説明

締結具

【課題】取付孔の内周面に雌ねじ部が形成されている場合に、係止片を効果的にねじの谷部に係止させることができる締結具を得る。
【解決手段】係止片22は、挿入方向に沿って一定のピッチ(1mm)で配置され、係止片列26を構成している。係止片列26は、挿入方向から見て4個設けられている。また、各係止片列26間の係止片22の挿入方向の位置は、各係止片列26間でずれており、係止片22は、隣接する係止片列26の係止片22に対して挿入方向に0.25mm(ピッチ(1mm)の1/4)ずれて配置されている。これにより、取付孔46の内周面(溶接ナット44の雌ねじ部44A)に雌ねじ部44Aが形成されている場合に、係止片22を効果的にねじの谷部に係止させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付部材を被取付部材に取付ける締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の締結具には、被取付部材の取付孔に挿入される脚部が設けられている。さらに、この脚部の周面には、取付孔と係止する多数のヒレ状の係止片が設けられている。
【0003】
この構成により、締結具の脚部を取付孔に挿入すると、係止片が取付孔の孔縁部と係止することで脚部の抜き出しを阻止し、これにより、脚部と取付孔の係止状態が保持されるようになっている。例えば、取付孔の内周面に雌ねじ部が形成されている場合には、ねじの谷部に係止片を係止されることで、係止状態を保持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−331067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、取付孔の内周面に雌ねじ部が形成される場合には、このねじの山谷形状は螺旋状とされている。そこで、脚部の周方向において、ねじの谷部の位置が変化するようになっている。このため、取付孔の周方向に亘って係止片がねじの谷部と係止されないことが考えられる。
【0006】
本発明の課題は、取付孔の内周面に雌ねじ部が形成されている場合に、係止片を効果的にねじの谷部に係止させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る締結具は、被取付部材に形成された取付孔に挿入される支持部材と、基端部が前記支持部材に固定されて前記支持部材の挿入方向に複数個並んで形成れ、前記取付孔に設けられた雌ねじ部に先端部が係止される係止片と、を備えた脚部と、前記脚部の一端側に設けられ、前記被取付部材に取り付けられる取付部材を保持する保持部と、を備え、前記挿入方向に複数個並んだ前記係止片の係止片列が、前記挿入方向から見て前記支持部材の周りに複数個設けられ、各列に設けられた前記係止片は、前記挿入方向において一定のピッチで配置されると共に、各列間の隣り合う前記係止片の前記挿入方向の位置がずれていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、締結具の脚部は、被取付部材に形成された取付孔に挿入される支持部材と、挿入方向に複数個並んで形成れ、取付孔に設けられた雌ねじ部に先端部が係止される係止片とを備えている。さらに、脚部の一端側には、被取付部材に取り付けられる取付部材が保持される保持部が設けられている。
【0009】
ここで、挿入方向に複数個並んだ係止片の係止片列が、挿入方向から見て支持部材の回りに複数個設けられ、各列に設けられた係止片は、一定のピッチで配置されている。また、各列間の隣り合う係止片の挿入方向の位置がずれている。
【0010】
そこで、取付孔に設けられた雌ねじ部のピッチに合せて、係止片のピッチを設定し、さらに、雌ねじ部の螺旋形状に対応するように隣り合う係止片の挿入方向の位置をずらすことで、係止片を効果的にねじの谷部に係止させることができる。
【0011】
本発明の請求項2に係る締結具は、請求項1に記載において、前記係止片列は、前記挿入方向から見て4個設けられ、各列間の隣り合う前記係止片の前記挿入方向の位置のずれ量は、前記ピッチの1/4であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、係止片列は、挿入方向から見て4個設けられ、各列間の隣り合う係止片の挿入方向の位置のずれ量は、ピッチの1/4である。これにより、さらに、係止片を効果的にねじの谷部に係止させることができる。
【0013】
本発明の請求項3に係る締結具は、請求項2に記載において、前記支持部材は、前記挿入方向から見て十字状となるように、第1板部と第2板部とを備え、前記係止片は、前記挿入方向から見て矩形状とされ、前記係止片の基端部は、前記第1板部と前記第2板部とに跨って取り付けられることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、支持部材は挿入方向から見て十字状とされ、係止片の基端部は第1板部と第2板部とに跨って取り付けられている。これにより、係止片の剛性が向上し、係止片がねじの谷部から離脱するのを抑制することができる。
【0015】
本発明の請求項4に係る締結具は、請求項1項に記載において、前記係止片は、前記挿入方向から見て2個設けられ、各列間の隣り合う前記係止片の前記挿入方向の位置のずれ量は、前記ピッチの1/2であることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、係止片列は、挿入方向から見て2個設けられ、各列間の隣り合う係止片の挿入方向の位置のずれ量は、ピッチの1/2である。これにより、さらに、係止片を効果的にねじの谷部に係止させることができる。
