薄肉部品積層体の自動組立装置および薄肉部品を備えた荷姿構造
【課題】薄肉部品を支持部材に積層するタイプの組立の際に作業を自動化することができ、人力に頼っていた薄肉部品の組み立て作業における省力化をなし得た装置を提供する。
【解決手段】複数の支持部材を備えたパレット16を支持する供給ローダー2と、それに近接配置された本体ベース1と、本体ベース1上の搬送路23と、該搬送路23に沿って移動自在に設けられた搬送治具と、供給ローダー2上のパレット16から整列配置された支持部材を個別に取り出して搬送路23の治具に供給する第1の搬送機構と、搬送路の近傍に複数整列配置されて搬送路の移動途中において支持部材に個々に薄肉部品を積層する組み付けユニット8とを具備してなる。
【解決手段】複数の支持部材を備えたパレット16を支持する供給ローダー2と、それに近接配置された本体ベース1と、本体ベース1上の搬送路23と、該搬送路23に沿って移動自在に設けられた搬送治具と、供給ローダー2上のパレット16から整列配置された支持部材を個別に取り出して搬送路23の治具に供給する第1の搬送機構と、搬送路の近傍に複数整列配置されて搬送路の移動途中において支持部材に個々に薄肉部品を積層する組み付けユニット8とを具備してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散シート、レンズシート、反射シートなどの薄肉部品を支持部材に積層して組み立てられるバックライトユニットなどの薄肉部品積層体の自動組立装置および薄肉部品を備えた荷姿構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯用の小型機器などにおける表示装置としてバックライトを備えた液晶パネルが多用されている。この種の液晶パネルに備えられるバックライトユニットは一般に、拡散シート、下レンズシート、上レンズシート、リムシート、反射シートなどのフィルム状の各種薄肉部品を複数枚積層して全体をモールドケースなどの枠状の支持部材に装着してなる薄肉部品の積層構造とされている。
以上説明のバックライトユニットにあっては、種々多様の薄肉部品の積層体構造とされるので、これら薄肉部品を組み付けて積層体構造とするには、従来、作業者の手組により1枚1枚の薄肉部品をモールドケースなどの支持部材に位置決めしながら正確に嵌め込み装着するなどの積層組み立て作業を必要としていた。
【0003】
従来、この種のバックライトを備えた液晶パネルの組み立て方法として、電気光学パネルとバックライトの間に額縁形状を有するシートを設け、シート、電気光学パネル、バックライトにより閉空間を形成することにより、この閉空間にゴミなどの異物を侵入させるおそれを少なくした構造と組み立て方法が知られている。(特許文献1参照)
【0004】
次に、基材をセットしたパレットを連続供給する搬入コンベアを設け、搬入コンベアの前方にパレット通路を有する固定ステージを配置し、パレット通路の所定位置でパレットを一端停止させて該パレットの特定の基材に部品を組み立てる自動組み立て手段を設けたコンベア装置が知られている。(特許文献2参照)
【特許文献1】特開2003−50393号公報
【特許文献2】特開平5−84616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先に説明したバックライトユニットなどのような薄肉部品の積層体にあっては、従来、手組による組み付け方法が主体であり、組み付け作工程の更なる改善が要求されていた。特に画面サイズの小さい携帯用小型機器の液晶表示装置のバックライトユニットにあっては、枠体にフィルムやシートを嵌め込み固定する作業は作業者にとって容易な作業ではなく、大量生産の場合に大勢の人手が必要であり、また、人手に頼らずに大量に製造できる方法が望まれる工程であった。
ところで一般に、画面サイズの小さい携帯用小型機器の液晶表示装置のバックライトユニットを組み立てる際の拡散シート、レンズシート、反射シートなどの薄肉部品は従来の組み立て工程に対して図30、図31に示すような荷姿構造で搬入されている。
【0006】
即ち、平面視矩形状のキャリアシート200の上に粘着層201を形成しておき、その粘着層201上に複数の薄肉部品202を離間させて複数行、複数列、整列形成し、このキャリアシート200を多数積み重ねて現場に搬入し、これらのキャリアシート200から必要な数の薄肉部品202を剥離して積層組み立て作業に供給していたが、キャリアシート200の上に複数行、複数列の縦横並びに薄肉部品を配列すると、例えば自動機械を考案してキャリアシート200から薄肉部品202をピックアップして組み立てに供する際に、積層する薄肉部品を貼着したキャリアシート毎に必要な薄肉部品を順次ピックアップして取り出し、これらを順次組み付ける作業部分の機械構造が複雑になり、効率の高い自動化が極めて困難であった。
また、先の薄肉部品202の荷姿において図31に示すように薄肉部品202の方向を数10度傾けて取り出し易いように配列することもなされているが、キャリアシート200の上に複数行、複数列配置する従来の配列方式では、いずれの方式であってもピックアップと組み付け作業部分の機械化が複雑になり、複雑大型化、大型投資、低効率化等の理由から、自動機を設計することが困難となりやすい問題があった。
【0007】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、薄肉部品を支持部材に積層するタイプの組立の際に作業を自動化することができ、人力に頼っていた薄肉部品の組み立て作業における省力化をなし得た薄肉部品積層体の自動組立装置の提供を目的とする。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、薄肉部品を支持部材に積層するタイプの組立の際に作業を自動化する際に好都合であり、キャリアテープから薄肉部品を取り出すことを容易に機械化することができ、人力に頼っていた組み立て作業における省力化をなし得る際に望ましい薄肉部品の荷姿構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、支持部材に複数の薄肉部品を積層して薄肉部品積層体を組み立てるための自動組立装置であって、複数の支持材が整列配置されたパレットを支持する供給ローダーと、該供給ローダーに近接配置された本体ベースと、該本体ベース上に設けられた搬送路と、該搬送路に沿って移動自在に設けられた搬送治具と、前記供給ローダー上のパレットから前記整列配置された支持部材を個別に取り出して前記搬送路の治具に供給する第1の搬送機構と、前記搬送路の近傍に前記搬送路の長さ方向に沿って複数整列配置されて前記搬送路の移動途中において前記支持部材に個々に薄肉部品を積層する組み付けユニットとを具備してなることを特徴とする。
