説明

結晶塩酸デュロキセチン

結晶塩酸デュロキセチン、結晶塩酸デュロキセチンを含有する組成物、およびそれらの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶塩酸デュロキセチン、結晶塩酸デュロキセチンを含有する組成物、およびそれらの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塩酸デュロキセチンは、セロトニンおよびノルエピネフリンの輸送部位への結合において同程度の親和性を有する、セロトニンおよびノルエピネフリンの強力な二重再取り込み阻害剤である。塩酸デュロキセチンは、したがって、これらの作用に関する種々の疾患の治療に関与している。例えば、塩酸デュロキセチンは、抗うつ剤シンバルタTMの有効成分である。それはまた、糖尿病性神経因性疼痛および腹圧性尿失禁を標的としても用いられる。
【0003】
塩酸デュロキセチンの調製は、別途、例えば米国特許第5023269号において開示されている。デュロキセチン遊離塩基の結晶形態およびその調製は、WO2005/108386で公表されている。デュロキセチン塩酸塩の非結晶形態は、その調製とともにWO2005/019199で公表されている。
【0004】
非結晶の薬剤の結晶形態を調製するための一般に適用可能な方法はない。例えば、所定の化合物になんらかの結晶形態が存在するかどうかを、実験することなく知ることは不可能である。一度、薬剤が結晶化され得ることが見出されたとしても、結晶形態が単離され得る反復可能および定量化可能なプロセスが特定されるまでに、通常、広範囲にわたる実験が必要である。この点で、いくつかの独立した可変条件(例えば、溶媒の性質、溶媒の濃度および温度)が、適切なプロセスを解明するために正しく特定されなければならない。実際、これまで、結晶塩酸デュロキセチンの単離または製造について記載した報告はなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、塩酸デュロキセチンの結晶形態を、その製造方法とともに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面によれば、結晶塩酸デュロキセチンが提供される。
【0007】
本発明の別の局面によれば、約18.0±0.2、18.77±0.2、20.78±0.2および27.86±0.2度の2シータで表されるピークを含むX線回折パターンを示す結晶塩酸デュロキセチンが提供される。誤差度は、好ましくは±0.1である。
【0008】
本発明のさらなる局面によれば、約9.52±0.2、13.82±0.2、17.98±0.2、18.77±0.2、20.78±0.2、23.24±0.2、24.41±0.2、26.35±0.2および27.86±0.2度の2シータで表されるピークを含むX線回折パターンを示す結晶塩酸デュロキセチンが提供される。誤差度は、好ましくは±0.1である。
【0009】
本発明によって、図2に示すものと実質的に同じX線回折パターンを示す結晶塩酸デュロキセチンもまた提供される。
【0010】
さらに、約126.2、120.9、105.1、75.9および33.9ppmで表される化学シフトを含む固体C13NMRスペクトルを示す結晶塩酸デュロキセチンが提供される。必要に応じて、これらおよび他のNMRの値の公差は、±1までである。
【0011】
加えて、約151.3、146.4、135.0、126.2、120.9、105.1、75.9、49.2、38.2および33.9ppmで表される化学シフトを含む固体C13NMRスペクトルを示す結晶塩酸デュロキセチンが提供される。
【0012】
他の実施態様において、図1に示すものと実質的に同じ固体C13NMRスペクトルを示す結晶塩酸デュロキセチンが提供される。
【0013】
好ましくは、結晶塩酸デュロキセチンは、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の純度を有する。
【0014】
本発明のさらなる局面によれば、結晶塩酸デュロキセチンの調製方法が提供され、該方法は、
(a)第1の有機溶媒にデュロキセチンを溶解し、第1の溶液を形成する工程;
(b)HClを含む第2の有機溶媒溶液に該第1の溶液を添加し、第2の溶液を形成する工程;
(c)該溶液から塩酸デュロキセチンを晶出させる工程;および
(d)該結晶化した塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0015】
方法は、工程(c)の前に以下のさらなる工程もまた含み得る:
(b1)前記溶媒を除去し、残渣を形成する工程;および
(b2)第3の有機溶媒に該残渣を溶解し、第3の溶液を形成する工程。
【0016】
好ましくは、第3の有機溶媒は、CからCのエステルであり、より好ましくは、酢酸エチルである。
【0017】
好ましくは、残渣を、第3の有機溶媒に、工程(a)で用いられたデュロキセチン約3gにつき第3の有機溶媒約20mlの比率で溶解する。
【0018】
好ましくは、第1の有機溶媒は、複素環有機化合物またはCからCのニトリル化合物であり、より好ましくは、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0019】
好ましい実施態様において、第2の有機溶媒はアルコールであり、より好ましくは直鎖のまたは分岐したCからCのアルコールであり、さらに好ましくはエタノールである。
【0020】
好ましくは、デュロキセチンを、第1の有機溶媒に、デュロキセチン約3gにつき第1の有機溶媒約20mlの比率で溶解する。
【0021】
好ましい局面では、第2の有機溶媒は、約20%のHClを含む。
【0022】
第1の溶液を、約0℃にて第2の有機溶媒に添加することもまた好ましい。好ましくは、第1の溶液を、攪拌しながら第2の有機溶媒に添加する。
