給電プラグロック装置
【課題】簡単な作業で給電プラグをインレットにロックすることができる給電プラグロック装置を提供する。
【解決手段】給電プラグをインレットに固定するには、給電プラグロック装置23をロックアーム17の操作部20に取り付ける。このとき、一対の規制部材31,31が操作部20に押されて互いに離間する方向に動き、係止溝47,48が揃うと、ロックプレート42が付勢部材43により係止溝47,48に半嵌合する。規制部材31,31が付勢部材33,33により操作部20の係止穴32,32に入り込む動きをとり、規制部材31,31がロックプレート42から離れると、ロックプレート42が係止溝47,48に全嵌合する。このとき、規制部材31,31はロックプレート42により背面が支持され、ロック状態が維持される。
【解決手段】給電プラグをインレットに固定するには、給電プラグロック装置23をロックアーム17の操作部20に取り付ける。このとき、一対の規制部材31,31が操作部20に押されて互いに離間する方向に動き、係止溝47,48が揃うと、ロックプレート42が付勢部材43により係止溝47,48に半嵌合する。規制部材31,31が付勢部材33,33により操作部20の係止穴32,32に入り込む動きをとり、規制部材31,31がロックプレート42から離れると、ロックプレート42が係止溝47,48に全嵌合する。このとき、規制部材31,31はロックプレート42により背面が支持され、ロック状態が維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリ残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。同文献のシステムでは、充電ケーブル先端の給電プラグを車両に接続して、車両バッテリを充電する。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電界反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。よって、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に接続した際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の給電プラグロック装置としては、例えば南京錠でロックアームを固定する方式が考案されている。しかし、この方式では、給電プラグをロックするとき、南京錠のツルを外し、ツルを穴に通すという作業をユーザに課すため、ロック作業が面倒である問題があった。また、南京錠は一般に市場に広く出回っているため、施錠しないで充電しているとき、市販の南京錠で勝手(いたずら)に給電プラグがロックされてしまう可能性もあった。
【0006】
本発明の目的は、簡単な作業で給電プラグをインレットにロックすることができる給電プラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットに給電プラグが接続されたとき、前記給電プラグに設けられた操作アームが前記インレット側の突部に抜け止めの係止をとり、この状態下で、前記操作アームの操作を規制することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、錠部材と、前記操作アームに係止可能な規制部材と、前記操作アームに係止された前記規制部材の位置状態を保持可能な位置保持機構とを備え、前記操作アームに取り付けられるとき、この取り付けに伴って開きから閉じの動きをとる前記規制部材に連動して、前記位置保持機構がそれまでのアンロック状態から、前記規制部材の位置を保持するロック状態となり、当該ロック状態の前記位置保持機構を、前記錠部材の認証が合っていなければ元のアンロック状態に戻せなくすることにより、前記給電プラグを前記インレットにロックすることを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、給電プラグロック装置を操作アームに取り付けるだけで、給電プラグをインレットにロックすることが可能となる。よって、給電プラグロック装置を操作アームに単に取り付けるだけという簡単な作業で給電プラグのロックが可能となるので、ロック作業の面倒さを解消することが可能となる。また、本構成の給電プラグロック装置を所持していないと給電プラグをロックすることができないので、第三者による勝手なロックも防止可能となる。
【0009】
本発明では、前記規制部材は、互いに離間又は接近する動きをとるよう一対設けられ、前記位置保持機構は、一対の前記規制部材が両方動かされたときにのみ、前記ロック状態に移行可能であることを要旨とする。この構成によれば、一対の規制部材の一方を仮に誤って押し込んでしまっても、給電プラグロック装置はロック状態に切り換わってしまわない。よって、意図せぬロックへの切り換えが防止される。
【0010】
本発明では、前記位置保持機構は、前記規制部材をロック位置にて保持可能な可動部材と、前記可動部材を前記ロック位置で保持可能なロック部材とを備え、前記規制部材が開きの動きをとるとき、その過程で前記可動部材が付勢部材の付勢力により前記ロック部材側に移動して前記錠部材から離れ、当該可動部材が前記ロック部材を引込位置で固定するとともに、前記規制部材を突出位置で固定することで、前記給電プラグをインレットにロックすることを要旨とする。この構成によれば、可動部材及びロック部材を使用した簡素な構成により、給電プラグのロックが可能となる。
【0011】
本発明では、前記可動部材は、1つ設けられ、前記ロック部材は、当該可動部材を挟んで一対設けられ、2つの前記ロック部材を、1つの前記可動部材によって前記引込位置で固定することを要旨とする。この構成によれば、規制部材を一対有する給電プラグロック装置において、1つの可動部材と2つのロック部材とを使用した簡素な構成により、給電プラグのロックが可能となる。
【0012】
本発明では、ロック状態の前記位置保持機構をアンロック状態に解除する際に操作する解錠機構を備えたことを要旨とする。この構成によれば、ロック時において解錠機構を操作すれば、ロック状態の給電プラグロック装置がアンロック状態となる。よって、給電プラグロック装置を操作アーム(給電プラグ)から取り外すことが可能となる。
【0013】
本発明では、前記規制部材には、取り付け時において前記規制部材が前記操作アームに係止するとき、当該規制部材の動きを案内する曲面状の案内面が形成されていることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置を操作アームに取り付けるとき、規制部材の動きが案内面にて案内される。よって、給電プラグロック装置を操作アームにスムーズに取り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な作業で給電プラグをインレットにロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態の車両の構成図。
【図2】給電プラグ及びインレットの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグをインレットに接続するときの外観を示す斜視図。
【図4】(a)は給電プラグロック装置を上面から見た斜視図、(b)は給電プラグロック装置を裏面から見た斜視図。
【図5】アンロック状態の給電プラグロック装置の正面図。
【図6】アンロック状態の給電プラグロック装置の側面図。
【図7】ロック状態の給電プラグロック装置の正面図。
【図8】ロック状態の給電プラグロック装置の側面図。
【図9】(a)〜(c)は、ロックプレート及びロッキングバーがアンロックからロックに切り換わるときの動きを示す遷移図。
【図10】(a)はリンク機構の正面図、(b)はリンク部材の先端部分を拡大した平面図。
【図11】(a),(b)は、ロック動作途中の動きを示す遷移図。
【図12】ロックを解錠するときの操作状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2及びモータ3を利用して発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。また、車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム6が設けられている。充電システム6は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備7として、充電設備7の充電ケーブル8の先端に設けられた給電プラグ9を車両1に接続してバッテリ5を充電する。
