説明

肝臓癌を治療するための標的化ミクロRNA

本発明は、肝臓癌の治療方法を提供する。該方法は、miRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。本発明は、肝臓癌治療用組成物も提供する。該組成物は、miRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を含む。ある種のmiRNAは、肝臓癌、例えば肝細胞癌に過剰発現することが確認されており、修飾オリゴヌクレオチドにより標的化するために選択される。さらに、該miRNAのあるものをアンチセンス阻害すると、細胞増殖を阻害し、アポトーシスを誘導することがわかった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮出願No.60/983,231(2007年10月29日出願)(この内容は本明細書の一部を構成する)に対する35 U.S.C. §119(e)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、限定されるものではないが、肝細胞癌を含む肝臓癌を治療するための方法および組成物を提供する。本発明は、限定されるものではないが、ダイオキシン誘発肝細胞癌を含むダイオキシン誘発肝臓癌を治療するための方法および組成物も提供する。そのような方法は、miRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。
【背景技術】
【0003】
ミクロRNA (miRNA)(「成熟miRNA」としても知られる)は、植物および動物のゲノム中にコードされた小さな(長さ約18〜24ヌクレオチド)非コーディングRNA分子である。ある例では、高度に保存された内因性に発現したmiRNAは、特定のmRNAの3'−非翻訳領域(3'-UTR)に結合することにより遺伝子の発現を制御する。1000以上の種々のmiRNAが植物および動物で同定されている。ある種の成熟miRNAは、しばしば長さ数100ヌクレオチドの長い内因性一次miRNA転写物(プリmiRNA、プリmir、プリmiR、またはプリプレmiRNAとしても知られている)に由来するようである(Lee、et al.、EMBO J.、2002、21(17)、4663-4670)。
【0004】
miRNAの機能分析は、この小さな非コーディングRNAが、発生タイミング、器官形成、分化、パターン形成、胚形成、およびプログラムされた細胞死を含む動物の種々の生理学的プロセスに寄与することを証明した。miRNAが関与する特定のプロセスの例には、幹細胞の分化、神経新生、血管新生、造血、および開口分泌が含まれる(Alvarez-Garcia and Miska、Development、2005、132、4653-4662に概説)。例えば、miRNAは、ほとんどの真核生物で転写後調節を行うと考えられ、植物および動物ならびにある種のウイルスに検出されている。
【0005】
miRNAのファミリーは、シード配列として知られる領域であるmiRNAの2〜8位と同一なヌクレオチドにより特徴づけることができる。Lewisらは、関連シード配列により特徴づけられる種々のmiRNAファミリーおよびmiRNAスーパーファミリーについて記載している(Lewis et al. Cell. 2005、120(1):15-20)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(発明の要約)
ある態様において、本発明は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列、と相補的な核酸塩基配列、を有する15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物を肝臓癌の治療を必要とする対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0007】
ある態様において、本発明は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、肝臓癌の治療を必要とする対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0008】
ある態様において、本発明は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、肝臓癌の治療を必要とする対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0009】
ある態様において、本発明は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、肝臓癌の治療を必要とする対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0010】
ある態様において、本発明は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、肝臓癌の治療を必要とする対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0011】
ある態様において、本発明は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を、肝臓癌の治療を必要とする対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0012】
ある態様において、本発明は、肝臓癌の治療に用いるための、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0013】
ある態様において、本発明は、肝臓癌の治療に用いるための、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0014】
ある態様において、本発明は、肝臓癌の治療に用いるための、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも80%同一な配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む酢酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0015】
ある態様において、本発明は、配列番号31、32、33、34、35、36、および37から選ばれる配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、ダイオキシン誘発肝臓癌の治療が必要な対象に投与することを含むダイオキシン誘発肝臓癌の治療方法を提供する。
【0016】
ある態様において、本発明は、ダイオキシン誘発肝臓癌の治療に用いるための、配列番号31、32、33、34、35、36、および37から選ばれる配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0017】
ある態様において、本発明は、配列番号38、39、および40に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、ダイオキシン誘発肝臓癌の治療が必要な対象に投与することを含むダイオキシン誘発肝臓癌の治療方法を提供する。
【0018】
ある態様において、本発明は、ダイオキシン誘発肝臓癌の治療に用いるための、配列番号38、39、および40に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0019】
ある態様において、ダイオキシン誘発肝臓癌は肝細胞癌である。
【0020】
ある態様において、本発明は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0021】
ある態様において、本発明は、肝臓癌を治療するのに用いるための、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0022】
ある態様において、本発明は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0023】
ある態様において、本発明は、肝臓癌を治療するのに用いるための、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0024】
ある態様において、本発明は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0025】
ある態様において、本発明は、肝臓癌を治療するのに用いるための、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0026】
ある態様において、本発明は、肝臓癌を治療するのに用いるための、配列番号38、39、および40に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0027】
ある態様において、本発明は、本発明の修飾オリゴヌクレオチドまたはその塩と医薬的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0028】
ある態様において、該化合物は修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0029】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25結合ヌクレオシドからなる。
【0030】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対して2以下のミスマッチを有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対して1以下のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列と1個のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対してミスマッチを持たない。
【0031】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列に対して2以下のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列に対して1以下のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列に対して1個のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列に対してミスマッチを持たない。
【0032】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号31、32、33、34、35、36、および37から選ばれる核酸塩基配列に対して2以下のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号31、32、33、34、35、36、および37から選ばれる核酸塩基配列に対して1以下のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号31、32、33、34、35、36、および37から選ばれる核酸塩基配列に対して1個のミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号31、32、33、34、35、36、および37から選ばれる核酸塩基配列に対してミスマッチを持たない。
【0033】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも16連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0034】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも17連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0035】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも18連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0036】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも19連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0037】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも20連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0038】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも21連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0039】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも22連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0040】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも23連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0041】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する。
【0042】
ある態様において、該核酸塩基配列は、配列番号38、39、および40に記載の核酸塩基配列由来の核酸塩基配列の少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、または少なくとも23連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0043】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上の修飾糖、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基を含む。ある態様において、少なくとも1のヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。例えば、少なくとも1のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合でありうる。ある態様において、各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。例えば、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合でありうる。
【0044】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1のヌクレオシドが糖修飾を含む。ある態様において、複数の各ヌクレオシドが糖修飾を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが糖修飾を含む。これら態様のそれぞれにおいて、該修飾糖は、2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または2環糖部分でありうる。ある態様において、複数の各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含み、複数の各ヌクレオシドが2'-フルオロ糖を含む。
【0045】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは少なくとも1の修飾核酸塩基を含む。あるそのような態様において、該修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。ある態様において、少なくとも1のヌクレオシドは、5-メチルシトシンであるシトシンを含む。あるそのような態様において、各シトシンは5-メチルシトシンである。
【0046】
ある態様において、該肝臓癌は肝細胞癌である。ある態様において、該対象はヒトである。ある態様において、肝細胞癌はダイオキシン誘発性である。
【0047】
ある態様において、本発明の化合物の投与は、静脈内投与、皮下投与、腫瘍内投与、または化学塞栓術を含む。
【0048】
ある態様において、本発明の方法は、さらに少なくとも1のさらなる療法を投与することを含む。該さらなる療法は化学療法剤でありうる。該化学療法剤は以下から選ばれうる:5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、マイトマイシンc、ソラフェニブ、エトポシド、カルボプラチン、エピルビシン、イリノテカン、およびオキサリプラチン。該さらなる療法は、本発明の化合物または医薬組成物と同時に、またはそれらより低頻度もしくは高頻度で投与することができる。
【0049】
ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは以下から選ばれる用量で投与される:50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、および800 mg。該修飾オリゴヌクレオチドは、1日1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与することができる。
【0050】
ある態様において、本発明の化合物の投与は、肝臓腫瘍のサイズおよび/または肝臓腫瘍数の減少をもたらす。ある態様において、本発明の化合物の投与は、腫瘍サイズおよび/または腫瘍数の増加を予防する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、転位の進行を予防し、遅くし、および/または停止させる。ある態様において、本発明の化合物の投与は、対象の全体的な生存時間を延長する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、対象の進行のない生存を延長する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、肝臓腫瘍の再発を予防する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、肝臓腫瘍の転移の再発を予防する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、HCC由来腫瘍の再発を予防する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、HCC由来腫瘍の転移の再発を予防する。
【0051】
ある態様において、肝臓癌の治療のために選ばれる対象は肝臓病変を有する。ある態様において、肝臓癌の治療のために選ばれる対象は、血清α-フェトプロテインが上昇し、および/または血清des-γ-カルボキシプロトロンビンが上昇している。ある態様において、肝臓癌の治療のために選ばれる対象は肝機能異常を有する。
【0052】
ある態様において、本発明の化合物の投与は、肝臓癌を有する対象において、血清α-フェトプロテインおよび/または血清des-γ-カルボキシプロトロンビンを減少させる。ある態様において、血清α-フェトプロテインおよび/または血清des-γ-カルボキシプロトロンビンのレベルを測定し、治療効果を評価する。ある態様において、本発明の化合物の投与は、対象の肝機能を改善する。
【0053】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲と併せて明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】正常肝臓組織試料と比較した肝臓腫瘍組織のmiRNAの発現差異解析(differential expression analysis)。有意なp-値を持つデータポイントを赤丸で囲む。さらなる研究のために後で選んだある種のmiRNA標的は黄色丸で示す。該miRNA標的は、miR-21、miR-125a-5p (miR-125aで示す)、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378 (miR-422bで示す)、miR-423-3p、およびmiR-638を含む。
【図2a】miRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドで治療後の肝臓癌細胞系の細胞増殖の阻害。修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクトした後のSNU423細胞系(図2A)およびHep3B細胞系 (図2B)の増殖を試験した。トランスフェクション後72時間に増殖アッセイを行った。増殖を測定し、陰性コントロールオリゴヌクレオチドで処理した細胞の増殖、およびトランスフェクションしていない細胞の増殖と比較した。miR-21、miR-125a、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378 (miR-422bで示す)、miR-423、およびmiR-638と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは抗増殖活性を示した。
【図2b】miRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドで治療後の肝臓癌細胞系の細胞増殖の阻害。修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクトした後のSNU423細胞系(図2A)およびHep3B細胞系 (図2B)の増殖を試験した。トランスフェクション後72時間に増殖アッセイを行った。増殖を測定し、陰性コントロールオリゴヌクレオチドで処理した細胞の増殖、およびトランスフェクションしていない細胞の増殖と比較した。miR-21、miR-125a、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378 (miR-422bで示す)、miR-423、およびmiR-638と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは抗増殖活性を示した。
【図3】miRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドで治療後の肝臓癌細胞におけるアポトーシスの誘導。Hep3B細胞を修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションした。トランスフェクションの24時間後に、アポトーシスの誘導を、カスパーゼ3/7活性化を試験して測定した。miR-21、miR-125a、miR-191、miR-210、miR-378 (miR-422bで示す)、miR-423、およびmiR-638と相補的な修飾オリゴヌクレオチドによる細胞の処理は、カスパーゼ3/7活性の有意な上昇を生じ、アポトーシスの誘導を示した。
【図4a】修飾オリゴヌクレオチドで処置したマウスの皮下腫瘍体積の減少。ヌードマウスにHepG2細胞を注射して皮下腫瘍を誘発した。miR-21 (図4a)およびmiR-210 (図4b)と相補的なMOE-修飾オリゴヌクレオチドによる処置は、生理食塩水コントロール処置に比べて腫瘍体積の減少を示した。
【図4b】修飾オリゴヌクレオチドで処置したマウスの皮下腫瘍体積の減少。ヌードマウスにHepG2細胞を注射して皮下腫瘍を誘発した。miR-21 (図4a)およびmiR-210 (図4b)と相補的なMOE-修飾オリゴヌクレオチドによる処置は、生理食塩水コントロール処置に比べて腫瘍体積の減少を示した。
【図5】HepG2細胞におけるmiRNAの発現中央値(log(蛍光)で)。ここで、X軸は、TCDD処置後48時間の細胞を示し、Y軸は、無処置細胞を示す。平行点線は、各方向の2つの倍率変化を示す。中心線は、両群の細胞の同一の発現中央値を示す。処置細胞で比較的高い発現値を示すmiRNAには、hsa-miR-191、hsa-miR-181a、hsa-miR-181b、およびhsa-miR-181a*が含まれる。
【図6】デュアル-ルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を棒グラフで示す。ここで、Y軸は、コントロールベクターのR/F%比を示す。各バーは、以下のごとく正規化発光を示す:バーa-p191(修飾オリゴヌクレオチドを含まない、レニラルシフェラーゼの3'UTRのみにmiR-191の逆相補配列を保持するプラスミド)、バーb-p191 ASO-miR-NC、バーc-pコントロール(コントロールプラスミド)ASO-miR-191、バーd-p191 ASO-miR-191、バーe-pコントロール(修飾オリゴヌクレオチドなし)。
【図7】AhRに対する特異抗体を用いるChIP(クロマチン免疫沈降法)アッセイ。Y軸は、1,000細胞あたりの結合事象を示し、斜線のバーはTCDD処置細胞を示し、点のバーは無処置細胞を示す。左の対のバーは陰性コントロールを示す。右の2対のバーは、CYP1A1におけるAhR/Arnt TFに対する2つの結合部位を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
(詳細な説明)
特記しない限り、本明細書で用いたすべての技術用語および科学用語は当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。特記しない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医化学および薬化学の手順と技術ならびにそれに関連して用いる用語は、当該分野でよく知られ、一般的に用いられているものである。本明細書内の用語について複数の定義がある場合は、この項の定義が優先する。化学合成、化学分析、医薬の製造、製剤、および送達、ならびに対象の治療には標準的技術を用いることができよう。ある種のそのような技術および手順は、例えば「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」、Sangvi and Cook編、American Chemical Society、Washington D.C.、1994、および「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、第18版、1990(これらの内容は本明細書の一部を構成する)にみることができる。認められる場合は、本明細書に開示し、引用しているすべての特許、特許出願、公開出願および刊行物、GENBANK配列、ウェブサイト、および他の公表された資料は、特記しない限り本明細書の一部を構成する。URLまたは他のそのような識別子もしくはアドレスを参照する場合は、そのような識別子を変更し、インターネットに関する特定の情報を参照させることができるが、同等の情報はインターネット検索により見いだすことができると理解される。それらの参照は、そのような情報の利用可能性と公衆への流布を示す。
【0056】
本発明の組成物と方法を開示および記載するにあたって、本明細書で用いている用語は特定の態様のみを説明するためのものであり、限定を意図するものではないと理解すべきである。明細書および特許請求の範囲で用いている単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは複数形も含むことに注意すべきである。
(定 義)
【0057】
「肝臓癌」は、原発癌または転移癌である肝臓の悪性腫瘍を意味する。ある態様において、肝臓癌には、限定されるものではないが、肝細胞から生じた癌、例えばヘパトーマおよび肝細胞癌、繊維層板状癌(fibrolamellar carcinoma)、および胆管癌(bile duct cancer)が含まれる。
【0058】
「肝細胞癌」は、肝細胞から生じる肝臓の原発癌を意味する。
【0059】
「ダイオキシン誘発肝臓癌」は、ダイオキシンの暴露により生じる肝臓癌を意味する。ある態様において、ダイオキシン誘発肝臓癌はダイオキシン誘発肝細胞癌である。
【0060】
「対象」は、処置または治療のために選ばれたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0061】
「それを必要とする対象」は、治療または処置を必要とすることが確認された対象を意味する。ある態様において、対象は肝臓癌を有する。そのような態様において、対象は、肝臓癌の1またはそれ以上の臨床的兆候を有するか、または肝臓癌の発生するリスクがある。
【0062】
