説明

紙素材防音室

【課題】紙単一素材で1部の電気、配線、器具を除いた素材のほとんどが、リサイクル可能な部材を使用することと、紙、素材のセルローズファイバーの特徴である特に高い吸音性能と、遮蔽効果を得ることである。またできる限り軽い素材で構成して、安価で且つ簡単に組み立て可能にすることである。
【解決手段】 上記課題を解決する為に、古紙を使って構成することが可能であり、音の伝達力が非常に低く、音波、振動が効率よく遮断できる性質をいかんなく発揮できるように、特に側面パネル2a遮蔽部材、2b共鳴管部で構成している、上部遮蔽パネルも同様な構造となっている、換気口取付けパネル6は遮蔽可能な換気口7を備え、床パネル8は8a、8bの特に防振効果に優れた蜂の巣状部材と積層ピラミットまたは円柱、角柱状部材を一体化した遮蔽構造床パネルを構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防音室に係り、特に楽器等の演奏、災害時の仮設部屋その他に使用する組立式防音室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特に楽器演奏、歌などの楽しむ場合など、住宅密集地、集合住宅などで、近隣の住民などに、楽器演奏音等が騒音となって影響するなど、文化生活をする昨今、騒音は深刻な問題である。
【0003】
また災害時非難場所等にあって長期間にわたる非難生活の際に個人のプライバシーが阻害される等の問題が発生して、身体、健康に悪い影響を与え特に高齢者にとっては、深刻である。
【発明の開示】

【発明が解決称とする課題】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に着目して試されたものであり、低コストで、現在では日本国内、世界中どこにでも簡単に誰でもが入手できる素材で、紙の原料であるセルローズファイバーの特性を引き出し、高い遮蔽効果と断熱効果を提供するものである。
【0005】
また資源のリサイクルと、廃棄処分の際特に分別の必要が無く、単一素材で目的を解決できる課題とするものである。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は一定の厚さに成型した積層ダンホールと一定の厚さに成型し、穴あけした積層ダンボールとの間に紙管を配したパネルを構成して、このパネルを組み合わせることによって防音室を組立できるように、構成された非常に軽くて、丈夫な部材から成ることを特徴とする防音室である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した防音室においてパネルの強度を持たせるための目的と、吸音をより効果的にするための手段で紙管を、積層ダンボールで挟みこみ、一面の積層ダンボールは貫通穴が配置されていて、紙管の長さを変えることにより吸音する、音の周波数も自由に変えることが可能なように防音パネルに構成したことを特徴とする、遮蔽構造材である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した、遮蔽構造を有するパネルにおいて、より高い遮蔽効率を得る為とパネルに強度を持たせるために、ダンボール紙、また板紙を貼りあわせて構成したことを特徴とする、遮蔽構造材である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3に記載した、遮蔽構造パネルで、音源側、防音室の場合は室内側になるように、配置するのであって、パネルの一面に開口した貫通穴から、入射した音は、内部に配した紙管が、共鳴管となって、より効率の良い吸音性能が発揮できるように構成したことを特徴とする、遮蔽構造材である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4に記載した、遮蔽構造パネルで、特に請求項2に記載している紙管の端部2箇所のうちどちらか、一方向一箇所を、ダンボール紙又は厚紙にて塞いで、尚且つ紙管の長さを変えたものを整列して、共鳴管としたことを特徴とする、遮蔽構造材である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1から3に記載の遮蔽パネル防音室において、特にやわらかい紙部材を紙管のごとく中心に通気できるように、肉厚に成形した紙管で、効率よく、換気することができるのと同時に、通気部がやわらかい紙のため、高い吸音効果が得られ、遮音できるように、構成したことを特徴とする、遮蔽構造材である。
【0012】
