自動車の故障回避装置
【課題】簡単な構造で、路面の変化に左右されることなく、正確、且つ取り扱いが容易な自動車の故障回避装置の提供。
【解決手段】自動車(1)の故障の予兆として発生する気体状物質及び当該気体状物質の濃度を検出するセンサ(3、9)と、警報手段(4)と、制御手段(10、10B)とを有し、該制御手段(10、10B)は、前記センサ(3、9)の検出結果と閾値とを比較して、当該気体状物質濃度が閾値以上である場合には警報を発し、自動車を減速、停止させるべく制御を行う様に構成されている。
【解決手段】自動車(1)の故障の予兆として発生する気体状物質及び当該気体状物質の濃度を検出するセンサ(3、9)と、警報手段(4)と、制御手段(10、10B)とを有し、該制御手段(10、10B)は、前記センサ(3、9)の検出結果と閾値とを比較して、当該気体状物質濃度が閾値以上である場合には警報を発し、自動車を減速、停止させるべく制御を行う様に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の故障を早期に検知し、故障に起因する大惨事を未然に防止する自動車の故障回避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、タイヤのバーストが発生する前に、タイヤの構成部材における不具合(或いは、故障)の発生を正確に検知するタイヤの故障発生検知装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る故障発生検知装置は、タイヤが路面上を転動する際の騒音及び振動の経時変化を検出して、タイヤの故障発生を予知するものであり、タイヤが路面上を転動する際の騒音及び振動の経時変化は、タイヤの故障のみならず走行している路面が急に変化した場合に路面の変化を上記経時変化と誤認するので、故障の検出精度に問題がある。
【0003】
その他の従来技術として、タイヤの使用条件が種々重なった場合においても、タイヤの故障発生前に、タイヤの故障発生の危険性を報知するタイヤ故障発生危険度報知システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、係るタイヤ故障発生危険度報知システムは、タイヤ内圧とタイヤ負荷と走行速度との関係からタイヤ故障の発生の危険度を求めており、システム構成全体が複雑となり、導入コストが高価になるという問題を有している。
【0004】
更に別の従来技術として、臭いセンサを用いてタイヤのクラック故障の検知精度を高めたタイヤ耐久試験装置が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、係るタイヤ耐久試験装置は、台上におけるタイヤの耐久試験装置であって、実車両には適用できない。
【特許文献1】特開2005−9953号公報
【特許文献2】特開2003−2017号公報
【特許文献1】特開2005−180953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、簡単な構造で、路面の変化に左右されることなく、正確、且つ取り扱いが容易な自動車の故障回避装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は、例えばタイヤのバーストや、エンジン及び排気系の漏洩等の故障が生じる時、或いはその直前には、独特の臭いが発生することに着目した。そして、自動車のタイヤの異常(故障)やエンジン及び排気系の異常(故障)の検出に、当該独特の臭いを用いる技術としては、有効なものは未だ見当たらないことにも着目した。
【0007】
走行中の自動車がタイヤバーストを起こす直前時は、ゴムの焦げる匂いを発生したり、或いは、燃焼不良に陥ったエンジンからは排気ガス中に目を刺すような刺激性のガスを発生したり、酒酔いのような刺激臭を発生したりする場合が多い。
すなわち、自動車に重大な故障が発生する時には、その直前に故障に直結する物質を発生している場合が多い。
発明者は種々研究の結果、これらの物質をいち早く見出すことにより、未然に重大事故を回避することが可能なことに着目した。
【0008】
本発明は係る着目に基いて創作されたものであり、自動車の故障回避装置(100、102)において、自動車(1)の故障の予兆として発生する物質(本明細書では「予兆物質」と記載する)及び当該(予兆)物質の濃度を検出するセンサ(3、9)と、警報手段(4)と、制御手段(10、10B)とを有し、該制御手段(10、10B)は、前記センサ(3、9)の検出結果と閾値とを比較して、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度が閾値以上である場合には自動車を減速、停止させるべく警報手段(4)によって警報を発生する制御を行う様に構成されている(請求項1)。
【0009】
また、本発明の自動車の故障回避装置(101)は、自動車の故障の予兆として発生する物質(予兆物質)及び当該物質の濃度を検出する複数のセンサ(A、B、C、D)と、警報手段(4)と、制御手段(10A)とを有し、該制御手段(10A)は、前記複数のセンサ(A〜D)の検出結果から得られたパターンを予め制御手段(10A)に記憶された故障の予兆として発生する物質(予兆物質)のパターン(図5)と比較し、以って、センサ(A〜D)で検出した物質中に故障の予兆として発生する物質(予兆物質)が包含されているか否かを検出する手段(11A)と、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度を決定する手段(12A)とを備え、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度と閾値とを比較して、検出結果が閾値以上である場合には、自動車を減速、停止させるべく、警報手段(4)によって警報を発生する制御を行う様に構成されている(請求項2)。
【0010】
前記自動車の故障は、タイヤ(2)のバーストであり、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)は、(例えば、ジn−プロピルサルファイド等の)炭化水素の硫黄化合物である。
【0011】
或いは、前記自動車の故障モードは、エンジン(1)の燃焼不良及び/又はエンジン(1)を含む排気系(71、8、72)の排気ガス漏れに関するものであり、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)は未燃炭化水素(UHC)、一酸化炭素(CO)、アルデヒド類である。
【0012】
本発明において、「自動車の故障の予兆として発生する物質(予兆物質)及び当該物質の濃度を検出する複数のセンサ」としては、予兆物質にのみ反応して検出するセンサ(予兆物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ)、例えば薄膜センサ(3、9)を用いることが出来る。
或いは、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)には反応するが、当該物質(予兆物質)のみには反応しないタイプのセンサ(A、B、C、D)を複数種類組み合わせ、各センサの出力を組み合わせて、レーダーチャート状のパターン(図形パターン:例えば、図5〜図7参照)を作成し、公知のパターン認識技術により当該パターン同士を比較することにより、予兆物質の有無を検出することが可能である。
