説明

縦型射出成形機の異常発生時の処理方法

【課題】異常が発生した場合においても、ロボットによって金型から成形体を取出し、後工程を完了することができる射出成形機を提供する。
【解決手段】射出成形中に、射出成形機1が備える異常検出手段20によって次回成形分の溶融樹脂が不足していると検出した場合、制御部22は、射出成形機1の動作を即座に停止させるのではなく、射出成形中の成形体を取出ロボット40によって取出すべく、侵入許可信号を継続して出力する。取出ロボット40によって成形体が取出され、後工程の全てが完了したことによって取出ロボット40から射出成形機1に対して取出完了信号が出力され、制御部22は当該信号を受けた後に、射出成形機1の動作を異常停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形物の取り出しを行うロボットと連動して作動する縦型射出成形機において異常発生によって自動運転を停止させる必要がある状況における縦型射出成形機の異常発生時の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられている縦型射出成形機(以下、単に射出成形機と称呼する)では、成形品の取り出しを外部の取り出し用ロボット(以下、単にロボットと称呼する)を用いて、射出成形機と連動運転することで、成形から成形品の取り出しまでを自動的に行い、その作業の効率を向上させている。
【0003】
このような射出成形機とロボットが連動するシステムにおいて、射出成形機とロボットは互いに信号の入出力を行うことで、何れかの装置に異常が発生した場合においても、安全に各装置を停止させることができるよう、様々な構成・手法が提示されている。例えば、射出成形機とこれに連動するロボットを通信可能に接続し、射出成形機側からの取り出しの指示の信号を出力し、ロボットが成形品の取り出しから製品を置くまでの動作を行い、その後成形品内部に必要な部品を下型に載置するという一連の動作を行うような連動システムが用いられている。また、特許文献1では、前述の連動システムの信頼性を向上させるために、ロボットに取り出し前の待機位置を検出する待機位置センサを設け、この待機位置センサのオンオフを射出成形機によって検出し、オンのときにのみ、取り出し動作を行わせる方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−297517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来用いられている射出成形機、例えばターンテーブル型の固定ダイプレートを有し、2つ以上の下型を固定ダイプレートに固定し、下型から成形品を取出している最中に別の下型を用いて射出成形を行うような縦型射出成形機と、成形品の取出しを行うロボットの連動システムにおいて、図5に示すように、成形品が完成し取り外す段階にて、射出成形機に障害が発生した場合、異常発生に伴って射出成形機の動作が停止することにより、ロボットに対する取り出し指示の信号が停止してしまい、成形品の取出動作も連動して停止してしまい、取り出し前若しくは取り出し中の成形品を取り出すことができずに、結果、その後工程を完了できなくなってしまい、射出成形機が障害から復旧したとしても、成形品を手動にてロボットから取り出さなくてはならず、速やかに射出成形動作に移れないという問題があった。また、特許文献1の方法では、射出成形機に適合する専用の取出しロボットを必要とするため、従来からある射出成形機等の既存資産を有効活用することができずに、導入コストがかかってしまう。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、取り出しロボットを連動させることが可能な射出成形機において、射出成形機に障害が発生し、障害から復旧した際に、速やかに射出成形動作に移ることを可能とする射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る縦型射出成形機は、
下部に可動金型を取り付ける昇降可能な可動ダイプレートと、
前記可動金型と共にキャビティを形成する固定金型を上部に取り付ける回動可能なターンテーブル型の固定ダイプレートと、
前記キャビティに溶融樹脂を射出する射出ユニットと、
前記両金型内の成形品を取り出すための、接続された射出成形機から侵入許可信号を受けている間のみ成形品の取り出し動作を行い、該動作が完了する際に接続された射出成形機に対して取り出し完了を示す信号(以下、取り出し完了信号と称呼する)を送る取り出しロボット(以下、単にロボットと称呼する)と接続する接続手段と、
