説明

自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システム

【課題】既存の立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫に格納されたICタグが付された荷物を、そのまま利用できる自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムを提供する。
【解決手段】倉庫40に格納された物品のRFタグ41,42の情報を読み取って情報収集を行なう自動読取装置20であって、フォークリフト10のフォーク15を挿入可能な空間を備えた基台と、基台上に配設された枠体のフォーク15を挿入可能な空間の方向に対して交差する方向に所定間隔で少なくとも高さ方向に所定数配設されたRFタグ読取用のアンテナ23と、アンテナ23で取得した情報を送信する手段を有する制御装置24と、を備え、アンテナ23の配置間隔は、倉庫40の棚の間隔に合わせて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムに係り、特に、従来の立体倉庫や多段倉庫においても、何らの改変を要せず、そのまま適用できる自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫での物品の保管位置の特定・確認、数量の把握のため自動認識技術として、バーコードシステムが知られている。このバーコードシステムは、個別に一個一個についてバーコード情報を読取っていた。このため、物品識別の多くの場面では、多くの人手と時間がかかっていた。
【0003】
一方、バーコードシステムに代えて、ICタグを利用して、広大なエリアであっても、装置本体を走行移動させながらそのエリア内に存在する全ての物品とその所在位置を特定することができ、エリア内の何処に何があるかの情報を確実に収集可能な技術が提案されている(特許文献1)。
また、フォークリフト車によって、物品の入庫処理、移動処理、出庫処理を行うとき、フォークリフトに装備されて、搬送元、搬送先に指定された載置エリアの位置タグ、物品タグに記憶されている位置情報、物品情報を読み取らせるとともに、これら位置情報、物品情報に基づき、コンピュータ装置に記憶されているロケーション情報を更新させる技術が提案されている(特許文献2)。
さらに、フォークリフトに装備されて荷物等に取り付けられたICタグの情報を非接触で読み取る技術が提案されている(特許文献3、4)。
【0004】
特許文献1の技術は、装置本体を走行移動させながら無線電波の送受信可能範囲を可変すると共に、この可変した検索範囲内に存在するICタグを探索した際に、このICタグが付与されている物品と装置本体との相対的な関係を検出して当該物品の所在位置を特定する。そして物品の所在位置と当該ICタグから読み取った物品識別情報とを対応付けて収集記憶する技術で、広大なエリアであっても、装置本体を走行移動させながらそのエリア内を一通り通過するだけで、このエリア内に存在する全ての物品とその所在位置を自動的に特定することができ、エリア内の何処に何があるかの情報を確実に収集可能となり、この収集情報に基づいてエリア内に存在している物品の存在状況、在庫状況などの資料を作成することができることを期待するものである。
【0005】
特許文献2の技術は、各載置エリア部は、倉庫内に一列に形成される複数の載置エリアと、各載置エリアの縁に埋め込まれ、各載置エリアに置かれているパレットの番号、物品の番号などの物品情報を記憶する処理、無線信号によって搭載装置と物品情報の授受を行う処理などを行う複数の物品タグと、各載置エリアの縁に埋め込まれ、各載置エリアの番号などの位置情報を記憶し、無線信号によって搭載装置に位置情報を供給する複数の位置タグとを備えたものである。そしてフォークリフト車の搭載装置から位置情報要求を含む無線信号が送信されたとき、各位置タグのうち、搭載装置と対向している位置タグから位置情報を含む無線信号を送信させ、また搭載装置から物品情報要求を含む無線信号が送信されたとき、各物品タグのうち、搭載装置と対向している物品タグから物品情報を含む無線信号を送信させ、また搭載装置から新たな物品情報を含む無線信号が送信されたとき、搭載装置と対向している物品タグによって、これを取り込み、それまで記憶していた物品情報を更新する技術である。
【0006】
特許文献3の技術は、パレット或いは荷物に取り付けられているICタグと上方に位置するアンテナとの間の信号の送受信が反射板を介して可能とし、ICタグが発した信号が反射板で反射されることによりアンテナで受信され、このアンテナで受信された信号からリーダライタはICタグに書き込まれている情報を読み取る技術である。
【0007】
特許文献4の技術は、荷物を運搬するフォークリフトの非可動部分である本体部に設置されたリーダライタが、RFIDタグからラックの識別情報を読み取り、情報処理部が、リーダライタが読み取ったラックの識別情報、および、リーダライタがラックの識別情報を読み取る場合に放射される電波を遮断する電波遮断板の位置情報を取得し、電波遮断板の位置情報およびラックの識別情報に基づいて荷物を格納する対象となるラックの位置または荷物を取り出す対象となるラックの位置を判別する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−320074号公報(段落0005、0014、図2参照)
【特許文献2】特開2000−255714号公報(段落0025、図1,図2参照)
【特許文献3】特開2007−320704号公報(段落0015、0025、図1〜3,図8参照)
