説明

粉体収納容器、及び、画像形成装置

【課題】回転する容器本体の内部に残留する粉体の残量が直接的に検知される、粉体収納容器、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー容器32Yには、長手方向を回転軸方向とした状態で回転することで内部に収容した粉体を長手方向一端側の開口部に向けて搬送する筒状の容器本体33Yが設けられている。そして、容器本体33Yには、長手方向において離間した複数の位置であって、周方向における異なる位置に、それぞれ、外部から内部に向けて光が照射された場合にその位置に粉体がないときにのみ光を外部に向けて透過する光透過部33b1〜33b4が、容器本体33Yの外周面ら外部に向けて凸状に突出するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に設置される略筒状の粉体収納容器と、それが設置された画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置においては、画像形成装置本体に着脱可能に設置される筒状の粉体収納容器(トナーボトル)が多く用いられている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1、2において、画像形成装置本体に交換可能に設置される粉体収納容器(トナーボトル)には、周面に螺旋状の溝が形成された容器本体(ボトル本体)が設置されている。そして、画像形成装置本体に設置された駆動モータによって容器本体が回転駆動されることで、容器本体内に収納された粉体(トナー)が開口部に向けて搬送されて、開口部からキャップ部の排出口を介して外部に粉体が排出される。
【0003】
このような筒状の粉体収納容器が設置された画像形成装置では、容器本体を駆動する駆動モータの稼働時間を積算することで、粉体収納容器の内部に残留する粉体の残量を間接的に求めている。そして、粉体収納容器の内部の粉体の残量が所定値以下になったときに、粉体収納容器の交換時期が近くなったことや交換が必要になったことを知らせるアラート表示をおこなっている。
【0004】
一方、特許文献3には、粉体収納容器が回転するごとに粉体収納容器に接触するメカニカルなスイッチを設置して、スイッチで検知した回転回数の積算値に基いて粉体収納容器に残留する粉体の残量を間接的に求める技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像形成装置では、粉体収納容器の内部に残留する粉体の残量を正確に検知することができなかった。
このような問題が生じてしまうことの主たる理由は、容器本体が回転しているため、容器本体内にて開口部に向けて流動する粉体の残量を直接的に検知することが難しいことにある。
そして、このような問題が生じてしまうと、粉体収納容器の交換が必要でないのに交換が必要である旨のアラート表示がされてしまったり、粉体収納容器の交換が必要であるのに交換が必要である旨のアラート表示がされなかったりしてしまうことになる。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、回転する容器本体の内部に残留する粉体の残量が直接的に検知される、粉体収納容器、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の請求項1記載の発明にかかる粉体収納容器は、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される粉体収納容器であって、長手方向の一端側に開口部が形成されるとともに、前記長手方向を回転軸方向とした状態で回転することで内部に収容した粉体を前記開口部に向けて搬送する筒状の容器本体を備え、前記容器本体は、前記長手方向において離間した複数の位置であって、周方向における異なる位置に、それぞれ、外部から内部に向けて光が照射された場合にその位置に粉体がないときにのみ当該光を外部に向けて透過する光透過部が、当該容器本体の外周面から外部に向けて凸状に突出するように形成されたものである。
【0008】
また、請求項2記載の発明にかかる粉体収納容器は、前記請求項1に記載の発明において、前記容器本体の回転中心に設置されるとともに、回転している前記容器本体に対して非回転で保持される軸部と、前記軸部に保持されるとともに、前記容器本体に対して相対的に回転することで前記光透過部を清掃する清掃部材と、をさらに備えたものである。
【0009】
また、請求項3記載の発明にかかる粉体収納容器は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記光透過部は、前記長手方向に直交する断面でみたときに、前記容器本体の前記外周面から突出した部分の両側の側壁が、それぞれ、前記容器本体の回転中心を通る仮想線上に位置するように形成されたものである。
【0010】
また、請求項4記載の発明にかかる粉体収納容器は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記光透過部は、前記長手方向に直交する断面でみたときに、前記容器本体の前記外周面から突出した部分の両側の側壁が、それぞれ、それらの側壁から等距離にあって前記容器本体の回転中心を通る仮想中心線に対して平行に位置するように形成されたものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明にかかる粉体収納容器は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記光透過部は、前記長手方向に直交する断面でみたときに、前記容器本体の前記外周面から突出した部分が円弧状に形成されたものである。
【0012】
また、この発明の請求項6記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の粉体収納容器が前記画像形成装置本体に設置されたものである。
【0013】
また、請求項7記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記画像形成装置本体に装着された状態の前記粉体収納容器において、前記容器本体の回転にともない前記光透過部が下方に位置するときの当該光透過部に対して、前記長手方向において前記一端側に対する他端側又は前記一端側から前記一端側又は前記他端側に向けて光を照射する発光部と、前記発光部に対向する位置であって前記長手方向における前記一端側又は前記他端側において、前記発光部から照射された光を受光できるように配設された受光部と、を備え、前記受光部によって検知された検知結果から前記容器本体の内部に残留する粉体の残量を検出するものである。
