説明

粒子トラップを形成するために蒸着処理構成要素を処理する方法及び粒子トラップを表面上に有する蒸着処理構成要素

本発明は、PVD(物理的蒸着)構成要素の表面に沿って粒子トラップを形成する方法を包含し、その表面に粒子トラップを有するPVD構成要素を含む。本発明は、ビードブラストのための高度に可溶性の媒体の使用を含み、且つ/又はビードブラスト媒体として金属物質の使用を含み得る。本発明は、粒子トラップの所望箇所である裏板の領域に沿って挿入物を形成することも含み得る。この挿入物の組成は裏板よりも適切な粒子捕捉特性を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2003年9月11日に出願の米国特許仮出願第60/502689号の優先権を主張するものであり、また2004年2月9日に出願の米国特許仮出願第60/543457号の優先権も同様に主張するものである。[0002]本発明は、物理的蒸着処理(physical vapor deposition(PVD)process)の構成要素、例えば、スパッタ標的、などの領域に沿って粒子トラップを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]PVD法は、基板表面の全体に物質の薄膜を形成するために利用される。PVD法は、例えば、最終的に集積回路構造及びデバイスの製造に使用される層を形成するために半導体製造法で利用可能である。[0004]図1のスパッタリング装置110を参照してPVD作業を説明する。装置110は、イオン金属プラズマ(IMP)装置の一実施例であり、側壁114を有する小室112を含む。小室112は、一般に高真空の小室である。標的10が小室の上方領域内に設けられ、更に基板118が小室の下方領域内に設けられる。基板118は、静電チャックを典型的に含む保持体120の上に保持される。
【0003】
標的10は、電源を具備し得る適切な支持部材(図示せず)によって保持されることになる。上方遮蔽体(図示せず)が、標的10の縁部を遮蔽するために設けられ得る。標的10には、例えば、1つ又は複数の様々な種類の金属合金を含めて、インジウム、錫、ニッケル、タンタル、チタン、銅、アルミニウム、銀、金、ニオブ、白金、パラジウム、タングステン、及びルテニウムの1つ又は複数の金属が含まれ得る。この標的は、一体構造の標的であってもよいし、又は標的/裏板組立体の一部であってもよい。
【0004】
[0005]基板118には、例えば、半導体ウェーハ(例えば、単結晶珪素ウェーハなど)が含まれ得る。[0006]物質が標的10の表面からスパッタリングされて、基板118に向けられる。スパッタリングされた物質が矢印122によって表されている。[0007]一般に、スパッタリングされた物質は、標的表面から幾つかの異なる方向へ出て行く。これが問題となり得るが、スパッタリングされた物質は、基板118の上表面に相対的に直交するように向けられることが好ましい。従って、合焦コイル126が小室112の内部に設けられる。この合焦コイルは、スパッタリングされた物質122の向きを補整することが可能であり、スパッタリング物質を基板118の上表面に相対的に直交するように向けているところが示されている。
【0005】
[0008]コイル126は、コイルの側壁を貫通し、更に小室112の側壁114も貫通するように示されているピン128によって小室112の内部に保持される。ピン128は、図示の構成では保持ねじ132によって保持される。図1の模式図は、コイル126の内表面沿いのピンの頭130と、小室側壁114の外表面沿いの保持ねじの別組の複数の頭132とを示す。[0009]スペーサ140(しばしばカップと呼ばれる)がピン128の周囲に延在し、コイル126を側壁114から離隔するために使用される。
【0006】
[0010]粒子が形成されると、これらの粒子が蒸着された薄膜の中に落下し、薄膜の望ましい特性を阻害する恐れがある点で蒸着処理に問題が生じ得る。従って、これらの粒子が蒸着処理時に所望の物質中に落下することに関連する問題を改善し得るトラップの開発が望まれている。[0011]粒子形成を軽減するためにPVD標的を改良しようと幾多の努力が傾注されてきた。例えば、ビードブラスト(bead-blasting;溶球吹付け)を利用して標的の側壁に沿って織目表面(textured surface)を形成するが、それは織目表面によってその表面に沿って形成された粒子が捕捉されることを期待するものである。また、粒子を捕捉する適切な織目を創出しようと、標的表面上に織目を形成するためにローレット切り及び機械加工の渦巻き模様付けが利用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0012]これらの織目表面の幾つかは粒子形成を減少させることが分かっているが、様々な織目表面には問題が存在する。例えば、ビードブラストは、強力に標的に吹き付けられる粒子を使用するのが典型である。ブラストに由来する粒子の一部が、ブラスト処理時に標的物質中に埋め込まれ、標的がPVD小室の中に挿入されるときに標的物質中に残留する可能性がある。ビードの表面は、粒子捕捉領域に進入する再蒸着物質に対して付着性が相対的に乏しくなり得るので、粒子捕捉領域の働きを低下させる恐れがある。
【0008】
[0013]粒子捕捉領域中に埋め込まれたビードブラスト粒子に関連する問題を軽減し、好ましくは排除するために、新規の方法を開発することが望ましい。このような新規の方法をPVD標的の非スパッタリング表面上に粒子捕捉領域を形成するために利用することに加えて又はその別法として、このような新規の方法は、限定するものではないが、小室内壁、コイル、保護リング、固締具、遮蔽体、ピン、カップ等のうちの1つ又は複数の表面を含めて、小室内でスパッタリングされた物質に接触する可能性のある数多くの構成要素の非スパッタリング表面に関連する粒子捕捉領域での使用に応用可能であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0014]1態様では、本発明は、ビードブラスト処理の後でビードブラスト媒体を除去するためにこの媒体を可溶化することを包含する。この媒体は、最初に粒子の形態で提供され、表面を粗面化するためのビードブラストに使用される。ビードブラスト媒体は溶媒に高度に可溶性であり、続いてビードブラスト表面が、粗面化された表面に関連し得るビードブラスト媒体を溶解するために溶媒に曝される。典型的な媒体には、塩化アンモニウムと、周期律表のIA及びIIA族からの元素を含む様々なハロゲン化物の塩とが含まれ得る。特定の態様では、媒体には、例えば、塩化ナトリウム又は塩化カリウム等の1つ又は複数のアルカリ性ハロゲン化物の塩が含まれ得るが、このような応用例では、媒体を除去するために使用される溶媒は水溶液であり得る。他の典型的な媒体には、有機物質(例えば、有機金属物質など)が含まれ得るが、溶媒には有機物質を溶解するのに適切な有機溶媒が含まれ得る。
【0010】
[0015]1態様では、本発明はビードブラストに金属を使用することに関する。ビードブラストは、PVD構成要素の表面を粗面化するために使用される。このような表面には、金属(元素金属の形態にあるか又は合金の形態にある)が含まれ得るが、ビードブラストに使用される金属は、PVD構成要素の表面の金属よりも高い硬度であり得る。特定の態様では、ビードブラストに使用される金属は、相対的に純粋な形態にあり、特に純度99%以上(重量で)の金属含有率を有する。
【0011】