「投与する(Administering)」は、対象に医薬物質や医薬組成物を与えることを意味し、限定されるものではないが、医療専門家による投与および自己投与が含まれる。
【0063】
「非経口投与」は、注射または注入を介した投与を意味する。非経口投与には、限定されるものではないが、皮下投与、静脈内投与、または筋肉内投与が含まれる。
【0064】
「皮下投与」は、皮膚直下への投与を意味する。
【0065】
「静脈内投与」は、静脈内への投与を意味する。
【0066】
「腫瘍内投与」は、腫瘍内への投与を意味する。
【0067】
「化学塞栓術」は、腫瘍への血液供給を外科的、機械的、または化学的に阻止する手順を意味し、化学療法剤を腫瘍内に直接投与する。
【0068】
「継続期間(継続時間)」は、活動または事象が継続する期間(時間)を意味する。ある態様において、治療(処置)の継続期間は、医薬物質や医薬組成物の用量を投与する期間である。
【0069】
「療法(治療)」は、疾患の治療(処置)方法を意味する。ある態様において、療法には、限定されるものではないが、化学療法、外科的切除、肝臓移植、および/または化学塞栓術が含まれる。
【0070】
「治療(処置)」は、疾患の治癒または改善に用いる1またはそれ以上の特定の手順を適用することを意味する。ある態様において、該特定の手順には、1またはそれ以上の医薬物質の投与がある。
【0071】
「改善」は、病状または疾患の少なくとも1の指標の重症度の軽減を意味する。ある態様において、改善には病状または疾患の少なくとも1の指標の進行の遅延または減速が含まれる。指標の重症度は、当業者に知られている主観的または客観的手段により測定することができる。
【0072】
「予防」は、病状または疾患の発症もしくは発達または進行を、数週間、数ヶ月、または数年間を含む期間遅らせるかまたは未然に防ぐことを表す。
【0073】
「治療物質(治療剤)」は、疾患の治癒、改善、または予防に用いる医薬物質(医薬品)を意味する。
【0074】
「化学療法剤」は、癌の治療に用いる医薬物質を意味する。
【0075】
「化学療法」は、対象を、ガン細胞を殺し、および/またはガン細胞の成長を遅くする1またはそれ以上の医薬物質で治療することを意味する。
【0076】
「用量」は、1回の投与で提供される医薬物質の特定量を意味する。ある態様において、用量は、2またはそれ以上のボーラス、錠剤、または注射で投与することができよう。例えば、ある態様において、皮下投与が望ましい場合は、望む用量は、1回注射で簡単に提供されない用量が必要である。そのような態様において、2またはそれ以上の注射を用いて望む用量を達成することができる。ある態様において、個体の注射部位の反応を最小限にするため、用量を2またはそれ以上の注射で投与することができる。
【0077】
「用量単位」は、医薬物質を提供する形を意味する。ある態様において、用量単位は凍結乾燥オリゴヌクレオチドを含むバイアルである。ある態様において、用量単位は再構成したオリゴヌクレオチドを含むバイアルである。
【0078】
「治療的有効量」は、動物に治療的利益をもたらす医薬物質の量を表す。
【0079】
「医薬組成物」は、医薬物質を含む個体に投与するのに適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は修飾オリゴヌクレオチドおよび無菌水性溶液を含むことができる。
【0080】
「医薬物質」は、対象に投与した時に治療効果をもたらす物質を意味する。
【0081】
「医薬活性成分」は、望む効果をもたらす医薬組成物中の物質を意味する。
【0082】
「転移」は、腫瘍が最初に原発腫瘍として生じた位置から体内の他の場所に広がるプロセスを意味する。原発腫瘍の転位の進行は、隣接する原発腫瘍細胞からの解離、循環中の生存、および第2の場所での増殖を含む多段階を反映する。
【0083】
「全生存期間」は、疾患の診断または治療後に対象が生存する期間を意味する。ある態様において、該疾患は癌である。
【0084】
「進行のない生存」は、疾患を有する対象が該疾患が悪くならずに生存する期間を意味する。ある態様において、進行のない生存は、疾患の病期またはスコア付けにより評価する。ある態様において、肝臓癌を有する対象の進行のない生存は、腫瘍サイズ、腫瘍数、および/または転移を評価することにより評価する。
【0085】
「血中腫瘍マーカー」は、癌を有する対象の血中で増加または減少する生物マーカーを意味する。
【0086】
「肝機能の改善」は、肝機能が正常範囲に向かって変化することを意味する。ある態様において、肝機能は対象の血中にみられる分子を測定することにより評価される。例えば、ある態様において、肝機能の改善は血中肝臓トランスアミナーゼレベルの減少により測定される。
【0087】
「許容される安全プロフィール」は、臨床的に許容される範囲内にある副作用のパターンを意味する。
【0088】
「副作用」は、望む効果以外の、治療に起因する生理学的反応を意味する。ある態様において、副作用には、限定されるものではないが、注射部位の反応、肝機能検査値の異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系の異常、およびミオパシーが含まれる。そのような副作用は、直接または間接的に検出することができる。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝臓毒性または肝機能異常を意味するかもしれない。例えば、ビリルビンの増加は、肝臓毒性または肝機能異常を意味するかもしれない。
【0089】
「注射部位の反応」は、個体の注射部位の炎症または皮膚の異常な発赤を意味する。
【0090】
「対象のコンプライアンス」は、対象の、推奨もしくは処方された療法に対する順守を意味する。
【0091】
「順守する」は、対象の、推奨療法の順守を意味する。
【0092】
「推奨療法」は、疾患を治療、改善、または予防するための医療専門家が推奨する治療を意味する。
【0093】
「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写物」、および「核酸標的」は、すべて、アンチセンス化合物が標的化することができるあらゆる核酸を意味する。
【0094】
「標的化する(targeting)」は、標的核酸とハイブリダイズし、望む効果をもたらす核酸塩基配列の設計および選択プロセスを意味する。
【0095】
「に対して標的化する(targeted to)」は、望む効果をもたらすために標的核酸とハイブリダイゼーションすることができる核酸塩基配列を有することを意味する。ある態様において、望む効果は標的核酸の減少である。
【0096】
「変調(modulation)」は、機能または活性の動揺(perturvation)を意味する。ある態様において、変調は、遺伝子発現の増加を意味する。ある態様において、変調は遺伝子発現の減少を意味する。
【0097】
「発現」は、遺伝子にコードされた情報が細胞中に存在し、作動する構造に変換されるあらゆる機能および工程を意味する。
【0098】
「5'標的部位」は、特定オリゴヌクレオチドの最も5'側の核酸塩基と相補的な標的核酸の核酸塩基を意味する。
【0099】
「3'標的部位」は、特定オリゴヌクレオチドの最も3'側の核酸塩基と相補的な標的核酸の核酸塩基を意味する。
【0100】
「領域」は、核酸内の結合ヌクレオシドの部分を意味する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。例えば、ある種のそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAステム−ループ配列の領域と相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAステム−ループ配列の領域と完全に相補的である。
【0101】
「断片」は、領域の、より小さい部分またはサブ部分を意味する。
【0102】
「核酸塩基配列」は、あらゆる糖、結合、および/または核酸塩基修飾と無関係な5'から3'方向の連続核酸塩基の順序を意味する。
【0103】
「連続(隣接)核酸塩基」は、核酸中で互いに直接隣接した核酸塩基を意味する。
【0104】
「核酸塩基の相補性」は、2つの核酸塩基が水素結合を介して非共有結合的に対合する能力を意味する。
【0105】
「相補的」は、第1核酸塩基配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100核酸塩基、またはそれ以上の領域にわたり、第2核酸塩基配列の相補物と少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるか、または2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
【0106】
「相補性」は、第1核酸と第2核酸の間の核酸塩基対合能を意味する。
【0107】
「完全に相補的」は、第1核酸の各核酸塩基が第2核酸の各対応位置の核酸塩基と対合することができることを意味する。例えば、ある態様において、各核酸塩基がmiRNAステム−ループ配列の領域内の核酸塩基と相補性を有する修飾オリゴヌクレオチドがmiRNAステム−ループ配列と完全に相補的であることを意味する。ある態様において、miRNAまたはその前駆体と完全に相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100核酸塩基またはそれ以上の領域にわたり、miRNAまたはその前駆体の相補物と同一である核酸塩基配列を有する。
【0108】
「相補性パーセント」は、核酸中の相補的核酸塩基の数を核酸の長さで割ったものを意味する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの相補性パーセントは、標的核酸に相補的な核酸塩基の数を修飾オリゴヌクレオチドの長さで割ったものを意味する。
【0109】
「同一パーセント」は、第2核酸中の対応する位置の核酸塩基と同一な第1核酸中の核酸塩基の数を第1核酸中の核酸塩基の総数で割ったものを意味する。
【0110】
本明細書で用いている「実質的に同一な」は、第1および第2核酸塩基配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100核酸塩基またはそれ以上の領域にわたり少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98% 少なくとも99%、または100%同一なことを意味しうる。
【0111】
「ハイブリダイスする」は、核酸塩基相補性を介して生じる相補的核酸のアニーリングを意味する。
【0112】
「ミスマッチ」は、第2核酸の対応する位置の核酸塩基と対合することができない第1核酸の核酸塩基を意味する。
【0113】
「非相補的核酸塩基」は、水素結合を介して対合することができない2つの核酸塩基を意味する。
【0114】
「同一な」は、同じ核酸塩基配列を有することを意味する。
【0115】
「miR-21」は、配列番号9に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0116】
「miR-21ステム−ループ配列」は、配列番号1に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0117】
「miR-125a-5p」は、配列番号10に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0118】
「miR-125aステム−ループ配列」は、配列番号2に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0119】
「miR-191」は、配列番号11に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0120】
「miR-191ステム−ループ配列」は、配列番号3に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0121】
「miR-210」は、配列番号12に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0122】
「miR-210ステム−ループ配列」は、配列番号4に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0123】
「miR-222」は、配列番号13に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0124】
「miR-222ステム−ループ配列」は、配列番号5に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0125】
「miR-378」は、配列番号14に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0126】
「miR-378ステム−ループ配列」は、配列番号6に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0127】
「miR-423-3p」は、配列番号15に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0128】
「miR-423ステム−ループ配列」は、配列番号7に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0129】
「miR-638」は、配列番号16に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0130】
「miR-638ステム−ループ配列」は、配列番号8に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0131】
「miR-181a」は、配列番号31に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0132】
「miR-181a*」は、配列番号32に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0133】
「miR-181b」は、配列番号33に記載の核酸塩基配列を有する成熟miRNAを意味する。
【0134】
「miR-181a-1 ステム−ループ配列」は、配列番号34に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0135】
「miR-181a-2 ステム−ループ配列」は、配列番号35に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0136】
「miR-181b-1 ステム−ループ配列」は、配列番号36に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0137】
「miR-181b-2 ステム−ループ配列」は、配列番号37に記載の核酸塩基配列を有するステム−ループ配列を意味する。
【0138】
「miRNA」または「miR」は、酵素DicerによるプレmiRNAの開裂産物である長さ18〜25核酸塩基の非コーディングRNAを意味する。成熟miRNAの例は、miRBaseとして知られるmiRNAデータベース (http://microrna.sanger.ac.uk/)にみられる。
【0139】
「プレmiRNA」または「プレmiR」は、Droshaとして知られる二本鎖RNA特異的リボヌクレアーゼによるプリmiRの開裂産物であるヘアピン構造を有する非コーディングRNAを意味する。
【0140】
「ステム−ループ配列」は、ヘアピン構造を有する、成熟miRNA配列を含むRNAを意味する。プレmiRNA配列およびステム−ループ配列は重複することがある。ステム−ループ配列の例はmiRBaseとして知られるmiRNAデータベース(http://microrna.sanger.ac.uk/)にみられる。
【0141】
「プリmiRNA」または「プリmiR」は、二本鎖RNA特異的リボヌクレアーゼDroshaの基質であるヘアピン構造を有する非コーディングRNAを意味する。
【0142】
「miRNA前駆体」は、1またはそれ以上のmiRNA配列を含む非コーディング構造RNAを含む、ゲノムDNAに由来する転写物を意味する。例えば、ある態様において、miRNA前駆体はプレmiRNAである。ある態様において、miRNA前駆体はプリmiRNAである。
【0143】
「モノシストロン性転写物」は、1つのmiRNA配列を含むmiRNA前駆体を意味する。
【0144】
「ポリシストロン性転写物」は、2またはそれ以上のmiRNA配列を含むmiRNA前駆体を意味する。
【0145】
「シード配列」は、成熟miRNA配列の5'−末端からヌクレオチド2〜6または2〜7を意味する。
【0146】
「オリゴマー化合物」は、結合モノマーサブユニットを含む化合物を意味する。
【0147】
「オリゴヌクレオチド」は、それぞれが互いに無関係に修飾されているか、修飾されていないことがある、結合ヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0148】
「天然ヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシド間の3'から5'のホスホジエステル結合を意味する。
【0149】
「天然糖」は、DNA (2'-H)またはRNA (2'-OH)にみられる糖を意味する。
【0150】
「天然核酸塩基」は、その天然型と比べて修飾されてない核酸塩基を意味する。
【0151】
「ヌクレオシド間結合」は、隣り合ったヌクレオシド間の共有結合を意味する。
【0152】
「結合ヌクレオシド」は、共有結合により結合したヌクレオシドを意味する。
【0153】
「核酸塩基」は、別の核酸塩基と非共有結合的に対合することができる複素環部分を意味する。
【0154】
「ヌクレオシド」は、糖と結合した核酸塩基を意味する。
【0155】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分と共有結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0156】
「修飾オリゴヌクレオチド」は、天然末端、糖、核酸塩基、および/またはヌクレオシド間結合と比べて1またはそれ以上の修飾を有するオリゴヌクレオチドを意味する。
【0157】
「一本鎖修飾オリゴヌクレオチド」は、相補鎖とハイブリダイズしていない修飾オリゴヌクレオチドを意味する。
【0158】
「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然ヌクレオシド間結合からのあらゆる変化を意味する。
【0159】
「ホスホロチオエートヌクレオシド間結合」は、非架橋原子の一つが硫黄原子であるヌクレオシド間結合を意味する。
【0160】
「修飾糖」は、天然糖からの置換および/またはあらゆる変化を意味する。
【0161】
「修飾核酸塩基」は、天然核酸塩基からのあらゆる置換および/または変化を意味する。
【0162】
「5-メチルシトシン」は、5'位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。
【0163】
「2'-O-メチル糖」または「2'-OMe糖」は、2'位にO-メチル修飾を有する糖を意味する。
【0164】
「2'-O-メトキシエチル糖」または「2'-MOE糖」は、2'位にO-メトキシエチル修飾を有する糖を意味する。
【0165】
「2'-O-フルオロ」または「2'-F」は、2'位にフルオロ修飾を有する糖を意味する。
【0166】
「2環糖部分」は、2個の非ゲミナル(geminal)環原子の架橋により修飾された糖を意味する。
【0167】
「2'-O-メトキシエチルヌクレオシド」は、2'-O-メトキシエチル糖修飾を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。
【0168】
「2'-フルオロヌクレオシド」は、2'-フルオロ糖修飾を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。
【0169】
「2'-O-メチル」ヌクレオシドは、2'-O-メチル糖修飾を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。
【0170】
「2環ヌクレオシド」は、2環糖部分を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。
【0171】
「モチーフ」は、オリゴヌクレオチド中の修飾および/または非修飾核酸塩基、糖、および/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0172】
「完全修飾オリゴヌクレオチド」は、各核酸塩基、各糖、および/または各ヌクレオシド間結合が修飾されていることを意味する。
【0173】
「一様修飾オリゴヌクレオチド」は、各核酸塩基、各糖、および/または各ヌクレオシド間結合が修飾オリゴヌクレオチド全体にわたり同じ修飾を有することを意味する。
【0174】
「ギャップマー」は、結合ヌクレオシドの2つの外部領域間に位置する結合ヌクレオシドの内部領域を有する修飾オリゴヌクレオチドを意味し、ここで、該内部領域のヌクレオシドは、各外部領域のヌクレオシドの糖部分と異なる糖部分を含む。
【0175】
「ギャップ断片」は、外部領域間に位置するギャップマーの内部領域である。
【0176】
「ウイング断片」は、内部領域の5'または3'末端に位置するギャップマーの癌部領域である。
【0177】
「対称ギャップマー」は、各外部領域の各ヌクレオシドが同じ糖修飾を含むことを意味する。
【0178】
「非対称ギャップマー」は、1つの外部領域の各ヌクレオシドが第1糖修飾を含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドが第2糖修飾を含むことを意味する。
【0179】
「安定化修飾」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合により結合した2'-デオキシヌクレオシドによりもたらされるものよりヌクレアーゼの存在下で修飾オリゴヌクレオチドに安定性の増大をもたらすヌクレオシドに対する修飾を意味する。例えば、ある態様において、安定化修飾は安定化ヌクレオシド修飾である。ある態様において、安定化修飾はヌクレオシド間結合修飾である。
【0180】
「安定化ヌクレオシド」は、2'-デオキシヌクレオシドによりもたらされるものよりオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ安定性の増大をもたらすように修飾されたヌクレオシドを意味する。ある態様において、安定化ヌクレオシドは、2'-修飾ヌクレオシドである。
【0181】
「安定化ヌクレオシド間結合」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合によりもたらされるものよりオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ安定性の増大をもたらすヌクレオシド間結合を意味する。ある態様において、安定化ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
(概 説)
【0182】
肝臓癌は、世界中の男性と女性の両方において癌死の一般的原因である。最も一般的なタイプの肝臓癌である肝細胞癌(HCC)の発生率は、C型肝炎ウイルス感染の発生率の増加に比例して上昇する。ある種のHCCの症例は、慢性B型肝炎感染、慢性C型肝炎感染、または肝硬変と関連している。
【0183】
HCCを有する対象は、非常に予後が悪く、診断日からの生存の典型的中央値は7〜8カ月であり、5年生存率は5%以下である。利用可能なHCCの治療法は限られている。初期段階の疾患を有する対象は、肝臓切除術または肝臓移植により治療することができる。しかしながら、対象の約85%では該疾患は、診断時点で、肝臓切除や肝臓移植をするには進行し過ぎている。中間の疾患を有する対象は化学塞栓術の候補でありうる。しかしながら、進行した疾患を有する対象の健康状態は悪く、化学塞栓術を用いることは限られる。
【0184】
肝臓癌細胞、例えばHCCでは、非癌性細胞と比べて癌細胞のmiRNA発現パターンに違いがあることが報告されている。miRNA発現の増加と減少の両方が、癌に関連して記載されている。ヒトゲノムにおけるmiRNAの総数は、約500〜数千であると見積もられている。総miRNA数が多いため、特定の癌の種類と関連する特定のmiRNAの同定は、miRNAの阻害または増加のいずれかを介して癌療法を目的とするmiRNAを同定するために必要である。
【0185】
したがって、HCCを含む肝臓癌を治療するために阻害することができるmiRNAを同定する必要がある。HCCのような肝臓癌の治療に有用な阻害剤も必要である。さらに、HCCのような肝臓癌に関して調節不全であることが確認されたmiRNAを阻害することができる医薬物質を肝臓癌の治療が必要な対象に投与することによる、HCCのような肝臓癌の治療方法の必要性がある。癌は細胞の無制御な増殖と細胞生存の増大により生じる疾患であるから、肝臓癌を治療するための医薬物質の望ましい特徴には、細胞増殖を低下させ、および/またはアポトーシスを誘導し、腫瘍サイズを減少させ、腫瘍数を減少させ、および/または肝臓癌細胞の転移を予防するかまたは遅くする能力が含まれる。
【0186】
ある態様において、本明細書に記載の方法はHCCのような肝臓癌を治療するのに有用である。これらの方法は、肝臓癌を有する対象に、腫瘍数および/または腫瘍サイズの減少、生存期間の延長、および/または進行のない生存期間の増加といった1またはそれ以上の臨床的に望ましい結果をもたらしうる。本発明は、HCCのような肝臓癌を治療するために用いることができる修飾オリゴヌクレオチドのような医薬物質も提供する。
【0187】
本明細書に記載するように、約700個のmiRNAに対して設計したプローブを含むマイクロアレイを用い、HCC腫瘍由来の肝臓試料を正常肝臓組織試料と比較した。試験した約700個のmiRNAのうち約90が、正常肝臓組織試料と比べてHCC試料において上方調節されていることが解った。HCC由来細胞系を用いたin vitro実験後に、以下の8個のmiRNAをHCC療法を目的とする候補miRNAに選んだ:miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638。本明細書に記載するように、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドを用いて肝臓癌細胞系でこれら8個のmiRNAを阻害した後に細胞増殖の減少が観察された。さらに、該miRNAの7個の阻害は肝臓癌細胞のアポトーシスの増加をもたらした。したがって、これら8個のmiRNAのそれぞれと相補的な修飾オリゴヌクレオチドはHCCを含む肝臓癌を治療するための医薬物質である。
【0188】
本明細書に示すように、マウス皮下腫瘍モデルにおいて、HCCで上方調節されることがかわったミクロRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドの投与は、腫瘍体積の減少をもたらした。したがって、そのような修飾オリゴヌクレオチドはHCCを含む肝臓癌を治療するための医薬物質である。
ある種の治療
【0189】
ある態様において、本発明は、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドを癌の治療を必要とする対象に投与することを含む癌の治療方法を提供する。対象は、医療専門家によく知られた医学検査を行った後に肝臓癌と診断されるかもしれない。肝臓癌は肝細胞癌 (HCC)でありうる。肝細胞癌の診断は、典型的には、肝臓画像検査、例えば腹部超音波検査、ヘリカルコンピューター断層撮影(CT)スキャン、またはトリプルフェーズCTスキャンによりなされる。そのような画像検査は、α-フェトプロテインの血中濃度および/またはdes-γ-カルボキシプロトロンビンの血中濃度の測定と併用して行うことができよう。ある対象では、CTスキャンの代わりにMRIを用いることがある。肝臓画像検査は、腫瘍サイズ、数、位置、肝臓以外の転移、および腫瘍による肝臓動脈および静脈の開存および/または侵襲の評価を可能にする。この評価は、適切な治療的または緩和的介入方法の決定を助ける。最終診断は、典型的には針生検および組織病理学的検査により確認される。
【0190】
したがって、ある態様において、肝臓癌は、腫瘍を検出するコンピューター断層撮影(CT)後に検出される。ある態様において、肝臓癌は、磁気共鳴画像法(MRI)後に検出される。ある態様において、HCCは、単発原発腫瘍として特徴づけられる。ある態様において、HCCは、多発原発腫瘍として特徴づけられる。ある態様において、HCCは、浸潤増殖パターンを有する境界の不明瞭な原発腫瘍として特徴づけられる。ある態様において、HCCは、血管侵襲を伴う単発原発癌である。ある態様において、HCCは、血管侵襲を伴う多発原発腫瘍として特徴づけられる。ある態様において、HCCは1またはそれ以上のリンパ節に転移している。あるそのような態様において、リンパ節は所属リンパ節である。ある態様において、HCCは、1またはそれ以上の遠隔組織に転移している。ある態様において、HCCは、肝臓の他の領域、門脈、リンパ節、副腎、骨、または肺に転移している。ある態様において、線維症が存在する。