【0014】
また、請求項8記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項7に記載の発明において、前記発光部から前記受光部に至る光路に光ファイバが配設されたものである。
【0015】
また、請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記画像形成装置本体は、前記粉体収納容器から粉体が供給される供給先における粉体の量を直接的又は間接的に検知して、その検知結果に基いて前記容器本体を回転駆動する駆動手段を備え、前記駆動手段は、前記受光部の検知結果に基いて検出された前記容器本体の内部に残留する粉体の残量に基いて、前記容器本体の回転駆動を補正制御するものである。
【0016】
また、請求項10記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項6〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記粉体収納容器の前記容器本体を回転可能に保持する受部を備え、前記受部は、前記粉体収納容器における複数の前記光透過部に対応する位置に、周方向に沿った溝部が形成されたものである。
【0017】
また、請求項11記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項10に記載の発明において、前記受部は、前記粉体収納容器における前記容器本体の回転方向の位置が所定位置に定められた状態で、複数の前記光透過部のうち少なくとも1つの光透過部に対応する周方向の位置に、前記長手方向に沿った第2の溝部が形成されたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、回転する容器本体における長手方向の離間した複数の位置であって周方向における異なる位置に光透過部を形成しているため、回転する容器本体の内部に残留する粉体の残量が直接的に検知される、粉体収納容器、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】作像部を示す断面図である。
【図3】トナー補給装置にトナー容器が設置された状態を示す模式図である。
【図4】トナー容器と発光部及び受光部とを側方から示す概略斜視図である。
【図5】トナー容器の内部のトナーが消費される状態を示す図である。
【図6】トナー容器のトナー残量によって変化する受光信号を示す波形図である。
【図7】画像形成装置本体にトナー容器が装着される状態を示す概略斜視図である。
【図8】別形態の画像形成装置本体にトナー容器が装着される状態を示す概略斜視図である。
【図9】別形態のトナー容器を示す、(A)概略斜視図と、(B)概略断面図と、である。
【図10】トナー容器における光透過部の変形例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0021】
まず、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つの粉体収納容器としてのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが着脱可能(交換可能)に設置されている(図3をも参照できる。)。
トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー(粉体)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
トナー容器32Y、32M、32C、32K(粉体収納容器)の下方には、それぞれ、トナー補給装置60Y(図3を参照できる。)が配設されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容された粉体としてのトナーは、それぞれ、トナー補給装置によって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に供給(補給)される。
【0022】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0023】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0024】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0025】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0026】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0027】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0028】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ13、14、中間転写クリーニング部10、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材12〜14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0029】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0030】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0031】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0032】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0033】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0034】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0035】
