説明

経路案内装置、経路案内方法及び経路案内プログラム

【課題】案内情報内の案内の対象となる区間を表す情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことで、処理を高速化した経路案内装置を提供する。
【解決手段】案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報とで構成される。案内情報を記憶する経路案内装置は、入口リンク及び出口リンクの組み合わせに基づいて案内の対象となる区間を特定し、案内の内容を参照して案内を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を案内する手法に関する。
【背景技術】
【0002】
現行のナビゲーション製品には、ユーザが任意に指定した目的地までのルートを探索し、得られた誘導ルートに従って経路案内を行う機能や、交差点に近づくと、方面情報やレーン情報を案内する機能が設けられている。また、誘導ルート上で、自動計算の結果に基づいて決定した案内内容が誤っている案内地点では、強制的に正しい案内をさせる強制誘導機能もある。特許文献1には、車両の走行地域ごとに異なるナビゲーション機能の規制条件が設けられている場合にも、規制条件に応じてナビゲーション機能を自動的に切り替えることができる車両用ナビゲーション装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、移動体の移動経路と案内経路の差分経路を学習して案内経路に適用することにより、利用者の嗜好に適合した実用的な案内経路を提供することができる移動体ナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−153437号公報
【特許文献2】特開2002−310699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の案内方法では、経路上の区間を表すために、ノード列やリンク列といった形式で、通過するためのすべての情報を記憶していた。このため、案内情報の情報量が大きかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明の目的は、案内情報内の案内の対象となる区間を表す情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことで、処理を高速化した経路案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、経路案内装置であって、走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段と、前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内手段と、を備え、前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、前記案内手段は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段を備える経路案内装置において実行される経路案内方法であって、前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内工程を有し、前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、前記案内工程は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項8に記載の発明は、走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段を備える経路案内装置において実行される経路案内プログラムであって、前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内手段として前記経路案内装置を機能させ、前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、前記案内手段は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ナビゲーション装置の構成示すブロック図である。
【図2】経路探索処理及び経路案内処理に関連する構成を示す機能構成図である。
【図3】従来技術における交通規制情報の例である。
【図4】本発明における交通規制情報の例である。
【図5】入口リンク及び出口リンクで示す区間に経路が複数ある場合の例である。
【図6】一般道路の交差点における経路案内の例である。
【図7】高速・有料道路における方面案内の例である。
【図8】経路探索処理のフローチャートである。
【図9】経路案内処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の1つの観点では、経路案内装置は、走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段と、前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内手段と、を備え、前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、前記案内手段は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行する。上記の経路案内装置によれば、案内情報の対象となる区間を入口リンクと出口リンクの組み合わせのみで表現することで、データ構造を単純化し、情報量を減らすことができ、処理の高速化を図ることができる。