[0016]1態様では、本発明は、標的の周辺側部に沿って且つ標的に近接する突縁に沿って延在する非スパッタリング領域を有する標的/裏板構造(a target/backing plate)を包含する。この構造は、突縁の内部に設けられた挿入物を含み、粒子トラップを形成する際に使用するのに適切な物質を含む。典型的な態様では、標的はタンタルを含むことが可能であり、裏板は銅を含むことが可能であり、更に挿入物はアルミニウム、チタン、及びタンタルの1つ又は複数を含むことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[0031]本発明は、PVD構成要素の1つ又は複数の表面上に形成可能な粒子捕捉領域と、この粒子捕捉領域を形成する方法とを包含する。粒子捕捉領域は、蒸着処理(deposition process)の間にこれらの構成要素の上に蒸着する物質を捕捉するために使用可能である。[0032]粒子捕捉領域は、PVD構成要素の1つ又は複数の表面をビードブラストで、また幾つかの態様では機械加工で処理することによって形成される。このように処理された構成要素がスパッタリング標的であれば、その処理表面には、例えば、側壁表面、突縁表面、及び/又はスパッタリング面沿いの非スパッタリング表面など、非スパッタリング表面がいずれも含まれ得る。
【0013】
[0033]機械加工で形成された突起は、マクロスケールの粗度に対応するものと考えられ、ビードブラストによって実現された粗面形成はミクロスケールの粗度に対応するものと考えられる。従って、本発明は、マクロスケール及びミクロスケールの粗度の一方又は両方を有し、捕捉領域で使用される模様を包含し得る。
【0014】
[0034]マクロスケール及びミクロスケールの模様を共に使用することは有利であり得る。マクロスケールの模様とミクロスケールの模様とを組み合わせると、蒸着処理時に構成要素の処理表面から物質が剥落するのをかなり減少させることができる。また、マクロスケールの模様の上にミクロスケールの粗表面を形成すると、平面的な又は直線的な蒸着薄膜が減少することによって蒸着薄膜からの剥落問題を効果的に軽減することができる。平面的な又は直線的な薄膜は、周期的な蒸着処理時に生じる周期的な熱応力に対して特に脆弱であり得る。
【0015】
特に、マクロスケールの模様(例えば、長い機械加工の渦巻き模様など)のみが、再蒸着物質を捕捉して捕捉領域内で長い薄膜を形成することができる。周期的な熱応力(例えば、処理構成要素の基部物質に対する再蒸着薄膜の異なる熱膨張率に関連する応力など)が、処理構成要素から薄膜又は再蒸着薄膜塊の剥離を招く恐れがある。薄膜又は塊が構成要素から剥離すると、それは構成要素に近接する基板上に落下して、蒸着処理時に基板上に蒸着された層の内部に粒子を不要に形成する恐れがあり、それは蒸着処理の生産能力又は生産量を低減させ得る。
【0016】
[0035]表面にマクロスケール及びミクロスケールの粗度を共に付与することは有利であり得るが、ミクロスケールの粗度のみが捕捉に望ましい態様である場合もある。従って、本発明は、マクロスケールの粗度を有しないスパッタリング構成要素の1つ又は複数の表面の上に、ミクロスケールの粗度が形成される態様も包含する。別法として、本発明は、ミクロスケールの粗度を有しないスパッタリング構成要素の1つ又は複数の表面上に、マクロスケールの粗度が形成される態様を包含し得る。
【0017】
[0036]PVD処理の構成要素を処理するための(特にスパッタリング標的の非スパッタリング表面を処理するための)本発明の典型的な態様を図2〜9を参照して以下に説明する。[0037]図2及び3を参照すると、典型的なスパッタリング標的構造10が上面図(図2)及び断面図(図3)で例示されている。構造10は、本発明の典型的な態様では一体構造の物理蒸着標的として示されているが、別法として、構造10は標的/裏板構造(典型的な標的/裏板構造を図10〜14に示す)であり得ることが理解されるべきである。
【0018】
標的構造10は、スパッタリング面12と、このスパッタリング面に近接する側壁14とを含む。構造10は、標的構造の下部領域回りに延在する突縁16も含む。構造10は、ハネウェルインターナショナル社(Honeywell International Inc.)から市販のベクトラ−アイエムピー(VECTRA−IMP)(商標)型ターゲットとして示されているが、本発明の様々な態様では他の標的構造も使用可能であることが理解されるべきである。[0038]スパッタリング面12は一般に、物質がPVD作業でスパッタリングされる領域と、物質がPVD作業でスパッタリングされない領域とを共に有する。このような非スパッタリング領域は、例えば、側壁14に近接し、面12の横方向の周辺領域に対応する領域を含み得る。
【0019】
[0039]上で論じたように、スパッタリング作業で標的構造10又は他の標的構造の使用に関わる問題は、面12から飛散した幾つかの物質が標的構造の他の表面(側壁14、突縁16、及び面12の非スパッタリング領域を含む非スパッタリング領域など)の上に再蒸着し得ることである。これらの再蒸着物質は、最終的にはPVD作業時に標的構造から粒子として落下し得る。これらの粒子は、PVD作業時にスパッタリング蒸着された層の内部に堆積して層の特性に悪影響を及ぼす恐れがあり、且つ/又は基板を支持するように設けられた静電チャック上に落下する恐れがある。従って、スパッタリング蒸着層への粒子混入を回避するために、側壁及び/又は突縁及び/又は標的の他の非スパッタリング表面を処理する方法の開発が望まれている。
【0020】
[0040]本発明の一態様に従えば、粒子形成を軽減するために、面12の表面(非スパッタリング表面)、側壁14、及び/又は突縁16が新規の方法によって処理される。このような処理領域は、例えば、図3のブラケット18によって示した領域の一部又は全部に及び得る。本発明の方法を利用して、PVD反応小室の内部で真空に曝される標的の非スパッタリング表面のすべて(面12、側壁14、又は突縁16の上にあるかどうかに関わらず)を処理することが特に推奨され得る。
【0021】
[0041]図4は、側壁14の拡大された領域20を示す。この側壁は相対的に平面的な表面21を有する。[0042]図5は、側壁14がこの側壁の表面全体に広がる突起22の模様を形成するために処理された後の拡大された領域20を例示する。突起22は、コンピュータ数値制御(CNC)工具、ローレット切り装置、又は他の適切な機械工具を使用して形成可能であり、渦巻き模様に対応し得る。例えば、CNC工具を使用して側壁14に切込みを入れて図示の模様を残すことが可能であり、且つ/又はローレット切り装置を使用して側壁14の中にプレス成形し、このような模様を残すことが可能である。このような模様は、例えば、ビードブラストによって形成される不規則な模様とは異なって反復模様である。突起22の模様は、この模様と引き続いて形成可能なミクロ模様(以下で論じる)とを区別するためにマクロ模様と呼ばれ得る。
【0022】
[0042]突起22は、約2.54cm(1インチ)当たり約28個から約2.54cm(1インチ)当たり約80個、典型的には約2.54cm(1インチ)当たり約40個の密度に形成可能である。特定の応用例では、これらの突起は、約2.54cm(1インチ)当たり約28個の歯(TPI)から約80TPI、典型的には約40TPIを有する工具によって形成可能である。工具の歯は、突起22と1対1の対応であり得る。突起22は、側壁14に沿った突起の形成の別法として又はそれに追加して、突縁16(図3)及び/又は面12の非スパッタリング領域表面の全体に亘って形成可能である。
