説明

管用プラズマ処理装置

【課題】プラズマ発生電極を管軸方向に相対的に移動させてゆくことで、管体の内周面に、洗浄、滅菌、表面処理などの所定の処理を行う管用プラズマ処理装置において、小径の管体に対応できるようにする。
【解決手段】プラズマ発生電極1の内、管体10内で相対的に移動させる電極を内側電極の陽極11のみとし、外側電極の陰極12を、電気絶縁性の材料から成る管体10の外周面に臨む環状に形成する。そして、管体10をチャック52A,52Bによって架台上に固定し、移動台41に前記陰極12および陽極11が先端に取付けられたケーブル3の基端34を固定し、矢府F方向に移動させることで、陰極12内に管体10を、その管体10内に陽極11を、連動して挿入してゆく。したがって、従来では外側電極の外周以上の径に制約されていた処理可能な管体10の内径を、大幅に小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体内でプラズマ発生電極を管軸方向に移動させ、前記管体の内周面にプラズマを照射することで、洗浄、滅菌、表面処理などの所定の処理を行う管用プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NOxやSOxの分解をはじめ、有害物質の除去技術にプラズマは不可欠になってきている。その理由は、プラズマ中では電子の非弾性衝突により、ガスに励起、解離、電離等の反応が起こり、その結果、化学的に活性な粒子が豊富に生成されるため、これらの活性種を有害成分を含んだ空気に導き、そこで起こる様々な化学反応により有害成分の分解を行うことができるからである。特に、プラズマ滅菌技術は、従来の加熱法や薬品処理法に比べて設備が簡便であり、取り扱いが易しいという利点を有している。
【0003】
そこで、そのプラズマ滅菌技術を管体に適用できるようにした上記のような管用プラズマ処理装置の典型的な従来技術は、特許文献1に示されている。その従来技術によれば、給電ケーブルの先端に外部電極と中心電極とから成る放電電極を取付け、移動機構によって、前記給電ケーブルを押込み/引出すことで、前記放電電極に管体内を走行させ、内周面全面を滅菌するようにした管用プラズマ滅菌装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−210556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、処理可能な管体の内径は、当然ながら放電電極の外周以上の径となる。すなわち、外側電極(外部電極)の外周以上の径となる。この従来技術は、内視鏡におけるサンプル採取や処置などのために使用される管体の滅菌のために使用され、適用可能な径は、数mm程度である。したがって、たとえば1mm以下の内径のカテーテルなどの大幅に小径な管体の処理は行うことができない。
【0005】
本発明の目的は、処理可能な管体の内径を、小さくすることができる管用プラズマ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の管用プラズマ処理装置は、プラズマ発生電極を管軸方向に相対的に移動させてゆくことで、管体の内周面に所定の処理を行う管用プラズマ処理装置において、前記管体内で相対的に移動させる電極を内側電極の陽極のみとし、外側電極の陰極を、電気絶縁性の材料から成る管体の外周面に臨む環状に形成し、前記陰極を前記陽極に連動させて前記管軸方向に相対的に移動させてゆく連動手段を備えることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、プラズマ発生電極を管軸方向に相対的に移動させてゆくことで、管体の内周面に、洗浄、滅菌、表面処理などの所定の処理を行う管用プラズマ処理装置において、前記管体が電気絶縁性の材料から成る場合、プラズマ発生電極を構成する内側電極の陽極と環状の外側電極の陰極とを分離し、それぞれ管体の内側と外側とに配置する。そして、内側電極の陽極の変位に連動して、前記管体の外側で、外側電極の陰極を変位させる連動手段を設ける。
【0008】
したがって、従来では外側電極の外周以上の径に制約されていた処理可能な管体の内径を、大幅に小さくすることができ、小径の管体の内周面に所定のプラズマ処理を行うことができる。
【0009】
また、本発明の管用プラズマ処理装置では、前記内側電極の陽極は、前記管体内で、該陽極に給電を行うケーブルによって推進または牽引され、前記連動手段は、前記陰極を一端部に支持する移動台と、前記移動台の他端部において前記ケーブルの基端側を支持する連結ブロックとを備えて構成されることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、内側電極の陽極が前記管体内で給電を行うケーブルによって推進または牽引される場合、前記連動手段としては、前記陰極を一端部に支持する移動台と、前記移動台の他端部において前記ケーブルの基端側を支持する連結ブロックとを備えて構成し、移動台が移動することで、該移動台に支持された陰極および連結ブロックからケーブルを介して支持される陽極が連動して移動することになる。
