説明

管理端末障害検知システム

【課題】各端末間で直接通信が可能なネットワークにおいて、管理端末候補が各端末に対して端末状態を確認し、その結果に基づいて管理端末の障害発生を検知する管理端末障害検知方法を提供する。
【解決手段】通常時においては、管理端末101は、管理端末候補103を含む通信端末102〜104に、ネットワーク100に参加している通信端末の情報を含む参加端末情報を周期的に送信している。管理端末候補103は、管理端末101から周期的に送信される当該参加端末情報が一定時間以上受信できなくなった場合に、ネットワーク100に参加している自端末以外の他の通信端末102及び104との間で直接通信を行って、それらの通信端末において参加端末情報が正常に受信できているか否かを確認し、当該確認結果に基づいて、管理端末101の障害を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は管理端末障害検知システムに関し、特に、通信端末間での直接通信が可能なネットワークにおける管理端末障害検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線ネットワークは、配線が不要な点やレイアウト変更が容易な点等の利点を活かして、オフィス環境だけでなく一般家庭にも普及しており、将来的には無線を利用した家庭内ネットワークが構築されることも予想される。
【0003】
無線ネットワークの構成は、アクセスポイントを中心として、各端末間の通信は全てアクセスポイントを経由して行われるインフラストラクチャ・モードと、アクセスポイントは存在せず、各端末間で直接通信を行うアドホック・モードとに大別される。
【0004】
インフラストラクチャ・モードでは、各端末間の通信は全てアクセスポイントを経由して行われるため、各端末はアクセスポイントとの通信が可能であれば、ネットワーク内の全ての端末との通信が保証される。しかしながら、ネットワーク内の全ての通信がアクセスポイントを経由して行われるため、各端末間で直接通信する場合と比べて通信帯域の利用効率は半減してしまう。また、アクセスポイントに障害が発生した場合には、ネットワーク内の全ての通信が遮断される。
【0005】
一方、アドホック・モードでは、アクセスポイントを必要とせず、各端末間で直接通信が可能である。従って、インフラストラクチャ・モードと比べて通信帯域を効率的に利用することが可能である。しかしながら、各端末間で直接通信が可能でない場合には、ネットワーク内の全ての端末との通信は保証されない。
【0006】
そのため、アクセスポイントを使用せず、無線通信端末間で直接通信を行うよう構成された無線ネットワークにおいて、ネットワーク内の通信の到達性を保証するための無線通信システム、無線通信端末および無線通信システムへの参加方法についての提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2003−318917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の無線ネットワークでは、参加端末情報を管理するマスタ端末を設定しており、周期的に参加端末情報を送信することで、ネットワーク内の通信の到達性を保証することが示されている。しかしながら、無線ネットワークでは、時間の経過と共に無線環境の変化や、マスタ端末の障害等により、ネットワークからマスタ端末が不在になる可能性があるという問題点があった。
【0009】
また、特許文献1に記載の発明においては、ネットワークへ参加している無線通信端末が、マスタ端末から送信される参加端末情報を一定時間以上受信できなかった場合に、ネットワークからマスタ端末が抜けたことを検知する方法が示されているが、マスタ端末がネットワークから抜けたのではなく、一定時間以上受信できなかった無線通信端末自身がネットワークから抜けてしまう可能性もあるという問題点があった。
【0010】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、アクセスポイントを使用せずに各端末間での直接通信が可能なネットワークにおいて、ネットワーク内の各通信端末の通信状態に基づいて管理端末の障害を確実に検知することができる管理端末障害検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、固有の端末識別子を持つ複数の通信端末が接続され、前記通信端末のうちの1つが管理端末となり、各前記通信端末が相互に直接通信可能なネットワークにおける管理端末障害検知システムであって、前記管理端末は、前記ネットワークへ参加している前記通信端末から周期的に送信される通信状態情報を受信する通信状態情報受信手段と、受信した前記通信状態情報に基づいて、前記ネットワークへ参加している前記通信端末の参加情報を含む参加端末情報を生成する参加端末情報生成手段と、生成した前記参加端末情報を周期的に各前記通信端末に送信する参加端末情報送信手段と、前記ネットワークへ参加している前記通信端末のうちの1つを管理端末候補として選定する管理端末候補選定手段とを備え、前記通信端末は、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報を受信する参加端末情報受信手段と、受信した前記参加端末情報に基づいて