説明

結晶製造方法及び装置、露光装置及びデバイス製造方法

【課題】 内部欠陥を低減し、内部透過率などの光学特性に優れた結晶を製造することができる結晶製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】 結晶性物質の原料が収納された坩堝を引き下げることで単結晶を成長させる結晶製造方法であって、前記原料を溶融するステップと、前記坩堝を引き下げるにつれて、前記坩堝の底部の温度が高くなる温度分布を形成するステップとを有することを特徴とする結晶製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、結晶製造方法及び装置に係り、特に、真空紫外域から遠紫外域までの短波長範囲において用いられる各種光学素子、レンズ、露光装置に好適なフッ化カルシウム(CaF)結晶の結晶製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求は益々高くなっており、かかる要求を満足するために露光解像度を高める提案が様々なされている。露光光源の波長を短くすることは解像度の向上に有効な一手段であるため、近年では、露光光源はKrFエキシマレーザー(波長約248nm)からArFエキシマレーザー(波長約193nm)になろうとしており、Fレーザー(波長約157nm)の実用化も進んでいる。
【0003】
一方、光源の短波長化に伴い、従来の硝材のほとんどが透過率不足のため使用することができなくなる。ArFエキシマレーザーの波長域では、かろうじて石英ガラス(SiO)を使用することができるが、Fレーザーの波長域では、石英ガラスさえも使用することができない。フッ化カルシウム(CaF)単結晶は、250nm以下の短波長領域の光の透過率(即ち、内部透過率)が硝材の中では高いために露光光学系に使用されるレンズや回折格子などの光学素子の光学材料として最適である。
【0004】
レンズ等の光学材料の光学特性を評価するパラメーターとしては、内部透過率に加え、レーザー光を継続的に受光した場合の透過率変化を表すレーザー耐久性、レンズの屈折率が場所によらず一定であることを表す屈折率均質性(ホモジニティー)、複屈折率及び研磨(又は加工)精度などがあり、露光装置に用いられるフッ化カルシウム単結晶には高い品質が要求される。
【0005】
フッ化カルシウム単結晶は、一般に、垂直ブリッジマン法(「坩堝降下法」としても知られる)によって製造されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。図12は、従来の垂直ブリッジマン法の結晶製造装置1000の構成を示す概略断面図である。結晶製造装置1000は、図12(a)に示すように、上及び下ヒーター1200a及び1200bと、上及び下ヒーター1200a及び1200bの周囲を囲む断熱材1300と、上及び下ヒーター1200a及び1200b、断熱材1300を収納する成長炉CGFを形成する筐体1400からなる。フッ化カルシウムの原料FMは、成長炉CGFに(上及び下ヒーター1200a及び1200bの内側)配置された坩堝1100に充填、加熱され、溶融する。坩堝1100は、図示しない昇降機構を有する支持部材1500によって引き下げられる。その結果、坩堝1100内の原料FMは冷却され、下部から固化して単結晶が成長する。
【0006】
上ヒーター1200aと下ヒーター1200bとの間には、熱断熱板1600が配置されている。これにより、上及び下ヒーター1200a及び1200bの出力を調整することで融点を中心とした一定の温度勾配(通常、1000K/m)が熱断熱板1600を配置した位置に設定される。成長炉CGFの軸方向における温度分布を図12(b)に示す。かかる温度分布によってフッ化カルシウムの原料FMの固体(結晶)と液体との境界SLI(以下、「固液界面」とする。)が固定され、坩堝1100の引き下げ速度と成長速度を等しくすることができると考えられる。高品質な単結晶を成長させるためには、成長速度を一定にして熱応力などの結晶を劣化させる因子を排除することが重要である。例えば、近年の露光装置に用いられるフッ化カルシウム単結晶としては、200mm以上の口径を有し、且つ、低い複屈折率を得るために欠陥密度の低いことが要求されている。
【特許文献1】米国特許第2149076号
【特許文献2】米国特許第2214976号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の結晶製造方法及び装置は、高品質な光学特性を有する結晶を製造することができなかった。特に、近年要求されているような大口径(例えば、口径200mm以上)の結晶となると、単結晶内部に泡状の空孔やサブグレイン(亜粒界)及びバウンダリ(多結晶化)などの内部欠陥が多く発生するようになり、高品質な結晶を得ることが難しくなる。
【0008】
このような内部欠陥は、結晶の成長速度が成長工程中に変動しているために発生することが指摘されている。特に、結晶の成長後半における急成長現象が大きな要因となっていると考えられる。
【0009】