次に、図2にて、作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー搬送経路64Yに連通している。
【0036】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0037】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Y(粉体収納容器)に収容されているトナー(粉体)が、トナー補給装置60Y(図3を参照できる。)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0038】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0039】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0040】
次に、図3にて、トナー補給装置60Yについて詳述する。
図3を参照して、装置本体100のトナー容器収容部31に設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32K(粉体収納容器)内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置によって適宜に各現像装置内に補給される。
なお、4つのトナー補給装置やトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置60Yやトナー容器32Yのみの説明をおこない、他の3つの色に対応したトナー補給装置やトナー容器32M、32C、32Kの説明を適宜に省略する。
【0041】
図3を参照して、トナー容器32Yが、装置本体100のトナー容器収容部31にキャップ部34Yの側を先頭にして長手方向を装着方向として装着(図3中、右方から左方への移動である。)されると、その装着動作に連動して、キャップ部34Yの下方に設置されたシャッタ部材34dが移動してトナー排出口Wが開放されるとともに、トナー補給装置60Yのトナー補給口73wとトナー排出口Wとが連通する(図7をも参照できる。)。これにより、トナー容器32Y内に収容されたトナーが、トナー排出口Wから排出されて、トナー補給装置60Yのトナー補給口73wからトナータンク部61Y内に貯溜されることになる。
【0042】
ここで、図3〜図5を参照して、粉体収納容器としてのトナー容器32Yは、略円筒状のトナーボトルであって、主として、トナー容器収容部31に非回転で保持されるキャップ部34Yと、ギア33cが一体的に形成された容器本体33Y(ボトル本体)と、で構成される。容器本体33Yは、キャップ部34Yに対して相対的に回転可能に保持されている。そして、容器本体33Yは、駆動手段(駆動モータ91、駆動ギア81等で構成されている。)によって、長手方向を回転軸方向として回転駆動(図3の矢印方向の回転駆動である。)される。そして、容器本体33Y自体が回転することで、容器本体33Yの内周面に螺旋状に形成された突起33aによって、トナー容器32Y(容器本体33Y)の内部に収容されたトナーが長手方向に搬送されて(図3の右方から左方への搬送である。)、キャップ部34Yのトナー排出口Wからトナーが排出される。すなわち、駆動手段81、91によってトナー容器32Yの容器本体33Yが適宜に回転駆動されることで、トナータンク部61Yにトナーが適宜に供給される。なお、トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったときである。)に新品のものに交換されることになる。
【0043】
図3を参照して、トナー補給装置60Yは、トナータンク部61Y、トナー搬送スクリュ62Y(オーガ)、撹拌部材65Y、トナーエンドセンサ66Y、駆動モータ91、駆動ギア81、等で構成されている。
トナータンク部61Yは、トナー容器32Yのトナー排出口Wの下方に配設されていて、トナー容器32Yのトナー排出口Wから排出されたトナーが貯留される。トナータンク部61Yの底部は、トナー搬送スクリュ62Y(トナー搬送経路)の上流部に接続されている。
また、トナータンク部61Yの壁面(底部から所定高さの位置である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサ66Yが設置されている。トナーエンドセンサ66Yとしては、圧電センサ等を用いることができる。そして、トナーエンドセンサ66Yによってトナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことが制御部90にて検知(トナーエンド検知)されると、制御部90の制御により駆動手段(駆動モータ91、駆動ギア81)によってトナー容器32Yの容器本体33Yを所定時間回転駆動してトナータンク部61Yへのトナー補給をおこなう。
【0044】
また、トナータンク部61Yの中央(トナーエンドセンサ66Yの近傍である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーの凝集を防ぐ撹拌部材65Yが設置されている。撹拌部材65Yは、軸部に可撓性部材が設置されたものであって、図3の反時計方向に回転することによりトナータンク部61Y内のトナーを撹拌する。さらに、撹拌部材65Yの可撓性部材の先端が、回転周期でトナーエンドセンサ66Yの検知面に摺接することで、トナーエンドセンサ66Yの検知面にトナーが固着して検知精度が低下する不具合を抑止している。
【0045】
図示は省略するが、トナー搬送スクリュ62Yは、トナータンク部61Yから現像装置5Yに至るトナー搬送経路64Yに内設されていて、トナータンク部61Yに貯留されたトナーを現像装置5Yに向けて搬送するものである。
【0046】
また、図3、図7等を参照して、トナー容器収容部31には、トナー容器32Y全体を保持するための受部本体110、トナー容器32Yの容器本体33Yを回転可能に保持するための受部120(ボトル受部)、トナー容器32Yの内部のトナー残量を検知するための発光部85及び受光部87、トナー容器32Yの着脱時に本体カバーとともに開閉される蓋部111、等が設置されている。
【0047】