【特許文献4】国際公開第06/070460号(要約、図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の技術は、直ちにフォークリフトに搭載することができず、フォークリフト以外の移動手段が必要となり、また装置本体は、筒状の回転部材を回転可能に複数段積層配置した構成となっており、これらの回転部材は、360°の範囲を正逆転可能に軸支され、かつ、その側面部には、RFIDリーダーが1つずつ取り付けられており、構造が複雑である。
また特許文献2の技術は、載置エリアの縁(床)に埋め込まれたICタグを前提とした技術であり、既存の倉庫等に適用することができないものである。
さらに特許文献3及び特許文献4の技術は、フォークリフトの前面にあるタグの読み取りが前提となっており、フォークリフトを用いて立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫に格納された荷物等に対応することができないものである。つまり、フォークリフトの前面に読み取りのためのアンテナをつけた場合、入出荷管理に適すものである。すなわち、フォークリフトに積んだものを読み取ることで、個々の物品(商品)の入出荷管理に適するが、在庫管理を行なうには、フークリフトを倉庫の棚の前面(tagの着いた面)に向ける必要がある。このように、一般的には、倉庫の棚のTag/バーコードをバーコードリーダーやハンディリーダで個々(UHFではある程度一括読み取り)に読むことで把握するが、時間と手間が大幅にかかり、迅速さに欠けるという不都合がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、既存の立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫に格納されたICタグが付された荷物を、そのまま利用できる自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、フォークリフトを用いて立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫に格納されたICタグが付された荷物を一気に読み取り可能な自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、本発明の自動読取装置によれば、倉庫に格納された物品のRFタグの情報を読み取って情報収集を行なう自動読取装置であって、フォークリフトのフォークを挿入可能な空間を備えた基台と、該基台の上に配設された枠体と、該枠体の前記フォークを挿入可能な空間の方向に対して交差する方向に所定間隔で少なくとも高さ方向に所定数配設されたRFタグ読取用のアンテナと、該アンテナで取得した情報を送信する手段を有する制御装置と、を備え、前記アンテナの配置間隔は、倉庫の棚の間隔に合わせて配置されていること、により解決される。
【0012】
このように構成することにより、自動読取装置がフォークリフトに、通常のパレットを保持するのと同様にして搭載することができ、自動読取装置にはフォークリフトのフォークを挿入可能な空間の方向に対して交差する方向に配設されたアンテナが、倉庫の棚の間隔に合わせて配置されているので、フォークリフトを走行するだけで、フォークリフトの側面側の物品のRFタグの情報を読み取って情報収集を行なうことが可能となる。
このため、物品(荷物)の出し入れを行なうフォークリフトを利用して、既存の立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫について、何らの改変を行なうことなく、RFタグを読み取って、物流管理することが可能となる。
【0013】
このとき、前記制御装置は、送信出力、もしくは前記アンテナの放射利得、放射特性、取り付け方向によってRFタグの読み取り範囲の制御を行なうように構成すると好適である。
また、前記制御装置は、前記アンテナによるRSSIを比較し、読み取るべきRFタグと、他の非対象読み取りRFタグを識別するように構成すると好適である。
さらに、前記制御装置は、前記フォークリフトが、前記RFタグの前を通過することによりその他の過読周囲タグは認識せず希望タグのみを識別するように構成すると好適である。
そして、前記制御装置は、アンテナの電波放射特性において、時系列で電波受信信号強度が山型のグラフを描くことを利用し、山頂点発生時刻差の大小によって対象RFタグ同士の相対距離を認識するように構成すると好適である。
さらに、アンテナを有する移動手段またはタグが移動した場合に、電波の反射等によって電波受信強度が時系列で刻々と変化することを検知して、前記フォークリフト又は前記RFタグの移動、静止を認識するように構成する。
また、電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で山型のグラフを描くことを利用し、読取用の前記アンテナを有した移動手段が棚番号タグ(棚の特定の読みやすい位置に貼付されている)の前を横切ることにより、その棚番号タグの返信信号強度(RSSI)を基準値として、その他の非対象読み取りタグと希望読み取りタグの識別を容易にして、その他の非対象読み取りタグである周囲タグは認識せず希望タグのみを識別するように構成すると好適である。
また、倉庫の棚の特定の読みやすい位置に貼付されている前記棚番号タグを読み取る事により、前記フォークリフトの平面上の位置、前記フォークリフトの垂直面の位置を特定する機能を有すると好適である。
【0014】
