説明

耐食性部材

【課題】ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマでの使用により発生するパーティクルを低減する耐食性部材を提供すること
【解決手段】半導体製造装置内、フラットパネルディスプレイ製造装置内または太陽電池製造装置内の様なハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマ等に曝される面が、溶射法によって形成された溶射皮膜と、溶射皮膜上にゾルゲル法によって形成された酸化ガドリニウムゾルゲル膜で形成された耐食性部材とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマ等の環境で使用される耐食性部材に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置内やフラットパネルディスプレイ製造装置内では、ハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマ等の環境で製造が行われるため、耐食性を持った部材が使用される。近年では、希土類化合物の耐食性が確認され、その中でも特に、酸化イットリウムが注目されている。そして、基材表面に酸化イットリウムを含む耐食性皮膜を施した部材が提案されている。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2001−164354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、デバイスの高精度化のためには、半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置等の内部で使用される部材に対して、さらに低パーティクル性が必要となる。
【0004】
本発明では、このような事情を鑑みてなされたものであり、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマ等の環境での使用により発生するパーティクルを低減する耐食性部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明に係る一発明の実施の形態例は例えば以下の構成を備える。
すなわち、本実施の形態例の耐食性部材は、基材と、前記基材上に溶射法によって形成された溶射皮膜と、前記溶射皮膜上にゾルゲル法によって形成された酸化ガドリニウムゾルゲル膜を備えることを特徴とする耐食性部材とする。
【0006】
そして例えば、耐食性部材は、溶射皮膜がイットリウム、ガドリニウム、アルミニウムおよびジルコニウムのうちのいずれかを含む酸化物からなることを特徴としている。
【0007】
また例えば、耐食性部材は、酸化ガドリニウムゾルゲル膜が、0.05μm以上10μm以下の厚さで、300度C以上1200度C以下で熱処理することを特徴としている。
【0008】
更に例えば、耐食性部材は、半導体製造装置内やフラットパネルディスプレイ製造装置内または太陽電池製造装置内で使用されることを特徴としている。
【0009】
また例えば、耐食性部材は、静電チャック、ヒータ、ガス分散プレート、バッフルプレート、バッフルリング、シャワープレート、ならびにチャンバー、ベルジャー、ドームおよびそれらの内壁材、ならびに高周波透過窓、赤外線透過窓、監視窓、サセプター、クランプリング、フォーカスリング、シャドーリング、絶縁リング、ダミーウエハー、半導体ウエハーを支持するためのリフトピン、ベローズカバー、クーリングプレート、上部電極、下部電極のいずれかであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマ等の環境での使用により発生するパーティクルをさらに低減させる耐食性部材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本願発明者らは、鋭意検討した結果、酸化ガドリニウムゾルゲル膜はハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマに曝されたときに優れた耐食性を発揮し、パーティクルの発生が低減されることを見出した。
また、ハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマに曝されたときにガス遮断性が高いことを見出した。
【0012】
(耐食性部材の構成)
以下、図面を参照して本発明に係る一実施の形態例を詳細に説明する。
【0013】
基材の材質は特に限定はしないが、ガラス、石英、アルミニウムやステンレス等の金属、アルミナ等のセラミックス等を用いることができる。また、必要に応じてブラスト処理を施して表面を粗くしても構わない。
【0014】
溶射皮膜の厚さは50μm以上1000μm以下であることが好ましい。厚さを50μm以上にすることにより、ハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマに曝された場合でも、耐食性の効果が見込める。
また、厚さを1000μm以下にすることにより、基材と溶射皮膜との内部応力や熱膨張による剥離やクラックを抑制することができる。
【0015】
溶射皮膜の気孔率は、5パーセント以上15パーセント以下であることが好ましい。気孔率を5パーセント以上にすることにより、溶射皮膜の剥離やクラックを防止することができる。
【0016】
また、気孔率を15パーセント以下にすることにより、十分な強度を維持することができ、カケや剥離等を防止、そして、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマの透過を抑制することができる。
【0017】