【0012】
上記の経路案内装置の他の一態様では、前記案内情報は、交通規制情報を含み、前記案内手段は、目的地の設定がなされた場合に、前記目的地までの経路計算を行い、誘導経路を探索する経路探索手段と、ユーザに前記誘導経路を案内する経路案内手段とを備え、前記経路探索手段は、前記交通規制情報の前記入口リンク及び前記出口リンクのうち少なくとも一方を含む経路を誘導経路の候補から除外する。この態様では、交通規制の対象となる区間を入口リンクと出口リンクの組み合わせのみで表現することで、交通規制情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことができ、処理の高速化を図ることができる。
【0013】
上記の経路案内装置の他の一態様では、前記交通規制情報は、前記入口リンク及び前記出口リンクの組み合わせで規定される区間の経路が複数ある場合に交通規制の対象となっている経路を特定する特定リンク又は特定ノードを有し、前記経路探索手段は、前記交通規制情報に前記特定リンク又は特定ノードがある場合は、前記特定リンク又は特定ノードを含む経路を誘導経路の候補から除外する。これにより、入口リンク及び出口リンクで示す区間に経路が複数ある場合であっても、その中から交通規制の対象となっている経路を特定することができ、通行可能な経路は交通規制の対象外として処理することができる。
【0014】
上記の経路案内装置の他の一態様では、前記案内情報は、交差点情報を含み、前記案内手段は、前記交差点情報の前記入口リンク及び前記出口リンクの組み合わせに基づいて分岐を判断し、移動体が前記入口リンクに進入すると、前記交差点情報の内容に対応する交差点案内を実行する。この態様では、交差点案内の対象となる区間を入口リンクと出口リンクの組み合わせのみで表現することで、交差点情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことができ、処理の高速化を図ることができる。
【0015】
上記の経路案内装置の他の一態様では、前記案内情報は、レーン情報を含み、前記案内手段は、前記レーン情報の前記入口リンク及び前記出口リンクの組み合わせに基づいて分岐を判断し、移動体が前記入口リンクに進入すると、前記レーン情報の内容に対応するレーン案内を実行する。この態様では、レーン案内の対象となる区間を入口リンクと出口リンクの組み合わせのみで表現することで、レーン情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことができ、処理の高速化を図ることができる。
【0016】
上記の経路案内装置の他の一態様では、前記案内情報は、強制誘導情報を含み、前記案内手段は、前記ユーザによる目的地の設定がなされた場合に、前記目的地までの経路計算を行い、誘導経路を探索する経路探索手段と、ユーザに前記誘導経路を案内する経路案内手段と、を備え、前記経路案内手段は、前記誘導経路に前記強制誘導情報の前記入口リンク及び前記出口リンクが含まれていた場合、移動体が前記入口リンクに進入すると、前記強制誘導情報の内容に対応する強制誘導を実行する。この態様では、強制誘導の対象となる区間を入口リンクと出口リンクの組み合わせのみで表現することで、強制誘導情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことができ、処理の高速化を図ることができる。
【0017】
本発明の他の観点では、走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段を備える経路案内装置において実行される経路案内方法は、前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内工程を有し、前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、前記案内工程は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行する。
【0018】
本発明の他の観点では、走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段を備える経路案内装置において実行される経路案内プログラムは、前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内手段として前記経路案内装置を機能させ、前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、前記案内手段は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行する。
【0019】
上記の経路案内方法及び経路案内プログラムによっても、案内情報内の案内の対象となる区間を表す情報のデータ構造を単純化し、情報量を減らすことができ、処理を高速化することが可能となる。なお、経路案内プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用のナビゲーション装置に適用した例を示す。
【0021】
[ナビゲーション装置]
図1に、本発明に係る経路案内装置を適用したナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0022】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号機からなる車両の速度パルスを計測する。