搬送治具に供給された支持部材を搬送治具が搬送路に沿って移動している間に複数の組み付けユニットが薄肉部品を順次支持部材に装着し積層することで、支持部材に複数の薄肉部品を積層した薄肉部品積層体を組み立てることができる。搬送治具が支持部材を支持したまま移動する搬送路に沿って組み付けユニットを並べることで組み付けユニットをコンパクトに配置でき、支持部材に対して薄肉部品を順次積層できる。
【0009】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、先に記載の構成において、前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構が設けられ、前記部品供給機構に、個々に着脱自在に貼着して一列に整列載置された薄肉部品をキャリアテープ上に備え、該キャリアテープを巻き付け支持した供給リールが備えられ、前記搬送路の側部側から搬送路を移動する搬送治具上の支持部材に前記キャリアテープから取り出した薄肉部品を順次取り付け自在とされたことを特徴とする。
薄肉部品を一列に配列したキャリアテープから薄肉部品を取り出すようにすることで搬送路の所定の位置に移動した搬送治具上の支持部材にキャリアテープからの薄肉部品を供給することができる。薄肉部品を一列に配置したキャリアテープを供給リールに巻き付けておくならば、供給リールは薄型であり、狭い場所においても複数配置できるので、狭いスペースを利用して供給リールを複数並べることが可能となり、搬送路の側部側に複数の組み付けユニットを整列配置できる。
【0010】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、複数のキャリアテープ上に個々に着脱自在に貼着して整列載置された薄肉部品を前記各キャリアテープから取り出して支持部材に装着し、該支持部材に複数の薄肉部品を積層してなる薄肉部品積層体を組み立てる装置であって、本体ベースと、該本体ベースの一側に隣接して配置された供給ローダーと、該本体ベースの上面側に搬送路を形成する搬送機構と、該搬送路の一側に位置して前記供給ローダーから前記支持部材を前記搬送路に送る第1の搬送機構と、前記搬送路に沿って前記支持部材を移動させる搬送治具と、前記搬送路に沿って複数配列された組み付けユニットと、前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構と、前記各部品供給機構に接続して設けられ前記薄肉部品を複数整列配置させたキャリアテープを巻き付け収容してなる供給リールとが具備され、前記部品供給機構に、前記供給リールから引き出したキャリアテープ上に載置されている薄肉部品積層体を取り出して前記組み付けユニットに送る搬送機構が具備されてなることを特徴とする。
【0011】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、前記キャリアテープの一方の面に沿って複数の薄肉部品が着脱自在に貼着されて一列に整列載置され、前記キャリアテープの一面上に整列載置された複数の薄肉部品を覆うように前記キャリアテープの一面上にカバーテープが介装され、該カバーテープと前記キャリアテープが組になって供給リールに巻き付けられてなることを特徴とする。
供給リールに巻き付けられた場合にキャリアテープに貼着されている薄肉部品をカバーテープが覆うので薄肉部品の表面を保護できるとともに、供給リールから引き出した場合においてもカバーテープを剥がすまではカバーテープが薄肉部品を異物付着、傷、汚れ等から保護する。
【0012】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、前記部品供給機構に、前記供給リールのキャリアテープとカバーテープを共に引き出す引き出し機構と、前記キャリアテープから前記カバーテープを引き剥がして前記キャリアテープ上の各薄肉部品を順次露出させる引き剥がし機構と、前記露出させたキャリアテープ上の各薄肉部品を前記キャリアテープの長手方向の任意の位置で支持するための剥離ベースと、前記剥離ベース上に位置した前記薄肉部品を吸着して前記キャリアテープから個別に取り外す搬送ハンドと、該搬送ハンドが取り出した薄肉部品を前記組み付けユニットに搬送する搬送アームとを具備してなることを特徴とする。
供給リールから引き出したキャリアテープとカバーテープとに挟まれた状態の薄肉部品を取り出す際、カバーテープを剥がしてからキャリアテープ上の薄肉部品を剥離ベースに移動させ、剥離ベースに到達したキャリアテープ上の薄肉部品を搬送ハンドで取り出して薄肉部品を組み付けユニットに搬送することができる。これにより、搬送ハンドで薄肉部品を支持部材に装着する動作の直前までキャリアテープ上の薄肉部品をカバーテープで保護することができ、薄肉部品への異物の付着を防止できる。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、前記各部品供給機構の下部側に前記支持部材が取り出された後のキャリアテープを収容するための回収リールが設けられ、前記部品供給機構の上部側に前記支持部材が取り出された後のカバーテープを収容するための巻取リールが設けられ、前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールがいずれも縦向きに配置されて前記搬送路に沿って配置された複数の部品供給機構とそれらに付属する前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールが密に配置されてなることを特徴とする。
薄肉部品を備えたキャリアテープとそれに被さるカバーテープを供給リールに巻き付け、供給リールから取り出したキャリアテープを回収リールに回収し、カバーテープを巻き取りリールに回収する構成として、各リールを同一面に沿って個々に配置することで薄肉部品の供給系を薄型構造とすることができ、これにより複数の組み付けユニットを搬送路の側方に密に整列できる。従って装置全体を小型化することが可能となる。