そこで、本発明は、内部欠陥を低減し、内部透過率などの光学特性に優れた結晶を製造することができる結晶製造方法及び装置を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての結晶製造装置は、結晶性物質の原料が収納された坩堝を引き下げることで単結晶を成長させる結晶製造方法であって、前記原料を溶融するステップと、前記坩堝を引き下げるにつれて、前記坩堝の底部の温度が高くなる温度分布を形成するステップとを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の別の側面としての結晶製造装置は、結晶性物質の原料を収納し、前記原料から単結晶を成長させる坩堝と、前記坩堝の側面に配置され、前記坩堝を加熱する第1の加熱部と、前記坩堝の底面に配置され、前記坩堝を底面から加熱する第2の加熱部と、前記第1の加熱部及び前記第2の加熱部を介し、前記坩堝の底面及び側面から前記坩堝に収納された前記原料の固液界面へ放射される放射熱を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の更に別の側面としての光学素子は、上述の結晶製造方法及び/又は結晶製造装置を用いて製造される単結晶から製造されることを特徴とする。
【0013】
本発明の更に別の側面としての露光装置は、紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露光光として利用し、当該露光光を上述の光学素子を含む光学系を介して被処理体に照射して当該被処理体を露光することを特徴とする。
【0014】
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内部欠陥を低減し、内部透過率などの光学特性に優れた結晶を製造することができる結晶製造方法及び装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての結晶製造方法及び装置について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
まず、本発明者は、内部透過率などの光学特性に優れた結晶を製造することができる結晶製造方法及び装置を提供するにあたり、結晶に内部欠陥が生じる理由について鋭意検討した。以下、フッ化カルシウムの結晶を例として検討結果について説明する。
【0019】
融点以上のフッ化カルシウム(蛍石)は、イオン導電性を有するとされ、光学的に不透明であると考えられる。一方、融点以下のフッ化カルシウムは、絶縁体であると共に、透明である。従って、垂直ブリッジマン法を用いた場合、坩堝内の成長中のフッ化カルシウムは、不透明な融液と、透明な固体とを含み、かかる融液と固体とを固液界面が分離している。光学的には、図5に示すように、透明な固体(固体部)は、固液界面と坩堝の側面及び底面(内壁)で囲まれている。ここで、図5は、坩堝内のフッ化カルシウム(融液と固体とを含む)を模式的に示した図である。
【0020】
固体部の光吸収を無視すると、固液界面と坩堝内壁は、輻射によってエネルギーを授受していると考えられる(図5参照。)。なお、輻射とは、物質を介さずに、温度の高い方から低い方へ熱が伝わることをいう。このように、固液界面が輻射の境界となることは、サファイア等の酸化物の単結晶の成長時にも起きていると、「S.Brandon,D.Gazit,A.Horowitz, “Interface shapes and thermal fields during the gradient solidification method of sapphire single crystals”,Jornal of Crystal Growth 167(1996)190」において推察されている。
【0021】
輻射による固液界面と坩堝内壁とのエネルギーの授受を計算する。ここでは、図6に示すように、フッ化カルシウムの固体(固体部)は、半径R、長さLの円柱形状を有すると仮定する。なお、図6において、M1は固液界面を示し、M2は坩堝の側面を示し、M3は坩堝の底面を示している。ここで、図6は、半径及び長さの一例を設定したフッ化カルシウムの固体を模式的に示す図である。
【0022】
固液界面M1と坩堝の側面M2とのView Factor(F(1−2))及び固液界面M1と坩堝の底面M3とのView Factor(F(1−3))は、以下の数式1で表される。
【0023】
【数1】

【0024】
また、円と、かかる円からz離れた単位長さの円柱とのView FactorをFs(z)、円と、かかる円からL離れた円とのView FactorをFbとすると、Fs(z)及びFbは、以下の数式2で表される。
【0025】
【数2】

【0026】
ここで、r、θ及びαは、積分パラメーターである。
【0027】
F(1−2)とF(1−3)をL(固体の長さ)の関数として計算した結果を図7に示す。図7は、縦軸にView Factorを、横軸に固体の長さLを採用する。ここで、図7は、固液界面M1と坩堝の側面M2とのView Factorと固液界面M1と坩堝の底面M3とのView Factorをフッ化カルシウムの固体の長さの関数として計算した結果を示すグラフである。
【0028】