【0013】
ここで、上述した薄膜センサとしては、例えば、ナノレベルの微細孔を多数形成した多孔質材料(例えば、金属酸化物半導体)から構成されており、検出するべき物質(予兆物質)の分子がナノレベルの微細孔を侵入することによりセンサとして必要な選択性を発揮するものが使用可能である。
【発明の効果】
【0014】
上述する構成を具備する本発明によれば、例えばタイヤのバーストの予兆として発生する物質(予兆物質:例えば、ジn−プロピルサルファイド等の炭化水素の硫黄化合物)をセンサ(3:予兆物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ)によって検出した際に、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度が閾値以上であれば、警報手段(4)が作動するので、故障(バースト)を起こす前に、ドライバーは車両を停止して、当該故障(例えば、タイヤのバースト)に起因する大惨事を未然に回避することが出来る。
【0015】
あるいは、例えばタイヤのバーストの予兆として発生する物質(予兆物質:例えば、ジn−プロピルサルファイド等の炭化水素の硫黄化合物)には反応するが、当該物質(予兆物質)のみには反応しないタイプのセンサ(A、B、C、D)を複数種類組み合わせ、各センサの出力を組み合わせてレーダーチャート状のパターン(例えば、図5〜図7参照)を作成することにより、タイヤのバーストの予兆として発生する物質(予兆物質:)の有無を検出することが可能であり、当該物質(予兆物質)が所定濃度以上含まれれば、警報手段(4)が作動する様に構成すれば、タイヤのバーストを起こす前に、ドライバーは車両を停止して、タイヤのバーストに起因する大惨事を未然に回避することが出来る。
【0016】
または、本発明によれば、例えば、排気系のガス漏れの予兆として発生する物質(予兆物質:例えば未燃炭化水素、CO、アルデヒド類)をセンサ(予兆物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ)によって検出した際に、当該物質(例えば気相の予兆物質)が所定濃度以上含まれれば、警報手段(4)が作動するので、ドライバーはエンジン及び/又は排気系に、いわゆる「ガス漏れ」が発生していることが分かる。そして、大事に至る前に、車両を停止して、エンジンを止める等の措置を講じることが出来る。そのため、大きなトラブルを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図4を参照して第1実施形態を説明する。
図1〜図4の第1実施形態では、故障の種類はタイヤのバーストであり、タイヤのバーストを事前に検知するものである。
ここで、センサとしては、ゴムの焼ける臭いを検出する臭いセンサが用いられる。ゴムの焼ける臭いを検出する臭いセンサは、ゴムの焼ける臭いの臭気源となる物質(例えば、ジn−プロピルサルファイド等の炭化水素の硫黄化合物、その他)を「予兆物質」として検出し、且つ、「予兆物質」と1:1で反応するセンサ(例えば、薄膜センサ)が用いられる。
【0018】
図1において、ゴムの焼ける臭いの臭気源となる物質(「予兆物質」:例えば、炭化水素の硫黄化合物)と1:1で反応するセンサ(予兆物質センサ)は符号3で示されている。
予兆物質センサ3としては、例えば、分子レベルの厚さ寸法しか有さない薄膜に、予兆物質の分子の形状と同一形状の欠損部(分子レベルのサイズの孔)を複数形成し、当該薄膜を透過した分子が圧電素子に衝突するように構成されているタイプのセンサを使用する。そして、当該薄膜を透過した分子が衝突する圧電素子は、当該薄膜を透過した分子数に比例した電圧を発生させる様に構成されている。
【0019】
係るセンサにおいて、予兆物質の分子を包含する気体を当該薄膜に衝突させる。その結果、予兆物質の分子のみが薄膜を透過する。薄膜を透過した予兆物質の分子は圧電素子と衝突して、電圧を発生する。
ここで、発生電圧は薄膜を透過した予兆物質の分子の数、すなわちモル濃度に比例するので、当該気体中に予兆物質の分子が存在するか否かのみならず、その濃度も判定出来るのである。
【0020】
図1において、第1実施形態に係る故障回避装置100は、車両1の各タイヤ2の後方近傍に設置されたセンサ(予兆物質センサ)3と、タイヤ2から所定濃度の気相の予兆物質が発生した場合に作動する警報手段4と、表示手段(以下、表示手段をモニタと言う)5と、制御手段(以下、制御手段をコントロールユニットと言う)10とを有している。
ここで、警報手段4は、警報音を吹鳴するブザータイプであってもよいし、音声警告を発するタイプであってもよい。或いは、ブザーと音声警告の双方が可能なタイプであってもよい。
【0021】
コントロールユニット10は、センサ3と入力ラインLiによって接続されている。また、コントロールユニット10は、制御信号ラインLoによって警報手段4、モニタ5及び既存のハザードランプ20と接続されている。
【0022】
タイヤ2はバーストが発生する直前には高温になって、高温箇所から煙を発生する。係る煙は、気相の予兆物質を包含している。予兆物質センサ3は、発生した煙における気相の予兆物質を認識すると共に、予兆物質濃度を計測できるように構成されている。
【0023】
コントロールユニット10は、図2に示すように、比較回路11と、判定回路12と、記憶装置であるデータベース13と、制御信号発信回路14を有している。比較回路11は、予兆物質センサ3からの出力信号を受信し、その受信した信号に含まれる情報とデータベース13に記憶されたデータ(タイヤバーストを起こす可能性があるか否かの閾値)とを比較し、その比較結果を判定回路12に送る。
判定回路12は、比較回路11から送られた比較結果を示す信号に基づいて、タイヤバーストを起こす可能性があるか否かを判定する。そして、タイヤバーストを起こす可能性があると判断された場合には、制御信号発信回路14を介して、警報手段4、モニタ5、ハザードランプ20に制御信号を発信する。
【0024】
制御信号を受信した警報手段4は警告音を吹鳴する。或いは、たとえば、「タイヤがバーストする恐れがあります。車両を路肩に寄せて停車してください。」等の音声を流す。
制御信号を受信したモニタ5は、タイヤがバーストする可能性がある旨と、バーストする可能性があるタイヤを、モニタ5に表示する。
ハザードランプ20は制御信号を受信し、減速及び制動操作を行った場合に点滅を開始する。
【0025】
コントロールユニット10は、車両が停止したことを確認した後、警報手段4による警告音の発生と、モニタ5におけるバーストの可能性がある旨の表示を解除する。
【0026】
上述したように、コントロールユニット10は、予兆物質センサ3の出力信号電圧を、データベース13に記憶されている閾値と比較する比較回路11と、閾値以上の予兆物質濃度であるか否かを判定する判定回路12と、制御信号発信回路14とを有している。ここで制御信号発信回路14は、制御信号を発信して、予兆物質濃度が閾値以上の場合に警報手段4を吹鳴させ、モニタ5にタイヤバーストの恐れがある旨を表示する様に構成されている。
【0027】
車両を減速・停止させる場合、ドライバーに車両の減速(変速)及び制動(ブレーキ)操作を行わせてもよいし、或いは、減速(変速)・制動操作(ブレーキ)を自動制御によって作動させても良い。
【0028】
図3は、第1実施形態における作用を示した制御フローチャートである。
