説明

筐体カバー機構

【課題】筐体内部等に対するメンテナンス性を阻害することのない筐体カバー機構を提供する。
【解決手段】少なくとも開口部233aを閉塞し得る大きさを有し可撓性を有するシート状カバー部材202を、移動手段215によって開口部233aを閉塞する閉塞位置と開口部233aを開放する開放位置との間で移動させることで、開口部233aを開閉するように構成し、開口部233aの開放時にはシート状カバー部材202を筐体233内部のメンテナンス性を阻害しない状態に維持することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエーハの表面に洗浄或いは溶液塗布の処理を施すウエーハ処理装置用の筐体の開口部を開閉自在に覆う筐体カバー機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IC,LSI等のデバイスが複数形成されたウエーハは裏面が研削されて所定の厚さに形成され、ダイシング装置等の加工装置によって個々のデバイスに分割されて携帯電話、パソコン等の電子機器に利用される。
【0003】
近年、ウエーハを分割する方法として、ウエーハに形成されたストリートに沿ってパルスレーザ光線を照射することによりレーザ加工溝を形成し、このレーザ加工溝に沿ってメカニカルブレーキング装置によって割断する方法が提案されている(例えは、特許文献1参照)。しかしながら、ウエーハのストリートに沿ってレーサ光線を照射すると、照射された領域に熱エネルギーが集中してデブリと称する粘着性のある飛沫が発生し、飛散したデブリがウエーハのデバイス表面に付着し、デバイスの品質を低下させるという新たな問題を生ずる。
【0004】
このようなデブリの問題を解消するために、ウエーハの加工面にポリビニルアルコール等の保護被膜を被覆し、保護被膜を通してウエーハにレーザ光線を照射するようにしたレーザ加工方法が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0005】
この種の保護膜被覆装置は、ウエーハを保持する保持手段と該保持手段に保持されたウエーハの表面に保護被膜塗布の処理を施すウエーハ処理手段とを少なくとも内蔵した筐体を備える。そして、保護被膜塗布時に被膜材が筐体外部に飛散しないように、筐体の上方に開口した開口部を開閉可能に覆う筐体カバー機構を備える必要がある。
【0006】
【特許文献1】特開平10−305420号公報
【特許文献2】特開2004−188475号公報
【特許文献3】特開2004−322168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の保護膜被覆装置の筐体カバー機構は、開口部を覆う板状カバー部材を開口部の一辺を支点にヒンジ構造等により開閉回動自在に設け、エアーピストン等の駆動源によって板状カバー部材を開閉回動させることで、開口部を閉塞する状態と開放する状態とに切換えるようにしていた。すなわち、板状カバー部材を開口部の一辺において上方に略垂直状態に立てることで開口部の開放状態としているため、筐体内部等に対するメンテナンスの際に板状カバー部材が邪魔となり、メンテナンス作業性を阻害してしまうものである。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、筐体内部等に対するメンテナンス性を阻害することのない筐体カバー機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる筐体カバー機構は、ウエーハを保持する保持手段と該保持手段に保持されたウエーハの表面に洗浄或いは溶液塗布の処理を施すウエーハ処理手段とを少なくとも内蔵した筐体の上方に開口した開口部を開閉可能に覆う筐体カバー機構であって、少なくとも前記開口部を閉塞し得る大きさを有し可撓性を有するシート状カバー部材と、該シート状カバー部材を、前記開口部を閉塞する閉塞位置と前記開口部を開放する開放位置との間で移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる筐体カバー機構は、上記発明において、前記移動手段は、前記シート状カバー部材の移動方向両側に連結されて移動方向に延在する一対の線状部材と、該線状部材を前記シート状カバー部材の移動方向に沿って移動させる駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる筐体カバー機構は、上記発明において、前記線状部材は、前記開口部の対向する第1の側部から第2の側部を経て前記筐体外壁面に沿って略逆L字状に屈曲配設されて周回移動する無端帯からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる筐体カバー機構は、少なくとも開口部を閉塞し得る大きさを有し可撓性を有するシート状カバー部材を、移動手段によって開口部を閉塞する閉塞位置と開口部を開放する開放位置との間で移動させることで、開口部を開閉するようにしたので、開口部の開放時にはシート状カバー部材を筐体内部のメンテナンス性を阻害しない状態に維持することができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