【0023】
[0043]図6は、突起22が、突起を折り返す機械力に掛けられた後の拡大された領域20を示す。この機械力は、例えば、ボール又はローラを含めて任意適切な工具によって供給可能である。これらの屈曲突起は、CNC工具による適切な指向性機械加工を利用して形成することも可能である。屈曲突起は、突起間に穴23を画成し、このような穴が再蒸着物質のためのトラップ及び/又は他の粒子源のためのトラップとして機能し得る。
【0024】
[0044]図3を再び参照すると、側壁14は、近接スパッタリング面12であり、このスパッタリング面の周囲に標的構造10の横方向の周辺部が形成されることが考えられる。従って、図6の屈曲突起22(湾曲突起とも呼ばれ得る)は、側壁に沿って横方向に開く穴23を形成することが理解され得る。穴23は、屈曲又は湾曲突起22によって形成された受け口の反復模様であるとも考えられる。これらの受け口23は、最終的には蒸着物質又はPVD処理時に粒子源の1つとなり得る他の物質を保持するために使用可能である。受け口23は、これらの受け口の内部周辺部回りに内表面27を有することが図6に示されている。
【0025】
[0045]スパッタリング表面12(図3)が標的構造10の上表面として画成される場合には(即ち、標的構造が図3の向きにあると考えられる場合には)、図示の穴は下向きに開く。本発明の他の態様(図示せず)では、湾曲突起が、図3の向きでは、上向き又は横向きに開く穴を形成し得る。従って、本発明は、スパッタリング面が標的構造の上表面として画成され、且つ湾曲突起が標的構造の側壁に沿って形成されて、スパッタリング面の画成された上表面に対して下向き、上向き、及び横向きの1つ又は複数の向きで側壁に沿って横方向に開く穴を形成する様態を包含する。
【0026】
外部基準枠に対して標的構造の特定の向きのいずれかを示すものとしてではなく、湾曲突起によって形成された穴の相対的な向きを説明する目的のために、スパッタリング面を上表面として画成されていることに留意される。従って、スパッタリング表面12(図3)は、標的構造の外部から眺める者には、標的構造の上向き表面、標的構造の下向き表面、又は標的構造の横向き表面として見え得る。しかし、本開示を説明する目的では、この表面は、湾曲突起22によって形成された穴23の開口の方向性に対するスパッタリング表面の関係を理解するために上表面として画成されているものと考えられる。
【0027】
[0046]穴23は、標的構造10が最終的にはスパッタリング小室(例えば、図1の小室112など)の中で使用すべき向きでは、上向きに開くことが有利であり得る。従って、穴は、標的構造の上表面として画成されたスパッタリング表面12に対して図示の下向き構成で開くことが有利であり得る。[0047]図7は、図6の構造の拡大された領域30を例示し、特に単一の突起22を例示する。[0048]図6及び7の湾曲突起22は、例えば、表面21から約0.0003cm(約0.0001インチ)から約0.254cm(約0.1インチ)(典型的には約0.0254cm(約0.01インチ))の高さ「H」と、約0.0025cm(約0.001インチ)から約2.54cm(約1インチ)(典型的には約0.0686cm(約0.027インチ))の反復距離(「R」)とを有し得る。距離「R」は、湾曲突起22の周期的な反復距離であると考えられる。
【0028】
[0049]特定の態様では、湾曲突起22は、これらの湾曲突起が側壁14に接合する基部25を有するものと考えられ、側壁14は、湾曲突起の基部間に延在する表面15を有するものと考えられる。湾曲突起は、側壁表面15から約0.0003cm(約0.0001インチ)から約0.0254cm(約0.01インチ)の最大高さ(「H」)を典型的に有する。
【0029】
[0050]図8及び9は、突起22に沿って穴又は窪みとして広がる微小構造32を形成するために、突起を処理した後の突起22を示す。そのような処理は、内表面27を粗面にするために(図示のように)受け口23の中に及ぶことが好ましい。これらの微小構造は共に微小構造の粗度を画成する。
【0030】
[0051]突起22の処理には、例えば、化学的エッチング液及び機械的粗面形成の一方又は両方を利用することができる。典型的な機械的粗面形成の手順には、粒子の圧搾流(例えば、ビードブラスト)に曝すこと、又は剛性の荒毛(針金の荒毛など)に接触させることが含まれる。典型的な化学的エッチング液には、化学的に突起22の材料に穴を空ける溶液が含まれ、強塩基性溶液、弱塩基性溶液、強酸性溶液、弱酸性溶液、及び中性溶液が含まれ得る。
【0031】
[0052]ビードブラストを利用して微小構造32を形成する場合には、この微小構造を形成するために使用される粒子が、例えば、石榴石、炭化珪素、酸化アルミニウム、固体のHO(氷)、固体の二酸化炭素、及び塩(例えば、重炭酸ナトリウムのような炭酸水素塩の塩など)の1つ又は複数を含み得る。追加的に又は別法として、粒子には、微小構造が作り込まれるべき物質と少なくとも同程度の硬度の1つ又は複数の金属物質が含まれ得る。
【0032】
[0053]ビードブラストに使用される粒子が非揮発性の物質を含む場合には、これらの粒子を除去するために窪み32の形成後に洗浄段階を導入することができる。例えば、粒子に炭化珪素又は酸化アルミニウムが含まれる場合には、洗浄段階が利用可能であり、そこでは突起22が洗浄物質の浴槽又は流れに曝され、且つ/又は適切なブラシ掛け工具(針金ブラシなど)によってブラシ掛けされる。適切な流れは、固体のHO又は固体の二酸化炭素の粒子を含む流れであり得る。窪み32を形成するために最初に使用される粒子が、揮発性粒子(固体の氷又は固体のCOなど)から本質的に成るか、又はそれらから成る場合には、上に説明した洗浄段階を省くことができる。
【0033】
[0054]幾つかの態様では、ビードブラスト媒体は、24グリット(grit)のAl媒体でよく、ビードブラストは、例えば、約0.025から約100μm(約1から約4000マイクロインチ)RA、好ましくは、約1.25から約50μm(約50から約2000マイクロインチ)RA、典型的には、約2.5から約7.5μm(約100から約300マイクロインチ)RAで実行可能である。
【0034】
[0055]幾つかの態様では、ビードブラスト媒体は、適切な溶媒に高度に可溶性の物質を含み得る。その場合には、この溶媒を使用してビードブラスト媒体を処理表面から除去することができる。特に、ビードブラスト媒体には、適切な溶媒(例えば、水性溶媒、アルコール溶媒、無極性有機溶媒等のような)に容易に溶解可能な塩又は他の混合物が含まれ得る。従って、ビードブラスト媒体は、適切な溶媒によって表面から本質的に完全に除去可能である。
【0035】
[0056]適切な溶媒に可溶性のビードブラスト媒体を使用する典型的な応用例では、周期律表のIA及びIIA族(IA及びIIA族には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、及びラジウムが含まれる)からの元素を含有する1つ又は複数のハロゲン化物塩を含むビードブラスト媒体が使用可能であり、水性溶媒を使用して処理表面からビードブラスト媒体を洗浄することができる。当業者には理解されるように、ハロゲン化物塩には、周期律表のIA及びIIA族からの元素とVIIA族(VIIA族にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、及びアスタチンが含まれる)の元素との組合せを含み得る。水溶性であり、本発明の様々な態様でビードブラスト媒体として使用可能な別の典型的な塩は、塩化アンモニウムである。
