積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置
【課題】印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供する。
【解決手段】未焼成誘電体セラミックシートから、印刷製版の印刷によって得られた電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取出す。電極印刷シート61、62の複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シートQ11ーQ12間において、先に積層された電極印刷シートQ11に印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートQ12に印刷された電極行列パターンを、列方向△X1または行方向△Y1にオフセットさせて積層し、積層体を得る。
【解決手段】未焼成誘電体セラミックシートから、印刷製版の印刷によって得られた電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取出す。電極印刷シート61、62の複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シートQ11ーQ12間において、先に積層された電極印刷シートQ11に印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートQ12に印刷された電極行列パターンを、列方向△X1または行方向△Y1にオフセットさせて積層し、積層体を得る。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波用途の積層セラミックコンデンサには、インダクタンスが低いことが要求される。この種の低インダクタンス用積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された多数の内部電極を含む。内部電極のそれぞれは取出電極を有しており、取出電極のそれぞれは誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。従って、回路基板等への実装に当っては、内部電極の一部である取出電極を、外部回路に接続できるので、リードインダクタンスが極小になり、低インダクタンスが実現される。
【0003】この種の低インダクタンス用積層セラミックコンデンサでは、内部電極の取出電極のそれぞれは、誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されているので、取出電極を含めたパターンが、内部電極のそれぞれにおいて異なる。そこで、従来は、内部電極のパターン種に応じた個数の印刷製版、一般的には、スクリーン印刷製版を準備し、内部電極のパターンが異なる度毎に、スクリーン印刷製版を変えて印刷していた。
【0004】このため、スクリーン印刷製版の枚数が多くなり、印刷設備が複雑になると共に、スクリーン印刷製版の製造、保管及び準備等に多大な労力及び費用を必要とするという難点があった。
【0005】しかも、多数のスクリーン印刷製版を、内部電極パターンが異なる毎に選択する必要があるため、印刷工程が面倒で、複雑になるという問題点もある。
【0006】更に、多数のスクリーン印刷製版を用いて内部電極を印刷するため、スクリーン印刷製版間の誤差に起因するパターンずれが生じ、更に、積層する際の誤差が加算されるため、内部電極間の重なり面積の変動等を招き、延ては、容量精度が低下する等の問題点を生じる虞があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷設備の簡素化に極めて有効な積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0008】本発明のもう一つの課題は、印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0009】本発明の更にもう一つの課題は、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0010】本発明の更にもう一つの課題は、容量精度の高い積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明は積層セラミックコンデンサを製造する方法について、2つの態様を開示する。本発明に係る製造法の適用される積層セラミックコンデンサは、低インダクタンス用として用いられるものであって、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された複数の内部電極を含み、前記内部電極のそれぞれは取出電極を有し、前記取出電極のそれぞれは、前記誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。
【0012】上述した積層セラミックコンデンサを得るため、第1の態様に係る製造方法では、未焼成誘電体セラミックシートの表面に、印刷製版を用いて内部電極を印刷する工程を含む。前記印刷製版は前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有する。
【0013】そして、前記未焼成誘電体セラミックシートから、前記印刷製版の印刷によって得られた電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0014】上記工程は、基本的には、従来工程とほぼ同じである。従来工程と著しく異なる特徴的な工程は、前記電極印刷シートの複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シート間において、先に積層された電極印刷シートに印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートに印刷された電極行列パターンを、行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る点にある。
【0015】この工程によれば、1つの印刷製版、例えばスクリーン印刷製版を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して積層されるべき内部電極、即ち、所定の位置に引出電極を有する内部電極を選択することができる。
【0016】この場合、用いられる印刷製版は、一種であるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用等も著しく低減し得る。更に、一種の印刷製版を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0017】しかも、電極印刷シートに印刷された電極行列パターンは、同一の印刷製版によって得られたものであり、印刷製版のパターン誤差に起因する電極印刷誤差等を含まないから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0018】次に、第2の態様に係る製造方法では、第1の印刷製版及び第2の印刷製版を用いる。まず、第1の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第1の印刷製版を用いて内部電極を印刷する。前記第1の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第1の行列パターンを有している。次に、前記第1の未焼成誘電体セラミックシートから、前記第1の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第1の電極印刷シートを取り出す。
【0019】上記工程とは別に、第2の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第2の印刷製版を用いて前記内部電極を印刷する。前記第2の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第2の行列パターンを有する。前記第2の行列パターンは前記第1の行列パターンの鏡像である。そして、前記第2の未焼成誘電体セラミックシートから、第2の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第2の電極印刷シートを取り出す。
【0020】次に、前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートを、前記第1及び第2の電極行列パターンの全体が互いに重なるように積層する。
【0021】こうして得られた前記第1及び第2の電極印刷シートの組に対し、他の前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートの組を、前記第1及び第2の電極行列パターンの行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る。
【0022】第2の態様によれば、2つの印刷製版を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して重なるべき内部電極を選択することができる。
【0023】この場合、用いられる印刷製版は、二種であるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用等も著しく低減し得る。更に、二種の印刷製版を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0024】しかも、電極印刷シートに印刷された電極行列パターンは、二種の印刷製版によって得られたものであり、印刷製版のパターン誤差は二種の印刷製版間の誤差に留まるから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0025】オフセットの量は、具体的には、1行または1列の分である。オフセットを付する具体的手法の一つは、行の方向にオフセットさせた後、列の方向にオフセットさせ、次に、行列の方向にオフセットさせる3つのステップを含む。
【0026】より多数の積層数を得る場合には、上述した工程(第1の態様及び第2の態様)によって得られた積層体の複数枚を、更に積層すればよい。これにより、高精度のパターン重なりを有する積層体を積層し、全体として、高精度の容量を有する低インダクタンス用積層セラミックコンデンサを、高歩留で得ることができる。
【0027】本発明において用いられる印刷製版には、スクリーン印刷製版、グラビア印刷製版及びオフセット印刷製版等が含まれる。
【0028】本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は単なる例示に過ぎない。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの外観斜視図、図2は図1に示した積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。図示された積層セラミックコンデンサは、低インダクタンス用として用いられるものであって、誘電体セラミック基体1の内部に、誘電体セラミック層(図示省略)を介して、下(図において)から順次に積層された複数の内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dを含んでいる。内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dの個数は、実施例では8個であるが、任意数でよい。また、積層順序は不同であり、図示の順序に限定されるものではない。
【0030】更に、積層工程上、内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dのうち、内部電極(C、D、A、B)及び内部電極(A、B、C、D)のそれぞれが、一組の積層体として製造され、内部電極(C、D、A、B)の組の積層体と、内部電極(A、B、C、D)の組の積層体とを、更に積層して得られる。内部電極(C、D、A、B)の組と、内部電極(A、B、C、D)の組とにおいて、同一の参照符号を付された内部電極は、電極パターンが同一で、単に、取出電極の方向が異なるだけである。
【0031】内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dのそれぞれは取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2を有する。取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2のそれぞれは、誘電体セラミック基体1の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2を、誘電体セラミック基体1の側端面において、互いに異なる位置に導出する手段として、実施例では、内部電極(C、D、A、B)の取出電極c1、d1、a1を、誘電体セラミック基体1の同一側端面に導出し、内部電極(A、B、C、D)の取出電極a2、b2、c2、d2を、対向する他の側端面に導出してある。
【0032】取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2は、誘電体セラミック基体1の側端面に付与された端子電極22、21、24、23、31、32、33、34に導通接続される。
【0033】内部電極(C〜B)、(A〜D)及び端子電極(21〜24)、(31〜34)を構成する電極材料は特に制限はない。
【0034】図1及び図2に図示された積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体1の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された多数の内部電極(C〜B)、(A〜D)を含み、内部電極(C〜B)、(A〜D)のそれぞれは、取出電極(c1〜b1)、(a2〜d2)を有しており、取出電極(c1〜b1)、(a2〜d2)のそれぞれは誘電体セラミック基体1の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。従って、回路基板等への実装に当っては、内部電極(C〜B)、(A〜D)の一部である取出電極(c1〜b1)、(a2〜d2)を、それぞれが接続されている端子電極(21〜24)、(31〜34)を介して、外部回路に接続できるので、リードインダクタンスが極小になり、低インダクタンスが実現される。
【0035】次に、図1及び図2に示した積層セラミックコンデンサの製造方法について、図3〜図12を参照して説明する。この製造方法は第1の態様に属する。。本発明において用いられる印刷製版には、スクリーン印刷製版、グラビア印刷製版及びオフセット印刷製版等が含まれることは前述した通りである。以下に説明される実施例では、スクリーン印刷製版を用いた場合を例にとって説明する。
【0036】図3は第1の態様に係る製造方法の実施に用いられるスクリーン印刷製版10の平面図である。スクリーン印刷製版10は、内部電極A〜Dのそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有するスクリーン印刷製版10において、印刷パターンのそれぞれに対しては、対応する内部電極A〜Dと同一の参照符号を付してある。具体的には、内部電極Aに対応する印刷パターンに参照符号Aを付し、内部電極Bに対応する印刷パターンに参照符号Bを付し、内部電極Cに対応する印刷パターンに参照符号Cを付し、内部電極Dに対応する印刷パターンに参照符号Dを付してある。印刷パターンA〜Dは、インクを通す抜きパターンであり、その周りの白い領域はインクを通さない領域である。印刷パターンA〜Dは、取出電極に対応する部分が、同一の方向に突出する向きに配置されている。
【0037】印刷パターンA〜Dは行列状に配置される。具体的には、図3において、上第1行目に、印刷パターンA及び印刷パターンBが、交互に、一定の間隔g1を隔てて配置されている。上第2行目には、印刷パターンC及び印刷パターンDが、交互に、一定の間隔g1を隔てて配置されている。上第2行目の印刷パターンC及び印刷パターンDは、上第1行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0038】更に、上第3行目には、印刷パターンA及び印刷パターンBが、交互に、一定の間隔g1を隔てて配置されている。上第3行目の印刷パターンA及び印刷パターンBは、上第2行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0039】上述した配置を、任意の行数m及び列数mだけ繰り返すことにより、m行m列の印刷パターン行列が得られる。実施例では、m=5となっている。より詳しくは、第1行目、第3行目及び第5行目は、印刷パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は印刷パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0040】図4は図3に示したスクリーン印刷製版10を用いて電極印刷を行う印刷システムの構成を示す図、図5は図4に示した印刷システムによって印刷された印刷面の拡大平面図、図6は図5の6ー6線に沿った断面図である。
【0041】図4を参照すると、供給ロール81と巻き取りロール82との間に、帯状の支持体4が張設されている。支持体4は、適当な可撓性プラスチックフィルムで構成され、供給ロール81から引き出され、巻き取りロール82に巻き取られ、矢印F1の方向に搬送される。支持体4の搬送時には、供給ロール81が矢印R1の方向に回転し、巻き取りロール82が矢印R2の方向に回転する。