溶射皮膜は、20MPa以上の強度で基材に密着して形成されている。溶射皮膜と基材との密着強度を20MPa以上にすることで、使用中や洗浄中における溶射皮膜の剥離を防止することができる。剥離すると基材の露出部からパーティクルが発生しやすいがこれを防止できる。
【0018】
溶射皮膜の形成方法は特に限定はしないが、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、プラズマ溶射、爆発溶射、コールドスプレー、エアロゾルデポジション法等で形成できる。その中でも、溶射出力が高く、高融点材料の溶射に適しているプラズマ溶射で形成することが好ましい。
【0019】
プラズマ溶射時のプラズマ発生の際に使用するガスは特に限定はしないが、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、水素ガス、酸素ガス等を用いることができる。
【0020】
溶射皮膜を形成するために使用する溶射粉末は、平均粒径が20μm以上60μm以下であることが好ましい。平均粒径20μm以上にすることにより、プラズマ炎に溶射粉末を投入時に溶射粉末は吹き飛ばされることなく、プラズマ炎上に流れ、溶融状態で部材に付着させることができる。
【0021】
また、平均粒径60μm以下にすることにより、プラズマ炎に溶射粉末を投入時に溶射粉末はプラズマ炎を通り抜けることがなく、プラズマ炎上に流れ、溶融状態で部材に付着させることができる。平均粒径30μm以上50μm以下の溶射粉末を用いることが特に好ましい。
【0022】
酸化ガドリニウムゾルゲル膜の厚さは0.05μm以上10μm以下であることが好ましい。厚さが0.05μm以上では、パーティクル低減の効果が見込める。また、厚さが10μm以下では、基材に対する密着強度を維持することができ、剥離やカケを防止することができる。
【0023】
酸化ガドリニウムゾルゲル膜の成膜方法は特に限定はしないが、スプレー法、ディップ法、インクジェット法等を用いることができる。
【0024】
酸化ガドリニウムゾルゲル膜の焼成温度は300度C以上1200度C以下であることが好ましい。焼成温度が300度C以上では、ガドリニウムの粒子間結合が十分であり、パーティクル低減の効果が見込める。
【0025】
また、焼成温度が1200度C以下では、粒成長を抑制でき、パーティクル低減の効果が見込める。また、内部応力や熱膨張による剥離やクラックを抑制することができる。
【0026】
溶射皮膜と酸化ガドリニウムゾルゲル膜の純度は99.9パーセント以上であることが好ましい。純度が99.9パーセント以上であることにより耐食性が向上し、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマに曝された場合でも、パーティクルの発生を抑制することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明にかかる一実施例を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する各実施例により何ら限定されるものではない。
【0028】
実施例における各の溶射粉末の平均粒径は、レーザー回折・散乱式の粒度測定機を用いて測定を行った。
【0029】
実施例において測定するパーティクル数は、酸化ガドリニウムゾルゲル膜または溶射皮膜をRIE装置にてCF4プラズマ中で10時間照射を行い、その後、パーティクルカウンターを用いて、0.5μm以上の粒子数の測定を行った。
【0030】
実施例におけるエッチングレートは、酸化ガドリニウムゾルゲル膜または溶射皮膜の一部をポリイミドテープでマスキングを行い、RIE装置にてCF4プラズマ中で10時間照射を行い、その後、マスキング有無の箇所の段差の測定を行うことにより求めた。
【0031】
(試料1、2)
平均粒径30μm〜40μm、純度99.9パーセントの酸化ガドリニウム、酸化イットリウムの溶射粉末、および基材表面にブラスト処理を施した100×100×5t(mm)のアルミニウム基材を用意した。
【0032】
そして、エアロプラズマ社製ASP7100プラズマ溶射機を使用し、電圧275V、電流110A、アルゴンガス流量25L/min、酸素ガス流量40L/minの溶射条件にて、アルミニウム基材上に200μm〜300μmの溶射皮膜を形成した。
【0033】
その後、溶射皮膜表面に酸化ガドリニウムゾルをスプレーノズルを使用して噴きつけ、電気炉にて焼成温度400度Cで5時間加熱をして1μmの酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成し、パーティクル数およびエッチングレートを測定した。
【0034】
(試料3、4)
平均粒径30μm〜40μm、純度99.9パーセントの酸化ガドリニウム、酸化イットリウムの溶射粉末、および基材表面にブラスト処理を施した100×100×5t(mm)のアルミニウム基材を用意した。
【0035】
そして、エアロプラズマ社製ASP7100プラズマ溶射機を使用し、電圧275V、電流110A、アルゴンガス流量25L/min、酸素ガス流量40L/minの溶射条件にて、アルミニウム基材上に200μm〜300μmの溶射皮膜を形成し、パーティクル数およびエッチングレートを測定した。
【0036】
図1はこのようにして製作した試料1乃至4の測定結果を示している。具体的には、試料1乃至4の酸化ガドリニウムゾルゲル膜有無によるパーティクル数およびエッチングレートを示す。
【0037】
酸化ガドリニウムゾルゲル膜有無によるエッチングレートの差異はないが、試料1、2のように酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成することより、酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成しない試料3、4に比較してパーティクル数が1/3〜1/4に減少している。