明にかかる筐体カバー機構は、移動手段を、シート状カバー部材の移動方向両側に連結されて移動方向に延在する一対の線状部材を駆動手段で移動させる構造とすることで、シート状カバー部材の移動を一対の線状部材を介して行わせることができ、よって、シート状カバー部材の開閉移動に際してシート状カバー部材を巻き取ることなく展開状態で移動させることができ、巻き取りによるシート状カバー部材同士の重なりをなくし付着物の固着を回避することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明にかかる筐体カバー機構は、線状部材が、開口部の対向する第1の側部から第2の側部を経て筐体外壁面に沿って略逆L字状に屈曲配設されて周回移動する無端帯からなるので、筐体カバー機構がその開閉動作を含めて筐体周りに収まる最小限のコンパクトな構造とすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態である筐体カバー機構について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態の筐体カバー機構を備える保護膜被覆装置が一体に組み込まれたレーザ加工装置を示す外観斜視図である。本実施の形態のレーザ加工装置1は、略直方体状の装置ハウジング2を備えている。装置ハウジング2は、加工送り方向であるX軸方向に移動自在に配設されてウエーハ10を保持するチャックテーブル3を備える。チャックテーブル3は、図示しない回転機構によって回動可能に構成されている。また、レーザ加工装置1は、チャックテーブル3上に保持されたウエーハ10にパルスレーザ光線を集光照射するレーザ光線照射手段4と、チャックテーブル3上に保持されたウエーハ10の表面を撮像し、レーザ光線照射手段4から照射されるパルスレーザ光線によって加工すべき領域をCCD等の撮像素子で撮像して検出する撮像手段5とを備えている。
【0017】
さらに、レーザ加工装置1は、ウエーハ10を収容するカセット13が載置されるカセット載置部13aを備えている。カセット載置部13aには図示しない昇降手段によって上下に移動可能にカセットテーブル131が配設されており、このカセットテーブル131上にカセット13が載置される。ウエーハ10は、環状のフレーム11に装着された粘着テープ12の表面に貼着されており、粘着テープ12を介して環状のフレーム11に支持された状態でカセット13に収容される。ウエーハ10は、特に図示しないが、表面に格子状に形成された複数のストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC,LSI等のデバイスが形成されている。このように構成されたウエーハ10は、図1に示すように、環状のフレーム11に装着された粘着テープ12に表面を上側にして裏面が貼着される。
【0018】
また、レーザ加工装置1は、カセット13に収納された加工前のウエーハ10を搬出するとともに加工後のウエーハ10をカセット13に搬入するウエーハ搬出入手段14と、ウエーハ搬出入手段14によって搬出された加工前のウエーハ10を仮置きする仮置きテーブル15と、仮置きテーブル15に搬出された加工前のウエーハ10をチャックテーブル3に搬送する第1の搬送経路に配設され加工前のウエーハ10の加工面に保護膜を被覆する保護膜被覆装置200と、チャックテーブル3に保持された加工後のウエーハ10を仮置きテーブル15に搬送する第2の搬送経路に配設され加工後のウエーハ10の加工面に被覆されている保護膜を洗浄除去する洗浄手段8と、を備えている。ここで、第1の搬送経路と第2の搬送経路とは、それぞれ異なる搬送経路として設定されている。また、保護膜被覆装置200は、その上面の開口部を自動的に開閉自在に覆うシート状カバー部材202を有する筐体カバー機構201を備える。
【0019】
また、レーザ加工装置1は、仮置きテーブル15に搬出された加工前のウエーハ10を保護膜被覆装置200に搬送するとともに洗浄手段8によって洗浄された加工後のウエーハ10を仮置きテーブル15に搬送する第1の搬送手段16と、保護膜被覆装置200によって保護膜が被覆された加工前のウエーハ10をチャックテーブル3に搬送するとともにチャックテーブル3に保持された加工後のウエーハ10を洗浄手段8に搬送する第2の搬送手段17とを備えている。
【0020】
ここで、第1の搬送手段16は、仮置きテーブル15と保護膜被覆装置200と洗浄手段8とに対して等距離の位置に配設されている。この第1の搬送手段16は、一般に使用されている搬送手段と同一の構成でよく、環状のフレーム11の両端を吸引保持する搬送パッド161を有する保持手段162と、保持手段162を上下方向に昇降可能で、かつ、旋回可能に支持する支持手段162とからなっている。このように構成された第1の搬送手段16は、仮置きテーブル15に搬出された加工前のウエーハ10(環状のフレーム11に装着された粘着テープ12の表面に貼着された状態)を保護膜被覆装置200に搬送するとともに洗浄手段8によって洗浄された加工後のウエーハ10(環状のフレーム11に装着された粘着テープ12の表面に貼着された状態)を仮置きテーブル15に搬送する。