【0036】
[0057]ハロゲン化合物は、水性溶媒に高度に可溶性の塩の1例に過ぎない。ハロゲン化合物以外にも数多くの他の塩が水性溶媒に高い可溶性を有することが知られており、このような他の塩も本発明の様々な態様に使用可能である。水性溶媒に可溶性の非ハロゲン化物塩には、例えば、様々な炭酸塩(例えば、炭酸カルシウムなど)及び様々な水酸化物(例えば、金属水素化物を含めて)が含まれる。典型的な炭酸塩は重炭酸ソーダ石(Na(CO)(HCO))・2(HO)である。
【0037】
[0058]以上に説明した水性溶媒は、本発明の様々な態様に使用可能な数多くの種類の溶媒の1つに過ぎず、水以外の溶媒を使用して様々なビードブラスト媒体を除去できることが理解されるべきである。例えば、様々な有機粒子がビードブラスト媒体として使用可能であり、それらは引き続いて適切な有機溶媒に溶解され得る。有機粒子には、本発明の幾つかの態様では有機金属物質が含まれ得る。
【0038】
[0059]可溶性のビードブラスト媒体を使用すると、ビードブラストされた表面の洗浄を簡素化することができる。特に、適切な溶媒によって媒体を除去すると、埋め込まれたビードブラスト粒子に関連する従来技術の問題を排除することができる(典型的な従来技術の問題は、本開示の背景技術の項において上で論じてある)。特定の態様では、高度に可溶性のビードブラスト媒体を使用すると、埋め込まれたビードに関連し得るアーク発生の恐れを防止することが可能であり、且つ、本発明の態様に従って形成された粒子トラップ上に再蒸着薄膜が付着するのを促進する助けとなり得る。
【0039】
[0060]高度に可溶性のビード及びビードを除去するための適切な溶媒の使用方法は、埋め込まれたビードがたとえ存在しても殆ど無に等しいミクロスケールの表面形成を許容し得る(図8及び9に示した表面など)。実質的にビードが存在しないミクロスケールの粗表面は、ビードの混入を回避することによって周期的な熱応力を最小限に留め得る。また、実質的にビードが存在しないミクロスケールの粗表面は、実質的に幾つかの関連ビード(例えば、炭化珪素又は酸化アルミニウムのビードなど)を有するスパッタトラップとは異なり、サイズの小さい再蒸着物質を有し得る。
【0040】
[0061]上に論じた可溶性媒体を使用して、埋め込まれたビードブラスト媒体の除去を向上させることによって、この媒体に関連する問題を回避することができる。本発明の別の態様では、埋め込まれたビードブラスト媒体に関連する問題は、このような媒体によって処理されているスパッタリング構成要素の望ましい使用と適合性がある媒体を使用することによって軽減される。従って、媒体の幾つかは、このような構成要素をスパッタリング応用例で使用することに悪影響を及ぼすことなく、処理された構成要素の中に埋め込まれた状態で残留し得る。
【0041】
[0062]PVD構成要素のビードブラストに使用される典型的な適合性媒体は、元素又は合金の形態の金属を含み得るか、それらから本質的に成り得るか、又はそれらから成り得る。一般に、金属物質は柔らか過ぎると考えられているので、PVD構成要素を処理する従来方法ではビードブラストには金属物質が使用されることはない。しかし、本発明の一態様では、適切な硬度の金属物質はビードブラスト媒体に使用可能であると認識するものである。金属粒子は、一般に通常のビードブラスト粒子よりも柔らかいが、これらの金属粒子が粗面にすべき表面と少なくとも同程度の硬度であれば、これらの粒子によって適切な粗面形成を実現することができる。その硬度は、例えば、ブリネル尺度、ビッカース尺度、ヌープ尺度、及びモース尺度を含めて、任意適切な尺度によって確認可能である。
【0042】
[0063]金属粒子は、これらの粒子が標的表面と同じ組成を含むか、又はスパッタリング作業時に望ましくない特性を付与しないものを含んでいれば、標的表面と適合性があると考えられる。例えば、スパッタリング標的がタンタルを含み、且つ障壁層を形成するために使用されることになれば、標的の非スパッタリング領域を粗面にするために使用されるビードブラスト粒子は、チタン、モリブデン、タンタル、タングステン、及びコバルト(これらのすべては標的のタンタルと同じような障壁物質を形成するために使用可能である)の1つ又は複数を含み得るか、それらから本質的に成り得るか、又はそれらから成り得る。処理表面と適合性があると見なし得る他の物質は、その粒子がスパッタリング作業において表面と関連しないように処理表面から容易に除去可能な物質である。しかし、一般に金属粒子をスパッタリング構成要素表面から除去するのは難しいことであり、従って、特定のスパッタリング処理に適合性のある金属粒子は、その処理時にスパッタリング蒸着されている物質と半導体デバイスで同様の機能を有する1つ又は複数の物質から形成される粒子であるのが一般である。
【0043】
[0064]タンタル含有PVD構成要素又はチタン含有PVD構成要素の粗面形成は、特に商業上重要であり得る。タンタル又はチタンのスパッタリング蒸着、特に、窒素存在下のタンタル又はチタンの蒸着は、非スパッタリング領域に沿った再蒸着及び付着に関して、且つその後の望ましくない粒子形成に関して、他の処理よりも多くの問題を有し得る。タンタル又はチタンは、しばしば窒素の存在下でスパッタリング蒸着されて、窒化タンタル又は窒化チタンを含む障壁物質を形成する。従って、本発明のスパッタリングトラップの形成方法は、障壁物質の形成に使用されるタンタル又はチタンのスパッタリング標的を処理するには特に有利であり得る。
【0044】
[0065]金属媒体を含む典型的なビードブラスト物質は約5%から約30%(体積で)の金属粉末を含有する物質であり得る(このような金属は、重量で少なくとも約99%の純度である)。ビードブラスト物質は、例えば、約20%の金属粉末を含むことが可能であり、残りは、例えば、炭酸塩(重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ソーダ石等)、ハロゲン化物塩(塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等)、又は他の任意適切な媒体など、非金属粒子であり得る。
【0045】
金属物質に追加して使用される媒体の成分は、このような成分が処理表面から容易に除去され得るように適切な溶媒に高度に可溶性であることが好ましい。幾つかの態様では、ビードブラスト媒体は、金属合金及び元素金属の一方又は両方から本質的に成る第1の組の複数の粒子と、水性溶媒又は有機溶媒に可溶性の第2の組の複数の粒子とを含むことが考えられる。媒体中の第2の組の複数の粒子に対する第1の組の複数の粒子の体積対体積比(v/v)は約1:3以下でよく、特定の態様では、1:10以上から1:3以下である。
【0046】
[0066]本発明の特定の態様では、アルミニウムの裏板に接合されたタンタル標的は、図4〜7に示した加工と同様に、タンタルの側壁表面上に、随意選択的にはアルミニウムの表面上に、溝を設けるために機械加工される。次いで、マクロ粗面のタンタルは、1:10の体積比にあるタングステン粉末(通常は、約552kPa(80psi)で200グリット)と重曹(重炭酸ナトリウム)粒子との混合物を使用してミクロ粗面にされる。タングステンは、タンタル上に織目表面を創出するのに十分な硬度であるブラスト媒体となるが、タングステンは、タンタルによく付着し且つ障壁物質の形成に使用される小室に対して異物混入効果を有することがないので、タンタルのビードブラスト媒体を使用することによって問題のある異物がスパッタリング小室内に導入されることはない。