前記課題は、本発明のフォークリフトを用いた自動読取システムによれば、請求項1乃至8に記載の自動読取装置をフォークリフトのフォークに装着して前記フォークリフトを駆動させることによってRFタグを読み取る自動読取システムであって、前記フォークリフトを駆動させることで、前記自動読取装置の電源が投入され、前記フォークリフトで物品を格納した倉庫の棚間で走行させ、前記アンテナによって物品及び棚に設けられたRFタグを読み取り、読み取った情報を、記憶すると共に、外部へ送信するもので、前記フォークリフトを走行することにより平面移動を行い、前記フォークリフトのリフトアップにより、垂直方向の移動を行うことにより、倉庫の棚の左右、上下におけるRFタグを読み取ることを可能としたこと、により解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フォークリフトを走行するだけで、フォークリフトの側面側の物品のRFタグの情報を読み取って情報収集を行なうことが可能であり、物品(荷物)の出し入れを行なうフォークリフトを利用して、既存の立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫について、何らの改変を行なうことなく、RFタグを読み取って、物流管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムの説明図である。
【図2】本発明に係る自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムの説明図である。
【図3】枠体を外した状態の自動読取装置の説明図である。
【図4】フォークリフト側からの自動読取装置の説明図である。
【図5】自動読取装置の斜視図である。
【図6】自動読取装置の斜視図である。
【図7】自動読取装置の斜視図である。
【図8】フォークリフトの反対側からの自動読取装置の説明図である。
【図9】フォークリフトを用いた自動読取システムの概略構成図である。
【図10】自動読取装置の読み取りのフローチャートである。
【図11】タグのアンテナからの位置と電波受信強度との関係の説明図である。
【図12】補正前のRSSIの状態を説明するグラフ図である。
【図13】補正後のRSSIの状態を説明するグラフ図である。
【図14】電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で1個の山型のグラフを描くことの説明図である。
【図15】受信信号強度と時刻との関係の説明図である。
【図16】電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で複数の山型のグラフを描くことの説明図である。
【図17】受信信号強度と時刻との関係の説明図である。
【図18】電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で複数の山型のグラフを描くことの説明図である。
【図19】受信信号強度と時刻との関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図19は本発明に係り、図1及び図2は自動読取装置及びフォークリフトを用いた自動読取システムの説明図、図3は枠体を外した状態の自動読取装置の説明図、図4はフォークリフト側からの自動読取装置の説明図、図5乃至図7は自動読取装置の斜視図、図8はフォークリフトの反対側からの自動読取装置の説明図、図9はフォークリフトを用いた自動読取システムの概略構成図、図10は自動読取装置の読み取りのフローチャート、図11はタグのアンテナからの位置と電波受信強度との関係の説明図、図12は補正前のRSSIの状態を説明するグラフ図、図13は補正後のRSSIの状態を説明するグラフ図、図14は電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で1個の山型のグラフを描くことの説明図、図15、図17,図19は受信信号強度と時刻との関係の説明図、図16及び図18は電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で複数の山型のグラフを描くことの説明図である。
【0018】
本実施形態の自動読取装置20は、フォークリフト10のフォーク15によって着脱可能に搭載されるものである。一般に、フォークリフト10は、図1及び図2で示されるように、機台11の上部に運転席12が設けられ、機台11の前部には、互いに間隔をへだてた一対のマスト13が立設されている。これら一対のマスト13には、このマスト13沿って昇降自在にリフトブラケット14が配設されている。リフトブラケット14の前面には、フォークリフト10の前方に向かって延出する一対のフォーク15が互いに間隔をへだてて取り付けられている。これらのフォーク15は、リフトブラケット14と共にマスト13に沿って昇降されるものである。
【0019】
フォークリフト10を駆動させることにより、後述する自動読取装置20の電源が投入される。すなわち、フォークリフト10に備えられた不図示のイグニッションキーを投入し、フォークリフトを駆動させると、この情報に基づき、自動読取装置20の電源が投入されるように構成されている。
【0020】
図1及び図2で示すように、倉庫40は既存のものであり、物品(商品)の高さ等に応じた棚が設けられている。この棚にはRFタグからなるロケーションタグ41が付されており、ロケーションタグ41が示す位置情報が得られることになる。また、同時にその位置に属する商品情報を紐付けている。
一方、棚に格納される物品(商品)にも、その性質や数量等を含めて商品情報が記憶されたRFタグからなる商品タグ42が付されている。