【0023】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0024】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0025】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車両の速度パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0026】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用のインタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0027】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICS(Vehicle Information Communication System)センタなどから配信される情報を取得する。
【0028】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、情報表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0029】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号機を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号機を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0030】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0031】
[機能構成]
次に、経路案内装置100の機能構成について説明する。
【0032】
図2に示すように、経路案内装置100は、記憶部101と案内部105とを備え、案内部105は、経路探索部102と経路案内部103と、を備える。
【0033】
記憶部101は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報とで構成される案内情報を記憶する。案内情報には、交通規制情報、交差点情報、レーン情報及び強制誘導情報があり、交差点情報は交差点名情報及び方面情報を含む。また、記憶部101は、地図上の道路や交差点などの情報をリンクやノードなどの基本データとして記憶している。
【0034】
経路探索部102は、ユーザにより設定された目的地までの誘導経路を探索する。経路探索部102は、交通規制情報を参照し、交通規制の対象となっている道路を含む経路を誘導経路の候補から除外し、回避する。
【0035】
経路案内部103は、経路探索部102が探索した誘導経路を案内する。具体的には、経路案内部103は、表示ユニット40及び音声出力ユニット50に案内情報を出力させて、誘導経路を案内する。また、経路案内部103は、車両が誘導経路を走行中に、強制誘導の対象となっている区間が存在すれば、強制誘導情報を案内する。さらに、経路案内部103は、経路案内を行っていない通常の走行中、即ち経路探索部102が誘導経路を探索していない場合にも、車両が交差点などに近づくと交差点情報及びレーン情報を案内する。
【0036】
なお、本実施例では、上記の経路案内装置100は、図1に示すナビゲーション装置1により実現される。具体的に、図1におけるデータ記憶ユニット36は記憶部101として機能し、CPU22を含むシステムコントローラ20は経路探索部102及び経路案内部103として機能する。
【0037】
[交通規制]
次に、交通規制情報が存在する場合の経路案内装置100による経路案内について、図3〜図5を参照して説明する。
【0038】
図3は、従来技術における交通規制情報の例である。図3(a)に示すエリアには、例えば通行禁止、工事中などの交通規制R1及びR2が存在する。交通規制R1の対象となる区間はリンクL1及びL8であり、交通規制R2の対象となる区間はリンクL2、L5、L6及びL9である。交通規制R1及びR2に対応する交通規制情報は図3(b)及び(c)のように記憶されている。
【0039】
図3(b)は交通規制R1及びR2の内容情報の例である。交通規制R1及びR2の内容情報は、オブジェクトID201、期間202、時間203及び曜日204で構成される。オブジェクトID201は、全てのオブジェクトに一意に与えられるIDである。期間202は、交通規制が実施される期間を示す。時間203は、交通規制が実施される時間を示す。曜日204は、交通規制が実施される曜日を示す。オブジェクトID「1」の内容情報(交通規制R1の交通規制の内容)は、1月1日〜12月31日の7時から10時の間、金曜日の実施を示している。一方、オブジェクトID「2」の内容情報(交通規制R2の交通規制の内容)は、期間202、時間203及び曜日204が空白になっている。即ち、交通規制R1は、条件付の交通規制であり、交通規制R2は無条件交通規制である。
【0040】
図3(c)は交通規制R1及びR2の区間情報の例である。交通規制R1及びR2の区間情報は、オブジェクトID201、対象リンク205、順番206及び内容ID207で構成される。対象リンク205は、交通規制R1及びR2の対象となる各リンクを示す。交通規制R1及びR2に対応するリンク列を構成するためには、内容情報からリンク列を取得したい内容情報のオブジェクトID201と区間情報の内容ID207とが合致する行を選択し、合致した行を順番206に基づいて並べなおしてリンク列が完成する。
【0041】
図3(d)は内容情報と区間情報の関係を模式的に表した図である。従来技術における交通規制情報では、交通規制の対象となるリンクの数が可変であるため、内容情報と区間情報とを別テーブルで表し、内容情報のオブジェクトID201と区間情報の内容ID207で対応付ける必要があった。
