自動倉庫
【課題】効率よく荷物の入出庫を行うことのできる自動倉庫を提供すること。
【解決手段】複数の棚75を有する第一ラック70aと、移載装置30と、コントローラ100とを備える自動倉庫1であって、コントローラ100は、複数の指令情報を順次受信する受信部102と、複数の指令情報を蓄積する蓄積部104と、第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を複数の棚の中から決定する決定部106と、第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する判定部108とを有し、決定部106は、(a)第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定された場合、第二指令情報に示される指令の内容に基づいて入庫棚を決定し、(b)第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定された場合、第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて入庫棚を決定する。
【解決手段】複数の棚75を有する第一ラック70aと、移載装置30と、コントローラ100とを備える自動倉庫1であって、コントローラ100は、複数の指令情報を順次受信する受信部102と、複数の指令情報を蓄積する蓄積部104と、第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を複数の棚の中から決定する決定部106と、第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する判定部108とを有し、決定部106は、(a)第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定された場合、第二指令情報に示される指令の内容に基づいて入庫棚を決定し、(b)第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定された場合、第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて入庫棚を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載装置を用いて荷物の入庫および荷物の出庫を行う自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の棚を有するラックと荷物の移載を行う移載装置とを備える自動倉庫が存在する。このような自動倉庫では、移載装置は、例えば、ラックの前面に沿って左右に移動する走行台車と、走行台車上に設置されたマストに沿って上下する昇降台とを有するスタッカクレーンに設置されている。
【0003】
具体的には、移載装置は昇降台に取り付けられており、走行台車の左右方向の移動と、昇降台の上下方向の移動とにより、ラックの前面に沿って上下左右に移動することができる。
【0004】
また、移載装置は、このようにラックの前面に沿って上下左右に移動することで、ラックへの荷物の入庫、および、ラックからの荷物の出庫を行うことができる。
【0005】
具体的には、ラックには荷物の入庫および出庫のため入庫口および出庫口が備えられており、移載装置は、自動倉庫が備えるコントローラの指示に従って、入庫口での荷物の受け取り、および、当該荷物の所定の棚への搬送を行う。また、移載装置は同様に、当該コントローラの指示に従って、所定の棚からの荷物の取り出し、および、当該荷物の出庫口へ搬送を行う。
【0006】
なお、当該コントローラは、例えば、複数の自動倉庫を管理する上位のホストコンピュータから入庫指令および出庫指令を順次受信して蓄積し、蓄積した複数の指令を所定の順序で順次実行する。
【0007】
また、当該コントローラは、入庫指令を受信した場合、ラックに備えられた複数の棚の中から、当該入庫指令に示される荷物を載置する棚(以下、「入庫棚」という。)を決定する。
【0008】
このような自動倉庫について、例えば、入庫棚の決定に関する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
特許文献1記載の技術によれば、複数の棚のそれぞれに割り当てられた優先順位を参照し、前回荷物を移載した棚よりも優先順位の低い複数の棚のうち、空いておりかつ優先順位の最も高い棚を決定する。
【0010】
これにより、優先順位の低い棚にもいつかは必ず荷物が載置されることになる。つまり、優先順位の低い棚が全く使用されない状態が継続することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−326707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、自動倉庫には、入庫および出庫を効率よく行うことが望まれる。そこで、例えば、複数の荷物を順次入庫する場合、出庫効率を向上させるという観点から、出庫口に近い棚から順に荷物を載置していくという方法が存在する。
【0013】
しかしながら、例えば自動倉庫に複数の出庫口が存在する場合、入庫される荷物をその後にどの出庫口から出庫すべきかを、入庫の時点では判断できない場合がある。
【0014】
例えば、半導体装置または液晶パネルの製造工程に用いられる自動倉庫は、一般的には、入庫すべき荷物(例えば、複数のウェハが収納されたキャリア)の次の搬送先を示す情報を、当該入庫の時点では持っていない。
【0015】
つまり、当該荷物を自動倉庫に入庫する時点では、当該自動倉庫が備える複数の出庫口のうちのどの出庫口から出庫されるかがわからない。
【0016】
従って、ある荷物を入庫する際に、特定の出庫口からの出庫を期待して、その出庫口に近い棚を当該荷物についての入庫棚として決定することはできない。
【0017】
また、出庫口が一つのみである場合であっても、出庫口のバッファ量(出庫のために一時的に載置可能な荷物の数)は一般に少なく、連続して多数の荷物を出庫口へ搬送することはできない。
【0018】
そのため、例えば、入出庫量が多く、コントローラに常に入出庫の指令が蓄積されている自動倉庫の場合、出庫口に近い棚を入庫先として優先的に割り当てる方法を用いても、当該棚に載置された荷物の出庫が不可能な状況が発生し易い。つまり、当該方法によるメリットは減殺される。
【0019】
その結果、自動倉庫を含む搬送システムでは、例えば、各棚に与えられた番号順に荷物を載置していくという方法が採用される。しかし、このことは、入出庫の効率の向上という観点からは好ましいとは言えない。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、効率よく荷物の入出庫を行うことのできる自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る自動倉庫は、複数の棚を有するラックと、前記複数の棚のそれぞれに対する荷物の移載を行う移載装置と、前記移載装置の動作を制御することで外部からの指令を実行する制御装置とを備える自動倉庫であって、前記制御装置は、順次送信される複数の指令情報であって、それぞれが前記ラックへの荷物の入庫指令または前記ラックからの荷物の出庫指令を示す複数の指令情報を順次受信する受信部と、前記受信部により受信された前記複数の指令情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第一指令情報であって、入庫指令を示す第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を前記複数の棚の中から決定する決定部と、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第二指令情報であって、前記第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する判定部とを有し、前記決定部は、(a)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定した場合、前記第二指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定し、(b)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定した場合、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第三指令情報であって、前記第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する。
【0022】
この構成によれば、ある入庫指令に対応する入庫棚を決定する際に、当該入庫指令の次に実行可能な指令の内容に基づいて入庫棚が決定される。
【0023】
つまり、第一指令情報に示される指令と、次に実行可能な指令(第二指令情報または第三指令情報に示される指令)との連続的かつ効率的な実行が可能となるように、第一指令情報に対応する入庫棚が決定される。
【0024】
従って、本態様の自動倉庫によれば、従来よりも効率のよい荷物の入出庫が可能となる。
【0025】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、前記ラックから出庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する出庫口を備え、前記判定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記第二指令情報に示される荷物が前記一時的な載置場所に載置可能である場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定し、前記荷物が前記一時的な載置場所に載置可能でない場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定するとしてもよい。
【0026】
この構成によれば、第二指令情報に示される指令が出庫指令である場合、当該出庫指令が実行可能であるか否かが的確に判断される。
【0027】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記決定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記出庫指令が実行可能であると判定された場合、前記出庫指令の対象である荷物が載置されている棚である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0028】
この構成によれば、移載装置は、入庫指令の実行と出庫指令の実行とを連続して効率よく行うことができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、前記ラックに入庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する入庫口を備え、前記決定部は、前記第二指令情報が入庫指令を示し、かつ、前記入庫指令が実行可能であると判定された場合、前記一時的な載置場所である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0030】
この構成によれば、移載装置は、連続する入庫指令を効率よく実行することができる。
【0031】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、前記移載装置を挟んで向かい合わせて配置された第一ラックと第二ラックとで構成されており、前記特定棚は、前記第一ラックおよび前記第二ラックのいずれか一方に備えられた棚であり、前記決定部は、前記第一ラックおよび前記第二ラックの他方に備えられた棚であって、前記特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0032】
