説明

窒化物系発光ダイオード素子および発光方法

【課題】活性領域で生じる熱を素子外部に効率的に逃すうえで好ましい構成を備えた窒化物系LEDを提供する。
【解決手段】
窒化物系発光ダイオード素子は、p型層と、前記p型層に積層されたn型層と、前記p型層と前記n型層とに挟まれた発光層と、を含む窒化物半導体積層体と、前記p型層の表面上に設けられたp側電極と、前記n型層に接続されたn側電極と、を備える。前記p側電極は、前記p型層との接触面を有するオーミック接触層と、前記p型層とで前記オーミック接触層を挟むように設けられた熱伝導性メタル層とを有しており、前記窒化物半導体積層体の積層方向に直交する平面である素子平面に対する前記熱伝導性メタル層の投影面積が、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体で形成された発光構造を有する窒化物系発光ダイオード素子(以下、窒化物系LEDともいう)に関する。窒化物半導体は、AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)、(Al,Ga,In)Nなどの一般式で表される化合物半導体であり、III族窒化物半導体、窒化物系半導体、窒化ガリウム(GaN)系半導体などとも呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
GaN、GaInN、AlGaN、AlGaInNのような窒化物半導体を用いた半導体デバイスが実用化されている。代表的なデバイスは、窒化物半導体でダブルヘテロpn接合型の発光構造を構成した、発光ダイオードやレーザダイオードなどの発光素子である。特に、c面サファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長された発光構造を有する窒化物系LEDは、バックライトや照明のための光源として大量に生産されている。
【0003】
GaN基板上に発光構造をホモエピタキシャル成長させることにより得られる窒化物系LEDは、発光構造中の結晶欠陥の密度が低いものとなるので、発光効率や寿命に優れたものとなると期待されている。
c面を主面とするGaN基板は、通常、欠陥集合領域を有している。例えば、ストライプコア基板と呼ばれるc面GaN基板は、平行直線状に形成された複数の欠陥集合領域を有している(特許文献1、特許文献2)。ストライプコア基板上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させると、エピタキシャル層中には、基板のストライプコアに対応して欠陥密度の高い部分が形成される。GaN基板を用いた発光デバイスでは、通常、エピタキシャル層中のこのような高欠陥密度部ではない部分に活性領域(発光が起こる領域)が設けられる(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−335646号公報
【特許文献2】特開2006−196609号公報
【特許文献3】特開2009−295693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
窒化物系LEDを用いた発光装置に対して、白熱電球、蛍光ランプ、水銀ランプなどの代替となる程度の高い出力が要求されるようになってきている。それに伴い、窒化物系LEDには大電流駆動したときの効率が良好であることが要求されるようになっている。
発光ダイオード素子の効率は、温度上昇とともに低下するのが普通であるから、上記の要求を充たすには、駆動時に活性領域で発生する熱を効率よく素子外部に逃がすことが重要となる。そこで、本発明の主たる目的は、活性領域で生じる熱を素子外部に効率的に逃すうえで好ましい構成を備えた窒化物系LED、および、かかる窒化物系LEDを用いた好ましい発光方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、次の構成を有する窒化物系発光ダイオード素子が提供される:
p型層と、前記p型層に積層されたn型層と、前記p型層と前記n型層とに挟まれた発光層と、を含む窒化物半導体積層体と、
前記p型層の表面上に設けられたp側電極と、
前記n型層に接続されたn側電極と、
を備える窒化物系発光ダイオード素子であって、
前記p側電極は、前記p型層との接触面を有するオーミック接触層と、前記p型層とで前記オーミック接触層を挟むように設けられた熱伝導性メタル層とを有しており、
素子平面に対する前記熱伝導性メタル層の投影面積が、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積よりも大きいことを特徴とする窒化物系発光ダイオード素子。
【0007】
ここでいう「素子平面」とは、発光ダイオード素子の主要な構成要素である窒化物半導体層(n型層、発光層、p型層)に平行な平面(層の厚さ方向と直交する平面)をいう。
また、ここでいう「投影面積」とは、所定の平面に対する客体の正射影(該平面に対して垂直に投射される光が該客体によって遮られることにより該平面に形成される影)の面積をいう。従って、前記接触面が平面であるときには、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積は、前記接触面の面積に等しい。一方、前記接触面が凹凸面である場合には、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積は、前記接触面の面積よりも小さくなる。