【0042】
図4は、本発明における交通規制情報の例である。図4(a)に示すエリアは、図3(a)と同じエリアである。本発明では、交通規制の対象となる区間を入口リンクと出口リンクの組み合わせにより表す。具体的に、交通規制R1の対象となる区間をリンクL1及びL8で表し、交通規制R2の対象となる区間を、L5及びL6(破線部)を省略して、リンクL2及びL9で表す。記憶部101は、は交通規制R1及びR2に対応する交通規制情報を図4(b)のように記憶している。
【0043】
図4(b)は交通規制R1及びR2の区間情報及び内容情報で構成される交通規制情報の例である。交通規制R1及びR2の交通規制情報は、オブジェクトID301、入口リンク302、出口リンク303、期間304、時間305及び曜日306で構成される。オブジェクトID301は、従来技術におけるオブジェクトID201と同様に、全てのオブジェクトに一意に与えられるIDである。入口リンク302及び出口リンク303は交通規制の対象となっている区間の最初のリンクと最後のリンクを示す。期間304は、交通規制が実施される期間を示す。時間305は、交通規制が実施される時間を示す。曜日306は、交通規制が実施される曜日を示す。
【0044】
オブジェクトID「1」の交通規制情報は、交通規制R1に対応し、リンクL1からリンクL8の区間の1月1日〜12月31日の7時から10時の間、金曜日の実施を示している。一方、オブジェクトID「2」の交通規制情報は、交通規制R2に対応し、リンクL2からリンクL9の区間の無条件の実施を示している。
【0045】
このように、本発明における交通規制情報は、入口リンクと出口リンクのみで区間情報を表すため、従来の交通規制情報よりも情報量が少なくてすみ、経路探索時などにより速く処理することができる。また、上記のようにリレーションデータベースに格納する場合は、交通規制の対象となるリンクの数が固定されるため、内容情報と区間情報とを別テーブルで表す必要がなく、より情報量を少なくすることができる。
【0046】
経路探索部102は、図4(b)に示すような交通規制情報を参照し、入口リンク302及び出口リンク303の少なくとも一方を含む経路を誘導経路の候補から除外する。
【0047】
しかし、図5(a)のように入口リンク302及び出口リンク303で示す区間に経路が複数あり、1つの経路が工事中や車線規制などの交通規制情報の対象で、その他の経路が迂回路として設定されているような場合、交通規制情報は、入口リンクと出口リンクのみで区間情報を表すことができない。
【0048】
そのような場合の一例として、図5(a)に示すエリアに、リンクL11、L12及びL13を対象とする交通規制R3が存在する場合がある。実際にはL12が工事中であって、車両はリンクL11まで進入することができ、L14及びL15が迂回路として設定されている場合であっても、交通規制R3の区間を入口リンクL11及び出口リンクL13のみで表すと、L11、L14、L15及びL13の経路は、交通規制の対象として処理されてしまう。そこで、記憶部101は交通規制R3に対応する交通規制情報を図5(b)のように記憶する。
【0049】
図5(b)は交通規制R3の区間情報及び内容情報で構成される交通規制情報の例である。交通規制R3の交通規制情報は、オブジェクトID301、入口リンク302、出口リンク303、特定リンク307、期間304、時間305及び曜日306で構成される。特定リンク307は、交通規制の対象となっている区間を特定するためのリンクである。特定リンク307は、入口リンク302及び出口リンク303で示す区間に経路が複数ある場合に付与される情報で、これにより、複数の経路から交通規制の対象になっている経路を1つに特定することができる。経路探索部102は、交通規制情報を参照する際、特定リンク307があるか否かを判定し、特定リンク307がある場合は、特定リンク307を含む経路を誘導経路の候補から除外する。これにより、通行可能である方の経路は交通規制の対象として処理されない。
【0050】
他の例として、図5(a)に示すエリアに、リンクL11、L14、L15及びL13を対象とする交通規制R4が存在する場合がある。実際にはL14が工事中であって、車両はリンクL11まで進入することができ、L12が迂回路として設定されている場合であっても、交通規制R4の区間を入口リンクL11及び出口リンクL13のみで表すと、L11、L12及びL13の経路は、交通規制の対象として処理されてしまう。そこで、記憶部101は交通規制R4に対応する交通規制情報を図5(c)又は(d)のように記憶する。
【0051】
なお、交通規制R4の例のように、交通規制の対象となっている区間が複数のリンクL14及びL15で構成される場合には、図5(e)に示すように特定リンク307としてのリンクL14又はL15に代えて、リンクL14とリンクL15とを結ぶノードN1を、特定ノードとして同様に用いてもよい。
【0052】
[交差点案内]
次に、経路案内装置100による交差点における経路案内について、図6及び図7を参照して説明する。
【0053】
図6は、一般道路の交差点における経路案内の例である。図6(a)に示すように、経路案内部103は、交差点名400、レーン案内410及び方面案内420を作成して表示する。
【0054】
図6(b)は交差点名400を表示するために使用される交差点名情報の例である。交差点名情報は、オブジェクトID301、入口リンク401、入口リンク方向402、交差点名漢字403及び交差点名よみ404で構成される。入口リンク401は、当該交差点に進入するリンクのリンクIDである。入口リンク方向402は、入口リンク401の方向を示し、順方向の場合「0」、逆方向の場合「1」と表現される。入口リンク方向402が順方向の場合、入口リンク401の終点が交差点であり、逆方向の場合、入口リンク401の始点が交差点である。交差点名漢字403は交差点名の漢字を示し、交差点名よみ404は交差点名のよみを示す。経路案内部103は、入口リンク401と入口リンク方向402をキーとして、交差点名情報を検索する。以下、同一の構成データについては説明を省略する。
