経路案内装置及び経路案内方法
【課題】車両位置から撮像範囲外の案内地点まで連続性をもった経路案内情報を提示する。
【解決手段】車両前方を撮像した画像中に存在する道路にその道路に関する経路案内図形を重畳させた第1経路案内画像と車両前方を撮像した画像中に存在しない遠方の道路にその走行経路に関する経路案内情報を重畳させた第2経路案内画像を作成し、第1経路案内画像と第2経路案内画像を現在地点と経路案内地点まで経路案内を行えるように関連付けて提示することにより、乗員が認識しやすい経路案内を行うことができる。
【解決手段】車両前方を撮像した画像中に存在する道路にその道路に関する経路案内図形を重畳させた第1経路案内画像と車両前方を撮像した画像中に存在しない遠方の道路にその走行経路に関する経路案内情報を重畳させた第2経路案内画像を作成し、第1経路案内画像と第2経路案内画像を現在地点と経路案内地点まで経路案内を行えるように関連付けて提示することにより、乗員が認識しやすい経路案内を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像された車両前方の画像上の道路に車両の進路を示す案内図形を重畳し経路案内を行う装置及び経路案内方法に関し、特に進行方向遠方の進路が分かりにくい状況でも的確に経路案内を行うことができる経路案内装置及び経路案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラから車両前方の画像を撮像し、撮像された車両前方画像から経路上の特徴物(例えば、信号機等)を抽出して自車両から特徴物までの距離の推定し、抽出された特徴物を案内地点として画像上で案内図形の先端と特徴物を合わせて表示し経路案内を行う車両用案内表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、このような車両用表示装置によれば、実際に経路上に存在する特徴物を目印として案内図形を用いて経路案内を行うので、車両乗員が右左折を行わなければならない位置を認識しやすくすることができる。
【特許文献1】特開平10−339646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用表示装置は、車両前方の撮像画像中の特徴物を案内地点として経路案内を行うので、特徴物が撮像範囲外にあり画像上の経路に表示されないときは、遠方の経路案内地点を別手段で表示する必要があり、車両位置から案内地点に至るまで連続性をもった経路案内を行うことができない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両位置から撮像範囲外の案内地点まで連続性をもった経路案内画像を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明に係る経路案内装置及び経路案内方法は、車両前方画像上で、車両前方画像中に存在する道路上の経路案内画像と車両前方画像外に存在する遠方の走行経路の経路案内画像とを連続性を持たせて連結させた経路案内画像を提示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る経路案内装置及び経路案内方法は、車両前方を撮像した画像中に存在しない遠方の走行経路と現在地点とが繋がるように経路案内情報を提示することができるので、現在地点から案内地点まで連続性をもった経路案内画像を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施形態について図面とともに詳述する。
【0009】
[経路案内装置の構成]始めに、図1を参照して、本発明に係る経路案内装置1の構成を説明する。なお、本発明に係る経路案内装置1と直接関係のない装置の図示と説明は省略する。
【0010】
現在位置取得装置2は、GPS(Global Positioning System)受信機等で構成され、衛星航法により車両の現在位置情報を取得する。
【0011】
撮像装置3は、CCD(Charge-Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラ等で構成され、図2(a)に示される一例のように、自車が走行している道路を含む車両前方を撮像する。撮像された映像は、映像データに変換されて表示映像作成手段5へ出力される。
【0012】
ナビゲーション装置4は、現在位置取得装置2から入力された車両の現在位置情報に基づいて、車両の現在地(出発地)から目的地までの経路を設定する。また、設定された経路に関する自車両周辺の道路や地形に関するデータや建造物等のデータを表示映像作成装置5へ出力する。
【0013】
経路案内映像作成装置5は、撮像手段2から入力される車両前方映像、ナビゲーション装置4から入力される出発地から目的地までの経路情報及び設定された経路形状等に関するデータ、また予め設定されている車両の全長、車幅などの車両データに基づいて、走行経路に合致した経路案内図形を作成する。
【0014】
そして、画像上から走行経路に該当する道路を自車位置及び地形データ等を用いて画像処理により抽出し、画像上の抽出した道路に経路案内図形を重畳させた経路案内映像を生成する。
