説明

自動車の共同利用予約管理システム

【課題】 キーの受け渡しが容易かつ間違いなく行って、共同体に於けるカーシェアリングの運用をより実際的に行うことができる自動車の共同利用予約管理システムを提供する。
【解決手段】 共同体10は、複数のモバイル機器12を有し、かつ通信ネットワーク20に接続可能であり、複数のユーザはモバイル機器12から予約情報、予約変更情報、前使用者による車の利用完了情報及びキーの引き渡し情報、及び次の使用者によるキー受領信号を、ID送信部13からのID信号と共に管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、通信ネットワーク20を介して共同体10と接続可能であり、各情報を処理するシステムキーボックス31、該システムキーボックス31の処理情報がダウンロードされるキー保管庫32、キーボックスの処理情報を記憶するデータベース33、及びIDカード読み取り装置36からなり、システムキーボックス31とキー保管庫32は、上記予約情報、予約変更情報、利用完了信号及び受領信号を基に、利用現場でのキーの受け渡しを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域共同体や、企業内といった共同体内における自動車の共同利用予約管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の特定人で車を共有するというカーシェアリングやレンタカーに対する要求が高まっている。特定の複数人で車を共有するため、車そのものの管理、車の貸し出し時や返却時におけるキーの管理などをはじめとする有用な管理システムが求められている。また、レンタカーでは不特定の複数人に車が貸し出されるが、やはり同様の有用な管理システムが求められている。
【0003】
そこで、カーシェアリングやレンタカーにおいて、共用される車を有効に管理し、且つ、利用者にとって使い勝手の良い管理態様を実現するものとして、特許文献1に記載の「車管理装置、車、検出装置、料金計算装置、認証用カード、及び予約管理装置」が提案されている。この文献のものは、いわゆるカーシェアリングやレンタカーに於ける共同利用される車の管理システムに関するものであり、車の利用許可を受けている者又はその者の関係者の個人認証を行った上で、車のキーを金庫から取り出して使用可能となり、金庫にキーを返却することで、返却の手続きが完了する仕組みになっている。
【特許文献1】特開2003−67471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の車管理装置および予約管理装置によれば、車を利用する場合における車のキーの受け取り、また、使用後におけるキーの返却の場合は、必ず管理室にあるキー用金庫にアクセスしなければならない。従って、例えば、同じ企業体内では、社用車を互いに利用し合う場合や、社外において車両の引き渡しや、交代して乗り継ぎを行う場合とか、現場でのキーの受け渡しを行う場合には、その管理が曖昧になり、何時しか、キーの持ち主が不明になると云った、管理不十分の状態が発生する。
【0005】
このようなケースは、企業内だけでなく、地域共同体で行う場合にも生ずることであって、次に車を利用する人が、明らかに身近にいて直ぐに引き渡しが可能であることが判っていても、一々キーの保管場所に出向いて、キーの返却処理、並びにキーの借用手続きを済ませることが必要であった。
【0006】
また、車のキーをキー保管庫への返却をもって「完了」とすると、荷物の載せ降ろしなどの業務上、定められた駐車場所やキー保管庫から離れた場所に駐車することが往々にしてあるため、車両のキーを次の予約者に直接渡せず、キー保管庫に毎回返却しなければならない煩わしさがある。それを解消するために、前任者による「完了」信号の送信だけでキーをキー保管庫へ返却したものと仮定する方法も考えられたが、しかし、信号の送信だけでは、キー保持者や実際の車両の駐車場所などが曖昧になり、また次の予約者の「受領完了」信号だけでは、実際の引き渡し完了時刻などが曖昧になることがあった。
【0007】
更に、キーの保持者(運転者、または同乗者)の特定に当たって、予約者と実際に使用登録者(運転者、または同乗者)が違っている場合や、職場やチームで車両を予約確保して使う場合などがあるため、キー保管庫からキーを持っていた人は取得時に使ったIDで特定できるが、それ以後のキーの保持者が曖昧になってしまう問題もあった。
