説明

管継手の締め付け角度判定方法及び管継手の締め付け角度判定治具

【課題】締め込み状態の確認を簡単且つ正確に判定することのできる管継手の締め付け角度判定方法及び、その判定に用いられ管継手の締め付け角度を簡単に判定することのできる治具を提供する。
【解決手段】板状体の一辺に設けられて管継手10の外周面に当接して管継手に対する前記一辺の位置決めを行う切欠き凹部20bを備えるとともに、切欠き凹部20bを管継手の外周面に当接させた状態で、切欠き凹部20bに近接した位置で管継手10の経線方向に設けられた基準スリット20cと、基準スリット20cに対して規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリット20fとを備えた角度判定治具20を使用し、本締め後に切欠き凹部20bを継手10の外周面に当接させ、雌ナット12の外面に記入された基準線21aと基準スリット20cとを直線状に配置した状態で、雄ナット11の基準線21bが判定用スリット20f内にあるときに合格と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製管体同士を接続する際にメタルガスケット式や食い込み式等の金属同士の当接によって気密状態を保持する管継手の締め付け角度判定方法及び管継手の締め付け角度判定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造用ガス配管の管継手は、一般的な配管に用いられる合成樹脂製ガスケットを使用することができないため、気密状態を金属同士の当接(メタルタッチ)で得るようにしている。このような管継手では、継手本体の雄ネジナットに雌ネジナットを締結する際に、ナットを手で締め付けて予備締めした状態で両ナットの外面に軸線に平行な基準線を記入した後、両ナットをスパナ等で本締めし、前記基準線があらかじめ設定された規定角度だけ回転したときに、管継手が適正な締め付け量で締結されたと判定するようにしている。ナットの回転角度を判定するための手段として、両ナットの外面に適正締付量表示ラベルを貼付する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3336515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の特許文献1の方法では、両ナットの一組一組の外面にそれぞれラベルを貼付しなくてはならず、作業効率が良いとはいえず、また、複雑な配管系では、大量のラベルを必要とし、施工コストの上昇を招く。
【0004】
そこで本発明は、締め込み状態の確認を簡単且つ正確に判定することのできる管継手の締め付け角度判定方法、及び、その判定に用いられ管継手の締め付け角度を簡単に判定することのできる治具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットを予備締めした状態で、該両の外面にそれぞれ設けられた管継手の軸線に平行な基準線が1本の直線状に配置されていることを確認した後、前記両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度判定方法において、板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置で前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えた角度判定治具を使用し、本締め後に前記切欠き凹部を前記継手の外周面に当接させるとともに、前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面に記入されたいずれか一方の基準線と前記基準スリットとを直線状に配置した状態で他方の基準線が前記判定用スリット内にあるときに合格と判定することを特徴としている。
【0006】
また、筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットとを予備締めした状態で前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面にわたって管継手の軸線に平行な1本の基準線を記入した後、両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度判定方法において、板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置で前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えた角度判定治具を使用し、本締め後に前記切欠き凹部を前記継手の外周面に当接させるとともに、前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面に記入されたいずれか一方の基準線と前記基準スリットとを直線状に配置した状態で他方の基準線が前記判定用スリット内にあるときに合格と判定することを特徴としている。
【0007】
さらに、筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットを予備締めした状態で、該両の外面にそれぞれ設けられた管継手の軸線に平行な基準線が1本の直線状に配置されていることを確認した後、前記両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度の合否を判定するための管継手の締め付け角度判定治具であって、板状体からなり、該板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置に前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えたことを特徴としている。
【0008】