【0042】供給ロール81と巻き取りロール82との間には、印刷装置83及び乾燥装置84等が配置されており、印刷装置83と対向する位置には受け台85が設置されている。印刷装置83には、図3に示したスクリーン印刷製版10がセットされている。
【0043】図5及び図6を参照すると、支持体4の一面には、未焼成誘電体セラミックシート6が層状に付着されている。未焼成誘電体セラミックシート6は支持体4と共に、矢印F1の方向に搬送される。その搬送の途中で、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いて、内部電極を印刷する。スクリーン印刷製版10による印刷は、図5及び図6に示すように、間隔g3を隔てて、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、繰り返し実行される。印刷の際は、支持体4の搬送が一時的に停止される。そのような一時停止機構は既に知られているので、図示は省略する。
【0044】電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10によって印刷されたものであるから、スクリーン印刷製版10の印刷パターンと同一である。即ち、第1行目、第3行目及び第5行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0045】上述した印刷工程を繰り返すことにより、所定の間隔g3で、電極行列パターンQ01、Q02、...を印刷した未焼成誘電体セラミックシート6が得られる。このようにして得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6は、乾燥装置84による乾燥工程等を経て、巻き取りロール82に巻き取られる。
【0046】次に、上述した印刷工程を経て得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6を、巻き取りロール82から引き出し、引き出された電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6から、電極行列パターンQ01、Q02、...を囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0047】上記工程は、基本的には、従来工程とほぼ同じである。従来工程と著しく異なる特徴的な工程は、打ち抜いて得られた電極印刷シートの複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シート間において、先に積層された電極印刷シートに印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートに印刷された電極行列パターンを、行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る点にある。次に、図7〜図14を参照して、この積層工程を詳細に説明する。
【0048】図7は積層台5の上に第1層目の電極印刷シートQ11を載置した状態を示す平面図、図8は図7の8ー8線に沿った断面図である。電極印刷シートQ11は、未焼成誘電体セラミックシート61の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。
【0049】積層台5の一面には、直交2軸XYを有する座標系において、基準(原点)となるX0軸及びY0軸が想定されている。このX0軸及びY0軸は固定した基準となる。
【0050】一方、電極印刷シートQ11の一面上にも、直交2軸XYによる座標系において、X1軸及びY1軸を想定する。X1軸及びY1軸は、基本的には、電極印刷シートQ11の中心線上に設定する。
【0051】図7及び図8において、第1層目の電極印刷シートQ11は、その一面上に設定されたX1軸及びY1軸が、基準のX0軸及びY0軸に一致するようにセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(0、0)となる。この位置合わせは、CCDカメラ等の撮像装置及びコンピュータ等を用いた画像処理の適用によって、高精度で自動的に実行することができる。以下に説明する位置合わせも同様である。
【0052】図9は積層台5の上にセットされた第1層目の電極印刷シートQ11の上に、第2層目の電極印刷シートQ12を載置した状態を示す平面図、図10は図9R>9の10ー10線に沿った断面図である。電極印刷シートQ12は、未焼成誘電体セラミックシート62の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いた印刷によって得られたものであるから、電極印刷シートQ11の電極行列パターンと全く同一である。
【0053】第2層目の電極印刷シートQ12は、その一面上に設定されたX1軸が、積層台5の一面上に設定された基準のX0軸に一致するが、Y1軸は基準のY0軸から、オフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X1、0)となる。
【0054】オフセット量△X1は1列分である。即ち、電極印刷シートQ11の第4列目に対して、電極印刷シートQ12の第5列目が重なり、電極印刷シートQ11の第3列目に対して、電極印刷シートQ12の第4列目が重なり、電極印刷シートQ11の第2列目に対して、電極印刷シートQ12の第3列目が重なり、電極印刷シートQ11の第1列目に対して、電極印刷シートQ12の第2列目が重なる。
【0055】電極印刷シートQ11、Q12において、第1行目、第3行目及び第5行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0056】従って、電極印刷シートQ11に対して、電極印刷シートQ12を、1列分のオフセット量△X1を付して積層した場合、積層して得られた積層体で見て、第1行目、第3行目及び第行目は電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(CーCDーDCーCDーDCーC)となる。第3列目及び第5列目は電極パターン配列(BAーDCーBAーDCーBA)となる。
【0057】図11は積層台5の上にセットされた第2層目の電極印刷シートQ12の上に、第3層目の電極印刷シートQ13を載置した状態を示す平面図、図12は図11の12ー12線に沿った断面図である。電極印刷シートQ13は、未焼成誘電体セラミックシート63の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いた印刷によって得られたものであるから、電極印刷シートQ11、Q12の電極行列パターンと全く同一である。
【0058】第3層目の電極印刷シートQ13は、その一面上に設定されたY1軸が、積層台5の一面上に設定された基準のY0軸に一致するが、X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(0、△Y1)となる。
【0059】オフセット量△Y1は1行分である。即ち、電極印刷シートQ12の第4行目に対して、電極印刷シートQ13の第5行目が重なり、電極印刷シートQ12の第3行目に対して、電極印刷シートQ13の第4行目が重なり、電極印刷シートQ12の第2行目に対して、電極印刷シートQ13の第3行目が重なり、電極印刷シートQ12の第1行目に対して、電極印刷シートQ13の第2行目が重なる。
【0060】第1層目の電極印刷シートQ11に対しては、電極印刷シートQ11の第4行目に対して、電極印刷シートQ13の第5行目が重なり、電極印刷シートQ11の第3行目に対して、電極印刷シートQ13の第4行目が重なり、電極印刷シートQ11の第2行目に対して、電極印刷シートQ13の第3行目が重なり、電極印刷シートQ11の第1行目に対して、電極印刷シートQ13の第2行目が重なる。
【0061】電極印刷シートQ11、Q12、Q13において、第1行目、第3行目及び第5行目が電極パターンA及び電極パターンBの電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターンC及び印刷パターンDの電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0062】従って、電極印刷シートQ13を、1行分のオフセット量△Y1を付して積層した場合、積層して得られた積層体で見て、第1行目は電極印刷シートQ13の第1行目の電極パターン配列(AーCーAーCーA)となり、第2行目及び第4行目は配列(AーABCーBADーABCーBADーCA)となる。第3行目及び第5行目は電極パターン配列(CーCDAーDCBーCDAーDCBーAC)となる。更に、第6行目は電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となる。
【0063】図13は積層台5の上にセットされた第3層目の電極印刷シートQ13の上に、第4層目の電極印刷シートQ14を載置した状態を示す平面図、図14は図13の14ー14線に沿った断面図である。電極印刷シートQ14は、未焼成誘電体セラミックシート64の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いた印刷によって得られたものであるから、電極印刷シートQ11、Q12、Q13の電極行列パターンと全く同一である。
【0064】第4層目の電極印刷シートQ14は、その一面上に設定されたY1軸が、基準のY0軸からオフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。従って、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X1、△Y1)となる。
【0065】オフセット量△Y1は1行分であり、オフセット量△X1は1列分である。従って、図13及び図1414に示したオフセットは、図9、10に示したオフセット量△Y1、及び、図11、12に示したオフセット量△X1の合成となる。
【0066】これにより、積層して得られた積層体で見て、第1行目の電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となり、第2行目及び第4行目は配列(ACーABCDーBADCーABCDーBADCーCA)となる。第3行目及び第5行目は電極パターン配列(CAーCDABーDCBAーCDABーDCBBーAC)となる。更に、第6行目は電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となる。
【0067】この後、図13及び図14に示した電極印刷シートQ11〜Q14の積層体に対し、行間及び列間で個別分割を施し、電極A、B、C及びDの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素を取り出す。こうして取り出された積層セラミックコンデンサ要素は、図1及び図2に図示した積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極(C、D、A、B)の組、または、内部電極(A、B、C、D)の組を有する積層体に相当する。内部電極(C、D、A、B)の組の積層セラミックコンデンサ要素と、内部電極(A、B、C、D)の組の積層セラミックコンデンサ要素とを、更に積層し、焼成し、端子電極21〜24、31〜34(図1参照)を付与することにより、図1及び図2に図示した積層セラミックコンデンサが得られる。
【0068】図13及び図14において、電極パターンA、B、C及びDの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素の周りには、電極パターンA、B、C及びDの少なくとも1つを欠く組み合わせが生じる。これらは、捨てる他はないが、もともと、周辺部は積層工程において、欠陥を生じ易い部分であるので、捨てても実際上は問題を生じない。
【0069】上述したように、図9〜図14に示した実施例では、1つのスクリーン印刷製版10を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して積層されるべき内部電極を選択することができる。
【0070】この場合、用いられるスクリーン印刷製版10は、一種であるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。スクリーン印刷製版10の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る。更に、一種のスクリーン印刷製版10を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0071】しかも、電極印刷シートQ11〜Q14に印刷された電極行列パターンは、同一のスクリーン印刷製版10によって得られたものであり、スクリーン印刷製版10のパターン誤差等を含まないから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0072】図15は本発明の第2の態様に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。この積層セラミックコンデンサは、図示しない誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して、下(図において)から順次に積層された複数の内部電極A、B、C、D、E、F、G、Hを含んでいる。内部電極A〜Hの個数は、実施例では8個であるが、任意数でよい。また、積層順序は不同であり、図示の順序に限定されるものではない。
【0073】内部電極A〜Hのそれぞれは取出電極a11〜h11を有する。取出電極a11〜h11のそれぞれは、誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出される。取出電極a11〜h11を、誘電体セラミック基体1(図1参照)の側端面において、互いに異なる位置に導出する手段として、実施例では、内部電極(A〜D)の取出電極(a11〜d11)を誘電体セラミック基体の同一側端面に導出し、内部電極(E〜H)の取出電極(e11〜h11)を、対向する他の側端面に導出する。その詳細は図1に図示した通りである。
【0074】第2の態様に係る製造方法では、第1のスクリーン印刷製版及び第2のスクリーン印刷製版を用いる。図16は第1のスクリーン印刷製版の平面図、図17R>7は第2のスクリーン印刷製版の平面図である。
【0075】まず、図16を参照すると、第1のスクリーン印刷製版11は、内部電極A、C、E、Gのそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有する。第1のスクリーン印刷製版11において、印刷パターンのそれぞれに対しては、対応する内部電極A、C、E、Gと同一の参照符号を付してある。具体的には、内部電極Aに対応する印刷パターンに参照符号Aを付し、内部電極Cに対応する印刷パターンに参照符号Cを付し、内部電極Eに対応する印刷パターンに参照符号Eを付し、内部電極Gに対応する印刷パターンに参照符号Gを付してある。網掛けされた印刷パターンA、C、E、Gは、インクを通す抜きパターンであり、その周りの白い領域はインクを通さない領域である。
【0076】印刷パターンA〜Gは行列状に配置される。具体的には、図16において、上第1行目に、印刷パターンA及び印刷パターンCが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目には、印刷パターンE及び印刷パターンGが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目の印刷パターンE及び印刷パターンGは、上第1行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0077】更に、上第3行目には、印刷パターンA及び印刷パターンCが一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第3行目の印刷パターンA及び印刷パターンCは、上第2行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0078】上述した配置を、任意の行数m及び列数mだけ繰り返すことにより、m行m列の第1の行列パターンが得られる。実施例では、m=4となっており、4行4列の第1の行列パターンを構成している。第1行目及び第3行目は、印刷パターン配列(AーCーAーC)であり、第2行目及び第4行目は印刷パターン配列(EーGーEーG)である。
【0079】第1行目及び第2行目において、印刷パターン配列(AーCーAーC)及び印刷パターン配列(EーGーEーG)は、取出電極を有する辺が互いに向きあっている。第3行目及び第4行目においても、印刷パターン配列(AーCーAーC)及び印刷パターン配列(EーGーEーG)は、取出電極(a11、c11)を有する辺、及び、取出電極(e11、g11)を有する辺が,互いに向きあっている。
【0080】次に、図17を参照すると、第2のスクリーン印刷製版12は、内部電極B、D、F、Hのそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有する。第2のスクリーン印刷製版12において、印刷パターンのそれぞれに対しては、対応する内部電極B、D、F、Hと同一の参照符号を付してある。具体的には、内部電極Bに対応する印刷パターンに参照符号Bを付し、内部電極Dに対応する印刷パターンに参照符号Dを付し、内部電極Fに対応する印刷パターンに参照符号Fを付し、内部電極Hに対応する印刷パターンに参照符号Hを付してある。網掛けを施された印刷パターンB、D、F、Hは、インクを通す抜きパターンであり、その周りの白い領域はインクを通さない領域である。
