説明

組成変性チタン酸バリウム粉末を用いるセラミック/プラスチックコンデンサの製造のための小型押出多層化技法

プリンタは、加工面と、加工面の上に配置された印字ヘッドとを有する。印字ヘッドおよび加工面は、関連する平行面において相対的に移動可能である。印字ヘッドは、ポリマーインクを堆積させる第1ノズルと、導電性インクを堆積させる第2ノズルと、誘電体インクを堆積させる第3ノズルとを有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンデンサは、回路を構築するために長い間使用されてきた。特に、コンデンサは、エネルギー回路においてDC電圧をAC電流から分離するために使用されてきた。他の例では、コンデンサは、電子回路において所望の回路応答および機能を提供するために使用されてきた。最近では、大容量のコンデンサがエネルギー蓄積デバイスとして提案されている。
【0002】
従来、単一誘電体層の両側に電極が配置されている単層コンデンサは、スクリーン印刷プロセスによって形成されてきた。こうしたプロセスは、一般に、マスクを介して層を印刷することと、その層を、第2の層を追加する前に焼成することとを含む。こうしたプロセスは単層コンデンサには許容できる一方、スクリーン印刷は多層コンデンサには非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多層コンデンサを形成するために、スクリーン印刷技法により多数の繰返し焼成段階がもたらされ、それには各々、加熱期間、処理期間および冷却期間が必要であり、製造プロセスに時間および費用が加算される。したがって、スクリーン印刷技法は、多層コンデンサ、特に容量性蓄積デバイスを形成するにはあまり望ましくないことが分かった。
【0004】
本開示は、添付図面を参照することにより、よりよく理解され、その多数の特徴および利点が当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】例示的な連続印刷装置の図を含む。
【図2】容量性蓄積デバイスを形成する例示的な方法を示すフローチャートを含む。
【図3】容量性蓄積デバイスの例示的な層の図を含む。
【図4】容量性蓄積デバイスの例示的な層の図を含む。
【図5】容量性蓄積デバイスの例示的な層の図を含む。
【図6】例示的なノズル構成の図を含む。
【図7】例示的な堆積パターンの図を含む。
【図8】例示的な積層構造の断面の図を含む。
【図9】例示的な堆積パターンの図を含む。
【図10】例示的なノズルの図を含む。
【図11】例示的なノズルの図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
異なる図面において同じ参照符号を使用する場合、それは同様かまたは同一の項目を示す。
【0007】
特定の実施形態では、一組のインクがパターン化層に堆積されて、容量性エネルギー蓄積デバイスの構成要素を形成する。例示的なインクは導電性微粒子を含み、そうしたインクを、電極を形成するために用いることができる。別の例示的なインクは誘電体セラミック微粒子およびポリマー粉末を含み、そうしたインクを、誘電体層を形成するために用いることができる。さらなる例示的なインクはポリマー粉末を含み、そうしたインクを、パターン化層内で電極層および誘電体層の周囲に堆積させることができる。さらなる実施形態では、インクを各々、印字ヘッドから連続流で堆積させて構成要素の各素子を形成することができる。
【0008】
例示的な実施形態では、層流印刷装置等の連続印刷装置を用いて、容量性蓄積デバイスの層を形成することができる。たとえば、図1は、例示的な印刷装置100の図を含む。加工物支持体102が、加工物104を支持し保持する。加工物104は、多層コンデンサの一部であってもよく、または多層コンデンサ加工物を始動させることができるポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムまたは紙支持体であってもよい。加工物104を、クランプまたはピンにより、接着フィルムにより、真空により、静電的に、またはそれらの任意の組合せにより適所に保持することができる。別法として、加工物支持体102を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)プラスチックでコーティングすることができ、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)等のポリマーの第1層を、加工物支持体102上に直接印刷することができる。
【0009】
さらに、印刷装置100は、印字ヘッドアセンブリ106および印字ヘッド支持体108を含む。概して、印字ヘッドアセンブリ106は、インクまたは懸濁液をノズルから加工物104に、層流等、連続流で吐出するように構成されている。他の印刷技法とは対照的に、インクは、マスクされたスクリーンを介する周期的なまたは不連続なドットまたは押出の代りに、連続流で吐出される。一例では、印字ヘッドアセンブリ106を、インクまたは懸濁液の単一流を吐出するように構成することができる。別の例では、印字ヘッドアセンブリ106を、インクまたは懸濁液を少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも8つの流れ等、2つ以上の連続流で吐出するように構成することができる。たとえば、印字ヘッドアセンブリ106は、1つまたは複数のノズルを含むことができ、それらは各々、層流等の連続流でインクを吐出するように制御可能である。
【0010】
さらなる実施形態では、印字ヘッドアセンブリ106を、単一のインクまたは懸濁液を吐出するように構成することができる。別法として、印字ヘッドアセンブリ106を、2種以上のインクまたは懸濁液を選択的に吐出するように構成することができる。たとえば、2つ以上の供給ラインが2種以上のインク組成物を印字ヘッドアセンブリ106に提供することができ、印字ヘッドアセンブリ106を、インク組成物のうちの1種または複数種を加工物104に選択的にまたは制御可能に吐出するように構成することができる。一例では、印字ヘッドアセンブリ106を、加工物104に関連して相対的に移動している間に2つ以上のインクの流れを同時に吐出するように構成することができる。
【0011】
一例では、印刷装置100は、1つまたは複数の供給ライン112を介して印字ヘッドアセンブリ106に流体結合されている1つまたは複数の容器110を有することができる。供給ライン112は、1種または複数種のインクまたは懸濁液を容器110から印字ヘッドアセンブリ106に提供する。一実施形態では、印字ヘッドアセンブリ106に、2つ以上の供給ライン112、2つ以上の容器110またはそれらの任意の組合せを接続することができる。容器110内の、または印刷プロセスのノズルに近い貯蔵器におけるインクに、インクの超音波撹拌を提供することにより、微粒子成分の完全な分散を確実にすることができる。
【0012】
ポリマー層を形成するために分配されるインクに関連する貯蔵器を、20psi〜100psiの圧力および20℃〜50℃の範囲の温度で維持することができる。より大きいかまたは厚いポリマー層の場合、貯蔵器圧力を20psi〜100psiで保持することができる。
【0013】
誘電体粉末または誘電体層の分配に関連する貯蔵器の場合、20psi〜100psiの圧力で20℃〜50℃の温度で保持することができる。導電層を印刷するためのノズルに関連する貯蔵器を、10psi〜70psiの圧力および20℃〜50℃の貯蔵器温度で保持することができる。
【0014】
任意に、印刷装置100は少なくとも1つのエネルギー源114を有することができる。たとえば、エネルギー源114は、紫外線源、可視光源、赤外線源またはそれらの組合せ等の放射源であり得る。特に、放射源は、約1.2×1014Hz〜1.5×1013Hzの周波数範囲の電磁エネルギー源等、赤外線熱源であり得る。さらなる例では、エネルギー源114は、反射拡散光の形態であってもよく、またはレーザ源であってもよい。一例では、エネルギー源114は赤外線等のエネルギー116を、印字ヘッドアセンブリ106から分配されるインクに近接する加工物104の少なくとも一部118に突き当たるように向ける。一例では、エネルギー源114は、印字ヘッドアセンブリ106とともに移動することができ、またはエネルギー116の向きを、印字ヘッドアセンブリ106または加工物104の移動に従うように調整することができる。
【0015】
