説明

移植可能潅流装置

本発明は、患者に対して、非常に少ない投与量の液状薬を連続投与するために使用される移植可能装置に関する。本発明の装置は、液体を容器に供給する移送チャンバ(2)と、この移送チャンバ(2)と前記容器との間で前記液体を移送するための手段と、前記液体を送るために使用されるとともに、前記液体のための入口と、前記液体を前記患者に送り出すための少なくとも1つの出口とを備える容器(6)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状薬を潅流するための装置、詳しくは、薬剤を非常に小さな流量で患者に対して連続投与するための移植可能潅流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病、ガン、AIDS、又は血液の疾患、等の、ある種の慢性疾患は、数ヶ月から数年に渡る期間の間、患者に対して薬剤を投与するために潅流を連続的に行うことを必要とする。
【0003】
今日、下記のようないくつかの潅流システムが知られている。
− 固定式、一般に病院で使用、
この場合、薬剤は、例えば、患者のベッドの上方に懸架されたプラスチックバッグから、重力によって流れる。このようなシステムには、患者がベッドに留まることを必要とし、その結果、使用継続時間に関して大きく制限されるという欠点がある。
【0004】
− 歩行式、この場合、薬剤は、患者が着用又は携帯するモータ駆動式ポンプによって投与され、これによって薬剤を患者の体内に自動的に注入することを可能とする。この解決構成の欠点は、ポンプの重量が比較的大きいこと、そして、ポンプをその薬剤が注入される部位、一般には、患者の腹部に位置する、と接続するチューブによって引き起こされる不都合にある。
その結果、患者の体内に移植することが可能なポンプに依存する解決構成が、それが提供する下記の多くの利点により、重要となりつつある。即ち、
− 高い安全性、
− 患者に対する快適性、これによって患者は普通の生活を送ることが可能となる、
− 患者によって必要とされる医療補助が最小限になる。
【0005】
従来技術において知られている移植可能潅流装置は、薬剤供給源を備える潅流ポンプを有し、このポンプは、一般に腹部に位置するバッグ内で、患者の皮膚の下に配置され、前記供給源の充填用オリフィスは、患者の皮膚を触診することによって検出される。負圧状態とされる前記供給源は、以下の手段によって、周期的に、薬剤によって充填される。即ち、
− 前記液状薬を含む注射器に接続されたニードル。この場合、ニードルは、患者の皮膚を通過し、次に、充填用オリフィスを通過し、その後、前記供給源内に開口し、液体が注射器に与えられる圧力によって送り出される。
− 又は、潅流されるべき液体を収納し、前記充填用オリフィスに対して耐漏えい状態に固定された、カプセル等の、周期的補給装置。この場合、液体は、その内部に存在する負圧によって供給源内へと吸入される。
【0006】
これらの従来の移植可能潅流装置には以下のような欠点がある。即ち、
− 腹部領域の患者の皮膚の下の位置は、特に、長期において、不便なことがある。
− 前記供給源に薬剤を可能な限り安全に充填するためには、前記装置は構造が非常に複雑になり、それによって製造コストが大幅に増大する。
− 患者の体内に潅流される液体の漏出を確実に防ぐためには前記供給源を負圧状態にしなければならない; そして
− 供給源に薬剤を充填する作業は、非常に困難であるので、それを行う医療担当者の特殊技能が必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、患者にとっての快適性を確保するべく適切に選択する体内の空隙部に載置するのに適した単純な構造の供給源を備え、この供給源の薬剤チャンバが単純かつ安全な方法で周期的に充填される、液状薬潅流用の移植可能な装置を構成することによって上述した問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、液体、特に、薬剤を、ヒト又は動物に投与するための移植可能装置は、以下を備える、
供給源に液体を供給することを可能にする移送チャンバ、
前記液体を前記移送チャンバと前記供給源との間で移送する移送手段、そして
前記液体を送り出すことを可能にする供給源、該供給源は以下を備える、
前記液体を受け入れる入口、そして
前記液体を前記患者に対して送り出すための少なくとも1つの出口。
本発明の前記装置は、基礎生理学量の薬剤を、中枢血管系を介して、連続的に、送り出す。特に、インスリンをインスリン依存糖尿病患者に送り出すためのものである。前記装置は、所与の患者に対して生理活性である一定量(送り出される活性主要物質の量は、患者の体重と、注入される溶液中の前記主要活性物質の希釈率との関数である)を連続的に送り出す供給源に、チェックバルブによって安全に構成されたチューブを介して供給する小寸法の移植可能チャンバを含む。前記供給源は、非常に小径で非常に長い毛細管を介して潅流カテーテルに接続され、これによって、流体が通過する時の大量のヘッドロスを確保する。前記毛細管は、流体を停止、再開することを可能にする制御手段を備え、この制御手段は、遠隔制御バルブとこの遠隔制御バルブを制御するための手段とを含む。前記毛細管内には、液体流量を測定するための手段が設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