【0015】
なお、経路案内映像作成装置5で生成される具体的な経路案内映像については後に詳述する。経路案内映像作成装置5は、経路案内映像を生成すると経路案内映像を提示装置6へ出力する。
【0016】
提示装置6は、表示映像作成装置5から出力された経路案内画像を提示する。
【実施例1】
【0017】
[経路案内画像の表示形態]図面を参照して、本発明に係る第1の実施例となる経路案内図形の表示形態ついて説明する。
【0018】
図2(a)は、車両前方を撮像した映像であり、図2(b)は、上方から見た車両Vと案内地点Rとの位置関係を示している。なお、図2(a)に示される消失点Pは、車両前方映像中で走行経路Dが視認できなくなる点を示している。
【0019】
図3(a)は、表示映像作成装置5が作成する経路案内図形Fを表示する表示エリアAの一例を示している。表示エリアAは、現在位置取得装置2が取得した車両Vの現在位置情報やナビゲーション装置3に記憶されている道路形状データ等に基づいて決定され、経路案内図形FAはこの表示エリアA内に表示される。
【0020】
図4(a)は、表示エリアAに経路案内図形FAを表示した一例を示す図である。乗員は、経路案内図形Fが指示する方向に案内地点Rが存在していることを認識することができる。
【0021】
図5(a)は、消失点Pよりさらに遠方に案内地点Rが存在し、その際に表示エリアAに経路案内図形Fを表示した一例を示している。
【0022】
図5(a)に示されるように、案内地点Rが消失点Pの近傍に存在し表示エリアA内に存在しない場合、撮像画像中に存在している道路において経路案内を行うことはできるが、図4(a)に示すように、表示エリアAに右折指示を促す経路案内図形FAを表示することができない。したがって、乗員は、“右折するのか左折するのか?”、また、“どのくらいで案内地点Rに到達するのか?”について認識することが困難となる。
【0023】
図6(a)は、本発明に係る第1の実施例となる経路案内画像を表示した一例を示している。図6(a)に示されるように、本発明に係る第1の実施例となる経路案内画像は、表示映像作成装置5が、新たに表示エリアBを生成し、表示エリアB内に消失点P以降に存在する経路及びその経路に基づいて経路案内図形FBを作成する。
【0024】
次に、表示エリアAに存在する経路案内図形FAと連続性がとれるように経路案内図形FBを消失点P付近で連結させた映像を作成し、提示装置から乗員に提示する。
【0025】
なお、案内地点Rが表示エリアA内になったときは、図4(a)に示すような経路案内表示を行う。このように、表示エリアAに表示させることができなかった消失点P以降に存在する経路案内に関する情報を表示エリアBに作成し、表示エリアAの経路案内図形FAと表示エリアBの経路案内図形FBと連結させて表示しているので、乗員は、車両現在地から案内地点Rまで連続性をもった経路情報について知ることができる。
【0026】
また、車両Vの走行に対応して、案内地点Rが表示エリアBから表示エリアAへ移動したときは、その移動過程を連続的に表示エリアA又は表示エリアBに表示するので、案内地点Rまでの距離感を掴みやすくなる。
【0027】
また、消失点P以降の道路が直進であるときは、表示エリアBを表示しないようにすることで、自車がしばらくの間は案内地点Rに到達することなく道なりに進行すればよいことを認識させることもできる。
【実施例2】
【0028】
[経路案内画像の表示形態]次に、本発明に係る本発明に係る第2の実施例となる経路案内画像の表示の一例を示す。
【0029】
図7は、走行経路Dが消失点P付近で右に曲がっており、これから進むべき走行経路Dの一部が車両前方画像中の水平線と重なるような場合に、本発明の第1の実施例となる経路案内図形を表示した一例を示している。
【0030】
しかしながら、図7(a)に示されるように、車両乗員は消失点P以降の経路案内図形FBの一部が認識しづらくなるので、経路案内図形FBが案内地点Rで指示する方向が、車両が進行している方向と同じなのか(つまり、直進なのか)、また、どのような経路を経て案内地点Rに至るかが認識しづらくなってしまう。
【0031】
そこで、図8に示すように、本発明に係る第2の実施例となる経路案内映像を表示した一例では、消失点Pを回転軸として、表示エリアB内の経路図形と経路案内図形FBを本紙面に向かって左に所定角度だけ回転させて、表示エリアAの経路案内図形Fと連結させた経路案内映像を提示する。
【0032】
このように経路案内映像を表示することで、走行経路Dに対して、経路案内図形FBが指示する方向が直進なのか、また認識しづらかった案内地点Rまでの経路の一部分が認識しやすくなる。
【0033】
また、本発明に係る第1の実施例と同様に、右左折箇所が画面に向かって上から下に流れてくるように経路案内図形Fの形状を変化させながら表示することができるので、乗員が、どのくらいで右左折箇所に到達するのかが直感的に認識しやすくなる。なお、図9に示すように、事前に方面案内に関する情報などを付加してもよい。
【0034】