特に、加工物支持体102あるいは印字ヘッドアセンブリ106または両方は、互いに対する動きをもたらし、連続流が加工物104の上に堆積される位置を有効に変更するように構成されている。その結果、加工物104の上に連続層120が印刷される。印字ヘッドアセンブリ106および加工物104の相対運動に応じて、層120は、直線状であっても、曲線状であっても、または鋭角を有していてもよい。特定の例では、加工物支持体102を、加工物支持体102によって形成される平面に対してx方向またはy方向のうちの1つまたは複数に移動するように構成することができる。別の例では、印字ヘッドアセンブリ106を、x方向またはy方向のうちの1つまたは複数に移動するように構成することができる。さらなる例では、加工物支持体102を、x方向またはy方向等、第1方向に移動するように構成することができ、印字ヘッドアセンブリ106を、y方向またはx方向等、第2方向に移動するように構成することができる。加工物支持体102または印字ヘッドアセンブリ106の一方または両方を、z方向に移動するように構成することができる。
【0016】
特定の例では、印字ヘッドアセンブリ106は、印刷システム100の上部固定ステンレス鋼プラテンに接続されている。上部プラテンに2つ以上の印字ヘッド106を結合することができる。支持体102は、1つまたは複数の印字ヘッド106に対して移動する。各印字ヘッドアセンブリが他の印字ヘッドアセンブリと同時に個々のコンデンサに対して層を印刷するため、印字ヘッドアセンブリの数を、所望の製品スループットを提供するように設定することができる。しかしながら、印刷システムサイズがファクタであるため、積層する印字ヘッドアセンブリの数は、製造空間制限に関連して実際の印刷システムサイズによって制限される可能性がある。印刷システム下部プレートまたは支持体102は、ノズルが適切な位置にあり、ノズルと下部プレートとの間に適切な高さを有し、積層印刷プロセス中に適切な速度で横断することができるように、印刷システムのxyzスレッドによって制御される。プラテンは、Teflon(登録商標)フッ化炭素樹脂あるいは任意の好適な離型フィルムによってコーティングされ、またはプラテン表面に、Mylar(登録商標)、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムの薄層が接着される。印刷ユニットのコントローラは、処理タンクが指定された温度であり、上述した圧力およびプロセスパラメータが、積層プロセス中に指定されたように完了することを確実にする。印刷プロセスの開始時、印刷ユニットは、自動的に、コーティングされたかまたはPET層が形成されたステンレス鋼プラテンをユニット内に搬送し、適切な印刷位置に係止する。印刷プロセスの終了時、印刷ユニットは、自動的に、ステンレス鋼プラテンを積層されたコンデンサ構成要素とともに装置から搬送ユニットに搬送し、それにより、構成要素を製造の次の段階で処理することができるようにする。押出機スリットによって制御される積層厚さ、長さおよび幅と他の処理パラメータとを、特定の用途の仕様を満たすように変更することができる。
【0017】
こうしたパラメータに対する例示的なパラメータ設定能力およびプロセス設定を利用して、示されている層厚さの好結果の押出しを達成することができる。たとえば、所望の層厚さを、貯蔵器温度を変更すること、インクの粘度を変更すること、押出機シルト幅を調整すること、処理タンク内の圧力を設定すること、堆積プラテンの表面からのノズルの高さを設定すること、堆積プラテンに関連してノズルの速度を設定すること、コンデンサのサイズを確立するようにノズルスリットの幅および積層プロセスの長さを設定すること、層硬化温度および気流速度を変更すること、またはそれらの任意の組合せによって制御することができる。
【0018】
特定の実施形態では、連続流装置を後述するインクおよび懸濁液の実施形態とともに使用して多層コンデンサを形成することができる。たとえば、図2は、容量性素子を形成する例示的な方法を示すフローチャートを含む。202に示すように、加工物を加工物支持体の上に配置することができる。多層コンデンサの形成を開始するために、加工物は、ポリマーフィルムまたは紙を含むことができる。別法として、加工物支持体を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)プラスチックでコーティングすることができ、加工物支持体の上に、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)等のポリマーの第1層を直接印刷することができる。たとえば、導電性材料または誘電体セラミック材料なしに、後述する量の溶媒またはポリマーバインダを含むインクまたは懸濁液によって、層を印刷することができる。
【0019】
204に示すように、加工物の上に第1電極層を印刷することができる。第1電極層は、アノード層であってもカソード層であってもよい。特に、第1電極層を、アルミニウム、銅、ニッケル、錫またはこれら導電性微粒子の組合せ等の導電性微粒子を含むインクまたは懸濁液を用いて印刷することができる。たとえば、インクまたは懸濁液は、1種または複数種の溶媒、焼失(burn−out)バインダおよび導電性微粒子を含むことができる。インクまたは懸濁液が堆積されると、組成物は、電極として作用することができる導電層を形成することができる。一例では、第1電極層を、約1μm〜約11μmの厚さとすることができる。特に、インクまたは懸濁液は、同時に固化される1つまたは複数の連続流で吐出される。
【0020】
任意に、誘電性ポリマー微粒子とともに溶媒および焼失有機バインダを含むインクまたは懸濁液から形成される絶縁層を、第1電極層をその面内の少なくとも3つの側面において包囲するように印刷することができる。別法として、誘電ガラス微粒子とともに溶媒および焼失ポリマーバインダを含むインクまたは懸濁液から形成された絶縁層を、第1電極層をその面内で包囲するように印刷することができる。特定の実施形態では、電極層の材料を、絶縁層の材料の少なくとも一部とともに同時に印刷することができる。本明細書では、同時にとは、事象が同時に発生する可能性があり、時間が部分的に重なる可能性があり、または1つの事象が、別の事象が終了している時に開始する可能性があることを示すために用いる。
【0021】
206に示すように、第1電極層の上に第1誘電体層を印刷することができる。第1誘電体層を、誘電体微粒子を含むインクまたは懸濁液によって印刷することができる。たとえば、インクまたは懸濁液は、溶媒、焼失バインダ(たとえばセルロース系バインダ)、および堆積されると誘電材料層を形成する誘電体微粒子材料を含むことができる。誘電体微粒子材料は、誘電体セラミック材料を含むことができる。一例では、第1誘電体層を、約1μm〜約11μmの厚さとすることができる。特に、誘電体インクの1つまたは複数の連続流を印刷しかつ同時に固化することにより、誘電材料層を形成することができる。任意に、特定の充填剤はないが、誘電性ポリマー微粒子を有する、溶媒および焼失有機バインダを含むインクまたは懸濁液から形成された絶縁層を、第1誘電体層をその面内の4つの側面において包囲するように印刷することができる。一例では、誘電材料層を、絶縁層の少なくとも一部と同時に印刷することができる。
【0022】
208に示すように、第1誘電体層の上に第2電極層を印刷することができる。第1電極層と同様に、第2電極層を、導電性微粒子を含むインクまたは懸濁液によって印刷することができる。たとえば、第2電極層を、第1電極層を形成するために使用したものと同様のインクあるいは懸濁液から形成することができ、または異なるインクあるいは懸濁液から形成することができる。第1電極層に応じて、第2電極層はカソード層またはアノード層であり得る。たとえば、第1電極層がアノード層である場合、第2電極層はカソード層であり得る。第2電極層を、約1μm〜約11μmの厚さとすることができる。特定の実施形態では、第2電極層が第1電極層に対してずれていることにより、容量性素子の反対側の別個の電気的接続等、別個の電気的接続を可能にすることができる。任意に、セラミック充填剤がないが誘電性ポリマー微粒子を有する、溶媒およびポリマーバインダを含むインクまたは懸濁液から形成された絶縁層を、第2電極層をその面内の少なくとも3つの側面において包囲するように印刷することができる。一例では、電極層を、絶縁層の少なくとも一部と同時に印刷することができる。
【0023】
さらに、210に示すように、第2電極層の上に第2誘電体層を印刷することができる。第2誘電体層を、誘電体微粒子を含むインクまたは懸濁液によって印刷することができる。第2誘電体層を、第1誘電体層を形成するために使用したものに類似するインクあるいは懸濁液から形成することができ、または異なるインクまたは懸濁液から形成することができる。一例では、第2の誘電体層を、約1μm〜約11μmの厚さとすることができる。任意に、微粒子充填剤はないが誘電性ポリマー微粒子を有する、溶媒およびポリマーバインダを含むインクまたは懸濁液から形成された絶縁層を、第2誘電体層をその面内の4つの側面において包囲するように印刷することができる。一例では、第2誘電体層および絶縁層の少なくとも一部を同時に印刷することができる。