【0011】
したがって、簡単な構成で、前記陽極に連動させて陰極を移動させる連動手段の一構成例を実現することができる。
【0012】
さらにまた、本発明の管用プラズマ処理装置では、前記外側電極の陰極が架台に固定されるとともに、前記内側電極の陽極は、該陽極に給電を行うケーブルの遊端に取付けられ、前記陽極が陰極内に位置するように、前記ケーブルの他端が前記架台に固定され、前記管体内に陽極が挿入されるとともに、管体の外周面が前記陰極の内周面を挿通してゆくように、前記架台上で、前記管体を管軸方向に変位させる変位手段とを備え、それらの架台および変位手段が前記連動手段を構成することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、外側電極の陰極および内側電極の陽極が架台に固定され、その架台上で、変位手段によって前記管体を管軸方向に変位させることで、前述のようにプラズマ発生電極を管軸方向に相対的に移動させてゆくようにする。そして、前記陰極を架台に固定するとともに、陽極をケーブルの遊端に取付け、前記陽極が陰極内に位置するように前記ケーブルの他端を前記架台に固定することで、この架台および前記変位手段が前記連動手段を構成し、陽極に陰極を連動させて管体に対して相対的に移動させることができる。すなわち、陽極と陰極との間に、管体を差込んでゆくことで、ケーブルによって陽極を管体内に推進させてゆくことができ、管体を抜出してゆくことで、ケーブルによって陽極を管体内で牽引させてゆくことができる。
【0014】
したがって、簡単な構成で、前記陽極に連動させて陰極を移動させる連動手段の一構成例を実現することができる。
【0015】
また、本発明の管用プラズマ処理装置では、前記内側電極の陽極は、前記管体の内周面上を摺動することができる支持部材によって前記管体の中心に支持されており、前記支持部材は、前記陽極を保持する筒状の保持部と、前記保持部の外周面から外方に延びて形成され、前記ケーブルの基端側から供給される処理ガスを螺旋状に吹出す羽根状の整流部材とを備えて構成されることを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、前述のように内側電極の陽極が前記管体内で給電を行うケーブルによって推進または牽引される場合、その内側電極の陽極は、前記管体の内周面上を摺動することができる支持部材によって前記管体の中心(=外側電極の陰極の中心)に支持される必要があり、その支持部材は、前記陽極を保持する保持部と、前記保持部から外方に延びて形成され、前記管体の内周面上を摺動することができる摺動部材とで構成される。そこで、前記保持部を筒状に形成し、前記ケーブルの基端側から供給される処理ガスの流路を確保するための隙間を要する前記摺動部材を羽根状の整流部材に形成し、供給された処理ガスを螺旋状に吹出すようにする。
【0017】
したがって、プラズマ(プルーム)を管体の内周面に均等に発生させることができる。
【0018】
さらにまた、本発明の管用プラズマ処理装置では、前記整流部材は、ウォームギアの形状に形成されていることを特徴とする。
【0019】
上記の構成によれば、前記整流部材が前記管体の内周面上を管軸方向に摺動してゆくと、ウォームギアの形状による外周面の歯が、前記管軸方向とは交差して斜めに内周面上を摺動してゆくことになる。
【0020】
したがって、プラズマ処理の残渣などを除去したり、膜形成された内周面を平滑に仕上げたりすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の管用プラズマ処理装置は、以上のように、プラズマ発生電極を管軸方向に相対的に移動させてゆくことで、管体の内周面に、洗浄、滅菌、表面処理などの所定の処理を行う管用プラズマ処理装置において、前記管体が電気絶縁性の材料から成る場合、プラズマ発生電極を構成する内側電極の陽極と環状の外側電極の陰極とを分離し、それぞれ管体の内側と外側とに配置し、内側電極の陽極の変位に連動して、前記管体の外側で、外側電極の陰極を変位させる連動手段を設ける。
【0022】