、前記ネットワークへ参加している自端末以外の前記通信端末と通信可能かどうかについて、各通信端末との通信状態をユニキャスト通信により確認する通信状態確認手段と、確認した前記通信状態に基づいて、前記ネットワークへ参加している前記通信端末との通信状態情報を生成する通信状態情報生成手段と、生成した前記通信状態情報を周期的に前記管理端末へ送信する通信状態情報送信手段とを備え、前記管理端末候補は、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報が一定時間以上受信できなくなった場合に、前記ネットワークへ参加している前記通信端末に対して、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報が受信可能かどうかについて端末状態を確認する端末状態確認手段と、確認した端末状態に基づいて、前記管理端末に障害が発生したことを判断する管理端末障害判断手段とを備えることを特徴とする管理端末障害検知システムである。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、固有の端末識別子を持つ複数の通信端末が接続され、前記通信端末のうちの1つが管理端末となり、各前記通信端末が相互に直接通信可能なネットワークにおける管理端末障害検知システムであって、前記管理端末は、前記ネットワークへ参加している前記通信端末から周期的に送信される通信状態情報を受信する通信状態情報受信手段と、受信した前記通信状態情報に基づいて、前記ネットワークへ参加している前記通信端末の参加情報を含む参加端末情報を生成する参加端末情報生成手段と、生成した前記参加端末情報を周期的に各前記通信端末に送信する参加端末情報送信手段と、前記ネットワークへ参加している前記通信端末のうちの1つを管理端末候補として選定する管理端末候補選定手段とを備え、前記通信端末は、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報を受信する参加端末情報受信手段と、受信した前記参加端末情報に基づいて、前記ネットワークへ参加している自端末以外の前記通信端末と通信可能かどうかについて、各通信端末との通信状態をユニキャスト通信により確認する通信状態確認手段と、確認した前記通信状態に基づいて、前記ネットワークへ参加している前記通信端末との通信状態情報を生成する通信状態情報生成手段と、生成した前記通信状態情報を周期的に前記管理端末へ送信する通信状態情報送信手段とを備え、前記管理端末候補は、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報が一定時間以上受信できなくなった場合に、前記ネットワークへ参加している前記通信端末に対して、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報が受信可能かどうかについて端末状態を確認する端末状態確認手段と、確認した端末状態に基づいて、前記管理端末に障害が発生したことを判断する管理端末障害判断手段とを備えることを特徴とする管理端末障害検知システムであるので、アクセスポイントを使用せずに各端末間での直接通信が可能なネットワークにおいて、ネットワーク内の各通信端末の通信状態に基づいて管理端末の障害を確実に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明による管理端末障害検知システムの実施の形態について説明する。
【0014】
(ネットワークの概要)
図1は、この発明におけるネットワークの構成例を示した図である。図1に示すように、この発明におけるネットワークでは、アクセスポイントが存在せず、ネットワーク内の各通信端末間において直接通信が可能なように構成したものである。
【0015】
図1において、ネットワーク100には複数の通信端末101〜104が接続されており、図中の矢印は、各通信端末101〜104間で直接通信が可能であることを示している。各通信端末には、固有の端末識別子が振り当てられており、当該固有識別子を用いて互いに通信相手を識別するようにする。従って、情報を送信するときには、送信元が特定できるように、自身の端末識別子を当該情報に付加情報として付加して送信する。ネットワーク100内において、通信端末101は管理端末として動作しており(以下、管理端末101と呼ぶ。)、管理端末101は、ネットワーク100へ参加している全ての通信端末102〜104の情報を含む参加端末情報をブロードキャスト通信により周期的に送信する。なお、ブロードキャスト通信とは、ネットワーク内で、不特定多数の相手に向かってデータを送信することである。ブロードキャスト通信でデータを送信する場合には、ネットワーク全体を意味する特殊なアドレスを指定することによって送信処理を行う。
【0016】
ネットワーク100に参加している通信端末102〜104は、管理端末101から送信される参加端末情報を受信することで、ネットワーク100へ参加している端末情報を把握することが可能である。通信端末102〜104は、参加端末情報に基づいてネットワーク100へ参加している全ての通信端末102〜104との通信状態を確認し、その結果を通信状態情報として管理端末101へユニキャスト通信により周期的に送信する。なお、ユニキャスト通信とは、ネットワーク内で、単一のアドレスを指定して特定の相手にデータを送信することである。