【0024】
多層容量性素子を形成するために、積層プロセスを繰り返すことができる。204に戻ると、第2誘電体層の上に追加の電極層を印刷することができる。一実施形態では、少なくとも約500の層が印刷されるまで、好ましくは、少なくとも約2000の層等、少なくとも約1000の層が印刷されるまで、プロセスを繰り返すことができる。
【0025】
例示的な実施形態では、層はストリームプリンタ(stream printer)で印刷することができる。堆積される際のインクを、赤外線エネルギー源等のエネルギー源によって加熱することができる。加工物に近づくインクを加熱することにより、溶媒の一部を蒸発させることができ、加工物に接触する前のインクの粘度を上昇させることができる。粘度が上昇することにより、インクの広がりおよび層の厚さの変動を低減することができる。さらに、エネルギー源は、熱分解により層からバインダの一部を除去することができる。さらに、エネルギー源は、バインダの他の部分を焼結することができる。一実施形態では、エネルギー源は、層を焼結するのに十分なエネルギーを提供することができ、層の密度を約75%、好ましくは少なくとも約95%等、少なくとも約85%増大させることができる。特に、エネルギー源によって生成される熱は、永久ポリマーバインダまたは誘電性ポリマー微粒子を劣化させるほどではない。
【0026】
別法として、高温ガス等の気体を堆積された層の上に向けることにより、溶媒を蒸発させ焼失バインダを分解することができる。たとえば、気体は清浄な乾燥空気、窒素または希ガスであり得る。気体を、50℃〜150℃の温度まで加熱することができる。
【0027】
さらにまたは別法として、容量性素子を熱処理するか、または212に示すように実質的にすべての層等、複数の層が印刷された後にさらに熱処理することができる。特に、容量性素子を、少なくとも80バール、たとえば80バール〜120バールの圧力等で、熱間静水圧処理することができる。温度は少なくとも約150℃、好ましくは、約165℃〜約215℃または約170℃〜約200℃等、少なくとも約165℃であり得る。別法として、誘電体材料がガラス質(vitreous)コーティングを含む場合、またはガラス質のガラス絶縁材料が使用される場合、温度は、少なくとも約500℃、少なくとも約700℃またはさらには少なくとも約900℃等、少なくとも約400℃であり得る。
【0028】
さらに、容量性素子を、214に示すように切断することができ、216に示すように、電極に電気的接続を付与することができる。たとえば、第1電極層および第2電極層に関連して上述したように、カソードがアノードからずれている場合、容量性素子の第1面に単一の接続を付与することによりカソードを接続することができ、容量性素子の第2面に単一の接続を付与することによりアノードを接続することができる。たとえば、第1面および第2面を溶融金属の槽に浸漬することができる。別法として、電気的接続を、導電性接着剤によって確立することができる。
【0029】
任意に、218に示すように、多層容量性素子を分極させることができる。たとえば、容量性素子を、少なくとも約150℃、好ましくは約165℃〜約215℃または約170℃〜約200℃等、少なくとも約165℃の温度まで加熱することができる。さらに、加熱の後に、アノードとカソードとの間に、少なくとも3000Vまたはさらには少なくとも3750V等、少なくとも2000Vの電圧差を印加する。
【0030】
さらに、220に示すように、多層容量性素子を、パッケージングして容量性蓄積デバイスにすることができる。たとえば、2つ以上の容量性素子を電気的に結合して単一の物理的配置で固定することにより容量性蓄積デバイスを形成することができる。特に、いくつかの容量性素子を、それらの容量性素子を並列配置あるいは直列配置で、またはその組合せで結合する電気接点を含むハウジング内に配置して、容量性蓄積デバイスを形成することができる。
【0031】
例示的な実施形態では、上記方法および印刷装置を使用して、容量性蓄積デバイスの素子のパターン化層を形成することができる。パターン化層は、各層が層内に堆積された材料のパターンを含むという性質を示す。パターン化層は、積み重ねて堆積されることにより容量性蓄積デバイスの容量性素子を形成する。たとえば、図3、図4および図5は、多層エネルギー蓄積デバイスの隣接する層の図を含む。本明細書では、長手方向とは層の最長直交次元を指し、横方向は2番目に長い直交次元を指し、厚さは3番目に長い直交次元を指す。たとえば、図3は、例示的な電極層(たとえばアノード層)の図を含み、図4は、例示的な誘電体層の図を含み、図5は、例示的な反対の電極層(たとえばカソード層)の図を含む。図3に示すように、電極層内では、電極302が、誘電性ポリマー部等の絶縁部304によって包囲されている。別法として、誘電性ポリマー部304を、ガラス質のガラス部に置き換えることができる。特に、電極302は、電極層の第1端部310から、電極層の第2端部308から間隔が空けられている位置306まで延在している。図示するように、電極302は、絶縁部304によって3つの側面において包囲される矩形形状を形成する。こうした電極層を、後述するノズルアレイに対する変形を用いて形成することができる。
【0032】
図4に示すように、誘電体層は、4つの側面において、誘電性ポリマー部等の絶縁部414によって包囲された誘電体セラミック部412を含む。誘電体セラミック部414を、下にある電極302の一部の上に堆積させることができる。さらに、誘電体セラミック部412は、層の縁308および310から間隔が空けられている。別法として、誘電性ポリマー部414をガラス質のガラス部に置き換えることができる。上述したように、こうした誘電体セラミック層と関連する誘電体セラミック部412および絶縁部414を、後述するノズルアレイに対する変形を用いて印刷することができる。
【0033】
図5にさらに示すように、第2電極516を層内に印刷することができ、誘電性ポリマー部等の絶縁部518によって3つの側面において包囲することができる。第2電極516は縁308に接触することができ、第2電極516を、第1電極302と対照的に縁310から間隔を空けることができる。したがって、第2電極516は第1電極302からずれている。別法として、誘電性ポリマー部518をガラス質のガラス部と置き換えることができる。ここでもまた、第2電極516および誘電性ポリマー部516を、後述するノズルアレイの変形を用いて形成することができる。
【0034】
図3、図4および図5に示す多層コンデンサ構成を、エネルギー蓄積デバイス用のコンデンサの製造に利用することができる。たとえば、パターン化層を、単一印字ヘッドを用いて印刷することができる。別法として、2つ以上の印字ヘッドを使用することができる。図6に、例示的な印字ヘッドを示す。特に、パターン化層を、支持体に対する印字ヘッドの位置に基づいて開始されかつ停止される連続流を用いて印刷することができる。図7に、印刷プロセス、弁のオン・オフタイミング、モータ停止信号に関連する積層を示す。図8に、結果としての層の例示的な断面図を示す。図7に示す切断線に沿って切断された容量性素子上に銅製エンドキャップ等の導電性エンドキャップを配置することにより、容量性デバイスを形成することができる。
【0035】
図6は、例示的なノズル構成600の図を含む。ノズル構成600は、印字ヘッドが602に示す方向において前後に移動する際に容量性素子の層を印刷するように構成されている。長手方向は方向602に平行であり、横方向は、印字ヘッドに平行な面内の2番目に長い直交次元を指す。たとえば、ノズルAを、ポリマー層を形成するようにインクを分配するように構成することができる。ノズルBを、導電層を形成するようにインクを分配するように構成することができる。ノズルCを、ポリマー層を形成するようにインクを分配するように構成することができ、ノズルDを、誘電体層を形成するようにインクを分配するように構成することができる。ノズルEおよびFは、空気、窒素または希ガス等の清浄な乾燥気体を分配することができる。
【0036】
一例では、ノズルAは、スリット幅が1.4ミル〜4ミルの範囲である。ノズルCは、スリット幅が4ミル〜8ミルの範囲であり、ノズルDは、スリット幅が4ミル〜8ミルの範囲である。ノズルBは、1.4ミル〜4ミルの範囲のスリット幅を有することができる。印字ヘッドの速度は、毎秒10〜20インチの範囲である。
【0037】