上記請求項6の発明で、肉厚に成形した紙管の形状を、円錐型にして中心を通気できるように構成してもよい。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1に記載した防音室で床に使用して十分強度が得られる、蜂の巣状の紙部材で構成して、尚且つ衝撃、振動音を効率よく吸収できるように、ダンボール紙、また板紙にてピラミットまたは円柱、角柱状に成形した部材を一面に並べて構成したことを特徴とする、遮蔽床構造である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の紙素材防音室は低コストで高い遮蔽効果が発揮でき、近隣騒音対策等に使用できる、又完全な一素材で構成している為、リサイクル処分の際も便利であり、遮蔽構造パネル製造の際は廃棄処分された、ダンボール、古新聞等の、古紙を使用することができるため、地球環境、地球温暖化に貢献することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る紙素材防音室を図面によって説明する。
図1は実施例の斜系図で、図2は側断面図で、図3は同上遮蔽構造パネルの分解斜視図である。図4は同上遮蔽構造パネルに内蔵される、紙管の拡大横断面図を示し、図5は図1、2の実施例に示す、防音室上部の遮蔽換気構造を拡大して示す側断面である、図6は床パネル側断面図である。図7は出入口引戸のたて断面図、図8は図3の断面図を示す。また、図9、図10、図11はパネルの接続部の詳細断面図です。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0016】
図1は実施例1に係る紙素材防音室の施工状態を示す組立斜視図、図2は組立断面図、図3は同上遮蔽構造パネルの分解斜視図、図4は同上遮蔽構造パネルに内蔵される紙管の拡大横断面図、図5は、図1、2の実施例に示す、防音屋上部の遮蔽換気構造を拡大して示す横断面図、図6は床パネル横断面図、図7は出入口引戸のたて断面図である。
【0017】
実施例1に係る防音室は、図2に示すように、紙素材で構成した防音パネルで、側面パネル、上部パネル、上部換気用パネルと引戸を備え、各パネルは接着テープで接続、固定して構成する。
【0018】
図3は側面及び上部遮蔽構造パネルの分解斜視図であり、2aと2a積層ダンボール、板紙の中間に内蔵する紙管2bは、入射音の共鳴周波数に合わせて共鳴させたい周波数を選定して共鳴管2bすなわち、紙管の長さを決めて、切断して、紙管2bの片側に図4の2b紙管フサギ板紙を取付けて構成した紙管2bを整列して、一方向に並べ、両側面から積層ダンボール、板紙、2aを取付けて構成した強度のある防音パネルとしたものであり、特に吸音が必要の場合は積層ダンボール、板紙2a片側面に貫通穴2cが設けられている。また、パネル1の紙管2bを切断して、電気コンセント10、11を取付け、電線10b、11aランケーブルを紙管2bの中空部を通して、上部に配線して、プラグ10cまた1bランケーブル用プラグを備えている。
【0019】
図5で示す上部の換気口では薄くて柔らかい素材の紙を紙管状に巻きつけて構成した部材であり、上部遮蔽構造パネル6の上面積層ダンボール、板紙2aに遮蔽換気口7が入る穴を開けて、紙管2bのその部分も切断・固定し、空気など換気もでき、なおかつ吸音できるように構成したものである。
【0020】
出入口は、側面遮蔽構造パネル1と同様な扉パネル3で構成されていて、下部は、下部ガイドレール4bが入るように成形され、なおかつローラー3b、円形紙管を取付け、上部は、上部ガイドレール4aに入れ込み引戸を構成して、戸3の周囲から音が漏れないように柔らかい紙で成形した丸棒3cを固定している。また戸の取手3aは、紙管又は紙紐を取手のように成形したものを備えてある。
【0021】
床パネル8については図6で示す、床下地仕上げ面に対して、角すい形、円すい形、例えば逆ピラミット形にダンボール紙、板紙等にて積層し、成形した部材8aをペーパーコア材、ダンボール板、板紙8bの下面に張付けてその上に板仕上げ材、フローリング8cまたはカーペット等を取付け構成されるものである。
【実施例2】
【0022】
遮蔽構造パネル1、紙素材防音室の組立は図8に示す。側面遮蔽パネル1、イ凸部が、ウ凹部に、図9に示すように接続する。接続部が外れない様に、接着テープ9にて貼り合わせて固定するものである。
【0023】
