説明

端末装置、および、プログラム

【課題】 ユーザに相手位置を容易に認識させる。
【解決手段】 移動体通信端末100は、他の移動体通信端末100の位置情報を通信によって取得するとともに、自己の位置を示す自位置情報をGPS測位部160の測位によって取得する。制御部110は、取得した各位置情報に基づいて、当該移動体通信端末100と他の移動体通信端末100との相対位置や離間距離を算出する。制御部110は、算出した離間距離に対応する報知パターン情報を通知パターン情報格納領域172から取得し、取得したパターン情報に基づいて、表示部141、報知音発生部142、モータ駆動部144を制御することで、離間距離に応じた表示色、表示パターン、報知音、振動動作となるよう出力動作を制御する。制御部110は、算出した相対位置や離間距離に基づいて作成された移動体通信端末100間の経路を示す地図情報を取得して表示部141に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、および、プログラムに関し、特に、複数ユーザ間の位置確認等に好適な端末装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信分野においては、技術の向上により端末の高機能化がすすんでおり、基本機能である通話機能以外の種々の機能が付加されている。近時では、例えば、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)などを用いた位置認識機能なども付加されている。
【0003】
このような位置認識機能により、移動体通信端末の使用者が自己の位置を認識することができる。また、このような機能を利用して、他の移動体通信端末の位置を認識する手法なども提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−193524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示されている従来技術の場合、対象とする移動体通信端末の位置をレーダ画面上に輝点表示するのみであったので、相手の位置を把握するためには、常に画面を確認しておかなければならず、相手の位置認識を容易におこなうことができなかった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、移動体通信端末を用いての位置確認等を容易におこなうことができる端末装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる端末装置は、
自位置認識機能を有する端末装置において、
他の端末装置の位置を示す他端末位置情報を、当該他の端末装置との通信により取得する位置情報取得手段と、
前記自位置認識機能により認識された自位置を示す自位置情報と、前記位置情報取得手段が取得した前記他端末位置情報とに基づいて、各前記端末装置間の離間距離を随時算出する距離算出手段と、
複数種類の通知パターンを示した通知パターン情報を記憶する通知パターン情報記憶手段と、
前記距離算出手段が算出する離間距離に応じて、前記通知パターン情報記憶手段から前記通知パターン情報を選択する通知パターン選択手段と、
前記通知パターン選択手段が選択した前記通知パターン情報に基づいて、前記端末装置の出力装置を制御し、少なくとも前記距離算出手段が算出した離間距離を前記端末装置のユーザに通知する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、移動体通信端末などの端末装置において、対象とする他の端末装置との離間距離を随時算出し、算出した離間距離に応じた通知パターンでユーザに通知するので、ユーザは、各端末装置間の位置関係を容易に認識することができる。
【0008】
上記端末装置は、
前記自位置情報と、前記他端末位置情報とに基づいて、各前記端末装置間の相対位置を随時算出する相対位置算出手段をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記出力制御手段は、選択された前記通知パターン情報に基づいて前記出力装置を制御して、前記距離算出手段が算出した前記離間距離と前記相対位置算出手段が算出した前記相対位置とを前記ユーザに通知することが望ましい。
【0009】
このような構成によれば、自己と対象となる端末装置との間の離間距離や方角を、離間距離に応じて異なる通知パターンによってユーザに通知するので、ユーザは、各端末装置間の位置関係を容易に認識することができる。
【0010】
上記端末装置において、
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の表示色を規定した前記通知パターン情報を記憶することができ、この場合、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する表示色での表示出力となるよう前記出力装置を制御することが望ましい。
【0011】
また、
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の表示パターンを規定した前記通知パターン情報を記憶することができ、この場合、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する表示パターンでの表示出力となるよう前記出力装置を制御することが望ましい。
【0012】
また、
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の音声を規定した前記通知パターン情報を記憶することができ、この場合、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する音声を出力するよう前記出力装置を制御することが望ましい。
【0013】
また、
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の振動動作を規定した前記パターン方法情報を記憶することができ、この場合、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する振動動作となるよう前記出力装置を制御することが望ましい。
【0014】
このような構成によれば、離間距離に応じて設定された通知パターンに基づいて、各端末装置間の位置関係をユーザに通知するので、例えば、待ち合わせなどといった、互いを近接させることを目的としている場合、端末装置間の離間距離がより離れた場合に、より注意喚起効果のあるパターンで通知することができる。
【0015】
例えば、端末装置の表示機能によって通知する場合は、表示色や表示パターン(画面の明滅など)を離間距離に応じて異ならせることで、より注意喚起効果のある通知をおこなうことができる。また、端末装置の音声出力機能で通知する場合は、出力音声のパターン(例えば、鳴音周期や音量など)を離間距離に応じて異ならせることができ、端末装置のバイブレータ機能で通知する場合には、振動動作のパターン(例えば、振動周期や振動強度など)を離間距離に応じて異ならせることができる。
【0016】
このため、離間距離に変化した場合に、通常とは異なる出力パターンに切り替わるので、ユーザは、常に画面表示や端末装置の動作に注力していなくても変化を認識することができる。
【0017】
上記端末装置において、
前記出力制御手段は、距離と方角とを示す同心円画像と、当該同心円の中心に位置する前記端末装置を示す画像と、から構成されたレーダ画面上に、前記離間距離と前記相対位置とに応じた前記他の端末装置を示す画像が前記同心円画像上に随時表示されるよう前記出力装置を制御することが望ましい。
【0018】
このような構成によれば、端末装置の表示機能を用いてレーダ画面を表示し、レーダ画面を構成する同心円を自己の位置として、対象とする他の端末装置の位置を随時表示出力して通知するので、ユーザは、各端末装置の位置関係を容易に把握することができる。
【0019】
上記端末装置は、
前記自位置認識機能により認識された自位置を出発地とし、前記位置情報取得手段が取得した位置情報が示す前記他の端末装置の位置を目的地とした経路を示す地図情報を取得する地図情報取得手段をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記出力制御手段は、前記地図情報取得手段が取得した地図情報を表示出力するよう前記出力装置を制御することが望ましい。
【0020】
このような構成によれば、各端末装置間の経路を示した地図情報を表示出力するので、ユーザは、対象としている端末装置(ユーザ)までの経路を容易に把握することができる。これにより、例えば、互いを近接させることを目的とした場合に、容易に対象に到達することができる。
【0021】
上記端末装置は、
他の端末装置からの要求に応じて、前記自位置認識機能で認識した自位置を示す自位置情報を当該他の端末装置に送信する自位置情報送信手段をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記位置情報取得手段は、他の端末装置の前記自位置情報送信手段が送信した自位置情報を、前記他端末位置情報として取得することが望ましい。
【0022】