【0017】
図1及び図2に示すように、車体10の側壁には、給電プラグ9の接続箇所として受電コネクタ11が設けられている。受電コネクタ11は、横開き式のリッド12によって開閉される収納室13に収納されている。受電コネクタ11には、電気接続端子(パワー端子、制御端子等)を有するインレット14が設けられている。インレット14には、給電プラグ9がインレット14に完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ15が設けられている。
【0018】
図2及び図3に示すように、給電プラグ9は、充電システム6の電源側であって、受電コネクタ11と同様の電気接続端子を有する。給電プラグ9のプラグ本体16には、接続時の抜け止めとしてロックアーム17が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム17は、長手方向中央を回動軸18として、長手方向と交差する方向に揺動操作可能である。ロックアーム17は、先端の爪部19と根元のアーム操作部20とがプラグ本体16の外部に露出されている。ロックアーム17には、アーム操作部20寄りの位置に、ロックアーム17を閉じ側に常時付勢する付勢部材21が設けられている。なお、ロックアーム17が操作アームに相当する。
【0019】
給電プラグ9を受電コネクタ11に接続するには、給電プラグ9をインレット14へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部19がインレット14の突部22に当接すると、ロックアーム17は斜面22aに案内されて突部22を上る。そして、給電プラグ9がインレット14に完挿されると、付勢部材21の付勢力によってロックアーム17が閉じ側に揺動する。このため、爪部19が突部22に引っ掛かり、給電プラグ9がインレット14に抜け止めされる。
【0020】
ハイブリッドシステム4は、給電プラグ9がインレット14に完挿されたことをプラグ接続検出センサ15により確認すると、給電プラグ9(充電設備7)にバッテリ5の充電を実行させる。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電になったことを確認すると、給電プラグ9に充電を終了させる。充電終了後、給電プラグ9をインレット14から取り外す際には、アーム操作部20を押してロックアーム17を開き側に揺動操作し、突部22から離間する。そして、この状態で給電プラグ9をインレット14から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0021】
図2及び図3に示すように、受電コネクタ11には、インレット14に接続された給電プラグ9の不正取り外しを防止する給電プラグロック装置23が設けられている。本例の給電プラグロック装置23は、給電プラグ9のロックを、給電プラグ9側で行うものとなっている。特に、本例の場合、給電プラグロック装置23を給電プラグ9のロックアーム17に取り付けて、給電プラグロック装置23によってロックアーム17の操作を不可とすることにより、給電プラグ9をインレット14にロックする。
【0022】
図4〜図8に示すように、給電プラグロック装置23のケース24の底面には、ロックアーム17のアーム操作部20を嵌め込み可能な係入穴25が設けられている。よって、本例の給電プラグロック装置23を給電プラグ9に取り付ける(セットする)ときは、係入穴25にアーム操作部20を嵌め込むことによって、給電プラグ9に取り付け固定する。
【0023】
図5〜図8に示すように、ケース24内には、ロックアーム17の動きを固定可能なロック機構26が設けられている。ロック機構26には、ロック機構26の認証箇所としてダイヤルシリンダ27が設けられている。ダイヤルシリンダ27には、複数の操作ダイヤル28,28…が装置奥行き方向(図6のY軸方向)に整列して設けられ、これら操作ダイヤル群が内部のダイヤル回動軸29に回動可能に軸支されている。各操作ダイヤル28には、ダイヤルシリンダ27の暗証番号に応じた所定位置に溝を有するダイヤル連結歯車30が各々設けられている。なお、ダイヤルシリンダ27が錠部材に相当する。
【0024】
ロック機構26には、アーム操作部20に対する係止箇所として対向配置された一対の規制部材(かんぬき)31,31が、装置幅方向(図5のX軸方向)に直線往復移動可能に設けられている。規制部材31,31は、先端側が係入穴25に露出し、給電プラグロック装置23がアーム操作部20に取り付けられたとき、アーム操作部20の両側面に設けられた係止穴32,32に係止する。規制部材31は、背面側から付勢部材33,33によって外方向に常時付勢され、根元のストッパ部34,34によって抜け止めされている。なお、付勢部材33が位置保持機構を構成する。
【0025】
規制部材31の下面の角には、係止穴32への規制部材31のスムーズな入り込みを確保する案内面35が形成されている。案内面35は、規制部材31の下面の角を曲面状とすることで形成される。また、規制部材31の上面の角には、係止穴32に引っ掛かった規制部材31を外れ難くする抜止角部36が設けられている。抜止角部36は、規制部材31の角を約90度の出っ張りとすることにより形成される。
【0026】
ロック機構26には、規制部材31,31を背面側から支持する一対のロッキングバー37,38が、装置幅方向に直線往復移動可能に設けられている。本例の場合、図6及び図7の紙面左側を第1ロッキングバー37とし、紙面右側を第2ロッキングバー38とする。これらロッキングバー37,38は、正面視において英大文字Lを約90度回転させた位置、かつ左右対称となる向きに配置されている。なお、第1ロッキングバー37及び第2ロッキングバー38が位置保持機構(ロック部材)を構成する。
【0027】
図9(a)〜(c)に示すように、第1ロッキングバー37の上片である連結片37aには、第2ロッキングバー38の上片である連結片38aが挿し込まれるレール部39が凹設されている。よって、ロッキングバー37,38は、レール部39に沿って装置幅方向に互いに接近/離間する直線移動が可能である。
【0028】
第1ロッキングバー37は、装置高さ方向(図8のZ軸方向)に延びる支持片37bにて規制部材31を背面側から支持可能である。ケース24の内面と支持片37bとの間には、第1ロッキングバー37を内部方向に常時付勢する付勢部材40が設けられている。第2ロッキングバー38は、装置高さ方向に延びる支持片38bにて規制部材31を背面側から支持可能である。ケース24の内面と支持片38bとの間には、第2ロッキングバー38を内部方向に常時付勢する付勢部材41が設けられている。なお、付勢部材40,41が位置保持機構を構成する。
【0029】
規制部材31,31が互いに離間するよう開き方向(図9の矢印K1方向)に直線移動するとき、第1ロッキングバー37が規制部材31に押され、第2ロッキングバー38が規制部材31に押され、それぞれが一体となって開き方向に移動する。また、規制部材31,31は、付勢部材33,33の付勢力により、互いに接近するよう閉じ方向(図9の矢印S1方向)に移動する。第1ロッキングバー37及び第2ロッキングバー38は、付勢部材40,41の付勢力により互いに接近するよう閉じ方向(図9の矢印S1方向)に移動する。
【0030】
図5〜図8に示すように、ロック機構26には、ロッキングバー37,38と協同してロック機構26をロック状態にするロックプレート42が、装置高さ方向(図5のZ軸方向)に直線往復移動可能に設けられている。ケース24の内面とロックプレート42の間には、ダイヤルシリンダ27を挟んで一対の付勢部材43,43が設けられている。ロックプレート42の両側には、規制部材31,31を背面から支持可能な一対の規制片42a,42aが突設されている。ロックプレート42が付勢部材43の付勢力によりロック方向(図7の矢印K2方向)に移動して規制片42a,42aが規制部材31,31の背面に位置すると、規制部材31,31の動きが突出位置にて保持される。なお、ロックプレート42が位置保持機構(可動部材)を構成し、付勢部材43も位置保持機構を構成する。
【0031】