【0021】
本実施形態の自動読取装置20は、基台21と、枠体22と、アンテナ23と、制御装置24とを主要構成要素とする。
本実施形態の基台21は、自動読取装置20の底部を支持するもので、フォークリフト10のフォーク15を挿入可能な空間21aを備えている。具体的には図3で示されるように、断面中空矩形の箱体を、フォークリフト10の二本のフォーク15が入ることが可能な間隔で、空間21a部分が形成されるように構成している。本実施形態では、断面中空矩形の箱体としているが、フォークリフト10の二本のフォーク15が入ることが可能な間隔を有する空間が形成されたパレット状のものでもよい。
【0022】
そして、基台21の上部に枠体22が一体に配置されている。本実施形態の枠体22は、図3乃至図8で示すように、基台21上に連結される底部22aと、この底部22aから上方に延出してアンテナ23を取り付けるアンテナ支持部22bと、アンテナ支持部22bを補強し、制御装置を取付ける支持枠22cと、フォークリフト10に対して前方側の側方枠部22dと、前方の外側枠部22eと、フォークリフト10の運転席側を覆う枠体部22fと、から構成されている。側方枠部22dは、アンテナ23を遮らないように、アンテナ23の配置面に重ならないように、下部側でアンテナ23の外側を囲むように距離をおいて形成されており、外側枠部22eは、同じくアンテナ23の受信を考慮して、複数の棒状を縦格子状にしている。
【0023】
本実施形態のアンテナ23は、RFタグを読み取るためのものであり、上述した基台21の上に配設されたアンテナ支持部22bに取付けられている。この取付けは、フォークリフト10のフォーク15を挿入可能な空間21aの方向に対して交差する方向に所定間隔で取付けられている。本実施形態では、基台21の空間21aの形成方向に対して直角方向に取付けられ、高さ方向に左右4ずつ、所定間隔で配設されている。ここで、所定間隔とは、使用される既存の倉庫40の棚の高さに応じて、所定間隔に配設するものである。つまりアンテナ23の配置間隔は、倉庫40の棚の間隔に合わせて配置されている。これは、既存の倉庫40に格納される物品(商品)によって、棚の高さや幅が異なるため、アンテナ23の高さ方向の位置は、調整可能になっている。本実施形態では、アンテナ23は、アンテナ支持部22bに対して、上下方向に移動可能で且つ所定位置で固定できるように取り付けられる。
【0024】
本実施形態の制御装置24は、上記アンテナ23で取得した情報を送信する手段を有するもので、CPU24a及びメモリ(ROM,RAM,HDD等)24bを備えており、メモリ24bに格納されたプログラムに基づき、CPU24aによって、送信出力、もしくはアンテナ23の放射利得、放射特性、取り付け方向によってRFタグの読み取り範囲の制御を行なうものである。
【0025】
制御装置24は、より具体的には、RFタグのリーダー24cと、このリーダー24cと接続された記憶装置(メモリ)24b及びWi−Fi(登録商標)24dと、Wi−Fi(登録商標)24dと接続された出入力アンテナ24eと、ACアダプター24fと、I/O(出入力)手段としてのI/Oボックス24gと、インバーター24hを介してバッテリー26と接続されている。なお符号28は、バッテリーチャージャーである。
【0026】
また、I/Oボックス24gは光学センサ27と接続されており、また、光学センサ27は、ロケーションタグ41が示す位置情報と紐付けるべき物品(商品)の有無を検出し、紐付けるべき物品(商品)が無い(空架)状態を検知可能となっている。なお、光センサ27は、本実施形態ではアンテナ23の近傍に設けられているが、これに限らず、光センサ27によって、位置情報に紐付ける物品(商品)を検出(非検出)することが可能であれば、自動読取装置20の所定位置に取り付けることが可能である。そして、LANで接続されたWi−Fi(登録商標)30・・・を介して外部のコンピュータ装置29との間で管理を行うものである。
【0027】
本実施形態の制御装置24は、アンテナ23によるRSSIを比較し、読み取るべきRFタグと、他の非対象読み取りRFタグを識別するように制御する。
また、本実施形態の制御装置24は、フォークリフト10が、RFタグの前を通過することによりその他の過読周囲タグは認識せず希望タグのみを識別するように制御する。
さらに本実施形態の制御装置24は、アンテナ23の電波放射特性において、時系列で電波受信信号強度が山型のグラフを描くことを利用し、山頂点発生時刻差の大小によって対象RFタグ同士の相対距離を認識するように制御する。
【0028】
本実施形態の制御装置24は、アンテナ23を有する移動手段であるフォークリフト10または物品(商品)に付されたRFタグが移動した場合に、電波の反射等によって電波受信強度が時系列で刻々と変化することを検知して、フォークリフト10又は物品(商品)に付されたRFタグの移動、静止を認識するように制御する。
【0029】
電波受信信号強度がアンテナ23の電波放射特性によって時系列で山型のグラフを描くことを利用し、読取用アンテナ23を有した移動手段であるフォークリフト10が棚番号タグ(棚の特定の読みやすい位置に貼付されている)の前を横切ることにより、その棚番号タグの返信信号強度(RSSI)を基準値として、その他の非対象読み取りタグと希望読み取りタグの識別を容易にして、その他の非対象読み取りタグである周囲タグは認識せず希望タグのみを識別するように制御する。
【0030】
