説明

自己復帰型保護素子

【課題】本発明は、薄型、小型で強度、耐久性の高い自己復帰型保護素子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基板2と、温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子4と、一対のリード端子4に接続され、離合接点を有する可動電極と、一対のリード端子4の少なくとも一部と、可動電極とを覆うカバー10と、カバー10と基板2とを覆うモールド材17を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路、電池、その他の電子機器などにおいて用いられ、過電流や異常発熱などからこれら電子機器などの破損を防止するために好適に用いられる、特に電池や電源回路に装着が容易な薄型の自己復帰型保護素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに用いられる電池や電源回路などの異常発熱による電子危機の損傷発生を未然防止するために、電池などに温度ヒューズが装着されることがあった。
【0003】
しかしながら温度ヒューズは異常発熱により溶断してしまい、部品取替えを行わなければならないため、異常発熱時には導電を遮断し、その後復帰する自己復帰型保護素子が用いられるようになってきている。
【0004】
自己復帰型保護素子としては、温度膨張係数の異なる金属を多層にしたバイメタルと呼ばれる可動電極が用いられるものがある。通常時には可動電極が端子同士を接続して電流が導通し、異常発熱時には温度膨張係数の異なる金属の多層構造により可動電極が反り返って、端子の一方の接点から離隔して導通を遮断して機器が保護される(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
図22は従来の自己復帰型保護素子の側面図であり、100は自己復帰型保護素子、101は信号線、102、103は可動電極、104は接続部、105は接点電極、106はケースである。
【0006】
ケース106に格納された可動電極103は通常は接点電極105と接しており、信号線101において電流が導通している。過剰電流が流れたりして異常発熱が発生すると、可動電極102と103においては、可動電極103が熱膨張係数が高いためその体積が増加し、全体として、上方に可動電極102、103が反り返る状態が発生する。このため接点電極105との接触がはずれ、電流の導通が遮断され、回路の保護が実現される。温度が下がって可動電極103の膨張が消失すると、再び接点電極105と接触し、電流導通が再開される。
【0007】
しかしながら、このような自己復帰型保護素子100では可動電極102、103の動きを確保するための空間を作るために射出成形による堅牢なる樹脂ケースや金属ケースを使用されてきたが、これらの作製にはコストと製造工数が掛かり、この為に自己復帰型保護素子100自体が高価な物となっている(たとえば特許文献2参照)。
【0008】
そこで、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの熱可塑性の樹脂フィルムを用いた安価なケーシングが提案される。
【特許文献1】特開平6−119859号公報
【特許文献2】特開2001−167754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、熱可塑性の樹脂フィルムを用いたカバーは携帯機器やゲーム機などの携帯型の民生機器では小型、薄型の需要のために、熱可塑性樹脂フィルムの厚みを薄くすると強度が確保しにくいという問題がある。
【0010】
さらに、温度維持部品として、一般的にPTCヒーターを使用した場合、PTCヒーターがセラミックである為に、割れやすく、フィルム厚みが薄くなった場合は強度が持たず割れてしまうという欠点がある。
【0011】
本発明は、携帯機器や電子機器など小型化、薄型が求められる電子機器、とりわけパック電池や電源回路など薄型、小型で装着されることが望まれる自己復帰型保護素子であり、かつ、低コストの樹脂フィルムによるカバーでありながら十分なケース強度と耐久性を確保する自己復帰型保護素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基板と、基板の上に設けられた相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子に接続され、離合接点を有する可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極とを覆うカバーを有し、カバー全体又は一部を樹脂モールドする構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができる。
【0014】
さらに、樹脂フィルムケースシングを行うことによりケーシングが容易にそして、低コストで出来る。
【0015】
また、さらにフィルムケーシングの上に樹脂モールドを行うことにより、薄型、小型になっても、強度、耐久性を確保することが可能となる効果がある。
【0016】
また、上記のモールドを行うことにより、湿度等の進入を防ぐシールド性を上げることができより品質の高い部品を作る事が出来る。
【0017】
また、上記のモールドにより、シールド性が上がり、自己復帰型保護素子の接点腐食を防ぐことが出来、より長寿命とすることが出来る。
【0018】
また、上記モールドにより、この自己復帰型保護素子への外部応力に保護素子内の可動電極が動くスペースを確保する耐久性が高くなり、保護素子自体を回路形成後に回路全体でモールドすることが出来易くなる。
【0019】
また、上記モールドにより、この保護素子をモバイル製品に使用した場合の耐震性も向上することが出来る。
【0020】
また、上記モールドにより、フィルムケースだけの時より部品使用環境又は、取り付け時の耐熱性を上げることが出来る。
【0021】
また、上記のフィルムケースと樹脂モールドの効果はインサート成形のケースにより実現可能だが、この工法より安価にできる効果がある。
【0022】
以上の効果により、電子機器の小型化、高信頼性、高寿命化を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の請求項1に記載の発明は、基板と基板の上に設けられた相互に対向面が離隔し
ている一対のリード端子と、一対のリード端子に接続され、離合接点を有する可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極を覆うカバーを有し、カバー全体をモールドすることを特徴とする自己復帰型素子であって、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができ、ケーシングが容易で、低コストでありながら、薄型、小型になっても、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0024】