【0081】印刷パターンB、D、F、Hは行列状に配置される。具体的には、図17において、上第1行目に、印刷パターンB及び印刷パターンDが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目には、印刷パターンF及び印刷パターンHが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目の印刷パターンF及び印刷パターンHは、上第1行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0082】更に、上第3行目には、印刷パターンB及び印刷パターンDが一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第3行目の印刷パターンB及び印刷パターンDは、上第2行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0083】上述した配置を、任意の行数m及び列数mだけ繰り返すことにより、m行m列の印刷パターン行列が得られる。実施例では、m=4となっており、4行4列の第2の行列パターンが得られる。第1行目及び第3行目は、印刷パターン配列(BーDーBーD)であり、第2行目及び第4行目は印刷パターン配列(FーHーFーH)である。
【0084】第1行目及び第2行目は、印刷パターン配列(BーDーBーD)及び印刷パターン配列(FーHーFーH)において、取出電極を有する辺が互いに向きあっている。第3行目及び第4行目においても、印刷パターン配列(BーDーBーD)及び印刷パターン配列(FーHーFーH)は、取出電極(b11、d11)を有する辺及び取出電極(f11、H11)を有する辺が互いに向きあっている。
【0085】第2のスクリーン印刷製版12に設けられた第2の行列パターンは、第1のスクリーン印刷製版11に設けられた第1の行列パターンの鏡像(ミラーイメージ)である。即ち、第1の行列パターンの行と平行に鏡を配置した場合に、鏡に映った像が第2の行列パターンに相当する。
【0086】次に、図18〜図27を参照して第2の態様に係る製造方法について説明する。まず、図16に示したスクリーン印刷製版11を、図4に示した印刷システムの印刷装置83に装着し印刷を行う。図18は図16R>6に示した第1のスクリーン印刷製版11によって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【0087】図18を参照すると、支持体4の一面には、未焼成誘電体セラミックシート6が層状に積層されている。未焼成誘電体セラミックシート6は支持体4と共に、矢印F1の方向に搬送される。その搬送の途中で、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いて、内部電極を印刷する。第1のスクリーン印刷製版11による印刷は、図18に示すように、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、間隔g3を隔てて、繰り返し実行される。印刷の際は、支持体4の搬送が一時的に停止する。
【0088】電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11によって印刷されたものであるから、第1のスクリーン印刷製版11の印刷パターンと同一である。即ち、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。図18では、図示の都合上、参照符号A〜Gを90度回転させて表示してあるので、行の解釈に当っては、90度だけ戻す。
【0089】上述した印刷工程を繰り返すことにより、所定の間隔g3で、電極行列パターンQ21、Q22、...を印刷した未焼成誘電体セラミックシート6が得られる。このようにして得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6は、図4の乾燥装置84による乾燥工程等を経て、巻き取りロール82に巻き取られる。
【0090】次に、上述した印刷工程を経て得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6を、巻き取りロール82から引き出し、引き出された電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6から、電極行列パターンQ21、Q22、...を囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0091】上記工程とは別に、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いて、上述と同様の印刷工程を実行する。図19は図17に示した第2のスクリーン印刷製版12によって印刷された印刷面の拡大平面図である。図19において、電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12によって印刷されたものであるから、第2のスクリーン印刷製版12の印刷パターンと同一である。即ち、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(BーDーBーD)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(FーHーFーH)である。
【0092】上述した印刷工程を繰り返すことにより、所定の間隔g3で、電極行列パターンQ31、Q32、...を印刷した未焼成誘電体セラミックシート6が得られる。このようにして得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6は、図4の乾燥装置84による乾燥工程等を経て、巻き取りロール82に巻き取られる。
【0093】次に、上述した印刷工程を経て得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6を、巻き取りロールから引き出し、引き出された電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6から、電極行列パターンQ31、Q32、...を囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0094】次に、上述した工程を経て得られた2種の電極印刷シートを積層する。従って、第2の態様に係る製造方法には、第1のスクリーン印刷製版11によって得られた第1の電極印刷シート、及び、第2のスクリーン印刷製版12によって得られた第2の電極印刷シートを積層する工程の2つの工程が含まれることになる。
【0095】図20は積層台5の上に、第1層目として、第1の電極印刷シートQ41を載置した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ41は、未焼成誘電体セラミックシート61の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。第1の電極印刷シートQ41は、第1のスクリーン印刷製版11によって得られたものであるから、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0096】積層台5の一面には、直交2軸XYを有する座標系において、基準(原点)となるX0軸及びY0軸が想定されている。このX0軸及びY0軸は固定した基準となる。
【0097】一方、第1の電極印刷シートQ41の一面上にも、直交2軸XYによる座標系において、X1軸及びY1軸を想定する。X1軸及びY1軸は、基本的には、第1の電極印刷シートQ41の中心線上に設定する。
【0098】図20において、第1層目の第1の電極印刷シートQ41は、その一面上に設定されたX1軸及びY1軸が、積層台5の一面上に設定されたX0軸及びY0軸に一致するようにセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(0、0)となる。
【0099】図21は積層台5の上に、第1層目の第1の電極印刷シートQ41の上に第2層目となる第2の電極印刷シートQ51を載置した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ51は、未焼成誘電体セラミックシート62の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。第2の電極印刷シートQ51は、第2のスクリーン印刷製版12によって得られたものであるから、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(BーDーBーD)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(FーHーFーH)である。
【0100】第2の電極印刷シートQ51の一面上には、直交2軸XYによる座標系において、X2軸及びY2軸が想定されている。X2軸及びY2軸は、基本的には、第2の電極印刷シートQ51の中心線上に設定する。
【0101】図21において、第2層目の第2の電極印刷シートQ51は、その一面上に設定されたX2軸及びY2軸が、基準のX0軸及びY0軸に一致するようにセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(0、0)となる。
【0102】第2層目の第2の電極印刷シートQ51の下層には、第1の電極印刷シートQ41(図20参照)が存在するので、第2の電極印刷シートQ51を積層して得られた積層体全体で見て、第1行目及び第3行目は電極パターン配列(ABーCDーABーCD)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(EFーGHーEFーGH)となる。
【0103】図22は、第2層目として積層された第2の電極印刷シートQ51の上に、第3層目として、第1の電極印刷シートQ42を積層した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ42は、未焼成誘電体セラミックシート63の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いた印刷によって得られたものであるから、第1層目の第1の電極印刷シートQ41の電極行列パターンと全く同一である。
【0104】第3層目の第1の電極印刷シートQ42は、その一面上に設定されたX1軸が、基準のX0軸に一致するが、Y1軸は基準のY0軸から、オフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(△X1、0)となる。
【0105】オフセット量△X1は1列分である。即ち、第2の電極印刷シートQ51の第3列目に対して、第1の電極印刷シートQ42の第4列目が重なり、第2の電極印刷シートQ51の第2列目に対して、第1の電極印刷シートQ42の第3列目が重なり、第2の電極印刷シートQ51の第1列目に対して、第1の電極印刷シートQ42の第2列目が重なる。
【0106】既に述べたように、第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0107】第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0108】従って、第3層目の第1の電極印刷シートQ42を、1列分のオフセット量△X1を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第1行目及び第3行目は電極パターン配列(AーABCーCDAーABCーCD)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(EーEFGーGHEーEFGーGH)となる。
【0109】図23は、第3層目として積層された第1の電極印刷シートQ42の上に、第4層目として第2の電極印刷シートQ52を積層した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ52は、未焼成誘電体セラミックシート64の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いた印刷によって得られたものであるから、第2の電極印刷シートQ51の電極行列パターンと全く同一である。
【0110】第4層目の第2の電極印刷シートQ52は、その一面上に設定されたX1軸が、基準のX0軸に一致するが、Y1軸は基準のY0軸から、オフセット量△X2(=△X1)だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(△X2、0)となる。
【0111】オフセット量△X2は1列分である。従って、第1の電極印刷シートQ42の第3列目に対して、第2の電極印刷シートQ52の第4列目が重なり、第1の電極印刷シートQ42の第2列目に対して、第2の電極印刷シートQ52の第3列目が重なり、第1の電極印刷シートQ42の第1列目に対して、第2の電極印刷シートQ52の第2列目が重なる。
【0112】第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0113】第2層目の第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0114】第3層目の電極印刷シートQ42において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、一列分のオフセット量△X1が付されている。
【0115】従って、第4層目の第2の電極印刷シートQ52を、1列分のオフセット量△X1を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第1行目及び第3行目は電極パターン配列(ABーABCDーCDABーABCDーCD)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(EーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0116】図24は、第4層目として積層された第2の電極印刷シートQ52の上に、第5層目として第1の電極印刷シートQ43を積層した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ43は、未焼成誘電体セラミックシート65の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いた印刷によって得られたものであるから、第1の電極印刷シートQ41、Q42の電極行列パターンと全く同一である。
【0117】第5層目の第1の電極印刷シートQ43は、その一面上に設定されたY1軸が、基準のY0軸に一致するが、X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(0、△Y1)となる。
【0118】オフセット量△Y1は1行分である。従って、第4層目の第2の電極印刷シートQ52の第3行目目に対して、第5層目の第1の電極印刷シートQ43の第4行目が重なり、第2の電極印刷シートQ52の第2行目に対して、第1の電極印刷シートQ43の第3行目が重なり、第2の電極印刷シートQ52の第1列目に対して、第1の電極印刷シートQ43の第2列目が重なる。
【0119】第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0120】第2層目の第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0121】第3層目の電極印刷シートQ42において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、一列分のオフセット量△X1が付されている。
【0122】第4層目の第2の電極印刷シートQ52において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)であり、1列分のオフセット量△X1を付されている。
【0123】従って、第5層目の第1の電極印刷シートQ43を、1行分のオフセット量△Y1を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABーABCDEーCDABGーABCDEーCDG)となり、第3行目は電極パターン配列(EFーEFGHAーGHEFCーEFGHAーGHC)となる。第1行目は(AーCーAーC)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0124】図25は、第5層目として積層された第1の電極印刷シートQ43の上に、第6層目として、第2の電極印刷シートQ53を積層した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ53は、未焼成誘電体セラミックシート66の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いた印刷によって得られたものであるから、第2の電極印刷シートQ51、Q52の電極行列パターンと全く同一である。
【0125】第6層目の第2の電極印刷シートQ53は、その一面上に設定されたY2軸が、基準のY0軸に一致するが、X2軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y2(=△Y1)だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(0、△Y2)となる。
