高い地図データから更新されることになり、利便性を向上させることができる。
【0054】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る地図更新システムは、放送エリア外の優先度設定を道なりの距離に基づいて行うようにしたものである。
【0055】
この発明の実施の形態4に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の優先度設定の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0056】
この実施の形態4に係る地図更新システムの放送局で行われる優先度設定処理は、「放送エリア外の優先度設定処理」を除けば、図8に示すフローチャートを参照して既に説明した実施の形態1のそれと同じである。従って、以下では、図8に示すフローチャートのステップST13で行われる放送エリア外の優先度設定処理を、図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0057】
放送エリア外の優先度設定処理では、まず、更新データが適用される地域地図の中心座標が算出される(ステップST90)。次いで、放送エリアの中心座標が取得される(ステップST91)。次いで、ステップST90で取得された中心座標で示される地点と、ステップST91で取得された中心座標で示される地点との間の最短経路が制御手段210のナビアプリ実行手段211によって探索され、経路距離Lr、つまり道なりの距離が算出される(ステップST92)。次いで、図19に示す優先度設定テーブルが参照され、経路距離Lrに応じた優先度が優先度テーブルに設定される(ステップST93)。
【0058】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係る地図更新システムによれば、放送エリアからの道なりの距離が近い地図データから優先して更新されるので、放送エリアから外れた場合に使用する可能性の高い地図データから更新されることになり、利便性を向上させることができる。
【0059】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る地図更新システムは、放送エリア外の優先度設定を旅行時間に基づいて行うようにしたものである。
【0060】
この発明の実施の形態5に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の優先度設定の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0061】
この実施の形態5に係る地図更新システムの放送局で行われる優先度設定処理は、「放送エリア外の優先度設定処理」を除けば、図8に示すフローチャートを参照して既に説明した実施の形態1のそれと同じである。従って、以下では、図8に示すフローチャートのステップST13で行われる放送エリア外の優先度設定処理を、図21に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】
放送エリア外の優先度設定処理では、まず、更新データが適用される地域地図の中心座標が算出される(ステップST100)。次いで、放送エリアの中心座標が取得される(ステップST101)。次いで、ステップST100で取得された中心座標で示される地点と、ステップST101で取得された中心座標で示される地点との間の最短経路が制御手段210のナビアプリ実行手段211によって探索され、さらに、該探索された最短経路を移動するのに必要な時間である旅行時間Tが算出される(ステップST102)。次いで、図22に示すような優先度と旅行時間との関係を規定した優先度設定テーブルが参照され、旅行時間(T)に応じた優先度が優先度テーブルに設定される(ステップST103)。
【0063】
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係る地図更新システムによれば、放送エリアからの旅行時間が小さい地図データから優先して更新されるので、放送エリアから外れた場合に使用する可能性の高い地図データから更新されることになり、利便性を向上させることができる。
【0064】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る地図更新システムは、階層レベルの高い地図データの優先度が低くなるようにものである。
【0065】
この発明の実施の形態6に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の優先度設定の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0066】
この実施の形態6に係る地図更新システムの放送局で行われる優先度設定処理は、「放送エリア外の優先度設定処理」を除けば、図8に示すフローチャートを参照して説明した実施の形態1のそれと同じである。従って、以下では、図8に示すフローチャートのステップST13で行われる放送エリア外の優先度設定処理を、図23に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0067】
放送エリア外の優先度設定処理では、まず、送信する更新データの階層レベル(L)が取得される(ステップST110)。次いで、ループ変数iがゼロに初期化される(ステップST111)。次いで、ループ変数iがインクリメント(+1)される(ステップST112)。次いで、図8のフローチャートのステップST10で判定されたエリアが、図11に示すエリア+iの範囲内であるかどうかが調べられる(ステップST113)。この場合、図6に示すように、地域地図データのデータ範囲で示されるエリアがエリア+iに少しでも重なっていればエリア+i内とみなされる。このステップST113で、エリア+iの範囲内であることが判断されると、優先度テーブルに優先度「i+1+L」が設定され(ステップST114)、放送エリア外の優先度設定処理は終了する。