本発明の請求項2に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子に接続され、離合接点を有する可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極と、温度維持部品を覆うカバーを有し、カバー全体をモールドすることを特徴とする自己復帰型素子であって、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができ、温度維持部品がリード端子間に配置されて基板から可動電極、カバーを積層して構成することで、温度が十分に低下するまで電流導通の再開を行わせないことができる。また、ケーシングが容易で、低コストでありながら、薄型、小型になっても、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、基板と、対向面が相互に離隔した一対のリード端子と、基板と一対のリード端子の間に設けられ、一対のリード端子のそれぞれと接続される温度維持部品と、一対のリード端子の一方に接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーとを有し、カバー全体をモールドすることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができ、温度維持部品がリード端子間に配置されて基板から可動電極、カバーを積層して構成することで、温度が十分に低下するまで電流導通の再開を行わせないことができる。また、ケーシングが容易で、低コストでありながら、薄型、小型になっても、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0026】
本発明の請求項4に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、一対のリード端子と基板との間であって温度維持部品の周囲に設けられた第一中間補強材、もしくは一対のリード端子に設けられた第二中間補強材の少なくとも一方と、一対のリード端子の少なくとも一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーとを有し、カバー全体をモールドすることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができ
、温度維持部品がリード端子間に配置されて基板から可動電極、カバーを積層して構成することで、温度が十分に低下するまで電流導通の再開を行わせないことができる。また、ケーシングが容易で、低コストでありながら、薄型、小型になっても、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0027】
本発明の請求項5に記載の発明は、モールド材が、エポキシ樹脂等の熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0028】
本発明の請求項6記載の発明は、モールド材が、PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の熱可塑性樹脂または液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0029】
本発明の請求項7に記載の発明は、カバーが、PEN等の熱可塑性樹脂フィルムで、基板、及び上カバー基板、の2層又は、基板、中間フィルム及び上カバーの3層など、2層以上のフィルムを使用することで形成されることを特徴とする請求項1〜6いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、ケーシングが容易で、低コストにすることが可能となる。
【0030】
本発明の請求項8記載の発明は、基板が、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極を含む長さと、これらより、広い幅を持ち、モールド時にモールド材料をその上部に形成する事を特徴とする請求項1〜6いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、樹脂モールド時に底となり、モールド材を受けることが出来、モールドを簡便にすることが可能となる。
【0031】
本発明の請求項9記載の発明は、モールド時にモールド材が、カバーの全体を覆うことを特徴とする請求項1〜8いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能となる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、本発明の自己復帰型素子の高品質化が図れる。
【0032】
本発明の請求項10記載の発明は、一対のリード端子、もしくは可動電極の少なくとも一部に、可動電極とリード端子の離合部分における接触力を向上させる圧接強化部が設けられたことを特徴とする請求項1〜9いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、外部応力に強く、シールド性が高い自己復帰型保護素子でありながら、振動やチャタリグにも強くなり、より高品質になる。
【0033】
本発明の請求項11記載の発明は、一対のリード端子が、カバーと接続される部分およ
び可動電極が接続される部分において、他の部分よりも狭幅である狭幅部を有していることを特徴とする請求項1〜10いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、外部応力に強く、シールド性が高い自己復帰型保護素子でありながら、小型化が可能となる。
【0034】
本発明の請求項12記載の発明は、モールド材が、基板の底面よりも、カバーの上面において厚みを有していることを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって上面方向からの外部応力に対して強度が強くかつ、自己復帰型保護素子全体の厚みを薄くすることが可能になる。
【0035】
本発明の請求項13記載の発明は、基板を設置するステップと、基板の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、リード端子の一方に可動電極の一部を接合するステップと、リード端子の一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーが形成されるステップと、カバーをモールドするステップとを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法であって、ケーシングを容易で、低コストにしながら外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能な薄型の自己復帰型保護素子を製造することができる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、高品質化の薄型の自己復帰型保護素子を製造することができる。
【0036】
本発明の請求項14記載の発明は、基板を設置するステップと、基板の上に温度維持部品を接着するステップと、温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、リード端子の一方に可動電極の一部を接合するステップと、リード端子の一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーが形成されるステップと、カバーをモールドするステップとを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法であって、ケーシングを容易で、低コストにしながら外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能な薄型の自己復帰型保護素子を製造することができる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、高品質化の薄型の自己復帰型保護素子を製造することができる。
