説明

自律ロボット組立システム

【課題】発生し得る一又は複数の問題を考慮した航空機構造を組立てる方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数の可動式ロボット装置、無線通信システム、及び運動制御システムを備える装置である。複数の可動式ロボット装置は、組立現場において幾つかの位置に移動でき、組立現場で構造物の組立作業を行うことができる。無線通信システムは、組立現場での複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる。運動制御システムは、組立現場における複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成し、位置を通信することが可能であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、物体の製造、具体的には物体を組み立てる自動システムに関するものである。さらに具体的には、本発明は自律ロボット組立システムを使用して、航空機構造を組立てる方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物の組立てには、装置、ツール、人間労働、材料、及び/又は物体を作製するための他の適切な品目の使用を含むことができる。様々な組立ライン技術を用いて、例えば航空機構造等の物体を製造することができる。組立ラインを用いることにより、様々な定置型の装置を組立ラインに沿って位置づけして、部品の追加、穴開け、部品の保持、及び/又は航空機構造の組立中の他の適切な作業を行うことができる。
この種の組立システムでは、各組立ラインを特定の種類の航空機構造用に設計することができる。例えば限定しないが、ある組立ラインを航空機の翼製造用に設計することができると同時に、別の組立ラインを機体製造用に設計することができる。
【0003】
特定の種類の構造物については、装置を床に固定することができる、又は床上、又は床の溝に取り付けられたレールに沿って移動することができる。さらにこの種の組立システムでは、導管、溝、及び/又は他の適切な構造物を使用して電力ケーブル、データ回線、及び/又は他の適切なユティリティをこれらの装置につなげることができる。
この種の組立ラインにより経済的規模において費用を削減することができるが、この種の組立システムは設計と取り付けに高い費用がかかる可能性がある。例えば、組立ラインを、同じサイズの異なる種類の民間航空機の翼構造を組立てるように適合させることができるが、機体を製造するには別々の組立ラインが必要になり得る。この限定的な汎用性のために、異なる種類の航空機構造を組立てるためには、さらなる空間が必要となり得る。
したがって、上述した一又は複数の問題だけでなく、可能性のある他の問題も考慮に入れた方法及び装置を有することが有利である。
【発明の概要】
【0004】
有利な一実施形態では、装置は複数の可動式ロボット装置、無線通信システム、及び運動制御システムを備えることができる。複数の可動式ロボット装置は、組立現場において幾つかの位置へ移動することができてよく、組立現場において構造物の組立作業を行うことが可能であり得る。無線通信システムは、組立現場内で複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる。運動制御システムは、組立現場における複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成可能であってよく、複数の可動式ロボット装置に位置情報を送信することが可能であり得る。
【0005】
別の有利な実施形態では、組立システムは外部可動式ロボット装置と内部可動式ロボット装置を備えることができる。外部可動式ロボット装置は、構造物の外部周囲を移動することが可能であってよく、構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことができてよい。内部可動式ロボット装置は、構造物を組立てるために、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して、幾つかの第2作業を行うことが可能であってもよい。
【0006】
さらに別の有利な実施形態では、航空機組立システムは複数の可動式ロボット装置、幾つかのラック、無線通信システム、運動制御システム、及びコンピュータシステムを含むことができる。複数の可動式ロボット装置は、組立現場において幾つかの位置に移動して、組立現場において航空機構造の組立作業を行うことが可能であり得る。複数の可動式ロボット装置は、内部可動式ロボット装置、外部可動式ロボット装置、柔軟固定具、及びサービス装置のうちの少なくとも一つを備えることができる。外部可動式ロボット装置は、構造物の外部周囲を移動して構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことが可能であり得る。内部可動式ロボット装置は、構造物の内部に幾つかの第2作業を行うことが可能であり得る。内部可動式ロボット装置はまた、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して、幾つかの第2作業を行うことも可能であり得る。幾つかのラックは、複数の可動式ロボット装置のための消耗品を運ぶことが可能であり得る。消耗品は、電源装置、先端部、ツール、及び部品のうちの少なくとも一つを含むことができる。無線通信システムは、組立現場における複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる。無線通信システムは、組立現場に位置する幾つかの無線ポートを含むことができる。複数の可動式ロボット装置の各装置は、幾つかの無線ポートとの通信リンクを確立することができる通信装置を有することができる。運動制御システムは、組立現場における複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成して、この位置情報を複数の可動式ロボット装置に送信可能であり得る。運動制御システムは、複数のセンサと、複数のセンサを使用して複数の可動式ロボット装置の位置を特定することができるコンピュータを含むことができる。複数のセンサは、カメラ、全地球測位システム情報を複数の可動式ロボット装置から受信できる受信機、及び無線自動識別センサ読取器の少なくとも一つから選択される幾つかの種類のセンサを含むことができる。複数のセンサは、複数の可動式ロボット装置のうちの少なくとも一つの装置上と、組立現場において選択された位置に配置することができる。位置情報は、可動式ロボット装置の腕部の位置、可動式ロボット装置の先端部の位置、可動式ロボット装置本体の位置、及び部品の位置の少なくとも一つを含むことができる。コンピュータシステムは、複数の可動式ロボット装置と情報を交換することが可能であり得る。この情報は、指令、データ、可動式ロボット装置の位置、及び複数の可動式ロボット装置のうちの可動式ロボット装置によって実行可能なプログラムのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0007】
さらに別の有利な実施形態では、構造物を組立てる方法を提供することができる。組立現場において幾つかの位置に移動することが可能であってよく、組立現場において構造物の組立作業を行うことが可能であり得る複数の可動式ロボット装置との通信は、無線通信システムを使用して確立することができる。複数の可動式ロボット装置の位置情報は、運動制御システムを使用して特定することができる。情報は複数の可動式ロボット装置へ送ることができる。情報は位置情報を含むことができる。位置情報を使用して構造物を組立てるための作業を行うことができる。
【0008】
さらに別の有利な実施形態では、航空機構造を組立てる方法が提供されている。組立現場において幾つかの位置に移動することができ、組立現場において航空機構造の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置との通信は、無線通信システムを使用して確立することができる。複数の可動式ロボット装置の位置情報は、運動制御システムを使用して特定することができる。情報を複数の可動式ロボット装置へ送ることができる。この情報は、位置情報のうちの少なくとも一つと、幾つかのプログラム及び指令を含む。複数の可動式ロボット装置同士でメッセージの伝達をすることができる。航空機構造の組立作業は、情報とメッセージを使用して行うことができる。
【0009】
本発明は、
組立現場において幾つかの位置に移動することができ、組立現場において構造物の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置と、
組立現場内で複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる無線通信システムと、
組立現場において複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成し、前記位置情報を複数の可動式ロボット装置に送信できる運動制御システム
を備える装置に関するものである。
本装置はさらに、
複数の可動式ロボット装置のための消耗品を運ぶことができる幾つかのラック
を備えることができる。
【0010】
本装置では、複数の可動式ロボット装置が、内部可動式ロボット装置、外部可動式ロボット装置、柔軟固定具、及びサービス装置のうちの少なくとも一つを備えることができる。
本装置では、位置情報は、可動式ロボット装置の腕部の位置、可動式ロボット装置の先端部の位置、可動式ロボット装置の本体の位置、及び部品の位置の少なくとも一つを含むことができる。
【0011】
本装置はさらに、
複数の可動式ロボット装置と情報交換ができるコンピュータシステム
を備えることができる。
本装置では、前記情報は指令、データ、可動式ロボット装置の位置、及び複数の可動式ロボット装置のうちの可動式ロボット装置によって実行可能なプログラムのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0012】
本装置では、消耗品は電源装置、先端部、ツール及び部品のうちの少なくとも一つを含むことができる。
本装置では、無線通信システムが、
組立現場に位置する幾つかの無線ポートを含み、複数の可動式ロボット装置の各装置は、幾つかの無線ポートとの通信リンクを確立することができる通信装置を有する。
【0013】
本装置では、運動制御システムが、
複数のセンサと、
複数のセンサを使用して複数の可動式ロボット装置の位置を特定できるコンピュータ
を備えることができる。
本装置では、複数のセンサが、カメラ、複数の可動式ロボット装置から全地球測位システム情報を受信できる受信機、及び無線自動識別センサ読取器のうちの少なくとも一つから選択される幾つかの種類のセンサを含む。
本装置では、複数のセンサを、複数の可動式ロボット装置のうちの少なくとも一つの装置上と、組立現場において選択された位置に配置することができる。
【0014】
本装置では、複数の可動式ロボット装置が、
構造物の外部周囲を移動することができ、構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことができる外部可動式ロボット装置と、
構造物の内部で幾つかの第2作業を行うことができ、構造物を組立てるために、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して幾つかの第2作業を行うことができる内部可動式ロボット装置