ロックプレート42の上片である本体部42bの上面には、操作ダイヤル28に向かって突出する突起44が、各操作ダイヤル28と組をなすように複数形成されている。突起44は、ダイヤル回動軸29に沿って整列し、各ダイヤル連結歯車30に凹設された正規溝45に各々が係止可能となっている。操作ダイヤル28,28…の数字が正しく並んで正規溝45がダイヤル回動軸29に沿って整列すると、各突起44が対応する正規溝45に全て入り込み可能となるので、ロックプレート42の上下動が許容される。
【0032】
ロックプレート42の本体部42bの下面には、板状の突起46がロッキングバー37,38に向かって突設されている。また、第1ロッキングバー37の連結片37aの上面には、突起46が入り込み可能な係止溝47が形成され、第2ロッキングバー38の連結片38aの上面にも、同様の係止溝48が形成されている。図9(a)に示すように、ロッキングバー37,38が互いに接近方向に移動していて係止溝47,48の位置が揃っていないと、突起46は連結片37a,38aの上面に乗る。図9(b),(c)に示すように、ロッキングバー37,38が互いに接近方向に移動して係止溝47,48がそろうと、突起46は係止溝47,48の入り込み可能となる。このとき、ロックプレート42は、一対のロッキングバー37,38を引込位置にて保持する。
【0033】
図5及び図6に示すように、給電プラグロック装置23は、ロックプレート42が上に持ち上がり、ロックプレート42とロッキングバー37,38とが係止しない状態をとっているとき、規制部材31,31の動きが許可されたアンロック状態をとる。一方、図7及び図8に示すように、ロッキングバー37,38が互いに離間する方向に動いて係止溝47,48が揃い、ロックプレート42が付勢部材43により下がって突起46が係止溝47,48に係止することにより、規制部材31,31を背面側から支持する状態をとるとき、規制部材31,31の動きが規制されたロック状態をとる。
【0034】
図4、図6及び図8に示すように、ロック機構26には、給電プラグロック装置23のロック状態を解除して元のアンロック状態に戻す解錠機構49が設けられている。この場合、ケース24の装置奥行き方向の両側面には、押し操作式の一対の解錠ボタン50,50が設けられている。一対の解錠ボタン50,50は、例えば人差し指で解錠ボタン50に触れ、親指で解錠ボタン50に触れ、これらを摘むようにして操作される。
【0035】
図6及び図8に示すように、各解錠ボタン50,50は、リンク機構51,51を介して規制部材31,31に連結されている。図10(a)に示すように、リンク機構51は、一対のリンク部材52,52が交差配置され、その交差箇所を回動軸53として回動可能にケース24に取り付けられている。各リンク部材52,52の下端には、長孔54,54が形成され、この長孔54,54に、規制部材31の側面に突設された連結突55,55が係合されている。
【0036】
図10(b)に示すように、リンク部材52,52の上端には、押し操作された解錠ボタン50を元の位置に押し戻す一対の押し面56,56が形成されている。押し面56,56は、リンク部材52の上端を内面側に折り曲げることにより形成され、2つでテーパ状の山を形成する。押し面56,56には、解錠ボタン50の下部に形成されたピン状を呈する押込突57が当接可能となっている。
【0037】
図6及び図8に示すように、ロックプレート42の長手方向の両端面には、面が下方を向く斜面部58,58が設けられている。また、解錠ボタン50の背面において上部寄りの位置には、斜面部58を押し込み可能な持上部59が突設されている。
【0038】
給電プラグロック装置23が図8に示すロック状態のとき、解錠ボタン50,50が押し操作されると、押込突57が押し面56,56を押し、リンク部材52,52が開き方向(図10の矢印S3方向)に回動する。つまり、規制部材31,31が開き方向に互いに離間する。また、この操作時、持上部59が斜面部58を押し、ロックプレート42がアンロック方向(図5の矢印S2方向)に直線移動する(上方に持ち上げる)ことが可能である。
【0039】
次に、本例の給電プラグロック装置23の動作態様を、図5〜図12を用いて説明する。
給電プラグロック装置23は、給電プラグ9にセットされていないとき、図5及び図6に示すアンロック状態をとる。このとき、各操作ダイヤル28は正しい数字に合わされているので、正規溝45がダイヤル回動軸29方向に整列する。よって、全ての突起44が正規溝45に入り込むことが可能であるため、ロックプレート42はアンロック方向(図5の矢印S2方向)に持ち上がり可能であり、結果、ロッキングバー37,38の上面(アンロック位置)に位置する。
【0040】
ロックプレート42がアンロック位置をとるとき、規制片42a,42aは規制部材31,31の背面側に飛び出していないので、規制部材31,31はロック状態をとらない。つまり、規制部材31,31は、互いに離間する開き方向(図9の矢印K1方向)に直線移動可能である。また、ロックプレート42は付勢部材43によってロック方向(下方向)に付勢されているが、図9(a)に示すように、突起46がロッキングバー37,38の連結片37a,38aの上に乗るので、アンロック位置が保持される。
【0041】
給電プラグ9をインレット14にロックするときは、給電プラグロック装置23をロックアーム17のアーム操作部20に取り付け固定する。このとき、図11(a)に示すように、アーム操作部20が係入穴25に入り込む過程で、アーム操作部20に押されて規制部材31,31が互いに開き方向(図11(a)の矢印K1方向)に離間する動きをとる。規制部材31,31が開き方向に動くと、この動きに伴って、2枚のロッキングバー37,38も、互いに開き方向に離間する動きをとる。
【0042】
このとき、第1ロッキングバー37の係止溝47と第2ロッキングバー38の係止溝48とが揃うと、ロックプレート42のロック方向への移動が可能となるので、ロックプレート42が付勢部材43の付勢力にて下に動く。なお、ここでは、ロックプレート42が規制部材31,31の上面に乗るため、最下位置まで下がる動作はとることができず、図9(b)に示すように、突起46が係止溝47,48に半分だけ入った状態(半嵌合状態)となる。つまり、ロッキングバー37,38が引込位置(開いた状態)で保持される。なお、この状態のとき、ロックプレート42は規制部材31,31の上面に乗っているだけであるので、規制部材31,31はまだロック状態をとらない。
【0043】
図11(b)に示すように、規制部材31,31がアーム操作部20の係止穴32に入り切ると、ロックプレート42は規制部材31,31にて支持された状態から開放されるので、付勢部材43の付勢力によってロック方向へ更に移動する。つまり、ロックプレート42は、突起46が係止溝47,48に半分しか入っていない状態から更に下がる。このとき、図9(c)に示すように、ロックプレート42は、突起46全体が係止溝47,48に入るまで下がる状態(全嵌合状態)となる。
【0044】
そして、図7及び図8に示すように、規制片42a,42aが規制部材31,31の背面に入り込み、規制片42a,42aが規制部材31,31を背面から支持する状態となる。これにより、規制部材31,31は突出位置にて保持されるので、開き方向への動きが不可となり、ロック機構26がロック状態となる。また、突起44が正規溝45から抜け出るので、操作ダイヤル28は回転操作可能となる。このため、ユーザは、操作ダイヤル28の数字を適当な位置に変え、暗証番号を隠す。よって、操作ダイヤル28の数字が正しくなければ、解錠ボタン50を押してもロックプレート42の突起44が正規溝45に入ることができないため、第三者による不正なロック解除が防止される。
【0045】
給電プラグロック装置23のロックを解錠するときは、図12に示すように、操作ダイヤル28の番号を正しい数字に合わせ、一対の解錠ボタン50,50を同時に押し操作する。このとき、持上部59が斜面部58を上に押すので、ロックプレート42がアンロック方向(図12の矢印S2方向)に移動するので、規制片42a,42aが規制部材31,31の背面から退避し、ロックが外れる。
【0046】
また、同時にロックプレート42の突起46が係止溝47,48から外れるので、ロッキングバー37,38は、それぞれの付勢部材40,41の付勢力により閉じ方向(図9の矢印S1方向)に直線移動し、元の初期状態、つまり連結片37a,38aが規制部材31に当接する状態に復帰する。
【0047】
