説明

箱詰め装置

【課題】必要数に満たない物品が外装箱の内部に収容されるのを防止することができる箱詰め装置を提供する。
【解決手段】箱詰め装置10は、複数の物品Tと同数の物品検出センサ102を有し、物品押出し装置16による押出し動作の最中に複数の物品Tのそれぞれの有無を物品検出センサ102のそれぞれで検出する物品検出装置100と、警報を発生する警報発生装置とを備え、制御装置は、物品検出装置100が検出した物品Tの数が複数の物品Tの必要数に満たないときに、警報発生装置に警報を発生させる警報処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ポテトチップ、豆、飴等の食品が袋詰め又は箱詰めされた物品を、段ボールケースやダース箱等の外装箱の内部に整然と収容する箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の箱詰め装置の一例が特許文献1に記載されている。この箱詰め装置は、複数の物品を整列させる整列コンベアと、整列コンベアに複数の物品を順次導入する物品導入コンベアと、整列コンベアで整列させられた複数の物品をダンパー板上に押し出す押し出しプレートと、押し出された複数の物品をダンパー板が開いた際に外装箱の内部に押し込む押し込みプレートと、これらの各装置の動作を制御する制御装置とを備えている。そして、整列コンベアの物品受取位置には、物品導入コンベアから物品が導入されたことを検出する物品受取位置センサが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−143726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された箱詰め装置では、物品受取位置センサの出力に基づいて、整列コンベアに導入される物品に欠品が生じたことを検出することができる。しかし、整列コンベアに一旦導入された物品が、その後、整列コンベアから飛び出した場合には、当該物品の欠品を検出することができず、必要数に満たない物品が、整列コンベア、押し出しプレート及び押し込みプレートを経て外装箱の内部にそのまま収容されるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、必要数に満たない物品が外装箱の内部に収容されるのを防止することができる、箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の箱詰め装置は、複数の物品を列状に並べて整列させる物品整列装置と、整列させられた前記複数の物品を列の側方に同時に押し出す物品押出し装置と、押し出された前記複数の物品を外装箱の内部に押し込む物品押込み装置と、前記物品整列装置、前記物品押出し装置及び前記物品押込み装置を制御する制御装置とを備える箱詰め装置であって、前記複数の物品と同数の物品検出センサを有し、前記物品押出し装置による押出し動作の最中に前記複数の物品のそれぞれの有無を前記物品検出センサのそれぞれで検出する物品検出装置と、警報を発生する警報発生装置とを備え、前記制御装置は、前記物品検出装置が検出した物品の数が前記複数の物品の必要数に満たないときに、前記警報発生装置に警報を発生させる警報処理を実行する。
【0007】
この構成では、押出し動作の最中に、複数の物品のそれぞれの有無を複数の物品と同数の物品検出センサで個別に検出するようにしているので、物品整列装置から物品が飛び出した場合でも、当該物品の欠品を正確に検出することができる。
【0008】
繰り返し実行される前記押出し動作ごとに前記押出し動作を検出する押出し動作検出手段を備え、前記制御装置は、前記押出し動作検出手段が前記押出し動作を検出し、かつ、その押出し動作において前記物品検出装置が検出した物品の数が前記複数の物品の必要数に満たないときに前記警報処理を実行してもよい。
【0009】
この構成では、繰り返し実行される押出し動作の各回において、物品の欠品を正確に検出することができる。
【0010】
前記物品押出し装置は、前記複数の物品に押圧力を付与する物品押出し部と、前記物品押出し部を往復移動させる直動機構と、待機位置に位置している前記物品押出し部を検出する待機位置センサとを有し、前記押出し動作検出手段は、前記待機位置センサの出力に基づいて前記押出し動作を検出してもよい。