【0038】
また、試料3、4では基材と溶射皮膜の間で剥離が発生した。したがって、酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成することにより、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマを遮断しパーティクル軽減効果が得られることが分かった。
【0039】
(試料5〜9)
平均粒径30μm〜40μm、純度99.9パーセントの酸化ガドリニウムの溶射粉末、および基材表面にブラスト処理を施した100×100×5t(mm)の酸化アルミニウム基材を用意した。
【0040】
そして、エアロプラズマ社製ASP7100プラズマ溶射機を使用し、電圧275V、電流110A、アルゴンガス流量25L/min、酸素ガス流量40L/minの溶射条件にて、アルミニウム基材上に200μm〜300μmの溶射皮膜を形成した。
【0041】
その後、溶射皮膜表面に酸化ガドリニウムゾルをスプレーノズルを使用し噴きつけ、電気炉にて焼成温度200度C、5時間加熱し、0.03μm(試料5)、0.05μm(試料6)、1μm(試料7)、10μm(試料9)、20μm(試料10)の酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成しパーティクル数を測定した。
【0042】
(試料10〜14)
平均粒径30μm〜40μm、純度99.9パーセントの酸化ガドリニウムの溶射粉末、および基材表面にブラスト処理を施した100×100×5t(mm)の酸化アルミニウム基材を用意した。
【0043】
そして、エアロプラズマ社製ASP7100プラズマ溶射機を使用し、電圧275V、電流110A、アルゴンガス流量25L/min、酸素ガス流量40L/minの溶射条件にて、アルミニウム基材上に200μm〜300μmの溶射皮膜を形成した。
【0044】
その後、溶射皮膜表面に酸化ガドリニウムゾルをスプレーノズルを使用し噴きつけ、電気炉にて焼成温度700度C、5時間加熱し、0.03μm(試料10)、0.05μm(試料11)、1μm(試料12)、10μm(試料13)、20μm(試料14)の酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成しパーティクル数を測定した。
【0045】
(試料15〜19)
平均粒径30μm〜40μm、純度99.9パーセントの酸化ガドリニウムの溶射粉末、および基材表面にブラスト処理を施した100×100×5t(mm)の酸化アルミニウム基材を用意した。
【0046】
そして、エアロプラズマ社製ASP7100プラズマ溶射機を使用し、電圧275V、電流110A、アルゴンガス流量25L/min、酸素ガス流量40L/minの溶射条件にて、アルミニウム基材上に200μm〜300μmの溶射皮膜を形成した。
【0047】
その後、溶射皮膜表面に酸化ガドリニウムゾルをスプレーノズルを使用し噴きつけ、電気炉にて焼成温度1500度C、5時間加熱し、0.03μm(試料15)、0.05μm(試料16)、1μm(試料17)、10μm(試料18)、20μm(試料19)の酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成しパーティクル数を測定した。
【0048】
図2はこのようにして製作した試料5乃至19の測定結果を示している。具体的には、酸化ガドリニウムゾルゲル膜の厚さおよび焼成温度によるパーティクル数を示す。
【0049】
図2に示すように、酸化ガドリニウムゾルゲル膜の焼成温度が200度Cの試料5〜9は厚さに限らずパーティクル数が多い、また、試料9では酸化ガドリニウムゾルゲル膜の剥離が発生した。
【0050】
酸化ガドリニウムゾルゲル膜の焼成温度が1500度Cの試料15〜19は内部応力や熱膨張により、酸化ガドリニウムゾルゲル膜の剥離が発生した。さらに、酸化ガドリニウムゾルゲル膜の剥離により、パーティクル数が多い。
【0051】
酸化ガドリニウムゾルゲル膜の焼成温度が700度Cの試料10〜14にて、試料11〜13はパーティクル数が少なく、酸化ガドリニウムゾルゲル膜の剥離もない。試料10および試料14はパーティクル数が多く、さらに、試料14は酸化ガドリニウムゾルゲル膜の剥離が発生した。
【0052】
したがって、酸化ガドリニウムゾルゲル膜を0.05μm以上10μm以下の厚さで、300度C以上1200度C以下で熱処理することによりハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマを遮断しパーティクル軽減効果が得られることが分かった。
【0053】
上記より、基材上に溶射皮膜を形成し、溶射皮膜上に酸化ガドリニウムゾルゲル膜を形成した耐食性部材は、ハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマに対し耐食性およびガス遮断性が優れているため、ハロゲン系腐食ガスまたはハロゲン系ガスプラズマに曝される半導体製造装置内、フラットパネルディスプレイ製造装置内または太陽電池製造装置内での使用に好適である。
【0054】
なお、半導体製造装置内、フラットパネルディスプレイ製造装置内または太陽電池製造装置内で使用される部材としては、例えば、静電チャック、ヒータ等の内部に静電電極や抵抗発熱体を有するものに用いることができる。静電電極等は耐食性の低い金属が用いられることが多いことから、これらを本発明の耐食性部材で形成することで大幅に耐食性およびガス遮断性を高めることができ、パーティクル軽減となる。
【0055】
