説明

粉体製造装置及び粉体収容器

【課題】画像形成装置に用いられトナー等の粉体を製造する粉体製造装置や、画像形成装置に採用され、トナー等の粉体を収容して排出する粉体収容器において、粉体の付着や固着を抑制する。
【解決手段】粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートである導電性ポリエチレンシート1で形成するものであって、導電性ポリエチレンシート1端部同士の接合部を、ポリエチレン系接着剤3を用いて接着して、粉体が接触する面の接合部を平滑にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられるトナー等の粉体を製造する粉体製造装置に関するものである。また、画像形成装置に採用され、トナー等の粉体を収容して排出する粉体収容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に用いられるトナー等の粉体を製造する粉体製造装置では、粉体の装置内面への付着や固着による処理量低下や収率低下、固着物により輸送配管内が粉体で塞がってしまう閉塞停止等の課題が知られている。また、画像形成装置に採用されるトナーを収容するトナーホッパー等の粉体収容器では、容器内面に粉体が付着または固着して残ってしまい、収容した粉体が良好に排出できないという課題が知られている。
【0003】
一方、近年、トナーは、画像をより鮮明にするために小粒径化しており、これに伴いファンデルワールス力の影響で静電的付着性が強くなる傾向がある。また、画像形成装置の省エネルギー化のため、トナーの低温定着性が望まれており、軟化点を低くする傾向がある。このため、トナーを製造する粉体製造装置や粉体収容器では、付着や固着の課題が顕著となっている。
【0004】
粉体の付着や固着の課題を解決するための、製造装置や収容器の内面に処理をおこなうものが種々提案されている。
特許文献1には、輸送配管内面を研磨または樹脂コーティングにより平滑化処理する製造装置が記載されている。特許文献2には、トナーが接する面をブラスト処理する製造装置が記載されている。特許文献3には、収容器の内側面に、低摩擦係数および耐摩耗性を有する柔軟なポリエチレンシートをライニング(裏張り)処理するものが記載されている。これらの装置は何れも、トナーの付着や固着をある程度抑制する効果はあるものの、小粒径、低軟化点の進んだトナーに対してはその効果は不十分であった。
【0005】
本出願人は、特許文献4にて、トナーが接触する部分を導電性ポリマーシートでライニング(裏張り)処理したトナー製造装置を提案している。この装置では、トナーが衝突あるいは押し付けられることによる衝撃を緩和できる柔軟性と耐磨耗性を有するポリエチレン等のポリマーシートの表面性によりトナーの付着を抑制する効果に加え、トナーの誘電性に鑑みポリマーシートに導電性を付与することで、静電的にもトナーの付着を抑制するものである。このような導電性ポリマーシートをライニング処理した装置では、上記特許文献1乃至3に較べて、小粒径、低軟化点のトナーの付着や固着を良好に抑制する効果が得られた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トナーの接触する部分をポリマーシートでライニング処理する場合、平面領域ではトナーが接触する面全域を容易にポリマーシートで覆うことができる。一方、円錐または円筒形状のトナー貯留部、配管、または、分級器のような曲面領域では、ポリマーシートをカットして端部を接合しており、トナーが接触する面にポリマーシートの端部同士の接合部がきてしまう。通常のポリマーシートでは、トナーの接触する面が平滑となるように接合部の対向面同士を接着剤で接着している。
【0007】
しかしながら、特許文献4の導電性ポリマーシートは、導電性を付与するためのカーボンを含有しているために、一般的な接着剤では対向面同士を接着することが困難であることがわかった。対向面同士を接着できないと接合部で段違いや隙間ができてしまう。段違いの盛り上がり部には、トナーが滞留しやすくトナー付着を増進させてしまう。また、隙間の凹んだ部分にトナーが埋まりトナー付着を増進させてしまう。このように、導電性ポリマーシートでライニング処理してトナーの付着や固着を抑制するものでは、曲面領域のシート接合部にトナーが付着してしまいトナーの付着や固着を良好に抑制することが困難となっていた。
【0008】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、画像形成装置に用いられトナー等の粉体を製造する粉体製造装置において、粉体の付着や固着を抑制して、安定した性能を維持できる粉体製造装置を提供することである。また、第2の目的は、画像形成装置に用いられ、トナー等の粉体を収容して排出する粉体収容器において、粉体の付着や固着を抑制して、粉体を良好に排出できる粉体収容器を提供することである。
【0009】
