説明

立体撮像装置および立体撮像方法

【課題】オートフォーカス中にスルー画表示中に行うことができるとともに、オートフォーカスを高速化すること。
【解決手段】第1の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRを移動させながら、第1の撮像素子134Rから撮像素子制御部136Rの制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出するAFサーチを行い、このAFサーチの結果に基づいて、フォーカスレンズ130FR、130FLが被写体に合焦するそれぞれの合焦レンズ位置に、フォーカスレンズ130FR、130FLを移動させるAF制御部170と、少なくとも前記AFサーチ中に、第2の撮像素子134Lから撮像素子制御部136Lの制御により読み出した画像をスルー画としてモニタ24に表示させる表示制御部158を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体撮像のための多視点の撮像手段を用いる立体撮像装置および立体撮像方法に関し、特に、オートフォーカス中にスルー画を表示することができるとともに、オートフォーカスを高速化することができる立体撮像装置および立体撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体撮像のための多視点の撮像手段を用いる立体撮像装置および立体撮像方法が知られている。
【0003】
また、撮像素子での信号電荷の読み出しを高速化することで、オートフォーカス(以下「AF」ともいう)を高速化する技術が知られている。例えば、水平走査ラインの間引き読み出しが可能な撮像素子にて、間引き率を部分的に変化させる(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2006−267599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AF時、撮像素子にてAF領域のみ画像読み出しすることができれば合焦可能だが、そのようにしてしまうと、記録画像に対応するスルー画を描くことができない。また、スルー画を描こうとすると、撮像素子の画像読み出し領域が増え、オートフォーカス速度が低下してしまう。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、オートフォーカス中にスルー画を表示することができるとともに、オートフォーカスを高速化することができる立体撮像装置および立体撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、第1のフォーカスレンズを含む第1の撮影光学系および該第1の撮影光学系を介して被写体像が結像される第1の撮像素子を有する第1の撮像手段と、第2のフォーカスレンズを含む第2の撮影光学系および該第2の撮影光学系を介して被写体像が結像される第2の撮像素子を有する第2の撮像手段とを備えた立体撮像装置において、前記第1の撮像素子および前記第2の撮像素子からの画像読み出しを制御する撮像素子制御手段と、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズを移動させながら、前記第1の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出するAFサーチを行い、前記AFサーチの結果に基づいて、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズが被写体に合焦するそれぞれの合焦レンズ位置に、前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2のフォーカスレンズを移動させるAF制御手段と、画像表示を行う表示手段と、少なくとも前記AFサーチ中に、前記第2の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により読み出した画像をスルー画として前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする立体撮像装置を提供する。
【0007】
この構成によれば、一方の撮像素子から読み出された部分画像を用いたAFサーチ中に、他方の撮像素子から読み出されたスルー画が表示されることになる。したがって、AFサーチ中にスルー画を表示することができるとともに、AFを高速化することができる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置との対応関係を示すテーブル情報を記憶する記憶手段を備え、前記AF制御手段は、前記AFサーチにて算出されたコントラスト値が極大になる前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記テーブル情報とに基づいて、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を決定する。
【0009】
この構成によれば、第2の撮影光学系のAFサーチが不要なので、AFを更に高速化できる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記AF制御手段は、前記AFサーチにて算出されたコントラスト値が極大になる前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置に基づいて、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズのAFサーチ開始位置を決定し、該AFサーチ開始位置から前記第2のフォーカスレンズを移動させながら、前記第2の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出し、該コントラスト値が極大になる前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を求める。
【0011】
この構成によれば、環境温度変化などに因り、第1の撮影光学系のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と第2の撮影光学系のフォーカスレンズの合焦レンズ位置との対応関係が変わっても、第1の撮影光学系のAFサーチ結果に基づいて第2の撮影光学系のAFサーチ範囲が狭くなるので、全体のAFサーチ時間をあまり長くすることなく、合焦精度をアップさせることができる。
【0012】
また、本発明の一態様では、環境温度を検出する温度検出手段と、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置との対応関係を示すテーブル情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記AF制御手段は、前記環境温度の変化量が閾値未満であるときには、前記AFサーチにて算出されたコントラスト値が極大になる前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記テーブル情報とに基づいて、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を決定する一方で、前記環境温度の変化量が閾値以上であるときには、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置に基づいて前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズのAFサーチ開始位置を決定し、該AFサーチ開始位置から前記第2のフォーカスレンズを移動させながら、前記第2の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出し、該コントラスト値が極大になる前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を求める。
【0013】