さらに制御装置24は、既存の倉庫40の棚の特定の読みやすい位置に貼付されている棚番号タグを読み取る事により、フォークリフト10の平面上の位置、フォークリフト10の垂直面の位置を特定する制御を行なう。
つまり、自動認識技術であるRFID技術を使用し、この自動読取装置20は、立体的に配置された一個もしくは複数のアンテナ23を有し、複数のアンテナ23の場合は、これらのアンテナ23は、高速で時分割駆動される。また、読取場所にあって、フォークリフト10(場合によっては手動移動もしくはコンベアシステム等の何らかの駆動手段)により移動可能な機能を有し、移動しながら読取対象のRFタグを自動的に読み取るものである。
【0031】
自動読取装置20によって、読み取られたデータは、自動読取装置20内にあるメモリ24bへ格納される。無線回線・光回線を通して、データサーバ等の上位システムへ転送される。読み取った商品情報、位置情報、紐付けた商品情報(有無含む)と位置情報をリアルタイム転送する。
【0032】
ここで、リーダー24cは、その周囲に存在するRFタグとの間において無線電波を送受信することによってRFタグを探索してタグ情報を読み取るものである。このためアンテナ23が、その送信電波強度あるいは受信電波感度を段階的に変化可能な可変機能を有している。
【0033】
各物品(商品)には、その個々を識別可能とするための商品コードなどが記憶されているRFタグが取り付けられている。また、棚の各段には、その棚位置およびその位置範囲を特定するために、棚の所定位置(角部など)にはRFタグが取り付けられている。ここで、1つの棚(3次元直方体領域)を構成する所定の部分(例えば角部)には、それぞれRFタグが配置されており、このRFタグによって当該棚の位置範囲を特定するようにしている。なお、棚の3次元直方体領域において、棚の奥行き方向(縦方向)はX軸方向に対応付けられ、棚の横方向はY軸方向、棚の高さ方向はZ軸方向に対応付けられている。
【0034】
一般に、棚卸データとしては、「棚卸日時」、「リーダ座標X」、「リーダ座標Y」、「リーダ座標Z」、「タグ方向」、「タグ距離」、「タグID」などの項目があることが知られており、本発明の制御装置24も、これらを利用している。「棚卸日時」は、リーダー24cが棚卸データを収集した日時を示し、「リーダ座標X」、「リーダ座標Y」、「リーダ座標Z」は、棚卸データを収集した時のリーダー24cの現在の3次元座標の位置データを示している。
【0035】
「タグ方向」は、狭指向性アンテナを持つリーダー24cが商品あるいは棚に取り付けられているRFタグを探索した際の探索方向を示すものである。「タグ距離」は、リーダー24cから発信される送信電波強度あるいは受信電波感度を段階的に変化させた際の電波到達距離をRFタグまでの相対距離としたものである。この場合、後述する電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で山型のグラフを描くことを利用し、送信電波強度/受信電波感度と距離データとの対応テーブルを設けておけば、この対応テーブルを参照することによってタグ距離を求めることができる。「タグID」は、RFタグから読み取ったタグ識別情報で、その全体は10桁構成となっており、コード識別子(2桁)+商品コードあるいは棚コード(4桁)+個別ID(4桁)の構成となっている。すなわち、「タグID」の上位2桁は、商品/棚識別部で、その値が「01」の場合には、商品に付されているRFタグから読み取った情報であることを示し、「02」の場合には、棚に付されているRFタグから読み取った情報であることを示している。「タグID」の3桁目〜6桁目は、商品コードあるいは棚コード識別部を示し、更に、下4桁は、個別ID識別部、つまり、個々の商品あるいは棚を識別する個体識別情報である。
【0036】
この場合、リーダー24cによってタグIDが読み取られる毎に、同一のタグIDが棚卸データに記憶済みでないことを条件とし、今回読み取ったタグIDを棚卸データに追加記憶するようにしている。
また一般に、商品位置データは、「商品コード」、「個別ID」、「商品座標X」、「商品座標Y」、「商品座標Z」の各項目が知られており、本発明の制御装置24も、これらを利用している。
【0037】
「商品コード」は、RFタグから読み取った「タグID」の上位2桁が「01」の場合に、この「タグID」から抽出した商品コードであり、「個別ID」は、商品の個々を識別するための個体識別情報である。「商品座標X」、「商品座標Y」、「商品座標Z」は、当該商品に対応する「リーダ座標X」、「リーダ座標Y」、「リーダ座標Z」、「タグ方向」、「タグ距離」に基づいて算出された商品の所在位置(実際の位置)を示している。
棚位置データは、「棚コード」、「個別ID」、「商品座標X」、「商品座標Y」、「商品座標Z」の各項目が知られており、本発明の制御装置24も、これらを利用している。
【0038】
「棚コード」は、RFタグから読み取った「タグID」の上位2桁が「02」の場合に、この「タグID」から抽出した棚コードであり、「個別ID」は、棚の個々を識別するための個体識別情報である。「商品座標X」、「商品座標Y」、「商品座標Z」は、当該棚に対応する「リーダ座標X」、「リーダ座標Y」、「リーダ座標Z」、「タグ方向」、「タグ距離」に基づいて算出された棚の所在位置(実際の位置)を示している。
【0039】
棚の位置範囲データは、棚毎にその各棚位置範囲を特定するための3次元座標データで、「棚コード」、「棚座標範囲X下限」、「棚座標範囲X上限」、「棚座標範囲Y下限」、「棚座標範囲Y上限」、「棚座標範囲Z下限」、「棚座標範囲Z上限」の各項目が知られており、本発明の制御装置24も、これらを利用している。商品在庫データは、商品位置データ、棚位置データに基づいて算出された棚別、商品別の在庫状況を示すデータで、「棚コード」、「商品コード」、「在庫数」の各項目が知られており、本発明の制御装置24も、これらを利用している。