【0055】
オブジェクトID「4」の交差点名情報は、リンクID「13835」から進入する先の交差点の名前が「米須(コメス)」であることを示している。
【0056】
経路案内部103は、車両が入口リンク401に進入すると、交差点名漢字403から文字列を取得して交差点名400を表示する。交差点名400の左側に表示された信号機は、当該交差点に信号機が存在することを示し、基本データのノードから取得する。
【0057】
図6(c)はレーン案内410を表示するために使用されるレーン情報の例である。レーン情報は、オブジェクトID301、入口リンク401、入口リンク方向402、出口リンク411、出口リンク方向412、レーン数413、右レーン増加数414、左レーン増加数415、レーン方向416及びレーン位置417で構成される。出口リンク411は、退出するリンクのリンクIDである。出口リンク方向412は、出口リンク411の方向を示す。レーン数413は、入口リンク401上にあるレーンの数を示している。右レーン増加数414及び左レーン増加数415は、交差点の手前で右折専用レーン及び左折専用レーンが増加する数を示している。レーン方向416は、各レーンで進行可能な方向を示す矢印の方向を示している。レーン位置417は、右折可能レーン及び左折可能レーンが何車線目に存在するかを示している。
【0058】
オブジェクトID「6」のレーン情報は、リンクID「13835」のリンクから進入してリンクID「13833」のリンクから退出するためのレーンは、2車線のうち、交差点の手前で1本増加した右側の右折専用レーンであることを示している。同様に、オブジェクトID「5」のレーン情報は、リンクID「13835」のリンクから進入してリンクID「13834」のリンクから退出するためのレーンは、2車線のうち、左側の左折専用レーンであることを示している。
【0059】
経路案内部103は、入口リンク401と入口リンク方向402をキーとして、レーン情報を検索する。経路案内部103は、車両が入口リンク401に進入すると、レーン案内410を作成して表示する。このとき、経路案内部103は、レーン数413からレーン数を取得し、取得したレーン数を元に車線を描画する。次に、経路案内部103は、右レーン増加数414及び左レーン増加数415から車線の増減を取得し、増加している場合には増加分の車線部分の下部に増加したことを示す線の描画を行う。そして、経路案内部103は、レーン方向416に値が入っている場合にはその方向を利用し、レーン位置417の情報と照らし合わせて矢印の描画を行う。レーン方向416の値が<NULL>の場合には、経路案内部103は、入口リンク401と出口リンク411をオブジェクトIDとして保持するリンクを基本データのリンクから検索する。経路案内部103は、入口リンク方向402が順方向であれば、入口リンク401の基本データのリンクの終点側のベクトルを取得し、逆方向であれば、始点側のベクトルを取得し、これを入口リンクのベクトルV1とする。同様に、経路案内部103は、出口リンク方向412が順方向であれば出口リンク411の基本データのリンクの終点側のベクトルを取得し、逆方向であれば、始点側のベクトルを取得し、これを出口リンクのベクトルV2とする。経路案内部103は、V1を基準としてV2の角度を求め、矢印の描画を行う。
【0060】
図6(d)は方面案内420を表示するために使用される方面情報の例である。方面情報は、オブジェクトID301、入口リンク401、入口リンク方向402、出口リンク411、出口リンク方向412、順番421、看板パターン422、方面A漢字423、方面B漢字424、方面Aよみ425及び方面Bよみ436で構成される。順番421は、方面A漢字423及び方面B漢字425の文字列を配置する順番を示している。看板パターン422は、予め記憶部101が記憶している複数の看板パターンのうち、どの看板パターンを表示するかを示している。このフィールドが<NULL>、0、もしくは99の場合には、看板パターンの表示は行わない。方面A漢字423及び方面B漢字424はそれぞれの分岐の先に存在する主要都市の漢字を示し、方面Aよみ425及び方面Bよみ436はそれぞれの分岐の先に存在する主要都市のよみを示す。
【0061】
オブジェクトID「41」の方面情報は、リンクID「13835」のリンクから進入してリンクID「13833」のリンクから退出する進路の先は、「那覇(ナハ)・豊見城(トミグスク)」方面であることを表している。また、オブジェクトID「42」の方面情報は、リンクID「13835」のリンクから進入してリンクID「13834」のリンクから退出する進路の先は、「与那原(ヨナバラ)・具志頭(グシカミ)」方面であることを表している。
【0062】
経路案内部103は、入口リンク401と入口リンク方向402をキーとして、方面情報を検索する。経路案内部103は、車両が入口リンク401に進入すると、方面案内420を作成して表示する。このとき、経路案内部103は、看板パターン422から看板パターンを取得する。次に、経路案内部103は、入口リンク401をオブジェクトIDとして保持するリンクを基本データのリンクから取得し、その種別を検査することにより一般道路か高速・有料道路かを判定する。一般道の場合、経路案内部103は、取得した看板パターンの看板を描画し、方面A漢字423及び方面B漢字424から取得した文字列を、順番421に基づいて所定の位置に貼り付ける。