このような構成によれば、位置表示をおこなう端末装置からの要求に応じて、自己の位置情報を送信するので、このような端末装置を複数用いることで、所望する相手の位置をユーザに通知することができる。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
端末装置を制御するコンピュータに、
自位置を示す自位置情報を取得する機能と、
他の端末装置の位置を示す他端末位置情報を、当該他の端末装置との通信により取得する機能と、
取得した前記自位置情報と前記他端末位置情報とに基づいて、前記各端末装置間の離間距離を随時算出する機能と、
取得した前記自位置情報と前記他端末位置情報とに基づいて、前記各端末装置間の相対位置を随時算出する機能と、
距離と方角とを示す同心円画像から構成されたレーダ画面を前記端末装置の表示装置に表示させる機能と、
前記表示装置に、前記端末装置を示す画像を前記レーダ画面における同心円の中心位置に表示させ、前記算出した離間距離と相対位置とに基づいて前記他の端末装置を示す画像を前記同心円画像上に表示させる機能と、
前記算出した離間距離の変化に応じて、前記レーダ画面の表示色を変化させる機能と、
前記算出した離間距離の変化に応じて、前記レーダ画面の表示パターンを変化させる機能と、
前記算出した離間距離に応じた音声を前記端末装置の音声出力装置に出力させ、該離間距離の変化に応じて前記音声の出力パターンを変化させる機能と、
前記算出した離間距離に応じた振動動作を前記端末装置の振動装置に実行させ、該離間距離の変化に応じて前記振動動作の振動パターンを変化させる機能と、
前記自位置情報と前記他端末位置情報とに基づいて、前記端末装置の位置を出発地とし、前記他の端末装置の位置を目的地とした経路を示す地図情報を取得して前記表示装置に表示させる機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0024】
上記プログラムは、
前記コンピュータに、
他の端末装置からの要求に応じて、前記自位置情報を取得する機能と、
取得した前記自位置情報を、前記他端末位置情報として前記他の端末装置に送信する機能と、
をさらに実現させることを特徴とする。
【0025】
このようなプログラムを適用することで、例えば、汎用の端末装置や既存の移動体通信端末などを上記端末装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、端末間の離間距離に応じて、表示色、報知音、振動動作などの出力制御をおこなうので、ユーザは容易に位置関係を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を説明する。本実施形態では、本発明にかかる端末装置を移動体通信端末によって実現するものとし、このような移動体通信端末を複数用いて、ユーザ間の位置確認をおこなう場合を例に以下説明する。より詳細には、2者のユーザ同士を接近させることを目的とした場面(例えば、待ち合わせなど)で、移動体通信端末を用いて相手の位置をユーザに通知する場合を例示する。
【0028】
以下、本実施形態にかかる移動体通信端末を移動体通信端末100とする。本実施形態では、移動体通信端末100を使用する複数のユーザ間で、あるユーザが他のユーザとの位置関係を認識する場合を説明する。ここで、位置認識をおこなうユーザをユーザAとし、ユーザAが使用する移動体通信端末100を自端末100Aとする。また、ユーザAが位置認識の対象とするユーザをユーザBとし、ユーザBが使用する移動体通信端末100を対象端末100B(他端末)とする。なお、自端末100Aと対象端末100Bの構成は同一である。
【0029】
本実施形態にかかる移動体通信端末100は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などといった移動体通信用の端末装置(電話機)であり、基本機能である音声通話機能の他に、自己の位置を認識する位置認識機能を有する。この位置認識機能は、GPS機能により実現されるものとする。また、移動体通信端末100には、インターネットなどを介してデータ通信し、ウェブサイトなどにアクセスするデータ通信機能を有しているものとする。
【0030】
このような移動体通信端末100の構成を、図1および図2を参照して説明する。図1は移動体通信端末100の外観構成を示す図であり、図2は移動体通信端末100の内部構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、操作部130、表示部141、報音スピーカ143、受話用スピーカ151、送話用マイクロフォン152、などが移動体通信端末100の外観上に構成されている
【0032】
また、図2に示すように、移動体通信端末100は、制御部110、通信部121、アンテナ122、音声通信制御部123、データ通信制御部124、操作部130、表示部141、報知音発生部142、報音スピーカ143、モータ駆動部144、モータ145、通話処理部150、受話用スピーカ151、送話用マイクロフォン152、GPS測位部160、GPSアンテナ161、記憶部170、などから構成される。
【0033】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、移動体通信端末100の各部を制御する。すなわち、移動体通信端末100の各構成は制御部110によって制御されるとともに、各構成間の情報伝達などは制御部110を介しておこなわれる。このような制御は、制御部110が実行する所定の動作プログラムに基づいておこなわれるものである。
【0034】
通信部121は、例えば、所定の無線通信回路などから構成され、アンテナ122を介して基地局との無線通信をおこなうことで、音声通話やデータ通信が実現される。
【0035】
音声通信制御部123およびデータ通信制御部124は、例えば、所定の送受信回路などから構成され、通信部121との協働により、移動体通信端末100の送受信動作をおこなう。音声通信制御部123は、移動体通信端末100の音声通話機能における音声通信をおこない、データ通信制御部124は、移動体通信端末100のデータ通信機能におけるデータ通信の送受信動作をおこなう。
【0036】
操作部130は、移動体通信端末100の外面上に構成された所定のボタンやキーなどから構成され、移動体通信端末100のユーザによって操作される。操作部130は、所定の入力回路などを備え、ユーザの操作に応じた入力信号を生成し、制御部110に入力する。
【0037】
表示部141は、例えば、液晶表示装置などから構成された表示出力装置であり、制御部110の制御によって画像等を表示出力する。本実施形態では、カラー表示可能な表示装置によって表示部141が構成されるものとする。
【0038】
報知音発生部142は、例えば、所定の電子音生成回路などから構成された音声出力装置であり、制御部110の制御によって所定の電子音を発生し、報音スピーカ143によって報音出力する。
【0039】
モータ駆動部144は、例えば、所定の駆動回路などから構成され、制御部110の制御によりモータ145を駆動させる。モータ145は、移動体通信端末100のバイブレータ機能を実現するための振動モータであり、モータ駆動部144によって駆動されることで振動動作を発生する。
【0040】
通話処理部150は、例えば、所定のコーデック回路などから構成され、移動体通信端末100の通話機能にかかる音声の処理をおこなう。すなわち、音声通信制御部123により受信されたデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して、受話用スピーカ151から出力するとともに、送話用マイクロフォン152から入力されたユーザの発話音声をデジタル音声データに変換する。
【0041】
GPS測位部160は、例えば、所定のGPS用通信回路などから構成され、GPSアンテナ161によるGPS用衛星との通信などにより、移動体通信端末100の位置を示す座標情報などを取得する。
【0042】
記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成され、制御部110が実行する動作プログラムを格納する他、本発明を実現するために必要な種々のデータを格納する。本実施形態では、図2に示すように、複数の記憶領域が記憶部170に構成され、各記憶領域に所定のデータが格納される。図示するように、記憶部170には、プログラム格納領域171、通知パターン情報格納領域172、自位置情報格納領域173、対象位置情報格納領域174、相対位置情報格納領域175、などの記憶領域が構成される。
【0043】
プログラム格納領域171には、制御部110が実行するプログラムが格納される。ここで、制御部110がプログラム格納領域171に格納されているプログラムを実行することで、本実施形態にかかる処理をおこなうための機能構成が実現される。制御部110によって実現される機能構成を図3に示す。図3は、制御部110によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【0044】
図示するように、制御部110は、位置情報取得部111、離間距離算出部112、相対位置算出部113、通知パターン選択部114、出力制御部115、地図情報取得部116、などとして機能する。
