説明

葉酸コンジュゲートおよびコンプレックス

葉酸受容体リガンド、およびオンコナーゼまたはその変異形、たとえばrapLR1等の、1つまたは複数の治療用分子を含む、コンジュゲートおよびコンプレックスを開示する。当該コンジュゲートおよびコンプレックスは、一次治療薬として有用な可能性があり、さらなる治療薬または診断用薬と投与することが可能である。また、当該コンジュゲートおよびコンプレックスを含むキットも開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年1月22に出願の、米国仮出願第60/538,396号(引用することにより、その開示内容を全体として本明細書に組み込む)に対する優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
葉酸受容体(葉酸結合タンパク質、FBP(folate biding protein)とも呼ばれる)は、ある種の悪性細胞型で過剰発現するため、癌治療用の薬剤および/または放射性医薬の潜在的な送達機構として、葉酸受容体のターゲティングが提唱されてきた。Weitmanら、(1992年)Cancer Res.52,6708-11;Campbellら、(1991年)Cancer Res.51,5329-38を参照されたい。葉酸は、様々な治療用分子および/または診断用分子に結合されてきた。Mathiasら、Bioconjugate Chem.2000,11,253-257、およびWangら、Bioconjugate Chem.1997 9月〜10月、8(5):673-9(両者とも、DTPA−葉酸コンジュゲートおよび99mTcキレートについて記述している);Siegelら、J.Nucl.Med.44(5):70)(2003)(DTPA−葉酸コンジュゲートおよび111Inキレートについて記述している)、およびLeamonら、J.Biol.Chem.Vol.268,No.33,1993年11月25日、24847〜24854ページ(葉酸−シュードモナス外毒素コンジュゲートについて記述している)。
【0003】
rapLR1等の、リボ核酸分解(ribonucleolytic)活性を有する、オンコナーゼおよび/または変異形は、葉酸コンジュゲートおよびコンプレックスを調製するのに有用な治療用分子である。オンコナーゼは、ヒョウガエル(Rana pipiens)卵母細胞および初期胚から精製される、分子量12,000ダルトンを有する、非哺乳動物のリボヌクレアーゼ(RNase)である。オンコナーゼは、ウサギ網状赤血球溶血液アッセイで(IC50 10-11M)、またアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞に微量注入したとき(IC50 10-10M)、タンパク質合成の強力な阻害を引き起こす。オンコナーゼは、RNase Aスーパーファミリーの他のメンバーとは違って、卵母細胞rRNAを分解しない。オンコナーゼは、感受性細胞の細胞表面受容体への結合時およびそのサイトゾル内部移行時に、細胞性RNAの不活化を含む機構による強力なタンパク質合成阻害の結果として、細胞死を引き起こす。オンコナーゼは、哺乳動物の胎盤リボヌクレアーゼインヒビターにより阻害されず、これによって、哺乳動物の対応物と比較して増強されたオンコナーゼの細胞障害性を説明することが可能である。
【0004】
オンコナーゼは、ラット(用量範囲0.01〜0.02mg/kg)でもイヌ(0.005〜0.15mg/kg)でも、予測可能な、用量依存的かつ可逆的毒性を示すことが、動物毒物学研究から分かる。高悪性度のM109マディソン(Madison)肺癌を接種し、毎日および毎週のオンコナーゼ腹腔内投与計画で処置したマウスは共に、有意に長い生存を示した。最も際立った結果は、毎週のオンコナーゼ計画で処置したマウス群でみられ、動物18匹中6匹が長期生き続け、癌が治癒したようであった。
【0005】
オンコナーゼは、臨床治験で、様々な固形癌に対して抗腫瘍活性を有することが証明されている。これに関して、たとえば膵臓癌患者を治療するときに、オンコナーゼは単独でも、タモキシフェン等の他の抗腫瘍剤との併用でも、使用されてきた。抗腫瘍剤として使用するとき、それをある特定の細胞型にターゲティングするマーカーに、オンコナーゼを結合させることができる。
【0006】
フェーズI試験で、様々な再発性腫瘍および抵抗性腫瘍に罹っている患者に、オンコナーゼを静脈内投与した。用量60〜690μ/m2のオンコナーゼは、一般的に、フラッシング、筋痛、一過性の眩暈、および食欲減退という、起こりうる副作用を引き起こした。タンパク尿、末梢浮腫、高窒素血症の増加、クレアチニンクリアランスの低下、ならびに疲労を呈する、用量制限的腎毒性を含む、観察された毒性は、用量依存的かつ可逆的であり、動物毒物学研究と一致している。毎週のオンコナーゼ静脈内投与を繰り返した後でさえ、真の免疫学的感作の臨床所見は明白ではなかった。主として腎毒性に起因する、最大耐容量は、960μg/m2であった。非小細胞肺癌、食道癌、および直腸結腸癌で若干の客観的応答も認められた。それにもかかわらず、オンコナーゼは、試験した動物、およびヒト患者の大部分で耐容性にすぐれ、一貫性のある可逆的な臨床毒性パターンを示し、大抵の化学療法剤に随伴する毒性のほとんど、たとえば骨髄抑制および脱毛症を引き起こさなかった。
【0007】
したがって、オンコナーゼは、小サイズ、動物起源、ならびにin vitroおよびin vivoでの抗腫瘍作用を含む、多くの望ましい特徴を有する。オンコナーゼは、耐容性に優れ、またヒトRNaseインヒビターに抵抗性がある。しかし、ヒョウガエル卵母細胞から精製されるオンコナーゼは、望ましくない特性を有する。オンコナーゼは天然源から得られるため、十分な量を得ることが難しく高価なものになっている。オンコナーゼは、ヒト、あるいは哺乳動物にさえ由来しないため、一般に、ヒトで、望ましくない免疫応答を促進する。したがって、ヒョウガエル卵母細胞から精製されたオンコナーゼの細胞障害特性を保持しているが、ヒトにおける望ましくない免疫応答を持たない自然のオンコナーゼを、組み換えによって製造することは有利であろう。
【0008】
組み換えDNA方法論により大腸菌(E.coli)で自然のオンコナーゼを製造しようという試みは失敗に終わった。オンコナーゼは、分子の適切な折り畳みに必要なN末端ピログルタミル残基を有する。この残基は、オンコナーゼのリン酸結合ポケットの一部を形成し、またRNAseおよび抗腫瘍活性に不可欠である。大腸菌における開始コドンは、N−末端アミノ酸残基として、ペプチドにN−ホルミル−メチオニンを挿入する。したがって、組み換えにより大腸菌で産生される自然のオンコナーゼは、N−末端残基としてピログルタミルを持たない。
【0009】
WO 97/31116は、細胞障害性活性を保持する修飾されたオンコナーゼを産生する問題を解決したと称する方法を開示している。WO 97/31116は、メチオニンで始まり、その後にグルタミン酸以外のアミノ酸、ウシRNAse Aの26、40、58、84、95および110位にシステイン、41位にリシン、および119位にヒスチジン、ならびに自然のオンコナーゼ由来のアミノ酸配列が続くアミノ末端を有する、組み換えリボヌクレアーゼを開示している。しかし、WO 97/31116は、N末端残基としてのピログルタミン酸の重要性を認識しておらず、N末端ピログルタミン酸を有するオンコナーゼ分子を産生していない。それどころか、WO 97/31116は、リガンド分子へのアミノ末端配列の付加および/またはN−末端における融合を示唆している。
【0010】
rapLR1と呼ばれるオンコナーゼの変異形が、ヒョウガエルからクローニングされている。Chenら、Nucl.Acids.Res.,2000年6月15日,28(12):2375-82を参照されたい。オンコナーゼおよびrapLR1等の変異形は、治療薬として魅力的な候補であるため、オンコナーゼを特定の組織にターゲティングする方法を開発することは望ましい。しかし、最良の治療効果を達成するためには、オンコナーゼを特定の組織にターゲティングするほかにも、ターゲティングされたオンコナーゼが容易に内部移行されることもまた重要である。
【発明の開示】
【0011】
本明細書に開示されているものは、標的組織にターゲティングすることができ、標的組織により内部移行される、コンジュゲートおよびコンプレックスである。当該コンジュゲートおよびコンプレックスは、薬学的に許容し得る賦形剤と共に製剤化して、一次治療薬を形成することが可能である。当該コンジュゲートおよびコンプレックスは、葉酸受容体リガンドおよびリボ核酸分解部分(たとえば、オンコナーゼまたはrapLR1等の変異形)を含む。好ましくは、当該葉酸コンジュゲートおよびコンプレックスは、当該コンジュゲートおよびコンプレックスが治療薬として有用であるように、リボ核酸分解活性(すなわち、RNase活性)を保持する。適当な葉酸受容体リガンドは、葉酸、メトトレキサート、および葉酸受容体に結合する葉酸類縁体を含む。当該葉酸受容体リガンドは、リボ核酸分解部分に直接結合していてもよく、あるいは当該葉酸受容体リガンドは、ジイソシアネート、ジイソチオシアネート、カルボジイミド、ビス(ヒドロキシスクシンイミド)エステル、マレイミド−ヒドロキシスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒド、またはそれらの組み合せを含む、リンカーによりリボ核酸分解部分に間接的に結合していてもよい。特に、当該葉酸受容体リガンドは、当該部分内の1つまたは複数のリシン、ヒスチジン、またはシステイン残基にて、リボ核酸分解部分に結合していてもよい。
【0012】
当該コンプレックスは、葉酸受容体リガンドとリボ核酸分解部分との間の相互作用を促進するために、アダプターを使用してもよい。一実施形態では、当該部分は、ヒスチジンタグ(好ましくは、少なくとも6つのヒスチジン残基を含み、また好ましくはCOOH末端に位置する)を含み、また、当該部分は、Ni2+等の金属陽イオンに結合する。同様に、当該葉酸受容体リガンドは、ニトリロロトリ酢酸(nitrilolotriacetic acid)残基等の金属結合分子(metal-binding molecule)に、直接または間接的に結合され、当該リボ核酸分解部分および当該葉酸受容体リガンドは、Ni2+等の金属陽イオンとともに、コンプレックス中で結合する。好ましくは、当該葉酸受容体リガンドおよびニトリロロトリ酢酸残基は、さらなる分子、(たとえば抗原性分子、ハプテン類、硬酸キレート剤、軟酸キレート剤、またはそれらの組み合せ)を含むペプチドの一部として存在する。当該ペプチドには、標的組織にも特異的に結合する多重特異性結合分子が特異的に結合してもよい。そのようなものとして、当該コンプレックスを、当該組織にターゲティングすることができる。
【0013】
一次治療薬(すなわち、薬学的に許容し得る賦形剤とともに製剤化される当該コンジュゲートまたはコンプレックス)を、それを必要としている対象に投与することを含む、疾患、病気または状態を治療する方法も開示する。当該一次治療薬は、単独で投与しても、さらなる治療薬および/または診断用薬とともに投与してもよく、これは、一次治療薬の投与前に、一次治療の投与と同時に、または一次治療薬の投与後に投与してもよい。さらなる治療薬および/または診断用薬は、結合分子(たとえば、抗体またはその断片)、薬剤、プロドラッグ、毒素、酵素、酵素阻害剤、ヌクレアーゼ、ホルモン、ホルモン作用物質、免疫調節物質、サイトカイン、オリゴヌクレオチド(たとえばアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは干渉RNA)、キレート剤、ホウ素化合物、光活性薬剤、放射性核種、抗血管形成剤、色素、放射線不透過性物質、造影剤、蛍光性化合物、増強剤、およびそれらの組み合せを含む。さらなる治療薬および/または診断用薬は、一次治療薬と直接結合(たとえばそれに、共有結合または非共有結合)させることができる。
【0014】