【0021】
また、第2の搬送手段17は、チャックテーブル3と保護膜被覆装置200と洗浄手段8との間でウエーハ10を搬送し得る位置に配設されたもので、環状のフレーム11の両端を吸引保持する搬送パッド171を有する保持手段172と、保持手段172を上下方向に昇降可能で、かつ、旋回可能に支持する支持手段173と、支持手段173をX軸方向にスライド可能に支持するスライド支持手段174とからなっている。このように構成された第2の搬送手段17は、保護膜被覆装置200によって保護膜が被覆された加工前のウエーハ10(環状のフレーム11に装着された粘着テープ12の表面に貼着された状態)をスライド支持手段174によるスライド支持に従いX軸方向に移動してチャックテーブル3に搬送するとともにチャックテーブル3に保持された加工後のウエーハ10(環状のフレーム11に装着された粘着テープ12の表面に貼着された状態)を支持手段173の旋回動作によって洗浄手段8に搬送する。洗浄手段8は、加工後のウエーハ10を吸引保持して回転するスピンナーテーブル81の他、洗浄用の洗浄水ノズル、乾燥用のエアーノズル等を備える。
【0022】
次に、本実施の形態の筐体カバー機構201が装着される保護膜被覆装置200について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、保護膜被覆装置の分解斜視図であり、図3は、チャックテーブルが収容位置に位置付けられた保護膜被覆装置を示す斜視図であり、図4は、チャックテーブルが着脱位置に位置付けられた保護膜被覆装置を示す斜視図であり、図5は、噴射ノズルによる液状樹脂の噴出状況を示す概略縦断正面図である。なお、筐体カバー機構201については後述するため、図2〜図5では省略している(図5は、シート状カバー部材202のみ便宜的に示している)。
【0023】
保護膜被覆装置200は、加工前のウエーハ10を保持する保持手段220と、保持手段220に保持されたウエーハ10の加工面となる表面に液状樹脂を噴射して保護膜を被覆するという溶液塗布の処理を施すウエーハ処理手段230と、を装置ハウジング2内に配設される筐体233内に備えている。
【0024】
保持手段220は、粘着テープ12を介してフレーム11に配設された加工前のウエーハ10を保持するウエーハ保持部221と、フレーム11の左右両端を支持するとともに搬送パッド171で吸着保持されるフレーム11の左右両端の所要位置に液状樹脂が付着するのを遮断するように覆い隠す左右一対のフレーム挟持部222と、ウエーハ保持部221の下面に配設されたベース材223と、ベース材223とウエーハ保持部221との間に配設された加熱手段224と、を備えるチャックテーブルとして構成されている。
【0025】
ここで、ウエーハ保持部221は、フレーム11とほぼ同等の大きさの矩形状に形成されたもので、その保持面には複数個の吸引孔225が形成されている。これら吸引孔225は、ウエーハ保持部221の一側面から外部に連通するように開口し、該開口部に取り付けられた図示しないワンタッチ継ぎ手を介して図示しない吸引手段に連結される。これにより、保持手段220は、ウエーハ保持部221にフレーム11を載置し吸引手段により吸引孔225を介して吸引用エアーを作用させることによりウエーハ保持部221上にフレーム11(ウエーハ10)を吸着保持する。
【0026】
また、フレーム挟持部222は、ウエーハ保持部221と同等の幅を有して略L字状のカバー形状に形成されてベース材223に開閉回動自在に取り付けられており、その回動軸心にはフレーム挟持部222を開閉回動させるためのエアーシリンダ227を備えている。さらに、加熱手段224は、フレーム11とほぼ同じサイズで厚みが1.6mm程度で円形に形成されたラバーヒータからなり、ウエーハ保持部221に保持されたウエーハ10をウエーハ保持部221、フレーム11を介して50℃〜60℃程度に加熱する。
【0027】
一方、ウエーハ処理手段230は、ウエーハ10の直径に対応して配設された2以上、本実施の形態では例えば10個の噴射ノズル231と、これら噴射ノズル231を支持して保持手段220の上部を前後方向に水平移動する移動部232と、保持手段220や移動部232を収容する筐体233と、を備えるノズル手段として構成されている。
【0028】
筐体233は、保持手段220を昇降自在に収容し得る大きさの上方開口の開口部233aを有する箱状のものであり、開口部233aを開閉可能に覆う後述の筐体カバー機構201を備えている。また、筐体233の底壁233bは前後方向において後ろ下がりに傾斜して形成され、底壁233bの低い方の下流側には排水口236が形成されている。
【0029】
このような筐体233に収納される保持手段220は、この保持手段220を昇降自在に支持する支持機構237を備えている。支持機構237は、図5に示すように、底壁233bに形成された開口238を通してベース材223の下面に固定された複数本、例えば3本のシリンダ軸237aと、底板233bの下面に取り付けられてピストン237aを上下動させるエアーシリンダ237bとからなっている。このように構成された支持機構237は、エアーシリンダ237bを作動することにより、保持手段220を図3に示す下方位置である収容位置と、図4に示す上方位置である着脱位置とに選択的に位置付ける。ここで、支持機構237周りにはベース材223の下面と底壁233bの上面とに固定されて伸縮自在な蛇腹部材239が設けられ、保持手段220の上下動に伴い伸縮することで液状樹脂等が入り込まないように構成されている。