特に、ノズルAおよびノズルCは、ポリマー層を形成するインクを分配するように構成されている。たとえば、ノズルAは、電極の平面端部においてポリマー層を形成するようにインクを分配することができる。特に、ノズルAを、電極を形成する導電層と等しい厚さのポリマーエンドキャップを形成するのに十分なインクを分配するように構成することができる。たとえば、ノズルAを、0.5ミクロン〜2ミクロン、または0.5ミクロン〜1.5ミクロン、またはおよそ1ミクロン等、0.5ミクロン〜3ミクロンの範囲の厚さのポリマー層を形成するのに十分なインクを分配するように構成することができる。ノズルCは同様のインクを分配するように構成されているが、ノズルCは、誘電体層および導電層の両方の厚さを有するポリマー層を形成するのに十分なインクを分配することができる。たとえば、誘電体層が10ミクロンであり、導電層が1ミクロンである場合、ノズルCは、11ミクロンポリマー層を形成するのに十分なインクを分配することができる。特に、ノズルCを、9〜12ミクロンの範囲またはさらには10〜12ミクロンの範囲等、9〜15ミクロンの範囲の層を形成するようにインクを分配するように構成することができる。
【0038】
特定の例では、ノズルAおよびCは、ポリプロピレンカーボネート(バインダ)およびアセトン(溶媒)の混合物またはヘキサフルオロ−2−プロパノールあるいは60/40フェノール/テトラクロロエチレン等の溶媒のいずれかを含むバインダ溶液内で、樹脂粉末、たとえばポリ(エチレンテレフタレート)プラスチック(PET)を積層するように構成されている。溶媒のいずれかを含むPETの場合の材料の濃度を、積層プロセスまたは印刷プロセスに対して適切な粘度を確立するように変更することができる。
【0039】
ノズルBは、容量性素子の電極として有用な導電層を形成するようにインクを分配するように構成されている。たとえば、ノズルBの動作を、0.5ミクロン〜2ミクロン、またはさらにはおよそ1ミクロン等、0.5ミクロン〜1.5ミクロン等、0.5ミクロン〜3ミクロンの範囲の厚さの導電層を形成するように、インクを分配するように構成することができる。
【0040】
特に、ノズルBを、導電性微粒子を含むインクの積層に使用することができる。インクは、ポリ(プロピレン)カーボネートのバインダ溶液を含んでもよくまたは含まなくてもよい。別の例では、両方の場合にアセトンを用いることができる。このインクの粘度を、成分の濃度を変更することによって確立することができる。
【0041】
ノズルDを、誘電体層を形成するようにインクを分配するように構成することができる。一例では、ノズルDを、9〜12ミクロンの範囲、またはさらにはおよそ10ミクロン等、9〜11ミクロンの範囲の等、8〜15ミクロンの範囲の厚さの誘電体層を形成するのに十分なインクを分配するように構成することができる。
【0042】
特定の例では、ポリ(エチレンテレフタレート)の母材におけるセラミック粉末、たとえば組成変性されたチタン酸バリウム粉末を積層するために、それらの成分は、ポリ(プロピレン)カーボネートおよびアセトンのバインダ溶液かまたは、ヘキサフルオロ−2−プロパノールあるいは60/40フェノール/テトラクロロエチレン等の溶媒のいずれかと混合され、ノズルDを用いて積層される。溶媒のいずれかを含むPETの場合の4つの材料または2つの材料の濃度を、積層プロセスまたは印刷プロセスに対して適切な粘度を確立するように変更することができる。
【0043】
特に、ノズルを、特定の時点でかつ特定の位置で印字ヘッドの移動と組み合わせて分配するように制御することができる。印字ヘッドが移動している時、インク分配の相対的な開始により、所望の厚さおよび組成の層を形成することができる。たとえば、図7に示すように、印字ヘッドが位置1と位置10との間で移動する際にノズルをオン・オフして、たとえば図8に示す導電性または容量性デバイスの一連の層または層の組を印刷することができる。
【0044】
図7に示す位置1で開始して、ノズルAを位置2でオンにし、位置4でオフにすることができ、ノズルBを、位置4でオンにし、位置8でオフにすることができる。印字ヘッドを制御するモータを、位置9でオフにすることができ、印字ヘッドを位置10で停止させることができる。その結果、第1電極層802が形成される。逆方向のパスを利用して、誘電体層804ならびにポリマー層806および808を形成することができる。たとえば、位置10で開始して逆方向に進み、ノズルCおよびDを位置9でオンにし、位置3でオフにすることができ、印字ヘッドを制御するモータを、位置2でオフにすることができ、印字ヘッドを位置1で停止させることができる。
【0045】
位置1で開始してさらなる順方向パスを利用することにより、誘電体層804の上に後続する電極層810を堆積させることができる。ノズルBを、位置2で開始して、位置6でオフにすることができ、モータを位置9でオフにすることができ、印字ヘッドを位置10で停止させることができる。こうしたパスは、電極層802からずれている電極層810の導電部を形成する。
【0046】
位置10で開始して逆方向パスにおいて、さらなる誘電体層812、導電層810の一部ならびにポリマー層814および816を形成することができる。たとえば、ノズルAを位置9でオンにし、位置7でオフにして、電極層810のポリマー部を形成することができる。ノズルCおよびDを位置9でオンにし、位置3でオフにして、誘電体層812とポリマー層814および816の側面とを形成することができる。一例では、印字ヘッドのドライバは位置2でオフにされ、印字ヘッドは位置1で停止する。
【0047】
図8に示す構造を形成する前に、ノズルAおよびCを用いて、ポリマー材料の完全な層(たとえば818、820および822)を形成することができる。たとえば、ノズルAを用いて、ノズルCによって分配された層と等価な厚さまで増大する複数のパスのポリマー層を分配することができる。別法として、ノズルAおよびCを流れる制御速度を、ノズルAおよびCが均一な厚さのポリマー層を分配するように操作することができる。
【0048】
交互にされた誘電体層および導電層を形成するプロセスを多数回繰り返すことにより、容量性エネルギー蓄積デバイスにおいて有用な容量性素子を形成することができる。たとえば、少なくとも500回、少なくとも800回、またはさらには少なくとも1000回等、少なくとも100回、プロセスを繰り返すことができる。図7には示さないが、層内の空隙を低減するように、印字ヘッドの後方または正面でローラが横断することができる。一例では、ローラは、各層の堆積の後に構造の上に当てられる。別法として、ローラを、4層おき等、2つ以上の層の堆積後に当てることができる。
【0049】
図7は、層を堆積させる4パス方法を示すが、それより多いかまたは少ないステップを含む別の方法を想定することができる。たとえば、図9に示すように、第1パスは、ノズルBを位置4においてオンにし位置8においてオフにすることを含むことができる。各順方向パスでは、印字ヘッドは位置10で停止する。第1パスとは反対の方向での第2パスでは、ノズルCを位置9においてオンにし位置3においてオフにすることができる。各逆方向パスでは、印字ヘッドは位置1において停止する。第3パスでは、ノズルAは位置2においてオンにされ、位置4においてオフにされる。第4パスでは、ノズルDは位置9においてオンにされ、位置3においてオフにされる。第5パスでは、ノズルBは位置2においてオンにされ、位置6においてオフにされる。第6パスでは、ノズルAは位置9においてオンにされ、位置7においてオフにされる。第7パスでは、ノズルCは位置3においてオンにされ、位置9においてオフにされる。第8パスでは、ノズルDは位置9においてオンにされ、位置3においてオフにされる。プロセスを、追加の容量性素子を形成するように繰り返すことができる。さらに、容量性素子の印刷の前または後に、ポリマー材料の層を印刷することができる。
【0050】
特定の例では、図10は、ポリマー層、導電層および誘電体層を形成するようにインクを分配するために有用な例示的なノズルの図を含む。たとえば、ノズル1000は、溶液注入配管1002および水平マニホルド1004を有している。層を形成するフィルムを分配するために、スリットを形成することができる1006。マニホルドの両端にキャップをかぶせることができ、それによりインクがスリット1006から分配される。
【0051】
溶媒を蒸発させるのに有用な気体を分配するために、図6に示すノズルEおよびFは、図11に示す気体ノズルを利用することができる。たとえば、気体ノズル1100は、マニホルド1104に供給する気体注入管1102を有している。マニホルド1104のエンドキャップを閉鎖することができる。マニホルド1104の底面に、複数の排出穴1108を設けることができる。一例では、排出穴は、直径が1/64インチ〜1/8インチの範囲である。特定の例では、ノズル1100から分配される清浄な乾燥気体は、温度が50℃〜150℃の範囲である。
【0052】