この構成によれば、移載装置は、第一指令情報に示される入庫指令の実行の後に、上下または左右に移動することなく、即座に、出庫または入庫のための、第二指令情報に示される荷物の取り込みを行うことができる。つまり、連続する指令をより効率よく実行することができる。
【0033】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記決定部は、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能である場合、前記対向棚を前記入庫棚として決定し、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能でない場合、前記特定棚の上もしくは下の棚、または、前記対向棚の上もしくは下の棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0034】
この構成によれば、対向棚が空いていないなど、対向棚への荷物の載置が可能でない場合において、第一指令情報と第二指令情報との連続した処理が最も効率的に実行できるように、第一指令情報に対応する入庫棚が決定される。
【0035】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記決定部は、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のそれぞれの優先度に応じて、前記複数の指令情報の中から前記第一指令情報、前記第二指令情報、および前記第三指令情報を特定するとしてもよい。
【0036】
この構成によれば、複数の指令情報が、それぞれの優先度に応じて順次実行されるため、当該自動倉庫の利用の目的(工業製品の効率的な生産など)に応じた的確な順序で入庫および出庫を行うことが可能となる。
【0037】
また、本発明は、上記いずれかの態様に係る自動倉庫が実行する特徴的な処理を含む入庫棚決定方法として実現することもできる。また、入庫棚決定方法が含む各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現すること、および、そのプログラムが記録された記録媒体として実現することもできる。そして、そのプログラムをインターネット等の伝送媒体又はDVD等の記録媒体を介して配信することもできる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、効率よく荷物の入出庫を行うことのできる自動倉庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態における自動倉庫の構成概要を示す斜視図である。
【図2】実施の形態における自動倉庫が有する棚の構成概要を示す斜視図である。
【図3】実施の形態における自動倉庫の構成を模式的に示す平面図である。
【図4】実施の形態におけるコントローラの機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態の第一ラックおよび第二ラックにおける棚の配列の一例を示す図である。
【図6A】実施の形態における自動倉庫が実行すべき複数の指令内容の第一の例を示す図である。
【図6B】図6Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚の使用状況の一例を示す図である。
【図7A】実施の形態における自動倉庫が実行すべき複数の指令内容の第二の例を示す図である。
【図7B】図7Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚の使用状況の一例を示す図である。
【図8A】実施の形態における自動倉庫が実行すべき複数の指令内容の第三の例を示す図である。
【図8B】図8Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚の使用状況の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の実施の形態における自動倉庫について、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施の形態における自動倉庫1の構成概要を示す斜視図である。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態における自動倉庫1が有する棚の構成概要を示す斜視図である。
【0043】
自動倉庫1は、図1に示すように、複数の棚75を有する第一ラック70aと、複数の棚75のそれぞれに対する荷物の移載を行う移載装置30と、移載装置30の動作を制御することで外部からの指令を実行するコントローラ100とを備える。
【0044】
移載装置30は、具体的には、走行レール9および10に沿って移動するスタッカクレーン2に設置されている。また、コントローラ100は、具体的には、移載装置30を含む自動倉庫1の全体の動作を制御する。
【0045】
本実施の形態では、自動倉庫1は、例えば、半導体製造工程において使用されることを想定している。この場合、棚75に載置される荷物6は、例えば複数のウェハが収納されたキャリアである。
【0046】
また、棚75は、図2に示すように、一対の支持体72によって構成される。各支持体72は、棚枠71に固定されている。
【0047】
なお、図1では省略されているが、本実施の形態の自動倉庫1は、スタッカクレーン2挟んで第一ラック70aと向かい合わせて配置された第二ラック70bを備えている。
【0048】
スタッカクレーン2は、走行台車4と、走行台車4上に設置されたマスト5と、マスト5に沿って上下する昇降台34とを備える。
【0049】
移載装置30は、その移載方式として、多関節のアームユニットにより荷物6の移載を行うスカラーアーム方式が採用されている。移載装置30はアームユニットを伸縮させることで、棚75との間で荷物6の移載を行うことができる。
【0050】
走行台車4は、走行駆動モータ等を備え、敷設された走行レール9上を水平方向に移動する。マスト5は、昇降駆動ベルト等を備え、昇降駆動ベルトに接続された昇降台34を昇降させる。
【0051】
走行台車4が左右方向(X軸方向)へ移動し、かつ、昇降台34が上下方向(Z軸方向)へ移動することで、移載装置30は、任意の棚75の前方に移動することができる。つまり、任意の棚75からの荷物の取り出し、および、任意の棚75への荷物6の載置を行うことができる。具体的には、移載装置30の動作は、コントローラ100によって制御される。
【0052】
コントローラ100は、制御装置の一例であり、例えば、情報の入出力を行うインタフェース、並びに、制御プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)およびメモリ等を備えるコンピュータによって実現される。
【0053】
また、コントローラ100は、有線通信または無線通信を介して、移載装置30等の構成要素に対する制御信号を送信し、必要に応じてこれら構成要素から送信される信号を受信する。コントローラ100が備える機能的な構成については、図4を用いて後述する。
【0054】
図3は、本発明の実施の形態における自動倉庫1の構成を模式的に示す平面図である。
【0055】
図3に示すように、移載装置30は、第一ラック70aおよび第二ラック70bの双方との間での荷物6の移載を行うことができる。
【0056】
スタッカクレーン2は、入庫すべき荷物6を入庫口で受け取って、第一ラック70aおよび第二ラック70bのいずれかの棚75まで搬送する。また出庫すべき荷物6を、当該荷物6が載置されている棚75から取り出し、それを出庫口まで搬送する。
【0057】
具体的には、自動倉庫1は、第一ラック70aに配置された第一入庫口77と第一出庫口76とマニュアル入庫口80とを備える。また、自動倉庫1はさらに、第二ラック70bに配置された第二入庫口78と第二出庫口79とマニュアル出庫口81とを備える。
【0058】
なお、第一入庫口77、第一出庫口76、第二入庫口78および第二出庫口79は、第一ラック70aおよび第二ラック70bの上部に設けられており、例えば天井走行車との間で荷物6の受け渡しが行われる。
【0059】
つまり、天井走行車により搬送されてきた荷物6は、第一入庫口77または第二入庫口78を介して第一ラック70aまたは第二ラック70bに入庫される。
【0060】
また、第一ラック70aまたは第二ラック70bに収納されている荷物6は、第一出庫口76または第二出庫口79を介して出庫される。つまり、第一出庫口76または第二出庫口79まで搬送され一時的に載置された荷物6は、天井走行車に引き取られ、例えば次の製造工程に送り出される。
【0061】
また、マニュアル入庫口80は、作業員の手により荷物6が搬入されるポートであり、第一ラック70aの下部に設けられている。マニュアル出庫口81は、作業員の手により荷物6の搬出を行うためのポートであり、第二ラック70bの下部に設けられている。
【0062】
図4は、本発明の実施の形態におけるコントローラ100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0063】
コントローラ100は、図4に示すように、受信部102と、蓄積部104と、決定部106と、判定部108とを備える。
【0064】
なお、コントローラ100は、自動倉庫1の各種動作を制御するための他の機能構成も備えているが、これら他の機能構成についての図示および説明は省略し、主として、本発明に関与する機能構成についての図示および説明を行う。
【0065】
受信部102は、順次送信される複数の指令情報であって、それぞれがラック(70a、70b)への荷物の入庫指令またはラック(70a、70b)からの荷物の出庫指令を示す複数の指令情報を順次受信する。
【0066】
なお、指令情報は、例えば、指令系統上、自動倉庫1の上位に位置するホストコンピュータから送信される。
【0067】
蓄積部104は、受信部102により受信された複数の指令情報を蓄積する。
【0068】
決定部106は、蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報のうちの一つである第一指令情報であって、入庫指令を示す第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を前記複数の棚の中から決定する。
【0069】
判定部108は、蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報のうちの一つである第二指令情報であって、第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する。
【0070】
ここで、決定部106は、より詳細には、以下のように入庫棚を決定する。すなわち、決定部106は、(a)判定部108が、第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定した場合、第二指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する。
【0071】
また、決定部106は、(b)判定部108が、第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定した場合、蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報のうちの一つである第三指令情報であって、第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する。
【0072】
つまり、決定部106は、コントローラ100の制御により自動倉庫1が蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報に示される指令のうちの入庫指令を実行する場合、当該入庫指令の次に実行する指令を予測し、その内容に応じて、当該入庫指令に対応する入庫棚の決定を行うことができる。
【0073】
これにより、自動倉庫1における荷物6の入庫および出庫の効率化が実現される。