貼付の図面を参照して以下の記載を読むことによって本発明はより良く理解されるであろう。ここで、図1は、移送チャンバと、液体を供給源に移送するための手段との図、図2は、本発明の好適実施例における加圧供給源を図示する断面図、そして図3は、本発明の移植可能潅流装置の図である。
【0010】
図1に図示されているように、本発明の装置1は、患者の皮膚の下に移植される移送チャンバ2を有する。この移送チャンバ2の充填用オリフィスは、隔膜3を備え、これを通して、注射器のニードル又はその他の適当な手段が薬剤を患者に対して送り出すことができる。前記移送チャンバ2と供給源6との間で前記液体を移送し、薬剤を患者に対して送り出すことを可能にする前記移送手段は、チューブ4を有し、このチューブ4には、液体が前記供給源6に向けて、即ち、図示されている方向にのみ通過することを可能にするべくチェックバルブ5が設けられている。
【0011】
図2は、本発明の一実施例における、患者に対して液体を送り出すことを可能にする加圧供給源6を図示している。この供給源6は、リジッドケース7を有し、これは、相変化流体を収納するチャンバ8を備え、この内部に、薬剤チャンバ9がフレキシブル膜(バッグ)10によって規定されている。一実施例において、該薬剤チャンバ9内には、患者に対して薬剤を送り出すための毛細管11が配設されている。前記供給源6に、それが使用状態とされる前に、相変化流体を充填することを可能にするための充填手段12が設けられている。
【0012】
図3は、前記毛細管11内の液体の流れを制御するための手段を図示し、これは、具体的には、遠隔制御バルブ13と、毛細管11内の流量を測定するための流れ測定手段14とを含む。液体は、前記チューブ4を介して前記移送チャンバ2から供給される。潅流用の液体は、カテーテル15を使用して、その遠端部から患者に注入される。前記カテーテル15は、前記供給源6からの前記出口において前記毛細管11に接続されている。
【0013】
本発明の前記装置の構造に含まれる種々の部材について以下詳述する。
【0014】
移送チャンバ
移送チャンバ2は、患者の皮下脂肪組織に外科移植される。その耐漏えいハウジングの中央部分に、隔膜3が設けられ、その側部に出口チューブが設けられている。前記移送チャンバ2は、生物学的適合材料(例えば、放射線不透ポリウレタン又はシリコン)から成る前記チューブ4に接続されている。
前記チューブ4の近端部は、移送チャンバ2の前記出口チューブに接続されている。この出口チューブと前記チューブ4との間の接続は、安全リング(図示せず)によって提供されている。前記チューブ4の遠端部は、恒圧状態にある前記供給源6に接続されている。前記チューブ4と供給源6との間の接続部に、チェックバルブ5が設けられている。
前記移送チャンバ2の内容量は、供給源6の薬剤チャンバ9の内容量と比較して小さく、移送チャンバ2の目的は、潅流される液体を格納することではなく、前記医薬チャンバ9を周期的に充填することを可能にするべくその液体を供給源6へ移送することにある。潅流用液状薬は、例えば、前記隔膜3を通過して移送チャンバ2内に開口するニードルを使用して(生物学的適合媒体上でフィルタリングされガス抜きされた後に)注入され、そこから液体は、チューブ4内へと通過し、その後、薬剤チャンバ9内に収納される。
前記チューブ4の邪魔にならないように、殺菌フィルタが、移送チャンバ2からの出口、例えば、このチューブ4が移送チャンバ2から離間する箇所、に載置されている。
例えば、2本のHuberニードルを同時に使用することによって、移送チャンバ2を洗浄することが可能である。第1のニードルは、洗浄液(例えば、患者に投与される液体の希釈溶液)を注入する注射器に接続される。第2のニードルは、接続されず、洗浄液を除去するために使用される。前記注入用ニードルによって発生する圧力は、供給源6に格納されている液体の圧力よりも十分低い状態に維持されなければならない。
【0015】
患者に対して液体を送り込むことを可能にする供給源
前記供給源6は、患者体内の、患者にとっての快適性のために適切に選択された箇所に、移植される。この供給源6は、前記移送チャンバ2から0.5センチメートル〜40センチメートルの範囲の距離に配置することができる。
前記供給源6は、潅流用の液体と体液とに対して漏れのない、チタンなどの生物学的適合性材料から形成されるリジッドケース7を含む。
前記ケースは、30ミリメートル(mm)〜60mmの直径と、10ミリメートル〜20ミリメートルの厚みと、60グラム(g)以下の総重量(潅流用液体と前記毛細管とを含む)を有するエンクロージャに対応する。
前記供給源6は、潅流用液体を収納し、毛細管11に接続された薬剤チャンバ9を有する。
