説明

粉粒体供給装置

【課題】粉粒体排出口を従来より容易に開閉することが可能な粉粒体供給装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の物質供給計量装置100によれば、供給ドラム11及び段付円筒キャップ17の内側で上下方向に延びた動力伝達シャフト20の下端部に弁体28を備え、動力伝達シャフト20をソレノイド80及び引っ張りバネによって上下方向に直動させることで弁体28を粉粒体排出口35に対して接離させて粉粒体排出口35を開閉することができる。これにより、キャップを着脱することで粉粒体排出口を開閉する従来の構成に比べて、粉粒体排出口35の開閉を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体収容器から下方に粉粒体を排出可能な粉粒体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の粉粒体供給装置としては、粉粒体収容器の内部で容器内回転体を回転させることで、粉粒体収容器の底壁を貫通した粉粒体排出口から粉粒体を排出するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−41083号公報(段落[0006]、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した従来の粉粒体供給装置では、粉粒体排出口が常時開放しているため、容器内回転体を停止した状態でも、粉粒体収容器の振動等により粉粒体が漏出することがあった。この問題を解消するために、供給を終えた後でキャップを取り付けて粉粒体排出口を閉塞することも考えられるが、粉粒体の供給を再開するときにはキャップを取り外さなければならず、キャップの着脱作業が面倒であった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、粉粒体排出口を従来より容易に開閉することが可能な粉粒体供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る粉粒体供給装置は、粉粒体を収容した粉粒体収容器と、粉粒体収容器の底壁の中央部を上下方向に貫通した円形の粉粒体排出口と、粉粒体排出口の開口縁に対して下方から接離して、粉粒体排出口を開閉可能な弁体と、粉粒体排出口が開いた状態で粉粒体収容器内で回転し、粉粒体排出口から粉粒体を排出するための容器内回転体と、粉粒体排出口の中心軸上に配置されて上下方向に延び、その上下方向の中間部に容器内回転体が一体回転可能に固定されかつ下端部に弁体が一体直動可能に固定された動力伝達シャフトと、動力伝達シャフトに軸力を付与して、弁体にて粉粒体排出口を開閉するための直動駆動源と、粉粒体排出口が開いた状態で動力伝達シャフトにトルクを付与して、容器内回転体を回転駆動するための回転駆動源とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の粉粒体供給装置において、弁体を、上方に向かって縮径した円錐状とし、粉粒体排出口の開口縁に、弁体の円錐斜面に当接する弁座を設けたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の粉粒体供給装置において、粉粒体収容器の底壁の上面から粉粒体排出口まで上下方向に延びた排出路内に配されて、動力伝達シャフトに一体に設けられた螺旋突条又は螺旋溝又は螺旋コイルからなるスクリュー部を備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2に記載の粉粒体供給装置において、弁体の円錐斜面から起立して、粉粒体収容器の底壁の上面から粉粒体排出口まで上下方向に延びた排出路内に配され、排出路の内面に隣接した状態で旋回可能な弁体固定回転体を備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の粉粒体供給装置において、粉粒体収容器の底壁上の粉粒体を集めて排出路内に案内する粉粒体回転ガイドが、容器内回転体として設けられているところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の粉粒体供給装置において、動力伝達シャフトの中間部に、断面非円形の回転連結軸部を設け、回転連結軸部に対して相対的に直動可能かつ回転不能に嵌合した非円形貫通孔を有した軸可動回転体を、容器内回転体として設けたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の粉粒体供給装置において、粉粒体収容器内に固定され、粉粒体収容器の底壁との間で軸可動回転体を挟み、軸可動回転体の回転を許容しかつ軸可動回転体の上下動を規制する直動規制部材を設けたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の粉粒体供給装置において、粉粒体収容器の底壁の上面から粉粒体排出口まで上下方向に延びた排出路の内部に向けて軸可動回転体から下方に突出し、排出路の内側面から粉粒体を掻き落とすスクレッパーを備えたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1又は2に記載の粉粒体供給装置において、粉粒体収容器の内面は、粉粒体排出口から上方に向かうに従って拡径した円錐内面を有し、その円錐内面の母線に沿って延びかつ円錐内面に隣接した状態で旋回可能な軸固定回転体を容器内回転体として設けたところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか1の請求項に記載の粉粒体供給装置において、外部から隔離された閉空間を有する作業ケースを設け、粉粒体収容器を作業ケースの閉空間内に収容してその作業ケースの天井壁から吊り下げると共に、回転駆動源及び直動駆動源を作業ケースの外側に配置し、回転駆動源の回転出力部と動力伝達シャフトとを一体回転又は連動回転可能に作業ケースの壁部を介して磁気結合するトルク伝達用マグネットカップリングと、直動駆動源の直動出力部と動力伝達シャフトとを一体直動可能に作業ケースの壁部を介して磁気結合する軸力伝達用マグネットカップリングとを備えたところに特徴を有する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10に記載の粉粒体供給装置において、作業ケースの内部に配置されて、動力伝達シャフトに対して一体回転しかつ一体直動するように固定されたカップリング用インナーマグネットと、作業ケースの外部に配置され、カップリング用インナーマグネットと一体回転かつ一体直動するように、作業ケースの壁部を介してカップリング用インナーマグネットに磁気結合されたカップリング用アウターマグネットとからなる一体直動回動型マグネットカップリングを、トルク伝達用マグネットカップリング及び軸力伝達用マグネットカップリングとして設け、カップリング用アウターマグネットと回転駆動源の回転出力部とが、相互の直動を許容しかつ回転を伝達するスプライン機構で連結され、カップリング用アウターマグネットに固定された被吸引磁性体を設け、動力伝達シャフトを常時上方に付勢して粉粒体排出口を閉じた状態に維持する直動付勢手段と、通電により励磁されて被吸引磁性体を直動付勢手段の付勢力に抗して下方に磁気吸引し、粉粒体排出口を開くことが可能なソレノイドとを直動駆動源として備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0017】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、粉粒体を供給する場合には、直動駆動源により動力伝達シャフトに下向きの軸力を付与して弁体を粉粒体排出口の下方に離し、粉粒体排出口を開放すると共に、その状態で回転駆動源により動力伝達シャフトにトルクを付与して容器内回転体を回転させる。これにより、粉粒体排出口から粉粒体を排出することができる。そして、粉粒体の供給を終える場合には、動力伝達シャフトへのトルクの付与を停止すると共に、直動駆動源により動力伝達シャフトに上向きの軸力を付与して弁体を粉粒体排出口の開口縁に接触させる。すると、弁体が粉粒体排出口を閉塞するので、粉粒体の漏出を防止することができる。このように本発明によれば、キャップを着脱することで粉粒体排出口を開閉する従来の構成に比べて、粉粒体排出口の開閉を容易に行うことができる。
【0018】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、弁体を上方に向かって縮径した円錐状としたので、開放状態にしたときに粉粒体が弁体の上に堆積することを防止することができ、閉鎖状態にしたときに、弁体と弁座との間に粉粒体を噛み込んで隙間が形成される事態を防止することができる。
【0019】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、スクリュー部が排出路内で回転することにより、排出路内の粉粒体を粉粒体排出口に向けてスムーズに送り出すことができる。
【0020】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、弁体固定回転体が排出路内で回転することで、排出路内の粉粒体が流動し、アーチ形成による詰まりや粉粒体の凝集を防止することができる。また、排出路の内面に付着した粉粒体を落とすことができる。
【0021】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、回転駆動源から動力伝達シャフトに付与されたトルクにより粉粒体回転ガイドを回転駆動して、粉粒体収容器の底壁上の粉粒体を集めて排出路内に案内することができる。
【0022】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、例えば、軸可動回転体が粉粒体に埋もれて上下方向に移動不可能な状態でも、動力伝達シャフトは軸可動回転体に対して直動可能なので、弁体による粉粒体排出口の開閉を確実に行うことができる。
【0023】
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、粉粒体収容器内での軸可動回転体の上下動が規制されるので、軸可動回転体の上下動による粉粒体の舞い上がりを抑えることができる。