【0037】
本発明の請求項15記載の発明は、基板を設置するステップと、基板の上に温度維持部品を接着するステップと、温度維持部品の周囲に第一補強材を接着するステップと、温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、第一補強材とリード端子の上に設けられる第二補強材とを相互溶着するステップと、リード端子の一方に可動電極を接合するステップと、第二補強材と溶着され、可動電極と温度維持部品とリード端子の一部を覆うカバーが形成されるステップと、カバーをモールドするステップとを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法であって、ケーシングを容易で、低コストにしながら外部からこの自己復帰型素子に応力または振動などが加わっても可動電極が動作する空間を確保することが出来るケース強度、耐久性を確保することが可能な薄型の自己復帰型保護素子を製造することができる。また、モールドをすることで、フィルムケーシングの隙間を埋め補強することが出来、シールド性も向上し腐食性ガスなどの侵入も防ぐ機能が高くなり、高品質化の薄型の自己復帰型保護素子を製造することができる。
【0038】
本発明の請求項16記載の発明は、電池と、電池を収納する本体と、本体から導出され電池と電気的に接合された配線と、配線間に設けられしかも本体に接触するよう設けられた自己復帰型保護素子とを備え、自己復帰型保護素子として請求項1〜13いずれか1記載の自己復帰型保護素子を用いたことを特徴とするパック電池であって、異常発熱時には
、電流導通を遮断して、機器の保護を実現することができる。
【0039】
本発明の請求項17に記載の発明は、請求項1〜13いずれか1記載の自己復帰型保護素子と、電源回路と、処理回路と、制御回路を有することを特徴とする電子機器であって、異常温度時においても、損傷を防止することのできる電子機器を実現することができる。
【0040】
なお、本明細書での自己復帰型保護素子は、バイメタルスイッチや、温度スイッチ、温度センサなどとして用いられるものである。
【0041】
また、本明細書での可動電極は温度膨張係数の異なる複数の金属層からなるバイメタルが用いられることが多いが、これ以外であってもよく、バイメタルは2層構造、3層構造、これ以上の層構造を有するものであってもよい。本明細書では可動電極として説明されているが、これの具体例としてバイメタル片が用いられることが多い。
【0042】
また、可動電極の可動とは、可動電極の一端が固定接続されている場合に、他端が基本的の上下に動いて、その先端部がリード端子表面、あるいはリード端子に設けられた接点電極と接触したり、非接触となったりする離合を行う動作を主にいう。また、もちろん横方向に動作して接触、非接触となる離合を行うものであってもよい。
【0043】
また、温度維持部品とは、一定の時間その温度を維持する部品をいい、特に高温となった場合に、その高温状態を一定時間維持する役割を有するものを言う。特に、低温時には抵抗値が低く、高温時には抵抗が高くなって、その高温状態を維持するPositive
Temperature Coefficient thermister(以下「PTC」という)が用いられることが多く、本明細書では温度維持部品としての一例としてPTCが説明される。
【0044】
また、モールド材は、熱可塑性の樹脂や、熱硬化性の樹脂でカバーに用いる樹脂フィルムより硬度の高い材質であればどのモールド樹脂を使用してもよい。
【0045】
以下、図面を用いて説明する。
【0046】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図、図2は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図、図3は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子内部の斜視図、図6は本発明の実施の形態1、2における可動電極の側断面図である。
【0047】
1は自己復帰型保護素子、2は基板、4はリード端子、5は接続面、6は可動電極、6bは離合接点、7は固定接続部、8は接点電極、9は第二補強材、10はカバー、12は内部層、13は電極、14は外層、15は内層、16は中間層、17はモールド材である。
【0048】
最初に、各部の詳細について説明する。
【0049】
まず、基板2について説明する。基板2などは図1〜図3に示されている。
【0050】
基板2は、自己復帰型保護素子1の底面に位置して配置され、素子全体の形態の確保と強度の確保が実現される。基板2としてアルミナなどのセラミック板が使用されることもあるが、十分な強度を有するものであれば、PET(ポリエチレンテレフタレート)もし
くはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
【0051】
また、基体2は方形板状のみでなく、円形状、楕円形状、三角形状、五角形以上の多角形状の板状体を用いても良い。
【0052】
次にリード端子4について説明する。
【0053】
リード端子4は、電気伝導性の有る材料から形成され、特に金属が好ましく、具体的には、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、金、銀、スズから選ばれる少なくとも一つの単体材料もしくはそれら金属材料の合金、或いは前述の材料グループから選ばれる少なくとも一つの単体もしくは合金に材料グループ以外の元素を含有させた金属材料等が使用できる。
【0054】
また、全表面又は一部表面に単層あるいは多層のめっき又はクラッド処理が施されることで導電性や耐久性の向上などを高めることも好適である。
【0055】
また、リード端子4は相互に対向しているが、その対向距離があまりに狭いと、可動電極6の先端がリード端子4と非接触となることで非導通となった場合であっても、リード端子4同士で導通してしまう可能性があり、回路の保護に不適切となる。このため、リード端子4の対向距離は一定以上あることが好ましい。
【0056】
接続面5は可動電極6の一端を固定接続するための部分であり、リード端子4の一方の先端部分に設けられる。固定接続の接続強度を確保するために、表面があらされていることが好ましく、半田や金属ペーストなどで接続されて、リード端子4と可動電極6との間が高抵抗とならないように、十分な面積を確保しておくことが好ましい。
【0057】
次に、可動電極6について説明する。
【0058】
可動電極6は、温度によって反り返るなどして、その固定接続部7と反対側の先端が、リード端子4と接触したり非接触となったりするスイッチの役割を有する部材である。
【0059】