前記供給源6は、例え負圧状態にある時にでも前記液体を患者に送り込むことが可能であり、その場合、それは、前記薬剤チャンバ9内に格納されている液体が前記毛細管11に沿って一定の流量で流れることを補償する手段を備える。
本発明の一特定実施例において、前記供給源6は、前記薬剤チャンバ9に保持された液体を、当業者に知られている技術、機械バネ、圧縮ガス、一定の温度での液体の気化、を使用して一定の圧力に維持するための手段を含む。
加圧されることによって、前記液体は前記毛細管11に沿って流すことができる。原則的には、一旦、毛細管11が液体によって完全に満たされたならば、この流れを得るには僅かな圧力しか必要とされない。注入ポイントでの圧力は、患者のポジション、注入カテーテル15の周囲における凝血の発生可能性、等に応じて変化しうる。これらの圧力差を相殺するには、数バールから数十バールの範囲の圧力で十分である。
一好適実施例において、前記供給源6は、相変化流体を利用することによって加圧される。そのような状況下では、前記リジッドケース7は、その相変化流体に対して漏れのないものとされる。
【0016】
相変化流体チャンバ
相変化流体を収納するチャンバ8は、その圧力が人体の実質的に一定の温度、即ち、約37±1℃、のみに依存する相変化流体の気液混合物を収納する。潅流液体は、フレキシブルで漏れ防止性のフレキシブル膜10を通してこの圧力を受け、従って、潅流液自身の圧力が一定となり前記気液混合物の圧力と同一となる。この推進力源は、数バールから数十バールの範囲の蒸気圧を有する任意の物質によって構成することができる。一実施例において、前記推進源気体は、37℃で12.75バールの蒸気圧を有するプロパンとすることができる。
前記供給源6が、相変化流体によって加圧される時、恒圧の供給源6に収納されている前記流体に相変化のための十分な時間が与えられるように、前記移送チャンバ2中の液体は、十分にゆっくりと注入される必要がある。たとえこれらの条件下においても、前記移送チャンバ2を介して薬剤チャンバ9を充填するのに必要な時間は、10分間以内に留まる。
【0017】
薬剤チャンバ
前記薬剤チャンバ9は、毎時1マイクロリットル(μL/h)から50μL/hの範囲の送り出し速度で2−4週間の再充填間での利用に対応する限定された容量、例えば、10ミリリットル(mL)のものである。毎月注入される量は、好ましくは7mLであり、これは、約10μL/hの流量に対応する。
一好適実施例において、前記注入用液状薬とコイル状の毛細管11とを収納しているフレキシブルバッグ9は、前記相変化流体を収納するチャンバ8の内部に配設される。
この構成は以下のような多くの利点を提供する。即ち、
− 液状薬と装置の外側のリジッドケース7との間に接触が無いことにより、装置に穴が開く虞が少ない;
− 前記フレキシブル膜10に対して大きな力が局所的にかかることがない;
− フレキシブル膜10の変形性が高いため、薬剤の圧力は、相変化流体の圧力と実際に同一となる;
− リジッドケース7は、それが閉じられた後に、相変化流体で充填される;
− リジッドケース7は、それが閉じられた後に、液状薬が挿入される;
− リジッドケース7の溶接又は組み立て中に形成されるかもしれない異物が侵入することがフレキシブル膜10によって防止される; そして
− 相変化流体と、供給源6を包囲する組織との間の接触面積が最大化され、それによって、特に、前記供給源6に、体温よりも低い、約4℃〜25℃の範囲の温度の液体を充填する間に重要である、前記組織と相変化流体との間の熱エネルギ伝達が最適化される。その結果、充填中の相変化流体の圧力の変動が無視できる程度にとどまり、潅流流体の流量に大きな変動が生じない。
【0018】
制御されたヘッドロスを実行することによって流量を制御するためのシステム
流量は、前記薬剤チャンバ9内の注入用液体(上述)と、それに沿って注入用液体が層流状態で移動するコイル状の毛細管11とを含み、加圧状態にある供給源6を構成することによる前記毛細管チューブによって制御される。
コイルの前記状毛細管11の特徴構成は、下記の種々のパラメータに基づいて計算される。即ち、
− 注入流量の大きさ、たとえば、100単位のインスリンの場合、毎秒約2.7x10−12立方メートル(m/s)(毎月約7mLの流量に対応);
− 体内作動温度、これは37℃に近い;
− 注入される液体の動粘度、これは液体を水であると見なすことができる場合、毎秒0.695x10−3パスカル(Pa.s)に対応する; そして
− 長さが1メートル(m)〜15mの範囲で、二つの連続する巻回部間のピッチが100μm〜150μmの場合に、15マイクロメートル(μm)〜60μmの範囲の直径となる、毛細管の形状(円形、三角形又は矩形の断面)。
一好適実施例において、コイル状の前記毛細管11は、三角形又は矩形の断面を呈し、その毛細管空間は、そのうちの1つの表面が溝を有する、二つの平面(表面)を接触状態にすることによって形成される。この解決構成は、潅流液体が通る経路とその流量とにおいてより大きな安全性を提供する。