【0074】
以下、図5〜図8Bを用いて、実施の形態におけるコントローラ100が、入庫棚をどのように決定するかについて説明する。
【0075】
図5は、本発明の実施の形態の第一ラック70aおよび第二ラック70bにおける棚75の配列の一例を示す図である。
【0076】
なお図5では、第一ラック70aおよび第二ラック70bにおける棚75の配列が分かり易いように、棚75の配列を平面に展開して図示している。
【0077】
図5に示すように、第一ラック70aおよび第二ラック70bはともに、X軸方向に並べられた12個の棚75を有する棚段をZ軸方向に5つ備えている。また、各棚段には、1〜5の段番号のいずれかが割り当てられ、各棚段における12個の棚75のそれぞれには、1〜12の連番号のいずれかが割り当てられている。
【0078】
また、各棚75を識別するために、各棚75に“A−B−C”という形式の棚番が割り当てられている。具体的には、第一ラック70aに含まれる棚75は、A=“1”であり、第二ラック70bに含まれる棚75は、A=“2”である。また、Bは連番号を表し、Cは段番号を表している。
【0079】
また、[n]は荷物を表しており、例えば荷物[2]は、棚番“1−10−3”の棚に載置されている。
【0080】
また、第一入庫口77、第一出庫口76、第二入庫口78、第二出庫口79、マニュアル入庫口80、およびマニュアル出庫口81のそれぞれは、入庫または出庫される荷物の一時的な載置場所を有している。具体的には、それぞれの入庫口および出庫口は、2つまでの荷物を一時的に載置可能である。
【0081】
このような環境における、コントローラ100による入庫棚の決定に係る処理を、指令の具体例を挙げながら説明する。
【0082】
図6Aは、自動倉庫1が実行すべき複数の指令内容の第一の例を示す図であり、図6Bは、図6Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚75の使用状況の一例を示す図である。
【0083】
蓄積部104に、図6Aに示す複数の指令情報がジョブキューとして蓄積されている場合を想定する。
【0084】
具体的には、図6Aには4つの指令情報が示されており、各指令情報には優先順位が付されている。また、図6Aにおける“指令種別”は、各指令情報に示される指令が、入庫指令および出庫指令のいずれであるかを特定する情報である。また、図6Aにおける“指令内容”は、具体的にどの荷物をどの位置に搬送すべきかを示す情報である。
【0085】
なお、各指令情報に付された優先順位は、例えば、これら指令情報の送信元であるホストコンピュータによって付されて、指令情報とともに送信される。
【0086】
または、例えば、コントローラ100がそれぞれの指令情報を受信したタイミング、もしくは、それぞれの指令情報に示される入庫または出庫すべき荷物の種類などに応じて、コントローラ100が、各指令情報の優先順位を決定してもよい。
【0087】
このように、蓄積部104に複数の指令情報が蓄積されている場合、決定部106は、優先度が最も高く、かつ、実行可能な指令を示す指令情報を選択して処理する。
【0088】
なお、各指令情報に示される指令が実行可能か否かは、判定部108によって判定される。判定部108は、具体的には、例えば、コントローラ100に蓄積されている荷物の入庫および出庫の履歴データ(図示せず)を参照することで、各指令が実行可能か否かを判定することができる。
【0089】
また、図6Aにおいて、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令を示す指令情報は、第一指令情報の一例であり、次に優先度が高い荷物[2]についての出庫指令を示す指令情報は、第二指令情報の一例である。
【0090】
判定部108は、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令(第一指令)については、図6Bに示すように、空いている棚75が1つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[1]はマニュアル入庫口80に一時的に載置されている。
【0091】
さらに、判定部108は、次に優先度の高い、荷物[2]についての出庫指令(第二指令)については、図6Bに示すように、第二指令に指定されたマニュアル出庫口81が空いていることから、実行可能と判定する。
【0092】
なお、判定部108は、より詳細には、例えば以下の複数の条件を満していることを確認した場合に、当該出庫指令が実行可能であると判定する。
【0093】
(i)履歴データ上、マニュアル出庫口81が空いている。(ii)マニュアル出庫口81に備えられたセンサが物体を検出しない。(iii)制御信号等の信号の送受信システムがダウンしていない。(iv)マニュアル出庫口81が使用不可として登録されていない。
【0094】
つまり、判定部108は、マニュアル出庫口81の物理的および論理的な使用の可否を確認することで、マニュアル出庫口81を介した荷物の受け渡しを伴う作業が実行可能か否かを判定することができる。このことは、他の出庫口および入庫口についても同様である。
【0095】
決定部106は、このような状況において、第一指令に対応する入庫棚、つまり、荷物[1]が載置される棚75を、第二指令の内容に基づいて決定する。
【0096】
具体的には、決定部106は、第二指令における出庫対象である荷物[2]が載置されている棚75(特定棚)の近傍の棚75を、入庫棚として決定する。
【0097】
より詳細には、決定部106は、特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を入庫棚として決定する。
【0098】
本例の場合、図6Bに示すように、荷物[2]が載置されている特定棚の棚番は“1−10−3”であり、その対向位置にある対向棚の棚番は“2−10−3”である。
【0099】
また、棚番“2−10−3”である対向棚は図6Bに示すように空いている。つまり、入庫すべき荷物[1]の対向棚への載置が可能である。従って、決定部106は、棚番“2−10−3”の棚75を、第一指令に対応する入庫棚として決定する。
【0100】
これにより、移載装置30は、第一指令における入庫対象である荷物[1]を棚番“2−10−3”の棚75に載置した後に、上下および左右に移動することなく、第二指令における出庫対象である荷物[2]を、当該棚75の向かいにある棚番“1−10−3”の棚75から取り込むことができる。
【0101】
つまり、第一指令と第二指令との間に移載装置30自体が移動すべき距離は実質的にゼロであり、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る作業効率の極大化が図られる。
【0102】
なお、本例における対向棚である棚番“2−10−3”の棚75が空いていないなど、当該対向棚が使用不可である場合、決定部106は、荷物[2]が載置されている特定棚の上もしくは下の棚75、または、当該対向棚の上もしくは下の棚75を、入庫棚として決定する。つまり図6Bにおいて濃いドットが付された4つの棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0103】
この場合、走行台車4を移動させず、昇降台34のみを上または下に移動させることで、移載装置30を、入庫棚の前方に位置させることができる。
【0104】
また、これら4つの棚75のいずれが入庫棚として決定されるかについては、例えば、特定棚の上、下、対向棚の上、下という優先順位に従うなど、所定のルールに従って決定部106が決定すればよい。
【0105】
さらに、例えば、濃いドットが付された4つの棚75の全てが使用不可である場合は、特定棚の近傍の棚75である、図6Bにおいて薄いドットが付された12個の棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0106】
また、これら12個の棚75のいずれが入庫棚として決定されるかについては、例えば、特定棚の左、右、対向棚の左、右、・・・、という優先順位に従うなど、所定のルールに従って決定部106が決定すればよい。
【0107】
図7Aは、自動倉庫1が実行すべき複数の指令内容の第二の例を示す図であり、図7Bは、図7Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚75の使用状況の一例を示す図である。
【0108】
蓄積部104に、図7Aに示す複数の指令情報がジョブキューとして蓄積されている場合を想定する。
【0109】
この場合、判定部108は、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令(第一指令)については、図7Bに示すように、空いている棚75が1つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[1]はマニュアル入庫口80に一時的に載置されている。
【0110】
さらに、判定部108は、次に優先度の高い、荷物[4]についての入庫指令(第二指令)については、図7Bに示すように、空いている棚75が2つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[4]は第二入庫口78に一時的に載置されている。
【0111】
決定部106は、このような状況において、第一指令に対応する入庫棚を、第二指令の内容に基づいて決定する。
【0112】
具体的には、決定部106は、第二指令における入庫対象である荷物[2]が一時的に載置されている棚75(特定棚)の近傍の棚75を、入庫棚として決定する。
【0113】
本例における特定棚は、第二入庫口78における一時的な載置場所として使用されている棚番“2−6−5”の棚75である。
【0114】
また、当該特定棚に対向する位置に備えられている対向棚は、棚番“1−6−5”の棚75であるが、当該棚75は、第一出庫口76における一時的な載置場所として使用されており、荷物[5]が載置されている。
【0115】
さらに、当該特定棚は、最上段の棚である。そこで、決定部106は、当該特定棚の下の棚75または当該対向棚の下の棚75を第一指令に対応する入庫棚として決定する。
【0116】
つまり、図7Bにおいて濃いドットが付された棚番“2−6−4”の棚75、または、棚番“1−6−4”の棚75が、入庫棚として決定される。
【0117】
この場合、移載装置30は、第一指令における入庫対象である荷物[1]を棚番“2−6−4”の棚75、または、棚番“1−6−4”の棚75に載置した後に、左右に移動することなく上方に移動する。これにより、移載装置30は第二指令における入庫対象である荷物[4]を、一時的な載置場所である棚番“2−6−5”の棚75から取り込むことができる。つまり、第一指令と第二指令とが連続して効率よく実行される。
【0118】
なお、棚番“2−6−4”の棚75および棚番“1−6−4”の棚75が空いていないなど、これら棚75が使用不可である場合を想定する。この場合、決定部106は、荷物[2]が載置されている特定棚の近傍の棚75である、図7Bにおいて薄いドットが付された8つの棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0119】
図8Aは、自動倉庫1が実行すべき複数の指令内容の第三の例を示す図であり、図8Bは、図8Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚75の使用状況の一例を示す図である。
【0120】
蓄積部104に、図8Aに示す複数の指令情報がジョブキューとして蓄積されている場合を想定する。
【0121】
この場合、判定部108は、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令(第一指令)については、図8Bに示すように、空いている棚75が1つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[1]はマニュアル入庫口80に一時的に載置されている。