【0008】
従って本発明の技術的課題は、上述したような場合においても、キーの受け渡しが容易にでき、且つ、間違いなく行えるように工夫した自動車の共同利用予約管理システムを構築するものであり、そのことにより、共同体におけるカーシェアリングの運用をより実際的なシステムによって改善することを可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る自動車の共同利用予約管理システムは、地域や企業等の共同体内における自動車の共同利用を管理する管理システムであって、通信ネットワーク上に接続され、車の予約情報と予約変更情報を管理し、且つ、予約調整処理を行うシステムキーボックスと、システムキーボックスにより管理される車の予約情報と予約変更情報のうち、少なくとも車のキー番号を含むキー情報、車の利用登録者に関する個人情報、車の保持者履歴情報を含む情報を記憶するデータベースと、個人認証することで車のキーを取り出し可能に開錠すると共に、上記データベースに対して貸し出し開始日並びに貸し出し終了日を記録する為の信号を発するキー保管庫とからなる管理サーバと、通信ネットワークを介して上記管理サーバに接続可能であり、少なくとも車の予約、並びに、車のキーの保持情報等の管理サーバ内情報にアクセス可能な複数の端末機器を有する前記の共同体と、キー保管庫からキーを取り出すと、その時の利用者IDが第1使用者である前保持者として保持者履歴情報をデータベースに記録する記録手段と、上記前保持者から次の保持者へのキーの引き渡しを行うに当って、上記各自の端末機器から引き渡し完了、並びに、キー受領確認を示すそれぞれの情報を入力し、これ等両情報を基にキーの引き継ぎが確認された場合に、保持者履歴情報が記録されたデータベースに対して、前保持者のIDに代わって現在のキー保持者のIDを書き込むID書き込み手段と、によって構成したことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る自動車の共同利用予約管理システムは、上記管理サーバは、ユーザーによる共用車の予約状況を管理すると共に、予約変更調整機能を有する予約管理機能を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る自動車の共同利用予約管理システムは、上記第一の使用者である前保持者による「キー引き渡し完了」信号と、第二の使用者である次の保持者の「キー受領完了」信号の照合をもってキーの引き継ぎを「完了」とすることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る自動車の共同利用予約管理システムは、予約者と複数の使用登録者を予約スケジュールに登録する登録テーブルを設け、キーをキー保管庫から持っていった前キー保持者から、実際に車両を使用する人にキーを引き渡す際に、その都度次のキー保持者が「キー受け取り完了」メールを、モバイル端末機器からモバイル接続手段を介してシステムキーボックスに返信して、現在のキーの保持者を特定する手段を有することを特徴としている。
【0013】
更に本発明の請求項5に係る自動車の共同利用予約管理システムは、事前変更届及び予定変更届は、予約後における使用開始前の予定変更、又は使用開始後に変更することができる予約変更調整機能を有することを特徴としている。
【0014】
上記請求項1乃至5で述べた各手段によれば、地域や企業内といった各種共同体内における自動車のキーの受け渡しに関する各種の手続きを、携帯電話端末機器等を利用して行うことを可能にする。
【0015】