【0023】
好ましくは、溶媒を、減圧下で除去する。
【0024】
結晶化を最大にするために、塩酸デュロキセチンを、約0℃から約10℃で冷却している間に溶液から晶出させてもよい。好ましくは、塩酸デュロキセチンは、約10時間にわたって溶液から晶出させる。
【0025】
好ましくは、結晶化した塩酸デュロキセチンを、濾過によって収集する。好ましくは、収集された結晶化した塩酸デュロキセチンを洗浄し、次いで乾燥する。
【0026】
好ましい実施態様では、収集された結晶化した塩酸デュロキセチンを、CからCのエステルまたはCからCのニトリル化合物、より好ましくは酢酸エチルまたはアセトニトリルで洗浄する。
【0027】
好ましくは、方法は、工程(a)で用いるデュロキセチンの調製のために、以下のさらなる工程を含む:
(i)シュウ酸デュロキセチンを、第4の有機溶媒および水の溶液に投入する工程;
(ii)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(iii)分離した有機層を単離する工程;
(iv)該有機層を飽和塩水で洗浄する工程;
(v)該有機層を乾燥する工程;および
(vi)該有機層から該溶媒を除去する工程。
【0028】
好ましくは、第4の有機溶媒は、CからCのエステルであり、より好ましくは酢酸エチルである。
【0029】
好ましくは、シュウ酸デュロキセチンを、第4の有機溶媒および水の溶液に、シュウ酸デュロキセチン約39gにつき第4の有機溶媒および水の溶液約300mlの比率で投入する。
【0030】
好ましくは、第4の有機溶媒および水の溶液は、水約1mlにつき第4の有機溶媒約1mlを含有する。
【0031】
好ましくは、アンモニア水を攪拌下で添加する。
【0032】
好ましくは、水層を単離し、次いで第4の有機溶媒で洗浄する。
【0033】
好ましくは、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
【0034】
本発明の別の局面によれば、結晶塩酸デュロキセチンの調製方法が提供され、該方法は、
(a)シュウ酸デュロキセチンを、有機溶媒および水の溶液に投入する工程;
(b)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(c)分離した有機層を単離する工程;
(d)該有機層を飽和塩水で洗浄する工程;
(e)該有機層を乾燥する工程;
(f)該有機層を脱色剤で脱色する工程;
(g)該脱色剤を除去し、有機溶液を形成する工程;
(h)塩酸ガス(gaseous hydrochloride)を該有機溶液に導入する工程;および
(i)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0035】
好ましくは、有機溶媒は、CからCのエステルであり、より好ましくは、酢酸エチルである。
【0036】
好ましい実施態様において、シュウ酸デュロキセチンを、有機溶媒および水の溶液に、シュウ酸デュロキセチン約1部につき有機溶媒および水の溶液約1部の比率で投入する。
【0037】
好ましくは、有機溶媒および水の溶液は、水約1mlにつき有機溶媒約1mlを含む。
【0038】
好ましくは、アンモニア水溶液を攪拌下で添加する。
【0039】
好ましくは、収集された結晶塩酸デュロキセチンを、有機溶媒で洗浄する。
【0040】
好ましい局面では、収集された結晶塩酸デュロキセチンを、乾燥する。さらに好ましくは、収集された結晶塩酸デュロキセチンを、真空下で乾燥する。
【0041】
好ましくは、塩酸ガスを、攪拌下で導入する。好ましい方法では、塩酸ガスを、溶液のpHが約2から4に到達するまで導入する。
【0042】
本発明の別の局面によれば、結晶塩酸デュロキセチンの調製方法が提供され、該方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;および
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程、
を含む。
【0043】
好ましくは、前記方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;および
(d)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0044】
より好ましくは、前記方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;
(d)分離した有機層を単離する工程;および
(e)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0045】
さらにより好ましくは、前記方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;
(d)分離した有機層を単離する工程;
(e)該有機層を乾燥する工程;
(f)該有機層を脱色剤で脱色する工程;
(g)該有機溶媒を除去し、残渣を形成する工程;
(h)有機溶媒に該残渣を溶解する工程;および
(i)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0046】
さらにより好ましくは、前記方法は、
(a)シュウ酸デュロキセチンを、有機溶媒および水の混合物に添加する工程;
(b)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(c)分離した有機層を単離する工程;
(d)水層を塩化ナトリウムで飽和する工程;
(e)該水層を有機溶媒で抽出する工程;
(f)該有機層を合わせる工程;
(g)該有機溶液を飽和塩水で洗浄する工程;
(h)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(i)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;