【0045】
位置情報取得部111は、GPS測位部160との協働により、当該移動体通信端末100の位置(自位置)を示す位置情報(自位置情報)を取得するとともに、他の移動体通信端末100の位置情報(他端末位置情報)を取得する。
【0046】
すなわち、当該移動体通信端末100が自端末100Aである場合、位置情報取得部111は、自端末100AのGPS測位部160が取得した座標情報を、自端末100Aの自位置情報として取得するとともに、データ通信制御部124との協働により、他端末(対象端末100B)の位置を示す位置情報(他端末位置情報)を当該対象端末100Bとの通信により取得する。位置情報取得部111は、取得した自位置情報および他端末位置情報を記憶部170に格納する。
【0047】
また、当該移動体通信端末100が、自端末100Aからみた対象端末100B(他端末)である場合、位置情報取得部111は、自端末100Aからの要求に応じて、対象端末100Bの位置情報を取得する。この場合、位置情報取得部111は、対象端末100BのGPS測位部160によって対象端末100Bの位置情報を取得する。そして、データ通信制御部124との協働により、取得した位置情報を他端末位置情報として自端末100Aに送信する。
【0048】
離間距離算出部112は、位置情報取得部111が取得した位置情報に基づいて、対象となる端末間の離間距離を算出するものであり、当該移動体通信端末100が自端末100Aである場合に機能する。より詳細には、位置情報取得部111が取得した自位置情報と他端末位置情報とに基づいて、当該自端末100Aと対象端末100B(他端末)との離間距離を算出し、記憶部170に格納する。
【0049】
相対位置算出部113は、位置情報取得部111が取得した位置情報に基づいて、対象となる端末間の相対位置を算出するものであり、当該移動体通信端末100が自端末100Aである場合に機能する。より詳細には、位置情報取得部111が取得した自位置情報と他端末位置情報とに基づいて、当該自端末100Aと対象端末100B(他端末)との相対位置を算出し、記憶部170に格納する。本実施形態では、自端末100Aからみた対象端末100Bの方角を相対位置とする。
【0050】
通知パターン選択部114は、離間距離算出部112が算出した離間距離に基づいて通知パターンを選択するものであり、当該移動体通信端末100が自端末100Aである場合に機能する。より詳細には、通知パターン情報格納領域172に格納されている複数種類の通知パターンから、離間距離算出部112が算出した離間距離に応じた通知パターンを選択する。
【0051】
出力制御部115は、通知パターン選択部114が選択した通知パターン情報に基づいて出力装置を制御するものであり、当該移動体通信端末100が自端末100Aである場合に機能する。より詳細には、選択された通知パターンにしたがって表示部141、報知音発生部142、モータ駆動部144(モータ145)などの出力装置を制御して、画面表示や電子音出力、バイブレータ動作などの出力動作を実行する。本実施形態では、このような出力制御による情報出力や動作によって、自端末100Aと対象端末100Bとの位置関係が、自端末100Aのユーザに通知される。
【0052】
地図情報取得部116は、自端末100Aと対象端末100Bとの経路を示す地図情報を取得するものであり、当該移動体通信端末100が自端末100Aである場合に機能する。より詳細には、取得した位置情報に基づいた経路情報を含んだ地図情報を取得する。本実施形態では、例えば、データ通信制御部124との協働により、地図データサービスを提供するインターネットのサイト(以下、「地図サービスサイト」とする)などから地図情報を取得する。したがって、地図情報取得部116は、いわゆるブラウザ機能の一部として実現することができる。この場合、地図情報取得部116は、自端末100Aの自位置情報を出発地とし、対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)を目的地とした経路検索を地図サービスサイトに要求することで、自端末100Aから対象端末100Bまでの経路を示した地図情報を取得する。
【0053】
本実施形態では、制御部110がプログラムを実行することによって、上記機能構成が論理的に実現されるものとするが、これらの機能を、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などの物理的な構成によって実現してもよい。
【0054】
記憶部170の他の記憶領域(図2参照)について説明する。
【0055】
通知パターン情報格納領域172は、本実施形態において、自端末100Aと対象端末100Bとの位置関係を、自端末100Aのユーザに通知する際の通知パターンを規定した情報(以下、「通知パターン情報」とする)を格納する。
【0056】
通知パターン情報格納領域172に格納される通知パターン情報の例を図4(a)に示す。図示するように、通知パターン情報は、対象となる端末間(自端末100Aと対象端末100B)の離間距離に応じた複数種類の通知パターンを規定する情報である。
【0057】
本実施形態では、「パターンX」、「パターンY」、「パターンZ」の3種類の通知パターンが規定されているものとする。各パターンに対応づけられる離間距離は、パターンXが「15メートル以内」、パターンYが「15〜30メートル」、パターンZが「30メートル以遠」、とする。本実施形態では、ユーザ同士を接近させる目的で位置通知をおこなうので、離間距離が離れるにしたがって、より重度の警告をおこなうものとする。
【0058】
本実施形態では、例えば、自己を中心とした半径30メートルまでの範囲を、接近することが十分に可能な範囲とし、これより離れた場合に警告通知をおこなうものとする。よって、離間距離30メートル以遠に対応づけられているパターンZは、このような警告通知のための通知パターンである。また、この半径30メートルの範囲内である場合は、注意通知をおこなうものとする。よって、離間距離が30メートル未満であり、かつ、至近距離である15メートルより離れている場合に対応づけられているパターンYは、このような注意通知のための通知パターンである。さらに、自己を中心とした半径15メートル以内の範囲は、容易に接近することができる至近距離になるので、この範囲内であれば、通常の通知をおこなうものとする。よって、離間距離が15メートル以内に対応づけられているパターンXは、このような通常通知のための通知パターンとなる。すなわち、離間距離に応じた通知レベル毎に通知パターンが規定されている。
【0059】
各パターンには、表示部141で表示する画面の表示色および表示パターン、報知音発生部142が出力する報知音(電子音)のパターン、および、モータ駆動部144(モータ145)による振動動作の振動パターン、などが規定されている。
【0060】
本実施形態では、自端末100Aと対象端末100B(他端末)との離間距離および相対位置を示す画面としてレーダ画面を表示するものとする(詳細後述)。よって、通知パターン情報で規定される「表示色」は、このレーダ画面表示時の表示色を示すものであり、例えば、パターンXでは「緑」(通常色)、パターンYでは「黄」(注意色)、パターンZでは「赤」(警告色)、が規定されているものとする。
【0061】
この表示色は、例えば、ユーザに対する注意度などに応じて規定されているものとする。すなわち、本実施形態では、待ち合わせなどにおいてユーザ同士を接近させるために、移動体通信端末100が互いの位置をユーザに通知するので、ユーザ同士(すなわち、自端末100Aと対象端末100B)がより離間してしまった場合に注意喚起となる表示色を規定する。よって、本実施形態では、離間距離が大きくなるにしたがって、より注意喚起効果のある表示色(黄や赤)が規定されている。
【0062】
表示色以外の規定項目(表示パターン、報知音パターン、振動パターン)も、同様に、ユーザ同士(自端末100Aと対象端末100B)がより離間してしまった場合(離間距離が変化した場合)に、レーダ画面の表示パターンを変化させたり、電子音を報音したり、バイブレータ機能の振動動作をおこなうことによって、ユーザに注意喚起することを目的とする。よって、最も近接した離間距離に対応するパターンXでは、表示パターン、報知音、バイブレータ動作は規定されていない。一方、パターンXに対応づけられた離間距離よりも離れた離間距離に対応するパターンYでは、報知音、バイブレータ動作のそれぞれが規定されている。
【0063】
パターンYに対応する離間距離よりもさらに離れた離間距離に対応するパターンZでは、パターンYと同様に報知音とバイブレータ動作が規定されているが、パターンYとは異なる報音パターン、振動パターンが規定されている。また、他のパターンでは規定されていない表示パターンが規定されている。
【0064】
すなわち、報音パターンの場合、例えば、パターンYでは「デフォルト鳴音」(短鳴音)が規定されているのに対し、パターンZでは、デフォルト鳴音よりも鳴音周期が長い「長鳴音」が規定されている。すなわち、より離間距離が離れた場合に、よりユーザへの注意喚起となるような報知音パターンが規定されている。
【0065】