即ち、キーの利用者による実際の受け渡しと同時に、携帯電話端末機器等を用いてキーを次の利用者に渡し済みであること、更には、次の利用者がキーを受領したことを管理サーバのデータベースに入力し、管理サーバにおいて上記キーの引き継ぎが確認された場合に、データベースにおける当該キーの現在の保持者を書き換えることを可能にする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る自動車の共同利用予約管理システムによれば、キーの受け渡しに関する手続きを、上述したように携帯電話機などの携帯端末機器等を利用して行うことができ、キーの実際の受け渡しとともに、上記携帯電話端末機器等を介してキーを利用者に渡し済みであること、又は、次の利用者が確かに受領したことを管理サーバのデータベースに対して入力し、サーバにおいて上記の引き継ぎが確認されれば、キーの保持者履歴情報に於ける現在の保持者を書き換えるようにいたから、キー保管庫において直接キーを取り出し、又は、返却する方法の他に、出先等の現場におけるキーの受け渡しを可能にするものであって、本システムの運用管理が極めて便利で、且つ、信頼性の高いものになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、上述した本発明に係る自動車の共同利用予約管理システムの好適な実施の形態を、添付した図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、システム全体の機器構成図であって、図中、10は会社や商店街などの共同体、20はインターネット等の通信ネットワーク、30は車の管理や車の供給を行う管理サーバである。共同体10は、パーソナルコンピュータ11と、携帯電話機等のモバイル端末機器12と、氏名や携帯電話機の番号およびアドレスを含む個人情報などのIDを送信するID送信部13からなる。通信ネットワーク20は、Web接続手段21とモバイル機器接続手段22からなる。また、管理サーバ30は、システムキーボックス31、キー保管庫32、データベース33、及び、IDカード読み取り装置36を有する。データベース33は、個人情報メモリー34及び駐車情報やその他の必要な情報を記憶するメモリー35からなる。更に、管理サーバ30は予約管理機能と車管理機能を有している。
【0019】
上記の管理サーバ30はネットワーク上に接続され、少なくとも、車のキー番号を含むキー情報、事前登録者や車利用登録者に関する個人情報、車の利用予約情報、予約変更情報、車のキーの保持者履歴情報を含む各情報を入力して記憶することのできるデータベース33を有する。
【0020】
共同体10の構成員である複数の車利用者は、それぞれ携帯電話機などのモバイル端末機器12を有し、該モバイル端末機器12は、モバイル機器接続手段22を介して管理サーバ30のシステムキーボックス31に接続可能であり、車の利用予約並びに予約変更、車の予約情報、キーの保持者情報等のサーバ内情報にアクセス可能である。キー保管庫32は、個人認証することで車のキー(図示省略)を取り出し可能に開錠すると共に、上記データベース33に対して貸し出し開始日並びに、貸し出し終了日を記録する為の信号を発する。
【0021】
上記のキー保管庫32からキーを取り出すと、その時の利用者IDが第一使用者として貸し出し開始日とキーの保持者履歴がデータベース33に記録される。前の保持者から次の保持者へ引き渡される場合は、次の保持者へのキーの引き渡しを行うと共に、上記各自のモバイル端末機器12からキーの引き渡し完了、並びにキーの受領確認を示すそれぞれの情報をシステムキーボックス31に入力し、上記両情報を基にキーの引き継ぎが確認された場合に、上記キーの保持者履歴情報が記録されたデータベース33に対して、前保持者のIDに代わって現在のキーの保持者のIDが書き込まれる。
【0022】
本実施例の形態では、管理サーバ30はサーバコンピュータを有し、このサーバコンピュータと共同体10のパーソナルコンピュータ11は、図2に示すようにCPU61、内部メメリ62、外部記憶装置63、キーボードまたはマウス等からなる入力装置64、表示装置65、モデム等の通信インタフェース66等を有しており、更に、その他にデータベース機能等の一般的な機能を備えている。
【0023】
次に、管理サーバ30のシステムキーボックス31と、キー保管庫32がそれぞれ有する車の予約監視(管理)機能と、車の管理機能について、図3に示す諸機能構成ブロック図を参照して説明する。
【0024】
以下に説明する各装置の機能は、図2に示した外部記憶装置63等に記憶されたプログラム等に従って、CPU61や周辺機器が作動することによって奏されるものである。特にキー保管庫32については、システムキーボックス31から必要に応じてダウンロードされる情報に基づいて、プログラムを書き換えられるようにしておくこともできる。尚、本実施の形態においてサーバコンピュータは、システムキーボックス31とキー保管庫32との情報のやりとりについて主として中継する機能を奏する。