【0014】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、前記各部品供給機構の下部側に前記支持部材が取り出された後のキャリアテープを収容するための回収リールが設けられ、前記部品供給機構の上部側に前記支持部材が取り出された後のカバーテープを収容するための巻取リールが設けられ、前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールがいずれも縦向きに配置されて前記搬送路に沿って配置された複数の部品供給機構とそれらに付属する前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールが密に配置されてなることを特徴とする。
キャリアテープは回収リールにより回収することができ、カバーテープは巻取リールに回収できるので、キャリアテープの供給系と回収系、カバーテープの供給系と回収系をいずれも薄型化することができ、テープ供給系と回収系を含めた全体を小型、薄型化することができ、装置全体のコンパクト化に寄与する。
【0015】
本発明の荷姿構造は前記事情に鑑みてなされたもので、長尺のキャリアテープの一方の面に該キャリアテープの長さ方向に沿って一定の間隔で一列に薄板状部品が着脱自在に貼着され、これら薄板状部品を覆ってカバーテープが前記キャリアテープに重ねられた状態で前記キャリアテープと前記カバーテープが供給リールに引き出し自在に巻回されてなることを特徴とする。
キャリアテープに一列に薄肉部品を貼着しておき、キャリアテープを供給リールから引き出して順次薄肉部品を取り出すことで自動組立機械などに薄肉部品を供給する場合にキャリアテープの幅に相当する幅の領域があれば薄肉部品を順次連続供給することができるので、薄肉部品の供給系を幅の狭い構造とすることができ、薄肉部品の供給系を複数備えた装置であっても薄型化することが可能となり、自動組み付け機械の設計を容易とすることができる荷姿構造を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、搬送治具に供給された支持部材を搬送治具が搬送路に沿って移動している間に複数の組み付けユニットが薄肉部品を順次支持部材に装着し積層することで、支持部材に複数の薄肉部品を積層した薄肉部品積層体を自動的に組み立てることができる。搬送治具が移動する搬送路に沿って組み付けユニットを並べることで組み付けユニットをコンパクトな狭いスペースに配置できる。
本発明において、薄肉部品を一列に備えたキャリアテープを供給リールに収容し、この供給リールからキャリアテープを引き出しつつキャリアテープ上の薄肉部品を取り出して搬送治具側の支持部材に装着することができる。このように供給リールからキャリアテープを引き出して組立に使用するならば、キャリアテープの幅に相当する領域を有することでキャリアテープから薄肉部品を受け取って支持部材への積層に供することができるので、供給リールを並べて配置できるスペースがあれば供給リールの数に合わせた数の薄肉部品を支持部材に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、各図に示す構成は見やすいように縮尺を適宜異ならせて示している。
本実施形態の薄板状部品積層体の自動組立装置Aは、図1の概略構成に示すようにボックス型の横長の本体ベース1と、この本体ベース1の右端部側に設置されたボックス型の供給ローダー2と、前記供給ローダー2から本体ベース1側に部品を搬送するための2軸ロボット型の第1の搬送機構3と、本体ベース1の右端部上に設けられて前記供給ローダー2からの部品を受けるための受部5と、この受部5において部品を支持するための搬送治具6と、前記本体ベース1の上に設けられて先の搬送治具6を搬送するための直線状の搬送路7と、該搬送路7に沿って本体ベース1の背後側に整列接続された7台の薄肉部品の組み付けユニット8とを主体として構成されている。
【0018】
図2および図3は本実施形態に係る薄肉部品積層体の自動組立装置Aに提供するための荷姿構造の一例を示すもので、長尺のキャリアテープ10の一面側に粘着層11が形成され、その粘着層11の上にキャリアテープ10の長さ方向に沿って所定の間隔で平面視矩形状の薄肉部品12が一列に複数貼着されている。これらの薄肉部品12を図2に示すようにキャリアテープ10の表面において幅方向中央部に位置決めして配置していることが後の行程において薄肉部品12を取り出す上では望ましい。
図3に示すようにこのキャリアテープ10は供給リール15に必要長さ巻き付けられ、供給リール15からこれらのキャリアテープ10を図3に示すように矢印Rの送り方向に引き出すことができるようになっている。なお、図3に符号16で示すものは供給リール15から最初のキャリアテープ10を巻き出す際に使用するライナーテープである。
【0019】
なお、図2と図3に示す薄肉部品の荷姿構造は一例であって、例えば図4と図5に示す荷姿構造の如くキャリアテープ10に対して透明フィルム状のカバーテープ13をキャリアテープ10に重ねるようにして供給リール15に巻き付け、キャリアテープ10とカバーテープ13の先端側に薄肉部品12を設けていない領域を設定してこれらの部分を巻き出し初めのライナーテープ17として用いる構造としても良い。図4と図5に示す荷姿構成においてもキャリアテープ10の上の粘着層11に薄肉部品12…を所定間隔で一列に間欠配置した構成は同等とする。前記のカバーテープ13を略する場合は、薄肉部品12が外部から影響を受け難い部品の場合、あるいは搬送コストなどを削減する場合などに適用することとなる。
【0020】
この実施形態の薄肉部品積層体の自動組立装置Aにあっては、先に説明した如く本体ベース1に7台の組み付けユニット8が設けられているので、これら各組み付けユニット8の各々に供給リール15が設けられ、合計7台の供給リール15が設けられていることになる。これら7台の供給リール15にはそれぞれ図2、図3に示す荷姿構造、あるいは、図4、図5に示す荷姿構造を利用してそれぞれ個別の薄肉部品が収容されている。
この形態の自動組立装置Aをバックライトユニットの製造に適用する場合、例えば支持枠となる矩形状のモールドケース(支持部材)に対して拡散シート、下レンズシート、上レンズシート、リムシート、反射シート、両面テープなどの6種類の薄肉部品を装着する工程に適用するので、7台の組み付けユニット8の供給リール15のうち、6台に先の順番で別々の各シート(薄肉部品)を備えたキャリアテープ10を装着して使用する。