(j)分離した有機層を単離する工程;
(k)該有機層を乾燥する工程;
(l)該有機層を脱色剤で脱色する工程;
(m)該脱色剤を除去し、有機溶液を形成する工程;
(n)該有機溶媒を除去し、残渣を形成する工程;
(o)有機溶媒に該残渣を溶解する工程;および
(p)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0047】
好ましくは、デュロキセチン遊離塩基は、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、THF、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、アセトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびトルエンおよびそれらの混合物から選択される有機溶媒中で提供される。
【0048】
より好ましくは、有機溶媒は酢酸エチルを含む。
【0049】
さらにより好ましくは、有機溶媒は酢酸エチルおよびジクロロメタンの混合物を含む。
【0050】
最も好ましくは、有機溶媒は5:2(w/w)の酢酸エチル:ジクロロメタンを含む。
【0051】
好ましくは、塩化アンモニウム溶液は飽和している。
【0052】
好ましくは、塩酸は希釈されている(例えば0.1M、1Mまたは2M HCl)。
【0053】
好ましくは、溶液を2から4のpHに酸性化する。
【0054】
最も好ましくは、溶液をpH約2に酸性化する。
【0055】
好ましくは、乾燥剤は無水硫酸ナトリウムである。
【0056】
好ましくは、脱色剤は活性炭である。
【0057】
好ましくは、残渣を、減圧蒸留によって有機溶媒を除去することによって形成する。
【0058】
好ましくは、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、THF、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、アセトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびトルエンおよびそれらの混合物から選択される有機溶媒に、塩酸デュロキセチン残渣を溶解し、そして結晶塩酸デュロキセチンを単離する。
【0059】
最も好ましくは、有機溶媒は酢酸エチルを含む。
【0060】
好ましくは、結晶化した塩酸デュロキセチンを濾過によって収集する。収集された結晶化した塩酸デュロキセチンを、好ましくは洗浄して、次いで乾燥する。
【0061】
したがって、本発明の好ましい実施態様は、
(a)シュウ酸デュロキセチンを、酢酸エチル、ジクロロメタンおよび水の混合物に添加する工程;
(b)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(c)分離した有機層を単離する工程;
(d)水層を塩化ナトリウムで飽和する工程;
(e)該水層をジクロロメタンで抽出する工程;
(f)該有機層を合わせる工程;
(g)該有機溶液を飽和塩水で洗浄する工程;
(h)該有機溶液と塩化アンモニウム飽和水溶液とを混合する工程;
(i)該溶液を希塩酸でpH2に酸性化する工程;
(j)分離した有機層を単離する工程;
(k)該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥する工程;
(l)該有機層を活性炭で脱色する工程;
(m)該有機溶液から該活性炭を除去する工程;
(n)該有機溶媒を減圧蒸留によって除去し、残渣を形成する工程;
(o)酢酸エチルに該残渣を溶解する工程;および
(p)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む。
【0062】
本発明のさらなる局面によれば、上記方法のいずれかによって調製された結晶塩酸デュロキセチンが提供される。
【0063】
好ましくは、結晶塩酸デュロキセチンは、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の純度を有する。
【発明の効果】
【0064】
したがって、本発明は、塩酸デュロキセチンの新規な結晶形態およびそれを調製するプロセスを記載する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の結晶形態の固体C13NMRスペクトルを示す。
【図2】本発明の結晶形態のXRDスペクトルを示す。
【図3】本発明の結晶形態のTGAおよびDTAサーモグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本明細書で開示された塩酸デュロキセチンの結晶形態は、セロトニンおよび/またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤の投与によって予防、改善または解消される種々の疾患の治療において有用であることが予想される。そのような疾患の例としては、うつ病、糖尿病性神経因性疼痛および腹圧性尿失禁、肥満、アルコール依存症、記憶喪失、不安神経症および喫煙が挙げられる。
【0067】
したがって、本発明の別の局面によれば、本明細書に記載されるような結晶塩酸デュロキセチンを含む医薬品組成物が提供される。
【0068】
さらなる局面によれば、セロトニンおよび/またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤の投与によって予防、改善または解消される疾患を治療するための組成物が提供され、該組成物は、本明細書に記載されるような結晶塩酸デュロキセチンを含む。
【0069】