【0011】
この構成では、押出し動作を検出するセンサを待機位置センサとは別に設ける必要がないので、装置の構成が複雑になるのを防止することができる。
【0012】
前記物品押出し装置は、前記複数の物品に押圧力を付与する物品押出し部と、前記物品押出し部を往復移動させる直動機構とを有し、前記押出し動作検出手段は、前記直動機構の動作に基づいて前記押出し動作を検出してもよい。
【0013】
この構成では、押出し動作を、直動機構の動作に基づいて簡単に検出することができる。
【0014】
前記物品検出センサのそれぞれは、前記複数の物品のそれぞれを非接触で検出する非接触センサであってもよい。
【0015】
この構成では、複数の物品のそれぞれを非接触で検出することができるので、物品と接触することによる物品検出センサの損傷等を防止することができる。
【0016】
前記物品検出センサのそれぞれは、相互間の距離を調整できるように移動可能に設けられてもよい。
【0017】
この構成では、物品検出センサの相互間の距離を調整することができるので、物品の数や大きさが変更された場合でも、適宜対応することができる。
【0018】
前記制御装置は、前記物品検出装置が検出した物品の数が前記複数の物品の必要数に満たないときに、前記物品整列装置、前記物品押出し装置及び前記物品押込み装置を停止させる停止処理を実行してもよい。
【0019】
この構成では、停止処理によって物品の流れを止めることができるので、欠品を生じた物品集合体に物品を補充する時間を確保することができる。
【0020】
前記物品押出し装置は、前記複数の物品がガイド部でガイドされながら移動する押出し経路を有し、前記物品検出センサのそれぞれは、前記押出し経路において前記複数の物品のそれぞれを検出してもよい。
【0021】
この構成では、複数の物品がガイド部でガイドされながら安定して移動する最中に、複数の物品の有無を物品検出センサのそれぞれで検出することができるので、物品の誤検出を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、押出し動作の最中に、複数の物品のそれぞれの有無を複数の物品と同数の物品検出センサで個別に検出することができるとともに、警報によって欠品の発生を報知することができる。したがって、必要数に満たない物品が外装箱の内部に収容されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係る箱詰め装置の構成を示す正面図である。
【図2】実施形態に係る箱詰め装置の構成を示す平面図である。
【図3】実施形態に係る箱詰め装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【図4】実施形態に係る箱詰め装置における制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る箱詰め装置における制御装置の制御動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1実施形態)
[箱詰め装置の全体構成]
図1は、第1実施形態に係る箱詰め装置10の構成を示す正面図であり、図2は、箱詰め装置10の構成を示す平面図であり、図3は、箱詰め装置10の主要部の構成を示す斜視図である。また、図4は、箱詰め装置10における制御装置22の構成を示すブロック図であり、図5は、箱詰め装置10における制御装置22の制御動作を示すフロー図である。なお、図3中の矢印で示すように、以下の説明で用いる前、後、左、右、上、下の方向は、箱詰め装置10を正面(図1)から見たときの方向と一致する。
【0026】
図1に示すように、箱詰め装置10は、ポテトチップ、豆、飴等の食品が袋詰め又は箱詰めされた複数(本実施形態では4個)の物品Tを整列させて物品集合体Xを構成するとともに、これらの物品Tを、物品集合体Xを単位として段ボールケースやダース箱等の外装箱Uの内部に自動収容するものである。
【0027】
図1及び図2に示すように、箱詰め装置10は、縦ピロー包装機等のような前段の装置(図示省略)から物品Tを導入する物品導入装置12と、複数の物品Tを列状に並べて整列させる物品整列装置14と、整列させられた複数の物品Tからなる物品集合体Xを前方に押し出す物品押出し装置16と、押し出された物品集合体Xを外装箱Uの内部に押し込む物品押込み装置18と、これらの装置を支持するフレーム20と、これらの装置を統一的に制御する制御装置22(図1)と、異常発生時に警報を発生する警報発生装置23(図1)とを備えている。