【0008】
前記オーミック接触層と接する部分における前記p型層の表面の貫通転位密度は1×10cm−2未満であり得る。この場合、前記窒化物半導体積層体の、前記発光層から見て前記n型層側には、GaN基板が接合されていてもよい。また、前記p型層の表面に、前記オーミック接触層と接する部分に比べて表面の貫通転位密度が高い高転位密度部が存在していてもよく、その場合、前記熱伝導性メタル層が前記高転位密度部の少なくとも一部を覆っていることが好ましい。
【0009】
好ましくは、前記p型層の表面と前記熱伝導性メタル層との間に、絶縁膜が挿入されていてもよい。
好ましくは、前記絶縁膜は、前記p型層より低い屈折率を有する透明薄膜である。
前記接触面と前記n側電極とは素子平面に平行な方向に重なりを有していないことが好ましい。その場合、当該素子を平面視したときの、前記接触面上の任意の点から前記n側電極までの距離は、好ましくは75μm以内、より好ましくは50μm以内である。
【0010】
前記n側電極は、前記窒化物半導体積層体から見て、前記p側電極が形成された側とは反対側に配置されていてもよい。
好ましくは、前記素子平面に対する前記熱伝導性メタル層の投影面積は、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積の1.5倍〜10倍である。
好ましくは、前記熱伝導性メタル層の総厚みは、1μm〜1mmである。
好ましくは、前記オーミック接触層は、透明導電性酸化物を含む透光性薄膜であるか、または、白金族元素を含むメタル薄膜である。
前記オーミック接触層が、透明導電性酸化物を含む透光性薄膜である場合、好ましくは、前記熱伝導性メタル層は前記オーミック接触層に接する部分に高反射層を有する。
【0011】
好ましくは、前記高反射層は、Ag、AlまたはRhを含む。
前記熱伝導性メタル層は、前記接触面と向かい合う部分に開口部を有していてもよい。
好ましくは、前記熱伝導性メタル層は、Au層、Cu層、Ag層またはAl層の少なくともいずれかを含む。
前記熱伝導性メタル層は、CuまたはNiからなる厚さ5μm〜1mmの厚膜層を含み得る。
【0012】
前記発光層が発する光の波長は400nm未満であり得る。
【0013】
前記窒化物系発光ダイオード素子において、オーミック接触層と接する部分における前記p型層の表面の貫通転位密度が1×10cm−2未満である場合、好ましくは、当該発光ダイオード素子に対して、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積当たり電流が150〜300A/cmとなるように電流を供給して発光させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明実施形態に係る上記の窒化物系LEDは、活性領域で生じる熱を素子外部に効率的に逃すうえで好ましい構成を備えるので、大電流で駆動したときの素子温度の上昇による発光効率の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】窒化物系LEDの構造を示しており、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のX−X線の位置における断面図である。
【図2】図1に示す窒化物系LEDに含まれるGaN基板の構造を説明するための平面図である。
【図3】図1に示す窒化物系LEDの実装例を示す断面図である。
【図4】窒化物系LEDの構造を示す断面図である。
【図5】窒化物系LEDの構造を示す断面図である。
【図6】窒化物系LEDの構造を示す断面図である。
【図7】ドットコア基板の平面図である。
【図8】図8(a)および(b)は、それぞれ、窒化物系LEDの構造を示す断面図である。
【図9】窒化物系LEDの構造を示しており、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)のX−X線の位置における断面図である。
【図10】窒化物系LEDの構造を示しており、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のX−X線の位置における断面図である。
【図11】窒化物系LEDの構造を示しており、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)のX−X線の位置における断面図である。
【図12】窒化物系LEDの構造を示しており、図12(a)は平面図、図12(b)は図12(a)のX−X線の位置における断面図である。
【図13】紫外発光装置の断面図である。
【図14】紫外発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、説明を簡略化するために、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0017】
[発光ダイオード素子]
(実施形態1−1)
図1は本発明の実施形態1−1に係る窒化物系LED101の構造を示す模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のX−X線の位置における断面図である。
【0018】