振動パターンの場合、例えば、パターンYでは「デフォルト振動」(短振動)が規定されているのに対し、パターンZでは、デフォルト振動よりも振動周期が長い「長振動」が規定されている。すなわち、より離間距離が離れた場合、よりユーザへの注意喚起となるような振動パターンが規定されている。
【0066】
また、パターンZのみに規定されている表示パターンでは、画面明滅が規定されている。すなわち、最も離間距離が離れた場合、よりユーザへの注意喚起となるような表示パターンが規定されている。
【0067】
自位置情報格納領域173は、位置情報取得部111がGPS測位部160から取得した移動体通信端末100(自端末100A)の位置を示す座標情報(自位置情報)を格納する。
【0068】
対象位置情報格納領域174は、当該移動体通信端末100が自端末100Aとして動作する場合に、位置情報取得部111が取得した、対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)を格納する。対象位置情報格納領域174に記録される情報の例を図4(b)に示す。図示するように、対象位置情報格納領域174には、対象端末100Bとのセッション毎に割り当てられるセッションIDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、例えば、当該対象端末100Bの電話番号や電子メールアドレスなどといった、当該端末を特定する識別情報(端末識別情報)や、当該対象端末100Bについての位置情報(他端末位置情報)の取得毎に割り当てられる位置情報IDと、そのときに取得した位置情報(他端末位置情報)や取得日時、などを示す情報が記録される。ここで、位置情報IDは、当該セッションにおける他端末位置情報の受信回数を示すものとする。
【0069】
相対位置情報格納領域175は、離間距離算出部112が算出した離間距離や相対位置算出部113が算出した相対位置を示す情報を格納する。相対位置情報格納領域175に記録される情報の例を図4(c)に示す。図示するように、相対位置情報格納領域175には、算出の基になった対象端末100Bの他端末位置情報についてのセッションIDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、算出に用いた他端末位置情報に割り当てられている位置情報ID毎に、算出した相対位置と離間距離を示す情報が記録される。ここで、相対位置は、当該移動体通信端末100から見た対象端末100Bの方角などを示す。すなわち、セッションにおける他端末位置情報の受信毎に算出された相対位置情報と離間距離情報とが記録される。
【0070】
なお、上記各構成は、移動体通信端末100によって本発明を実現するために必要な主要な構成であり、移動体通信端末として必要なその他の構成については、必要に応じて備えられているものとする。
【0071】
以上のような構成を有する移動体通信端末100(自端末100Aと対象端末100B)により実行される動作を以下説明する。上述したように、本実施形態では、自端末100Aと対象端末100Bとの位置関係を、自端末100Aがそのユーザに通知する。この場合に、自端末100Aと対象端末100Bとの間でおこなわれるセッションを、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0072】
ここでは、自端末である自端末100Aが、対象端末100Bとの位置関係を表示するための端末位置表示処理を実行し、対象端末100B(他端末)が、自端末100Aからの要求に応じて位置情報送信するための位置情報送信処理を実行することにより自端末100Aと対象端末100Bとのセッションがおこなわれる。図5においては、自端末100Aが実行する端末位置表示処理を左側のフローチャートに示し、対象端末100B(他端末)が実行する位置情報送信処理を右側のフローチャートに示す。
【0073】
セッションは、自端末100A側の端末位置表示処理(図5左側)によって開始される。この端末位置表示処理は、自端末100Aのユーザが操作部130を操作し、端末位置表示動作の開始を指示することを契機に開始されるものとする。
【0074】
自端末である自端末100Aで端末位置表示処理が開始されると、自端末100Aの出力制御部115は、位置認識の対象とする対象端末100Bをユーザに指定させるための「対象端末指定画面」を生成して、表示部141に表示させる(ステップS101)。
【0075】
ユーザは、操作部130を操作し、所望する対象端末100Bを指定する情報を入力する。ここでは、例えば、対象端末100Bに割り当てられている電話番号や電子メールアドレスなどといった、対象端末100Bを特定するための情報(端末識別情報)を入力する。
【0076】
操作部130によって端末識別情報が制御部110に入力されると、位置情報取得部111がデータ通信制御部124を制御し、入力された端末識別情報に基づいて対象端末100Bとの通信を開始し、対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)の送信を要求する旨の情報(以下、「位置通知要求情報」とする)を対象端末100Bに送信する(ステップS102)。
【0077】
この場合、図5右側に示す位置情報送信処理により、対象端末100Bでは、自端末100Aが送信した位置通知要求情報をデータ通信制御部124が受信する(ステップS201)。これにより、自端末100Aと対象端末100Bとの通信が開始され、これを契機に、位置情報取得部111が、対象端末100Bに自動送信設定がされているか否かを位置情報取得部111が判別する。
【0078】
この自動送信設定とは、他の移動体通信端末100からの位置通知要求に応じて当該移動体通信端末100が自動的に位置情報を送信するか否かの設定であり、当該移動体通信端末100のユーザによって設定される。本実施形態では、自動送信設定をフラグ(自動送信フラグ)によって設定するものとする。この場合、フラグ値「1」が「自動送信する」設定を示し、フラグ値「0」が「自動送信しない」設定を示すものとする。よって、位置情報取得部111は、自動送信フラグが1であるか否かを判別することで、自動送信設定がされているか否かを判別する(ステップS202)。なお、自動送信フラグのフラグ値は、記憶部170に格納されているものとする。
【0079】
ここで、フラグ値が「0」の場合(ステップS202:No)、出力制御部115は、位置情報の送信許否をユーザに選択させるための「許否選択画面」を生成し、表示部141に表示する(ステップS203)。この許否選択画面には、自己(この場合、対象端末100B)の位置情報を要求元の移動体通信端末100(この場合、自端末100A)に通知してよいか否かを問い合わせるメッセージと、それに対する回答(例えば、「はい」と「いいえ」など)が選択可能に表示される。ユーザは、操作部130を操作し、所望する回答を選択する。
【0080】
ユーザの操作により、位置情報の送信が拒否された場合(ステップS204:No)、そのまま処理を終了する。
【0081】
一方、ユーザの操作により、位置情報の送信が許可された場合(ステップS204:Yes)、もしくは、自動送信フラグのフラグ値が「1」となっている場合(ステップS202:Yes)、位置情報取得部111がGPS測位部160を制御して、位置測位動作をおこない、対象端末100Bの位置を示す位置情報(対象端末100Bの自位置情報)を取得する(ステップS205)。
【0082】
位置情報取得部111は、データ通信制御部124との協働により、ステップS205での測位動作で取得した自位置情報を、通信中の自端末100Aに送信する(ステップS206)。これにより、自端末100Aに対する他端末位置情報が対象端末100Bから自端末100Aに送信される。
【0083】
この場合、図5左側に示す端末位置表示処理により、自端末100Aでは、対象端末100Bが送信した位置情報をデータ通信制御部124が受信し、制御部110に入力する。この場合、位置情報取得部111は、入力された対象端末100Bの位置情報を対象位置情報格納領域174に格納する。すなわち、位置情報取得部111によって、対象端末100B(他端末)の位置情報(他端末位置情報)が取得され、対象位置情報格納領域174に格納される(ステップS103)。
【0084】
対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)を取得すると、自端末100Aでは、対象端末100Bの位置をユーザに通知するための通知処理を実行する(ステップS150)。この通知処理を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0085】
処理が開始されると、自端末100Aの位置情報取得部111は、GPS測位部160を制御し、自端末100Aの位置を示す自位置情報を取得し、自位置情報格納領域173に格納する(ステップS151)。
【0086】
自位置情報を格納すると、ステップS103で対象位置情報格納領域174に格納した対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)と、ステップS151で自位置情報格納領域173に格納した自己(自端末100A)の位置情報(自位置情報)とに基づいて、相対位置算出部113が、自端末100Aと対象端末100Bとの相対位置を算出して、相対位置情報格納領域175に格納する(ステップS152)。