図3のステップS1において、コントロールユニット10は、予兆物質センサ3で予兆物質を検出したか否かを判断する。
予兆物質を検出したなら(ステップS1のYES)、タイヤのバーストの予兆があると判断してステップS2に進み、検出しなければ(ステップS1のNO)、係る予兆はないと判断して、ステップS1が「NO」のループを繰り返す。
【0029】
ステップS2では、予兆物質濃度が閾値以上か否かを判断して、閾値以上であれば(ステップS2のYES)ステップS3に進む。予兆物質濃度が閾値未満であれば(ステップS2のNO)ステップS1に戻り、ステップS1以降を繰り返す。
【0030】
ステップS3の段階では予兆物質濃度が閾値以上であり、タイヤがバーストする可能性が存在している。そのためコントロールユニット4は、前記検出結果に基いてバーストを起こしそうなタイヤを特定し、警報手段4を作動させ、モニタ5に当該タイヤがバーストを起す可能性が高い旨と、その様なタイヤを特定して表示する(ステップS4)。
ステップS5ではブレーキを作動する(減速、制動)と共に、ハザードランプ20を点滅させる。
【0031】
ステップS6では車両が停止したか否かを判定する。係る判定は、例えば、図示しない車速センサで車両の速度を計測し、車速がゼロであるか否かにより判断する。
車両が停止したならば(ステップS6のYES)、警告音の吹鳴及び表示を解除し、制御を終了する。
【0032】
上述の構成を具備した第1実施形態によれば、タイヤのバーストの予兆として発生する気相の予兆物質が所定の濃度異常である旨を、予兆物質センサ3(予兆物質と「1:1」の関係で反応するセンサ:例えば薄膜センサ)によって検出した際に、警報手段4が作動するので、故障(バースト)を起こす前に、ドライバーは未然に故障(バースト)の危機を回避するべく、車両を停止する等の必要な措置を実行することができる。
【0033】
図示はしていないが、当該故障回避装置100はイグニションONによって、装置100が自動的に稼動状態となり、ドライバーの操作負担はない。
【0034】
「予兆物質濃度が所定濃度(閾値)以上であるか否か?」を判定するステップS2では、図4で示す様に、経時的に変化する予兆物質濃度(線Lγ)の瞬間値(ピーク値)が閾値Lsを超えた場合に、「YES」と判定する。
タイヤのバーストは大惨事を招く可能性が高いので、危険防止の観点から、一瞬であっても予兆物質濃度が閾値を越えた場合には、タイヤのバーストの可能性があるとして、漏れなく、ステップS4〜ステップS5の制御を行うことが好ましいからである。
【0035】
次に、図5〜図9を参照して第2実施形態を説明する。
図1〜図4の第1実施形態は、予兆物質と「1:1」で反応するセンサ(例えば薄膜センサ3)を用いたが、第2実施形態では、予兆物質と「1:1」では反応しないが、その様なセンサを複数組み合わせて、その出力のパターンにより予兆物質の有無を検出している。
【0036】
図5〜図7では、複数のセンサ(図示の例では4種類)のセンサA、B、C、Dを組み合せている。ここで、センサA〜Dの各々は、予兆物質に反応するが、予兆物質のみに反応するものではない。すなわち、予兆物質と「1:1」で反応するのではない。
図5〜図7において、センサAの出力が軸Aにプロットされ、センサBの出力が軸Bにプロットされ、センサCの出力が軸Cにプロットされ、センサDの出力が軸Dにプロットされている。そして、軸A〜軸Dのプロットを結んで出来る図形のパターン、換言すれば、センサA〜Dの各々の出力を対応する軸(センサAであれば軸A、センサBは軸B、センサCは軸C、センサDは軸D)にプロットし、そのプロットを結んで得られる図形パターンにより、予兆物質が存在するか否かを判定している。
【0037】
図5は、4種類のセンサA〜Dが予兆物質を検出した際に、各センサA〜Dの検出信号を対応する軸にプロットし、係るプロットを結んで得た図形パターンを示す。
【0038】
図6において、予兆物質以外の或る物質をセンサA〜Dで検出した場合の検出信号出力を対応する各々の軸にプロットして、そのプロットを結んで得た図形パターンを破線で示し、予兆物質の図形パターンを実線で示した図である。
図6から明らかな様に、破線で示す図形パターンは、実線で示す予兆物質の図形パターンとは全く相違しているので、当該「或る物質」は予兆物質ではないと判断できる。
【0039】
図7は、図6と同様に、或る物質の物質の図形パターンを破線で示し、予兆物質の図形パターンを実線で示した図である。
破線で示す図形パターンと実線で示す図形パターンとは概略同じなので、当該「或る物質」は予兆物質と判断できる。
【0040】
図8に基づいて、第2実施形態の全体構成を説明する。
図8において、故障回避装置101は、前述したように、予兆物質の存在及び濃度を検出する複数種類の予兆物質センサA〜Dと、コントロールユニット10Aとを有している。
予兆物質センサA〜Dは、一つのユニットとしてまとめられ、自動車1台当たり4つのユニットが各タイヤ2の真後ろに配置されている。
第2実施形態の予兆物質センサA〜Dとコントロールユニット10A以外の構成に関しては、第1実施形態と同様である。
【0041】
コントロールユニット10Aは、予兆物質センサ(A〜D)からの情報によって、各タイヤ2から予兆物質を含むガスが発生しているか判断する様に構成されている。
そして何れかのタイヤから所定濃度以上の予兆物質が発生している場合に、図3の制御フローにおけるステップS3以降の処理と同様の処理がなされる様に構成されている。
【0042】
コントロールユニット10Aは、物質判定ブロック11Aと、濃度判定ブロック12Aと比較ブロック15Aと、データベース13Aと、制御信号発信回路14Aを有している。
物質判定ブロック11Aは、パターン作成ブロック111とパターン比較ブロック112と判定ブロック113とを備えている。
【0043】
パターン作成ブロック111は、4種類のセンサA〜Dから情報を受信して受信した物質のパターンを作成する。パターン比較ブロック112は、データベース13Aに記憶された予兆物質のパターンと、検出した物質のパターンとを、例えば公知のパターン認識技術を用いて比較し、比較結果を判定ブロック113に送る。判定ブロック113では、パターン比較ブロック112の比較結果に基いて、検出した物質が予兆物質か否かを判断する。
【0044】
濃度判定ブロック12Aでは、前記物質判定ブロック11Aで判定された物質が予兆物質の場合、その予兆物質の濃度を決定する。
比較ブロック15Aは、データベース13Aに記憶された予兆物質濃度の閾値と、濃度判定ブロック12Aで判定した濃度とを比較する。そして、検出した予兆物質濃度(濃度判定ブロック12Aで判定した濃度)が閾値より大きな場合は、制御信号発信回路14Aを介して、警報手段4、モニタ5、ハザードランプ20に制御信号を送る。
【0045】
警報手段4は、制御信号を受信した際に警報音を発生する。モニタ5は、閾値以上の予兆物質濃度を発したタイヤと、当該タイヤがバーストを起こしそうである旨を表示する。
【0046】
第2実施形態の様に、複数のセンサA〜Dを組み合わせ、出力信号値のプロットを結ぶパターンにより予兆物質を検出する場合には、第1実施形態で用いられる薄膜センサ3とは異なり、直接濃度を計測することは困難である。そのため、センサ出力から予兆物質の有無を判定する物質判定ブロック11Aに加えて、予兆物質濃度を決定する濃度決定ブロック12Aを設けている。