【0191】
TNM法、Okuda法、Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC)、およびCLIPスコアを含む多くの方法がHCCの予後を予測するのに用いられている。これら方法のそれぞれが、生存の重要な決定因子として認識されている以下の4つの特徴を包含する:原因となる肝臓疾患の重症度、腫瘍のサイズ、隣接する構造内への腫瘍の拡張、および転移の存在。TNM法は、HCCをI、II、III、IV、またはV期に分類する。BCLCは、HCCをA1、A2、A3、A4、B、C、およびD期に分類し、Child-Pughスコアの考慮を含む。
【0192】
ある態様において、肝臓癌は、1期、2期、3A期、3B期、3C期、または4期に分類される。1期は、癌のサイズが2cm以下で、広がり始めていないことで特徴づけられる。2期では、癌は肝臓の血管を侵すか、または肝臓に2つ以上の腫瘍がある。3A期では、腫瘍はサイズが5cmより大きいか、または肝臓近くの血管に広がっている。3B期では、癌は、腸や胃のような隣接臓器に広がっているが、リンパ節には広がっていない。3C期では、癌はあらゆるサイズであり得るが、隣接リンパ節に広がっている。4期では、癌は、肺のような肝臓からさらに遠い身体の部分に広がっている。
【0193】
対象の血液中の生体マーカーを用いて、肝臓癌の診断を増強し、肝臓癌を病期分類し、生存についての予後を明らかにする。そのような生体マーカーには、血中腫瘍生体マーカー、例えばα-フェトプロテインおよびdes-γ-カルボキシプロトロンビンが含まれる。あるそのような態様において、対象は、血中α-フェトプロテインが上昇している。あるそのような態様において、対象は、血中des-γ-カルボキシプロトロンビンが上昇している。
【0194】
肝臓癌を有する対象は、肝機能異常があることもある。肝機能は、とりわけ、肝臓トランスアミナーゼの血中濃度を測定する肝機能検査により評価することができる。ある態様において、肝機能異常を有する対象は、血中肝臓トランスアミナーゼの上昇を有する。血中肝臓トランスアミナーゼには、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が含まれる。ある態様において、肝機能異常を有する対象は、血中ビリルビンが上昇している。ある態様において、対象は血中アルブミンレベルの異常を有する。
【0195】
ある態様において、対象の肝機能は、肝機能を3つのクラスに定義するChild-Pugh分類法により評価される。この分類法では、ポイントを以下の5つのカテゴリーの一つの測定値に割り当てる:ビリルビンレベル、アルブミンレベル、プロトロンビン時間、腹水、および脳症。1ポイントを、存在する以下の特徴のそれぞれについて割り当てる:血中ビリルビンが2.0 mg/dl以下、血中アルブミンが3.5 mg/dl以上、プロトロンビン時間が国際標準比(INR)1.7以下、腹水なし、または脳症なし。2ポイントを、存在する下記特徴のそれぞれにつき割り当てる:血中ビリルビンが2〜3 mg/dl、血中ビリルビンが3.5〜2.8 mg/dl、プロトロンビン時間が1.7〜2.3INR、腹水が軽度〜中等度、または脳症が軽度。3ポイントを、存在する以下の特徴のそれぞれにつき割り当てる:ビリルビンが3.0 mg/dl以上、血中アルブミンが2.8 mg/dl以下、プロトロンビン時間が2.3INR以上、腹水が重度〜難治性、または脳症が重度。スコアを加え、クラスAをスコア5〜6ポイントに割り当て、クラスBをスコア7〜9ポイントに割り当て、クラスCをスコア10〜15ポイントに割り当てる。
【0196】
肝臓癌を有する対象は、慢性C型肝炎感染症、慢性B型肝炎感染症、または肝硬変に罹患していることがある。C型肝炎感染症、B型肝炎感染症、または肝硬変により生じた肝臓癌を有する対象は、本明細書に記載の方法により治療することができよう。
【0197】
治療に対する対象の反応は、限定されるものではないが、CTスキャン、MRI、および針生検を含む肝臓癌を診断するのに用いるものと同様の検査により評価することができる。治療に対する反応は、血中の生体マーカーを測定し、治療前の生体マーカーレベルと比較することにより評価することもできる。
【0198】
本発明の医薬組成物の肝臓癌を有する対象への投与は、1またはそれ以上の臨床的に望ましい結果をもたらす。そのような臨床的に望ましい結果には、腫瘍数の減少または腫瘍サイズの減少が含まれる。さらなる臨床的に望ましい結果には、対象の全生存期間の延長、および/または対象の進行のない生存期間の延長が含まれる。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は、腫瘍サイズおよび/または腫瘍数の増加を予防する。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は転移の進行を予防する。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は転移の進行を遅らせるか、または停止させる。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は、肝臓腫瘍の再発を予防する。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は、肝臓腫瘍の転移の再発を予防する。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は、HCC由来腫瘍の再発を予防する。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は、HCC由来腫瘍の転移の再発を予防する。
【0199】
HCC細胞を含む肝臓癌細胞に対する本発明の医薬組成物の投与は、望ましい表現効果をもたらしうる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、肝臓癌細胞の無制御な増殖を停止し、遅くし、または減少させうる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、肝臓癌細胞のアポトーシスを誘導しうる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、肝臓癌細胞の生存を減少させうる。
【0200】
miRNAは、mRNAとハイブリダイズし、mRNAおよびそのタンパク質産物の発現を制御する。一般的には、miRNAのそのmRNA標的とのハイブリダイゼーションは、mRNAの発現を阻害する。すなわち、miRNAの阻害は、miRNA核酸標的の発現の増大をもたらすかもしれない。ある態様において、miRNAの阻害は、miRNA核酸標的によりコードされたタンパク質の増加をもたらす。例えば、ある態様において、miR-222のアンチセンス阻害は、p27kip1の増加をもたらす。
【0201】
ある種の望ましい臨床的結果は、血中生体マーカーの測定により評価することができる。ある態様において、本発明の医薬組成物の投与は、血中α-フェトプロテインおよび/または血中des-γ-カルボキシプロトロンビンの減少をもたらしうる。本発明の医薬組成物の投与は、さらに、血中ALTおよび/またはASTレベルの減少により示される肝機能の改善をもたらしうる。
ある種の化合物
【0202】
本明細書に記載の化合物は、HCCのような肝臓癌を治療するのに有用である。ある態様において、該化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。あるそのような態様において、該化合物は修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0203】
あるそのような態様において、該化合物は、相補鎖とハイブリダイズした修飾オリゴヌクレオチドを含む。すなわち、該化合物は二本鎖オリゴマー化合物を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドと相補鎖とのハイブリダイゼーションは、少なくとも1の平滑末端を形成する。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの相補鎖に対するハイブリダイゼーションは、二本鎖オリゴマー化合物の各末端に平滑末端を形成する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの末端は、相補鎖の結合ヌクレオシドの数に対して1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドを含む。ある態様において、該1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にある。ある態様において、該1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。ある態様において、1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドのヌクレオシドの少なくとも1の核酸塩基は、標的RNAと相補的である。ある態様において、各1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドの各核酸塩基は、標的RNAと相補的である。ある態様において、該相補鎖の末端は、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数に対して1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドを含む。ある態様において、1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドは、該相補鎖の3'末端にある。ある態様において、該1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドは、該相補鎖の5'末端にある。ある態様において、2つのさらなる結合ヌクレオシドが末端に結合している。ある態様において、1個のさらなるヌクレオシドが末端に結合している。
【0204】
ある態様において、該化合物は、得られるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞への取り込みを増強する1またはそれ以上の部分と結合した修飾オリゴヌクレオチドを含む。あるそのような態様において、該部分は、コレステロール部分または脂質部分である。結合するためのさらなる部分は、炭化水素、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸塩(エステル)、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、および染料を含む。ある態様において、結合基は、修飾オリゴヌクレオチドと直接結合している。ある態様において、結合基は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、不飽和 (例えば、二重結合または三重結合)、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸 (ADO)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル) シクロヘキサン-1-カルボキシレート (SMCC)、6-アミノヘキサン酸 (AHEXまたはAHA)、置換C1-C10アルキル、置換または非置換C2-C10アルケニル、および置換または非置換C2-C10アルキニルから選ばれる結合部分により修飾オリゴヌクレオチドと結合している。あるそのような態様において、置換基は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、およびアルキニルから選ばれる。
【0205】
あるそのような態様において、該化合物は、例えばヌクレアーゼ安定性のような特性を増強する、1または両末端に結合した1またはそれ以上の安定化基を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。安定化基にはキャップ構造が含まれる。これら末端修飾は、修飾オリゴヌクレオチドをエクソヌクレアーゼによる分解から保護し、細胞内への送達および/または局在化を助けることができる。該キャップは、5'-末端 (5'-キャップ)、または3'-末端 (3'-キャップ)に存在するか、または両末端に存在しうる。キャップ構造には、例えば逆デオキシ脱塩基キャップが含まれる。
【0206】
適切なキャップ構造には、4',5'-メチレンヌクレオチド、1-(β-D-エリスロフラノシル) ヌクレオチド、4'-チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド、1,5-アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L-ヌクレオチド、α-ヌクレオチド、修飾塩基ヌクレオチド、ホスホロジチオエート結合、トレオペントフラノシルヌクレオチド、非環式3',4'-セコヌクレオチド、非環式3,4-ジヒドロキシブチルヌクレオチド、非環式3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3'-3'-逆ヌクレオチド部分、3'-3'-逆脱塩基部分、3'-2'-逆ヌクレオチド部分、3'-2'-逆脱塩基部分、1,4-ブタンジオールホスフェート、3'-ホスホロアミデート、ヘキシルホスフェート、アミノヘキシルホスフェート、3'-ホスフェート、3'-ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、架橋メチルホスホネート部分、および非架橋メチルホスホネート部分、5'-アミノ-アルキルホスフェート、1,3-ジアミノ-2-プロピルホスフェート、3-アミノプロピルホスフェート、6-アミノヘキシルホスフェート、1,2-アミノドデシルホスフェート、ヒドロキシプロピルホスフェート、5'-5'-逆ヌクレオチド部分、5'-5'-逆脱塩基部分、5'-ホスホロアミデート、5'-ホスホロチオエート、5'-アミノ、架橋および/または非架橋5'-ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、および5'-メルカプト部分が含まれる。
核酸塩基配列
【0207】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体と相補的な配列を有する。本明細書に記載の、成熟miRNAの核酸塩基配列およびそれに対応するステム−ループ配列は、miRNA配列および注釈のオンラインで検索可能なデータベースであるmiRBase(http://microrna.sanger.ac.uk/でみることができる)に記載の配列である。miRBase配列データベースへの登録は、miRNA転写物の予測ヘアピン部分(該ステム−ループ)と、成熟miRNA配列の位置と配列に関する情報を示す。該データベースへのmiRNAステム−ループ配列は、厳密には前駆体miRNA(プレmiRNA)ではなく、場合により、プレmiRNAと推定一次転写物由来のいくつかの隣接配列を含むかもしれない。本明細書に記載のmiRNA核酸塩基配列は、miRBase配列データベースのリリース10.0に記載の配列、およびmiRBase配列データベースのあらゆるより早いリリースに記載の配列を含む、miRNAのあらゆるバージョンを含む。配列データベースリリースは、ある種のmiRNAの新たな命名をもたらすかもしれない。例えば、本明細書に記載のリリース10.0のmiR-378は、以前はmiR-422bと命名されていた。配列データベースリリースは、成熟miRNA配列の変更をもたらすかもしれない。例えば、リリース10.0のmiR-125a-5pは、miR-125aステム−ループ配列 (配列番号2)の核酸塩基15〜38にみられる。以前のデータベースリリース中のmiR-125aは、miR-125a ステム−ループ配列 (配列番号2)の核酸塩基15〜37にみられる。本発明の組成物は、本明細書に記載のmiRNAのあらゆる核酸塩基配列バージョンと相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0208】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100核酸塩基またはそれ以上の領域にわたりmiRNAまたはその前駆体の相補物と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるか、または2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。したがって、ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、その標的miRNAまたは前駆体配列に関して1またはそれ以上のミスマッチ塩基対を有することがあり、その標的配列とハイブリダイズすることができる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体と完全に相補的な核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100核酸塩基またはそれ以上の領域にわたり、miRNAまたはその前駆体の相補物と100%同一であることを意味する。
【0209】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21 ステム−ループ配列 (配列番号1)、miR-125a ステム−ループ配列 (配列番号2)、miR-191 ステム−ループ配列 (配列番号3)、miR-210 ステム−ループ配列 (配列番号4)、miR-222 ステム−ループ配列 (配列番号5)、miR-378 ステム−ループ配列 (配列番号6)、miR-423 ステム−ループ配列 (配列番号7)、およびmiR-638ステム−ループ配列 (配列番号8)から選ばれるmiRNAステム−ループ配列の核酸塩基配列と相補的な配列を有する。
【0210】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれるmiRNAの核酸塩基配列と相補的な配列を有する。
【0211】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21ステム−ループ配列(配列番号1)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基8〜29の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21(配列番号9)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号9の核酸塩基1〜22と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは核酸塩基配列 TCAACATCAGTCTGATAAGCTA (配列番号17)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCAACATCAGTCTGATAAGCTA (配列番号17)からなる核酸塩基配列を有する。
【0212】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-125a ステム−ループ配列 (配列番号2)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の核酸塩基15〜37の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の核酸塩基15〜38の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-125-5p (配列番号10)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基1〜23と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号10の核酸塩基1〜24と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 CACAGGTTAAAGGGTCTCAGGGA (配列番号18)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 CACAGGTTAAAGGGTCTCAGGGA (配列番号18)からなる核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCACAGGTTAAAGGGTCTCAGGGA (配列番号19)からなる核酸塩基配列を有する。
【0213】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-191ステム−ループ配列 (配列番号3)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号3の核酸塩基 16〜37の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号3の核酸塩基16-38の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-191 (配列番号11)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 AGCTGCTTTTGGGATTCCGTTG (配列番号20)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 AGCTGCTTTTGGGATTCCGTTG (配列番号20)からなる核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、CAGCTGCTTTTGGGATTCCGTTG (配列番号21)の核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する。
【0214】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-210 ステム−ループ配列 (配列番号4)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号4の核酸塩基66〜87の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-210の核酸塩基配列 (配列番号12)と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCAGCCGCTGTCACACGCACAG (配列番号22)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCAGCCGCTGTCACACGCACAG (配列番号22)からなる核酸塩基配列を有する。
【0215】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-222 ステム−ループ配列 (配列番号5)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号5の核酸塩基69-89と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号5の核酸塩基69-91と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-222の核酸塩基配列(配列番号13)と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 ACCCAGTAGCCAGATGTAGCT (配列番号24)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 ACCCAGTAGCCAGATGTAGCT (配列番号24)からなる核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 GAGACCCAGTAGCCAGATGTAGCT (配列番号23) からなる核酸塩基配列を有する。
【0216】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-378 ステム−ループ配列 (配列番号6)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号6の核酸塩基43〜63の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号6の核酸塩基44〜65の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-378 (配列番号14)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 CCTTCTGACTCCAAGTCCAG (配列番号25)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 GGCCTTCTGACTCCAAGTCCAG (配列番号26) からなる核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 CCTTCTGACTCCAAGTCCAGT (配列番号27) からなる核酸塩基配列を有する。
【0217】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-423 ステム−ループ配列 (配列番号7) の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号7の核酸塩基53〜75の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号7の核酸塩基53〜74の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-423-3p (配列番号15)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 CTGAGGGGCCTCAGACCGAGCT (配列番号28)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 CTGAGGGGCCTCAGACCGAGCT (配列番号28)からなる核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCTGAGGGGCCTCAGACCGAGCT (配列番号29) からなる核酸塩基配列を有する。
【0218】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-638 ステム−ループ配列 (配列番号8) の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号8の核酸塩基16〜40の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-638 (配列番号16)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 AGGCCGCCACCCGCCCGCGATCCCT (配列番号30)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 AGGCCGCCACCCGCCCGCGATCCCT (配列番号30)からなる核酸塩基配列を有する。
【0219】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a-1 ステム−ループ配列 (配列番号34)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号34の核酸塩基24〜46の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a-2 ステム−ループ配列 (配列番号35)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号35の核酸塩基39〜61の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a (配列番号31)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCACTCCGTCTGCGAAGTTAGAA (配列番号38)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCACTCCGTCTGCGAAGTTAGAA (配列番号38)からなる核酸塩基配列を有する。