例えば、図1に示す供給ローダー2に近い側から順に、第1番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として拡散シートを、第2番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として下レンズシートを、第3番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として上レンズシートを、第4番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12としてリムシートを、第5番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として反射シートを、第6番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として両面テープをそれぞれ設ける。
先の積層構造で6種類の薄肉部品を積層する際に用いるこの実施形態の自動組立装置Aにおいては第7番目の組み付けユニット8は使用しないので空にしておいて良いが、薄肉部材の種類として更に別のものを追加する必要がある場合は空の組み付けユニット8に追加して必要な薄肉部品をキャリアテープ10とカバーテープ13とともに他のリールと同様に収容すれば良い。また、組み付けユニット8の設置個数はこの形態の如く7台に限らず、積層するべき薄肉部品の積層枚数に合わせた必要数の組み付けユニット8を設けると良い。
【0021】
なお、この形態におけるこれら薄肉部品(各種シート)の装着例は一例であって、他の構成のバックライトユニットあるいは他の積層構造の液晶表示装置を組み立てる場合などは別の種類の各シートを必要な順番で各供給リール15に装着すれば良い。
また、例えば液晶表示装置は、先のバックライトユニットの他に、位相差板、偏光板、液晶パネル本体、各種光学補償フィルムなどの種々のシート状(薄肉)部品の積層体であるので、これらの薄肉部品を必要に応じて各供給リール15のキャリアテープ10に設けることで積層体構造の液晶パネルを含む薄肉部品の積層構造の組立にも本発明の自動組立装置Aを適用することも可能となる。
【0022】
次に、本実施形態に係る薄肉部品積層体の自動組立装置Aについてその詳細構造を図面を基に以下に説明する。
この形態の自動組立装置Aにおいて先に図1を基に説明したように横長の本体ベース1の手前側に直線状の搬送路7が本体ベース1の長さ方向に(横方向に)設置され、その奥側に7台の組み付けユニット8が本体ベース1の長さ方向に(横方向に)順次整列配置されるとともに、先の供給ローダー2の上面にはその手前側とその奥側に皿状のパレット16が隣接設置されている。先の搬送路7はその一端を供給ローダー2の手前側のパレット16に近接させて配置され、搬送路7の一端部側が部品の受部5とされ、この受部5の背後側に、検査部9が供給ローダー2の奥側のパレット16に隣接するように形成されている。
【0023】
前記供給ローダー2の上面には、矩形枠状の支持部材18を5行×5列(合計25個程度)所定間隔で縦横に配置できる程度の大きさのパレット16が2つ並んで設置されている。そして、供給ローダー2の上方には供給ローダー2の上面側から本体ベース1側にかけて十字型に延在する支持フレーム20が支柱部19に支持されて水平に架設され、これらの支持フレーム20、20に沿って水平方向に移動自在にかつ上下方向に昇降自在に設けられた複数の把持ハンド21が設けられており、これらの把持ハンド21によって前記供給ローダー2の手前側のパレット16上に整列配置されている支持部材18を1つずつ把持して持ち上げて取り出し、本体ベース1の搬送路7側の受部5側に移送することができるように構成されている。
また、これらの把持ハンド21は前記検査部9において検査終了した後述の肉薄部品積層体を前記供給ローダー2の手前側のパレット16側に戻すように移送してパレット16上に配列し直すことができるように構成されている。
前記搬送路7の受部5に移送された支持部材18は受部5に設けられている位置決めテーブル22の上に設置され、この位置決めテーブル22の位置に搬送治具6が移動し、搬送治具6に設けられている後述の把持チャック29が支持部材18を把持して位置決めテーブル22上から支持部材18を取り出すようになっている。
【0024】
前記搬送治具6は搬送路7に設けられているガイドレール23に沿ってスライド移動自在に設けられた図10〜図13に詳細を示すスライダ25を備えている。このスライダ25の両側には取付壁部26、27が立設され、これらの取付壁部26、27間に水平に架設された支持軸28により把持チャック29が回動自在に支持されている。この把持チャック29は鍵型の開閉自在の把持爪30、30を有し、把持爪30、30の開閉により矩形状のモールドケースなどの支持部材18を把持するか離すかを選択できるように構成され、該把持爪30、30が枠状の支持部材18を把持したまま先のスライダ25の移動に伴って搬送路7に沿って移動自在に構成されている。前記把持爪30、30は先の支持軸28を中心とする回動操作により、把持爪30、30により把持している支持部材18の表側を上側にするか、あるいは、支持部材18の裏側を上側にするか、自在に方向変換できるように構成されている。この方向転換は前記支持軸28の軸支部分に設けられているギア機構28Aとそれに接続される図示略のモータの作動による。
【0025】
位置決めテーブル32上において把持爪30、30に把持された状態の支持部材18は搬送治具6の移動と共に搬送路7に沿って移動し、搬送路7における第1の組み付けユニット8の前方位置、第2の組み付けユニット8の前方位置、第3の組み付けユニット8の前方位置、第4の組み付けユニット8の前方位置、第5の組み付けユニット8の前方位置、第6の組み付けユニット8の前方位置、第7の組み付けユニット8の前方位置のぞれぞれの位置に順次移動し、それらの各位置で停止して支持部材18を規定の位置に位置決めできるように構成されている。
【0026】
前記組み付けユニット8は、図6〜図9に示すように、本体ベース1の背後側に設置された供給リール15と、この供給リール15から引き出したキャリアテープ10及びカバーテープ13を引き込む導入案内部35と、この導入案内部35においてキャリアテープ10からの薄肉部品12を受ける支持基台(剥離ベース)36と、支持基台36から薄肉部品12を吸着してガードレール23側に向けて搬送する対になる搬送ユニット37、37と、これらの搬送ユニット37、37が搬送している途中の薄肉部品12の位置決めを行う位置決めユニット70と、先の支持部材18が取り出された後のキャリアテープ10を回収するための回収用リール39と、先の支持部材18が取り出された後のカバーテープ13を回収するための巻取リール40とを具備して構成されている。