ここで、図1、図7を参照して、装置本体100の手前側(図1の紙面垂直方向手前側であって、図3の右側である。)に設置された本体カバー(図7の蓋部111が一体的に設置されている。)を開放すると、トナー容器収容部31(受部本体110)が露呈される。そして、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの長手方向を水平方向とした状態で、装置本体100の手前側から各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの着脱操作(トナー容器の長手方向を着脱方向とする着脱操作である。)がおこなわれる。
詳しくは、トナー容器32Yは、キャップ部34Y側を装着方向奥側として、受部120上を滑動されながらトナー容器収容部31(受部本体110)にセットされることになる。そして、キャップ部34Yがトナー容器収容部31における装着方向奥側のキャップ受部に達すると、キャップ部34Yのシャッタ部34dが図3の矢印方向に移動してトナー排出口Wが開放されるとともに、装置本体100のトナー補給口73wとトナー排出口Wとが連通することになる。そして、これと同時に、キャップ部34Yが、キャップ受部に固定保持されることになる。
なお、画像形成装置100からのトナー容器32Yの離脱時には、上述した装着時の動作と逆の動作がおこなわれることになる。
【0048】
次に、図4、図5にて、粉体収納容器としてのトナー容器32Yについて詳述する。
図4、図5に示すように、トナー容器32Y(粉体収納容器)は、主として、容器本体33Y(ボトル本体)と、その頭部に設けられたキャップ部34Y(ボトルキャップ)と、で構成される。
容器本体33Yは、長手方向(図4、図5の左右方向である。)の一端側に開口部(キャップ部34Yによって覆われている。)が形成された、略筒状の容器である。また、容器本体33Yの周面には、内部に向けて螺旋状に突起する突起33a(螺旋状溝)が形成されていて、容器本体33Yが長手方向を回転軸方向とした状態で回転することで内部に収容したトナー(粉体)が開口部に向けて搬送されることになる。
【0049】
また、容器本体33Yの頭部(開口部が形成された側である。)には、容器本体33Yとともに一体的に回転するギア33cが設けられている(図4を参照できる。)。開口部は、容器本体33Yの頭部に設けられていて、容器本体33Y内に収容されたトナーをキャップ部34Y内のスペース(空洞)に向けて排出するためのものである。
ギア33cは、装置本体100のトナー容器収容部31に設けられた駆動ギア81と噛合して、容器本体33Yを回転軸を中心に回転駆動させるためのものである。詳しくは、ギア33cは、開口部の周りを1周するように形成されていて、容器本体33Yの回転中心に対して放射状に複数の歯が形成されている。そして、ギア33cは、その一部が、キャップ部34Yに形成された切欠部(図4を参照できる。)から露呈して、その露呈した位置にて装置本体100の駆動ギア81と噛合する。そして、駆動ギア81からギア33cに駆動力が伝達されて、容器本体33Yが所定方向に回転することになる。なお、本実施の形態において、駆動ギア81及びギア33cは平歯車である。
【0050】
また、容器本体33Yには、長手方向において離間した複数の位置(本実施の形態では4つの位置である。)に、それぞれ、外部から内部に向けて光が照射された場合にその位置にトナーがないときにのみ、その光を外部に向けて透過する光透過部33b1〜33b4が形成されている。この光透過部33b1〜33b4は、周方向(回転方向)における異なる位置に、容器本体33Yの外周面から外部に向けて凸状に突出するように形成されている。換言すると、容器本体33Yの回転軸に直交する面でみたときに(回転軸方向にみたときに)、容器本体33Yの外周面(光透過部33b1〜33b4が形成されていない部分である。)の一部に突出するように長手方向の離間した位置に形成された複数の光透過部33b1〜33b4が、互いに周方向の異なる位置に位相がずれるように設置されている(図10をも参照できる。)。したがって、容器本体33Yが回転駆動されるのにともない、容器本体33Yにおける4つの光透過部33b1〜33b4がそれぞれ周方向(回転方向)に変位することになる。
なお、本実施の形態では、4つの光透過部33b1〜33b4が、周方向(回転方向)に等間隔に90度ずれて形成されている。
【0051】
そして、容器本体33Yは、光透過部33b1〜33b4が形成された部分も含めてほぼ同じ肉厚で形成されていて、光透過部33b1〜33b4が形成された部分が凹状の内壁面(又は、凸状の外壁面)になっている。したがって、図5に示すように、光透過部33b1〜33b4が形成された部分にも、そのときのトナー残量に応じて適宜にトナーが入り込むことになる。
また、光透過部33b1〜33b4は、光に対する透過率の高い材料で形成されている。光透過部33b1〜33b4の材料としては、例えば、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、等の樹脂材料や、ガラス材料、等を用いることができる。なお、容器本体33Yにおいて、光透過部33b1〜33b4を除く部分は、PET、PE等の樹脂材料で形成されている。
このように構成された容器本体33Yは、光透過部33b1〜33b4とそれ以外の部分とを2色成形によって一体的に形成したり、光透過部33b1〜33b4を除く部分をブロー成形にて形成した後に後加工によって光透過部33b1〜33b4を接合して形成したりして製造することができる。
【0052】
一方、画像形成装置本体100には、トナー容器収容部31(受部本体110)に装着された状態のトナー容器32Yの下方であって、4つの光透過部33b1〜33b4のうち回転によって下方に位置したときの光透過部を挟むように、長手方向他端側(図4の右方である。)に発光部85が設置され、長手方向一端側(図4の左方である。)に受光部87が設置されている。
詳しくは、発光部85は、装置本体100に装着された状態のトナー容器32Yにおいて、容器本体33Yの回転にともない光透過部33b(4つの光透過部33b1〜33b4のうちの1つである。)が下方に位置するときに、その光透過部33bに対して、長手方向において一端側に対する他端側から一端側に向けて光を照射する(図4の右方から左方への光照射である。)。
また、受光部87は、発光部85に対向する位置であって長手方向における一端側において、発光部85から照射された光を受光できるように配設されている。
【0053】
さらに詳しくは、発光部85は、LED、LD等の発光素子が設置されていて、画像形成装置本体100に装着された状態のトナー容器32Yの光透過部33bに向けてそれぞれ光を照射する(直線状の入射光路を介して光を照射する)。