【0017】
本発明の請求項5に係る締結具は、請求項1〜4の何れか1項に記載において、取付孔に挿入された前記脚部を前記脚部の抜去方向に付勢する付勢部が設けられることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、付勢部が取付孔に挿入された脚部を脚部の抜去方向に付勢する。これにより、締結具の取付姿勢を安定させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、取付孔の内周面に雌ねじ部が形成されている場合に、係止片を効果的にねじの谷部に係止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る締結具を示した斜視図である。
【図2】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る締結具を示した側面図及び断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る締結具等を示した側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る締結具等を示した側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る締結具等を示した側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る締結具の強度をグラフで示した図面である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る締結具等を示した側面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る締結具を示した斜視図である。
【図9】(A)(B)本発明の第3実施形態に係る締結具を示した側面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態に係る締結具の一例について図1〜図6に従って説明する。
【0022】
(全体構成)
図3に示されるように、本実施形態に係る締結具10は、樹脂材料で成形され、被取付部材としてのボディパネル40に形成された取付孔46にボディパネル40の表面から挿入される脚部12と、脚部12が取付孔46に挿入された状態で外部に露出されると共に、ボディパネル40に取り付けられる被取付部材としてのエンジンカバー42が固定される球状の保持部14とを備えている(本実施形態では、板状のボディパネルを例にとって
説明するが、シリンダヘッド等の鋳物であってもよい)。
【0023】
さらに、保持部14の脚部12側には、略円柱状の連結部20を介して六角形状の六角頭部16が設けられている。この六角頭部16は、脚部12を取付孔46にねじ込む際に把持するのに用いられる。また、六角頭部16の脚部12側には、取付孔46に挿入された脚部12を脚部12の抜去方向(挿入方向に対して反対側の方向)に付勢する付勢部18が設けられている。
【0024】
この付勢部18は、吸盤状に形成され、脚部12が取付孔46に挿入されると弾性変形(図5に示す矢印方向に弾性変形)するようになっており、弾性変形した付勢部18が弾性復帰しようとすることで脚部12に抜去方向の付勢力が生じるようになっている。
【0025】
以上説明したように、締結具10は、保持部14、連結部20、六角頭部16、付勢部18、及び脚部12を含んで構成されている。
【0026】
一方、球状の保持部14が嵌る球状の凹部48Aが形成されたゴム製のグロメット48が設けられ、このグロメット48の外周面には、環状の凹部48Bが形成されている。そして、エンジンカバー42に形成された円状の貫通孔42Aをこの凹部48Bに嵌め込むことで、エンジンカバー42にグロメット48が固定されるようになっている。
【0027】
また、ボディパネル40の裏面には、溶接ナット44が溶接で固定されており、溶接ナット44の雌ねじ部44Aは、取付孔46と挿通されている。なお、本実施形態では、一例として溶接ナット44は、M6の溶接ナットとされ、雌ねじ部44Aのねじピッチは1mmとされている。
【0028】
以上の構成により、締結具10の脚部12をボディパネル40に形成された取付孔46に挿入した状態で、締結具10の保持部14に、エンジンカバー42に固定されたグロメット48の凹部48Aを嵌め込むことで、エンジンカバー42がボディパネル40に取り付けられるようになっている。なお、締結具10の脚部12をボディパネル40に形成された取付孔46に保持させる構成については詳細を後述する。
【0029】
(要部構成)
次に、取付孔46に挿入される脚部12について説明する。
【0030】
図1、図2に示されるように、脚部12には、取付孔46に対する脚部12の挿入方向(以下単に挿入方向(図2に示す矢印A方向)と言う)に延びる支持部材の一例としての支持板24が設けられている。この支持板24は、第1板部24Aと、第1板部24に直交する第2板部24Bとから構成され、平面視(図2(B)参照)で十字状とされている。そして、支持板24の先端部(挿入方向端部)は、先細りとされ、脚部12が容易に取付孔46に挿入されるようになっている。
【0031】
さらに、脚部12が取付孔46に挿入された状態で、取付孔46に連通するように設けられた溶接ナット44の凹凸状の雌ねじ部44Aに先端部が係止される複数個の板状の係止片22が、この支持板24によって区画されている。