インクの各々は、溶媒と任意にバインダとを含む。例示的な実施形態では、溶媒は、たとえばプロピルアルコールまたはイソプロピルアルコール等のアルコール、メチルエチルケトンまたはアセトン等のケトン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールあるいはジエチレングリコール等のグリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルあるいはエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル、グリセロール(グリセリンまたは1,2,3−プロパントリオール)、エステル、アルデヒドまたはそれらの任意の組合せを含む、極性有機溶媒であり得る。別法として、溶媒は、たとえば、ヘキサンあるいは混合アルカン等の脂肪族炭化水素またはベンゼンあるいはトルエン等の芳香族炭化水素を含む無極性有機溶媒であり得る。
【0053】
さらなる例示的な実施形態では、インクは2種以上の溶媒を含むことができる。たとえば、インクは、第1溶媒および第2溶媒を含むことができる。第1溶媒は、沸点が第1温度範囲である溶媒であり、第2溶媒は、沸点が、第1温度範囲より高い温度範囲等、第2温度範囲である溶媒であり得る。その結果、所与の温度において、第1溶媒の蒸発速度が第2溶媒の蒸発速度より高くなる可能性がある。したがって、所望のレオロジを提供しながら、第1溶媒が蒸発する際にインクの粘度が変化することができる。特に、第1溶媒の蒸発温度と第2溶媒の蒸発温度との差は、少なくとも約25℃、少なくとも約50℃またはさらには少なくとも約75℃等、少なくとも約10℃であり得る。特定の実施形態では、第1溶媒の沸点を約140℃以下とすることができ、第2溶媒の沸点を少なくとも約170℃とすることができる。
【0054】
一例では、バインダを、堆積の後に焼失させるように構成することができる。例示的なバインダには、セルロース系バインダが挙げられる。セルロース系バインダの例には、メチルセルロールエーテル、エチルプロピルセルロースエーテル、ハイドロキシプロピルセルロースエーテル、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースまたはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0055】
一例では、ポリマー材料は、粒径が10ミクロン以下である。たとえば、ポリマーの粒径は、2ミクロン以下、1ミクロン以下、さらには0.5ミクロン以下等、5ミクロン以下であり得る。特に、粒径は、2ミクロン以下等、3ミクロン以下である。一例では、粒径は0.01ミクロンを上回ってもよい。
【0056】
さらに、ポリマー層を形成するインクと誘電体層を形成するインクとは、分極ポリマーを含むことができる。例示的なポリマーには、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルが挙げられる。別法として、PETを含む提案されたインクの各々において、PETを別のポリマーに置き換えることができる。たとえば、他のポリエステルを使用することができる。特に、十分な電圧降伏を有しかつ極性を有するポリマー材料を使用することができる。他のポリマー代替品を表1に列挙し、表1は、誘電体電圧降伏強度に関する情報を提供する。
【0057】
他のポリマーには、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、架橋ポリエチレン(XLPE)あるいは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、二軸配向ポリプロピレン、ポリブチレン(PB)あるいはポリイソブテン(PIB)等の他のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)あるいはポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩、ポリスチレン(PS)、耐衝撃用ポリスチレン(HIPS)、押出ポリスチレン(XPS)あるいは発泡スチロール等のポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリスルホン(PSU)、ポリアリルスルホン(PAS)、ポリエーテルスルホンPESあるいはポリフェニルスルホン(PPS)等のポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ビスマレイミド(BMI)あるいは尿素ホルムアルデヒド(UF)等のポリアミド、ポリウレタン(PU)あるいはポリイソシアヌレート(PIR)等のポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)あるいはポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のクロロポリマー、(クロロ)フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)あるいはエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)等のフルオロポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリルアミド(PAM)あるいはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のホモポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)あるいはポリブタジエンアクリルニトリル(PBAN)他のコポリマー、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0058】
【表1】

【0059】
誘電体層を形成するインクは、誘電体セラミックを含む。例示的な誘電体セラミックには、高品質誘電体デバイスを製作するために用いることができる、高誘電率組成変性チタン酸バリウム粉末等の高誘電率セラミック粉末が挙げられる。一例では、微粒子は、組成(Ba1-α-μ-νμνCaα)[Ti1-x-δ-μ’-ν’MnδA’μ’D’ν’Zrxz3(式中、A=AgまたはZn、A’=Dy、Er、Ho、Y、YbまたはGa、D=Nd、Pr、SmまたはGd、D’=NbまたはMo、0.10≦x≦0.25、0≦μ≦0.01、0≦μ’≦0.01、0≦ν≦0.01、0≦ν’≦0.01、0<δ≦0.01および0.995≦z≦1.005、0≦α≦0.005)のドープされたバリウム−カルシウム−ジルコニウム−チタン酸塩を含むことができる。こうしたバリウム−カルシウム−ジルコニウム−チタン酸塩化合物は、一般組成ABO3のペロブスカイト構造を有し、そこでは、希土類金属イオンNd、Pr、SmまたはGd(イオン半径が大きい)をAサイトに配置することができ、希土類金属イオンDy、Er、Ho、Yb、第IIIB族イオンYまたは第IIIA族イオンGa(イオン半径が小さい)をBサイトに配置することができる。ペロブスカイト材料は、局所対称性の異なる格子サイトに、アクセプタイオンAg、Zn、Dy、Er、Ho、YあるいはYbまたはドナーイオンNb、Mo、Nd、Pr、SmまたはGdを含むことができる。ドナーおよびアクセプタは、バリウム−カルシウム−ジルコニウム−チタン酸塩の格子構造内にドナー−アクセプタ錯体を形成することができる。特に、セラミック粉末は、−40℃〜85℃の温度または−25℃〜65℃の温度等の温度範囲において常磁性である立方晶ペロブスカイト組成変性チタン酸バリウムを含む。さらに、セラミック粉末は、ストロンチウムイオンまたは鉄イオンがないか、またはそれらが低濃度である。特に、セラミック粉末は、少なくとも30000等、少なくとも15000の相対誘電率(K)等、高誘電率を有している。
【0060】
誘電体材料を形成するセラミック微粒子は、0.6ミクロン〜1.5ミクロンまたはさらには0.7ミクロン〜1.2ミクロンの範囲等、0.6ミクロン〜2ミクロンの範囲の粒径を有することができる。
【0061】
さらに、電極用の導電層を形成するインクは、導電材料を含む。例示的な導電材料には、金属、金属合金、またはカーボンブラックあるいはグラファイト等の導電性粒子、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。例示的な金属には、アルミニウム、銅、亜鉛、錫、ニッケル、ベリリウム、マンガン、鉄、チタンまたはそれらの任意の組合せが挙げられる。たとえば、金属には、アルミニウム、銅、亜鉛、錫、ニッケルまたはそれらの組合せが挙げられる。
【0062】
導電性粉末は、5ミクロン以下、2ミクロン以下、さらには1ミクロン以下等、10ミクロン以下の粒径を有することができる。たとえば、導電性粉末の粒径は、0.3ミクロン以下、またはさらには0.2ミクロン以下等、0.5ミクロン以下であり得る。一例では、導電性粉末は、粒径が少なくとも0.01ミクロンである。
【0063】