また、図10は、表示エリアBの画面正面に対する位置を上面から見た図を示しているが、表示エリアAは画面正面に対して水平の位置(X位置)に表示される。ここで、消失点P以降からの所定距離だけ進んだ走行経路Dの線分と垂直となるように表示エリアBを本紙面に向かって奥又は手前方向に回転させた位置(Y位置)で表示エリアAの経路案内図形FAと表示エリアBの経路案内図形FBを連結させた経路案内映像を表示する。
【0035】
このような経路案内映像を表示することで、図11に示されるように、表示エリアB全体で消失点P以降の走行経路Dの進行方向を示すことができるので、さらに乗員が進行方向について認識を行いやすくなる。
【0036】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付加しておく。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例に係る経路案内装置のブロック図である。
【図2】車両前方を撮像した画像の一例である。
【図3】車両前方を撮像した画像内の表示エリアを示す図である。
【図4】従来技術による経路案内図形の一例を示す図である。
【図5】従来技術による経路案内図形の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図7】消失点Pと消失点P以降の経路が重畳する場合の本発明の第1の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図10】画面上における表示エリアの表示位置について説明した図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1:経路案内映像表示装置
2:現在位置取得装置
3:車載カメラ
4:ナビゲーション装置
5:表示映像作成措置
6:提示装置
A:表示エリアA
B:表示エリアB
D:道路
FA:表示エリアAに作成される経路案内図形
FB:表示エリアBに作成される経路案内図形
P:消失点
R:案内地点
X:表示位置X
Y:表示位置Y
V:車両
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像された車両前方の画像上の道路に車両の進路を示す案内図形を重畳し経路案内を行う装置及び経路案内方法に関し、特に進行方向遠方の進路が分かりにくい状況でも的確に経路案内を行うことができる経路案内装置及び経路案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラから車両前方の画像を撮像し、撮像された車両前方画像から経路上の特徴物(例えば、信号機等)を抽出して自車両から特徴物までの距離の推定し、抽出された特徴物を案内地点として画像上で案内図形の先端と特徴物を合わせて表示し経路案内を行う車両用案内表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、このような車両用表示装置によれば、実際に経路上に存在する特徴物を目印として案内図形を用いて経路案内を行うので、車両乗員が右左折を行わなければならない位置を認識しやすくすることができる。
【特許文献1】特開平10−339646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用表示装置は、車両前方の撮像画像中の特徴物を案内地点として経路案内を行うので、特徴物が撮像範囲外にあり画像上の経路に表示されないときは、遠方の経路案内地点を別手段で表示する必要があり、車両位置から案内地点に至るまで連続性をもった経路案内を行うことができない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両位置から撮像範囲外の案内地点まで連続性をもった経路案内画像を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明に係る経路案内装置及び経路案内方法は、車両前方画像上で、車両前方画像中に存在する道路上の経路案内画像と車両前方画像外に存在する遠方の走行経路の経路案内画像とを連続性を持たせて連結させた経路案内画像を提示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る経路案内装置及び経路案内方法は、車両前方を撮像した画像中に存在しない遠方の走行経路と現在地点とが繋がるように経路案内情報を提示することができるので、現在地点から案内地点まで連続性をもった経路案内画像を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施形態について図面とともに詳述する。
【0009】
[経路案内装置の構成]始めに、図1を参照して、本発明に係る経路案内装置1の構成を説明する。なお、本発明に係る経路案内装置1と直接関係のない装置の図示と説明は省略する。
【0010】
現在位置取得装置2は、GPS(Global Positioning System)受信機等で構成され、衛星航法により車両の現在位置情報を取得する。
【0011】
撮像装置3は、CCD(Charge-Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラ等で構成され、図2(a)に示される一例のように、自車が走行している道路を含む車両前方を撮像する。撮像された映像は、映像データに変換されて表示映像作成手段5へ出力される。
