説明

自律走行装置およびプログラム

【課題】充電器の給電端子と装置本体の受電端子の酸化により接触抵抗が増加した場合であっても、充電池の充電をすることができる自律走行装置を提供することを目的とする。
【解決手段】充電時に、装置本体1を左右に回転動作させ充電器10の給電端子11と装置本体1の受電端子6をすり合わせるようにしたものである。これによって、充電時のすり合わせで給電端子11と受電端子6の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池7の充電をすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行掃除機、監視用ロボット、その他の作業ロボットなどの自律走行装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自律走行装置は、作業終了後に、充電池を備えた装置本体を、給電手段を備えた充電器まで移動させ、充電器側の給電端子と装置本体の受電端子を接触させて充電池の充電を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−210704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、充電時に充電器側の給電端子と装置本体の受電端子を単に接触させるだけであるため、充電器側の給電端子または装置本体の受電端子の酸化により接触抵抗が増加した場合、充電がうまく行えないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するのもので、充電器の給電端子と装置本体の受電端子の酸化により接触抵抗が増加した場合であっても、充電不備とはならず充電池の充電をすることができる自律走行装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自律走行装置およびプログラムは、充電時に、装置本体を左右に回転動作させ充電器の給電端子と装置本体の受電端子をすり合わせるようにしたものである。
【0006】
これによって、充電時のすり合わせで給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自律走行装置およびプログラムは、充電器側の給電端子と装置本体の受電端子の酸化により接触抵抗が増加した場合であっても、充電不備とはならず充電池の充電をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、定位置に設置された充電器と、この充電器から給電を受ける装置本体とを備え、前記充電器は給電手段と給電端子を有し、前記装置本体は、電力を供給する充電池と、装置本体を移動させる走行手段と、充電器の給電端子から給電を受ける受電端子と、充電器の位置を検知する充電器検知手段と、走行手段を制御する制御手段とを有し、前記装置本体の制御手段は、充電時に装置本体を左右に回転動作させ充電器の給電端子と装置本体の受電端子をすり合わせるように制御する自律走行装置とするものである。これによって、充電時のすり合わせで給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御手段は、充電時に装置本体を左右に回転動作させ充電器の給電端子と装置本体の受電端子をすり合わせるように制御する前段において、充電器検知手段の出力により、充電器の給電端子と装置本体の受電端子の位置合わせを行わせるようにしたことにより、充電器の給電端子と装置本体の受電端子の位置合わせで装置本体と充電器のズレを吸収し、確実に装置本体の受電端子と充電器へ給電端子を接触でき、かつ給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて回転動作の回転範囲を変更するようにしたことにより、電圧印可状態に応じた回転動作の回転範囲の変更で装置本体の充電器への移動時の位置ズレを補正でき、かつ給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて回転動作の停止位置を決定するようにしたことにより、電圧印可状態に応じた回転動作の停止位置の決定で装置本体の充電器への移動時の位置ズレを補正でき、かつ給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて回転動作の回数を変更するようにしたことにより、確実に装置本体の受電端子と充電器へ給電端子を接触でき、かつ給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて走行手段を制御して装置本体を充電器へ再帰着させるようにしたことにより、装置本体の充電器への再帰着で確実に装置本体の受電端子と充電器へ給電端子を接触でき、かつ給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0014