【0063】
図7は、高速・有料道路における方面案内の例である。経路案内部103は、車両が現在走行している道路が高速・有料道路であると判定した場合、分岐は2分岐までという決め打ちで方面案内を作成する。
【0064】
高速・有料道路において1方面の案内を行う場合、経路案内部103は、図7(a)に示すような高速方面案内500を作成して表示する。
【0065】
図7(b)は高速方面案内500を表示するために使用される方面情報の例である。方面情報は、オブジェクトID301、入口リンク401、入口リンク方向402、出口リンク411、出口リンク方向412、順番421、看板パターン422、方面A漢字423、方面B漢字424、方面C漢字427、方面Aよみ425、方面Bよみ426及び方面Cよみ428で構成される。
【0066】
オブジェクトID「107483」の方面情報は、リンクID「218180」のリンクから進入してリンクID「218621」のリンクから退出する進路の先は、「新宿出口(シンジュクデグチ)・東京都庁(トウキョウトチョウ)・東京副都心(トウキョウフクトシン)」方面であることを示している。
【0067】
経路案内部103は、車両が入口リンク401に侵入すると、高速方面案内500を作成して表示する。このとき、経路案内部103は、看板パターン422の値が「99」であるので、看板パターンの表示は行わない。よって、経路案内部103は、前述のように、V1を基準としてV2の角度を求め、矢印の描画を行う。そして経路案内部103は、順番421の値は<NULL>であるので、方面A漢字423、方面B漢字424及び方面C漢字427からから取得した文字列を、デフォルトの位置に貼り付ける。
【0068】
高速・有料道路において2方面の案内を行う場合、経路案内部103は、図7(a)に示すような高速方面案内520を作成して表示する。
【0069】
図7(b)は高速方面案内520を表示するために使用される方面情報の例である。方面情報は、高速方面案内500の方面情報と同様に、オブジェクトID301、入口リンク401、入口リンク方向402、出口リンク411、出口リンク方向412、順番421、看板パターン422、方面A漢字423、方面B漢字424、方面C漢字427、方面Aよみ425、方面Bよみ426及び方面Cよみ428で構成されているが、2つの方面情報を保持する。
【0070】
オブジェクトID「107492」の方面情報は、リンクID「222813」のリンクから進入してリンクID「218168」のリンクから退出する進路の先は、「中央道(チュウオウドウ)・新宿(シンジュク)」方面であることを表している。また、オブジェクトID「107493」の方面情報は、リンクID「222813」のリンクから進入してリンクID「218170」のリンクから退出する進路の先は、「目黒(メグロ)・渋谷(シブヤ)」方面であることを表している。
【0071】
経路案内部103は、車両が入口リンク401に進入すると、高速方面案内520を作成して表示する。このとき、経路案内部103は、看板パターン422の値が「99」であるので、看板パターンの表示は行わない。よって、経路案内部103は、前述のように、V1を基準としてV2の角度を求め、矢印の描画を行う。そして経路案内部103は、順番421の値は<NULL>であるので、方面A漢字423及び方面B漢字424からから取得した文字列を、デフォルトの位置に貼り付ける。
【0072】
以上のように、交通規制情報と同様、本発明における交差点情報及びレーン情報は、入口リンクと出口リンクのみで区間情報を表されるため、従来の交差点情報及びレーン情報よりも情報量が少なくてすみ、より速く処理することができる。
【0073】
[強制誘導案内]
次に、経路案内装置100による強制誘導地点における経路案内について説明する。
【0074】
経路探索部102は、ユーザから目的地の設定を受け取ると、現在地から目的地までの誘導経路を探索する。経路案内部103は、経路探索部102が探索した誘導経路上の各案内地点で案内を出力し、ユーザに誘導経路を案内する。このとき、誘導経路上の案内地点における案内内容は、自動計算の結果に基づいて決定されるため、例えば、実際には道なりのカーブであっても、右折の案内をしてしまう案内地点などが存在する。強制誘導情報は、そのような誤った案内をしてしまう案内地点(区間情報)に対し、手動で正しい案内内容(内容情報)を入力したものである。本発明では、強制誘導情報の区間情報も、対称となる区間を構成する全てのリンクにより表現されるのではなく、入口リンク及び出口リンクの組み合わせのみで表現される。経路案内部103は、入口リンクと入口リンク方向をキーとして、強制誘導情報を検索する。経路案内部103は、強制誘導情報を参照し、車両が区間情報の入口リンクに進入すると、内容情報に基づいて正しい案内内容を出力する。
【0075】
以上のように、交通規制情報、交差点情報及びレーン情報と同様、本発明における強制誘導情報は、入口リンクと出口リンクのみで区間情報を表すため、従来の強制誘導情報よりも情報量が少なくてすみ、より速く処理することができる。
【0076】
[経路探索処理]
次に、交通規制情報を参照して目的地までの経路探索を行う経路探索処理について説明する。図8は経路探索部102が行う経路探索処理のフローチャートである。なお、この処理は、主として図1に示すCPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0077】