受光部87は、フォトダイオード等の受光素子が設置されていて、光透過部33bから透過した光をそれぞれ受光する(直線状の射出光路を介して受光する)。
これらの発光部85と受光部87とは、容器本体33Yの回転駆動を妨げないように、容器本体33Yに当接しない位置であって、回転によって変位する4つの光透過部33b1〜33b4が容器本体33Yの下方に位置したときに光の入出をおこなえる位置に設置されている。
【0054】
そして、受光部87によって検知された検知結果から容器本体33Yの内部に残留するトナーの残量(トナー残量)が検出される。
すなわち、容器本体33Yの回転によって光透過部33b1〜33b4が発光部85及び受光部87に対向する位置(容器本体33Yの下方である。)にあるときに、発光部85から発光された光が受光部87で受光されない場合には、その光透過部の位置にトナーが存在していて光の透過が遮断された状態であって、その位置までのトナー残量があることが検出される。これに対して、容器本体33Yの回転によって光透過部33b1〜33b4が発光部85及び受光部87に対向する位置にあるときに、発光部85から発光された光が受光部87で受光された場合には、その光透過部の位置にトナーが存在しておらず光が透過された状態であって、その位置までのトナー残量がないことが検出される。
【0055】
ここで、4つの光透過部33b1〜33b4(いずれも同じ断面形状となるように形成されている。)は周方向に約90度ずれて配置されていて、これらが容器本体33Yとともに回転して回転方向の位置が変化するために、発光部85と受光部87との間に、4つの光透過部33b1〜33b4が容器本体33Yの回転周期ごとに互いに1/4周期ずれて現れることになる。したがって、受光部87で検知される受光信号(光路を経て受光部87に達した光による出力信号である。)のうち、発光部85と受光部87との間に光透過部33b1〜33b4が存在しないタイミングで検知されるものは実質的に除いて、発光部85と受光部87との間に光透過部33b1〜33b4が存在するタイミングで検知されるもののみを実質的に用いて、光が透過される光透過部33b1〜33b4の位置(組み合わせ)に応じてトナー容器32Yのトナー残量が検知されることになる。実際の制御としては、後述するように、容器本体33Yの回転周期ごとに検知される受光信号の波形の違いから、トナー容器32Yのトナー残量が検知されることになる(図6を参照できる。)。
【0056】
具体的に、図5(A)に示すように、容器本体33Y内のトナーが充分にあるときには、4つの光透過部33b1〜33b4がそれぞれ回転によって下方に位置したときにはいずれもトナーが存在していて、発光部85から発光された光は光透過部33b1〜33b4で遮断されて受光部87で受光されない。このとき受光部87において容器本体33Yの回転周期ごとに検知される受光信号の波形は、図6(A)のようになる。なお、図6(A)〜(D)において、「H」は発光部85からの光がいずれの光透過部33b1〜33b4にも照射されておらず受光部87に直接的に達しているときの受光信号であり、「M」は発光部85からの光がトナーのない光透過部33bに照射されて透過部33bを透過して受光部87に達しているときの受光信号であり、「L」は発光部85からの光がトナーのある光透過部33bに照射されて透過部33bを透過せずに受光部87に達していないときの受光信号である。
そして、図示は省略するが、容器本体33Y内のトナーがある程度消費されて、まず、4つの光透過部33b1〜33b4のうち第4光透過部33b4の位置でトナーがなくなると、回転により第4光透過部33b4が下方に位置したときに発光部85から発光された光は第4光透過部33b4を透過して受光部87で受光され、その他の透過部33b1〜33b3が下方に位置したときに発光部85から発光された光は光透過部で遮断されて受光部87で受光されない。このとき受光部87において容器本体33Yの回転周期ごとに検知される受光信号の波形は、図6(A´)のようになる。すなわち、「M」の受光信号が第4光透過部33b4に対応して、3つの「L」の受光信号がその他の光透過部33b1〜33b3に対応する。
そして、図5(B)に示すように、容器本体33Y内のトナーがさらに消費されて、4つの光透過部33b1〜33b4のうち第3、4光透過部33b3、33b4の位置でトナーがなくなると、回転により第3、4光透過部33b3、33b4がそれぞれ下方に位置したときに発光部85から発光された光は光透過部を透過して受光部87で受光され、その他の透過部33b1、33b2が下方に位置したときに発光部85から発光された光は光透過部で遮断されて受光部87で受光されない。このとき受光部87において容器本体33Yの回転周期ごとに検知される受光信号の波形は、図6(B)のようになる。
そして、図5(C)に示すように、容器本体33Y内のトナーがさらに消費されて、4つの光透過部33b1〜33b4のうち第2〜第4光透過部33b2〜33b4の位置でトナーがなくなると、回転により第2〜第4光透過部33b2〜33b4がそれぞれ下方に位置したときに発光部85から発光された光は光透過部を透過して受光部87で受光され、その他の透過部33b1が下方に位置したときに発光部85から発光された光は光透過部で遮断されて受光部87で受光されない。このとき受光部87において容器本体33Yの回転周期ごとに検知される受光信号の波形は、図6(C)のようになる。そして、この状態が、制御部90で認識されると、トナー容器32Yのトナー残量が少なくなったものとして、装置本体100の表示パネル(不図示である。)に、その旨の表示(ニアエンド表示)がおこなわれる。これにより、ユーザーは、トナー容器32Yの内部のトナー量が少なくなっていてトナー容器32Yの交換時期が近いことを認識することになる。
最後に、図5(D)に示すように、容器本体33Y内のトナーがさらに消費されて、4つの光透過部33b1〜33b4のうちすべての位置でトナーがなくなると、回転により4つの光透過部33b1〜33b4がそれぞれ下方に位置したときに発光部85から発光された光は光透過部を透過して受光部87で受光される。このとき受光部87において容器本体33Yの回転周期ごとに検知される受光信号の波形は、図6(D)のようになる。そして、この状態が、制御部90で認識されると、トナー容器32Yのトナーがなくなったものとして(又は、それに近い状態になったものとして)、装置本体100の表示パネルに、その旨の表示(トナーエンド表示)をおこなう。これにより、ユーザーは、トナー容器32Yの内部にトナーがなくなっていてトナー容器32Yの交換をおこなう必要があることを認識することになる。