上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートで形成した粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の粉体製造装置において、上記ポリエチレン系接着剤は熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させて結合させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシートは体積抵抗率10−6[Ω・cm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の何れかの粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシートの粉体との接触面が、算術平均粗さRaが0.06[μm]≦Ra≦0.10[μm]、最大高さRyが0.30[μm]≦Ry≦0.80[μm]、十点平均粗さRzが0.20[μm]≦Rz≦0.50[μm]、二乗平均粗さRqが0.08[μm]≦Rq≦0.12[μm]の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の何れかの粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシートはカーボンを含有したポリエチレンシートであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の何れかの粉体製造装置において、上記粉体は、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下のトナー、該トナーの原材料、または、該トナーの外添剤であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が貯蔵部内面であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が低速回転部内面であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が粉砕機または分級機の非回転部分であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が輸送配管または排気ダクトであることを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するために、請求項11の発明は、粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートで形成した粉体収容器において、上記導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の粉体収容器において、上記ポリエチレン系接着剤は熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させて結合させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11または12の粉体収容器において、上記導電性ポリマーシートはカーボンを含有したポリエチレンシートであることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11、12または13の何れかの粉体収容器において、収容される粉体は、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下のトナー、または、該トナーを含む現像剤であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、後述する実験に示すように、ポリエチレン系接着剤を用いることで、導電性ポリマーシート端部同士を接着することが可能になる。このため、シート接合部の粉体と接触する面を平滑とすることができ、接合部への粉体の付着または固着を抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至10の発明によれば、画像形成装置に用いられトナー等の粉体を製造する粉体製造装置において、粉体の付着や固着を抑制して、安定した性能を維持できるという優れた効果がある。
また、請求項11乃至14の発明によれば、画像形成装置に用いられトナー等の粉体を収容して排出する粉体収容器において、粉体の付着や固着を抑制して、収容した粉体を良好に排出できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施形態のトナー製造装置に採用される粉体貯留部と輸送配管の説明図。
【図2】第一の実施形態のトナー製造装置に採用される流動タンクと輸送配管の説明図。
【図3】ポリマーシート端部の接合部の説明図。
【図4】導電性ポリマーシート端部をV字カットしてPE系接着剤で接合する説明図。
【図5】第二の本実施形態のトナーホッパーからのトナー排出の様子の説明図。
【図6】従来のトナーホッパーからのトナー排出の様子の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した粉体製造装置の一例として、画像形成装置に用いるトナーを製造するトナー製造装置を用いた第一の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態によって限定されるものではない。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置では、潜像を現像するためにトナーが使用される。トナーの製造法としては粉砕法および重合法に大別され、簡便かつポピュラーな製造方法としては粉砕法が挙げられる。
【0014】
粉砕法による一般的な製造工程としては、結着樹脂、着色剤、必要に応じて荷電制御剤、磁性材料、離型剤、流動性付与剤などの添加剤からなる原材料を混合する。そして、混合した原材料を溶融混練して冷却固化した後、混練物を粗粉砕して粗粉砕物を得る。この粗粉砕物を粉砕機により粉砕して微細化したものを、分級機により所望の粒度分布に分級し、更に流動化剤などを添加して、トナーとしている。各処理工程の間は、輸送配管で連結されている。
【0015】