【0122】
さらに、判定部108は、次に優先度の高い、荷物[2]についての出庫指令(第二指令)については、図8Bに示すように、第二指令に指定された第一出庫口76が空いていないことから、実行不可能と判定する。
【0123】
具体的には、第一出庫口76には2つまでの荷物の一時的な載置が可能であるが、当該判定の時点では、第一出庫口76には既に荷物[5]および荷物[6]が載置されている。つまり、荷物[5]および荷物[6]が第一出庫口76において出庫待ちの状態であり、かつ、先に実行される第一指令の実行中に、第一出庫口76に荷物[2]が載置可能な状態になるという保障はない。
【0124】
そのため、判定部108は、第二指令の実行は不可能と判定し、さらに、第二指令の次に優先度の高い、荷物[3]についての出庫指令(第三指令)についての実行可否判定を行う。
【0125】
本例の場合、第三指令に指定された第二出庫口79は空いており、荷物[3]の一時的な載置が可能である。そのため、判定部108は、第三指令は実行可能と判定する。
【0126】
決定部106は、このような状況において、第一指令に対応する入庫棚を、第三指令の内容に基づいて決定する。
【0127】
具体的には、決定部106は、第三指令における出庫対象である荷物[3]が載置されている棚75(特定棚)の近傍の棚75を、入庫棚として決定する。
【0128】
より詳細には、決定部106は、特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を入庫棚として決定する。本例の場合、特定棚の棚番は“2−2−4”であり、その対向位置にある対向棚の棚番は“1−2−4”である。
【0129】
また、棚番“1−2−4”である対向棚は図8Bに示すように空いている。従って、決定部106は、棚番“1−2−4”の棚75を、第一指令に対応する入庫棚として決定する。
【0130】
この場合、第一指令の実行と第三指令の実行との間に移載装置30自体が移動すべき距離は実質的にゼロであり、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る作業効率の極大化が図られる。
【0131】
なお、本例における対向棚である棚番“1−2−4”の棚75が空いていないなど、当該対向棚が使用不可である場合、決定部106は、荷物[3]が載置されている特定棚の上もしくは下の棚75、または、当該対向棚の上もしくは下の棚75を、入庫棚として決定する。つまり図8Bにおいて濃いドットが付された4つの棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0132】
さらに、例えば、濃いドットが付された4つの棚75の全てが使用不可である場合は、例えば、図8Bにおいて薄いドットが付された12個の棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0133】
なお、本例において、仮に、判定部108により第三指令が実行不可能と判定された場合、判定部108は、第三指令の次に優先度の高い、荷物[4]についての入庫指令(第四指令)についての実行可否判定を行う。つまり、判定部108は、このように、各指令の優先度に従って、順次、実行可否判定を行う。
【0134】
以上説明したように、本実施の形態の自動倉庫1では、コントローラ100が、入庫すべき荷物のそれぞれについて、入庫棚を決定する。
【0135】
具体的には、決定部106は、移載装置30が後の指令(出庫指令または入庫指令)で取り込むべき荷物が載置された特定棚の近傍の棚75を、先の指令に対応する入庫棚として決定する。これにより、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る効率性が向上される。
【0136】
例えば、特定棚に対向する位置にある対向棚が入庫棚として決定された場合、上述のように、移載装置30の移動距離が極小化されることで、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る作業効率の極大化が図られる。
【0137】
また、仮に、対向棚が使用不可である場合であっても、特定棚の上下左右の棚75、または対向棚の上下左右の棚75など、特定棚の近傍の複数の棚75の中から入庫棚が決定される。
【0138】
すなわち、自動倉庫1が備える複数の棚75の、その時々の使用状況に応じて、入庫および出庫の作業効率の向上に最も寄与すると考えられる位置の棚75が、入庫棚として決定される。
【0139】
さらに、上述のように、コントローラ100は、複数の指令情報に対して優先度に応じて順次処理していく際に、実行不可能と判定された指令については、当該指令が可能となるまで待つのではなく、当該指令を飛ばして、次に優先度の高い指令についての実行可否判定を行う。
【0140】
そのため、半導体製造工程に用いられる倉庫のように、製造物の素材または半完成品である荷物の入庫および出庫の頻度およびタイミングが様々に変化し、かつ、予めこれらについての情報が得られない場合に、本実施の形態の自動倉庫1は有用である。
【0141】
具体的には、このような場合であっても、自動倉庫1によれば、順次実行すべき指令のそれぞれの実行可否が判定され、かつ、先に実行すべき入庫指令に対応する入庫棚が、当該判定の結果から実行が予測される指令の内容に基づいて決定される。そのため、従来よりも効率的な入庫および出庫が可能となる。
【0142】
以上、本発明の自動倉庫について、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0143】
例えば、自動倉庫1は、分離された2つのラックである第一ラック70aおよび第二ラック70bを備えている。しかし、自動倉庫1は、複数の荷物の収納が可能なラックであれ、当該ラックを一つのみ備えていてもよい。
【0144】
また、例えば、自動倉庫1は、半導体製造工程に用いられるのではなく、例えば、他の種類の工業製品の生産のための保管庫、または、物流倉庫において種々の荷物を一時的に保管するための保管庫として用いられてもよい。
【0145】
また、移載装置30の移載方式としては、スカラーアーム方式に限定されることはなく、例えば、フォーク方式またはプッシュプル方式が採用されてもよい。
【0146】
また、自動倉庫1が備える入庫口および出庫口の数および種類も、本実施の形態における入庫口および出庫口の数および種類に限定されない。
【0147】
例えば、第一ラック70aまたは第二ラック70bの下部に、これらラックの設置面上を走行する無人走行車との間の荷物の受け渡しのための入庫口または出庫口が設けられてもよい。
【0148】
また、蓄積部104に蓄積される複数の指令情報のそれぞれに優先順位が対応付けられなくてもよい。コントローラ100は、例えば、上記のホストコンピュータから優劣を付けられずに複数の指令情報が送信された場合、これら複数の指令情報の中から、実行すべき指令情報を順次ランダムに選択してもよい。
【0149】
また、自動倉庫1が実行すべき複数の指令情報のそれぞれの優先順位を決定するルールは一定でなくてもよい。
【0150】
例えば、自動倉庫1において、単位時間当たりの入出庫量が閾値以下の場合は、複数の指令情報のそれぞれを受信順に処理し、当該入出庫量が閾値を越えた場合は、複数の指令情報をそれぞれの内容に応じた優先順位に従って処理する、という制御が行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明の自動倉庫は、複数の荷物の入出庫のための複数の棚を備える自動倉庫であって、複数の荷物の入出庫に係る作業を効率よく行うことのできる自動倉庫である。従って、工場および物流倉庫等で荷物の保管を行う自動倉庫等として有用である。
【符号の説明】
【0152】
1 自動倉庫
2 スタッカクレーン
4 走行台車
5 マスト
6 荷物
9 走行レール
30 移載装置
34 昇降台
70a 第一ラック
70b 第二ラック
71 棚枠
72 支持体
75 棚
76 第一出庫口
77 第一入庫口
78 第二入庫口
79 第二出庫口
80 マニュアル入庫口
81 マニュアル出庫口
100 コントローラ
102 受信部
104 蓄積部
106 決定部
108 判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載装置を用いて荷物の入庫および荷物の出庫を行う自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の棚を有するラックと荷物の移載を行う移載装置とを備える自動倉庫が存在する。このような自動倉庫では、移載装置は、例えば、ラックの前面に沿って左右に移動する走行台車と、走行台車上に設置されたマストに沿って上下する昇降台とを有するスタッカクレーンに設置されている。
【0003】
具体的には、移載装置は昇降台に取り付けられており、走行台車の左右方向の移動と、昇降台の上下方向の移動とにより、ラックの前面に沿って上下左右に移動することができる。
【0004】
また、移載装置は、このようにラックの前面に沿って上下左右に移動することで、ラックへの荷物の入庫、および、ラックからの荷物の出庫を行うことができる。
【0005】
具体的には、ラックには荷物の入庫および出庫のため入庫口および出庫口が備えられており、移載装置は、自動倉庫が備えるコントローラの指示に従って、入庫口での荷物の受け取り、および、当該荷物の所定の棚への搬送を行う。また、移載装置は同様に、当該コントローラの指示に従って、所定の棚からの荷物の取り出し、および、当該荷物の出庫口へ搬送を行う。
【0006】
なお、当該コントローラは、例えば、複数の自動倉庫を管理する上位のホストコンピュータから入庫指令および出庫指令を順次受信して蓄積し、蓄積した複数の指令を所定の順序で順次実行する。
【0007】
また、当該コントローラは、入庫指令を受信した場合、ラックに備えられた複数の棚の中から、当該入庫指令に示される荷物を載置する棚(以下、「入庫棚」という。)を決定する。
【0008】
このような自動倉庫について、例えば、入庫棚の決定に関する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
特許文献1記載の技術によれば、複数の棚のそれぞれに割り当てられた優先順位を参照し、前回荷物を移載した棚よりも優先順位の低い複数の棚のうち、空いておりかつ優先順位の最も高い棚を決定する。
【0010】
これにより、優先順位の低い棚にもいつかは必ず荷物が載置されることになる。つまり、優先順位の低い棚が全く使用されない状態が継続することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−326707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、自動倉庫には、入庫および出庫を効率よく行うことが望まれる。そこで、例えば、複数の荷物を順次入庫する場合、出庫効率を向上させるという観点から、出庫口に近い棚から順に荷物を載置していくという方法が存在する。
【0013】
しかしながら、例えば自動倉庫に複数の出庫口が存在する場合、入庫される荷物をその後にどの出庫口から出庫すべきかを、入庫の時点では判断できない場合がある。
【0014】
例えば、半導体装置または液晶パネルの製造工程に用いられる自動倉庫は、一般的には、入庫すべき荷物(例えば、複数のウェハが収納されたキャリア)の次の搬送先を示す情報を、当該入庫の時点では持っていない。
【0015】
つまり、当該荷物を自動倉庫に入庫する時点では、当該自動倉庫が備える複数の出庫口のうちのどの出庫口から出庫されるかがわからない。
【0016】
従って、ある荷物を入庫する際に、特定の出庫口からの出庫を期待して、その出庫口に近い棚を当該荷物についての入庫棚として決定することはできない。
【0017】
また、出庫口が一つのみである場合であっても、出庫口のバッファ量(出庫のために一時的に載置可能な荷物の数)は一般に少なく、連続して多数の荷物を出庫口へ搬送することはできない。
【0018】