【0220】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a-1 ステム−ループ配列 (配列番号34) の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号34の核酸塩基64〜85の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a-2 ステム−ループ配列 (配列番号35)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号35の核酸塩基77〜98の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a* (配列番号32)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 GGATCTTACTTCGGACGTAGGA (配列番号39) を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 GGATCTTACTTCGGACGTAGGA (配列番号39) からなる核酸塩基配列を有する。
【0221】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181b-1 ステム−ループ配列 (配列番号36) の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号36の核酸塩基36〜58の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181b-2 ステム−ループ配列 (配列番号37)の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号37の核酸塩基16〜38の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181b (配列番号33)の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCCCTCCGTCTGCTTAGTTAGAA (配列番号40)を含む核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基配列 TCCCTCCGTCTGCTTAGTTAGAA (配列番号40) からなる核酸塩基配列を有する。
【0222】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638から選ばれる成熟miRNAを含むプレmiR配列の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0223】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638から選ばれる成熟miRNAを含むプリmiR配列の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0224】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a、miR-181a*、およびmiR-181bから選ばれる成熟miRNAを含むプリmiR配列の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-181a、miR-181a*、およびmiR-181bから選ばれる成熟miRNAを含むプレmiR配列の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0225】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれるmiRステム−ループ配列の核酸塩基配列と少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれるmiRステム−ループ配列の核酸塩基配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%同一、または100%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0226】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれる核酸塩基配列を有するmiRNAの核酸塩基配列と少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16から選ばれるmiRNA核酸塩基配列の核酸塩基配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%同一、または100%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0227】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号34、35、36、および37から選ばれるmiRステム−ループ配列の核酸塩基配列と少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号34、35、36、および37から選ばれるmiRステム−ループ配列の核酸塩基配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%同一、または100%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0228】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号31、32、および33から選ばれる核酸塩基配列を有するmiRNAの核酸塩基配列と少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号31、32、および33から選ばれるmiRNA核酸塩基配列の核酸塩基配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%同一、または100%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0229】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、本明細書に記載のmiRNA核酸塩基配列またはその前駆体と完全に相補的である。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、成熟miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列に対して1つのミスマッチを有する核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列に対して2つのミスマッチを有する核酸塩基配列を有する。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、成熟miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列に対して2以下のミスマッチを有する核酸塩基配列を有する。あるそのような態様において、該ミスマッチ核酸塩基は連続(隣接)的である。あるそのような態様において、該ミスマッチ核酸塩基は連続的ではない。
【0230】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、それと相補的な成熟miRの長さと等しい多くの結合ヌクレオシドからなる。
【0231】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的な成熟miRNAの長さより小さい。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的な成熟miRの長さより1つ少ない。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、5'末端のヌクレオシドが1つ少ない。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは3'末端のヌクレオシドが1つ少ない。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、5'末端のヌクレオシドが2つ少ない。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは3'末端のヌクレオシドの数が2つ少ない。修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基がmiRNAの対応する位置の各核酸塩基と相補的である、miRNAの長さ以下の多くの結合ヌクレオシド数を有する修飾オリゴヌクレオチドは、miRNA配列の部分と完全に相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドであると考えられる。
【0232】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的なmiRNAの長さより大きい。あるそのような態様において、さらなるヌクレオシドの核酸塩基は、miRNAステム−ループ配列の核酸塩基と相補的である。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的なmiRNAの長さより1つ大きい。あるそのような態様において、該さらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にある。あるそのような態様において、該さらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的なmiRNAの長さより2つ大きい。あるそのような態様において、該2つのさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にある。あるそのような態様において、該2つのさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。あるそのような態様において、1つのさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの5'末端に位置し、1つのさらなるヌクレオシドは3'末端に位置する。
【0233】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列の部分は、miRNAの核酸塩基配列と完全に相補的であるが、全修飾オリゴヌクレオチドがmiRNAと完全に相補的ではない。あるそのような態様において、完全に相補的な部分を有する修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの数は、miRNAの長さより大きい。例えば、ヌクレオシド1〜23の核酸塩基が長さ23核酸塩基であるmiRNAの対応する位置とそれぞれ相補的な24結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAの核酸塩基配列と完全に相補的な23ヌクレオシド部分を有し、miRNAの核酸塩基配列と全体で約96%相補性を有する。
【0234】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、miRNAの核酸塩基の部分と完全に相補的である。例えば、ヌクレオシド1〜22の核酸塩基が長さ23核酸塩基であるmiRNAの対応する位置とそれぞれ相補的な22結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、miRNAの核酸塩基配列の22核酸塩基部分と完全に相補的である。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、全miRNAの核酸塩基配列と全体で約96%の相補性を有し、miRNAの22核酸塩基部分と100%の相補性を有する。
【0235】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列の部分は、miRNAの核酸塩基配列の部分、またはその前駆体と完全に相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの15連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの15連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの16連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの16連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの17連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの17連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの18連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの18連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの19連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの19連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの20連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの20連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの22連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの22連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの23連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの23連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの24連続核酸塩基は、それぞれmiRNAの24連続核酸塩基またはその前駆体と相補性である。
【0236】
限定されるものではないが、実施例および配列表に記載のものを含む本明細書に記載の核酸塩基配列は、核酸に対するあらゆる修飾とは無関係である。したがって、配列番号により定義される核酸は、独立して、1またはそれ以上の糖部分、1またはそれ以上のヌクレオシド間結合、および/または1またはそれ以上の核酸塩基に対する1またはそれ以上の修飾を含みうる。
【0237】
この出願に伴う配列表は必要に応じて各核酸塩基配列を「RNA」または「DNA」と特定するが、実際には、これら配列は、化学修飾のあらゆる組み合わせにより修飾されることがある。当業者は、修飾オリゴヌクレオチドを説明する「RNA」または「DNA」のような表示は幾分任意であることは容易に理解するだろう。例えば、2'-OH糖部分およびチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖 (DNSの天然2'-Hに対して2'-OH)を有するDNA、または修飾塩基(RNAの天然ウラシルに対してチミン(メチル化ウラシル))を有するRNAと説明されることもある。
【0238】
したがって、限定されるものではないが、配列表に記載のものを含む本明細書に記載の核酸配列は、限定されるものではないが、修飾核酸塩基を有するそのような核酸を含む天然または修飾RNAおよび/またはDNAのあらゆる組み合わせを含む核酸を含むことを意図する。限定されるものではないが、さらなる例として、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾または非修飾のそのような核酸塩基配列を有するあらゆるオリゴマー化合物を含み、これには、限定されるものではないが、配列「AUCGAUCG」を有するもののようなRNA塩基を含むそのような化合物、「AUCGATCG」のようないくつかのDNAといくつかのRNAを有するもの、および「ATmeCGAUCG」(ここで、meCは、5-位のメチル基を含むシトシン塩基を示す。)のような他の修飾塩基を有するオリゴマー化合物が含まれる。
【0239】
本明細書でIsis番号(Isis NO.)で示されている核酸は、核酸塩基配列およびある種の同定された修飾の組み合わせを含む。
ある種の修飾オリゴヌクレオチド
【0240】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、15〜30 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、19〜24 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、21〜24 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、15 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、16 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、17 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、18 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、19 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、20 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、21 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、22 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、23 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、24 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、25 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、26 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、27 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、28 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、29 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、30 結合ヌクレオシドからなる。
ある種の修飾
【0241】
本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基、糖、および/またはヌクレオシド間結合に対する1またはそれ以上の修飾を含む。修飾核酸塩基、糖、および/またはヌクレオシド間結合を、望ましい特性、例えば、細胞への取り込みの増大、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸標的に対する親和性の増大、およびヌクレアーゼ存在下での安定性の増大のため、非修飾型に優先して選択しうる。
【0242】
ある態様において、本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上の修飾ヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、修飾ヌクレオシドは安定化ヌクレオシドである。安定化ヌクレオシドの例には糖-修飾ヌクレオシドがある。
【0243】
ある態様において、修飾ヌクレオシドは糖-修飾ヌクレオシドである。あるそのような態様において、該糖-修飾ヌクレオシドは、さらに天然または修飾複素環塩基部分および/または天然または修飾ヌクレオシド間結合を含むことができ、該糖修飾とは無関係にさらなる修飾を含むことがある。ある態様において、糖修飾ヌクレオシドは、糖環が天然リボース由来の2'炭素、または2'-デオキシ-リボースで修飾されている2'-修飾ヌクレオシドである。
【0244】
ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは2環糖部分を有する。あるそのような態様において、該2環糖部分は、α配置のD糖である。あるそのような態様において、該2環糖部分は、β配置のD糖である。あるそのような態様において、該2環糖部分は、α配置のL糖である。あるそのような態様において、該2環糖部分はβ配置のL糖である。
【0245】
ある態様において、該2環糖部分は、2'および4'-炭素原子間に架橋基を含む。あるそのような態様において、該架橋基は、1〜8結合ビラジカル基を含む。ある態様において、該2環糖部分は1〜4結合ビラジカル基を含む。ある態様において、該2環糖部分は2または3結合ビラジカル基を含む。ある態様において、該2環糖部分は2結合ビラジカル基を含む。ある態様において、結合ビラジカル基は、-O-、-S-、-N(R1)-、-C(R1)(R2)-、-C(R1)=C(R1)-、-C(R1)=N-、-C(=NR1)-、-Si(R1)(R2)-、-S(=O)2-、-S(=O)-、-C(=O)-、および-C(=S)-から選ばれる。ここで、各R1およびR2は、独立して、H、ヒドロキシル、C1-C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、置換C2-C12アルキニル、C5-C20アリール、置換C5-C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5-C7脂環式ラジカル、置換C5-C7脂環式ラジカル、ハロゲン、置換オキシ (-O-)、アミノ、置換アミノ、アジド、カルボキシル、置換カルボキシル、アシル、置換アシル、CN、チオール、置換チオール、スルホニル (S(=O)2-H)、置換スルホニル、スルホキシル(S(=O)-H)、または置換スルホキシルからえらばれ、各置換基は、独立して、ハロゲン、C1-C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、置換C2-C12アルキニル、アミノ、置換アミノ、アシル、置換アシル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12アミノアルコキシ、置換C1-C12アミノアルキル、置換C1-C12アミノアルコキシ、または保護基である。
【0246】
ある態様において、該2環糖部分は、-O-(CH2)p-、-O-CH2-、-O-CH2CH2-、-O-CH(アルキル)-、-NH-(CH2)p-、-N(アルキル)-(CH2)p-、-O-CH(アルキル)-、-(CH(アルキル))-(CH2)p-、-NH-O-(CH2)p-、-N(アルキル)-O-(CH2)p-、または-O-N(アルキル)-(CH2)p-(ここで、pは、1、2、3、4、または5であり、各アルキル基はさらに置換されうる)から選ばれるビラジカル基で2'および4'炭素原子間が架橋される。ある態様において、pは1,2、または3である。
【0247】
ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF3、OCF3、O-、S-、またはN(Rm)-アルキル;O-、S-、またはN(Rm)-アルケニル; O-、S-、またはN(Rm)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、またはO-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)(ここで、各RmおよびRnは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1-C10アルキルである)から選ばれる2'-置換基を含む。これら2'-置換基は、独立して、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO2)、チオール、チオアルコキシ (S-アルキル)、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、およびアルキニルから選ばれる1またはそれ以上の置換基でさらに置換することができる。
【0248】
ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、F、NH2、N3、OCF3、O-CH3、O(CH2)3NH2、CH2-CH=CH2、O-CH2-CH=CH2、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、-O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、およびN-置換アセトアミド(O-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)(ここで、各RmおよびRnは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1-C10アルキルである)から選ばれる2'-置換基を含む。
【0249】
ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、F、OCF3、O-CH3、OCH2CH2OCH3、2'-O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(CH3)2、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、およびO-CH2-C(=O)-N(H)CH3から選ばれる2'-置換基を含む。
【0250】
ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、F、O-CH3、およびOCH2CH2OCH3から選ばれる2'-置換基を含む。
【0251】
ある態様において、糖-修飾ヌクレオシドは4'-チオ修飾ヌクレオシドである。ある態様において、糖-修飾ヌクレオシドは4'-チオ-2'-修飾ヌクレオシドである。4'-チオ修飾ヌクレオシドは、4'-Oが4'-Sで置換されているβ-D-リボヌクレオシドを有する。4'-チオ-2'-修飾ヌクレオシドは、2'-置換基で置換された2'-OHを有する4'-チオ修飾ヌクレオシドである。適切な2'-置換基には、2'-OCH3、2'-O-(CH2)2-OCH3、および2'-Fが含まれる。
【0252】
ある態様において、本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上のヌクレオシド間修飾を含む。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、修飾ヌクレオシド間結合はリン原子を含む。
【0253】
ある態様において、本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0254】
ある態様において、修飾ヌクレオシド間結合は、リン原子を含まない。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、短鎖アルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合はシクロアルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、混合異種原子およびアルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、混合異種原子およびシクロアルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、1またはそれ以上の短鎖異種原子ヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、1またはそれ以上の複素環ヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合はアミド骨格を有する。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、混合N、O、S、およびCH2成分部分を有する。