そのような場合、コイル状の前記毛細管11は、下記の特徴、即ち、一辺が約40μmの四角形断面、12m〜15mの範囲の長さ、そして120μmのコイルピッチ、を備えたものとすることができる。
コイル状の前記毛細管11は、生物学的適合材料プラスチック材やシリコンなどの種々の材料から形成することができる。
作動状態にする前に、コイル状の前記毛細管11は、校正する必要があるが、この作業は、液体(例えば、水、又は潅流用薬剤)を使用して、又は、圧縮ガス、によって行うことができる。
送り出し量は、患者のほぼ一定の体温によって一定に保たれるが、温度変動は1℃当たり2%以下の送り出し量の変動をもたらし、これらは、ユーザの必要性の差異と両立可能である。
【0019】
本発明の前記装置1は、前記毛細管11に沿った液体の流れを停止し、その後、再スタートさせることを可能にする制御手段16を備える。この制御手段16は以下を有する。
− 遠隔制御バルブ13; そして
− センサ(例えば、糖尿病患者用の糖血センサ、これは内部式又は外部式のものとすることができる)によって得られたデータに応答して、或いは、外部から制御される手動介入の結果として、起動されるのに適したバルブ制御手段(図示せず)。外部からの指示に基づいてシステムを停止又は再開するために、例えば、無線などによる、コマンドのワイヤレス伝送を使用することができる。
この停止及び再開動作は、問題の発生時(一時的血糖降下)、又は特定の動作時、に行われる。
前記遠隔制御バルブ13と、その制御システムの電力消費は、適当な大きさの電池、又は、無線波を利用して外部から充電可能なバッテリによって提供することができる。
【0020】
本発明の装置の要件に対応するのに適した、小型ソレノイドバルブの具体例は、短い持続時間の電気パルスに応答してバルブが作動することを可能にする連動マグネットを備え、開放位置又は閉鎖位置にある時には電気を消費しないように構成されている、アメリカの供給業者Lee社によって販売されているEPSVバルブである。
【0021】
前記毛細管11は、更に、流れ測定手段14も備え、これは、校正済みセンタポイント圧力センサとその調節装置とによって構成される。前記センサは、前記液体の圧力を、毛細管の入口と出口との間、好ましくは、その真中、に位置するポイントで測定する。通常の作動において、圧力は、前記供給源6中の液体の圧力と注入ポイントの圧力との間の圧力であって、大気圧に近い圧力に等しい。流れの無い時には、測定圧は、通路のどちらの半部分がブロックされているかに応じて、前記値のいずれかとなる。これにより、前記圧力センサは、流れが生じている時を示すとともに、値をリアルタイムで正確に測定するべく作用する。
この測定は、注入される液体の粘度と、前記毛細管のいくつかの特徴(この毛細管の上流側と下流側の圧力)と、人体の温度、とに基づいて行われる。
【0022】
前記圧力センサは、体と、その変形が歪みゲージによって測定される膜、とによって形成される装置である。本発明の装置に使用されるように構成されたそれらのセンサは、例えば、アメリカの供給業者Entran社によって販売されている小型センサによって構成することができる。
従って、本発明の装置の制御及びモニタシステムは、次の二つの機能を行う。即ち、
− 内部又は外部で生成された命令(開放又は閉鎖)に基づいて前記遠隔制御バルブ13を制御すること; そして
− 圧力センサが誤作動を検出した場合に警報信号を発信すること。
いずれの場合にも、伝送は無線で行うことが可能。
【0023】
カテーテル
前記カテーテル15は、血管、特に、中心静脈の、好ましくは、その末端でのフィブリン隗の形成を回避するように高タービュレンス領域に移植される。カテーテル15は、供給源6と注入ポイントとの間の接続を提供する。
前記カテーテル15は、このカテーテル15に沿った流れが停止される時間の長さが、約30分間を超えると目詰りを起こす可能性がある。カテーテル15が妨害されることを回避するために、毛細管11中の流れをモニタするための手段が、前記遠隔制御バルブ13を制御する手段に組み込まれ、これによって、この遠隔制御バルブ13を、所定時間の間、規則的間隔で再スタートすることを可能にする。具体的には、これは、前記遠隔制御バルブ13の制御手段16に、プログラムをインストールすること、即ち、遠隔制御バルブ13がOFF位置になった時はいつも、約10分間に一回、短い持続時間(30秒間〜1分間)の流れを再スタートさせる、集積回路に構成された命令、から成る。
前記カテーテル15は、5年間〜7年間の範囲の長期に渡って作動することが求められる。従って、このカテーテル15が、選択された中心静脈に対して、それから分離することなく、また、高いヘッドロスを引き起こし回路の両端部間の圧力差の低下を引き起こす血液凝固が形成されることのないように、適切に固定されることが必須である。
注入される薬剤の投与量は、患者の体重に応じて、可変であり、例えば、体重の大きな患者には高い流量係数を有する毛細管を使用し、そして、適切な投与量を得るたに薬剤を希釈すること等によって変化させることができる。