適当な、さらに投与される薬剤、プロドラッグ、および/または毒素は、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルムスチン、セレブレックス、クロランブシル、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタキセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシングルクロニド、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ドキソルビシン、ドキソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドグルクロニド、エトポシドホスフェート、フロクスウリジン(FUdR)、3´,5´−O−ジオレオイル−FudR(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ゲムシタビン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メドロプロゲステロン、酢酸メゲステロール、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、フェニルブチレート、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、セムスチンストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン類、タキソール、プロピオン酸テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、ウラシルマスタード、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、オンコナーゼ、rapLR1、DNase I、ブドウ球菌エンテロトキシン−A、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、またはそれらの組み合せを含むことが可能である。
【0015】
適当な放射性核種は、18F、32P、33P、45Ti、47Sc、52Fe。59Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、77As、86Y、89Sr、89Zr、90Y、94TC、94mTc、99Mo、99mTc、105Pd、105Rh、111Ag、111In、123I、124I、125I、131I、142Pr、143Pr、149Pm、153Sm、154-l58Gd、161Tb、166Dy、166Ho、169Er、175Lu、177Lu、186Re、188Re、189Re、194Ir、198Au、199Au、211At、211Pb、212Bi、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、またはそれらの混合物を含むことが可能である。放射性核種を治療に使用するのであれば、当該放射性核種は、70〜700keVのγ粒子またはポジトロンを放射することが望ましいであろう。放射性核種を診断に使用するのであれば、当該放射性核種は、25−4000keVのγ粒子および/またはポジトロンを放射することが望ましいであろう。放射性核種を使用してポジトロン放出断層撮影法(PET)を実施することが可能であり、本方法は、PETを実施することを含んでもよい。
【0016】
一次治療薬とともに投与することが可能な適当な酵素は、カルボキシルエステラーゼ、グルクロニダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、β−ラクタマーゼ、ホスファターゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、およびそれらの混合物を含むことが可能である。
【0017】
一実施形態では、一次治療薬に加えて、結合分子が投与される。当該結合分子は、抗体または抗体の断片を含むことができる。当該結合分子は、多価および/または多価かつ多重特異性であってもよい。詳細には、当該結合分子は、二重特異性であってもよい。当該結合分子は、標的とする組織に特異的に結合する1つまたは複数のアーム、および当該一次治療薬内に存在する1つまたは複数の抗原に特異的に結合する1つまたは複数のアームを含んでもよい。さらに、当該結合分子および当該一次治療分子は、米国特許出願第10/150,654号、米国特許出願第09/823,746号、米国特許出願第09/337,756号、米国特許出願第09/382,186号、および米国特許出願第60/444,357(2003年1月31日出願)に記載の、「ターゲティング」または「前ターゲティング」工程を含む治療で、使用することが可能である。
【0018】
当該結合分子が抗体またはその断片を含む場合、当該抗体またはその断片は、ヒト抗体、キメラ抗体、またはヒト化抗体、あるいはヒト抗体、キメラ抗体、またはヒト化抗体の断片を含むことが可能である。特に適する抗体は、MAb 679、MAb 734、MAb Mu−9、およびMAb MN−14を含んでもよい。加えて、当該結合分子は、融合タンパク質を含んでもよい。当該結合分子が抗体の断片を含む場合、当該結合分子は、選択された抗体の1つまたは複数のCDRを含んでもよい。たとえば、当該結合分子は、MAb 679、MAb 734、MAb Mu−9、またはMAb MN−14のCDRを含んでもよい。
【0019】
当該結合分子は、様々な抗原に特異的に結合することが可能である。しかし、特に適する抗原は、癌胎児性抗原、テネイシン、上皮成長因子受容体、血小板由来成長因子受容体、線維芽細胞成長因子受容体、血管内皮成長因子受容体、ガングリオシド類、HER/2neu受容体、およびそれらの混合物を含むことが可能である。より具体的には、当該抗原は、結腸特異的抗原−p(CSAp)、癌胎児性抗原(CEA)、CD4、CD5、CD8、CD14、CD15、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD45、CD74、CD80、HLA−DR、Ia、Ii、MUC 1、MUC 2、MUC 3、MUC 4、NCA、EGFR、HER 2/neu、PAM−4、TAG−72、EGP−1、EGP−2、A3、KS−1、Le(y)、S100、PSMA、PSA、テネイシン、葉酸受容体、VEGF、P1GF、ILGF−1、壊死抗原、IL−2、IL−6、T101、MAGE、およびそれらの組み合せから選択することが可能である。
【0020】
当該一次治療薬に加えて、免疫調節物質またはサイトカイン類を投与してもよい。たとえば、該免疫調節物質またはサイトカインは、IL−1、IL−2、IL−3、IL−6、IL−10、IL−12、IL−18、IL−21、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、G−CSF、およびGM−CSF、またはそれらの混合物を含むことが可能である。
【0021】
当該一次治療薬に加えて、抗血管形成剤を投与することが望ましいこともある。当該抗血管形成剤は、アンジオスタチン、エンドスタチン、バキュロスタチン、キャンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体、抗胎盤成長因子抗体、抗血管成長因子抗体、およびそれらの混合物から選択することが可能である。
【0022】
別の実施形態では、当該一次治療薬に加えて、治療用または診断用金属が投与される。適当な金属は、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、ルテチウム、パラジウム、ホウ素、ガドリニウム、ウラン、マンガン、鉄、クロム、銅、コバルト、ニッケル、ジスプロシウム、レニウム、ユーロピウム、テルビウム、ホルミウム、ネオジム、およびそれらの組合せを含むことが可能である。当該一次治療薬に加えて、常磁性イオンを投与することが望ましいこともある(たとえばクロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、またはそれらの組み合せ)。
【0023】
望ましい治療薬および/または診断用薬は、光線力学療法用の1つまたは複数の薬剤を含むことも可能である。たとえば、当該薬剤は、ベンゾポルフィリン一酸環A(BDP−MA)、スズエチオプルプリン(SnET2)、スルホン酸アルミニウムフタロシアニン(AlSPc)、またはルテチウムテキサフィリン(Lutex)を含む分子等の、光増感剤であってもよい。
【0024】
当該一次治療薬の投与に加えて、磁気共鳴画像法(MRI)を実施するために、1つまたは複数の診断用薬、たとえば、造影剤を投与することが望ましいこともある。適当な造影剤は、ガドリニウムランタンイオン、マンガンイオン、鉄、クロム、銅、コバルト、ニッケル、フッ素、ジスプロシウム、レニウム、ユーロピウム、テルビウム、ホルミウム、ネオジム、またはそれらの混合物を含むことが可能である。
【0025】
X線またはコンピュータ断層撮影法(CT)用の1つまたは複数の放射線不透過性物質または造影剤を投与することが望ましいこともある。適当な放射線不透過性物質または造影剤は、バリウム、ジアトリゾエート、エチオダイズド油、クエン酸ガリウム、イオカルム酸、イオセタム酸、ヨーダミド、ヨージパミド、ヨードキサム酸、イオグラミド(iogulamide)、イオヘキソール、イオパミドール、イオパノ酸、イオプロセム酸、イオセファム酸、イオセル酸、イオスラミドメグルミン、イオセメチン酸(iosemetic acid)、イオタスル、イオテトル酸、イオタラム酸、イオトロクス酸、イオキサグル酸、イオキソトリゾ酸、イポデート、メグルミン、メトリザミド、メトリゾエート、プロピリオドン、塩化タリウム、またはそれらの組み合せを含む。
【0026】
さらなる実施形態では、超音波画像法を実施するために、1つまたは複数の造影剤を投与することが望ましいこともある。当該造影剤は、リポソームまたはデキストランを含むことができ、また当該リポソームは、ガス入りであってもよい。
【0027】
当該一次治療薬の投与に加えて、外科手術法、血管内法、腹腔鏡法、または内視鏡法等の、他の治療および/または診断用法をさらに実施することが可能である。
【0028】
治療薬を形成するために薬学的に許容し得る賦形剤とともにコンジュゲートおよび/またはコンプレックスを含む、キットもまた開示する。当該キットは、当該治療薬を投与するための用具を含んでもよい。加えて、当該キットは、1つまたは複数の補足的治療薬および/または診断用薬を含んでもよい。
【0029】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明白になるであろう。しかし、当然のことながら、詳細な説明および具体例は、発明の好ましい実施形態を示すが、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修飾は、この詳細な説明から当業者に明白になるであろうため、例として示すに過ぎない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[定義]
別に規定がない限り、全ての技術用語および科学用語は、当業者により一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。加えて、本明細書に引用した全参考文献の内容を、全体として、引用することにより組み込む。本発明の目的のために、下記の用語を以下の通りに定義する:
【0031】
アミノ酸は、名称で、あるいは一般に知られている3文字記号かまたは1文字IUPAC記号のいずれかで呼ぶ。ヌクレオチドは、一般に受け入れられている1文字コードで呼ぶ。
【0032】
ある特定の核酸配列の「保存的に修飾された変異」は、同一かまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指すか、あるいは当該核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には、本質的に同一の配列を指す。遺伝暗号の縮重のため、多数の機能的に同一の核酸が、所与のポリペプチドをコードする。たとえば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、コドンによりアラニンが特定される各位置で、当該コドンは、コードされたポリペプチドを変えずに、記載されている対応するコドンのいずれかに変えることが可能である。メチオニンをコードするAUGを除き、核酸の各コドンを修飾して、機能的に同一の分子を生じることができる。本明細書に記載の核酸配列はまた、これらの変更も含む。「変異形」は、1つまたは複数の「保存的に修飾された変異」を含んでもよい。
【0033】
アミノ酸配列の「保存的に修飾された変異」は、コードされた配列中の1つのアミノ酸またはわずかな比率のアミノ酸を変える個々の置換であって、当該変化により、アミノ酸が、それと化学的に類似したアミノ酸に置換されるものを含む。保存的な置換は当業者に周知である。以下の6群はそれぞれ、互いに保存的な置換であるアミノ酸を含む:
1.アラニン、セリン、スレオニン
2.アスパラギン酸、グルタミン酸
3.アスパラギン、グルタミン
4.アルギニン、リシン
5.イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリン、および
6.フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン。
【0034】
アミノ酸配列の「保存的に修飾された変異」はまた、コードされた配列中の1つのアミノ酸またはわずかな比率のアミノ酸の欠失または付加であって、当該付加および欠失により、アミノ酸が、それと化学的に類似したアミノ酸に置換されるものを含む。本明細書に記載のアミノ酸配列はまた、これらの変異も含む。「変異形」は、1つまたは複数の「保存的に修飾された変異」を含んでもよい。