各部の動作の制御及び異常検知を行うと共に前記接続手段を介して前記ロボットと通信を行い、且つ成形品を取り出せる状況において前記侵入許可信号を出力する制御部と、を備え、
前記ターンテーブル又は前記保持プレートの昇降動作によって前記両金型の型閉を行って前記射出ユニットから溶融樹脂の射出を行い、キャビティ内で固化した樹脂たる成形品を、接続手段を介して接続したロボットを連動させることによって取り出す縦型射出成形機であって、
前記制御部は、成形品の成形するための一連の動作の最中に障害が発生した場合、前記取り出しロボットからの取り出し完了信号を、前記接続手段を介して前記制御部が受信するまでの間、侵入許可信号を出力し続けることを特徴とする。
【0008】
請求項1の構成によれば、成形品の取り出し動作の最中に射出成形機に異常が発生したとしても、射出成形機はロボットの取り出し完了信号を受信するまで両金型内部へのロボットの侵入を許可する侵入許可信号を出力し続けるため、ロボットは成形品取り出し動作を最後まで完遂させることができる。
【0009】
請求項2に係る縦型射出成形機は、請求項1記載の縦型射出成形機において、前記制御部は、前記キャビティに溶融樹脂を射出した後、次に射出する樹脂が不足している場合においても、前記固定ダイプレートを回転させて成形品を有する前記固定金型を取出位置に移動させ、前記ロボットから取出し完了信号を受信するまでの間、前記侵入許可信号を出力し続けることを特徴とする。
【0010】
請求項2の構成によれば、侵入許可信号を出力し続けるための障害を、次回射出に必要な樹脂の量が不足するという状況に限定する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る縦型射出成形機は、
下部に可動金型を取り付ける昇降可能な可動ダイプレートと、
前記可動金型と共にキャビティを形成する固定金型を上部に取り付ける回動可能なターンテーブル状の固定ダイプレートと、
前記キャビティに溶融樹脂を射出する射出ユニットと、
前記両金型内の成形品を取り出すための、接続された射出成形機から侵入許可信号を受けている間のみ成形品の取り出し動作を行い、該動作が完了する際に接続された射出成形機に対して取り出し完了を示す信号(以下、取り出し完了信号と称呼する)を送る取り出しロボット(以下、単にロボットと称呼する)と接続する接続手段と、
各部の動作の制御及び異常検知を行うと共に前記接続手段を介して前記ロボットと通信を行い、且つ成形品を取り出せる状況において前記侵入許可信号を出力する制御部と、を備え、
前記ターンテーブル又は前記保持プレートの昇降動作によって前記両金型の型閉を行って前記射出ユニットから溶融樹脂の射出を行い、キャビティ内で固化した樹脂たる成形品を、接続手段を介して接続したロボットを連動させることによって取り出す縦型射出成形機であって、
前記制御部は、成形品の成形するための一連の動作の最中に障害が発生した場合、前記取り出しロボットからの取り出し完了信号を、前記接続手段を介して前記制御部が受信するまでの間、侵入許可信号を出力し続けるので、型が開き、成形品が取り出せるような状況で射出成形機に異常が発生した場合においても、侵入許可信号を出力し続けることでロボットの取り出し動作を停止させることがなく、成形品を金型の上に載置したままにすることが無いため、異常発生から復旧した際に、速やかに成形動作に移ることができる。また、ロボットの取り出し完了信号を受信したことを受けて侵入許可信号の出力を停止するため、取り出した成形品は確実に所定の場所に置くことができる。
【0012】
請求項2に係る縦型射出成形機は、請求項1記載の縦型射出成形機において、前記制御部は、前記キャビティに溶融樹脂を射出した後、次に射出する樹脂が不足している場合においても、前記固定ダイプレートを回転させて成形品を有する前記固定金型を取出位置に移動させ、前記ロボットから取出し完了信号を受信するまでの間、前記侵入許可信号を出力し続けるので、次回分の樹脂が不足している状況とは、即ちその時点においてキャビティ内で成形された成形品は欠陥のない製品であるため、樹脂不足という異常によって射出成形機が停止したとしても、これをロボットによって取り出すことができ、射出成形の後工程を完了させて射出成形機及びロボットの両装置を停止させることができ、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1から図5を参照して説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0014】