図7を参照するに、固液界面M1と坩堝の側面M2とのView Factor(F(1−2))は、固液界面と坩堝底面との距離(固体の長さL)が増大する(成長が進む)につれて1から減少し、固液界面と坩堝の底面との距離(固体の長さL)が固体の半径Rと等しくなると、約0.4まで小さくなる。従って、坩堝の底面から固液界面が離れるにつれて、輻射熱量が大きく減少すると考えられる。更に、坩堝の底面の温度が低くなること、及び、輻射熱量は温度の4乗に比例することを考慮すると、坩堝の底面から固液界面への輻射熱量は大きく変化しており、かかる変化が成長速度の不安定化を引き起こしていると考えられる。
【0029】
坩堝の内壁(側面及び底面)と固液界面との内部輻射によって成長速度がどのように変化するかを計算する。図8は、坩堝の内壁(側面及び底面)と固液界面との内部輻射による成長速度の変化を説明するためのモデル図である。但し、ここでは、熱伝導や対流による熱の移動は無視し、輻射のみを考慮している。
【0030】
結晶製造装置の成長炉は、上及び下ヒーターによって一定の温度勾配G1を有する温度分布が形成されている。図8(a)に示すように、時刻0において坩堝は停止しており、固液界面も静止しているとする。坩堝の底面が融点温度の位置からZだけ下がった位置にあるとき、固液界面から放射されるエネルギーと坩堝の内壁から固液界面に到達する輻射エネルギーとはつりあうという条件(以下の数式3で表される)から、坩堝の底面から固液界面までの距離Zg0を求めることができる。
【0031】
【数3】

【0032】
ここで、数式3の左辺は、融点Tmを有する固液界面から坩堝の内壁へ放射されるエネルギーであり、右辺の第1項及び第2項は、それぞれ坩堝の側面及び坩堝の底面から固液界面へ到達するエネルギーである。また、σはステファン・ボルツマン定数、εおよびεはそれぞれ固液界面及び坩堝内面(カーボン)の放射率である。T(z)及び(Tm−G)はそれぞれ坩堝側面と底面の温度である。
【0033】
を50mmとし、フッ化カルシウムの結晶成長に対する典型的な数値(ε=0.75、ε=0.80、R=150mm、T=1691K、G=1000K/m)を数式3に代入して坩堝の底面から固液界面までの距離Zg0を求めると75mmとなる。従って、図8(a)に示されるように、坩堝壁面での融点の位置と25mmずれることになる。
【0034】
次に、図8(b)に示すように、坩堝は初期位置から一定の速度Vpで引き下げられる。速度Vpが十分小さく定常状態とみなせるとき、坩堝内壁の温度は軸方向座標(Z座標)のみで決まると考えられる。従って、時刻tにおける成長速度Vg(t)は、以下の数式4で表される固液界面でのエネルギーのつりあいの条件(固化に伴って発生する潜熱)=(固液界面からの放射熱量−坩堝内壁からの輻射熱量)から求められる。
【0035】
【数4】

【0036】
ここで、ρはフッ化カルシウムの密度、Hは潜熱である。lは坩堝の底面から固液界面までの高さであり、以下の数式5で表される。
【0037】
【数5】

【0038】
数式4及び数式5から成長速度Vg(t)を求めることができる。例えば、坩堝の引き下げ速度Vpを2mm/h、1mm/h、0.5mm/hとして成長速度Vg(t)を計算した結果を図9に示す。図9は、縦軸に成長速度Vg(t)を、横軸に時刻tを採用する。
【0039】
図9を参照するに、坩堝の引き下げ速度を一定にしても成長速度は成長後半にかけて急激に増加し、特に、坩堝の引き下げ速度が大きいほど、その傾向が強くなることがわかる。成長後半における結晶の急成長の主たる原因は、坩堝の底面の温度が下がると、固液界面への輻射熱量が減少して固液界面の温度が下がってしまうため、固化速度を早めることで潜熱の発生量を増やし、輻射熱量の減少を補償しようと働くためである。
【0040】
以上のことから、結晶の成長速度を一定にするためには、坩堝の引き下げ量に応じて坩堝の底面の温度を上げることが有効であると考えられる。図10は、坩堝の引き下げ量に応じて坩堝の底面の温度を上げる場合の成長速度の変化を説明するためのモデル図である。図10(a)に示すように、結晶製造装置の成長炉の温度分布を2つの領域(温度勾配G1及びG2)に分ける。温度勾配G2の領域では、坩堝が引き下げられるほど(即ち、下降するほど)温度が高くなるように設定する(温度勾配G2<0)。
【0041】
時刻0において坩堝の底面位置で温度が最低になるような温度分布を設定する。その結果、坩堝を引き下げるにつれて、図10(b)に示すように、坩堝の底面温度は次第に上がる。坩堝の引き下げ速度Vpを1mm/hrとして、温度勾配G1を一定に維持したまま(G1=1000K/m)、温度勾配G2を変えて成長速度Vgを計算した結果を図11に示す。図11は、縦軸に成長速度Vg(t)を、横軸に時刻tを採用する。
【0042】
図11を参照するに、温度勾配G2を変化させると成長速度を制御することが可能となる。本実施形態では、温度勾配G2を−150K/mに設定した場合において、成長中、成長速度を略一定にすることができることが理解されるであろう。
【0043】
これらをふまえて、本発明の結晶製造装置及び方法を具体的に説明する。図1は、本発明の一側面としての結晶製造装置100の構成を示す概略断面図である。結晶製造装置100は、原料IDを坩堝110内で溶融し、次いで、冷却することで原料IDを結晶成長させる。結晶製造装置100は、図1(a)に示すように、坩堝110と、支持部材120と、第1の加熱部130と、第2の加熱部140と、制御部150と、断熱部材160と、筐体170とを有する。