【0068】
上記ステップST113において、エリア+iの範囲内でないことが判断されると、ループ変数iが「n」であるかどうかが調べられる(ステップST115)。このステップST115で、ループ変数iが「n」でないことが判断されると、シーケンスはステップST112に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST115で、ループ変数iが「n」であることが判断されると、優先度テーブルに優先度「n+1+L」が設定され(ステップST116)、放送エリア外の優先度設定処理は終了する。
【0069】
以上説明したように、この発明の実施の形態6に係る地図更新システムによれば、エリア範囲の狭い詳細な地図データが優先して高頻度で更新されるので、通常の走行時に使用される可能性の高い地図データから更新されることになり、利便性を向上させることができる。
【0070】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係る地図更新システムは、放送局から放送されるスケジュールデータを、移動端末で受信するようにしたものである。
【0071】
図24は、この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。この地図更新システムは、データ配信センタ301、複数の放送局#1〜#Nおよび移動端末(図示は省略してある)から構成されている。図示されていない移動端末は、実施の形態1に係る地図更新システムにおける移動端末と同じである。
【0072】
データ配信センタ301は、放送局#1〜#Nに対し、スケジュールデータ(詳細は後述する)および更新データを配信する。このデータ配信センタ301は、更新データ記憶手段302、スケジュールデータ作成手段303、配送データ決定手段304およびデータ配送手段305から構成されている。
【0073】
更新データ記憶手段302は、更新データを記憶する。この更新データ記憶手段302に記憶されている更新データは、配送データ決定手段304に送られる。スケジュールデータ作成手段303は、放送局毎のスケジュールデータを作成する。スケジュールデータは、図25(a)に示すような、複数の放送局にそれぞれ対応して設けられた複数の放送局情報#1〜#Nに基づいて作成される。放送局情報#1〜#Nの各々は、図25(b)に示すように、放送局名、放送エリアおよびチャンネルによって構成されている。
【0074】
配送データ決定手段304は、更新データ記憶手段302に記憶されている更新データおよびスケジュールデータ作成手段303で作成されたスケジュールデータの中から各放送局に配送する更新データおよびスケジュールデータを決定する。この配送データ決定手段304で決定された更新データおよびスケジュールデータは、データ配信手段305に送られる。データ配送手段305は、配送データ決定手段304で決定された更新データおよびスケジュールデータを、配信データとして各放送局に配送する。
【0075】
放送局#1〜#Nは、図26に示すように、スケジュールデータと更新データとを1組とする放送データを時間の経過に従って繰り返し送信するデータ放送を行う。各放送局は、実施の形態1に係る地図更新システムを構成する放送局(図1参照)に、データ受信手段310が追加されて構成されている。データ受信手段310は、データ配信センタ301から配信される更新データおよびスケジュールデータを受信し、放送データ記憶手段101に送る。
【0076】
次に、放送局#1〜#Nから送信されるスケジュールデータのフォーマットを、図27を参照しながら説明する。スケジュールデータは、スケジュールが何時まで有効であるかを示すスケジュール有効期限、放送するデータ数N、データID#1〜#NおよびデータID#1〜#Nに対応する更新データの放送時間(開始時刻、終了時刻)から構成されている。
【0077】
次に、データ配信センタ301から配信される各放送局用の配信データのフォーマットを、図28を参照しながら説明する。配信データは、図28(a)に示すように、放送局#1〜#Nにそれぞれ対応する放送局#1用配信データ〜放送局#N用配信データから構成されている。各放送局用の配信データは、図28(b)に示すように、放送局を特定するための放送局ID、スケジュールデータおよび更新データから構成されている。配信データを構成する更新データは、図26(c)に示すように、データ数と複数の地域地図更新データ#0〜#nから構成されている。
【0078】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの動作を説明する。まず、放送局#1〜#Nの動作を説明する。放送局#1〜#Nの各々は、データ配信センタ301から送られてくる配信データに含まれる放送局IDが、自放送局IDに合致する配信データのみを受信し、この受信した配信データに含まれるスケジュールデータに従って更新データを放送する。
【0079】
次に、移動端末において行われるスケジュールデータ受信処理を、図29に示すフローチャートを参照しながら説明する。このスケジュールデータ受信処理では、まず、スケジュールデータは受信済みであるかどうかが調べられる(ステップST120)。このステップST120において、受信済みであることが判断されると、そのスケジュールデータが有効期限内であるかどうかが調べられる(ステップST121)。このステップST121において、有効期限内であることが判断されるとスケジュールデータ受信処理は終了する。