【0035】
用語「単離された」または「生物学的に純粋な」は、その天然の環境で発見されるような、通常はそれに随伴する成分を実質的にまたは本質的に含まない材料を指す。当該単離された材料は、場合により、その自然環境で、当該材料と一緒に存在しない材料を含む。
【0036】
用語「核酸」は、一本鎖形または二本鎖形のデオキシリボヌクレアーゼまたはリボヌクレオチドポリマーを指し、別に限定されなければ、天然のヌクレオチドと同様の方法で核酸にハイブリダイズする天然のヌクレオチドの公知の類縁体を含む。別に指示がなければ、ある特定の核酸配列は、その相補的配列を含む。
【0037】
「発現ベクター」は、細胞によって転写され翻訳され得る、本発明によるポリペプチドをコードする核酸を含む組み換え発現カセットを含む。組み換え発現カセットは、標的細胞において、ある特定の核酸の転写を可能にする一連の特定された核酸エレメントを有する、組み換えまたは合成により作製される核酸構築物である。当該発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または核酸断片の一部であってもよい。一般的に、発現ベクターの組み換え発現カセット部分は、転写される核酸およびそれに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
【0038】
タンパク質に関して使用されるとき、用語「組み換え」は、細胞が、当該細胞にとって外来起源である核酸によりコードされるペプチドまたはタンパク質を発現することを示す。組み換え細胞は、当該細胞の生来(非組み換え)形の中には存在しない遺伝子を発現することができる。組み換え細胞はまた、人工的に、たとえば、異種プロモーターの制御下で、当該遺伝子が当該細胞に再導入された場合、当該細胞の生来形に存在する遺伝子も発現することができる。
【0039】
ポリペプチドとの関連で、用語「実質的同一性」または「実質的類似性」は、ポリペプチドが、参照配列と、少なくとも80%、より好ましくは90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を含むことを示す。実質的に同一である2つのポリペプチドは、当該ポリペプチドの一方が、第2のペプチドに対して生じた抗体と免疫学的に反応することを意味する。2つの核酸が実質的に同一であることは、当該2つの分子が、ストリンジェントな条件で互いにハイブリダイズすることである。概して、ストリンジェントな条件は、明確に規定されたイオン強度およびpHにて、ある特定の配列に関する熱融解点(Tm)より約5〜20℃低いように選択される。Tmは、標的配列の50%が、完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度(明確に規定されたイオン強度およびpHで)である。しかし、ストリンジェントな条件で互いにハイブリダイズしない核酸であっても、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であれば、それでもやはり実質的に同一である。
【0040】
「ターゲティング分子」は、結合分子、抗体、サイトカインまたは成長因子、オリゴヌクレオチド(たとえばアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは干渉RNA)、または所与の細胞型上のマーカーに特異的であるリガンドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび干渉RNAの例は、Kalotaら、Cancer Biol.Ther.2004年1月;3(1);Tongら、Clin. Lung Cancer2001年2月;2(3):220-6;Deanら、Oncogene 2003年12月8日;22(56):9087-96;Nahtaら、Semin.Oncol.2003年10月;30(5 Suppl 16):143-9;Patryら、Cancer Res.2003年11月15日;63(22):7679-88;Duxburyら、Biochem Biophys Res Commun.2003年11月21日;311(3)786-92;Crnkovic-Mertensら、Oncogene 2003年11月13日;22(51):8330-6;Lipscombら、Clin Exp Metastasis 2003年;20(6):569-76;Wallら、Lancet 2003年10月25日;362(9393):1401-3;Bedfordら、Semin Cancer Biol2003年8月;13(40):301-8;Damm-Welkら、Semin Cancer Biol.2003年8月;13(4):283-92;Dunrsmaら、Semin Cancer Biol.2003年8月;13(4):267-73(その全てを、引用することにより、全体として本明細書に組み込む)に開示されている。ターゲティング抗原を使用して、細胞型と関連したマーカーと優先的に結合することによって、付着分子を所与の細胞型に特異的に送達することができる。
【0041】
「融合タンパク質」は、2つ以上のポリペプチド、たとえば、オンコナーゼおよびターゲティング抗原または抗体をつなぎ合わせることにより形成されるキメラ分子である。オンコナーゼおよびターゲティング抗原は、一般的に、当該ターゲティング抗原のアミノ末端とオンコナーゼのカルボキシル末端との間に形成されるペプチド結合を介して結合され、当該融合タンパク質をコードする核酸配列によって、組み換えにより発現される。一本鎖融合タンパク質は、1つの近接したポリペプチド主鎖を有する融合タンパク質である。
【0042】
「化学的コンジュゲート」は、2つの分子(たとえばオンコナーゼおよびターゲティング抗原または抗体)の化学結合により形成されるコンジュゲートである。
【0043】
「薬学的に許容し得る担体」は、不活性であるか、またはさもなければ当該薬剤と相容性であるのみならず医学的に許容できるため、治療薬または診断用薬(たとえばオンコナーゼまたは融合タンパク質)を投与するための媒体として使用することができる材料である。
【0044】
本明細書に記載の結合分子は、抗原に特異的に結合することができる分子である。結合分子は、抗体またはその断片、たとえば、ハイブリッド断片を含む、F(ab´)2、F(ab)2、Fab´、Fab、Fv等々を含むことが可能である。免疫グロブリンの超可変抗原−結合領域を保持する細断片もまた有用である。結合分子はまた、オリゴヌクレオチド(たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは干渉RNA)も含むことが可能である。
【0045】
本明細書に記載の抗体は、全長(すなわち、天然の、または正常な免疫グロブリン遺伝子断片組み換え方法で形成される)免疫グロブリン分子(たとえば、IgG抗体)、または抗体断片のような、免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(すなわち、特異的に結合する)部分を指す。
【0046】
抗体断片は、F(ab)2、F(ab)2、Fab、Fab、Fv、sFv等々の、抗体の一部である。構造と関係なく、抗体断片は、無傷の抗体により認識される同一抗原と結合する。用語「抗体断片」はまた、ある特定の抗原に結合してコンプレックスを形成することにより抗体のように作用する、合成タンパク質または遺伝子操作タンパク質も含む。たとえば、抗体断片は、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」断片等の、可変領域からなる単離された断片、軽鎖可変領域および重鎖可変領域が、ペプチドリンカー(「scFvタンパク質」)で繋がれた組み換え一本鎖ポリペプチド分子、および超可変領域によく似たアミノ酸残基からなる最小認識単位を含む。
【0047】
キメラ抗体は、1つの種に由来する抗体、好ましくは齧歯類抗体の、相補性決定領域(CDR)を含む可変部を含むが、当該抗体分子の定常部は、ヒト抗体のそれに由来する、組み換えタンパク質である。獣医学用途の場合、当該キメラの抗体の定常部は、他の種、たとえばネコまたはイヌのそれに由来してもよい。
【0048】
ヒト化抗体は、1つの種からの抗体、たとえば齧歯類抗体に由来するCDRが、当該齧歯類抗体の重可変鎖および軽可変鎖から、ヒト重可変部および軽可変部に移入される、組み換えタンパク質である。当該抗体分子の定常部は、ヒト抗体の定常部に由来する。
【0049】
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答して特異的ヒト抗体を産生するように「操作」されているトランスジェニックマウスを含む、様々なソースから得られる完全にヒト組成の抗体である。この技術では、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子座のエレメントが、標的とされる内因性の重鎖および軽鎖遺伝子座の破壊を含む胚性幹細胞系由来のマウス種に導入される。当該トランスジェニックマウスは、ヒト抗原に特異的なヒト抗体を合成することができ、また当該マウスを使用して、ヒト抗体分泌性ハイブリドーマを作ることができる。トランスジェニックマウスからヒト抗体を得る方法は、Greenら、Nature Genet.7:13(1994年)、Lonbergら、Nature 368:856(1994年)、およびTaylorら、Int.Immun.6:579(1994年)により記述されている。完全ヒト抗体はまた、遺伝子または染色体のトラスフェクション方法、ならびにファージディスプレー技術(その全てが、当該技術分野で公知である)によって構築することも可能である(たとえば、未免疫ドナー由来の免疫グロブリン可変部遺伝子レパートリーからの、in vitroでの、ヒト抗体およびその断片の生成については、McCaffertyら、Nature 348:552-553(1990年)を参照されたい)。この技術では、抗体可変部遺伝子が、繊維状バクテリオファージのメジャーコートまたはマイナーコートタンパク質遺伝子のいずれかに、インフレームにクローニングされ、当該ファージ粒子の表面に、機能的抗体断片として表示される。繊維状粒子は、当該ファージゲノムの1本鎖DNAコピーを含むため、抗体の機能的特性に基づいた選択はまた、そうした特性を示す抗体をコードする遺伝子を選択する結果となる。このような方法で、当該ファージは、B細胞の特性の幾つかによく似る。ファージディスプレーは、様々な形式で実施することができ、それらの総説に関しては、たとえば、JohnsonおよびChiswel,Current Opinion in Structural Biology 3:5564-571(1993年)を参照されたい。ヒト抗体はまた、in vitroで活性化B細胞によって生成することも可能である。(米国特許第5,567,610号および米国特許第5,229,275号(引用することにより、全体として本明細書に組み込む)を参照されたい)。
【0050】
エフェクターは、選ばれた結果をもたらす原子、分子、または化合物である。エフェクターは、本明細書に記載の治療薬および/または診断用薬を含むことが可能である。
【0051】
治療薬は、疾患の治療に有用な原子、分子、または化合物である。治療薬の非限定的例としては、結合分子(たとえば抗体または抗体断片)、薬剤、毒素、酵素、ヌクレアーゼ、ホルモン類、免疫調節物質、オリゴヌクレオチド(たとえばアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは干渉RNA)、キレート剤、ホウ素化合物、光活動性薬剤または色素および放射性同位元素などがある。
【0052】