前記キャリアテープ回収用リール39は前記供給リール15の下方側に設置され、前記カバーテープ回収用の巻取リール40は前記導入案内部35の上方に設置され、これら3つのリール15、39、40は同一鉛直面に沿って起立した状態で個々に回転自在に支持され、各組み付けユニット8はこれらのリール15、39、40と前記導入案内部35を含めて全体が薄型に構成されているので、本体ベース1の搬送路7の背後側の少ないスペースに対して同一構成の組み付けユニット8が7台、密に隣接配置できるように構成されている。なお、以上の構成において、供給リール15と導入案内部35と搬送ユニット37と位置決めユニット70とから部品搬送機構が構成されている。
【0027】
前記導入案内部35には、供給リール15から引き出したキャリアテープ10とカバーテープ13とを引き込むための第1ローラ41、第2ローラ42、第3ローラ43、第4ローラ44、第5ローラ45が前記搬送路7側に向かって順次設けられ、先の第5ローラ45の前方側に支持基台36が所定水平距離前後移動自在に設けられ、支持基台36の下方側から順に、供給リール15側に戻るように、キャリアテープ10を案内するための第6ローラ46、第7ローラ47、第8ローラ48、第9ローラ49、第10ローラ50、第11ローラ51、第12ローラ52、第13ローラ53、第14ローラ54、第15ローラ55が順次設けられ、これらのローラ46〜55を介してキャリアテープ10は回収用ロール39に巻き取られるようになっている。前記支持基台36は支持架台62に支持されるとともに、それらの下方側に設けられた案内レール部材63に沿って所定水平距離前後移動自在に設けられている。
また、先の支持基台36の手前側の上方には、カバーテープ剥離用の爪部材64と第16ローラ56、第17ローラ57、第18ローラ58、第19ローラ59、第20ローラ60が設けられ、これらのローラ56〜60を介してカバーテープ13は回収用リール40に巻き取られるようになっている。
【0028】
前記支持基台36の形成位置と搬送路7との間には、吸着部65を備えた搬送ハンド66を搬送アーム67を介して2台支持するとともに、水平に配置された案内ロッド68、68に沿って移動自在に支持された移動盤69が設けられ、この移動盤69が案内ロッド68に沿って水平方向に前後移動することにより、2台の吸着部65を水平方向に前後移動できるように構成されている。
前記支持基台36の形成位置と搬送路7との間には、前記吸着部65、65よりも下方に位置して薄肉部品の位置を補正する位置決めユニット70が設けられ、先の移動盤69が支持基台36側に移動した場合の位置において一方の(図10の右側の)搬送ハンド66の吸着部65が前述の支持基台36上の薄肉部品を吸着して取り上げることができ、他方の(図10の左側の)搬送ハンド66の吸着部65が既に吸着している薄肉部品を位置決めユニット70に設置することができる。なお、前記搬送ハンド66とその吸着部65の上下動作は、それを支持するアーム65Aとアーム65Aの上端部に装着された上下昇降用のシリンダ65Bとによってなされる。
一方、先の移動盤69が搬送路7側に移動した場合の位置において、一方の(図10の右側の)搬送ハンド66の吸着部65に吸着している薄肉部品を位置決めユニット70に対して吸着部65の昇降により設置することができ、他方の(図10の左側の)搬送ハンド66の吸着部65に吸着している薄肉部品を搬送路7の規定位置上に移動されてきている把持爪30、30に把持された状態の支持部材18に対して吸着部65の昇降により被せて据え付けることができるように構成されている。
【0029】
前記位置決めユニット70は、図14と図15に詳細に示すように、直角に交わる基準面71、72を有するガイドベース73を上面に備えたテーブル75と、このテーブル75の一側部側に形成されて前記ガイドベース73上に設置された薄肉部品の一側辺を押圧して薄肉部品を前記一方の基準面71に押し付ける第1の位置規制ロッド76と、前記テーブル75の他の側部側に形成されて前記ガイドベース73上に設置された薄肉部品の他側辺を押圧して薄肉部品を前記他方の基準面72に押し付ける第2の位置規制ロッド77とを具備して構成されている。
【0030】
前記第1の位置規制ロッド76は、細長い板状とされ、その長さ方向中央部にスリット76aが形成され、その一端部にローラ部材76bが取り付けられてガイドベース73上において水平に支持されるとともに、前記スリット76aの一部に係合する支持ピン76dがガイドベース73側に立設され、前記スリット76aの他の一部に係合する支持ピン76eを備えた板状の案内ロッド76fがガイドベース73に設けられた支点軸76gによりその一端部を軸支されて水平に支持されている。この第1の位置規制ロッド76は先の支点軸76gの操作により案内ロッド76fの回動軸76eを介して移動され、更に第1の位置規制ロッド76は回動軸76d、76eに規制されてその先端部のローラ部材76bを前後移動できるように構成されており、支点軸76gの操作によってローラ部材76bを移動させて基準面71に対して接近移動するか、基準面71から離れる方向に離間移動できるように構成されている。
【0031】
前記第2の位置規制ロッド77は、細長い板状とされ、その長さ方向中央部にスリット77aが形成され、その一端部にローラ部材77bが取り付けられてガイドベース73上において水平に支持されるとともに、前記スリット77aの一部に係合する回動軸77dがガイドベース73側に立設され、前記スリット77aの他の一部に係合する支持ピン77eを備えた板状の案内ロッド77fがガイドベース73に設けられた支点軸77gによりその一端部を軸支されて水平に支持されている。この第2の位置規制ロッド77は先の支点軸77gの操作により案内ロッド77fの支持ピン77eを介して移動され、更に第2の位置規制ロッド77は回動軸77d、77eに規制されてその先端部のローラ部材77bを左右移動できるように構成されており、支点軸77gの操作によってローラ部材77bを移動させて基準面72に対して接近移動するか、基準面72から離れる方向に離間移動できるように構成されている。