まず、経路探索部102はユーザによる目的地の指定を受け取る(ステップS1)。そして、経路探索部102は、車両の現在位置から設定された目的地に至る経路を算出する(ステップS2)。次に、経路探索部102は、記憶部101が記憶している交通規制情報を参照し、算出した経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれているか否かを判定する(ステップS3)。経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれていない場合(ステップS3;No)、経路探索部102はステップS4を実行する。
【0078】
一方、経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれている場合(ステップS3;Yes)、経路探索部102は、参照した交通規制情報に特定リンクがあるか否かを判定する(ステップS5)。交通規制情報に特定リンクがない場合(ステップS5;No)、交通規制情報の対象となる区間に経路は1つなので、経路探索部102はステップS7を実行する。交通規制情報に特定リンクがある場合(ステップS5;Yes)、交通規制情報の対象となる区間に経路が複数あるので、経路探索部102は、算出した経路に特定リンクが含まれているか否かを判定する(ステップS6)。経路に特定リンクが含まれていない場合(ステップS6;No)、交通規制情報の対象となるリンクを通らない経路なので、経路探索部102は、当該経路を誘導経路の候補に決定する(ステップS4)。経路に特定リンクがある場合(ステップS6;Yes)、交通規制情報の対象となるリンクを通る経路なので、経路探索部102は、当該経路を誘導経路の候補から除外する(ステップS7)。
【0079】
次に、経路探索部102は、次の経路があるか否かを判定する(ステップS8)。次の経路がある場合(ステップS8;Yes)、処理はステップS3に戻って、ステップS3〜S8を繰り返す。次の経路がない場合(ステップS8;No)、経路探索部102は、候補に決定した経路の中から誘導経路を決定し(ステップS9)、処理を終了する。
【0080】
[経路案内処理]
次に、交差点情報、レーン情報及び強制誘導情報などの案内情報を参照して、交差点、強制誘導地点などの案内地点で案内を実行する経路案内処理について説明する。図9は経路案内部103が行う経路案内処理のフローチャートである。なお、この処理は、主として図1に示すCPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0081】
まず、経路案内部103は、車両の現在地と進行方向を取得する(ステップS11)。そして、経路案内部103は、現在、案内情報を出力しているか否かを判定する(ステップS12)。案内情報を出力中である場合(ステップS12;Yes)、経路案内部103は、取得した現在地と進行方向に基づいて、車両が案内地点を通過したか否かを判定する(ステップS13)。案内地点を通過していない場合(ステップS13;No)、経路案内部103は、ステップS17を実行する。案内地点を通過した場合(ステップS13;Yes)、経路案内部103は、案内情報の出力を解除して(ステップS14)、ステップS17を実行する。
【0082】
一方、案内情報を出力中でない場合(ステップS12;No)、経路案内部103は、取得した現在地と進行方向に基づいて、案内情報がある入口リンクに車両が進入したか否かを判定する(ステップS15)。案内情報がある入口リンクに車両が進入していない場合(ステップS15;No)、経路案内部103は、はステップS17を実行する。案内情報がある入口リンクに車両が進入した場合(ステップS15;Yes)、経路案内部103は、案内情報を出力し(ステップS16)、電源がOFFになったか否かを判定する(ステップS17)。電源がOFFになっていない場合(ステップS17;No)、処理はステップS11に戻って、ステップS11〜S17を繰り返す。電源がOFFになった場合(ステップS17;Yes)、経路案内部103は処理を終了する。
【0083】
なお、上記の経路案内処理は、ユーザが経路案内を指示し、ナビゲーション装置が誘導経路を案内している場合であっても、ユーザが経路案内を指示せずに走行している場合であっても、実行される。
【0084】
[変形例]
上記の実施例の経路探索処理では、経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれているか否かの判定をした後に、交通規制情報に特定リンクが含まれているか否かの判定を行っていたが、本発明の適用はこれに限られず、経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれているか否かの判定をする前に、交通規制情報に特定リンクが含まれているか否かの判定を行ってもよい。この場合、経路探索部102は、交通規制情報に特定リンクが含まれているか否かを判定し、交通規制情報に特定リンクが含まれていない場合、経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれているか否かを判定し、含まれていたら誘導経路の候補から除外し、含まれていなかったら誘導経路の候補に決定する。一方、交通規制情報に特定リンクが含まれている場合、経路探索部102は、探索した経路に特定リンクが含まれているか否かを判定する。経路に特定リンクが含まれている場合、経路探索部102は、当該経路を誘導経路の候補から除外する。また、経路に特定リンクが含まれていない場合、経路探索部102は、経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれているか否かを判定し、含まれていたら誘導経路の候補から除外し、含まれていなかったら誘導経路の候補に決定する。その他の処理は上記実施例の経路探索処理と同様である。
【0085】