【0024】
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、排出路の内側面に付着した粉粒体を掻き落とすことができる。
【0025】
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、粉粒体は、粉粒体収容器の円錐内面に案内されて自重で粉粒体排出口に向かって移動する。そして、軸固定回転体が円錐内面に隣接した状態で旋回することで、円錐内面に付着した粉粒体をかき落とすことができる。また、軸固定回転体が粉粒体を流動させるので、アーチ形成による詰まりや粉粒体の凝集を防止することができる。
【0026】
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、粉粒体収容器は作業ケースの閉空間に収容されてその閉空間内に粉粒体を排出する一方、回転駆動源と直動駆動源は、作業ケースの外部に配置することができるので、作業ケース内の温度、圧力、ガス雰囲気や粉粒体による回転駆動源及び直動駆動源の破損、汚染を防止することができる。
【0027】
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、回転駆動源のトルクは、カップリング用アウターマグネット及びカップリング用インナーマグネットを介して動力伝達シャフトに付与される。また、直動駆動源として備えたソレノイドの励磁又は直動付勢手段の付勢力によって、被吸引磁性体を上下方向に直動させて、その直動に伴う軸力を、カップリング用アウターマグネット及びカップリング用インナーマグネットを介して動力伝達シャフトに付与し、粉粒体排出口を弁体によって開閉することができる。本発明によれば、カップリング用インナーマグネットとカップリング用アウターマグネットとからなる1つの一体直動回動型マグネットカップリングで、トルクと軸力の両方を伝達可能としたので、トルク伝達用と軸力伝達用とで別々のマグネットカップリングを備えたものに比べて、部品点数の削減及び構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る粉粒体供給装置の正面図
【図2】粉粒体供給装置の側断面図
【図3】粉粒体回転ガイドの斜視図
【図4】(A)弁体及びスクリュー部の側面図、(B)変形例に係るスクリュー部の側面図、(C)変形例に係るスクリュー部の側面図
【図5】(A)閉鎖状態におけるソレノイド、マグネットカップリングの側断面図、(B)開放状態におけるソレノイド、マグネットカップリングの側断面図
【図6】(A)弁体が粉粒体排出口を閉鎖した状態の側断面図、(B)弁体が粉粒体排出口を開放した状態の側断面図
【図7】第2実施形態に係る粉粒体供給装置及び補給装置の正面図
【図8】補給装置の部分側断面図
【図9】供給ドラムの側断面図
【図10】第3実施形態に係る粉粒体供給計量システムの正面図
【図11】計量器を上方から見た斜視図
【図12】粉粒体供給装置の部分拡大断面図
【図13】第4実施形態に係る粉粒体供給装置の側面図
【図14】粉粒体供給装置の側断面図
【図15】粉粒体収容筒の部分側断面図
【図16】開放状態における粉粒体供給装置の部分側断面図
【図17】(A)弁体が粉粒体排出口を閉鎖した状態の側断面図、(B)弁体が粉粒体排出口を開放した態の側断面図
【図18】(A)変形例に係る粉粒体供給装置の部分拡大断面図、(B)変形例に係る粉粒体供給装置の部分拡大断面図
【図19】変形例に係る粉粒体供給計量システムの平面図
【図20】変形例に係る粉粒体供給装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る粉粒体供給装置10を図1〜図6に基づいて説明する。図1に示すように、粉粒体供給装置10は、作業ケース100内の閉空間に粉粒体を収容可能な供給ドラム11(本発明の「粉粒体収容器」に相当する)を備えている。
【0030】
作業ケース100は、例えば、その一側面だけに開口部101を有した箱形構造をなしており、開口部101を閉塞可能な扉102と、吸排気管103とを備えている。吸排気管103は作業ケース100の内外を連通して側方に突出しており、図示しないポンプ又はガス供給源が接続可能となっている。また、扉102を閉じると、作業ケース100内の閉空間を気密状態に密閉することが可能となり、作業ケース100内を大気とは異なる特殊な雰囲気(例えば、大気圧とは異なる所定の圧力又は大気とは異なるガス雰囲気)にすることが可能となっている。
【0031】
図1に示すように、供給ドラム11は、作業ケース100の閉空間内で天井壁110から吊り下げられている。図2に示すように、供給ドラム11は、収容筒部12と収容筒部12より小径な排出筒部13とを備え、収容筒部12の下端部と排出筒部13の上端部との間が中間段差壁14によって連結されている。排出筒部13は中間段差壁14の中央部から垂直下方に突出しており、収容筒部12に収容された粉粒体は、排出筒部13の内側で中間段差壁14に対して垂直に延びた排出路13Aを通って下方に排出される。なお、排出路13Aの内周面と中間段差壁14の上面14Aとの交差部分はすり鉢状に傾斜している。
【0032】
収容筒部12の上端は開放しておりドラムキャップ15にて閉じられている。ドラムキャップ15は収容筒部12の上端外周面に螺合されている。
【0033】
ドラムキャップ15の中心にはシャフト挿通孔15Bが貫通形成されており、シャフト挿通孔15Bの側方位置からは筒形螺合壁15Cが起立している。筒形螺合壁15Cの外周面には雄螺旋が形成されており、ここに段付円筒キャップ17が螺合している。
【0034】
段付円筒キャップ17は、下端が開放しかつ上端が閉塞した円筒構造をなしている。段付円筒キャップ17は、下端部から上端部に向かうに従って段階的に縮径しており、最も大径な下端筒部17Cが筒形螺合壁15Cの外側に螺合結合している。
【0035】
作業ケース100の天井壁110の中央には、段付円筒キャップ17を受容したケース中空突部111が形成されている。図2に示すように、ケース中空突部111は天井壁110の上面から突出し、上端が閉塞されかつ下面が作業ケース100の内側に開放している。ケース中空突部111は、上下方向の中間位置より上側の筒部112が下側の筒部113に対して段付き状に小径となった円筒形構造をなしている。以下、上側の筒部を「小径筒部112」といい、下側の筒部を「大径筒部113」という。
【0036】
段付円筒キャップ17は、ケース中空突部111の下端開口(天井壁110内面の開口)からその内側の筒形空間に挿入されている。そして、段付円筒キャップ17のうち下端筒部17Cの直上に位置する中間筒部17Bの外側が、大径筒部113によって包囲され、中間筒部17Bの直上に位置する上端筒部17Aの外側が小径筒部112によって包囲されている。
【0037】
ケース中空突部111のうち大径筒部113と小径筒壁112との間に形成された段差壁上には、ハウジング120が固定載置されている。ハウジング120は、大径筒部113と同径の円筒構造をなしており、その下端壁の中心には嵌合孔121が貫通形成されている。この嵌合孔121に小径筒部112が嵌合して、ハウジング120がケース中空突部111と同軸線上に位置決めされている。ハウジング120の上端は閉塞されており、その上端面には、モータ50(本発明の「回転駆動源」に相当する)が固定されている。
【0038】
モータ50のロータ(図示せず)には回転出力シャフト52(本発明の「回転出力部」に相当する)が連結されている。回転出力シャフト52は、モータ50の下面から突出しハウジング120の上端壁を貫通してその内部空間に延びている。
【0039】
さて、供給ドラム11及び段付円筒キャップ17の内側には動力伝達シャフト20が収容されている。動力伝達シャフト20は、ドラムキャップ15のシャフト挿通孔15Bを貫通して、段付円筒キャップ17及び供給ドラム11の中心軸上に配置され、上下方向に延びている。動力伝達シャフト20は作業ケース100の外部に配置されたモータ50の回転出力シャフト52と非接触状態で連結され、モータ50からトルクを受けて回転する。
【0040】
段付円筒キャップ17の内側には、動力伝達シャフト20を回転可能かつ直動可能に支持した軸受部材60が収容されている。軸受部材60は、段付円筒キャップ17のうち中間筒部17Bの内側に回転不能かつ直動不能に収容されている。
【0041】
軸受部材60は、中間筒部17Bの内側に嵌合した筒胴部63の両端開口を上端軸受盤61と下端軸受盤62とで閉塞した中空円筒構造をなしている。上端軸受盤61と下端軸受盤62の各中心部には、それぞれ円形の軸受孔61A,62Aが貫通形成されており、これら軸受孔61A,62Aを動力伝達シャフト20の外周面が周方向及び軸方向に摺接可能な状態で貫通している。なお、動力伝達シャフト20の外周面と筒胴部63の内周面との間には隙間が形成されている。また、下端軸受盤62の軸受孔62Aの周縁部からは下方に向かって垂下筒64が突出しており、その垂下筒64がドラムキャップ15のシャフト挿通孔15Bの内側に嵌合している。
【0042】
軸受部材60における筒胴部63の上端寄り位置には、内側ドラム保持磁石65が固定されている。内側ドラム保持磁石65は、複数のマグネットリング65Rを同軸上に重ねた構造をなし、各マグネットリング65Rは、その周方向に異なる磁極を交互に配置して備えている。詳細には、周方向で複数の磁極に均等分されている。また、複数のマグネットリング65Rは、軸受部材60の軸方向(上下方向)で異なる磁極が隣り合うよう重ねられており、重なり合ったマグネットリング65R同士が磁力によって固着している。
【0043】
これに対し、作業ケース100の天井壁110上面には、ケース中空突部111(大径筒部113)及び段付円筒キャップ17(中間筒部17B)を挟んで内側ドラム保持磁石65と磁気結合した外側ドラム保持磁石115が固定されている。外側ドラム保持磁石115は内側ドラム保持磁石65より大径な筒形構造をなし、ケース中空突部111における大径筒部113の外側に嵌合している。外側ドラム保持磁石115は、内側ドラム保持磁石65と同様に、複数のマグネットリング115Rを同軸上に重ねた構造をなしている。各マグネットリング115Rは、その周方向に異なる磁極を交互に配置して備えている。詳細には、マグネットリング65Rと同数の複数の磁極に均等分されている。また、複数のマグネットリング115Rは、ケース中空突部111の軸方向で異なる磁極が隣り合うよう重ねられており、重なり合ったマグネットリング115R同士が磁力によって固着している。