【0028】
図1に示すように、フレーム20は、パイプ状又は棒状の部材や板状の部材を互いに接合することによって構成されており、図2に示すように、フレーム20の前部には、物品集合体Xが上から下に通過する第1開口W1が設けられている。そして、図2に示すように、フレーム20の後部に物品導入装置12及び物品整列装置14が左右に並んで設けられており、フレーム20の前部における第1開口W1に対応する部分に物品押込み装置18が設けられている。さらに、フレーム20の上部における物品整列装置14と物品押込み装置18とに跨る領域に物品押出し装置16が設けられている。また、物品押出し装置16における物品Tの押出し経路R又はその近傍には、物品Tの有無を検出する物品検出装置100が設けられている。
【0029】
図4に示すように、制御装置22は、CPU22aと、制御プログラム及び各種のデータを記憶する記憶装置22bと、各種の情報を入力する入力部22cと、各種の情報を表示する表示部22dとを有している。そして、CPU22aで制御プログラムが実行されることによって一連の箱詰め動作が実行される。
【0030】
図1に示すように、警報発生装置23は、箱詰め装置10の動作に異常が発生したときに、光、音及び画像表示等によって異常を報知するものである。本実施形態の警報発生装置23は、ランプ23a及びブザー23bを有しており、図4に示すように、ランプ23a及びブザー23bが制御装置22に電気的に接続されている。
【0031】
[物品導入装置の構成]
図1に示すように、物品導入装置12は、左右方向に間隔を隔てて配置された一対のローラ24(左側のローラ24は図示省略)と、一対のローラ24間に掛け渡された無端ベルト26と、一対のローラ24のうち少なくとも一方を駆動するモータ(図示省略)とを有している。縦ピロー包装機等のような前段の装置(図示省略)から物品導入装置12に複数の物品Tが順次供給されると、これらの物品Tは、無端ベルト26に載置されて右方に向けて搬送され、無端ベルト26の右側の端部から物品整列装置14に与えられる。
【0032】
[整列コンベアの構成]
図1及び図2に示すように、物品整列装置14は、複数の物品Tを立てた状態で1列に整列させるものであり、複数の物品Tを一方向(本実施形態では右方向)に搬送する搬送面30aを有する無端軌道30と、無端軌道30の搬送面30aに搬送方向に間隔を隔てて設けられた複数のフィン32とを有している。
【0033】
図3に示すように、無端軌道30は、前方から後方に向けて互いに平行に並んで配置された第1ベルト34a、第2ベルト34b、第3ベルト34c及び第4ベルト34dを有しており、これらのベルト34a〜34dの表面が搬送面30aとなっている。そして、第1ベルト34a及び第3ベルト34cが、左右方向に間隔を隔てて設けられた一対のプーリー36(右側のプーリー36は図示省略)間に掛け渡されており、第2ベルト34b及び第4ベルト34dが、左右方向に間隔を隔てて設けられた一対のプーリー38(右側のプーリー38は図示省略)間に掛け渡されている。図1に示すように、一対のプーリー36のうち少なくとも一方には、第1駆動部37が接続されており、一対のプーリー38のうち少なくとも一方には、第2駆動部39が接続されている。第1駆動部37及び第2駆動部39のそれぞれは、高精度の位置制御が可能なモータ(ステッピングモータ及びサーボモータ等)37a,39aを有しており、図4に示すように、これらのモータ37a,39aがドライバ37b,39bを介して制御装置22に電気的に接続されている。
【0034】
図3に示すように、複数のフィン32は、複数の物品Tを立てた状態で保持する板状部材であり、本実施形態では、4個の物品Tを保持する5枚のフィン32が1組となって1つのフィン群40が構成されており、複数のフィン郡40が無端軌道30の搬送面30a上に所定の間隔を隔てて配置されている。
【0035】