側面遮蔽パネル1と、上部遮蔽パネル5、また換気口取付パネル6、との接続は、図10に示すように取付けて組付けて、接着テープ9にて貼り合せて固定するものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の紙素材防音室は、楽器等の演奏、カラオケ室等、また静かな癒し空間を提供する部屋として、また災害時の非難用仮設部屋として使用することが可能で、地震など発生した際でも、万が一紙素材防音室が倒れた場合であっても、素材が紙で構成されて、非常に軽量なため、人が下敷きになったとしても、大怪我をする可能性が大変低い。地震などの被災地での使用が可能であり、なにより被災者のプライバシーを保つことが可能となる。軽くて誰でもが簡単且つ短時間で組立できる為、簡易的にいつでも、どこでも、使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る紙素材防音室の施工状態を示す斜視図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】同上の側面遮蔽パネル分解斜視図である。
【図4】図3の遮蔽構造パネル内部に装備される紙管の側断面図である。
【図5】図1の防音室に装備される換気用遮蔽構造の側断面図である。
【図6】図1の防音室に装備される床遮蔽構造の側断面図である。
【図7】図1の防音室に装備される出入口の引戸の断面図である。
【図8】図1の防音室の側面遮蔽パネル平断面図である。
【図9】図1の防音室の側面遮蔽パネル接続部断面図である。
【図10】図1の防音室コーナー部の接続断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 紙素材遮蔽パネル 2a 側面遮蔽部材 2b 紙管
2c 貫通穴 2d 紙管フサギ板 3 遮蔽引き戸
3a 取手 3b ローラー 3c パッキン
4a 上部引き戸ガイド 4b 下部引き戸ガイド
5 上部遮蔽パネル 6換気口取り付パネル 7 換気口
8 床パネル 8a 下部遮蔽材 8b 床遮蔽パネル構造材
8c 床仕上げ材 9 接着テープ 10 コンセント
10a 照明器具取付金具 10b 電線 10c プラグ
11 ランケーブルコンセント 11a ランケーブル
11b ランケーブルプラグ 12 床下地仕上面 13 ピアノ
ア 通気口 イ 凸接続部 ウ 凹接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール紙、板紙、紙管を遮蔽構造材として使用する、パネル組立式防音室で、防音室全てのパネルを防音室内側から組立可能であり、接着テープ等で簡単に接着固定して、組付け出来ることを特徴とする、紙素材のパネル組立式構造である。
【請求項2】
ダンボール紙、また板紙を積層して平面状になった面に、円筒状、角筒形、等に成型された形状の紙管等を縦方向、また横方向に整列して並べてダンボール紙等にて、両面から挟み接着材等により、パネル状に形成されたことを特徴とする遮蔽構造である。
【請求項3】
紙管を挟む両面に構成したダンボール紙、また板紙は何層か張り合わせて単一素材で構成することを特徴とする遮蔽構造である。
【請求項4】
請求項3で構成された積層部材で、請求項2で示した紙管形状の部材の両面に構成した、どちらか一面を吸音面とした面に対して、一定の間隔、またランダムに穴を貫通開口して、配置構成されている、遮蔽パネル構造を形成することを特徴とする遮蔽構造である。
【請求項5】
請求項2で記載した円筒状の紙管は、一枚のパネルを形成する中で、紙管は長さ方向で切断されていて、その切断長さは一定ではなく、短、長、ランダムに構成して音響、消音用波数にあわせた遮蔽構造を備え吸音効果と遮蔽効果を、より効率よく得られることを特徴とする遮蔽構造パネルである。
【請求項6】
請求項1で記載の防音室で、換気口には比較的やわらかい素材の紙を紙管状に、何枚も巻き合わせて肉厚の紙管を形成して、通気できるように構成し、遮蔽構造を備えたことを特徴とする防音室である。
【請求項7】
請求項1に記載の防音室の床はダンホール紙を縦方向に切断した面が、上部平面から見ると、蜂の巣状に形成された部材または板紙を備え、片面にはピラミットまたは円柱、角柱、状にダンボール紙、また厚板紙で貼り合わせて成形した、ブロックをならべて取付けた遮蔽構造で、床に使用する場合はピラミット状の頂点方向を下向きに取付け、一定の厚さに構成した遮蔽構造材を、防音室設置箇所の床面に敷き、床構造材として使用する、遮蔽構造を備えたことを特徴とする防音室である。
【請求項8】
請求項1に記載の防音室は、出入り口を引き戸で上下に戸を挟み引き戸が潤滑に、可動できるようになっていて、尚且つ遮蔽性能を備えたことを特徴とする防音室である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−84991(P2009−84991A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280958(P2007−280958)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(507357472)
【Fターム(参考)】