【0040】
そして、自動読取装置20は、立体となっており、この自動読取装置20の制御をする人が乗務することも可能となっている。また、商用電源からの電源が期待できない場合には、バッテリによって、電源に接続しない状態でも時間動作である。
また、前述したように、ロケーションタグ41が示す位置情報とその位置に属する商品情報を紐付けるようになっている。
【0041】
以上のように、本発明は、在庫管理に適するもので、枠体22のアンテナ支持部22bを有する自動読取装置20をフォークリフト10で上下前後に移動させることによって、倉庫40の棚にあるパレットや物品(商品)に付けたTAG(Location Tag とCase Tag)すなわち、ロケーションタグ41及び商品タグ42を一括して読み取ることができ、在庫把握が容易に且つ短時間で可能となる。特に、自動読取装置20の左右にアンテナ23を配置しているため、従来のようにアンテナ23が前面にある場合はその方向にフォークリフト10が向いている必要があるが、両側である側面にアンテナ23を配置することにより、フォークリフト10が通過する両側のパレットや物品(商品)のRFタグを一気に読み取り可能となり、搬送するために、個別に取り出してパレットや物品(商品)を読み取るものとは、その用途は全く異なるものである。従来のように、アンテナが前面にあると、短時間にたくさんのRFタグの読み取りは不可能であるが、本発明のように側面にあると非常に速いスピードで且つアンテナがたくさん繋がっている分、広い範囲のタグの読み取りが可能となる。
【0042】
高層・立体倉庫や自動倉庫の棚通路等に沿って、移動体であるフォークリフト10を移動することで、倉庫40内のフォークリフトが通る通路両側の棚などに配架されている対象物に貼付されたRFタグを、自動読取装置20を用いて読み取る。同時に棚番号など位置情報を示すロケーションタグ41を、UHF帯やRFIDを用いて読み取り、管理することが可能となる。
【0043】
また、自動読取装置20を、フォークリフト10のフォーク15に装着してフォークリフト10を駆動させることにより、RFタグからなるロケーションタグ41及び商品タグ42を読み取る自動読み取りシステムを構築することができる。
まず、フォークリフト10の不図示のイグニッションキーを投入することにより、フォークリフト10を駆動させる。これにより、フォークリフト10から、イグニッションキーが投入されたことを示す情報(フォークリフト駆動情報)が、自動読取装置20に接続された不図示の制御手段(CPU)に送信される。この制御手段がフォークリフト10からのフォークリフト駆動情報を受信することにより、自動読取装置20に接続された不図示の電源装置をONとする電源投入信号を送信し、自動読取装置20の電源が投入される。
【0044】
その後、自動読取装置20に備えられた制御装置24内のメモリ24bに格納されたデータに基づき、CPU24aは、倉庫40内を走行する信号(走行信号)をフォークリフト10に備えられた制御手段(不図示)に送信する。
この走行信号に基づき、フォークリフト10は物品が格納された倉庫40の棚間を走行する。そしてこの時、上記構成によって、アンテナ23によって物品に貼付された商品タグ42及び棚に貼付されたロケーションタグ41が読み取られ、商品情報及び位置情報が制御装置24内のメモリ24bに格納される。
【0045】
また、この時、フォークリフト10が時速約6〜8kmで走行することにより自動読取装置20の平面移動が行われ、フォークリフト10がリフトアップすることにより、自動読取装置20の垂直方向の移動が行われる。
【0046】
そして、アンテナ23に接続されたリーダー24cによって読み取られた商品情報及び位置情報は、リーダー24c、Wi−Fi(登録商標)24dを介して出力アンテナ24eから外部へ送信される。
【0047】
このように、本発明のフォークリフト10を用いた自動読み取りシステムは、倉庫40の棚の左右、上下におけるロケーションタグ41、商品タグ42を、読み取り可能である。したがって、フォークリフト10を自動走行させることにより、立体倉庫や自動倉庫といった高層、多段の倉庫に格納されたICタグが付された荷物を一気に読み取り可能であり、商品の管理を容易に行うことができる。
【0048】
次に、図10で示すフローチャートを用いて制御について説明する。
ステップS1は、全アンテナ時分割読取ループであり、このステップS1では、読取装置24に接続された全アンテナから時分割で順々に電波を送出しタグ情報を取得するものである。このステップS1の処理が終了すると、ステップS2の処理を行なう。このステップS2の処理は、読取アンテナ/タグコード/受信信号強度/センサ反応の情報を時系列にメモリ保持するもので、タグ情報に取得時刻情報を追加しメモリ内に保持する処理を行なう。
【0049】
上記ステップS2の処理を行なった後で、ステップS3の処理を行なう。このステップS3の処理は、移動手段停止判定実施/停止時データ排除の処理であり、メモリ内データを走査し移動装置停止判定を実施する。そして、移動装置停止と判定された場合はその期間のデータを排除した後、次にステップS4の判定に遷移する。
【0050】
ステップS4は、受信信号強度時系列グラフが山を描いたか否かを判定するもので、より具体的には、移動装置停止期間のデータが排除されたメモリ内データを走査し受信信号強度の時系列グラフをタグ及びアンテナ毎に描くものである。その結果、山型になったタグが存在した場合(S4:Yes)、ステップS5に遷移し、存在しなかった場合(S4:No)はステップS1に戻り、ステップS1からS4の処理を行なう。