各フィン郡40において、隣接するフィン32どうしの間隔は、2枚のフィン32間に物品Tを立てた状態で収容し得るように、物品Tの厚さよりも大きく設計されている。また、各フィン32の長さは、2枚のフィン32間で物品Tを立てた状態で保持し得るように、立てられた状態にある物品Tの上下方向長さよりも長く設計されている。
【0036】
そして、搬送面30a上に並ぶ複数のフィン郡40に連続番号を付したと仮定すると、奇数番号が付されたフィン郡40を構成する各フィン32が、第1ベルト34a及び第3ベルト34cに取り付けられており、偶数番号が付されたフィン郡40を構成する各フィン32が、第2ベルト34b及び第4ベルト34dに取り付けられている。したがって、奇数番目のフィン郡40と偶数番目のフィン郡40とを、第1駆動部37及び第2駆動部39によって別々に駆動させることができる。例えば、図3に示すように、先行するフィン郡40を物品整列位置P1で停止させた状態で、後続するフィン郡40を物品受入れ位置P2で停止させたり、或いは、物品整列位置P1に向けて移動させたりすることができる。
【0037】
図1に示すように、物品受入れ位置P2には、2枚のフィン32間のギャップGに物品Tが導入されたことを検出する導入センサ42が設けられており、図4に示すように、この導入センサ42が制御装置22に電気的に接続されている。
【0038】
図1に示すように、物品受入れ位置P2に位置するギャップGに物品Tが導入されたことを導入センサ42が検出すると、制御装置22でモータ37a又は39aが制御され、次のギャップGが物品受入れ位置P2に位置決めされる。そして、最終のギャップGに物品Tが導入されたことを導入センサ42が検出すると、図2に示すように、複数の物品Tを保持したフィン郡40が物品受入れ位置P2から物品整列位置P1に向けて移動させられる。
【0039】
[物品押出し装置の構成]
図2に示すように、物品押出し装置16は、列状に並べられた複数の物品Tを物品整列位置P1から列の側方(本実施形態では前方)に向けて同時に押し出すものであり、直動機構44と、物品押出し部46と、左右一対のガイド部48と、ストッパ部50とを有している。
【0040】
図2に示すように、直動機構44は、前後方向に延びて配置されたリニアレール52と、リニアレール52に対して往復移動可能に取り付けられた往復テーブル54と、リニアレール52の前端部及び後端部のそれぞれの近傍に配置された一対のプーリー56a,56bと、これらのプーリー56a,56b間に掛け渡された無端ベルト58と、一方のプーリー56aを駆動するモータ60とを有している。モータ60としては、高精度の位置制御が可能なステッピングモータ及びサーボモータ等が用いられており、図4に示すように、モータ60がドライバ60bを介して制御装置22に電気的に接続されている。
【0041】
また、図2に示すように、リニアレール52の後端部又はその近傍には、物品押出し部46が待機位置P5に位置していることを検出するとともに、物品押出し部46が待機位置P5から移動したことを検出する待機位置センサ61が設けられており、図4に示すように、待機位置センサ61が制御装置22に電気的に接続されている。なお、待機位置センサ61の種類は、特に限定されるものではなく、光電センサ、超音波センサ及び近接センサ等のような非接触式のセンサの他、リミットスイッチのような接触式のセンサが用いられてもよい。
【0042】
物品押出し部46が待機位置P5に存在しないことを待機位置センサ61が検出すると、制御装置22は、その検出時点で物品押出し装置16による押出し動作が開始されたと判断することができる。つまり、本実施形態では、待機位置センサ61と制御装置22とによって「押出し動作検出手段」が構成されており、「押出し動作検出手段」は、待機位置センサ61の出力に基づいて押出し動作を検出する。
【0043】
そして、図2に示すように、無端ベルト58に対して往復テーブル54が固定されており、往復テーブル54に対して物品押出し部46が固定されている。モータ60でプーリー56aを正転又は逆転させると、無端ベルト58が正転又は逆転され、これに伴って往復テーブル54及び物品押出し部46が前方又は後方に往復移動される。複数の物品Tを整列させる物品整列工程の前段階では、物品押出し部46が後方に移動される。そして、待機位置センサ61によって物品押出し部46が検出されると、モータ60が停止され、物品押出し部46が待機位置P5に位置決めされる。