【0057】
このようなトナー残量検知をおこなうために、4つの光透過部33b1〜33b4のうち、トナーエンド検知に関与する第1光透過部33b1の長手方向の位置と、ニアエンド検知に関与する第2光透過部33b2の長手方向の位置と、が特に重要となる。なお、本実施の形態では、光透過部33b1〜33b4の数を4つとして、周方向の異なる位置に等間隔に配置したが、その数や周方向の間隔は本実施の形態のものに限定されるものではない。すなわち、光透過部の数は3つ以下又は5つ以上であってもよいし、複数の光透過部を周方向の異なる位置にランダムな間隔で配置することもできる。要するに、トナー消費が進むに連れて容器本体33Yにおいて開口部側に集まるように移行するトナーを複数の光透過部でとらえて、他端側に配置された発光部85と一端側に配置された受光部87とによって複数の光透過部を別々に光透過できるように構成できれば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、光透過部33b1〜33b4はトナーがないときに入射した光のうち100%の光を透過するのではなく約90%程度の光を透過するものなので(図6の「H」信号と「M」信号とを参照できる。)、少なくとも駆動モータ91を1回転周期分だけ駆動して、受光部87における受光信号の波形を検知することにより、装置本体100にトナー容器32Yが設置されていない状態(未セット状態)をトナーエンド状態とは別に検知することもできる。
【0058】
このように、本実施の形態では、回転する容器本体33Yにおける長手方向の離間した複数の位置であって周方向の異なる位置に光透過部33b1〜33b4を形成しているため、回転する容器本体33Yの内部のトナー残量を直接的に検知することができて、正確なトナー残量検知(又は、トナーエンド検知やニアエンド検知)が可能になる。したがって、トナー容器32Yの交換が必要でないのに交換が必要である旨のアラート表示がされてしまったり、トナー容器32Yの交換が必要であるのに交換が必要である旨のアラート表示がされなかったりしてしまう不具合が抑止されることになる。
【0059】
ここで、本実施の形態では、受光部87の検知結果に基いて検出された容器本体33Yのトナー残量に基いて、駆動手段(駆動モータ91、駆動ギア81等で構成されている。)による容器本体33Yの回転駆動が補正制御される。これは、容器本体33Yのトナー残量が少なくなっていくと、トナー残量が充分なときに比べて、所定の回転時間ごとに容器本体33Y(トナー容器32Y)から排出されるトナー量が減少することによる。
詳しくは、トナー容器32Yからのトナー補給が進められて、やがてトナー残量が所定値A(例えば、100gであって、図5(C)の状態である。)以下であることが検知されると、トナー容器32Yから供給先としてのトナータンク部61Yに向けて供給するトナー補給量の制御が補正される。先に説明したように、トナータンク部61Y(供給先)にはトナータンク部61Yにおけるトナー量を検知するトナーエンドセンサ66Y(図3を参照できる。)が設置されていて、その検知結果に基いて駆動モータ91(駆動手段)によって容器本体33Yが適宜に回転駆動される。ところが、トナー容器32Yからのトナー補給が進められて、トナー残量がある程度少なくなってくると、容器本体33Yを所定時間回転したときにトナー容器32Yから排出されるトナー量(トナー補給量)が徐々に少なくなってくる。そのため、その状態が検知されると、駆動モータ91によっておこなわれる容器本体33Yの回転駆動を補正制御している。具体的に、トナーエンドセンサ66Yの検知結果に基いて求められる容器本体33Yの回転駆動時間に対して補正係数(実験によるトナー残量とトナー補給量との関係から予め定められたものである。)を乗じた時間だけ、容器本体33Yを回転駆動する(駆動時間が増加される)。このような補正制御をおこなうことで、経時においてもトナー容器32Yから安定的なトナー補給をおこなうことができる。
【0060】
ここで、図7を参照して、本実施の形態における画像形成装置本体100は、受部本体110(トナー容器収容部31)に、トナー容器32Yの容器本体33Yを回転可能に保持する受部120が設けられている。この受部120には、容器本体33Yの外周面の形状に合わせた円弧状の溝が長手方向に延設されている。そして、受部120には、トナー容器32Yの複数の光透過部33b(図7では、簡単のため光透過部の数を減らして図示している。)に対応する位置に、周方向に沿った略円弧状の溝部121(第1の溝部)が形成されている。さらに、受部120には、トナー容器32Yにおける容器本体33Y(光透過部33b)の回転方向の位置が所定位置に定められた状態(本実施の形態では、1つの光透過部33bが容器本体33Yの最下方にある状態である。)で、複数の光透過部33bのうち少なくとも1つの光透過部(本実施の形態では、最下方に位置する光透過部である。)に対応する周方向の位置に、長手方向に沿った略矩形状の第2の溝部122が形成されている。
このような構成により、トナー容器32Yの長手方向を着脱方向としてトナー容器収容部31への着脱が可能になるとともに、駆動手段81、91による容器本体33Yの回転駆動が可能になる。すなわち、略円弧状の第1の溝部121と、装着方向に沿った第2の溝部122と、を形成することで、容器本体33Yから突出した光透過部33bが装置本体100に干渉することなく、容器本体33Yの着脱と回転駆動とが可能になる。
【0061】
なお、本実施の形態では、装置本体100の手前側(図1の紙面垂直方向手前側である。)に受部本体110を露呈するための蓋部111(本体カバー)が開閉可能に設置されていて、蓋部111(本体カバー)の開閉動作とともにトナー容器32Yの長手方向を装着方向とした着脱操作がおこなわれることになる(図7の矢印方向の装着である。)。また、トナー容器32Yの装着操作は、光透過部33b1〜33b4の1つが下方に位置した状態でおこなわれることになる。