【0087】
ここでは、自端末100Aからみた対象端末100Bの方角を相対位置として算出する。すなわち、対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)および自端末100Aの自位置情報のいずれも、GPS機能によって取得された座標情報によって示されているので、相対位置算出部113は、双方の座標から、自端末100Aからみた対象端末100Bの方角を算出する。
【0088】
対象端末100Bとの相対位置が算出されると、ステップS103で対象位置情報格納領域174に格納した対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)と、ステップS151で自位置情報格納領域173に格納した自端末100Aの位置情報(自位置情報)とに基づいて、離間距離算出部112が、自端末100Aと対象端末100Bとの間の離間距離を算出して、相対位置情報格納領域175に格納する(ステップS153)。ここでは、自位置情報と他端末位置情報のそれぞれを構成している座標情報に基づいて、自端末100Aと対象端末100Bの離間距離(以下、「算出離間距離D」とする)を算出する。
【0089】
離間距離が算出されると、通知パターン選択部114が、通知パターン情報格納領域172に格納されている通知パターン情報で規定されている基準離間距離と算出離間距離Dとの比較をおこない、比較結果に応じた通知パターンを選択する。ここでは、パターンX、パターンY、パターンZの順で、それぞれのパターンの基準離間距離と算出離間距離Dとの比較をおこなうものとする。
【0090】
通知パターン選択部114は、まず、パターンXの基準離間距離(以下、「基準離間距離X」とする)と算出離間距離Dとの比較をおこなう。図4(a)に示したように、本実施形態では、15メートル以内の離間距離とパターンXとが対応づけられている。よって、パターンXの基準離間距離Xは15メートルとなる。そして、通知パターン選択部114は、算出離間距離Dと基準離間距離Xとを比較し、「D≦X」となるか否かを判別する(ステップS154)。すなわち、算出離間距離Dが15メートル以内であるか否かが判別される。
【0091】
ここで、算出離間距離Dが、パターンXについての規定範囲内(すなわち、D≦X)となる場合(ステップS154:Yes)、通知パターン選択部114は、通知パターンとしてパターンXを選択する(ステップS155)。一方、D>Xとなり、パターンXの規定範囲内ではない場合(ステップS154:No)、通知パターン選択部114は、次のパターンYについての基準離間距離と算出離間距離Dとの比較をおこなう。
【0092】
パターンYが対応する離間距離は「15〜30メートル」(図4(a)参照)であるので、15メートルと30メートルを基準離間距離として比較する。ここでは、15メートルを示す基準離間距離を基準離間距離Y1とし、30メートルを示す基準離間距離を基準離間距離Y2とする。通知パターン選択部114は、これらと算出離間距離Dとを比較し、「Y1<D<Y2」となるか否かを判別する(ステップS156)。
【0093】
算出離間距離Dが、パターンYについての規定範囲内(すなわち、Y1<D<Y2)となる場合(ステップS156:Yes)、通知パターン選択部114は、通知パターンとしてパターンYを選択する(ステップS157)。一方、D≧Y2となり、パターンXおよびパターンYの規定範囲内ではない場合(ステップS156:No)、通知パターン選択部114は、パターンZに該当するものとし、通知パターンとしてパターンZを選択する(ステップS158)。
【0094】
このようにして、通知パターンが選択されると、選択されたパターンに応じた報知処理が出力制御部115などによって実行される。すなわち、ステップS155でパターンXが選択された場合には、パターンX報知処理が実行され(ステップS300)、ステップS157でパターンYが選択された場合には、パターンY報知処理が実行され(ステップS400)、ステップS158でパターンZが選択された場合には、パターンZ報知処理が実行される(ステップS500)。各処理について、以下説明する。
【0095】
まず、パターンX報知処理を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態では、自端末100Aと対象端末100Bとの位置関係をレーダ画面によって表示することとする。よって、処理が開始されると、出力制御部115は、表示部141を制御し、図10(a)に示すような、離間距離の目安となる同心円レーダ画面を表示部141に表示する(ステップS301)。レーダ画面の同心円上には、例えば、図10(a)に示すような十字線が重畳されており、これにより、東西南北の方角が示される。図10(a)の例では、画面上方が北(N)、画面下方が南(S)、画面右方が東(E)、画面左方が西(W)、を示しているものとする。
【0096】
出力制御部115は、さらに表示部141を制御し、図10(b)に示すように、自端末100Aを示すオブジェクト画像(以下、「オブジェクトA」とする)を、ステップS301で表示したレーダ画面同心円の中心位置に表示する(ステップS302)。
【0097】
次に、出力制御部115は、相対位置情報格納領域175にアクセスし、ステップS152で算出された対象端末100Bの自端末100Aに対する相対位置情報、および、ステップS153で算出された自端末100Aと対象端末100Bとの離間距離情報を取得する(ステップS303)。
【0098】
そして、図11に示すような、対象端末100Bを示すオブジェクト画像(以下、「オブジェクトB」とする)をレーダ画面上に表示する(ステップS304)。ここでは、実際の自端末100Aから見た対象端末100Bの方角となるよう、レーダ画面上にオブジェクトBを表示する。
【0099】
この場合、図11に示すように、出力制御部115は、オブジェクトAからオブジェクトBの方向を示す矢印直線をレーダ画面上に表示する。この矢印直線は、例えば、離間距離に応じた描画属性を持っているものとする。例えば、離間距離が離れるにしたがって、より太い矢印直線が表示されるものとする。
【0100】
次に出力制御部115は、通知パターン情報格納領域172にアクセスし、現在選択されている通知パターンのパターン情報を取得する。ここでは、パターンXが選択されているので、パターンXを規定するパターン情報を取得する(ステップS305)。パターンXでは、表示色のみが規定されているので、出力制御部115は、表示部141を制御し、ステップS301で表示したレーダ画面の表示色制御をおこなう。ここでは、例えば、図11に示すように、レーダ画面の同心円内を緑色の表示色で表示して(ステップS306)、処理を終了する。この場合、図11に示すように、取得した離間距離情報が示す離間距離や、至近距離であることを示すメッセージなどが表示部141に表示される。
【0101】
すなわち、離間距離が15メートル以内である場合は、パターンXの規定により、レーダ画面が通常色の緑色で表示され、報知音の出力や振動動作のない通常通知がおこなわれる。
【0102】
次に、パターンYが選択された場合に実行されるパターンY報知処理を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0103】
まず、出力制御部115は、パターンX報知処理の場合と同様に、離間距離と方角の目安となる同心円レーダ画面を表示部141に表示し(ステップS401(図10(a)参照))、その中心にオブジェクトAを表示する(ステップS402(図10(b)参照))。そして、相対位置情報格納領域175から、相対位置情報と離間距離情報を取得すると(ステップS403)、取得した相対位置情報と離間距離情報に基づいて、オブジェクトBを表示部141のレーダ画面上に表示する(ステップS404)。この場合、出力制御部115は、オブジェクトAからオブジェクトBの方向を示す矢印直線をレーダ画面上に表示するが、パターンXの場合よりも太い矢印直線を表示して、離間距離が比較的大きいことを直感的な視覚表示によって表す。
【0104】
次に、出力制御部115は、通知パターン情報格納領域172にアクセスし、パターンYのパターン情報を取得する(ステップS405)。出力制御部115は、取得したパターン情報に基づいて、表示色制御をおこなう。パターンYでは、注意色の黄色が表示色として規定されているので、出力制御部115は、表示部141を制御し、図12に示すように、レーダ画面の同心円内を黄色の表示色で表示する(ステップS406)。ここでは、図12に示すように、取得した離間距離情報が示す離間距離や、表示可能圏外(詳細後述)に近いことを示すメッセージなどが表示部141に表示される。
【0105】
パターンXの場合と異なり、パターンYでは、報知音と振動動作も規定されている。よって、出力制御部115はまず、報知音の出力制御(音声制御)をおこなう。この場合、出力制御部115は、パターンYで規定されている報知音の報知パターンに基づいて報知音発生部142を制御し、報音スピーカ143から報知音を出力する。すなわち、パターンYで規定されているデフォルト鳴音(短鳴音)の鳴音周期となる電子音を報知音発生部142に発生させて出力する(ステップS407)。