【0255】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上の修飾核酸塩基を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上の5-メチルシトシンを含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各シトシンは、5-メチルシトシンを含む。
【0256】
ある態様において、修飾核酸塩基は、5-ヒドロキシメチルシトシン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニンから選ばれる。ある態様において、修飾核酸塩基は、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、および2-ピリドンから選ばれる。ある態様において、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、およびN-2、N-6、およびO-6置換プリン(2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、および5-プロピニルシトシンを含む)から選ばれる。
【0257】
ある態様において、修飾核酸塩基は、多環式複素環を含む。ある態様において、修飾核酸塩基は、3環式複素環を含む。ある態様において、修飾核酸塩基は、フェノキサジン誘導体を含む。ある態様において、該フェノキサジンは、さらに修飾されてG-クランプとして当該分野で知られた核酸塩基を形成することができる。
ある種のオリゴヌクレオチドモチーフ
【0258】
本発明の修飾オリゴヌクレオチドの適切なモチーフには、限定されるものではないが、完全に修飾されたもの、均一に修飾されたもの、位置的に修飾されたもの、およびギャップマーが含まれる。均一修飾モチーフを含む完全修飾モチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、成熟miRNAを標的化するよう設計することができる。あるいはまた、均一修飾モチーフを含む完全修飾モチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、プリmiRNAまたはプレmiRNAのある部位を標的化し、miRNA前駆体の成熟miRNAへのプロセシングをブロックするよう設計することができる。完全修飾モチーフまたは均一修飾モチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、miRNA活性の有効な阻害剤である。
【0259】
ある態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシドに糖修飾を含む。あるそのような態様において、複数のヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチルヌクレオシドであり、残りのヌクレオシドは、2'-フルオロヌクレオシドである。あるそのような態様において、複数の各ヌクレオシドは2'-O-メトキシエチルヌクレオシドであり、複数の各ヌクレオシドは2環ヌクレオシドである。あるそのような態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドは、さらに少なくとも1の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、完全糖修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、完全糖修飾オリゴヌクレオチドは、さらに少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、完全糖修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0260】
ある態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシド間結合で修飾される。あるそのような態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0261】
ある態様において、均一修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシドに同じ糖修飾を含む。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチル糖修飾を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2'-O-メチル糖修飾を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2'-フルオロ糖修飾を含む。あるそのような態様において、均一修飾オリゴヌクレオチドは、さらに少なくとも1の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、均一糖修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、均一糖修飾オリゴヌクレオチドは、さらに少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、均一糖修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0262】
ある態様において、均一修飾オリゴヌクレオシドは、全体に同じヌクレオシド間結合修飾を含む。あるそのような態様において、均一修飾オリゴヌクレオシドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0263】
表1は、本明細書に記載のmiRNAと相補的なある均一修飾オリゴヌクレオチドを示す。各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチル糖を含み、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートであり、および各シトシンは5-メチルシトシンである。
【表1】

【0264】
ある態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドは、各領域の各ヌクレオシドが同じ糖部分を含み、各領域の各ヌクレオシドが隣接領域の糖部分と異なる糖部分を含む結合ヌクレオシドの領域を含む。
【0265】
ある態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも10の2'-フルオロ修飾ヌクレオシドを含む。そのような位置的修飾オリゴヌクレオチドは、下記式Iにより表すことができる:
5'-T1-(Nu1-L1)n1-(Nu2-L2)n2-Nu2-(L3-Nu3)n3-T2-3'
[式中、
各Nu1およびNu3は、独立して安定化ヌクレオシドである;
少なくとも10のNu2は、2'-フルオロヌクレオシドである;
各L1、L2、およびL3は、独立してヌクレオシド間結合である;
各T1およびT2は、独立してH、ヒドロキシル保護基、所望により結合したコンジュゲート基、またはキャッピング基である;
n1は、0〜約3である;
n2は、約14〜約22である;
n3は、0〜約3である;
ただし、n1が0であるときはT1はHまたはヒドロキシル保護基ではなく、n3が0である時はT2はHまたはヒドロキシル保護基ではない。]。
【0266】
あるそのような態様において、n1およびn3は、それぞれ独立して1〜約3である。ある態様において、n1およびn3は、それぞれ独立して2〜約3である。ある態様において、n1は1または2であり、n3は2または3である。ある態様において、n1およびn3は各2である。ある態様において、n1およびn3の少なくとも1は0より大きい。ある態様において、n1およびn3は、それぞれ0より大きい。ある態様において、n1およびn3の少なくとも1は、ある態様において、n1およびn3の1つは1より大きい。
【0267】
ある態様において、n2は、16〜20である。ある態様において、n2は17〜19である。ある態様において、n2は18である。ある態様において、n2は19である。ある態様において、n2は20である。
【0268】
ある態様において、約2〜約8個のNu2ヌクレオシドが、安定化ヌクレオシドである。ある態様において、約2〜約6個のNu2ヌクレオシドが、安定化ヌクレオシドである。ある態様において、約3〜約4個のNu2 ヌクレオシドが、安定化ヌクレオシドである。ある態様において、3個のNu2 ヌクレオシドが、安定化ヌクレオシドである。
【0269】
ある態様において、各Nu2安定化ヌクレオシドは、2〜約8個の2'-フルオロヌクレオシドによりNu3安定化ヌクレオシドから分離している。ある態様において、各Nu2安定化ヌクレオシドは、3〜約8個の2'-フルオロヌクレオシドによりNu3安定化ヌクレオシドから分離している。ある態様において、各Nu2安定化ヌクレオシドは、5〜約8個の2'-フルオロヌクレオシドによりNu3安定化ヌクレオシドから分離している。
【0270】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、2〜約6個のNu2安定化ヌクレオシドを含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは3個のNu2安定化ヌクレオシドを含む。
【0271】
ある態様において、各Nu2安定化ヌクレオシドは、1個の連続配列で互いに結合している。ある態様において、少なくとも2のNu2安定化ヌクレオシドは、少なくとも1の2'-フルオロヌクレオシドで分離している。ある態様において、各Nu2安定化ヌクレオシドは、少なくとも1の2'-フルオロヌクレオシドにより分離している。
【0272】
ある態様において、Nu2 2'-フルオロヌクレオシドの少なくとも2の連続配列は、少なくとも1の安定化ヌクレオシドにより分離している(ここで、各連続配列は同数の2'-フルオロヌクレオシドを有する。)。
【0273】
ある態様において、T1およびT2は、それぞれ独立して、Hまたはヒドロキシル保護基である。ある態様において、T1およびT2の少なくとも1つが4,4'-ジメトキシトリチルである。ある態様において、T1およびT2の少なくとも1つが所望により結合したコンジュゲート基である。ある態様において、T1およびT2の少なくとも1つはキャッピング基である。ある態様において、該キャッピング基は逆デオキシ脱塩基性基である。
【0274】
ある態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。あるそのような態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0275】
ある態様において、位置的修飾オリゴヌクレオチドは、結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを示す、下記式IIで示される:
T1-(Nu1)n1-(Nu2)n2-(Nu3)n3-(Nu4)n4-(Nu5)n5-T2
[式中、
Nu1およびNu5は、独立して2'安定化ヌクレオシドである;
Nu2およびNu4は、2'-フルオロヌクレオシドである;
Nu3は、2'-修飾ヌクレオシドである;
n1およびn5は、それぞれ独立して0〜3である;
n2+n4の合計は10〜25である;
n3は0〜5である;
各T1およびT2は、独立して、H、ヒドロキシル保護基、所望により結合したコンジュゲート基またはキャッピング基である。]。
【0276】
ある態様において、n2とn4の合計が16である。ある態様において、n2とn4の合計が17である。ある態様において、n2とn4の合計が18である。ある態様において、n1は2であり、n3は2または3であり、n5は2である。
【0277】
ある態様において、Nu1およびNu5は、独立して2'-修飾ヌクレオシドである。
【0278】
ある態様において、Nu1はO-(CH2)2-OCH3であり、Nu3はO-(CH2)2-OCH3であり、Nu5はO-(CH2)2-OCH3であり、T1はHであり、T2はHである。
【0279】
ある態様において、miRNAと相補的な、21結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、表2から選ばれる式IIを有する。ある態様において、表2から選ばれる式IIを有する修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号24および27に示す核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列を有する。
【表2】

【0280】
ある態様において、22結合ヌクレオシドからなる、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である表3から選ばれる式IIを有する。ある態様において、表3から選ばれる式IIを有する修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号17、20、22、26、および28に示す核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列を有する。
【表3】

【0281】
ある態様において、23結合ヌクレオシドからなる、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、表4から選ばれる式IIを有する。ある態様において、表4から選ばれる式IIを有する修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号18、21、および23で示される核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列を有する。
【表4】

【0282】
ある態様において、24結合ヌクレオシドからなる、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、表5から選ばれる式IIを有する。ある態様において、表5から選ばれる式IIを有する修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号19および23で示される核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列を有する。
【表5】

【0283】
ある態様において、25結合ヌクレオシドからなる、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、表6から選ばれる式IIを有する。ある態様において、表6から選ばれる式IIを有する修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号30で示される核酸塩基配列を有する。
【表6】

【0284】
ギャップマーモチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、結合2'-デオキシヌクレオチドからなる内部領域と結合2'-修飾ヌクレオシドからなる外部領域を有しうる。そのようなギャップマーは、miRNA前駆体のRNアーゼH開裂を引き起こすように設計することができる。内部2'-デオキシヌクレオシド領域はRNアーゼHの基質の役割を果たし、修飾オリゴヌクレオチドが標的とするmiRNA前駆体の開裂を可能にする。ある態様において、各外部領域の各ヌクレオシドは、同じ2'-修飾ヌクレオシドを含む。ある態様において、ある外部領域は均一に第1 2'-修飾ヌクレオシドからなり、その他の外部領域は、均一に第2 2'-修飾ヌクレオシドからなる。
【0285】
ギャップマーモチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシドに糖修飾を有しうる。ある態様において、内部領域は、均一に第1 2'-修飾ヌクレオシドからなり、各該翼は、均一に第2 2'-修飾ヌクレオシドからなる。あるそのような態様において、該内部領域は、均一に2'-フルオロヌクレオシドからなり、各外部領域は、均一に2'-O-メトキシエチルヌクレオシドからなる。
【0286】
ある態様において、ギャップマーの各外部領域は、結合2'-O-メトキシエチルヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの各外部領域は、結合2'-O-メチルヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの各外部領域は2'-フルオロヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの各外部領域は結合2環ヌクレオシドからなる。
【0287】
ある態様において、ギャップマーのある外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは、異なる2'-修飾を含む。あるそのような態様において、ギャップマーのある外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メチルヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーのある外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは、2'-フルオロヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーのある外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは、2'-フルオロヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーのある外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは、2環ヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーのある外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは、2環ヌクレオシドを含む。
【0288】
ある態様において、ある外部領域のヌクレオシドは、2またはそれ以上の糖修飾を含む。ある態様において、各外部領域のヌクレオシドは、2またはそれ以上の糖修飾を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチル糖を含み、該外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-フルオロ糖を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチル糖を含み、該外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2環糖部分を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-O-メチル糖を含み、該外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2環糖部分を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-O-メチル糖を含み、該外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-フルオロ糖を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-フルオロ糖を含み、該外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2環糖部分を含む。
【0289】
ある態様において、ギャップマーの各外部領域は同数の結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーのある外部領域は、他の外部領域の結合ヌクレオシドと異なる多くの結合ヌクレオシドからなる。
【0290】
ある態様において、該外部領域は、独立して、1〜6ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は、1ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は、2ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は3ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は4ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は5ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は6ヌクレオシドを含む。ある態様において、内部領域は、17〜28 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は17〜21 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は17 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は18 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は19 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は20 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は21 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は22 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は23 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は24 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は25 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は26 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は27 結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は28 結合ヌクレオシドからなる。
さらなる療法
【0291】
癌治療は、2以上の療法を含むことが多い。したがって、ある態様において、本発明は、miRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドまたはその前駆体を含む化合物を肝臓癌の治療が必要な対象に投与し、さらに少なくとも1のさらなる療法を施すことを含む肝臓癌の治療方法を提供する。
【0292】
ある態様において、さらなる療法は、HCCのような肝臓癌を治療するために設計されることもある。さらなる療法は化学療法剤でありうる。適切な化学療法剤には、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、マイトマイシンc、ソラフェニブ、エトポシド、カルボプラチン、エピルビシン、イリノテカン、およびオキサリプラチンが含まれる。さらなる適切な化学療法剤には、本発明の修飾オリゴヌクレオチド以外の、癌治療に用いられる修飾オリゴヌクレオチドが含まれる。さらなる療法は、肝臓腫瘍の外科的切除、肝臓移植、または化学塞栓術でありうる。
【0293】
ある態様において、さらなる療法は、HCCを含む肝臓癌以外の疾患を治療するために設計されるかもしれない。あるそのような態様において、さらなる療法は、C型肝炎感染またはB型肝炎感染に対する治療でありうる。
【0294】
ある態様において、さらなる療法は、C型肝炎感染に対する治療である。C型肝炎感染治療用の治療剤には、インターフェロン、例えば、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-2a、およびインターフェロンアルファコン-1が含まれる。インターフェロン投与頻度の減少は、ペグ化(pegylated)インターフェロン(ポリエチレングリコール部分と結合したインターフェロンで薬物動態プロフィールが顕著に改善される)を用いて達成することができる。インターフェロンα-2b (ペグ化および非ペグ化)とリババリンの併用療法は、ある患者集団で有効であることがわかった。現在開発中の他の薬剤には、RNA複製阻害剤(例えば、ViroPharmaのVP50406シリーズ)、アンチセンス物質(例えば、抗-miR-122)、治療用ワクチン、プロテアーゼ阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、および抗体療法(モノクローナルおよびポリクローナル)が含まれる。
【0295】
ある態様において、さらなる療法は、低用量シクロホスファミド、チモスチムリン、ビタミン、および栄養補助食品(例えば、抗酸化剤(ビタミンA、C、E、β-カロテン、亜鉛、セレニウム、グルタチオン、コエンザイムQ-10、およびエキナセアを含む))、およびワクチン、例えば、抗原の多量体的提示とアジュバントを組み合わせたワクチン製剤を含む免疫刺激複合体(ISCOM)、を含む身体の免疫系を増強する医薬物質であるかもしれない。
【0296】
あるそのような態様において、該さらなる療法は、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物の副作用を治療または改善するためにえらばれる。そのような副作用には、限定されるものではないが、注射部位反応、肝機能検査異常、腎機能異常、肝臓毒性、腎臓毒性、中枢神経系異常、およびミオパシーが含まれる。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝臓毒性または肝機能異常を示す。例えばビリルビンの増加は、肝臓毒性または肝機能異常を示す。
【0297】
ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬物質を同時に投与する。ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬物質を異なる時に投与する。ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬物質は、一緒に単一製剤に調製される。ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬物質は、別個に調製される。
医薬組成物
【0298】
ある態様において、本明細書に記載のmiRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドまたはその前駆体を含む化合物を、HCCを含む肝臓癌を治療するための医薬組成物として製造する。適切な投与経路には、限定されるものではないが、経口、直腸内、経粘膜、腸内、経腸、局所、坐剤、吸入、髄腔内、脳室内(intraventricular)、腹腔内、鼻内、眼内、腫瘍内、および非経口的(例えば、静脈内、筋肉、髄内、および皮下)が含まれる。さらなる適切な投与経路には化学塞栓術が含まれる。ある態様において、医薬的髄腔内剤(intrathecal)は、全身的暴露ではなく局所的暴露を達成するために投与される。例えば、医薬組成物は、効果を期待する領域(例えば腫瘍内)に直接注射することができよう。