【0012】
ナビゲーション装置4は、現在位置取得装置2から入力された車両の現在位置情報に基づいて、車両の現在地(出発地)から目的地までの経路を設定する。また、設定された経路に関する自車両周辺の道路や地形に関するデータや建造物等のデータを表示映像作成装置5へ出力する。
【0013】
経路案内映像作成装置5は、撮像手段2から入力される車両前方映像、ナビゲーション装置4から入力される出発地から目的地までの経路情報及び設定された経路形状等に関するデータ、また予め設定されている車両の全長、車幅などの車両データに基づいて、走行経路に合致した経路案内図形を作成する。
【0014】
そして、画像上から走行経路に該当する道路を自車位置及び地形データ等を用いて画像処理により抽出し、画像上の抽出した道路に経路案内図形を重畳させた経路案内映像を生成する。
【0015】
なお、経路案内映像作成装置5で生成される具体的な経路案内映像については後に詳述する。経路案内映像作成装置5は、経路案内映像を生成すると経路案内映像を提示装置6へ出力する。
【0016】
提示装置6は、表示映像作成装置5から出力された経路案内画像を提示する。
【実施例1】
【0017】
[経路案内画像の表示形態]図面を参照して、本発明に係る第1の実施例となる経路案内図形の表示形態ついて説明する。
【0018】
図2(a)は、車両前方を撮像した映像であり、図2(b)は、上方から見た車両Vと案内地点Rとの位置関係を示している。なお、図2(a)に示される消失点Pは、車両前方映像中で走行経路Dが視認できなくなる点を示している。
【0019】
図3(a)は、表示映像作成装置5が作成する経路案内図形Fを表示する表示エリアAの一例を示している。表示エリアAは、現在位置取得装置2が取得した車両Vの現在位置情報やナビゲーション装置3に記憶されている道路形状データ等に基づいて決定され、経路案内図形FAはこの表示エリアA内に表示される。
【0020】
図4(a)は、表示エリアAに経路案内図形FAを表示した一例を示す図である。乗員は、経路案内図形Fが指示する方向に案内地点Rが存在していることを認識することができる。
【0021】
図5(a)は、消失点Pよりさらに遠方に案内地点Rが存在し、その際に表示エリアAに経路案内図形Fを表示した一例を示している。
【0022】
図5(a)に示されるように、案内地点Rが消失点Pの近傍に存在し表示エリアA内に存在しない場合、撮像画像中に存在している道路において経路案内を行うことはできるが、図4(a)に示すように、表示エリアAに右折指示を促す経路案内図形FAを表示することができない。したがって、乗員は、“右折するのか左折するのか?”、また、“どのくらいで案内地点Rに到達するのか?”について認識することが困難となる。
【0023】
図6(a)は、本発明に係る第1の実施例となる経路案内画像を表示した一例を示している。図6(a)に示されるように、本発明に係る第1の実施例となる経路案内画像は、表示映像作成装置5が、新たに表示エリアBを生成し、表示エリアB内に消失点P以降に存在する経路及びその経路に基づいて経路案内図形FBを作成する。
【0024】
次に、表示エリアAに存在する経路案内図形FAと連続性がとれるように経路案内図形FBを消失点P付近で連結させた映像を作成し、提示装置から乗員に提示する。
【0025】
なお、案内地点Rが表示エリアA内になったときは、図4(a)に示すような経路案内表示を行う。このように、表示エリアAに表示させることができなかった消失点P以降に存在する経路案内に関する情報を表示エリアBに作成し、表示エリアAの経路案内図形FAと表示エリアBの経路案内図形FBと連結させて表示しているので、乗員は、車両現在地から案内地点Rまで連続性をもった経路情報について知ることができる。
【0026】
また、車両Vの走行に対応して、案内地点Rが表示エリアBから表示エリアAへ移動したときは、その移動過程を連続的に表示エリアA又は表示エリアBに表示するので、案内地点Rまでの距離感を掴みやすくなる。
【0027】
また、消失点P以降の道路が直進であるときは、表示エリアBを表示しないようにすることで、自車がしばらくの間は案内地点Rに到達することなく道なりに進行すればよいことを認識させることもできる。
【実施例2】
【0028】
[経路案内画像の表示形態]次に、本発明に係る本発明に係る第2の実施例となる経路案内画像の表示の一例を示す。
【0029】
図7は、走行経路Dが消失点P付近で右に曲がっており、これから進むべき走行経路Dの一部が車両前方画像中の水平線と重なるような場合に、本発明の第1の実施例となる経路案内図形を表示した一例を示している。
【0030】
しかしながら、図7(a)に示されるように、車両乗員は消失点P以降の経路案内図形FBの一部が認識しづらくなるので、経路案内図形FBが案内地点Rで指示する方向が、車両が進行している方向と同じなのか(つまり、直進なのか)、また、どのような経路を経て案内地点Rに至るかが認識しづらくなってしまう。
【0031】