【0024】
一実施例において、潅流される流体の量は、前記遠隔制御バルブ13が開放(ON)される時間の長さを、患者の特定のニーズに応じて変化させることによって変更することができる。
【0025】
本発明の前記装置は、糖血を低下させるために使用されているその他の既存の手段、インスリンの注射、吸入、等と併用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】移送チャンバと液体を供給源に移送するための手段を示す図
【図2】本発明の好適実施例における加圧供給源の断面を示す図
【図3】本発明の移植可能潅流装置を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、特に、薬剤を、ヒト又は動物に投与するための移植可能装置であって、
供給源(6)に液体を供給することを可能とする移送チャンバ(2)と、
前記液体を前記移送チャンバ(2)と前記供給源(6)との間で移送する移送手段と、
前記液体を送り出すことを可能にする供給源(6)を備え、
前記供給源(6)は、前記液体を受け入れる入口と、前記液体を前記患者に対して送り出すための少なくとも1つの出口を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
液体を前記患者に送り出すための前記供給源(6)の前記出口が、毛細管(11)に接続されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記毛細管(11)が、該毛細管(11)中の液体の流れを調節可能にするための制御手段(16)を備えている請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御手段(16)が、遠隔制御バルブ(13)と、該遠隔制御バルブ(13)を制御するための手段とを含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記遠隔制御バルブ(13)を制御するための手段は、内部又は外部センサである請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記毛細管(11)が、その遠端部にカテーテル(15)を備えている請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記毛細管(11)が、該毛細管中の前記液体の流れを測定するための流れ測定手段(14)を備えている請求項2から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記流れ測定手段(14)が、中心ポイント圧力センサを含む請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記供給源(6)が、薬剤チャンバ(9)に収納されている前記液体を一定圧にするための手段を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記薬剤チャンバ(9)に収納されている前記液体を一定圧にするための前記手段が、相変化流体を使用することを含む請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記相変化流体は、イソブタン又はプロパンである請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記移送チャンバ(2)と前記供給源(6)との間で液体を移送するための前記移送手段が、チューブ(4)とチェックバルブ(5)とを含む請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記チューブ(4)が、皮膚の下に移植された前記移送チャンバ(2)と、そこから一定の距離で、患者の体内の選択された位置にある供給源(6)との間で前記液体を移送可能な長さで存在する請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記毛細管(11)中の流れをモニタするための手段が設けられ、
前記手段が前記遠隔制御バルブ(13)を制御するための手段に組み込まれ、
前記遠隔制御バルブ(13)を所定の持続時間に渡って所定の規則的間隔で再スタートさせることを可能にする請求項4に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−507267(P2007−507267A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530408(P2006−530408)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002478
【国際公開番号】WO2005/035027
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506120194)
【出願人】(506120183)
【Fターム(参考)】