【0044】
結晶製造装置100においては、支持部材120に支持された略円筒形の坩堝110が、略円筒形の筐体170及び断熱部材160によって画定された成長炉CGFに収納され、坩堝110の円筒面の周囲に沿って配置された第1の加熱部130によって加熱される。また、結晶製造装置100は、成長炉CGFを減圧又は真空環境に維持する排気装置EMを備えている。
【0045】
坩堝110は、結晶性物質(本実施例では、フッ化カルシウム)の原料IDを収納する。坩堝110は、結晶性物質の原料IDを溶融、保持及び結晶成長させるため、融液と反応せず不純物含有量の少ない材質、例えば、カーボン、プラチナ、石英ガラス、窒化ホウ素など、から構成されることが好ましい。例えば、結晶性物質の原料IDとしてフッ化カルシウム(1500℃の熱伝導率3W/m℃)を用いる場合、坩堝110をカーボン(1500℃の熱伝導率50W/m℃)から構成するとその熱伝導率の差は10倍以上となり好ましい。
【0046】
坩堝110は、種結晶を収納する収納部を底面110aに有することが好ましい。種結晶(即ち、ある結晶方位を有する大きな単結晶を成長させるときに種子として用いる結晶)を任意の方向に配向して収納部に配置することにより、成長させる結晶面方位を制御することができる。換言すれば、成長する全体の結晶がどの面方位となるかは主に成長領域の部分が熱容量的にどこが支配的であるかにより決定されるため、面方位は種結晶とそろえることができる。坩堝110は、坩堝110の底面110aにおいて支持部材120に連結して成長路CGFの中央部に配置される。
【0047】
支持部材120は、筐体170の底部を貫通し、上部が成長炉CGFに達する。支持部材120は、坩堝110と坩堝110中の融液重量を支持し、図示しない坩堝昇降機構を有する。坩堝昇降機構は、例えば、支持部材120に接続されたモーターと、モーターを通電する電源と、電源を制御する制御機構とから構成され、モーターへの電源による通電を制御機構が制御することにより、支持部材120を介して坩堝110を第1の加熱部130の加熱領域から非加熱領域へ移動して坩堝110の温度を徐々に下げることができる。更に、支持部材120は、図示しない回転機構を有し、かかる回転機構を介して坩堝110を回転できるように構成してもよい。支持部材110による坩堝110の回転は、坩堝110の温度を均一にするために行われる。
【0048】
第1の加熱部130は、坩堝110の側面を加熱する加熱領域を形成する機能を有し、本実施形態では、上ヒーター132と、下ヒーター134と、断熱板136とを有する。上ヒーター132及び下ヒーター134は、坩堝110の側面に対してリング状に配置され、坩堝110ごと原料IDを加熱し、これを溶融する。本実施形態の上ヒーター132及び下ヒーター134は、坩堝110の側面の鉛直方向に沿って均一な加熱力で坩堝110を加熱する。なお、第1の加熱部130を上ヒーター132と下ヒーター134というように多段構成とすることで、成長炉CGF内の温度を精密に制御することができる。また、断熱板136は、上ヒーター132と下ヒーター134との間に配置される。これにより、上ヒーター132及び下ヒーター134の出力を調整することで融点を中心とした一定の温度勾配が、断熱板136を配置した位置に設定される。
【0049】
第2の加熱部140は、坩堝110の底面110aを加熱する機能を有し、本実施形態では、底ヒーター142a及び142bから構成される。底ヒーター142a及び142bは、支持部材120を挟むように、成長炉CGF内に配置され、坩堝110の底面110aに輻射熱量を供給する。これにより、底ヒーター142a及び142bは、坩堝110の底面110aに対して均一に輻射熱量を与えることができる。但し、第2の加熱部140は、第1の加熱部130と異なり、坩堝110に収納された原料IDが溶融するほどの熱は与えない。第2の加熱部140を底ヒーター142a及び142bというように分割して構成とすることで、成長炉CGF内の温度勾配を精密に制御することができる。
【0050】
制御部150は、結晶製造装置100の各部の動作を制御する。制御部150は、特に、坩堝110内の原料ID及び成長炉CGFの温度、即ち、成長炉CGFの温度勾配を制御する。制御部150は、本実施形態では、図示しない温度検出器(例えば、熱伝対などの温度計)が検出した成長炉CGFの温度及び/又は坩堝110(が収納する原料ID)の温度を基に、第1の加熱部130及び第2の加熱部140を制御する。また、制御部150は、支持部材120を制御して坩堝110の高さを制御する。制御部150は、支持部材120、第1の加熱部130及び第2の加熱部140の制御を介して、図1(b)に示すような、坩堝110を引き下げると坩堝110の底面110aの温度が高くなる温度勾配を成長炉CGFに形成することができる。換言すれば、制御部150は、坩堝110の底面110a及び側面から原料IDの固液界面へ放射される放射熱を制御する。これにより、坩堝110に収納されている原料IDの成長速度の制御が可能となり、結晶成長時にみられる成長速度の不安定性を排除することができる。
【0051】