【0126】オフセット量△Y2は1行分である。従って、、第5層目の第1の電極印刷シートQ43の第3行目目に対して、第6層目の第2の電極印刷シートQ53の第4行目が重なり、第1の電極印刷シートQ43の第2行目に対して、第2の電極印刷シートQ53の第3行目が重なり、第1の電極印刷シートQ43の第1列目に対して、第2の電極印刷シートQ53の第2列目が重なる。
【0127】第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0128】第2層目の第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0129】第3層目の電極印刷シートQ42において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、一列分のオフセット量△X1が付されている。
【0130】第4層目の第2の電極印刷シートQ52において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)であり、1列分のオフセット量△X1を付されている。
【0131】第5層目の第1の電極印刷シートQ43において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、1行分のオフセット量△Y1を付されている。
【0132】従って、第6層目の第2の電極印刷シートQ53を、1行分のオフセット量△Y2を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第1行目は(ABーCDーABーCD)となり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABーABCDEFーCDABGHーABCDEFーCDGH)となり、第3行目は電極パターン配列(EFーEFGHABーGHEFCDーEFGHABーGHCD)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0133】図26は積層台5の上にセットされた第6層目の第2の電極印刷シートQ53の上に、第7層目の第1の電極印刷シートQ44を載置した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ44は、未焼成誘電体セラミックシート67の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いた印刷によって得られたものであるから、第1の電極印刷シートQ41、Q42、Q43の電極行列パターンと全く同一である。
【0134】第7層目の第1の電極印刷シートQ44は、その一面上に設定されたY1軸が、基準のY0軸からオフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。従って、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X1、△Y1)となる。
【0135】こうして得られた積層体は、積層方向の電極重なりを考慮して、第1行目が(AーABCーCDAーABCーCD)となり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABEーABCDEFGーCDABGHEーABCDEFGーCDGH)となり、第3行目は電極パターン配列(EFAーEFGHABCーGHEFCDAーEFGHABCーGHCD)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0136】図27は第7層目の第1の電極印刷シートQ44の上に、第8層目の第2の電極印刷シートQ54を載置した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ54は、未焼成誘電体セラミックシート68の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いた印刷によって得られたものであるから、第2の電極印刷シートQ51、Q52、Q53の電極行列パターンと全く同一である。
【0137】第8層目の第2の電極印刷シートQ54は、その一面上に設定されたY2軸が、基準のY0軸からオフセット量△X2(=△X1)だけオフセットしてセットされる。X2軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y2(=△Y1)だけオフセットしてセットされる。従って、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X2、△Y2)となる。
【0138】こうして得られた積層体は、積層方向の電極重なりを考慮して、第1行目が(ABーABCDーCDABーABCDーCD)となり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABEFーABCDEFGHーCDABGHEFーABCDEFGHーCDGH)となり、第3行目は電極パターン配列(EFABーEFGHABCDーGHEFCDABーEFGHABCDーGHCD)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0139】この後、図27に示した積層体に対し、行間及び列間で個別分割を施し、電極A〜Hの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素を取り出す。こうして取り出された積層セラミックコンデンサ要素を焼成し、端子電極21〜24、31〜34(図1参照)を付与することにより、図1及び図2に図示した積層セラミックコンデンサが得られる。
【0140】図27において、電極パターンA〜Hの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素の周りには、電極パターンA〜Hの少なくとも1つを欠く組み合わせが生じる。これらは、捨てる他はないが、もともと、周辺部は積層工程において、欠陥を生じ易い部分であるので、捨てても実際上は問題を生じない。
【0141】上述下第2の態様に係る製造方法によれば、2つの第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して積層されるべき内部電極、即ち、所定の位置に引出電極を有する内部電極を選択することができる。
【0142】この場合、2つの第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12を用いるだけであるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る。更に、第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12の2種を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0143】しかも、電極印刷シートに印刷された電極行列パターンは、第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12によって得られたものであり、パターン誤差は第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12の間の誤差に留まるから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0144】更に、より多数の積層数を得る場合には、上述した工程によって得られた積層体の複数枚を、更に積層すればよい。これにより、高精度のパターン重なりを有する積層体を積層し、全体として、高精度の容量を有する低インダクタンス用積層セラミックコンデンサを、高歩留で得ることができる。
【0145】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)印刷設備の簡素化に極めて有効な積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
(b)印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
(c)印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
(d)容量精度の高い積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。
【図2】図1に示した積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。
【図3】第1の態様に係る製造方法の実施に用いられるスクリーン印刷製版の平面図である。
【図4】図3に示したスクリーン印刷製版を用いて電極印刷を行う印刷システムの構成を示す図である。
【図5】図4に示した印刷システムによって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【図6】図5の6ー6線に沿った断面図である。
【図7】積層台の上に第1層目の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図8】図7の8ー8線に沿った断面図である。
【図9】積層台の上にセットされた第1層目の電極印刷シートの上に、第2層目の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図10】図9の10ー10線に沿った断面図である。
【図11】積層台の上にセットされた第2層目の電極印刷シートの上に、第3層目の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図12】図11の12ー12線に沿った断面図である。
【図13】積層台の上にセットされた第3層目の電極印刷シートの上に、第4層目の電極印刷を載置した状態を示す平面図である。
【図14】図13の14ー14線に沿った断面図である。
【図15】本発明の第2の態様に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。
【図16】第1のスクリーン印刷製版の平面図である。
【図17】第2のスクリーン印刷製版の平面図である。
【図18】図16に示した第1のスクリーン印刷製版によって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【図19】図17に示した第2のスクリーン印刷製版によって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【図20】積層台の上に、第1層目として、第1の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図21】積層台の上に載置された第1層目の第1の電極印刷シートの上に第2層目となる第2の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図22】第2層目として積層された第2の電極印刷シートの上に、第3層目として、第1の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図23】第3層目として積層された第1の電極印刷シートの上に、第4層目として第2の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図24】第4層目として積層された第2の電極印刷シートの上に、第5層目として第1の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図25】第5層目として積層された第1の電極印刷シートの上に、第6層目として、第2の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図26】積層台の上にセットされた第6層目の第2の電極印刷シートの上に、第7層目の第1の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図27】第7層目の第1の電極印刷シートの上に、第8層目の第2の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
5 積層台
61、62 未焼成誘電体セラミックシート
Q11、Q12 電極印刷シート
X0、Y0 積層台に設定された基準の軸
X1、Y1 電極印刷シートに設定された軸
△X1 オフセット量
A〜D 電極パターン
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波用途の積層セラミックコンデンサには、インダクタンスが低いことが要求される。この種の低インダクタンス用積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された多数の内部電極を含む。内部電極のそれぞれは取出電極を有しており、取出電極のそれぞれは誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。従って、回路基板等への実装に当っては、内部電極の一部である取出電極を、外部回路に接続できるので、リードインダクタンスが極小になり、低インダクタンスが実現される。
【0003】この種の低インダクタンス用積層セラミックコンデンサでは、内部電極の取出電極のそれぞれは、誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されているので、取出電極を含めたパターンが、内部電極のそれぞれにおいて異なる。そこで、従来は、内部電極のパターン種に応じた個数の印刷製版、一般的には、スクリーン印刷製版を準備し、内部電極のパターンが異なる度毎に、スクリーン印刷製版を変えて印刷していた。
【0004】このため、スクリーン印刷製版の枚数が多くなり、印刷設備が複雑になると共に、スクリーン印刷製版の製造、保管及び準備等に多大な労力及び費用を必要とするという難点があった。
【0005】しかも、多数のスクリーン印刷製版を、内部電極パターンが異なる毎に選択する必要があるため、印刷工程が面倒で、複雑になるという問題点もある。
【0006】更に、多数のスクリーン印刷製版を用いて内部電極を印刷するため、スクリーン印刷製版間の誤差に起因するパターンずれが生じ、更に、積層する際の誤差が加算されるため、内部電極間の重なり面積の変動等を招き、延ては、容量精度が低下する等の問題点を生じる虞があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷設備の簡素化に極めて有効な積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0008】本発明のもう一つの課題は、印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0009】本発明の更にもう一つの課題は、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0010】本発明の更にもう一つの課題は、容量精度の高い積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明は積層セラミックコンデンサを製造する方法について、2つの態様を開示する。本発明に係る製造法の適用される積層セラミックコンデンサは、低インダクタンス用として用いられるものであって、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された複数の内部電極を含み、前記内部電極のそれぞれは取出電極を有し、前記取出電極のそれぞれは、前記誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。
【0012】上述した積層セラミックコンデンサを得るため、第1の態様に係る製造方法では、未焼成誘電体セラミックシートの表面に、印刷製版を用いて内部電極を印刷する工程を含む。前記印刷製版は前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有する。
【0013】そして、前記未焼成誘電体セラミックシートから、前記印刷製版の印刷によって得られた電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0014】上記工程は、基本的には、従来工程とほぼ同じである。従来工程と著しく異なる特徴的な工程は、前記電極印刷シートの複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シート間において、先に積層された電極印刷シートに印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートに印刷された電極行列パターンを、行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る点にある。
【0015】この工程によれば、1つの印刷製版、例えばスクリーン印刷製版を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して積層されるべき内部電極、即ち、所定の位置に引出電極を有する内部電極を選択することができる。