【0299】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、用量単位の形(例えば、錠剤、カプセル、ボーラスetc.)で投与される。ある態様において、そのような医薬組成物は、以下から選ばれる用量の修飾オリゴヌクレオチドを含む:25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、105 mg、110 mg、115 mg、120 mg、125 mg、130 mg、135 mg、140 mg、145 mg、150 mg、155 mg、160 mg、165 mg、170 mg、175 mg、180 mg、185 mg、190 mg、195 mg、200 mg、205 mg、210 mg、215 mg、220 mg、225 mg、230 mg、235 mg、240 mg、245 mg、250 mg、255 mg、260 mg、265 mg、270 mg、270 mg、280 mg、285 mg、290 mg、295 mg、300 mg、305 mg、310 mg、315 mg、320 mg、325 mg、330 mg、335 mg、340 mg、345 mg、350 mg、355 mg、360 mg、365 mg、370 mg、375 mg、380 mg、385 mg、390 mg、395 mg、400 mg、405 mg、410 mg、415 mg、420 mg、425 mg、430 mg、435 mg、440 mg、445 mg、450 mg、455 mg、460 mg、465 mg、470 mg、475 mg、480 mg、485 mg、490 mg、495 mg、500 mg、505 mg、510 mg、515 mg、520 mg、525 mg、530 mg、535 mg、540 mg、545 mg、550 mg、555 mg、560 mg、565 mg、570 mg、575 mg、580 mg、585 mg、590 mg、595 mg、600 mg、605 mg、610 mg、615 mg、620 mg、625 mg、630 mg、635 mg、640 mg、645 mg、650 mg、655 mg、660 mg、665 mg、670 mg、675 mg、680 mg、685 mg、690 mg、695 mg、700 mg、705 mg、710 mg、715 mg、720 mg、725 mg、730 mg、735 mg、740 mg、745 mg、750 mg、755 mg、760 mg、765 mg、770 mg、775 mg、780 mg、785 mg、790 mg、795 mg、および800 mg。あるそのような態様において、本発明の医薬組成物は、以下から選ばれる用量の修飾オリゴヌクレオチドを含む:25 mg、50 mg、75 mg、100 mg、150 mg、200 mg、250 mg、300 mg、350 mg、400 mg、500 mg、600 mg、700 mg、および800mg。
【0300】
ある態様において、医薬物質は、適切な希釈剤、例えば注射用無菌水または注射用無菌生理食塩水で再構成される無菌凍結乾燥修飾オリゴヌクレオチドである。再構成生成物を、生理食塩水で希釈後に皮下注射としてまたは静脈内注入として投与する。凍結乾燥薬剤生成物は、注射用水または注射用生理食塩水を用いて調製され、調製時に酸または塩基でpH7.0〜9.0に調整され、次いで凍結乾燥された修飾オリゴヌクレオチドからなる。凍結乾燥修飾オリゴヌクレオチドは、25〜800 mgの修飾オリゴヌクレオチドでありうる。これには、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、および800 mgの凍結乾燥修飾オリゴヌクレオチドを含むと理解される。凍結乾燥薬物製剤は、2mLタイプI透明ガラスバイアル(硫酸アンモニウム処理)に詰め、ブロモブチルゴムで栓をし、アルミニウムFLIP-OFF(登録商標)オーバーシールで密封することができよう。
【0301】
ある態様において、本発明の組成物は、さらに、医薬組成物中に常套的にみられる他の補助成分を当該分野で確立された使用レベルで含むことがある。すなわち、例えば、該組成物は、さらなる適合性の医薬活性物質、例えば、かゆみ止め、収斂剤、局所麻酔剤、または抗炎症剤を含むか、または本発明の組成物の種々の剤形を物理的に処方するのに有用なさらなる物質、例えば、染料、香味料、保存料、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定化剤を含むことができる。しかしながら、そのような物質は、加えるときに、本発明の組成物の成分の生物活性と過度に干渉してはならない。該製剤は滅菌することができ、必要であれば、該製剤のオリゴヌクレオチドに有害な作用を及ぼさない助剤、例えば潤滑剤、保存料、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色量、香味料、および/または芳香物質などと混合することができる。
【0302】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、1またはそれ以上の修飾オリゴヌクレオチドおよび1またはそれ以上の賦形剤を含む。あるそのような態様において、賦形剤は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンから選ばれる。
【0303】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、限定されるものではないが、混合、溶解、顆粒化、糖衣化、粉末化(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または錠剤化工程を含む既知の技術を用いて製造される。
【0304】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、液体(例えば、サスペンジョン、エリキシル、および/または溶液)である。あるそのような態様において、液体医薬組成物は、限定されるものではないが、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存料、および着色料を含む当該分野で知られた成分を用いて製造される。
【0305】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、固体(例えば、粉末、錠剤、および/またはカプセル)である。あるそのような態様において、1またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含む固体医薬組成物は、限定されるものではないが、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤を含む当該分野で知られた成分を用いて製造される。
【0306】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、デポー製剤として製剤化される。あるそのようなデポー製剤は、典型的には非デポー製剤より長く作用する。ある態様において、そのような製剤は、移植(例えば皮下または筋肉内)または筋肉内注射により投与される。ある態様において、デポー製剤は、適切なポリマーまたは疎水性物質(例えば、許容される油中のエマルジョン)またはイオン交換樹脂を用いて製造されるか、または難溶性誘導体、例えば難溶性塩として製造される。
【0307】
ある態様において、本発明の医薬組成物はデリバリーシステム(送達系)を含む。送達系の例には、限定されるものではないが、リポソームおよびエマルジョンが含まれる。ある送達系は、疎水性化合物を含む医薬組成物を含むある種の医薬組成物を製造するのに有用である。ある態様において、ジメチルスルホキシドのような特定の有機溶媒を用いる。
【0308】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、本発明の1またはそれ以上の医薬物質を特定の組織または細胞種に送達するように設計された1またはそれ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、ある態様において、医薬組成物は、組織特異抗体でコートされたリポソームを含む。
【0309】
ある態様において、本発明の医薬組成物は共溶媒系を含む。あるそのような共溶媒系には、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水性相が含まれる。ある態様において、そのような共溶媒系は疎水性化合物に用いられる。そのような共溶媒系の非限定的例には、3% w/v ベンジルアルコール、8% w/vの非極性界面活性剤のPolysorbate 80(登録商標)、および65% w/v ポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液であるVPD共溶媒系がある。そのような共溶媒系の割合は、その溶解特性と毒性特性を著しく変化させずに大幅に変えることができよう。さらに、共溶媒成分の同一性を変えることができ、例えば他の界面活性剤をPolysorbate 80(登録商標)の代わりに用いてよく、ポリエチレングリコールの分画サイズを変化させることができ、他の生体適合性ポリマーをポリエチレングリコールと置換することができ(例えばポリビニルピロリドン)、また、他の糖または多糖をデキストロースと置換することができよう。
【0310】
ある態様において、本発明の医薬組成物は持続放出系を含む。そのような持続放出系の非限定的例には、固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスがある。ある態様において、持続放出系は、その化学的性質に応じて、数時間、数日間、数週間、または数ヶ月の期間にわたり医薬物質を放出しうる。
【0311】
ある態様において、本発明の医薬組成物は経口投与用に製造される。あるそのような態様において、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む1またはそれ以上の化合物を1またはそれ以上の医薬的に許容される担体と混合することにより製剤化される。あるそのような担体は、医薬組成物を、対象が経口的に摂取するための、錠剤、丸剤、ドラジー剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、サスペンジョン剤などとして製剤化することができる。ある態様において、経口使用するための医薬組成物は、オリゴヌクレオチドを1またはそれ以上の固体賦形剤と混合することにより得られる。適切な賦形剤には、限定されるものではないが、充填剤、例えば糖(ラクトース、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む);セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。ある態様において、そのような混合物は粉にされることがあり、助剤が加えられることがある。ある態様において、医薬組成物は、錠剤またはドラジーコアを得るよう形成される。ある態様において、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(例えばアルギン酸ナトリウム))を加える。
【0312】
ある態様において、ドラジーコアはコーティングして提供される。あるそのような態様において、濃縮糖溶液を用いることができ、これは、所望により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポール(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含む。染料または色素を錠剤またはドラジーコーティングに加えてよい。
【0313】
ある態様において、経口投与用の医薬組成物は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセルである。あるそのようなプッシュフィットカプセルは、本発明の1またはそれ以上の医薬物質を1またはそれ以上の充填剤、例えばラクトース、結合剤、例えばデンプン、および/または潤滑剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により安定化剤と組み合わせて含む。ある態様において、経口投与用の医薬組成物は、ゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールでできた軟密封カプセルである。ある軟カプセルにおいて、本発明の1またはそれ以上の医薬物質は、適切な溶液、例えば脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁される。さらに、安定化剤を加えることができる。
【0314】
ある態様において、医薬組成物はバッカル投与用に製造される。あるそのような医薬組成物には、常套的方法で製剤化された錠剤またはローゼンジー剤がある。
【0315】
ある態様において、医薬組成物は、注射で投与する(例えば、静脈内、皮下、筋肉内など)ために製造される。あるそのような態様において、医薬組成物は担体を含み、液体溶液、例えば水または生理学的に適合性の緩衝液、例えばハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理食塩水緩衝液を用いて製剤化される。ある態様において、他の成分 (例えば溶解性を助けるか、または保存料の役目を果たす成分)が含まれる。ある態様において、注射可能サスペンジョン剤は、適切な担体、懸濁化剤などを用いて製造される。ある注射用医薬組成物は、単位剤形で、例えばアンプルもしくは多用量容器中に存在する。ある注射用医薬組成物には、油性もしくは水性ビークル中のサスペンジョン剤、溶液剤、またはエマルジョン剤があり、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散化剤のような製剤化剤を含むことができる。注射用医薬組成物に用いるのに適したある溶媒には、限定されるものではないが、脂溶性溶媒および脂肪油(例えばゴマ油)、合成脂肪酸エステル(例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド、およびリポソームが含まれる。水性注射用サスペンジョン剤は、サスペンジョンの粘性を増加する物質、例えば、カルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランを含みうる。所望により、そのようなサスペンジョン剤は、高濃度溶液の製造を可能にするために、適切な安定化剤、または医薬物質の可溶性を増加させる物質を含むこともできよう。
【0316】
ある態様において、医薬組成物は経粘膜投与のために製造される。あるそのような態様において、浸透すべき障壁に適した浸透剤を製剤に用いる。そのような浸透剤は当該分野で一般的に知られている。
【0317】
ある態様において、医薬組成物は吸入により投与するために製造される。あるそのような吸入用医薬組成物は、加圧パックまたはネブライザー中のエアロゾルスプレーの形で製造される。あるそのような医薬組成物は、プロペラント、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスを含む。加圧エアロゾルを用いるある態様において、用量単位は、計量された量を送達するバルブを用いて決定することができる。ある態様において、吸入器(inhalerまたはinsufflator)に用いるためのカプセルおよびカートリッジを製剤化することができよう。あるそのような製剤は、本発明の医薬物質と適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末混合物を含む。
【0318】
ある態様において、医薬組成物は、直腸投与のために、例えば坐剤または停留浣腸として製造される。あるそのような医薬組成物は、既知成分、例えばココアバターおよび/または他のグリセリドを含む。
【0319】
ある態様において、医薬組成物は、局所投与用に製造される。あるそのような医薬組成物は、無刺激性保湿基剤、例えば軟膏またはクリームを含む。適切な軟膏基剤の例には、限定されるものではないが、ペトロラタム、ペトロラタムに揮発性シリコンを加えたもの、およびラノリン、および油中水エマルジョンが含まれる。適切なクリーム基剤の例には、例えばコールドクリームおよび親水性軟膏が含まれる。
【0320】
ある態様において、本発明の医薬組成物は、治療的有効量の修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、治療的有効量は、疾患の症状を予防、軽減、または改善し、または治療している対象の生存を延長するのに十分である。治療的有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0321】
ある態様において、本発明の1またはそれ以上の修飾オリゴヌクレオチドはプロドラッグとして製剤化される。ある態様において、プロドラッグはin vivoに投与すると、生物学的、医薬的、もしくは治療的により活性な形の修飾オリゴヌクレオチドに化学的に変換される。ある態様において、プロドラッグは、対応する活性型より投与しやすいので有用である。例えば、ある場合には、プロドラッグは、対応する活性型より(例えば経口投与を介して)生物学的に利用可能でありうる。ある場合には、プロドラッグは、対応する活性型に比べて可溶性が改善されていることがある。ある態様において、プロドラッグは対応する活性型より水溶性が低い。ある場合には、そのようなプロドラッグは、水溶性が流動性に有害である細胞膜を横切る送達に優れている。ある態様において、プロドラッグはエステルである。あるそのような態様において、該エステルは、投与すると代謝的に加水分解されてカルボン酸になる。ある場合には、カルボン酸を含む化合物は対応する活性型である。ある態様において、プロドラッグは、酸基と結合した短ペプチド(ポリアミノ酸)を含む。あるそのような態様において、投与すると、該ペプチドは開裂し、対応する活性型を形成する。
【0322】
ある態様において、プロドラッグは、in vivo投与すると活性化合物に再生するように医薬活性化合物を修飾することにより製造される。該プロドラッグは、薬剤の代謝安定性または輸送特性を変化させ、副作用や毒性を覆い隠し、薬剤の風味を改善し、または薬剤の他の特性または特徴を変化させるよう設計することができる。in vivoでの薬物動態プロセスと薬剤代謝の知識により、医薬活性化合物を知っている当業者は、該化合物のプロドラッグを設計することができる(例えば、Nogrady (1985) Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、Oxford University Press、New York、pages 388-392参照)。
ある実験モデル
【0323】
ある態様において、本発明は、実験モデルにおいて本発明の修飾オリゴヌクレオチドを使用および/または試験する方法を提供する。ある態様において、実験モデルを用いてHCCを含む肝臓癌を治療するための本発明の修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価する。当業者は、そのような実験モデルのプロトコールを選択し、修飾して、本発明の医薬物質を評価することができる。
【0324】
一般的に、修飾オリゴヌクレオチドは、最初に培養細胞中で試験される。適切な細胞種には、in vivoで修飾オリゴヌクレオチドを送達することが望ましい細胞種に関連するものが含まれる。例えば、肝臓癌を治療するための修飾オリゴヌクレオチドの試験に適した細胞種には、肝臓癌由来の細胞種、例えば、HepG2、Hep3B、SK-Hep1、7721、SNU-398、SNU423、SNU449、Huh7、HCCLM3、およびMHT細胞が含まれる。
【0325】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドがmiRNAの活性と干渉する程度を培養細胞を用いて評価する。ある態様において、miRNA活性の阻害は、miRNAレベルを測定することにより評価することができよう。あるいはまた、推定または実証されたmiRNA標的のレベルを測定することができる。miRNA活性の阻害は、miRNA標的のmRNAおよび/またはタンパク質の増加をもたらしうる。さらに、ある態様において、ある表現形的結果を測定することができる。例えば、適切な表現形的結果には、細胞増殖の阻害、細胞死の誘導、およびアポトーシスの誘導が含まれる。他の適切な表現形的結果には、細胞周期のあらゆる時点、例えば、G1/S移行期、S期、G2/M移行期、有糸分裂、または細胞質分裂での細胞の停止が含まれる。
【0326】
miRNAの活性を効果的に阻害する修飾オリゴヌクレオチドをin vitroで同定した後、修飾オリゴヌクレオチドをさらにin vivo実験モデルを用いて試験する。本明細書に記載のmiRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化学療法剤を試験するのに適した実験モデルには、皮下異種移植マウスモデル、同所肝臓異種移植マウスモデル、SV40 t/Tトランスジェニックマウスモデル、TGF-α/c-mycトランスジェニックマウスモデル、および化学誘発癌(ジエチルニトロソアミン)マウスモデルが含まれる。
【0327】
本発明の修飾オリゴヌクレオチドを試験するのに適したin vivo実験モデルには、皮下異種移植マウスモデルが含まれる。このモデルでは、細胞を培養から取り出し、マウスに皮下注射する。適切な細胞には、例えばHep3B細胞が含まれる。適切なマウスには、例えば、BALB/cヌードマウスが含まれる。適切な注射部位は、例えばマウスの脇腹である。生理食塩水に溶解した修飾オリゴヌクレオチドを1週間に2〜3回の頻度でマウスに投与する。修飾オリゴヌクレオチドを、移植前、移植と同時、または移植後に投与する。適切な投与経路には、腹腔内投与および腫瘍内投与が含まれる。修飾オリゴヌクレオチドの用量範囲は5〜50mg/kgである。動物を3〜4週間処置し、次いで腫瘍サイズ、腫瘍数、および肝臓重量を測定する。測定はデジタルキャリパーを用いて行ってよい。生理食塩水処理動物をコントロール群に用いる。例えば5-フルオロウラシルのような化学療法剤を、腫瘍サイズまたは腫瘍数の阻害の陽性コントロールとして用いることができる。腫瘍サイズ、腫瘍数、および肝臓重量を含む種々のエンドポイントを評価する。修飾オリゴヌクレオチド処理マウスをコントロール処理マウスの同じエンドポイントと比較する。統計学的分析を用いて、あらゆるエンドポイントの有意差を同定する。皮下異種移植モデルは、修飾オリゴヌクレオチドを含む化学療法剤のin vivo評価のための当該分野で許容されるモデルである。例えば、Koller et al.、Cancer Res.、2006、66、2059-2066、およびCheng et al.、Cancer Res.、2007、67、309-317参照。
【0328】
本発明の修飾オリゴヌクレオチドを試験するのに適したin vivo実験モデルは、HCCLM3同所肝異種移植モデルである。このモデルにおいて、約1x106個のHCCLM3細胞 (高転移性ヒトHCC細胞系)をBALB/cヌードマウスの脇腹に皮下注射する。腫瘍が適切なサイズ(例えば1mm3)になったら、腫瘍断片を取り出し、他のBALB/cヌードマウスに肝内移植する。この時点で、生理食塩水に溶解した修飾オリゴヌクレオチドを1週間に2〜3回の頻度でマウスに投与する。あるいはまた、修飾オリゴヌクレオチドの投与を移植後数日(例えば10日)に開始する。適切な投与経路には、腹腔内投与および腫瘍内投与が含まれる。修飾オリゴヌクレオチドの用量範囲は5〜50mg/kgである。短期試験では、動物を3〜4週間処置し、次いで、腫瘍サイズ、腫瘍数、肝臓重量、転移数、および生存数を測定する。あるいはまた、長期試験では、動物を8〜30週間処置し、次いで、腫瘍サイズ、腫瘍数、肝臓重量、転移数、および生存を含む種々のエンドポイントを測定し、評価する。肺組織のような組織で転移を測定する。腫瘍サイズと腫瘍重量の測定は、デジタルキャリパーを用いて行うことができる。生理食塩水処置動物をコントロール群として用いる。例えば5-フルオロウラシルのような化学療法剤を腫瘍サイズまたは腫瘍数の阻害の陽性コントロールとして用いることができる。修飾オリゴヌクレオチド処置マウスで観察されたエンドポイントをコントロール処理マウスの同じエンドポイントと比較する。統計分析を用いて、あらゆるエンドポイントの有意差を同定する。同所異種移植モデルは修飾オリゴヌクレオチドを含む化学療法剤のin vivo評価のための当該分野で認められたモデルである。例えば、Li et al.、Clin. Cancer Res.、2006、12、7140-7148参照。HCCLM3細胞の代わりにHepG2細胞を用いて同所モデルを確立することができよう。
【0329】
さらなる適切なin vivo実験モデルは、SV40 t/Tトランスジェニックマウスモデルである。トランスジェニックマウスを操作して、肝特異的C反応性タンパク質プロモーターの制御下でSV40大T抗原を発現させた(SV40 t/Tマウス)(Ruther et al.、Oncogene、1993、8、87-93)。SV40大T抗原は、細菌リポ多糖の注射により一時的に誘導することができ、肝細胞癌を発現させる。この時点で、生理食塩水に溶解した修飾オリゴヌクレオチドを1週間に2〜3回の頻度でマウスに投与する。修飾オリゴヌクレオチドの用量範囲は5〜50 mg/kgである。適切な投与経路には腹腔内投与および腫瘍内投与が含まれる。短期試験では、動物を3〜4週間処置し、次いで、腫瘍サイズ、腫瘍数、肝臓重量、転移数、および生存数を測定する。あるいはまた、長期試験では、動物を8〜30週間処置し、次いで、腫瘍サイズ、腫瘍数、肝臓重量、転移数、および生存を含む種々のエンドポイントを測定する。肺組織のような組織で転移を測定する。腫瘍サイズと腫瘍重量の測定は、デジタルキャリパーを用いて行うことができる。生理食塩水処置動物をコントロール群として用いる。例えば5-フルオロウラシルのような化学療法剤を腫瘍サイズまたは腫瘍数の阻害の陽性コントロールとして用いることができる。修飾オリゴヌクレオチド処置マウスで観察されたエンドポイントをコントロール処理マウスの同じエンドポイントと比較する。統計分析を用いて、あらゆるエンドポイントの有意差を同定する。
【0330】
適切なin vivo実験モデルは、化学誘発発癌マウスモデルである。肝臓癌を発癌物質のジエチルニトロソアミン(DEN)を投与して誘発する。マウスに5または25mg/kg DENを腹腔内注射する。生理食塩水に溶解した修飾オリゴヌクレオチドを1週間に2〜3回の頻度でマウスに投与する。修飾オリゴヌクレオチドの用量範囲は5〜50 mg/kgである。短期試験では、動物を4〜8週間処置し、次いで、腫瘍サイズ、腫瘍数、肝臓重量、転移数、および生存数を測定する。あるいはまた、長期試験では、動物を8〜30週間処置し、次いで、腫瘍サイズ、腫瘍数、肝臓重量、転移数、および生存を含む種々のエンドポイントを測定する。肺組織のような組織で転移を測定する。腫瘍サイズと腫瘍重量の測定は、デジタルキャリパーを用いて行うことができる。生理食塩水処置動物をコントロール群として用いる。例えば5-フルオロウラシルのような化学療法剤を腫瘍サイズまたは腫瘍数の阻害の陽性コントロールとして用いることができる。修飾オリゴヌクレオチド処置マウスで観察されたエンドポイントをコントロール処理マウスの同じエンドポイントと比較する。統計分析を用いて、あらゆるエンドポイントの有意差を同定する。DEN誘発HCCモデルはHCCの試験に用いられている。例えば、Maeda et al.、Cell、2005、121、977-990参照。
ダイオキシン
【0331】
ダイオキシンは、多様な有害作用を有することがわかっている2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(TCDD)のような環境汚染物質のファミリーである。TCDDは、最も強力な発癌物質であり、他の有害生物反応を誘導することも知られている。ダイオキシン誘発作用には、限定されるものではないが、皮膚疾患、出生異常、流産、発育障害、催奇形性、免疫毒性、および癌が含まれる。ダイオキシンは、有機物質が塩素存在下で燃焼するときに小濃度で生成される。この手順は、紙の漂白のような種々の産業プロセスにおいて生じるが、ダイオキシンは火山や森林火災のような天然供給源からも生じうる。ダイオキシンは、主としてその脂溶性特性により食物摂取(除草剤)からだけでなく、吸入によっても一般集団に入る。ダイオキシンに暴露後の一般的処置は食物脂肪で身体からダイオキシンを除去することであるが、それはダイオキシンが非常に脂溶性であるからである。ダイオキシンを減少させるためのさらなるアプローチには、鉱油(Moser and McLachlan、1999)、活性炭(Araki、1974)、ぬか油(Ilda、1995)、または人工脂肪Olestra (Geusau et al.、1999、2002)の食事による摂取であるが、これらの処置の効果はごくわずかである。
【0332】
ダイオキシンの発癌作用メカニズムは、まだ十分には解っていないが、アリール炭化水素レセプター (AhR)リガンドであることが知られており、その作用のすべてでなくとも、そのほとんどがAhRの活性化を介していると考えられる。
【0333】
AhRは、生体異物の代謝において機能する一連の酵素の転写活性化を仲介するリガンド活性化転写因子のベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックス/Per-Arnt-Sim (bHLH/PAS)のファミリーに属する。リガンドが結合すると、AhRは、核に移行し、そのパートナータンパク質Arntと結合し、ヘテロダイマーを形成する。ヘテロダイマーは、生体異物反応性エレメント(XRE)というDNA上のエンハンサー部位と結合し、生体異物代謝および他の機能に関与する種々の酵素の転写活性化の調節に関与する。AhRにより転写的に制御される遺伝子の1つに、Arntとヘテロダイマーを形成し、XREと結合することもできるAhRリプレッサー(AhRR)があるが、これは転写抑制を形成する。AhRR転写は、AhRにより制御されるので、AhRおよびAhRRは、制御フィードバックループを形成する。