を含むことができる。
【0015】
本装置では、作業は、部品の固定、部品の検査、穴開け、部品の締付け、締結具の取付け、及びシーリング材の塗布のうちの少なくとも一つを含むことができる。
請求項1の装置では、構造物は、航空機、翼、機体、エンジン、タンク、潜水艦の船殻、宇宙船、宇宙ステーション、水上艦、及び自動車のうちの一つから選択される。
【0016】
本発明はまた、
構造物の外部周囲を移動することができ、構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことができる外部可動式ロボット装置と、
構造物の内部で幾つかの第2作業を行うことができ、構造物を組立てるために、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して幾つかの第2作業を行うことができる内部可動式ロボット装置
を備える組立システムにも関する。
この組立システムでは、内部可動式ロボット装置が、幾つかの第2作業を行うために、構造物の内部に移動することが可能であり得る。
この組立システムでは、内部可動式ロボット装置が、幾つかの第2作業を行うために、構造物の内部に幾つかの部材を移動することが可能であり得る。
【0017】
本発明はまた、
組立現場において幾つかの位置に移動することができ、組立現場において航空機構造の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置であって、内部可動式ロボット装置、外部可動式ロボット装置、柔軟固定具、及びサービス装置のうちの少なくとも一つを備え、 外部可動式ロボット装置が、構造物の外部周囲を移動することができ、構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことができ、内部可動式ロボット装置が、構造物の内部で幾つかの第2作業を行うことができ、構造物を組立てるために、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して幾つかの第2作業を行うことができる、複数の可動式ロボット装置と、
複数の可動式ロボット装置のための消耗品を運ぶことができる幾つかのラックであって、消耗品が、電源装置、先端部、ツール、及び部品のうちの少なくとも一つを含む、幾つかのラックと、
組立現場内で複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる無線通信システムであって、組立現場に位置する幾つかの無線ポートを含み、複数の可動式ロボット装置の各装置が、幾つかの無線ポートとの通信リンクを確立することができる通信装置を有する、無線通信システムと、
組立現場において複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成し、前記位置情報を複数の可動式ロボット装置に送信できる運動制御システムであって、複数のセンサと、複数のセンサを使用して複数の可動式ロボット装置の位置を特定できるコンピュータを備え、複数のセンサが、カメラ、複数の可動式ロボット装置から全地球測位システム情報を受信できる受信機、及び無線自動識別センサ読取器のうちの少なくとも一つから選択される幾つかの種類のセンサを含み、前記幾つかのセンサが、複数の可動式ロボット装置のうちの少なくとも一つの装置上と、組立現場において選択された位置に配置されており、位置情報が、可動式ロボット装置の腕部の位置、可動式ロボット装置の先端部の位置、可動式ロボット装置の本体の位置、及び部品の位置の少なくとも一つを含む、運動制御システムと、
コンピュータシステムであって、複数の可動式ロボット装置と情報交換ができ、前記情報が指令、データ、可動式ロボット装置の位置、及び複数の可動式ロボット装置のうちの可動式ロボット装置によって実行可能なプログラムのうちの少なくとも一つを含む、コンピュータシステム
を備える、航空機組立システムにも関する。
【0018】
本発明はまた、構造物を組立てる方法にも関し、この方法は、
組立現場において幾つかの位置に移動でき、無線通信システムを使用して組立現場で構造物の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置との通信を確立し、
運動制御システムを使用して複数の可動式ロボット装置についての位置情報を特定し、
複数の可動式ロボット装置に情報を送り、前記情報が位置情報を含み、
前記位置情報を使用して構造物の組立作業を行うステップ
を含む。
【0019】
本方法では、複数の可動式ロボット装置へ情報を送るステップが、
幾つかのプログラムを複数の可動式ロボット装置に送る
ステップを含むことができる。
本方法では、複数の可動式ロボット装置へ情報を送るステップが、
複数の可動式ロボット装置の幾つかの装置へ位置情報を送るステップ
を含むことができる。
本方法では、情報はさらに、メッセージ、指令、及びプログラムのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0020】
本方法では、位置情報を使用して構造物の組立作業を行うステップが、
複数の可動式ロボット装置同士でメッセージをやり取りし、
メッセージを使用して、構造物の幾つかの組立作業を行う
ステップを含むことができる。
本発明はまた、航空機構造を組立てる方法にも関し、この方法は、
組立現場において幾つかの位置に移動でき、無線通信システムを使用して組立現場で航空機構造の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置との通信を確立し、
運動制御システムを使用して複数の可動式ロボット装置についての位置情報を特定し、
複数の可動式ロボット装置に情報を送り、前記情報が位置情報及び幾つかのプログラムと指令のうちの少なくとも一つを含み、
複数の可動式ロボット装置同士でメッセージをやり取りし、
前記情報とメッセージを使用して航空機構造の組立作業を行うステップ
を含むことができる。
【0021】
特徴、機能、および利点は、本発明の様々な実施形態において個別に達成可能である、あるいは、更に別の実施形態と組み合わせることができ、さらに別の実施形態の更なる詳細は、下記の説明及び図面を参照することにより理解できる。
【0022】
有利な実施形態を特徴づけると考えられる新規の特性は添付の請求項に記載されている。しかしながら有利な実施形態だけでなく、使用の好適なモード、更なる目的、そしてその利点は、添付の図面と併せて本発明の有利な実施形態の下記の詳細説明を読むときに最適に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は有利な一実施形態による航空機の製造及び点検方法の図である。
【図2】図2は有利な一実施形態を実行できる航空機の図である。
【図3】図3は有利な一実施形態による組立環境の図である。
【図4】図4は有利な一実施形態による組立プロセスの図である。
【図5】図5は有利な一実施形態によるデータ処理システムの図である。
【図6】図6は有利な一実施形態による可動式ロボット装置の図である。
【図7】図7は有利な一実施形態による組立環境の図である。
【図8】図8は有利な一実施形態による組立環境の図である。
【図9】図9は有利な一実施形態による組立現場の図である。
【図10】図10は有利な一実施形態による構造物の組立プロセスのフローチャート図である。
【図11】図11は有利な一実施形態による構造物の組立プロセスのフローチャート図である。
【図12】図12は有利な一実施形態による構造物の組立プロセスのフローチャート図である。
【図13A】図13Aは有利な一実施形態による航空機構造の組立プロセスのフローチャート図である。
【図13B】図13Bは有利な一実施形態による航空機構造の組立プロセスのフローチャート図である。
【図13C】図13Cは有利な一実施形態による航空機構造の組立プロセスのフローチャート図である。
【図13D】図13Dは有利な一実施形態による航空機構造の組立プロセスのフローチャート図である。
【図14】図14は有利な一実施形態による構造物に作業を行うプロセスのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面をさらに具体的に参照すると、本発明の実施形態は図1に示す航空機の製造及び点検方法100と図2に示す航空機200に関連させて説明することができる。最初に図1を見ると、航空機の製造及び点検方法は、有利な一実施形態にしたがって図示されている。試作段階において、航空機の製造及び点検方法100は図2の航空機200の規格及び設計102と、材料調達104を含むことができる。
製造段階においては、図2の航空機200の構成要素及びサブアセンブリの製造106と、システム統合108が行われる。その後、図2の航空機200は検査及び納入110を経て就航されることができる。
【0025】
顧客によって就航されている間、図2の航空機200には、変更、再構成、改装、及び他の保守及び点検も含むことができる所定の保守及び点検114を予定することができる。
航空機の製造及び点検方法100の各プロセスは、システム・インテグレーター、第三者、及び/又はオペレータによって行われる又は実施することが可能である。これらの実施例において、オペレータは顧客であってよい。この説明の目的のために、システム・インテグレーターは、非限定的に、任意の数の航空機メーカー及び主要なシステム下請業者を含むことができ、第三者は、非限定的に、任意の数の供給メーカー、下請業者及びサプライヤを含むことができ、オペレータは、航空機、リース会社、軍部、サービス組織等であってよい。
【0026】
ここで図2に示すように、有利な実施形態が実施可能である航空機の図面が図示されている。この実施例では、航空機200は図1の航空機の製造及び点検方法100によって製造され、複数のシステム204と内部装飾206を有する機体202を含むことができる。システム204の実施例は、一又は複数の推進システム208、電気システム210、油圧システム212、及び環境システム214を含む。任意の数の他のシステムを含むことができる。航空宇宙における実施例を示したが、異なる有利な実施形態を自動車産業等の他の業界に応用することができる。
【0027】
本明細書に具現化された装置及び方法を、図1の航空機の製造及び点検方法100の任意の一又は複数の段階に採用することができる。例えば、図1の構成要素及びサブアセンブリの製造106において製造された構成要素又はサブアセンブリを、航空機200が図1の就航112中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同じ方法で加工又は製造することができる。
また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、例えば、航空機200を実質的に組立てやすくする、又は航空機200にかかる費用を削減することによって、例えば非限定的に、図1の構成要素およびサブアセンブリの製造106及びシステム統合108等の製造段階において用いることが可能である。同様に、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、またはこれらの組み合わせを、航空機200が就航112中に、又は図1の保守及び点検114中に用いることができる。
【0028】
異なる有利な実施形態では、現在使用されている製造技術によって例えば航空機構造等の物体の製造費用を削減することができるが、これらの技術は実行するのが難しい可能性があることを認め、考慮に入れている。異なる有利な実施形態では、異なる種類の航空機構造に対して異なる組立システムが必要となり得ることを認め、考慮に入れている。