さらに、解錠ボタン50,50が押し操作されたときは、押込突57が一対の押し面56,56の間に入り込んで、リンク機構51を開き方向(図10の矢印S3方向)に回動させるので、この動作に伴って、規制部材31,31が開き方向(図9の矢印K1方向)に移動する。つまり、規制部材31,31がアーム操作部20の係止溝47,48から離脱するため、給電プラグロック装置23をアーム操作部20から外すことが可能となる。よって、解錠ボタン50を押しながら給電プラグロック装置23を引き抜くことで、給電プラグロック装置23をアーム操作部20から取り外せる。
【0048】
以上により、本例においては、給電プラグ9をインレット14にロックするには、給電プラグロック装置23をロックアーム17のアーム操作部20に取り付けるだけで、ロックに移行させることが可能となる。よって、給電プラグロック装置23をアーム操作部20に単にセットするだけという簡単な作業で、給電プラグ9をインレット14にロックすることが可能となる。また、給電プラグロック装置23という専用の鍵で給電プラグ9をロックするので、給電プラグロック装置23を所持する正規ユーザのみが給電プラグ9のロックが可能となる。よって、第三者によって給電プラグ9をいたずらにロックされてしまうこともない。
【0049】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)給電プラグロック装置23をロックアーム17のアーム操作部20に取り付けるだけで給電プラグ9をロック可能となるので、給電プラグロック装置23を単にアーム操作部20にセットするという簡単な作業で給電プラグ9をインレット14にロックすることができる。また、本例の給電プラグロック装置23、つまり専用のロック装置を所持していないと、給電プラグ9をロックすることができないので、巷に広く普及している南京錠等では給電プラグ9をロックすることはできない。よって、第三者による勝手なロックも防止することができる。
【0050】
(2)一対の規制部材31,31が同時に押し込まれないと、給電プラグロック装置23はロック状態に移行しない。よって、一対の規制部材31,31の一方を仮に誤って押し込んでしまっても、給電プラグロック装置23はロック状態に切り換わらないので、意図せぬロックへの切り換わりを防止することができる。
【0051】
(3)ロックプレート42、2枚のロッキングバー37,38及び複数の付勢部材33,40,41,43を使用して、規制部材31のロック状態を保持する。よって、これら部品を使用した簡素な構成により、給電プラグ9をインレット14にロックすることができる。
【0052】
(4)給電プラグロック装置23にロックの解錠機構49を設けたので、この解錠機構49を操作すれば、ロック状態の給電プラグロック装置23をアンロック状態に切り換えることができる。よって、給電プラグロック装置23を問題なくロックアーム17から取り外すことができる。
【0053】
(5)規制部材31の下面に案内面35を設けたので、給電プラグロック装置23をアーム操作部20に取り付けるとき、規制部材31の開き方向への動きが案内面35にて案内される。よって、給電プラグロック装置23をアーム操作部20にスムーズに取り付けることができる。
【0054】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・給電プラグロック装置23は、アーム操作部20の係止穴32に係止する構造に限定されない。例えば、アーム操作部20に突部を設けて、そこに給電プラグロック装置23を固定してもよい。
【0055】
・錠部材は、ダイヤルシリンダ27に限定されず、例えばキーシリンダでもよい。
・規制部材31は、下面のみ曲面状に形成されることに限定されず、上面及び下面の両方とも曲面状としてもよい。
【0056】
・規制部材31及びそれに関係する機構は、必ずしも対で設けられることに限定されず、例えば1つのみとしてもよい。
・操作アームは、長手方向中央を軸に揺動するロックアーム17に限定されず、例えば一端を支点に回動する部材でもよい。
【0057】
・位置保持機構は、実施形態に記載のロックプレート42と2枚のロッキングバー37,38を用いた構造に限らず、適宜変更可能である。
・解錠ボタン50は、一対形成することに限らず、例えば1つのみでもよい。
【0058】
・解錠機構49は、実施形態に記載の構造に限定されず、適宜変更可能である。
・付勢部材33,40,41,43は、ばねに限定されず、他の部材に変更してもよい。
【0059】
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、モータのみで動く電気自動車でもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0060】
(イ)請求項1〜6のいずれかにおいて、前記位置保持機構は、前記規制部材をロック位置にて保持可能な可動部材と、前記可動部材を前記ロック位置で保持可能なロック部材とを備え、前記規制部材が開きの動きをとるとき、その過程で前記可動部材が付勢部材の付勢力により前記ロック部材側に移動して前記錠部材から離れ、当該可動部材が前記ロック部材に半嵌合して当該ロック部材を引込位置で固定し、前記規制部材が閉じの動きをとるとき、前記可動部材が更に前記ロック部材側に移動して前記ロック部材に全嵌合するとともに前記規制部材を突出位置で固定することで、前記給電プラグをインレットにロックする。
【0061】
(ロ)請求項5,6、前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記解錠機構は、ロックを解錠する際に操作する解錠用操作手段を備え、当該解錠用操作手段が操作されると、その操作力により前記可動部材を反ロック部材側に押し上げて、前記位置保持機構をアンロック状態に切り換える。
【符号の説明】
【0062】
9…給電プラグ、14…インレット、17…操作アームとしてのロックアーム、22…突部、23…給電プラグロック装置、27…錠部材としてのダイヤルシリンダ、31…規制部材、33…位置保持機構を構成する付勢部材、34…規制部材、35…案内面、37…位置保持機構(ロック部材)を構成するロッキングバー、38…位置保持機構(ロック部材)を構成するロッキングバー、40…位置保持機構を構成する付勢部材、41…位置保持機構を構成する付勢部材、42…位置保持機構(可動部材)を構成するロックプレート、43…位置保持機構を構成する付勢部材、49…解錠機構。
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリ残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。同文献のシステムでは、充電ケーブル先端の給電プラグを車両に接続して、車両バッテリを充電する。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電界反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。よって、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に接続した際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の給電プラグロック装置としては、例えば南京錠でロックアームを固定する方式が考案されている。しかし、この方式では、給電プラグをロックするとき、南京錠のツルを外し、ツルを穴に通すという作業をユーザに課すため、ロック作業が面倒である問題があった。また、南京錠は一般に市場に広く出回っているため、施錠しないで充電しているとき、市販の南京錠で勝手(いたずら)に給電プラグがロックされてしまう可能性もあった。
【0006】
本発明の目的は、簡単な作業で給電プラグをインレットにロックすることができる給電プラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットに給電プラグが接続されたとき、前記給電プラグに設けられた操作アームが前記インレット側の突部に抜け止めの係止をとり、この状態下で、前記操作アームの操作を規制することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、錠部材と、前記操作アームに係止可能な規制部材と、前記操作アームに係止された前記規制部材の位置状態を保持可能な位置保持機構とを備え、前記操作アームに取り付けられるとき、この取り付けに伴って開きから閉じの動きをとる前記規制部材に連動して、前記位置保持機構がそれまでのアンロック状態から、前記規制部材の位置を保持するロック状態となり、当該ロック状態の前記位置保持機構を、前記錠部材の認証が合っていなければ元のアンロック状態に戻せなくすることにより、前記給電プラグを前記インレットにロックすることを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、給電プラグロック装置を操作アームに取り付けるだけで、給電プラグをインレットにロックすることが可能となる。よって、給電プラグロック装置を操作アームに単に取り付けるだけという簡単な作業で給電プラグのロックが可能となるので、ロック作業の面倒さを解消することが可能となる。また、本構成の給電プラグロック装置を所持していないと給電プラグをロックすることができないので、第三者による勝手なロックも防止可能となる。