この構成によれば、環境温度変化が大きく第1の撮影光学系と第2の撮影光学系とでフォーカスレンズの合焦レンズ位置の対応関係が大きく変わるような場合には、第2の撮影光学系のAFサーチ範囲を狭くしてAFサーチを行うことができる一方で、環境温度変化が小さく合焦レンズ位置の対応関係があまり変わらないような場合には、第2の撮影光学系のAFサーチを省略することができる。したがって、全体のAFサーチ時間を通常は長くすることなく、環境温度変化が大きい場合に合焦精度をアップさせることができる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記表示制御手段は、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズを移動させて行う前記AFサーチ中に、前記第1の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により読み出した画像をスルー画として前記表示手段に表示させる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記AF制御手段は、前記撮像画像内のひとつの合焦領域にてコントラスト値を算出する一点AFサーチ機能、および、前記撮像画像内の複数の合焦領域のそれぞれにてコントラスト値を算出する多点AFサーチ機能を有し、前記撮像素子制御手段は、前記AF制御手段が前記一点AFサーチおよび多点AFサーチのいずれを行うかに応じて、前記AFサーチ用の前記部分画像の読み出し領域を切り替える
このように、多点AFでも1点AFと同様に、一方の撮像素子にてスルー画用の画像読み出しを行ってスルー画を表示しながら、他方の撮像素子にて部分画像読み出しを行ってAFサーチを行うことができる。
【0016】
また、本発明は、第1のフォーカスレンズを含む第1の撮影光学系および該第1の撮影光学系を介して被写体像が結像される第1の撮像素子を有する第1の撮像手段と、第2のフォーカスレンズを含む第2の撮影光学系および該第2の撮影光学系を介して被写体像が結像される第2の撮像素子を有する第2の撮像手段とを用いて立体撮像を行う立体撮像方法であって、前記第2の撮像素子から読み出される画像をスルー画として表示手段に表示させ、前記スルー画の表示中に、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズを移動させながら、前記第1の撮像素子から部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出するAFサーチを行い、前記AFサーチの結果に基づいて、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズが被写体に合焦するそれぞれの合焦レンズ位置に、前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする立体撮像方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、オートフォーカス中にスルー画表示中に行うことができるとともに、オートフォーカスを高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る立体撮像装置を適用したデジタルカメラの一例の外観構成を示す正面斜視図である。図2は、本発明に係る立体撮像装置を適用したデジタルカメラの一例の外観構成を示す正面斜視図である。
【0020】
本実施形態のデジタルカメラ10は、複数(図1では二つを例示)の撮像手段(撮像系ともいう)を備えたデジタルカメラであって、同一被写体を複数視点(図1では左右二つの視点を例示)から撮影可能となっている。
【0021】
なお、本実施形態では、説明の便宜のため二つの撮像手段を例示しているが、本発明はこれに限定されない。三つ以上の撮像手段であっても同様に適用可能である。なお、撮像手段(主として撮影光学系14R、14L)の配置は、水平方向に沿った横一列でなくてもよく、二次元的に配置されていてもよい。立体撮影又はマルチ視点や全方向の撮影でもよい。
【0022】
デジタルカメラ10のカメラボディ12は、矩形の箱状に形成されており、その正面には、図1に示すように、一対の撮影光学系14R、14L、ストロボ16等が設けられている。また、カメラボディ12の上面には、シャッタボタン18、電源/モードスイッチ20、モードダイヤル22等が設けられている。
【0023】
一方、カメラボディ12の背面には、図2に示すように、モニタ24、ズームボタン26、十字ボタン28、MENU/OKボタン30、DISPボタン32、BACKボタン34、縦撮り/横撮り切替ボタン36等が設けられている。
【0024】
また、図示されていないが、カメラボディ12の底面には、三脚ネジ穴、開閉自在なバッテリカバー等が設けられており、バッテリカバーの内側には、バッテリを収納するためのバッテリ収納室、メモリカードを装着するためのメモリカードスロット等が設けられている。
【0025】
左右一対の撮影光学系14R、14Lは、それぞれ沈胴式のズームレンズで構成されており、マクロ撮影機能(近接撮影機能)を有している。この撮影光学系14R、14Lは、それぞれデジタルカメラ10の電源をONすると、カメラボディ12から繰り出される。なお、撮影光学系におけるズーム機構や沈胴機構、マクロ撮影機構については、公知の技術なので、ここでは、その具体的な構成についての説明は省略する。
【0026】
ストロボ16は、キセノン管で構成されており、暗い被写体を撮影する場合や逆光時などに必要に応じて発光される。
【0027】
シャッタボタン18は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式のスイッチで構成されている。デジタルカメラ10は、静止画撮影時(例えば、モードダイヤル22で静止画撮影モード選択時、又はメニューから静止画撮影モード選択時)、このシャッタボタン18を半押しすると撮影準備処理、すなわち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)の各処理を行い、全押すると、画像の撮影・記録処理を行う。また、動画撮影時(例えば、モードダイヤル22で動画撮影モード選択時、又はメニューから動画撮影モード選択時)、このシャッタボタン18を全押すると、動画の撮影を開始し、再度全押しすると、撮影を終了する。なお、設定により、シャッタボタン18を全押している間、動画の撮影を行い、全押しを解除すると、撮影を終了するようにすることもできる。なお、静止画撮影専用のシャッタボタン及び動画撮影専用のシャッタボタンを設けるようにしてもよい。
【0028】
電源/モードスイッチ20は、デジタルカメラ10の電源スイッチとして機能するとともに、デジタルカメラ10の再生モードと撮影モードとを切り替える切替手段として機能し、「OFF位置」と「再生位置」と「撮影位置」の間をスライド自在に設けられている。デジタルカメラ10は、この電源/モードスイッチ20を「再生位置」に位置させると、再生モードに設定され、「撮影位置」に位置させると、撮影モードに設定される。また、「OFF位置」に位置させると、電源がOFFされる。
【0029】
モードダイヤル22は、撮影モードの設定に用いられる。このモードダイヤル22は、カメラボディ12の上面に回転自在に設けられており、図示しないクリック機構によって、「2D静止画位置」、「2D動画位置」、「3D静止画位置」、「3D動画位置」にセット可能に設けられている。デジタルカメラ10は、このモードダイヤル22を「2D静止画位置」にセットすることにより、2Dの静止画を撮影する2D静止画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグ(図示省略)に、2Dモードであることを表すフラグが設定される。また、「2D動画位置」にセットすることにより、2Dの動画を撮影する2D動画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグに、2Dモードであることを表すフラグが設定される。
【0030】
また、「3D静止画位置」にセットすることにより、3Dの静止画を撮影する3D静止画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグに、3Dモードであることを表すフラグが設定される。さらに、「3D動画位置」にセットすることにより、3Dの動画を撮影する3D動画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグに、3Dモードであることを表すフラグが設定される。後述するCPU110は、この2D/3Dモード切替フラグを参照して、2Dモード又は3Dモードのいずれであるかを把握する。
【0031】
モニタ24は、カラー液晶パネル等の表示装置である。このモニタ24は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として利用されるとともに、各種設定時にGUIとして利用される。また、モニタ24は、撮影時には、各撮像素子134R/Lが継続的に捉えた画像(スルー画)が順次表示し、電子ファインダとして利用される。
【0032】
ズームボタン26は、撮影光学系14R、14Lのズーム操作に用いられ、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとで構成されている。