】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、受電端子は装置本体の最大外郭より内側に設置され、かつ装置本体は少なくとも受電端子が設置された部分は円形状とすることにより、受電端子の位置と装置本体の形状で確実に装置本体の受電端子と充電器へ給電端子を接触でき、かつ給電端子と受電端子の酸化による接触抵抗増加を防ぎ、充電池の充電をすることができる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明における自律走行装置の機能の少なくとも一部をコンピュータで実行させるためのプログラムとすることにより、マイコンなどを用いて自律走行装置の少なくとも一部を容易に実現することができ、各種センサの変更または経年変化などの特性の変化や動作を実現するための設定条件や定数の変更が柔軟に対応できる。また、記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布が簡単にできる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における自律走行装置を示すものである。
【0018】
図に示すように、本実施の形態における自律走行装置は、装置本体1と、定位置に設置され装置本体1に給電する充電器10とを備えている。
【0019】
装置本体1は、超音波を用いて超音波の送信から障害物で反射した反射波を検知するまでの時間を基に障害物の有無や距離を検知したり、赤外線光などを用いて障害物の有無を検知したりする障害物検知手段2と、装置本体1の左右それぞれの駆動輪3を駆動し装置本体1を走行させる走行手段4と、走行手段4を制御する制御手段5と、充電器10から給電を受ける受電端子6と、装置本体1の各手段に電力を供給する充電池7と、装置本体1の底面部の左右両側部と前方に所定間隔を隔て設けた充電器検知手段8と、従輪9と、受電端子6を通じて充電器10から受電される電圧を検知する電圧検知手段12と、ジャイロセンサなどで構成される装置本体1の回転角度を検知する回転角検知手段14を有している。
【0020】
また、充電器10は、給電手段13と、充電器10の前面に配置され内側からバネ(図示せず)で付勢され装置本体1の受電端子6と接触し給電する給電端子11とを有している。
【0021】
前記制御手段5は、障害物検知手段2、充電器検知手段8、電圧検知手段12の入力より、走行手段4を制御するものであり、充電池7への充電時に装置本体1を左右に回転動作させ、充電器10の給電端子11と装置本体1の受電端子6をすり合わせるように制御するようにしている。
【0022】
次に、図2〜図4に、自律走行装置の装置本体1と充電器10の関係を示している。
【0023】
図2、図4に示すように、受電端子6は装置本体1の最大外郭より内側に設置され、かつ装置本体1は少なくとも受電端子6が設置された部分は円形状としている。また、充電器10の給電端子11と装置本体1の受電端子6は同じ高さに配置されている。さらに、充電器10の前底面部の裏側には、細長い形状の磁気テープまたは磁石で構成される誘導手段15が設置され、装置本体1を誘導するようになっている。
【0024】
また、各図に示すように、装置本体1の障害物検知手段2は、左側面検知手段2a、左前検知手段2b、右前検知手段2c、右側面検知手段2dから構成されており、装置本体1の前面および側面に配置されている。装置本体1の充電器検知手段8は、左側面充電器検知手段8a、左前充電器検知手段8b、右前充電器検知手段8c、右側面充電器検知手段8dから構成されており、装置本体1の底面部に配置されている。なお、左前充電器検知手段8b、右前充電器検知手段8cは、誘導手段15の2、3倍程度の幅間隔を隔てて配置されている。前記左側面充電器検知手段8a、左前充電器検知手段8b、右前充電器検知手段8c、右側面充電器検知手段8dは実際には磁気を検知するホール素子などで構成される。
【0025】
以上のように構成された自律走行装置について、図5〜図8に基づき、その動作、作用を説明する。
【0026】
充電後、装置本体1を起動すると、充電器10から離脱するために所定距離だけ後退を行い、その後180°反転を行って、乱数的に決定した角度方向に直進を行う。そして障害物検知手段2により装置本体1の前方に予め設定された距離(例えば10cm)に障害物を検知すると停止し、再度乱数的に決定した角度方向に直進を行う動作を繰り返し、所定の作業を実行する。
【0027】
そして、予め設定された時間が経過するか、電圧検知手段12で検知する充電池7の電圧が予め設定された電圧まで低下した場合、例えば、図5に示すように、装置本体1は充電器10の場所に戻るべく、右側面検知手段2dで検知した障害物(壁)Bとの距離Dを一定に保ちながら移動方向Aへ移動する、いわゆる壁沿い動作を行う。
【0028】