このような工程で得られるトナーは、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下となるようにすることが好ましい。このような特性を有するトナーは、小粒径の低温定着のトナーであり、高品位な画像が得られ、かつ、画像形成装置の省エネルギー化を図ることができる。また、二成分現像方法に用いる場合には、各種磁性キャリアと上記トナーとを混合して、現像剤として用いている。
【0016】
本実施形態では、このような工程を有するトナー製造装置の内面に粉体が付着または固着し難いようにするものである。
図1は、トナー製造装置に採用される粉体貯留部と輸送配管の説明図である。粉体貯留部10の内面を、導電性ポリマーシートである導電性ポリエチレンシート1で形成し、導電性ポリエチレンシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合する。さらに、輸送配管内面12、13を導電性ポリエチレンシート1で形成し、導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合する。このような粉体貯留部10は、上記トナー製造工程中、トナー原材料、製造途中の粉体、添加剤、トナー等の何れの粉体貯留部でも適用できる。また、これらを輸送する輸送配管のいずれにおいても適用できる。
【0017】
図2は、トナー製造装置に採用される流動タンクと輸送配管の説明図である。上記トナー製造工程中、粉砕機で粉砕されたトナーは流動タンク20に投入される。流動タンク20内のトナーは、粉体ポンプ21にて流動化されて均一嵩密度にした状態で、輸送配管22,23を介して分級機(不図示)に搬送される。この流動タンク20のような低速回転部の内面を、上述の導電性ポリエチレンシート1で形成し、導電性ポリエチレンシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合する。さらに、輸送配管22,23内面を導電性ポリエチレンシートで形成し、導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合する。
【0018】
内面を導電性ポリエチレンシートで形成して、トナーの付着や固着を抑制するのに適した箇所としては、上記以外に、例えば、粉砕機または分級機の非回転部分が挙げられる。また、粉砕機または分級機の排気配管や排気ダクトが挙げられる。また、これ以外でも、トナーが接触する箇所であれば、適用可能である。
【0019】
導電性ポリエチレンシートは、体積抵抗率10−6[Ω・cm]以下のものが好ましい。また、導電性ポリエチレンシートは、トナーとの接触面が平滑であることが好ましい。具体的には、接触面が、算術平均粗さRaが0.06[μm]≦Ra≦0.10[μm]、最大高さRyが0.30[μm]≦Ry≦0.80[μm]、十点平均粗さRzが0.20[μm]≦Rz≦0.50[μm]、二乗平均粗さRqが0.08[μm」≦Rq≦0.12[μm]であることが好ましい。
ここで、算術平均粗さRaは、平均線から測定曲線までの偏差Yiの絶対値を合計し、平均した値である。最大高さRyは、平均線から最も高い山頂までの高さYpと最も深い谷底までの深さYvとの和である。十点平均粗さRzは、平均線に平行な線からみて、高い方から5番目までの山頂の高さの平均値と、深いほうから5番目までの谷底の深さの平均値との和である。二乗平均粗さRqは、平均線から測定曲線までの偏差Yiの二乗値を合計し、平均した値の平方根である。
【0020】
また、導電性ポリエチレンシートは、低摩擦係数を有し、柔軟性を有するものが好ましい。この導電性ポリエチレンシートは、トナーの衝突あるいは強く押し付けられることによる衝撃を緩和でき、かつ、その平滑な表面性によりトナーの付着を抑制する効果を有する。さらに、導電性を有しているので、静電的にもトナーの付着を抑制するものである。このため、この導電性ポリエチレンシートでトナーの接触面を形成することで、トナーの付着や固着を良好に抑制する効果が得られる。このような導電性ポリエチレンシートとしては、例えば、商品名:導電性ニューライト(作新工業製)、厚さ:0.13mm,体積抵抗率:10−3[Ω・cm],硬度(デュロメーター硬度):67、摩擦係数:0.15を用いることができる。
【0021】
ここで、導電性ポリエチレンシートとしての導電性ニューライトは、導電性物質のカーボンを含有しているため、従来の一般的な接着剤では端部同士の接着することが困難であることがわかった。例えば、導電性ニューライトの対向面を、PP(ポリプロピレン)系接着剤で接着しようとしたが、接着力が弱く、うまく接着できなかった。また、一般的に広く用いられているPVC(ポリ塩化ビニル)系接着剤でも、うまく接着できなかった。さらに、プラモデル用接着剤として用いられる、PS(ポリスチレン)系接着剤では、接着硬化した後、もろいところがあり、経時変化で剥がれたり、振動・温湿度等の環境変化で剥がれたりしてしまった。このように、一般的な接着剤で導電性ポリエチレンシート端部同士の対向面同士を接着することを試したが、何れも困難であった。対向面同士を接着できないと、接合部に段差や隙間ができてしまい、図3に示すように、接合部2を平滑にすることができなかった。このため、接合部にトナーが付着しやすい状態になってしまった。
【0022】
これに対して、本実施形態では、接着剤として柔軟性を有するポリエチレン系接着剤(PE系接着剤)を用いることにより、導電性ポリエチレンシートであっても、端部同士を接着することができ、接合部を平滑にすることができる。PE系接着剤は、熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させることにより、良好な接着が可能であった。