断熱部材160は、第1の加熱部130及び第2の加熱部140を取り囲むように成長炉CGFの内側面に近接して配置される。断熱部材160は、内面がよく研磨されたグラファイト製を使用し、第1の加熱部130及び第2の加熱部140の熱から筐体170内面を保護する。
【0052】
筐体170は、結晶成長に際して成長炉CGF内の雰囲気を外気から遮断すると共に、成長炉CGF内の減圧又は真空環境を維持する。筐体170は、例えば、ステンレス製の二重円筒等を用いて、図示しない断熱材を二重円筒内に配置することにより構成される。
【0053】
結晶製造装置100の動作について説明する。なお、原料IDに使用するフッ化カルシウムとしては、原石(天然蛍石)ではなく、CaCOをフッ酸で処理して化学合成された高純度フッ化カルシウム粉末を一度溶融し、固化させた(即ち、精製)後の粉砕品を用いる。これは、高純度フッ化カルシウムでは溶融したときの体積減少が大きく、坩堝110のサイズに対して得られる結晶のサイズが著しく小さくなってしまうためである。
【0054】
まず、フッ化カルシウムの種結晶を坩堝110の図示しない収納部にセットし、粉砕された原料IDを坩堝110に充填し、成長炉CGFを排気装置EMを操作することにより10−3Pa乃至10−4Pa程度の真空度に維持する。
【0055】
次に、種結晶はフッ化カルシウムの融点以下である1350度程度、種結晶以外のフッ化カルシウムの原料IDは融点以上となる1450度程度になるように成長炉CGFを第1の加熱部130により加熱する。その後、第2の加熱部140によって坩堝110の底部110aを加熱すると共に、坩堝110を引き下げ、坩堝110の底面110aより徐々に結晶化させる。このとき、成長炉CGF内の温度勾配は、制御部150によって、坩堝110の引き下げ量に応じて坩堝110の底面110aの温度が上がるように設定されているため、原料IDの成長速度を一定にすることができる。この結果、口径200mm以上の大口径の結晶であっても内部欠陥の少ない単結晶を製造することができる。
【0056】
このようにして成長させたフッ化カルシウム結晶は、急冷すると割れたりするため、温度降下に十分注意しながら室温に戻す。この状態ではフッ化カルシウム結晶中には大きな残留応力と歪みがあるため、熱処理(アニール)を行う。
【0057】
その後、本発明の結晶製造装置100によって得られたフッ化カルシウム結晶を必要とされる光学素子に形成する。光学素子は、レンズ、回折素子、光学膜体及びそれらの複合体、例えば、レンズ、マルチレンズ、レンズアレイ、レンチキュラーレンズ、ハエの目レンズ、非球面レンズ、回折格子、バイナリーオプティックス素子及びそれらの複合体を含む。また、光学素子は、単体のレンズ等に加えて(例えば、フォーカス制御用の)光センサーなどを含む。必要に応じて、反射防止膜をフッ化カルシウム結晶の光学部品表面に設けるとよい。反射防止膜としては、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウム、酸化タンタルが好適に用いられ、これらは抵抗加熱による蒸着や電子ビーム蒸着やスパッタリングなどで形成できる。本発明により得られた光学素子は、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れているため、従来の光学素子よりも光学性能が向上している。
【0058】
本発明の光学素子を各種組み合わせれば、ArFエキシマレーザー、Fレーザーに適した投影光学系、照明光学系を構成することができる。そして、各種レーザー光源と、本発明の結晶製造装置100から得られたフッ化カルシウムからなるレンズを有する光学系と、ウェハを移動させ得るステージとを組み合わせてフォトリソグラフィー用の露光装置を構成することができる。
【0059】
以上、説明したように、本発明の結晶製造装置100によれば、第2の加熱部140及び制御部150を介して、成長炉CGFの温度勾配を坩堝110の引き下げ量に応じて坩堝110の底面110aの温度が上がるように設定することが可能となる。その結果、結晶の成長速度が安定し、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を製造することができる。
【0060】
以下、図2を参照して、本発明の例示的な露光装置500について説明する。ここで、図2は、本発明の露光装置500の構成を示す概略ブロック図である。露光装置500は、図2に示すように、回路パターンが形成されたレチクル520を照明する照明装置510と、照明されたレチクルパターンから生じる回折光をプレート540に投影する投影光学系530と、プレート540を支持するステージ545とを有する。
【0061】
露光装置500は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクル520に形成された回路パターンをプレート540に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、レチクルに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してレチクルパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」とは、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