以上の構成から、第1の位置規制ロッド76を支点軸76gで操作して第1の位置規制ロッド76のローラ部材76bの前後移動により基準面71に後述の薄肉部品を押し付けて位置決めする操作と、第2の位置規制ロッド77を支点軸77gで操作して第2の位置規制ロッド77のローラ部材77bの左右移動により基準面72に後述の薄肉部品を押し付けて位置決めする操作とを行うことにより、薄肉部品の水平面上での位置決めをX方向とY方向でいずれの方向にでも正確に行うことができる。
【0032】
ところで、前記搬送路7の受部5に隣接する位置であって、供給ローダー2とそれに近い第1番目の組み付けユニット8との間の位置に検査装置9が備えられ、薄肉部品の積層組立が終了した支持部材18をCCDカメラなどを備えた検査装置9を利用して検査し、後述する積層組み立て工程において欠陥を生じたか否かを検査できるように構成されている。
【0033】
次に以上の如く構成された薄肉部品積層体の自動組立装置Aの動作について説明する。
この形態の自動組立装置Aには7台の組み付けユニット8が設けられ、これら7台の組み付けユニット8の各供給リール15には、キャリアテープ10及びカバーテープ13が個々に巻き付け収容されているが、先にも説明した通り、例えば、図1に示す供給ローダー2に近い側から順に、第1番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として拡散シートを、第2番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として下レンズシートを、第3番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として上レンズシートを、第4番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12としてリムシートを、第5番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として反射シートを、第6番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として両面テープをそれぞれ供給しておく。また、供給ローダー2のパレット16に必要個数の支持部材18を収容しておく。
【0034】
自動組立装置Aにおいてはまず供給ローダ2のパレット16に収容されている枠状の支持部材18…を把持ハンド21が把持して取り上げ、受部5の位置決めテーブル22に移送する。
位置決めテーブル22に設置された支持部材18は搬送路7に沿って移動してきた搬送治具6の把持チャック29の把持爪30、30により挟まれた後、搬送治具6の移動と共に第1番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで拡散シートが装着され、次に第2番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで下レンズシートが積層され、第3番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで上レンズシートが積層され、第4番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここでリムシートが積層され、第5番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで反射シートが積層され、第6番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで両面テープが積層されるようになっている。
【0035】
搬送治具6の移動と共に第1番目の組み付けユニット8の設置位置へ移動された支持部材18にあっては、把持チャック29の把持爪30、30により搬送路7の付近において水平に支持された状態とされており、この状態の支持部材18に対して第1番目の組み付けユニット8から薄肉部品としての拡散シートが装着される。
第1番目の組み付けユニット8においては、その対応する供給リール15に巻き付けられているキャリアテープ10の表面に薄肉部品としての拡散シートが所定の間隔で複数粘着層11を介して貼着されているが、図2あるいは図3に示すように供給リール15からキャリアテープ10の先端のライナーテープ16を引き出し、最初はこのライナーテープ16をそれに引き続いてキャリアテープ10を順次導入案内部35に供給する。
より具体的には、図9に示す如く第1ローラ41、第2ローラ42、第3ローラ43、第4ローラ44、第5ローラ45を介してこれらのテープを支持基台36に到達させ、支持基台36で折り返して第6ローラ46、第7ローラ47、第8ローラ48、第9ローラ49、第10ローラ50、第11ローラ51、第12ローラ52、第13ローラ53、第14ローラ54、第15ローラ55を介して図7に示すように回収用リール39にキャリアテープ10を巻き取るようなループを形成する。
【0036】
また、第5ローラ45をキャリアテープ10とカバーテープ13が通過した後でカバーテープ13は爪部材64を介して上方に引き上げられ第16ローラ56、第17ローラ57、第18ローラ58、第19ローラ59、第20ローラ60を介して図7に示すように回収用リール40に巻き取られるようにする。以上の如くキャリアテープ10とカバーテープ13とを導入案内部35に巻き掛け、順次供給リール15からキャリアテープ10とカバーテープ13とを間欠的に引き出してゆけば、支持基台36上に順次間欠的に新規の薄肉部品としての拡散シートを供給することができる。
支持基台36の上までキャリアテープ10とともに到達した薄肉部品としての拡散シートを搬送ハンド66の吸着部65にて支持基台36から吸着して吸い上げ、移動盤69の移動により位置決めユニット38まで移送して搬送ハンド66の吸着部65から位置決めユニット38のテーブル75上に薄肉部品を移動する。
ここでテーブル75上の薄肉部品の2辺を位置規制ロッド76、77の各操作でテーブル75上の基準面71、72に押し付けて位置修正し、テーブル75上にて薄肉部品を正確に位置決めする。
【0037】