【0030】
また、噴射ノズル231は、スプレ方式の2流体ノズルであって、液状樹脂に空気を混合させることで液状樹脂をウエーハ10の表面に向けて上空から霧状に噴出させるものである。これら噴射ノズル231を支持する移動部232は、筐体233の一つの側壁233sに前後方向に沿わせて形成されたスリット溝250を介して外部に延設された延設部232aが移動機構251に連結されることにより、筐体233内を前後方向に移動自在に設けられている。移動機構251は、筐体233の外部手前側に取り付けられた正逆転自在なモータ252と奥側に取り付けられた従動プーリ253とモータ252のモータプーリ252aと従動プーリ253との間に掛け渡された駆動ベルト254とからなり、駆動ベルト254の一部が延設部232aに連結されることにより、モータ252の正逆転に従い移動部232が前後方向に往復動するように構成されている。ここで、移動部232は筐体233内の最奥部が待機位置として設定されている。筐体233の側壁233sには、移動部232の移動を安定させるためのガイドレール255が設けられている。
【0031】
さらに、保護膜被覆装置200は、筐体233の内壁233iに洗浄水を供給する洗浄水シャワーノズル271と、噴射ノズル231の先端を洗浄する先端洗浄ノズル272と、保持手段220を洗浄するテーブル洗浄ノズル273と、を備えている。洗浄水シャワーノズル271は、筐体233の4つの内壁233iの上部側位置にそれぞれ取り付けられて内壁233i側に向けて洗浄水を噴出する多数の噴出口を有するパイプ状のものである。先端洗浄ノズル272は、複数の洗浄水の噴出口が噴射ノズル231の先端付近に近接対向するように移動部232に支持されたパイプ状のものである。テーブル洗浄ノズル273は、複数の洗浄水の噴出口が下向きとなるようにして移動部232に支持されたパイプ状のものである。これら洗浄水シャワーノズル271、先端洗浄ノズル272およびテーブル洗浄ノズル273は、適宜のタイミングで対象物の洗浄を行う。
【0032】
また、筐体233の一つの側壁233sの中央上部側には、図示しない吸引源に連通する吸引開口281が形成されている。
【0033】
次に、レーザ加工装置1の動作について説明する。まず、環状のフレーム11に粘着テープ12を介して支持された加工前のウエーハ10は、加工面である表面を上側にしてカセット13の所定位置に収容されている。カセット13の所定位置に収容された加工前のウエーハ10は、昇降手段によってカセットテーブル131が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。そして、ウエーハ搬出入手段14が進退作動して搬出位置に位置付けられたウエーハ10を仮置き部15aに配設された仮置きテーブル15に搬出する。仮置きテーブル15に搬出されたウエーハ10に対して、中心位置を合わせる中心位置合わせ工程が実施される。
【0034】
仮置きテーブル15によって中心位置合わせされた加工前のウエーハ10は、保持手段161によって吸引保持され、支持手段162を中心とする旋回動作によって保護膜被覆装置200の保持手段220上に搬送される。このとき、筐体233に対してシート状カバー部材202はモータ駆動により開放位置に移動して開口部233aは開放状態にあり(後述する)、また、保持手段220はエアーシリンダ237bの上昇動作により図4に示すようなウエーハ10の着脱が可能な着脱位置に位置付けられている。さらに、フレーム挟持部222は、図4に示すように開放状態とされている。これにより、保持手段220上に搬送されたウエーハ10はウエーハ保持部221上に吸引保持されるとともに、エアーシリンダ227の作動によりフレーム挟持部222がフレーム11の左右両端を押えるように閉じられる。
【0035】
この後、エアーシリンダ237bの下降動作により、保持手段220に保持されたウエーハ10を、図5に示すような収納位置に位置付ける。そして、筐体233に対してシート状カバー部材202はモータ駆動により閉塞位置に移動して開口部233aを閉塞状態とする(後述する)。この状態で、モータ252を駆動させて移動部232を後ろ側から手前側にウエーハ10上空を水平に横切るように所定速度で移動させるとともに、ウエーハ10のサイズやウエーハ10の噴射領域に応じた制御手段による開閉弁の開閉制御に従い選択された必要な噴射ノズル231から液状樹脂を下方のウエーハ10に向けて霧状に噴出させることで、ウエーハ10の表面に液状樹脂による保護膜を被覆する。図5は、例えば最大直径サイズのウエーハ10に対して、全ての噴射ノズル231から液状樹脂を霧状に噴出させている様子を示している。図5に示すように、隣接する噴射ノズル231同士で液状樹脂の噴射領域が均等にオーバーラップするように設定されている。なお、液状樹脂としては、例えばPVA(Poly Vinyl Alcohol)、PEG(Poly Ethylene Glycol)、PEO(Poly Ethylene Oxide)等の水溶性のレジストが望ましい。このような動作時に、フレーム11の左右両端付近は、噴射ノズル231から噴射される液状樹脂や筐体233内を浮遊する液体樹脂が存在していても、フレーム挟持部222によってカバーされることで遮断されるので、液状樹脂が付着することはない。また、筐体233の開口部233aは、シート状カバー部材202により閉塞されているので、液状樹脂等が筐体233外に飛散することもない。