【0009】
本発明では、前記規制部材は、互いに離間又は接近する動きをとるよう一対設けられ、前記位置保持機構は、一対の前記規制部材が両方動かされたときにのみ、前記ロック状態に移行可能であることを要旨とする。この構成によれば、一対の規制部材の一方を仮に誤って押し込んでしまっても、給電プラグロック装置はロック状態に切り換わってしまわない。よって、意図せぬロックへの切り換えが防止される。
【0010】
本発明では、前記位置保持機構は、前記規制部材をロック位置にて保持可能な可動部材と、前記可動部材を前記ロック位置で保持可能なロック部材とを備え、前記規制部材が開きの動きをとるとき、その過程で前記可動部材が付勢部材の付勢力により前記ロック部材側に移動して前記錠部材から離れ、当該可動部材が前記ロック部材を引込位置で固定するとともに、前記規制部材を突出位置で固定することで、前記給電プラグをインレットにロックすることを要旨とする。この構成によれば、可動部材及びロック部材を使用した簡素な構成により、給電プラグのロックが可能となる。
【0011】
本発明では、前記可動部材は、1つ設けられ、前記ロック部材は、当該可動部材を挟んで一対設けられ、2つの前記ロック部材を、1つの前記可動部材によって前記引込位置で固定することを要旨とする。この構成によれば、規制部材を一対有する給電プラグロック装置において、1つの可動部材と2つのロック部材とを使用した簡素な構成により、給電プラグのロックが可能となる。
【0012】
本発明では、ロック状態の前記位置保持機構をアンロック状態に解除する際に操作する解錠機構を備えたことを要旨とする。この構成によれば、ロック時において解錠機構を操作すれば、ロック状態の給電プラグロック装置がアンロック状態となる。よって、給電プラグロック装置を操作アーム(給電プラグ)から取り外すことが可能となる。
【0013】
本発明では、前記規制部材には、取り付け時において前記規制部材が前記操作アームに係止するとき、当該規制部材の動きを案内する曲面状の案内面が形成されていることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置を操作アームに取り付けるとき、規制部材の動きが案内面にて案内される。よって、給電プラグロック装置を操作アームにスムーズに取り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な作業で給電プラグをインレットにロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態の車両の構成図。
【図2】給電プラグ及びインレットの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグをインレットに接続するときの外観を示す斜視図。
【図4】(a)は給電プラグロック装置を上面から見た斜視図、(b)は給電プラグロック装置を裏面から見た斜視図。
【図5】アンロック状態の給電プラグロック装置の正面図。
【図6】アンロック状態の給電プラグロック装置の側面図。
【図7】ロック状態の給電プラグロック装置の正面図。
【図8】ロック状態の給電プラグロック装置の側面図。
【図9】(a)〜(c)は、ロックプレート及びロッキングバーがアンロックからロックに切り換わるときの動きを示す遷移図。
【図10】(a)はリンク機構の正面図、(b)はリンク部材の先端部分を拡大した平面図。
【図11】(a),(b)は、ロック動作途中の動きを示す遷移図。
【図12】ロックを解錠するときの操作状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2及びモータ3を利用して発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。また、車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム6が設けられている。充電システム6は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備7として、充電設備7の充電ケーブル8の先端に設けられた給電プラグ9を車両1に接続してバッテリ5を充電する。
【0017】
図1及び図2に示すように、車体10の側壁には、給電プラグ9の接続箇所として受電コネクタ11が設けられている。受電コネクタ11は、横開き式のリッド12によって開閉される収納室13に収納されている。受電コネクタ11には、電気接続端子(パワー端子、制御端子等)を有するインレット14が設けられている。インレット14には、給電プラグ9がインレット14に完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ15が設けられている。
【0018】
図2及び図3に示すように、給電プラグ9は、充電システム6の電源側であって、受電コネクタ11と同様の電気接続端子を有する。給電プラグ9のプラグ本体16には、接続時の抜け止めとしてロックアーム17が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム17は、長手方向中央を回動軸18として、長手方向と交差する方向に揺動操作可能である。ロックアーム17は、先端の爪部19と根元のアーム操作部20とがプラグ本体16の外部に露出されている。ロックアーム17には、アーム操作部20寄りの位置に、ロックアーム17を閉じ側に常時付勢する付勢部材21が設けられている。なお、ロックアーム17が操作アームに相当する。
【0019】
給電プラグ9を受電コネクタ11に接続するには、給電プラグ9をインレット14へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部19がインレット14の突部22に当接すると、ロックアーム17は斜面22aに案内されて突部22を上る。そして、給電プラグ9がインレット14に完挿されると、付勢部材21の付勢力によってロックアーム17が閉じ側に揺動する。このため、爪部19が突部22に引っ掛かり、給電プラグ9がインレット14に抜け止めされる。
【0020】
ハイブリッドシステム4は、給電プラグ9がインレット14に完挿されたことをプラグ接続検出センサ15により確認すると、給電プラグ9(充電設備7)にバッテリ5の充電を実行させる。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電になったことを確認すると、給電プラグ9に充電を終了させる。充電終了後、給電プラグ9をインレット14から取り外す際には、アーム操作部20を押してロックアーム17を開き側に揺動操作し、突部22から離間する。そして、この状態で給電プラグ9をインレット14から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0021】
図2及び図3に示すように、受電コネクタ11には、インレット14に接続された給電プラグ9の不正取り外しを防止する給電プラグロック装置23が設けられている。本例の給電プラグロック装置23は、給電プラグ9のロックを、給電プラグ9側で行うものとなっている。特に、本例の場合、給電プラグロック装置23を給電プラグ9のロックアーム17に取り付けて、給電プラグロック装置23によってロックアーム17の操作を不可とすることにより、給電プラグ9をインレット14にロックする。
【0022】
図4〜図8に示すように、給電プラグロック装置23のケース24の底面には、ロックアーム17のアーム操作部20を嵌め込み可能な係入穴25が設けられている。よって、本例の給電プラグロック装置23を給電プラグ9に取り付ける(セットする)ときは、係入穴25にアーム操作部20を嵌め込むことによって、給電プラグ9に取り付け固定する。