濃度決定ブロック12Aでは、公知の技術を適用して、予兆物質濃度を決定する。
【0047】
上述の構成を具備した第2実施形態によれば、タイヤのバーストの予兆として発生する気相の予兆物質を、予兆物質には反応するが、センサ(予兆物質のみに反応する訳ではないセンサ)を複数種類(図5〜図7の例では4種類)組み合わせ、各センサの出力から描かれた図形パターン(例えば、図5〜図7参照)により、当該指示物質の有無を検出することが可能である。
そして、予兆物質が所定濃度以上含まれれば、警報手段4が作動するので、故障(バースト)を起こす前に、ドライバーは未然に故障(バースト)の危機を回避する動作を行い、大惨事を未然に防止できる。
【0048】
図8の故障回避装置101においても、図示はしていないが、イグニションをONすることによって、装置101が自動的に稼動状態となり、ドライバーの操作負担が軽減するように構成することが可能である。
図5〜図8の第2実施形態におけるその他の構成、制御、作用効果については、図1〜図4の第1実施形態と同様である。
【0049】
次に、図10、図11を参照して第3実施形態を説明する。
図10、図11の第3実施形態では、故障モードがエンジン及び/又は排気系における燃焼不良や排気ガス漏れを想定している。そして、図10、図11の第3実施形態では、予兆物質は排気ガスに含まれる炭化水素(未燃炭化水素UHC)、一酸化炭素(CO)、アルデヒド類であり、これ等の物質に反応するセンサ9を用いている。
【0050】
図10において、第3実施形態の故障回避装置102は、自動車(図示では貨物自動車としている)1の排気系に配置されたセンサ9(未燃炭化水素UHC、一酸化炭素CO、アルデヒド類等に反応するセンサ)と、警報手段4と、表示手段であるモニタ5と、制御手段であるコントロールユニット10Bとを有している。
【0051】
図10において、センサ9はエンジン6のエキゾーストマニフォルド61の上方、エキゾーストマニフォルド61と排気管71との接続箇所、排気管71とマフラー(消音機)8との接続箇所、マフラー8と排気管72との接続箇所(総計4箇所)に配置されている。
そのようなセンサ9の配置箇所は、エンジン及び排気系において、排気ガス漏れが生じ易い箇所であり、また、常時振動にさらされているため、振動による損傷が特に生じ易い箇所である。
【0052】
コントロールユニット10Bは、図11に示すように、比較回路11Bと、判定回路12Bと、記憶装置であるデータベース13Bと、制御信号発信回路14Bを有している。比較回路11Bは、予兆物質センサ9からの出力信号を受信し、その受信した信号に含まれる情報とデータベース13Bに記憶されたデータ(ガス漏れの許容値)とを比較し、その比較結果を判定回路12Bに送る。
判定回路12Bは、比較回路11Bから送られた比較結果を示す信号に基づいて、看過できないガス漏れ(閾値以上の漏れ)を生じているか否かを判定する。そして、看過できないガス漏れを生じていると判断された場合には、制御信号発信回路14Bを介して、警報手段4、モニタ5、ハザードランプ20に制御信号を発信する。
【0053】
ここで、第1実施形態のコントロールユニット10の構成(図2)と、第3実施形態のコントロールユニット10Bの構成(図11)とは、極めて類似している。センサが検出するべき予兆物質するセンサが異なることと、それに関連してデータベース13B(或いは13)に記憶された予兆物質のデータ及びその閾値が異なるのみである。
従って、図1〜図4の第1実施形態と、図10及び図11の第3実施形態とを組み合わせることも可能である。
【0054】
制御信号を受信した警報手段4は警告音を吹鳴し、或いは、たとえば「マフラー前方から排気ガスが漏れています」等の警告音声を発生する。
制御信号を受信したモニタ5は、ガス漏れの発生と、発生箇所を表示画面に表示する。
ハザードランプ20は制御信号を受信し、減速操作や制動操作を行った場合に点滅を開始する。
【0055】
そして、コントロールユニット10は、車両が停止したことを確認した後、警報手段による警報音や警告音声を停止し、モニタによるガス漏れ発生及び発生箇所の表示を解除する様に構成されている。
【0056】
上述の構成を具備した第1実施形態によれば、例えば、排気系のガス漏れの予兆として発生する気体状物質(例えばUHC、CO、アルデヒド類)を当該気体状物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ、(例えば薄膜センサ)9によって検出した際に、当該気体状物質が所定濃度以上含まれれば、警報手段4が作動するので、ドライバーは早期にエンジン及び/又は排気系に燃焼及び/又は排気ガス漏れが発生していることが分かる。そして、大事に至る前に車両を停止し、エンジンを止める等の予防措置を講じることが出来るので、大きなトラブルを未然に防ぐことができる。
【0057】
図示されていないが、故障回避装置102は、イグニションをONすることによって、自動的に稼動状態となり、ドライバーの操作負担を軽減するように構成する事が可能である。
図10、図11の第3実施形態におけるその他の構成、制御、作用効果については、図1〜図4の第1実施形態と同様である。
【0058】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のコントロールユニットを示すブロック図。
【図3】第1実施形態に係る制御を示すフローチャート。
【図4】予兆物質濃度の時間変化を示す特性図。
【図5】4つのセンサによる予兆物質の図形パターンを示す特性図。
【図6】4つのセンサによって検出した物質の図形パターンと予兆物質の図形パターンとを比較して示す特性図。
【図7】4つのセンサによって検出した図6とは別の物質の図形パターンと予兆物質の図形パターンとを比較して示す特性図。
【図8】第2実施形態を示すブロック図。
【図9】第2実施形態のコントロールユニットを示すブロック図。
【図10】第3実施形態を示すブロック図。
【図11】第3実施形態のコントロールユニットを示すブロック図。
【符号の説明】
【0060】
1・・・自動車
2・・・タイヤ
3・・・予兆物質センサ
4・・・警報手段
5・・・表示手段/モニタ
6・・・エンジン
8・・・消音機/マフラー
9・・・センサ
10、10A、10B・・・制御手段/コントロールユニット
11・・・比較回路
12・・・判定回路
13・・・データベース
14・・・制御信号発信回路
20・・・ハザードランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の故障を早期に検知し、故障に起因する大惨事を未然に防止する自動車の故障回避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、タイヤのバーストが発生する前に、タイヤの構成部材における不具合(或いは、故障)の発生を正確に検知するタイヤの故障発生検知装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る故障発生検知装置は、タイヤが路面上を転動する際の騒音及び振動の経時変化を検出して、タイヤの故障発生を予知するものであり、タイヤが路面上を転動する際の騒音及び振動の経時変化は、タイヤの故障のみならず走行している路面が急に変化した場合に路面の変化を上記経時変化と誤認するので、故障の検出精度に問題がある。
【0003】