【0080】
一方、上記ステップST120においてスケジュールデータが受信済みでないことが判断された場合、および、上記ステップST121において有効期限内でないことが判断された場合は、放送データが受信される(ステップST122)。次いで、ステップST122で受信された放送データがスケジュールデータであるかどうかが調べられる(ステップST123)。このステップST123において、スケジュールデータでないことが判断されると、シーケンスはステップST122に戻り、上述した放送データの受信処理が繰り返される。一方、ステップST123において、ステップST122で受信された放送データがスケジュールデータであることが判断されると、ステップST120で受信されたスケジュールデータが受信データ記憶手段101に記録される(ステップST124)。以上の処理により、移動端末におけるスケジュールデータ受信処理は終了する。
【0081】
次に、スケジュールデータ受信後に移動端末において行われる更新データの受信処理を、図30に示すフローチャートを参照しながら説明する。更新データの受信処理では、まず、スケジュールデータに基づき現在時刻から最も早く放送される更新データが特定される(ステップST130)。次いで、ステップST130で特定された更新データが受信済みであるかどうかが調べられる(ステップST131)。このステップST131において、受信済みであることが判断されると、次いで、最後のスケジュールデータであるかどうかが調べられる(ステップST132)。このステップST132で、最後のスケジュールデータであることが判断されると、すべての更新データは受信されているものと認識される。そして、更新データの受信処理は終了し、受信手段201による受信処理は停止される。
【0082】
一方、ステップST132において、最後のデータでないことが判断されると、次に放送される更新データが特定される(ステップST133)。その後、シーケンスはステップST131に戻る。上記ステップST131において、ステップST130またはステップST133において特定された更新データが受信済みでないことが判断されると、放送開始時刻になったことを条件に受信手段201による放送の受信処理が起動される(ステップST134)。そして、更新データが受信される(ステップST135)。以上により更新データの受信処理は終了する。
【0083】
以上説明したように、この発明の実施の形態7に係る地図更新システムによれば、移動端末は、スケジュールデータに従って受信処理の開始および停止が可能であり、移動端末の受信処理が起動されていなくても更新データの受信が可能になる。
【0084】
実施の形態8.
この発明の実施の形態8に係る地図更新システムは、放送局から放送されるスケジュールデータを移動端末で受信するようにした点は上述した実施の形態7に係る地図更新システムと同じであるが、スケジュールデータを、データ配信センタ301においてではなく放送局において作成するようにしたものである。
【0085】
図31は、この発明の実施の形態8に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。この地図更新システムは、データ配信センタ301、複数の放送局#1〜#Nおよび移動端末(図示は省略してある)から構成されている。図示されていない移動端末は、実施の形態1に係る地図更新システムにおける移動端末と同じである。
【0086】
データ配信センタ301は、放送局#1〜#Nに更新データを配信する。このデータ配信センタ301は、更新データ記憶手段302およびデータ配送手段305から構成されている。更新データ記憶手段302は、更新データを記憶する。この更新データ記憶手段302に記憶されている更新データは、データ配信手段305に送られる。データ配送手段305は、更新データ記憶手段302に記憶されている更新データを各放送局に配送する。
【0087】
放送局#1〜#Nは、図26に示すように、スケジュールデータと更新データとを1組とする放送データを時間の経過に従って繰り返し送信するデータ放送を行う。各放送局は、実施の形態7に係る地図更新システムを構成する放送局(図24参照)に、受信データ選択手段401およびスケジュールデータ作成手段402が追加されて構成されている。
【0088】
受信データ選択手段401は、データ受信手段310から送られてくる更新データの中から、自放送局が放送する更新データを選択する。この受信データ選択手段401で選択された更新データは放送データ記憶手段101に送られる。スケジュールデータ作成手段402は、自放送局の放送局情報に基づき、スケジュールデータを作成する。放送局情報は、図25(b)に示すように、放送局名、放送エリアおよびチャンネルによって構成されている。
【0089】
図32は、データ配信センタ301から配信される各放送局用の配信データのフォーマットを示す。配信データは、データ数と複数の地域地図更新データ#0〜#nとから構成されている。放送局#1〜#Nの各々は、データ配信センタ301からの配信データのうち必要な地域地図更新データのみを受信し、この受信した地域地図更新データからスケジュールデータを、スケジュールデータ作成手段402において作成して放送する。
【0090】
以上説明したように、この発明の実施の形態8に係る地図更新システムによれば、実施の形態7に係る地図更新システムと同様の効果を奏する。また、スケジュールデータを放送局で作成するように構成したので、データ配信センタ301における処理負荷およびデータ配信センタ301から放送局#1〜#Nに配信データを送信するための通信路の負荷を軽減することができる。
【0091】
実施の形態9.