また、筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットとを予備締めした状態で前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面にわたって軸線に平行な1本の基準線を記入した後、両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度の合否を判定するための管継手の締め付け角度判定治具であって、板状体からなり、該板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置に前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えたことを特徴としている。
【0009】
また、前記管継手の締め付け角度判定治具の前記基準スリットは、前記切欠き凹部を設けた一辺に対して直交する方向に設けてもよく、さらに、前記判定スリットは、前記基準スリットの両側に設けてもよい。また、前記板状体に、異なる外径の管継手に対応した複数組の切欠き凹部、基準スリット及び判定スリットを設けることもでき、さらに、前記切欠き凹部は、前記管継手の小径軸部の外径に対応した開口幅を有し、底部が前記小径軸部の外径に対応した半円形状に形成されると好適である。また、前記判定スリットは、前記規定角度に対する許容範囲に対応した扇形状に形成してもよい。さらに、前記板状体は、弾性変形可能な金属製薄板で形成されていると好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、雌ナットと雄ナットとを螺合させて予備締めし、金属同士のシール面を突き合わせた位置から、スパナ等の工具にて前記雌ナットと雄ナットとを本締めして締結した後に、雌ナットと雄ナットとにそれぞれ設けた基準線の一方と、締め付け角度判定治具に形成された基準スリットとの位置を合わせ、他方の基準線の位置と判定スリットとの位置を照合することによって、雌ナットと雄ナットの締め付け角度を目視によって簡単に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の一形態例を示す管継手の締め付け角度判定状態を示す説明図、図2は雌ナットと雄ナットとに基準線を記入する状態の説明図、図3は雄ナットと雌ナットとの締め付けを示す説明図、図4は締め付け角度判定治具を示す斜視図、図5は管継手の断面図である。
【0012】
本形態例に用いられるステンレス製の管継手10は、半導体製造用ガスを製造装置や設備へ供給する配管に用いられるもので、雄ねじ11aを備えた筒状の雄ナット11と雌ねじ12aを備えた袋状の雌ナット12とにそれぞれ管体13,13を挿通し、各管体13,13の先端に設けられた先端シール面13a,13aを金属製のガスケット14を介して突き合わせ、雄ナット11と雌ナット12との締め付けによって前記ガスケット14と両先端シール面13a,13aとを金属同士で密着させて気密状態を得るようにしている。雄ナット11と雌ナット12とは、ガスケット14と両先端シール面13a,13aとが当接して手で締め付けたときには、これ以上締め付けることが困難な状態、いわゆる予備締めした状態となる。この予備締めした状態からスパナ等の工具により両ナット11,12をさらに締め付けると、両先端シール面13a,13aがガスケット14を変形させて食い込み、ガスケット14と両先端シール面13a,13aとが強く締め付けられて気密状態で連結された状態、いわゆる本締め状態となる。両ナット11,12を予備締め状態から本締め状態とするまでの両ナット11,12の相対的な回転角度、すなわち、工具にてナットを両ナット11,12を締結する角度は、各管継手毎に規定角度としてあらかじめ設定されており、規定角度未満でも、規定角度を超えても不適正な締付量となる。
【0013】
各管体13は、前記先端シール面13a後方に大径フランジ部13bが形成され、該大径フランジ部13bに連続して中径部13cと小径部13dとが連続して形成されるとともに、管体13の内周側に形成される流路13eの先端部には、先端側に向けて漸次大径に形成される拡開部13fが形成されて先端を先鋭化している。なお、小径部13dの端面には、同径の配管が付き合わせ溶接されている。
【0014】
雄ナット11は、中心軸上に設けられる管体13の挿通孔11bと、先端側外周に形成される雄ねじ11aと、基端側外周に形成される六角形状の外面を有する大径の締結用フランジ11cとを備えている。管継手10の雄ナット11側は、雄ナット11の挿通孔11bに管体13の中径部13cを挿通し、大径フランジ部13bを雄ナット11の先端面に当接させて管体13を抜け止めし、先端シール面13aを雄ナット11の先端側に突出させている。
【0015】
雌ナット12は、六角形状の外面を有する六角筒部材で形成され、先端側内周面に形成される雌ねじ12aと、底壁12bの中心部に形成される管体挿通孔12cと、雌ねじ12aの基端側に対向して形成される小径の通孔12d,12dとを備えている。管継手10の雌ナット12側は、雌ナット12の内周側から管体挿通孔12cに管体13が挿通され、大径フランジ部13bを雌ナット12の底壁12b内周側に当接させて管体13を抜け止めし、先端シール面13aを雌ナット12の内周側に配設させている。
【0016】
このような管継手10における前記予備締め状態から本締め状態までのナットの回転角度、すなわち締め付け角度は、図4に示す締め付け角度判定治具20を用いて判定される。締め付け角度判定治具20は、弾性変形可能な金属製薄板で形成されるもので、矩形状の基板20aの一辺中央部には、雄ナット11の雄ねじ11aと締結用フランジ11cとの間に形成される小径軸部11dの外径に対応した開口幅を有し、底部が前記小径軸部11dの外径に対応した半円形状に形成され、小径軸部11dの外周面に当接する円弧状の切欠き凹部20bと、該切欠き凹部20bに近接した位置で、切欠き凹部20bの周方向中心位置の延長線上に切欠き凹部20bを設けた一辺に対して直交する方向で管継手10の経線方向を向く直線状の基準スリット20cと、基準スリット20cの両側で、該基準スリット20cに対して、工具にて雌ナット12と雄ナット11とを締結する規定角度と同一角度傾斜した位置に設けられた一対の判定スリット20d,20dを備えている。この判定スリット20d,20dは、規定角度に許容範囲がある場合には、許容角度範囲に応じて外周側が開いた扇状又は、台形状,四角形状に形成される。