その他の従来技術として、タイヤの使用条件が種々重なった場合においても、タイヤの故障発生前に、タイヤの故障発生の危険性を報知するタイヤ故障発生危険度報知システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、係るタイヤ故障発生危険度報知システムは、タイヤ内圧とタイヤ負荷と走行速度との関係からタイヤ故障の発生の危険度を求めており、システム構成全体が複雑となり、導入コストが高価になるという問題を有している。
【0004】
更に別の従来技術として、臭いセンサを用いてタイヤのクラック故障の検知精度を高めたタイヤ耐久試験装置が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、係るタイヤ耐久試験装置は、台上におけるタイヤの耐久試験装置であって、実車両には適用できない。
【特許文献1】特開2005−9953号公報
【特許文献2】特開2003−2017号公報
【特許文献1】特開2005−180953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、簡単な構造で、路面の変化に左右されることなく、正確、且つ取り扱いが容易な自動車の故障回避装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は、例えばタイヤのバーストや、エンジン及び排気系の漏洩等の故障が生じる時、或いはその直前には、独特の臭いが発生することに着目した。そして、自動車のタイヤの異常(故障)やエンジン及び排気系の異常(故障)の検出に、当該独特の臭いを用いる技術としては、有効なものは未だ見当たらないことにも着目した。
【0007】
走行中の自動車がタイヤバーストを起こす直前時は、ゴムの焦げる匂いを発生したり、或いは、燃焼不良に陥ったエンジンからは排気ガス中に目を刺すような刺激性のガスを発生したり、酒酔いのような刺激臭を発生したりする場合が多い。
すなわち、自動車に重大な故障が発生する時には、その直前に故障に直結する物質を発生している場合が多い。
発明者は種々研究の結果、これらの物質をいち早く見出すことにより、未然に重大事故を回避することが可能なことに着目した。
【0008】
本発明は係る着目に基いて創作されたものであり、自動車の故障回避装置(100、102)において、自動車(1)の故障の予兆として発生する物質(本明細書では「予兆物質」と記載する)及び当該(予兆)物質の濃度を検出するセンサ(3、9)と、警報手段(4)と、制御手段(10、10B)とを有し、該制御手段(10、10B)は、前記センサ(3、9)の検出結果と閾値とを比較して、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度が閾値以上である場合には自動車を減速、停止させるべく警報手段(4)によって警報を発生する制御を行う様に構成されている(請求項1)。
【0009】
また、本発明の自動車の故障回避装置(101)は、自動車の故障の予兆として発生する物質(予兆物質)及び当該物質の濃度を検出する複数のセンサ(A、B、C、D)と、警報手段(4)と、制御手段(10A)とを有し、該制御手段(10A)は、前記複数のセンサ(A〜D)の検出結果から得られたパターンを予め制御手段(10A)に記憶された故障の予兆として発生する物質(予兆物質)のパターン(図5)と比較し、以って、センサ(A〜D)で検出した物質中に故障の予兆として発生する物質(予兆物質)が包含されているか否かを検出する手段(11A)と、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度を決定する手段(12A)とを備え、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度と閾値とを比較して、検出結果が閾値以上である場合には、自動車を減速、停止させるべく、警報手段(4)によって警報を発生する制御を行う様に構成されている(請求項2)。
【0010】
前記自動車の故障は、タイヤ(2)のバーストであり、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)は、(例えば、ジn−プロピルサルファイド等の)炭化水素の硫黄化合物である。
【0011】
或いは、前記自動車の故障モードは、エンジン(1)の燃焼不良及び/又はエンジン(1)を含む排気系(71、8、72)の排気ガス漏れに関するものであり、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)は未燃炭化水素(UHC)、一酸化炭素(CO)、アルデヒド類である。
【0012】
本発明において、「自動車の故障の予兆として発生する物質(予兆物質)及び当該物質の濃度を検出する複数のセンサ」としては、予兆物質にのみ反応して検出するセンサ(予兆物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ)、例えば薄膜センサ(3、9)を用いることが出来る。
或いは、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)には反応するが、当該物質(予兆物質)のみには反応しないタイプのセンサ(A、B、C、D)を複数種類組み合わせ、各センサの出力を組み合わせて、レーダーチャート状のパターン(図形パターン:例えば、図5〜図7参照)を作成し、公知のパターン認識技術により当該パターン同士を比較することにより、予兆物質の有無を検出することが可能である。
【0013】
ここで、上述した薄膜センサとしては、例えば、ナノレベルの微細孔を多数形成した多孔質材料(例えば、金属酸化物半導体)から構成されており、検出するべき物質(予兆物質)の分子がナノレベルの微細孔を侵入することによりセンサとして必要な選択性を発揮するものが使用可能である。
【発明の効果】
【0014】
上述する構成を具備する本発明によれば、例えばタイヤのバーストの予兆として発生する物質(予兆物質:例えば、ジn−プロピルサルファイド等の炭化水素の硫黄化合物)をセンサ(3:予兆物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ)によって検出した際に、故障の予兆として発生する物質(予兆物質)の濃度が閾値以上であれば、警報手段(4)が作動するので、故障(バースト)を起こす前に、ドライバーは車両を停止して、当該故障(例えば、タイヤのバースト)に起因する大惨事を未然に回避することが出来る。
【0015】
あるいは、例えばタイヤのバーストの予兆として発生する物質(予兆物質:例えば、ジn−プロピルサルファイド等の炭化水素の硫黄化合物)には反応するが、当該物質(予兆物質)のみには反応しないタイプのセンサ(A、B、C、D)を複数種類組み合わせ、各センサの出力を組み合わせてレーダーチャート状のパターン(例えば、図5〜図7参照)を作成することにより、タイヤのバーストの予兆として発生する物質(予兆物質:)の有無を検出することが可能であり、当該物質(予兆物質)が所定濃度以上含まれれば、警報手段(4)が作動する様に構成すれば、タイヤのバーストを起こす前に、ドライバーは車両を停止して、タイヤのバーストに起因する大惨事を未然に回避することが出来る。
【0016】