【0023】
さらに、図4に示すように、導電性ポリエチレンシート1の端部同士を、トナーとの接触面から裏面に向かってV字状で対向するよう斜めにカットし、カットした対向面同士をポリエチレン系接着剤で接合することが好ましい。このように接合することで、PE系接着剤3をトナーが接触する面に露出させること無く、トナー接触面が平滑になるように良好に接着することができる。
【0024】
また、粉体製造装置のなかで、比較的単純な形状の粉体貯留部や配管等では、ライニング処理するSUS等の基体を設けなくとも、ポリマーシートを張り合わせることのみで形成可能な箇所もあり、簡易な構成として期待できる。このようなポリマーシートとして、導電性ポリエチレンシートを用いれば、トナーの付着や固着を良好に抑制した安価な装置を提供できる。従来は、導電性ポリエチレンシートの接合面が接着できないため、このような粉体貯留部や配管は形成不可能となっていた。しかし、本実施形態のように、導電性ポリエチレンシートをポリエチレン系接着剤(PE系接着剤)で張り合わせることにより、上記粉体貯留部や配管は形成可能であり、そのトナー接触面はトナーの付着や固着を良好に抑制できるものとなる。
なお、従来のように、導電性ポリエチレンシートをSUS等の基体にライニング処理し、シート端部同士の接合部をポリエチレン系接着剤(PE系接着剤)で接着する構成でももちろん可能である。
【0025】
次に、実施例及び比較例を用いて、さらに具体的に説明する。
まず、実施例及び比較例に用いる粉砕法により製造するトナーの具体例を示す。
トナーは、下記組成の混合物を溶融混練して冷却した後、粗粉砕して、平均粒径400[μm]前後の粗粉砕物を得た。この粗粉砕物を機械式粉砕機、一段粉砕で、供給量20kg/hrで粉砕してトナー樹脂粒子を得た。
[被粉砕混合物組成]
スチレンーアクリル共重合体 100重量部
カーボンブラック 10重量部
ポリプロピレン 5重量部
サリチル酸亜鉛 2重量部
【0026】
粉砕処理したトナー樹脂粒子の粒径をコールターカウンターにより重量平均粒径を測定し、FPIAで円形度を測定した。コールターカウンター法によるトナー樹脂粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、各粒径のチャンネルの個数分布を測定し、得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0027】
トナー樹脂粒子の円形度は、東亜医用電子(株)製のフロー式粒子像の分析装置「FPIA−1000」を用いて測定する。測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行ない、さらに、合計5分間の分散処理を行ない測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれ粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示すとおり、0.06−400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行なう。
【0028】
さらに、粉砕したトナー樹脂粒子を、圧縮空気を用いて安定した供給量で気流式分級機へ搬送し、分級機により所望の粒度分布に分級し、流動化剤を添加してトナーを得た。ここで得られたトナーは、体積平均粒径が5μm、平均円形度0.94、真比重が1.20で、このようなトナー母体100%に対して3%の外添剤を含有し、嵩密度が0.4g/ccの特性を有するものであった。
【0029】
<実施例1>
実験1、2に基づき、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライト(導電性ポリエチレンシート)を用いて、トナーの付着および固着について評価をおこなった。
【0030】
(実験1)
トナー樹脂粒子(R−1樹脂粉)、添加剤粉(A−1粉)、(A−2粉)の3種の粉体を用いて粉体の付着性について検討した。具体的には、接合部をPE系接着剤で接着し段差がない状態とした導電性ニューライトを、2cm×10cmm、厚み2mmの低炭素鋼の冷延圧延鋼板の表面に設けたものを試料とした。なお、導電性ニューライト(メーカー:作新工業)は、厚み:0.13mm、分子量:550万、密度:950kg/m、融点:135℃、デュロメーター硬度:67、摩擦係数:0.15、熱変形温度:77℃、体積抵抗率:10−3Ω・cm)のものを用いた。この試料の表面粗さ及び表面硬度を測定したの結果を表2に示す。
【0031】
この試料を35°の角度に設置し、高さ20cmから、トナー樹脂粒子(R−1樹脂粉)、添加剤粉(A−1粉)、添加剤粉(A−2粉)の3種をそれぞれ一定量落下させ、各粉体の残量率を計測した。この結果を表1に示す。残量率は、R−1樹脂粉では12%、添加剤のA−1粉では33%、A−2粉では27%となり、粉体残量率は後述する比較例に較べて最も少なかった。
【0032】
(実験2)
トナー樹脂粒子を分級機により所望の粒度分布に分級し、流動化剤を添加して得たトナーを、輸送配管を用いて空気輸送し、重量を計測できるトナー貯蔵容器に貯蔵した。輸送配管の内面は、導電性ニューライトを用い、接合部をPE系接着剤で接着し段差がない状態で形成されている。また、トナーの空気輸送は、エジェクター効果により、ノズルの突出部からの圧縮エアー(0.5Mpa)によって発生する気流に粉体が引き込まれ送り出されることで、次工程の貯蔵容器へとフィルターを介してブロワー吸引により、定量的に供給し、その吸引ガスを、エジェクター効果で輸送するための圧縮エアーに使用して搬送するものである。この空気輸送による輸送配管内へのトナーの付着性、及び、凝集体の発生の有無を評価した。この結果は表1に示す。輸送配管内への付着はなく、早いトナー輸送能力が得られ、凝集体も全く発生しておらず、配管内へのトナーの付着及び固着が良好に抑制できているといえる。