【0025】
図3に示すように、管理サーバ30の予約監視機能40は、例えば、予約受付手段41、予約情報記憶手段42、予約情報処理手段43、予約処理手段44、識別情報受信手段45、検索手段46、車管理機能制御手段47等の機能によって、ユーザによる共用車の予約状況、予約変更、予約調整を管理する。また、車管理機能50は、例えば、許可者記憶手段51、入力手段52、比較判断手段53、キー保管庫制御手段54、映像データ受付手段55、映像データ記憶手段56、映像データ蓄積部57、撮影結果比較手段58等の諸手段が奏する機能によって、ユーザによる共用車を利用する際の管理を行う。
【0026】
上述したキー保管庫32は、例えば認証用カードに記憶された情報を読み取るカードリーダ部、その読み取った情報を抽出するカードリーダ抽出部、ユーザによるテンキーなどからのパスワードの入力を受けるパスワード入力部、当該キー保管庫32の扉の開閉を制御する施・開錠制御部、システムキーボックス31のパーソナルコンピュータを介してのシステムキーボックス31との情報通信を司る通信制御部等を有している。また、キー保管庫32は、撮影制御部、画像処理部、通信制御部、および車の位置測定部をも有する。
【0027】
ここで、管理サーバ30の各手段について、各機能毎にモバイル端末機器12、キー保管庫32、画像撮影伝送装置の機能などに関連づけて具体的に説明する。
【0028】
予約管理機能40において、予約受付手段41は共同体10からのアクセスを受けて、当該共同体10の共用車に関する予約情報、予約変更情報を受信する。受信した予約情報は、ユーザID、所属会社ID、希望予約日時(時間)、希望する共用車があればその番号等の情報からなる。
【0029】
予約情報記憶手段42は、ある時点における共用車の予約状況を示す情報を蓄積するものである。予約情報は、予約番号、ユーザID、予約時刻、予約共用車番号等の情報がテーブルに蓄積されている。予約変更情報は、変更年月日、車種、車両番号、予約者または使用者のID、変更時限からなり、テーブルに登録される。
【0030】
予約情報処理手段43は、予約受付手段41で受信した予約情報記憶手段42に蓄積される予約情報を検索し、予約情報または変更予約情報をテーブルに新規に入れてよいか否かを判断する。
【0031】
予約処理手段44は、予約情報処理手段43の判定結果に基づいて、予約情報記憶手段42の記憶内容を更新するものである。具体的には、予約情報を予約情報として新規に入れると判断された場合、または、予約変更情報が更新可能と判断された場合には、その予約情報または予約変更情報を以て新たに予約情報に加えることになる。それと同時に、予約が取れた旨を共同体10に送信する。また、予約情報通りに予約を入れなかった場合には、その旨を共同体10に返信し、ユーザに対して再度の希望予約情報の入力・送信を促すようにしている。
【0032】
識別記号受信手段45は、予約情報通りに予約が取れた旨の情報を共同体10に送信した場合、その情報を確認したことを示す情報としてユーザが共同体10のモバイル端末機器12から送信した当該ユーザのユーザIDを受信する。検索手段46は、受信したユーザIDに基づいて予約情報記憶手段42の記憶内容である予約情報または予約変更情報を検索する。
【0033】
また、識別記号受信手段45は、予約情報通りに予約が取れた旨の情報を共同体10に送信した場合、その情報を確認したことを示す情報としてユーザが当該ユーザのユーザIDを受信する。検索手段46は、受信したユーザIDに基づいて予約情報記憶手段42の記憶内容である予約情報また予約変更情報を検索する。車管理機能制御手段47は、検索手段46による検索の結果、該当する予約情報または予約変更情報を抽出し、その予約情報または予約変更情報を車監視機能50の許可車記憶手段51に送る。
【0034】
車のキーをキー保管庫32への返却をもって「完了」とすると、荷物の載せ降ろしなど業務上、定められた駐車場所やキー保管庫32から離れた場所に駐車することが往々にしてあるため、車両のキーを次の予約者に直接渡せず、キー保管庫32に毎回返却しなければならない煩わしさがある。それを解消するために、第一の予約者である前任者による「使用完了」信号の送信だけで「完了」とした場合は、キーや実際の車両の駐車場所などが曖昧になり、また次の予約者の「受領完了」信号だけで「完了」とした場合は、実際のキーの引き渡し完了時刻などが曖昧になることがある。