好ましくは、疾患は、うつ病、糖尿病性神経因性疼痛および腹圧性尿失禁、肥満、アルコール依存症、記憶喪失、不安神経症および喫煙から選択される。
【0070】
セロトニンおよび/またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤の投与によって予防、改善または解消される疾患の治療方法もまた提供され、該方法は、本明細書に記載されるような結晶塩酸デュロキセチン、または本明細書に記載されるような医薬品組成物の治療的有効量を患者に投与する工程を含む。
【0071】
好ましくは、疾患は、うつ病、糖尿病性神経因性疼痛および腹圧性尿失禁、肥満、アルコール依存症、記憶喪失、不安神経症および喫煙から選択される。
【0072】
治療的有効量とは、本明細書に記載された疾患を予防、改善または解消し得る量をいう。
【0073】
結晶塩酸デュロキセチンは、そのためのキャリア、希釈剤または賦形剤と混合され得、そのすべてが当該分野で周知である。例えば、適切なキャリアとしては、錠剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶剤、シロップ剤、噴霧剤、軟膏剤、ソフトおよびハードゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射剤および無菌包装散剤が挙げられ得る。
【0074】
非結晶形態と比較して結晶形態の塩酸デュロキセチンを提供することには、多くの利点がある。薬剤の結晶形態は、結晶化および再結晶化によって容易に精製され得る。また、他の精製方法と比較して、大規模な結晶化の実施がより安価かつより便利である。さらに、結晶形態は、非結晶形態に比べてより安定であり得る。
【0075】
本発明の実施例を、添付の図面を参照して詳述する。
【実施例】
【0076】
まず、デュロキセチンシュウ酸塩を、EP273658で供される手順に従って調製した。次いで、デュロキセチンをシュウ酸から遊離させ、有機溶媒中の塩酸(hydrochloride)の導入によって、直接その塩酸塩(hydrochloride salt)に変換させた。
【0077】
単離された結晶塩酸デュロキセチンを、DSC、固体炭素13NMRおよびX線粉末回折によって十分に特徴づけた。
【0078】
(結晶化)
(実施例1)
反応装置に、シュウ酸デュロキセチン(40kg)、水(20kg)および酢酸エチル(20kg)を、順次添加した。次いで、濃アンモニア溶液を、すべての固体が溶解するまで、攪拌されている混合物にゆっくりと添加した。混合物の攪拌を停止し、混合物を静置し2層を形成した。分離した水層を、酢酸エチル(5kg×2)で洗浄した。合わせた有機溶液を、飽和塩水で2回洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥硫酸ナトリウムを除去した後、濾過溶液を、活性炭(100g)を添加し、室温で30分間攪拌することによって脱色した。活性炭を濾過によって除去した。得られた透明な酢酸エチル溶液に、塩酸ガスを攪拌下で酸性(pH2〜4)になるまで導入した。白い結晶固体が、酸性溶液からゆっくりと出てきた。さらに30分間攪拌することによって、より多くの固体が出てきた。白い固体を濾過によって収集し、より多くの酢酸エチルで洗浄し、次いで40〜50℃にて8時間真空下で乾燥した(乾燥した結晶固体2.4kg、収率70%、含有率99%超)。このようにして結晶形態(形態Iと称する)を得た。
【0079】
(実施例2)
遊離デュロキセチンの調製:
シュウ酸デュロキセチン(38.7g)を、酢酸エチル/水(1:1)混合物300mlに投入した。攪拌下でアンモニア水溶液を添加し、固形物を完全に溶解した。分離された水層を、酢酸エチルで2回洗浄した。次いで、合わせた有機溶液を飽和塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過溶液から溶媒を除去することによって、油状物として遊離デュロキセチン(26g)を得た。
【0080】
塩酸デュロキセチンの結晶化:
遊離デュロキセチン油状物(3g)をTHF(20ml)に溶解した。次いで、得られた溶液を、20%HClを含むエタノール溶液に0℃にて攪拌しながら添加した。添加後、減圧下で溶媒を除去した。残渣を、酢酸エチル(20ml)で溶解し、0〜10℃にて10時間冷却した。次いで、結晶デュロキセチン塩酸塩を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、そして乾燥した(2g、収率60%、m.p.156〜160℃)。材料の含有率は、HPLCで99.2%であり、そしてその光学純度は99.5%であった(キラルカラムHPLC)。DTAの結果が示すm.p.は172.9℃であった。このようにして結晶形態(形態Iと称する)を得た。
【0081】
(実施例3)
遊離デュロキセチンの調製:
シュウ酸デュロキセチン(38.7g)を、酢酸エチル/水(1:1)混合物300mlに投入した。攪拌下でアンモニア水溶液を添加し、固形物を完全に溶解した。分離された水層を、酢酸エチルで2回洗浄した。次いで、合わせた有機溶液を飽和塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過溶液から溶媒を除去することによって、油状物として遊離デュロキセチン(26g)を得た。
【0082】
塩酸デュロキセチンの結晶化:
遊離デュロキセチン油状物(3g)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、次いで、20%HClを含むエタノール溶液(2ml)を0℃にて攪拌下で溶液に添加した。溶液を0〜10℃にて10時間冷却保持した後、生成物が晶出した。結晶塩を濾過によって収集し、より多くのアセトニトリルで洗浄し、そして乾燥した(2g、収率60%、m.p.146〜153℃)。その純度は、96.5%であるように決定され、そしてその光学純度は、99.9%であった(キラルカラムHPLC)。DTAの結果が示すm.p.は167.7℃であった。このようにして結晶形態(形態Iと称する)を得た。