この発明の実施の形態9に係る地図更新システムでは、放送エリアを同じくする複数の放送局から更新データを放送する場合に、いずれかの放送局で常に放送エリア内の更新データを放送するようにスケジューリングするようにしたものである。
【0092】
この発明の実施の形態9に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、以下の点を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。
【0093】
図33は、放送局#1〜#Nから送信される複数放送局対応のスケジュールデータのフォーマットを示す図である。スケジュールデータは、放送局数Nと、複数の放送局#1スケジュールデータ〜放送局#Nスケジュールデータから構成されている。各放送局のスケジュールデータは、図27に示した構成と同じである。
【0094】
次に、移動端末において行われる更新データの受信処理を、図34に示すフローチャートを参照しながら説明する。更新データの受信処理では、まず、放送エリア内のすべての更新データを受信済みであるかどうかが調べられる(ステップST140)。このステップST140において、すべての更新データを受信済みであることが判断されると、更新データの受信処理は終了する。一方、上記ステップST140において、すべての更新データを受信済みでないことが判断されると、図33に示すスケジュールデータを参照して放送エリア内の更新データを放送中の放送局が選局される(ステップST141)。
【0095】
次いで、更新データが受信される(ステップST142)。次いで、その放送局の放送エリア内の更新データが放送終了であるかどうかが調べられる(ステップST143)。このステップST143において、放送終了でないことが判断されると、シーケンスはステップST142に戻り、更新データが受信される。以下、ステップST142およびST143が繰り返し実行される。そして、この繰り返し実行の途中で、ステップST143において放送終了であることが判断されると、シーケンスはステップST140に戻り、上述した処理が行われる。
【0096】
以上の処理により、放送エリアを同じくする例えば放送局A、放送局Bおよび放送局Cで更新データを放送する場合、図35に示すように、放送局Aの放送が終了したら放送局Bの放送に移り、放送局Bの放送が終了したら放送局Cの放送に移り、放送局Cの放送が終了したら放送局Aの放送に移るようにスケジュールデータによって制御されるので、いずれかの放送局で常に放送エリア内の更新データが放送される。
【0097】
以上説明したように、この発明の実施の形態9に係る地図更新システムによれば、どの時間においても放送エリアの更新データが何れかの放送局から放送されており、移動端末は常に更新データを受信できるため、地図データの更新を短期間で行うことができる。
【0098】
実施の形態10.
この発明の実施の形態10に係る地図更新システムは、スケジュールデータを、放送以外の通信手段によって取得するようにしたものである。
【0099】
図36は、この発明の実施の形態10に係る地図更新システムを構成する移動端末の構成を示すブロック図である。この移動端末は、図1に示した実施の形態1に係る移動端末に、通信手段212が追加されて構成されている。この通信手段212は、当該移動端末とデータ配信センタ301との間の通信を制御する。
【0100】
図37は、この発明の実施の形態10に係る地図更新システムを構成するデータ配信センタ301および放送局#1〜#nの構成を示すブロック図である。データ配信センタ301は、図24に示した実施の形態7に係るデータ配信センタに、通信手段311が追加されて構成されている。この通信手段311は、当該データ配信センタ301と移動端末との間の通信を制御する。
【0101】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態10に係る地図更新システムの移動端末において行われるスケジュールデータ受信処理を、図38に示すフローチャートを参照しながら説明する。このスケジュールデータ受信処理では、まず、スケジュールデータは受信済みであるかどうかが調べられる(ステップST150)。このステップST150において、受信済みであることが判断されると、そのスケジュールデータが有効期限内であるかどうかが調べられる(ステップST151)。このステップST151において、有効期限内であることが判断されるとスケジュールデータ受信処理は終了する。
【0102】
一方、上記ステップST150においてスケジュールデータが受信済みでないことが判断された場合、および、上記ステップST151において有効期限内でないことが判断された場合は、通信手段212により、データ配信センタ301にスケジュールデータ送信要求が送られる(ステップST152)。次いで、通信手段212により、現在受信可能な放送局の放送局IDが送信される(ステップST153)。次いで、データ配信センタ301から通信手段212を介してスケジュールデータが受信される(ステップST154)。次いで、ステップST154で受信されたスケジュールデータが受信データ記憶手段203に記録される(ステップST155)。以上により、スケジュールデータ受信処理は終了する。
【0103】
次に、データ配信センタ301において行われるスケジュールデータ送信処理を、図39に示すフローチャートを参照しながら説明する。このスケジュールデータ送信処理では、まず、移動端末からスケジュールデータ送信要求が受信される(ステップST160)。次いで、移動端末から放送局IDが受信される(ステップST161)。そして、放送局IDに対応したスケジュールデータが移動端末に送信される(ステップST162)。以上により、スケジュールデータ送信処理は終了する。
【0104】
以上説明したように、この発明の実施の形態10に係る地図更新システムによれば、移動端末は、データ配信センタ301から通信手段212を介して、必要なときに直ちにスケジュールデータを入手できる。
【0105】
実施の形態11.