【0033】
十字ボタン28は、上下左右4方向に押圧操作可能に設けられており、各方向のボタンには、カメラの設定状態に応じた機能が割り当てられる。たとえば、撮影時には、左ボタンにマクロ機能のON/OFFを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにストロボモードを切り替える機能が割り当てられる。また、上ボタンにモニタ24の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのON/OFFを切り替える機能が割り当てられる。また、再生時には、左ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、右ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、上ボタンにモニタ24の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、モニタ24に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
【0034】
MENU/OKボタン30は、メニュー画面の呼び出し(MENU機能)に用いられるとともに、選択内容の確定、処理の実行指示等(OK機能)に用いられ、デジタルカメラ10の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
【0035】
メニュー画面では、たとえば露出値、色合い、ISO感度、記録画素数などの画質調整やセルフタイマの設定、測光方式の切り替え、デジタルズームを使用するか否かなど、デジタルカメラ10が持つ全ての調整項目の設定が行われる。デジタルカメラ10は、このメニュー画面で設定された条件に応じて動作する。
【0036】
DISPボタン32は、モニタ24の表示内容の切り替え指示等の入力に用いられ、BACKボタン34は入力操作のキャンセル等の指示の入力に用いられる。
【0037】
縦撮り/横撮り切替ボタン36は、縦撮り又は横撮りのいずれで撮影を行うかを指示するためのボタンである。
【0038】
高さ検出部38は、基準面(例えば地面)からの距離を検出するための回路である。図1および図2に示すように、高さ検出部38は、縦撮りのいずれの姿勢でも高さを検出できるように、カメラボディ12の両側面に設けられている。
【0039】
図3は、図1及び図2に示したデジタルカメラ10の内部構成を示すブロック図である。なお、図1、図2に示した要素には同じ符号を付してあり、既に説明した内容については、その説明を省略する。
【0040】
図3に示すように、本実施形態のデジタルカメラ10は、二つの撮像系それぞれから画像信号を取得できるように構成されており、CPU110、操作部112、ROM116、フラッシュROM118、SDRAM120、VRAM122、撮影光学系14(14R、14L)、ズームレンズ制御部124(124R、124L)、フォーカスレンズ制御部126(126R、126L)、絞り制御部128(128R、128L)、撮像素子134(134R、134L)、撮像素子制御部136(136R、136L)、アナログ信号処理部138(138R、138L)、A/D変換器140(140R、140L)、画像入力コントローラ141(141R、141L)、デジタル信号処理部142(142R、142L)、AE/AWB検出部146、圧縮・伸張処理部152、メディア制御部154、メモリカード156、表示制御部158、電源制御部160、バッテリ162、ストロボ制御部164、温度検出部168、および、AF制御部170を含んで構成されている。AF制御部170は、AFサーチ制御部172、および、AF実行制御部174を含んで構成されている。
【0041】
右眼用の撮像手段11Rは、主として、撮影光学系14R、ズームレンズ制御部124R、フォーカスレンズ制御部126R、絞り制御部128R、撮像素子134R、撮像素子制御部136R、アナログ信号処理部138R、A/D変換器140R、画像入力コントローラ141R、デジタル信号処理部142R等から構成される。
【0042】
左眼用の撮像手段11Lは、主として、撮影光学系14L、ズームレンズ制御部124L、フォーカスレンズ制御部126L、絞り制御部128L、撮像素子134L、撮像素子制御部136L、アナログ信号処理部138L、A/D変換器140L、画像入力コントローラ141L、デジタル信号処理部142L等から構成される。
【0043】
以下では、撮像手段11R、11Lにより被写体と撮像して得られるデジタルの画像データを、「撮像画像」という。また、右眼用の撮像素子134Rにより得られる撮像画像を「右眼画像」、左眼用の撮像素子134Lにより得られる撮像画像を「左眼画像」という。
【0044】
CPU110(「メインCPU」ともいう)は、撮影、表示、記録などカメラ全体の動作を統括制御する制御手段として機能し、操作部112からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って各部を制御する。
【0045】
操作部112は、図1および図2に示した、シャッタボタン18、電源/モードスイッチ20、モードダイヤル22、ズームボタン26、十字ボタン28、MENU/OKボタン30、DISPボタン32、BACKボタン34、縦撮り/横撮り切替ボタン36などを含む。
【0046】
バス114を介して接続されたROM116には、このCPU110が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ(後述するAE/AFの制御周期等)等が格納されており、フラッシュROM118には、ユーザ設定情報等のデジタルカメラ10の動作に関する各種設定情報等が格納されている。
【0047】
SDRAM120は、CPU110の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用され、VRAM122は、表示用の画像データ専用の一時記憶領域として利用される。
【0048】
左右一対の撮影光学系14R、14L(まとめて撮影光学系14と表すこともある)は、ズームレンズ130ZR、130ZL(まとめてズームレンズ130Zと表すこともある)、フォーカスレンズ130FR、130FL(まとめてフォーカスレンズ130Fと表すこともある)、絞り132R、132Lを含んで構成され、所定の間隔をもってカメラボディ12に配置されている。
【0049】
ズームレンズ130ZR、130LRは、図示しないズームアクチュエータに駆動されて光軸に沿って前後移動する。CPU110は、ズームレンズ制御部124R、124Lを介してズームアクチュエータの駆動を制御することにより、ズームレンズの位置を制御し、撮影光学系14R、14Lのズーミングを行う。
【0050】
フォーカスレンズ130FR、130FLは、フォーカスレンズ制御部126R、126Lに駆動されて光軸に沿って前後移動する。CPU110は、フォーカスレンズ制御部126R、126Lを介してフォーカスレンズの位置を制御し、撮影光学系14R、14Lのフォーカシングを行う。
【0051】
絞り132R、132Lは、たとえば、アイリス絞りで構成されており、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作する。CPU110は、絞り制御部128R、128Lを介して絞りアクチュエータの駆動を制御することにより、絞り132R、132Lの開口量(絞り値)を制御し、撮像素子134R、134Lへの入射光量を制御する。
【0052】
なお、CPU110は、この撮影光学系14R、14Lを構成するズームレンズ130ZR、130ZL、フォーカスレンズ130FR、130FL、絞り132R、132Lを駆動する際、左右の撮影光学系14R、14Lを同期させて駆動する。すなわち、左右の撮影光学系14R、14Lは、常に同じ焦点距離(ズーム倍率)に設定され、常に同じ被写体にピントが合うように、焦点調節が行われる。また、常に同じ入射光量(絞り値)となるように絞りが調整される。
【0053】
撮像素子134R、134Lは、所定のカラーフィルタ配列のカラーCCDで構成されている。CCDは、その受光面に多数のフォトダイオードが二次元的に配列されている。撮影光学系14R、14LによってCCDの受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU110の指令に従ってTG136R、136Lから与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として撮像素子134R、134Lから順次読み出される。
【0054】