窒化物系LED101は、GaN基板11の一方の主面上に、窒化物半導体からなるn型層12、発光層13およびp型層14が積層された構造を有している。各層は、MOVPE法のような気相成長法を用いて形成されたエピタキシャル層である。最上部に位置するエピタキシャル層はp型層14であり、その表面上にp側電極15が形成されている。p側電極15は、オーミック接触層15aと、熱伝導性メタル層15bとから構成されている。p型層14および発光層13が部分的に除去されることにより露出したn型層12の表面には、n側電極16が形成されている。
【0019】
GaN基板11はストライプコア基板であり、欠陥集合領域であるストライプコアAを両端に有し、中央部に転位密度の低い単結晶領域Bを有している。図2に示すように、ストライプコアAは、GaN基板11を平面視したときに直線状を呈する欠陥集合領域であり、20〜100μmの幅を有している。p型層14は、GaN基板11のストライプコアAの直上に高欠陥密度部Cを有している。p型層14のその他の部分は、高欠陥密度部Cよりも欠陥密度の低い低欠陥密度部Dである。低欠陥密度部Dは、表面における貫通転位の密度が1×10cm−2未満の部分を含んでいる。低欠陥密度部Dは、表面における貫通転位の密度が1×10cm−2未満の部分を含むことが好ましく、更には、表面における貫通転位の密度が1×10cm−2未満を含むことがより好ましい。
【0020】
オーミック接触層15aは低欠陥密度部Dの表面に形成されており、高欠陥密度部Cの表面には接していない。これは、キャリアがエピタキシャル層中の欠陥密度の高い部分に拡散して失活することを防止するためである。導電性の低いp型層14の内部では、オーミック接触層15aを通してp側電極15から注入されたキャリアが横方向(厚さ方向に直交する方向)に殆ど拡散せず、実質的にオーミック接触層15aの直下のみで発光層13に注入されるので、オーミック接触層15aをp型層14の高欠陥密度部Cの表面から離れた位置に形成することによって、エピタキシャル層内部でキャリアが欠陥密度の高い部分に拡散することを防止できるのである。
【0021】
熱伝導性メタル層15bは、オーミック接触層15aの上から形成されており、該オーミック接触層に電気的に接続されている。熱伝導性メタル層15bは、p型層14の低欠陥密度部D上から高欠陥密度部C上にわたって形成されている。上述のように、発光層13へのp型キャリアの注入が起こるのは実質的にオーミック接触層15aの直下の領域のみであるから、活性領域の面積はオーミック接触層15aの面積と実質的に同じといえる。ゆえに、熱伝導性メタル層15bの面積は活性領域の面積よりも大きいといえる。
【0022】
窒化物系LED101の実装は、例えば、p側電極15の熱伝導性メタル層15bと外部電極とを、ハンダ(例えば、AuSn合金)、導電性ペースト(例えば、Agペースト)などの導電性接合材料で接合することによって行うことができる。このような方法を用いた窒化物系LED101の実装例を図3に示す。図3は断面図であり、絶縁基板21上にアノード端子22とカソード端子23とを有する実装用基板200上に、窒化物系LED101が固定されている。窒化物系LED101はエピタキシャル層側を実装用基板200に向けて、フリップチップ実装されている。実装用基板のアノード端子22と窒化物系LEDの熱伝導性メタル層15bとの間、および、実装用基板のカソード端子23と窒化物系LEDのn側電極16との間は、それぞれ、導電性接合材料Eによって接合されている。
【0023】
活性領域の面積(≒オーミック接触層15aの面積)よりも熱伝導性メタル層15bの面積が大きいことから、活性領域で発生する熱は、熱伝導性メタル層15bや導電性接合材料Eの内部において、直下の方向だけでなく横方向(素子面に平行な方向)にも拡散し得る。よって、窒化物系LED101を大電流駆動したときの、活性領域の温度上昇が抑制される。この効果は、オーミック接触層15aの面積に対する熱伝導性メタル層15bの面積比を大きくする程、顕著となる。この面積比は、例えば、1.5〜10倍とすることができ、好ましくは2〜4倍である。
【0024】
(実施形態1−2)
本発明の実施形態1−2に係る窒化物系LED102の断面図を図4に示す。窒化物系LED102は、p側電極15に含まれるオーミック接触層15aが、p型層14の低欠陥密度部D上から高欠陥密度部C上にわたって形成されている点で、実施形態1−1に係る窒化物系LED101と異なっている。窒化物系LED102の場合には、オーミック接触層15aをこのように形成しつつも、p型層14の高欠陥密度部Cの表面を覆う絶縁膜17によってオーミック接触層15aと該高欠陥密度部Cとを絶縁しているので、p側電極15から高欠陥密度部Cにはキャリアが注入されない。よって、オーミック接触層15aとp型層14とが接している部分の直下の領域が、活性領域となる。熱伝導性メタル層15bは低欠陥密度部D上から高欠陥密度部C上にわたって形成されており、その面積は活性領域の面積よりも大きい。
【0025】
窒化物系LED102では、絶縁膜17がp型層より低い屈折率を有する透明薄膜であると、絶縁膜17がなければp型層14側からp側電極15の下面に入射することになる光の一部が、絶縁膜17によって効率よく反射されるので、発光効率の改善が期待できる。
【0026】
(実施形態1−3)
本発明の実施形態1−3に係る窒化物系LED103の断面図を図5に示す。前述の実施形態1−2に係る窒化物系LED102では、p側電極15のオーミック接触層15aとp型層14の間に絶縁膜17が挟まれているのに対し、窒化物系LED103では、オーミック接触層15aが、絶縁膜17とp型層14の間に挟まれている。絶縁膜17はオーミック接触層15a上に形成された部分に複数の貫通孔を有しており、該複数の貫通孔を通して、オーミック接触層15aと熱伝導性メタル層15bとが接続されている。