図1〜図4は、本発明の一実施例を示し、図1は、本実施例における射出成形機を示す部分拡大正面図である。図2は同じく射出成形機を示す平面図である。図3は、射出成形機及び取出ロボットの基本サイクル動作を示す説明図である。図4は、射出成形機及び取出ロボットの基本サイクル動作中において異常が発生した場合の処理を示す説明図である。
【0015】
本実施例の縦型射出成形機の構成について、図1に基づいて説明する。図1は縦型射出成形機を示す正面図である。
【0016】
射出成形機1は、図1に示すように、複数の固定金型5が固定される固定ダイプレートたるターンテーブル14、ターンテーブル14が回動自在に固定される中間保持プレート3、固定金型5の上方に設けられると共にタイバー4と共に鉛直方向に移動される可動金型2が固定された移動ダイプレート6、伸縮されることにより、移動ダイプレート6の下側に設けた可動金型2を、移動ダイプレート6を介してタイバー4と共に鉛直方向昇降させ、固定金型5に対し型開閉を行うトグルリンク機構7、トグルリンク機構7に構成される図示しないクロスヘッドに駆動力を伝達する図示しないボールネジユニット、ボールネジユニットに動力を伝達する図示しないタイミングベルト、ボールネジユニット等を介してトグルリンク機構7を作動させ型開閉を行う駆動源としての図示しない型開閉用サーボモータ、型開閉用サーボモータの回転数を検出するモータ用エンコーダ、固定金型5側の型bに張り付いた成形体を図示しないタイミングベルトを介してエジェクタピン19を突き出し排出させる駆動源たる図示しないエジェクト用サーボモータ等を備える。なお、移動ダイプレート6及びテールストック17はタイバー4と共に鉛直方向に昇降可能に設けられている。また、テールストック17は、トグルリンク機構7により中間保持プレート3と連結されており、型開閉用サーボモータの駆動に伴うトグルリンク機構7の伸縮によりテールストック17が昇降されると、これにより、テールストック17とタイバー4で連結されている移動ダイプレート6が昇降され、型開閉が行われる。
【0017】
図2は、射出成形機1の平面図である。本実施例では固定金型5が2つ、ターンテーブル14に固定されている。射出ユニット30及び可動金型2の直下の位置を成形位置と称呼し、その対向の位置を取出位置と称呼する。ターンテーブル14が回転することにより、各々の固定金型5の位置が成形位置と取出位置を交互に入れ替えることができる。
【0018】
ここで、本発明の要部である縦型射出成形機の動作について説明する。図1に示す、トグルリンク機構7が縦方向に伸び型閉された状態において、射出ユニット30の射出ノズルから溶融樹脂が固定金型5に形成される型bと可動金型2に形成される型aとにより形成されたキャビティAに射出されると、その射出された溶融樹脂がキャビティAに充填される。
【0019】
次に、型開閉用サーボモータが回転駆動されることにより、タイミングベルトを介してボールネジユニットに駆動力が伝達され、このボールネジユニットに構成される同じく図示しないボールネジ軸が回転駆動されると、ボールネジ軸と螺合され且つテールストック17に装着されているボールネジユニットのボールネジナットが上昇され、これに伴いトグルリンク機構7が折り曲げられ縮められることでテールストック17が上昇される。そして、これと連動して移動ダイプレート6及びタイバー4が上昇されることで固定金型5に対する可動金型2の型開きが行われる。
【0020】
続いて、ターンテーブル14が回転し、成形位置にあった固定金型5を取出位置へと移動させる。その際、取出位置にあった他方の固定金型5は、成形位置へと移動する。エジェクト用サーボモータが駆動され、エジェクタピン19が前進されると、固定金型5に張り付いている成形体が固定金型5から浮き上がり、制御部22は接続手段24を介して取出ロボット40に対し、侵入許可信号を出力する。これの信号を受けている間、取出ロボット40は成形体の取出し動作を行い、所定の場所に成形体を置く。取出しロボット40は成形体の取出し動作が完了した際に、制御部22に対して取出し完了信号を出力し、制御部22はこれを受けて進入許可信号の出力を停止し、取出ロボット40の動作の停止を促す。こうした一連動作を1サイクルとして繰り返し行われることで、成形体が次々に製造される。