【0083】
(実施例4)
反応装置に、シュウ酸デュロキセチン(4.0kg)、水(20kg)、酢酸エチル(20kg)およびジクロロメタン(4kg)を、順次添加した。次いで、濃アンモニア溶液を、すべての固体が溶解するまで、攪拌されている混合物にゆっくりと添加した。混合物の攪拌を停止し、混合物を静置し2層を形成した。分離した水層を、塩化ナトリウムの添加によって飽和し、次いでジクロロメタン(2kg×2)で洗浄した。合わせた有機溶液を、飽和塩水で2回洗浄し、次いで、室温(約25から30℃)にて攪拌下で塩化アンモニウム飽和溶液(20kg)を導入し、そして希塩酸溶液を添加することによって酸性(pH=2)にした。混合物をさらに2時間攪拌し、次いで有機層を分離した。有機層に硫酸ナトリウム(無水)を添加し、次いでそれを濾過して除いた。濾液を、活性炭(100g)を添加し、室温で30分間攪拌し、次いで活性炭を濾過によって除去することによって脱色した。濾液の溶媒を減圧蒸留によって除去し、残渣を酢酸エチル(20kg)に溶解した。生成物が、溶液から白い固体として晶出し、そして混合物を30分間攪拌して、プロセスを完了させた。固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、そして40〜50℃にて8時間真空下で乾燥して、2.7kgの結晶生成物を得た。収率>70%、含有率>99%、HPLCによるエナンチオマ過剰率>99%、融点158〜160℃。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶塩酸デュロキセチンの調製方法であって、該方法は、
(a)第1の有機溶媒にデュロキセチンを溶解し、第1の溶液を形成する工程;
(b)HClを含む第2の有機溶媒溶液に該第1の溶液を添加し、第2の溶液を形成する工程;
(c)該溶液から塩酸デュロキセチンを晶出させる工程;および
(d)該結晶化した塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含み、
該第1の有機溶媒が複素環有機化合物および/またはCからCのニトリル化合物である、
方法。
【請求項2】
前記第1の有機溶媒がテトラヒドロフランまたはアセトニトリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(c)の前に、
(b1)前記溶媒を除去し、残渣を形成する工程;および
(b2)第3の有機溶媒に該残渣を溶解し、第3の溶液を形成する工程;
のさらなる工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の有機溶媒が、CからCのエステルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の有機溶媒が、酢酸エチルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記残渣を、前記第3の有機溶媒に、工程(a)で用いられたデュロキセチン約3gにつき第3の有機溶媒約20mlの比率で溶解する、請求項3から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第2の有機溶媒がアルコールである、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第2の有機溶媒がエタノールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記デュロキセチンを、前記第1の有機溶媒に、デュロキセチン約3gにつき第1の有機溶媒約20mlの比率で溶解する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記第2の有機溶媒が約20%のHClを含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第1の溶液を、約0℃にて前記第2の有機溶媒に添加する、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第1の溶液を、攪拌しながら前記第2の有機溶媒に添加する、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒を、減圧下で除去する、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記塩酸デュロキセチンを、約0℃から約10℃で冷却している間に前記溶液から晶出させる、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記塩酸デュロキセチンを、約10時間にわたって前記溶液から晶出させる、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記結晶化した塩酸デュロキセチンを、濾過によって収集する、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記収集された結晶化した塩酸デュロキセチンを洗浄し、次いで乾燥する、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記収集された結晶化した塩酸デュロキセチンを、CからCのエステルまたはCからCのニトリル化合物で洗浄する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記収集された結晶化した塩酸デュロキセチンを、酢酸エチルまたはアセトニトリルで洗浄する、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