【0035】
そこで本発明においては、第一の予約者である前任者による「キー引き渡し完了」信号(申告)と、第二の予約者である次の予約者の「キー受領完了」信号(申告)の照合をもって「手続き完了」とする。あるいは、次の予約者へのキーの「引き渡し完了」メールをモバイル端末機器12からシステムキーボックス31に送信し、それを受信した次の予約者がシステムキーボックス31にメールの転送をもって「完了」とする。これにより、次の予約者に直接キーを引き渡すことができる利点と、キーの所在などの情報の正確性が確保される。
【0036】
また、キーの保持者(運転者、または同乗者)が違っている場合、また、職場やチームで車両を確保(予約)して使う場合など、キー保管庫32からキーを持っていった人は、取得時に使ったIDで特定できるが、それ以後のキーの保持者が曖昧になってしまう。
【0037】
そこで本発明では、予約者と複数の使用登録者の予約スケジュールに登録テーブルを設け、キーをキー保管庫32から持っていった前キー保持者から、実際に車両を使用する人にキーを引き渡し、その都度次のキー保持者(使用登録)が「キー受け取り完了」メールを、モバイル端末機器12からモバイル機器接続手段22を介してシステムキーボックス31に返信することによって、キーの保持者(使用登録者)を特定することができた。
【0038】
上述した車管理機能50において、許可者記憶手段51は、車管理機能制御手段47から受け取った予約情報を基に、予約すなわち共用車の利用について許可された者のユーザIDをはじめとする利用許可者情報を記憶する。ここで、利用許可者情報は、予約番号、ユーザID、貸出時刻、返却予定時刻、共用車番号の情報から構成され、モバイル端末機器12毎のテーブルに記憶されている。なお、この利用許可者情報は随時更新されている。
【0039】
また、上記の入力手段52は、共用車の予約をしたユーザの認証用カードの内容が図1に示したカードリーダ部(IDカード読み取り装置)36に読み取られ、その情報のうちユーザIDがカードリーダ部によって抽出され、さらにキー保管庫32のパスワード入力部に所定のパスワードが入力された場合に、キー保管庫32の通信制御部から共同体10のパーソナルコンピュータ11を経て送信されたユーザID及びパスワードを受信する。
【0040】
このシステムでは、事前登録として会社や職場などの共同体10という限られた範囲とはいえ、公開することに同意の上で、事前に氏名、IDカード(社員証など)、携帯電話番号及びアドレスを管理サーバ30のデータベース33に登録しておく。また、共同利用する車の車種やナンバー及び駐車場(所在管理)をデータベース33に登録しておく。更に、例えば図4に示すように、システムキーボックス31に車種カテゴリーや、各車に対応したキーを管理するホルダーも登録しておくと共に、車検や修理等による使用不可期間に、車種カテゴリーやホルダーをスケジュール入力し、その実施記録などの管理を行う。
【0041】
予約および仮予約として、携帯電話機などのモバイル端末機器12を用いて、車種及びナンバーを選択し、使用したい車のスケジュールを確認して、当該車が空いていれば、モバイル端末機器12で必要事項を入力して、直接予約を行うことができる。又は、携帯電話機で日時と車番など最小限の必要移行で仮予約して、後にパーソナルコンピュータ11などのWeb画面から入力して確定予約を行う。
【0042】
事前変更届け及び予定変更届けとして、予約後における使用開始前の予約変更、または使用開始後に出先から、返却予定時刻に間に合わないときなどの変更をモバイル端末機器12で当該車のスケジュールを確認して、変更することができる。
【0043】
予約時及び予約変更届け時における区間が重なった場合の調整支援として、予約や予約変更届時に希望する車及び希望日時をモバイル端末機器12で当該車のスケジュールを確認し、既に予約済み区間と希望区間が重なった場合に、当該予約者の氏名や携帯電話機の番号及びアドレスが表示され、速やかに連絡、調整交渉がとれる。
【0044】
上述した比較判断手段53は、入力手段52で受信し受け付けたユーザID及びパスワードと、許可者記憶手段51に記憶されている情報とを比較照合し、受け付けたユーザIDがユーザであるか否かを判断する。