【0047】
緩く埋め込まれたタングステンをいずれも除去するために、最初のブラスト処理の後には純粋な重曹のブラストが伴い得る。従って、粒子トラップ中に残留するタングステンはいずれも標的表面の中にしっかりと埋め込まれることになり、スパッタリング処理時に小室中で落下することがない。ミクロ粗面形成は、粒子捕捉領域がアルミニウムの裏板上まで達するように、タングステンの一部の上と同様にアルミニウムの裏板の一部の上でも実施可能であるし、又は別法として、タンタルのマクロ粗面領域上でのみで実施可能である。幾つかの態様では、タンタル表面のマクロ粗面形成を省き、より大きいグリットのタングステンをより高いブラスト圧力で使用して粗表面を作成することができる。このような粗表面は、更なるミクロ粗面形成によって処理可能であるし、又はミクロ粗面形成を省くことも可能である。
【0048】
[0067]本発明の以上に論じた態様のタングステン粉末はタンタル粉末と併用可能であるし、又はタンタルをタングステン粉末の代用として使用することも可能である。標的がチタン標的であれば、チタン粉末を重曹と混合して研磨剤として使用することもできる。別法として、重曹を任意適切な担体粒子と置き換えることもできる。この担体粒子は容易に除去可能であることが好ましく、従って、担体粒子はビードブラストに続いて使用される洗浄溶媒に容易に溶解されることが好ましい。このように、金属粒子は本開示で先に論じた高度に可溶性の粒子と一緒に使用可能である。
【0049】
[0068]図8及び9の処理段階で示した側壁14は、その中にマクロスケール及びミクロスケールの構造を共に有する捕捉域を含む表面を有することが考えられる。特に、突起22は約0.0254cm(0.01インチ)の長さを有することが可能であり、基板上に形成されるマクロスケールの特徴的構造であると考えられる。突起内部に形成された窪みは、突起22の表面に沿って形成されたミクロスケールの構造であると考えられる。ミクロスケール構造とマクロスケール構造とを組み合わせると、粒子がスパッタリング蒸着層の中に不要に組み込まれることに関して本開示で先に説明した問題を軽減し、且つ防止することさえできる。マクロスケールの構造全体に形成されたミクロスケールの構造は、幾つかの態様では、別様であればPVD処理で発生する恐れのあるアーク発生も有利に低減可能であり、また幾つかの態様では完全に防止可能である。
【0050】
[0069]本明細書で説明される本発明の典型的な態様は、突起22を屈曲した後に突起上に微小構造を形成するが、本発明は、突起の屈曲前に微小構造が形成される他の態様(図示せず)も包含することが理解されるべきである。特に、屈曲させてからビードブラスト及び/又は化学的エッチングを施すのではなく、図5の処理段階で突起22にビードブラス及び/又は化学的エッチングを施し、次いで屈曲させることができる。
【0051】
[0070]図5〜図9の突起22は、図3の領域18の一部又は全部に沿って形成可能である。従って、突起は、側壁14の少なくとも一部に沿って、且つ/又は突縁16の少なくとも一部沿って、且つ/又は面12のスパッタリングを受けない横方向の周辺領域に沿って広がり得る。特定の態様では、これらの突起は、側壁14全体に沿って広がり、且つ/又は突縁16全体に沿って広がり、且つ/又は面12のスパッタリングを受けない横方向の周辺領域全体に沿って広がることになる。
【0052】
[0071]図2及び3は一体構造の標的構造を例示する。スパッタリング標的構造は標的/裏板構造を含み得ることも当業者は認識しよう。特に、スパッタリング標的は、スパッタリング小室(図1を参照して説明した小室のような)の中に標的を設ける前に裏板に接合可能である。標的/裏板構造は、図2及び3の一体構造標的の形状を含めて任意所望の形状を有し得る。裏板は、標的よりも安価であるか、標的よりも製造が容易であるか、又は標的に備わっていない他の望ましい特性を有する物質から作製可能である。裏板を使用して標的をスパッタリング小室の中に保持する。本発明を使用して、一体構造の標的構造を処理するための図2〜9で説明した構造と類似の様態で、標的/裏板構造を処理することができる。
【0053】
[0072]図10及び11は、本発明の方法に従って処理できる典型的な標的/裏板構造(又は組立体)200を例示する。図10及び11を参照する際には、適切であれば上で図2〜4の説明に用いた同様の参照符号を使用する。
【0054】
[0073]構造200は、裏板204に接合された標的202を含む。標的及び裏板は、図示の組立体では境界面206で接合する。標的202と裏板204との間の接合は、例えば、半田付け接合又は拡散接合を含めて任意適切な接合でよい。標的202には、金属、セラミック等を含めて任意の望ましい物質が含まれ得る。特定の態様では、標的には、図2及び3の標的10に関して先に説明した物質の1つ又は複数が含まれ得る。裏板204には、任意適切な物質又は物質の組合せが含まれ得るが、例えば、Al、Cu、及びTiの1つ又は複数の金属など、しばしば1つ又は複数の金属が含まれることになる。
【0055】
[0074]構造200は、図2及び3の標的構造10と同様の形状を有する。従って、構造200は、スパッタリング面12、側壁14、及び突縁16を有する。構造200の様々な非スパッタリング表面はいずれも、図2〜9を参照して上で説明した処理と同様に本発明の方法によって処理可能である。従って、構造200の図示の領域18の全部又は一部が処理可能である。
【0056】
[0075]図11の構造200と図3の構造10との間の違いは、図11の構造の側壁14が裏板(204)の側壁と標的(202)の側壁とを含む一方で、図3の構造の側壁14は標的側壁しか含んでいなかった。従って、図11の構造の処理領域18には、裏板204の側壁に沿って形成された粒子トラップ及び/又は標的202の側壁に沿って形成された粒子トラップが含まれ得る。追加的に又は別法として、このような処理領域には、突縁16に沿って形成された粒子トラップが含まれ、且つ/又は面12の非スパッタ部分に沿って形成された粒子トラップが含まれ得る。これらの粒子トラップは、図4〜9の1つ又は複数の態様を参照して説明した方法と同一の方法によって形成可能である。
【0057】
[0076]構造200の標的202が裏板に接合される前に又は後で、この標的を処理してスパッタリング面の側壁領域及び/又は非スパッタリング領域に沿って粒子トラップを形成することができる。同様に、この構造の裏板204が標的に接合される前に又は後で、この裏板を処理して側壁領域及び/又は突縁領域に沿って粒子トラップを形成することができる。典型的には、標的及び裏板は両方とも粒子トラップを形成するために処理される1つ又は複数の表面を有し、構造200の標的及び/又は裏板の処理は、標的及び裏板を同時に処理できるように、標的を裏板に接合した後に行われることになる。
【0058】
[0077]図12〜図14を参照して本発明の他の態様を論じる。適合性のある金属粒子を使用して標的構造に沿って粒子捕捉領域を形成するための以上に説明した処理に関して生じ得る問題は、たとえ粒子が標的に適切に付着しても、粒子は標的/裏板構造の裏板に対する付着が不適切であり得ることである。従って、たとえ粒子が標的物質と適合性があっても、粒子は裏板とは適合しない可能性がある。図12〜14の実施形態は、このような問題を克服することができる。