また、図7を参照して、発光部85は蓋部111に設置されていて、トナー容器32Yが受部本体110にセットされて蓋部111が閉鎖されたときに、最下方の光透過部33b(又は、受光部87)に対向する位置であって、トナー容器32Yに干渉しない位置に、移動することになる。また、受光部87は、第2の溝部122における装着方向奥側であって、トナー容器32Yに干渉しない位置に設置されている。
なお、本実施の形態では、受部120が容器本体33Yにおける周方向の下半分を保持するように構成されているため、最下方に位置する光透過部に対応する周方向の位置にのみ、長手方向に沿った第2の溝部122を形成した。これに対して、受部120が容器本体33Yにおける周方向の全域を保持するように構成された場合には、複数の光透過部に対応する周方向の位置のすべてに、長手方向に沿った第2の溝部122を形成することになる。
【0062】
なお、本実施の形態では、装置本体100の受部120に、第1の溝部121と第2の溝部122とを設けて、装置本体100に対して長手方向を装着方向とするトナー容器32Yの装着操作を可能とした。
これに対して、装置本体100(受部本体110)に対して上方からトナー容器32Yの装着がされるように構成する場合には、図8に示すように受部120に第1の溝部121のみを設ければよいことになる。
このような場合、図1に示したスタック部30を、不図示のヒンジ部を中心にして開閉される本体カバーとして機能させることができる。そして、スタック部30の内側(受部本体110に対向する側である。)に、図8に示すように、第2受部本体112を形成するとともに、第2受部本体112に略円弧状の第1の溝部121を形成することで、装置本体100におけるトナー容器32Yの保持性がさらに向上することになる。
【0063】
また、本実施の形態におけるトナー容器32Yにおいて、光透過部33b1〜33b4にトナーが付着して光透過性が低下してしまい正確なトナー残量検知ができなくなってしまう不具合を確実に防止するために、光透過部33b1〜33b4へのトナー付着を防止する清掃手段75、76を設置することができる。
詳しくは、図9に示すように、清掃手段は、軸部75と、ブラシ部材76(清掃部材)と、で構成されている。軸部75は、容器本体33Yの回転中心に設置されていて、回転している容器本体33Yに対して非回転で保持される。清掃部材としてのブラシ部材76は、軸部75に保持されていて、容器本体33Yに対して相対的に回転することで光透過部33b1〜33b4を清掃する。ブラシ部材76は、その先端に設けられたブラシ毛が光透過部33b1〜33b4の内壁面に摺接するように、軸部75に固設されている。ここで、軸部75は、図9(B)に示すようにブラシ部材76が鉛直方向や水平方向に対して傾斜する位置に配設されていて、ブラシ部材76によって最下方に位置したときの光透過部33b1〜33b4に透過される光Zが遮断されないように構成されている。
【0064】
ここで、容器本体33Yの外周面の一部に設けられる光透過部33b(33b1〜33b4)の断面形状(長手方向に直交する断面でみたときの形状である。)としては、図10(A)〜(C)に示す種々のものを用いることができる。
【0065】
具体的に、図10(A)に示す光透過部33bは、長手方向に直交する断面でみたときに、容器本体33Yの外周面から突出した部分の両側の側壁33b10が、それぞれ、それらの側壁33b10から等距離にあって容器本体33Yの回転中心を通る仮想中心線に対して平行に位置するように形成されたものである。
このように光透過部33bを形成した場合には、図7に示すように長手方向を装着方向としてトナー容器32Yを装着するときに、長手方向に延在する第2の溝部122に対して光透過部33bの側壁33b10をガイド面として滑動させながら安定的に装着できることになる。特に、図10(A)に示すように、容器本体33Yを周方向全域にわたって囲むように受部120を形成した場合であっても、受部120に対して容器本体33Yが上下方向や左右方向にズレて装着されても光透過部33bが第2の溝部122の形状に沿って移動して溝部122に干渉しにくくなるため、トナー容器32Yの着脱操作性が向上することになる。
【0066】
また、図10(B)に示す光透過部33bは、長手方向に直交する断面でみたときに、容器本体33Yの外周面から突出した部分の両側の側壁33b10が、それぞれ、容器本体33Yの回転中心を通る仮想線上に位置するように形成されたものである。
このように光透過部33bを形成した場合には、光透過部33bに対する発光部85及び受光部87の上下方向の相対的な位置が狙いの位置に対してズレてしまっても、容器本体33Yの回転周期において光透過部33bが発光部85と受光部87との間を横切る時間(図10(B)中の両矢印の範囲が通過する時間である。)は同じになるため、受光部87にて検知される受光信号の波形(図6に示したものである。)が横軸方向に変形することがなく、受光部87での検知精度が向上することになる。
【0067】
また、図10(C)に示す光透過部33bは、長手方向に直交する断面でみたときに、容器本体33Yの外周面から突出した部分が円弧状に形成されたものである。この円弧状の光透過部33bは、その内壁面が、容器本体の内壁面(光透過部33b以外の部分の内壁面である。)に対して比較的緩やかな角度で交差するように形成されている。
このように光透過部33bを形成した場合には、先に図9で説明したように光透過部33bを清掃する清掃手段(ブラシ部材76及び軸部75)を設置した場合に、ブラシ部材76のブラシ毛が光透過部33bの内壁面に満遍なく摺接しやすくなるため、その清掃性能が高められることになる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態では、回転する容器本体33Yにおける長手方向の離間した複数の位置であって周方向における異なる位置に光透過部33b1〜33b4を形成しているため、回転する容器本体33Yの内部に残留するトナー(粉体)の残量を直接的に検知することができる。
【0069】
なお、本実施の形態において、発光部85から受光部87に至る光路の一部又は全部に光ファイバを配設することもできる。このような場合、光路を進む光は光ファイバによってその拡散が抑止されることになるため、発光部85の光源として直進性の低いものを用いた場合であっても、本実施の形態のものと同様のトナー残量検知をおこなうことができる。
【0070】