例えば、異なる有利な実施形態では、航空機の翼を製造するために設計された航空機組立システムは、航空機の機体の製造に使用するには適切でない可能性があることを認め、考慮に入れている。異なる有利な実施形態では、床の製造が特定の種類の構造物向けに特別に設計することができることを認め、考慮に入れている。
【0029】
異なる有利な実施形態では、既存の配置を変更することができないため、異なる種類の航空機構造は異なる配置を必要とする可能性があることを認め、考慮に入れている。異なる有利な実施形態では、定置型装置を異なる種類の航空機構造のために異なる位置に移動、置換え、及び/又は再設置することは難しい可能性があることを認め、考慮に入れている。異なる有利な実施形態では、この種の変更を行うことは可能であるが、この変更には時間がかかり、費用が高くつく可能性があることを認め、考慮に入れている。
異なる有利な実施形態はまた、床の製造における溝及び導管を変更する及び/又は別の経路に切り替えることはさらに難しい可能性があることも認め、考慮している。電力線、データ回線、及び/又は他のユティリティを別の経路に切り替えるのに要する時間及び費用により、製造現場の地盤に新しい溝及び/又は導管を作る必要があり得る。異なる有利な実施形態では、この種の変更は、定置型装置を取り外して新しい位置に再設置するのと同様に費用が高くつく可能性があることを認め、考慮に入れている。
【0030】
その上、異なる有利な実施形態では、費用に加えて、これらの変更を行うのに要する時間により、その時間帯は製造設備が使えなくなる可能性があることを認め、考慮に入れている。その結果、異なる有利な実施形態では、製造時間が長引く可能性がある、及び/又は製品を納品するのに遅れが発生する可能性があることを認め、考慮に入れている。
したがって、一又は複数の有利な実施形態により、複数の可動式ロボット装置、無線通信システム、及び運動制御システムを備える装置を提供することができる。複数の可動式ロボット装置は、組立現場において幾つかの位置に移動可能であってよく、組立現場において構造物の組立作業を行うことが可能であり得る。本明細書で使用される幾つかは、一又は複数の品目を意味する。例えば、幾つかの位置は、一又は複数の位置であり得る。
【0031】
無線通信システムは、組立現場内で複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる。運動制御システムは、組立現場において複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成し、前記位置情報を複数の可動式ロボット装置に送信可能であってよい。
具体的な実例となる実施例として、一又は複数の異なる有利な実施形態を、構成要素及びサブアセンブリの製造106において航空機200の構造物を組立てるために実行することができる。例えば、異なる有利な実施形態を使用して、翼、機体、又は他の適切な構造物のうちの少なくとも一つを組立てることができる。本明細書に使用されるように、「のうちの少なくとも一つ」という表現は、品目リストに使用される時は、一又は複数の品目の異なる組み合わせを使用することができ、リスト内の各品目のうちの一つのみを必要とし得ることを意味する。例えば、「品目A、品目B、及び品目C」のうちの少なくとも一つは例えば限定しないが、品目A、又は品目A及び品目Bを含むことができる。この実施例はまた、品目A、品目B、及び品目C、又は品目B及び品目Cを含むこともできる。
【0032】
さらに、異なる有利な実施形態を、保守及び点検114中に使用して、代替構造物の組立て、既存の構造物への保守作業、既存の構造物の修理作業、及び/又は航空機200の構造物への他の適切な作業を行うことも可能である。
ここで図3を参照すると、組立て環境の図が有利な一実施形態にしたがって図示されている。組立環境300は、構造物302の組立てに使用できる組立環境の一実施例である。構造物302は外部304及び内部306を有することができる。
【0033】
図示したこの実施例では、組立環境300は組立システム308を含むことができる。図示した異なる実施例では、組立システム308は、現在入手可能な組立システムよりも迅速に、異なる種類の構造物の組立を行うためにシステム自体を再構成できる自律組立システムであってよい。
構造物302は、例えば図2の航空機200等の物体の構造物であってよい。構造物302は様々な形態を取ることができる。例えば限定しないが、構造物302は翼310、機体312、エンジン314、及び/又は他の適切な種類の構造物であってよい。
【0034】
図示したこの実施例では、構造物302は組立現場316で組立てることができる。組立現場316は作業場318を含むことができる。図示したこの実施例では、作業場318は、現在利用可能な組立環境で使用できる、特定の固定構造物、溝、地下導管、及び/又は他のインフラストラクチャを必要としない場合がある。
組立システム308は、コンピュータシステム320、運動制御システム322、無線通信システム324、複数の可動式ロボット装置326、ラック325、及び/又は他の適切な構成要素を含むことができる。
【0035】
図示したこれらの実施例では、複数の可動式ロボット装置326によって作業327を行って構造物302を組立てることができる。図示したこれらの実施例では、複数の可動式ロボット装置326は、例えば限定しないが、幾つかの内部可動式ロボット装置328、幾つかの外部可動式ロボット装置330、幾つかのサービスマニピュレータ332、幾つかの柔軟固定具334、及び/又は他の適切なタイプの可動式ロボット装置を含むことができる。
幾つかの内部可動式ロボット装置328は、構造物302の内部306で作業327を行うことが可能になり得る。幾つかの内部可動式ロボット装置328は、構造物302の内部306に移動及び/又は内部306に到達して作業327を実施することができる。幾つかの外部可動式ロボット装置330は、構造物302の外部304で作業327を行うことができる。図示したこれらの実施例では、一以上の作業327を一つのグループとして、複数のタスク329のうちの一つのタスクを形成することができる。
【0036】
幾つかのサービスマニピュレータ332は、例えば幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330等の様々なロボット装置に消耗品を供給することができる。幾つかの柔軟固定具334は、構造物302及び/又は構造物302の部品336を支持できてよい。部品336は構造物302を組立てるのに使われる物体及び/又は材料であってよい。幾つかの柔軟固定具334はまた、構造物302を位置づけする及び/又は移動させることが可能であってもよい。例えば、幾つかの柔軟固定具334は、構造物302の組み立て中に、組立現場316内で構造物302を移動させる及び/又は位置づけすることが可能であってよい。
さらに、幾つかの柔軟固定具334は、構造物302の組立が完了した後に、組立現場
316の外へ構造物302を移動させることが可能であってよい。部品336は例えば限定しないが、外板、フレーム、リブ、スパー、エンジンケーシング、及び/又は他の適切な種類の部品を含むことができる。
【0037】
図示した実施例では、作業327は例えば限定しないが、締め付け、堀削、固定、密閉、塗装、研磨、ルーティング、研削、検査、測定、及び/又は他の適切な種類の作業であってよい。
無線通信システム324を使用して、複数の可動式ロボット装置326及び/又はコンピュータシステム320の間で情報338をやり取りすることができる。情報338は、複数の可動式ロボット装置326内の異なる装置同士だけでなく、コンピュータシステム320と複数の可動式ロボット装置326の間で交換することができる。情報338は例えば限定しないが、メッセージ340、位置情報346、指令348、プログラム350、及び/又は他の適切な種類の情報を含むことができる。
【0038】
メッセージ340は例えば限定しないが、状況メッセージ、要求、警告、エラー、及び/又は他の適切な種類のメッセージであってよい。位置情報346は、複数の可動式ロボット装置326のうちの一以上の装置の組立現場316における位置を提供することができる。例えば、複数の可動式ロボット装置326が、幾つかの位置352に配置されている可能性がある。これらの位置だけでなく、複数の可動式ロボット装置326の様々な部分の位置によって、位置情報346を形成することができる。
コンピュータシステム320及び/又は複数の可動式ロボット装置326内の他の装置によって実行されるプロセス355によって指令348が発行され得る。プログラム350は複数の可動式ロボット装置326によって作業327を行うために実行可能な関数形式でコンピュータによって読み取り可能な指示を含むことができる。
【0039】
プログラム350は、作業327の実行前及び/又は実行中に送ることができる。例えば、複数の可動式ロボット装置326の特定の可動式ロボット装置があるタスクを終えたときに、プログラム350の新しいプログラムをそのロボット装置に送ってロボット装置に新しいタスクを実行させることができる。
運動制御システム322は、複数の可動式ロボット装置326及び/又はコンピュータシステム320間の通信用の位置情報346を無線通信システム324に送ることができる。運動制御システム322はコントローラ354、センサ356、通信装置358、及び/又は他の適切な構成要素を含むことができる。
【0040】
センサ356は複数の可動式ロボット装置326、部品336、及び/又は他の適切な物体の位置についての情報を集めることができる。通信装置358はセンサ356から情報を受信する、及び/又はセンサ356に位置情報346を要求することができる。
位置情報346を使用して、複数の可動式ロボット装置326が組立現場316において互いに、及び/又は他の物体と衝突するのを避けることができる。さらに、位置情報346を使用して、複数の可動式ロボット装置326間で作業327の実施を調整することができる。通信装置358は例えば限定しないが、送信機、受信機、送受信機、及び/又は他の適切な種類の通信機器を含むことができる。
【0041】
コントローラ354は、位置情報346を無線通信システム324に分配することができる。センサ356は例えば限定しないが、カメラ、全地球測位システム装置、無線自動識別子、及び/又は他の適切な種類のセンサを含むことができる。センサ356は、組立現場316の作業場318の複数の可動式ロボット装置326上、及び/又は位置情報346を生成するために使用するのに適切な他の場所に位置していてよい。
構造物302の組立においては、ラック325が消耗品360を供給することができる。消耗品360は例えば限定しないが、部品336、先端部362、電源装置364、ツール366、締結具368、シーリング材370、塗料372、接着剤374、及び/又は他の適切な材料を含むことができる。
【0042】
さらに、ラック325は可動式であってよく、幾つかの位置352へ移動、及び/又は幾つかの場所352の周りを移動して、消耗品を複数の可動式ロボット装置326へ供給することができる。ある有利な実施形態では、幾つかのサービスマニピュレータ332はラック325から消耗品360を受信して消耗品360を複数の可動式ロボット装置326へ運ぶことができる。
組立システム308によって、複数の可動式ロボット装置326がホーム位置376から幾つかの位置352に移動して、構造物302を組立てるために作業327を実施することができる。異なる有利な実施形態では、複数の可動式ロボット装置326を移動して作業327の実施中に幾つかの位置352のうちで位置を変えることができる。