可動電極6は、通常バイメタルと呼ばれる温度膨張係数の異なる多層の金属から形成される。たとえば、リード端子と対向する内層15には、温度膨張係数の高い金属で層が形成され、外層14には温度膨張係数の低い金属で層が形成される。また、強度確保や可動動作の機敏性を高めるために、内層と外層の間にさらに別の中間層16を形成することも好適である。内部に存在する中間層16は2層以上であってもよい。また、温度膨張係数が、内層15よりも低いが、外層14よりも高い金属を用いて、反り返りと復帰の動作をより機敏にすることも好適である。
【0060】
可動電極6の材料としては、一般的に、高膨張側はMn―Ni−Co系合金材料が用いられ、低膨張側はFe−Ni系のインバー合金材料が用いられることが多く、もちろん、これら以外の材料であっても良いものである。
【0061】
また、可動電極の他の材料としては、形状記憶(合金、樹脂)材料も好適に用いられるものである。
【0062】
図6に可動電極の即断面図が示されている。図6にあるように、可動電極6を屈曲させ
ることで、ばね性などの弾性を持たせて、先端がリード端子4と接触する際の圧接力を高めることも好適である。これにより、余分なばね材料やばね部品を用いる必要がなく、小型化、低コスト化に貢献するものである。
【0063】
また、可動電極6が接続される部分において、角部に切り取りが設けられておくことで、接続処理などの部材の位置確保が容易となるメリットがある。たとえば、切り取られた角部に電気プローブを当ててリード端子4と可動電極6とに電流を流して温度を上昇させて、リード端子4と可動電極6の間に挟まれた接続溶融体を溶融させて接続を容易に実現することができる。これは、素子の小型化が進むにつれ、効果的な手法である。
【0064】
次に、固定接続部7について説明する。
【0065】
固定接続部7はリード端子4の一方と、可動電極6の一方を固定的に接続する部位であり、可動電極6の一端がリード端子4に確実に固定されてリード端子4と可動電極6の電気導通が確実になる。接続には半田付けや金属ペーストによるものでもよく、上述のように、あらかじめ可動電極6と固定接続部7の間に溶着用金属を挟んでおいて、リード端子4に電流プローブを当てて電流を流して発熱させて溶着用金属を溶融させて、リード端子4と可動電極6とを接続させる。
【0066】
このとき、可動電極6の四隅に切り落としをつけることで、リード端子4に電流プローブを当てるスペースを確保して、確実に溶着を行うことに加えて、フィルムなどで形成される中間補強材の溶着時の電流プローブ設置スペースの確保が兼用されている。
【0067】
次に、接点電極8について説明する。
【0068】
接点電極8は可動電極6の先端につけられてもよく、リード端子4の可動電極6の可動側の先端と接する部分につけられてもよく、その両方につけられてもよい。接点電極8は半球形などの凸部により形成されることが多く、その表面は金属層が形成され、めっきなどが施される。また、接触と非接触を繰り返しに対応するため、接点電極8やこれに接触する可動電極6やリード端子4の接触部分のめっき層の多層化や、厚みを増すなども好適である。また接点電極8が、図2のように凸部として形成されていなくてもよく、可動電極6とリード端子4がその先端で接触するだけでもよいが、凸部からなる接点電極8が存在することで、可動電極6とリード端子4の確実な接触が可能となって、低抵抗の導通が可能となる。
【0069】
また、接点電極8の厚みは、可動電極6のリード端子4から遠ざかる上下方向の可動領域を妨げない程度の厚みとすることが好ましく、接触する表面積を十分に確保することで、接触時の電気抵抗を下げることが好ましい。
【0070】
また、接点電極8の耐久性をさらに高めるために可動電極6やリード端子4に用いられる金属よりも硬度の硬い金属を用いることも好適である。また、可動電極6側のみに接点電極8が形成される場合には、リード端子4のこれと接触する位置のめっき厚や金属厚を厚くし、逆に、リード端子4側のみに接点電極8が形成される場合には、可動電極6のこれと接触する部位のめっき厚や金属厚を厚くすることも好適である。
【0071】
なお、図3などでは、可動電極6の一方がリード端子4の一方に固定的に接続され、他方がリード端子4と離合可能な構成が表されている。
【0072】
次に、カバー10について説明する。
【0073】
図1、図2にはカバー10により覆われている場合があらわされている。
【0074】
カバー10は自己復帰型保護素子1のほぼ全体を覆うものであり、素子としての形状、耐久性を確保するために用いられる。カバー10は可動電極6とリード端子4の一部を少なくとも覆うものであり、これに伴い接点電極8や固定接続部7なども覆われるものである。
【0075】
カバー10は少なくとも可動電極6が動作する可動領域を確保できることが好ましい。また、モールド材17をカバー10上に施すときに可動電極の可動領域を確保する強度が必要である。可動領域がなくなると、可動電極6が上方に反り返って非接触となる動作が困難となるので、一定の形状を確保できる強度を有していることが好ましい。たとえばカバー10の周囲側面に面取り(R)を設けて強度向上を実現し、あるいは折り曲げとなる部分の厚みを他の部分より厚くし、あるいは面取りを設けて強度向上を図ることも好適である。
【0076】
また、カバー10は基板2とリード端子4の外周において溶着接続されて、カバー10による素子を覆うことが実現され、且つモールド時にモールド材17を可動電極6の可動領域に入り込ませない。
【0077】
次にモールド材17について説明する。
【0078】
自己復帰型保護素子1のモールドは自己復帰型保護素子1自体に使用時、または実装時に外圧がかかる、または温度が上昇すると同時に外力が掛かる場合に、可動電極6の動く空間を確保する為に行うもので、ケース全体をモールドしても、部分的にモールドしても目的を達すれば問題ない。
【0079】
ここで使用されるモールド材料は、常温で作業できる、1液又は2液タイプのエポキシ樹脂や約150℃程度で作業できるナイロン系樹脂など、塗布時は液体で硬化させることで高度が増す樹脂を使用することが出来る。
【0080】
このような樹脂を使用することで、モールドし易いというメリットがある。また、付着する材料だけですむ為、材料使用効率が良く、安価に出来る。
【0081】
前述したモールドの効果を達成すればよいので、目的に応じて、アルミナなどのセラミック板やアルミなどの金属板を接着剤を利用してケース全体又は、一部に貼り付けても良い。
【0082】
自己復帰型保護素子1をモールドすることでケース強度が上がり、耐震性、耐熱性を向上させることが出来る。
【0083】
モールド方法は、あらじめ、作製した型に自己復帰型保護素子1のモールドする部分を入れ、その型と自己復帰型保護素子1の隙間に、モールド樹脂を流した後、樹脂に適切な条件(温度、時間)で硬化させる方法や、液体状の樹脂を刷毛で、塗布しその後適度な硬化条件で硬化させる方法、粉末状の樹脂を振掛け塗布後に硬化させる、または耐熱性、抗折強度の高い樹脂のシールをケース上に貼り付けるなどのさまざまな形成可能な方法でケース上に耐熱強度の高い樹脂材料をモールドする。
【0084】
このことで、自己復帰型保護素子1の耐熱性、強度を高めることが出来る。また、底面、正面の平面度を確保することで、実装性を高めることが出来る。
【0085】
図1、図2にはモールド材17により覆われている場合があらわされている。
【0086】
モールド材17は自己復帰型保護素子1のリード端子4の一部以外ほぼ全体または、リード端子4の一部以外と基板2の底面部以外ほぼ全体を覆うものであり、素子としての形状、耐久性を確保するために用いられる。