【0045】
キー保管庫制御手段54は、比較判断手段53で予約したユーザが確認された場合、キー保管庫32の扉を開ける旨の情報をキー保管庫32の通信制御部へ送信する。この通信制御部で受信された情報に基づいて施・開錠制御部が動作し、キー保管庫32の扉が自動的に開いて予約された共用車のキーが取り出せる状態となる。
【0046】
映像データ受付手段55は、撮影制御部によって制御されたカメラにより撮影された共用車の映像が、画像処理部及び撮影データ処理部により所定の処理が行われ、通信制御部を介して送信された場合、その映像データを受信する。映像データ記憶手段56は、映像データ受付手段55で受信した映像データを記憶する。
【0047】
撮影結果比較手段58は、同一の共用車について少なくとも前回撮影された映像データが蓄積されている所定の映像データ蓄積部57における前回の(使用前の)撮影データと、映像データ記憶手段56で記憶した映像データとを比較する。これにより、交通事故の報告、記録保存の一元化、及び事故当事者システム上関係付けられた人への音声、メールの転送サービス、更にカメラ、GSP機能付き携帯電話機などのモバイル端末機器を利用して事故状況の撮影画像情報や所在地情報の記録、保存を一元化できる。
【0048】
図5は、本発明の実施の形態によるシステムの主要動作フローであって、ユーザは、ステップS1で、モバイル端末機器12を用いてパーソナルコンピュータ11のWeb画面から使用したい車の予約条件を確認する。予約条件としては、スケジュール閲覧、キーの所在、キーの直接引き渡し及び事前登録であり、スケジュール閲覧は予約、予約変更及び調整である。
【0049】
ステップS2で、共同体10は、スケジュール閲覧をしたい年月日を登録すると共に、車種選択を行う。車種選択としては、車両番号、軽乗用車か乗用車かの車種選択を行う。ステップS3で、キーの所在として、キーが戻っていない一覧の月日、車種として例えば乗用車Aに関して、車番、使用者名である。事前登録は、ステップS4で、使用者の氏名とID、携帯番号、アドレス、グループ名、等である。キー直接引き渡しに関しては、ステップS5で、キー引き渡し年月日、使用者IDと、車両番号、使用期限および次の使用者名、キー引き渡し「完了」通知メール送信である。
【0050】
ステップS6で、キー受領を確認し、キー受け取り「完了」通知メールをシステムキーボックス31に送信する。ユーザは、システムキーボックス31の管理コンピュータ及び前使用者に、確かに受領した旨(前使用者にとって確かに渡したという記録証拠となる)確認メールをシステムキーボックス31に送信する。双方の確認で管理コンピュータのデータが更新される。複数の使用者(運転者または同乗者)がいる場合、実際にキーを保持している人を明確にする。ステップS7で、共同体10はステップS2の処理に基づいて、管理サーバ30にスケジュール表示年月日、例えば乗用車Aについて第一の使用者の使用期間と第二の使用者の使用期間の登録を行う。
【0051】
また、ステップS8ではスケジュールの詳細表示を行う。詳細表示としては、車種に関する車両番号や使用期間の表示である。ステップS9で、共同体10は予約年月日、車種、車両番号、使用予定期間、予約ID、予約したい時限、及び使用者IDを管理サーバ30に送信する。変更に当たって、ステップS10で、共同体10は変更年月日、車種、車両番号、予約時限、予約者または使用者のID、及び、変更時刻を管理サーバ10に送信する。
【0052】
使用調整に当たって、ステップS11で閲覧ログを残すために、共同体10は、車種名、使用者名、使用期限、閲覧者ID、調整したい旨を管理サーバ30に送信する。指定車両が使用中の場合は、実際に使用している人の名前が管理サーバ30において表示される。これから車が使用される場合は、複数登録されているとき最初に使用登録された名前が表示される。それに従って、ステップS12で、管理サーバ30は調整したい相手の氏名、携帯番号、アドレス等を記録する。
【0053】
上述の実施の態様においては、自動車の共同利用について述べた自動二輪車やその他の車についても適用可能であり、また各部の具体的構成についても上記実施態様に限らず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態における自動車の共同使用予約管理システムの概略構成図。