なお、この撮像素子134R、134Lには、電子シャッタの機能が備えられており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッタ速度)が制御される。
【0055】
なお、本実施の形態では、撮像素子としてCCDを用いているが、CMOSセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
【0056】
アナログ信号処理部138R、138Lは、撮像素子134R、134Lから出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去するための相関二重サンプリング回路(CDS)、画像信号を増幅し、一定レベルの大きさにコントロールするためのAGS回路を含み、撮像素子134R、134Lから出力される画像信号を相関二重サンプリング処理するとともに増幅する。A/D変換器140R、140Lは、アナログ信号処理部138R、138Lから出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換スルー画入力コントローラ141R、141Lは、A/D変換器140R、140Lから出力された画像信号を取り込んで、SDRAM120に格納する。デジタル信号処理部142R、142Lは、CPU110からの指令に従いSDRAM120に格納された画像信号を取り込み、所定の信号処理を施して輝度信号Yと色差信号Cr、CbとからなるYUV信号を生成する。
【0057】
デジタル信号処理部142R、142Lの概略構成を図4のブロック図に示す。デジタル信号処理部142R、142Lは、ホワイトバランスゲイン算出回路142a、オフセット補正回路142b、ゲイン補正回路142c、ガンマ補正回路142d、RGB補間演算部142e、RGB/YC変換回路142f、ノイズフィルタ142g、輪郭補正回路142h、色差マトリクス回路142i、光源種別判定回路142jを備えて構成される。ホワイトバランスゲイン算出回路142aは、AE/AWB検出部146で算出された積算値を取り込んでホワイトバランス調整用のゲイン値を算出する。オフセット補正回路142bは、画像入力コントローラ141R、141Lを介して取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号に対してオフセット処理を行う。ゲイン補正回路142cは、オフセット処理された画像信号を取り込み、ホワイトバランスゲイン算出回路142aで算出されたゲイン値を用いてホワイトバランス調整を行う。ガンマ補正回路142dは、ホワイトバランス調整された画像信号を取り込み、所定のγ値を用いてガンマ補正を行う。RGB補間演算部142eは、ガンマ補正されたR、G、Bの色信号を補間演算して、各画素位置におけるR、G、B3色の信号を求める。すなわち、単板式の撮像素子の場合、各画素からは、R、G、Bのいずれか一色の信号しか出力されないため、出力しない色を周囲の画素の色信号から補間演算により求める。たとえば、Rを出力する画素では、この画素位置におけるG、Bの色信号がどの程度になるかを周りの画素のG、B信号から補間演算により求める。このように、RGB補間演算は、単板式の撮像素子に特有のものなので、撮像素子134に三板式のものを用いた場合には不要となる。RGB/YC変換回路142fは、RGB補間演算後のR、G、B信号から輝度信号Yと色差信号Cr、Cbを生成する。ノイズフィルタ142gは、RGB/YC変換回路142fで生成された輝度信号Yと色差信号Cr、Cbに対してノイズ低減処理を施す。輪郭補正回路142hは、ノイズ低減後の輝度信号Yに対し、輪郭補正処理を行い、輪郭補正された輝度信号Y’を出力する。一方、色差マトリクス回路142iは、ノイズ低減後の色差信号Cr、Cbに対し、色差マトリクス(C−MTX)を乗算して色調補正を行う。すなわち、色差マトリクス回路142iには、光源対応の色差マトリクスが複数種類設けられており、光源種別判定回路142jが求めた光源種に応じて、使用する色差マトリクスを切り替え、この切り替え後の色差マトリクスを入力された色差信号Cr、Cbに乗算し、色調補正された色差信号Cr’、Cb’を出力する。光源種別判定回路142jは、AE/AWB検出部146で算出された積算値を取り込んで光源種を判定し、色差マトリクス回路142iに色差マトリクス選択信号を出力する。
【0058】
なお、デジタル信号処理部142(142R、142L)はハードウェア回路で構成してもよいし、同じ機能をソフトウェアにて構成してもよい。
【0059】
図3のAE/AWB検出部146は、一方の画像入力コントローラ141Rから取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号を取り込み、AE制御及びAWB制御に必要な積算値を算出する。すなわち、このAE/AWB検出部146は、一画面を複数のエリア(たとえば、8×8=64エリア)に分割し、分割されたエリアごとにR、G、B信号の積算値を算出する。
【0060】
CPU110は、AE制御時、このAE/AWB検出部146で算出されたエリアごとのR、G、B信号の積算値を取得し、被写体の明るさ(測光値)を求めて、適正な露光量を得るための露出設定を行う。すなわち、感度、絞り値、シャッタ速度、ストロボ発光の要否を設定する。
【0061】
また、CPU110は、AWB制御時、AE/AWB検出部146で算出されたエリアごとのR、G、B信号の積算値をデジタル信号処理部142のホワイトバランスゲイン算出回路142a及び光源種別判定回路142jに加える。ホワイトバランスゲイン算出回路142aは、このAE/AWB検出部146で算出された積算値に基づいてホワイトバランス調整用のゲイン値を算出する。また、光源種別判定回路142jは、このAE/AWB検出部146で算出された積算値に基づいて光源種を検出する。
【0062】
圧縮・伸張処理部152は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU110からの指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、静止画に対しては、JPEG規格に準拠した圧縮処理が施され、動画に対してはMPEG2規格に準拠した圧縮処理が施される。
【0063】
メディア制御部154は、CPU110からの指令に従い、メモリカード156に対してデータの読み/書きを制御する。
【0064】
表示制御部158は、CPU110からの指令に従い、モニタ24への表示を制御する。すなわち、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号をモニタ24に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換してモニタ24に出力するとともに、所定の文字、図形情報をモニタ24に出力する。
【0065】
電源制御部160は、CPU110からの指令に従い、バッテリ162から各部への電源供給を制御する。
【0066】
ストロボ制御部164は、CPU110からの指令に従い、ストロボ16の発光を制御する。
【0067】
温度検出部168は、温度センサにより構成されており、環境温度を検出する。温度センサとしては、温度変化に対して抵抗値が変化するサーミスタ等が挙げられる。温度センサは、撮影光学系14(14R、14L)又はその近傍に配置することが、好ましい。ふたつの撮影光学系14R、14Lの温度が等しいものとして扱い、一方の温度又はその周辺の温度を検出してもよい。
【0068】
AF制御部170は、CPU110の指示に従ってAF制御を行う。AF制御部170は、AFサーチを制御するAFサーチ制御部172と、AF実行を制御するAF実行制御部174を含んで構成されている。AFサーチ制御部172は、AFサーチとして、フォーカスレンズ制御部126の駆動によりフォーカスレンズ130Fを移動させながら、撮像素子制御部136の制御により撮像素子134から読み出される撮像画像のコントラスト値(「AF評価値」ともいう)を算出する。AF実行制御部174は、算出されたコントラスト値に基づいて、フォーカスレンズ130Fが被写体に合焦する合焦レンズ位置を決定し、フォーカスレンズ制御部126の駆動によりフォーカスレンズ130Fを合焦レンズ位置に移動させる。
【0069】
なお、AFサーチは、ふたつの撮影光学系(14Rおよび14L)のコントラスト値を求めてもよいが、高速化のため、一方の撮影光学系(14Rまたは14L)のみコントラスト値を求めてもよい。AF実行は、ふたつの撮影光学系(14Rおよび14L)に対して行う必要がある。
【0070】