診断用薬は、疾患の診断に有用な原子、分子、または化合物である。有用な診断用薬としては、放射性同位元素、色素(たとえば、ビオチン−ストレプトアビジンコンプレックスを含むもの)、造影剤、蛍光性化合物または分子および磁気共鳴画像法(MRI)用の造影剤(たとえば常磁性イオン)等があるが、その限りではない。米国特許第6,331,175号には、MRI技術およびMRI造影剤に結合した抗体の調製方法が記述されており、これを、引用することにより、全体として本明細書に組み込む。好ましくは、当該診断用薬は、放射性同位元素、磁気共鳴画像法用造影剤、および蛍光性化合物からなる群から選択される。抗体成分に放射性金属または常磁性イオンを負荷するためには、当該イオンに結合するための非常に多数のキレート化基が付けられる長いテールを有する試薬と抗体成分を反応させることが必要かもしれない。このようなテールは、ポリマー、たとえばポリリシン、多糖、またはキレート化基(たとえばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ポルフィリン類、ポリアミン類、クラウン・エーテル類、ビス−チオセミカルバゾン類、ポリオキシム類、およびこの目的に有用なことが知られている同様の基)が結合することができるペンダント基を有する他の誘導体化されたまたは誘導体化可能な鎖であってもよい。キレート類は、標準化学を使用して、ペプチド抗原に結合される。当該キレートは通常、免疫反応性の損失ならびに凝集および/または内部架橋を最小限に抑えて、当該分子への結合の形成を可能にする基によって、当該抗体に連結される。キレートを抗体に結合するための、他のより珍しい方法および試薬は、ホーソン(Hawthorne)に付与された、1989年4月25日発行の「抗体コンジュゲート(Antibody Conjugates)」と題する米国特許第4,824,659号に開示されている(その開示内容を、引用することにより、全体として、本明細書に組み込む)。特に有用な金属−キレートの組み合せは、60〜4,000keVの一般的エネルギー範囲で診断用薬同位元素とともに使用される、2−ベンジル−DTPAおよびそのモノメチルおよびシクロヘキシル類縁体を含む。幾つかの有用な診断用核種としては、18F、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、94Tc、94mTc、99mTc、または111In、124I、および131Iなどがある。本明細書に記載の抗体および担体と一緒に使用されるとき、同じキレートが、非放射性金属、たとえばマンガン、鉄およびガドリニウムとコンプレックスを形成するとき、MRIに有用である。NOTA、DOTA、およびTETA等の大環状キレートは、様々な金属および放射性金属とともに、最も詳細には、それぞれ、ガリウム、イットリウムおよび銅の放射性核種とともに、利用される。このような金属キレートコンプレックスは、環の大きさを当該金属に合わせて調整することにより、非常に安定させることができる。放射免疫治療(「RAIT」)用の223Ra等の、核種をしっかり結合するために興味深い、他の環型キレート、たとえば大環状ポリエーテル類等を使用することが可能である。
【0053】
免疫コンジュゲートは、原子、分子、または高次構造と(たとえば担体、治療薬、または診断用薬と)結合分子(たとえば抗体成分)のコンジュゲートである。当該診断用薬は、放射性または非放射性の標識、造影剤(たとえば磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影法または超音波用)を含むことができ、当該放射性標識は、γ−、β−、α−、オージェ電子−、またはポジトロン−放出同位元素であってもよい。裸の抗体は、他の非抗体物質に結合していない抗体である。
【0054】
担体は、治療薬または診断用薬と結合して、当該薬剤の標的細胞への送達を促進することができる原子、分子、または高次構造である。担体は、脂質またはポリマー等の分子(たとえば高次構造を形成することができる両親媒性脂質、またはデキストラン等の炭水化物)、または高次構造自体、たとえばミセル、リポソーム、またはナノ粒子を含むことが可能である。
【0055】
本明細書で使用するとき、用語抗体融合タンパク質は、同一または異なる特異性を有する、同一または異なる一本鎖抗体または抗体断片セグメントの2つ以上が連結された、組み換えで作られた抗原−結合分子である。当該融合タンパク質の価数は、1つの抗原またはエピトープに対して、当該融合タンパク質が、幾つの結合アームまたは部位を有するかを示す;すなわち、一価、二価、三価または多価。抗体融合タンパク質の多価は、抗原への結合において、抗体融合タンパク質が多重干渉を利用できること、したがって、抗原への結合親和力増強を意味する。特異性は、抗体融合タンパク質が幾つの抗原またはエピトープに結合できるかを示す;すなわち、単一特異性、二重特異性、三重特異性、多重特異性。これらの定義を使用すれば、自然抗体、たとえば、IgGは、2つの結合アームを有するため、二価であるが、1つのエピトープに結合するため、単一特異性である。単一特異性、多価融合タンパク質は、エピトープのために複数の結合部位を有するが、1つのエピトープと結合するに過ぎず、たとえば同一抗原と反応する2つの結合部位を有するダイアボディ(diabody)である。当該融合タンパク質は、1つの抗体成分、異なる抗体成分の多価または多重特異的組み合せ、または同一抗体成分の多数のコピーを含んでもよい。当該融合タンパク質は、抗体または抗体断片および治療薬をさらに含んでもよい。このような融合タンパク質に適する治療薬の例としては、免疫調節物質(「抗体−免疫調節物質融合タンパク質」)および毒素(「抗体−毒素融合タンパク質」)などが挙げられる。1つの好ましい毒素は、リボヌクレアーゼ(RNase)、好ましくは組み換えRNase、たとえばオンコナーゼまたはrapLR1を含む。
【0056】
多重特異性抗体は、構造の異なる少なくとも2つの標的、たとえば2つの異なる抗原、同一抗原上の2つの異なるエピトープ、あるいはハプテンおよび/または抗原またはエピトープに、同時に結合できる抗体である。1つの特異性は、B細胞、T細胞、骨髄−、血漿−、およびマスト−細胞抗原またはエピトープに対するものであろう。もう1つの特性は、同一細胞型上の異なる抗原、たとえばB細胞上のCD20、CDl9、CD21、CD23、CD46、CD80、HLA−DR、CD74、およびCD22であるかもしれない。多価抗体は、同一構造または異なる構造を持つ、少なくとも2つの標的に同時に結合できる抗体である。多重特異性、多価抗体は、特異性が異なる複数の結合部位を有する構築物である。たとえば、一方の結合部位は、1つの抗原と反応し、他方は別の抗原と反応する、二重特異性抗体である。
【0057】
二重特異性抗体は、構造が異なる2つの標的に同時に結合できる抗体である。二重特異性抗体(bsAb)および二重特異性抗体断片(bsFab)は、たとえば、B細胞、T細胞、骨髄−、血漿−、およびマスト−細胞抗原またはエピトープに特異的に結合する少なくとも1つのアーム、および治療薬または診断用薬を有する標的化可能なコンジュゲートに特異的に結合する少なくとも1つの他のアームを有する。分子工学を使用して、様々な二重特異性融合タンパク質を作ることができる。一形態では、当該二重特異性融合タンパク質は一価であり、たとえば、1つの抗原用の結合部位1つを有するscFv、および第2の抗原用の結合部位1つを有するFab断片からなる。もう1つの形態では、当該二重特異性融合タンパク質は二価であり、たとえば、1つの抗原用の結合部位を有するIgG、およびa第2の抗原用の2つの結合部位を有する2つのscFvからなる。
【0058】
[コンジュゲートの調製]
〔組み換えオンコナーゼコード化遺伝子の調製〕
開示のコンジュゲートおよびコンプレックスは、従来の方法で調製することができる。たとえば、自然のオンコナーゼをコードする核酸は、適切な配列のクローニングおよび制限によって、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅を使用して、調製することが可能である。組み換えオンコナーゼ分子、およびオンコナーゼ−コンジュゲートの調製は、以前に開示されている。2002年4月8日出願の、米国特許出願番号第10/117,342号;米国特許第6,399,086号;米国特許第6,083,677号;1996年10月17日出願の、米国特許出願番号第60/028,430号;米国特許第6,653,104号;米国特許第6,395,276号;1997年5月2日出願の、米国特許出願番号第60/046,895号;2002年5月24日出願の米国特許出願番号第10/153,882号;1999年3月11日出願の米国特許出願番号第09/265,901号;および1998年3月11日出願の米国特許出願番号第60/077,577号(これらを、引用することにより、全体として本明細書に組み込む)を参照されたい。
【0059】
オンコナーゼのアミノ酸配列は、Ardeltら、J.Biol.Chem.,256:245(1991年)から得ることができ、また自然のオンコナーゼをコードするcDNA配列、またはその保存的に修飾された変異形は、hLL2ヒト化におけるen bloc V−遺伝子アセンブリと同様の方法で遺伝子合成することができる。Leungら、Mol.Immunol.,32:1413(1995年)。大腸菌における発現、翻訳開始コドンATGは、オンコナーゼcDNA配列に先行するインフレームに配置される。翻訳されたタンパク質は、−1位にさらなるMetを含む。好ましくは、ヒスチジンに関する少なくとも6コドン、(すなわち、CAUおよびCAC)を、インフレームに、付加することによって、ヒスチジンタグを分子のCOOH−末端に付加することができる。
【0060】
あるいは、自然のオンコナーゼをコードする核酸を、in vitroで合成することが可能である。化学的合成は、1本鎖オリゴヌクレオチドを作る。これを、相補的配列とのハイブリダイゼーションによって、または当該1本鎖を鋳型として使用する、DNAポリメラーゼによる重合によって、二本鎖DNAに変換することが可能である。化学的合成は、約100塩基の配列に限定されるが、短い配列をライゲートすることによって、より長い配列を得ることが可能である。
【0061】
〔組み換えオンコナーゼの発現〕
記載の通り、自然のオンコナーゼをコードする遺伝子、またはその保存的に修飾された変異形を、N−ホルミル−メチオニンに関するコドンをN−末端に含むように修飾することが可能である。このようにして得られたNfM−オンコナーゼ遺伝子を、適当な大腸菌プロモーター、たとえばT7、trp、またはλプロモーターに作動可能に連結して、発現カセットに挿入することが可能である。リボソーム結合部位および転写終結シグナルも、発現カセットに含めることが好ましい。当該カセットを含む発現ベクターを、当業者に公知の方法で、大腸菌発現宿主内に移入する。形質転換細胞は、当該発現ベクターに含まれるマーカー遺伝子によって与えられる、抗生物質に対する選択された抵抗性であってもよい。
【0062】
当該形質転換大腸菌宿主は、封入体に含まれる可能性があるNfM−オンコナーゼを発現する。オンコナーゼは強力なRNase活性を有するが、NfM−オンコナーゼは持たない。これは、オンコナーゼの結晶構造によって証明される通り、Nオンコナーゼの末端ピログルタミン酸が、活性部位の一部であるためである。N末端Metを必要とする、細菌発現システムの固有の性質は、細菌の発現産物が不活性であることを意味する。これにより、細菌発現システムにおけるNfM−オンコナーゼの組み換え発現が可能となる。NfM−オンコナーゼは、有毒ではないが、不活性な封入体として発現されることもある。
【0063】
硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティカラム、カラムクロマトグラフィ、およびゲル電気泳動を含む、標準手順に従って、NfM−オンコナーゼを単離し、精製することができる。少なくとも約90〜95%の均質性、好ましくは98〜99%の均質性を有する、実質的に純粋な組成物が好ましい。
【0064】
当該NfM−オンコナーゼの精製、および当該分子が封入体内に発現されているのであればその再折り畳み後、アミノペプチダーゼ消化によってN−ホルミル−メチオニンを除去することが可能である。適当なアミノペプチダーゼは、Shapiroら、Anal.Biochem.175:450-461(1988年)に開示されているような、アエロモナス(Aeromonas)アミノペプチダーゼである。結果として得られた産物のインキュベーションにより、N末端グルタミン残基の自発的環化が生じ、自然のオンコナーゼの構造および機能を有する分子を形成する。
【0065】
〔コンジュゲートおよび融合タンパク質の調製〕
組み換えによって作られたオンコナーゼを、既存の毒素の代替物または補体として、また高力価および低免疫原性を有する有効な化学的コンジュゲートおよび融合タンパク質の構築に、使用することができる。これに関連して、化学的コンジュゲートおよび融合タンパク質は、自然のオンコナーゼの構造および機能を有する分子および葉酸受容体リガンド(たとえば、葉酸、メトトレキサート、または該葉酸受容体に結合する葉酸類縁体)を含むことが可能である。当該葉酸受容体リガンドは、当該オンコナーゼを当該葉酸受容体にターゲットする、ターゲティング(および/または内部移行分子)の役割を果たすことが可能である。
【0066】
本発明に従って組み換えで作られたオンコナーゼと葉酸受容体リガンドの化学的コンジュゲートは、標準的な化学結合手順によって作ることができる。たとえば、Leamonら、(1993年)J.Biol.Chem.267,24966-71;Reddyら、Blood,1999年,93,3940-48;およびWang,Mathias,およびSiegel(上掲)を参照されたい。当該化学的コンジュゲートは、当該葉酸受容体リガンドを、直接あるいは短いまたは長いリンカー分子を介して、当該葉酸受容体リガンド上の1つまたは複数の官能基、(たとえばアミン基、カルボキシル基、フェニル基、チオール基、および/またはヒドロキシル基)によって共有結合を形成し、オンコナーゼまたはその誘導体に共有結合で連結することによって形成される。様々な従来のリンカー、たとえばジイソシアネート類、ジイソチオシアネート類、カルボジイミド類、ビス(ヒドロキシスクシンイミド)エステル類、マレイミド−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、グルタルアルデヒド等々、を使用することができる。