この壁沿い動作中、充電器10付近まで装置本体1が近寄り、図6(a)に示すように、装置本体1の底面に設置した左側面充電器検知手段8aで充電器10の底部に設置された誘導手段15を検知すると、装置本体1は充電器10までたどり着いたことを認識し、装置本体1を停止する。次に、図6(b)に示すように、誘導手段15を検知した側(図6(a)において左側)に、右前充電器検知手段8cで再度検知するまで回転させる(この回転により、誘導手段15は装置本体1の左前充電器検知手段8b、右前充電器検知手段8cの間に存在することになる)。その後、制御手段5は左前充電器検知手段8b、右前充電器検知手段8cによる充電器10の誘導手段15の検知出力を基に、図7の動作フローに示す前進を行う。
【0029】
つまり、装置本体1を直進させ(図7のStep1)、前進中、左前充電器検知手段8bで誘導手段15を検知すれば(Step2)、左方向へ方向転換し(Step3)、右前充電器検知手段8cで誘導手段15を検知すれば(Step4)、右方向へ方向転換し(Step5)、これを繰り返しことで装置本体1は充電器10の誘導手段15にほぼ沿って直進する。そして、装置本体1の受電端子6と充電器10の給電端子11が接触して充電器10から給電されると、電圧検知手段12で充電器10から給電される電圧を検知し(Step6)、受電端子6と充電器10の給電端子11が接触した旨を認識して、制御手段5は装置本体1の直進を停止する(Step7)。それから、走行手段4を制御して、図8(a)に示すように、まず装置本体1を第1の所定角度(例えば25°)で左に回転(第1の回転)させ(Step8)、その後、図8(b)に示すように、右に第1の所定角度の2倍(例えば50°)回転(第2の回転)させ(Step9)、さらに図8(c)に示すように、第1の所定角度(例えば25°)で左に回転(第3の回転)させる(Step10)。この回転動作により受電端子6と充電器10の給電端子11をすり合わせが行われる。
【0030】
また、前述の第1の回転を行う前に装置本体1が充電器10に対して直角でなく左右どちらかに傾いた状態で、前記第2の回転中、受電端子6と充電器10の給電端子11が接触せず、電圧検知手段12で充電器10から給電される電圧が検知できなかった場合、検知していた期間での中点の位置に第3の回転で戻るように第3の回転の回転角を変更し、回転の停止位置を変更する。つまり、第2の回転で50°回転した際に、例えば最初の40°の回転のみ電圧検知手段12で充電器10から給電される電圧を検知し、残りの10°は検知できなかった場合、電圧を検知できた40°の中点である位置に第3の回転で戻るように第3の回転の角度を25°から30°に変更する。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段5が充電動作時に走行手段4を制御し、装置本体1を左右に回転動作させ充電器10の給電端子11と装置本体1の受電端子6をすり合わせることにより、受電端子6および給電端子11の酸化による接触抵抗増加した場合であっても、充電不備とはならず充電池7の充電をすることができる。
【0032】
なお、本実施の形態では、電圧検知手段12を設け電圧検知手段12が検知する電圧で装置本体1の充電器10への帰着を検知するとしたが、これに限定されるものではなく装置本体1前方に充電器10への接触を検知するスイッチなどを配置し、これにより充電器10への帰着を検知するようにしてもよい。この場合、装置本体1が充電器10へ帰着後、一定角度だけ左右に装置本体1を回転動作させることで受電端子6と給電端子11の酸化による接触抵抗増加の充電不備を防ぐことができる。
【0033】
さらに、本実施の形態では、第2の回転中、受電端子6と充電器10の給電端子11が接触せず、電圧検知手段12で充電器10から給電される電圧が検知できなかった場合、検知していた期間での中点の位置に第3の回転で戻るように第3の回転の停止位置を変更するとしたが、これに限定されるものではなく、中点ではなく第2の回転中、電圧検知手段12で充電器10から給電される電圧が検知できている回転方向側に第3の回転の回転範囲を変更する(つまり、受電端子6と給電端子11が接触できている回転方向に第3の回転角度を大きく変更する)ことで、最初に充電器10と装置本体1の位置関係が直角でなく傾いていて、第2の回転中に受電端子6と充電器10の給電端子11が接触できなくても、回転範囲を変更することで受電端子6と充電器10の給電端子11を確実に接触するようにできる。
【0034】
さらに、第2の回転中、受電端子6と充電器10の給電端子11が短時間の接触状態と非接触状態を繰り返すいわゆるチャタリングを起こした状態の場合、第2の回転の回転方向(右回転)と逆方向(左回転)に同じ角度の回転を行う。これを所定回数(例えば2回)繰り返し、その後、再度第2の回転と第3の回転を行うことで、第2の回転の中点位置に回転を停止し、受電端子6と充電器10の給電端子11とのすり合わせ回数を増加させることにより、確実に端子の酸化状態を改善することができる。