【0044】
図3に示すように、物品押出し部46は、複数の物品Tに押圧力を付与するものであり、左右方向に延びる支持アーム62と、複数の物品T(すなわち物品集合体X)を同時に前方に押し出す押出しプレート64とを有している。押出しプレート64は、略四角形の板状のプレート本体64aを有しており、プレート本体64aにおける複数のフィン32のそれぞれの後端面と対向する位置には、スリット64bが設けられている。そして、図1に示すように、押出しプレート64の上端部が、支持アーム62の一方端部に固定されており、支持アーム62の他方端部が往復テーブル54に固定されている。
【0045】
図2に示すように、一対のガイド部48は、物品押出し部46で前方に押し出される物品集合体Xを、押出し経路Rにおいて左右方向からガイドする板状部材である。図3に示すように、ストッパ部50は、物品押出し部46で押し出されて来た物品集合体X(図2)を受け止める板状部材である。
【0046】
[物品押込み装置の構成]
図3に示すように、物品押込み装置18は、シャッタ66と、物品保持装置68と、物品押込み部70と、外装箱搬送装置72と、開口部材74とを備えている。シャッタ66は、フレーム20(図2)の第1開口W1を開閉するものであり、第1開口W1に移動可能に設けられた左右一対の開閉プレート76,78と、開閉プレート76,78を左右方向に移動させるプレート移動機構(図示省略)とを有している。開閉プレート76,78のそれぞれは、平面視略四角形の板状部材であり、2枚の開閉プレート76,78を合わせた大きさは、第1開口W1の大きさよりも大きく設計されている。
【0047】
図2に示すように、物品保持装置68は、開閉プレート76,78の上面に載置された複数の物品T(すなわち物品集合体X)を保持するものであり、第1開口W1の左右両側に配置された左右一対の保持プレート80a,80bと、保持プレート80a,80bを物品集合体Xに左右方向から押し当てる押圧装置82a,82bとを有している。
【0048】
図1に示すように、物品押込み部70は、フレーム20に設けられた昇降タワー86と、昇降タワー86に昇降自在に取り付けられた昇降部材88と、昇降部材88に取り付けられた押込みプレート90と、昇降部材88を昇降させる昇降装置(図示省略)とを有している。押込みプレート90は、物品集合体Xを構成する複数の物品Tのそれぞれを吸着する吸着口(図示省略)を有しており、吸着口には、真空ポンプ及びサクションブロア等の吸込口(図示省略)が連通されている。
【0049】
図1に示すように、外装箱搬送装置72は、外装箱昇降装置92と、外装箱搬入装置94と、外装箱搬出装置96とを有している。外装箱昇降装置92は、空の外装箱Uを第1開口W1の直下に位置する所定の箱詰位置P3まで上昇させるとともに、複数の物品Tが収容された外装箱Uを所定の降下位置P4まで降下させるものであり、外装箱Uを支持するテーブル92aと、テーブル92aを昇降させる昇降機構92bとを有している。
【0050】
外装箱搬入装置94は、空の外装箱Uを降下位置P4にあるテーブル92aに搬送するものであり、本実施形態では、モータ(図示省略)によって駆動されるベルトコンベアが外装箱搬入装置94として用いられている。外装箱搬出装置96は、複数の物品Tが収容された外装箱Uを降下位置P4にあるテーブル92aから搬出するものであり、本実施形態では、駆動機構を有しないローラコンベアが外装箱搬出装置96として用いられている。
【0051】
図3に示すように、開口部材74は、第1開口W1の下方に物品集合体X(図2)が通過する第2開口W2を構成するとともに、物品集合体X(図2)を外装箱Uに案内するものであり、平面視略四角形の枠部材(図示省略)と、枠部材に取り付けられた可撓性の案内部材(図示省略)とを有している。
【0052】
[物品検出装置の構成]