【0036】
移動部232が手前側まで移動したら、噴射ノズル231による液状樹脂の噴射を停止させるとともに、モータ252を逆転させて移動部232を最奥部なる待機位置に戻す。そして、ウエーハ10の表面に霧状に噴出された液状樹脂は、経時的に硬化し、5μm厚程度の保護膜(図示せず)となる。ここで、これら一連の動作において、加熱手段224は常時加熱状態にあり、保持手段220およびフレーム11を介してウエーハ10を加熱しているので、ウエーハ10の表面に被覆された保護膜の乾燥が促進され、短時間で乾燥する。加えて、これら一連の動作において、吸引源も常時作動状態にあり、吸引開口281を介して筐体233内が吸気され、液状樹脂が噴射された筐体233内の湿度が低下するので、保護膜の乾燥が一層促進される。
【0037】
ウエーハ10の加工面である表面に保護膜を被覆した後、シート状カバー部材202をモータ駆動により開放位置に移動させて開口部233aを開放状態とし(後述する)、また、保持手段220はエアーシリンダ237bの上昇動作により図4に示すようなウエーハ10の着脱が可能な着脱位置に位置付ける。さらに、フレーム挟持部222は、図4に示すように開放状態とし、ウエーハ保持部221に対する吸引保持も解除する。そして、ウエーハ保持部221上のウエーハ10に関して、フレーム11の左右両端を第2の搬送手段17の搬送パッド171によって吸引保持し、X軸方向のスライド動作によってチャックテーブル3上に搬送し、吸引保持させる。このようにしてウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル3は、図示しない移動手段によってX軸方向に移動することにより、レーザ光線照射手段4に配設された撮像手段5の直下に位置付けられる。
【0038】
一方、筐体233内においては、保護膜を被覆したウエーハ10を取り出すタイミング毎に、制御手段による制御の下に、洗浄水シャワーノズル271の噴出口から内壁233iに向けて洗浄水をシャワー状に噴出させることで内壁233iの洗浄が実行されるとともに、先端洗浄ノズル272の噴出口から各噴射ノズル231の先端に向けて洗浄水を噴出させることで先端に溜まった泡などの洗浄が実行される。洗浄水は、余分な液状樹脂等とともに、底壁233b上を傾斜に従い下流側に流れ、排水口236から筐体233外に排出される。
【0039】
チャックテーブル3が撮像手段5の直下に位置付けられると、撮像手段5および図示しない制御手段によってウエーハ10に所定方向に形成されているストリートと、ストリートに沿ってパルスレーザ光線を照射するレーザ光線照射手段4との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理が実行され、レーザ光線照射位置のアライメントが遂行される。また、ウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直角に延びるストリートに対しても、同様にレーザ光線照射位置のアライメントが遂行される。
【0040】
以上のようにしてチャックテーブル3上に保持されているウエーハ10に形成されているストリートを検出し、レーザ光線照射位置のアライメントが行われたら、チャックテーブル3をレーザ光線を照射するレーザ光線照射手段4が位置するレーザ光線照射領域に移動し、所定のストリートをレーザ光線照射手段4の直下に位置付ける。そして、レーザ光線照射手段4からパルスレーザ光線を照射しつつチャックテーブル3、すなわちウエーハ10をX方向に所定の加工送り速度で移動させる。そして、ストリート101の他端がレーザ光線照射手段4の直下位置に達したら、パルスレーザ光線の照射を停止するとともにチャックテーブル3、すなわちウエーハ10の移動を停止する。このようなレーザ光線照射工程を実行することにより、ウエーハ10のストリートにはレーザ加工溝が形成される。このとき、レーザ光線の照射によりデブリが発生しても、このデブリは保護膜によって遮断され、デバイスおよびボンディングパッド等に付着することはない。このようなレーザ光線照射工程をウエーハ10の全てのストリートに対して実行する。
【0041】
上述のレーザ光線照射工程をウエーハ10の全てのストリートに沿って実行した後、ウエーハ10を保持しているチャックテーブル3を、最初にウエーハ10を吸引保持した位置に戻し、ここでウエーハ10の吸引保持を解除する。そして、ウエーハ10を有するフレーム11の左右両端を第2の搬送手段17の搬送パッド171によって吸引保持し、支持手段173を中心とする旋回動作によって洗浄手段8を構成するスピンナーテーブル81上に搬送し、スピンナーテーブル81上に吸引保持させる。そして、スピンナーテーブル81によってウエーハ10を回転させながら洗浄ノズルから洗浄水を供給することで、ウエーハ10の表面に被覆された水溶性の保護膜を洗い流す。このとき、レーザ加工時に発生したデブリも一緒に除去される。