この位置決め調整の間に移動盤69を移動させて一方の搬送ハンド66を支持基台36側に戻し、再度支持基台36に送られている新規の薄肉部品を吸着し、搬送路7側にあった他方の搬送ハンド66をテーブル75側に移動させ、位置が修正された薄肉部品を他方の搬送ハンド66の吸着部65で吸着して取り上げる。そして移動盤69を再度搬送路7側に移動させることで搬送路7側にて把持爪30、30に把持されて水平に位置決めされている支持部材18に搬送ハンド66の吸着部65に吸着されている薄肉部品を積層して装着することができる。以上の移動盤29による搬送ハンド66を左右移動させる操作と吸着部65による吸着動作の繰り返し操作と、供給リール15からキャリアテープ10を介して支持基台36に順次薄肉部品を供給する操作の繰り返し、並びに、搬送治具26の把持爪30、30により把持した支持部材18の組み付けユニット8への移送の繰り返しにより、大量の支持部材18に対して薄肉部品としての拡散シートを順次装着することができる。
【0038】
搬送路7における第1番目の組み付けユニット8の前方の規定位置において支持部材18に薄肉部品としての拡散シートを装着すると、搬送治具26は支持部材18を第2番目の組み付けユニット8の位置に移送し、第2番目の組み付けユニット8の供給リール15から下レンズシートをキャリアテープ10とともに引き出して先に説明した第1番目の組み付けユニット8の操作と同じような操作により支持部材18に下レンズシートを装着する。
以上の説明と同等の操作を繰り返し行い、第3番目〜第6番目の組み付けユニット8の前方側の規定の位置へ順次移動させて支持部材に各種の薄肉部品を積層してゆく。
なお、搬送治具6の把持チャック29の把持爪30、30で把持した支持部材については把持チャック29を回転させて、把持チャック29の向きを変えるならば、支持部材の表裏を変えることができるので、薄肉部品の積層順序を変更することを容易に行うことができる。
【0039】
支持部材18に必要な薄肉部品を積層終了したならば、搬送治具26は搬送路7に沿って供給ローダー2側に戻るので、供給ローダー2側に最も近い位置まで戻った位置の把持爪30、30から把持ハンド21が支持枠を取り上げ、検査装置9側に移送して検査を行い、検査後に把持ハンド21が供給ローダー2上のパレット16上に支持部材を戻すことで1つの支持枠に対する積層工程が終了する。この後、パレット16から把持ハンド21が次の空の支持枠を取り出して位置決めテーブル22に移送し、これまで説明した工程と同様の工程を繰り返すことによりパレット16上の支持枠に順次薄肉部品を積層することができる。
以上説明の如く本実施形態の自動組立装置Aによれば、パレット16から取り出した空の支持部材に対して複数の組み付けユニット8を用いて薄肉部品を必要枚数積層した後にパレット16に戻す処理を繰り返すことにより、手作業を行うことなく自動的にパレット16に搭載した支持枠全てに薄肉部品を積層して装着することができる。
【0040】
また、この実施形態の自動組立装置Aであるならば、供給リール15、回収リール39、巻取リール40を同一垂直面に沿って起立させて配置し、大量の薄肉部品の供給と、それに伴うキャリアテープ10やカバーテープ13のための設置スペース幅をできる限り狭くして、組み付けユニット8の幅を少なくできる構成としているので、狭いスペースに設置できるコンパクトな構成の自動組立装置Aを供給できる。
【0041】
図16は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の他の例を示す構成略図であり、この例では供給リールに備えた薄肉部品を組み付け装置に提供するのではなく、短冊状のキャリアシート85に複数枚、図面では5枚ずつ薄肉部品86を装着しており、このキャリアシート85を複数枚用意して積層し、キャリアシート85ごとキャリアテープ10に貼着しておき、先に説明した自動組立装置に供すればよい。
この図16に示す荷姿構造であっても、先の自動組立装置に適用することができるので、本発明に係る自動組立装置はリールで供給するタイプの荷姿構造でなくとも適用することができる。
【0042】
図17Aは本願発明に係る自動組立装置に適用できる薄肉部品の受け渡し構造の他の例であり、この例の如く搬送路7を2本直線状に並べて配置し、これらに沿う形で組み付けユニット8A、8B、8C、8Dを並列配置した構造として自動組立装置を構成しても良い。ここで記載した組み付けユニット8A〜8Dは先の実施形態の組み付けユニット8と同等の構成を採用すれば良い。
図17Bは本発明に係る自動組立装置に適用する搬送治具の循環方式を採用した場合の自動組立装置の一構造例であり、組み付けユニット8a、8b、8c、8d、8e、8fを1本の搬送路7に沿って直列配置し、この搬送路7に沿って搬送治具6をベルト駆動方式などにより往復移動自在に設けてこれらの組み付けユニット8a、8b、8c、8d、8e、8fで順次、あるいは必要な順番で組み付けユニット間を往復前後移動しながら薄肉部品を組み付けるように構成しても良い。
【0043】
図18と図19は本発明に係る荷姿構造を成形加工に適用した例を示すもので、この例の装置では、キャリアテープ10とカバーテープ13との間に樹脂成形品88が挟まれた状態の荷姿構造を利用することができる。
キャリアテープ10を巻き付けた供給リール90からキャリアテープ10を引き出して搬送テーブル91上に供給し、搬送テーブル91の途中に左右分割自在の金型92、93を有する成型機95を配置し、金型92、93の上方に製品搬出用のロボット型の搬送機96を設け、金型92、93で成形した後に型を分離して樹脂成形品88を搬送機96で取り出してからキャリアテープ10上に移送し、その表面の粘着層に貼着させ、次いで金型93の側方に設けた供給リール97からカバーテープ13を繰り出して送給ローラ98によりカバーテープ13で樹脂成形品88を覆うようにキャリアテープ10上に被せてから回収用リール99によりカバーテープ13と樹脂成形品88とカバーテープ13とを巻き込んで収容するようにした荷姿構造として採用することができる。
【0044】
この例の荷姿構造を採用すると、従来一般の樹脂成形では製品をバラで収納するか、もしくはトレイで回収することが一般的であるが、これらに対して先の荷姿構造では成型後に直ちにキャリアテープ10とカバーテープ13によるテーピングを完了させて製品としての樹脂成形品88を回収することができる。これによって得られた製品を整列状態で傷や汚れなどの欠陥を与えることなく回収でき、雰囲気に暴露することなく回収できるので、品質の保全、次工程への製品搬送時の安全性向上を図ることができる。
また、キャリアテープ10とカバーテープ13の幅に応じて規定の位置に製品を収容できるので、得られた樹脂成形品88を次の工程に搬送して次の加工を行う場合などの場合においてその搬送と取り扱いが容易にできる。
【0045】