または、本発明によれば、例えば、排気系のガス漏れの予兆として発生する物質(予兆物質:例えば未燃炭化水素、CO、アルデヒド類)をセンサ(予兆物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ)によって検出した際に、当該物質(例えば気相の予兆物質)が所定濃度以上含まれれば、警報手段(4)が作動するので、ドライバーはエンジン及び/又は排気系に、いわゆる「ガス漏れ」が発生していることが分かる。そして、大事に至る前に、車両を停止して、エンジンを止める等の措置を講じることが出来る。そのため、大きなトラブルを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図4を参照して第1実施形態を説明する。
図1〜図4の第1実施形態では、故障の種類はタイヤのバーストであり、タイヤのバーストを事前に検知するものである。
ここで、センサとしては、ゴムの焼ける臭いを検出する臭いセンサが用いられる。ゴムの焼ける臭いを検出する臭いセンサは、ゴムの焼ける臭いの臭気源となる物質(例えば、ジn−プロピルサルファイド等の炭化水素の硫黄化合物、その他)を「予兆物質」として検出し、且つ、「予兆物質」と1:1で反応するセンサ(例えば、薄膜センサ)が用いられる。
【0018】
図1において、ゴムの焼ける臭いの臭気源となる物質(「予兆物質」:例えば、炭化水素の硫黄化合物)と1:1で反応するセンサ(予兆物質センサ)は符号3で示されている。
予兆物質センサ3としては、例えば、分子レベルの厚さ寸法しか有さない薄膜に、予兆物質の分子の形状と同一形状の欠損部(分子レベルのサイズの孔)を複数形成し、当該薄膜を透過した分子が圧電素子に衝突するように構成されているタイプのセンサを使用する。そして、当該薄膜を透過した分子が衝突する圧電素子は、当該薄膜を透過した分子数に比例した電圧を発生させる様に構成されている。
【0019】
係るセンサにおいて、予兆物質の分子を包含する気体を当該薄膜に衝突させる。その結果、予兆物質の分子のみが薄膜を透過する。薄膜を透過した予兆物質の分子は圧電素子と衝突して、電圧を発生する。
ここで、発生電圧は薄膜を透過した予兆物質の分子の数、すなわちモル濃度に比例するので、当該気体中に予兆物質の分子が存在するか否かのみならず、その濃度も判定出来るのである。
【0020】
図1において、第1実施形態に係る故障回避装置100は、車両1の各タイヤ2の後方近傍に設置されたセンサ(予兆物質センサ)3と、タイヤ2から所定濃度の気相の予兆物質が発生した場合に作動する警報手段4と、表示手段(以下、表示手段をモニタと言う)5と、制御手段(以下、制御手段をコントロールユニットと言う)10とを有している。
ここで、警報手段4は、警報音を吹鳴するブザータイプであってもよいし、音声警告を発するタイプであってもよい。或いは、ブザーと音声警告の双方が可能なタイプであってもよい。
【0021】
コントロールユニット10は、センサ3と入力ラインLiによって接続されている。また、コントロールユニット10は、制御信号ラインLoによって警報手段4、モニタ5及び既存のハザードランプ20と接続されている。
【0022】
タイヤ2はバーストが発生する直前には高温になって、高温箇所から煙を発生する。係る煙は、気相の予兆物質を包含している。予兆物質センサ3は、発生した煙における気相の予兆物質を認識すると共に、予兆物質濃度を計測できるように構成されている。
【0023】
コントロールユニット10は、図2に示すように、比較回路11と、判定回路12と、記憶装置であるデータベース13と、制御信号発信回路14を有している。比較回路11は、予兆物質センサ3からの出力信号を受信し、その受信した信号に含まれる情報とデータベース13に記憶されたデータ(タイヤバーストを起こす可能性があるか否かの閾値)とを比較し、その比較結果を判定回路12に送る。
判定回路12は、比較回路11から送られた比較結果を示す信号に基づいて、タイヤバーストを起こす可能性があるか否かを判定する。そして、タイヤバーストを起こす可能性があると判断された場合には、制御信号発信回路14を介して、警報手段4、モニタ5、ハザードランプ20に制御信号を発信する。
【0024】
制御信号を受信した警報手段4は警告音を吹鳴する。或いは、たとえば、「タイヤがバーストする恐れがあります。車両を路肩に寄せて停車してください。」等の音声を流す。
制御信号を受信したモニタ5は、タイヤがバーストする可能性がある旨と、バーストする可能性があるタイヤを、モニタ5に表示する。
ハザードランプ20は制御信号を受信し、減速及び制動操作を行った場合に点滅を開始する。
【0025】
コントロールユニット10は、車両が停止したことを確認した後、警報手段4による警告音の発生と、モニタ5におけるバーストの可能性がある旨の表示を解除する。
【0026】
上述したように、コントロールユニット10は、予兆物質センサ3の出力信号電圧を、データベース13に記憶されている閾値と比較する比較回路11と、閾値以上の予兆物質濃度であるか否かを判定する判定回路12と、制御信号発信回路14とを有している。ここで制御信号発信回路14は、制御信号を発信して、予兆物質濃度が閾値以上の場合に警報手段4を吹鳴させ、モニタ5にタイヤバーストの恐れがある旨を表示する様に構成されている。
【0027】
車両を減速・停止させる場合、ドライバーに車両の減速(変速)及び制動(ブレーキ)操作を行わせてもよいし、或いは、減速(変速)・制動操作(ブレーキ)を自動制御によって作動させても良い。
【0028】
図3は、第1実施形態における作用を示した制御フローチャートである。
図3のステップS1において、コントロールユニット10は、予兆物質センサ3で予兆物質を検出したか否かを判断する。
予兆物質を検出したなら(ステップS1のYES)、タイヤのバーストの予兆があると判断してステップS2に進み、検出しなければ(ステップS1のNO)、係る予兆はないと判断して、ステップS1が「NO」のループを繰り返す。
【0029】
ステップS2では、予兆物質濃度が閾値以上か否かを判断して、閾値以上であれば(ステップS2のYES)ステップS3に進む。予兆物質濃度が閾値未満であれば(ステップS2のNO)ステップS1に戻り、ステップS1以降を繰り返す。
【0030】
ステップS3の段階では予兆物質濃度が閾値以上であり、タイヤがバーストする可能性が存在している。そのためコントロールユニット4は、前記検出結果に基いてバーストを起こしそうなタイヤを特定し、警報手段4を作動させ、モニタ5に当該タイヤがバーストを起す可能性が高い旨と、その様なタイヤを特定して表示する(ステップS4)。
ステップS5ではブレーキを作動する(減速、制動)と共に、ハザードランプ20を点滅させる。
【0031】
ステップS6では車両が停止したか否かを判定する。係る判定は、例えば、図示しない車速センサで車両の速度を計測し、車速がゼロであるか否かにより判断する。
車両が停止したならば(ステップS6のYES)、警告音の吹鳴及び表示を解除し、制御を終了する。
【0032】
上述の構成を具備した第1実施形態によれば、タイヤのバーストの予兆として発生する気相の予兆物質が所定の濃度異常である旨を、予兆物質センサ3(予兆物質と「1:1」の関係で反応するセンサ:例えば薄膜センサ)によって検出した際に、警報手段4が作動するので、故障(バースト)を起こす前に、ドライバーは未然に故障(バースト)の危機を回避するべく、車両を停止する等の必要な措置を実行することができる。
【0033】
図示はしていないが、当該故障回避装置100はイグニションONによって、装置100が自動的に稼動状態となり、ドライバーの操作負担はない。
【0034】