【0033】
実験1、2の結果から、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライト(導電性ポリエチレンシート)を用いてトナーとの接触部を形成することにより、後述する比較例と較べて、◎(最良)といえる。
【0034】
<比較例>
比較例1〜8として、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライトの代わりに、冷延圧延鋼板の表面にそれぞれ下記の表面処理をしたものを用いて評価を行った。
比較例1:SPCC
比較例2:ニューライト
比較例3:ブラストロン#40
比較例4:ブラストロン#400
比較例5:ブラストロン#1000
比較例6:バフ研磨#300
比較例7:ダイクロンメッキ
比較例8:ダイショット
【0035】
上記実施例1に記載した実験1で、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライト試料の代わりに、比較例1〜8の表面処理による試料を用いて、トナー樹脂粒子(R−1樹脂粉)、添加剤粉(A−1粉)、添加剤粉(A−2粉)各粉体の残量率を計測した。この結果を、実施例1と共に表1に示す。また、比較例1〜8の試料の表面粗さ及び表面硬度を測定した結果を、実施例1と共に表2に示す。
【0036】
上記実施例1に記載した実験2で、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライトで内面を形成した輸送配管の代わりに、比較例1〜8の表面処理によリ内面を形成した輸送配管を用いて、輸送配管内へのトナーの付着性、及び、凝集体の発生の有無を評価した。この結果を、実施例1と共に表1に示す。
【表1】

【表2】

【0037】
比較例1の一般的な表面処理であるSPCCを行ったものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では43%、添加剤のA−1粉では50%、A−2粉では43%となってしまった。また、実験2の結果は、多少付着はあったが、普通に輸送でき、凝集体も発生していた。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、△(普通)といえる。
【0038】
比較例2のカーボン含有しない非導電性のポリエチレンシートであるニューライト(メーカー:作新工業)で表面を形成したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では37%、添加剤のA−1粉では47%、A−2粉では40%となってしまった。また、実験2の結果は、付着はなく、早く輸送でき、凝集体もほとんど発生していない。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、○(良い)といえる。
【0039】
比較例3のブラストロン#40で表面処理したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では30%、添加剤のA−1粉では70%、A−2粉では67%となってしまった。また、実験2の結果は、付着がとても多く、閉塞したため輸送できず、凝集体は多数発生した。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、×(悪い)であった。
【0040】
比較例4のブラストロン#400で表面処理したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では29%、添加剤のA−1粉では63%、A−2粉では60%となってしまった。また、実験2の結果は、付着がとても多く、閉塞したため輸送できず、凝集体は多数発生した。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、×(悪い)であった。
【0041】
比較例5のブラストロン#1000で表面処理したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では29%、添加剤のA−1粉では60%、A−2粉では57%となってしまった。また、実験2の結果は、多少付着はあったが、普通に輸送でき、凝集体も発生していた。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、△(普通)といえる。
【0042】
比較例6のバフ研磨#300で表面処理したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では26%、添加剤のA−1粉では50%、A−2粉では50%となってしまった。また、実験2の結果は、付着はなく、早く輸送でき、凝集体もほとんど発生していない。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、○(良い)といえる。
【0043】
比較例7のダイクロンメッキで表面処理したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では21%、添加剤のA−1粉では53%、A−2粉では47%となってしまった。また、実験2の結果は、付着はなく、早く輸送でき、凝集体もほとんど発生していない。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、○(良い)といえる。