また、ハロゲン系腐食ガスを装置内に導入するためのガス分散プレート、バッフルプレート、バッフルリング、シャワープレート等に採用できる。さらに、ガスが導入される処理容器であるチャンバー、ベルジャー、ドームおよびそれらの内壁材、ならびに高周波透過窓、赤外線透過窓および監視窓としても適用でき、また、容器内で使用されるサセプター、クランプリング、フォーカスリング、シャドーリング、絶縁リング、ダミーウエハー、半導体ウエハーを支持するためのリフトピン、ベローズカバー、クーリングプレート、上部電極、下部電極等のハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマに曝され、耐食性を要する種々の部材に適用できる。
【0056】
以上説明したように本実施の形態例及び実施例の耐食性部材は、基材と、前記基材上に溶射法によって形成された溶射皮膜と、前記溶射皮膜上にゾルゲル法によって形成された高耐プラズマ材料の酸化ガドリニウムで形成されたゾルゲル膜を備えていることから、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマ等の環境で使用されても、パーティクルを軽減させることができる。さらにハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマを遮断し、溶射皮膜や基材からのパーティクルや剥離等を抑制することができる。
【0057】
また、本実施の形態例及び実施例の耐食性部材は、溶射皮膜がイットリウム、ガドリニウム、アルミニウムおよびジルコニウムのうちのいずれかを含む酸化物からなることを特徴としていることから、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマにより酸化ガドリニウムゾルゲル膜が消失した場合でも、耐食性の高い皮膜で形成されているため、パーティクルを低減させることができる。
【0058】
また、本実施の形態例及び実施例の耐食性部材は、酸化ガドリニウムゾルゲル膜が、0.05μm以上10μm以下の厚さで、300度C以上1200度C以下で熱処理することから、高緻密かつ高耐食性のゾルゲル膜を得ることができる。
【0059】
また、本実施の形態例及び実施例の耐食性部材は、高耐食性、ハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマを透過しにくい特徴を有するため、半導体製造装置内やフラットパネルディスプレイ製造装置内または太陽電池製造装置内のハロゲン系腐食ガスおよびハロゲン系ガスプラズマ環境等でも使用することができる。
【0060】
また本実施の形態例及び実施例の耐食性部材は、静電チャック、ヒータ、ガス分散プレート、バッフルプレート、バッフルリング、シャワープレート、ならびにチャンバー、ベルジャー、ドームおよびそれらの内壁材、ならびに高周波透過窓、赤外線透過窓、監視窓、サセプター、クランプリング、フォーカスリング、シャドーリング、絶縁リング、ダミーウエハー、半導体ウエハーを支持するためのリフトピン、ベローズカバー、クーリングプレート、上部電極、下部電極のいずれかに用いることができ、具体的に、上記のような部材として使用されることにより、パーティクルの発生を低減させ、産業上の効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は本発明に係る一実施例における酸化ガドリニウムゾルゲル膜有無によるパーティクル数およびエッチングレートを示す表である。
【図2】図2は本実施例における酸化ガドリニウムゾルゲル膜の厚さおよび焼成温度によるパーティクル数を示す表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に溶射法によって形成された溶射皮膜と、
前記溶射皮膜上にゾルゲル法によって形成された酸化ガドリニウムゾルゲル膜を備えることを特徴とする耐食性部材。
【請求項2】
前記溶射皮膜は、イットリウム、ガドリニウム、アルミニウムおよびジルコニウムのうちいずれかを含む酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の耐食性部材。
【請求項3】
前記酸化ガドリニウムゾルゲル膜は、0.05μm以上10μm以下の厚さで、300度C以上1200度C以下で熱処理することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性部材。
【請求項4】
半導体製造装置内、フラットパネルディスプレイ製造装置内または太陽電池製造装置内で使用されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の耐食性部材。
【請求項5】
静電チャック、ヒータ、ガス拡散プレート、バッフルプレート、バッフルリング、シャワープレート、ならびにチャンバー、ベルジャー、ドームおよびそれらの内壁材、ならびに高周波透過窓、赤外線透過窓、監視窓、サセプター、クランプリング、フォーカスリング、シャドーリング、絶縁リング、ダミーウエハー、半導体ウエハーを支持するためのリフトピン、ベローズカバー、クーリングプレート、上部電極、下部電極のいずれかであることを特徴とする請求項4記載の耐食性部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−106328(P2010−106328A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280724(P2008−280724)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(391005824)株式会社日本セラテック (200)
【Fターム(参考)】