【0334】
AhR活性化の結果として、「AhR遺伝子バッテリー」は、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、NQO1、ALHD3A1、UGT1A2、およびGSTA1からなる第I相および第II相代謝酵素を上方調節する。おそらく、広範囲の基質AhRによって示される広範囲の化学物質を検出することができるように発達したこの反応を組み合わせ、解毒プロセスであるその生体内変化および除去を促進することができる。
【0335】
しかしながら、AhRの活性化も毒性反応を引き起こす。毒性は、AhRシグナル伝達の2つの異なる経路から生じる。第1経路は、代謝酵素の誘導が毒性中間体代謝物の産生をもたらす時である。毒性の第2経路は、「AhR遺伝子バッテリー」で観察されるものを超える広範囲の遺伝子転写の異常な変化の結果である。遺伝子発現のこの広範囲の変化は、細胞プロセスおよび機能に有害な変化をもたらす。
【0336】
該メカニズムを解明し、AhRの活性化を介したTCDDの毒性および発癌性を理解するために行われた多くの研究は、矛盾する結果をもたらした。再三矛盾した結果が報告され、通常、治療計画および試験したモデルの違いによって説明される、TCDD活性化AhR細胞反応のアポトーシス作用および抗アポトーシス作用を示す。
【0337】
ダイオキシンによるAhRの誘導はよく特徴づけられているが、その毒性のあるものの機能とメカニズムは、まだわかっておらず、多くの論文にみられる逆説的で矛盾した結果は、発癌性のTCDDメカニズムのさらなる研究の必要性を示す。
【0338】
今日まで、その発現が直接ダイオキシンによって制御されるあらゆるmiRや、またはそのような制御の機能的結果に関する明確な説明はなされておらず、Moffat et al. (Toxicol Sci. 2007 Oct;99(2):470-87)は、齧歯類モデルにおけるTCDDに応じたmiRのきわめて穏やかな変化のみを示し、ミクロRNAがダイオキシン毒性において役割を果たさないと結論づけた。
【0339】
本明細書で示された、HCCにおいて上方調節されるhsa-miR-191は、miR-181a、およびhsa-miR-181b、および程度が低いがhsa-miR-181a*と共に、AhR転写因子のTCDD活性化後にも上方調節される。すなわち、AhR転写因子は、そのプロモーターにAhR TFBSモチーフを有するmiRの発現の制御に関与する。TCDD活性のメカニズムにおけるmiRの関与は、AhRを介する転写活性化を除き、発現アレイにみられる種々の遺伝子の下方調節を説明することができる。
定量分析
【0340】
修飾オリゴヌクレオチドを投与した後のmiRNAのアンチセンス阻害の効果は、当該分野で知られた種々の方法により評価することができる。ある態様において、これらの方法は、in vitroまたはin vivoの細胞または組織中のmiRNAレベルを定量するのに用いられる。ある態様において、miRNAレベルの変化はマイクロアレイ分析により測定される。ある態様において、miRNAレベルの変化は、種々の市販のPCRアッセイの1つ、例えばTaqMan(登録商標)MicroRNA Assay (Applied Biosystems)により測定される。ある態様において、miRNAのアンチセンス阻害は、miRNAの標的のmRNAおよび/またはタンパク質レベルを測定することにより評価する。miRNAのアンチセンス阻害は、一般的にmiRNAの標的のmRNAおよび/またはタンパク質レベルの増加をもたらす。
【0341】
以下の実施例は本発明のある態様をより完全に例示するために示す。しかしながら、それらは本発明の広い範囲を制限するものと解釈してはならない。
【実施例1】
【0342】
組織試料におけるmiRNAの発現プロファイリング
癌と関連して調節不全になるmiRNAを同定するため、miRNA発現プロフィールを肝細胞癌(HCC)を有する対象由来の肝臓試料を用いて分析し、正常肝臓における発現プロフィールと比較した。分析した試料には、ヒトHCC対象由来の37肝臓試料、HCCに隣接した正常肝臓の39肝臓試料、および正常ヒト肝臓由来の2肝臓試料が含まれた。HCCに隣接した正常肝臓の39試料のうち、36はヒトHCC対象由来であった。
【0343】
肝臓試料を、C反応性タンパク質プロモーターの制御下で、SV40 t/T抗原を発現するトランスジェニックマウスからも回収した。このプロモーターは、発癌性SV40 t/T抗原の肝細胞特異的発現をもたらし、最終的に肝細胞癌として組織学的に特徴づけられる肝臓腫瘍の発現をもたらす。分析した試料には、正常マウス肝臓由来の12試料、SV40トランスジェニックマウス由来の18HCC試料が含まれる。
【0344】
HepG2、Hep3B、SK-Hep1、7721、SNU-398、SNU423、SNU449、Huh7、およびMHTを含む、HCC関連細胞系も分析した。MHT細胞は、SV40 t/T抗原トランスジェニックマウスの肝臓から単離する。サル肝細胞も分析した。
【0345】
RNAは、試料から、miRvana miRNA単離キット(Ambion)を使用説明書に従って用いて抽出し、ミクロRNAアレイとハイブリダイズさせた。カスタムマイクロアレイを、Sangerデータベース、バージョン9由来のmiRNAを含む約700のmiRNAに相当するDNAオリゴヌクレオチドプローブをプリントすることにより生成し、さらにRosetta genomicsでmiRを確認し、予測した。トリプリケートでプリントした各プローブは、コートしたガラススライドにプローブを結合させるのに用いるアミン基に加えてmiRNAの相補配列の3'末端に22-ntリンカーを有する。20μMの各プローブを2X SSC+0.0035% SDSに溶解し、Genomic Solutions(登録商標)BioRobotics MicroGrid IIをMicroGridの使用説明書に従って使用し、Schott Nexterion(登録商標)Slide E コートしたマイクロアレイスライド上にトリプリケートでスポットした。64陰性コントロールプローブを種々のmiRNAのセンス配列を用いて設計した。miRdicator(登録商標)アレイとハイブリダイスする2グループの陽性コントロールプローブを設計した:(1)合成スパイク小RNAをRNAに加え、次いで標識効率を確認するために標識し、(2)豊富な小RNA(例えば、小各RNA(U43、U49、U24、Z30、U6、U48、U44)、5.8sおよび5sリボソームRNA)のためのプローブをアレイ上にスポットし、RNAの品質を確認した。スライドを、50mMエタノールアミン、1M Tris (pH 9.0)および0.1%SDSを含む溶液中、50℃で20分間ブロックし、次い水で完全にすすぎ、遠心力で乾燥した。
【0346】
5μgの総RNAを、RNA-リンカーp-rCrU-Cy-染料(Thomson et al.、2004、Nat Methods 1、47-53) (Dharmacon)をCy3またはCy5を有する3'末端に結合することにより標識した。標識反応は、総RNA、スパイク(0.1〜20fモル)、300ng RNA-リンカー染料、15% DMSO、1xリガーゼ緩衝液、および20単位のT4 RNAリガーゼ(NEB)を含み、4℃で1時間、次いで37℃で1時間継続した。標識RNAを3xハイブリダイゼーション緩衝液(Ambion)と混合し、95℃で3分間加熱し、次いでmiRdicator(登録商標)アレイの上部に加えた。スライドを12〜16時間ハイブリダイズし、次いで1xSSCおよび0.2%SDSで二回洗浄し、次いで最後に0.1xSSCで洗浄した。
【0347】
アレイを、Agilent Microarray Scanner Bundle G2565BA (100%出力で解像度10μm)を用いてスキャンした。アレイ画像をSpotReaderソフトウエア(Niles Scientific)を用いて分析した。
【0348】
miRNA信号の生データを正規化し、T検定を用いて統計的に有意な特異的に発現したmiRNAを同定した。
【0349】
94 miRNAをさらに研究するための候補miRNAとして選択した。これらmiRNAを1またはそれ以上の下記基準に基づいて選択した:正常ヒト肝臓試料と比較したヒト肝臓腫瘍試料における特異的発現;正常マウス肝臓試料と比較したマウスHCC試料における特異的発現:またはヒト肝臓組織における高度の発現。図1は、肝臓腫瘍試料における発現の増加を示した8個のmiRNAを示す。
【実施例2】
【0350】
癌細胞系のmiRNA発現プロフィール
種々の癌細胞系におけるmiRNAのmiRNA発現プロフィールをヒト肝臓癌試料のmiRNA発現プロフィールと比較した。ヒト肝臓癌試料に高度に発現したmiRNAの多くは、ヒト癌細胞系にも高度に発現した。これらmiRNAには、例えばmiR-21およびmiR-191が含まれた。したがって、ヒト肝臓癌細胞系は、肝臓癌を治療するための候補である修飾オリゴヌクレオチドの同定および試験に有用である。
【実施例3】
【0351】
修飾オリゴヌクレオチドの抗増殖作用
細胞増殖における候補miRNAの関与を検討するため、修飾オリゴヌクレオチドを用いて候補miRNAの活性を阻害した。
【0352】
該細胞の増殖能をMTS Cell Proliferation Assay(細胞増殖アッセイ)(CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(水性一溶液細胞増殖アッセイ)Promega Corporation Madison、WI)を用いて測定した。MTSアッセイは、生細胞のミトコンドリアによる不溶性ホルマザン生成物内のテトラゾリウム成分(MTS試薬)の減少を測定する比色分析である。細胞をMTS試薬と約2〜4時間インキュベーションした後、試料を波長490nMのELISAプレートリーダーで読み取る。生じた色の量は細胞数と正比例する。
【0353】
選択したmiRNAと相補的な修飾オリゴヌクレオチドを設計し、合成した。各修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチル糖を有し、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、すべてのシトシンは5-メチルシトシンである。試験したさらなる修飾オリゴヌクレオチドには、各ヌクレオシドに2'-O-メトキシエチル糖を有し、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を有する修飾オリゴヌクレオチドを含んだ。
【0354】
Hep3B細胞およびSNU423細胞における修飾オリゴヌクレオチドの抗増殖作用について試験した。細胞を、トリプリケート試料中、20、40、70、150、または300nMの修飾オリゴヌクレオチドで4時間処理し、次いで培地を正常増殖培地で置換した。オリゴフェクタミンをトランスフェクション試薬として用いた。無処理細胞をコントロールとして用い、hsa-mir-122に対して6個のミスマッチを有する修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションした。増殖阻害のコントロールとして、細胞増殖を阻害することがわかっている修飾オリゴヌクレオチドで細胞を処理した。増殖アッセイを修飾オリゴヌクレオチド添加後48〜72時間行った。
【0355】
修飾オリゴヌクレオチド処理試料中の細胞数を無処置コントロール試料中の細胞数と比較した。このようにして、細胞の増殖を測定した。比較により、miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638のアンチセンス阻害は細胞増殖の阻害をもたらすことがわかった(図2)。すなわち、miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-222、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638から選ばれるmiRと相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、HCC細胞系における抗増殖作用を阻害した。図1に示すように、これら8個の各miRNAの発現は、正常肝臓組織試料に比べて肝臓腫瘍試料中で上昇する。したがって、そのような修飾オリゴヌクレオチドは、HCCを治療するための治療薬である。そのような修飾オリゴヌクレオチドの例を表1に示す。
【実施例4】
【0356】
修飾オリゴヌクレオチドのアポトーシス活性
細胞生存における候補miRNAの関与を検討するため、修飾オリゴヌクレオチドを用いてmiRNA活性を阻害し、カスパーゼ活性をアポトーシスの指標に用いた。
【0357】
アポトーシスは、カスパーゼ3およびカスパーゼ7の活性を測定することにより評価した。蛍光発生基質を細胞のウェルに加えた。この基質は活性化カスパーゼ3および7により開裂すると、蛍光シグナルが生じる。このシグナルは、蛍光プレートリーダーで定量することができ、カスパーゼ活性の程度を決定するのに用いることができる。
【0358】
表1に示す修飾オリゴヌクレオチドの、Hep3B細胞中のカスパーゼ3およびカスパーゼ7活性に対する活性について試験した。細胞を、トリプリケート試料中、50、100、150、または200nMの修飾オリゴヌクレオチドで24時間処理した。オリゴフェクタミンをトランスフェクション試薬として用いた。無処理細胞をコントロールとして用い、has-miR-122に対する6ミスマッチを有する修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションした。
【0359】
オリゴヌクレオチド処理試料中のカスパーゼ3/7活性を無処理コントロールのカスパーゼ3/7活性と比較した。このように、アポトーシスの誘導を測定した。比較により、miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638のアンチセンス阻害がカスパーゼ3/7活性の増加をもたらすことがわかった(図3)。すなわち、miR-21、miR-125a-5p、miR-191、miR-210、miR-378、miR-423-3p、およびmiR-638から選ばれるmiRと相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、Hep3B細胞にアポトーシスを誘導した。したがって、そのような修飾オリゴヌクレオチドは、HCCを治療するための治療薬である。
【実施例5】
【0360】
in vivoにおける修飾オリゴヌクレオチドの抗腫瘍効果
腫瘍増殖に対するmiRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドの効果を検討するため、肝細胞癌のマウスモデルを用いて修飾オリゴヌクレオチドを評価した。このマウスモデルにおいて、ヌードマウスに注射したHCC由来細胞は腫瘍を形成し、修飾オリゴヌクレオチドの、腫瘍増殖を遅くし、および/または阻害する能力を試験する。
【0361】
腫瘍形成を誘導するため、Matrigelに浮遊させた約5 x 106個のHepG2細胞を含む溶液をヌードマウスに皮下注射した。
【0362】
このモデルで試験した修飾オリゴヌクレオチドには以下のものが含まれる:全体にわたりホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有し、各糖に2'-MOE修飾を有するmiR-21を標的とする修飾オリゴヌクレオチド(ここで、各シトシンは5-メチルシトシンである)であるMOE修飾抗miR-21;および全体にホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有し、各糖に2'-MOE修飾を有するMOE修飾抗miR-210(ここで、各シトシンは5-メチルシトシンである)。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)をコントロール処置として用いた。
処置群は以下の通りである:(1)コントロール;(2)50mg/kg MOE修飾抗miR21;(3)50mg/kg MOE修飾抗miR-210。各処置群には10匹のマウスが含まれた。マウスにコントロールまたは修飾オリゴヌクレオチドの腹腔内注射を腫瘍誘発後4日目(第4日)に開始し、一日おきに合計12回続けた(すなわち、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、および26日目)。腫瘍サイズをキャリパーで腫瘍誘発後12、15、18、22、25、および28日目にモニターした。腫瘍体積は、(L*W2)/2(ここで、L = 長さ(mm)、およびW = 幅(mm))として計算した。修飾オリゴヌクレオチド処置群の平均腫瘍体積をコントロール処置群の平均腫瘍体積と比較した。平均腫瘍体積の倍数変化を表7および図4に示す。P値はt検定により計算した。
【表7】

【0363】
表7に示すように、50mg/kg MOE修飾抗miR-21による処置では、コントロール処置マウスの腫瘍サイズと比較して、腫瘍誘発後12、15、18、および22日目の腫瘍サイズが統計的に有意に小さかった。腫瘍サイズの減少は、腫瘍誘発後25および28日目にも観察された。同様に、50mg/kg MOE修飾抗miR-210による処置では、腫瘍誘発後12、15、18、および22日目の腫瘍サイズが統計的に有意に小さかった。腫瘍サイズの減少は、腫瘍誘発後25および28日目にも観察された。したがって、miR-21およびmiR-210と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、HCCを治療するための治療薬である。
【実施例6】
【0364】
TCDDによるAhR TFの活性化によるmiR発現の誘導
マイクロアレイを用いてTCDD処置HCC細胞のmiR発現を試験した(マイクロアレイ分析は実施例1に記載のごとく行った)。図5に示すように、TCDD処置細胞におけるhsa-miR-191、hsa-miR-181a、hsa-miR-181b、およびhsa-miR-181a*の各発現は、無処置細胞と比べて48時間後に2倍以上の上昇を示した。
【実施例7】
【0365】
miR-191に対するデュアルルシフェラーゼレポーターアッセイ
デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイを準備し、miR-191活性を評価した。カスタムメイドの42-ヌクレオチドの長い相補性オリゴヌクレオチド(IDT)を設計し、psiCHECK-2ベクター(Promega)中のレニラルシフェラーゼの3'UTRに挿入した。これらオリゴヌクレオチドは選択したmiRに対する逆相補配列を含んでいた。相補オリゴヌクレオチドをアニールし、NotIおよびXhoI粘着末端を作製した。配列は、関連逆相補miR配列および1つの陰性コントロールを含んだ。これらの挿入物はmiR結合部位を作製するために設計し、各挿入物は、psiCHECK-2ベクター中のレニラルシフェラーゼの3'UTRにクローンした。クローンは3段階で証明した:(1)コロニーPCR、(2)挿入で加えた部位を利用するHindIIIによる制限、および(3)シーケンシング。SNU423細胞は、ベクターのいずれか1つを用いてトリプリケートでトランスフェクトするか、またはLipofectamine2000試薬(Invitrogen、Cat# 11668027)を用い、ASOおよびベクターで同時にトランスフェクトした。発光を、「The Reporter」マイクロプレート照度計(Turner designs)を用い、Dual-Luciferase Reporter Assay System(デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム)(Promega、Cat#E1961)を使用説明書に従って用い24および48時間後にアッセイした。結果を同じベクター由来の構成的に発現したホタルルシフェラーゼに対して正規化し、種々の処置と非修飾ベクターでトランスフェクトした細胞間の比で表した。
【0366】
図6に示すように、内因性hsa-miR-191(バーa)は、特に、レポーター発現を下方調節し、この効果は、レポーターベクターと、hsa-miR-191阻害アンチセンスオリゴヌクレオチドの同時トランスフェクションによりほぼ完全に廃絶される(バーb)。さらに、別のコントロールASOは該レポーターのmiR制御を廃絶することができなかったので(バーc)、棒グラフは反応の特異性を示し、内因性miRは、ASOを含む(バーd)か、または含まない(バーe)、非関連配列を含む、変化した3'UTRを有するコントロールプラスミドにおけるレポーター発現を変化させなかった。
【実施例8】
【0367】
AhR/Arntおよびhsa-miR-191の調節
転写因子結合部位(TFBS)モチーフを、hsa-miR-191の転写開始部位からの位置±1000bpについて検索した。AhR/Arnt TFBSは以下の位置にあると予測された。

【0368】
ChIP (クロマチン免疫沈殿法)アッセイを行い、予測TFBS、ならびにhsa-miR-191の転写制御におけるこのTFの関与を確認した。
【0369】
ChIPアッセイは以下のごとく行った:HepG2細胞を濃度10nMのTCDDで処理した。次に、新たに調製した11%ホルムアルデヒド溶液を既存培地に加えて細胞を固定した。
【0370】
グリシン溶液を加えて固定を止めた。次に細胞を培養表面からこすり落とし、冷却PBS-Igepalで洗浄し、次いで1mM PMSFで処理した。細胞を最後に遠心し、ペレットを即座に凍結する。
【0371】
免疫沈降法をGenepathwayで行い、染色体の沈殿TFに対する結合をqPCRにより定量した。
【0372】
データ値を、コピー数が知られたゲノムDNAの標準曲線を用いて得た。陽性コントロールは、試験中の因子に対する既知の結合部位を含むゲノム領域であり、陰性コントロールは、試験中の因子と結合しないゲノム領域である。分析はトリプリケートで行った。
【0373】
インプットDNA値(非沈降ゲノムDNA)を用いて、標準曲線に用いたプライマー対と比較したプライマー対ごとのプライマー効率比を計算した。データを、試験した各ゲノム領域について1000細胞あたりの結合事象として示した。各試験についてトリプリケートqPCR値の平均から計算したこれらの値は、免疫沈降したクロマチンの量およびqPCRにより試験した割合を考慮し、プライマー効率について正規化される。また、各試験の標準偏差を計算し、試験値と同様に正規化する。
【0374】
Genpathwayは、1.3Xの低い因子結合の変化が種々の生物系において再現性よく測定できることを示した。したがって、1.5またはそれ以上の倍数差を示すゲノム領域は有意と考えられる。
【0375】
TCDDはAhRの既知リガンドであり、このTFを活性化してCYP1タンパク質の発現を誘導し、TCDD処理はTFの活性化因子として含まれ、CYP1A1をChIPアッセイのコントロール遺伝子として選択した。CYP1A1は、AhR/Arnt TFに対する2つのTFBSを有し、これら両方を試験した。
【0376】
AhR TFに対する特異抗体を用いるChIPアッセイの結果をまとめた図7に示すように、AhRはhsa-miR-191転写物のプロモーターと結合することがわかった。同様の結果が、ChIPアッセイをArntに対する抗体を用いて行ったときに得られ、これはヘテロダイマーAhR/Arntの活性を示す。
【0377】
前記の具体的態様の説明は、本発明の一般的性質を、他の者が、現在の知識を適用して、過度な実験を行うことなく、一般的概念から逸脱することなくそのような具体的態様を容易に修飾し、および/または種々の適用に適合させることができるように十分に開示している。したがって、そうような適用および修飾は、開示した態様の意味および等価物の範囲内に包含されるものとする。本発明をその具体的態様とともに説明したが、多くの変更、修飾、および変化を当業者が容易に理解することは明白である。したがって、特許請求の範囲の精神および広い範囲内に入るすべてのそのような変更、修飾、および変化を包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列、と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物を、肝臓癌の治療が必要な対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法。
【請求項2】
該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項1記載の方法。
【請求項3】
肝臓癌が肝細胞癌である請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
対象がヒトである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対して2以下のミスマッチを有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対して1以下のミスマッチを有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対して1つのミスマッチを有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列に対してミスマッチを持たない請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1のヌクレオシドが修飾糖を含む請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
複数の各ヌクレオシドが修飾糖を含む請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
各ヌクレオシドが修飾糖を含む請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含む請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
複数の各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含み、複数の各ヌクレオシドが2'-フルオロ糖修飾を含む請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
各修飾糖が独立して2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または2環糖部分から選ばれる請求項15記載の方法。
【請求項19】
修飾オリゴヌクレオシドが15結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
修飾オリゴヌクレオシドが16結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
修飾オリゴヌクレオシドが17結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
修飾オリゴヌクレオシドが18結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
修飾オリゴヌクレオシドが19結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
修飾オリゴヌクレオシドが20結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
修飾オリゴヌクレオシドが21結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
修飾オリゴヌクレオシドが22結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
修飾オリゴヌクレオシドが23結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
修飾オリゴヌクレオシドが24結合ヌクレオシドからなる請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
該投与が静脈内投与、皮下投与、腫瘍内投与、または化学塞栓術を含む請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
さらに少なくとも1のさらなる療法を投与することを含む請求項1〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1のさらなる療法が化学療法剤である請求項30記載の方法。