そのため、例えば、入出庫量が多く、コントローラに常に入出庫の指令が蓄積されている自動倉庫の場合、出庫口に近い棚を入庫先として優先的に割り当てる方法を用いても、当該棚に載置された荷物の出庫が不可能な状況が発生し易い。つまり、当該方法によるメリットは減殺される。
【0019】
その結果、自動倉庫を含む搬送システムでは、例えば、各棚に与えられた番号順に荷物を載置していくという方法が採用される。しかし、このことは、入出庫の効率の向上という観点からは好ましいとは言えない。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、効率よく荷物の入出庫を行うことのできる自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る自動倉庫は、複数の棚を有するラックと、前記複数の棚のそれぞれに対する荷物の移載を行う移載装置と、前記移載装置の動作を制御することで外部からの指令を実行する制御装置とを備える自動倉庫であって、前記制御装置は、順次送信される複数の指令情報であって、それぞれが前記ラックへの荷物の入庫指令または前記ラックからの荷物の出庫指令を示す複数の指令情報を順次受信する受信部と、前記受信部により受信された前記複数の指令情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第一指令情報であって、入庫指令を示す第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を前記複数の棚の中から決定する決定部と、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第二指令情報であって、前記第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する判定部とを有し、前記決定部は、(a)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定した場合、前記第二指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定し、(b)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定した場合、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第三指令情報であって、前記第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する。
【0022】
この構成によれば、ある入庫指令に対応する入庫棚を決定する際に、当該入庫指令の次に実行可能な指令の内容に基づいて入庫棚が決定される。
【0023】
つまり、第一指令情報に示される指令と、次に実行可能な指令(第二指令情報または第三指令情報に示される指令)との連続的かつ効率的な実行が可能となるように、第一指令情報に対応する入庫棚が決定される。
【0024】
従って、本態様の自動倉庫によれば、従来よりも効率のよい荷物の入出庫が可能となる。
【0025】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、前記ラックから出庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する出庫口を備え、前記判定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記第二指令情報に示される荷物が前記一時的な載置場所に載置可能である場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定し、前記荷物が前記一時的な載置場所に載置可能でない場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定するとしてもよい。
【0026】
この構成によれば、第二指令情報に示される指令が出庫指令である場合、当該出庫指令が実行可能であるか否かが的確に判断される。
【0027】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記決定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記出庫指令が実行可能であると判定された場合、前記出庫指令の対象である荷物が載置されている棚である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0028】
この構成によれば、移載装置は、入庫指令の実行と出庫指令の実行とを連続して効率よく行うことができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、前記ラックに入庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する入庫口を備え、前記決定部は、前記第二指令情報が入庫指令を示し、かつ、前記入庫指令が実行可能であると判定された場合、前記一時的な載置場所である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0030】
この構成によれば、移載装置は、連続する入庫指令を効率よく実行することができる。
【0031】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、前記移載装置を挟んで向かい合わせて配置された第一ラックと第二ラックとで構成されており、前記特定棚は、前記第一ラックおよび前記第二ラックのいずれか一方に備えられた棚であり、前記決定部は、前記第一ラックおよび前記第二ラックの他方に備えられた棚であって、前記特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0032】
この構成によれば、移載装置は、第一指令情報に示される入庫指令の実行の後に、上下または左右に移動することなく、即座に、出庫または入庫のための、第二指令情報に示される荷物の取り込みを行うことができる。つまり、連続する指令をより効率よく実行することができる。
【0033】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記決定部は、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能である場合、前記対向棚を前記入庫棚として決定し、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能でない場合、前記特定棚の上もしくは下の棚、または、前記対向棚の上もしくは下の棚を、前記入庫棚として決定するとしてもよい。
【0034】
この構成によれば、対向棚が空いていないなど、対向棚への荷物の載置が可能でない場合において、第一指令情報と第二指令情報との連続した処理が最も効率的に実行できるように、第一指令情報に対応する入庫棚が決定される。
【0035】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記決定部は、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のそれぞれの優先度に応じて、前記複数の指令情報の中から前記第一指令情報、前記第二指令情報、および前記第三指令情報を特定するとしてもよい。
【0036】
この構成によれば、複数の指令情報が、それぞれの優先度に応じて順次実行されるため、当該自動倉庫の利用の目的(工業製品の効率的な生産など)に応じた的確な順序で入庫および出庫を行うことが可能となる。
【0037】
また、本発明は、上記いずれかの態様に係る自動倉庫が実行する特徴的な処理を含む入庫棚決定方法として実現することもできる。また、入庫棚決定方法が含む各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現すること、および、そのプログラムが記録された記録媒体として実現することもできる。そして、そのプログラムをインターネット等の伝送媒体又はDVD等の記録媒体を介して配信することもできる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、効率よく荷物の入出庫を行うことのできる自動倉庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態における自動倉庫の構成概要を示す斜視図である。
【図2】実施の形態における自動倉庫が有する棚の構成概要を示す斜視図である。
【図3】実施の形態における自動倉庫の構成を模式的に示す平面図である。
【図4】実施の形態におけるコントローラの機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態の第一ラックおよび第二ラックにおける棚の配列の一例を示す図である。
【図6A】実施の形態における自動倉庫が実行すべき複数の指令内容の第一の例を示す図である。
【図6B】図6Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚の使用状況の一例を示す図である。
【図7A】実施の形態における自動倉庫が実行すべき複数の指令内容の第二の例を示す図である。
【図7B】図7Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚の使用状況の一例を示す図である。
【図8A】実施の形態における自動倉庫が実行すべき複数の指令内容の第三の例を示す図である。
【図8B】図8Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚の使用状況の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の実施の形態における自動倉庫について、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施の形態における自動倉庫1の構成概要を示す斜視図である。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態における自動倉庫1が有する棚の構成概要を示す斜視図である。
【0043】
自動倉庫1は、図1に示すように、複数の棚75を有する第一ラック70aと、複数の棚75のそれぞれに対する荷物の移載を行う移載装置30と、移載装置30の動作を制御することで外部からの指令を実行するコントローラ100とを備える。
【0044】
移載装置30は、具体的には、走行レール9および10に沿って移動するスタッカクレーン2に設置されている。また、コントローラ100は、具体的には、移載装置30を含む自動倉庫1の全体の動作を制御する。
【0045】
本実施の形態では、自動倉庫1は、例えば、半導体製造工程において使用されることを想定している。この場合、棚75に載置される荷物6は、例えば複数のウェハが収納されたキャリアである。
【0046】
また、棚75は、図2に示すように、一対の支持体72によって構成される。各支持体72は、棚枠71に固定されている。
【0047】
なお、図1では省略されているが、本実施の形態の自動倉庫1は、スタッカクレーン2挟んで第一ラック70aと向かい合わせて配置された第二ラック70bを備えている。
【0048】
スタッカクレーン2は、走行台車4と、走行台車4上に設置されたマスト5と、マスト5に沿って上下する昇降台34とを備える。
【0049】
移載装置30は、その移載方式として、多関節のアームユニットにより荷物6の移載を行うスカラーアーム方式が採用されている。移載装置30はアームユニットを伸縮させることで、棚75との間で荷物6の移載を行うことができる。
【0050】
走行台車4は、走行駆動モータ等を備え、敷設された走行レール9上を水平方向に移動する。マスト5は、昇降駆動ベルト等を備え、昇降駆動ベルトに接続された昇降台34を昇降させる。
【0051】