【0016】この場合、用いられる印刷製版は、一種であるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用等も著しく低減し得る。更に、一種の印刷製版を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0017】しかも、電極印刷シートに印刷された電極行列パターンは、同一の印刷製版によって得られたものであり、印刷製版のパターン誤差に起因する電極印刷誤差等を含まないから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0018】次に、第2の態様に係る製造方法では、第1の印刷製版及び第2の印刷製版を用いる。まず、第1の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第1の印刷製版を用いて内部電極を印刷する。前記第1の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第1の行列パターンを有している。次に、前記第1の未焼成誘電体セラミックシートから、前記第1の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第1の電極印刷シートを取り出す。
【0019】上記工程とは別に、第2の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第2の印刷製版を用いて前記内部電極を印刷する。前記第2の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第2の行列パターンを有する。前記第2の行列パターンは前記第1の行列パターンの鏡像である。そして、前記第2の未焼成誘電体セラミックシートから、第2の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第2の電極印刷シートを取り出す。
【0020】次に、前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートを、前記第1及び第2の電極行列パターンの全体が互いに重なるように積層する。
【0021】こうして得られた前記第1及び第2の電極印刷シートの組に対し、他の前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートの組を、前記第1及び第2の電極行列パターンの行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る。
【0022】第2の態様によれば、2つの印刷製版を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して重なるべき内部電極を選択することができる。
【0023】この場合、用いられる印刷製版は、二種であるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用等も著しく低減し得る。更に、二種の印刷製版を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0024】しかも、電極印刷シートに印刷された電極行列パターンは、二種の印刷製版によって得られたものであり、印刷製版のパターン誤差は二種の印刷製版間の誤差に留まるから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0025】オフセットの量は、具体的には、1行または1列の分である。オフセットを付する具体的手法の一つは、行の方向にオフセットさせた後、列の方向にオフセットさせ、次に、行列の方向にオフセットさせる3つのステップを含む。
【0026】より多数の積層数を得る場合には、上述した工程(第1の態様及び第2の態様)によって得られた積層体の複数枚を、更に積層すればよい。これにより、高精度のパターン重なりを有する積層体を積層し、全体として、高精度の容量を有する低インダクタンス用積層セラミックコンデンサを、高歩留で得ることができる。
【0027】本発明において用いられる印刷製版には、スクリーン印刷製版、グラビア印刷製版及びオフセット印刷製版等が含まれる。
【0028】本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は単なる例示に過ぎない。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの外観斜視図、図2は図1に示した積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。図示された積層セラミックコンデンサは、低インダクタンス用として用いられるものであって、誘電体セラミック基体1の内部に、誘電体セラミック層(図示省略)を介して、下(図において)から順次に積層された複数の内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dを含んでいる。内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dの個数は、実施例では8個であるが、任意数でよい。また、積層順序は不同であり、図示の順序に限定されるものではない。
【0030】更に、積層工程上、内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dのうち、内部電極(C、D、A、B)及び内部電極(A、B、C、D)のそれぞれが、一組の積層体として製造され、内部電極(C、D、A、B)の組の積層体と、内部電極(A、B、C、D)の組の積層体とを、更に積層して得られる。内部電極(C、D、A、B)の組と、内部電極(A、B、C、D)の組とにおいて、同一の参照符号を付された内部電極は、電極パターンが同一で、単に、取出電極の方向が異なるだけである。
【0031】内部電極C、D、A、B、A、B、C、Dのそれぞれは取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2を有する。取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2のそれぞれは、誘電体セラミック基体1の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2を、誘電体セラミック基体1の側端面において、互いに異なる位置に導出する手段として、実施例では、内部電極(C、D、A、B)の取出電極c1、d1、a1を、誘電体セラミック基体1の同一側端面に導出し、内部電極(A、B、C、D)の取出電極a2、b2、c2、d2を、対向する他の側端面に導出してある。
【0032】取出電極c1、d1、a1、b1、a2、b2、c2、d2は、誘電体セラミック基体1の側端面に付与された端子電極22、21、24、23、31、32、33、34に導通接続される。
【0033】内部電極(C〜B)、(A〜D)及び端子電極(21〜24)、(31〜34)を構成する電極材料は特に制限はない。
【0034】図1及び図2に図示された積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体1の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された多数の内部電極(C〜B)、(A〜D)を含み、内部電極(C〜B)、(A〜D)のそれぞれは、取出電極(c1〜b1)、(a2〜d2)を有しており、取出電極(c1〜b1)、(a2〜d2)のそれぞれは誘電体セラミック基体1の側端面において、互いに異なる位置に導出されている。従って、回路基板等への実装に当っては、内部電極(C〜B)、(A〜D)の一部である取出電極(c1〜b1)、(a2〜d2)を、それぞれが接続されている端子電極(21〜24)、(31〜34)を介して、外部回路に接続できるので、リードインダクタンスが極小になり、低インダクタンスが実現される。
【0035】次に、図1及び図2に示した積層セラミックコンデンサの製造方法について、図3〜図12を参照して説明する。この製造方法は第1の態様に属する。。本発明において用いられる印刷製版には、スクリーン印刷製版、グラビア印刷製版及びオフセット印刷製版等が含まれることは前述した通りである。以下に説明される実施例では、スクリーン印刷製版を用いた場合を例にとって説明する。
【0036】図3は第1の態様に係る製造方法の実施に用いられるスクリーン印刷製版10の平面図である。スクリーン印刷製版10は、内部電極A〜Dのそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有するスクリーン印刷製版10において、印刷パターンのそれぞれに対しては、対応する内部電極A〜Dと同一の参照符号を付してある。具体的には、内部電極Aに対応する印刷パターンに参照符号Aを付し、内部電極Bに対応する印刷パターンに参照符号Bを付し、内部電極Cに対応する印刷パターンに参照符号Cを付し、内部電極Dに対応する印刷パターンに参照符号Dを付してある。印刷パターンA〜Dは、インクを通す抜きパターンであり、その周りの白い領域はインクを通さない領域である。印刷パターンA〜Dは、取出電極に対応する部分が、同一の方向に突出する向きに配置されている。
【0037】印刷パターンA〜Dは行列状に配置される。具体的には、図3において、上第1行目に、印刷パターンA及び印刷パターンBが、交互に、一定の間隔g1を隔てて配置されている。上第2行目には、印刷パターンC及び印刷パターンDが、交互に、一定の間隔g1を隔てて配置されている。上第2行目の印刷パターンC及び印刷パターンDは、上第1行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0038】更に、上第3行目には、印刷パターンA及び印刷パターンBが、交互に、一定の間隔g1を隔てて配置されている。上第3行目の印刷パターンA及び印刷パターンBは、上第2行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0039】上述した配置を、任意の行数m及び列数mだけ繰り返すことにより、m行m列の印刷パターン行列が得られる。実施例では、m=5となっている。より詳しくは、第1行目、第3行目及び第5行目は、印刷パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は印刷パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0040】図4は図3に示したスクリーン印刷製版10を用いて電極印刷を行う印刷システムの構成を示す図、図5は図4に示した印刷システムによって印刷された印刷面の拡大平面図、図6は図5の6ー6線に沿った断面図である。
【0041】図4を参照すると、供給ロール81と巻き取りロール82との間に、帯状の支持体4が張設されている。支持体4は、適当な可撓性プラスチックフィルムで構成され、供給ロール81から引き出され、巻き取りロール82に巻き取られ、矢印F1の方向に搬送される。支持体4の搬送時には、供給ロール81が矢印R1の方向に回転し、巻き取りロール82が矢印R2の方向に回転する。
【0042】供給ロール81と巻き取りロール82との間には、印刷装置83及び乾燥装置84等が配置されており、印刷装置83と対向する位置には受け台85が設置されている。印刷装置83には、図3に示したスクリーン印刷製版10がセットされている。
【0043】図5及び図6を参照すると、支持体4の一面には、未焼成誘電体セラミックシート6が層状に付着されている。未焼成誘電体セラミックシート6は支持体4と共に、矢印F1の方向に搬送される。その搬送の途中で、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いて、内部電極を印刷する。スクリーン印刷製版10による印刷は、図5及び図6に示すように、間隔g3を隔てて、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、繰り返し実行される。印刷の際は、支持体4の搬送が一時的に停止される。そのような一時停止機構は既に知られているので、図示は省略する。
【0044】電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10によって印刷されたものであるから、スクリーン印刷製版10の印刷パターンと同一である。即ち、第1行目、第3行目及び第5行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0045】上述した印刷工程を繰り返すことにより、所定の間隔g3で、電極行列パターンQ01、Q02、...を印刷した未焼成誘電体セラミックシート6が得られる。このようにして得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6は、乾燥装置84による乾燥工程等を経て、巻き取りロール82に巻き取られる。
【0046】次に、上述した印刷工程を経て得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6を、巻き取りロール82から引き出し、引き出された電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6から、電極行列パターンQ01、Q02、...を囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0047】上記工程は、基本的には、従来工程とほぼ同じである。従来工程と著しく異なる特徴的な工程は、打ち抜いて得られた電極印刷シートの複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シート間において、先に積層された電極印刷シートに印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートに印刷された電極行列パターンを、行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る点にある。次に、図7〜図14を参照して、この積層工程を詳細に説明する。
【0048】図7は積層台5の上に第1層目の電極印刷シートQ11を載置した状態を示す平面図、図8は図7の8ー8線に沿った断面図である。電極印刷シートQ11は、未焼成誘電体セラミックシート61の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。
【0049】積層台5の一面には、直交2軸XYを有する座標系において、基準(原点)となるX0軸及びY0軸が想定されている。このX0軸及びY0軸は固定した基準となる。
【0050】一方、電極印刷シートQ11の一面上にも、直交2軸XYによる座標系において、X1軸及びY1軸を想定する。X1軸及びY1軸は、基本的には、電極印刷シートQ11の中心線上に設定する。
【0051】図7及び図8において、第1層目の電極印刷シートQ11は、その一面上に設定されたX1軸及びY1軸が、基準のX0軸及びY0軸に一致するようにセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(0、0)となる。この位置合わせは、CCDカメラ等の撮像装置及びコンピュータ等を用いた画像処理の適用によって、高精度で自動的に実行することができる。以下に説明する位置合わせも同様である。
【0052】図9は積層台5の上にセットされた第1層目の電極印刷シートQ11の上に、第2層目の電極印刷シートQ12を載置した状態を示す平面図、図10は図9R>9の10ー10線に沿った断面図である。電極印刷シートQ12は、未焼成誘電体セラミックシート62の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いた印刷によって得られたものであるから、電極印刷シートQ11の電極行列パターンと全く同一である。
【0053】第2層目の電極印刷シートQ12は、その一面上に設定されたX1軸が、積層台5の一面上に設定された基準のX0軸に一致するが、Y1軸は基準のY0軸から、オフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X1、0)となる。
【0054】オフセット量△X1は1列分である。即ち、電極印刷シートQ11の第4列目に対して、電極印刷シートQ12の第5列目が重なり、電極印刷シートQ11の第3列目に対して、電極印刷シートQ12の第4列目が重なり、電極印刷シートQ11の第2列目に対して、電極印刷シートQ12の第3列目が重なり、電極印刷シートQ11の第1列目に対して、電極印刷シートQ12の第2列目が重なる。
【0055】電極印刷シートQ11、Q12において、第1行目、第3行目及び第5行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0056】従って、電極印刷シートQ11に対して、電極印刷シートQ12を、1列分のオフセット量△X1を付して積層した場合、積層して得られた積層体で見て、第1行目、第3行目及び第行目は電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(CーCDーDCーCDーDCーC)となる。第3列目及び第5列目は電極パターン配列(BAーDCーBAーDCーBA)となる。
【0057】図11は積層台5の上にセットされた第2層目の電極印刷シートQ12の上に、第3層目の電極印刷シートQ13を載置した状態を示す平面図、図12は図11の12ー12線に沿った断面図である。電極印刷シートQ13は、未焼成誘電体セラミックシート63の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いた印刷によって得られたものであるから、電極印刷シートQ11、Q12の電極行列パターンと全く同一である。
【0058】第3層目の電極印刷シートQ13は、その一面上に設定されたY1軸が、積層台5の一面上に設定された基準のY0軸に一致するが、X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(0、△Y1)となる。