図3に示すように、物品検出装置100は、物品押出し装置16による押出し動作の最中に複数の物品Tのそれぞれの有無を検出するものであり、複数の物品Tと同数(本実施形態では4個)の物品検出センサ102を有している。本実施形態の物品検出センサ102は、物品Tを非接触で検出する非接触センサであり、光を出光する発光部102aと、光を反射させる反射部102bと、光を受光する受光部102cとを有している。物品検出センサ102のそれぞれの発光部102a及び受光部102cは、複数の物品Tがガイド部48(図2)でガイドされながら移動する押出し経路Rの上方に設けられており、物品検出センサ102のそれぞれの反射部102bは、発光部102a及び受光部102cと対向する位置に設けられている。本実施形態では、発光部102a及び受光部102cが、押出し経路Rの上方に配置された板状の保持部104の側面(本実施形態では前側面)に下方に向けて取り付けられており、反射部102bが、押出し経路Rの上面106(図2)又は上面106より下方の所定部分に上方に向けて取り付けられている。そして、図4に示すように、物品検出センサ102(発光部102a及び受光部102c)が制御装置22に電気的に接続されている。
【0053】
図3に示すように、制御装置22(図4)で物品検出センサ102のそれぞれを駆動させると、発光部102aから押出し経路Rに向けて光(図3中に一点鎖線で示す。)が出光され、この光が反射部102bで反射されて受光部102cで受光される。そして、物品押出し装置16で押し出された物品Tが物品検出センサ102の下方に位置する物品検出位置P6に到達すると、当該物品Tによって光が遮断され、受光部102cの出力が低下する。したがって、制御装置22は、受光部102cの出力が所定の閾値より低下したときに、物品Tが存在すると判断することができる。また、全ての物品検出センサ102について受光部102cの出力低下を見ることによって、物品Tの数を検出することができる。
【0054】
なお、物品検出センサ102の種類は、特に限定されるものではなく、光電センサ、超音波センサ及び近接センサ等のような非接触式のセンサの他、リミットスイッチのような接触式のセンサが用いられてもよい。また、光電センサを用いる場合には、本実施形態のような回帰反射型の光電センサの他、物品Tの表面で光を反射させる反射型の光電センサや、発光部と受光部とが対向して配置された透過型の光電センサが用いられてもよい。ただし、物品Tとの接触による損傷を防止する観点からは、非接触式のセンサを用いることが望ましく、汚れ等で光量が低下することによる誤検出を防止する観点からは、超音波センサ及び近接センサを用いることが望ましい。これらのいずれのセンサを用いる場合でも、メンテナンス作業を容易にする等のために、センサの全部又は一部を押出し経路Rの上方に配置することが望ましい。
【0055】
物品集合体Xを構成する物品Tの数及び大きさは適宜変更されてもよく、駆動される物品検出センサ102の数及び位置は、物品Tの数及び大きさに応じて適宜変更されてもよい。たとえば、物品Tの数を3個に減らす場合には、4個の物品検出センサ102のいずれか1つを停止させてもよい。また、4個の物品Tのそれぞれの大きさが変更される場合には、物品検出センサ102の相互間の距離を、各物品Tに対応するように調整してもよい。この場合には、物品検出センサ102のそれぞれが、相互間の距離を調整できるように移動可能に設けられてもよい。
[箱詰め装置の動作]
図5は、実施形態に係る箱詰め装置10における制御装置22の制御動作を示すフロー図である。図5に示すように、制御装置22(図1)のCPU22a(図4)によって制御プログラムが実行されると、まず、ステップS1において物品導入工程が実行され、続いて、ステップS3において物品整列工程が実行される。
【0056】
図2に示すように、物品導入工程では、縦ピロー包装機等のような前段の装置(図示省略)から供給された複数の物品Tが、物品導入装置12によって物品整列装置14に向けて順次搬送される。一方、物品整列工程では、導入された複数の物品Tが列状に並べられ、物品集合体Xが構成される。図2に示すように、物品整列工程では、直動機構44のモータ60が停止され、物品押出し部46が待機位置P5に位置決めされる。
【0057】
複数の物品Tの整列が完了すると、物品押出し装置16による複数の物品Tの押出し動作が開始され、整列させられた複数の物品T(すなわち物品集合体X)が、開閉プレート76,78の上面107(図2)まで押し出される。図5に示すように、ステップS5において、物品押出し装置16による押出し動作が「押出し動作検出手段」によって検出されると、ステップS7において、その押出し動作の最中に、複数の物品Tのそれぞれの有無(欠品の有無)が物品検出装置100で検出される。なお、本実施形態では、待機位置センサ61と制御装置22とによって「押出し動作検出手段」が構成されている。