【0106】
出力制御部115はさらに、パターンYの規定に基づいて、バイブレータ機能の振動制御(バイブレータ制御)をおこなう。この場合、出力制御部115は、パターンYに規定されている振動動作の振動パターンに基づいてモータ駆動部144を制御してモータ145を振動動作させる。ここでは、パターンYで規定されているデフォルト振動(短振動)の振動周期となる振動動作をモータ145に発生させて(ステップS408)、処理を終了する。
【0107】
次に、パターンZ報知処理を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、パターンY報知処理の場合と同様に、出力制御部115の表示制御によって、同心円レーダ画面とオブジェクトAを表示部141に表示する(ステップS501)。
【0108】
ここで、本実施形態で表示される同心円レーダ画面で表示可能な最大離間距離の上限を30メートル(表示可能圏)とする。したがって、パターンXまたはパターンYが選択される離間距離においては、オブジェクトBをレーダ画面上に表示することができるが(表示可能圏内)、パターンZが選択される離間距離の場合では、正確な離間距離を示すオブジェクトBをレーダ画面上に表示することができない(表示可能圏外)。よって、パターンZが選択された場合、出力制御部115は、相対位置情報格納領域175から相対位置情報と離間距離情報を取得すると(ステップS502)、相対位置情報に基づいた方角のレーダ最縁部にオブジェクトBを表示する(ステップS503)。
【0109】
次に出力制御部115は、パターンZに規定されているパターン情報を通知パターン情報格納領域172から取得し(ステップS504)、表示色制御をおこなう。パターンZでは、表示色として警告色の赤が規定されているので、出力制御部115は、表示部141を制御し、図13に示すように、表示したレーダ画面の同心円内を赤色の表示色で表示する(ステップS505)。また、図13に示すように、取得した離間距離情報が示す離間距離や、表示可能圏外である旨を示すメッセージなどが表示部141に表示される。
【0110】
ここで、パターンZでは、他のパターンと異なり、表示パターンが規定されているので、出力制御部115は、表示パターン制御をおこなう。パターンZでは、表示パターンとして明滅表示が規定されているので、出力制御部115は、例えば、表示部141のバックライトを制御することで画面を明滅させる(ステップS506)。
【0111】
さらに出力制御部115は、パターンZのパターン情報に基づいて、音声制御とバイブレータ制御をおこなう。すなわち、パターンZに規定されている報知音パターンに基づいて、報知音発生部142を制御し、長鳴音となる報知音を報音スピーカ143から出力する(ステップS507)。また、パターンZに規定されている振動パターンに基づいて、モータ駆動部144を制御し、長振動となる振動をモータ145から発生させる(ステップS508)。すなわち、パターンYが選択された場合とは異なる報知音や振動が出力される。
【0112】
ここで、自端末100Aの出力制御部115は、ステップS502で取得した相対位置情報の位置情報IDに基づいて、対象端末100Bとのセッションにおいて、初回に取得された位置情報のみに基づく表示動作であるか否かを判別する(ステップS509)。すなわち、本実施形態では、後述する処理により、対象端末100Bとのセッションにおいて、位置情報を複数回取得する場合がある。よって、ステップS509の判別によって、同一セッションにおいて複数回の位置情報取得がされているか否かが判別されることになる。
【0113】
同一セッションで初回に取得された位置情報に基づく処理である場合(ステップS509:Yes)、出力制御部115は、ステップS502で取得した相対位置情報に基づく方角を示す矢印直線をレーダ画面上に表示する(ステップS510)。すなわち、現時点における対象端末100Bの方角を示す矢印直線がレーダ画面上に表示される。
【0114】
一方、同一セッションにおける位置情報取得が複数回おこなわれている場合(ステップS509:No)、対象端末100Bの移動方向の推定を相対位置算出部113に依頼する。相対位置算出部113は、出力制御部115からの依頼に応じて、複数回取得された位置情報に基づいた対象端末100Bの移動軌跡を演算し、推定される対象端末100Bの移動方向ベクトルを算出して、推定される対象端末100Bの移動位置を算出する。相対位置算出部113は、算出した推定移動位置を自端末100Aから見た場合の相対位置として示す相対位置情報を生成し、出力制御部115に通知する(ステップS511)。
【0115】
出力制御部115は、相対位置算出部113が算出した推定移動位置を示す相対位置の方角を示す矢印直線をレーダ画面上に表示して(ステップS512)、処理を終了する。すなわち、対象端末100Bが表示可能圏外である場合、オブジェクトBがレーダ同心円の最縁部に表示されるとともに、推定される移動位置の方角が矢印直線によって表示される。なお、パターンZが選択された場合に表示される矢印直線は、パターンYが選択された場合に表示される矢印直線よりも太く表示することで、離間距離が大きいことを直感的な視覚表示によって表す。
【0116】
選択された報知パターンに応じた報知処理が実行されると、図6に示す通知処理のフローに戻る。
【0117】
ここで、図10〜図13に示すように、各報知画面上には、「戻る」ボタン、「地図表示」ボタン、「終了」ボタン、が表示されている。各ボタンは、操作部130を構成する所定のボタンと対応づけられており、ユーザが当該ボタンを操作することで、ボタンに示されている内容の実行が指示されることになる。
【0118】
対象端末100Bの位置表示をさらに続ける場合、ユーザは「戻る」ボタンに対応する操作部130を操作する。また、現在レーダ画面に表示されている対象端末100Bと自端末100Aまでの経路を示す地図の表示を所望する場合は、「地図表示」ボタンに対応する操作部130を操作する。一方、対象端末100Bの位置表示を終了したい場合には、「終了」ボタンに対応する操作部130を操作する。
【0119】
ユーザが操作部130を操作すると、いずれのボタンが操作されたかを示す入力信号が、操作部130から制御部110に入力される。制御部110は入力信号に基づいてユーザの指示を判別する。
【0120】
ここで、「地図表示」が指示された場合(ステップS159:Yes)、地図画面を表示するための地図画面表示処理が地図情報取得部116などによって実行される(ステップS600)。この地図画面表示処理の詳細は後述する。
【0121】
一方、「地図表示」以外の指示がされた場合(ステップS159:No)、図5に示す端末位置表示処理のフローに戻る。ここでは、ユーザの指示が「終了」である場合(ステップS104:Yes)、位置情報取得部111は、位置情報送信動作の終了を対象端末100Bに要求する(ステップS105)。ここでは、データ通信制御部124との協働により、送信動作の終了を要求する送信終了要求情報が通信中の対象端末100Bに送信される。これにより、位置情報送信動作の終了を対象端末100Bに要求して、処理を終了する。
【0122】
また、「戻る」が指示された場合(ステップS104:No)、端末位置表示処理のステップS103に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、同一のセッションにおいて、対象端末100Bの位置情報を複数回取得するとともに、自己の位置も随時検出することで、自端末100Aと対象端末100Bとの位置関係が随時出力される。
【0123】
自端末100A側で位置表示の継続が指示された場合の対象端末100Bの動作を図5に戻って説明する。ここでは、図5右側に示す位置情報送信処理のフローチャートを参照して対象端末100Bの動作を説明する。
【0124】
対象端末100Bにおいては、ステップS206で自端末100Aに位置情報を送信すると、位置情報取得部111がデータ通信制御部124と協働し、自端末100Aから送信終了要求情報が送信されたか否かを判別する(ステップS207)。図5左側に示すステップS106で、自端末100Aが送信終了要求情報を送信した場合、対象端末100Bのデータ通信制御部124によって受信されて、制御部110に入力される(ステップS207:Yes)。この場合、位置情報の送信動作終了が自端末100Aから要求されたので、対象端末100Bの位置情報取得部111は、そのまま位置情報送信処理を終了する。
【0125】
一方、自端末100Aから送信終了要求情報が送信されない場合(ステップS207:No)、位置情報取得部111は、前回の位置情報送信から所定時間経過したか否かを判別する(ステップS208)。所定時間経過した場合(ステップS207:Yes)、ステップS205に戻り、現在の対象端末100Bの位置を示す位置情報を自端末100Aに送信する。
【0126】
すなわち、自端末100Aから送信終了要求があるまで、対象端末100Bは、自己の位置を示す位置情報を所定時間毎に自端末100Aに送信することになる。
【0127】