【0027】
窒化物系LED103においても、絶縁膜17がp型層より低い屈折率を有する透明薄膜であると、絶縁膜17がなければp型層14側から熱伝導性メタル層15bの下面に入射することになる光の一部が、絶縁膜17によって効率よく反射されるので、発光効率の改善が期待できる。
【0028】
(実施形態1−4)
本発明の実施形態1−4に係る窒化物系LED104の断面図を図6に示す。前述の実施形態1−1〜1−3に係る窒化物系LEDでは、部分的に露出したn型層12の表面にn側電極16が形成されているのに対し、窒化物系LED104では、n側電極16がGaN基板11の裏面の単結晶領域B上に形成されている。
【0029】
以上に説明した実施形態1−1〜1−4に共通するのは、熱伝導性メタル層15bの面積を広げるために、活性領域を設けるのには適さない高欠陥密度部Cの表面が有効に利用されていることである。
上記実施形態1−1〜1−4の各々において、GaN基板11をストライプコア基板からドットコア基板に置き換えた場合にも、同様にして高欠陥密度部の有効利用が可能であることは自明であろう。ドットコア基板とは、平面視したときに、ドット状を呈する欠陥集合領域Aが、所定パターンで転位密度の低い単結晶領域Bに囲まれて配置された基板である。
一例に係るドットコア基板の平面図を図7に示すとともに、図7に示すドットコア基板11を用いた、本発明実施形態に係る窒化物系LED105(実施形態1−5)および窒化物系LED106(実施形態1−6)の断面図を図8(a)および(b)にそれぞれ示す。
【0030】
(好適な実施形態)
次に、上述の実施形態1−1〜1−6に係る窒化物系LEDにおいて採用し得る、各部の好適な構成について説明する。
【0031】
GaN基板11の上にエピタキシャル成長されるn型層12、発光層13およびp型層14のそれぞれは、半導体結晶の組成や不純物濃度が厚さ方向に一定である必要はなく、例えば、多層構造を有していてもよい。また、GaN基板11とn型層12の間、n型層12と発光層13の間、発光層13とp型層14の間には、公知技術を参照して、様々な機能を有する窒化物半導体層を挿入することができる。例えば、欠陥低減層、歪緩和層、キャリアブロック層などである。
【0032】
p型層14の表面に形成されるオーミック接触層15aは、好ましくは、透明導電性酸化物を含む透光性薄膜である。透明導電性酸化物としては透過率の高いものを用いることが望ましく、具体的には、ITO、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などの酸化インジウムベースのTCO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などの酸化亜鉛ベースのTCO、FTO(フッ素ドープ酸化錫)などの酸化錫ベースのTCOが例示される。透明導電性酸化物は窒化物半導体より低い屈折率を有することから、オーミック接触層15aを透明導電性酸化物で形成すると、p型層14とオーミック接触層15aとの界面は良質の反射面となる。
【0033】
オーミック接触層15aの他の好適例は、白金族元素を含むメタル薄膜である。白金族元素の中でも、反射率が特に高いRhを用いることが望ましい。オーミック接触層15aにはNi/Auを用いることもできる。
【0034】
熱伝導性メタル層15bは、下面側に、発光層13で生じる光に対する反射率の高い金属で形成された高反射層を有することが望ましい。窒化物系LEDの典型的な発光波長は360〜500nmであることから、高反射層に用いる好ましい金属としては、Al、Ag、Rhなどが例示される。Ti、Nd、Si、Cu、Mg、Mn、Crなどの元素が添加されたAlや、Cu、Au、Pd、Nd、Si、Ir、Ni、W、Zn、Ga、Ti、Mg、Y、In、Snなどの元素が添加されたAgも、高反射層の材料として好ましく使用できる。オーミック接触層15aを透光性の高い透明導電性酸化物膜としたとき、高反射層の効果は特に顕著となる。
【0035】
熱伝導性メタル層15bは、熱伝導性の高いAu、Cu、Ag、Alのような金属で形成された高熱伝導層を含んでいてもよい。また、熱伝導性メタル層15bは、CuまたはNiからなる厚さ5μm〜1mmの厚膜層を含んでいてもよい。この厚膜層の好適な形成方法は、電解メッキ、無電解メッキなどである。また、熱伝導性メタル層15bは、Au層のような、酸化し難い表面層を有することが望ましい。
【0036】
熱伝導性メタル層15bの総厚みは、好ましくは1μm〜1mm、より好ましくは5〜500μm、特に好ましくは10〜400μmである。
【0037】
n側電極16は、n型層12またはGaN基板11と接する部分を、Al、Ti、W、Ni、CrもしくはVの単体、または、これらから選ばれる1種以上の金属を含む合金で形成することが好ましい。中でも、Alは特に好ましい材料である。Alは、Ti、Nd、Si、Cu、Mg、Mn、Crなどの添加元素を含んでいてもよい。また、n側電極16は、n型層12またはGaN基板11と接する部分に透明導電性酸化物膜、すなわち、酸化インジウム、ITO、IZO、酸化亜鉛、AZO、GZO、酸化錫、FTOなどからなる透光性薄膜を有していてもよい。また、n側電極16は、Au層のような、酸化し難い表面層を有することが望ましい。