また、上記の実施例の経路探索処理では、探索した経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれており、交通規制情報に特定リンクが含まれていない場合と、探索した経路に交通規制情報の入口リンク及び出口リンクの少なくとも一方が含まれており、当該経路に特定リンクが含まれている場合とは、当該経路を誘導経路の候補から除外することとしていたが、本発明の適用はこれに限られず、候補から除外するのではなく、リンクの通りにくさを表すコストを大きくしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 自立測位装置
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
50 音声出力ユニット
100 経路案内装置
101 記憶部
102 経路探索部
103 経路案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段と、
前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内手段と、を備え、
前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、
前記案内手段は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行することを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記案内情報は、交通規制情報を含み、
前記案内手段は、目的地の設定がなされた場合に、前記目的地までの経路計算を行い、誘導経路を探索する経路探索手段と、ユーザに前記誘導経路を案内する経路案内手段とを備え、
前記経路探索手段は、前記交通規制情報の前記入口リンク及び前記出口リンクのうち少なくとも一方を含む経路を誘導経路の候補から除外することを特徴とする請求項1に記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記交通規制情報は、前記入口リンク及び前記出口リンクの組み合わせで規定される区間の経路が複数ある場合に交通規制の対象となっている経路を特定する特定リンク又は特定ノードを有し、
前記経路探索手段は、前記交通規制情報に前記特定リンク又は特定ノードがある場合は、前記特定リンク又は特定ノードを含む経路を誘導経路の候補から除外することを特徴とする請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記案内情報は、交差点情報を含み、
前記案内手段は、前記交差点情報の前記入口リンク及び前記出口リンクの組み合わせに基づいて分岐を判断し、移動体が前記入口リンクに進入すると、前記交差点情報の内容に対応する交差点案内を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項5】
前記案内情報は、レーン情報を含み、
前記案内手段は、前記レーン情報の前記入口リンク及び前記出口リンクの組み合わせに基づいて分岐を判断し、移動体が前記入口リンクに進入すると、前記レーン情報の内容に対応するレーン案内を実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項6】
前記案内情報は、強制誘導情報を含み、
前記案内手段は、前記ユーザによる目的地の設定がなされた場合に、前記目的地までの経路計算を行い、誘導経路を探索する経路探索手段と、ユーザに前記誘導経路を案内する経路案内手段と、を備え、
前記経路案内手段は、前記誘導経路に前記強制誘導情報の前記入口リンク及び前記出口リンクが含まれていた場合、移動体が前記入口リンクに進入すると、前記強制誘導情報の内容に対応する強制誘導を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の経路案内装置。
【請求項7】
走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段を備える経路案内装置において実行される経路案内方法であって、
前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内工程を有し、
前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、
前記案内工程は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行することを特徴とする経路案内方法。
【請求項8】
走行経路に関連する案内情報を記憶する記憶手段を備える経路案内装置において実行される経路案内プログラムであって、
前記案内情報に基づいてユーザに案内を提供する案内手段として前記経路案内装置を機能させ、
前記案内情報は、案内の対象となる区間の入口リンク及び出口リンクの組み合わせである区間情報と、案内の内容に関連する内容情報と、を含み、
前記案内手段は、前記区間情報が示す区間について、前記内容情報に基づいて案内を実行することを特徴とする経路案内プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の経路案内プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−156656(P2010−156656A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293(P2009−293)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】