【0021】
図3は、上述の射出成形機1及び取出ロボット40の正常動作たる基準サイクルの一連の連動動作を示す説明図である。射出成形機1による射出の1ショット目において、固定金型5には内容物たるインサート品がセットされていないため、手作業にてインサート品をセットする(111)。続いて、作業員によりボタンを押し、射出成形機1及び取出ロボット40を作動させる(112)。中間保持プレート3に固定されるターンテーブル14回転させる(113)。ターンテーブル14の回転が終了したら、射出成形機1は取出ロボット40に向けて継続的に侵入許可信号を出力する。この侵入許可信号を受けて、取出ロボット40は取出位置にある固定金型5の上方に侵入し(131)、成形体の取出しを試みる。1ショット目なので取出位置の固定金型5には成形体がないため、次の工程である固定金型5へのインサート品のインサートを行い(132)、取出位置にある固定金型5の上方から退去する(133)。続いて製品を置く動作(134)を行うが、1ショット目では取出位置の固定金型5には成形体がないため、ここでは製品を置く動作をするだけで実際は製品を置くことはない。続いて、次の成形体成形のためのショットに用いるインサート品を準備し(135)、原点位置にて待機状態とする(136)。
【0022】
ロボットが131〜136の動作を行う間、射出成形機1側では、両金型の型閉(121)、射出ユニット30による溶融樹脂の射出(122)、次の射出に備えての溶融樹脂の計量(123)、キャビティA内で溶融樹脂が固化し、成形体が完成しての型開(124)が行われる。続いて、半自動の場合は操作盤の操作を行う(114)。操作盤の操作が行われることにより、又は全自動により、ターンテーブル14が回転し、成形体を有する固定金型5が成形位置から取出位置に、インサート品を有する固定金型5が取出位置から成形位置に移動する(115)。ターンテーブル14の回転が停止したら射出成形機1の制御部22は、取出ロボット40へ侵入許可信号を継続的に出力する。取出位置の固定金型5に対してエジェクタピン19が上昇し、固定金型5に挿通されて成形品が固定金型5から引き離され(116)、それと同時に取出ロボット40が取出位置に侵入し(137)、引き離された成形体の取出しを行う(138)。成形体の取出しが終わったらエジェクタピン19は降下する(117)。取出ロボット40は、成形体を取出して空になった取出位置の固定金型5にインサート品をセットし(139)、取出位置の固定金型5上方から退去する(140)。その際、取出ロボット40は射出成形機1に対して取り出し完了信号を出力する。取出ロボット40は、取出した成形体を所定の場所に置き(141)、次回成形のためのインサート品の準備を行い(142)、原点位置にて待機する(143)。連続成形を行う際は、射出成形機1において114〜117、125〜128、取出ロボットにおいて137〜143の動作を繰り返し行う。
【0023】
上記のような基本サイクルによって動作する射出成形機1及び取出ロボット40において、異常が発生した場合、従来においては図5に示すように全ての動作を停止すると共に侵入許可信号を停止してしまうため、後工程を完了せずに取出ロボット40が停止してしまい、異常から復旧した際に速やかに成形作業に戻ることができなかった。本実施例における射出成形機1は、例えば図4に示すように、2ショット目以降において射出を終えて(226)、次の射出に備えて溶融樹脂の計量を行った際(227)に、樹脂なしを検知、即ち成形体を成形するに溶融樹脂が不足していることを異常検出手段20が検出した場合でも、制御部22は異常発生を検出しつつも、射出成形機1において型開を行い(228)、その後ターンテーブル14を回転させて異常発生直前に成形された成形体を有する固定金型5を取出位置に移動させ(218)、エジェクタピン19の前進を行う(219)。この間も射出成形機は侵入許可信号を出力し続けているので、取出ロボット40は、成形体の取出動作を継続する。即ち、取出ロボット40が取出位置の固定金型5の上方に侵入し(245)、エジェクタピン19により固定金型5から引き離された成形体を取出し(246)、取出位置の固定金型5上方から退去し(247)、成形体を所定の位置に置き(248)、障害復旧後の成形作業のためのインサート品の準備を行い(249)、原点位置にて待機し(250)、取出完了信号を射出成形機1に対して出力する。制御部22によって異常が発生している状態が継続していることが判別されている場合は、この取出完了信号の受信を持って射出成形機1の動作を停止させる。