【0017】
さらに、基板20aの他端中央部には、他の管継手の小径部分の外周面に当接させる円弧状の切欠き凹部20eと、前記基準スリット20cに対して、他の管継手の雌ナットと雄ナットとを工具にて締結する規定角度と同一角度を有する直線状の判定スリット20f,20fとをそれぞれ備え、また、側端中央部には、吊下げ紐等を挿通させる挿通孔20gが穿設されている。
【0018】
次に、締め付け角度判定治具20を用いて管継手10を施工する手順について説明する。まず、管継手10の雄ナット11側と雌ナット12側のいずれか一方の管体13の先端シール面13aにガスケット14を装着し、雄ナット11と雌ナット12とを手締めにより回らなくなるまで締め付けて予備締めし、管体13,13の両先端シール面13a,13aとガスケット14とを突き合わせる。次いで、図2に示されるように、締め付け角度判定治具20の基準スリット20cを利用して、雌ナット12の外面と雄ナット11の締結用フランジ11cの外面とに、管継手軸線に平行な1本の基準線21a,21bを罫描きする。なお、予め基準線21a,21bが設けられている雄ナット11と雌ナット12とを用いる場合には、基準線21a,21bの罫描きは省略でき、予備締め後、基準線21a,21bが1本の直線状に配置されていることを確認すればよい。次に、図3に示されるように、雄ナット11の締結用フランジ11cと雌ナット12とをスパナ等の工具で、予め規定されている角度、例えば、図3に矢印で示す方向に45度締め付けて本締め状態とする。
【0019】
そして、図1に示されるように、雄ナット11の小径軸部11dに締め付け角度判定治具20の一方の切欠き凹部20bを当接させて管継手10に対する締め付け角度判定治具20の位置決めを行った状態で、前記基準線21a,21bのいずれか一方、例えば雌ナット12側の基準線21aと直交する位置に基準スリット20cが配置されるように締め付け角度判定治具20を回動させ、締め付け角度判定治具20の判定スリット20dの位置と、雄ナット11側の基準線21bの位置を照合する。このとき、基準スリット20cを、切欠き凹部20bを設けた一辺に対して直交する方向に設けておくことにより、締め付け角度判定治具20の位置や角度の調整を容易に行うことができる。
【0020】
雄ナット11側の基準線21bの位置が、判定スリット20dと直交する位置にあるときには、雌ナット12と雄ナット11の締め付け角度が予め設定されていた45度であるから合格と判定される。また、前記基準線21bの位置が判定スリット20dよりも基準スリット20c側にあるときには、雌ナット12と雄ナット11の締め付け角度が45度よりも小さく、前記基準線21bの位置が判定スリット20dよりも外側にあるときには、雌ナット12と雄ナット11の締め付け角度が45度よりも大きいと判定される。このとき、判定スリット20dを基準スリット20cの両側に設けておくことにより、締め付け角度判定治具20に表裏が無くなり、判定作業が容易となる。
【0021】
また、雌ナットと雄ナットの規定された締め付け角度や径の異なる管継手の締め付け角度を判定する場合には、他方の切欠き凹部20eと判定スリット20fとが用いられ、基準スリット20cは兼用される。
【0022】
上述のように、管継手10の締め付け角度の判定は、締め付け角度判定治具20の基準スリット20c及び判定スリット20dの隙間を通して、基準線21a,21bがどこに位置するかを視認することにより行われるので簡便に行うことができ、管継手10の締め付け角度の判定作業を効率良く行うことができる。また、締め付け角度判定治具20の基準スリット20cを利用して雌ナット12の外面と雄ナット11の締結用フランジ11cの外面とに基準線21a,21bを罫描きすることができるので、基準線21a,21bを簡単且つ正確に罫描きすることができる。
【0023】
また、締め付け角度判定治具20は、弾性変形可能な金属製薄板の所定の位置に切欠き凹部20b,20eとスリット20c,20d,20fを形成するのみの簡単な構造であることから安価に提供でき、また、小形で軽量であることから携帯に適しており、弾性変形可能であるから作業性にも優れている。
【0024】
なお、本形態例では、雌ナット側の基準線と直交する位置に基準スリットが配置されるように締め付け角度判定治具を回動させ、締め付け角度判定治具の判定スリットの位置と雄ナット側の基準線の位置を照合しているが、雄ナット側の基準線と直交する位置に基準スリットが配置し、判定スリットの位置と雌ナット側の基準線の位置を照合するようにしても良い。
【0025】
また、本発明は、管継手の構成は前記実施例に示したメタルガスケット式に限るものではなく、フレアー継手、フレアレス継手、圧縮式チューブ継手、食い込み式チューブ継手、メカニカルグリップ式チューブ継手等の各種管継手に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一形態例を示す管継手の締め付け角度判定状態を示す説明図である。
【図2】同じく雌ナットと雄ナットとに基準線を罫描きする説明図である。
【図3】同じく雄ナットを雌ナットに締め付ける状態を示す説明図である。
【図4】同じく締め付け角度判定治具を示す斜視図である。
【図5】同じく管継手の断面である。
【符号の説明】
【0027】
10…管継手、11…雄ナット、11a…雄ねじ、11b…挿通孔、11c…締結用フランジ、11d…小径軸部、12…雌ナット、12a…雌ねじ、12b…底壁、12c…管体挿通孔、12d…通孔、13…管体、13a…先端シール面、13b…大径フランジ部、13c…中径部、13d…小径部、13e…流路、13f…拡開部、14…ガスケット、20…締め付け角度判定治具、20a…基板、20b,20e…切欠き凹部、20c…基準スリット、20d,20f…判定スリット、20g…挿通孔、21a,21b…基準線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットを予備締めした状態で、該両の外面にそれぞれ設けられた管継手の軸線に平行な基準線が1本の直線状に配置されていることを確認した後、前記両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度判定方法において、板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置で前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えた角度判定治具を使用し、本締め後に前記切欠き凹部を前記継手の外周面に当接させるとともに、前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面に記入されたいずれか一方の基準線と前記基準スリットとを直線状に配置した状態で他方の基準線が前記判定用スリット内にあるときに合格と判定することを特徴とする管継手の締め付け角度判定方法。