【0087】
モールド材17の材質としてはエポキシ樹脂、フエノール樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂でも、PPS(ポリフェニレンサルファイト)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)もしくは液晶ポリマーと呼ばれる樹脂などを主成分とする熱可塑性樹脂でもよい。
【0088】
また、カーボンファイバーやグラスファイバーなどの繊維状のものを上記樹脂の中にフィラーとして入れ、強度を増すことも効果的である。
【0089】
次に補強材について説明する。
【0090】
第二補強材9は、カバー10とリード端子4の接合強度を向上させるために用いられる。
【0091】
第二補強材9とリード端子4の外周において相互に溶着させることで、リード端子4を挟み込む力が強くなり、これにカバー10を加えて薄型でありながら十分な強度確保ができる素子を実現することができる。
【0092】
次に第二補強材9は図1、図2などに示されるように、リード端子4の上であって、固定接続部7や接点電極8よりも外側の位置において形成される。第二補強材9はカバー10により形成される内部空間の空間確保と強度確保を実現する。
【0093】
また、第二補強材9は図1、図2では基板2およびカバー10を相互接続するための溶着の仲介部としても用いられることで、基板2とカバー10を基本として構成される本体と可動電極6の可動領域が確保される空間が構成される。
【0094】
特に、カバー10が樹脂フィルムなどで形成される場合には、金属であるリード端子4とを直接溶着させることができないため、中間層としての第二補強材9を活用することが効果的であるメリットもある。
【0095】
ここで、基板2と同様に、カバー10、第二補強材9はそれぞれ、あるいは少なくとも一部がPET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
【0096】
また、ポリイミドも好適に用いられる。これは基板2、第二補強材9、カバー10のいずれでも同様である。
【0097】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の側面図、図5は本発明の実施の形態2におけるPTCの斜視図である。
【0098】
1は自己復帰型保護素子、2は基板、3は温度維持部品、4はリード端子、5は接続面
、6は可動電極、7は固定接続部、8は接点電極、9は第二補強材、10はカバー、11は第一補強材、12は内部層、13は電極、14は外層、15は内層、16は中間層、モールド材である。
【0099】
ここで、3の温度維持部品、11の第一補強材以外は実施形態1で説明したものと同等である。
【0100】
そこで、まず温度維持部品3について説明する。
【0101】
図4には温度維持部品3を使用した自己復帰型保護素子1の側面図があらわされている。
【0102】
温度維持部品3は、自己復帰型保護素子1の自己保持機能を素子に付加する為に用いられる。
【0103】
自己保持機能とは可動電極6が発熱により反り返り、接点電極8がリード端子4と離れると、電流はリード端子4から温度維持部品3に流れるようになり、温度維持部品3は発熱する。ここで温度維持部品3は、抵抗が急激に高くなって電流が流れなくなるキュリー点が100℃前後にあるため、それ以上には温度があがらず、温度が維持される。さらに、この温度では温度維持部品3はキュリー点の作用により電流が流れず、リード端子4同士の間での電流の導通が起こらず、電流が遮断されたままである。この維持された温度が可動電極6にも伝導されるため、可動電極6もしばらくは反り返って接点電極8がリード端子4と離れた状態が維持されて通常の電流が遮断された状態が継続される機能をいう。
【0104】
温度維持部品3は、他のリード端子4や可動電極6などのような金属に比較して、通常時にはその抵抗がやや高く、通常状態においては大半の電流がリード端子4から可動電極6を通じてもう一方のリード端子4に流れる。この状態においては、温度維持部品3にはほとんど電流が流れず、発熱もほとんど起こらない。
【0105】
ここで、温度維持部品3としては、いわゆる「Positive Temperature Coefficient thermister」(以下「PTC]という)が用いられることが多く、PTCを任意の形状に形成したものが、基板2の上に配置される。
【0106】
また、温度維持部品3とリード端子4の接続においては、半田や金属ペーストによる接続のほかに、作業時の破壊や損傷防止のために、いわゆる密着させることで電気伝導される圧着や圧接が用いられることも好適である。
【0107】
次に補強材について説明する。
【0108】
第一補強材11と第二補強材9は、必要に応じて設けられる。
【0109】
第一補強材11は図4に示されるように、基板2とリード端子4との間に設けられ、温度維持部品3の配置空間を形成しつつ、その周囲の強度を確保するために用いられる。図2に示されるように、リード端子4の途中部分を折り曲げることで、その折り曲げられた空間に温度維持部品3を配置する空間を設ける場合には、基板2とリード端子4が直接接するので、温度維持部品3の配置空間の確保は不要である。しかしこのような場合であっても強度を向上させるために、第一補強材11が用いられることも好適である。
【0110】
また、図4に示されるような場合には、温度維持部品3の配置空間確保に加えて、リード端子4と基板2との間に非充填空間が発生すると、リード端子4と温度維持部品3との
接続の耐久性が弱くなるなどの問題も発生するため、これを防止して強度向上させるための補強材としても好適に用いられる。
【0111】
さらに、第一補強材11と第二補強材9とをリード端子4の外周において相互に溶着させることで、リード端子4、温度維持部品3を挟み込む力が強くなり、これにカバー10を加えて薄型でありながら十分な強度確保ができる素子を実現することができる。
【0112】
次に第二補強材9は図1、図2、図4または第一補強材11、などに示されるように、リード端子4の上であって、固定接続部7や接点電極8よりも外側の位置において形成される。第二補強材9はカバー10により形成される内部空間の空間確保と強度確保を実現する。
【0113】
また、第二補強材9は図2では基板2およびカバー10、図4では第一補強材11およびカバー10、基板2とを相互接続するための溶着の仲介部としても用いられることで、基板2とカバー10を基本として構成される本体と可動電極6の可動領域が確保される空間が構成される。
【0114】
特に、カバー10が樹脂フィルムなどで形成される場合には、金属であるリード端子4とを直接溶着させることができないため、中間層としての第二補強材9を活用することが効果的であるメリットもある。
【0115】
ここで、基板2と同様に、カバー10、第一補強材11、第二補強材9はそれぞれ、あるいは少なくとも一部がPET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
【0116】
また、ポリイミドも好適に用いられる。これは基板2、第一補強材11、第二補強材9、カバー10のいずれでも同様である。
【0117】
(実施の形態3)
実施の形態3において、本発明の自己復帰型保護素子の製造工程について説明する。