そこで、図8に示すように、本発明に係る第2の実施例となる経路案内映像を表示した一例では、消失点Pを回転軸として、表示エリアB内の経路図形と経路案内図形FBを本紙面に向かって左に所定角度だけ回転させて、表示エリアAの経路案内図形Fと連結させた経路案内映像を提示する。
【0032】
このように経路案内映像を表示することで、走行経路Dに対して、経路案内図形FBが指示する方向が直進なのか、また認識しづらかった案内地点Rまでの経路の一部分が認識しやすくなる。
【0033】
また、本発明に係る第1の実施例と同様に、右左折箇所が画面に向かって上から下に流れてくるように経路案内図形Fの形状を変化させながら表示することができるので、乗員が、どのくらいで右左折箇所に到達するのかが直感的に認識しやすくなる。なお、図9に示すように、事前に方面案内に関する情報などを付加してもよい。
【0034】
また、図10は、表示エリアBの画面正面に対する位置を上面から見た図を示しているが、表示エリアAは画面正面に対して水平の位置(X位置)に表示される。ここで、消失点P以降からの所定距離だけ進んだ走行経路Dの線分と垂直となるように表示エリアBを本紙面に向かって奥又は手前方向に回転させた位置(Y位置)で表示エリアAの経路案内図形FAと表示エリアBの経路案内図形FBを連結させた経路案内映像を表示する。
【0035】
このような経路案内映像を表示することで、図11に示されるように、表示エリアB全体で消失点P以降の走行経路Dの進行方向を示すことができるので、さらに乗員が進行方向について認識を行いやすくなる。
【0036】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付加しておく。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例に係る経路案内装置のブロック図である。
【図2】車両前方を撮像した画像の一例である。
【図3】車両前方を撮像した画像内の表示エリアを示す図である。
【図4】従来技術による経路案内図形の一例を示す図である。
【図5】従来技術による経路案内図形の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図7】消失点Pと消失点P以降の経路が重畳する場合の本発明の第1の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【図10】画面上における表示エリアの表示位置について説明した図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る経路案内図形の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1:経路案内映像表示装置
2:現在位置取得装置
3:車載カメラ
4:ナビゲーション装置
5:表示映像作成措置
6:提示装置
A:表示エリアA
B:表示エリアB
D:道路
FA:表示エリアAに作成される経路案内図形
FB:表示エリアBに作成される経路案内図形
P:消失点
R:案内地点
X:表示位置X
Y:表示位置Y
V:車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記車両の現在位置から目的地までの経路を設定する経路設定手段と、
前記車両前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した映像の中から前記経路に対応する道路を抽出する道路抽出手段と、
前記道路抽出手段によって抽出された道路の形状に基づいて経路案内図形を作成し、該抽出された道路に該経路案内図形を重畳させるための第1経路案内画像を作成する第1経路案内画像作成手段と、
前記道路抽出手段によって抽出されない画像遠方の所定範囲内に存在する前記経路に対応した第2経路案内画像を作成する第2経路案内画像作成手段と、
前記第1経路案内画像と前記第2経路案内画像とを連結させて、前記撮像手段が撮像した映像に重畳させた経路案内画像を提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記提示手段は、前記第1経路案内画像中の道路と前記第2経路案内画像中の経路を連結させて、前記撮像手段が撮像した映像に重畳させた経路案内画像を提示することを特徴とする請求項1に記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記第2経路案内画像の変化によって経路案内地点までの距離を表すことを特徴とする請求項1から請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記第1経路案内画像中の道路と前記第2経路案内画像中の経路を連結させた経路案内画像と前記車両の進行方向が同期するように提示することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の経路案内装置。
【請求項5】
前記第2経路案内画像は、前記所定範囲内の経路が前記車両の進行方向と同一方向である際に表示しないことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の経路案内装置。
【請求項6】