工程(a)で用いるデュロキセチンの調製のために、以下のさらなる工程を含む、請求項1から19のいずれかに記載の方法:
(i)シュウ酸デュロキセチンを、第4の有機溶媒および水の溶液に投入する工程;
(ii)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(iii)分離した有機層を単離する工程;
(iv)該有機層を飽和塩水で洗浄する工程;
(v)該有機層を乾燥する工程;および
(vi)該有機層から該溶媒を除去する工程。
【請求項21】
前記第4の有機溶媒が、CからCのエステルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第4の有機溶媒が、酢酸エチルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記シュウ酸デュロキセチンを、前記第4の有機溶媒および水の溶液に、シュウ酸デュロキセチン約39gにつき第4の有機溶媒および水の溶液約300mlの比率で投入する、請求項20から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記第4の有機溶媒および水の溶液が、水約1mlにつき第4の有機溶媒約1mlを含有する、請求項20から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記アンモニア水を、攪拌下で添加する、請求項20から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
単離された水層を、前記第4の有機溶媒で洗浄する、請求項20から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥する、請求項20から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
結晶塩酸デュロキセチンの調製方法であって、該方法は、
(a)シュウ酸デュロキセチンを、有機溶媒および水の溶液に投入する工程;
(b)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(c)分離した有機層を単離する工程;
(d)該有機層を飽和塩水で洗浄する工程;
(e)該有機層を乾燥する工程;
(f)該有機層を脱色剤で脱色する工程;
(g)該脱色剤を除去し、有機溶液を形成する工程;
(h)塩酸ガスを該有機溶液に導入する工程;および
(i)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む、方法。
【請求項29】
前記有機溶媒がCからCのエステルである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記有機溶媒が酢酸エチルである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記シュウ酸デュロキセチンを、前記有機溶媒および水の溶液に、シュウ酸デュロキセチン約1部につき有機溶媒および水の溶液約1部の比率で投入する、請求項28から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記有機溶媒および水の溶液が、水約1mlにつき有機溶媒約1mlを含む、請求項28から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記アンモニア水溶液を攪拌下で添加する、請求項28から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記収集された結晶塩酸デュロキセチンを有機溶媒で洗浄する、請求項28から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記収集された結晶塩酸デュロキセチンを乾燥する、請求項28から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記収集された結晶塩酸デュロキセチンを真空下で乾燥する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
塩酸ガスを攪拌下で導入する、請求項28から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
塩酸ガスを前記溶液のpHが約2から4に到達するまで導入する、請求項28から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
結晶塩酸デュロキセチンの調製方法であって、該方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;および
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程、
を含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、該方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;および
(d)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む、方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法であって、該方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;
(d)分離した有機層を単離する工程;および
(e)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む、方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、該方法は、