【0118】
図7〜図15は本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図である。それぞれ、製造工程における順序に図面番号が従っている。なお、これは製造工程の一例であり、もちろん、これ以外の工程で製造されてもよいものである。
【0119】
20は貫通孔、21はドーム、22は接点薄膜面、23はフィルム溶着部、24は内部空間、25は溶着物、26はカバー部材である。
【0120】
基板フィルムは、実施の形態1で説明したように、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーなどで形成される。あるいはセラミックや絶縁処理が施された金属板で形成されてもよい。
【0121】
図8には可動電極6が示されており、熱膨張係数の異なる多層金属から形成されるバイメタル片などである。ドーム21はドーム形状に湾曲した部分であり、これにより、先端の接点電極8がリード端子4に対して接触する際にばね性、弾性力を持たせることで、圧
接力を向上させることができる。
【0122】
図9にはリード端子4が基板2に接続された状態が示されている。また、図示されていないが、リード端子4と基板2の間には第一補強材11が形成されていてもよい。
【0123】
リード端子4上には第二補強材9を接続するフィルム溶着部23が形成され、さらに可動電極6の先端が接触する部位には接点薄膜面22が形成されている。接点薄膜面22は導通製のよい低抵抗で、かつ耐久性と耐衝撃性のよい金属膜やめっきにより実現される。
【0124】
図10には可動電極6がリード端子4に固定接続部7を用いて接続された状態が示されている。可動電極6の根元は、リード端子4と固定接続部7により固定接続され、先端(必要に応じて接点電極8が設けられている)は対向するもう一方のリード端子4上の接点薄膜面22と接触する。このときドーム21のもつ弾性力により、接点での接圧が高くなる。
【0125】
図11には、第二補強材9が示されており内部空間24となる部分が切り抜かれたフィルムであって、その形状、大きさが素子本体に合わせた形状で構成されている。材質としては、PENなど基板2と同様のものが用いられる。
【0126】
図12には第二補強材9が基板2やリード端子4と接続された状態が示されている。第二補強材9のもつ開口部が、可動電極6やこれに接続される固定接続部7、接点薄膜面22が存在する内部空間24として確保される。第二補強材9はフィルム溶着部23とあわせられて溶着され、さらに基板2とも溶着される。このとき貫通孔20をあわせることで、位置ずれなどなく製造することができる。
【0127】
図13には第二補強材9が溶着された状態が示されている。溶着物25は超音波溶着などにより溶着された結果、溶着物25がはみ出した状態であり、この溶着物25が十分な量を有していることで、内部空間の封止が十分に確保される。このため、この溶着物25の溶着物25の適正量を十分に確認しつつ、溶着を実行することが好ましいものである。溶着が不十分であると、外部との密封性が不十分となり、熱の漏れや水分や酸素の本体内部への混入による接点電極8や可動電極6の腐食などが発生する可能性がある。耐久性の高い自己復帰型保護素子1とするために、十分に溶着を確保する必要がある。
【0128】
図14には、カバー10を形成するカバー部材26が示されている。カバー10は盛り上がりを有した形態をしており、基板2などと同じくPENなどにより形成される。
【0129】
カバー10はその角部に面取りが施されたり、Rを設けたりすることで、その強度を向上させることが好適である。またカバー10の大きさは、図12に示された第二補強材9に設けられた開口部、すなわち可動電極6などの格納される本体部をすっかり覆う大きさのものであればよい。このため、カバー10は可動電極6、接点電極8、リード端子4の一部、温度維持部品3を覆うものとなる。
【0130】
図15には、カバー部材26が第二補強材9の上に溶着されて、素子にカバー10がかぶせられた状態が示されている。溶着においては、第二補強材9と基板2との間での接続に用いたのと同じように超音波溶着などが用いられる。溶着において溶着物25が生じ、これにより十分な封止が実現されるので、内部空間24に存在する可動電極6などの腐食や劣化を防止するためには、十分な溶着物25による溶着が実現されているかを確認することが好ましい。
【0131】
図16には本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図が表されて
いる。
【0132】
図17には本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図を示されている。
【0133】
モールド方法は、あらじめ、作製したモールド型に余分な部分を切り取った自己復帰型保護素子のモールドする部分を入れ、その型と自己復帰型保護素子の隙間に、モールド樹脂を流した後、樹脂に適切な条件(温度、時間)で硬化させる方法や、液体状の樹脂を刷毛で、塗布しその後適度な硬化条件で硬化させる方法、粉末状の樹脂を振掛け塗布後に硬化させる、または耐熱性、抗折強度の高い樹脂のシールをケース上に貼り付けるなどのさまざまな形成可能な方法でケース上に耐熱強度の高い樹脂材料をモールドする。
【0134】
このことで、自己復帰型保護素子の耐熱性、強度を高めることが出来る。または、底面、正面の平面度を確保することで、実装性を高めることが出来る。
【0135】
これは、自己復帰型保護素子の強度、耐久性を向上させる目的で施しているため、カバー部分だけのモールドでも目的を達成する場合が十分考えられる。
【0136】
また、温度維持部品を装着する場合は、図18に示すようにベースフィルム上に温度維持部品3装着して、図8以降の工程を行えばよい。
【0137】
以上のような工程で、最終的に製造される自己復帰型保護素子1は非常に小型、薄型で、容易に作製することが出来、強度、耐久性に優れたものとすることができる。
【0138】
従来のように、絶縁性ケースや樹脂ケースに、可動電極などを格納して、銅線などのリード線を引き出す構成では、製造工程での歩留まりも悪く、さらに大型になってしまうデメリットがあったが、実施の形態2の構成と製造工程であれば、基板とカバー同士の溶着時の位置ずれもなく、歩留まり高く薄型でなおかつ強度、耐久性に優れた自己復帰型保護素子が実現されるものである。
【0139】
(実施の形態4)
実施の形態4においては、自己復帰型保護素子1を携帯端末などに用いられるパック電池に装着された状態が示されている。
【0140】
なお、パック電池以外の電池や電源回路、基板回路に用いられてもよく、携帯端末だけでなく、照明機器や発熱機器などのさまざまな電子機器に用いられてもよいものである。
【0141】
図21は本発明の実施の形態4におけるパック電池の斜視図である。パック電池に実施の形態1、2で説明した自己復帰型保護素子が装着されている。
【0142】
31はパック電池、32は電池、33は本体、34、38は配線、35、37はリード端子、36は自己復帰型保護素子である。
【0143】