【0044】
そして、外側ドラム保持磁石115の各マグネットリング115Rの内側に、内側ドラム保持磁石65の各マグネットリング65Rが配置されており、それらの径方向における対向面が互いに異なる磁極となっている。これにより、内側ドラム保持磁石65と外側ドラム保持磁石115とが磁気結合し、その磁気結合力によって供給ドラム11が作業ケース100の天井壁110から宙吊り状態に保持されている。なお、供給ドラム11を把持して真下に引っ張ることで、内側ドラム保持磁石65と外側ドラム保持磁石115との磁気結合を解消して、供給ドラム11を段付円筒キャップ17ごと、作業ケース100の天井壁110から取り外すことが可能である。
【0045】
ここで、段付円筒キャップ17のうち下端筒部17Cと中間筒部17Bとの間に形成された環状段差面からは、上方に向かってピン17Pが突出している。ピン17Pは、段付円筒キャップ17の周方向で互いに180度離れた2箇所に設けられている。これに対し、作業ケース100の天井壁110の内面であってケース中空突部111の下端開口の近傍部分には、1対のピン孔110P,110Pが形成されている。これらピン17Pとピン孔110Pとが上下方向で凹凸係合することにより、天井壁110に対する供給ドラム11の相対回転と水平方向への移動が禁止されている。
【0046】
モータ50の回転出力シャフト52と動力伝達シャフト20との間は、本発明に係る、一体直動回動型マグネットカップリングMC1(以下、単に「マグネットカップリングMC1」という)によって非接触状態で連結されている。マグネットカップリングMC1は以下のような構成になっている。
【0047】
図5に示すように、回転出力シャフト52にはスプライン機構によって可動カプラ70が連結されている。即ち、可動カプラ70は、回転出力シャフト52の軸方向に直動可能でかつ回転出力シャフト52の軸回りに相対回転不能となっている。可動カプラ70は、下端開放の円筒壁部71を有し、その円筒壁部71がハウジング120の内側に遊嵌している。円筒壁部71の下端開口からは、作業ケース100に形成されたケース中空突部111における小径筒部112が突入しており、可動カプラ70は、小径筒部112に対しても回転可能に遊嵌している。そして、円筒壁部71の下端寄り部分には、円筒形のカップリング用アウターマグネット73(以下、単に「アウターマグネット73」という)が一体回転可能に固定されている。
【0048】
アウターマグネット73は、複数のマグネットリング73Rを同軸上に重ねた構造をなしている。図5に示すように各マグネットリング73Rは、その周方向に複数の磁極を交互に配置して備えている。詳細には、周方向で複数の磁極に均等分されている。また、複数のマグネットリング73Rは、アウターマグネット73の軸方向(上下方向)で異なる磁極が隣り合うよう重ねられており、重なり合ったマグネットリング73R同士が磁力によって固着している。
【0049】
これに対し、動力伝達シャフト20の上端部分には、カップリング用インナーマグネット74(以下、単に「インナーマグネット74」という)が一体回転可能に固定されている。インナーマグネット74は、段付円筒キャップ17における上端筒部17Aの内側に遊嵌した円筒形をなしている。
【0050】
インナーマグネット74は、複数のマグネットリング74Rを同軸上に重ねた構造になっている。図5に示すように、各マグネットリング74Rは、その周方向に複数の磁極を交互に配置して備えている。詳細には、周方向でマグネットリング73Rと同数の複数の磁極に均等分されている。また、複数のマグネットリング74Rは、インナーマグネット74の軸方向で異なる磁極が隣り合うよう重ねられており、重なり合ったマグネットリング74R同士が磁力によって固着している。
【0051】
アウターマグネット73は、ケース中空突部111の小径筒部112及び段付円筒キャップ17の上端筒部17Aを間に挟んだ状態でインナーマグネット74を包囲している。詳細には、アウターマグネット73の各マグネットリング73Rの内側に、インナーマグネット74の各マグネットリング74Rが配置されており、それらの径方向における対向面が互いに異なる磁極となっている。つまり、アウターマグネット73とインナーマグネット74とが非接触状態で一体回転可能に磁気連結されている。これにより、作業ケース100の外部上方(ハウジング120の上面)に配置されたモータ50のトルクを、作業ケース100の内部(詳細には、段付円筒キャップ17及び供給ドラム11の内側)に収容された動力伝達シャフト20に伝達することが可能になっている。
【0052】
図2に示すように、動力伝達シャフト20のうち、供給ドラム11内、より正確には収容筒部12内に収容された部分には、容器内円板30と粉粒体回転ガイド21とが取り付けられている。
【0053】
容器内円板30は、収容筒部12の下端部中央に配置されて収容筒部12の内側に遊嵌しかつ排出筒部13の上端開口を覆っている。即ち、容器内円板30は収容筒部12の内径よりも小径でかつ、排出筒部13の内径よりも大径な平らな円板となっている。
【0054】
容器内円板30の中心部分には、図示しない非円形貫通孔(例えば六角形孔)が形成されている。この非円形貫通孔には、動力伝達シャフト20に形成された断面非円形(例えば、断面六角形)の連結軸部20A(本発明の「回転連結軸部」に相当する)が嵌合している。これにより、容器内円板30は、動力伝達シャフト20に対して直動可能かつ回転不能となっており、収容筒部12内で動力伝達シャフト20と一体回転すると共に自重で降下するようになっている。
【0055】
収容筒部12の内側には上面待ち受けガイド31が設けられている。上面待ち受けガイド31は、ドラムキャップ15の上端壁から中間段差壁14に向かって垂下した垂直板31Aと、垂直板31Aの下端部から収容筒部12の中心に向かって延びて容器内円板30の上面に隣接して配置された水平板31Bとから構成され略L字形状をなしている。
【0056】
水平板31Bを動力伝達シャフト20の側面に当接させて取り付けることで、容器内円板30の回転方向に対して水平板31Bが傾斜し、容器内円板30に堆積した粉粒体が水平板31Bに案内されて容器内円板30の縁部に向けて押し出される。また、水平板31Bは、収容筒部12の側壁に隣接する位置まで延びており、水平板31Bによって押し出された粉粒体を容器内円板30の外縁部と収容筒部12の側壁との間から中間段差壁14のへと落下させる。
【0057】
ここで、中間段差壁14の上面14Aに堆積した粉粒体は、容器内円板30の外縁部と中間段差壁14との間で所定の安息角を有した粉流体の山を形成する。粉粒体山の安息角は粉粒体によって一定であり、外力が付与されない限り粉粒体山が崩れることはない。
【0058】
この粉粒体山に外力を付与して崩し、排出筒部13内(排出路13A)へと粉粒体を送り込むために粉粒体回転ガイド21が備えられている。粉粒体回転ガイド21は、容器内円板30と中間段差壁14との間に挟まれた状態で備えられ、図3に示すように連結板25から側方に片持ち梁状の集粉羽23と散粉羽24とが延びた構造となっている。
【0059】
連結板25の中央部には、非円形貫通孔25A(例えば、六角形孔)が形成されており、ここに動力伝達シャフト20の連結軸部20Aが嵌合している。これにより、粉粒体回転ガイド21が、動力伝達シャフト20に対して直動可能かつ回転不能に取り付けられ、収容筒部12内で動力伝達シャフト20と一体回転すると共に、自重で降下するようになっている。つまり、粉粒体回転ガイド21における集粉羽23と散粉羽24とが中間段差壁14の上面に摺接しつつ水平面内で回転可能になっている。なお、粉粒体回転ガイド21は本発明の「容器内回転体」、「軸可動回転体」に相当する。
【0060】
集粉羽23は、粉粒体回転ガイド21の回転方向とは逆側に膨らむように複数の平板をつなげた屈曲構造をなす一方、散粉羽24は、粉粒体回転ガイド21の回転方向に対して傾斜した状態で連結板25から収容筒部12の側壁に向かって真っ直ぐ延びている。また、集粉羽23は、その先端が収容筒部12の側壁と隣接した位置まで延びており、散粉羽24はそれより短くなっている。
【0061】
中間段差壁14の上面14Aに堆積した粉粒体は、集粉羽23により、容器内円板30で覆われた中間段差壁14の中心側に誘導され、排出路13A内へと送り込まれる。また、排出路13Aに入らなかった粉粒体は、散粉羽24により中間段差壁14の外側に押し戻されて、次に集粉羽23が通過したときに排出路13A内に取り込まれる。
【0062】
図6に示すように、粉粒体回転ガイド21の連結板25からは、下方に向かってスクレッパー26が延びている。スクレッパー26は、排出路13Aの上端側の内周面に沿って途中で屈曲した「く」の字状になっており、排出路13Aの内周面に隣接した状態で旋回する。これにより、排出筒部13内の粉粒体を流動させると共に、排出路13Aの内周面に付着した粉粒体を掻き落とすことができる。
【0063】
動力伝達シャフト20のうち、供給ドラム11の排出路13Aに配置された部分には、スクリュー部27が設けられている。スクリュー部27は図4(A)に示すように、動力伝達シャフト20の回転方向(動力伝達シャフト20の軸方向上端から見て時計回り方向)の前方に向かうに従って巻き上がるように延びた螺旋突条27Aを動力伝達シャフト20の円柱外面に一体形成した構造となっており、その螺旋突条27Aによって排出路13A内の粉粒体を下方(粉粒体排出口35)に向けて送るようになっている。
【0064】
なお、スクリュー部27は、図4(B)に示すように、動力伝達シャフト20の回転方向の前方に向かうに従って巻き上がるように延びた螺旋溝27Bを動力伝達シャフト20の円柱外面に設けた構造でもよいし、図4(C)に示すように、動力伝達シャフト20の回転方向の前方に向かうに従って巻き上がるように延びた線材、即ち、螺旋コイル27Cで構成してもよい。
【0065】