本例のAFサーチ制御部172は、一方の撮影光学系(14Rまたは14L)のフォーカスレンズ(130FRまたは130FL)を移動させて、移動させたフォーカスレンズに対応する撮像素子(134Rまたは134L)から読み出された撮像画像(右眼画像または左眼画像)を取得する。例えば、右眼用の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRを移動させながら、右眼用の撮像素子134Rから撮像素子制御部136Rの制御により読み出された右眼画像のコントラスト値を算出する。この場合、AF実行制御部174は、右眼画像のコントラスト値に基づいて、ふたつの撮影光学系(14Rおよび14L)のフォーカスレンズ(130FRおよび130FL)のそれぞれの合焦レンズ位置を決定する。そして、ふたつの撮影光学系(14Rおよび14L)のフォーカスレンズ(130FRおよび130FL)を、それぞれの合焦レンズ位置に移動させる。このようなAFサーチおよびAF実行の詳細は後述する。
【0071】
本例のAFサーチ制御部172は、画像入力コントローラ141により取り込まれたR、G、Bの各色の画像のコントラスト値を算出する。本例のAFサーチ制御部172は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、撮像画像から所定のフォーカスエリア内の信号を切り出すフォーカスエリア抽出部、及び、フォーカスエリア内の絶対値データを積算する積算部を含み、この積算部で積算されたフォーカスエリア内の絶対値データをコントラスト値としてCPU110に出力する。例えば、一方の撮影光学系(14Rまたは14L)のフォーカスレンズ(130FRまたは130FL)を至近距離(撮影最短距離)に合焦する至近距離位置(最短撮影距離位置)から無限遠に合焦する無限遠位置まで移動させて、その移動過程でAFサーチ制御部172により逐次コントラスト値を算出し、そのコントラスト値が極大となるフォーカスレンズ130Fの位置(以下「ピークレンズ位置」という)を検出する。ピークレンズ位置を合焦レンズ位置とし、その合焦レンズ位置にフォーカスレンズ130を移動させる。これにより、撮像画像内のフォーカスエリアに位置する被写体(主要被写体)にピントが合う。
【0072】
撮像素子制御部136は、CPU110の指示に従って、撮像素子134に与える駆動波形を切り替えることで、撮像素子134からの画像読み出しを制御する。撮像素子134を構成する多数の画素(フォトダイオード)が撮像素子制御部136の電子シャッタ制御に応じて信号電荷を蓄積するので、これらの画素からの信号電荷の読み出しを制御する。
【0073】
撮像素子制御部136は、撮像素子134に与える駆動波形の形状により、画像読み出しエリアを切り替える。ここで、画像読み出しエリアは、信号電荷を読み出す範囲を示す。本例では、静止画または動画をメモリカード156に記録するための画像読み出しエリア(以下「撮影用画像読み出しエリア」という)、AFサーチするための画像読み出しエリア(以下「AF用画像読み出しエリア」という)、および、スルー画をモニタ24に表示するための画像読み出しエリア(以下「スルー画用画像読み出しエリア」という)を、駆動波形の形状により切り替える。なお、スルー画用画像読み出しエリアが撮影用画像読み出しエリアと異なると、ユーザが違和感を覚えるので、スルー画用画像読み出しエリアを撮影用画像読み出しエリアと同一にすることが、好ましい。以下では、撮影用画像読み出しエリア(または、撮影用画像読み出しエリアの最大エリア)を、「全域」ということもある。
【0074】
また、撮像素子制御部136は、画像読み出しエリア内の全画素から信号電荷を読み出す「全画素読み出し」と、画像読み出しエリア内で水平走査ライン単位で間引いて信号電荷を読み出す「間引き読み出し」とを、撮像素子134に与える駆動波形の形状により切り替える。
【0075】
図5(A)に示す例では、全域250のうち中央のエリアをAF用画像読み出しエリア251としている。AF用画像読み出しエリア251は、全域250よりも小さい「部分」である。このように全域250よりも小さい部分から読み出された画像を「部分画像」という。図5(B)に示す例では、全域250をスルー画用画像読み出しエリア252としている。
【0076】
本例の撮像素子134は、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子からなる。撮像素子制御部136の電子シャッタ制御により、撮像素子134を構成する各画素(図示省略)には、被写体光の光量に応じた信号電荷が蓄積される。各画素に蓄積された電荷は、撮像素子134内の図示を省略した垂直転送路および水平転送路を介して読み出される。
【0077】
AF用画像読み出しでは、例えば、図5(A)に示す中央部251(AF用画像読み出しエリア)内の複数の画素列(水平走査ライン)のみを、水平転送路を介して転送する。これにより、図5(A)に示す中央部251内の画素の信号電荷のみが、部分画像として、撮像素子134から出力される。
【0078】
間引き読み出しでは、例えば、図5(B)に示すスルー画用画像読み出しエリア252(本例では全域250)内の画素列(水平走査ライン)を、水平走査ライン単位で間引いて、水平転送路を介して転送する。これにより、図5(B)に示すスルー画用画像読み出しエリア252内の画素の信号電荷が、間引かれた後、全体画像として、撮像素子134から出力される。
【0079】
撮像素子制御部136の駆動波形により、撮像素子134内の垂直転送路および水平転送路を介して読み出された信号電荷は、撮像素子134からアナログの画像信号として出力されて、図3のアナログ信号処理部138に与えられ、A/D変換器140でアナログからデジタルに変換される。
【0080】
以上、AF用画像読み出しとして、間引き無しでAF用画像読み出しエリア内の全画素から信号電荷(画素値)を読み出す場合を例に説明したが、このような場合に本発明は特に限定されない。AF用画像読み出しエリア内で間引き読み出しを行う場合にも、本発明を適用可能である。
【0081】
また、スルー画用画像読み出しとして、間引き読み出しによりスルー画用画像読み出しエリアから信号電荷(画素値)を読み出す場合を例に説明したが、このような場合に本発明は特に限定されない。スルー画用画像読み出しエリア内で、複数の水平走査ラインの信号電荷を加算して(例えば2ラインの信号電荷を1ラインに合成して)、読み出す場合にも、本発明を適用できる。また、間引き無しでスルー画用画像読み出しエリア内の全画素から信号電荷(画素値)を読み出す場合にも、本発明を適用可能である。
【0082】
次に、本発明に係る立体撮像方法を適用した撮影処理について、第1〜第4の実施形態に分けて説明する。
【0083】
(第1実施形態)
第1実施形態において、AFサーチ制御部172は、一方の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRを移動させながら、撮像素子制御部136Rの制御により撮像素子134Rから部分画像を読み出して、その部分画像のコントラスト値を算出するAFサーチを行う。AF実行制御部174は、前記AFサーチにより検出されるピークレンズ位置を一方の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRの合焦レンズ位置と決定するとともに、そのピークレンズ位置とフラッシュROM118に記憶されているテーブル情報とに基づいて、他方の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置を求め、ふたつの撮影光学系14R、14Lのフォーカスレンズ130FR、130FLをそれぞれの合焦レンズ位置に移動させる。
【0084】
図6は、本実施形態における立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャートである。本例では、図1、図2に示した電源/モードスイッチ20により撮影モードが設定されると、図3のCPU110の統括制御により、図6に示す立体撮像処理が開始される。
【0085】
ステップS1にて、例えば左眼用の撮影光学系14Lを用いてスルー画表示を開始する。スルー画表示では、撮像素子制御部136Lの制御により左眼用の撮像素子134Lから左眼画像を読み出して、時間的に連続してモニタ24に表示する。本例では、左眼用の撮像素子134Lに対して撮像素子制御部136Lにより全域の間引き読み出し駆動を行う。そうすると、図5(B)に示したスルー画用画像読み出しエリア252(本例では全域250に等しい)から水平走査ライン単位で間引いて読み出された間引き画像が、撮像素子134Lから出力される。出力された間引き画像は、図3のアナログ信号処理部138Lにてアナログの信号処理が施され、A/D変換器140Lにてアナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタル信号処理部142Lにてデジタルの信号処理が施された後、表示制御部158によりモニタ24に表示される。