【0023】
図5〜図8に示すように、ケース24内には、ロックアーム17の動きを固定可能なロック機構26が設けられている。ロック機構26には、ロック機構26の認証箇所としてダイヤルシリンダ27が設けられている。ダイヤルシリンダ27には、複数の操作ダイヤル28,28…が装置奥行き方向(図6のY軸方向)に整列して設けられ、これら操作ダイヤル群が内部のダイヤル回動軸29に回動可能に軸支されている。各操作ダイヤル28には、ダイヤルシリンダ27の暗証番号に応じた所定位置に溝を有するダイヤル連結歯車30が各々設けられている。なお、ダイヤルシリンダ27が錠部材に相当する。
【0024】
ロック機構26には、アーム操作部20に対する係止箇所として対向配置された一対の規制部材(かんぬき)31,31が、装置幅方向(図5のX軸方向)に直線往復移動可能に設けられている。規制部材31,31は、先端側が係入穴25に露出し、給電プラグロック装置23がアーム操作部20に取り付けられたとき、アーム操作部20の両側面に設けられた係止穴32,32に係止する。規制部材31は、背面側から付勢部材33,33によって外方向に常時付勢され、根元のストッパ部34,34によって抜け止めされている。なお、付勢部材33が位置保持機構を構成する。
【0025】
規制部材31の下面の角には、係止穴32への規制部材31のスムーズな入り込みを確保する案内面35が形成されている。案内面35は、規制部材31の下面の角を曲面状とすることで形成される。また、規制部材31の上面の角には、係止穴32に引っ掛かった規制部材31を外れ難くする抜止角部36が設けられている。抜止角部36は、規制部材31の角を約90度の出っ張りとすることにより形成される。
【0026】
ロック機構26には、規制部材31,31を背面側から支持する一対のロッキングバー37,38が、装置幅方向に直線往復移動可能に設けられている。本例の場合、図6及び図7の紙面左側を第1ロッキングバー37とし、紙面右側を第2ロッキングバー38とする。これらロッキングバー37,38は、正面視において英大文字Lを約90度回転させた位置、かつ左右対称となる向きに配置されている。なお、第1ロッキングバー37及び第2ロッキングバー38が位置保持機構(ロック部材)を構成する。
【0027】
図9(a)〜(c)に示すように、第1ロッキングバー37の上片である連結片37aには、第2ロッキングバー38の上片である連結片38aが挿し込まれるレール部39が凹設されている。よって、ロッキングバー37,38は、レール部39に沿って装置幅方向に互いに接近/離間する直線移動が可能である。
【0028】
第1ロッキングバー37は、装置高さ方向(図8のZ軸方向)に延びる支持片37bにて規制部材31を背面側から支持可能である。ケース24の内面と支持片37bとの間には、第1ロッキングバー37を内部方向に常時付勢する付勢部材40が設けられている。第2ロッキングバー38は、装置高さ方向に延びる支持片38bにて規制部材31を背面側から支持可能である。ケース24の内面と支持片38bとの間には、第2ロッキングバー38を内部方向に常時付勢する付勢部材41が設けられている。なお、付勢部材40,41が位置保持機構を構成する。
【0029】
規制部材31,31が互いに離間するよう開き方向(図9の矢印K1方向)に直線移動するとき、第1ロッキングバー37が規制部材31に押され、第2ロッキングバー38が規制部材31に押され、それぞれが一体となって開き方向に移動する。また、規制部材31,31は、付勢部材33,33の付勢力により、互いに接近するよう閉じ方向(図9の矢印S1方向)に移動する。第1ロッキングバー37及び第2ロッキングバー38は、付勢部材40,41の付勢力により互いに接近するよう閉じ方向(図9の矢印S1方向)に移動する。
【0030】
図5〜図8に示すように、ロック機構26には、ロッキングバー37,38と協同してロック機構26をロック状態にするロックプレート42が、装置高さ方向(図5のZ軸方向)に直線往復移動可能に設けられている。ケース24の内面とロックプレート42の間には、ダイヤルシリンダ27を挟んで一対の付勢部材43,43が設けられている。ロックプレート42の両側には、規制部材31,31を背面から支持可能な一対の規制片42a,42aが突設されている。ロックプレート42が付勢部材43の付勢力によりロック方向(図7の矢印K2方向)に移動して規制片42a,42aが規制部材31,31の背面に位置すると、規制部材31,31の動きが突出位置にて保持される。なお、ロックプレート42が位置保持機構(可動部材)を構成し、付勢部材43も位置保持機構を構成する。
【0031】
ロックプレート42の上片である本体部42bの上面には、操作ダイヤル28に向かって突出する突起44が、各操作ダイヤル28と組をなすように複数形成されている。突起44は、ダイヤル回動軸29に沿って整列し、各ダイヤル連結歯車30に凹設された正規溝45に各々が係止可能となっている。操作ダイヤル28,28…の数字が正しく並んで正規溝45がダイヤル回動軸29に沿って整列すると、各突起44が対応する正規溝45に全て入り込み可能となるので、ロックプレート42の上下動が許容される。
【0032】
ロックプレート42の本体部42bの下面には、板状の突起46がロッキングバー37,38に向かって突設されている。また、第1ロッキングバー37の連結片37aの上面には、突起46が入り込み可能な係止溝47が形成され、第2ロッキングバー38の連結片38aの上面にも、同様の係止溝48が形成されている。図9(a)に示すように、ロッキングバー37,38が互いに接近方向に移動していて係止溝47,48の位置が揃っていないと、突起46は連結片37a,38aの上面に乗る。図9(b),(c)に示すように、ロッキングバー37,38が互いに接近方向に移動して係止溝47,48がそろうと、突起46は係止溝47,48の入り込み可能となる。このとき、ロックプレート42は、一対のロッキングバー37,38を引込位置にて保持する。
【0033】
図5及び図6に示すように、給電プラグロック装置23は、ロックプレート42が上に持ち上がり、ロックプレート42とロッキングバー37,38とが係止しない状態をとっているとき、規制部材31,31の動きが許可されたアンロック状態をとる。一方、図7及び図8に示すように、ロッキングバー37,38が互いに離間する方向に動いて係止溝47,48が揃い、ロックプレート42が付勢部材43により下がって突起46が係止溝47,48に係止することにより、規制部材31,31を背面側から支持する状態をとるとき、規制部材31,31の動きが規制されたロック状態をとる。
【0034】
図4、図6及び図8に示すように、ロック機構26には、給電プラグロック装置23のロック状態を解除して元のアンロック状態に戻す解錠機構49が設けられている。この場合、ケース24の装置奥行き方向の両側面には、押し操作式の一対の解錠ボタン50,50が設けられている。一対の解錠ボタン50,50は、例えば人差し指で解錠ボタン50に触れ、親指で解錠ボタン50に触れ、これらを摘むようにして操作される。
【0035】
図6及び図8に示すように、各解錠ボタン50,50は、リンク機構51,51を介して規制部材31,31に連結されている。図10(a)に示すように、リンク機構51は、一対のリンク部材52,52が交差配置され、その交差箇所を回動軸53として回動可能にケース24に取り付けられている。各リンク部材52,52の下端には、長孔54,54が形成され、この長孔54,54に、規制部材31の側面に突設された連結突55,55が係合されている。
【0036】
図10(b)に示すように、リンク部材52,52の上端には、押し操作された解錠ボタン50を元の位置に押し戻す一対の押し面56,56が形成されている。押し面56,56は、リンク部材52の上端を内面側に折り曲げることにより形成され、2つでテーパ状の山を形成する。押し面56,56には、解錠ボタン50の下部に形成されたピン状を呈する押込突57が当接可能となっている。
【0037】
図6及び図8に示すように、ロックプレート42の長手方向の両端面には、面が下方を向く斜面部58,58が設けられている。また、解錠ボタン50の背面において上部寄りの位置には、斜面部58を押し込み可能な持上部59が突設されている。
【0038】
給電プラグロック装置23が図8に示すロック状態のとき、解錠ボタン50,50が押し操作されると、押込突57が押し面56,56を押し、リンク部材52,52が開き方向(図10の矢印S3方向)に回動する。つまり、規制部材31,31が開き方向に互いに離間する。また、この操作時、持上部59が斜面部58を押し、ロックプレート42がアンロック方向(図5の矢印S2方向)に直線移動する(上方に持ち上げる)ことが可能である。