自己復帰型保護素子は実施の形態1、2で説明した自己復帰型保護素子であり、以上発熱からの保護素子として用いられている。自己復帰型保護素子36は基体の上に一対のリード端子35、37が接着され、電池32の配線34、38とそれぞれ接続されている。自己復帰型保護素子36は電池32のプラス、もしくはマイナスのいずれかの電極のみから導出された配線の途中に置かれた状態で接続されているもので、途中に自己復帰型保護素子36により、その配線が34と38に分かれている上体である。配線34もしくは38はそのまま外部に導出されて他の電子部品に接続される。また、これと別個に(図示せ
ず)プラス、もしくはマイナスの別の極からの配線が電池32から導出されて、他の電子部品に接続されて給電される。
【0144】
ここで、パック電池31に異常発熱が発生した場合には、実施の形態1で説明したとおり、可動電極6とリード端子と非接触となり、電流導通が遮断される。さらには温度維持部品3の温度が上昇し、この維持された温度により可動電極6がそのまま非接触の状態を維持する。これにより電流遮断状態がさらに一定期間維持される。これにより電子部品への給電が一時停止状態となって、回路や機器が異常電流や異常発熱から保護される。
【0145】
このとき、温度維持部品3の働きにより、可動電極6の非接触が一定時間は維持されて、少なくとも異常電流がなくなるまでは非接触状態が維持されるので、即座に可動電極6が接触状態に復帰して、電流供給が再開されることでの回路や機器への悪影響回避が十分に確保される。
【0146】
さらに、異常電流が消滅して、温度維持部品3の温度が低下することで、可動電極6が再び接触状態となり、可動電極6を経由した電流導通が再開されて、電池32からの回路への給電が再開される。
【0147】
これにより、溶断することで電流が遮断される温度ヒューズなどと異なり、素子の交換無に動作状態へ安全に復帰させることができる。
【0148】
このため、携帯端末やノートブックパソコンなど、命令処理実行中であっても、これを再開することができるので、それまでのユーザーの処理が無駄とならず、記憶されたデータを失うこともないので非常にユーザーフレンドリーであるメリットがある。
【0149】
このため、異常電流や異常発熱から機器を守りつつ、ユーザーへの余分な負担を減じさせたい電子機器のパック電池、電池、電源回路、その他の回路に最適に用いることが可能である。
【0150】
なお、パック電池以外であっても、電源回路、電源装置、発電装置、発熱機器、二次電池系電池、燃料電池などの電源周辺の部品、機器、装置をはじめ、ノートブックパソコン、携帯電話、携帯端末、カーナビゲーションシステムなどの車載電子機器、ビデオデッキやDVD機器などの種々の機器に幅広く適用されるものである。
【0151】
また、本発明に係わる自己復帰型保護素子の薄型、小型化が実現されていることにより、携帯型の機器などをはじめとした、小型、薄型、軽量化が求められる電子機器の温度上昇に対する保護素子として、効果的に用いられるものである。
【0152】
(実施の形態5)
実施の形態5においては、実施の形態1において使用した自己復帰型保護素子1に接点のチャタリングを防止するために、図19に側断面を示すような可動電極6を接合するリード端子4などに圧接強化部39を設けた自己復帰型保護素子を使用したり、また、図20に平面図を示すような自己復帰型保護素子を小型化するためにリード端子の狭幅部40を設けた自己復帰型保護素子を使用してカバー10の表面をモールドしても、実施の形態1、2に示す同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、基板と、対向面が相互に離隔した一対のリード端子と、基板と一対のリード端子の間に設けられ、一対のリード端子の一方に接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバ
ーとそのカバーと基板の部分をモールド材でモールドする構成により、薄型、小型でありながら、素子強度および耐久性が高く、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができる必要な用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図
【図3】本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子内部の斜視図
【図4】本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の側面図
【図5】本発明の実施の形態2におけるPTCの斜視図
【図6】本発明の実施の形態1、2における可動電極の側断面図
【図7】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図8】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図9】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図10】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図11】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図12】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図13】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図14】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図15】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図16】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図17】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図18】本発明の実施の形態3における自己復帰型保護素子の製造工程図
【図19】本発明の実施の形態5における自己復帰型保護素子の側断面図
【図20】本発明の実施の形態5における自己復帰型保護素子の平面図
【図21】本発明の実施の形態4におけるパック電池の斜視図
【図22】従来の自己復帰型保護素子の側面図
【符号の説明】
【0155】
1 自己復帰型保護素子
2 基板
3 温度維持部品
4 リード端子
5 接続面
6 可動電極
6b 離合接点
7 固定接続部
8 接点電極
9 第二補強材
10 カバー
11 第一補強材
12 内部層
13 電極
14 外層
15 内層
16 中間層
17 モールド材
20 貫通孔
21 ドーム
22 接点薄膜面
23 フィルム溶着部
24 内部空間
25 溶着物
26 カバー部材
31 パック電池
32 電池
33 本体
34、38 配線
35、37 リード端子
36 自己復帰型保護素子
39 圧接強化部
40 リード端子の狭幅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に設けられた相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、
前記一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、
前記一対のリード端子の少なくとも一部と、前記可動電極を覆うカバーを有し、