【0043】
さらに、ある有利な実施形態では、構造物302を作業327の実施中に静止したままにすることができる。さらに別の有利な実施形態では、幾つかの柔軟固定具334により、作業327の実施中に組立現場316内で構造物302を再配置する、及び/又は移動させることができる。この動きは、現在使用されている固定アセンブリシステムでの動きと同様であってよい。
作業327が完了すると、組立システム308の複数の可動式ロボット装置326、ラック325、及び他の可動式物体はホーム位置376に移動することができる。この動きにより、作業場318が空き、他の種類の作業の準備ができる。
【0044】
さらに、組立システム308により、異なる種類の構造物の製造において現在入手可能な製造システムと比べて、柔軟性がさらに増す可能性がある。例えば、複数の可動式ロボット装置326が、コンピュータシステム320からプログラム350の新しいプログラムを受信することによって、翼310の形態の構造物302の組立を機体312またはエンジン314の組立に切り替えることができる。
また、特定の種類の構造物は、ラック325上の消耗品360から必要な消耗品を選択することによって容易に組立てることが可能になる。特定の種類の構造物のプログラム350によって、幾つかの位置352を変更することができる。複数の可動式ロボット装置326によって、異なる種類の構造物に必要な、幾つかの位置352において異なる位置に移動する能力を得ることができる。
【0045】
この移動には、電源供給ライン、導管、溝、レール、及び/又は他の適切な種類のケーブルの再ルーティングが不必要である可能性がある。さらに、ロボット装置の取り外しと、新しい位置への再設置もまた避けることができる。その結果、組立システム308をある種類の構造物から別の構造物へ変更するのに必要な時間を短縮できる。現在入手可能なシステムと比べて、異なる種類の構造物の組立への変更をさらに短い時間で安く実行することができる。
また、組立システム308を使用して、航空機の構造物以外の他の種類の構造物を組立てることができる。プログラム350及び/又は消耗品360の変更によって、組立システム308を使用して例えば限定しないが、自動車、潜水艦、船、タンク、及び/又は他の適切な物体等の別の物体用の構造物を組立てることができる。
【0046】
コンピュータシステム320はまた、組立システム308の様々な構成要素の調子を監視することができる。例えば、コンピュータシステム320は、複数の可動式ロボット装置326の調子378を監視することができる。ラック325上の消耗品360のレベル及び/又は量もまたコンピュータシステム320によって監視することができる。
複数の可動式ロボット装置326の一部分が磨耗したときは、この部分を作業327の実施中に交換することができる。この交換は幾つかのサービスマニピュレータ332を使用して行うことができる。このようにして、複数の可動式ロボット装置326の磨耗した部分を交換する、又は複数の可動式ロボット装置326によって使用される消耗品360を取り替える時間を削減することができる。
【0047】
さらに、コンピュータシステム320上で実行するプロセス353により、構造物302の組立についての履歴380を作成することができる。履歴380を分析して、今後の組立作業に必要な改善及び/又は変更を特定することができる。
構造物302の組立の実施において、コンピュータシステム320は複数の可動式ロボット装置326にプログラム350を送信することができる。複数の可動式ロボット装置326はホーム位置376から幾つかの位置352へ移動することができる。ラック325は、幾つかの位置352の適切な位置内に位置づけすることができる。
【0048】
その後に、作業327を開始して構造物302の組立を行うことができる。構造物302の組立が完了したあとに、複数の可動式ロボット装置326はホーム位置376に戻ることができる。
その時に、組立現場316では別の構造物の組立の準備ができていてよい。新しい構造物は構造物302と同じ種類、又は異なる種類の構造物であってよい。さらに、次の構造物の組立は、複数の可動式ロボット装置326又は別のグループの可動式ロボット装置を使用して行うことができる。
【0049】
図3の組立環境300の図は物理的又は構造的な制限を意味するものではなく、異なる有利な実施形態を実施することが可能である。図示した構成要素に加えて、及び/又はその代わりに、他の構成要素を使用することができる。幾つかの構成要素は幾つかの有利な実施形態において不必要であり得る。また、ブロックは幾つかの機能要素を示すために記載されている。異なる有利な実施形態において実施されるときには、一以上のこれらのブロックを組み合わせる、及び/又は異なるブロックに分けることができる。
例えば、ある有利な実施形態では、幾つかのサービスマニピュレータ332は不必要であり得る。この種の実施形態では、複数の可動式ロボット装置326をラック325に戻して消耗品360を調達することができる。
【0050】
さらに、ある有利な実施形態では、構造物302に加えて追加の構造物を、複数の可動式ロボット装置326によって組立現場316内で組立てることができる。複数の可動式ロボット装置326を幾つかの位置352内で位置から位置へと移動させて、両方の構造物の組立を同時に行うことができる。さらに、複数の可動式ロボット装置326のうちの特定の可動式ロボット装置は2つ以上のタスクを行うことができる。
構造物302の組立において一つのタスクが完了すると、可動式ロボット装置が新しいプログラムを受信して、構造物302の組立を完了するのに必要な別のタスクを行うことができる。また、ある有利な実施形態では、内部可動式ロボット装置と外部可動式ロボット装置の両方を有することは不必要であり得る。ある有利な実施形態では、可動式ロボット装置は、両方のタイプの機能を発揮することができ、構造物302の組み立て中に機能を切り替えることができる。
【0051】
ここで図4を見てみると、組立プロセスの図が有利な実施形態に従って図示されている。図示したこの実施例では、可動式ロボット装置400と可動式ロボット装置402は、構造物に作業327を行う図3の複数の可動式ロボット装置326の一部となり得る。
図示したこの実施例では、可動式ロボット装置400と可動式ロボット装置402は、構造物406の位置404まで移動することができる。構造物406は、例えば限定しないが、図3の構造物302等の構造物の一実施例であってよい。図示したこの実施例では、可動式ロボット装置400は構造物406の表面408上に位置することができ、可動式ロボット装置402は構造物406の表面410上に位置することができる。
【0052】
可動式ロボット装置400と可動式ロボット装置402は、締め付け作業を行って部品412を互いに対して締め付けることができる。可動式ロボット装置400は堀削作業を行って部品412を通る穴414を開けることができる。その後に、可動式ロボット装置400と可動式ロボット装置402は、穴414に締結具416を取り付けて互いに対して部品412を固定することができる。可動式ロボット装置400と可動式ロボット装置402は次に締め付け作業を停止し、さらなる作業を行うために別の位置まで移動することができる。
ここで図5を見てみると、データ処理システムの図が有利な実施形態にしたがって図示されている。図示したこの実施例では、データ処理システム500は、プロセッサ装置504、メモリ506、永続記憶装置508、通信装置510、入力/出力(I/O)装置512、及びディスプレイ514の間の通信を可能にする通信用ファブリック502を備える。データ処理システム500は、コンピュータシステム320、運動制御システム322、無線通信システム324、及び複数の可動式ロボット装置326内で使用可能である。特定の実施形態によっては、データ処理システム500の異なるアーキテクチャ及び/又は構成を使用することができる。
【0053】
プロセッサ装置504は、メモリ506にロード可能なソフトウェアの指示を実行する働きをする。特定の実施形態によっては、プロセッサ装置504は一以上のプロセッサ一式又はマルチプロセッサ・コアであってよい。さらに、プロセッサ装置504は、第2プロセッサを単一チップに有するメインプロセッサが含まれる、一以上の異種プロセッサシステムを使用して実行することができる。図示した別の実施例としては、プロセッサ装置504は同じタイプのマルチプロセッサを含む対称的なマルチプロセッサシステムであってよい。
メモリ506及び永続記憶装置508は記憶装置516の実施例である。記憶装置は、例えば限定しないが、データ、関数形式のプログラムコード、及び/又は一時的及び/又は永続的のいずれかの他の適切な情報等の情報を保存することができ得る任意のハードウェアであってよい。これらの実施例において、メモリ506は例えばランダム・アクセス・メモリ、又は任意の他の適切な揮発性の又は非揮発性の記憶装置であってよい。
【0054】
永続記憶装置508は特定の実施形態によって様々な形態を取ることができる。例えば永続記憶装置508は一以上の構成要素又は機器を含むことができる。例えば、永続記憶装置508は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書き換え可能な光ディスク、書き換え可能な磁気テープ、又は上記の組み合わせであってよい。永続記憶装置508によって使用される媒体も取り外し可能であってよい。例えば、取り外し可能なハードドライブを永続記憶装置508に使用することができる。
通信装置510はこれらの実施例では、他のデータ処理システム又は機器との通信を可能にする。これらの実施例では、通信装置510はネットワークインターフェースカードであってよい。通信装置510は物理的及び無線通信リンクのいずれか又は両方の使用を通して通信を可能にすることができる。
【0055】
入力/出力装置512は、データ処理システム500に接続できる他の機器とのデータの入力及び出力を可能にする。例えば、入力/出力装置512は、キーボード、マウス、及び/又は他の適切な入力機器を介したユーザ入力の接続を可能にする。さらに、入力/出力装置512はプリンタに出力を送ることができる。ディスプレイ514は、ユーザに情報を表示する機構を提供する。
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムの指示は、通信用ファブリック502を介してプロセッサ装置504と通信している記憶装置516に含まれていてよい。図示したこれらの実施例では、指示は永続記憶装置508では関数形式である。これらの指示は、プロセッサ装置504によって実行するために、メモリ506にロードすることができる。異なる実施形態のプロセスは、例えばメモリ506等のメモリに含まれることができる、コンピュータによって実行される指示を用いてプロセッサ装置504によって実施することができる。
【0056】
これらの指示は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はプロセッサ装置504のプロセッサによって読み取られ実行可能である、コンピュータによって読取可能なプログラムコードと呼ばれる。異なる実施形態のプログラムコードは、例えばメモリ506又は永続記憶装置508等の異なる物理的な又は触知可能なコンピュータによって読み取り可能な媒体に具現化することができる。