【0067】
〔医薬組成物の調製および使用〕
組み換えによって作られたオンコナーゼコンジュゲートは、腫瘍を治療するためまたは他の望ましくない細胞型をin vivoで死滅させるための医薬組成物に製剤化することが可能である。当該組成物は、静脈内投与等の、非経口的投与に特に適する。これに関して、当該組成物は、薬学的に許容し得る担体、好ましくは緩衝化食塩水等の水性担体に溶解したコンジュゲートの溶液を含む。こうした溶液は無菌であり、pH調節剤、緩衝剤および毒性調節剤等の補助剤を含んでもよい。
【0068】
当該コンジュゲートの好ましい投薬量は、患者1人につき、1日当たり約0.1〜10mgであるが、特に当該薬剤を局所投与し、血流中には投与しないとき、患者1人につき、1日当たり300mgまでの投薬量を使用することが可能である。自然のオンコナーゼと同様に、当該オンコナーゼコンジュゲートは、容易に細胞内部に移行し、in vivoで抗腫瘍作用を有し、急速に分裂している腫瘍細胞を優先的に死滅させる。化学的コンジュゲートは、組み換えによって作られたオンコナーゼの、特定の細胞への、より特異的なターゲティングを提供する。
【0069】
治療用途では、疾患に罹っている患者に、当該細胞を死滅させるのに十分な量として定義される細胞障害性量の組成物が投与される。これを遂行するための奏功量は、「治療有効量」として定義される。正確な量は、当該疾患の重症度および患者の健康の全身状態によって左右されるであろう。当該組成物の単回投与または多回投与は、必要な投薬量に応じて施行することが可能である。
【0070】
オンコナーゼコンジュゲートはまた、in vitroで細胞群を処置するためにも使用できる。たとえば、骨髄アブレーションを受けようとしている患者に移植する前に、骨髄中の好ましくない細胞型を死滅させるために、オンコナーゼコンジュゲートを選択的に使用することが可能である。
【0071】
本明細書に記載のコンジュゲートおよび/またはコンプレックスは、様々な抗原を認識することが可能な1つまたは複数の結合分子と一緒に投与することが可能である。典型的な抗原は、固形癌上に発現されるグリコシル化細胞表面抗原、たとえば癌胎児性抗原(CEA)である。CEAは、幾つかの理由で、魅力的な抗原性標的の代表である。CEAは、正常組織に存在しないか十分に発現されず、乳癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、卵巣癌、および甲状腺起源の髄様癌の大多数により高度に発現される、腫瘍関連抗原である。これらの悪性腫瘍のための、最適以下の診断選択肢および治療選択肢と結びついた高死亡率は、深刻な、持続する公衆衛生問題である。グリコシル化表面抗原に対する1つまたは複数の抗体、特に抗CEA抗体とともに投与されるオンコナーゼ−葉酸の化学的コンジュゲートは、このような1例である。
【0072】
CEAは、およそ180kDaのグリコシル化細胞表面タンパク質であり、循環腫瘍マーカーとしても画像化および治療のための放射標識mAbの抗原性標的としても、臨床的に広く研究されている固形癌抗原である。多数の抗CEA抗体が、フェーズI〜III臨床の診断治験および治療治験で研究中である。MN14 mAbは、典型的な抗CEA mAbである。ヒト定常領域およびフレームワーク領域が対応するマウス配列に取って代わる、このmAbのヒト化バージョン、hMN−14は、構築されて発現され、本明細書に記載のコンジュゲートとともに投与するのに特に適する可能性がある。他の有用な抗原としては、結合した抗体の内部移行を促進することが可能な、CD74およびEGP−1などがある。CD74を認識する抗体としては、LL1などがあり、その使用は、米国特許第6,458,933号;米国特許第6,395,276号;米国特許第6,083,477号;および米国特許第2003-0103982号に記載されている)。EGP−1を認識する抗体としては、RS7などがあり、米国特許第10/377,121号;米国特許第5,635,603号;およびSteinら、1990年、Cancer Res.,50,1330-1336に記載されている。
【0073】
当該結合分子は、ある特定の抗体の1つまたは複数のVKおよびVH配列を含んでもよい。たとえば、PCR増幅を使用して、抗体のVKおよびVH配列をクローニングすることができる。たとえば、Orlandiら、PNAS,86:3833(1989年)を参照されたい。当該結合分子はまた、ハイブリッド断片を含む、F(ab´)2、F(ab)2、Fab´、Fab、Fv等々の、抗体断片も含んでもよい。一本鎖であろうと多重鎖であろうと、抗原結合部位を組み込んだ、ほかの点では天然の免疫グロブリン断片と実質的に同じ方法で、in vivoでターゲティング分子の役割を果たす、遺伝子操作タンパク質および/または組み換えタンパク質を含む、免疫グロブリンの超可変、抗原−結合領域を保持する細断片もまた有用である。一本鎖結合分子は、米国特許第4,946,778号に開示されている。Fab´抗体断片は、それ自身、無傷の免疫グロブリンのペプシン消化によって作ることが可能な、F(ab´)2断片の還元開裂によって都合よく作ることが可能である。Fab抗体断片は、還元条件下で、無傷の免疫グロブリンのパパイン消化によって、または全Igの注意深いパパイン消化により生じるF(ab)2断片の開裂によって、作ることが可能である。当該断片は、遺伝子工学によって作ることも可能である。
【0074】
上述の通り、当該コンプレックスは、1つまたは複数の葉酸受容体リガンドおよび1つまたは複数のニトリロロトリ酢酸残基を含む、1つまたは複数のペプチドを含んでもよい。治療用および/または診断用ペプチドは、2002年5月17日出願の米国特許出願番号第10/150,654号;2001年4月3日出願の米国特許出願番号第09/823,746号;1999年8月23日出願の米国特許出願番号第09/382,186号;および1999年6月22日出願の米国特許出願番号第09/337,756号(引用することにより、全体として本明細書に組み込む)に記載されている。
【0075】
このように全般的に記述された本発明は、本発明を説明するために提供されているのであって、本発明を限定する意図はない、以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0076】
[実施例1:オンコナーゼ誘導体をコードするPCR増幅DNAの合成]
組み換えオンコナーゼのN末端配列(46アミノ酸)をコードするセンス鎖配列[5´-TGG CTA ACG TTT CAG AAG AAA CAT ATC ACG AAT ACA CGA GAT GTA GAC TGG GAC AAT ATA ATG TCT ACG AAT CTG TTT CAC TGT AAG GAT AAG AAT ACC TTT ATA TAC AGT CGG CCA GAG CCT GTA AAG GCT ATC TGT A-3´]を有する、139量体のDNAヌクレオチド、ONCO−Nは、自動化DNAシンセサイザー(アプライド・バイオシステム(Applied Biosystem)392 DNA/RNAシンセサイザー)によって合成され、フランキングプライマーONNBACK[5´-AAG CTT CAT ATG CAG GAT TGG CTA ACG TTT CAG AAG AAA-3´、およびONNFOR[5´-CTT ACT CGC GAT AAT GCC TTT ACA GAT AGC CTT TAC AGG CTC TG-3´]を用いたPCR増幅用の鋳型として使用される。結果として得られる二本鎖PCR産物は、オンコナーゼのN末端半分の54アミノ酸残基をコードするcDNA配列を含む。ONNBACKは、ステージングベクターへのサブクローニングか、または細菌発現ベクターへのインフレーム・ライゲーション(NdeI部位)のいずれかを促進するために、制限部位HindIII(AAAGCTT)およびNdeI(CATATG)を含む。オンコナーゼのC末端半分をコードするcDNAとのインフレームライゲーションを促進するために、NruI部位(TCGCGA)が、ONNFORプライマーに組み込まれる。
【0077】
同様に、オンコナーゼのC末端配列(46アミノ酸)をコードするセンス鎖配列[TGC TGA CTA CTT COG AGT TCT ATC TGT CCG ATT GCA ATG TGA CTT CAC GGC CCT GCA AAT ATA AGC TGA AGA AAA GCA CTA ACA AAT TTT GCG TAA CTT GCG AGA ACC AGG CTC CTG TAC ATT TCG TTG GAG TCG GG-3´]を有する、137量体のDNAヌクレオチド、ONCO−Cを合成し、プライマーONCBACK[5'-ATT ATC GCG AGT AAG AAC GTG CTG ACT A
CT TCC GAG TTC TAT-3']およびONCFOR
【化1】

によりPCR増幅する。6−ヒスチジンタグを含む修飾されたC末端プライマーも使用することができる。最終的な二本鎖PCR産物は、オンコナーゼのC末端半分の残りの51アミノ酸をコードするcDNA配列を含んでいた。NruI部位は、ONCBACKに組み込まれた当該PCR増幅DNAのN末端半分とのインフレームライゲーションを可能にした。ステージングベクターまたは発現ベクターにサブクローニングするための停止コドン(太字のイタリックで表示)およびBamHI制限部位(下線)は、ONCFOR配列に含まれていた。
【0078】
NfM−オンコナーゼのN末端半分およびC末端半分をコードするPCR増幅DNAを、適切な制限酵素で処理した後、NruI部位でつなぎ合わせ、ステージングベクター、たとえばストラタジーン(Stratagene)のpBluescriptにサブクローニングした。ライゲートされた配列は、N末端Metを含む105アミノ酸のポリペプチドをコードするはずである。
【0079】
[実施例2:NfM−オンコナーゼの発現および精製]
NfM−オンコナーゼcDNAを消化して、T7プロモーターを有する、pET(ウィスコンシン州マディソンのノバゲン(Novagen,Madison,WI)等の、発現ベクターにクローニングした。最終的なNfM−オンコナーゼ発現ベクターを、配列決定で検証し、rOncopETと命名する。
【0080】
T7駆動rOncopETベクターからの組み換えタンパク質の大規模発現は、上述の通り、DE3溶原を含むBL21等の適切な宿主大腸菌を必要とする。エレクトロポレーションによってコンピテントBL21/DE3細胞を形質転換するために、rOncopETベクターが使用される。Amp寒天プレートによる選択で生き残るコロニーを採取し、37℃の振盪インキュベーター内で、3mlのLB−Ampで増殖させる。8〜10時間のインキュベーション後、培養100μlを、500ml Eフラスコ内のスーパーブルス(0.5%グルコース、1.6mM MgSO4および100μg/mlアンピシリンを加えたLB)25mlに移し、振盪しながら通気を増やす。当該培養を、37℃の振盪インキュベーターで一晩インキュベートする。次いで、培養をスーパーブロス1リットルに移し、37℃の振盪インキュベーターでさらにインキュベートする。培養のOD650が1に達したとき(約2.5時間)、1mMの最終濃度でIPTGを培養に加える。封入体単離のために培養を終わらせる前に、誘導を1〜3時間続行させる。還元条件下、培養10μlを15%SDS−PAGEゲルで分析する。最高レベルの誘導を示したコロニーを保存培養として保管し、−70℃で凍結保存する。
【0081】
封入体単離は、封入体を不溶性のペレットとして放出するために、リゾチームの存在下で、ホモジナイズによる細胞溶解を必要とする。洗浄した封入体を、7M グアニジン−HClを含む変性緩衝液に溶解する。ジスルフィド結合を、ジチオスレイトールで還元し、次いで、アルギニン−HCLおよび酸化グルタチオンを含む再生緩衝液中で、変性タンパク質の液滴希釈によって再び折り畳む。
【0082】
[実施例3:NfM−オンコナーゼの発現および精製]
実施例2からの再生封入体に相当する培養6リットルを精製する。収集した細胞ペーストを、ティシュマイザー(Tisuemizer)チップ(ニュージャージー州スウェデスボロのトーマス(Thomas,Swedesboro,NJ)を使用して、80μg/mlリゾチームを含有するTES緩衝液(50mMトリス(Tris)、pH8、100mM NaCl、および20mM EDTA)中に再懸濁する。22℃で1時間インキュベートした後、細胞を再び再懸濁し、27,000gで50分間、遠心分離する。当該ペレットを再懸濁によって洗浄し、2.5%トリトン(Triton)−X−100を含有するTES緩衝液を用いて3〜4回、遠心分離し、次いでTESで4回、遠心分離する。超音波処理または組織化(tissuemizing)によって、当該封入体を、5〜10mlの変性緩衝液(7Mグアニジン:HCl、0.1Mトリス(Tris)、pH8.0、および5mM EDTA)に再懸濁し、10mg/mlのタンパク質濃度に希釈する。