【0062】
照明装置510は、転写用の回路パターンが形成されたレチクル520を照明し、光源部512と、照明光学系514とを有する。
【0063】
光源部512は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができるが、光源の種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、波長約153nmのFレーザーやYAGレーザーを使用してもよいし、その光源も個数も限定されない。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー間相互のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。更にスペックルを低減するために光学系を直線的又は回動的に揺動させてもよい。また、光源部512にレーザーが使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部512に使用可能な光源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
【0064】
照明光学系514は、レチクル520を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系514は、軸上光、軸外光を問わずに使用することができる。オプティカルインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。かかる照明光学系514のレンズなどの光学素子に本発明のフッ化カルシウム結晶から製造される光学素子を使用することができる。
【0065】
レチクル520は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル520から発せられた回折光は、投影光学系530を通りプレート540上に投影される。レチクル520とプレート540は、光学的に共役の関係にある。本実施形態の露光装置500はスキャナーであるため、レチクル520とプレート540を縮小倍率比の速度比でスキャンすることによりレチクル520のパターンをプレート540上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)の場合は、レチクル520とプレート540を静止させた状態で露光が行われる。
【0066】
投影光学系530は、物体面であるレチクル520上のパターンを反映する光を像面であるプレート540上に投影する光学系である。投影光学系530は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。かかる投影光学系530のレンズなどの光学素子に本発明のフッ化カルシウム結晶から製造される光学素子を使用することができる。
【0067】
プレート540は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板やその他の被処理体を広く含む。プレート540には、フォトレジストが塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前処理は、洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexamethyl−disilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プリベークは、ベーキング(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0068】
ステージ545は、プレート540を支持する。ステージ545は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ545は、リニアモーターを利用してXY方向にプレート540を移動することができる。レチクル520とプレート540は、例えば、同期走査され、ステージ545と図示しないレチクルステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。ステージ545は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ及び投影光学系530は、例えば、床等に載置されたベースフレーム上にダンパを介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0069】
露光において、光源部514から発せられた光束は、照明光学系514によりレチクル520を、例えば、ケーラー照明する。レチクル520を通過してレチクルパターンを反映する光は、投影光学系530によりプレート540上に結像される。露光装置500が使用する照明光学系514及び投影光学系530は、本発明によるフッ化カルシウムから製造される光学素子を含んで、紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を高い透過率で透過するので、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0070】