【0059】
[0078]図12は、裏板302、標的304、及び標的と裏板との間の挿入物306を含む標的/裏板構造300を示す。図13及び14は、裏板322、標的324、及び標的と裏板との間の挿入物326を含む標的/裏板構造320を例示する。構造300及び320はそれぞれ、粒子トラップを形成するために最終的に処理すべき領域18を含み、このような領域には、標的(304又は324)の表面と挿入物(306又は326)の表面とが含まれるが、裏板(302又は322)の領域が含まれることはない。
【0060】
[0079]図12〜図14の標的は、例えば、高純度のタンタル(例えば、純度99.9重量%以上を有するタンタルなど)を含むことが可能であり、裏板は銅又は銅合金(銅/亜鉛合金など、また幾つかの態様では、裏板が99重量%以上の純度を有する銅又は銅合金であり得る)を含むことが可能であり、更に挿入物領域は、純度99重量%以上のタンタル、チタン、又はアルミニウムを含むことが可能である。従って、裏板は第1の組成を含むか、それらから本質的に成るか、又はそれらから成ると考えられ、標的は第1の組成とは異なる第2の組成を含むか、それらから本質的に成るか、又はそれらから成ると考えられ、更に、挿入物は第1及び第2の組成とは異なる第3の組成を含むか、それらから本質的に成るか、又はそれらから成ると考えられる。標的、裏板、及び挿入物は、組成が均質であってもよいし(図示のように)、又は他の態様では、標的、裏板、及び挿入物の1つ又は複数が幾つかの組成(例えば、異なる組成の積層など)を含んでもよい。
【0061】
[0080]タンタルと適合するものとして以上に論じた様々な金属は、銅に対して不適合であり得るが、一般にはタンタルとの適合性に加えてチタン又はアルミニウムとの適合性がある。従って、挿入物(306又は326)は、粒子捕捉領域が、最終的にこの領域を処理するために使用すべき金属粒子と適合性のある金属全体に延在するように、標的と裏板との間に設けられる。幾つかの様態では、本発明は、Cu合金の裏板に接合されたTa標的は、跳ね返ったTaがCu裏板に付着せず、よって裏板から容易に剥落する特定の問題を有し得るという認識を包含する。挿入物(306又は326)の中間層又は輪状物質は、Cu裏板物質よりもTaの付着(化学的又は冶金学的接合)に適切であるように選択可能である。挿入物(306又は326)は均質の単組成(図示のような)であっても、又は複合組成を含んでもよい。また、図示の挿入物は、本発明の他の態様(図示せず)では幾つかの挿入物の積重ねによって置き換えられ得る。
【0062】
[0081]図12〜図14の領域18は、これらの領域がマクロスケール及びミクロスケールの粗面形成を両方とも含んでもよいし、又は別法としてミクロスケールの粗面を形成するためのみに処理されてもよいように、図5〜9を参照して以上に論じた方法を使用して処理されてもよい。ミクロスケールの粗面形成及びマクロスケールの粗面形成を両方とも使用する態様では、マクロスケールの粗面形成は、ミクロスケールの粗面形成の前に又は後で実施可能である。しかし、マクロスケールの粗面形成はミクロスケールの粗面形成よりも粗いので、マクロスケールの粗面形成がミクロスケールの粗面形成の前に行われることが好ましい。
【0063】
[0082]図12の実施形態に対する図13及び14の実施形態の違いは、図12の挿入物306は、上方から眺めたときに中実の円形又は他の適切な形状であり、他方で図13及び14の挿入物326は、上方から眺めたときに環状であり、図示の実施形態では、上から眺めたときに環状の円輪である。幾つかの態様では、図12の挿入物306は、中実の幾何学形状の類を表すものと考えられ、挿入物326は中空の幾何学形状の類を表すものと考えられる。
【0064】
[0083]図12の標的は、挿入物全体に沿って接合表面を有するものと考えられ、図13及び14の標的は、一部が挿入物に沿って且つ一部が裏板に沿って、接合表面を有するものと考えられる。換言すれば、図12〜14の構造は、挿入物が標的の少なくとも一部と裏板との間にあることを例示しており、図12の構造は、挿入物が標的の一部のみと裏板との間にあるのを示し、図13及び14の構造は、挿入物が標的全体と裏板との間にあるのを示す。
【0065】
[0084]図12及び図13の構造は任意適切な方法によって形成可能である。例えば、典型的な方法では、挿入物が適切な接合(例えば、半田付け接合又は拡散接合を含めて)によって最初に裏板に接合され、次いで標的が適切な接合(例えば、半田付け接合又は拡散接合を含めて)によって挿入物/裏板の組合せに接合される。別法として、挿入物が、適切な接合(例えば、半田付け接合又は拡散接合を含めて)によって最初に標的に接合され、次いで標的/挿入物の組合せが適切な接合(例えば、半田付け接合又は拡散接合を含めて)によって裏板に接合される。更に別の実施例として、標的、裏板、及び挿入物のすべてを同時に相互接合することができる。
【0066】
[0085]標的、裏板、及び挿入物を相互に接合する仕方に関わらず、粒子捕捉領域は、標的、裏板、及び挿入物が相互に接合された後で、領域18全体に形成可能であるか、又は標的、裏板、及び挿入物の1つ又は複数が相互に接合される前に、少なくとも一部が形成可能である。例えば、図5に示した種類のマクロスケールの粗面形成領域は、標的及び/又は挿入物を標的/裏板構造の中に接合する前に、標的及び/又は挿入物の表面に沿って形成可能である。別の実施例として、図6及び7の屈曲及び/又は図8及び9のミクロスケールの粗面形成は、標的及び/又は挿入物を標的/裏板構成の中に接合する前に、標的及び/又は挿入物の表面に沿って実施可能である。更に別の実施例では、図5〜9の処理段階のすべてが、標的、裏板、及び挿入物を標的/裏板構造の中に接合した後に実施可能である。
【0067】
[0086]以上に説明したスパッタリング標的の非スパッタリング領域を処理する方法は、数多くの蒸着処理(物理蒸着(PVD)装置、化学蒸着(CVD)装置等を含めて)で使用するのに適切な数多くの構成要素の表面処理に利用可能であり、しかも望ましい粗度の制御を維持しながら利用可能である。例えば、本方法は、PVD装置のカップ、ピン、遮蔽体、コイル、保護リング、固締具、小室内壁等の表面を処理するために利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来技術の物理蒸着装置を模式的に示す断面図であり、物理蒸着(例えば、スパッタリング)処理時が示されている。
【図2】本発明の方法で使用するのに適切な典型的な標的構造を模式的に示す上面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って模式的に示す断面図である。
【図4】図3の標的構造の拡大された領域(図3で「4」と標識された領域)を示す図であり、本発明の典型的な方法が事前処理段階にあるところが示されている。
【図5】図4の拡大された領域を示す図であり、図4の段階に続く処理段階にあるところが示されている。
【図6】図4の拡大された領域を示す図であり、図5の段階に続く処理段階にあるところが示されている。
【図7】図6の構造の一部を示す拡大図である。
【図8】図4の拡大された領域を示す図であり、図6の段階に続く処理段階にあるところが示されている。
【図9】図8の構造の一部を示す拡大図である。
【図10】本発明の方法で使用するのに適切な典型的な標的/裏板構造を模式的に示す上面図である。