「予兆物質濃度が所定濃度(閾値)以上であるか否か?」を判定するステップS2では、図4で示す様に、経時的に変化する予兆物質濃度(線Lγ)の瞬間値(ピーク値)が閾値Lsを超えた場合に、「YES」と判定する。
タイヤのバーストは大惨事を招く可能性が高いので、危険防止の観点から、一瞬であっても予兆物質濃度が閾値を越えた場合には、タイヤのバーストの可能性があるとして、漏れなく、ステップS4〜ステップS5の制御を行うことが好ましいからである。
【0035】
次に、図5〜図9を参照して第2実施形態を説明する。
図1〜図4の第1実施形態は、予兆物質と「1:1」で反応するセンサ(例えば薄膜センサ3)を用いたが、第2実施形態では、予兆物質と「1:1」では反応しないが、その様なセンサを複数組み合わせて、その出力のパターンにより予兆物質の有無を検出している。
【0036】
図5〜図7では、複数のセンサ(図示の例では4種類)のセンサA、B、C、Dを組み合せている。ここで、センサA〜Dの各々は、予兆物質に反応するが、予兆物質のみに反応するものではない。すなわち、予兆物質と「1:1」で反応するのではない。
図5〜図7において、センサAの出力が軸Aにプロットされ、センサBの出力が軸Bにプロットされ、センサCの出力が軸Cにプロットされ、センサDの出力が軸Dにプロットされている。そして、軸A〜軸Dのプロットを結んで出来る図形のパターン、換言すれば、センサA〜Dの各々の出力を対応する軸(センサAであれば軸A、センサBは軸B、センサCは軸C、センサDは軸D)にプロットし、そのプロットを結んで得られる図形パターンにより、予兆物質が存在するか否かを判定している。
【0037】
図5は、4種類のセンサA〜Dが予兆物質を検出した際に、各センサA〜Dの検出信号を対応する軸にプロットし、係るプロットを結んで得た図形パターンを示す。
【0038】
図6において、予兆物質以外の或る物質をセンサA〜Dで検出した場合の検出信号出力を対応する各々の軸にプロットして、そのプロットを結んで得た図形パターンを破線で示し、予兆物質の図形パターンを実線で示した図である。
図6から明らかな様に、破線で示す図形パターンは、実線で示す予兆物質の図形パターンとは全く相違しているので、当該「或る物質」は予兆物質ではないと判断できる。
【0039】
図7は、図6と同様に、或る物質の物質の図形パターンを破線で示し、予兆物質の図形パターンを実線で示した図である。
破線で示す図形パターンと実線で示す図形パターンとは概略同じなので、当該「或る物質」は予兆物質と判断できる。
【0040】
図8に基づいて、第2実施形態の全体構成を説明する。
図8において、故障回避装置101は、前述したように、予兆物質の存在及び濃度を検出する複数種類の予兆物質センサA〜Dと、コントロールユニット10Aとを有している。
予兆物質センサA〜Dは、一つのユニットとしてまとめられ、自動車1台当たり4つのユニットが各タイヤ2の真後ろに配置されている。
第2実施形態の予兆物質センサA〜Dとコントロールユニット10A以外の構成に関しては、第1実施形態と同様である。
【0041】
コントロールユニット10Aは、予兆物質センサ(A〜D)からの情報によって、各タイヤ2から予兆物質を含むガスが発生しているか判断する様に構成されている。
そして何れかのタイヤから所定濃度以上の予兆物質が発生している場合に、図3の制御フローにおけるステップS3以降の処理と同様の処理がなされる様に構成されている。
【0042】
コントロールユニット10Aは、物質判定ブロック11Aと、濃度判定ブロック12Aと比較ブロック15Aと、データベース13Aと、制御信号発信回路14Aを有している。
物質判定ブロック11Aは、パターン作成ブロック111とパターン比較ブロック112と判定ブロック113とを備えている。
【0043】
パターン作成ブロック111は、4種類のセンサA〜Dから情報を受信して受信した物質のパターンを作成する。パターン比較ブロック112は、データベース13Aに記憶された予兆物質のパターンと、検出した物質のパターンとを、例えば公知のパターン認識技術を用いて比較し、比較結果を判定ブロック113に送る。判定ブロック113では、パターン比較ブロック112の比較結果に基いて、検出した物質が予兆物質か否かを判断する。
【0044】
濃度判定ブロック12Aでは、前記物質判定ブロック11Aで判定された物質が予兆物質の場合、その予兆物質の濃度を決定する。
比較ブロック15Aは、データベース13Aに記憶された予兆物質濃度の閾値と、濃度判定ブロック12Aで判定した濃度とを比較する。そして、検出した予兆物質濃度(濃度判定ブロック12Aで判定した濃度)が閾値より大きな場合は、制御信号発信回路14Aを介して、警報手段4、モニタ5、ハザードランプ20に制御信号を送る。
【0045】
警報手段4は、制御信号を受信した際に警報音を発生する。モニタ5は、閾値以上の予兆物質濃度を発したタイヤと、当該タイヤがバーストを起こしそうである旨を表示する。
【0046】
第2実施形態の様に、複数のセンサA〜Dを組み合わせ、出力信号値のプロットを結ぶパターンにより予兆物質を検出する場合には、第1実施形態で用いられる薄膜センサ3とは異なり、直接濃度を計測することは困難である。そのため、センサ出力から予兆物質の有無を判定する物質判定ブロック11Aに加えて、予兆物質濃度を決定する濃度決定ブロック12Aを設けている。
濃度決定ブロック12Aでは、公知の技術を適用して、予兆物質濃度を決定する。
【0047】
上述の構成を具備した第2実施形態によれば、タイヤのバーストの予兆として発生する気相の予兆物質を、予兆物質には反応するが、センサ(予兆物質のみに反応する訳ではないセンサ)を複数種類(図5〜図7の例では4種類)組み合わせ、各センサの出力から描かれた図形パターン(例えば、図5〜図7参照)により、当該指示物質の有無を検出することが可能である。
そして、予兆物質が所定濃度以上含まれれば、警報手段4が作動するので、故障(バースト)を起こす前に、ドライバーは未然に故障(バースト)の危機を回避する動作を行い、大惨事を未然に防止できる。
【0048】
図8の故障回避装置101においても、図示はしていないが、イグニションをONすることによって、装置101が自動的に稼動状態となり、ドライバーの操作負担が軽減するように構成することが可能である。
図5〜図8の第2実施形態におけるその他の構成、制御、作用効果については、図1〜図4の第1実施形態と同様である。
【0049】
次に、図10、図11を参照して第3実施形態を説明する。
図10、図11の第3実施形態では、故障モードがエンジン及び/又は排気系における燃焼不良や排気ガス漏れを想定している。そして、図10、図11の第3実施形態では、予兆物質は排気ガスに含まれる炭化水素(未燃炭化水素UHC)、一酸化炭素(CO)、アルデヒド類であり、これ等の物質に反応するセンサ9を用いている。
【0050】
図10において、第3実施形態の故障回避装置102は、自動車(図示では貨物自動車としている)1の排気系に配置されたセンサ9(未燃炭化水素UHC、一酸化炭素CO、アルデヒド類等に反応するセンサ)と、警報手段4と、表示手段であるモニタ5と、制御手段であるコントロールユニット10Bとを有している。
【0051】
図10において、センサ9はエンジン6のエキゾーストマニフォルド61の上方、エキゾーストマニフォルド61と排気管71との接続箇所、排気管71とマフラー(消音機)8との接続箇所、マフラー8と排気管72との接続箇所(総計4箇所)に配置されている。