【0042】
洗浄が完了し、エアーノズルからのエアー供給によりウエーハ10が乾燥したら、スピンナーテーブル81に保持されているウエーハ10の吸引保持を解除する。そして、スピンナーテーブル81上の加工後のウエーハ10は、第1の搬送手段16によって仮置き部15aに配設された仮置きテーブル15に搬出する。仮置きテーブル15に搬出された加工後のウエーハ10は、ウエーハ搬出入手段14によってカセット13の所定位置に収納される。
【0043】
なお、加工済みのウエーハ10を洗浄手段8に搬送し、洗浄工程および乾燥工程を実行している間に、ウエーハ搬出入手段14を作動して次に加工する加工前のウエーハ10をカセット13から仮置きテーブル15に搬出し、仮置きテーブル15に搬出されたウエーハ10を第1の搬送手段16によって保護膜被覆装置200に搬送する。そして、保護膜被覆装置200に搬送された次に加工するウエーハ10に対して上述の保護膜被覆工程を同様に実行する。このようにして保護膜被覆工程が実行されたウエーハ10は、第2の搬送手段17によってチャックテーブル3上に搬送され、上述したレーザ光線照射工程が実行される。そして、レーザ光線照射工程が実行されたウエーハ10は、第2の搬送手段17によって洗浄手段8に搬送され、上述した洗浄工程および乾燥工程が実行される。
【0044】
そして、カセット13に収容された所定枚数の全てのウエーハ10について加工処理が終了すると、保護膜被覆装置200においては、ウエーハ10が取り出されて空の保持手段220を収納位置まで下降させ、移動部232によってテーブル洗浄ノズル273を水平方向に移動させながら噴出口から洗浄水を噴出させることで保持手段220周りの洗浄を行う。なお、保持手段220の洗浄は、このようなタイミングに限らず、ユーザーにより設定される適宜タイミング毎でよい。いずれにしても、筐体233の内壁233iや噴射ノズル231の先端ほどは汚れないため、内壁233iや噴射ノズル231の先端の洗浄よりも少ない頻度で洗浄を行えば十分である。
【0045】
つづいて、本実施の形態の筐体カバー機構201について図6〜図9を参照して説明する。図6は、保護膜被覆装置200の筐体カバー機構201部分を主体に示す概略斜視図であり、図7は、図6中のA矢視図であり、図8は、シート状カバー部材202の開閉動作を示す概略側面図であり、図9は、図8の概略平面図である。
【0046】
本実施の形態の筐体カバー機構201は、シート状カバー部材202と移動手段215とからなる。シート状カバー部材202は、筐体233の開口部233aを丁度閉塞し得る大きさに形成されて自由に屈曲可能な可撓性を有するフィルム状の可視性部材である。なお、シート状カバー部材202は、開口部233aの大きさよりも大きめであってもよい。さらに、このシート状カバー部材202は、耐薬品性を有し静電気対策が施された長寿命の部材からなることが望ましい。また、シート状カバー部材202に関して、保護膜を構成する液状樹脂等に対して撥水性あるいは親水性を持たせるか等の特性は適宜設定すればよい。
【0047】
移動手段215は、シート状カバー部材202を、開口部233aを閉塞する閉塞位置と開口部233aを開放する開放位置との間で移動させるためのものである。シート状カバー部材202の移動方向を筐体233の前後方向とした場合、移動手段215は、シート状カバー部材202の移動方向両側(左右両側)に一体となるように連結されて移動方向に延在する左右一対の線状部材203と、この一対の線状部材203をシート状カバー部材203の移動方向に沿って移動させる駆動手段209とからなる。
【0048】
ここで、線状部材203は、例えば幅の狭いエンドレスベルトを用いた無端帯からなり、駆動軸204上に設けられた駆動プーリ205と、従動プーリ206との間にガイドプーリ207,208を介して張設状態で掛け渡されている。駆動手段209は、正逆転自在なモータからなり、モータプーリ210と駆動軸204上の従動プーリ211との間に駆動ベルト212が掛け渡され、駆動手段209の回転駆動力が駆動軸204に伝達され、駆動プーリ205を介して線状部材203を往復方向に周回移動させ得るように構成されている。従動プーリ206は、開口部233aの手前側に位置する第1の側部233mの両端付近にて図示しない支持片によって回転自在に支持され、ガイドプーリ207,208は、開口部233aの奥部側に位置する第2の側部233nの両端付近にて図示しない支持片によって回転自在に支持され、駆動プーリ205を有する駆動軸204の両端は、筐体233の奥側の筐体外壁面233oの途中付近にて図示しない支持片によって回転自在に支持されている。これにより、一対の線状部材203は、開口部233aの対向する第1の側部233mから第2の側部233nを経て筐体外壁面233oに沿って略逆L字状に張設状態で屈曲配設されている。
【0049】