それゆえ、従来では外側電極の外周以上の径に制約されていた処理可能な管体の内径を、大幅に小さくすることができ、小径の管体の内周面に所定のプラズマ処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の一形態に係る管用プラズマ処理装置Sの一部の構成を示す水平断面図であり、図2はその管用プラズマ処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。この管用プラズマ処理装置Sは、プラズマ発生電極1を管体10の管軸方向に相対的に移動させてゆくことで、管体10の内周面に所定の処理を行うものであり、注目すべきは、前記管体10内で相対的に移動させる電極を内側電極の陽極11のみとし、外側電極の陰極12を、電気絶縁性の材料から成る管体10の外周面に臨む環状に形成し、前記陰極12を前記陽極11に連動させて前記管軸方向に相対的に移動させてゆくことである。図2では、管体10内に陽極11を挿入した状態を示しているけれども、理解し易くするために、管体10は省略している。
【0024】
この管用プラズマ処理装置Sは、大略的に、前記プラズマ発生電極1と、架台2と、ケーブル3と、挿入装置4と、チャック装置5A,5Bと、マイクロ波発生装置6と、図示しない処理ガス供給装置および移動機構とを備えて構成される。
【0025】
プラズマ発生電極1は、後述するようにして、環状の外側電極の陰極12の中心に、棒状の内側電極の陽極11が臨むように配置されて構成され、共に、銅、アルミ、真鍮などの良導電性の金属から形成される。環状の陰極12の下面は、前記挿入装置4の移動台41の一端部411において、支柱42によって支持されるとともに、これらの支柱42、移動台41および架台2を介して接地電位に保持される。陽極11は、ケーブル3の先端部31において、外皮32が剥離されて露出した芯線33の先端331に嵌め込まれるキャップ状に形成され、嵌め込まれた後、半田付けやかしめ止めなどで適宜抜け止め固定される。前記芯線33にこの陽極11が固定された後、前記ケーブル3の先端部31には、支持部材7が固着される。ケーブル3は、裸線であってもよい。
【0026】
図3は、前記支持部材7の一例を示すケーブル3の先端部31の斜視図である。支持部材7は、前記陽極11を保持する筒状の保持部71と、その保持部71の外周面から外方に延びて形成され、後述するように前記ケーブル3の基端34側から供給される処理ガスを螺旋状に均等に吹出す複数枚の羽根状の整流部材72とを備えて構成され、前記整流部材72によって、管体10の中心に陽極11を保持したままで、該管体10の内周面上を摺動することができるようになっている。この支持部材7では、前記整流部材72は、ウォームギアの形状に形成されている。
【0027】
前記チャック装置5Aは、架台1上に固定的に立設されるフレーム51Aに、管体10の先端101をチャックするチャック52Aおよび処理ガスを供給するノズル53を備えて構成される。ノズル53は、図示しない処理ガス供給装置に接続されている。また、チャック装置5Bは、フレーム51Bおよびチャック52Bを備えて構成され、管体10の後端102をチャックする。
【0028】
このように構成されるチャック装置5A,5Bにおいて、初期状態では、チャック装置5Aの位置にプラズマ発生電極1が臨み、支持部材7および陽極11の取付けられたケーブル3の先端部31が、作業者によって前記管体10の先端101から差込まれると、チャック52Aによってその先端101がフレーム51Aに固定され、ノズル53が差込まれることで、前記管体10内に処理ガスの供給が可能となる。また、チャック52Bによって後端102がフレーム51Bに固定される。こうして、管体10は、固定的に立設されたフレーム51A,51Bに備えられているチャック52A,52Bによって、架台1上に位置決め固定される。
【0029】
前記挿入装置4において、移動台41は、図示しない移動機構によって、架台2上を、案内溝21に沿って、管体10およびケーブル3の軸線方向に摺動可能となっている。前記移動台41の他端部412には、連結ブロック8が取付けられている。この連結ブロック8は、ケーブル3の基端部34を、滑らないように、移動台41上で所定の高さに保持固定するものである。
【0030】
したがって、管体10の先端101がチャック52Aにチャックされた状態で、移動台41が矢符F方向に移動すると、環状の陰極12内に管体10が挿入されてゆくとともに、それに連動して、陽極11がケーブル3によって推進され、管体10内に挿入されてゆく。このとき、ケーブル3の剛性が不足すると、該ケーブル3が管体10内で蛇行して、陰極12よりも後方前記矢符Fの上流側に陽極11が位置することになる。しかしながら、陽極11を一旦管体10内の後端102側まで挿入し、その後端102がチャック52Bによってチャックされた状態で、移動台41を矢符Fとは反対方向に或る程度移動すると、該陽極11が伸長したケーブル3によって牽引され、陰極12内に陽極11が位置することになる。こうして、プラズマ放電が可能となり、放電させつつ移動台41を矢符Fとは反対方向に移動させるとともに、前記ノズル53から処理ガスを供給し、管体10内から保持部71の整流部材72間を抜け、プラズマ発生電極1部分に螺旋状に吹出させることで、所望の処理が可能となる。