【図11】図10の線11−11に沿って模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の一態様に従う典型的な標的/裏板構造を模式的に示す断面図である。
【図13】図12の構造と同様に、本発明の一態様に従う典型的な標的/裏板構造を模式的に示す断面図である。
【図14】図13の線14−14に沿って、図13の標的/裏板構造を模式的に示す上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸着装置の構成要素を処理する方法であって、前記構成要素は第1の硬度を有する組成を含み、前記方法は、前記第1の硬度以上の第2の硬度を有する粒子を含むビードブラスト媒体によって、前記構成要素の表面をビードブラストに曝すことを含み、前記粒子は本質的に金属合金及び元素金属の一方又は両方から成る方法。
【請求項2】
前記構成要素表面は本質的にタンタルから成り、前記粒子は前記タンタルと適合性のある1つ又は複数の金属成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成要素表面は本質的にタンタルから成り、前記粒子はチタン、モリブデン、タンタル、タングステン、及びコバルトの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構成要素は本質的にタンタルから成るスパッタリング標的であり、前記粒子は本質的にチタン、モリブデン、タンタル、タングステン、及びコバルトの1つ又は複数から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記構成要素は本質的にタンタルから成るスパッタリング標的であり、前記粒子は前記ビードブラスト媒体によって含まれる第1の組の複数の粒子であり、前記ビードブラスト媒体は、前記第1の組の複数の粒子とは異なる第2の組の複数の粒子を含み、前記第1の組の複数の粒子は本質的にタングステンから成り、前記第2の組の複数の粒子は本質的に重炭酸ナトリウムから成り、前記ビードブラスト媒体中の前記第2の組の複数の粒子に対する前記第1の組の複数の粒子の体積比は約1:10である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記構成要素の前記表面に沿って突起の模様を形成するステップと、
前記突起を屈曲させるステップとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記構成要素表面は本質的にタンタルから成り、前記粒子はチタン、モリブデン、タンタル、タングステン、及びコバルトの1つ又は複数を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ビードブラストは、前記突起の模様を前記形成するステップの前に行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ビードブラストは、前記突起の模様を前記形成するステップの後で且つ前記突起を前記屈曲させるステップの前に行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ビードブラストは、前記突起を前記屈曲させるステップの後で行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子は前記ビードブラスト媒体によって含まれる第1の組の複数の粒子であり、前記ビードブラスト媒体は、前記第1の組の複数の粒子とは異なる第2の組の複数の粒子を含み、前記第2の組の複数の粒子は水溶液に可溶性である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ビードブラスト媒体内部の前記第2の組の複数の粒子に対する前記第1の組の複数の粒子の体積対体積比は、約1:3以下である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ビードブラスト媒体内部の前記第2の組の複数の粒子に対する前記第1の組の複数の粒子の体積対体積比は、約1:3以下であり且つ1:10以上である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の組の複数の粒子は、アルカリ性ハロゲン化物の塩及びアンモニウムハロゲン化物の塩から成る群から選択された1つ又は複数の塩を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の組の複数の粒子は、金属水酸化物から成る群から選択された1つ又は複数の塩を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の組の複数の粒子は、周期律表のIA及びIIA族から選択された元素を含むハロゲン化物の塩から成る群から選択された1つ又は複数の塩を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記粒子は前記ビードブラスト媒体によって含まれる第1の組の複数の粒子であり、前記ビードブラスト媒体は、前記第1の組の複数の粒子とは異なる第2の組の複数の粒子を含み、前記第2の組の複数の粒子は有機溶液に可溶性である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の組の複数の粒子は1つ又は複数の有機金属物質を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
標的/裏板構造を形成する方法であって、
第1の組成を含む裏板を用意するステップと、
前記第1の組成とは異なる第2の組成を含む標的を用意するステップと、
前記第1及び第2の組成とは異なる第3の組成を有する挿入物を用意するステップと、
1つの構成の中に前記標的、裏板、及び挿入物を接合するステップであって、その構成では前記挿入物が前記標的の少なくとも一部と前記裏板との間にあり、前記構成は前記標的の一部及び前記挿入物の一部に沿って延在する表面を有する、接合するステップと、
前記表面に沿って粒子捕捉領域を形成するステップであって、前記粒子捕捉領域は、前記挿入物の前記一部に沿って、且つ前記標的の前記一部に沿って広がる湾曲突起の模様を含み、前記湾曲突起は穴を形成し、前記穴の少なくとも幾つかが前記標的/裏板構造に沿って横方向に開く、粒子捕捉領域を形成するステップと、を含む方法。
【請求項20】
前記接合するステップの後で前記粒子捕捉領域を前記形成するステップが行われ、前記形成するステップは、
前記表面に沿って突起の模様を形成するステップと、
前記突起を屈曲させるステップと、
微小構造を前記突起の上に形成するために前記突起をビードブラストに曝すステップとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ビードブラストは、前記第2の組成の硬度以上の硬度を有する粒子を含む媒体を使用し、前記粒子は本質的に金属合金及び元素金属の一方又は両方から成る、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記粒子は、前記ビードブラスト媒体によって含まれる第1の組の複数の粒子であり、前記ビードブラスト媒体は、前記第1の組の複数の粒子とは異なる第2の組の複数の粒子を含み、前記第2の組の複数の粒子は水溶液又は有機溶液に可溶性である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記粒子捕捉領域の少なくとも一部は前記接合するステップの前に形成される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記接合するステップは、