【0086】
なお、間引き読み出しの代わりに、複数ライン(例えば2ライン)ごとに加算して読み出す加算読み出しを行ってもよい。加算読み出しによれば、高速で読み出しできるとともに、暗いシーンでも明るい画像が得られるメリットがある。
【0087】
スルー画の表示中に図1、図2に示したシャッタボタン18が半押しされたとき、ステップS2にて、例えば右眼用の撮影光学系14Rを用いてAFサーチを行う。AFサーチでは、右眼用の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRを最短撮影距離位置から無限遠距離位置に向けて移動させながら、撮像素子制御部136Lの制御により右眼用の撮像素子134Rから右眼画像を読み出して、その右眼画像のコントラスト値を算出する。本例では、右眼用の撮像素子134Rに対して撮像素子制御部136Rにより部分画像読み出し駆動を行う。そうすると、図5(A)に示したAF用画像読み出しエリア251(本例では全域の中央部である)から全画素読み出しされた部分画像が、撮像素子134Rから出力される。出力された部分画像は、図3のアナログ信号処理部138Rにてアナログの信号処理が施され、A/D変換器140Rにてアナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタル信号処理部142Rにてデジタルの信号処理が施され、その後、部分画像のコントラスト値が算出される。ここでコントラスト値が極大となるフォーカスレンズ130FRの位置(ピークレンズ位置)が検出される。
【0088】
ステップS3にて、AFサーチ結果に基づいて、左眼用の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置を決定する。本例では、ステップS2のAFサーチで検出したピークレンズ位置を右眼用のフォーカスレンズ130FRの合焦レンズ位置と決定し、そのピークレンズ位置とフラッシュROM118に記憶されているテーブル情報とに基づいて、左眼用のフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置を決定する。テーブル情報は、右眼用のフォーカスレンズ130FRの合焦レンズ位置と左眼用のフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置との対応関係を示す。ふたつのフォーカスレンズ130FRおよび130FLの合焦位置の差分は、撮影光学系14の固体差に因り、デジタルカメラ10の装置ごとに異なる。そこで、ふたつのフォーカスレンズ130FR、130FLの合焦位置の差分を予め測定し、フラッシュROM118に記憶させておく。
【0089】
ステップS4にて、右眼用の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FR、および、左眼用の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLを、それぞれの合焦レンズ位置に移動させる。これによりフォーカスレンズ130FR、130FLが被写体に合焦する。もっとも、既にフォーカスレンズ130FR、130FLが合焦レンズ位置にある場合には、移動させる必要がない。
【0090】
本例では、図1、図2に示したシャッタボタン18が全押しされると、ステップS5以降が実行される。
【0091】
ステップS5にて、露光が行われる。本例では、ふたつの撮影光学系14R、14Lを用いて、ふたつの撮像素子134R、134Lにてそれぞれ撮像を行う。
【0092】
ステップS6にて、右眼用の撮像素子134Rに対して撮像素子制御部136Rにより全域の全画素読み出し駆動を行うとともに、左眼用の撮像素子134Lに対して撮像素子制御部136Lにより全域の全画素読み出し駆動を行う。
【0093】
ステップS7にて、右眼画像および右眼画像に対してそれぞれ所定の画像処理を行い、ステップS8にてメディア制御部154によりメモリカード156に記録する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、少なくともAFサーチ中に、ふたつの撮像素子134R、134Lに対して異なる画像読み出し駆動を行って、一方の撮像素子134Lでスルー画用に間引き読み出し(または加算読み出し)により得たスルー画をモニタ24に表示しながら、他方の撮像素子134Rで部分画像読み出しにより得た部分画像を用いてAFサーチを行うため、AF中にスルー画を円滑に表示することができるとともに、AFサーチを高速化できる。
【0095】
(第2実施形態)
第2の実施形態において、AFサーチ制御部172は、一方の撮影光学系14Rを用いてAFサーチを行い、AF実行制御部174は、AFサーチにより検出されるピークレンズ位置(フォーカスレンズ130FRの合焦レンズ位置である)に基づいて、他方の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLのAFサーチ開始位置を決定する。本例では、一方の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLのピークレンズ位置に対応する他方の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRの位置(以下では「仮想ピークレンズ位置」という)よりも一定ステップだけ近距離の位置をAFサーチ開始位置と決定する。そして、AFサーチ制御部172は、他方の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLをAFサーチ開始位置から無限遠に向けて移動させながら、撮像素子制御部136Lの制御により撮像素子134Lから部分画像を読み出して、その部分画像のコントラスト値を算出する詳細AFサーチを行う。AF実行制御部174は、その詳細AFサーチにより検出されたピークレンズ位置(フォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置である)を求める。
【0096】
図7は、本実施形態における立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャートである。本例では、図1、図2に示した電源/モードスイッチ20により撮影モードが設定されると、図3のCPU110の統括制御により、図7に示す立体撮像処理が開始される。
【0097】
ステップS11〜S12は、図6に示したステップS1〜S2と同じであり、第1実施形態にて既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0098】
ステップS13にて、ステップS12で検出された右眼用のフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置(すなわち右眼用のフォーカスレンズ130FRの合焦レンズ位置)に基づいて、左眼用のフォーカスレンズ130FLのAFサーチ開始位置を決定する。本例では、右眼用のフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置に対応する左眼用のフォーカスレンズ130FLの位置(仮想ピークレンズ位置)よりも一定幅(例えば20パルス)だけ最短距離側の位置を、左眼用のフォーカスレンズ130FLのAFサーチ開始位置と決定する。
【0099】
ステップS14にて、左眼用のフォーカスレンズ130FLをAFサーチ開始位置から無限遠位置側へ向けて移動させながら、左眼用の撮像素子134Lで読み出された部分画像のコントラスト値を算出し、算出したコントラスト値が極大(ピーク)となるフォーカスレンズ130FLの位置(ピークレンズ位置)を検出する。ここで検出されたピークレンズ位置を左眼用のフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置に決定する。
【0100】
ステップS15〜S19は、図6に示したステップS4〜S8と同じであり、第1実施形態にて既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0101】
以上説明したように、一方の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置を検出後、そのピークレンズ位置に対応する仮想ピークレンズ位置の近傍をサーチ範囲として他方の撮影光学系14Lでもフォーカスレンズ130FLのAFサーチを行うため、全体のAFサーチ時間をあまり長くすることなく、合焦精度をアップさせることができる。特に、ふたつの撮影光学系14R、14Lのフォーカスレンズ130FL、130FRの合焦レンズ位置の対応関係が環境温度変化などに因り変わり易い場合には、有効である。