【0038】
絶縁膜17は、前述のように、p型層14よりも低い屈折率を有することが望ましく、例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、スピネル、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムのような金属酸化物、あるいは、PSG、BPSG、スピンオングラスのようなガラスで形成することができる。
【0039】
GaN基板11の厚さは、エピタキシャル層の形成に使用する時点では400μm以上であることが望ましいが、エピタキシャル層の形成後には、裏面にグラインディング加工、ラッピング加工、ポリッシング加工などを施すことによって、100μm以下にまで減じ得る。特に、熱伝導性メタル層15bに前述の厚膜層を50μm以上の厚さに形成する場合には、GaN基板11の厚さを50μm以下に減じることができ、更に、GaN基板11を摩滅させてしまってもよい。
【0040】
光取出し効率を改善するためには、GaN基板11の裏面を粗面(textured
surface)とすることが有効である。GaN基板11の裏面は、KOHを用いたウェットエッチングあるいはPECによって粗化できる他、エッチングマスクを用いたドライエッチング加工によって粗化することもできる。エッチングマスクはフォトリソグラフィ技法やレーザ干渉露光法を用いて所定の形状にパターニングされたものであってもよい。また、エッチングマスクは、メタル薄膜を加熱したときに自発的に生じるボールアップ現象や、非相容性のポリマーを混合したときに自発的に生じるミクロ相分離現象を利用して形成される、ナノマスクであってもよい。
【0041】
(実施形態2−1)
図9は本発明の実施形態2−1に係る窒化物系LED201の構造を示す模式図であり、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)のX−X線の位置における断面図である。なお、図9(a)は窒化物系LED201を導電性基板21側から見たところを示している。
【0042】
窒化物系LED201は、導電性基板21の第1主面上21aに、窒化物半導体からなるn型層22、発光層23およびp型層24が順に積層された構造を有している。各層は、MOVPE法のような気相成長法を用いて形成されたエピタキシャル層である。最上部に位置するエピタキシャル層はp型層24であり、その表面上にp側電極25が形成されている。p側電極25は、オーミック接触層25aと、熱伝導性メタル層25bとから構成されている。導電性基板21の第2主面21bの一部にはn側電極26が形成されている。
【0043】
導電性基板21は、発光層23で生じる光を透過させ得る基板であり、例えば、SiC基板、酸化ガリウム基板であり得るが、好ましくは、液相成長法またはソルボサーマル法を用いて製造された、欠陥集合領域を有さないGaN基板である。導電性基板21がかかるGaN基板である場合、p型層24の表面における貫通転位の密度は1×10cm−2未満、更には1×10cm−2未満となり得る。エピタキシャル層中の転位密度を1×10cm−2未満のレベルまで低減すると、大電流を印加したときの内部量子効率の低下(いわゆるドループ)が小さくなるため、活性領域を横切って流れる順方向電流の密度が150〜300A/cmとなるような大電流をLEDに印加することが可能となる。
【0044】
図9(a)に示すように、導電性基板21の第2主面21b上に形成されたn側電極26は、ボンディングワイヤが接合される部分であるパッド部26aと、パッド部26aに供給される電流を横方向に広げるためのグリッド部26bとを有するパターンに形成されている。
一方、同じ図9(a)の破線は、p型層24の表面に形成されたオーミック接触層25aの外周を示している。すなわち、窒化物系LED201では、平面視したときに、p型層24とオーミック接触層25aとの接触面がなすパターンと、n側電極26のパターンとが重なっていない(オーミック接触層25aの外周は、p型層24と当該オーミック接触層25aの接触面の外周に等しい)。
【0045】
このように構成されていることによって、オーミック接触層25aの直下の活性領域で生じる光は、n側電極26に遮られることなく、導電性基板21の第2主面21bから外部に放出されることになる。
また、p型層24とでオーミック接触層25aを挟むように設けられた熱伝導性メタル層25bは、オーミック接触層25aよりも大面積に形成されているので、熱伝導性メタル層25bを適切なヒートシンクに熱的に接続することによって、活性領域で生じる熱を、熱伝導性メタル層25bを通して効果的に放散させることができる。
【0046】
(実施形態2−2)
図10(a)は、本発明の実施形態2−2に係る窒化物系LED202の平面図であり、図10(b)は図10(a)のX−X線の位置における窒化物系LED202の断面図である。なお、図10(a)は窒化物系LED202を導電性基板21側から見たところを示している。
【0047】
図10(a)に示すように、導電性基板21の第2主面21b上に形成されたn側電極26は、ボンディングワイヤが接合される部分であるパッド部26aと、パッド部26aに供給される電流を横方向に広げるためのグリッド部26bとを有するパターンに形成されている。