【0024】
以上のような射出成形機1の動作によれば、射出成形機1に異常が発生した場合、特に次回射出成形に必要な溶融樹脂の量が不足していることが検知される場合において、射出成形機1の動作を即座に停止するのではなく、その時点では欠陥品ではないであろうキャビティA内の成形体を取出ロボット40にて取出しを行い、空になった固定金型5にインサートするインサート品の準備を行うことができるので、異常の解消、即ち溶融樹脂の補填が行われ、成形動作における障害が取り除かれた場合、即座に射出動作に移ることができ、作業性が向上する。
【0025】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。前記実施例では、取出ロボット40がインサート品のインサートと、成形体の取出しを担うとしたが、これに限定せずに、複数のロボットを射出成形機に接続し、例えばインサート品のインサートと成形体の取り出しを別々のロボットによって行っても良い。またインサート品を必要としない成形体を成形する場合においても、前述の実施例における取出ロボット40の動作から、インサート品の準備動作を除いたものとすることで容易に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例における、射出成形機を示す部分拡大正面図である。
【図2】同上、射出成形機を示す平面図である。
【図3】同上、射出成形機及び取出ロボットの通常動作たる基本サイクルを示す説明図である。
【図4】同上、射出成形機及び取出ロボットの動作サイクルにおける異常処理の例を示す説明図である。
【図5】従来の、射出成形機及び取出ロボットの動作サイクルにおける異常処理の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1 射出成形機
2 可動金型(上側金型)
3 中間保持プレート
5 固定金型(下側金型)
6 可動ダイプレート
14 ターンテーブル
22 制御部
24 接続手段
30 射出ユニット
40 取出ロボット(ロボット)
a、b 型
A キャビティ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に可動金型を取り付ける昇降可能な可動ダイプレートと、
前記可動金型と共にキャビティを形成する固定金型を上部に取り付ける回動可能なターンテーブル型の固定ダイプレートと、
前記キャビティに溶融樹脂を射出する射出ユニットと、
前記両金型内の成形品を取り出すための、接続された射出成形機から侵入許可信号を受けている間のみ成形品の取り出し動作を行い、該動作が完了する際に接続された射出成形機に対して取り出し完了を示す信号(以下、取り出し完了信号と称呼する)を送る取り出しロボット(以下、単にロボットと称呼する)と接続する接続手段と、
各部の動作の制御及び異常検知を行うと共に前記接続手段を介して前記ロボットと通信を行い、且つ成形品を取り出せる状況において前記侵入許可信号を出力する制御部と、を備え、
前記ターンテーブル又は前記保持プレートの昇降動作によって前記両金型の型閉を行って前記射出ユニットから溶融樹脂の射出を行い、キャビティ内で固化した樹脂たる成形品を、接続手段を介して接続したロボットを連動させることによって取り出す縦型射出成形機であって、
前記制御部は、成形品の成形するための一連の動作の最中に障害が発生した場合、前記取り出しロボットからの取り出し完了信号を、前記接続手段を介して前記制御部が受信するまでの間、侵入許可信号を出力し続けることを特徴とする縦型射出成形機。
【請求項2】
前記制御部は、前記キャビティに溶融樹脂を射出した後、次に射出する樹脂が不足している場合においても、前記固定ダイプレートを回転させて成形品を有する前記固定金型を取出位置に移動させ、前記ロボットから取出し完了信号を受信するまでの間、前記侵入許可信号を出力し続けることを特徴とする請求項1記載の縦型射出成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−286090(P2009−286090A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144279(P2008−144279)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】