【0051】
ステップS5では、ロケーション/商品タグの山頂点発生時刻にずれがあるか否かを判別するものであり、より具体的には、ロケーションタグ41及び商品タグ42の山頂点発生時刻のずれが小さい場合(S5:No)には、そのロケーション上に商品が存在すると判定し、ステップS7の処理を行なう。つまり、ステップS7では、上位サーバへロケーション及び商品タグの情報送信(紐付け有)するものであり、タグ情報を紐付けて上位サーバに送信する。その後、ステップS1に戻り、ステップS1からS5の処理を行なう。
【0052】
一方、山頂点発生時刻のずれが大きい場合や山型を描いたタグがロケーションタグ41のみだった場合(S5:Yes)は、そのロケーション上に商品が存在しないと判定し、ステップS6の処理を行なう。つまり、ステップS6は、上位サーバへロケーションタグ情報のみ送信(紐付け無)するものであり、ロケーションタグ情報のみを上位サーバに送信する。その後、ステップS1に戻り、ステップS1からS5の処理を行なう。
【0053】
本発明では、タグのアンテナからの位置と電波受信強度(RSSI)を用いて、移動装置であるフォークリフトまたはタグの移動により受信信号強度の時系列グラフが山を描くことを利用しており、また放射の主極及び副極両方を利用できる。さらに、副極が左右非対称の場合にはその大きさや個数により移動方向を検知できる。
【0054】
より詳しくは、RFタグのアンテナからの位置と電波受信強度(RSSI)は、図11で示すように、距離によって異なるものである。例えばアンテナから60°の範囲ではRSSIが高いが、この範囲以外ではRSSIは低い状態である。また距離によって異なるもので、例えば、遠いところでの移動或いは静止期間は、電波受信強度(RSSI)は山を描かない。
【0055】
このため、山を描かない部分、例えば、図12で示すX期間についてのデータ(静止期間のデータ)を削除して、図13で示すような状態のものを、判定アルゴリズムで判断する。
【0056】
例えば、図14は、電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で1個の山型のグラフを描くことの説明図であり、移動手段であるフォークリフトの移動方向と、RFタグと電波放射特性を説明するもので、このような電波放射特性は、受信信号強度と時刻とが図15で示すような関係にある。
また図16は、電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で複数の山型(主極と副極)のグラフを描くことの説明図であり、移動手段であるフォークリフトの移動方向と、RFタグと電波放射特性を説明するもので、このような電波放射特性は、受信信号強度と時刻とが図17で示すような関係にある。
さらに図18は、電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で複数の山型(主極と副極で、且つ副曲に大小が存在した場合)のグラフを描くことの説明図であり、移動手段であるフォークリフトの移動方向と、RFタグと電波放射特性を説明するもので、このような電波放射特性は、受信信号強度と時刻とが図19で示すような関係にある。
【0057】
以上のような電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で山型のグラフを描くことを利用し、(1)読取用アンテナを有した移動装置がタグの前を横切ることによりその他の過読周囲タグは認識せず希望タグのみを識別をすること、(2)タグが読取用アンテナ前を横切ることによりその他の過読周囲タグは認識せずに希望タグのみを識別すること、(3)移動装置やタグの速度を認識すること、(4)山頂点発生時刻差の大小によって対象タグ同士の相対距離を認識すること、(5)移動装置やタグの移動及びその方向や速度を識別すること、(6)移動装置またはタグが移動したことや静止したことを認識することが可能となる。
【0058】
本発明は次に述べるような態様を含むものである。すなわち、
(1)電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で1個あるいは複数の山型のグラフを描くことを利用し、読取用アンテナを有した移動装置がタグの前を横切ることによりその他の過読周囲タグは認識せず希望タグのみを識別する機能を有する読取装置(システム)。
(2)電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で1個あるいは複数の山型のグラフを描くことを利用し、タグが読取用アンテナ前を横切ることによりその他の過読周囲タグは認識せずに希望タグのみを識別する機能を有する読取装置(システム)。
(3)電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で1個あるいは複数の山型のグラフを描くことを利用し、移動装置やタグの速度を認識する機能を有する読取装置(システム)。
(4)電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で山型のグラフを描くことを利用し、山頂点発生時刻差の大小によって対象タグ同士の相対距離を認識する機能を有する読取装置(システム)。
(5)主極及び左右非対称の複数の副極からなる電波放射特性を持つアンテナを利用することにより、時系列受信信号強度のグラフが複数個の異なる大きさの山型を描くことを利用し移動装置やタグの移動及びその方向や速度を識別する機能を有する読取装置(システム)。