【0083】
当該タンパク質を、ジチオスレイトール(65mM)で、22℃で4〜24時間、還元し、糸状の細い流れで、リフォールディング緩衝液(0.1Mトリス(Tris)、pH8.0、0.5アルギニン:HCl、2mM EDTA、および0.9mM酸化グルタチオン)中に、速やかに希釈する。10℃で、36〜72時間インキュベートした後、折り畳み直したNfM−オンコナーゼを、0.15M 酢酸ナトリウム(pH5)に対して透析シ、ハイロード(HiLoad)16/20SP陽イオン交換FPLCカラムに負荷する。次いで、当該緩衝液を、0.15M 酢酸ナトリウム(pH5)に交換し、沈殿を遠心分離で除去する。塩化ナトリウムの0〜1M直線勾配による溶離を使用し、吸光度ピークに対応する画分を、SDS−PAGE(15%)で分析する。さらなる分析のために、溶離生成物を画分に分ける。
【0084】
[実施例4:NfM−オンコナーゼおよびNfM−オンコナーゼ融合タンパク質からのMetの除去。]
NfM−オンコナーゼ、NfM−オンコナーゼ−hMN14−scFvおよびNfM−オンコナーゼ−hLL2−scFvのN末端のMet残基を、Shapiroら(1988年)に従って除去する。100〜200μg/mlの、精製した再生タンパク質を、pH7.5の200mMリン酸ナトリウム中に0.5μg/mlのアエロモナス・プロテオリティカ(Aeromonas proteolytica)アミノペプチダーゼ(ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカルズ(Sigma Chemicals,St.Louis,MO))とともに、37℃で18時間、インキュベートする。
【0085】
[実施例5:オンコナーゼ−葉酸コンジュゲートの調製]
オンコナーゼ−葉酸コンジュゲートは、Leamoら(1993年)J.Biol.Chem.267,24966-71によって記述されている通りに調製することが可能である。葉酸を無水ジメチルスルホキシドに溶解し、5倍モル濃度過剰の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドで、23℃にて1時間、活性化する。オンコナーゼを0.1M Na2HPO4、0.1Mホウ酸、pH8.5に溶解する。次いで、5〜8倍モル濃度過剰の活性葉酸を当該オンコナーゼ溶液に加え、結合反応を、23℃で30分間、続行させる。リン酸緩衝食塩水、pH7.4(PBS)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラムを使用して、未反応材料をコンジュゲートと分離する。サンプルを、0.2μmシリンジ・フィルターを通して濾過し、次いで、ビシンコニン酸アッセイ(BCA)キット(ピアス・ケミカル・カンパニー(Pierce Chemical Co.))等の標準方法を使用して、タンパク質含量について分析する。ピーク画分をプールし、SDS−PAGEで分析して、コンジュゲート中の遊離リガンドおよび組み換えオンコナーゼの量を決定する。葉酸コンジュゲートの程度は、Leamonら、(1991年)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88,5572-5576により記述されている通りに決定することが可能である。
【0086】
[実施例6:ニトリロトリ酢酸残基を含むペプチドの合成]
当該ペプチドは、Fmoc方法論を使用して、シーバー・アミド(Sieber Amide)樹脂で固相ペプチド合成によって合成した。樹脂充填量と比べて6等量のアミノ酸を使用して、アミノ酸を当該樹脂に結合させた。活性化方法は、一晩反応しているジイソプロピルカルボジイミド(DIC)およびHOBtを使用した。当該樹脂に加えたアミノ酸は(順番に)、Fmoc−Lys(Aloc)−OH、Fmoc−Lys(Aloc)−OH、Fmoc−Lys(Aloc)−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OHおよび無水酢酸であった。次いで、Pd[P(PH)34およびHSn(bu)3で側鎖Aloc保護基を除去した。次いで当該リシンの側鎖を、Fmoc−Asp−OBut(Fmoc L−アスパラギン酸 α−t−ブチルエステル)と反応させた。次いで、当該Fmoc基をアスパラギン酸から除去し、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で過剰のt−ブチルブロモアセテートを加えることにより窒素をペルアルキル化した(室温で一晩反応)。次いで、当該ペプチドを開裂させ、脱保護し、HPLCで精製した。当該ペプチドをIMP 267と命名した。
【0087】
[実施例7:合成ペプチド(IMP 267)への葉酸の結合]
葉酸を、DMSOに溶解し、1当量のDICで活性化して無水物を形成し、3−[2−ピリジルジチオ]プロプリオニルヒドラジド(PDPH)と反応させる。反応生成物を逆相HPLCで精製し、反応生成物を含有する画分を凍結乾燥する。次いで、当該反応生成物を、ペプチド(IMP 267)を含有するチオール(pH5〜9)と混合して、ジスルフィド結合したペプチド葉酸コンジュゲートを形成する。
【0088】
[実施例8:ニトリロトリ酢酸残基およびHisタグ付オンコナーゼを含むペプチドのアフィニティ分析]
IMP 267 0.0040gを、0.01M、pH4.3のギ酸緩衝液690μlに溶解することにより、先ず、IMP 267を、バイアコア(Biacore)(登録商標)C1センサー・チップに結合させる。バイアコア(Biacore)により記述されている通りに、ピリジルジチオエチルアミン(「PDEA」)を使用して、当該ペプチドをジスルフィド結合により結合するために、当該チップを活性化した。当該バイアコア(Biacore)C1チップは、フローセル1および2内、5μl/分で、推奨される1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミド(「EDC」)/N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)混合物のアリコート10μlで活性化した。推奨されるPDEA溶液、35μl(0.1M、pH8.5のボレート(Borate)緩衝液中、PDEA 0.0047g)を、フローセル1および2で、チップに加えた。当該ペプチド、35μlを、フローセル1及び2に加え、セル1及び2内へのシステイン(cys 0.0026g、NaCl 0.0268g、およびpL0.1M、pH4.3のギ酸緩衝液433μlで作った)のアリコートでチップを失活させた。一方のフローセルのみにニッケルを加えることにより、当該チップを活性化し、ニッケルを含まない、他方のフローセルをコントロールとして使用した。当該活性化は、NTA緩衝溶液中、500μMのNiCl2溶液100μlを使用して、40μl/分で行った。6つのHisタグを有するオンコナーゼの下記の濃度(50nM、25nM、10nM、5nM、1nMおよびOnM)を使用して、反応速度論実験を実施した。当該アフィニティは、Kd=1.15×10-9Mで、カイ二乗フィットは1.63であった。Hisタグ付オンコナーゼのアフィニティを同様に入手できる。
【0089】
[実施例9:組み換えオンコナーゼ、オンコナーゼ−複合体、およびオンコナーゼ−コンプレックスのin vitro活性のテスト]
オンコナーゼ−コンジュゲートがタンパク質合成を阻害できる能力を、St.Clairら、PANS USA,84:8330(1987年)により記述されているプロトコールを使用して、ウサギ網状赤血球溶菌液アッセイで評価する。しかし、アミノペプチダーゼは、29kDの分子量を有し、NfM−オンコナーゼは12kDの分子量を有するため、スーパーロース(Superose)12 FPLCを使用したサイズ排除クロマトグラフィで二者を分離することができないため、先ず、試験する全ての画分を、スーパーロース(Superose)12 FPLCを通過させる。
【0090】
自然のオンコナーゼ(AlfaCell)と、組み換えオンコナーゼ(+/−アミノペプチダーゼ処置)およびオンコナーゼ−葉酸コンジュゲートの様々な画分を、ウサギ網状赤血球溶菌液アッセイで比較する。リボヌクレアーゼとともにまたはリボヌクレアーゼ無しで当該アッセイ混合物をインキュベートした後、シンチレーション・カウンターで32Met組み込みを測定し、タンパク質合成速度を評価する。異なるサンプルのタンパク質濃度を、BSAを標準として使用したBCAアッセイ(ピアス(Pierce))で同時に測定する。
【0091】
組み換えオンコナーゼおよびオンコナーゼ−葉酸コンジュゲートが、細胞系でタンパク質合成を阻害できる能力も試験した。適当な細胞系としては、Raji、CA−46、およびヒトT細胞系、Hut102などがある。細胞を、適切な完全培地中、2×105細胞/mlの濃度で、96ウェル微量滴定プレートに一晩プレーティングする。当該完全培地を、漸増する濃度の組み換えオンコナーゼおよびオンコナーゼ−葉酸コンジュゲートを含有する無血清および無ロイシン培地に16時間、取り替え、その後、0.1μCiの[14C]ロイシンによる1時間パルスが続く。細胞収穫機(スカロン(Skaron))を使用して、細胞をグラスファイバー・フィルター上に採集し、水で洗浄し、エタノールで乾燥させ、計数する。細胞が0.5μCiの[3H]チミジンの1時間パルスに暴露されること以外は、並行して実験を実施することにより、細胞に対する細胞障害性/細胞静止作用を評価する。IC50を算出して、オンコナーゼおよび/またはコンジュゲートの活性を推定する。
【0092】
本明細書に引用されている全ての特許および他の参考文献は、本発明が関係する技術分野における熟練者の技術レベルを示し、引用することにより、各参考文献が個別に、全体として組み込まれたのと同程度に、本明細書に引用されている全ての特許および他の参考文献は、引用することにより、表および図を含め、全体として、組み込まれる。
【0093】
本発明は、記述されている目的および利点を達成するのによく適合していること、ならびに本発明に固有のものを、当業者は、容易に理解するであろう。現在、好ましい実施形態の代表として本明細書に記載されている、本発明の方法、変化、および組成物は例であって、本発明の範囲に対する制限を意図するものではない。当業者には変更および他の使用が浮かぶであろうが、それは本発明の中に含まれる。
【0094】
本発明の範囲および精神から逸脱せずに、本明細書に開示されている発明に様々な置換および修飾を行えることは、当業者に容易に明白になるであろう。たとえば、様々な異なる結合対、ならびに様々な異なる治療薬および診断用薬を使用することができる。したがって、このような補足的実施形態は、本発明の範囲内である。
【0095】
説明に役立つように本明細書に適切に記述されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていない要素または制限が存在しない条件で、実行することが可能である。したがって、たとえば、どの場合にも、用語「含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」は、他の2つの用語のいずれとも置き換えることが可能である。使用されている用語および表現は、制限ではなく、説明する言葉として使用されており、このような用語および表現の使用において、示されたまた記述された特徴の同等物またはその一部を除外する意図はなく、本発明の範囲内で様々な修飾が可能なことが理解される。したがって、好ましい実施形態および任意の特長によって本発明を具体的に開示してきたが、本明細書に開示されている構想の修飾および変更を当業者が用いる可能性があること、ならびにこのようなおよび変更は、本発明の範囲内であると考えられることを、理解すべきである。
【0096】
加えて、本発明の特徴または態様が、マーカッシュ(Markush)グループまたは代わりの他のグルーピングについて記述されている場合、本発明はまた、マーカッシュ(Markush)グループまたは他のグループのメンバーの個々のメンバーまたはサブグループについても記述されていることを、当業者は理解するであろう。
【0097】
また、反対の指示がない限り、実施形態のために様々な数値が提供されている場合、範囲の端点としての2つの異なる値を選ぶことにより、さらなる実施形態が記述される。このような範囲もまた、記載の発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】NfMオンコナーゼの核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボ核酸分解活性を有する1つまたは複数の部分、および1つまたは複数の葉酸受容体リガンドを含む、コンジュゲート。