【0102】
(第3実施形態)
第3実施形態では、一方の撮影光学系を用いたAFサーチ後、環境温度の変化量の大小に応じて、他方の撮影光学系のフォーカスレンズの合焦レンズ位置の求め方を切り替える。具体的には、AF実行制御部174は、環境温度の変化量が閾値未満であるときには、第1実施形態と同様に、AFサーチにより求めた一方のフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置(フォーカスレンズ130FRの合焦レンズ位置である)とテーブル情報とに基づいて、他方のフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置を決定する一方で、環境温度の変化量が閾値以上であるときには、第2実施形態と同様に、AFサーチにより求めた一方のフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置に基づいて、他方のフォーカスレンズ130FLのAFサーチ開始位置を決定し、該AFサーチ開始位置から他方のフォーカスレンズ130FLを移動させながら詳細AFサーチにより他方のフォーカスレンズ130FLのピークレンズ位置を検出し、そのピークレンズ位置をフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置とする。
【0103】
図8は、本実施形態における立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャートである。本例では、図1、図2に示した電源/モードスイッチ20により撮影モードが設定されると、図3のCPU110の統括制御により、図8に示す立体撮像処理が開始される。
【0104】
ステップS21〜S22は、図6に示したステップS1〜S2と同じであり、第1実施形態にて既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0105】
ステップS23にて、温度検出部168で検出された環境温度の変化量が一定の閾値未満であるか否かを判定する。例えば、特定の基準温度(例えば25℃)からの環境温度の変化量を閾値と比較する。テーブル情報を作成した時の環境温度を基準温度としてROM116またはフラッシュROM118に記憶しておき、その基準温度と温度検出部168で検出された環境温度との差分を変化量とする態様もある。一定時間間隔で環境温度を検出して、その一定時間内の環境温度の差分を変化量とする態様もある。
【0106】
環境温度の変化量が閾値以上(例えば5℃以上の変化)である場合にはステップS24に進み、閾値未満(例えば5℃未満の変化)である場合にはステップS25に進む。
【0107】
ステップS24は、図6に示した第1実施形態のステップS3と同様であり、ステップS22のAFサーチ結果に基づいてフォーカスレンズ130FR、130FLの合焦レンズ位置を決定する。ここで、右眼用のフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置(合焦レンズ位置)とテーブル情報とに基づいて、左眼用のフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置を決定する。
【0108】
ステップS25〜S26は、図7に示した第2実施形態のステップS13〜S14と同様であり、ステップS22のAFサーチ結果に基づいて左眼用の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLのAFサーチ開始位置を決定し、左眼用の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLを移動させながらAFサーチを行う。
【0109】
ステップS27〜S31は、図6に示した第1実施形態のステップS4〜S8と同じであり、既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0110】
以上説明したように、一方の撮影光学系14Rのフォーカスレンズ130FRのピークレンズ位置をAFサーチにより検出後、環境温度の変化量が閾値未満であるときには、その一方の撮影光学系14Rのピークレンズ位置に対応する他方の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLの合焦レンズ位置を求める一方で、環境温度の変化量が閾値以上であるときには、他方の撮影光学系14Lのフォーカスレンズ130FLのピークレンズ位置を、AFサーチ範囲を狭くした詳細AFサーチにより求めて合焦レンズ位置とするので、環境温度の変化量が大きい場合に合焦精度をアップすることができるとともに、通常はAF処理速度を落とさないようにすることができる。
【0111】
(第4実施形態)
第4の実施形態において、撮像素子制御部136は、AFモード(一点AFモード/多AFモード)に応じて、AFサーチ時の撮像素子134の画像読み出しエリアを切り替える。一点AFモードであるときには、図5(A)に示したように、画像読み出しエリア251を全域の中央部のみに設定する一方で、多点AFモードであるときには、図9に示すように、複数の画像読み出しエリア251a,251b,251cを設定する。
【0112】
図10は、本実施形態における立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャートである。本例では、図1、図2に示した電源/モードスイッチ20により撮影モードが設定されると、図3のCPU110の統括制御により、図10に示す立体撮像処理が開始される。
【0113】
ステップS41は、図6に示したステップS1と同じであり、第1実施形態にて既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0114】
ステップS42にて、1点AFモードであるか多点AFモードであるかを判定する。AFモードは、例えば図2のMENU/OKボタン30、十字ボタン28などを用いて、モニタ24に表示されるメニュー画面上でユーザにより選択されて、AFモードを示す情報がフラッシュROM118に記憶されているので、本ステップではフラッシュROM118を参照してAFモードを判定する。
【0115】
1点モードである場合にはステップS43に進み、撮像素子134の画像読み出しエリアを全域のうち中央部のみに設定し、多点AFモードである場合にはステップS44に進み、撮像素子134の画像読み出しエリアを全域内に複数設定する。
【0116】
ステップS45〜S54は、図8に示した第3実施形態のステップS22〜S31と同じであり、既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0117】
以上説明したように、多点AFでも1点AFと同様に、一方の撮像素子にてスルー画用の画像読み出しを行ってスルー画を表示しながら、他方の撮像素子にて部分画像読み出しを行ってAFサーチを行うことができる。
【0118】
以上、撮像素子がCCD撮像素子である場合を例に、本発明の各実施形態について説明したが、本発明にて撮像素子はCCDに特に限定されない。例えば、CMOS撮像素子を用いた場合にも本発明を適用できる。
【0119】
また、部分画像読み出しや、間引き読み出し(または加算読み出し)を、水平走査ライン単位で行う場合を例に説明したが、このような場合に特に限定されない。画素単位で読み出し有無を設定可能な撮像素子であれば、画素単位で決めてもよい。
【0120】
また、AF(オートフォーカス)の態様は特に限定されない。例えば、継続的にオートフォーカスを行うコンティニュアスAFを行う場合にも、本発明を適用できる。それぞれの撮影光学系にてラフサーチおよび詳細サーチを行う場合にも、本発明を適用できる。
【0121】
また、AFおよびスルー画は、静止画の撮影前には特に限定されない。動画を撮影する場合に行ってもよい。
【0122】
また、AFサーチにてピークレンズ位置の検出に成功した場合のみ記載したが、ピークレンズ位置の検出に失敗した場合の救済処理を行うべきであることは、言うまでもない。例えば、左眼用の撮影光学系でAFサーチを行ってコントラスト値の極大値を目的のレンズ移動範囲内で検出できない場合には、右眼用の撮影光学系でAFサーチを行うように切り替えを行う。その場合、スルー画は他方(AFサーチに失敗した左眼用)の撮影光学系を用いる。
【0123】
なお、本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの一例の外観構成を示す正面斜視図
【図2】本発明を適用したデジタルカメラの一例の外観構成を示す正面斜視図