動力伝達シャフト20のうちスクリュー部27より下方の最下端部には、弁体28が一体形成されている。弁体28は、上方に向かうに従って縮径した円錐斜面28Aを有する円錐台形状となっている。
【0066】
これに対し、図6に示すように供給ドラム11における排出筒部13の外周面には弁座ナット34が螺合されている。弁座ナット34の底壁は排出筒部13の下端面に突き当てられており、底壁の中心部には、排出路13Aと連通した粉粒体排出口35が貫通形成されている。粉粒体排出口35は円形となっており、その開口縁の全周に亘って、直角な環状エッジ部35E(本発明の「弁座」に相当する)が形成されている。
【0067】
環状エッジ部35Eの直径は、弁体28の円錐斜面28Aの中腹部分と同一径となっている。そして、図6(A)に示すように、環状エッジ部35Eに弁体28の円錐斜面28Aが当接すると粉粒体排出口35が閉塞され、図6(B)に示すように、環状エッジ部35Eから弁体28の円錐斜面28Aが離間すると、粉粒体排出口35が開放される。
【0068】
このように、弁体28を環状エッジ部35Eに対して接離させて粉粒体排出口35を開閉するために、ハウジング120の外側にはソレノイド80が嵌合固定されており、可動カプラ70には、ソレノイド80の励磁及び励磁停止によって回転出力シャフト52に対して上下動するプランジャ81(本発明の「被吸引磁性体」に相当する)が一体に固定されている(図5参照)。ここで、プランジャ81と回転出力シャフト52との間もスプライン機構で連結されており、プランジャ81は、回転出力シャフト52の軸方向、即ち、上下方向に直動すると共に回転出力シャフト52とに対して相対回転不能となっている。
【0069】
プランジャ81とハウジング120の上端壁との間は、図示しない引っ張りバネ(本発明の「直動付勢手段」に相当する)で連結されており、ソレノイド80の励磁が停止した状態では、プランジャ81及び可動カプラ70が引っ張りバネに引っ張られてハウジング120の上端壁寄り位置に配置される(図5(A)の状態)。
【0070】
このとき、アウターマグネット73及びインナーマグネット74によって可動カプラ70と連結された動力伝達シャフト20全体が、段付円筒キャップ17及び供給ドラム11の内側にてその直動ストロークの上端位置に保持され、動力伝達シャフト20の下端部に備えた弁体28の円錐斜面28Aが環状エッジ部35Eに当接した状態、即ち、粉粒体排出口35が閉鎖状態になる(図6(A)の状態)。なお、段付円筒キャップ17の上端壁内面には、円盤形マグネット19が固着されており(図5参照)、動力伝達シャフト20が上端位置に位置した状態で、円盤形マグネット19とインナーマグネット74における最上段のマグネットリング74Rとが吸引し合い、引っ張りバネと協働して動力伝達シャフト20を上端位置に保持するようになっている。
【0071】
これに対し、ソレノイド80が通電され励磁した状態では、プランジャ81(及び可動カプラ70)が引っ張りバネの付勢力に抗して下方に磁気吸引される。このとき、アウターマグネット73及びインナーマグネット74によって可動カプラ70と連結された動力伝達シャフト20全体が、段付円筒キャップ17及び供給ドラム11の内側にてその直動ストロークの下端位置に保持され、動力伝達シャフト20の下端部に備えた弁体28の円錐斜面28Aが環状エッジ部35Eから離間した状態、即ち、粉粒体排出口35開放状態になる(図6(B)の状態)。なお、ソレノイド80及び引っ張りバネは本発明の「直動駆動源」に相当する。
【0072】
以上が、本実施形態の構成に関する説明であって、以下、本実施形態の粉粒体供給装置10によって粉粒体を供給する場合の動作について詳説する。粉粒体を作業ケース100内にセットした受容器130に供給する場合には、まず、ソレノイド80に通電して励磁状態にする。すると、図5(A)から図5(B)への変化に示すように、プランジャ81及び可動カプラ70が引っ張りバネに抗して下方に移動し、可動カプラ70と非接触状態で連結した動力伝達シャフト20が、段付円筒キャップ17及び供給ドラム11の内側で下方に垂直移動する。そして、図6(A)から図6(B)への変化に示すように、弁体28が環状エッジ部35Eから離間して粉粒体排出口35の下方に移動し、粉粒体排出口35が開放状態になる。ここで、図6(A)から同図(B)への変化に示すように、粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30は、中間段差壁14によって下方への移動が規制されており、動力伝達シャフト20は、それら粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30に対して直動する。つまり、粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30が、中間段差壁14によってそれ以上、下方に移動不可能な状態になっても、動力伝達シャフト20だけは、さらに下方に直動させることができ、粉粒体排出口35を確実に開放することができる。
【0073】
図6(B)に示すように粉粒体排出口35が開放状態になったら、モータ50をオンし、回転出力シャフト52と非接触状態で連結された動力伝達シャフト20を、回転出力シャフト52と一体回転させる。すると、供給ドラム11内では上面待ち受けガイド31によって容器内円板30から中間段差壁14へと粉粒体が案内されると共に、中間段差壁14の上面14Aに堆積した粉粒体が粉粒体回転ガイド21によって排出路13Aへと案内され、さらに、排出路13A内に案内された粉粒体が、スクリュー部27の回転によって下方に送られて、粉粒体排出口35から排出される。
【0074】
ここで、ソレノイド80の励磁を短周期で間欠的に繰り返すことで、粉粒体排出口35を開放したまま動力伝達シャフト20を上下に振動させて、スクリュー部27の凹凸形状によって粉粒体を排出してもよい。
【0075】
粉粒体の供給を終える場合には、モータ50をオフし、ソレノイド80の励磁を停止する。すると、図5(B)から図5(A)への変化に示すように、プランジャ81及び可動カプラ70が引っ張りバネに引っ張られて上方に移動し、可動カプラ70と非接触状態で連結した動力伝達シャフト20全体が、段付円筒キャップ17及び供給ドラム11の内側で上方に引き揚げられる。このとき、図6(B)から同図(A)への変化に示すように、弁体28が上方に移動して粉粒体排出口35に接近し、円錐斜面28Aが環状エッジ部35Eに当接して、粉粒体排出口35が閉鎖される。これにより、粉粒体の漏出を防止することができる。ここで、図6(B)から同図(A)への変化に示すように、粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30は、上面待ち受けガイド31によって上方への移動が規制されており、動力伝達シャフト20は、粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30に対して直動する。つまり、粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30が上面待ち受けガイド31によってそれ以上、上方へ移動不可能になっても、動力伝達シャフト20だけは、さらに上方に直動させることができ、粉粒体排出口35を確実に閉鎖することができる。なお、上面待ち受けガイド31は、本発明の「直動規制部材」に相当する。
【0076】
このように、本実施形態の粉粒体供給装置10は、供給ドラム11及び段付円筒キャップ17の内側で上下方向に延びた動力伝達シャフト20の下端部に弁体28を備え、動力伝達シャフト20をソレノイド80及び引っ張りバネによって上下方向に直動させることで弁体28を粉粒体排出口35に対して接離させて粉粒体排出口35を開閉することができる。これにより、キャップを着脱することで粉粒体排出口を開閉する従来の構成に比べて、粉粒体排出口35の開閉を容易に行うことができる。
【0077】
また、弁体28は、上方に向かって縮径した円錐斜面28Aを備えているので、開放状態になったときに粉粒体が弁体28の上に堆積することを防止することができる。そしてして、閉鎖状態にするときに、弁体28と環状エッジ部35Eとの間に粉粒体を噛み込んで隙間が形成される事態(閉塞不良)を防止することができる。また、排出路13A内ではスクリュー部27が回転するので、粉粒体の排出をスムーズに行うことができる。また、スクレッパー26により排出路13A内の粉粒体を流動させてアーチ形成や凝集を防止し、排出路13A内面に付着した粉粒体を掻き落とすことができる。さらに、動力伝達シャフト20は、粉粒体回転ガイド21及び容器内円板30に対して直動可能なので、弁体28による粉粒体排出口35の開閉を確実に行うことができる。
【0078】
動力伝達シャフト20とソレノイド80及びモータ50との間をマグネットカップリングMC1(インナーマグネット74及びアウターマグネット73)によって磁気連結し、ソレノイド80及びモータ50を、供給ドラム11が収容された作業ケース100の外部に配置することができるので、作業ケース100内の温度、圧力、ガス雰囲気や粉粒体によるソレノイド80及びモータ50の破損、汚染を防止することができる。
【0079】
さらに、1つのマグネットカップリングMC1で、トルクと軸力の両方を伝達可能としたので、トルク伝達用と軸力伝達用とで別々のマグネットカップリングを備えたものに比べて、部品点数の削減及び構造の簡素化を図ることができる。
【0080】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を図7〜図9に基づいて説明する。この第2実施形態は、上記第1実施形態の粉粒体供給装置10に、補給装置200を追加したものである。以下、上記第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0081】
図7に示すように、作業ケース100の天井壁110上面には、固定ベース310が固定載置されている。固定ベース310は、水平な台板310Aの両側部から天井壁110に向かって1対の側板310B,310Bが垂下した構造になっている。
【0082】
補給装置200は、粉粒体を収容可能な補給ドラム211と、補給ドラム211の真上位置に離して設けられたモータ250とを備えている。これら補給ドラム211とモータ250は、固定ベース310の台板310Aに固定されたブラケット312を介して同軸上に取り付けられている。