【0059】オフセット量△Y1は1行分である。即ち、電極印刷シートQ12の第4行目に対して、電極印刷シートQ13の第5行目が重なり、電極印刷シートQ12の第3行目に対して、電極印刷シートQ13の第4行目が重なり、電極印刷シートQ12の第2行目に対して、電極印刷シートQ13の第3行目が重なり、電極印刷シートQ12の第1行目に対して、電極印刷シートQ13の第2行目が重なる。
【0060】第1層目の電極印刷シートQ11に対しては、電極印刷シートQ11の第4行目に対して、電極印刷シートQ13の第5行目が重なり、電極印刷シートQ11の第3行目に対して、電極印刷シートQ13の第4行目が重なり、電極印刷シートQ11の第2行目に対して、電極印刷シートQ13の第3行目が重なり、電極印刷シートQ11の第1行目に対して、電極印刷シートQ13の第2行目が重なる。
【0061】電極印刷シートQ11、Q12、Q13において、第1行目、第3行目及び第5行目が電極パターンA及び電極パターンBの電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターンC及び印刷パターンDの電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0062】従って、電極印刷シートQ13を、1行分のオフセット量△Y1を付して積層した場合、積層して得られた積層体で見て、第1行目は電極印刷シートQ13の第1行目の電極パターン配列(AーCーAーCーA)となり、第2行目及び第4行目は配列(AーABCーBADーABCーBADーCA)となる。第3行目及び第5行目は電極パターン配列(CーCDAーDCBーCDAーDCBーAC)となる。更に、第6行目は電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となる。
【0063】図13は積層台5の上にセットされた第3層目の電極印刷シートQ13の上に、第4層目の電極印刷シートQ14を載置した状態を示す平面図、図14は図13の14ー14線に沿った断面図である。電極印刷シートQ14は、未焼成誘電体セラミックシート64の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図3に示したスクリーン印刷製版10を用いた印刷によって得られたものであるから、電極印刷シートQ11、Q12、Q13の電極行列パターンと全く同一である。
【0064】第4層目の電極印刷シートQ14は、その一面上に設定されたY1軸が、基準のY0軸からオフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。従って、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X1、△Y1)となる。
【0065】オフセット量△Y1は1行分であり、オフセット量△X1は1列分である。従って、図13及び図1414に示したオフセットは、図9、10に示したオフセット量△Y1、及び、図11、12に示したオフセット量△X1の合成となる。
【0066】これにより、積層して得られた積層体で見て、第1行目の電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となり、第2行目及び第4行目は配列(ACーABCDーBADCーABCDーBADCーCA)となる。第3行目及び第5行目は電極パターン配列(CAーCDABーDCBAーCDABーDCBBーAC)となる。更に、第6行目は電極パターン配列(AーABーBAーABーBAーA)となる。
【0067】この後、図13及び図14に示した電極印刷シートQ11〜Q14の積層体に対し、行間及び列間で個別分割を施し、電極A、B、C及びDの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素を取り出す。こうして取り出された積層セラミックコンデンサ要素は、図1及び図2に図示した積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極(C、D、A、B)の組、または、内部電極(A、B、C、D)の組を有する積層体に相当する。内部電極(C、D、A、B)の組の積層セラミックコンデンサ要素と、内部電極(A、B、C、D)の組の積層セラミックコンデンサ要素とを、更に積層し、焼成し、端子電極21〜24、31〜34(図1参照)を付与することにより、図1及び図2に図示した積層セラミックコンデンサが得られる。
【0068】図13及び図14において、電極パターンA、B、C及びDの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素の周りには、電極パターンA、B、C及びDの少なくとも1つを欠く組み合わせが生じる。これらは、捨てる他はないが、もともと、周辺部は積層工程において、欠陥を生じ易い部分であるので、捨てても実際上は問題を生じない。
【0069】上述したように、図9〜図14に示した実施例では、1つのスクリーン印刷製版10を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して積層されるべき内部電極を選択することができる。
【0070】この場合、用いられるスクリーン印刷製版10は、一種であるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。スクリーン印刷製版10の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る。更に、一種のスクリーン印刷製版10を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0071】しかも、電極印刷シートQ11〜Q14に印刷された電極行列パターンは、同一のスクリーン印刷製版10によって得られたものであり、スクリーン印刷製版10のパターン誤差等を含まないから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0072】図15は本発明の第2の態様に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。この積層セラミックコンデンサは、図示しない誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して、下(図において)から順次に積層された複数の内部電極A、B、C、D、E、F、G、Hを含んでいる。内部電極A〜Hの個数は、実施例では8個であるが、任意数でよい。また、積層順序は不同であり、図示の順序に限定されるものではない。
【0073】内部電極A〜Hのそれぞれは取出電極a11〜h11を有する。取出電極a11〜h11のそれぞれは、誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出される。取出電極a11〜h11を、誘電体セラミック基体1(図1参照)の側端面において、互いに異なる位置に導出する手段として、実施例では、内部電極(A〜D)の取出電極(a11〜d11)を誘電体セラミック基体の同一側端面に導出し、内部電極(E〜H)の取出電極(e11〜h11)を、対向する他の側端面に導出する。その詳細は図1に図示した通りである。
【0074】第2の態様に係る製造方法では、第1のスクリーン印刷製版及び第2のスクリーン印刷製版を用いる。図16は第1のスクリーン印刷製版の平面図、図17R>7は第2のスクリーン印刷製版の平面図である。
【0075】まず、図16を参照すると、第1のスクリーン印刷製版11は、内部電極A、C、E、Gのそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有する。第1のスクリーン印刷製版11において、印刷パターンのそれぞれに対しては、対応する内部電極A、C、E、Gと同一の参照符号を付してある。具体的には、内部電極Aに対応する印刷パターンに参照符号Aを付し、内部電極Cに対応する印刷パターンに参照符号Cを付し、内部電極Eに対応する印刷パターンに参照符号Eを付し、内部電極Gに対応する印刷パターンに参照符号Gを付してある。網掛けされた印刷パターンA、C、E、Gは、インクを通す抜きパターンであり、その周りの白い領域はインクを通さない領域である。
【0076】印刷パターンA〜Gは行列状に配置される。具体的には、図16において、上第1行目に、印刷パターンA及び印刷パターンCが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目には、印刷パターンE及び印刷パターンGが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目の印刷パターンE及び印刷パターンGは、上第1行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0077】更に、上第3行目には、印刷パターンA及び印刷パターンCが一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第3行目の印刷パターンA及び印刷パターンCは、上第2行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0078】上述した配置を、任意の行数m及び列数mだけ繰り返すことにより、m行m列の第1の行列パターンが得られる。実施例では、m=4となっており、4行4列の第1の行列パターンを構成している。第1行目及び第3行目は、印刷パターン配列(AーCーAーC)であり、第2行目及び第4行目は印刷パターン配列(EーGーEーG)である。
【0079】第1行目及び第2行目において、印刷パターン配列(AーCーAーC)及び印刷パターン配列(EーGーEーG)は、取出電極を有する辺が互いに向きあっている。第3行目及び第4行目においても、印刷パターン配列(AーCーAーC)及び印刷パターン配列(EーGーEーG)は、取出電極(a11、c11)を有する辺、及び、取出電極(e11、g11)を有する辺が,互いに向きあっている。
【0080】次に、図17を参照すると、第2のスクリーン印刷製版12は、内部電極B、D、F、Hのそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有する。第2のスクリーン印刷製版12において、印刷パターンのそれぞれに対しては、対応する内部電極B、D、F、Hと同一の参照符号を付してある。具体的には、内部電極Bに対応する印刷パターンに参照符号Bを付し、内部電極Dに対応する印刷パターンに参照符号Dを付し、内部電極Fに対応する印刷パターンに参照符号Fを付し、内部電極Hに対応する印刷パターンに参照符号Hを付してある。網掛けを施された印刷パターンB、D、F、Hは、インクを通す抜きパターンであり、その周りの白い領域はインクを通さない領域である。
【0081】印刷パターンB、D、F、Hは行列状に配置される。具体的には、図17において、上第1行目に、印刷パターンB及び印刷パターンDが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目には、印刷パターンF及び印刷パターンHが、一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第2行目の印刷パターンF及び印刷パターンHは、上第1行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0082】更に、上第3行目には、印刷パターンB及び印刷パターンDが一定の間隔g1を隔てて交互に配置されている。上第3行目の印刷パターンB及び印刷パターンDは、上第2行目から一定の間隔g2を隔てて配置されている。
【0083】上述した配置を、任意の行数m及び列数mだけ繰り返すことにより、m行m列の印刷パターン行列が得られる。実施例では、m=4となっており、4行4列の第2の行列パターンが得られる。第1行目及び第3行目は、印刷パターン配列(BーDーBーD)であり、第2行目及び第4行目は印刷パターン配列(FーHーFーH)である。
【0084】第1行目及び第2行目は、印刷パターン配列(BーDーBーD)及び印刷パターン配列(FーHーFーH)において、取出電極を有する辺が互いに向きあっている。第3行目及び第4行目においても、印刷パターン配列(BーDーBーD)及び印刷パターン配列(FーHーFーH)は、取出電極(b11、d11)を有する辺及び取出電極(f11、H11)を有する辺が互いに向きあっている。
【0085】第2のスクリーン印刷製版12に設けられた第2の行列パターンは、第1のスクリーン印刷製版11に設けられた第1の行列パターンの鏡像(ミラーイメージ)である。即ち、第1の行列パターンの行と平行に鏡を配置した場合に、鏡に映った像が第2の行列パターンに相当する。
【0086】次に、図18〜図27を参照して第2の態様に係る製造方法について説明する。まず、図16に示したスクリーン印刷製版11を、図4に示した印刷システムの印刷装置83に装着し印刷を行う。図18は図16R>6に示した第1のスクリーン印刷製版11によって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【0087】図18を参照すると、支持体4の一面には、未焼成誘電体セラミックシート6が層状に積層されている。未焼成誘電体セラミックシート6は支持体4と共に、矢印F1の方向に搬送される。その搬送の途中で、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いて、内部電極を印刷する。第1のスクリーン印刷製版11による印刷は、図18に示すように、未焼成誘電体セラミックシート6の表面に、間隔g3を隔てて、繰り返し実行される。印刷の際は、支持体4の搬送が一時的に停止する。
【0088】電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11によって印刷されたものであるから、第1のスクリーン印刷製版11の印刷パターンと同一である。即ち、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。図18では、図示の都合上、参照符号A〜Gを90度回転させて表示してあるので、行の解釈に当っては、90度だけ戻す。
【0089】上述した印刷工程を繰り返すことにより、所定の間隔g3で、電極行列パターンQ21、Q22、...を印刷した未焼成誘電体セラミックシート6が得られる。このようにして得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6は、図4の乾燥装置84による乾燥工程等を経て、巻き取りロール82に巻き取られる。
【0090】次に、上述した印刷工程を経て得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6を、巻き取りロール82から引き出し、引き出された電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6から、電極行列パターンQ21、Q22、...を囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0091】上記工程とは別に、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いて、上述と同様の印刷工程を実行する。図19は図17に示した第2のスクリーン印刷製版12によって印刷された印刷面の拡大平面図である。図19において、電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12によって印刷されたものであるから、第2のスクリーン印刷製版12の印刷パターンと同一である。即ち、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(BーDーBーD)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(FーHーFーH)である。
【0092】上述した印刷工程を繰り返すことにより、所定の間隔g3で、電極行列パターンQ31、Q32、...を印刷した未焼成誘電体セラミックシート6が得られる。このようにして得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6は、図4の乾燥装置84による乾燥工程等を経て、巻き取りロール82に巻き取られる。
【0093】次に、上述した印刷工程を経て得られた電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6を、巻き取りロールから引き出し、引き出された電極印刷済み未焼成誘電体セラミックシート6から、電極行列パターンQ31、Q32、...を囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取り出す。
【0094】次に、上述した工程を経て得られた2種の電極印刷シートを積層する。従って、第2の態様に係る製造方法には、第1のスクリーン印刷製版11によって得られた第1の電極印刷シート、及び、第2のスクリーン印刷製版12によって得られた第2の電極印刷シートを積層する工程の2つの工程が含まれることになる。
【0095】図20は積層台5の上に、第1層目として、第1の電極印刷シートQ41を載置した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ41は、未焼成誘電体セラミックシート61の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。第1の電極印刷シートQ41は、第1のスクリーン印刷製版11によって得られたものであるから、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0096】積層台5の一面には、直交2軸XYを有する座標系において、基準(原点)となるX0軸及びY0軸が想定されている。このX0軸及びY0軸は固定した基準となる。