前記所定範囲は、前記車両前方を撮像した画像上で、前記経路に該当する道路が消失する付近又は該消失する付近よりも遠方に存在する領域であることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の経路案内装置。
【請求項7】
前記経路案内画像作成手段は、前記第1経路案内画像に該第2経路案内画像を該第1経路案内画像中の道路が消失する消失点付近の経路の方向に対して垂直となるように連結させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項8】
車両の現在位置を取得するステップと、
前記車両の現在位置から目的地までの経路を設定するステップと、
前記車両の前方を撮像するステップと、
前記撮像した映像の中から前記経路に対応する道路を抽出するステップと、
前記抽出された道路の形状に基づいて経路案内図形を作成し、該抽出された道路に該経路案内図形を重畳させるための第1経路案内画像を作成するステップと、
前記抽出されない画像遠方の所定範囲内に存在する前記経路に対応した第2経路案内画像を作成するステップと、
前記第1経路案内画像と前記第2経路案内画像とを連結させて、前記撮像した映像に重畳させた経路案内画像を提示するステップと、
を有することを特徴とする経路案内方法。
【請求項1】
車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記車両の現在位置から目的地までの経路を設定する経路設定手段と、
前記車両前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した映像の中から前記経路に対応する道路を抽出する道路抽出手段と、
前記道路抽出手段によって抽出された道路の形状に基づいて経路案内図形を作成し、該抽出された道路に該経路案内図形を重畳させるための第1経路案内画像を作成する第1経路案内画像作成手段と、
前記道路抽出手段によって抽出されない画像遠方の所定範囲内に存在する前記経路に対応した第2経路案内画像を作成する第2経路案内画像作成手段と、
前記第1経路案内画像と前記第2経路案内画像とを連結させて、前記撮像手段が撮像した映像に重畳させた経路案内画像を提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記提示手段は、前記第1経路案内画像中の道路と前記第2経路案内画像中の経路を連結させて、前記撮像手段が撮像した映像に重畳させた経路案内画像を提示することを特徴とする請求項1に記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記第2経路案内画像の変化によって経路案内地点までの距離を表すことを特徴とする請求項1から請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記第1経路案内画像中の道路と前記第2経路案内画像中の経路を連結させた経路案内画像と前記車両の進行方向が同期するように提示することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の経路案内装置。
【請求項5】
前記第2経路案内画像は、前記所定範囲内の経路が前記車両の進行方向と同一方向である際に表示しないことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の経路案内装置。
【請求項6】
前記所定範囲は、前記車両前方を撮像した画像上で、前記経路に該当する道路が消失する付近又は該消失する付近よりも遠方に存在する領域であることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の経路案内装置。
【請求項7】
前記経路案内画像作成手段は、前記第1経路案内画像に該第2経路案内画像を該第1経路案内画像中の道路が消失する消失点付近の経路の方向に対して垂直となるように連結させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項8】
車両の現在位置を取得するステップと、
前記車両の現在位置から目的地までの経路を設定するステップと、
前記車両の前方を撮像するステップと、
前記撮像した映像の中から前記経路に対応する道路を抽出するステップと、
前記抽出された道路の形状に基づいて経路案内図形を作成し、該抽出された道路に該経路案内図形を重畳させるための第1経路案内画像を作成するステップと、
前記抽出されない画像遠方の所定範囲内に存在する前記経路に対応した第2経路案内画像を作成するステップと、
前記第1経路案内画像と前記第2経路案内画像とを連結させて、前記撮像した映像に重畳させた経路案内画像を提示するステップと、
を有することを特徴とする経路案内方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−292545(P2007−292545A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119230(P2006−119230)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]