ポリマー層を形成する例示的なインクは、5重量%〜30重量%の量の溶媒を含むことができる。たとえば、溶媒を、5重量%〜20重量%の量、またはさらには5重量%〜15重量%の量で含めることができる。さらに、インクは、50重量%〜70重量%、またはさらには60重量%〜70重量%の量等、40重量%〜70重量%の量のポリマー粉末を含むことができる。さらに、インクはバインダを含むことができる。使用される場合、バインダを、10重量%〜30重量%、10重量%〜20重量%またはさらには10重量%〜15重量%等、0重量%〜30重量%の量で用いることができる。上記インクの実施形態はさらなる成分を含むことができるが、別の例では、上記インクの実施形態は、上述した成分からなる等、本質的に上述した成分からなる。
【0064】
誘電体層を形成するのに有用なインクは、5重量%〜30重量%の溶媒を含むことができる。たとえば、溶媒を、5重量%〜15重量%等、5重量%〜20重量%の量で含めることができる。インクは、5重量%〜15重量%の量のポリマー粉末をさらに含むことができる。たとえば、ポリマー粉末は、7重量%〜15重量%、またはさらには10重量%〜15重量%の量であり得る。さらに、インクは、60重量%〜80重量%の量の誘電体セラミックを含む。たとえば、誘電体セラミックを、65重量%〜80重量%、またはさらには70重量%〜80重量%の量で用いることができる。使用される場合、インクはまた、10重量%〜30重量%、10重量%〜20重量%、またはさらには10重量%〜15重量%等、0重量%〜30重量%の量のバインダも含むことができる。上記インクの実施形態はさらなる成分を含むことができるが、別の例では、上記インクの実施形態は、上述した成分からなる等、本質的に上述した成分からなる。
【0065】
導電層を形成するインクは、5重量%〜30重量%の量等の溶媒を含むことができる。たとえば、溶媒を、5重量%〜20重量%、またはさらには5重量%〜15重量%で含めることができる。インクは、50重量%〜80重量%、またはさらには60重量%〜80重量%等、40重量%〜80重量%の量の導電性粉末をさらに含む。使用される場合、バインダを、5重量%〜20重量%またはさらには5重量%〜15重量%等、0重量%〜30重量%の量で用いることができる。上記インクの実施形態はさらなる成分を含むことができるが、別の例では、上記インクの実施形態は、上述した成分からなる等、本質的に上述した成分からなる。
【0066】
上記3つのインクを、積層プロセス中の溶媒の蒸発を促進するように予熱することができる。積層されたインク成分の硬化(乾燥)は、高温の清浄な乾燥空気が積層プロセス中にインク上に吹きつけられることによって完了する。図7に、高温の清浄な乾燥空気の吐出ラインを示す。追加の層硬化が必要である場合、インライン炉を使用して硬化プロセスを完了することができる。
【0067】
層厚さを確立する処理パラメータには、インク粘度、ノズルスリット厚さ、ノズル速度および貯蔵器圧力が含まれる。貯蔵器温度とノズルEおよびFによって供給される高温の清浄な乾燥空気の温度および体積により、印刷された層の硬化時間が決まる。より薄い層ならびにより低い抵抗率およびより高い抵抗率を、用途と、成分の混合、ノズル速度、ノズルスリット幅、貯蔵器温度圧力および温度、ならびに成分の組成とに応じて達成することができる。
【0068】
上述した方法、アセンブリおよびインクの実施形態は、容量性素子を作成する時に技術的利点を提供することができる。インクおよび懸濁液等、スクリーン印刷技法で使用するように構成された化合物は、インクジェット印刷技法または層印刷技法等の別の技法で使用する場合は十分に作用しない。概して、インクまたは懸濁液は、これらの他の積層技法とともに用いられる場合、望ましくないレオロジを有する。対照的に、本インクを、層印刷技法において、上述したように容量性エネルギー蓄積デバイスの素子を作成するために用いることができる。
【0069】
第1態様では、プリンタは、加工面と加工面の上に配置された印字ヘッドとを有する。印字ヘッドおよび加工面は、関連する平行面において相対的に移動可能である。印字ヘッドは、ポリマーインクを堆積させる第1ノズルと、導電性インクを堆積させる第2ノズルと、誘電体インクを堆積させる第3ノズルとを有している。
【0070】
第1態様の一例では、印字ヘッドは、ポリマーインクを堆積させる第4ノズルをさらに有している。第4ノズルを、第3ノズルに隣接して堆積させるように配置することができる。
【0071】
第1態様の別の例では、第1ノズル、第2ノズルおよび第3ノズルは整列する。第1態様のさらなる例では、第1ノズル、第2ノズルおよび第3ノズルは同じ領域に印刷することができる。
【0072】
第1態様のさらなる例では、第1ノズルは、幅1.4ミル〜4ミルの第1スリットを形成する。第2ノズルは、幅1.4ミル〜4ミルの第2スリットを形成することができる。第3ノズルは、幅4ミル〜8ミルの第3スリットを形成することができる。
【0073】
第1態様の一例では、第1ノズル、第2ノズルおよび第3ノズルは、連続流を分配する。プリンタは、第1ノズル、第2ノズルおよび第3ノズルそれぞれに関連する第1弁、第2弁および第3弁をさらに有することができ、第1弁、第2弁および第3弁は、第1ノズル、第2ノズルおよび第3ノズルからの分配をそれぞれ制御する。
【0074】
第2態様では、容量性素子を形成する方法は、印字ヘッドの第1ノズルから第1層に導電性インクを堆積させて電極を形成するステップと、印字ヘッドの第2ノズルから電極の長手方向端部において第1層にポリマーインクを堆積させるステップと、印字ヘッドの第3ノズルから誘電体インクを堆積させて、電極の上の第2層に誘電体構成要素を形成するステップと、印字ヘッドの第4ノズルから誘電体構成要素の横方向側において第2層にポリマーインクを堆積させるステップとを含む。
【0075】
第2態様の一例では、本方法は、印字ヘッドの第1ノズルから第3層に導電性インクを堆積させることにより第2電極を形成するステップであって、第2電極が電極から長手方向にずれている、堆積させるステップと、印字ヘッドの第2ノズルから、電極の長手方向端部とは反対側の第2電極の第2長手方向端部において第3層にポリマーインクを堆積させるステップとを含む。
【0076】
第2態様の別の例では、本方法は、印字ヘッドの第3ノズルから誘電体インクを堆積させることにより、第2電極の上の第4層に第2誘電体構成要素を形成するステップと、印字ヘッドの第4ノズルから、第2誘電体構成要素の横方向側において第4層にポリマーインクを堆積させるステップとをさらに含む。
【0077】
第3態様では、インクは、5重量%〜30重量%の量の溶媒と、40重量%〜70重量%の量のポリマー微粒子とを含む。第3態様の一例では、インクは、10重量%〜15重量%等、10重量%〜20重量%の量のバインダをさらに含むことができる。バインダはセルロース系バインダであり得る。
【0078】
第3態様の別の例では、溶媒の量は、5重量%〜15重量%等、5重量%〜20重量%である。溶媒を、アルコール、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリセロール、エステル、アルデヒドおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。別の例では、溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0079】
第3態様のさらなる例では、ポリマー微粒子の量は、60%〜70%等、50重量%〜70重量%である。ポリマー微粒子は、2ミクロン以下の粒径を有することができる。第3態様の一例では、ポリマー微粒子は、ポリエチレン、他のポリオレフィン、ポリアクリル酸塩、ポリスチレン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、クロロポリマー、(クロロ)フルオロポリマー、フルオロポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0080】
第4態様では、インクは、5重量%〜30重量%の量の溶媒と、5重量%〜15重量%の量のポリマー微粒子と、60重量%〜80重量%の量の誘電体微粒子とを含む。
【0081】
第4態様の一例では、インクは、10重量%〜20重量%のバインダをさらに含む。バインダはセルロース系バインダであり得る。
【0082】
第4の別の例では、溶媒の量は5重量%〜20重量%である。溶媒を、アルコール、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリセロール、エステル、アルデヒドおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。別の例では、溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0083】