プログラムコード516は、選択的に取り出し可能で、プロセッサ装置504によって実行するためにデータ処理システム500にロードする又は転送することができる、コンピュータによって読取可能な媒体518に関数形式で含まれることができる。これらの実施例では、プログラムコード516とコンピュータによって読み取り可能な媒体518がコンピュータプログラム製品522を形成している。ある実施例では、コンピュータによって読取可能な媒体518は、例えば永続記憶装置508の一部になり得るハードドライブ等の記憶装置に転送するために、ドライブ又は他の装置に挿入する又は設置することができる光又は磁気ディスク等の触知可能な形態であってよい。
【0057】
触知可能な形態では、コンピュータによって読取可能な媒体518はまた、データ処理システム500に接続することができるハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリ等の永続記憶装置の形態をとることができる。コンピュータによって読取可能な媒体518の触知可能な形態はまた、コンピュータによって記録可能な記憶媒体とも呼ばれる。ある場合には、コンピュータによって読み取り可能な媒体518は取り出し可能でない可能性がある。
あるいは、プログラムコード516は、通信装置510との通信リンク、及び/又は入力/出力装置512との接続を介して、コンピュータによって読取可能な媒体518からデータ処理システム500に転送することができる。通信リンク及び/又は接続は図示した実施例では物理的なもの又は無線であってよい。コンピュータによって読み取り可能な媒体はまた、例えば通信リンク、又はプログラムコードを含んだ無線送信等の非触知可能媒体の形態を取ることもできる。
【0058】
図示したある実施形態では、プログラムコード516はネットワークを通して、データ処理システム500内で使用するために、別の装置又はデータ処理システムから永続記憶装置508にダウンロードすることができる。例えば、サーバーデータ処理システムのコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に保存されたプログラムコードを、サーバーからデータ処理システム500にネットワークを通してダウンロードすることができる。プログラムコード516を供給するデータ処理システムは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード516を保存し送信することができる他の装置であってよい。
図示したデータ処理システム500の異なる構成要素は、アーキテクチャ面での制限を課すものではなく、異なる実施形態が実施可能である。図示した異なる実施形態は、図示したデータ処理システム500に追加の、又はその代替となる構成要素を含むデータ処理システムにおいて実行可能である。
【0059】
図5に示す他の構成要素を、図示した実施例から変化させることができる。異なる実施形態を、プログラムコードを実行できる任意のハードウェア装置又はシステムを使用して実施することが可能である。一実施例として、データ処理システムは無機構成要素と一体化した有機構成要素を含むことができる、及び/又は全体が人間以外の有機構成要素でできていてよい。例えば、記憶装置は有機半導体からなっていてよい。
別の実施例として、データ処理システム500の記憶装置は、データを保存できる任意のハードウェア装置であってよい。メモリ506、永続記憶装置508、及びコンピュータによって読み取り可能な媒体518は触知可能な形態の記憶装置の実施例である。
【0060】
別の実施例では、バスシステムを使用して通信用ファブリック502を実行することができ、バスシステムは例えばシステムバス又は入力/出力バス等の一以上のバスからできていてよい。当然ながら、バスシステムは、バスシステムに取り付けられた異なる構成要素又は装置間のデータ転送を可能にする任意の適切な種類のアーキテクチャを用いて実行することが可能である。加えて、通信装置は、例えばモデム又はネットワークアダプタ等のデータの送受信に使用される一以上の装置を含むことができる。さらに、メモリは例えば、通信用ファブリック502に存在できるインターフェース及びメモリコントローラハブに含まれる等の、メモリ506又はキャッシュであってよい。
ここで図6を見てみると、可動式ロボット装置の図は、有利な実施形態に従って図示されている。可動式ロボット装置600は、図3の複数の可動式ロボット装置326を実行可能である一実施例である。可動式ロボット装置600は自律装置であってよく、異なる情報源から連続的な指示を受ける必要なく作業を行うことができる。
【0061】
図示したように、可動式ロボット装置600は、本体602と、可動システム604、先端部606、位置情報装置608、視覚システム610、電力システム612、データ処理システム614、及び他の適切な構成要素を含むことができる。
本体602は、可動式ロボット装置600上に及び/又は可動式ロボット装置600内に異なる構成要素を配置できる構造体及び/又はハウジングを提供することができる。可動システム604は可動式ロボット装置600に可動性を与えることができる。可動システム604は様々な形態を取ることができる。
【0062】
可動システム604は例えば限定しないが、車輪618、行路620、足部分622及び/又は他の適切な構成要素を含むことができる。先端部606は、可動式ロボット装置600に作業を行う能力を与える構成要素であってよい。先端部606は、マニピュレータ624及び/又はツールシステム626であってよい。マニピュレータ624はツールシステム626を保持する及び/又は操作することができる。
ツールシステム626は幾つかのツールであってよい。例えば、ツールシステム626は限定しないが、ドリル、締結装置、密閉装置、及び/又は他の適切な種類のツールを含むことができる。図示したこれらの実施例では、先端部606を3つ以上の軸線628周囲で移動させることが可能である。
【0063】
位置情報装置608は、可動式ロボット装置600の幾つかの位置632についての位置情報630を生成する能力を持つことができる。例えば限定しないが、幾つかの位置632は、本体602の位置、先端部606の位置、及び/又は可動式ロボット装置600の他の適切な位置であってよい。位置情報630は、3つ以上の軸線628を使用した三次元空間に存在することができる。視覚システム610は例えば限定しないが、カメラ、データ処理システム、及び/又は物体、物体の位置、及び/又は部品に作業を行うのに必要な他の情報を特定できるソフトウェアを含むことができる。
視覚システム610は、可動式ロボット装置600に、部品634と部品634に行われている作業636を視認する能力を与えることができる。電力システム612は、可動式ロボット装置600を稼動させる電力を供給することができる。電力システム612は、電源装置638を使用して電力を発生させることができる。電源装置638は、取り外し可能、及び/又は交換可能であってよい。電源装置638は、電源装置638が劣化したときに交換することが可能である。
【0064】
電源装置638は例えば限定しないが、バッテリ及び/又は他の適切な種類の電源装置であってよい。例えば、電源装置638は、電線を使用せずに電力を受けることができる無線供給装置であってよい。図示したこれらの実施例では、データ処理システム614はプログラム640を受信して保存することができる。
データ処理システム614は、これらの実施例ではプログラム640を実行することによって可動式ロボット装置600の操作を制御することができる。プログラム640は、無線通信装置617、及び/又は他の供給源を通して受信することができる。図示したこれらの実施例では、無線通信装置617は、可動式ロボット装置600と図3の組立環境300内の他の構成要素との間で位置情報530等の情報を転送する能力を提供することができる。
【0065】
図示したこれらの実施例では、可動式ロボット装置600は装置自体の再構成を行って、作業636に含まれる様々な作業を行うことができる。この再構成は、プログラム640の新バージョンと消耗品646を受信することによって行うことが可能である。消耗品646は例えば限定しないが、先端部、ツール、部品、及び/又は作業636を行うのに必要な他の適切な構成要素を含むことができる。
さらに、プログラム640の実行においては、可動式ロボット装置600は、可動式ロボット装置600のツールシステム626、マニピュレータ624、及び/又は他の構成要素のどの部品が磨耗し始めており、交換が必要である可能性があるかどうかを決定することができ得る。プログラム640は、可動式ロボット装置600に必要に応じて消耗品646を要求する能力を提供することができる。さらに、プログラム640はまた、可動式ロボット装置600に、点検及び/又は保守を要求する能力を提供することもできる。さらに、可動式ロボット装置600が作業636のうちの特定の作業をおこなうことができない場合、可動式ロボット装置600は別の可動式ロボット装置にリクエストを送ってそれらの作業を行わせることができる。
【0066】
可動式ロボット装置600は、ケーブル、固定取付け具、レール、及び/又は組立システムにおいてロボット装置によって現在使用されているほかの構成要素を要することなく、異なる位置に移動する能力を提供することができる。
図6の可動式ロボット装置600は、物理的又は構造的制限を課すように意図したものではなく、異なる有利な実施形態を実行することが可能である。図示された構成要素に加えて、及び/又はそれに代えて別の構成要素を使用することができる。ある有利な実施形態においては幾つかの構成要素は不必要である可能性がある。また、ブロックは幾つかの機能要素を示すためのものである。異なる有利な実施形態を実行するときに、一以上のこれらのブロックを異なるブロックと組み合わせて、及び/又は異なるブロックに分けることができる。
【0067】
例えば、ある有利な実施形態では、位置情報装置608は不必要である可能性がある。位置情報装置608は、運動制御システムが位置情報を特定するのにカメラのみを使用する場合に不必要となる可能性がある。さらに別の有利な実施形態においては、可動式ロボット装置600は先端部606に加えて更なる先端部を含むことができる。
可動式ロボット装置600は、図3の複数の可動式ロボット装置326のうちの一つ以上の可動式ロボット装置を実行するのに使用することができる装置の一実施例である。例えば、可動式ロボット装置600は外部可動式ロボット装置、サービスマニピュレータ、柔軟固定具、内部可動式ロボット装置、及び/又はほかの適切な種類の可動式ロボット装置を実行するのに使用することができる。
【0068】
ここで図7を見てみると、組立環境の図が有利な一実施形態に従って図示されている。図示したこの実施例では、組立環境700は図3の組立環境300の一実施例である。この実施例では、組立環境700の組立現場702は、床704、壁706、壁708、壁710、及び壁711を含むことができる。図示したこの実施例では、壁710と壁711を拡大図で示すことができる。
この図では、無線通信システム712と運動制御システム714の構成要素の壁706、708、及び710に取り付けられた状態を見ることができる。無線通信システム712は、無線通信装置716、718、720、722、724、及び726を有することができる。これらの無線通信装置は、受信機、送信機、送受信機、及び/又は他の適切な種類の無線通信装置であってよい。
【0069】
運動制御システム714は、運動制御装置728、730、732、734、736、738、740、742、744、746、747、748、750、752、及び754を含むことができる。これらの運動制御装置は例えば限定しないが、受信機、カメラ、無線自動識別子読取機、及び/又は位置情報を生成するのに使用することができ得る他の適切な構成要素であってよい。