【0058】
ステップS9では、複数の物品Tのそれぞれの欠品の有無が押出し動作ごとに判断される。本実施形態では、ステップS7で検出された物品Tの数と複数の物品Tの必要数(本実施形態では4個)とが比較され、検出された物品Tの数が必要数であるときに「NO(欠品無し)」と判断され、必要数に満たないときに「YES(欠品有り)」と判断される。
【0059】
そして、「NO(欠品無し)」と判断されると、ステップS11〜S15において通常の箱詰め動作が実行される。つまり、ステップS11において物品押込み工程が実行され、ステップS13において物品押出し部46が原点に復帰され、ステップS15において制御装置22による欠品検出動作がリセットされる。そして、ステップS17において、箱詰め動作を終了するか否かが判断され、「NO(終了しない)」と判断されるとステップS1に戻り、「YES(終了する)」と判断されると、箱詰め動作が終了される。なお、ステップS11〜S15の各工程は、互いに並列に処理されるものである。
【0060】
ステップS11の物品押込み工程では、図1に示すように、開閉プレート76,78(図2)の上面に載置された各物品Tが押込みプレート90によって保持される。また、空の外装箱Uが、外装箱搬送装置72の外装箱搬入装置94及び外装箱昇降装置92によって箱詰位置P3まで搬送される。そして、第1開口W1(図2)が開かれたときに、押込みプレート90が降下され、各物品Tが外装箱Uの内部に押し込まれる。外装箱Uに所定数の物品Tが収容されると、当該外装箱Uが降下位置P4まで降下され、外装箱搬出装置96によって搬出される。
【0061】
図5に示すように、ステップS9において、「YES(欠品有り)」と判断されると、ステップS19において、警報発生装置23(図4)に警報を発生させる警報処理が実行され、ランプ23a及びブザー23bの少なくとも一方が駆動される。そして、ステップS21において、物品整列装置14、物品押出し装置16及び物品押込み装置18を停止させる停止処理が実行される。この停止処理では、物品押出し装置16によって押し出されて来た物品Tが、開閉プレート76,78の上面107(図2)に停止させられる。したがって、作業者は、当該上面107において、欠品した物品Tを手作業で補充することができる。なお、停止処理では、物品Tが押出し経路Rの上面106(図2)に停止させられてもよい。ただし、この場合には、押出し動作の再開時に物品Tの姿勢が乱れるおそれがあるので、上述のように、物品Tは開閉プレート76,78の上面107に停止させられることが望ましい。
【0062】
ステップS23では、箱詰め動作を再開するか否かが判断され、「YES(再開する)」と判断されると、ステップS11に進み、通常の箱詰め動作と同じ工程が実行される。一方、「NO(再開しない)」と判断されると、ステップS21に戻り、待機状態が継続される。本実施形態では、入力部22c(図4)が作業者によって操作される再開スイッチ(図示省略)を有しており、箱詰め動作を再開するか否かの判断は、再開スイッチの出力に基づいて行われる。
【0063】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、待機位置センサ61と制御装置22とによって「押出し動作検出手段」が構成されているが、他の実施形態では、待機位置センサ61の前方に設けられた押出し動作検出センサ(図示省略)と制御装置22とによって「押出し動作検出手段」が構成されてもよい。この場合には、押出し動作検出センサが物品Tを検出したとき、制御装置22が、押出し動作の最中であると判断してもよい。
【0064】
また、他の実施形態では、直動機構44と制御装置22とによって「押出し動作検出手段」が構成されてもよい。この場合には、制御装置22が、直動機構44を構成するモータ(ステッピングモータ及びサーボモータ等)60の制御情報に基づいて物品押出し部46の位置を把握し、当該位置が待機位置P5より前方の所定位置に到達したときに押出し動作の最中であると判断してもよい。
【0065】