【請求項32】
化学療法剤が、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、マイトマイシンc、ソラフェニブ、エトポシド、カルボプラチン、エピルビシン、イリノテカン、およびオキサリプラチンから選ばれる請求項31記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1のさらなる療法が、該修飾オリゴヌクレオチドと同時に投与される請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1のさらなる療法が、修飾オリゴヌクレオチドより少ない頻度で投与される請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1のさらなる療法が、該修飾オリゴヌクレオチドより頻繁に投与される請求項30〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
修飾オリゴヌクレオチドが、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、および800 mgから選ばれる用量で投与される請求項1〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
該修飾オリゴヌクレオチドが、1日1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与される請求項1〜36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
該投与が腫瘍サイズの減少をもたらす請求項1〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
該投与が腫瘍数の減少をもたらす請求項1〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
該投与が腫瘍サイズの増加を抑制する請求項1〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
該投与が腫瘍数の増加を抑制する請求項1〜40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
該投与が転位の進行を抑制する請求項1-41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
該投与が転位の進行を減速させるかまたは停止させる請求項1-42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
該投与が対象の全生存時間を延長する請求項1〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
該投与が対象の進行のない生存を延長する請求項1〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
さらに肝臓病変を有する対象を選択することを含む請求項1〜45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
血清α-フェトプロテインが上昇するか、または血清des-γ-カルボキシプロトロンビンが上昇している対象を選択することを含む請求項1〜46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
該投与が、血清α-フェトプロテインまたは血清des-γ-カルボキシプロトロンビンを減少させる請求項1〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
さらに、正常肝機能を有する対象を選択することを含む請求項1〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
該投与が対象の肝機能を改善する請求項1〜49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列、と相補的な核酸配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物。
【請求項52】
該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項51記載の化合物。
【請求項53】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる配列に対して2以下のミスマッチを有する請求項51または52記載の化合物。
【請求項54】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる配列に対して1以下のミスマッチを有する請求項51または52記載の化合物。
【請求項55】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる配列に対して1個のミスマッチを有する請求項51または52記載の化合物。
【請求項56】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、および8から選ばれる配列に対してミスマッチを持たない請求項51または52記載の化合物。
【請求項57】
少なくとも1のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項51〜56のいずれかに記載の化合物。
【請求項58】
各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求51〜57のいずれかに記載の化合物。
【請求項59】
少なくとも1のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項51〜58のいずれかに記載の化合物。
【請求項60】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項51〜59のいずれかに記載の化合物。
【請求項61】
少なくとも1のヌクレオシドが修飾糖を含む請求項51〜60のいずれかに記載の化合物。
【請求項62】
複数の各ヌクレオシドが糖修飾を含む請求項51〜61のいずれかに記載の化合物。
【請求項63】
各ヌクレオシドが糖修飾を含む請求項51〜62のいずれかに記載の化合物。
【請求項64】
各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含む請求項51〜63のいずれかに記載の化合物。
【請求項65】
複数の各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含み、複数の各ヌクレオシドが2'-フルオロ糖を含む請求項51〜63のいずれかに記載の化合物。
【請求項66】
各修飾糖が、独立して2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または2環糖部分から選ばれる請求項62または63記載の化合物。
【請求項67】
少なくとも1のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む請求項51〜66のいずれかに記載の化合物。
【請求項68】
修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである請求項67記載の化合物。
【請求項69】
少なくとも1のヌクレオシドが、5-メチルシトシンであるシトシンを含む請求項51〜68のいずれかに記載の化合物。
【請求項70】
各シトシンが5-メチルシトシンである請求項69に記載の化合物。
【請求項71】
修飾オリゴヌクレオチドが15結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項72】
修飾オリゴヌクレオチドが16結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項73】
修飾オリゴヌクレオチドが17結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項74】
修飾オリゴヌクレオチドが18結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項75】
修飾オリゴヌクレオチドが19結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項76】
修飾オリゴヌクレオチドが20結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項77】
修飾オリゴヌクレオチドが21結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項78】
修飾オリゴヌクレオチドが22結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項79】
修飾オリゴヌクレオチドが23結合ヌクレオシドからなる請求項51〜70のいずれかに記載の化合物。
【請求項80】
修飾オリゴヌクレオチドが24結合ヌクレオシドからなる請求項51〜71のいずれかに記載の化合物。
【請求項81】
配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、肝臓癌の治療が必要な対象に投与することを含む肝臓癌の治療方法。
【請求項82】
該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項81記載の方法。
【請求項83】
肝臓癌が肝細胞癌である請求項81または82記載の方法。
【請求項84】
対象がヒトである請求項81〜83のいずれかに記載の方法。
【請求項85】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも16連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも17連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも18連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも19連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも20連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも21連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも22連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項92】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも23連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項93】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する請求項81〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項94】
該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項81〜93のいずれかに記載の方法。
【請求項95】
少なくとも1のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項81〜94のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項81〜95のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
少なくとも1のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項81〜96のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項81〜97のいずれかに記載の方法。
【請求項99】
少なくとも1のヌクレオシドが糖修飾を含む請求項81〜98のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
複数の各ヌクレオシドが糖修飾を含む請求項81〜99のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
各ヌクレオシドが糖修飾を含む請求項81〜100のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含む請求項81〜101のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
複数の各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含み、複数の各ヌクレオシドが2'-フルオロ糖を含む請求項81〜102のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
各修飾糖が、独立して2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または2環糖部分から選ばれる請求項100または101に記載の方法。
【請求項105】
少なくとも1のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む請求項81〜104のいずれかに記載の方法。
【請求項106】
修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである請求項81〜105のいずれかに記載の方法。
【請求項107】
少なくとも1のヌクレオシドが5-メチルシトシンであるシトシンを含む請求項81〜106のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
シトシンが5-メチルシトシンである請求項81〜107のいずれかに記載の方法。
【請求項109】
該投与が、静脈内投与、皮下投与、腫瘍内投与、または塞栓術を含む請求項81〜108のいずれかに記載の方法。
【請求項110】
さらに少なくとも1のさらなる療法を投与することを含む請求項81〜109のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
少なくとも1のさらなる療法が化学療法剤である請求項110に記載の方法。
【請求項112】
化学療法剤が、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ドキソルビシン、マイトマイシンc、ソラフェニブ、エトポシド、カルボプラチン、エピルビシン、イリノテカン、およびオキサリプラチンから選ばれる請求項111記載の方法。
【請求項113】
少なくとも1のさらなる療法が、該オリゴヌクレオチドと同時に投与される請求項110〜112のいずれかに記載の方法。
【請求項114】
少なくとも1のさらなる療法が、該オリゴヌクレオチドより低い頻度で投与される請求項110〜112のいずれかに記載の方法。
【請求項115】
少なくとも1のさらなる療法が、オリゴヌクレオチドより高い頻度で投与される請求項110〜112のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
修飾オリゴヌクレオチドが、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、および800 mgから選ばれる用量で投与される請求項81〜115のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
該修飾オリゴヌクレオチドを1日1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与する請求項81〜116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
該投与が腫瘍サイズの減少をもたらす請求項81〜117のいずれかに記載の方法。
【請求項119】
該投与が腫瘍数の減少をもたらす請求項81〜118のいずれかに記載の方法。
【請求項120】
該投与が腫瘍サイズの増加を抑制する請求項81〜119のいずれかに記載の方法。
【請求項121】
該投与が腫瘍数の増加を抑制する請求項81〜120のいずれかに記載の方法。
【請求項122】
該投与が転位の進行を抑制する請求項81〜121のいずれかに記載の方法。
【請求項123】
該投与が転位の進行を遅くする請求項81〜122のいずれかに記載の方法。
【請求項124】
該投与が動物の全生存時間を延長する請求項81〜123のいずれかに記載の方法。
【請求項125】
該投与が動物の進行のない生存を延長する請求項81〜124のいずれかに記載の方法。
【請求項126】
さらに肝臓病変を有する動物を選択することを含む請求項81〜125のいずれかに記載の方法。
【請求項127】
さらに、血清α-フェトプロテインが上昇するか、または血清des-γ-カルボキシプロトロンビンが上昇した動物を選択することを含む請求項81〜126のいずれかに記載の方法。
【請求項128】
該投与が、血清α-フェトプロテインまたは血清des-γ-カルボキシプロトロンビンを減少させる請求項81〜127のいずれかに記載の方法。
【請求項129】
さらに、肝機能異常がある動物を選択することを含む請求項81〜128のいずれかに記載の方法。
【請求項130】
該投与が動物の肝機能を改善する請求項81〜129のいずれかに記載の方法。
【請求項131】
配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物。
【請求項132】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも16連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項133】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも17連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項134】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも18連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項135】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも19連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項136】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも20連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項137】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも21連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項138】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも22連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項139】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列の少なくとも23連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する請求項131に記載の化合物。
【請求項140】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する請求項131記載の化合物。
【請求項141】
修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項131〜140のいずれかに記載の化合物。
【請求項142】
少なくとも1のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項131〜141のいずれかに記載の化合物。
【請求項143】
各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である請求項131〜142のいずれかに記載の化合物。
【請求項144】
少なくとも1のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項131〜143のいずれかに記載の化合物。
【請求項145】
各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である請求項131〜144のいずれかに記載の化合物。
【請求項146】
少なくとも1のヌクレオシドが糖修飾を含む請求項131〜145のいずれかに記載の化合物。
【請求項147】
複数の各ヌクレオシドが糖修飾を含む請求項131〜146のいずれかに記載の化合物。
【請求項148】
各ヌクレオシドが糖修飾を含む請求項131〜147のいずれかに記載の化合物。
【請求項149】
各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含む請求項131〜148のいずれかに記載の化合物。
【請求項150】
複数の各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチルを含み、複数の各ヌクレオシドが2'-フルオロ糖を含む請求項131〜149のいずれかに記載の化合物。
【請求項151】
各修飾糖が、独立して2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または2環糖部分から選ばれる請求項147または148に記載の化合物。
【請求項152】
少なくとも1のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む請求項131〜151のいずれかに記載の化合物。
【請求項153】
修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである請求項152に記載の化合物。
【請求項154】
少なくとも1のヌクレオシドが5-メチルシトシンであるシトシンを含む請求項131〜153のいずれかに記載の化合物。
【請求項155】
各シトシンが5-メチルシトシンである請求項154記載の化合物。
【請求項156】
請求項51〜80のいずれかに記載の化合物またはその塩、および医薬的に許容される担体もしくは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項157】
該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項156記載の医薬組成物。
【請求項158】
請求項131〜155のいずれかに記載の化合物またはその塩、および医薬的に許容される担体もしくは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項159】
該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる請求項158記載の医薬組成物。
【請求項160】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の核酸塩基8〜29の領域、配列番号2の核酸塩基15〜37の領域、配列番号2の核酸塩基15〜38の領域、配列番号3の核酸塩基16〜37の領域、配列番号4の核酸塩基66〜87の領域、配列番号5の核酸塩基69〜89の領域、配列番号5の核酸塩基69〜91の領域、配列番号6の核酸塩基43〜63の領域、配列番号6の核酸塩基44〜65の領域、配列番号7の核酸塩基53〜75の領域、配列番号7の核酸塩基53〜74の領域、配列番号8の核酸塩基16〜40の領域から選ばれる核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する請求項1〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項161】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する請求項1〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項162】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の核酸塩基8〜29の領域、配列番号2の核酸塩基15〜37の領域、配列番号2の核酸塩基15〜38の領域、配列番号3の核酸塩基16〜37の領域、配列番号4の核酸塩基66〜87の領域、配列番号5の核酸塩基69〜89の領域、配列番号5の核酸塩基69〜91の領域、配列番号6の核酸塩基43〜63の領域、配列番号6の核酸塩基44〜65の領域、配列番号7の核酸塩基53〜75の領域、配列番号7の核酸塩基53〜74の領域、配列番号8の核酸塩基16〜40の領域から選ばれる核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する請求項51〜80のいずれかに記載の化合物。
【請求項163】
該修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号9、10、11、12、13、14、15、および16に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する請求項51〜80のいずれかに記載の化合物。
【請求項164】
配列番号31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40から選ばれる配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、ダイオキシン誘発肝臓癌を治療する必要がある対象に投与することを含むダイオキシン誘発肝臓癌の治療方法。
【請求項165】
配列番号31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40から選ばれる配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列と相補的な核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、ダイオキシン誘発肝臓癌を予防する必要がある対象に投与することを含むダイオキシン誘発肝臓癌の予防方法。
【請求項166】
配列番号38、39、および40に記載の核酸塩基配列から選ばれる核酸塩基配列またはそれと少なくとも約80%同一な配列、の少なくとも15連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、15〜30結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、ダイオキシン誘発肝臓癌の予防が必要な対象に投与することを含むダイオキシン誘発肝臓癌の予防方法。
【請求項167】
ダイオキシン誘発肝臓癌が肝細胞癌である請求項164〜166のいずれかに記載の方法。
【請求項168】
該対象がヒトである請求項164〜167のいずれかに記載の方法。
【請求項169】
該投与が静脈内投与、皮下投与、腫瘍内投与、または化学塞栓術を含む請求項164〜168のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−501962(P2011−501962A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532219(P2010−532219)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/081645
【国際公開番号】WO2009/058907
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510121477)ロゼッタ・ジェノミックス・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Rosetta Genomics Ltd.
【出願人】(508371828)レグルス・セラピューティクス・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】REGULUS THERAPEUTICS INC.
【Fターム(参考)】