【0039】
次に、本例の給電プラグロック装置23の動作態様を、図5〜図12を用いて説明する。
給電プラグロック装置23は、給電プラグ9にセットされていないとき、図5及び図6に示すアンロック状態をとる。このとき、各操作ダイヤル28は正しい数字に合わされているので、正規溝45がダイヤル回動軸29方向に整列する。よって、全ての突起44が正規溝45に入り込むことが可能であるため、ロックプレート42はアンロック方向(図5の矢印S2方向)に持ち上がり可能であり、結果、ロッキングバー37,38の上面(アンロック位置)に位置する。
【0040】
ロックプレート42がアンロック位置をとるとき、規制片42a,42aは規制部材31,31の背面側に飛び出していないので、規制部材31,31はロック状態をとらない。つまり、規制部材31,31は、互いに離間する開き方向(図9の矢印K1方向)に直線移動可能である。また、ロックプレート42は付勢部材43によってロック方向(下方向)に付勢されているが、図9(a)に示すように、突起46がロッキングバー37,38の連結片37a,38aの上に乗るので、アンロック位置が保持される。
【0041】
給電プラグ9をインレット14にロックするときは、給電プラグロック装置23をロックアーム17のアーム操作部20に取り付け固定する。このとき、図11(a)に示すように、アーム操作部20が係入穴25に入り込む過程で、アーム操作部20に押されて規制部材31,31が互いに開き方向(図11(a)の矢印K1方向)に離間する動きをとる。規制部材31,31が開き方向に動くと、この動きに伴って、2枚のロッキングバー37,38も、互いに開き方向に離間する動きをとる。
【0042】
このとき、第1ロッキングバー37の係止溝47と第2ロッキングバー38の係止溝48とが揃うと、ロックプレート42のロック方向への移動が可能となるので、ロックプレート42が付勢部材43の付勢力にて下に動く。なお、ここでは、ロックプレート42が規制部材31,31の上面に乗るため、最下位置まで下がる動作はとることができず、図9(b)に示すように、突起46が係止溝47,48に半分だけ入った状態(半嵌合状態)となる。つまり、ロッキングバー37,38が引込位置(開いた状態)で保持される。なお、この状態のとき、ロックプレート42は規制部材31,31の上面に乗っているだけであるので、規制部材31,31はまだロック状態をとらない。
【0043】
図11(b)に示すように、規制部材31,31がアーム操作部20の係止穴32に入り切ると、ロックプレート42は規制部材31,31にて支持された状態から開放されるので、付勢部材43の付勢力によってロック方向へ更に移動する。つまり、ロックプレート42は、突起46が係止溝47,48に半分しか入っていない状態から更に下がる。このとき、図9(c)に示すように、ロックプレート42は、突起46全体が係止溝47,48に入るまで下がる状態(全嵌合状態)となる。
【0044】
そして、図7及び図8に示すように、規制片42a,42aが規制部材31,31の背面に入り込み、規制片42a,42aが規制部材31,31を背面から支持する状態となる。これにより、規制部材31,31は突出位置にて保持されるので、開き方向への動きが不可となり、ロック機構26がロック状態となる。また、突起44が正規溝45から抜け出るので、操作ダイヤル28は回転操作可能となる。このため、ユーザは、操作ダイヤル28の数字を適当な位置に変え、暗証番号を隠す。よって、操作ダイヤル28の数字が正しくなければ、解錠ボタン50を押してもロックプレート42の突起44が正規溝45に入ることができないため、第三者による不正なロック解除が防止される。
【0045】
給電プラグロック装置23のロックを解錠するときは、図12に示すように、操作ダイヤル28の番号を正しい数字に合わせ、一対の解錠ボタン50,50を同時に押し操作する。このとき、持上部59が斜面部58を上に押すので、ロックプレート42がアンロック方向(図12の矢印S2方向)に移動するので、規制片42a,42aが規制部材31,31の背面から退避し、ロックが外れる。
【0046】
また、同時にロックプレート42の突起46が係止溝47,48から外れるので、ロッキングバー37,38は、それぞれの付勢部材40,41の付勢力により閉じ方向(図9の矢印S1方向)に直線移動し、元の初期状態、つまり連結片37a,38aが規制部材31に当接する状態に復帰する。
【0047】
さらに、解錠ボタン50,50が押し操作されたときは、押込突57が一対の押し面56,56の間に入り込んで、リンク機構51を開き方向(図10の矢印S3方向)に回動させるので、この動作に伴って、規制部材31,31が開き方向(図9の矢印K1方向)に移動する。つまり、規制部材31,31がアーム操作部20の係止溝47,48から離脱するため、給電プラグロック装置23をアーム操作部20から外すことが可能となる。よって、解錠ボタン50を押しながら給電プラグロック装置23を引き抜くことで、給電プラグロック装置23をアーム操作部20から取り外せる。
【0048】
以上により、本例においては、給電プラグ9をインレット14にロックするには、給電プラグロック装置23をロックアーム17のアーム操作部20に取り付けるだけで、ロックに移行させることが可能となる。よって、給電プラグロック装置23をアーム操作部20に単にセットするだけという簡単な作業で、給電プラグ9をインレット14にロックすることが可能となる。また、給電プラグロック装置23という専用の鍵で給電プラグ9をロックするので、給電プラグロック装置23を所持する正規ユーザのみが給電プラグ9のロックが可能となる。よって、第三者によって給電プラグ9をいたずらにロックされてしまうこともない。
【0049】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)給電プラグロック装置23をロックアーム17のアーム操作部20に取り付けるだけで給電プラグ9をロック可能となるので、給電プラグロック装置23を単にアーム操作部20にセットするという簡単な作業で給電プラグ9をインレット14にロックすることができる。また、本例の給電プラグロック装置23、つまり専用のロック装置を所持していないと、給電プラグ9をロックすることができないので、巷に広く普及している南京錠等では給電プラグ9をロックすることはできない。よって、第三者による勝手なロックも防止することができる。
【0050】
(2)一対の規制部材31,31が同時に押し込まれないと、給電プラグロック装置23はロック状態に移行しない。よって、一対の規制部材31,31の一方を仮に誤って押し込んでしまっても、給電プラグロック装置23はロック状態に切り換わらないので、意図せぬロックへの切り換わりを防止することができる。
【0051】
(3)ロックプレート42、2枚のロッキングバー37,38及び複数の付勢部材33,40,41,43を使用して、規制部材31のロック状態を保持する。よって、これら部品を使用した簡素な構成により、給電プラグ9をインレット14にロックすることができる。
【0052】
(4)給電プラグロック装置23にロックの解錠機構49を設けたので、この解錠機構49を操作すれば、ロック状態の給電プラグロック装置23をアンロック状態に切り換えることができる。よって、給電プラグロック装置23を問題なくロックアーム17から取り外すことができる。
【0053】
(5)規制部材31の下面に案内面35を設けたので、給電プラグロック装置23をアーム操作部20に取り付けるとき、規制部材31の開き方向への動きが案内面35にて案内される。よって、給電プラグロック装置23をアーム操作部20にスムーズに取り付けることができる。
【0054】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・給電プラグロック装置23は、アーム操作部20の係止穴32に係止する構造に限定されない。例えば、アーム操作部20に突部を設けて、そこに給電プラグロック装置23を固定してもよい。
【0055】
・錠部材は、ダイヤルシリンダ27に限定されず、例えばキーシリンダでもよい。
・規制部材31は、下面のみ曲面状に形成されることに限定されず、上面及び下面の両方とも曲面状としてもよい。
【0056】
・規制部材31及びそれに関係する機構は、必ずしも対で設けられることに限定されず、例えば1つのみとしてもよい。