図示したこの実施例では、ラック756、758、及び760は壁708に当接して位置していてよい。例えばバッテリ764、ツール766、カセット768、及び先端部770等の消耗品は、これらのラックによって供給することができる。システムコントローラ772は、これらの実施例では、構造物774の組立を制御するのに使用できるコンピュータシステムの一実施例である。
【0070】
構造物774は翼775であってよい。翼775は、外部776及び内部777を有することができる。柔軟固定具778、779、780、781、782、及び783は、翼775の組立作業を行うために、翼775を保持することができる。
これらの実施例では、翼775の組立は、翼775の外部776に作業を行う外部可動式ロボット装置784、785、及び786を使用して行うことができる。翼775の組立はまた、翼775の内部777に作業を行うことができる内部可動式ロボット装置787及び788を使用して行うこともできる。図示したこの実施例では、外部ロボット装置785及び786は、翼775の表面789上を移動して作業を行う。
【0071】
図示したこの実施例では、内部可動式ロボット装置787は、柔軟な腕部790を有することができ、これにより、内部可動式ロボット装置787が翼775の内部777に到達して作業を行うことが可能になり得る。さらに、サービスマニピュレータ791は、翼775の組立作業を行う異なる可動式ロボット装置に消耗品を供給する、及び/又は保守を行うことができる。
さらに、壁708及び710それぞれに、ユティリティ接続口705及び707を設置することができる。ユティリティ接続口705及び707により、例えば電力、水、空気、及び/又は他の適切なユティリティ等のユティリティとの接続を得ることができる。ユティリティ接続口705及び707は、組立作業中に、及び/又は組立作業が完了した後の保守において使用することが可能である。
【0072】
ホーム位置792は、組立作業を開始する前に異なる可動式ロボット装置を位置づけすることができる位置であってよい。ホーム位置792はまた、作業完了後に、可動式ロボット装置が戻ることができる位置であってもよい。
異なる可動式ロボット装置は互いに連動して働いて、作業を行うことができる。例えば、内部可動式ロボット装置787が外部可動式ロボット装置784と連動して働いて、堀削、及び/又は締結具の取り付け等の様々な作業を行うことができる。
【0073】
例えば、外部ロボット装置784は電磁石793を有することができ、翼775の複数の部分を固定して、内部可動式ロボット装置787と連動して様々な作業を行うことができる。例えば外部可動式ロボット装置785、外部可動式ロボット装置786、及び内部可動式ロボット装置788等の他の可動式ロボット装置は、独立して稼動することができる。
ここで図8を見ると、組立環境の図は有利な実施形態に従って図示されている。図示したこの実施例では、組立環境700は機体800の組立作業を行うのに使用するために再構成することが可能である。機体800は、外部802及び内部804を有することができる。
【0074】
この種の構造物に対しては、外部可動式ロボット装置806、808、及び810は機体800の外部802表面812に作業を行うことができる。内部可動式ロボット装置814、816、及び818は機体800の内部804に作業を行うことができる。
図7及び図8の組立環境700の図は単に、構造物を組立てるために組立環境を実現することができることを示す実施例である。組立環境700は、一以上の異なる有利な実施形態において異なる種類の構造物を組立てるために、さらなる柔軟性を付与することができる。組立現場702を使用して、例えば翼775及び機体800等の異なる種類の構造物を製造することができる。
【0075】
組立環境700の再構成は、可動式ロボット装置用プログラムの変更、可動式ロボット装置の追加、可動式ロボット装置の除去、又は他の適切な構成変更を行うことにより迅速に行うことができる。これらの変更は、現在の組立システムの再構成に必要な変更に比べて、さらに迅速に行うことができる、及び/又はさらに安い費用で行うことができる。
例えば、翼775が機体800よりも前に組立てることができる場合、翼775を組立てるのに使用される可動式ロボット装置を再プログラミング、及び/又は必要に応じて他の可動式ロボット装置と交換して、組立現場702において機体800を組立てることができる。これらの変更は、現在利用可能な組立システムの変更を行うのに必要な時間及び/又は費用を要することなく、行うことができる。電線、レール、溝、及び他の構成要素の再ルーティングは、この種の組立システムでは不必要であり得る。
【0076】
ここで図9を参照すると、組立現場の図は有利な一実施形態に従って図示されている。図示したこの実施例では、組立現場702は、異なるラック及び/又は可動式ロボット装置がない状態で図示されている。組立現場702は、構造物を組立てる作業が行われていない時の現場の図である。固定されたロボット装置、レール、溝、導管、ケーブル、及び他の構造物がないことによって、組立現場702を他の作業のために簡単に再構成することが可能になり得る。さらに、固定された構造物がないことで、組立現場702の保守をさらに簡単にすることもできる。
ここで図10を見てみると、構造物を組立てるプロセスのフローチャート図が有利な一実施形態に従って図示されている。図10に示すプロセスは、図3の組立環境300において実現することができる。
【0077】
このプロセスは、複数の可動式ロボット装置326との通信を確立することで開始することができる(作業1000)。複数の可動式ロボット装置326は、幾つかの位置352に移動し、無線通信システム324を使用して作業327を行って組立現場316で構造物302を組立てることが可能であり得る。
複数の可動式ロボット装置326の位置情報346は、運動制御システム322によって生成された位置情報346を使用して特定することができる(作業1002)。位置情報346は、複数の可動式ロボット装置326の位置、及び/又は複数の可動式ロボット装置326の異なる部分であってよい。情報338は、無線通信システム324を使用して複数の可動式ロボット装置326に送ることができる(作業1004)。情報338は位置情報を含むことができる。情報338を使用して作業327を行って構造物302を組立てることができ(作業1006)、その後プロセスは終了する。
【0078】
ここで図11を参照すると、構造物を組立てるプロセスのフローチャート図が有利な一実施形態に従って図示されている。図11に示すプロセスは、図3の組立環境300において実施することができる。例えば、このプロセスをコンピュータシステム320のプロセス355において実施して図3の構造物302の組立てを制御することができる。
このプロセスは、構造物302を特定することから開始することができる(作業1100)。その後、このプロセスでは、複数の可動式ロボット装置326にプログラム350をダウンロードすることができる(作業1102)。このプロセスは次に、複数の可動式ロボット装置326とラック325に、幾つかの位置352に移動するための指令348を送ることができる(作業1104)。このプロセスは次に、複数の可動式ロボット装置326に指令348を送って構造物302の組立てを開始することができる(作業1106)。
【0079】
構造物302の組立てが完了したかどうかの決定を行うことができる(作業1108)。構造物302の組立てが完了していない場合、任意の複数の可動式ロボット装置326がそれぞれのタスクを完了したかどうかの決定を行うことができる(作業1110)。これらのタスクはタスク329に含まれるタスクであってよい。
任意の複数の可動式ロボット装置326がそれぞれのタスクを完了している場合、追加のタスクを行う必要があるかどうかの決定を行うことができる(作業1112)。ある実施例においては、幾つかの可動式ロボット装置が、他の可動式ロボット装置よりも前にタスクを完了することができる。これらの実施例では、これらの可動式ロボット装置が他のタスクを行うことができ、これにより構造物302を組立てるのに必要な時間を短縮することができる。他の可動式ロボット装置がそれぞれのタスクをさらに迅速に完了するのを補助することができるタスクを、タスクを有さない可能性のある可動式ロボット装置に割り当てることができる。さらに、一つの可動式ロボット装置が保守又は点検を要する場合に、タスクを完了した別の可動式ロボット装置によって、保守又は点検を要する可動式ロボット装置のタスクを行うことができる。
【0080】
追加のタスクを行う必要がある場合に、プロセスでは、特定の可動式ロボット装置に追加のタスクを割り当てることができる(作業1114)。作業1114において、特定の可動式ロボット装置に指令348及び/又はプログラム350を送ることができる。このプロセスは次に、作業1108に戻ることができる。作業1112を再び参照すると、追加のタスクを行う必要がない場合は、プロセスは作業1108に戻ることができる。プロセスはまた、複数の可動式ロボット装置326のどの装置もタスクを完了していない場合に、作業1110から作業1108に戻ることもできる。
作業1108を再び参照すると、構造物302の組立てが完了した場合に、このプロセスは次に、複数の可動式ロボット装置326とラック325に組立現場316を離れるように指令348を送ることができ(作業1116)、その後プロセスは終了する。作業1116においては、複数の可動式ロボット装置326のうちの幾つかの装置がホーム位置376に戻ることができる。複数の可動式ロボット装置326内の幾つかの柔軟固定具334によって、構造物302を更なる加工及び/又は保管のために別の現場に移動させることができる。
【0081】
次に図12を見ると、構造物を組立てるプロセスのフローチャート図が、有利な一実施形態に従って図示されている。図示したこの実施例では、図12のプロセスを、例えば図6の可動式ロボット装置600等の可動式ロボット装置において実施することができる。このプロセスは、図6のデータ処理システム614によって実施することができる。
このプロセスは、実行用の幾つかの指令及びプログラムを受信することによって開始することができる(作業1200)。このプロセスは次に、実行用の作業636から一つの作業を選択することができる(作業1202)。消耗品646が、選択作業を行うのに必要な消耗品を含むかどうかの決定を行うことができる(作業1204)。
【0082】
消耗品がある場合は、プロセスは選択作業を行うことができる(作業1206)。この作業は例えば限定しないが、ドリルで穴を開ける、別の可動式ロボット装置と連動して部品を締め付ける、部品を研削する、シーリング材を塗布する、部品の検査を行う、及び/又は他の適切な作業であってよい。
作業を行った後で、まだ行っていない追加の作業が作業636に含まれているかどうかの決定を行うことができる(作業1208)。追加の作業がある場合は、プロセスは特定作業の中から実施していない作業を選択することができ(作業1210)、プロセスは次に作業1204に戻る。
【0083】
全ての作業が完了したら、プロセスはコンピュータシステムに可動式ロボット装置600が作業636を完了したことを示すメッセージを送ることができ(作業1212)、その後プロセスは終了する。この時点で、可動式ロボット装置600は追加の指令を待つことができる。