図6、図8等に示すように、シート状カバー部材202は、開口部233a上では、このような無端帯状の線状部材203の上辺側部分に対して連結されている。また、シート状カバー部材202の移動軌跡上に位置させて、閉塞位置規制用センサ213と開放位置規制用センサ214とが設けられている。閉塞位置規制用センサ213は、第1の側部233m付近に配設されて開口部233aを閉塞状態に全閉するときのシート状カバー部材202の手前側端部の移動を検知する光学的センサである。開放位置規制用センサ214は、開口部233aを開放状態に全開するときのシート状カバー部材202の奥側端部の移動を検知する光学的センサである。
【0050】
このような構成において、図8(a)および図9(a)は、シート状カバー部材202が開口部233aを全閉状態に閉塞する閉塞位置にある状態を示している。そして、筐体233内部の保持手段220に対するウエーハ10の出し入れ等のため、あるいは、筐体233内部のメンテナンス等のために、開口部233aを開放させる場合には、図示しない制御手段からの指示により、駆動手段209を例えば正転駆動させる。これにより、駆動プーリ210、駆動ベルト212、従動プーリ211を介して駆動軸204が正転駆動され、駆動プーリ205も正転駆動される。これにより、線状部材203が図8において時計方向に周回移動し、線状部材203に連結されたシート状カバー部材202を図8(b)に示すように開放方向となる後部側に向けて移動させる。シート状カバー部材202の開放方向の移動が進むと、図8(c)に示すように、シート状カバー部材202は、線状部材203の移動に従い駆動プーリ205周りを周回して張設状態で内側に折り返される。そして、シート状カバー部材202の奥側端部(移動方向先端部)が開放位置規制用センサ214の位置に達して、この開放位置規制用センサ214によって検知されると、図示しない制御手段による制御で、駆動手段209の駆動が停止され、シート状カバー部材202の移動も停止する。
【0051】
これにより、シート状カバー部材202は開口部233aを全開する開放位置に位置付けられ、筐体233内部の保持手段220に対するウエーハ10の出し入れ作業や筐体233内部のメンテナンス等が可能となる。
【0052】
一方、筐体233内の保持手段220に保持されたウエーハ10に対する液状樹脂の噴射による保護膜作成のため、図8(c)に示す状態から開口部233aを閉塞させる場合には、図示しない制御手段からの指示により、駆動手段209を例えば逆転駆動させる。これにより、駆動プーリ210、駆動ベルト212、従動プーリ211を介して駆動軸204が逆転駆動され、駆動プーリ205も逆転駆動される。これにより、線状部材203が図8において反時計方向に周回移動し、線状部材203に連結されたシート状カバー部材202を図8(b)に示すように閉塞方向となる前部側に向けて移動させる。シート状カバー部材202の閉塞方向の移動が進むと、図8(a)に示すように、シート状カバー部材202の手前側端部(移動方向先端部)が閉塞位置規制用センサ213の位置に達して、開口部233aを全閉する。シート状カバー部材202の手前側端部が閉塞位置規制用センサ213によって検知されると、図示しない制御手段による制御で、駆動手段209の駆動が停止され、シート状カバー部材202の移動も停止する。
【0053】
これにより、シート状カバー部材202は開口部233aを全閉する閉塞位置に位置付けられ、筐体233内部の保持手段220に保持されたウエーハ10に対する液状樹脂の噴射による反故膜作成作業が可能となる。
【0054】
このようなシート状カバー部材202による開口部233aの閉塞状態によれば、前述したように、噴射ノズル231から噴射される液状樹脂や筐体233内に浮遊する液体樹脂が存在していても、筐体233外に飛散することはない。ここで、シート状カバー部材202は、無端帯状の線状部材203の上辺側に一体となるように連結されており、開口部233aの上縁から若干浮いた位置にあるが、吸引源も常時作動し、吸引開口281を介して筐体233内が吸気される負圧的な状態にあり、開口部233aを覆う可撓性を有するフィルム状部材からなるシート状カバー部材202が開口部233a側に吸い付けられるように変位するので、丁度良い閉塞状態となる。また、シート状カバー部材202は、可視性部材からなるので、開口部233aを閉塞した状態であっても、液状樹脂の噴射状況等の筐体233内部の様子を外から確認することができる。
【0055】
一方、本実施の形態の筐体カバー機構201による開口部233aの開放状態によれば、シート状カバー部材202が装置ハウジング2内に隠れる筐体233の奥側位置に退避し、開口部233a上面に対する出っ張りが殆どない状態となる。よって、開口部233aの開放時にはシート状カバー部材202を筐体233内部のメンテナンス性を阻害しない状態に維持することができる。また、ウエーハ10を出し入れする搬送手段17の搬送パッド171の動作にも支障をきたすことはない。さらに、開口部233aを閉塞する状態では液状樹脂の噴射に伴いシート状カバー部材202の内面に液状樹脂等が付着し、付着した液状樹脂が粘着性を有するが、シート状カバー部材202の開閉移動に際してはシート状カバー部材202を巻き取ることなく展開状態で移動させることができ、巻き取りによるシート状カバー部材同士の重なりをなくし付着物の固着を回避することもできる。そのための筐体カバー機構201の構成としても、線状部材203が、開口部233aの対向する第1の側部233mから第2の側部233nを経て筐体外壁面233oに沿って略逆L字状に屈曲配設されて周回移動する無端帯からなるので、筐体カバー機構201がその開閉動作を含めて筐体233周りに収まる最小限のコンパクトで簡単な構造とすることができる。