【請求項2】
前記1つまたは複数の部分が組み換えRNase分子を含む、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項3】
前記1つまたは複数の部分がオンコナーゼを含む、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項4】
前記1つまたは複数の部分がrapLR1を含む、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項5】
前記1つまたは複数の部分が、N末端残基としてピログルタミン酸を有する、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項6】
前記1つまたは複数の葉酸受容体リガンドが、葉酸、メトトレキサート、または葉酸受容体に結合する葉酸類縁体である、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項7】
前記1つまたは複数の葉酸受容体リガンドが、ジイソシアネート、ジイソチオシアネート、カルボジイミド、ビス(ヒドロキシスクシンイミド)エステル、マレイミド−ヒドロキシスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒド、またはそれらの組み合せを含むリンカーによって前記1つまたは複数の部分に結合している、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項8】
前記1つまたは複数の葉酸受容体リガンドが、1つまたは複数のリシン、ヒスチジン、またはシステイン残基において、前記1つまたは複数の部分に結合している、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項9】
請求項1に記載のコンジュゲートおよび薬学的に許容し得る賦形剤を含む組成物。
【請求項10】
1つまたは複数のヒスチジンタグに結合しているリボ核酸分解活性を有する1つまたは複数の部分;
1つまたは複数のニトリロロトリ酢酸残基に結合している1つまたは複数の葉酸受容体リガンド、および
ニッケル陽イオン
を含む、コンプレックス。
【請求項11】
前記1つまたは複数の部分が組み換えRNase分子を含む、請求項10に記載のコンジュゲート。
【請求項12】
前記1つまたは複数の部分がオンコナーゼを含む、請求項10に記載のコンジュゲート。
【請求項13】
前記1つまたは複数の部分がrapLR1を含む、請求項10に記載のコンジュゲート。
【請求項14】
前記1つまたは複数の部分が、N末端残基としてピログルタミン酸を有する、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項15】
抗原性分子、ハプテン、硬酸キレート剤、および軟酸キレート剤から選択される1つまたは複数の分子を含むペプチドをさらに含み、前記1つまたは複数の葉酸受容体リガンドおよび前記1つまたは複数のニトリロロトリ酢酸残基が、前記ペプチドに結合している、請求項10に記載のコンプレックス。
【請求項16】
1つまたは複数の結合分子をさらに含み、前記1つまたは複数の結合分子は、標的組織に特異的に結合する1つまたは複数のアームおよび前記ペプチドに特異的に結合する1つまたは複数のアームを含む、請求項10に記載のコンプレックス。
【請求項17】
請求項10に記載のコンプレックスおよび薬学的に許容し得る賦形剤を含む、組成物。
【請求項18】
一次治療薬として、請求項9または17に記載の組成物を、それを必要としている対象に投与するステップを含む、疾患、病気または状態を治療する方法。
【請求項19】
前記一次治療薬の投与前に、投与と同時に、または投与後に、さらなる治療薬または診断用薬を投与するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記さらなる治療薬または診断用薬が、結合分子、薬剤、プロドラッグ、毒素、酵素、酵素阻害剤、ヌクレアーゼ、ホルモン、ホルモン作用物質、免疫調節物質、サイトカイン、オリゴヌクレオチド、キレート剤、ホウ素化合物、光活動性薬剤、放射性核種、抗血管形成剤、色素、放射線不透過性物質、造影剤、蛍光性化合物、増強剤、またはそれらの組み合せを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが抗bcl−2である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記オリゴヌクレオチドが干渉RNAを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記結合分子が多価である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記結合分子が多重特異性である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記結合分子が二重特異性である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記結合分子が抗体である、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記さらなる治療薬または診断用薬が、薬剤または毒素に結合している抗体を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記さらなる治療薬または診断用薬が、放射標識抗体を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記抗体またはその断片が、ヒト抗体、キメラ抗体もしくはヒト化抗体、またはヒト抗体、キメラ抗体もしくはヒト化抗体の断片を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記抗体が、MAb 679、MAb 734、MAb Mu−9、MN−14、またはそれらの組み合せを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記結合分子が融合タンパク質を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記結合分子が、MAb 679、MAb 734、MAb Mu−9、およびMN−14から選択される1つまたは複数のCDRを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記疾患、病気または状態が、悪性疾患、心血管疾患、感染症、炎症性疾患、自己免疫疾患、代謝性疾患または神経疾患を含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項35】
前記疾患、病気または状態が悪性疾患を含み、前記結合分子が標的組織に特異的に結合する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記標的組織が、癌胎児性抗原、テネイシン、上皮成長因子受容体、血小板由来成長因子受容体、線維芽細胞成長因子受容体、血管内皮成長因子受容体、ガングリオシド、HER/2neu受容体およびそれらの混合物からなる群から選択される抗原を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記標的組織が腫瘍を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記腫瘍が、結腸特異的抗原−p(CSAp)、癌胎児性抗原(CEA)、CD4、CD5、CD8、CD14、CD15、CD19、CD2O、CD21、CD22、CD23、CD25、CD30、CD45、CD74、CD80、HLA−DR、Ia、Ii、MUC 1、MUC 2、MUC 3、MUC 4、NCA、EGFR、HER 2/neu、PAM−4、TAG−72、EGP−1、EGP−2、A3、KS−1、Le(y)、S100、PSMA、PSA、テネイシン、葉酸受容体、VEGF、P1GF、ILGF−1、壊死抗原、IL−2、IL−6、T101、MAGE、およびそれらの組合せからなる群から選択される抗原を産生するか、または関連している、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記標的組織が、多発性骨髄腫、B細胞悪性腫瘍、T細胞悪性腫瘍、またはそれらの組み合せを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記B細胞悪性腫瘍が、無痛形B細胞リンパ腫、高悪性度形B細胞リンパ腫、慢性白血病、多発性骨髄腫、および急性リンパ性白血病からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記標的組織が、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫を含むリンパ腫を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記標的組織が固形癌を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記固形癌が、黒色腫、癌腫、肉腫、神経膠腫、またはそれらの組み合せを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記癌腫が、食道癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、睾丸癌、腎癌、副腎癌、肝癌、またはそれらの組み合せを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記癌腫が卵巣癌である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記疾患、病気または状態が、心血管疾患を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
前記疾患、病気または状態が心血管疾患を含み、前記結合分子が、顆粒球、リンパ球、単球、フィブリン、またはそれらの混合物に特異的である、請求項20に記載の方法。
【請求項48】
前記心血管疾患が、心筋梗塞、虚血性心疾患、動脈硬化プラーク、フィブリン塊、塞栓、またはそれらの組み合せを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記感染症が、細菌性疾患、真菌性疾患、寄生虫疾患、ウイルス性疾患、原虫性疾患、マイコプラズマ性疾患、およびそれらの組み合せからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項50】
前記感染症が、小胞子菌、白癬菌、表皮菌、スポルスリックス・シェンキー、クリプトコックス・ネオフォルマンス、コクシジオイデス・イミティス、ヒストプラスマ・カプスラーツム、ブラストミセス・デルマティティディス、カンジダ・アルビカンス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、ヒト血清パルボ様ウイルス、サルウイルス40、呼吸器合胞体ウイルス、マウス乳癌ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ネズミ白血病ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、疣ウイルス、ブルー・タングウイルス、炭疽桿菌、ストレプトコッカス・アガラクティエ、レジオネラ・ニューモフィリア、化膿連鎖球菌、大腸菌、淋菌、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌B、梅毒トレポネーマ、ライム病スピロヘータ、緑膿菌、ハンセン菌、ウシ流産菌、ヒト結核菌、破傷風、蠕虫、マラリア原虫、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、トキソプラズマ原虫、ランゲルトリパノソーマ、クルーズトリパノソーマ、ロデジエンセイトリパノソーマ、ブルーストリパノソーマ、マンソン住血吸虫、日本住血吸虫、バベシア・ボビス、エルメリア・テネラ(Elmeria tenella)、回旋糸状虫、リシューマニア・トロピカ、旋毛虫、回旋糸状虫、タイレリア・パルバ、胞状条虫、ヒツジ条虫、無鈎条虫、単包条虫、ネズミ中殖条虫、マイコプラズマ・アルスリチジス、マイコプラズマ・ハイオライニス、マイコプラズマ・ベイル、マイコプラズマ・アルギニニ、アコレプラズマ・レイドローリ(Acholeplasma laidlawli)、マイコプラズマ・サリバルム、マイコプラズマ肺炎菌、およびそれらの組み合せからなる群から選択される病原体に起因する、請求項34に記載の方法。