【0097】一方、第1の電極印刷シートQ41の一面上にも、直交2軸XYによる座標系において、X1軸及びY1軸を想定する。X1軸及びY1軸は、基本的には、第1の電極印刷シートQ41の中心線上に設定する。
【0098】図20において、第1層目の第1の電極印刷シートQ41は、その一面上に設定されたX1軸及びY1軸が、積層台5の一面上に設定されたX0軸及びY0軸に一致するようにセットされる。この場合、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(0、0)となる。
【0099】図21は積層台5の上に、第1層目の第1の電極印刷シートQ41の上に第2層目となる第2の電極印刷シートQ51を載置した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ51は、未焼成誘電体セラミックシート62の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。第2の電極印刷シートQ51は、第2のスクリーン印刷製版12によって得られたものであるから、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(BーDーBーD)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(FーHーFーH)である。
【0100】第2の電極印刷シートQ51の一面上には、直交2軸XYによる座標系において、X2軸及びY2軸が想定されている。X2軸及びY2軸は、基本的には、第2の電極印刷シートQ51の中心線上に設定する。
【0101】図21において、第2層目の第2の電極印刷シートQ51は、その一面上に設定されたX2軸及びY2軸が、基準のX0軸及びY0軸に一致するようにセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(0、0)となる。
【0102】第2層目の第2の電極印刷シートQ51の下層には、第1の電極印刷シートQ41(図20参照)が存在するので、第2の電極印刷シートQ51を積層して得られた積層体全体で見て、第1行目及び第3行目は電極パターン配列(ABーCDーABーCD)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(EFーGHーEFーGH)となる。
【0103】図22は、第2層目として積層された第2の電極印刷シートQ51の上に、第3層目として、第1の電極印刷シートQ42を積層した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ42は、未焼成誘電体セラミックシート63の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いた印刷によって得られたものであるから、第1層目の第1の電極印刷シートQ41の電極行列パターンと全く同一である。
【0104】第3層目の第1の電極印刷シートQ42は、その一面上に設定されたX1軸が、基準のX0軸に一致するが、Y1軸は基準のY0軸から、オフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(△X1、0)となる。
【0105】オフセット量△X1は1列分である。即ち、第2の電極印刷シートQ51の第3列目に対して、第1の電極印刷シートQ42の第4列目が重なり、第2の電極印刷シートQ51の第2列目に対して、第1の電極印刷シートQ42の第3列目が重なり、第2の電極印刷シートQ51の第1列目に対して、第1の電極印刷シートQ42の第2列目が重なる。
【0106】既に述べたように、第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0107】第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0108】従って、第3層目の第1の電極印刷シートQ42を、1列分のオフセット量△X1を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第1行目及び第3行目は電極パターン配列(AーABCーCDAーABCーCD)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(EーEFGーGHEーEFGーGH)となる。
【0109】図23は、第3層目として積層された第1の電極印刷シートQ42の上に、第4層目として第2の電極印刷シートQ52を積層した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ52は、未焼成誘電体セラミックシート64の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いた印刷によって得られたものであるから、第2の電極印刷シートQ51の電極行列パターンと全く同一である。
【0110】第4層目の第2の電極印刷シートQ52は、その一面上に設定されたX1軸が、基準のX0軸に一致するが、Y1軸は基準のY0軸から、オフセット量△X2(=△X1)だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(△X2、0)となる。
【0111】オフセット量△X2は1列分である。従って、第1の電極印刷シートQ42の第3列目に対して、第2の電極印刷シートQ52の第4列目が重なり、第1の電極印刷シートQ42の第2列目に対して、第2の電極印刷シートQ52の第3列目が重なり、第1の電極印刷シートQ42の第1列目に対して、第2の電極印刷シートQ52の第2列目が重なる。
【0112】第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0113】第2層目の第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0114】第3層目の電極印刷シートQ42において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、一列分のオフセット量△X1が付されている。
【0115】従って、第4層目の第2の電極印刷シートQ52を、1列分のオフセット量△X1を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第1行目及び第3行目は電極パターン配列(ABーABCDーCDABーABCDーCD)となり、第2列目及び第4列目は電極パターン配列(EーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0116】図24は、第4層目として積層された第2の電極印刷シートQ52の上に、第5層目として第1の電極印刷シートQ43を積層した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ43は、未焼成誘電体セラミックシート65の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いた印刷によって得られたものであるから、第1の電極印刷シートQ41、Q42の電極行列パターンと全く同一である。
【0117】第5層目の第1の電極印刷シートQ43は、その一面上に設定されたY1軸が、基準のY0軸に一致するが、X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(0、△Y1)となる。
【0118】オフセット量△Y1は1行分である。従って、第4層目の第2の電極印刷シートQ52の第3行目目に対して、第5層目の第1の電極印刷シートQ43の第4行目が重なり、第2の電極印刷シートQ52の第2行目に対して、第1の電極印刷シートQ43の第3行目が重なり、第2の電極印刷シートQ52の第1列目に対して、第1の電極印刷シートQ43の第2列目が重なる。
【0119】第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0120】第2層目の第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0121】第3層目の電極印刷シートQ42において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、一列分のオフセット量△X1が付されている。
【0122】第4層目の第2の電極印刷シートQ52において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)であり、1列分のオフセット量△X1を付されている。
【0123】従って、第5層目の第1の電極印刷シートQ43を、1行分のオフセット量△Y1を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABーABCDEーCDABGーABCDEーCDG)となり、第3行目は電極パターン配列(EFーEFGHAーGHEFCーEFGHAーGHC)となる。第1行目は(AーCーAーC)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0124】図25は、第5層目として積層された第1の電極印刷シートQ43の上に、第6層目として、第2の電極印刷シートQ53を積層した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ53は、未焼成誘電体セラミックシート66の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いた印刷によって得られたものであるから、第2の電極印刷シートQ51、Q52の電極行列パターンと全く同一である。
【0125】第6層目の第2の電極印刷シートQ53は、その一面上に設定されたY2軸が、基準のY0軸に一致するが、X2軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y2(=△Y1)だけオフセットしてセットされる。この場合、オフセット量(x、y)は(0、△Y2)となる。
【0126】オフセット量△Y2は1行分である。従って、、第5層目の第1の電極印刷シートQ43の第3行目目に対して、第6層目の第2の電極印刷シートQ53の第4行目が重なり、第1の電極印刷シートQ43の第2行目に対して、第2の電極印刷シートQ53の第3行目が重なり、第1の電極印刷シートQ43の第1列目に対して、第2の電極印刷シートQ53の第2列目が重なる。
【0127】第1層目の第1の電極印刷シートQ41において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)である。
【0128】第2層目の第2の電極印刷シートQ51において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)である。
【0129】第3層目の電極印刷シートQ42において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、一列分のオフセット量△X1が付されている。
【0130】第4層目の第2の電極印刷シートQ52において、第1行目及び第3行目は、電極パターン配列(AーBーAーBーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(CーDーCーDーC)であり、1列分のオフセット量△X1を付されている。
【0131】第5層目の第1の電極印刷シートQ43において、電極行列パターンは、第1行目及び第3行目が電極パターン配列(AーCーAーCーA)であり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(EーGーEーG)であり、1行分のオフセット量△Y1を付されている。
【0132】従って、第6層目の第2の電極印刷シートQ53を、1行分のオフセット量△Y2を付して積層した場合、積層方向の電極の重なりを考慮して、第1行目は(ABーCDーABーCD)となり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABーABCDEFーCDABGHーABCDEFーCDGH)となり、第3行目は電極パターン配列(EFーEFGHABーGHEFCDーEFGHABーGHCD)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0133】図26は積層台5の上にセットされた第6層目の第2の電極印刷シートQ53の上に、第7層目の第1の電極印刷シートQ44を載置した状態を示す平面図である。第1の電極印刷シートQ44は、未焼成誘電体セラミックシート67の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図16に示した第1のスクリーン印刷製版11を用いた印刷によって得られたものであるから、第1の電極印刷シートQ41、Q42、Q43の電極行列パターンと全く同一である。
【0134】第7層目の第1の電極印刷シートQ44は、その一面上に設定されたY1軸が、基準のY0軸からオフセット量△X1だけオフセットしてセットされる。X1軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y1だけオフセットしてセットされる。従って、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X1、△Y1)となる。
【0135】こうして得られた積層体は、積層方向の電極重なりを考慮して、第1行目が(AーABCーCDAーABCーCD)となり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABEーABCDEFGーCDABGHEーABCDEFGーCDGH)となり、第3行目は電極パターン配列(EFAーEFGHABCーGHEFCDAーEFGHABCーGHCD)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0136】図27は第7層目の第1の電極印刷シートQ44の上に、第8層目の第2の電極印刷シートQ54を載置した状態を示す平面図である。第2の電極印刷シートQ54は、未焼成誘電体セラミックシート68の一面上に、電極行列パターンを印刷した構成である。電極行列パターンは、図17に示した第2のスクリーン印刷製版12を用いた印刷によって得られたものであるから、第2の電極印刷シートQ51、Q52、Q53の電極行列パターンと全く同一である。
【0137】第8層目の第2の電極印刷シートQ54は、その一面上に設定されたY2軸が、基準のY0軸からオフセット量△X2(=△X1)だけオフセットしてセットされる。X2軸は基準のX0軸から、オフセット量△Y2(=△Y1)だけオフセットしてセットされる。従って、X軸及びX軸で見たオフセット量(x、y)は(△X2、△Y2)となる。
【0138】こうして得られた積層体は、積層方向の電極重なりを考慮して、第1行目が(ABーABCDーCDABーABCDーCD)となり、第2行目及び第4行目は電極パターン配列(ABEFーABCDEFGHーCDABGHEFーABCDEFGHーCDGH)となり、第3行目は電極パターン配列(EFABーEFGHABCDーGHEFCDABーEFGHABCDーGHCD)となり、最終行は(EFーEFGHーGHEFーEFGHーGH)となる。
【0139】この後、図27に示した積層体に対し、行間及び列間で個別分割を施し、電極A〜Hの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素を取り出す。こうして取り出された積層セラミックコンデンサ要素を焼成し、端子電極21〜24、31〜34(図1参照)を付与することにより、図1及び図2に図示した積層セラミックコンデンサが得られる。
【0140】図27において、電極パターンA〜Hの全てを含む積層セラミックコンデンサ要素の周りには、電極パターンA〜Hの少なくとも1つを欠く組み合わせが生じる。これらは、捨てる他はないが、もともと、周辺部は積層工程において、欠陥を生じ易い部分であるので、捨てても実際上は問題を生じない。
【0141】上述下第2の態様に係る製造方法によれば、2つの第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12を、行方向または列方向にオフセットさせることにより、一つの内部電極に対して積層されるべき内部電極、即ち、所定の位置に引出電極を有する内部電極を選択することができる。
【0142】この場合、2つの第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12を用いるだけであるから、印刷設備の簡素化に極めて有効である。第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る。更に、第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12の2種を用いるだけであるから、印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る。