走行台車4が左右方向(X軸方向)へ移動し、かつ、昇降台34が上下方向(Z軸方向)へ移動することで、移載装置30は、任意の棚75の前方に移動することができる。つまり、任意の棚75からの荷物の取り出し、および、任意の棚75への荷物6の載置を行うことができる。具体的には、移載装置30の動作は、コントローラ100によって制御される。
【0052】
コントローラ100は、制御装置の一例であり、例えば、情報の入出力を行うインタフェース、並びに、制御プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)およびメモリ等を備えるコンピュータによって実現される。
【0053】
また、コントローラ100は、有線通信または無線通信を介して、移載装置30等の構成要素に対する制御信号を送信し、必要に応じてこれら構成要素から送信される信号を受信する。コントローラ100が備える機能的な構成については、図4を用いて後述する。
【0054】
図3は、本発明の実施の形態における自動倉庫1の構成を模式的に示す平面図である。
【0055】
図3に示すように、移載装置30は、第一ラック70aおよび第二ラック70bの双方との間での荷物6の移載を行うことができる。
【0056】
スタッカクレーン2は、入庫すべき荷物6を入庫口で受け取って、第一ラック70aおよび第二ラック70bのいずれかの棚75まで搬送する。また出庫すべき荷物6を、当該荷物6が載置されている棚75から取り出し、それを出庫口まで搬送する。
【0057】
具体的には、自動倉庫1は、第一ラック70aに配置された第一入庫口77と第一出庫口76とマニュアル入庫口80とを備える。また、自動倉庫1はさらに、第二ラック70bに配置された第二入庫口78と第二出庫口79とマニュアル出庫口81とを備える。
【0058】
なお、第一入庫口77、第一出庫口76、第二入庫口78および第二出庫口79は、第一ラック70aおよび第二ラック70bの上部に設けられており、例えば天井走行車との間で荷物6の受け渡しが行われる。
【0059】
つまり、天井走行車により搬送されてきた荷物6は、第一入庫口77または第二入庫口78を介して第一ラック70aまたは第二ラック70bに入庫される。
【0060】
また、第一ラック70aまたは第二ラック70bに収納されている荷物6は、第一出庫口76または第二出庫口79を介して出庫される。つまり、第一出庫口76または第二出庫口79まで搬送され一時的に載置された荷物6は、天井走行車に引き取られ、例えば次の製造工程に送り出される。
【0061】
また、マニュアル入庫口80は、作業員の手により荷物6が搬入されるポートであり、第一ラック70aの下部に設けられている。マニュアル出庫口81は、作業員の手により荷物6の搬出を行うためのポートであり、第二ラック70bの下部に設けられている。
【0062】
図4は、本発明の実施の形態におけるコントローラ100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0063】
コントローラ100は、図4に示すように、受信部102と、蓄積部104と、決定部106と、判定部108とを備える。
【0064】
なお、コントローラ100は、自動倉庫1の各種動作を制御するための他の機能構成も備えているが、これら他の機能構成についての図示および説明は省略し、主として、本発明に関与する機能構成についての図示および説明を行う。
【0065】
受信部102は、順次送信される複数の指令情報であって、それぞれがラック(70a、70b)への荷物の入庫指令またはラック(70a、70b)からの荷物の出庫指令を示す複数の指令情報を順次受信する。
【0066】
なお、指令情報は、例えば、指令系統上、自動倉庫1の上位に位置するホストコンピュータから送信される。
【0067】
蓄積部104は、受信部102により受信された複数の指令情報を蓄積する。
【0068】
決定部106は、蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報のうちの一つである第一指令情報であって、入庫指令を示す第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を前記複数の棚の中から決定する。
【0069】
判定部108は、蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報のうちの一つである第二指令情報であって、第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する。
【0070】
ここで、決定部106は、より詳細には、以下のように入庫棚を決定する。すなわち、決定部106は、(a)判定部108が、第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定した場合、第二指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する。
【0071】
また、決定部106は、(b)判定部108が、第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定した場合、蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報のうちの一つである第三指令情報であって、第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する。
【0072】
つまり、決定部106は、コントローラ100の制御により自動倉庫1が蓄積部104に蓄積されている複数の指令情報に示される指令のうちの入庫指令を実行する場合、当該入庫指令の次に実行する指令を予測し、その内容に応じて、当該入庫指令に対応する入庫棚の決定を行うことができる。
【0073】
これにより、自動倉庫1における荷物6の入庫および出庫の効率化が実現される。
【0074】
以下、図5〜図8Bを用いて、実施の形態におけるコントローラ100が、入庫棚をどのように決定するかについて説明する。
【0075】
図5は、本発明の実施の形態の第一ラック70aおよび第二ラック70bにおける棚75の配列の一例を示す図である。
【0076】
なお図5では、第一ラック70aおよび第二ラック70bにおける棚75の配列が分かり易いように、棚75の配列を平面に展開して図示している。
【0077】
図5に示すように、第一ラック70aおよび第二ラック70bはともに、X軸方向に並べられた12個の棚75を有する棚段をZ軸方向に5つ備えている。また、各棚段には、1〜5の段番号のいずれかが割り当てられ、各棚段における12個の棚75のそれぞれには、1〜12の連番号のいずれかが割り当てられている。
【0078】
また、各棚75を識別するために、各棚75に“A−B−C”という形式の棚番が割り当てられている。具体的には、第一ラック70aに含まれる棚75は、A=“1”であり、第二ラック70bに含まれる棚75は、A=“2”である。また、Bは連番号を表し、Cは段番号を表している。
【0079】
また、[n]は荷物を表しており、例えば荷物[2]は、棚番“1−10−3”の棚に載置されている。
【0080】
また、第一入庫口77、第一出庫口76、第二入庫口78、第二出庫口79、マニュアル入庫口80、およびマニュアル出庫口81のそれぞれは、入庫または出庫される荷物の一時的な載置場所を有している。具体的には、それぞれの入庫口および出庫口は、2つまでの荷物を一時的に載置可能である。
【0081】
このような環境における、コントローラ100による入庫棚の決定に係る処理を、指令の具体例を挙げながら説明する。
【0082】
図6Aは、自動倉庫1が実行すべき複数の指令内容の第一の例を示す図であり、図6Bは、図6Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚75の使用状況の一例を示す図である。
【0083】
蓄積部104に、図6Aに示す複数の指令情報がジョブキューとして蓄積されている場合を想定する。
【0084】
具体的には、図6Aには4つの指令情報が示されており、各指令情報には優先順位が付されている。また、図6Aにおける“指令種別”は、各指令情報に示される指令が、入庫指令および出庫指令のいずれであるかを特定する情報である。また、図6Aにおける“指令内容”は、具体的にどの荷物をどの位置に搬送すべきかを示す情報である。
【0085】
なお、各指令情報に付された優先順位は、例えば、これら指令情報の送信元であるホストコンピュータによって付されて、指令情報とともに送信される。
【0086】
または、例えば、コントローラ100がそれぞれの指令情報を受信したタイミング、もしくは、それぞれの指令情報に示される入庫または出庫すべき荷物の種類などに応じて、コントローラ100が、各指令情報の優先順位を決定してもよい。
【0087】
このように、蓄積部104に複数の指令情報が蓄積されている場合、決定部106は、優先度が最も高く、かつ、実行可能な指令を示す指令情報を選択して処理する。
【0088】
なお、各指令情報に示される指令が実行可能か否かは、判定部108によって判定される。判定部108は、具体的には、例えば、コントローラ100に蓄積されている荷物の入庫および出庫の履歴データ(図示せず)を参照することで、各指令が実行可能か否かを判定することができる。
【0089】
また、図6Aにおいて、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令を示す指令情報は、第一指令情報の一例であり、次に優先度が高い荷物[2]についての出庫指令を示す指令情報は、第二指令情報の一例である。
【0090】
判定部108は、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令(第一指令)については、図6Bに示すように、空いている棚75が1つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[1]はマニュアル入庫口80に一時的に載置されている。
【0091】
さらに、判定部108は、次に優先度の高い、荷物[2]についての出庫指令(第二指令)については、図6Bに示すように、第二指令に指定されたマニュアル出庫口81が空いていることから、実行可能と判定する。
【0092】
なお、判定部108は、より詳細には、例えば以下の複数の条件を満していることを確認した場合に、当該出庫指令が実行可能であると判定する。
【0093】
(i)履歴データ上、マニュアル出庫口81が空いている。(ii)マニュアル出庫口81に備えられたセンサが物体を検出しない。(iii)制御信号等の信号の送受信システムがダウンしていない。(iv)マニュアル出庫口81が使用不可として登録されていない。
【0094】
つまり、判定部108は、マニュアル出庫口81の物理的および論理的な使用の可否を確認することで、マニュアル出庫口81を介した荷物の受け渡しを伴う作業が実行可能か否かを判定することができる。このことは、他の出庫口および入庫口についても同様である。
【0095】
決定部106は、このような状況において、第一指令に対応する入庫棚、つまり、荷物[1]が載置される棚75を、第二指令の内容に基づいて決定する。
【0096】
具体的には、決定部106は、第二指令における出庫対象である荷物[2]が載置されている棚75(特定棚)の近傍の棚75を、入庫棚として決定する。
【0097】
より詳細には、決定部106は、特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を入庫棚として決定する。
【0098】
本例の場合、図6Bに示すように、荷物[2]が載置されている特定棚の棚番は“1−10−3”であり、その対向位置にある対向棚の棚番は“2−10−3”である。
【0099】
また、棚番“2−10−3”である対向棚は図6Bに示すように空いている。つまり、入庫すべき荷物[1]の対向棚への載置が可能である。従って、決定部106は、棚番“2−10−3”の棚75を、第一指令に対応する入庫棚として決定する。
【0100】