第4態様のさらなる例では、ポリマー微粒子の量は10%〜15%等、7重量%〜15重量%である。ポリマー微粒子は、2ミクロン以下の粒径を有することができる。第4態様の一例では、ポリマー微粒子は、ポリエチレン、他のポリオレフィン、ポリアクリル酸塩、ポリスチレン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、クロロポリマー、(クロロ)フルオロポリマー、フルオロポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0084】
第4態様のさらなる例では、誘電体微粒子の量は、70重量%〜80重量%等、65重量%〜80重量%である。誘電体微粒子は、立方晶ペロブスカイト材料であり得る。別の例では、誘電体微粒子は組成変性チタン酸バリウムである。
【0085】
第5態様では、インクは、5重量%〜30重量%の量の溶媒と、40重量%〜80重量%の量の導電性微粒子とを含む。
【0086】
第5態様の一例では、インクは、10重量%〜20重量%の量のバインダをさらに含む。バインダはセルロース系バインダであり得る。
【0087】
第5態様の別の例では、溶媒の量は5重量%〜20重量%である。溶媒を、アルコール、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリセロール、エステル、アルデヒドおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。さらなる例では、溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0088】
第5態様のさらなる例では、導電性微粒子の量は、60%〜80%等、50重量%〜80重量%である。導電性微粒子は、2ミクロン以下の粒径を有することができる。一例では、導電性微粒子は、金属、金属合金、カーボンブラック、グラファイトおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。さらなる例では、金属は、アルミニウム、銅、亜鉛、錫、ニッケル、ベリリウム、マンガン、鉄、チタンおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0089】
全体的な説明または例において上述した行為のすべてが必要であるとは限らず、所定の行為の一部は必要でない場合もあり、1つまたは複数のさらなる行為を上述した行為に加えて行ってもよいということに留意されたい。さらに、行為が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。
【0090】
上述した明細書では、所定の実施形態を参照して概念を説明した。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲で示すような本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および変形を行ってもよいことを理解する。したがって、明細書および図面は、限定する意味ではなく例示する意味でみなされるべきであり、こうしたすべての変更は本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
【0091】
本明細書における用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」またはそれらの他の任意の変形は、非排他的包含を網羅するように意図されている。たとえば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの特徴にのみ限定されるものではなく、明示的に列挙されていないか、またはこうしたプロセス、方法、物品または装置に固有の他の特徴を含むことができる。さらに、反対の意味に明示的に述べられていない限り、「または(あるいは)」は、排他的なまたはではなく包括的はまたはを指す。たとえば、条件AまたはBは、以下のうちの任意の1つによって満足される。すなわち、Aは真であり(または存在し)かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)かつBは真である(または存在する)、ならびにAおよびBはともに真である(または存在する)。
【0092】
また、「或る(1つの)」の使用は、本明細書に記載した要素および構成要素を説明するために採用されている。これは、単に、便宜上に、かつ本発明の範囲の全体的な意味を与えるためにのみ用いられている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、他の意味であることが明らかでない限り、単数形は複数形も含む。
【0093】
所定の実施形態に関連して、利益、他の利点および問題に対する解決法について上述した。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決法、および任意の利益、利点または解決法が発生するかまたはより顕著となるようにすることができる任意の特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての必須の、必要なまたは本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0094】
当業者は、明細書を読んだ後、いくつかの特徴が、明確にするために、本明細書では、別個の実施形態の文脈で述べられており、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよいことを理解するであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の分脈で述べられているさまざまな特徴を、別個にまたは任意のサブコンビネーションで提供してもよい。さらに、範囲で述べられている値の言及には、その範囲内のあらゆる値が含まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工面と、
前記加工面の上に配置された印字ヘッドであって、前記印字ヘッドおよび前記加工面が、関連する平行面において相対的に移動可能であり、前記印字ヘッドが、ポリマーインクを堆積させる第1ノズルと、導電性インクを堆積させる第2ノズルと、誘電体インクを堆積させる第3ノズルとを備える印字ヘッドと、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記印字ヘッドが、前記ポリマーインクを堆積させる第4ノズルをさらに備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記第4ノズルが、前記第3ノズルに隣接して堆積させるように配置されている、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記第1ノズル、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルが整列されている、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記第1ノズル、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルが、同じ領域に印刷する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記第1ノズルが、幅1.4ミル(35.56μm)〜4ミル(101.6μm)の第1スリットを形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記第2ノズルが、幅1.4ミル(35.56μm)〜4ミル(101.6μm)の第2スリットを形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記第3ノズルが、幅4ミル(101.6μm)〜8ミル(203.2μm)の第3スリットを形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記第1ノズル、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルが、連続流を分配する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記第1ノズル、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルそれぞれに関連する第1弁、第2弁および第3弁をさらに備え、前記第1弁、前記第2弁および前記第3弁が、前記第1ノズル、前記第2ノズルおよび前記第3ノズルからの分配をそれぞれ制御する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項11】