(a)有機溶媒中にデュロキセチン遊離塩基の入った溶液を提供する工程;
(b)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(c)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;
(d)分離した有機層を単離する工程;
(e)該有機層を乾燥する工程;
(f)該有機層を脱色剤で脱色する工程;
(g)該有機溶媒を除去し、残渣を形成する工程;
(h)有機溶媒に該残渣を溶解する工程;および
(i)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む、方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法であって、該方法は、
(a)シュウ酸デュロキセチンを、有機溶媒および水の混合物に添加する工程;
(b)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(c)分離した有機層を単離する工程;
(d)水層を塩化ナトリウムで飽和する工程;
(e)該水層を有機溶媒で抽出する工程;
(f)該有機層を合わせる工程;
(g)該有機溶液を飽和塩水で洗浄する工程;
(h)該有機溶液と塩化アンモニウム水溶液とを混合する工程;
(i)該溶液を塩酸で1から4のpHに酸性化する工程;
(j)分離した有機層を単離する工程;
(k)該有機層を乾燥する工程;
(l)該有機層を脱色剤で脱色する工程;
(m)該脱色剤を除去し、有機溶液を形成する工程;
(n)該有機溶媒を除去し、残渣を形成する工程;
(o)有機溶媒に該残渣を溶解する工程;および
(p)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む、方法。
【請求項44】
前記デュロキセチン遊離塩基が、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、THF、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、アセトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびトルエンおよびそれらの混合物から選択される有機溶媒中で提供される、請求項39から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記有機溶媒が酢酸エチルを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記有機溶媒が酢酸エチルおよびジクロロメタンの混合物を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記有機溶媒が5:2(w/w)の酢酸エチル:ジクロロメタンを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記塩化アンモニウム溶液が飽和している、請求項39から47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記塩酸が希釈されている、請求項39から48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記溶液を2から4のpHに酸性化する、請求項39から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記溶液をpH2に酸性化する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥する工程を含む、請求項42から51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記脱色剤が活性炭である、請求項42から52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記残渣が、減圧蒸留によって前記有機溶媒を除去することによって形成される、請求項42から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、THF、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、アセトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびトルエンおよびそれらの混合物から選択される有機溶媒に、前記塩酸デュロキセチン残渣を溶解し、そして前記結晶塩酸デュロキセチンを単離する、請求項39から54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記有機溶媒が酢酸エチルを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
請求項43に記載の方法であって、該方法は、
(a)シュウ酸デュロキセチンを、酢酸エチル、ジクロロメタンおよび水の混合物に添加する工程;
(b)該シュウ酸デュロキセチンを溶解するために、アンモニア水溶液を添加する工程;
(c)分離した有機層を単離する工程;
(d)水層を塩化ナトリウムで飽和する工程;
(e)該水層をジクロロメタンで抽出する工程;
(f)該有機層を合わせる工程;
(g)該有機溶液を飽和塩水で洗浄する工程;
(h)該有機溶液と塩化アンモニウム飽和水溶液とを混合する工程;
(i)該溶液を希塩酸でpH2に酸性化する工程;
(j)分離した有機層を単離する工程;
(k)該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥する工程;