【0035】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における自律走行装置の動作フローを示したものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその構成、動作の説明を省略する。
【0036】
以下、実施の形態1の構成、動作との相違点を中心に述べる。図に示す動作フローは、実施の形態1における第2の回転の動作を改善したものであり、この第2の回転までの動作は、実施の形態1と同じであるので、第2の回転以降から説明する。
【0037】
第1の回転が終了後、制御手段5は走行手段4を制御し装置本体1を右回転させる(Step21)。そして電圧検知手段12が検知する受電端子6を通じて充電器10から供給される電圧より、受電端子6と充電器10の給電端子11が予め設定された所定角度(例えば20°)以上、接触していなければ(Step22)、制御手段5は装置本体1を停止し(Step23)、最初の第1の回転を行う前の状態に戻す(Step24)。その後、制御手段5は左前充電器検知手段8bで検知するまで装置本体1を右回転させる(Step25およびStep26)。そして、左前充電器検知手段8bで誘導手段15を検知した場合、制御手段5は、次に右前充電器検知手段8cで検知するまで装置本体1を左回転させる(Step27およびStep28)。右前充電器検知手段8cで誘導手段15を検知すると、制御手段5は、次に左前充電器検知手段8bと右前充電器検知手段8cで誘導手段15を検知した回転位置の中点に装置本体1を戻す。
【0038】
これにより、誘導手段15は左前充電器検知手段8bと右前充電器検知手段8cの中間に存在し、装置本体1は充電器10と正確に正対している状態となる。そして、制御手段5は、装置本体1を所定距離(例えば20cm)後退させ(Step30)、実施の形態1と同様な帰着動作へ移行する。帰着動作の説明は省略する。
【0039】
Step22で所定角度以上離脱していなければ、第2の回転の終了まで右回転動作を続け、回転終了時に第3の回転動作へ移行する。第3の回転動作は実施の形態1と同様であり説明は省略する。
【0040】
以上のように、本実施の形態においては、第2の回転動作中、予め設定された所定角度(例えば20°)以上、装置本体1の受電端子6と充電器10の給電端子11が接触していなければ、充電器10と位置合わせと後退を行った後、充電器10への帰着動作をやり直すことで、最初に充電器10と装置本体1の位置関係が直角でなく傾いていて、第2の回転中に受電端子6と充電器10の給電端子11が接触できなくても、再度帰着動作のやり直しにより、受電端子6と充電器10の給電端子11とを確実に接触するようにできる。
【0041】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3における自律走行装置の動作フローを示したものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその構成、動作の説明を省略する。
【0042】
以下、実施の形態1の構成、動作との相違点を中心に述べる。図に示す動作フローにおいて、Step7までは実施の形態1の帰着動作と同じであるので、説明はStep40以降から行う。
【0043】
制御手段5はStep7で装置本体1を停止後、走行手段4を制御し、左前充電器検知手段8bで誘導手段15を検知するまで装置本体1を右回転させる(Step40およびStep41)。
【0044】
そして、左前充電器検知手段8bで誘導手段15を検知した場合、制御手段5は次に右前充電器検知手段8cで検知するまで装置本体1を左回転させる(Step42およびStep43)。右前充電器検知手段8cで誘導手段15を検知すると、制御手段5は次に左前充電器検知手段8bと右前充電器検知手段8cで誘導手段15を検知した回転位置の中点に装置本体1を戻す(Step44)。これにより誘導手段15は左前充電器検知手段8bと右前充電器検知手段8cの中間に存在し、装置本体1は充電器10と正確に正対している状態となる。そして制御手段5は実施の形態1と同じ第1の回転動作へ移行し、以降の動作は実施の形態1と同じである。
【0045】
以上のように、本実施の形態においては、装置本体1が充電器10に帰着後、充電時の前段において、左前充電器検知手段8bと右前充電器検知手段8cの出力より、装置本体1を正確に充電器10と正対している状態とするので、その後の装置本体1の受電端子6と充電器10を正確にすり合わせることが可能で、受電端子6および給電端子11の酸化による接触抵抗増加による充電不備を防ぐことができるものである。
【0046】