【0031】
ケーブル3に軸線方向の充分な剛性がある場合には、挿入に伴っても陽極11と陰極12とは連動して変位するので、陽極11の挿入時にプラズマ照射を行ってもよく、挿入時および抜き取り時の両方でプラズマ照射を行ってもよい。しかしながら、片方で行うのであれば、牽引の方が支持部材7の管体10の内周面に対する摺動安定性が高く、したがって上述のように一旦ケーブル3を押込んだ後に、引抜く際にマイクロ波および処理ガスの供給を行い、プラズマ処理を行う方がよい。
【0032】
このように構成することで、従来では外側電極の外周以上の径に制約されていた処理可能な管体の内径を、大幅に小さくすることができ、小径の管体の内周面に所定のプラズマ処理を行うことができる。また、支柱42、移動台41、連結ブロック8およびケーブル3という簡単な構成で、陽極11に連動させて陰極12を移動させる連動手段の一構成例を実現することができる。
【0033】
さらにまた、陽極11を管体10の内周面で保持する支持部材71を、前記陽極11を保持する筒状の保持部71に、その外周面から外方に延びて形成される複数枚の羽根状の整流部材72によって構成し、その整流部材72をウォームギアの形状に形成することで、処理ガスを陽極11の周りに均等に吹出させることができ、プラズマ(プルームP)を管体10の内周面に均等に発生させることができるとともに、整流部材72が管体10の内周面上を管軸方向に摺動してゆくと、ウォームギアの形状による外周面の歯が、前記管軸方向とは交差して斜めに内周面上を摺動してゆくことになり、プラズマ処理の残渣などを除去したり、膜形成された内周面を平滑に仕上げたりすることができる。
【0034】
前記処理ガスとして、たとえば酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用等を行うことができる。また、アルゴンガスのような不活性ガスや窒素ガスを用いれば、表面クリーニングや表面改質を行うことができる。さらにまた、フッ素を含有する化合物ガスを用いれば撥水性表面に改質することができ、親水基を含む化合物ガスを用いることで親水性表面に改質することができる。
【0035】
なお、管体10から陽極11を引出す際に、チャック52Aを開放し、管体10の先端101から陽極11が抜け出るまでプラズマ照射を行うことで、該先端101側は管体10の内周面の全長に亘ってプラズマ照射を行うことができるが、チャック52Bによって保持される後端102側はプラズマ照射されない部分が生じる可能性がある。その場合、陽極11を引出した後に、管体10のその部分を切断すればよい。
【0036】
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の他の形態に係る管用プラズマ処理装置S’の全体構成を示す斜視図である。図4でも、管体10内に陽極11を挿入した状態を示しているけれども、理解し易くするために、管体10は省略している。この管用プラズマ処理装置S’の一部の構成は、前述の図1と同様に表れ、図示を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、プラズマ発生電極1側を架台2’上に固定し、移動台41’上にチャック装置5A,5Bを設け、管体10側を管軸方向に移動させてゆくことである。したがって、前記チャック装置5A,5Bおよび移動台41’は、管体10を移動させる変位手段を構成する。
【0037】
このように管体10側を移動することでも、管体10とプラズマ発生電極1とを、管軸方向に相対的に移動させてゆくことができる。
【0038】
ケーブル3に別体としての陽極11は必ずしも設けられなくてもよく、芯線33が放電に適した材料から成り、損耗や特性の劣化などを許容できる場合には、外皮32が剥離されて露出した芯線33の先端331が、そのまま陽極として使用されてもよい。また、処理ガスによる芯線33の劣化などに問題がなければ、外皮32は特に設けられなくてもよく、その場合、芯線33の径を大きくして、剛性をアップしてもよい。
【0039】
さらにまた、管体10内に挿入する陽極11に或る程度の径が許容される場合、芯線33を管体として、該芯線33内を通して処理ガスを供給するようにしてもよい。その場合、図5で示すように、陽極11’の先端がノズル111となり、支持部材としては、参照符号7’で示すような管体10の内周面に密着するドーナツ状のものも使用することができる。
【0040】