一方、同じ図10(a)の破線は、p型層24の表面に形成された絶縁膜27の外周を示している。すなわち、窒化物系LED202では、平面視したときに、p型層24とオーミック接触層25aとの接触面がなすパターンと、n側電極26のパターンとが重ならないように、p型層24とオーミック接触層25aの間を隔てる絶縁膜27のパターンが決定されている。
【0048】
(実施形態2−3)
図11(a)は、本発明の実施形態2−3に係る窒化物系LED203の平面図であり、図11(b)は図11(a)のX−X線の位置における窒化物系LED203の断面図である。なお、図11(a)は窒化物系LED203を導電性基板21側から見たところを示している。
【0049】
図11(a)に示すように、導電性基板21の第2主面21b上に形成されたn側電極26は、ボンディングワイヤが接合される部分であるパッド部26aと、パッド部26aに供給される電流を横方向に広げるためのグリッド部26bとを有するパターンに形成されている。
一方、同じ図11(a)の破線は、p型層24の表面に形成されたオーミック接触層25aの外周を示している。すなわち、窒化物系LED203では、平面視したときに、p型層24とオーミック接触層25aとの接触面がなすパターンと、n側電極26のパターンとが重なっていない(オーミック接触層25aの外周は、p型層24と当該オーミック接触層25aの接触面の外周に等しい)。
【0050】
窒化物系LED203が前述の実施形態2−1に係る窒化物系LED201と異なるのは、窒化物系LED203では、p型層24と熱伝導性メタル層25bとの間に、オーミック接触層25aだけではなく、絶縁膜27が挟まれている点である。絶縁膜27は、オーミック接触層25aに覆われずに露出したp型層24の表面の略全体を覆うとともに、オーミック接触層25aの一部を覆っている。絶縁膜27はオーミック接触層25a上に形成された部分に貫通孔を有しており、該貫通孔を通して、オーミック接触層25aと熱伝導性メタル層25bとが接続されている。
【0051】
(実施形態2−4)
図12(a)は、本発明の実施形態2−4に係る窒化物系LED204の平面図であり、図12(b)は図12(a)のX−X線の位置における窒化物系LED204の断面図である。なお、図12(a)は窒化物系LED204をn型層22側から見たところを示している。
【0052】
窒化物系LED204は、導電性基板を有しておらず、n型層22の発光層23側とは反対側の主面上にn側電極26が形成されている。
図12(a)に示すように、n型層22上に形成されたn側電極26は、ボンディングワイヤが接合される部分であるパッド部26aと、パッド部26aに供給される電流を横方向に広げるためのグリッド部26bとを有するパターンに形成されている。
一方、同じ図12(a)の破線は、p型層24の表面に形成されたオーミック接触層25aの外周を示している。従って、窒化物系LED203においても、平面視したときに、p型層24とオーミック接触層25aとの接触面がなすパターンと、n側電極26のパターンとが重なっていない。
【0053】
窒化物系LED204に含まれるエピタキシャル層(n型層22、発光層23、p型層24を含む)の形成に用いられた成長基板は、窒化物系LED204の製造過程において、n側電極26が形成される前に、適宜な方法(例えば、レーザリフトオフ、化学リフトオフ、機械加工など)を用いて該エピタキシャル層から取り除かれている。該成長基板は該エピタキシャル層を成長させることができるものであればよく、例えば、SiC基板、サファイア基板、Si基板、酸化ガリウム基板、GaN基板などであり得る。
【0054】
(好適な実施形態)
実施形態2−1〜2−4に係る窒化物系LEDにおける、エピタキシャル層(n型層22、発光層23、p型層24を含む)、オーミック接触層、熱伝導性メタル層および絶縁膜の好ましい構成は、実施形態1−1〜1−6に係る窒化物系LEDの場合と同様である。
導電性基板21の第2主面21b上、あるいは、n型層22の表面上に形成されるn側電極26が有するパターンは、正方格子状のグリッドパターンだけではなく、三角格子パターン、ハニカム格子パターン、櫛型パターン、放射状パターン、放射状パターンと同心円パターンを組み合せたパターンなど、各種のパターンであり得る。n側電極26が如何なるパターンを有する場合であっても、LEDを平面視したときに、p型層24とオーミック接触層25aとの接触面のパターンは、n側電極26のパターンと重なりを有さないように定められる。
【0055】
光取出し効率を改善するためには、導電性基板21の第2主面21bのうち、n側電極26に覆われていない領域を、エッチング加工によって粗面(textured surface)とすることが有効である。実施形態2−4のように成長基板を除去する場合には、n型層22の表面をエッチング加工して粗面とすることが望ましい。
【0056】
実施形態1−1〜1−6、2−1〜2−4のいずれにおいても、活性領域における電流密度の均一性が高くなるように、素子を平面視したときの、p型層14、24とオーミック接触層15a、25aとの接触面上の任意の点からn側電極までの距離は、75μm以内とすることが好ましく、50μm以内とすることがより好ましい。n型の窒化物半導体の導電率は、メタル製のn側電極に比べると低いので、GaN基板やn型層の内部で電子キャリアが素子面に平行に拡散し得る距離には限界がある。
【0057】
[発光装置]