つまり、自端末100Aのユーザが終了を指示するまで、自端末100Aは対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)と自己の位置情報(自位置情報)を随時取得し、取得した位置情報に応じた報知処理をおこなうことになる。よって、各移動体通信端末100が移動している場合には、その移動が随時レーダ画面に反映される。そして、移動によって離間距離が変化すると、これに応じて対応する通知パターンが変化することになる。本実施形態では、離間距離が所定範囲以上離れた場合、より注意喚起をするための通知に切り替わることになる。
【0128】
ここで、図6に示す通知処理において、自端末100Aのユーザが「地図表示」を指示した場合(ステップS159:Yes)に実行される地図表示処理を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。この地図表示処理は、自端末100Aの地図情報取得部116等によって実行される。
【0129】
処理が開始されると、地図情報取得部116は、自位置情報格納領域173にアクセスし、最も直近に取得された自端末100Aの位置情報(自位置情報)を取得する(ステップS601)。
【0130】
次に地図情報取得部116は、対象位置情報格納領域174にアクセスし、最も直近に取得された対象端末100Bの位置情報(他端末位置情報)を取得する(ステップS602)。
【0131】
各移動体通信端末100の位置情報を取得すると、地図情報取得部116はデータ通信制御部124との協働により、地図情報を提供するウェブサイト(地図サービスサイト)にアクセスする(ステップS603)。ここでは、このようなウェブサイトを示すアドレス情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))が予め記憶部170に格納されているものとし、地図情報取得部116は、このようなアドレスを指定することにより、自端末100Aのデータ通信機能(インターネットアクセス機能)によってアクセスする。
【0132】
地図サービスサイトにアクセスすると、地図情報取得部116は、ステップS601で取得した自位置情報が示す自位置を出発地、ステップS602で取得した位置情報(他端末位置情報)が示す対象端末100Bの位置を目的地として、それぞれの位置情報を地図サービスサイトに送信する(ステップS604)。
【0133】
地図サービスサイトでは、自端末100Aが送信した位置情報を受信し、指定された出発地から目的地までの経路を示した地図情報を作成し、自端末100Aに送信する。この場合の地図情報の作成は、既知の経路検索手法などを用いて実現されるものとする。
【0134】
自端末100Aでは、地図サービスサイトが送信した地図情報をデータ通信制御部124が受信し(ステップS605)、制御部110に入力する。地図情報取得部116は、入力された地図情報の表示を出力制御部115に指示する。出力制御部115は、地図情報取得部116の指示に応じて、表示部141を制御し、図15に示すような地図画面を表示する(ステップS606)。
【0135】
図示するように、地図画面には、取得した地図情報が表示される他、操作部130の所定のボタンに対応づけられた「戻る」ボタンや「終了」ボタンなどが表示される。地図画面表示からレーダ画面表示に戻る場合は「戻る」ボタンに対応する操作部130が操作され、位置表示を終了させる場合には、「終了」ボタンが操作される。ユーザが所望する動作を指定するボタンを選択することで、当該動作の実行が指示される。制御部110は、操作部130からの入力信号により、ユーザの指示を判別する。
【0136】
ここで、「終了」が指定された場合(ステップS607:Yes)、制御部110は、位置表示にかかるすべての処理を終了する。一方、「戻る」が指示された場合(ステップS607:No、S608:Yes)、制御部110は、地図表示処理を終了し、図6に示す通知処理のフローに戻る。この場合、そのまま図5に示す端末位置表示処理のフローに戻り、レーダ表示による位置表示の動作が継続しておこなわれる。
【0137】
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することで、移動体通信端末などの端末装置を用いて、所望する相手の位置を随時ユーザに報知することができる。この場合において、相手との離間距離によって異なる報知方法を選択するので、例えば、相手と近接しなければならない場面でより離間してしまった場合などに、注意喚起する方法でユーザに通知することができる。つまり、離間距離の変化に応じて、通知パターンを変化させるので、ユーザに対し効果的に注意喚起することができる。この場合、表示画面の表示色や表示パターンで注意喚起することができるので、ユーザは容易に離間してしまったことなどを知ることができる。また、表示以外の手段でも注意喚起がおこなわれるので、ユーザが常に表示画面を注視していなくても、報知音やバイブレータ振動などによってユーザに注意を促すことができる。
【0138】
また、取得した位置情報を用いて、経路表示のされた地図情報を取得することができるので、相手位置に到達するための経路を容易に知ることができる。
【0139】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0140】
例えば、上記実施形態で示した通知パターン情報は一例であり、設定内容などは任意である。つまり、通知パターンの種類は3種類に限られず任意である他、設定されている移動体通信端末100の動作も任意である。例えば、上記実施形態では、報知音の鳴音周期やバイブレータ振動の振動周期を規定したが、報知音の音量やバイブレータの振動強度などを設定してもよい。
【0141】
また、これらの動作が選択的に実行されてもよい。この場合、例えば、当該移動体通信端末100に設定されている通話モードなどに応じて報知動作がおこなわれてもよい。例えば、マナーモードが設定されている場合には、報知音パターンが設定されている場合であっても、報知音を出力しないで報知するように動作してもよい。
【0142】
また、上記実施形態では、移動体通信端末100の位置関係をレーダ画面で表示するものとしたが、位置関係を報知することができるのであれば任意の画面によって報知してもよい。また、レーダ画面における表示可能範囲の設定も任意である。上記実施形態では、自己に対する他の端末の方角を矢印直線で示すものとしたが、例えば、他の端末の移動方向を矢印直線などで表示してもよい。
【0143】
上記実施形態では、一方の端末において位置表示をおこなうものとしたが、上記実施形態で示した位置表示にかかる動作を双方の端末で同時におこなってもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、所定のウェブサイトから地図情報を取得するものとしたが、移動体通信端末100内に経路情報や地図情報を格納しておき、移動体通信端末100内で経路検索などをおこなってもよい。
【0145】
上記実施形態では、端末の位置をGPS機能により認識するものとしたが、位置の認識ができるのであれば、任意の方法で位置情報を取得してもよい。例えば、移動体通信をおこなうための至近の基地局の位置などに基づいて、自己の位置を認識してもよい。
【0146】
上記実施形態では、本発明にかかる端末装置を移動体通信端末で実現した場合を例示したが、自己の位置を認識する機能や、通信により他の端末の位置情報を取得できる機能を有するものであれば、移動体通信端末に限らず、任意の端末装置に本発明を適用することができる。この場合、例えば、PDA(Personal Data Assistance:携帯情報端末)やパーソナルコンピュータなどといった端末装置に本発明を適用してもよい。
【0147】
なお、上述した移動体通信端末100のように、本発明を実現するための機能を予め備えている端末装置として提供できることはもとより、これらの機能を備えていない装置にプログラムを適用することで、本発明にかかる端末装置として機能させることもできる。この場合、少なくとも、GPSなどにより自己の位置を認識できる機能や通信ネットワークを介した通信をおこなう通信機能を備えた端末装置に、上述した移動体通信端末100の各処理を実行させるためのプログラムを適用し、当該端末装置を制御するコンピュータ(CPUなど)がそのプログラムを実行することで、本発明にかかる端末装置として機能させることができる。
【0148】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供することで任意の装置に適用できる他、所定の記録媒体(例えば、メモリカード、CD−ROM、DVD、など)にプログラムを格納して配布することでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施形態にかかる移動体通信端末の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示す移動体通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図2に示す記憶部に格納される情報の例を示す図であり、(a)は通知パターン情報格納領域に格納される情報の例を示し、(b)は対象位置情報格納領域に格納される情報の例を示し、(c)は相対位置情報格納領域に格納される情報の例を示す。