この発明の実施の形態11に係る地図更新システムは、更新データを、放送以外の通信手段によって取得するようにしたものである。
【0106】
この発明の実施の形態11に係る地図更新システムの構成は、実施の形態10に係る地図更新システムの構成と同じである。ただし、移動端末の通信手段212およびデータ配信センタ301の通信手段311は、スケジュールデータではなく、更新データを送受するために使用される。
【0107】
次に、この発明の実施の形態11に係る地図更新システムの動作を説明する。図40は、移動端末の制御手段210の中のナビアプリ実行手段211で行われる地図データ取得処理を示すフローチャートである。この地図データ取得処理では、まず、アプリケーションの実行に必要な地図データが選定される(ST170)。次いで、ステップST170で選定された地図データが、地図データ記憶手段204から取得される(ステップST171)。次いで、ステップST171で取得された地図データに対応する更新データが受信データ記憶手段203に存在するかどうかが調べられる(ステップST172)。このステップST172において、取得された地図データに対応する更新データが存在することが判断されると、その更新データに従って、その取得された地図データが最新データに更新される(ステップST176)。
【0108】
上記ステップST172において、取得された地図データに対応する更新データが存在しないことが判断されると、データ配信センタ301に対して更新データ送信要求が送信される(ステップST173)。次いで、取得された地図データの更新に必要な更新データのデータIDが送信される(ステップST174)。その後、データ配信センタ301から送られてくる更新データが受信される(ステップST175)。その後、シーケンスはステップST176に進み、受信された更新データに従って、ステップST171で取得された地図データが最新データに更新される。
【0109】
次に、この発明の実施の形態11に係る地図更新システムのデータ配信センタ301で行われる更新データの送信処理を、図41に示すフローチャートを参照しながら説明する。この更新データの送信処理では、まず、移動端末から送られてくる更新データ送信要求を受信する(ステップST180)。次いで、移動端末から送られてくるデータIDを受信する(ステップST181)。次いで、ステップST181で受信したデータIDに対応した更新データを移動端末に送信する(ステップST182)。
【0110】
以上説明したように、この発明の実施の形態11に係る地図更新システムによれば、放送を受信していない更新データが必要になった時は、通信により更新データを受信し、その更新データを利用して地図データを最新データに更新することができる。
【0111】
実施の形態12.
この発明の実施の形態12に係る地図更新システムは、番組スケジュールに従って既に設定されている優先度を再設定するようにしたものである。
【0112】
この発明の実施の形態12に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0113】
図42は、この実施の形態12に係る地図更新システムの放送局が有するテレビジョン(以下、「TV」と略する)またはラジオ放送等の番組スケジュールの例を示す図である。番組スケジュールは、図42(a)に示すように、放送日、その放送日の番組数Nおよび複数の番組情報#0〜#N−1から構成されている。番組情報#0〜#N−1の各々は、図42(b)に示すように、番組のタイトル、ジャンル、番組の視聴率等によって決定される番組ランク、番組開始・終了時刻、番組に関連する地域の更新データの数を表す番組関連更新データ数Mおよび複数の番組関連更新データのデータID#0〜#M−1から構成されている。なお、番組関連更新データが存在しない場合は、番組関連更新データ数Mは「0」とされる。
【0114】
この実施の形態12に係る地図更新システムを構成する放送局では、上述した実施の形態1〜実施の形態6に係る地図更新システムで説明したようにして優先度設定が済んだ更新データに対して、番組スケジュールを参照して優先度の再設定が行われる。
【0115】
次に、放送局で行われる番組スケジュールによる優先度再設定処理を、図43に示すフローチャートを参照しながら説明する。この優先度再設定処理では、まず、更新データの優先度「P」が取得される(ステップST190)。次いで、データIDが取得される(ステップST191)。次いで、ステップST191で取得されたデータIDに対応する更新データが、図42に示すいずれかの番組情報の番組関連更新データであるかどうかが調べられる(ステップST192)。
【0116】
このステップST192において、番組関連更新データであることが判断されると、優先度が「P−R」に再設定される(ステップST193)。ここで、「R」は番組によって変わる値である。一方、番組関連更新データでないことが判断されると、ステップST193の処理はスキップされる。次いで、すべての更新データの処理が済んだかどうかが調べられる(ステップST194)。ここで、すべての更新データの処理が済んでいないことが判断されると、シーケンスはステップST190に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、すべての更新データの処理が済んだことが判断されると、番組スケジュールによる優先度再設定処理は終了する。
【0117】
以上説明したように、この発明の実施の形態12に係る地図更新システムによれば、TVやラジオ放送等で取り上げられて視聴者の関心が高い地域の地図データの更新を優先して行うことができる
【0118】
実施の形態13.