【0017】
また、参加端末情報には、管理端末101が選定した管理端末候補の情報も含まれており、ネットワーク100内では、通信端末103が管理端末候補として選定されている。
【0018】
(管理端末の動作)
図2は、図1における管理端末101の動作フローを示した図である。管理端末101は、ステップS201において、ネットワーク100へ参加している通信端末102〜104から周期的に送信される通信状態情報を受信し、ネットワーク100における通信端末102〜104の通信状態を把握する。
【0019】
管理端末101は、ステップS202において、ネットワーク100における通信端末102〜104の通信状態情報に基づいて管理端末候補を選定する。管理端末候補の選定には、例えばネットワーク内で通信状態が最も良好な通信端末を選定する。図1においては、通信端末103が管理端末候補として選定されている。
【0020】
管理端末101は、ステップS203において、ネットワーク100へ参加している全通信端末に関する通信端末情報と、ステップS302で選定した管理端末候補の情報と、各通信端末102〜104が通信状態を確認するタイミング情報とを含めた参加端末情報を生成する。
【0021】
管理端末101は、ステップS204において、ステップS203で生成した参加端末情報をブロードキャスト通信によりネットワーク100内の通信端末102〜104へ送信する。参加端末情報の送信後、再びステップS201に戻り、各端末102〜104から送信されてくる通信状態情報の受信待ち状態となる。
【0022】
(通信端末の動作)
図3は、図1における通信端末102〜104の動作フローを示した図である。通信端末102〜104は、ステップS301において、管理端末101から周期的に送信される参加端末情報を受信するタイミングを通知するための受信タイマ502〜504(図5参照)を設定する。受信タイマ502〜504は、ステップS301の時点から経過時間を測定し始め、周期的に送信される参加端末情報を受信するタイミングになったときに、通信端末102〜104が参加端末情報を受信するように指示信号を出力する。
【0023】
通信端末102〜104は、ステップS302において、管理端末101から周期的に送信される参加端末情報を受信し、当該参加端末情報に含まれている通信端末情報から、ネットワーク100に参加している通信端末の情報を確認する。
【0024】
通信端末102〜104は、ステップS303において、ステップS302において受信した参加端末情報に含まれるタイミング情報に基づいて、通信状態確認タイマ(図示省略)を設定する。通信状態確認タイマは、上記の受信タイマ502〜504とは別個に用意するものとし、共用しないようにしてもよく、あるいは、同一のものを共用するようにしてもよい。通信状態確認タイマは、ステップS303の時点から経過時間を測定し始め、上記タイミング情報に基づく所定時間が経過したときに、通信端末102〜104が各通信端末の通信状態を確認するように指示信号を出力するものである。
【0025】
通信端末102〜104は、ステップS304において、ステップS303において設定した通信状態確認タイマが所定時間を満了したかどうかを確認し、通信状態確認タイマが所定時間を満了した場合には、ステップS305へ移行する。通信状態確認タイマが満了していない場合には、通信状態確認タイマ満了待ち状態となる。
【0026】
通信端末102〜104は、ステップS305において、ステップS302で受信した参加端末情報に基づき、ネットワーク100へ参加している全ての通信端末とユニキャスト通信による直接通信を行うことで、各通信端末との通信が可能かどうかについて各通信端末との通信状態を確認する。
【0027】
通信端末102〜104は、ステップS306において、ステップS305で確認したネットワーク100内における各通信端末との通信状態確認結果を含む通信状態情報を生成する。
【0028】
通信端末102〜104は、ステップS307において、ステップS306で生成した通信状態情報をユニキャスト通信により管理端末101へ送信する。通信端末102〜104は、通信状態情報を送信後、再びステップS301へ戻り、受信タイマ502〜504を設定して、管理端末101から送信されてくる参加端末情報の受信待ち状態となる。
【0029】
通信端末102〜104は、ステップS302において、管理端末101から周期的に送信される参加端末情報を受信できない場合は、ステップS308において、ステップS301において設定した受信タイマ502〜504が満了したかどうかを確認し、受信タイマ502〜504が満了していない場合は、再びステップS302へ戻り、参加端末情報の受信待ち状態となる。
【0030】
一方、通信端末102〜104は、ステップS308において、受信タイマ502〜504の満了を確認した場合には、ステップS309において、通信端末102〜104自身が管理端末候補かどうかを確認する。通信端末102〜104自身が管理端末候補である場合には、該当する通信端末のみが、管理端末の障害確認動作へと移行する。通信端末102〜104自身のいずれもが管理端末候補でない場合には、ネットワーク100から離脱したと判断して離脱状態となる。
【0031】
(管理端末候補の動作)