・操作アームは、長手方向中央を軸に揺動するロックアーム17に限定されず、例えば一端を支点に回動する部材でもよい。
【0057】
・位置保持機構は、実施形態に記載のロックプレート42と2枚のロッキングバー37,38を用いた構造に限らず、適宜変更可能である。
・解錠ボタン50は、一対形成することに限らず、例えば1つのみでもよい。
【0058】
・解錠機構49は、実施形態に記載の構造に限定されず、適宜変更可能である。
・付勢部材33,40,41,43は、ばねに限定されず、他の部材に変更してもよい。
【0059】
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、モータのみで動く電気自動車でもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0060】
(イ)請求項1〜6のいずれかにおいて、前記位置保持機構は、前記規制部材をロック位置にて保持可能な可動部材と、前記可動部材を前記ロック位置で保持可能なロック部材とを備え、前記規制部材が開きの動きをとるとき、その過程で前記可動部材が付勢部材の付勢力により前記ロック部材側に移動して前記錠部材から離れ、当該可動部材が前記ロック部材に半嵌合して当該ロック部材を引込位置で固定し、前記規制部材が閉じの動きをとるとき、前記可動部材が更に前記ロック部材側に移動して前記ロック部材に全嵌合するとともに前記規制部材を突出位置で固定することで、前記給電プラグをインレットにロックする。
【0061】
(ロ)請求項5,6、前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記解錠機構は、ロックを解錠する際に操作する解錠用操作手段を備え、当該解錠用操作手段が操作されると、その操作力により前記可動部材を反ロック部材側に押し上げて、前記位置保持機構をアンロック状態に切り換える。
【符号の説明】
【0062】
9…給電プラグ、14…インレット、17…操作アームとしてのロックアーム、22…突部、23…給電プラグロック装置、27…錠部材としてのダイヤルシリンダ、31…規制部材、33…位置保持機構を構成する付勢部材、34…規制部材、35…案内面、37…位置保持機構(ロック部材)を構成するロッキングバー、38…位置保持機構(ロック部材)を構成するロッキングバー、40…位置保持機構を構成する付勢部材、41…位置保持機構を構成する付勢部材、42…位置保持機構(可動部材)を構成するロックプレート、43…位置保持機構を構成する付勢部材、49…解錠機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットに給電プラグが接続されたとき、前記給電プラグに設けられた操作アームが前記インレット側の突部に抜け止めの係止をとり、この状態下で、前記操作アームの操作を規制することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、
錠部材と、前記操作アームに係止可能な規制部材と、前記操作アームに係止された前記規制部材の位置状態を保持可能な位置保持機構とを備え、
前記操作アームに取り付けられるとき、この取り付けに伴って開きから閉じの動きをとる前記規制部材に連動して、前記位置保持機構がそれまでのアンロック状態から、前記規制部材の位置を保持するロック状態となり、当該ロック状態の前記位置保持機構を、前記錠部材の認証が合っていなければ元のアンロック状態に戻せなくすることにより、前記給電プラグを前記インレットにロックする
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項2】
前記規制部材は、互いに離間又は接近する動きをとるよう一対設けられ、
前記位置保持機構は、一対の前記規制部材が両方動かされたときにのみ、前記ロック状態に移行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の給電プラグロック装置。
【請求項3】
前記位置保持機構は、前記規制部材をロック位置にて保持可能な可動部材と、前記可動部材を前記ロック位置で保持可能なロック部材とを備え、
前記規制部材が開きの動きをとるとき、その過程で前記可動部材が付勢部材の付勢力により前記ロック部材側に移動して前記錠部材から離れ、当該可動部材が前記ロック部材を引込位置で固定するとともに、前記規制部材を突出位置で固定することで、前記給電プラグをインレットにロックする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置。
【請求項4】
前記可動部材は、1つ設けられ、前記ロック部材は、当該可動部材を挟んで一対設けられ、
2つの前記ロック部材を、1つの前記可動部材によって前記引込位置で固定する
ことを特徴とする請求項3に記載の給電プラグロック装置。
【請求項5】
ロック状態の前記位置保持機構をアンロック状態に解除する際に操作する解錠機構を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項6】
前記規制部材には、取り付け時において前記規制部材が前記操作アームに係止するとき、当該規制部材の動きを案内する曲面状の案内面が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項1】
インレットに給電プラグが接続されたとき、前記給電プラグに設けられた操作アームが前記インレット側の突部に抜け止めの係止をとり、この状態下で、前記操作アームの操作を規制することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、
錠部材と、前記操作アームに係止可能な規制部材と、前記操作アームに係止された前記規制部材の位置状態を保持可能な位置保持機構とを備え、
前記操作アームに取り付けられるとき、この取り付けに伴って開きから閉じの動きをとる前記規制部材に連動して、前記位置保持機構がそれまでのアンロック状態から、前記規制部材の位置を保持するロック状態となり、当該ロック状態の前記位置保持機構を、前記錠部材の認証が合っていなければ元のアンロック状態に戻せなくすることにより、前記給電プラグを前記インレットにロックする
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項2】
前記規制部材は、互いに離間又は接近する動きをとるよう一対設けられ、
前記位置保持機構は、一対の前記規制部材が両方動かされたときにのみ、前記ロック状態に移行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の給電プラグロック装置。
【請求項3】
前記位置保持機構は、前記規制部材をロック位置にて保持可能な可動部材と、前記可動部材を前記ロック位置で保持可能なロック部材とを備え、
前記規制部材が開きの動きをとるとき、その過程で前記可動部材が付勢部材の付勢力により前記ロック部材側に移動して前記錠部材から離れ、当該可動部材が前記ロック部材を引込位置で固定するとともに、前記規制部材を突出位置で固定することで、前記給電プラグをインレットにロックする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置。
【請求項4】
前記可動部材は、1つ設けられ、前記ロック部材は、当該可動部材を挟んで一対設けられ、
2つの前記ロック部材を、1つの前記可動部材によって前記引込位置で固定する
ことを特徴とする請求項3に記載の給電プラグロック装置。
【請求項5】
ロック状態の前記位置保持機構をアンロック状態に解除する際に操作する解錠機構を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項6】
前記規制部材には、取り付け時において前記規制部材が前記操作アームに係止するとき、当該規制部材の動きを案内する曲面状の案内面が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−53471(P2013−53471A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192988(P2011−192988)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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