作業1204を再び参照すると、消耗品646が特定作業を行うのに必要な消耗品を含まない場合、プロセスは次に消耗品646を供給するように幾つかのサービスマニピュレータ332にメッセージを送ることができる(作業1214)。プロセスは次に消耗品646が届くのを待つことができる(作業1216)。消耗品646が届いたら、プロセスは次に上述したように作業1206に進むことができる。これらの消耗品は例えば限定しないが、締結具、先端部、ツール、電源装置、及び/又は他の適切な消耗品を含むことができる。
【0084】
ここで図13A〜13Dを参照すると、航空機構造を組立てるプロセスのフローチャート図が有利な一実施形態に従って図示されている。図13A〜13Dに示すこのプロセスは、作業を行って航空機構造を組立てることができる一実施例である。図13A〜13Dに示すこのプロセスは、図3の組立環境300を使用して実施することができる。
このプロセスは、構造物302を組立てるのに必要な情報をコンピュータシステム320が取得することによって開始することができる(作業1300)。この情報は例えば限定しないが、規格、製造計画、必要な設備、必要なツール、必要な部品、必要な材料、及び/又は他の適切な情報を含むことができる。プロセスは次に、構造物302を組立てるためにコンピュータシステム320を起動することができる(作業1302)。コンピュータシステム320は、運動制御システム322、無線通信システム324、及び任意の適切なユティリティを起動することができる(作業1306)。組立環境300内の全てのシステムが作動しているかどうかの決定を行うことができる(作業1308)。全てのシステムが作動していない場合、プロセスは作業1306に戻ることができる。
【0085】
作業1308において全てのシステムが作動している場合、コンピュータシステム320は複数の可動式ロボット装置326に情報338を送ることができる(作業1310)。情報338は例えば限定しないが、メッセージ340、位置情報346、指令348、プログラム350、及び/又は構造物302を組み立てるための作業327を行うのに必要な他の適切な情報を含むことができる。
コンピュータシステム320によって送られる情報に対する応答は、複数の可動式ロボット装置326から受信することができる(作業1312)。全ての情報338を受信したかどうかの決定を行うことができる(作業1314)。全ての情報338を受信していない場合は、プロセスは作業1310に戻る。
【0086】
全ての情報338を受信したら、コンピュータシステム320は、複数の可動式ロボット装置326、ラック325、及び/又は他の適切な構成要素に対して、組立システム308が構造物302の組立てを開始する準備ができているかどうかを決定するためのクエリを送る(作業1315)。
コンピュータシステム320は応答を受信することができ(作業1316)、消耗品360がセットされているかどうか決定することができる(作業1317)。消耗品360がセットされていない場合、消耗品360を調達する及び/又は調節する(作業1318)。作業1318は、ツール、先端部、締結用カセット、バッテリ、及び/又は他の適切な消耗品の調整及び装填を含むことができる。プロセスは次に作業1316に戻ることができる。
【0087】
消耗品360がセットされている場合、プロセスでは、複数の可動式ロボット装置326が作業327を行う準備ができているかどうかを決定することができる(作業1320)。複数の可動式ロボット装置326の全ての装置が作業327を行う準備ができていない場合、複数の可動式ロボット装置326のうちの一以上の装置の調節を行うことができ(作業1322)、その後プロセスは作業1320に戻る。
作業1322は例えば限定しないが、幾つかの内部可動式ロボット装置328、幾つかの外部可動式ロボット装置330、幾つかのサービスマニピュレータ332、幾つかの柔軟固定具334、及び/又は他の適切な装置の調整、及び/又は設置を含むことができる。複数の可動式ロボット装置326の全ての装置の準備ができている場合、コンピュータシステム320は複数の可動式ロボット装置326に対し、作業327を行うために幾つかの位置352に移動するよう指令348を送ることができる(作業1324)。
【0088】
受信した指令348に応答して、ラック325は幾つかの位置352に移動することができる(作業1326)。ラック325はコンピュータシステム320及び運動制御システム322と通信して衝突を避けることができる(作業1328)。次に、ラック325がホーム位置376に配置されているかどうかの決定を行うことができる(作業1330)。ラック325がホーム位置376にない場合、プロセスは作業1326に戻ることができる。
作業1324において受信した指令348に応答して、幾つかの柔軟固定具334を固定具の位置に向かって組立現場316に移動させることができる(作業1332)。幾つかの柔軟固定具334はコンピュータシステム320及び運動制御システム322と通信して衝突を避けることができる(作業1334)。次に、幾つかの柔軟固定具334が作業327を行う位置にあるかどうかの決定を行うことができる(作業1336)。幾つかの柔軟固定具334がその位置にない場合は、プロセスは作業1332に戻ることができる。
【0089】
また、作業1324の指令348に応答して、幾つかの外部可動式ロボット装置330、幾つかの内部可動式ロボット装置328、及び幾つかのサービスマニピュレータ332が組立現場316に移動することができる(作業1338)。幾つかの内部可動式ロボット装置328、幾つかの外部可動式ロボット装置330、及び幾つかのサービスマニピュレータ332は移動中に、コンピュータシステム320と運動制御システム322と通信して衝突を避けることができる(作業1340)。
プロセスでは、作業1330、1336、及び1340において、全ての装置が作業327を行う準備ができるまで待つことができる(作業1342)。全ての装置が作業327を行う準備ができたときに、コンピュータシステム320が無線通信システム324に指令を送って組立作業327を開始することができる(作業1346)。組立作業は作業327のサブセットであってよく、部品を位置づけし相互に固定して構造物302を形成することを含むことができる。
【0090】
幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330は、無線通信システム324を使って幾つかのサービスマニピュレータ332と通信し、消耗品360をリクエストすることができる(作業1348)。幾つかのサービスマニピュレータ332はラック325から消耗品360を調達して、幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330まで消耗品360を運ぶことができる(作業1350)。
幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330が消耗品360からの消耗品を十分に受け取ったかどうかの決定を行うことができる(作業1352)。消耗品360からの消耗品を十分に受け取っていない場合、プロセスは作業1348に戻ることができる。これらの消耗品は、部品、締結具、シーリング材、塗料、接着剤、及び/又は構造物302の組立てに必要な他の適切な消耗品を含むことができる。十分な消耗品を受け取ったら、消耗品360の部品を幾つかの柔軟固定具334にセットすることができる(作業1354)。
【0091】
次に、全ての部品が幾つかの柔軟固定具334に装填されているかどうかの決定を行うことができる(作業1356)。全ての部品が装填されていない場合、プロセスは作業1354に戻ることができる。そうでなければ、幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330は幾つかの位置352に移動することができる(作業1358)。
幾つかの外部可動式ロボット装置330のうちの幾つかの装置は、メッセージ340を送って構造物の最上部への移動をリクエストすることができる(作業1360)。幾つかのサービスマニピュレータ332は、構造物302へのリクエストを行っている幾つかの外部可動式ロボット装置330内の装置を持上げて設置することができる(作業1362)。
【0092】
リクエストを出している幾つかの外部可動式ロボット装置330が全て、構造物302の最上部に設置されているかどうかの決定を行うことができる(作業1364)。リクエストを出している幾つかの外部可動式ロボット装置330が全て、構造物302の最上部に設置されていない場合、プロセスは作業1360に戻ることができる。
そうでなければ、プロセスは次に、構造物302に組立作業327を行って構造物302を組立てることができる(作業1366)。これらの組立作業は、幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330の、同期された組み立て作業を含むことができる。幾つかの内部可動式ロボット装置328と幾つかの外部可動式ロボット装置330は、これらの装置自体と消耗品360を監視する(作業1368)。
【0093】
保守が必要かどうかの決定を行うことができる(作業1370)。保守では、先端部362、電源装置364、ツール366、締結具368、及び/又は消耗品360の他の適切な形態の交換を要する可能性がある。
保守作業が必要な場合は、保守が必要な特定の可動式ロボット装置からメッセージ340を幾つかのサービスマニピュレータ332へ送ることができる(作業1372)。メッセージ340の受信に応答して、幾つかのサービスマニピュレータ332は消耗品360を調達して、消耗品360を使用しながら保守を行うことができる(作業1374)。
【0094】
保守が完了したかどうかの決定を行うことができる(作業1376)。保守が完了していない場合、プロセスは作業1372に戻ることができる。保守作業が完了した場合は、プロセスでは構造物302への作業327の実施を継続することができる(作業1378)。作業327は、部品の組立て、検査、及び構造物302の組立てに必要な他の適切な作業を含むことができる。その後に、作業327が完了したかどうかの決定を行うことができる(作業1380)。
作業327が完了していない場合、プロセスは作業1378に戻ることができる。作業327が完了している場合は、コンピュータシステム320から幾つかの柔軟固定具334に指令348を送って、組立現場316から構造物302を移動させることができる(作業1382)。その後、構造物302を更なる処理のために別の組立現場に移動することができ(作業1384)、その後プロセスは終了する。
再び作業1370を参照すると、保守が必要ない場合、プロセスは上述したように作業1378まで継続する。
【0095】
ここで図14を見ると、構造物に作業を行うためのプロセスのフローチャート図が有利な一実施形態に従って図示されている。図14に示すプロセスは、図3の組立環境300等の環境において実施することが可能である。
このプロセスは、第1可動式ロボット装置と第2可動式ロボット装置を起動させることによって開始することができる(作業1400)。その後、作業が行われる構造物302を特定することができる(作業1404)。第1可動式ロボット装置が構造物302の第1表面に隣接する一方、第2可動式ロボット装置は構造物302の第2表面に隣接することができる。
【0096】
第1可動式ロボット装置と第2可動式ロボット装置は、締め付け機能を用いてその位置で部品を締め付けることができる(作業1406)。第1可動式ロボット装置はドリル作業を行って構造物302上の位置において部品を貫通する穴を開けることができる(作業1408)。第1可動式ロボット装置と第2可動式ロボット装置は、穴に締結具を取り付けて構造物302上で部品を相互に固定することができ(作業1410)、その後プロセスは終了する。