図4は、図3のステップS309において、通信端末102〜104自身が管理端末候補であると確認した場合の動作フローを示した図である。図1におけるネットワーク100では、通信端末103が管理端末候補として動作している(以下、管理端末候補103と呼ぶ。)。
【0032】
管理端末候補103は、管理端末101から送信される参加端末情報を一定時間以上受信できなかったため、ステップS401において、ネットワーク100へ参加している各通信端末の端末状態を確認する。端末状態の確認は、最後に受信した参加端末情報に基づいて、ユニキャスト通信によりネットワーク100へ参加している各通信端末の状態を確認する。
【0033】
管理端末候補103は、ステップS402において、ステップS401で確認した各通信端末の状態が全て離脱状態であった場合には、管理端末101に障害が発生したと判断して、以降、管理端末として動作する。ステップS401で確認した各通信端末の状態が全て離脱状態でない場合には、管理端末候補103自身がネットワーク100から離脱したと判断して離脱状態となる。
【0034】
(管理端末障害検知の動作)
図5は、この発明における管理端末障害検知の動作フローを示した図である。図5において、管理端末101はネットワーク100へ参加している通信端末に対して、ステップS501において、参加端末情報をブロードキャスト通信により送信する。参加端末情報には、ネットワーク100へ参加している通信端末の情報と共に、ネットワーク100内の各通信端末が通信状態を確認して通信状態情報を管理端末101へ送信するタイミングが示されている。
【0035】
ネットワーク100に参加している通信端末A〜C(符号103,102,104)は、受信した参加端末情報を参照して、受信タイマ502〜504を設定する。ただし、通信端末A(符号103)は管理端末候補であるため、受信タイマ502の設定は、他の通信端末よりも所定間隔だけ長めに設定しておく。
【0036】
通信端末A(符号103)は、受信した参加端末情報を参照して、ステップS505において、ネットワーク100へ参加している他の通信端末との通信状態確認を行い、ステップS506において、管理端末101に対して通信状態情報を送信する。
【0037】
通信端末B(符号102)は、通信端末A(符号103)と同様に、受信した参加端末情報を参照して、ステップS507において、ネットワーク100へ参加している他の通信端末との通信状態確認を行い、ステップS508において、管理端末101に対して通信状態情報を送信する。
【0038】
通信端末C(符号104)は、通信端末A(符号103)および通信端末B(符号102)と同様に、受信した参加端末情報を参照して、ステップS509において、ネットワーク100へ参加している他の通信端末との通信状態確認を行い、ステップS510において、管理端末101に対して通信状態情報を送信する。
【0039】
ステップS511において、図6に示すように、管理端末101に障害が発生したとする。なお、図6において、ステップS512は、本来、管理端末101から参加端末情報が送信されるタイミングを示している。
【0040】
同様に、ステップS513において、本来は管理端末101から次の参加端末情報が送信されるタイミングであるが、ネットワーク内の通信端末A〜Cは、管理端末101からの参加端末情報が受信できないため、通信端末B(符号102)および通信端末C(符号104)において、参加端末情報受信タイマ503および504が所定時間満了となり、通信端末B(符号102)および通信端末C(符号104)は離脱状態となる。なお、この例では、参加端末情報が送信されてくるタイミングの2周期分待っても受信できなかった場合に、離脱状態になると設定されているが、その場合に限らず、所定時間を任意に適宜設定してよいものとする。
【0041】
図6において、ステップS514は、本来、管理端末101からさらなる次の参加端末情報が送信されるタイミングを示している。通信端末A(符号103)は、管理端末候補であるため、受信タイマ502の設定は、他の通信端末よりも所定間隔だけ長め(この例では1周期分だけ長い)に設定してあるため、ステップS514において、受信タイマ502が満了となる。なお、この例では、参加端末情報が送信されてくるタイミングの3周期分待っても受信できなかった場合に、受信タイマ502が満了となるように設定しているが、その場合に限らず、所定間隔を任意に適宜設定してよいものとする。
【0042】
管理端末候補である通信端末A(符号103)は、図6に示すように、ステップS501で最後に受信した参加端末情報を参照して、ステップS515において、通信端末B(符号102)に対して端末状態確認を行う。同様に、ステップS516において、通信端末C(符号104)に対して端末状態確認を行う。
【0043】
管理端末候補である通信端末A(符号103)は、端末状態確認の結果、通信端末B(符号102)および通信端末C(符号104)が離脱状態であるため、管理端末101に障害が発生したと判断して、以降は管理端末101として動作することとなり、ステップS517において参加端末情報を各通信端末に対して送信する。
【0044】