次に、図3及び図4を参照して、上述の露光装置500を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図3は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて本発明のリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0071】
図4は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、上述の露光装置500によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置500を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明の結晶製造装置は、結晶性物質の原料を精製する精製装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一側面としての結晶製造装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【図5】坩堝内のフッ化カルシウムを模式的に示した図である。
【図6】半径及び長さの一例を設定したフッ化カルシウムの固体を模式的に示す図である。
【図7】固液界面と坩堝の側面とのView Factorと固液界面と坩堝の底面とのView Factorをフッ化カルシウムの固体の長さの関数として計算した結果を示すグラフである。
【図8】坩堝の内壁(側面及び底面)と固液界面との内部輻射による成長速度の変化を説明するためのモデル図である。
【図9】坩堝の引き下げ速度を2mm/h、1mm/h、0.5mm/hとしたときの成長速度を示すグラフである。
【図10】坩堝の引き下げ量に応じて坩堝の底面の温度を上げる場合の成長速度の変化を説明するためのモデル図である。
【図11】図11は、温度勾配G1を一定として温度勾配G2を変化させたときの成長速度を示すグラフである。
【図12】従来の垂直ブリッジマン法の結晶製造装置の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0074】
100 結晶製造装置
110 坩堝
110a 底面
120 支持部材
130 第1の加熱部
140 第2の加熱部
142及び144 底ヒーター
150 制御部
160 断熱部材
170 筐体
500 露光装置
510 照明装置
514 照明光学系
530 投影光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性物質の原料が収納された坩堝を引き下げることで単結晶を成長させる結晶製造方法であって、
前記原料を溶融するステップと、
前記坩堝を引き下げるにつれて、前記坩堝の底部の温度が高くなる温度分布を形成するステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【請求項2】
前記原料は、フッ化カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の結晶製造方法。
【請求項3】
結晶性物質の原料を収納し、前記原料から単結晶を成長させる坩堝と、
前記坩堝の側面に配置され、前記坩堝を加熱する第1の加熱部と、
前記坩堝の底面に配置され、前記坩堝を底面から加熱する第2の加熱部と、
前記第1の加熱部及び前記第2の加熱部を介し、前記坩堝の底面及び側面から前記坩堝に収納された前記原料の固液界面へ放射される放射熱を制御する制御部とを有することを特徴とする結晶製造装置。
【請求項4】
前記坩堝を昇降可能に支持する支持部材を更に有し、
前記制御部は、前記支持部材を介して、前記坩堝の引き下げ量を制御することを特徴とする請求項3記載の結晶製造装置。
【請求項5】
前記原料は、フッ化カルシウムであることを特徴とする請求項3記載の結晶製造装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の結晶製造方法を用いて製造される単結晶から製造されることを特徴とする光学素子。
【請求項7】
請求項3乃至5のうちいずれか一項記載の結晶製造装置を用いて製造される単結晶から製造されることを特徴とする光学素子。
【請求項8】
レンズ、回折格子、光学膜体及びそれらの複合体の一であることを特徴とする請求項6又は7記載の光学素子。
【請求項9】
紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露光光として利用し、当該露光光を請求項6乃至8のうちいずれか一項記載の光学素子を含む光学系を介して被処理体に照射して当該被処理体を露光することを特徴とする露光装置。
【請求項10】
請求項9記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−16241(P2006−16241A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195082(P2004−195082)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】