この発明の実施の形態13に係る地図更新システムは、番組のジャンル、ランクに応じて優先度を変えるようにしたものである。
【0119】
この発明の実施の形態13に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0120】
この実施の形態13に係る地図更新システムの放送局では、図42のフローチャートに示すST193の優先度再設定に用いる「R」の値が番組のジャンルおよび/またはランクによって変更される。すなわち、番組が人気の高いジャンルや番組ランクが高い場合には「R」が大きい値に変更される。
【0121】
以上説明したように、この発明の実施の形態13に係る地図更新システムによれば、人気のある番組に関連する視聴者の関心がより高い地域のデータの更新を優先して行うことができる。
【0122】
実施の形態14.
この発明の実施の形態13に係る地図更新システムは、放送中の番組関連の更新データを優先的に放送するようにしたものである。
【0123】
この発明の実施の形態14に係る地図更新システムを構成する放送局および移動端末は、放送局の動作を除き、図1および図2に示した実施の形態1に係る放送局および移動端末とそれぞれ同じである。従って、以下では、放送局の動作を中心に説明する。
【0124】
以下、放送局で行われるデータ放送処理を、図44に示すフローチャートを参照しながら説明する。このデータ放送処理では、まず、現在放送されている番組の番組情報が取得される(ステップST200)。次いで、番組関連更新データが存在するかどうかが調べられる(ステップST201)。ここで、番組関連更新データが存在することが判断されると、番組関連更新データが放送される(ステップST202)。一方、番組関連更新データが存在しないことが判断されると、通常の優先度に応じた更新データの放送が行われる(ステップST203)。
【0125】
以上説明したように、この発明の実施の形態13に係る地図更新システムによれば、現在放送中であり視聴者の関心が高い地域のデータの更新を優先して行うことができる。
【0126】
なお、上述した実施の形態14に係る地図更新システムでは、番組放送中は番組関連更新データのみを放送するとしているが、番組放送中でも通常の優先度による更新データの放送を適宜行うように構成することができる。例えば、更新データを1つ放送する毎に切り替えるように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムを構成する放送局の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムを構成する移動端末の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムで使用される地図データのフォーマットを示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムで行われる全体の地図を複数に分割して得られるエリアを説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムで使用される地域地図データのフォーマットを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムで使用される階層レベルを説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムで使用される更新データのフォーマットを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムの放送局において行われる優先度設定処理を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムで使用される優先度テーブルを示す図である。
【図10】図8のステップST13で行われる放送エリア外の優先度設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムの放送局で行われる放送エリア外の優先度設定を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムの放送局において行われる放送処理を示すフローチャートである。
【図13】図12に示す更新データの放送処理によって送信される更新データの順番および頻度を説明するための図である。
【図14】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムの移動端末において行われるデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態1に係る地図更新システムの移動端末のナビアプリ実行手段によって行われる地図データ取得処理を示すフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態2に係る地図更新システムの移動端末において行われるデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態2に係る地図更新システムの移動端末のナビアプリ実行手段によって行われる地図データ取得処理を示すフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態3に係る地図更新システムの放送局において行われる優先度設定処理の中の放送エリア外の優先度設定処理を示すフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態3に係る地図更新システムの放送局において行われる放送エリア外の優先度設定処理で使用される優先度設定テーブルを示す図である。
【図20】この発明の実施の形態4に係る地図更新システムの放送局において行われる優先度設定処理の中の放送エリア外の優先度設定処理を示すフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態5に係る地図更新システムの放送局において行われる優先度設定処理の中の放送エリア外の優先度設定処理を示すフローチャートである。
【図22】この発明の実施の形態5に係る地図更新システムの放送局において行われる放送エリア外の優先度設定処理で使用される優先度設定テーブルを示す図である。
【図23】この発明の実施の形態6に係る地図更新システムの放送局において行われる優先度設定処理の中の放送エリア外の優先度設定処理を示すフローチャートである。
【図24】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。
【図25】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムのデータ配信センタに保持される放送局情報のフォーマットを示す図である。
【図26】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの放送局から送信される放送データを説明するための図である。
【図27】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの放送局から送信されるスケジュールデータのフォーマットを示す図である。
【図28】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムのデータ配信センタから送信される配信データのフォーマットを示す図である。
【図29】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの移動端末において行われるスケジュールデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図30】この発明の実施の形態7に係る地図更新システムの移動端末において行われる更新データの受信処理を示すフローチャートである。