【0056】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、ウエーハ10の表面に対して液状樹脂を噴射により塗布する保護膜被覆装置200の筐体233用への適用例として説明したが、ウエーハ表面に洗浄処理を施す洗浄装置の筐体用に適用してもよい。
【0057】
また、保護膜被覆装置200における開口部233aの手前側を第1の側部233mとし、奥側を第2の側部233nとしてシート状カバー部材202を前後方向に移動させるようにしたが、筐体233周りの構造等によっては、奥側を第1の側部とし、手前側を第2の側部としてもよく、或いは、左右方向を移動方向として第1の側部、第2の側部を設定するようにしてもよい。また、筐体233周りの構造等によっては、無端帯状の線状部材203を逆L字状に屈曲させることなく、略水平面上で後方に延在させて配置させてもよい。さらには、線状部材203としては、幅の狭いベルトに限らず、例えばワイヤ、強度のある紐状部材等であってもよい。
【0058】
さらには、本実施の形態では、線状部材203として無端帯状のものを用いたが、必ずしも無端帯状である必要はなく、両端を有する長めの線状部材を用いるようにしてよい。この場合、例えば、線状部材の一端を巻き取り機構に連結し、他端側を巻き取り側に付勢された繰り出し機構に連結し、或いは、カウンタウエイトに連結することで、線状部材が往復移動するようにすればよい。
【0059】
さらには、シート状カバー部材を移動させる移動手段として、線状部材を用いずに、シート状カバー部材と一体的に構成され、巻き取り方向に付勢されて繰り出し自在なロールシート構造とすることも可能である。この場合、ロール(シート状カバー部材)収納時に液状樹脂が付着したシート状カバー部材が巻き取りにより重なってしまうので、シート状カバー部材に対する付着物のない洗浄装置用の筐体カバー機構として用いるのがよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態の筐体カバー機構を備える保護膜被覆装置が一体に組み込まれたレーザ加工装置を示す外観斜視図である。
【図2】保護膜被覆装置の分解斜視図である。
【図3】チャックテーブルが収容位置に位置付けられた保護膜被覆装置を示す斜視図である。
【図4】チャックテーブルが着脱位置に位置付けられた保護膜被覆装置を示す斜視図である。
【図5】噴射ノズルによる液状樹脂の噴出状況を示す概略縦断正面図である。
【図6】保護膜被覆装置の筐体カバー機構部分を主体に示す概略斜視図である。
【図7】図6中のA矢視図である。
【図8】シート状カバー部材の開閉動作を示す概略側面図である。
【図9】図8の概略平面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 ウエーハ
201 筐体カバー機構
202 シート状カバー部材
203 線状部材
209 駆動手段
215 移動手段
220 保持手段
230 ウエーハ処理手段
233 筐体
233a 開口部
233m 第1の側部
233n 第2の側部
233o 筐体外壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハを保持する保持手段と該保持手段に保持されたウエーハの表面に洗浄或いは溶液塗布の処理を施すウエーハ処理手段とを少なくとも内蔵した筐体の上方に開口した開口部を開閉可能に覆う筐体カバー機構であって、
少なくとも前記開口部を閉塞し得る大きさを有し可撓性を有するシート状カバー部材と、
該シート状カバー部材を、前記開口部を閉塞する閉塞位置と前記開口部を開放する開放位置との間で移動させる移動手段と、
を備えることを特徴とする筐体カバー機構。
【請求項2】
前記移動手段は、
前記シート状カバー部材の移動方向両側に連結されて移動方向に延在する一対の線状部材と、
該線状部材を前記シート状カバー部材の移動方向に沿って移動させる駆動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の筐体カバー機構。
【請求項3】
前記線状部材は、前記開口部の対向する第1の側部から第2の側部を経て前記筐体外壁面に沿って略逆L字状に屈曲配設されて周回移動する無端帯からなることを特徴とする請求項2に記載の筐体カバー機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−129993(P2009−129993A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300901(P2007−300901)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】