(l)該有機層を活性炭で脱色する工程;
(m)該有機溶液から該活性炭を除去する工程;
(n)該有機溶媒を減圧蒸留によって除去し、残渣を形成する工程;
(o)酢酸エチルに該残渣を溶解する工程;および
(p)該有機溶液から結晶塩酸デュロキセチンを収集する工程、
を含む、方法。
【請求項58】
結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項59】
約18.0±0.2、18.77±0.2、20.78±0.2および27.86±0.2度の2シータで表されるピークを含むX線回折パターンを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項60】
約9.52±0.2、13.82±0.2、17.98±0.2、18.77±0.2、20.78±0.2、23.24±0.2、24.41±0.2、26.35±0.2および27.86±0.2度の2シータで表されるピークを含むX線回折パターンを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項61】
図2に示すものと実質的に同じX線回折パターンを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項62】
約126.2、120.9、105.1、75.9および33.9ppmで表される化学シフトを含む固体C13NMRスペクトルを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項63】
約151.3、146.4、135.0、126.2、120.9、105.1、75.9、49.2、38.2および33.9ppmで表される化学シフトを含む固体C13NMRスペクトルを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項64】
図3に示すものと実質的に同じTGAサーモグラムを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項65】
図3に示すものと実質的に同じDTAサーモグラムを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項66】
図1に示すものと実質的に同じ固体C13NMRスペクトルを示す結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項67】
形態Iとして規定される、請求項58から66のいずれかに記載の結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項68】
少なくとも95%の純度を有する、請求項58から67のいずれかに記載の結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項69】
少なくとも98%の純度を有する、請求項68に記載の結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項70】
少なくとも95%の光学純度を有する、請求項58から69のいずれかに記載の結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項71】
少なくとも98%の光学純度を有する、請求項70に記載の結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項72】
請求項1から57のいずれかに記載の方法で調製された、結晶塩酸デュロキセチン。
【請求項73】
請求項58から72のいずれかに記載の結晶塩酸デュロキセチンを含む、医薬品組成物。
【請求項74】
セロトニンおよび/またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤の投与によって予防、改善または解消される疾患を治療するための組成物であって、該組成物が、請求項58から72のいずれかに記載の結晶塩酸デュロキセチンを含む、組成物。
【請求項75】
前記疾患が、うつ病、糖尿病性神経因性疼痛および腹圧性尿失禁、肥満、アルコール依存症、記憶喪失、不安神経症および喫煙から選択される、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
セロトニンおよび/またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤の投与によって予防、改善または解消される疾患を治療する方法であって、該方法が、請求項58から72のいずれかに記載の結晶塩酸デュロキセチンまたは請求項73に記載の医薬品組成物の治療的有効量を患者に投与する工程を含む、方法。
【請求項77】
前記疾患が、うつ病、糖尿病性神経因性疼痛および腹圧性尿失禁、肥満、アルコール依存症、記憶喪失、不安神経症および喫煙から選択される、請求項76に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−541291(P2009−541291A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515961(P2009−515961)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002324
【国際公開番号】WO2007/148102
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(507382784)アロー インターナショナル リミテッド (8)
【出願人】(507382256)チョンチン シェンファーシー ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】