【0032】
詳細には、係止片22は、挿入方向から見て(図2(B))矩形状とされ、各係止片22の基端部(支持板24側)は、第1板部24Aと第2板部24Bとに跨って支持されている(取り付けられている)。また、係止片22は、挿入方向に沿って一定のピッチ(本実施形態では1mm)で配置され、係止片列26を構成している。そして、支持板24によって区画された係止片列26は、挿入方向から見て4個設けられている。
【0033】
さらに、各係止片22の基端部が係止片22の先端部に対して支持板24の先端部(図1に示す下方)に近づくように、各係止片22は傾斜して設けられている。これにより、脚部12を取付孔46に挿入する際には、係止片22の先端部は、溶接ナット44の雌ねじ部44Aのねじの山部に当接しながら弾性変形し、ねじの谷部に到達したときに弾性復帰しする。そして、係止片22の先端部が、凹凸状の雌ねじ部44Aに係止されるようになっている(図5参照)。
【0034】
また、各係止片列26間の係止片22の挿入方向の位置は、各係止片列26間でずれており、本実施形態では、係止片22は、隣接する係止片列26の係止片22に対して挿入方向に0.25mm(ピッチ(1mm)の1/4)ずれて配置されている。
【0035】
詳細には、図2(B)に示されるように、係止片列26Aに設けられた係止片22の挿入方向の位置を基準にして考えた場合、係止片列26Aに対して時計回り方向(図2に示す矢印B)の下流側に設けられた係止片列26Bの係止片22は、係止片列26Aの係止片22に対して挿入方向の挿入側に0.25mmずれて配置されている。
【0036】
また、係止片列26Bに対して時計回り方向の下流側に設けられた係止片列26Cの係止片22は、係止片列26Bの係止片22に対して挿入方向の挿入側に0.25mmずれて配置されている。
【0037】
さらに、係止片列26Cに対して時計回り方向の下流側に設けられた係止片列26Dの係止片22は、係止片列26Cの係止片22に対して挿入方向の挿入側に0.25mmずれて配置されている。そして、各係止片列26に設けられた係止片22の挿入方向におけるピッチが1mmであることを考慮すると、係止片列26Aの係止片22は、係止片列26Dの係止片22に対して挿入方向の挿入側に0.25mmずれて配置されることが分かる。
【0038】
(作用・効果)
次に、この締結具10を用いてエンジンカバー42をボディパネル40に取り付ける作業について説明する。
【0039】
先ず、図3に示されるように、エンジンカバー42の貫通孔42Aに、グロメット48の凹部48Bを嵌め込み、エンジンカバー42にグロメット48を取り付ける。
【0040】
次に、図4に示されるように、締結具10の脚部12をボディパネル40に形成された取付孔46に挿入する。さらに、締結具10の六角頭部16を工具等で把持し、六角頭部16を回転させることで、脚部12を溶接ナット44の雌ねじ部44Aにねじ込む。これにより、吸盤状の付勢部18が弾性変形し、弾性変形した付勢部18が弾性復帰しようとすることで脚部12に抜去方向(挿入方向に対して反対の方向)の付勢力が生じる。
【0041】
ここで、脚部12に設けられた各係止片列26の係止片22は、挿入方向に1mmピッチで配置されており、されに、隣接する係止片列26の係止片22に対して挿入方向に0.25mm(ピッチ(1mm)の1/4)ずれて配置されている。
【0042】
つまり、各係止片列26の係止片22の挿入方向のピッチは、溶接ナット44の雌ねじ部44Aに形成された雌ねじのピッチと同一とされている。
【0043】
さらに、溶接ナット44の雌ねじ部44Aの螺旋形状に対応するように隣接する係止片列26の係止片22の挿入方向の位置もずれている。
【0044】
これにより、溶接ナット44の雌ねじ部44Aに形成されたねじの谷部に各係止片列26の係止片22が嵌るようになっている。
【0045】
ボディパネル40に締結具10を取り付けた後、図5に示されるように、グロメット48の凹部48Aに締結具10の保持部14を嵌め込む。これにより、エンジンカバー42がボディパネル40に取り付けられる。
【0046】
一方、図6の横軸は、締結具10の六角頭部16を工具等で把持し、六角頭部16を回転させたときの回転角度(°)を示し、縦軸は、締結具10に生じるトルクを示している。このグラフより、溶接ナット44の雌ねじ部44Aのねじの谷部に各係止片列26の係止片22が嵌るように係止片22を配置することで、締結具10がボディパネル40に着座するときのトルクと、締結具10が破壊するときにトルクとの差が大きくなることが分かる。
【0047】
以上説明したように、各係止片列26の係止片22を1mmピッチで配置して、隣接する係止片列26の係止片22に対して挿入方向に0.25mmずらすことで、溶接ナット44の雌ねじ部44Aのねじの谷部に各係止片列26の係止片22が嵌る。これにより、取付孔46の内周面(溶接ナット44の雌ねじ部44A)に雌ねじ部44Aが形成されている場合に、係止片22を効果的にねじの谷部に係止させることができる。
【0048】
また、溶接ナット44の雌ねじ部44Aに形成されたねじの谷部に各係止片列26の係止片22を効率良く嵌めることで、係止片22に生じる疲労及び変形を抑制することができる。
【0049】
また、図6に示されるように、締結具10の着座時のトルクと締結具10の破壊時のトルクとの差を大きくすることで、節度感を向上させ、さらに、取り付け時に生じる締結具10の破断を抑制することができる。
【0050】
また、付勢部18を設けて、脚部12に抜去方向の付勢力を生じさせることで、締結具10の取付姿勢を安定させることができる。