また、前記支持部材としては、図6で示すように、前記陽極11を保持する筒状の保持部71に、複数の突起72a,72b,72cが形成されてもよく、たとえば図6(a)で示す支持部材7aの突起72aは3枚であり、図6(b)で示す支持部材7bの突起72bは4枚であり、図6(c)で示す支持部材7cの突起72cは6枚である。さらにまた、各突起72a,72b,72cも、先端が、図7(a)で示すような円錐状、図7(b)で示すような半球状、図7(c)で示すようなマイナスドライバー状等、管体10の内周面との摩擦が少なく、かつ処理ガスの流路を妨げないような形状であれば、任意の形状に形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る管用プラズマ処理装置は、細い管体の内周面に、洗浄、滅菌、表面処理などの所定の処理を行うことができ、産業用から、医療や食品などの広い分野に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の一形態に係る管用プラズマ処理装置の一部の構成を示す水平断面図である。
【図2】前記管用プラズマ処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図3】プラズマ発生電極の内側電極である陽極を管体の中心に支持する支持部材の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の他の形態に係る管用プラズマ処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図5】ケーブル芯線内を処理ガスが供給可能な場合に用いられる支持部材の一例を示す斜視図である。
【図6】前記支持部材の他の例を示す正面図である。
【図7】図6で示す支持部材における突起形状の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 プラズマ発生電極
2 架台
3 ケーブル
33 芯線
4 挿入装置
41,41’ 移動台
5A,5B チャック装置
51A,51B フレーム
52A,52B チャック
53 ノズル
6 マイクロ波発生装置
7,7’,7a,7b,7c 支持部材
71 保持部
72 整流部材
72a,72b,72c 突起
8 連結ブロック
10 管体
11,11’ 陽極
12 陰極
S,S’ 管用プラズマ処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ発生電極を管軸方向に相対的に移動させてゆくことで、管体の内周面に所定の処理を行う管用プラズマ処理装置において、
前記管体内で相対的に移動させる電極を内側電極の陽極のみとし、
外側電極の陰極を、電気絶縁性の材料から成る管体の外周面に臨む環状に形成し、
前記陰極を前記陽極に連動させて前記管軸方向に相対的に移動させてゆく連動手段を備えることを特徴とする管用プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記内側電極の陽極は、前記管体内で、該陽極に給電を行うケーブルによって推進または牽引され、
前記連動手段は、前記陰極を一端部に支持する移動台と、前記移動台の他端部において前記ケーブルの基端側を支持する連結ブロックとを備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の管用プラズマ処理装置。
【請求項3】
前記外側電極の陰極が架台に固定されるとともに、前記内側電極の陽極は、該陽極に給電を行うケーブルの遊端に取付けられ、前記陽極が陰極内に位置するように、前記ケーブルの他端が前記架台に固定され、
前記管体内に陽極が挿入されるとともに、管体の外周面が前記陰極の内周面を挿通してゆくように、前記架台上で、前記管体を管軸方向に変位させる変位手段とを備え、それらの架台および変位手段が前記連動手段を構成することを特徴とする請求項1記載の管用プラズマ処理装置。
【請求項4】
前記内側電極の陽極は、前記管体の内周面上を摺動することができる支持部材によって前記管体の中心に支持されており、
前記支持部材は、前記陽極を保持する筒状の保持部と、前記保持部の外周面から外方に延びて形成され、前記ケーブルの基端側から供給される処理ガスを螺旋状に吹出す羽根状の整流部材とを備えて構成されることを特徴とする請求項2または3記載の管用プラズマ処理装置。
【請求項5】
前記整流部材は、ウォームギアの形状に形成されていることを特徴とする請求項4記載の管用プラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−234297(P2007−234297A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51992(P2006−51992)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】