【請求項2】
筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットとを予備締めした状態で前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面にわたって管継手の軸線に平行な1本の基準線を記入した後、両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度判定方法において、板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置で前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えた角度判定治具を使用し、本締め後に前記切欠き凹部を前記継手の外周面に当接させるとともに、前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面に記入されたいずれか一方の基準線と前記基準スリットとを直線状に配置した状態で他方の基準線が前記判定用スリット内にあるときに合格と判定することを特徴とする管継手の締め付け角度判定方法。
【請求項3】
筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットを予備締めした状態で、該両の外面にそれぞれ設けられた管継手の軸線に平行な基準線が1本の直線状に配置されていることを確認した後、前記両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度の合否を判定するための管継手の締め付け角度判定治具であって、板状体からなり、該板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置に前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えたことを特徴とする管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項4】
筒状の雄ナットと袋状の雌ナットとを締結して管体同士を接続する際に、前記雌ナットと雄ナットとを予備締めした状態で前記雌ナットの外面及び前記雄ナットの外面にわたって軸線に平行な1本の基準線を記入した後、両ナットを相対的にあらかじめ設定された規定角度だけ絞め込んで本締めを行う管継手の締め付け角度の合否を判定するための管継手の締め付け角度判定治具であって、板状体からなり、該板状体の一辺に設けられて前記管継手の外周面に当接して前記管継手に対する板状体の一辺の位置決めを行う切欠き凹部を備えるとともに、該切欠き凹部を前記管継手の外周面に当接させた状態で、該切欠き凹部に近接した位置に前記管継手の経線方向に設けられた基準スリットと、該基準スリットに対して前記規定角度傾斜した位置に設けられた判定用スリットとを備えたことを特徴とする管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項5】
前記基準スリットは、前記切欠き凹部を設けた一辺に対して直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項6】
前記判定スリットは、前記基準スリットの両側に設けられていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項7】
前記板状体に、異なる外径の管継手に対応した複数組の切欠き凹部、基準スリット及び判定スリットを設けたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項記載の管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項8】
前記切欠き凹部は、前記管継手の小径軸部の外径に対応した開口幅を有し、底部が前記小径軸部の外径に対応した半円形状に形成されていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項記載の管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項9】
前記判定スリットは、前記規定角度に対する許容範囲に対応した扇形状に形成されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項記載の管継手の締め付け角度判定治具。
【請求項10】
前記板状体は、弾性変形可能な金属製薄板で形成されていることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項記載の管継手の締め付け角度判定治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−216156(P2008−216156A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56528(P2007−56528)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(593027967)大陽日酸エンジニアリング株式会社 (14)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】