【0051】
また、係止片22の基端部を第1板部24Aと第2板部24Bとに跨って取り付けることで、係止片22の剛性が向上し、係止片22がねじの谷部から離脱するのを抑制することができる。
【0052】
次ぎに、本発明の第2実施形態に係る締結具の一例について図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図7に示されるように、本第2実施形態の締結具50には、球状の保持部は設けられて折らず、脚部12の端部に皿状の保持部52が設けられている。
【0054】
詳細には、エンジンカバー60には、締結具50の脚部12が挿通する挿通孔60Aが形成されている。エンジンカバー60をボディパネル40に取り付ける際には、締結具50の脚部12を挿通孔60Aに挿通させ、ボディパネル40の取付孔46に挿入する。
【0055】
そして、保持部52で、エンジンカバー60をボディパネル40へ向けて押圧することで、エンジンカバー60がボディパネル40に取り付けられるようになっている。
【0056】
次ぎに、本発明の第3実施形態に係る締結具の一例について図8、図9に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0057】
図8、図9に示されるように、第3実施形態の締結具70の脚部72には、平板状の支持板74が設けられ、この支持板74に基端部が支持される複数個の係止片76が設けられている。
【0058】
各係止片76は、挿入方向に沿って予め決められたピッチ(本実施形態では1mm)で配置され、係止片列78を構成している。そして、係止片列78は、挿入方向から見て支持板74を挟んで2個けられている(図9(B)参照)。
【0059】
また、各係止片列78間の係止片76の挿入方向の位置は、各係止片列78間でずれており、本実施形態では、係止片76は、隣接する係止片列78の係止片76に対して挿入方向に0.5mm(ピッチ(1mm)の1/2)ずれて配置されている。
【0060】
以上の構成により、取付孔の内周面に雌ねじ部が形成されている場合に、係止片76を効果的にねじの谷部に係止させることができる。
【0061】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、係止片列が2個及び4個の場合を例にとって説明したが、とくにこれに限定されることなく、係止片列が3個又は5個以上であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、M6のナットを例にとって説明したため、係止片のピッチを1mmとしたが、ナットの雌ねじ部のピッチに合せて係止片のピッチをきめてよい。
【0063】
また、上記実施形態では、ボディパネル40に溶接ナット44を溶接することで、ボディパネル40の取付孔46に雌ねじ部44Aを設けたが、バーリング加工等で取付孔に雌ねじ部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 締結具
12 脚部
14 保持部
18 付勢部
22 係止片
24 支持板(支持部材)
24A 第1板部
24B 第2板部
26A 係止片列
26B 係止片列
26C 係止片列
26D 係止片列
40 ボディパネル(被取付部材)
42 エンジンカバー(取付部材)
44A 雌ねじ部
46 取付孔
50 締結具
52 保持部
60 エンジンカバー(取付部材)
70 締結具
72 脚部
74 支持板(支持部材)
76 係止片
78 係止片列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材に形成された取付孔に挿入される支持部材と、基端部が前記支持部材に固定されて前記支持部材の挿入方向に複数個並んで形成れ、前記取付孔に設けられた雌ねじ部に先端部が係止される係止片と、を備えた脚部と、
前記脚部の一端側に設けられ、前記被取付部材に取り付けられる取付部材を保持する保持部と、を備え、
前記挿入方向に複数個並んだ前記係止片の係止片列が、前記挿入方向から見て前記支持部材の周りに複数個設けられ、
各列に設けられた前記係止片は、前記挿入方向において一定のピッチで配置されると共に、各列間の隣り合う前記係止片の前記挿入方向の位置がずれている締結具。
【請求項2】
前記係止片列は、前記挿入方向から見て4個設けられ、
各列間の隣り合う前記係止片の前記挿入方向の位置のずれ量は、前記ピッチの1/4である請求項1に記載の締結具。
【請求項3】
前記支持部材は、前記挿入方向から見て十字状となるように、第1板部と第2板部とを備え、
前記係止片は、前記挿入方向から見て矩形状とされ、
前記係止片の基端部は、前記第1板部と前記第2板部とに跨って取り付けられる請求項2に記載の締結具。
【請求項4】
前記係止片は、前記挿入方向から見て2個設けられ、
各列間の隣り合う前記係止片の前記挿入方向の位置のずれ量は、前記ピッチの1/2である請求項1に記載の締結具。
【請求項5】
取付孔に挿入された前記脚部を前記脚部の抜去方向に付勢する付勢部が設けられる請求項1〜4の何れか1項に記載の締結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−57778(P2012−57778A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204379(P2010−204379)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】