【請求項51】
前記自己免疫疾患が、急性特発性血小板減少性紫斑病、慢性特発性血小板減少性紫斑病、皮膚筋炎、シデナム舞踏病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、リウマチ熱、多腺症候群、類天疱瘡、糖尿病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、連鎖球菌後腎炎、結節性紅斑、高安動脈炎、アジソン病、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、多形性紅斑、IgAネフロパシー、結節性多発性動脈炎、強直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、スロンボアンギチスビテランス(thromboangitisubiterans)、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変、橋本甲状腺炎、甲状腺中毒症、強皮症、慢性活動性肝炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、多発性軟骨炎、パルンフィグス・ヴルガリス(parnphigus vulgaris)、ウェゲナー(Wegener)肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄癆、巨細胞動脈炎/多発性筋痛、悪性貧血、急速進行性糸球体腎炎、乾癬、線維化性肺胞炎、およびそれらの組み合せからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項52】
前記疾患、病気または状態が、代謝性疾患または神経疾患を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項53】
前記疾患、病気または状態が、代謝性疾患または神経疾患を含み、前記結合分子が、アミロイド沈着に特異的に結合する、請求項20に記載の方法。
【請求項54】
前記薬剤、プロドラッグまたは毒素が、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン−1、ブスルファン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルムスチン、セレブレックス、クロランブシル、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタキセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシングルクロニド、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、ドキソルビシン、ドキソルビシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドグルクロニド、エトポシドホスフェート、フロクスウリジン(FUdR)、3´,5´−O−ジオレオイル−FudR(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ゲムシタビン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メドロプロゲステロン、酢酸メゲステロール、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、フェニルブチレート、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、セムスチンストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン類、タキソール、プロピオン酸テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、ウラシルマスタード、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、オンコナーゼ、rapLR1、DNase I、ブドウ球菌エンテロトキシン−A、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、シュードモナス内毒素、またはそれらの組合せを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項55】
前記放射性核種が、18F、32P、33P、45Ti、47Sc、52Fe。59Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Se、77As、86Y、89Sr、89Zr、90Y、94TC、94mTc、99Mo、99mTc、105Pd、105Rh、111Ag、111In、123I、124I、125I、131I、142Pr、143Pr、149Pm、153Sm、154-l58Gd、161Tb、166Dy、166Ho、169Er、175Lu、177Lu、186Re、188Re、189Re、194Ir、198Au、199Au、211At、211Pb、212Bi、212Pb、213Bi、223Ra、225Ac、またはそれらの混合物を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項56】
前記放射性核種が、70〜700keVのガンマ粒子またはポジトロンを放出する、請求項20に記載の方法。
【請求項57】
前記放射性核種が、25〜4000keVのガンマ粒子および/またはポジトロンを放出する、請求項20に記載の方法。
【請求項58】
前記放射性核種が、ポジトロン放出断層撮影法(PET)を実施するために使用される、請求項20に記載の方法。
【請求項59】
ポジトロン放出断層撮影法(PET)を実施するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項60】
前記酵素が、カルボキシルエステラーゼ、グルクロニダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、β−ラクタマーゼ、ホスファターゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、およびそれらの組み合せから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項61】
前記免疫調節物質またはサイトカインが、IL−1、IL−2、IL−3、IL−6、Il−10、IL−12、IL−18、IL−21、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、G−CSF、およびGM−CSF、またはそれらの混合物を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項62】
前記抗血管形成剤が、アンジオスタチン、エンドスタチン、バキュロスタチン、キャンスタチン、マスピン、抗VEGF抗体、抗胎盤成長因子抗体、抗血管成長因子抗体、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項63】
前記一次治療薬の投与前、投与と同時に、または投与後に、診断用薬を投与するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項64】
前記診断用薬が、1つまたは複数の光線力学療法用薬剤を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記診断用薬が光増感剤である、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記光増感剤が、ベンゾポルフィリン一酸環A(BDP−MA)、スズエチオプルプリン(SnET2)、スルホン酸アルミニウムフタロシアニン(AlSPc)、およびルテチウムテキサフィリン(Lutex)を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記診断用薬が、1つまたは複数の造影剤を含み、前記方法が、磁気共鳴画像法(MRI)を実施するステップをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記造影剤が、ガドリニウムイオン、ランタンイオン、マンガンイオン、鉄、クロム、銅、コバルト、ニッケル、フッ素、ジスプロシウム、レニウム、ユーロピウム、テルビウム、ホルミウム、ネオジム、またはそれらの混合物を含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記診断用薬が、X線用またはコンピュータ断層撮影法(CT)用の、1つまたは複数の放射線不透過性物質または造影剤を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項70】
前記放射線不透過性物質または造影剤が、バリウム、ジアトリゾエート、エチオダイズド油、クエン酸ガリウム、イオカルム酸、イオセタム酸、ヨーダミド、ヨージパミド、ヨードキサム酸、イオグラミド(iogulamide)、イオヘキソール、イオパミドール、イオパノ酸、イオプロセム酸、イオセファム酸、イオセル酸、イオスラミドメグルミン、イオセメチン酸、イオタスル、イオテトル酸、イオタラム酸、イオトロクス酸、イオキサグル酸、イオキソトリゾ酸、イポデート、メグルミン、メトリザミド、メトリゾエート、プロピリオドン、塩化タリウム、またはそれらの組み合せを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記診断用薬が、超音波画像法を実施するための1つまたは複数の造影剤を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項72】
前記造影剤が、リポソームまたはデキストランを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記リポソームが、ガス入りである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
亜鉛、アルミニウム、ガリウム、ルテチウム、パラジウム、ホウ素、ガドリニウム、ウラン、マンガン、鉄、クロム、銅、コバルト、ニッケル、ジスプロシウム、レニウム、ユーロピウム、テルビウム、ホルミウム、ネオジム、およびそれらの組み合せから選択される金属を投与するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項75】
クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、またはそれらの組み合せから選択される常磁性イオンを投与するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項76】
外科手術法、血管内法、腹腔鏡法、または内視鏡法を実施するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項77】
患者における疾患または疾患につながる可能性のある状態を治療および/または診断する方法であって、
(A)標的組織に結合する少なくとも1つのアーム、および標的化可能な構築物に結合する少なくとも1つの他のアームを有する結合分子を、患者に投与するステップ;
(B)任意選択的に、前記患者に洗浄用組成物を投与し、前記組成物により循環から非局在結合分子を洗浄するステップ;および
(C)請求項9または17に記載の化合物を含む標的化可能な構築物を前記患者に投与するステップ;
を含む、方法。
【請求項78】
治療薬として、請求項1に記載のコンジュゲートおよび薬学的に許容し得る賦形剤をともに含む、キット。
【請求項79】
前記治療薬を投与するための用具をさらに含む、請求項78に記載のキット。
【請求項80】
1つまたは複数のさらなる治療薬をさらに含む、請求項78に記載のキット。
【請求項81】
1つまたは複数の診断用薬をさらに含む、請求項78に記載のキット。

【図1】
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【公表番号】特表2007−524412(P2007−524412A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551370(P2006−551370)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/002193
【国際公開番号】WO2005/069994
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(599176263)イムノメディクス, インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】