【0044】
比較例8のダイショットで表面処理したものでは、実験1の結果は、R−1樹脂粉では18%、添加剤のA−1粉では50%、A−2粉では43%となってしまった。また、実験2の結果は、付着はなく、早く輸送でき、凝集体もほとんど発生していない。これより、トナーの付着および固着の抑制効果を総合評価すると、○(良い)といえる。
【0045】
実施例1及び比較例1〜8の結果から、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライト(導電性ポリエチレンシート)を用いてトナーとの接触部を形成することにより、トナーの付着および固着を最も良好に抑制することができる。
【0046】
次に、本発明を適用した粉体収容器の一例として、画像形成装置に用いるトナーを収容するトナーホッパーを用いた第二の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態によって限定されるものではない。
なお、第二の実施形態で用いられるトナー、導電性ポリエチレンシート、PE系接着剤は、上記第一の実施形態に用いられるものと同じものである。
【0047】
図5は、第二の実施形態のトナーホッパーからのトナー排出の様子の説明図である。このトナーホッパー30は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置内に採用されるものであって、収容したトナーを最下部より排出して、現像装置(不図示)に供給するものである。このトナーホッパー30は、壁面が円筒状であり、下部が漏斗状斜面を形成している。このようなトナーホッパー30の内面を、接合部をPE系接着剤で接着した導電性ニューライト1で形成する。これにより、図5(a)に示すように収容したトナーは、壁面に付着することなく、図5(b)に示すように良好に排出される。
【0048】
比較例として、図6は従来のトナーホッパーからのトナー排出の様子の説明図である。収容したトナーは、壁面に付着して残ってしまい、良好に排出できない。
【0049】
トナーホッパー30は、基体上に導電性ニューライトシートを貼り付け、シート端部の接合部をPE系接着剤で接着して形成する。また、基体を設けなくとも、導電性ニューライトシートのみをPE系接着剤で張り合わせることによっても形成可能である。
【0050】
以上、第一の実施形態によれば、粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートで形成した粉体製造装置において、導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合する。ポリエチレン系接着剤を用いることで、導電性ポリマーシート端部同士を接着することが可能になり、シート接合部の粉体と接触する面を平滑とすることができ、接合部への粉体の付着または固着を抑制できる。よって、粉体製造装置の安定した性能を維持できる。
また、ポリエチレン系接着剤は熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させて結合させるものである。これにより、良好に導電性ポリマーシート端部同士を接着することが可能になる。
また、導電性ポリマーシートは、体積抵抗率10−6[Ω・cm]以下であることにより、静電的にトナーの付着を抑制することができる。
また、導電性ポリマーシートの粉体との接触面が、算術平均粗さRaが0.06[μm]≦Ra≦0.10[μm]、最大高さRyが0.30[μm]≦Ry≦0.80[μm]、十点平均粗さRzが0.20[μm]≦Rz≦0.50[μm]、二乗平均粗さRqが0.08[μm]≦Rq≦0.12[μm]の範囲にある。このような平滑なシートを用いることで、その表面製によりトナーの付着を抑制することができる。
また、導電性ポリマーシートとして、カーボンを含有したポリエチレンシートを用いることにより、トナーの付着を抑制することができる。
また、粉体は、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下のトナー、トナーの原材料、または、トナーの外添剤である。このような特性を有するトナーは、小粒径の低温定着のトナーであり、高品位な画像が得られ、かつ、画像形成装置の省エネルギー化を図ることができる。
また、粉体と接触する部分が貯蔵部10内面であることにより、貯留部10への粉体の付着及び固着を抑制し、貯留部への滞留を抑制することができる。
また、粉体と接触する部分が低速回転部である流動タンク20内面であることにより、流動タンク20への粉体の付着及び固着を抑制し、流動タンク20への滞留を抑制することができる。
また、粉体と接触する部分が粉砕機または分級機の非回転部分であることにより、粉砕機または分級機への粉体の付着及び固着を抑制することができる。
また、粉体と接触する部分が粉砕機または分級機の排気配管または排気ダクトであることにより、粉砕機または分級機への粉体の付着及び固着を抑制することができる。
また、第二の実施形態によれば、粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートで形成した粉体収容器であるトナーホッパー30において、ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合したことを特徴とする。これにより、トナーホッパー30内面のポリマーシート端部同士の接合部を平滑とすることができ、接合部へのトナーの付着または固着を抑制できる。このため、収容したトナーを良好に排出できる。