本発明実施形態に係る窒化物系LEDを用いて図13のような紫外発光装置を構成することができる。図13の紫外発光装置301は、紫外光を放出する窒化物系LED(紫外LED)31と、その紫外LED31が実装される回路基板33と、紫外LED31を封止する封止材を兼用する可視発光部35とを備えている。紫外LED31は、この例では、図3と同様の素子構造および実装構造を有している。可視発光部35には、微量の蛍光体が添加されている。
【0058】
この紫外発光装置301は、印刷インキ、コーティング、接着剤などとして用いられる紫外線硬化樹脂を硬化させるための紫外線照射装置の光源として用いられる。このような用途では、十分な光出力を得る目的でLEDに大電流が印加されることから、LEDの放熱が効率的に行われることが望ましい。この点、紫外発光装置301では、本発明の一形態に係る窒化物系LEDを紫外LED31として用いているので、LEDの活性領域で発生する熱が熱伝導性メタル層を介して効率的に回路基板33に逃がされる。
【0059】
可視発光部35では、添加された蛍光体によって、紫外LED31からの紫外光の一部が可視光に変換される。この可視光は紫外LED31からの紫外光とともに外部に取り出される。従って、紫外発光装置301では、紫外LED31の点灯・非点灯が肉眼で容易に判別でき、安全である。
【0060】
可視発光部35において、蛍光体が添加されるベース材料には、紫外LEDの封止に通常用いられる透光性の成形材料が用いられる。好適には、紫外線に対する耐性の良好な材料である、無機ガラスやシリコーン樹脂が例示される。
【0061】
可視発光部35の発光色に限定はないが、視感度の高い緑色や黄色であると、使用する蛍光体が少量で済むため好都合である。緑色または黄色に発光する蛍光体としては、Euを付活剤に用いたシリケート系またはサイアロン系の蛍光体や、Ceを付活剤に用いたガーネット系または窒化物系の蛍光体が好適である。あるいは、可視発光部35の発光色は、紫外線のイメージを表現するために紫色とすることができる。その場合には、可視発光部35に青色蛍光体および赤色蛍光体を添加すればよい。
【0062】
紫外LED31からの紫外光が必要以上に可視光に変換されないように、紫外発光装置301の発光スペクトルにおいて、紫外LED31の発光に基づく発光ピーク強度が、可視発光部35からの発光に基づく発光ピーク強度10倍以上、好ましくは20倍以上となるように、可視発光部35に添加される蛍光体の量が調節される。
【0063】
可視発光部を設けることによって、紫外LEDの点灯・非点灯を安全に確認できるように構成した他の紫外発光装置の構成例を図14に示す。
図14の紫外発光装置302は、紫外LED31と、その紫外LED31が実装される回路基板33と、紫外LED31を封止する封止材37と、可視発光部35とを備えている。紫外LED31の封止は省略することができる。
【0064】
紫外発光装置302では、紫外LED31が発する紫外光の一部を可視光に変換する可視発光部35が、紫外LED31からの紫外光の取り出しを妨げないように、紫外LED301の側方に配置されている。理由は、紫外発光装置302の紫外光源としての効率を低下させないためである。更に、紫外線発光装置302では、可視発光部35が、紫外LED31を封止する封止材37の外部に設置されているので、紫外LED31の発光が必要以上に可視光に変換されることがない。反対に、紫外LEDを封止する封止材中に蛍光体が添加されている場合には、必要以上の波長変換が起こる可能性がある。なぜなら、紫外LEDが発する光が封止材の内部に閉じ込められる傾向があるためである。
【0065】
紫外発光装置301および302には以下に記載する発明が具現化されている:
(1)紫外発光素子と、該紫外発光素子からの光の一部を吸収して可視光に変換する発光体とを備え、
前記紫外発光素子が点灯しているか否かを、前記発光体が可視光を発しているか否かを観察することによって肉眼で確認することができる、紫外発光装置。
(2)前記紫外LEDが封止材で封止されている、前記(1)の紫外発光装置。
(3)前記封止材の少なくとも一部が、前記発光体を兼用している、前記(2)の紫外発光装置。
(4)前記発光体が、前記紫外発光素子からの光の取出しを妨げない位置に配置されている、前記(1)または(2)の紫外発光装置。
(5)前記紫外LEDが封止材で封止されており、前記発光体が前記封止材の外部に配置されている、前記(4)の紫外発光装置。
(6)前記発光体の発光色が、緑色、黄色または紫色である、前記(1)〜(5)のいずれかの紫外発光装置。
(7)当該紫外発光装置の発光スペクトルにおいて、前記紫外LEDの発光に基づく発光ピークの強度が、前記発光体からの発光に基づく発光ピークの強度の10倍以上である、前記(1)〜(6)のいずれかの紫外発光装置。
【符号の説明】
【0066】
101、102、103、104、105、201、202、203、204 窒化物系LED
11、21 GaN基板
12、22 n型層
13、23 発光層
14、24 p型層
15、25 p側電極
15a、25a オーミック接触層
15b、25b 熱伝導性メタル層
16、26 n側電極
17、27 絶縁膜
301、302 紫外発光装置
31 紫外LED
33 回路基板
35 可視光発光部
37 封止材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型層と、前記p型層に積層されたn型層と、前記p型層と前記n型層とに挟まれた発光層と、を含む窒化物半導体積層体と、
前記p型層の表面上に設けられたp側電極と、