また、本実施の形態では、発光部85を他端側(図4の右方である。)に設置して、受光部87を一端側(図4の左方である。)に設置した。これに対して、発光部85を一端側(図4の左方である。)に設置して、受光部87を他端側(図4の右方である。)に設置することもできる。そして、その場合であっても、本実施の形態のものと同様のトナー残量検知をおこなうことができる。
【0071】
また、本実施の形態では、粉体収納容器としてのトナー容器32Y、32M、32C、32K内に粉体としてトナーのみを収容したが、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を現像装置に適宜に供給する画像形成装置に対しては粉体収納容器内に粉体として2成分現像剤を収容することもできる。
また、本実施の形態において、作像部6Y、6M、6C、6Kの一部又は全部をプロセスカートリッジとすることもできる。
そして、それらの場合であっても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0073】
5Y 現像装置、
32Y、32M、32C、32K トナー容器(粉体収納容器)、
33Y 容器本体、
33a 突起(螺旋状の突起)、
33b、33b1〜33b4 光透過部、
33c ギア、
34Y キャップ部、
60Y トナー補給装置、
75 軸部、
76 ブラシ部材(清掃部材)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
110 受部本体、
120 受部、
121 第1の溝部(溝部)、
122 第2の溝部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開平4−1681号公報
【特許文献2】特許第3347201号公報
【特許文献3】特開2009−265369公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される粉体収納容器であって、
長手方向の一端側に開口部が形成されるとともに、前記長手方向を回転軸方向とした状態で回転することで内部に収容した粉体を前記開口部に向けて搬送する筒状の容器本体を備え、
前記容器本体は、前記長手方向において離間した複数の位置であって、周方向における異なる位置に、それぞれ、外部から内部に向けて光が照射された場合にその位置に粉体がないときにのみ当該光を外部に向けて透過する光透過部が、当該容器本体の外周面から外部に向けて凸状に突出するように形成されたことを特徴とする粉体収納容器。
【請求項2】
前記容器本体の回転中心に設置されるとともに、回転している前記容器本体に対して非回転で保持される軸部と、
前記軸部に保持されるとともに、前記容器本体に対して相対的に回転することで前記光透過部を清掃する清掃部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の粉体収納容器。
【請求項3】
前記光透過部は、前記長手方向に直交する断面でみたときに、前記容器本体の前記外周面から突出した部分の両側の側壁が、それぞれ、前記容器本体の回転中心を通る仮想線上に位置するように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉体収納容器。
【請求項4】
前記光透過部は、前記長手方向に直交する断面でみたときに、前記容器本体の前記外周面から突出した部分の両側の側壁が、それぞれ、それらの側壁から等距離にあって前記容器本体の回転中心を通る仮想中心線に対して平行に位置するように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉体収納容器。
【請求項5】
前記光透過部は、前記長手方向に直交する断面でみたときに、前記容器本体の前記外周面から突出した部分が円弧状に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉体収納容器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の粉体収納容器が前記画像形成装置本体に設置されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置本体に装着された状態の前記粉体収納容器において、前記容器本体の回転にともない前記光透過部が下方に位置するときの当該光透過部に対して、前記長手方向において前記一端側に対する他端側又は前記一端側から前記一端側又は前記他端側に向けて光を照射する発光部と、
前記発光部に対向する位置であって前記長手方向における前記一端側又は前記他端側において、前記発光部から照射された光を受光できるように配設された受光部と、
を備え、
前記受光部によって検知された検知結果から前記容器本体の内部に残留する粉体の残量を検出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記発光部から前記受光部に至る光路に光ファイバが配設されたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置本体は、前記粉体収納容器から粉体が供給される供給先における粉体の量を直接的又は間接的に検知して、その検知結果に基いて前記容器本体を回転駆動する駆動手段を備え、
前記駆動手段は、前記受光部の検知結果に基いて検出された前記容器本体の内部に残留する粉体の残量に基いて、前記容器本体の回転駆動を補正制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記粉体収納容器の前記容器本体を回転可能に保持する受部を備え、
前記受部は、前記粉体収納容器における複数の前記光透過部に対応する位置に、周方向に沿った溝部が形成されたことを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記受部は、前記粉体収納容器における前記容器本体の回転方向の位置が所定位置に定められた状態で、複数の前記光透過部のうち少なくとも1つの光透過部に対応する周方向の位置に、前記長手方向に沿った第2の溝部が形成されたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−20037(P2013−20037A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152553(P2011−152553)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】