また、ポリエチレン系接着剤は、熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させて結合させるものである。これにより、良好に導電性ポリマーシート端部同士を接着することが可能になる。
また、導電性ポリマーシートとしてカーボンを含有したポリエチレンシートを用いることにより、トナーの付着を抑制することができる。
また、粉体は、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下のトナー、またはこのトナーを含む現像剤である。このような特性を有するトナーは、小粒径の低温定着のトナーであり、高品位な画像が得られ、かつ、画像形成装置の省エネルギー化を図ることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 ポリエチレンシート
2 接合部
3 PE系接着剤
9 トナー製造装置
10 貯留部
11 フィダー部
13 輸送配管
20 流動タンク
21 ポンプ
22,23 輸送配管
30 トナーホッパー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開平05−080588号公報
【特許文献2】特開2006−293268号公報
【特許文献3】特開2000−033991号公報
【特許文献4】特開2004−279672号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートで形成した粉体製造装置において、
上記導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合したことを特徴とする粉体製造装置。
【請求項2】
請求項1の粉体製造装置において、上記ポリエチレン系接着剤は熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させて結合させるものであることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項3】
請求項1または2の粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシートは体積抵抗率10−6[Ω・cm]以下であることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の何れかの粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシートの粉体との接触面が、算術平均粗さRaが0.06[μm]≦Ra≦0.10[μm]、最大高さRyが0.30[μm]≦Ry≦0.80[μm]、十点平均粗さRzが0.20[μm]≦Rz≦0.50[μm]、二乗平均粗さRqが0.08[μm]≦Rq≦0.12[μm]の範囲にあることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の何れかの粉体製造装置において、上記導電性ポリマーシートはカーボンを含有したポリエチレンシートであることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の何れかの粉体製造装置において、上記粉体は、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下のトナー、該トナーの原材料、または、該トナーの外添剤であることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が貯蔵部内面であることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が低速回転部内面であることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が粉砕機または分級機の非回転部分であることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5または6の何れかの粉体製造装置において、上記粉体と接触する部分が輸送配管または排気ダクトであることを特徴とする粉体製造装置。
【請求項11】
粉体と接触する部分を導電性ポリマーシートで形成した粉体収容器において、
上記導電性ポリマーシート端部同士をポリエチレン系接着剤で接合したことを特徴とする粉体収容器。
【請求項12】
請求項11の粉体収容器において、上記ポリエチレン系接着剤は熱可塑性樹脂のポリエチレンを結着材として用い、80〜120℃の温度で、2〜3秒間溶着させて結合させるものであることを特徴とする粉体収容器。
【請求項13】
請求項11または12の粉体収容器において、上記導電性ポリマーシートはカーボンを含有したポリエチレンシートであることを特徴とする粉体収容器。
【請求項14】
請求項11、12または13の何れかの粉体収容器において、収容される粉体は、体積平均粒径が2〜15[μm]、平均円形度が0.93〜0.96、真比重が1.02〜1.45、嵩密度が0.2〜0.6[g/cc]、流出開始温度70℃以下のトナー、または、該トナーを含む現像剤であることを特徴とする粉体収容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−115782(P2012−115782A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269023(P2010−269023)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】