【図31】この発明の実施の形態8に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。
【図32】この発明の実施の形態8に係る地図更新システムのデータ配信センタから送信される配信データのフォーマットを示す図である。
【図33】この発明の実施の形態9に係る地図更新システムの放送局から送信される複数放送局対応のスケジュールデータのフォーマットを示す図である。
【図34】この発明の実施の形態9に係る地図更新システムの移動端末において行われる更新データの受信処理を示すフローチャートである。
【図35】この発明の実施の形態9に係る地図更新システムの動作を説明するための図である。
【図36】この発明の実施の形態10に係る地図更新システムの構成を示すブロック図である。
【図37】この発明の実施の形態10に係る地図更新システムを構成するデータ配信センタおよび放送局の構成を示すブロック図である。
【図38】この発明の実施の形態10に係る地図更新システムの移動端末において行われるスケジュールデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図39】この発明の実施の形態10に係る地図更新システムのデータ配信センタにおいて行われるスケジュールデータ送信処理を示すフローチャートである。
【図40】この発明の実施の形態11に係る地図更新システムの移動端末において行われる地図データ取得処理を示すフローチャートである。
【図41】この発明の実施の形態11に係る地図更新システムのデータ配信センタにおいて行われる更新データの送信処理を示すフローチャートである。
【図42】この発明の実施の形態12に係る地図更新システムの放送局が有する番組スケジュールの例を示す図である。
【図43】この発明の実施の形態12に係る地図更新システムの放送局で行われる番組スケジュールによる優先度再設定処理を示すフローチャートである。
【図44】この発明の実施の形態14に係る地図更新システムの放送局で行われるデータ放送処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
101 放送データ記憶手段、102 優先度設定手段、103 放送エリア内判定手段、104 放送データ決定手段、105 放送手段、201 受信手段、202 受信データ選択手段、203 受信データ記憶手段、204 地図データ記憶手段、205 地図データ更新手段、206 現在位置特定手段、207 操作手段、208 表示手段、209 現在日時取得手段、210 制御手段、211 ナビアプリ実行手段、212 通信手段、301 データ配信センタ、302 更新データ記憶手段、303 スケジュールデータ作成手段、304 配送データ決定手段、305 データ配送手段、310 データ受信手段、311 通信手段、401 受信データ選択手段、402 スケジュールデータ作成手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の放送エリアを有する放送局と移動端末とを備えた地図更新システムにおいて、
前記放送局は、
複数の地域の地図データを更新するための複数の更新データを記憶する放送データ記憶手段と、
前記放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア内の地図データに適用される更新データが放送エリア外の地図データに適用される更新データより高い頻度で放送されるように優先度を設定する優先度設定手段と、
前記放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データの中から前記優先度設定手段によって設定された優先度に従って決定した更新データを放送する放送手段
とを備え、
前記移動端末は、
前記放送局から放送された更新データを受信する受信手段と、
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記受信手段で受信された更新データに基づいて前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する地図データ更新手段
とを備えた地図更新システム。
【請求項2】
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、放送エリアからの実際の距離が大きくなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項3】
放送局は、放送エリアの中心と更新データが適用される地域の中心との間の最短経路の距離を表す道なりの距離を算出するナビアプリ実行手段を備え、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、前記ナビアプリ実行手段で算出された放送エリアからの道なりの距離が大きくなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項4】
放送局は、放送エリアの中心と更新データが適用される地域の中心との間の最短経路の距離を移動するのに必要な旅行時間を算出するナビアプリ実行手段を備え、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、前記ナビアプリ実行手段で算出された放送エリアからの旅行時間が大きくなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項5】
放送データ記憶手段は、階層レベルが低くなるに従って詳細な地図が描画される複数の階層レベルの地図データに適用される複数の更新データを記憶し、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、前記階層レベルが高くなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項6】
放送データ記憶手段は、更新データの放送時間を含むスケジュールデータをさらに記憶し、
放送手段は、前記放送データ記憶手段に記憶されているスケジュールデータを放送し、
受信手段は、前記放送手段から放送されたスケジュールデータを受信した後に受信処理を停止し、前記スケジュールデータに含まれる更新データの放送時間が到来した時に受信処理を起動し、前記放送局から放送される更新データを受信する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項7】
放送局は、同一の放送エリアに放送を行う複数の放送局から成り、
前記複数の放送局の各放送データ記憶手段は、更新データの放送時間が相互に異なるスケジュールデータをさらに記憶し、
前記複数の放送局の各放送手段は、前記放送データ記憶手段に記憶されているスケジュールデータを放送する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項8】
受信手段は、同一の放送エリア内の更新データを放送中の放送局を選択し、該選択した放送局からの更新データを受信する
ことを特徴とする請求項7記載の地図更新システム。
【請求項9】
移動端末は、放送局からの放送と異なる経路でスケジュールデータを受信する通信手段を備え、
受信手段は、前記通信手段で受信したスケジュールデータに基づき放送局から放送された更新データを受信する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項10】