これにより、移載装置30は、第一指令における入庫対象である荷物[1]を棚番“2−10−3”の棚75に載置した後に、上下および左右に移動することなく、第二指令における出庫対象である荷物[2]を、当該棚75の向かいにある棚番“1−10−3”の棚75から取り込むことができる。
【0101】
つまり、第一指令と第二指令との間に移載装置30自体が移動すべき距離は実質的にゼロであり、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る作業効率の極大化が図られる。
【0102】
なお、本例における対向棚である棚番“2−10−3”の棚75が空いていないなど、当該対向棚が使用不可である場合、決定部106は、荷物[2]が載置されている特定棚の上もしくは下の棚75、または、当該対向棚の上もしくは下の棚75を、入庫棚として決定する。つまり図6Bにおいて濃いドットが付された4つの棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0103】
この場合、走行台車4を移動させず、昇降台34のみを上または下に移動させることで、移載装置30を、入庫棚の前方に位置させることができる。
【0104】
また、これら4つの棚75のいずれが入庫棚として決定されるかについては、例えば、特定棚の上、下、対向棚の上、下という優先順位に従うなど、所定のルールに従って決定部106が決定すればよい。
【0105】
さらに、例えば、濃いドットが付された4つの棚75の全てが使用不可である場合は、特定棚の近傍の棚75である、図6Bにおいて薄いドットが付された12個の棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0106】
また、これら12個の棚75のいずれが入庫棚として決定されるかについては、例えば、特定棚の左、右、対向棚の左、右、・・・、という優先順位に従うなど、所定のルールに従って決定部106が決定すればよい。
【0107】
図7Aは、自動倉庫1が実行すべき複数の指令内容の第二の例を示す図であり、図7Bは、図7Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚75の使用状況の一例を示す図である。
【0108】
蓄積部104に、図7Aに示す複数の指令情報がジョブキューとして蓄積されている場合を想定する。
【0109】
この場合、判定部108は、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令(第一指令)については、図7Bに示すように、空いている棚75が1つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[1]はマニュアル入庫口80に一時的に載置されている。
【0110】
さらに、判定部108は、次に優先度の高い、荷物[4]についての入庫指令(第二指令)については、図7Bに示すように、空いている棚75が2つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[4]は第二入庫口78に一時的に載置されている。
【0111】
決定部106は、このような状況において、第一指令に対応する入庫棚を、第二指令の内容に基づいて決定する。
【0112】
具体的には、決定部106は、第二指令における入庫対象である荷物[2]が一時的に載置されている棚75(特定棚)の近傍の棚75を、入庫棚として決定する。
【0113】
本例における特定棚は、第二入庫口78における一時的な載置場所として使用されている棚番“2−6−5”の棚75である。
【0114】
また、当該特定棚に対向する位置に備えられている対向棚は、棚番“1−6−5”の棚75であるが、当該棚75は、第一出庫口76における一時的な載置場所として使用されており、荷物[5]が載置されている。
【0115】
さらに、当該特定棚は、最上段の棚である。そこで、決定部106は、当該特定棚の下の棚75または当該対向棚の下の棚75を第一指令に対応する入庫棚として決定する。
【0116】
つまり、図7Bにおいて濃いドットが付された棚番“2−6−4”の棚75、または、棚番“1−6−4”の棚75が、入庫棚として決定される。
【0117】
この場合、移載装置30は、第一指令における入庫対象である荷物[1]を棚番“2−6−4”の棚75、または、棚番“1−6−4”の棚75に載置した後に、左右に移動することなく上方に移動する。これにより、移載装置30は第二指令における入庫対象である荷物[4]を、一時的な載置場所である棚番“2−6−5”の棚75から取り込むことができる。つまり、第一指令と第二指令とが連続して効率よく実行される。
【0118】
なお、棚番“2−6−4”の棚75および棚番“1−6−4”の棚75が空いていないなど、これら棚75が使用不可である場合を想定する。この場合、決定部106は、荷物[2]が載置されている特定棚の近傍の棚75である、図7Bにおいて薄いドットが付された8つの棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0119】
図8Aは、自動倉庫1が実行すべき複数の指令内容の第三の例を示す図であり、図8Bは、図8Aに示される複数の指令内容が実行される際の棚75の使用状況の一例を示す図である。
【0120】
蓄積部104に、図8Aに示す複数の指令情報がジョブキューとして蓄積されている場合を想定する。
【0121】
この場合、判定部108は、最も優先度が高い、荷物[1]についての入庫指令(第一指令)については、図8Bに示すように、空いている棚75が1つ以上存在することから、実行可能と判定する。なお、当該判定の時点では、荷物[1]はマニュアル入庫口80に一時的に載置されている。
【0122】
さらに、判定部108は、次に優先度の高い、荷物[2]についての出庫指令(第二指令)については、図8Bに示すように、第二指令に指定された第一出庫口76が空いていないことから、実行不可能と判定する。
【0123】
具体的には、第一出庫口76には2つまでの荷物の一時的な載置が可能であるが、当該判定の時点では、第一出庫口76には既に荷物[5]および荷物[6]が載置されている。つまり、荷物[5]および荷物[6]が第一出庫口76において出庫待ちの状態であり、かつ、先に実行される第一指令の実行中に、第一出庫口76に荷物[2]が載置可能な状態になるという保障はない。
【0124】
そのため、判定部108は、第二指令の実行は不可能と判定し、さらに、第二指令の次に優先度の高い、荷物[3]についての出庫指令(第三指令)についての実行可否判定を行う。
【0125】
本例の場合、第三指令に指定された第二出庫口79は空いており、荷物[3]の一時的な載置が可能である。そのため、判定部108は、第三指令は実行可能と判定する。
【0126】
決定部106は、このような状況において、第一指令に対応する入庫棚を、第三指令の内容に基づいて決定する。
【0127】
具体的には、決定部106は、第三指令における出庫対象である荷物[3]が載置されている棚75(特定棚)の近傍の棚75を、入庫棚として決定する。
【0128】
より詳細には、決定部106は、特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を入庫棚として決定する。本例の場合、特定棚の棚番は“2−2−4”であり、その対向位置にある対向棚の棚番は“1−2−4”である。
【0129】
また、棚番“1−2−4”である対向棚は図8Bに示すように空いている。従って、決定部106は、棚番“1−2−4”の棚75を、第一指令に対応する入庫棚として決定する。
【0130】
この場合、第一指令の実行と第三指令の実行との間に移載装置30自体が移動すべき距離は実質的にゼロであり、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る作業効率の極大化が図られる。
【0131】
なお、本例における対向棚である棚番“1−2−4”の棚75が空いていないなど、当該対向棚が使用不可である場合、決定部106は、荷物[3]が載置されている特定棚の上もしくは下の棚75、または、当該対向棚の上もしくは下の棚75を、入庫棚として決定する。つまり図8Bにおいて濃いドットが付された4つの棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0132】
さらに、例えば、濃いドットが付された4つの棚75の全てが使用不可である場合は、例えば、図8Bにおいて薄いドットが付された12個の棚75のいずれかが入庫棚として決定される。
【0133】
なお、本例において、仮に、判定部108により第三指令が実行不可能と判定された場合、判定部108は、第三指令の次に優先度の高い、荷物[4]についての入庫指令(第四指令)についての実行可否判定を行う。つまり、判定部108は、このように、各指令の優先度に従って、順次、実行可否判定を行う。
【0134】
以上説明したように、本実施の形態の自動倉庫1では、コントローラ100が、入庫すべき荷物のそれぞれについて、入庫棚を決定する。
【0135】
具体的には、決定部106は、移載装置30が後の指令(出庫指令または入庫指令)で取り込むべき荷物が載置された特定棚の近傍の棚75を、先の指令に対応する入庫棚として決定する。これにより、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る効率性が向上される。
【0136】
例えば、特定棚に対向する位置にある対向棚が入庫棚として決定された場合、上述のように、移載装置30の移動距離が極小化されることで、連続して実行される荷物の入庫および出庫に係る作業効率の極大化が図られる。
【0137】
また、仮に、対向棚が使用不可である場合であっても、特定棚の上下左右の棚75、または対向棚の上下左右の棚75など、特定棚の近傍の複数の棚75の中から入庫棚が決定される。
【0138】
すなわち、自動倉庫1が備える複数の棚75の、その時々の使用状況に応じて、入庫および出庫の作業効率の向上に最も寄与すると考えられる位置の棚75が、入庫棚として決定される。
【0139】
さらに、上述のように、コントローラ100は、複数の指令情報に対して優先度に応じて順次処理していく際に、実行不可能と判定された指令については、当該指令が可能となるまで待つのではなく、当該指令を飛ばして、次に優先度の高い指令についての実行可否判定を行う。
【0140】
そのため、半導体製造工程に用いられる倉庫のように、製造物の素材または半完成品である荷物の入庫および出庫の頻度およびタイミングが様々に変化し、かつ、予めこれらについての情報が得られない場合に、本実施の形態の自動倉庫1は有用である。
【0141】
具体的には、このような場合であっても、自動倉庫1によれば、順次実行すべき指令のそれぞれの実行可否が判定され、かつ、先に実行すべき入庫指令に対応する入庫棚が、当該判定の結果から実行が予測される指令の内容に基づいて決定される。そのため、従来よりも効率的な入庫および出庫が可能となる。
【0142】
以上、本発明の自動倉庫について、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0143】
例えば、自動倉庫1は、分離された2つのラックである第一ラック70aおよび第二ラック70bを備えている。しかし、自動倉庫1は、複数の荷物の収納が可能なラックであれ、当該ラックを一つのみ備えていてもよい。
【0144】
また、例えば、自動倉庫1は、半導体製造工程に用いられるのではなく、例えば、他の種類の工業製品の生産のための保管庫、または、物流倉庫において種々の荷物を一時的に保管するための保管庫として用いられてもよい。
【0145】
また、移載装置30の移載方式としては、スカラーアーム方式に限定されることはなく、例えば、フォーク方式またはプッシュプル方式が採用されてもよい。
【0146】
また、自動倉庫1が備える入庫口および出庫口の数および種類も、本実施の形態における入庫口および出庫口の数および種類に限定されない。
【0147】
例えば、第一ラック70aまたは第二ラック70bの下部に、これらラックの設置面上を走行する無人走行車との間の荷物の受け渡しのための入庫口または出庫口が設けられてもよい。