【0083】
図8に示すように、ブラケット312は、台板310Aの下面から垂下した1対の側板313,313の下端部にスリーブ314を固定した構造になっている。スリーブ314は、上下両端が開放しており軸方向の中間に設けられた隔壁315によって内部が上下に仕切られている。
【0084】
スリーブ314の上端には、モータ250が回転不能に固定されている。モータ250のロータには出力シャフト252が連結され、出力シャフト252は、スリーブ314の内側で隔壁315に向かって垂直に延びている。
【0085】
補給ドラム211は、収容筒部212の上端開口を大径キャップ215で閉塞した密閉空間に粉粒体を収容可能となっており、大径キャップ215の上面から突出した筒形螺合壁215Cの外周面に小径キャップ217が螺合されている。小径キャップ217は、筒形螺合壁215Cに螺合した下側半分が、上側半分より段付き状に大径になっており、上端壁の内面中央からボス部217Bが突出している。
【0086】
小径キャップ217の段差部より上側部分は、スリーブ314の内側に受容されており、スリーブ314の下端開口から挿抜可能となっている。スリーブ314の下端面と小径キャップ217の外周面の段差部との間には凹凸係合部が設けられており、ブラケット312に対する補給ドラム211の相対回転が禁止されている。
【0087】
モータ250の出力シャフト252には、非接触状態で回転伝達シャフト220が一体回転可能に連結されている。回転伝達シャフト220は、補給ドラム211の内部でその中心軸に沿って延びている。回転伝達シャフト220の上端部は、大径キャップ215を貫通して小径キャップ217の内側に延びている。
【0088】
モータ250の出力シャフト252と補給ドラム211の回転伝達シャフト220との間は、出力シャフト252に固定された上カプラ253と、回転伝達シャフト220に固定された下カプラ240との間の磁気結合によって一体回転可能に連結している。
【0089】
上カプラ253は円筒形をなし、出力シャフト252に対して一体回転可能に固定されている。上カプラ253の下端部には複数のカップリング磁石254が周方向に並んで埋設されている。これらカップリング磁石254は、上カプラ253の下端面と面一になって下方に露出している。また、複数のカップリング磁石254は、その露出面の磁極が上カプラ253の周方向で交互に反転するように並べられている。さらに、上カプラ253はスリーブ314の内周面及び隔壁315と非接触であり、摩擦抵抗が生じないようになっている。
【0090】
一方、下カプラ240は、回転伝達シャフト220のうち、大径キャップ215から上方に突出して小径キャップ217の内側に収容された部分に固定されている。下カプラ240は円筒形をなし、その中心には、下端側から回転伝達シャフト220が挿入嵌合され、上端側から小径キャップ217のボス部217Bが挿入されている。また、下カプラ240は、小径キャップ217の上端壁と軸受け216との間に挟持されて軸方向(上下方向)への移動が禁止されている。
【0091】
下カプラ240の上端部には、上カプラ253に備えたカップリング磁石254と同数の複数のカップリング磁石241が周方向に並んで埋設されている。これらカップリング磁石241は、下カプラ240の上端面と面一になって上方に露出している。また、複数のカップリング磁石241は、その露出面の磁極が下カプラ240の周方向で交互に反転するように並べられている。
【0092】
下カプラ240のカップリング磁石241は、上カプラ253のカップリング磁石254と、小径キャップ217の上端壁及びスリーブ314の隔壁315を挟んで吸引し合い磁気連結している。これにより、補給ドラム211をブラケット312から吊り下げた状態で、モータ250(回転出力シャフト52)のトルクを回転伝達シャフト220に非接触で伝達することが可能となっている。
【0093】
補給ドラム211の底壁214の中心からは、補給パイプ213が垂下している。補給パイプ213は作業ケース100の天井壁110を貫通しており、作業ケース100内に突入した下端部が供給ドラム11のドラムキャップ15に形成された常時開放の補給口15Aに非接触な状態で挿入されている(図9参照)。つまり、補給ドラム211内の密閉空間は、補給パイプ213を介して作業ケース100の内側に連通している。ここで、作業ケース100の天井壁110のうち補給パイプ213が貫通した部分は、シール部材218によって気密状態にシールされている。
【0094】
補給ドラム211内には、供給ドラム11と同様に、粉粒体回転ガイド221、容器内円板230、上面待ち受けガイド231が収容されている。粉粒体回転ガイド221及び容器内円板230は、回転伝達シャフト220と一体回転可能となっている。そして、補給ドラム211の底壁214のうち容器内円板230の側方に堆積した粉粒体は、容器内円板230と底壁214との間で旋回する粉粒体回転ガイド221によって底壁214の中心側に誘導され、補給パイプ213の上端開口に送り込まれる。補給パイプ213の下端開口は、供給ドラム11内の容器内円板30より上方に位置しており、補給パイプ213の下端開口から排出された粉粒体は、供給ドラム11の中間段差壁14及び容器内円板30上に落下する。
【0095】
ここで、回転伝達シャフト220の下端部からは流下補助板222が延びている。流下補助板222は、平板をクランク状に切り出して形成されており、補給パイプ213内に挿通されている。流下補助板222は、モータ250によって補給パイプ213内を回転し、補給パイプ213内の粉粒体を撹拌しつつ流下させている。
【0096】
また、補給パイプ213の下端部には受止板219が一体に設けられている。受止板219は、補給パイプ213の下端開口との間に隙間を開けて対向配置されており、受止板219と補給パイプ213の下端部との間が側方に開放している。そして、補給パイプ213を流下した粉粒体は、一旦、受止板219に受け止められるようになっている。
【0097】
流下補助板222の下端部には回転翼片222Hが一体に設けられている。図9に示すように回転翼片222Hは、補給パイプ213の下端開口から突出して側方に張り出しており、受止板219の上面で回転する。そして、受止板219に受け止められた粉粒体を側方に押し出して受止板219から落下させる。
【0098】
図8に示すように、補給装置200には、ホッパー270とその下端部から延びた筒状のシュート271とが備えられている。ホッパー270は、上端開放の円錐状をなし固定ベース310の台板310Aより上方位置に配置されている(図7,図8参照)。一方、シュート271の下端部は、補給ドラム211の大径キャップ215を貫通して補給ドラム211の内部に挿入されている。ここで、大径キャップ215のうち、シュート271が貫通した部分は、シール部材273によって気密状態にシールされている。
【0099】
シュート271のうち、上下方向の中間位置と下端寄り位置には、それぞれバルブ272,272が備えられている。バルブ272,272は、レバーを手動操作することで開放状態と閉鎖状態とに切り換え可能となっている。
【0100】
また、シュート271のうち、1対のバルブ272,272の中間位置には、図示しないポンプに接続された給気口274が設けられている。例えば、上側のバルブ272を閉鎖状態としかつ下側のバルブ272を開放放態としてポンプを作動させることで、補給ドラム211、さらには、補給パイプ213を介して補給ドラム211と連通した作業ケース100に所定のガスを供給することができ、そのガスによって内部圧力を調節することが可能となっている。
【0101】
以上が補給装置200の構造に関する説明であって、次に補給装置200の動作を説明する。供給ドラム11に粉粒体を補給する際には、補給装置200のモータ250をオンする。モータ250がオンすると、カップリング磁石241,254によって非接触状態で連結した出力シャフト252と回転伝達シャフト220とが一体回転し、補給ドラム211の内部で粉粒体回転ガイド221が回転する。粉粒体回転ガイド221によって粉粒体は補給パイプ213へと案内され、補給パイプ213内を流下して、供給ドラム11内に落下する。このように、本実施形態によれば、供給ドラム11に粉粒体を補給する際に、作業ケース100から供給ドラム11を取り出す必要が無いので、粉粒体の補給を容易に行うことができ、作業ケース100の雰囲気状態を維持することができる。
【0102】
[第3実施形態]
この第3実施形態は、上記第2実施形態の構成に計量器300(例えば、電子天秤又は台秤)を追加して粉粒体供給計量システムを構成したものであり、粉粒体供給装置10から排出された粉粒体の重量を計測可能になっている。以下、図10〜図13に基づいて本実施形態について説明するが、第1及び第2実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0103】
図10に示すように、計量器300は、固定ベース310のうち台板310Aの上面に載置されている。
【0104】
作業ケース100の外部上方には、天井壁110から離間した状態で上下動可能な可動ベース320が備えられている。可動ベース320は、縦長の矩形枠構造をなしている。図11に示すように、可動ベース320は、水平方向に延びた上水平バー322Aのちょうど中央部が計量器300の載台301に載置されている。可動ベース320のうち、鉛直方向に延びた1対の側辺バー321,321は、台板310Aを非接触で貫通して作業ケース100の天井壁110の近傍位置まで垂下している。1対の側辺バー321,321の下端部同士を連絡した下水平板322Bは、天井壁110の上方に離間した位置で水平方向に延びている。また、下水平板322Bの水平方向における中央部には、中央貫通孔322B1が形成され、その中央貫通孔322B1を、作業ケース100の天井壁110に設けたケース中空突部111が非接触状態で貫通している(図12参照)。
【0105】