前記n型層に接続されたn側電極と、
を備える窒化物系発光ダイオード素子であって、
前記p側電極は、前記p型層との接触面を有するオーミック接触層と、前記p型層とで前記オーミック接触層を挟むように設けられた熱伝導性メタル層とを有しており、
前記窒化物半導体積層体の積層方向に直交する平面である素子平面に対する前記熱伝導性メタル層の投影面積が、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積よりも大きいことを特徴とする窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項2】
前記オーミック接触層と接する部分における前記p型層の表面の貫通転位密度が1×10cm−2未満である、請求項1に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項3】
前記窒化物半導体積層体の、前記発光層から見て前記n型層側に、GaN基板が接合されている、請求項2に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項4】
前記p型層の表面に、前記オーミック接触層と接する部分に比べて表面の貫通転位密度が高い高貫通転位密度部が存在しており、前記熱伝導性メタル層が前記高転位密度部の少なくとも一部を覆っている、請求項2または3に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項5】
前記p型層の表面と前記熱伝導性メタル層との間に、絶縁膜が部分的に挿入されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項6】
前記絶縁膜が前記p型層より低い屈折率を有する透明薄膜である、請求項5に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項7】
前記接触面と前記n側電極とが素子平面に平行な方向に重なりを有していない、請求項1〜6のいずれかに記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項8】
当該素子を平面視したとき、前記接触面上の任意の点から前記n側電極までの距離が75μm以内である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項9】
前記n側電極が、前記窒化物半導体積層体から見て、前記p側電極が形成された側とは反対側に配置されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項10】
前記素子平面に対する前記熱伝導性メタル層の投影面積が、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積の1.5倍〜10倍である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項11】
前記熱伝導性メタル層の総厚みが1μm〜1mmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項12】
前記オーミック接触層が、透明導電性酸化物を含む透光性薄膜であるか、または、白金族元素を含むメタル薄膜である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項13】
前記オーミック接触層が、透明導電性酸化物を含む透光性薄膜であり、前記熱伝導性メタル層が前記オーミック接触層に接する部分に高反射層を有している、請求項12に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項14】
前記高反射層が、Ag、AlまたはRhを含む、請求項11に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項15】
前記熱伝導性メタル層が前記接触面と向かい合う部分に開口部を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項16】
前記熱伝導性メタル層が、Au層、Cu層、Ag層またはAl層の少なくともいずれかを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項17】
前記熱伝導性メタル層が、CuまたはNiからなる厚さ5μm〜1mmの厚膜層を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項18】
前記発光層が発する光の波長が400nm未満である、請求項1〜17に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
【請求項19】
請求項2〜6のいずれか一項に記載の窒化物系発光ダイオード素子に対して、前記素子平面に対する前記接触面の投影面積当たり電流が150〜300A/cmとなるように電流を供給する発光方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−12709(P2013−12709A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−43726(P2012−43726)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】