移動端末は、放送局からの放送と異なる経路で更新データを受信する通信手段を備え、
地図データ更新手段は、前記通信手段で受信された更新データに基づいて前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項11】
放送局は、番組スケジュールを表す番組情報を有し、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データが、前記番組情報に応じた頻度で放送されるように優先度を再設定する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項12】
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データが、前記番組情報に含まれる番組のジャンルまたは番組ランクに応じた頻度で放送されるように優先度を再設定する
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新システム。
【請求項13】
放送局は、番組スケジュールを表す番組情報を有し、
優先度設定手段は、前記番組情報によって示される放送中の番組に関連する更新データの優先度が高くなるように優先度を再設定する
ことを特徴とする請求項1記載の地図更新システム。
【請求項14】
所定の放送エリアを有する放送局から、該放送エリア内の地図データに適用される更新データが該放送エリア外の地図データに適用される更新データより高い頻度で放送される更新データを受信する受信手段と、
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記受信手段で受信された更新データに基づいて前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する地図データ更新手段
とを備えた移動端末。
【請求項15】
受信手段は、放送局から放送されたスケジュールデータを受信した後に受信処理を停止し、前記スケジュールデータに含まれる更新データの放送時間が到来した時に受信処理を起動し、前記放送局から放送される更新データを受信する
ことを特徴とする請求項14記載の移動端末。
【請求項16】
受信手段は、同一の放送エリアに放送を行う複数の放送局から更新データを放送局中の放送局を選択し、該選択した放送局からの更新データを受信する
ことを特徴とする請求項14記載の移動端末。
【請求項17】
放送局からの放送と異なる経路でスケジュールデータを受信する通信手段を備え、
受信手段は、前記通信手段で受信したスケジュールデータに基づき放送局から放送された更新データを受信する
ことを特徴とする請求項14記載の移動端末。
【請求項18】
放送局からの放送と異なる経路で更新データを受信する通信手段を備え、
地図データ更新手段は、前記通信手段で受信された更新データに基づいて地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新する
ことを特徴とする請求項14記載の移動端末。
【請求項19】
所定の放送エリアを有する放送局において、
複数の地域の地図データを更新するための複数の更新データを記憶する放送データ記憶手段と、
前記放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア内の地図データに適用される更新データが放送エリア外の地図データに適用される更新データより高い頻度で放送されるように優先度を設定する優先度設定手段と、
前記放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データの中から前記優先度設定手段によって設定された優先度に従って決定した更新データを放送する放送手段
とを備えた放送局。
【請求項20】
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、放送エリアからの実際の距離が大きくなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項21】
放送エリアの中心と更新データが適用される地域の中心との間の最短経路の距離を表す道なりの距離を算出するナビアプリ実行手段を備え、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、前記ナビアプリ実行手段で算出された放送エリアからの道なりの距離が大きくなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項22】
放送エリアの中心と更新データが適用される地域の中心との間の最短経路の距離を移動するのに必要な旅行時間を算出するナビアプリ実行手段を備え、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、前記ナビアプリ実行手段で算出された放送エリアからの旅行時間が大きくなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項23】
放送データ記憶手段は、階層レベルが低くなるに従って詳細な地図が描画される複数の階層レベルの地図データに適用される複数の更新データを記憶し、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データに対して、放送エリア外の地図データに適用される更新データが、前記階層レベルが高くなるに従って少ない頻度で放送されるように優先度を設定する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項24】
放送データ記憶手段は、更新データの放送時間を含むスケジュールデータをさらに記憶し、
放送手段は、前記放送データ記憶手段に記憶されているスケジュールデータを放送する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項25】
放送局は、同一の放送エリアに放送を行う複数の放送局から成り、
前記複数の放送局の各放送データ記憶手段は、更新データの放送時間が相互に異なるスケジュールデータをさらに記憶し、
前記複数の放送局の各放送手段は、前記放送データ記憶手段に記憶されているスケジュールデータを放送する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項26】
番組スケジュールを表す番組情報を有し、
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データが、前記番組情報に応じた頻度で放送されるように優先度を再設定する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。
【請求項27】
優先度設定手段は、放送データ記憶手段に記憶されている複数の更新データが、前記番組情報に含まれる番組のジャンルまたは番組ランクに応じた頻度で放送されるように優先度を再設定する
ことを特徴とする請求項26記載の放送局。
【請求項28】
番組スケジュールを表す番組情報を有し、
優先度設定手段は、前記番組情報によって示される放送中の番組に関連する更新データの優先度が高くなるように優先度を再設定する
ことを特徴とする請求項19記載の放送局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2006−330279(P2006−330279A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152618(P2005−152618)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】