【図2】本発明の実施の態様の管理サーバと共同体で用いるコンピュータの構成図。
【図3】本発明の実施の態様のシステムにおける機能構成図。
【図4】本発明の実施の形態における予約情報の一例を示す説明図。
【図5】本発明の実施の形態におけるシステムの主要動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0055】
10 共同体
11 パーソナルコンピュータ
12 モバイル機器
13 ID送信部
14 ICカード
15 磁気カード
20 通信ネットワーク
21 Web接続手段
22 モバイル機器接続手段
30 管理サーバ
31 システムキーボックス
32 キー保管庫
33 データベース
40 予約管理機能
50 車管理機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域や企業等の共同体内における自動車の共同利用を管理する管理システムであって、
通信ネットワーク上に接続され、車の予約情報と予約変更情報を管理し、且つ、予約調整処理を行うシステムキーボックスと、システムキーボックスにより管理される車の予約情報と予約変更情報のうち、少なくとも車のキー番号を含むキー情報、車の利用登録者に関する個人情報、車の保持者履歴情報を含む情報を記憶するデータベースと、個人認証することで車のキーを取り出し可能に開錠すると共に、上記データベースに対して貸し出し開始日並びに貸し出し終了日を記録する為の信号を発するキー保管庫とからなる管理サーバと、
通信ネットワークを介して上記管理サーバに接続可能であり、少なくとも車の予約、並びに、車のキーの保持情報等の管理サーバ内情報にアクセス可能な複数の端末機器を有する前記の共同体と、
キー保管庫からキーを取り出すと、その時の利用者IDが第1使用者である前保持者として保持者履歴情報をデータベースに記録する記録手段と、
上記前保持者から次の保持者へのキーの引き渡しを行うに当って、上記各自の端末機器から引き渡し完了、並びに、キー受領確認を示すそれぞれの情報を入力し、これ等両情報を基にキーの引き継ぎが確認された場合に、保持者履歴情報が記録されたデータベースに対して、前保持者のIDに代わって現在のキー保持者のIDを書き込むID書き込み手段と、によって構成したことを特徴とする自動車の共同利用予約管理システム。
【請求項2】
上記管理サーバは、ユーザーによる共用車の予約状況を管理すると共に、予約変更調整機能を有する予約管理機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動車の共同利用予約管理システム。
【請求項3】
上記第一の使用者である前保持者による「キー引き渡し完了」信号と、第二の使用者である次の保持者の「キー受領完了」信号の照合をもってキーの引き継ぎを「完了」とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の共同利用予約管理システム。
【請求項4】
予約者と複数の使用登録者を予約スケジュールに登録する登録テーブルを設け、キーをキー保管庫から持っていった前キー保持者から、実際に車両を使用する人にキーを引き渡す際に、その都度次のキー保持者が「キー受け取り完了」メールを、モバイル端末機器からモバイル接続手段を介してシステムキーボックスに返信して、現在のキーの保持者を特定する手段を有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の自動車の共同利用予約管理システム。
【請求項5】
事前変更届及び予定変更届は、予約後における使用開始前の予定変更、又は使用開始後に変更することができる予約変更調整機能を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の自動車の共同利用予約管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−11891(P2006−11891A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189114(P2004−189114)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】