【図3】本発明を適用したデジタルカメラの一例の内部構成を示すブロック図
【図4】図3のデジタル信号処理部の概略構成を示すブロック図
【図5】(A)はAF用読み出しエリアの一例を示す説明図、(B)はスルー画用読み出しエリアの一例を示す説明図
【図6】第1実施形態の立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャート
【図7】第2実施形態の立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャート
【図8】第3実施形態の立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャート
【図9】多点AF時の画像読み出しエリアの説明に用いる説明図
【図10】第4実施形態の立体撮像処理の一例の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0125】
10…デジタルカメラ、11(11R、11L)…撮像手段、14(14R、14L)…撮影光学系、18…シャッタボタン、20…電源/モードスイッチ、24…モニタ、28…十字ボタン、30…MENU/OKボタン、110…CPU、118…フラッシュROM、122…VRAM、130F(130FR、130FL)…フォーカスレンズ、126(126R、126L)…フォーカスレンズ制御部、134(134R、134L)…撮像素子、136(136R、136L)…撮像素子制御部、154…メディア制御部、156…メモリカード、158…表示制御部、168…温度検出部、170…AF制御部、172…AFサーチ制御部、174…AF実行制御部、251…AF用画像読み出し領域、252…スルー画用画像読み出し領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフォーカスレンズを含む第1の撮影光学系および該第1の撮影光学系を介して被写体像が結像される第1の撮像素子を有する第1の撮像手段と、第2のフォーカスレンズを含む第2の撮影光学系および該第2の撮影光学系を介して被写体像が結像される第2の撮像素子を有する第2の撮像手段とを備えた立体撮像装置において、
前記第1の撮像素子および前記第2の撮像素子からの画像読み出しを制御する撮像素子制御手段と、
前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズを移動させながら、前記第1の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出するAFサーチを行い、前記AFサーチの結果に基づいて、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズが被写体に合焦するそれぞれの合焦レンズ位置に、前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2のフォーカスレンズを移動させるAF制御手段と、
画像表示を行う表示手段と、
少なくとも前記AFサーチ中に、前記第2の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により読み出した画像をスルー画として前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする立体撮像装置。
【請求項2】
前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置との対応関係を示すテーブル情報を記憶する記憶手段を備え、
前記AF制御手段は、前記AFサーチにて算出されたコントラスト値が極大になる前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記テーブル情報とに基づいて、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
【請求項3】
前記AF制御手段は、前記AFサーチにて算出されたコントラスト値が極大になる前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置に基づいて、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズのAFサーチ開始位置を決定し、該AFサーチ開始位置から前記第2のフォーカスレンズを移動させながら、前記第2の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出し、該コントラスト値が極大になる前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
【請求項4】
環境温度を検出する温度検出手段と、
前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置との対応関係を示すテーブル情報を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記AF制御手段は、前記環境温度の変化量が閾値未満であるときには、前記AFサーチにて算出されたコントラスト値が極大になる前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置と前記テーブル情報とに基づいて、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を決定する一方で、前記環境温度の変化量が閾値以上であるときには、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズの合焦レンズ位置に基づいて前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズのAFサーチ開始位置を決定し、該AFサーチ開始位置から前記第2のフォーカスレンズを移動させながら、前記第2の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出し、該コントラスト値が極大になる前記第2のフォーカスレンズの合焦レンズ位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズを移動させて行う前記AFサーチ中に、前記第1の撮像素子から前記撮像素子制御手段の制御により読み出した画像をスルー画として前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3または4に記載の立体撮像装置。
【請求項6】
前記AF制御手段は、前記撮像画像内のひとつの合焦領域にてコントラスト値を算出する一点AFサーチ機能、および、前記撮像画像内の複数の合焦領域のそれぞれにてコントラスト値を算出する多点AFサーチ機能を有し、
前記撮像素子制御手段は、前記AF制御手段が前記一点AFサーチおよび多点AFサーチのいずれを行うかに応じて、前記AFサーチ用の前記部分画像の読み出し領域を切り替えることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の立体撮像装置。
【請求項7】
第1のフォーカスレンズを含む第1の撮影光学系および該第1の撮影光学系を介して被写体像が結像される第1の撮像素子を有する第1の撮像手段と、第2のフォーカスレンズを含む第2の撮影光学系および該第2の撮影光学系を介して被写体像が結像される第2の撮像素子を有する第2の撮像手段とを用いて立体撮像を行う立体撮像方法であって、
前記第2の撮像素子から読み出される画像をスルー画として表示手段に表示させ、
前記スルー画の表示中に、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズを移動させながら、前記第1の撮像素子から部分画像を読み出して該部分画像のコントラスト値を算出するAFサーチを行い、
前記AFサーチの結果に基づいて、前記第1の撮影光学系の前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2の撮影光学系の前記第2のフォーカスレンズが被写体に合焦するそれぞれの合焦レンズ位置に、前記第1のフォーカスレンズおよび前記第2のフォーカスレンズを移動させることを特徴とする立体撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−204385(P2010−204385A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49745(P2009−49745)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】