前記挿入物を前記裏板の内部に埋め込み、且つ前記挿入物を前記裏板に接合するステップと、
前記挿入物が前記裏板に接合されてから前記標的を前記挿入物に接合するステップとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の組成はタンタルを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の組成は本質的にタンタルから成る、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の組成はタンタルから成る、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の組成は銅を含み、前記第2の組成はタンタルを含み、更に前記第3の組成はチタンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の組成は銅を含み、前記第2の組成は本質的にタンタルから成り、更に前記第3の組成は本質的にチタンから成る、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の組成は銅を含み、前記第2の組成はタンタルから成り、更に前記第3の組成はチタンから成る、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の組成はタンタルを含み、前記第3の組成はアルミニウム、タンタル、及びチタンの1つ又は複数を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記標的は前記裏板に近接する接合表面を有し、前記接合表面の全体が前記挿入物に接触している、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記標的は前記裏板に近接する接合表面を有し、前記接合表面の一部のみが前記挿入物に接触している、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
前記挿入物は前記第3の組成の中実の幾何学形状である、請求項19に記載の方法。
【請求項35】
前記挿入物は前記第3の組成の中空の幾何学形状である、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
前記挿入物は前記第3の組成の中実円である、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
前記挿入物は前記第3の組成の環状輪である、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
標的/裏板構造であって、
第1の組成を含む裏板と、
前記第1の組成とは異なる第2の組成を含む標的と、
前記標的の少なくとも一部と前記裏板との間の挿入物であって、前記第1及び第2の組成とは異なる第3の組成を有する挿入物とを含み、
前記標的/裏板構造は、前記標的の一部に沿って且つ前記挿入物の一部に沿って延在する粒子捕捉領域を含み、前記粒子捕捉領域は、前記挿入物の前記一部に沿って且つ前記標的の前記一部に沿って広がる湾曲突起の模様を含み、前記湾曲突起は穴を形成し、前記穴の少なくとも幾つかは前記標的/裏板構造に沿って横方向に開く、標的/裏板構造。
【請求項39】
前記第2の組成はタンタルを含む、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項40】
前記第3の組成はチタンを含む、請求項39に記載の標的/裏板構造。
【請求項41】
前記第2の組成は本質的にタンタルから成る、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項42】
前記第3の組成はチタンを含む、請求項41に記載の標的/裏板構造。
【請求項43】
前記第2の組成はタンタルから成る、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項44】
前記第3の組成はチタンを含む、請求項43に記載の標的/裏板構造。
【請求項45】
前記第1の組成は銅を含み、前記第2の組成はタンタルを含み、更に前記第3の組成はチタンを含む、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項46】
前記第1の組成は銅を含み、前記第2の組成は本質的にタンタルから成り、更に前記第3の組成は本質的にチタンから成る、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項47】
前記第1の組成は銅を含み、前記第2の組成はタンタルから成り、更に前記第3の組成はチタンから成る、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項48】
前記第2の組成はタンタルを含み、前記第3の組成はアルミニウム、タンタル、及びチタンの1つ又は複数を含む、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項49】
前記標的は前記裏板に近接する接合表面を有し、前記接合表面の全体が前記挿入物に接触している、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項50】
前記標的は前記裏板に近接する接合表面を有し、前記接合表面の一部のみが前記挿入物に接触している、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項51】
前記挿入物は前記第3の組成の中実の幾何学形状である、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項52】
前記挿入物は前記第3の組成の中空の幾何学形状である、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項53】
前記挿入物は前記第3の組成の中実円である、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項54】
前記挿入物は前記第3の組成の中実の円であり且つ前記裏板の内部に埋め込まれている、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項55】
前記挿入物は前記第3の組成の環状輪である、請求項38に記載の標的/裏板構造。
【請求項56】
前記挿入物は前記第3の組成の環状輪であり且つ前記裏板の内部に埋め込まれている、請求項38に記載の標的/裏板構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−517133(P2007−517133A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526274(P2006−526274)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/029387
【国際公開番号】WO2005/026408
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】