以上のように、本実施の形態においては、各端末間で直接通信が可能なネットワークにおいて、管理端末候補103が、管理端末101から周期的に送信されるはずの参加端末情報が一定時間以上受信できなくなった場合に、ネットワーク100へ参加している自端末以外の他の通信端末102、104との間で直接通信を行って、管理端末101から周期的に送信される上記参加端末情報が正常に受信できているか否かについて端末状態を確認し、当該確認結果に基づいて、全ての通信端末が参加端末情報を一定時間以上受信できていなかった場合にのみ、管理端末101に障害が発生したとして検出するようにしたので、誤検出の発生を抑え、管理端末101の障害発生を確実にかつ正確に検知することができる。また、障害発生後は、自身が管理端末として動作するようにしたので、ネットワーク100内の全ての通信端末との通信が常に保証され、信頼性の高い通信ネットワークを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の実施の形態1におけるネットワークの構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1における管理端末の動作フローを示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における通信端末の動作フローを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1における管理端末候補の動作フローを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1における管理端末障害検知の動作フローを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1における管理端末障害検知の動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100 ネットワーク、101 管理端末(通信端末)、102,103,104 通信端末、502,503,504 受信タイマ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の端末識別子を持つ複数の通信端末が接続され、前記通信端末のうちの1つが管理端末となり、各前記通信端末が相互に直接通信可能なネットワークにおける管理端末障害検知システムであって、
前記管理端末は、
前記ネットワークへ参加している前記通信端末から周期的に送信される通信状態情報を受信する通信状態情報受信手段と、
受信した前記通信状態情報に基づいて、前記ネットワークへ参加している前記通信端末の参加情報を含む参加端末情報を生成する参加端末情報生成手段と、
生成した前記参加端末情報を周期的に各前記通信端末に送信する参加端末情報送信手段と、
前記ネットワークへ参加している前記通信端末のうちの1つを管理端末候補として選定する管理端末候補選定手段と
を備え、
前記通信端末は、
前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報を受信する参加端末情報受信手段と、
受信した前記参加端末情報に基づいて、前記ネットワークへ参加している自端末以外の前記通信端末と通信可能かどうかについて、各通信端末との通信状態をユニキャスト通信により確認する通信状態確認手段と、
確認した前記通信状態に基づいて、前記ネットワークへ参加している前記通信端末との通信状態情報を生成する通信状態情報生成手段と、
生成した前記通信状態情報を周期的に前記管理端末へ送信する通信状態情報送信手段と
を備え、
前記管理端末候補は、
前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報が一定時間以上受信できなくなった場合に、前記ネットワークへ参加している前記通信端末に対して、前記管理端末から周期的に送信される前記参加端末情報が受信可能かどうかについて端末状態を確認する端末状態確認手段と、
確認した端末状態に基づいて、前記管理端末に障害が発生したことを判断する管理端末障害判断手段と
を備えることを特徴とする管理端末障害検知システム。
【請求項2】
前記管理端末候補は、上記管理端末障害判断手段によって、前記ネットワークへ参加している全ての前記通信端末が、前記管理端末より周期的に送信される前記参加端末情報が受信できないことを確認した場合にのみ、前記管理端末に障害が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の管理端末障害検知システム。
【請求項3】
前記管理端末候補は、上記管理端末障害判断手段によって、前記管理端末に障害が発生したと判断した場合には、その時点から動作を切り替えて、管理端末として動作することを特徴とする請求項1または2に記載の管理端末障害検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−295122(P2007−295122A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118407(P2006−118407)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「デジタル情報機器相互運用基盤(AV系情報家電ホームネットワークの研究開発)」助成事業、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】