なお、本実施の形態1〜3で説明した各手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバなどのハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。マイコンなどを用いて自律走行装置の少なくとも一部を実現すると、各種センサの変更または経年変化などの特性の変化や動作を実現するための設定条件や定数の変更が柔軟に対応できる。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信したりすることで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる自律走行装置およびプログラムは、充電器側の給電端子と装置本体の受電端子の酸化により接触抵抗が増加した場合であっても、充電不備とはならず充電池の充電をすることができるので、自律走行掃除機、監視用ロボット、その他の作業ロボットなどの自律走行装置全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1における自律走行装置の構成を示すブロック図
【図2】同自律走行装置の装置本体と充電器の関係を示す外観斜視図
【図3】同自律走行装置の装置本体と充電器の関係を示す平面図
【図4】同自律走行装置の装置本体と充電器の関係を示す側面図
【図5】同自律走行装置の装置本体動作を説明する平面図
【図6】同自律走行装置の装置本体動作と充電器との関係を説明する平面図
【図7】同自律走行装置の装置本体動作を説明するフローチャート
【図8】同自律走行装置の装置本体動作と充電器との結合時の説明をする平面図
【図9】本発明の実施の形態2における自律走行装置の装置本体動作を説明するフローチャート
【図10】本発明の実施の形態3における自律走行装置の装置本体動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
【0049】
1 装置本体
2 障害物検知手段
4 走行手段
5 制御手段
6 受電端子
7 充電池
8 充電器検知手段
10 充電器
11 給電端子
12 電圧検知手段
13 給電手段
14 回転角検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定位置に設置された充電器と、この充電器から給電を受ける装置本体とを備え、前記充電器は給電手段と給電端子を有し、前記装置本体は、電力を供給する充電池と、装置本体を移動させる走行手段と、充電器の給電端子から給電を受ける受電端子と、充電器の位置を検知する充電器検知手段と、走行手段を制御する制御手段とを有し、前記装置本体の制御手段は、充電時に装置本体を左右に回転動作させ充電器の給電端子と装置本体の受電端子をすり合わせるように制御する自律走行装置。
【請求項2】
制御手段は、充電時に装置本体を左右に回転動作させ充電器の給電端子と装置本体の受電端子をすり合わせるように制御する前段において、充電器検知手段の出力により、充電器の給電端子と装置本体の受電端子の位置合わせを行わせるようにした請求項1に記載の自律走行装置。
【請求項3】
制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて回転動作の回転範囲を変更するようにした請求項1または2に記載の自律走行装置。
【請求項4】
制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて回転動作の停止位置を決定するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の自律走行装置。
【請求項5】
制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて回転動作の回数を変更するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の自律走行装置。
【請求項6】
制御手段は、装置本体の回転動作中に充電器の給電端子から受電端子への電圧印可状態に応じて走行手段を制御して装置本体を充電器へ再帰着させるようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の自律走行装置。
【請求項7】
受電端子は装置本体の最大外郭より内側に設置され、かつ装置本体は少なくとも受電端子が設置された部分は円形状とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自律走行装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の自律走行装置における機能の少なくとも一部をコンピュータで実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−38880(P2009−38880A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200483(P2007−200483)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】