(6)アンテナを有する移動装置またはタグが移動した場合に電波の反射等によって電波受信強度が時系列で刻々と変化することを利用し、移動装置またはタグが移動したことや静止したことを認識する機能を有する読取装置(システム)。
【符号の説明】
【0059】
10 フォークリフト
11 機台
12 運転席
13 マスト
14 リフトブラケット
15 フォーク
20 自動読取装置
21 基台
22 枠体
21a 空間
22a 底部
22b アンテナ支持部
22c 支持枠
22d 側方枠部
22e 外側枠部
22f 枠体部
23 アンテナ
24 制御装置
24a CPU
24b メモリ
24c リーダー
24d,30 Wi−Fi(登録商標)
24e 出入力アンテナ
24f ACアダプター
24g I/Oボックス
24h インバーター
26 バッテリー
27 光学センサ
28 バッテリーチャージャー
29 コンピューター装置
40 倉庫
41 ロケーションタグ(RFタグ)
42 商品タグ(RFタグ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫に格納された物品のRFタグの情報を読み取って情報収集を行なう自動読取装置であって、フォークリフトのフォークを挿入可能な空間を備えた基台と、該基台の上に配設された枠体と、該枠体の前記フォークを挿入可能な空間の方向に対して交差する方向に所定間隔で少なくとも高さ方向に所定数配設されたRFタグ読取用のアンテナと、該アンテナで取得した情報を送信する手段を有する制御装置と、を備え、
前記アンテナの配置間隔は、倉庫の棚の間隔に合わせて配置されていることを特徴とする自動読取装置。
【請求項2】
前記制御装置は、送信出力、もしくは前記アンテナの放射利得、放射特性、取り付け方向によってRFタグの読み取り範囲の制御を行なうことを特徴とする請求項1記載の自動読取装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記アンテナによるRSSIを比較し、読み取るべきRFタグと、他の非対象読み取りRFタグを識別することを特徴とする請求項1又は2記載自動読取装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記フォークリフトが、前記RFタグの前を通過することによりその他の過読周囲タグは認識せず希望タグのみを識別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動読取装置。
【請求項5】
前記制御装置は、アンテナの電波放射特性において、時系列で電波受信信号強度が山型のグラフを描くことを利用し、山頂点発生時刻差の大小によって対象RFタグ同士の相対距離を認識することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動読取装置。
【請求項6】
アンテナを有する移動手段またはタグが移動した場合に、電波の反射等によって電波受信強度が時系列で刻々と変化することを検知して、前記フォークリフト又は前記RFタグの移動、静止を認識することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の自動読取装置。
【請求項7】
電波受信信号強度がアンテナの電波放射特性によって時系列で山型のグラフを描くことを利用し、読取用の前記アンテナを有した移動手段が棚番号タグ(棚の特定の読みやすい位置に貼付されている)の前を横切ることにより、その棚番号タグの返信信号強度(RSSI)を基準値として、その他の非対象読み取りタグと希望読み取りタグの識別を容易にして、その他の非対象読み取りタグである周囲タグは認識せず希望タグのみを識別することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の自動読取装置。
【請求項8】
倉庫の棚の特定の読みやすい位置に貼付されている前記棚番号タグを読み取る事により、前記フォークリフトの平面上の位置、前記フォークリフトの垂直面の位置を特定する機能を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の自動読取装置。
【請求項9】
請求項1乃至8に記載の自動読取装置をフォークリフトのフォークに装着して前記フォークリフトを駆動させることによってRFタグを読み取る自動読取システムであって、
前記フォークリフトを駆動させることで、前記自動読取装置の電源が投入され、前記フォークリフトで物品を格納した倉庫の棚間で走行させ、前記アンテナによって物品及び棚に設けられたRFタグを読み取り、読み取った情報を、記憶すると共に、外部へ送信するもので、
前記フォークリフトを走行することにより平面移動を行い、前記フォークリフトのリフトアップにより、垂直方向の移動を行うことにより、倉庫の棚の左右、上下におけるRFタグを読み取ることを可能としたフォークリフトを用いた自動読取システム。

【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−62143(P2012−62143A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205980(P2010−205980)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(504385708)マイティカード株式会社 (11)
【Fターム(参考)】