前記カバーの外装をモールドすることを特徴とする自己復帰型保護素子。
【請求項2】
基板と、
前記基板の上に設けられた温度維持部品と、
前記温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、
前記一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、
前記一対のリード端子の少なくとも一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーとを有し、
前記カバーの外装をモールドするモールド材を有することを特徴とする自己復帰型保護素子。
【請求項3】
基板と、
対向面が相互に離隔した一対のリード端子と、
前記基板と前記一対のリード端子の間に設けられ、前記一対のリード端子のそれぞれと接続される温度維持部品と、
前記一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、
前記一対のリード端子の少なくとも一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーとを有し、
前記カバーの外装をモールドするモールド材を有することを特徴とする自己復帰型保護素子。
【請求項4】
基板と、
前記基板の上に設けられた温度維持部品と、
前記温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、
前記一対のリード端子の一方に接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、
前記一対のリード端子と前記基板との間であって前記温度維持部品の周囲に設けられた第一中間補強材、もしくは前記一対のリード端子に設けられた第二中間補強材の少なくとも一方と、
前記一対のリード端子の少なくとも一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーとを有し、
前記カバー外装をモールドするモールド材を有することを特徴とする自己復帰型保護素子。
【請求項5】
前記モールド材が、エポキシ樹脂等の熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
【請求項6】
前記モールド材が、PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の熱可塑性樹脂または液晶ポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
【請求項7】
前記カバーが、PEN等の熱可塑性樹脂フィルムで、基板、及び上カバー基板、の2層又は、基板、中間フィルム及び上カバーの3層など、2層以上のフィルムを使用することで形成されることを特徴とする請求項1〜6いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
【請求項8】
前記基板が、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極を含む長さと、これらより、広い幅を持ち、モールド時にモールド材料をその上部に形成する事を特徴とする請求項1〜6いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
【請求項9】
前記モールド材が、前記カバーの全体を覆うことを特徴とする請求項1〜8いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
【請求項10】
前記一対のリード端子、もしくは可動電極の少なくとも一部に、可動電極とリード端子の離合部分における接触力を向上させる圧接強化部が設けられたことを特徴とする請求項1〜9いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
【請求項11】
前記一対のリード端子が、前記カバーと接続される部分および前記可動電極が接続される部分において、他の部分よりも狭幅である狭幅部を有していることを特徴とする請求項1〜10いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
【請求項12】
前記モールド材が、前記基板の底面よりも、前記カバーの上面において厚みを有していることを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
【請求項13】
基板を設置するステップと、
前記基板の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
前記リード端子の一方に可動電極の一部を接合するステップと、
前記リード端子の一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーが形成されるステップと、
前記カバーをモールドするステップを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法。
【請求項14】
基板を設置するステップと、
前記基板の上に温度維持部品を接着するステップと、
前記温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
前記リード端子の一方に可動電極の一部を接合するステップと、
前記リード端子の一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーが形成されるステップと、
前記カバーをモールドするステップを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法。
【請求項15】
基板を設置するステップと、
前記基板の上に温度維持部品を接着するステップと、
前記温度維持部品の周囲に第一補強材を接着するステップと、
前記温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
前記第一補強材と前記リード端子の上に設けられる第二補強材とを相互溶着するステップと、
前記リード端子の一方に可動電極を接合するステップと、
前記第二補強材と溶着され、前記可動電極と前記温度維持部品と前記リード端子の一部を覆うカバーが形成されるステップと、
前記カバーをモールドするステップを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法。
【請求項16】
電池と、前記電池を収納する本体と、前記本体から導出され前記電池と電気的に接合された配線と、前記配線間に設けられしかも前記本体に接触するよう設けられた自己復帰型保護素子とを備え、前記自己復帰型保護素子として請求項1〜13いずれか1記載の自己復帰型保護素子を用いたことを特徴とするパック電池。
【請求項17】
請求項1〜13いずれか1記載の自己復帰型保護素子と、
電源回路と、
処理回路と、
制御回路を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−92988(P2006−92988A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279063(P2004−279063)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】