図示した異なる実施形態におけるフローチャートとブロック図は、異なる有利な実施形態の装置及び方法の幾つかのあり得る実施形態のアーキテクチャ、機能性、及び作業を示している。これに関しては、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、一作業又はステップのモジュール、区分、機能、及び/又は一部を表すことができる。
【0097】
ある代替実施形態では、ブロックにおいて注記された一つ又は複数の作用は、図面に注記されたのとは違う順番に起こることが可能である。例えばある場合には、それに含まれる機能性によって、続いて示す2つのブロックを実質的に同時に実施することが可能である、又はブロックを時には逆の順に実施することができる。
したがって、異なる有利な実施形態により、特定の組立現場で組立てることができる異なる種類の構造物の柔軟性をさらに増すことができる、構造物を組立てる方法及び装置が提供される。異なる有利な実施形態により、現在の組立システムと比べてより迅速に、及び/又はより安く組立てられるように、構造物の種類を変更する機能が提供され得る。異なる有利な実施形態は、固定レール、固定ロボット装置、溝、床の導管、及び移動、及び変更に時間及び費用がかかる可能性のある他の構造物の必要をなくすことができる。
【0098】
異なる有利な実施形態の説明は、図示及び説明目的で記載されており、開示された形の実施形態を包括する又は限定するものではない。当業者には、多数の修正及び変更が明らかである。さらに異なる有利な実施形態は、他の有利な実施形態と比べて、異なる利点を提供することができる。
異なる有利な実施形態を航空機構造に関連させて説明してきたが、他の有利な実施形態を他の種類の物体に応用することができる。例えば限定しないが、他の有利な実施形態を翼、機体、エンジン、タンク、潜水艦の船殻、宇宙船、宇宙ステーション、水上艦、及び自動車に応用することができる。
選択された一つの又は複数の実施形態は、実施形態の原理と実際の応用形態を最適に説明するために、そして当業者が特定の使用に好適なさまざまな修正が施された様々な実施形態の開示内容を理解することができるように、選択され説明された。
【符号の説明】
【0099】
102 規格及び設計
104 材料の調達
106 構成要素及びサブアセンブリの製造
108 システム統合
110 検査及び納入
112 就航
114 保守及び点検
200 航空機
202 機体
204 システム
206 内部装飾
208 推進
210 電気
212 油圧
214 環境
300 組立環境
302 構造物
304 外部
306 内部
308 組立システム
310 翼
312 機体
314 エンジン
316 組立現場
318 作業場
320 コンピュータシステム
322 運動制御システム
324 無線通信システム
325 ラック
326 複数の可動式ロボット装置
327 作業
328 幾つかの内部可動式ロボット装置
329 複数のタスク
330 幾つかの外部可動式ロボット装置
332 幾つかのサービスマニピュレータ
334 幾つかの柔軟固定具
336 部品
338 情報
340 メッセージ
346 位置情報
348 指令
350 プログラム
352 幾つかの位置
353 プロセス
354 コントローラ
355 プロセス
356 センサ
358 通信装置
360 消耗品
362 先端部
364 電源装置
366 ツール
368 締結具
370 シーリング材
372 塗料
374 接着剤
376 ホーム位置
378 調子
380 履歴
400 可動式ロボット装置
402 可動式ロボット装置
404 位置
406 構造物
408 表面
410 表面
412 部品
414 穴
416 締結具
500 データ処理システム
502 通信用ファブリック
504 プロセッサ装置
506 メモリ
508 永続記憶装置
510 通信装置
512 入力/出力(I/O)装置
514 ディスプレイ
516 記憶装置
600 可動式ロボット装置
602 装置本体
604 可動システム
606 先端部
608 位置情報装置
610 視覚システム
612 電力システム
614 データ処理システム
617 無線通信装置
618 車輪
620 行路
622 足部分
624 マニピュレータ
626 ツールシステム
628 3つ以上の軸線
630 位置情報
632 可動式ロボット装置600の幾つかの位置
634 部品
636 部品634に行われている作業
638 電力装置
640 プログラム
646 消耗品
700 組立環境
702 組立現場
704 床
706 壁
708 壁
710 壁
711 壁
712 無線通信システム
714 運動制御システム
716 無線通信装置
718 無線通信装置
720 無線通信装置
722 無線通信装置
724 無線通信装置
726 無線通信装置
728 運動制御装置
730 運動制御装置
732 運動制御装置
734 運動制御装置
736 運動制御装置
738 運動制御装置
740 運動制御装置
742 運動制御装置
744 運動制御装置
746 運動制御装置
747 運動制御装置
748 運動制御装置
750 運動制御装置
752 運動制御装置
754 運動制御装置
756 ラック
758 ラック
760 ラック
764 バッテリ
766 ツール
768 カセット
770 先端部
772 システムコントローラ
774 構造物
775 翼
776 翼外部
777 翼内部
778 柔軟固定具
779 柔軟固定具
780 柔軟固定具
781 柔軟固定具
782 柔軟固定具
783 柔軟固定具
784 外部可動式ロボット装置
785 外部可動式ロボット装置
786 外部可動式ロボット装置
787 内部可動式ロボット装置
788 内部可動式ロボット装置
789 翼表面
790 柔軟な腕部
791 サービスマニピュレータ
792 ホーム位置
793 電磁石
800 機体
802 機体外部
804 機体内部
806 外部可動式ロボット装置
808 外部可動式ロボット装置
810 外部可動式ロボット装置
812 表面
814 内部可動式ロボット装置
816 内部可動式ロボット装置
818 内部可動式ロボット装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立現場において幾つかの位置に移動することができ、組立現場において構造物の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置と、
組立現場内で複数の可動式ロボット装置との通信を可能にすることができる無線通信システムと、
組立現場における複数の可動式ロボット装置の位置情報を生成し、前記位置情報を複数の可動式ロボット装置に送信できる運動制御システムと
を備える装置。
【請求項2】
複数の可動式ロボット装置が、内部可動式ロボット装置、外部可動式ロボット装置、柔軟固定具、及びサービス装置のうちの少なくとも一つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
位置情報が、可動式ロボット装置の腕部の位置、可動式ロボット装置の先端部の位置、可動式ロボット装置の本体の位置、及び部品の位置の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
コンピュータシステムをさらに備える装置であって、前記コンピュータシステムが、複数の可動式ロボット装置と情報交換ができ、前記情報が指令、データ、可動式ロボット装置の位置、及び複数の可動式ロボット装置のうちの可動式ロボット装置によって実行可能なプログラムのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
運動制御システムが、
複数のセンサと、
複数のセンサを使用して複数の可動式ロボット装置の位置を特定できるコンピュータとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数のセンサが、カメラ、複数の可動式ロボット装置から全地球測位システム情報を受信できる受信機、及び無線自動識別センサ読取器のうちの少なくとも一つから選択される幾つかの種類のセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
複数のセンサが、複数の可動式ロボット装置のうちの少なくとも一つの装置上と、組立現場において選択された位置に配置される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
複数の可動式ロボット装置が、
構造物の外部周囲を移動することができ、構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことができる外部可動式ロボット装置と、
構造物の内部で幾つかの第2作業を行うことができ、構造物を組立てるために、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して幾つかの第2作業を行うことができる内部可動式ロボット装置と
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
作業が、部品の固定、部品の検査、穴開け、部品の締付け、締結具の取付け、及びシーリング材の塗布のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
構造物の外部周囲を移動することができ、構造物の外部に幾つかの第1作業を行うことができる外部可動式ロボット装置と、
構造物の内部で幾つかの第2作業を行うことができ、構造物を組立てるために、外部可動式ロボット装置によって行われる幾つかの第1作業と連動して幾つかの第2作業を行うことができる内部可動式ロボット装置と
を備える、組立システム。
【請求項11】
内部可動式ロボット装置が、幾つかの第2作業を行うために、構造物の内部に幾つかの部材を移動させることができる、請求項10に記載の組立システム。
【請求項12】
構造物を組立てる方法であって、
組立現場において幾つかの位置に移動でき、無線通信システムを使用して組立現場で構造物の組立作業を行うことができる複数の可動式ロボット装置との通信を確立し、
運動制御システムを使用して複数の可動式ロボット装置についての位置情報を特定し、
複数の可動式ロボット装置に情報を送り、前記情報が位置情報を含み、
位置情報を使用して構造物の組立作業を行う
ステップを含む方法。
【請求項13】
複数の可動式ロボット装置に情報を送るステップが、
幾つかのプログラムを複数の可動式ロボット装置に送る
ステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数の可動式ロボット装置へ情報を送るステップが、
複数の可動式ロボット装置のうちの幾つかの装置に位置情報を送る
ステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
位置情報を使用して構造物の組立作業を行うステップが、
複数の可動式ロボット装置同士でメッセージをやり取りし、
メッセージを使用して、構造物の幾つかの組立作業を行う
ステップを含む、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−194710(P2010−194710A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−35885(P2010−35885)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】