容量性素子を形成する方法であって、
印字ヘッドの第1ノズルから第1層で導電性インクを堆積させて電極を形成するステップと、
前記印字ヘッドの第2ノズルから前記電極の長手方向一端部において前記第1層でポリマーインクを堆積させるステップと、
前記印字ヘッドの第3ノズルから誘電体インクを堆積させて前記電極上の第2層で誘電体構成要素を形成するステップと、
前記印字ヘッドの第4ノズルから前記誘電体構成要素の横方向一端部において前記第2層でポリマーインクを堆積させるステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記印字ヘッドの前記第1ノズルから第3層で前記導電性インクを堆積させることにより、前記電極から長手方向にオフセットされている第2電極を形成するステップ、
前記印字ヘッドの前記第2ノズルから、前記電極の前記長手方向端部とは反対側の前記第2電極の第2の長手方向端部において前記第3層で前記ポリマーインクを堆積させるステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記印字ヘッドの前記第3ノズルから前記誘電体インクを堆積させることにより、前記第2電極上の第4層で第2誘電体構成要素を形成するステップと、
前記印字ヘッドの前記第4ノズルから前記第2誘電体構成要素の横方向端部において前記第4層で前記ポリマーインクを堆積させるステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
5重量%〜30重量%の量の溶媒と、
40重量%〜70重量%の量のポリマー粒子と、
を含むインク。
【請求項15】
10重量%〜20重量%の量のバインダをさらに含む、請求項14に記載のインク。
【請求項16】
前記バインダの量が10重量%〜15重量%である、請求項15に記載のインク。
【請求項17】
前記バインダがセルロース系バインダである、請求項15に記載のインク。
【請求項18】
前記溶媒の量が5重量%〜20重量%である、請求項14に記載のインク。
【請求項19】
前記溶媒の量が5重量%〜15重量%である、請求項18に記載のインク。
【請求項20】
前記溶媒が、アルコール、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリセロール、エステル、アルデヒドおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14〜19のいずれか一項に記載のインク。
【請求項21】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14〜19のいずれか一項に記載のインク。
【請求項22】
前記ポリマー粒子の量が50重量%〜70重量%である、請求項14〜19のいずれか一項に記載のインク。
【請求項23】
前記ポリマー粒子の量が60%〜70%である、請求項22に記載のインク。
【請求項24】
前記ポリマー粒子の粒径が2ミクロン以下である、請求項14〜19のいずれか一項に記載のインク。
【請求項25】
前記ポリマー粒子が、ポリエチレン、他のポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、クロロポリマー、(クロロ)フルオロポリマー、フルオロポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14〜19のいずれか一項に記載のインク。
【請求項26】
5重量%〜30重量%の量の溶媒と、
5重量%〜15重量%の量のポリマー粒子と、
60重量%〜80重量%の量の誘電体粒子と、
を含むインク。
【請求項27】
10重量%〜20重量%のバインダをさらに含む、請求項26に記載のインク。
【請求項28】
前記バインダがセルロース系バインダである、請求項27に記載のインク。
【請求項29】
前記溶媒の量が5重量%〜20重量%である、請求項26に記載のインク。
【請求項30】
前記溶媒が、アルコール、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリセロール、エステル、アルデヒドおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項31】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項32】
前記ポリマー粒子の量が7重量%〜15重量%である、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項33】
前記ポリマー粒子の量が10%〜15%である、請求項32に記載のインク。
【請求項34】
前記ポリマー粒子の粒径が2ミクロン以下である、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項35】
前記ポリマー粒子が、ポリエチレン、他のポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、クロロポリマー、(クロロ)フルオロポリマー、フルオロポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブタジエンアクリロニトリル(PBAN)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項36】
前記誘電体粒子の量が65重量%〜80重量%である、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項37】
前記誘電体粒子の量が70重量%〜80重量%である、請求項36に記載のインク。
【請求項38】
前記誘電体粒子が立方晶ペロブスカイト材料である、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項39】
前記誘電体粒子が組成変性チタン酸バリウムである、請求項26〜29のいずれか一項に記載のインク。
【請求項40】
5重量%〜30重量%の量の溶媒と、
40重量%〜80重量%の量の導電性粒子と、
を含むインク。
【請求項41】
10重量%〜20重量%の量のバインダをさらに含む、請求項40に記載のインク。
【請求項42】
前記バインダがセルロース系バインダである、請求項41に記載のインク。
【請求項43】
前記溶媒の量が5重量%〜20重量%である、請求項40に記載のインク。
【請求項44】
前記溶媒が、アルコール、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリセロール、エステル、アルデヒドおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項40〜43のいずれか一項に記載のインク。
【請求項45】
前記溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項40〜43のいずれか一項に記載のインク。
【請求項46】
前記導電性粒子の量が50重量%〜80重量%である、請求項40〜43のいずれか一項に記載のインク。
【請求項47】
前記導電性粒子の量が60%〜80%である、請求項46に記載のインク。
【請求項48】
前記導電性粒子の粒径が2ミクロン以下である、請求項40〜43のいずれか一項に記載のインク。
【請求項49】
前記導電性粒子が、金属、金属合金、カーボンブラック、グラファイトおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項40〜43のいずれか一項に記載のインク。
【請求項50】
前記金属が、アルミニウム、銅、亜鉛、錫、ニッケル、ベリリウム、マンガン、鉄、チタンおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項49に記載のインク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−527783(P2012−527783A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512071(P2012−512071)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/035836
【国際公開番号】WO2010/135689
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(508267956)イーストー,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】