【図5】本発明の実施形態にかかる「端末位置表示処理」と「位置情報送信処理」を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5に示す端末位置表示処理において実行される「通知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示す通知処理において実行される「パターンX報知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図8】図6に示す通知処理において実行される「パターンY報知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図9】図6に示す通知処理において実行される「パターンZ報知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7〜図9に示す各処理における画面表示を説明するための図であり、(a)は同心円レーダ画面が表示されたときの画面表示例を示し、(b)はレーダ画面上に自端末を示すオブジェクト画像が表示されたときの画面表示例を示す。
【図11】図7に示す「パターンX報知処理」における移動体通信端末の動作を説明するための図である。
【図12】図8に示す「パターンY報知処理」における移動体通信端末の動作を説明するための図である。
【図13】図9に示す「パターンZ報知処理」における移動体通信端末の動作を説明するための図である。
【図14】図6に示す報知処理において実行される「地図表示処理」を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14に示す地図表示処理における画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0150】
100…移動体通信端末、100A…自端末、100B…対象端末(他端末)、110…制御部、111…位置情報取得部、112…離間距離算出部、113…相対位置算出部、114…通知パターン選択部、115…出力制御部、116…地図情報取得部、121…通信部、122…アンテナ、123…音声通信制御部、124…データ通信制御部、130…操作部、141…表示部、142…報知音発生部、143…報音スピーカ、144…モータ駆動部、145…モータ、150…通話処理部、151…受話用スピーカ、152…送話用マイクロフォン、160…GPS測位部、161…GPSアンテナ、170…記憶部、171…プログラム格納領域、172…通知パターン情報格納領域、173…自位置情報格納領域、174…対象位置情報格納領域、175…相対位置情報格納領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自位置認識機能を有する端末装置において、
他の端末装置の位置を示す他端末位置情報を、当該他の端末装置との通信により取得する位置情報取得手段と、
前記自位置認識機能により認識された自位置を示す自位置情報と、前記位置情報取得手段が取得した前記他端末位置情報とに基づいて、各前記端末装置間の離間距離を随時算出する距離算出手段と、
複数種類の通知パターンを示した通知パターン情報を記憶する通知パターン情報記憶手段と、
前記距離算出手段が算出する離間距離に応じて、前記通知パターン情報記憶手段から前記通知パターン情報を選択する通知パターン選択手段と、
前記通知パターン選択手段が選択した前記通知パターン情報に基づいて、前記端末装置の出力装置を制御し、少なくとも前記距離算出手段が算出した離間距離を前記端末装置のユーザに通知する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記自位置情報と、前記他端末位置情報とに基づいて、各前記端末装置間の相対位置を随時算出する相対位置算出手段をさらに備え、
前記出力制御手段は、選択された前記通知パターン情報に基づいて前記出力装置を制御して、前記距離算出手段が算出した前記離間距離と前記相対位置算出手段が算出した前記相対位置とを前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の表示色を規定した前記通知パターン情報を記憶し、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する表示色での表示出力となるよう前記出力装置を制御する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の表示パターンを規定した前記通知パターン情報を記憶し、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する表示パターンでの表示出力となるよう前記出力装置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の音声を規定した前記通知パターン情報を記憶し、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する音声を出力するよう前記出力装置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記通知パターン情報記憶手段は、前記離間距離に応じた複数種類の振動動作を規定した前記パターン方法情報を記憶し、
前記出力制御手段は、前記通知パターン選択手段が選択した通知パターン情報が規定する振動動作となるよう前記出力装置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記出力制御手段は、距離と方角とを示す同心円画像と、当該同心円の中心に位置する前記端末装置を示す画像と、から構成されたレーダ画面上に、前記離間距離と前記相対位置とに応じた前記他の端末装置を示す画像が前記同心円画像上に随時表示されるよう前記出力装置を制御する、
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記自位置認識機能により認識された自位置を出発地とし、前記位置情報取得手段が取得した位置情報が示す前記他の端末装置の位置を目的地とした経路を示す地図情報を取得する地図情報取得手段をさらに備え、
前記出力制御手段は、前記地図情報取得手段が取得した地図情報を表示出力するよう前記出力装置を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項9】
他の端末装置からの要求に応じて、前記自位置認識機能で認識した自位置を示す自位置情報を当該他の端末装置に送信する自位置情報送信手段をさらに備え、
前記位置情報取得手段は、他の端末装置の前記自位置情報送信手段が送信した自位置情報を、前記他端末位置情報として取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項10】
端末装置を制御するコンピュータに、
自位置を示す自位置情報を取得する機能と、
他の端末装置の位置を示す他端末位置情報を、当該他の端末装置との通信により取得する機能と、
取得した前記自位置情報と前記他端末位置情報とに基づいて、前記各端末装置間の離間距離を随時算出する機能と、
取得した前記自位置情報と前記他端末位置情報とに基づいて、前記各端末装置間の相対位置を随時算出する機能と、
距離と方角とを示す同心円画像から構成されたレーダ画面を前記端末装置の表示装置に表示させる機能と、
前記表示装置に、前記端末装置を示す画像を前記レーダ画面における同心円の中心位置に表示させ、前記算出した離間距離と相対位置とに基づいて前記他の端末装置を示す画像を前記同心円画像上に表示させる機能と、
前記算出した離間距離の変化に応じて、前記レーダ画面の表示色を変化させる機能と、
前記算出した離間距離の変化に応じて、前記レーダ画面の表示パターンを変化させる機能と、
前記算出した離間距離に応じた音声を前記端末装置の音声出力装置に出力させ、該離間距離の変化に応じて前記音声の出力パターンを変化させる機能と、
前記算出した離間距離に応じた振動動作を前記端末装置の振動装置に実行させ、該離間距離の変化に応じて前記振動動作の振動パターンを変化させる機能と、
前記自位置情報と前記他端末位置情報とに基づいて、前記端末装置の位置を出発地とし、前記他の端末装置の位置を目的地とした経路を示す地図情報を取得して前記表示装置に表示させる機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータに、
他の端末装置からの要求に応じて、前記自位置情報を取得する機能と、
取得した前記自位置情報を、前記他端末位置情報として前記他の端末装置に送信する機能と、
をさらに実現させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−88943(P2007−88943A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276791(P2005−276791)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】