下水平板322Bの上面には、中央貫通孔322B1を囲むように外側ドラム保持磁石115が固定されている。外側ドラム保持磁石115は、ケース中空突部111(大径筒部113)の外側に遊嵌している。そして、供給ドラム11の内容物(粉粒体や粉粒体回転ガイド21など)を含む供給ドラム11全体の重量の変化が、内側ドラム保持磁石65から外側ドラム保持磁石115に伝達され、更に、外側ドラム保持磁石115に付与される供給ドラム11全体の重量の変化が、可動ベース320を介して計量器300に伝達される。これにより、供給ドラム11から排出された(受容器130に供給された)粉粒体の重量を、所謂「ロスインウェイト方式」で計量することが可能になっている。
【0106】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態に係る粉粒体供給装置400を図13〜図18に基づいて説明する。本実施形態の粉粒体供給装置400は、固定ベース401に、粉粒体収容筒410(本発明の「粉粒体収容器」に相当する)、ソレノイド450,460及びモータ470を組み付けてなる。
【0107】
図13に示すように、粉粒体収容筒410は、固定ベース401の本体402から水平方向に突出した収容筒保持部403の先端に保持されている。粉粒体収容筒410は、上下方向に延びた縦筒部411と、上下方向に対して傾斜した傾斜筒部412とを一体に備えている。詳細には、縦筒部411の筒壁を貫通した側部開口411A(図14,図15参照)から斜め上方に向かって傾斜筒部412が延び、縦筒部411の内部空間と傾斜筒部412の内部空間とが側部開口411Aによって連通した構造になっている。傾斜筒部412は、縦筒部411に一体形成された上端開放の分岐筒部413と、分岐筒部413の上端に螺合された連結筒部415と、連結筒部415を介して分岐筒部413に着脱可能に連結された着脱筒部414とで構成され、着脱筒部414と分岐筒部413の開口部同士が対向して連通している。
【0108】
分岐筒部413と連結筒部415との間及び連結筒部415と着脱筒部414との間は螺合接続されている。なお、分岐筒部413及び着脱筒部414の各開口端と連結筒部415の奥壁との間でパッキン416,416が挟まれ、粉粒体収容筒410の内部は気密状態になっている。
【0109】
粉粒体収容筒410(縦筒部411)の底壁内面411Bは水平面となっており、その底壁内面411Bの中心部から下方に向かって垂直に排出路13Aが延びている。排出路13Aは、縦筒部411の中心軸と同軸線上に形成されている。粉粒体収容筒410に収容された粉粒体は、排出路13Aを通って、その下端部の粉粒体排出口35(図17(B)参照)から排出される。
【0110】
縦筒部411の軸方向(上下方向)の中央位置には隔壁430が備えられている。隔壁430は、縦筒部411の内部領域を、隔壁430より下方で傾斜筒部412の内部と連通した粉粒体収容領域R1と、隔壁430より上方のマグネット収容領域R2とに区画している。また、隔壁430の上面中央部には、段付き状に隆起した円形突部430Aが形成されており、隔壁430の中央部が外縁部に対して厚肉となっている。
【0111】
縦筒部411の内部には、動力伝達シャフト420が備えられている。動力伝達シャフト420は、縦筒部411の中心軸上、即ち、粉粒体排出口35の中心軸上に配置されて上下方向に延びている。また、動力伝達シャフト420は、隔壁430の中心部を貫通して粉粒体収容領域R1とマグネット収容領域R2の両方に収容されている。なお、隔壁430は、「滑り軸受け」として機能しており、動力伝達シャフト420を縦筒部411の中心軸上に保持しており、その軸方向及び周方向に摺動可能となっている。
【0112】
動力伝達シャフト420は、トルク伝達用マグネットカップリングMC2によってモータ470のロータ(図示せず)と連結されて、縦筒部411の内部で回転可能となっている。また、動力伝達シャフト420は、軸力伝達用マグネットカップリングMC3によってソレノイド460の中空部460Aを上下方向に直動するプランジャ461と連結されて、縦筒部411の内部でその軸方向、即ち、上下方向に直動可能になっている。
【0113】
詳細には、以下のようである。動力伝達シャフト420にトルクを付与するためのモータ470は粉粒体収容筒410の外部に配置されている。モータ470は、固定ベース401の本体402から粉粒体収容筒410に向かって突出した片持ち梁状のモータ保持部404の先端に固定されている。モータ470のロータに固定された回転出力シャフト471は、モータ470の下面から突出してモータ保持部404を貫通し、動力伝達シャフト420の側方にオフセットした位置で動力伝達シャフト420と平行に延びている。回転出力シャフト471には、アウターマグネットギヤ472が一体回転可能に固定されている。
【0114】
一方、動力伝達シャフト420のうち、縦筒部411の隔壁430を貫通してマグネット収容領域R2に配置された部分には、インナーマグネットギヤ440が固定されている。インナーマグネットギヤ440は、縦筒部411の筒壁を間に挟んでアウターマグネットギヤ472と非接触で磁気結合している。
【0115】
インナーマグネットギヤ440は円筒形をなしている。インナーマグネットギヤ440の中心には、スプライン孔が貫通形成されており、そのスプライン孔に動力伝達シャフト420に備えたスプライン軸部が挿入されて互いに係合している。即ち、インナーマグネットギヤ440と動力伝達シャフト420とが相互に直動可能かつ回転不能に連結されている。これらインナーマグネットギヤ440とアウターマグネットギヤ472とでトルク伝達用マグネットカップリングMC2が構成されている。なお、インナーマグネットギヤ440の下端面中央には、隔壁430の上面中央に形成された円形突部430Aを受容可能な円形陥没部440Aが形成されている。
【0116】
以上が、トルク伝達用マグネットカップリングMC2であって、軸力伝達用マグネットカップリングMC3については以下のようである。
【0117】
まず、動力伝達シャフト420に軸力を付与するためのソレノイド460は粉粒体収容筒410の外部に配置されている。ソレノイド460は、固定ベース401の本体402から縦筒部411の真上位置まで突出した片持ち梁状のソレノイド保持部405の先端に保持されている。ソレノイド460は、その中空部460Aが動力伝達シャフト420と同軸線上に配置されており、動力伝達シャフト420と同軸線上でプランジャ461が上下方向に直動するように構成されている。プランジャ461は、プランジャ461のうちソレノイド460の下端面から突出した下端部には、カップリング用アウターマグネット462(以下、単に「アウターマグネット462」という)が固定されている。アウターマグネット462は、電磁石であって、電流の向きを逆転することによって極性を反転することが可能となっている。そして、ソレノイド460の下面とアウターマグネット462との間は、図示しない引っ張りバネ(本発明の「直動付勢手段」に相当する)によって連結されており、ソレノイド460が励磁されると、引っ張りバネの付勢力に抗してプランジャ461及びアウターマグネット462が垂直下方に移動し、励磁が停止されると引っ張りバネの付勢力によってプランジャ461及びアウターマグネット462が垂直上方に移動する。
【0118】
一方、動力伝達シャフト420の上端部には、縦筒部411の上端壁を介して前記アウターマグネット462と磁気結合するカップリング用インナーマグネット441(以下、単に「インナーマグネット441」という)が固定されている。インナーマグネット441はリング状の永久磁石であり、動力伝達シャフト420の上端部に固定された固定盤442の上に固着されている。
【0119】
アウターマグネット462とインナーマグネット441とが互いに反発し合うようにした状態でソレノイド460を励磁状態にすると、動力伝達シャフト420が縦筒部411の内部で下方に垂直移動する。一方、アウターマグネット462とインナーマグネット441とが吸引し合うようにした状態でソレノイド460の励磁を停止すると、動力伝達シャフト420が縦筒部411の内部で上方に垂直移動する。これらアウターマグネット462とインナーマグネット441とで、軸力伝達用マグネットカップリングMC3が構成されている。
【0120】
縦筒部411の上端壁内面には、保持用マグネット443が固定されている。保持用マグネット443は、リング状になったインナーマグネット441の中心孔に遊嵌可能となっている。そして、インナーマグネット441の中心に保持用マグネット443が配置された状態で、アウターマグネット462の磁力が消失した場合でも、インナーマグネット441と保持用マグネット443とが吸引し合うことで、動力伝達シャフト420を上端位置に保持することが可能となっている。
【0121】
ここで、動力伝達シャフト420を回転駆動する場合には、インナーマグネット441とインナーマグネットギヤ440との間に作用する磁力が、回転の妨げにならないように、インナーマグネットギヤ440をインナーマグネット441から離間させる。そのために、インナーマグネットギヤ440は動力伝達シャフト420に対して直動可能となっており、アウターマグネットギヤ472も回転出力シャフト471に対して直動可能となっている。
【0122】
詳細には、アウターマグネットギヤ472は、スプライン機構によってモータ470の回転出力シャフト471に連結されている。即ち、アウターマグネットギヤ472は回転出力シャフト471に対して直動可能かつ回転不能となっている。また、モータ保持部404には、アウターマグネットギヤ472の直動駆動源としてのソレノイド450が固定されている。
【0123】
ソレノイド450は、モータ保持部404の基端寄り位置に固定されている。ソレノイド450の中空部450Aには、その軸方向、即ち、上下方向に直動可能なプランジャ451が挿入されている。このプランジャ451のうち、ソレノイド450の下面から突出した下端部には、回転支持盤452が固定されている。回転支持盤452は、縦筒部411の筒壁の近傍位置まで張り出しており、その回転支持盤452のうち回転出力シャフト471の延長線上には支持孔453が貫通形成されている。
【0124】
一方、アウターマグネットギヤ472の下端部には、ベアリング嵌合筒部473が形成され、このベアリング嵌合筒部473が支持孔453に嵌合されたベアリング454の内側に嵌合されている。即ち、アウターマグネットギヤ472は、回転出力シャフト471と回転支持盤452との間で回転可能に支持されている。