そのようなセンサ9の配置箇所は、エンジン及び排気系において、排気ガス漏れが生じ易い箇所であり、また、常時振動にさらされているため、振動による損傷が特に生じ易い箇所である。
【0052】
コントロールユニット10Bは、図11に示すように、比較回路11Bと、判定回路12Bと、記憶装置であるデータベース13Bと、制御信号発信回路14Bを有している。比較回路11Bは、予兆物質センサ9からの出力信号を受信し、その受信した信号に含まれる情報とデータベース13Bに記憶されたデータ(ガス漏れの許容値)とを比較し、その比較結果を判定回路12Bに送る。
判定回路12Bは、比較回路11Bから送られた比較結果を示す信号に基づいて、看過できないガス漏れ(閾値以上の漏れ)を生じているか否かを判定する。そして、看過できないガス漏れを生じていると判断された場合には、制御信号発信回路14Bを介して、警報手段4、モニタ5、ハザードランプ20に制御信号を発信する。
【0053】
ここで、第1実施形態のコントロールユニット10の構成(図2)と、第3実施形態のコントロールユニット10Bの構成(図11)とは、極めて類似している。センサが検出するべき予兆物質するセンサが異なることと、それに関連してデータベース13B(或いは13)に記憶された予兆物質のデータ及びその閾値が異なるのみである。
従って、図1〜図4の第1実施形態と、図10及び図11の第3実施形態とを組み合わせることも可能である。
【0054】
制御信号を受信した警報手段4は警告音を吹鳴し、或いは、たとえば「マフラー前方から排気ガスが漏れています」等の警告音声を発生する。
制御信号を受信したモニタ5は、ガス漏れの発生と、発生箇所を表示画面に表示する。
ハザードランプ20は制御信号を受信し、減速操作や制動操作を行った場合に点滅を開始する。
【0055】
そして、コントロールユニット10は、車両が停止したことを確認した後、警報手段による警報音や警告音声を停止し、モニタによるガス漏れ発生及び発生箇所の表示を解除する様に構成されている。
【0056】
上述の構成を具備した第1実施形態によれば、例えば、排気系のガス漏れの予兆として発生する気体状物質(例えばUHC、CO、アルデヒド類)を当該気体状物質といわゆる「1:1」の関係で反応するセンサ、(例えば薄膜センサ)9によって検出した際に、当該気体状物質が所定濃度以上含まれれば、警報手段4が作動するので、ドライバーは早期にエンジン及び/又は排気系に燃焼及び/又は排気ガス漏れが発生していることが分かる。そして、大事に至る前に車両を停止し、エンジンを止める等の予防措置を講じることが出来るので、大きなトラブルを未然に防ぐことができる。
【0057】
図示されていないが、故障回避装置102は、イグニションをONすることによって、自動的に稼動状態となり、ドライバーの操作負担を軽減するように構成する事が可能である。
図10、図11の第3実施形態におけるその他の構成、制御、作用効果については、図1〜図4の第1実施形態と同様である。
【0058】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のコントロールユニットを示すブロック図。
【図3】第1実施形態に係る制御を示すフローチャート。
【図4】予兆物質濃度の時間変化を示す特性図。
【図5】4つのセンサによる予兆物質の図形パターンを示す特性図。
【図6】4つのセンサによって検出した物質の図形パターンと予兆物質の図形パターンとを比較して示す特性図。
【図7】4つのセンサによって検出した図6とは別の物質の図形パターンと予兆物質の図形パターンとを比較して示す特性図。
【図8】第2実施形態を示すブロック図。
【図9】第2実施形態のコントロールユニットを示すブロック図。
【図10】第3実施形態を示すブロック図。
【図11】第3実施形態のコントロールユニットを示すブロック図。
【符号の説明】
【0060】
1・・・自動車
2・・・タイヤ
3・・・予兆物質センサ
4・・・警報手段
5・・・表示手段/モニタ
6・・・エンジン
8・・・消音機/マフラー
9・・・センサ
10、10A、10B・・・制御手段/コントロールユニット
11・・・比較回路
12・・・判定回路
13・・・データベース
14・・・制御信号発信回路
20・・・ハザードランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の故障の予兆として発生する物質及び当該物質の濃度を検出するセンサと、警報手段と、制御手段とを有し、該制御手段は、前記センサの検出結果と閾値とを比較して、故障の予兆として発生する物質の濃度が閾値以上である場合には自動車を減速、停止させるべく警報手段によって警報を発生する制御を行う様に構成されていることを特徴とする自動車の故障回避装置。
【請求項2】
自動車の故障の予兆として発生する物質及び当該物質の濃度を検出する複数のセンサと、警報手段と、制御手段とを有し、該制御手段は、前記複数のセンサの検出結果から得られたパターンを予め制御手段に記憶された故障の予兆として発生する物質のパターンと比較し、以って、センサで検出した物質中に故障の予兆として発生する物質が包含されているか否かを検出する手段と、故障の予兆として発生する物質の濃度を決定する手段とを備え、故障の予兆として発生する物質の濃度と閾値とを比較して、検出結果が閾値以上である場合には、自動車を減速、停止させるべく、警報手段によって警報を発生する制御を行う様に構成されていることを特徴とする自動車の故障回避装置。
【請求項1】
自動車の故障の予兆として発生する物質及び当該物質の濃度を検出するセンサと、警報手段と、制御手段とを有し、該制御手段は、前記センサの検出結果と閾値とを比較して、故障の予兆として発生する物質の濃度が閾値以上である場合には自動車を減速、停止させるべく警報手段によって警報を発生する制御を行う様に構成されていることを特徴とする自動車の故障回避装置。
【請求項2】
自動車の故障の予兆として発生する物質及び当該物質の濃度を検出する複数のセンサと、警報手段と、制御手段とを有し、該制御手段は、前記複数のセンサの検出結果から得られたパターンを予め制御手段に記憶された故障の予兆として発生する物質のパターンと比較し、以って、センサで検出した物質中に故障の予兆として発生する物質が包含されているか否かを検出する手段と、故障の予兆として発生する物質の濃度を決定する手段とを備え、故障の予兆として発生する物質の濃度と閾値とを比較して、検出結果が閾値以上である場合には、自動車を減速、停止させるべく、警報手段によって警報を発生する制御を行う様に構成されていることを特徴とする自動車の故障回避装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−256387(P2008−256387A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95996(P2007−95996)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(501048930)株式会社シームス (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(501048930)株式会社シームス (34)
【Fターム(参考)】
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