そして、上述の実施形態では、欠品した物品Tを停止処理段階(図5,ステップS21)で補充するようにしているが、他の実施形態では、停止処理段階より後の物品押込み段階(図5,ステップS11)、或いは、それより後の段階で補充してもよい。さらに、停止処理段階(図5,ステップS21)を実行することなく物品押込み段階(図5,ステップS11)に移行し、当該物品押込み段階、或いは、それより後の段階で補充してもよい。
【符号の説明】
【0066】
T… 物品
R… 押出し経路
P5… 待機位置
U… 外装箱
10… 箱詰め装置
12… 物品導入装置
14… 物品整列装置
16… 物品押出し装置
18… 物品押込み装置
22… 制御装置
23… 警報発生装置
48… ガイド部
61… 待機位置センサ
100… 物品検出装置
102… 物品検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を列状に並べて整列させる物品整列装置と、
整列させられた前記複数の物品を列の側方に同時に押し出す物品押出し装置と、
押し出された前記複数の物品を外装箱の内部に押し込む物品押込み装置と、
前記物品整列装置、前記物品押出し装置及び前記物品押込み装置を制御する制御装置とを備える箱詰め装置であって、
前記複数の物品と同数の物品検出センサを有し、前記物品押出し装置による押出し動作の最中に前記複数の物品のそれぞれの有無を前記物品検出センサのそれぞれで検出する物品検出装置と、
警報を発生する警報発生装置とを備え、
前記制御装置は、前記物品検出装置が検出した物品の数が前記複数の物品の必要数に満たないときに、前記警報発生装置に警報を発生させる警報処理を実行する、箱詰め装置。
【請求項2】
繰り返し実行される前記押出し動作ごとに前記押出し動作を検出する押出し動作検出手段を備え、
前記制御装置は、前記押出し動作検出手段が前記押出し動作を検出し、かつ、その押出し動作において前記物品検出装置が検出した物品の数が前記複数の物品の必要数に満たないときに前記警報処理を実行する、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記物品押出し装置は、前記複数の物品に押圧力を付与する物品押出し部と、前記物品押出し部を往復移動させる直動機構と、待機位置に位置している前記物品押出し部を検出する待機位置センサとを有し、
前記押出し動作検出手段は、前記待機位置センサの出力に基づいて前記押出し動作を検出する、請求項2に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記物品押出し装置は、前記複数の物品に押圧力を付与する物品押出し部と、前記物品押出し部を往復移動させる直動機構とを有し、
前記押出し動作検出手段は、前記直動機構の動作に基づいて前記押出し動作を検出する、請求項2に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記センサのそれぞれは、前記複数の物品のそれぞれを非接触で検出するセンサである、請求項1ないし4のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記センサのそれぞれは、相互間の距離を調整できるように移動可能に設けられている、請求項1ないし5のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記物品検出装置が検出した物品の数が前記複数の物品の必要数に満たないときに、前記物品整列装置、前記物品押出し装置及び前記物品押込み装置を停止させる停止処理を実行する、請求項1ないし6のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項8】
前記物品押出し装置は、前記複数の物品がガイド部でガイドされながら移動する押出し経路を有し、前記物品検出センサのそれぞれは、前記押出し経路において前記複数の物品のそれぞれを検出する、請求項1ないし7のいずれかに記載の箱詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−224359(P2012−224359A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92228(P2011−92228)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】