【0125】
ソレノイド450と回転支持盤452との間は、図示しない引っ張りバネによって連結されており、ソレノイド450が励磁されると、引っ張りバネの付勢力に抗してプランジャ451及び回転支持盤452が垂直下方に移動し、励磁が停止されると引っ張りバネの付勢力によってプランジャ451及び回転支持盤452が垂直上方に移動する。
【0126】
つまり、ソレノイド450の励磁によってアウターマグネットギヤ472が回転出力シャフト471に対して下方に移動し、アウターマグネットギヤ472と磁気連結したインナーマグネットギヤ440が、マグネット収容領域R2の中で動力伝達シャフト420に対して下方に移動する。また、ソレノイド450の励磁停止によってアウターマグネットギヤ472が回転出力シャフト471に対して上方に移動し、アウターマグネットギヤ472と磁気連結したインナーマグネットギヤ440が、マグネット収容領域R2の中で動力伝達シャフト420に対して上方に移動する。
【0127】
ここで、インナーマグネットギヤ440は、隔壁430に当接することでそれ以上、下方に移動不可能になるので、アウターマグネットギヤ472との磁気結合が解消されて、インナーマグネットギヤ440が、縦筒部411の底部に落下するという事態を防止することができる。
【0128】
さて、上述の如く縦筒部411の内側で回転可能かつ直動可能な動力伝達シャフト420のうち、粉粒体収容領域R1に配置された部分には断面非円形(例えば、断面六角形)の連結軸部420Aが備えられている。その連結軸部420Aには、粉粒体を排出路13Aに送り込むための粉粒体回転ガイド421が直動可能かつ回転不能に取り付けられている。粉粒体回転ガイド421は自重で降下しており、モータ470から付与されたトルクで動力伝達シャフト420が回転することにより、底壁内面411Bに摺接しつつ水平面内で回転する。
【0129】
粉粒体回転ガイド421には、縦筒部411の筒壁内面411Cに沿って延びかつ筒壁内面411Cの近傍を旋回する起立板422が一体形成されている。起立板422が縦筒部411の内側で旋回することにより、粉粒体を流動させて凝集を防止したり、撹拌することができる。
【0130】
動力伝達シャフト420のうち、排出路13Aの内側に配置された部分には、スクリュー部423が備えられている。スクリュー部423は、動力伝達シャフト420の周囲に巻回されて回転不能に固定された螺旋コイルで構成されている。このスクリュー部423は、モータ470による動力伝達シャフト420の回転方向(動力伝達シャフト420の軸方向上端側から見て時計回り方向)の前方に向かうに従って巻き上がるように延びており、動力伝達シャフト420の回転により、排出路13A内の粉粒体を下方、即ち、粉粒体排出口35に送り出すようになっている。
【0131】
次に、本実施形態の動作について説明する。粉粒体の供給を開始する前に、まず、粉粒体収容筒410に粉粒体を充填する。具体的には、動力伝達シャフト420を図15に示すように上端位置に保持して粉粒体排出口35を弁体28によって閉塞した状態で、予め着脱筒部414に取り分けておいた粉粒体を、分岐筒部413に流し込みながら、着脱筒部414を素早く連結筒部415に螺合する。粉粒体は、傾斜筒部412の傾斜によって着脱筒部414から分岐筒部413及び縦筒部411へと滑り落ちる。
【0132】
次いで、アウターマグネット462に電流を流してインナーマグネット441と反発し合う状態とし、ソレノイド450,460を共に励磁する。ソレノイド460の励磁により、プランジャ461が下方に移動すると、インナーマグネット441とアウターマグネット462との間の反発力によって、動力伝達シャフト420が縦筒部411の内部で垂直下方に移動し、弁体28が粉粒体排出口35の下方に移動して粉粒体排出口35が開放する。
【0133】
また、ソレノイド450の励磁によりプランジャ451が下方に移動し、回転支持盤452が下方に移動すると、アウターマグネットギヤ472が回転出力シャフト471に対して垂直下方に移動し、インナーマグネットギヤ440がアウターマグネットギヤ472に引っ張られて動力伝達シャフト420に対して垂直下方に移動する。
【0134】
この状態でモータ470をオンすると、図16に示すようにアウターマグネットギヤ472が所定方向に回転し、インナーマグネットギヤ440が、アウターマグネットギヤ472とは逆方向に回転して、動力伝達シャフト420がインナーマグネットギヤ440と一体回転する。そして、動力伝達シャフト420に対して回転不能に備えられた粉粒体回転ガイド421、起立板422、スクレッパー26及びスクリュー部423が粉粒体収容筒410の内部(粉粒体収容領域R1)で回転する。
【0135】
粉粒体回転ガイド421によって排出路13Aに案内された粉粒体は、スクリュー部423によって下方に送り出され、粉粒体排出口35から排出される。
【0136】
粉粒体の供給を終える場合には、まず、モータ470を停止し、次いで、アウターマグネット462に流す電流の向きを逆転させて、インナーマグネット441と吸引し合う状態にする。そして、両ソレノイド450,460の励磁を停止する。すると、インナーマグネット441とアウターマグネット462とが吸引し合った状態で、プランジャ461が垂直上方に移動するので、動力伝達シャフト420が縦筒部411の内部で垂直上方に引き揚げられ、インナーマグネット441が縦筒部411の上端壁に当接した位置で停止する。そして、弁体28の円錐斜面28Aが粉粒体排出口35の環状エッジ部35Eに当接して粉粒体排出口35が閉塞される。ここで、ソレノイド450の励磁が停止すると、プランジャ451及び回転支持盤452によってアウターマグネットギヤ472が垂直上方に移動し、アウターマグネットギヤ472と磁気連結したインナーマグネットギヤ440も、垂直上方に移動する。このとき、インナーマグネットギヤ440が固定盤442を押し上げるようにしてもよい。つまり、2つの引っ張りバネが協働して動力伝達シャフト420を垂直上方に移動させるようにしてもよい。
【0137】
動力伝達シャフト420が上端位置になると、インナーマグネット441と保持用マグネット443との間の吸引力及び、インナーマグネットギヤ440とアウターマグネットギヤ472との間の吸引力によって、動力伝達シャフト420を上端位置に保持することができる。よって、アウターマグネット462への通電を停止することができる。そして、本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。また、隔壁430によって粉粒体収容領域R1とマグネット収容領域R2とに区画し、マグネット収容領域R2に粉粒体が進入しないようにしたので、粉粒体の噛み込みによるインナーマグネットギヤ440の回転不良や直動不良の発生を防止することができる。
【0138】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0139】
(1)上記第1〜第3実施形態では、供給ドラム11を密閉された作業ケース100の内部に配置していたが、粉粒体供給装置10の全体を大気開放の状態に配置してもよい。
【0140】
(2)上記第3実施形態では、供給ドラム11全体の重量の減少量を、供給ドラム11から排出された粉粒体の重量として計量(ロスインウェイト方式)していたが、受容器130に受容された粉粒体の重量を直接計量するようにしてもよい。この際、計量器は作業ケース100の内部に配置してもよいし、作業ケース100の外部下方に配置して非接触状態で粉粒体を含む受容器130全体の荷重を受けるような構成にしてもよい。
【0141】
(3)上記第4実施形態では、排出路13Aの内側のスクリュー部423を動力伝達シャフト420の外側に巻回された螺旋コイルで構成していたが、第1実施形態のように、動力伝達シャフト420の外周面から突出した螺旋突条(図4(A)参照)や、動力伝達シャフト420の外周面を陥没させた螺旋溝(図4(B)参照)で構成してもよい。
【0142】
(4)上記第1〜第4実施形態において、スクリュー部27,423の替わりに、弁体28の円錐斜面28Aから垂直上方に起立して、排出路13Aの内周面に沿って延びかつ排出路13Aの内面近傍を旋回する垂直ポール480(本発明の「弁固定回転体」に相当する)を設けてもよい(図18(A)参照)。この垂直ポール480が、排出路13Aで回転することにより、排出路13A内の粉粒体を流動させることができ、アーチ形成による詰まりや、粉粒体の凝集を防止することができる。また、排出路13Aの内面に付着した粉粒体を掻き落とすことができる。
【0143】
(5)上記第4実施形態では、縦筒部411の底壁内面411Bから垂直下方に延びた排出路13Aを備えていたが、図18(B)に示すように、縦筒部411の下端部内面411Dを粉粒体排出口35に近づくに従ってすり鉢状に縮径した円錐面とし、その下端部内面411Dの傾斜によって粉粒体が自重で粉粒体排出口35に向かうようにしてもよい。このとき、下端部内面411Dの母線に沿って延びかつ下端部内面411Dの近傍を旋回する軸固定回転体481を動力伝達シャフト420に一体に設けてよい。軸固定回転体481が回転することで、粉粒体を流動させることができ、アーチ形成による詰まりや粉粒体の凝集を防止することができる。また、下端部内面411Dに付着した粉粒体を掻き落とすことができる。
【0144】
(6)上記第4実施形態では、インナーマグネットギヤ440とアウターマグネットギヤ472との磁気連結でモータ470のトルクを動力伝達シャフト420に伝達していたが、動力伝達シャフト420と回転出力シャフト471とに固定された平ギヤ同士を噛合させてもよい。また、モータ470の回転出力シャフト471を動力伝達シャフト420と直交するように配置して動力伝達シャフト420と回転出力シャフト471との間をウォームとウォームホイール又は1対のベベルギヤにてギヤ連結してもよい。これらの場合には、縦筒部411のうち隔壁430より上側の筒壁を一部切除してギヤ連結開口を形成し、そのギヤ連結開口にてギヤ同士を噛合させればよい。
【0145】
(7)図19に示すように、垂直な旋回軸501を中心に旋回する旋回ベース502に第4実施形態の粉粒体供給装置400をその旋回方向に複数並べて取り付け、計量器503(電子天秤)の上方に位置決めされた粉粒体供給装置400から計量器503に載置された受容器130に対して粉粒体を供給する粉粒体供給計量システム500としてもよい。