【0148】
また、蓄積部104に蓄積される複数の指令情報のそれぞれに優先順位が対応付けられなくてもよい。コントローラ100は、例えば、上記のホストコンピュータから優劣を付けられずに複数の指令情報が送信された場合、これら複数の指令情報の中から、実行すべき指令情報を順次ランダムに選択してもよい。
【0149】
また、自動倉庫1が実行すべき複数の指令情報のそれぞれの優先順位を決定するルールは一定でなくてもよい。
【0150】
例えば、自動倉庫1において、単位時間当たりの入出庫量が閾値以下の場合は、複数の指令情報のそれぞれを受信順に処理し、当該入出庫量が閾値を越えた場合は、複数の指令情報をそれぞれの内容に応じた優先順位に従って処理する、という制御が行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明の自動倉庫は、複数の荷物の入出庫のための複数の棚を備える自動倉庫であって、複数の荷物の入出庫に係る作業を効率よく行うことのできる自動倉庫である。従って、工場および物流倉庫等で荷物の保管を行う自動倉庫等として有用である。
【符号の説明】
【0152】
1 自動倉庫
2 スタッカクレーン
4 走行台車
5 マスト
6 荷物
9 走行レール
30 移載装置
34 昇降台
70a 第一ラック
70b 第二ラック
71 棚枠
72 支持体
75 棚
76 第一出庫口
77 第一入庫口
78 第二入庫口
79 第二出庫口
80 マニュアル入庫口
81 マニュアル出庫口
100 コントローラ
102 受信部
104 蓄積部
106 決定部
108 判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棚を有するラックと、前記複数の棚のそれぞれに対する荷物の移載を行う移載装置と、前記移載装置の動作を制御することで外部からの指令を実行する制御装置とを備える自動倉庫であって、
前記制御装置は、
順次送信される複数の指令情報であって、それぞれが前記ラックへの荷物の入庫指令または前記ラックからの荷物の出庫指令を示す複数の指令情報を順次受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記複数の指令情報を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第一指令情報であって、入庫指令を示す第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を前記複数の棚の中から決定する決定部と、
前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第二指令情報であって、前記第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する判定部とを有し、
前記決定部は、
(a)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定した場合、前記第二指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定し、
(b)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定した場合、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第三指令情報であって、前記第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する
自動倉庫。
【請求項2】
前記ラックは、前記ラックから出庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する出庫口を備え、
前記判定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記第二指令情報に示される荷物が前記一時的な載置場所に載置可能である場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定し、前記荷物が前記一時的な載置場所に載置可能でない場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定する
請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記決定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記出庫指令が実行可能であると判定された場合、前記出庫指令の対象である荷物が載置されている棚である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定する
請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記ラックは、前記ラックに入庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する入庫口を備え、
前記決定部は、前記第二指令情報が入庫指令を示し、かつ、前記入庫指令が実行可能であると判定された場合、前記一時的な載置場所である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定する
請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記ラックは、前記移載装置を挟んで向かい合わせて配置された第一ラックと第二ラックとで構成されており、
前記特定棚は、前記第一ラックおよび前記第二ラックのいずれか一方に備えられた棚であり、
前記決定部は、前記第一ラックおよび前記第二ラックの他方に備えられた棚であって、前記特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を、前記入庫棚として決定する
請求項3または4に記載の自動倉庫。
【請求項6】
前記決定部は、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能である場合、前記対向棚を前記入庫棚として決定し、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能でない場合、前記特定棚の上もしくは下の棚、または、前記対向棚の上もしくは下の棚を、前記入庫棚として決定する
請求項5記載の自動倉庫。
【請求項7】
前記決定部は、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のそれぞれの優先度に応じて、前記複数の指令情報の中から前記第一指令情報、前記第二指令情報、および前記第三指令情報を特定する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動倉庫。
【請求項1】
複数の棚を有するラックと、前記複数の棚のそれぞれに対する荷物の移載を行う移載装置と、前記移載装置の動作を制御することで外部からの指令を実行する制御装置とを備える自動倉庫であって、
前記制御装置は、
順次送信される複数の指令情報であって、それぞれが前記ラックへの荷物の入庫指令または前記ラックからの荷物の出庫指令を示す複数の指令情報を順次受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記複数の指令情報を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第一指令情報であって、入庫指令を示す第一指令情報に示される所定の荷物を載置する棚である入庫棚を前記複数の棚の中から決定する決定部と、
前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第二指令情報であって、前記第一指令情報の次に実行すべき第二指令情報に示される指令が実行可能であるか否かを判定する判定部とを有し、
前記決定部は、
(a)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定した場合、前記第二指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定し、
(b)前記判定部が、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定した場合、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のうちの一つである第三指令情報であって、前記第二指令情報の次に実行すべき第三指令情報に示される指令の内容に基づいて前記入庫棚を決定する
自動倉庫。
【請求項2】
前記ラックは、前記ラックから出庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する出庫口を備え、
前記判定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記第二指令情報に示される荷物が前記一時的な載置場所に載置可能である場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能であると判定し、前記荷物が前記一時的な載置場所に載置可能でない場合、前記第二指令情報に示される指令が実行可能でないと判定する
請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記決定部は、前記第二指令情報が出庫指令を示し、かつ、前記出庫指令が実行可能であると判定された場合、前記出庫指令の対象である荷物が載置されている棚である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定する
請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記ラックは、前記ラックに入庫すべき荷物の一時的な載置場所を有する入庫口を備え、
前記決定部は、前記第二指令情報が入庫指令を示し、かつ、前記入庫指令が実行可能であると判定された場合、前記一時的な載置場所である特定棚の近傍の棚を、前記入庫棚として決定する
請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記ラックは、前記移載装置を挟んで向かい合わせて配置された第一ラックと第二ラックとで構成されており、
前記特定棚は、前記第一ラックおよび前記第二ラックのいずれか一方に備えられた棚であり、
前記決定部は、前記第一ラックおよび前記第二ラックの他方に備えられた棚であって、前記特定棚と対向する位置に備えられている棚である対向棚を、前記入庫棚として決定する
請求項3または4に記載の自動倉庫。
【請求項6】
前記決定部は、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能である場合、前記対向棚を前記入庫棚として決定し、前記第二指令情報に示される荷物の前記対向棚への載置が可能でない場合、前記特定棚の上もしくは下の棚、または、前記対向棚の上もしくは下の棚を、前記入庫棚として決定する
請求項5記載の自動倉庫。
【請求項7】
前記決定部は、前記蓄積部に蓄積されている前記複数の指令情報のそれぞれの優先度に応じて、前記複数の指令情報の中から前記第一指令情報、前記第二指令情報、および前記第三指令情報を特定する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動倉庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2012−158458(P2012−158458A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21128(P2011−21128)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
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