【0143】しかも、電極印刷シートに印刷された電極行列パターンは、第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12によって得られたものであり、パターン誤差は第1及び第2のスクリーン印刷製版11、12の間の誤差に留まるから、容量精度の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0144】更に、より多数の積層数を得る場合には、上述した工程によって得られた積層体の複数枚を、更に積層すればよい。これにより、高精度のパターン重なりを有する積層体を積層し、全体として、高精度の容量を有する低インダクタンス用積層セラミックコンデンサを、高歩留で得ることができる。
【0145】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)印刷設備の簡素化に極めて有効な積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
(b)印刷製版の製造、保管及び準備等に要する労力及び費用を著しく低減し得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
(c)印刷工程を著しく簡素化し、量産性を向上させ得る積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
(d)容量精度の高い積層セラミックコンデンサの製造方法及び印刷製版装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。
【図2】図1に示した積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。
【図3】第1の態様に係る製造方法の実施に用いられるスクリーン印刷製版の平面図である。
【図4】図3に示したスクリーン印刷製版を用いて電極印刷を行う印刷システムの構成を示す図である。
【図5】図4に示した印刷システムによって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【図6】図5の6ー6線に沿った断面図である。
【図7】積層台の上に第1層目の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図8】図7の8ー8線に沿った断面図である。
【図9】積層台の上にセットされた第1層目の電極印刷シートの上に、第2層目の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図10】図9の10ー10線に沿った断面図である。
【図11】積層台の上にセットされた第2層目の電極印刷シートの上に、第3層目の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図12】図11の12ー12線に沿った断面図である。
【図13】積層台の上にセットされた第3層目の電極印刷シートの上に、第4層目の電極印刷を載置した状態を示す平面図である。
【図14】図13の14ー14線に沿った断面図である。
【図15】本発明の第2の態様に係る製造方法の適用される積層セラミックコンデンサの内部電極構造を示す分解斜視図である。
【図16】第1のスクリーン印刷製版の平面図である。
【図17】第2のスクリーン印刷製版の平面図である。
【図18】図16に示した第1のスクリーン印刷製版によって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【図19】図17に示した第2のスクリーン印刷製版によって印刷された印刷面の拡大平面図である。
【図20】積層台の上に、第1層目として、第1の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図21】積層台の上に載置された第1層目の第1の電極印刷シートの上に第2層目となる第2の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図22】第2層目として積層された第2の電極印刷シートの上に、第3層目として、第1の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図23】第3層目として積層された第1の電極印刷シートの上に、第4層目として第2の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図24】第4層目として積層された第2の電極印刷シートの上に、第5層目として第1の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図25】第5層目として積層された第1の電極印刷シートの上に、第6層目として、第2の電極印刷シートを積層した状態を示す平面図である。
【図26】積層台の上にセットされた第6層目の第2の電極印刷シートの上に、第7層目の第1の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【図27】第7層目の第1の電極印刷シートの上に、第8層目の第2の電極印刷シートを載置した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
5 積層台
61、62 未焼成誘電体セラミックシート
Q11、Q12 電極印刷シート
X0、Y0 積層台に設定された基準の軸
X1、Y1 電極印刷シートに設定された軸
△X1 オフセット量
A〜D 電極パターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】 積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、前記積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された複数の内部電極を含み、前記内部電極のそれぞれは取出電極を有し、前記取出電極のそれぞれは、前記誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されており、未焼成誘電体セラミックシートの表面に、印刷製版を用いて前記内部電極を印刷する工程を含み、前記印刷製版は前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有しており、前記未焼成誘電体セラミックシートから、前記印刷製版の印刷によって得られた電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取出し、前記電極印刷シートの複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シート間において、先に積層された電極印刷シートに印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートに印刷された電極行列パターンを、行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る工程を含む製造方法。
【請求項2】 積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、前記積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された複数の内部電極を含み、前記内部電極のそれぞれは取出電極を有し、前記取出電極のそれぞれは、前記誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されており、第1の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第1の印刷製版を用いて前記内部電極を印刷し、前記第1の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第1の行列パターンを有しており、次に、前記第1の未焼成誘電体セラミックシートから、前記第1の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第1の電極印刷シートを取出、第2の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第2の印刷製版を用いて前記内部電極を印刷する工程を含み、前記第2の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第2の行列パターンを有し、前記第2の行列パターンは前記第1の行列パターンの鏡像であり、前記第2の未焼成誘電体セラミックシートから、第2の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第2の電極印刷シートを取出、前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートを、前記第1及び第2の電極行列パターンの全体が互いに重なるように積層し、こうして得られた前記第1及び第2の電極印刷シートの組に対し、他の前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートの組を、前記第1及び第2の電極行列パターンの行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る工程を含む製造方法。
【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された製造方法であって、前記オフセットの量は、1行または1列の分である製造方法。
【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載された製造方法であって、行の方向にオフセットさせた後、列の方向にオフセットさせ、次に、行列の方向にオフセットさせる工程を含む製造方法。
【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載された製造方法であって、前記積層体の複数枚を、更に積層する工程を含む製造方法。
【請求項6】 複数の内部電極を積層した積層セラミックコンデンサを製造するために、排他的に用いられる印刷製版であって、内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有しており、前記印刷パターンは、前記内部電極の取出電極に対応するパターンが、同一方向を向くように配置されている印刷製版。
【請求項7】 複数の内部電極を積層した積層セラミックコンデンサを製造するために用いられる印刷製版装置であって、第1の印刷製版と、第2の印刷製版との組み合わせを含んでおり、前記第1の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第1の行列パターンを有しており、前記第2の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第2の行列パターンを有し、前記第2の行列パターンは前記第1の行列パターンの鏡像である印刷製版装置。
【請求項8】 請求項7に記載された印刷製版装置であって、前記第1の印刷製版において隣り合う2つの行に属する印刷パターンは、前記内部電極の前記取出電極に対応するパターンが、互いに対向する辺に配置されている印刷製装置。
【請求項1】 積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、前記積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された複数の内部電極を含み、前記内部電極のそれぞれは取出電極を有し、前記取出電極のそれぞれは、前記誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されており、未焼成誘電体セラミックシートの表面に、印刷製版を用いて前記内部電極を印刷する工程を含み、前記印刷製版は前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有しており、前記未焼成誘電体セラミックシートから、前記印刷製版の印刷によって得られた電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、電極印刷シートを取出し、前記電極印刷シートの複数枚を順次に積層し、その際、隣接する2枚の電極印刷シート間において、先に積層された電極印刷シートに印刷された電極行列パターンに対し、後に積層される電極印刷シートに印刷された電極行列パターンを、行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る工程を含む製造方法。
【請求項2】 積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、前記積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック基体の内部に、誘電体セラミック層を介して順次に積層された複数の内部電極を含み、前記内部電極のそれぞれは取出電極を有し、前記取出電極のそれぞれは、前記誘電体セラミック基体の側端面において、互いに異なる位置に導出されており、第1の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第1の印刷製版を用いて前記内部電極を印刷し、前記第1の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第1の行列パターンを有しており、次に、前記第1の未焼成誘電体セラミックシートから、前記第1の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第1の電極印刷シートを取出、第2の未焼成誘電体セラミックシートの表面に、第2の印刷製版を用いて前記内部電極を印刷する工程を含み、前記第2の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第2の行列パターンを有し、前記第2の行列パターンは前記第1の行列パターンの鏡像であり、前記第2の未焼成誘電体セラミックシートから、第2の電極行列パターンを囲む領域を打ち抜いて、第2の電極印刷シートを取出、前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートを、前記第1及び第2の電極行列パターンの全体が互いに重なるように積層し、こうして得られた前記第1及び第2の電極印刷シートの組に対し、他の前記第1の電極印刷シート及び前記第2の電極印刷シートの組を、前記第1及び第2の電極行列パターンの行方向または列方向にオフセットさせて積層し、積層体を得る工程を含む製造方法。
【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された製造方法であって、前記オフセットの量は、1行または1列の分である製造方法。
【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載された製造方法であって、行の方向にオフセットさせた後、列の方向にオフセットさせ、次に、行列の方向にオフセットさせる工程を含む製造方法。
【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載された製造方法であって、前記積層体の複数枚を、更に積層する工程を含む製造方法。
【請求項6】 複数の内部電極を積層した積層セラミックコンデンサを製造するために、排他的に用いられる印刷製版であって、内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した行列パターンを有しており、前記印刷パターンは、前記内部電極の取出電極に対応するパターンが、同一方向を向くように配置されている印刷製版。
【請求項7】 複数の内部電極を積層した積層セラミックコンデンサを製造するために用いられる印刷製版装置であって、第1の印刷製版と、第2の印刷製版との組み合わせを含んでおり、前記第1の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第1の行列パターンを有しており、前記第2の印刷製版は、前記内部電極のそれぞれに対応する印刷パターンを行列状に配置した第2の行列パターンを有し、前記第2の行列パターンは前記第1の行列パターンの鏡像である印刷製版装置。
【請求項8】 請求項7に記載された印刷製版装置であって、前記第1の印刷製版において隣り合う2つの行に属する印刷パターンは、前記内部電極の前記取出電極に対応するパターンが、互いに対向する辺に配置されている印刷製装置。
【図4】
【図1】
【図2】
【図3】
【図15】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
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【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2002−184647(P2002−184647A)
【公開日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−382882(P2000−382882)
【出願日】平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願人】(000003067)ティーディーケイ株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願人】(000003067)ティーディーケイ株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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