【0146】
(8)前記第1実施形態では、回転出力シャフト52と動力伝達シャフト20との間で非接触状態でトルク及び軸力を伝達していたが、接触状態でトルク及び軸力を伝達するようにしてもよい。具体的には、例えば、回転出力シャフト52を含むモータ50全体を動力伝達シャフト20の上端部に対して接離するように直動可能とし、動力伝達シャフト20を常時上方に付勢して粉粒体排出口35を弁体28にて閉じた状態に維持する直動付勢手段と、回転出力シャフト52の下端部と、動力伝達シャフト20の上端部とにそれぞれ固定されて互いに噛合することでトルクを伝達可能な1対のクラッチ板とを備えておく。
【0147】
粉粒体の供給を行う場合には、回転出力シャフト52を含むモータ50全体を垂直下方に移動させることでクラッチ板同士を噛合させ、ここからさらにモータ50全体を垂直下方に移動させることで、動力伝達シャフト20を直動付勢手段の付勢力に抗して垂直下方に移動させて、粉粒体排出口35を開放状態にする。この開放状態でモータ50をオンすると、クラッチ板を介して回転出力シャフト52から動力伝達シャフト20にトルクが伝達され、粉粒体が排出される。また、粉粒体の供給を終えるときには、モータ50全体を垂直上方に移動させる。すると、直動付勢手段の付勢力によって動力伝達シャフト20が垂直上方に移動し、クラッチ板同士が離れる位置までモータ50が上昇すると、弁体28によって粉粒体排出口35が閉塞されて粉粒体の漏出が防止される。
【0148】
(9)前記第4実施形態において、粉粒体供給装置400を、大気とは異なる特殊環境(例えば、真空、高温、腐食性ガス雰囲気等)の中で使用する場合には、図20に示すように、動力伝達シャフト420に軸力を付与するためのソレノイド460を、第1のハウジング491の閉空間内に収容して特殊環境から隔離すると共に、動力伝達シャフト420にトルクを付与するためのモータ470及びアウターマグネットギヤ472の直動駆動源としてのソレノイド450を、第1のハウジング491とは別の第2のハウジング492に収容して特殊環境から隔離してもよい。また、各ハウジング491,492にパイプ490,490を接続し、そのパイプ490を介してハウジング491,492内に冷却ガスを吸排気して、ソレノイド450,460及びモータ470の温度上昇を抑えるようにしてもよい。さらに、ソレノイド450,460及びモータ470に接続されたケーブルCAをパイプ490,490内に通して、特殊環境に曝されないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
10 粉粒体供給装置
11 供給ドラム(粉粒体収容器)
13A 排出路
20 動力伝達シャフト
20A 連結軸部
21 粉粒体回転ガイド(容器内回転体、軸可動回転体)
25A 非円形貫通孔
26 スクレッパー
27 スクリュー部
27A 螺旋突条
27B 螺旋溝
27C 螺旋コイル
28 弁体
28A 円錐斜面
31 上面待ち受けガイド(直動規制部材)
35 粉粒体排出口
35E 環状エッジ部(弁座)
50 モータ(回転駆動源)
52 回転出力シャフト(回転出力部)
73 カップリング用アウターマグネット
74 カップリング用インナーマグネット
80 ソレノイド(直動駆動源)
81 プランジャ(被吸引磁性体)
100 作業ケース
110 天井壁
400 粉粒体供給装置
410 粉粒体収容筒(粉粒体収容器)
420 動力伝達シャフト
420A 連結軸部
421 粉粒体回転ガイド(容器内回転体、軸可動回転体)
423 スクリュー部
440 インナーマグネットギヤ
441 インナーマグネット
460 ソレノイド(直動駆動源)
461 プランジャ(被吸引磁性体)
462 アウターマグネット
470 モータ(回転駆動源)
471 回転出力シャフト(回転出力部)
472 アウターマグネットギヤ
480 垂直ポール(弁体固定回転体)
481 軸固定回転体(容器内回転体)
MC1 一体直動回動型マグネットカップリング
MC2 トルク伝達用マグネットカップリング
MC3 軸力伝達用マグネットカップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を収容した粉粒体収容器と、
前記粉粒体収容器の底壁の中央部を上下方向に貫通した円形の粉粒体排出口と、
前記粉粒体排出口の開口縁に対して下方から接離して、前記粉粒体排出口を開閉可能な弁体と、
前記粉粒体排出口が開いた状態で前記粉粒体収容器内で回転し、前記粉粒体排出口から前記粉粒体を排出するための容器内回転体と、
前記粉粒体排出口の中心軸上に配置されて上下方向に延び、その上下方向の中間部に前記容器内回転体が一体回転可能に固定されかつ下端部に前記弁体が一体直動可能に固定された動力伝達シャフトと、
前記動力伝達シャフトに軸力を付与して、前記弁体にて前記粉粒体排出口を開閉するための直動駆動源と、
前記粉粒体排出口が開いた状態で前記動力伝達シャフトにトルクを付与して、前記容器内回転体を回転駆動するための回転駆動源とを備えたことを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項2】
前記弁体を、上方に向かって縮径した円錐状とし、
前記粉粒体排出口の開口縁に、前記弁体の円錐斜面に当接する弁座を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粉粒体供給装置。
【請求項3】
前記粉粒体収容器の底壁の上面から前記粉粒体排出口まで上下方向に延びた排出路内に配されて、前記動力伝達シャフトに一体に設けられた螺旋突条又は螺旋溝又は螺旋コイルからなるスクリュー部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体供給装置。
【請求項4】
前記弁体の円錐斜面から起立して、前記粉粒体収容器の底壁の上面から前記粉粒体排出口まで上下方向に延びた排出路内に配され、前記排出路の内面に隣接した状態で旋回可能な弁体固定回転体を備えたことを特徴とする請求項2に記載の粉粒体供給装置。
【請求項5】
前記粉粒体収容器の底壁上の粉粒体を集めて前記排出路内に案内する粉粒体回転ガイドが、前記容器内回転体として設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の粉粒体供給装置。
【請求項6】
前記動力伝達シャフトの中間部に、断面非円形の回転連結軸部を設け、
前記回転連結軸部に対して相対的に直動可能かつ回転不能に嵌合した非円形貫通孔を有した軸可動回転体を、前記容器内回転体として設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の粉粒体供給装置。
【請求項7】
前記粉粒体収容器内に固定され、前記粉粒体収容器の底壁との間で前記軸可動回転体を挟み、前記軸可動回転体の回転を許容しかつ前記軸可動回転体の上下動を規制する直動規制部材を設けたことを特徴とする請求項6に記載の粉粒体供給装置。
【請求項8】
前記粉粒体収容器の底壁の上面から前記粉粒体排出口まで上下方向に延びた排出路の内部に向けて前記軸可動回転体から下方に突出し、前記排出路の内側面から粉粒体を掻き落とすスクレッパーを備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の粉粒体供給装置。
【請求項9】
前記粉粒体収容器の内面は、前記粉粒体排出口から上方に向かうに従って拡径した円錐内面を有し、その円錐内面の母線に沿って延びかつ前記円錐内面に隣接した状態で旋回可能な軸固定回転体を前記容器内回転体として設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体供給装置。
【請求項10】
外部から隔離された閉空間を有する作業ケースを設け、
前記粉粒体収容器を前記作業ケースの閉空間内に収容してその作業ケースの天井壁から吊り下げると共に、前記回転駆動源及び前記直動駆動源を前記作業ケースの外側に配置し、
前記回転駆動源の回転出力部と前記動力伝達シャフトとを一体回転又は連動回転可能に前記作業ケースの壁部を介して磁気結合するトルク伝達用マグネットカップリングと、
前記直動駆動源の直動出力部と前記動力伝達シャフトとを一体直動可能に前記作業ケースの壁部を介して磁気結合する軸力伝達用マグネットカップリングとを備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1の請求項に記載の粉粒体供給装置。
【請求項11】
前記作業ケースの内部に配置されて、前記動力伝達シャフトに対して一体回転しかつ一体直動するように固定されたカップリング用インナーマグネットと、
前記作業ケースの外部に配置され、前記カップリング用インナーマグネットと一体回転かつ一体直動するように、前記作業ケースの壁部を介して前記カップリング用インナーマグネットに磁気結合されたカップリング用アウターマグネットとからなる一体直動回動型マグネットカップリングを、前記トルク伝達用マグネットカップリング及び前記軸力伝達用マグネットカップリングとして設け、
前記カップリング用アウターマグネットと前記回転駆動源の回転出力部とが、相互の直動を許容しかつ回転を伝達するスプライン機構で連結され、
前記カップリング用アウターマグネットに固定された被吸引磁性体を設け、
前記動力伝達シャフトを常時上方に付勢して前記粉粒体排出口を閉じた状態に維持する直動付勢手段と、通電により励磁されて前記被吸引磁性体を前記直動付勢手段の付勢力に抗して下方に磁気吸引し、前記粉粒体排出口を開くことが可能なソレノイドとを前記直動駆動源として備えたことを特徴とする請求項10に記載の粉粒体供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−202322(P2010−202322A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48735(P2009−48735)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(509025876)アルファ株式会社 (5)
【出願人】(302055139)
【Fターム(参考)】