図20と図21は本発明に係る荷姿構造をプレス加工に適用した例を示すもので、この例の装置では、キャリアテープ10とカバーテープ13との間にプレス成形品100が挟まれた状態の荷姿構造を採用することができる。
図21に示すようにキャリアテープ10を巻き付けた供給リール90からキャリアテープ10を引き出してプレス装置101のプレステーブル102上に供給し、プレステーブル102の上に受け台103を介して上下分割自在の金型104、105を配置し、金型104、105の上方にプレス押圧機106を設け、受け台103の側方から原材料の条帯103aを供給し、金型104、105で条帯103aからプレス成形品100を得た後に製品を受け台103を介してその下方のキャリアテープ10上に直接落下させてキャリアテープ10上に搭載し、キャリアテープ10の表面の粘着層に貼着させ、次いで金型104、105の側方に設けた供給リール97からカバーテープ13を繰り出して送給ローラ98によりカバーテープ13でプレス成形品100を覆うようにキャリアテープ10上に被せてから回収用リール99によりカバーテープ13とプレス成形品100とカバーテープ13とを巻き込んで収容するようにした荷姿構造として利用することができる。
【0046】
この例の荷姿構造を採用すると、従来一般のプレス成形では製品をバラで収納するか、もしくはトレイで回収することが一般的であるが、これらに対して先の荷姿構造ではプレス成型後に直ちにキャリアテープ10とカバーテープ13によるテーピングを完了させて製品としてのプレス成形品100を回収することができる。これによって得られた製品を整列状態で傷や汚れなどの欠陥を与えることなく回収でき、雰囲気に暴露することなく回収できるので、品質の保全、次工程への製品搬送時の安全性向上を図ることができる。
また、キャリアテープ10とカバーテープ13の幅に応じて規定の位置に製品を収容できるので、得られたプレス成形品100を次の工程に搬送して次の加工を行う場合などの場合においてその搬送と取り扱いが容易にできる。
【0047】
図22と図23は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の他の例を示す構成略図であり、この例では供給リールに備えた薄肉部品を組み付け装置に提供するのではなく、短冊状のキャリアシート110に複数枚、図面では6枚ずつ薄肉部品111を装着しており、このキャリアシート110を複数枚用意し、以下に説明する荷姿構造の変換装置を用いて荷姿を変換して先に説明した自動組立装置に適用することができる。
図24〜図26は本発明に係る自動組立装置Aに適用される荷姿構造の変換装置の一例を示す構成略図であり、この例では支持フレーム120に案内ロッド121、121とシリンダ装置122により移動自在に取り付けられた移送フレーム125を有し、移送フレーム125の側部に直角に案内フレーム126を一体形成し、この案内フレーム126に対して案内ロッド127、127とシリンダ装置128を設け、シリンダ装置128の伸縮ロッド129の先端部に吸着ハンド130を設け、この吸着ハンド130により短尺荷姿のキャリアシート110を移送できるように構成されている。
【0048】
前記支持フレーム120の端部に支持フレーム120と直角に保持フレーム135が設けられ、この保持フレーム135に前記キャリアシート110を積層状態で複数収容したフィルムカセット136が装着され、先のシリンダ装置122、128の動作によりフィルムカセット136から吸着ハンド130により図26に示すように取り出した薄肉部品111を図24に示すようにキャリアテープ140に順次定間隔の整列状態で一列に配列することができるようになっている。
【0049】
図24に示す構成では貼着テープ141を巻き付けたロール142を用意し、このロール142から繰り出した貼着テープ141を1次ローラ151、2次ローラ152、3次ローラ153、153を介して引き出し、2次ローラ152を図示略の移動機構により所定幅移動自在に構成して1次ローラ151と2次ローラ152の間隔を図24の矢印に示す如く広げることでこれらの間に張り渡した貼着テープ141に先の吸着ハンド130で吸着した薄肉部品111を必要枚数(図24では6枚)ずつ貼り付け移送し、薄肉部品111を搭載したキャリアシート110を張り渡した貼着テープ141に貼着して薄肉部品111からキャリアシート110を分離し、キャリアシート110は貼着テープ141に貼り付けたまま除き、吸着ハンド130に吸着した薄肉部品111をテーブル155上に載置されているキャリアテープ10上に移し取ることで、図3あるいは図5に示す構造のキャリアテープ10上に複数の薄肉部品を所定間隔で一列整列させた状態の荷姿構造とすることができる。
【0050】
この荷姿構造の薄肉部品として先に説明した自動組立装置Aに供給することにより、薄肉部品を支持部材に積層装着することができる。
以上のことから、図22、図23に示す荷姿構造であっても、先の自動組立装置Aに適用することができるので、本発明に係る自動組立装置Aは最初の荷姿構造がリールで供給するタイプの荷姿構造でなくとも、短冊状のキャリアシートからのスタートであっても自動組立に適用することができる。
【0051】
ところで、図27に示すキャリアシート160に薄肉部品161が複数、縦横に(図27では3行4列)整列されて貼着された荷姿構造であって、図28に示すようにキャリアシート160が複数枚積層されて現場に搬送されてきた場合、図29に示す如くキャリアシート160を鎖線位置162で切断して短尺荷姿の構造として短冊状のキャリアシート163に薄肉部品161を一列に複数貼着した荷姿構造とした後、図24〜図26に示す先に説明した構成の装置によりキャリアテープ10に貼着した荷姿構造に変換して先の自動組立装置Aに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】図2は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の一例を示す平面図。
【図3】図3は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の一例をリールから引き出した状態を示す平面図。
【図4】図4は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の他の例を示す平面図。
【図5】図5は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の他の例をリールから引き出した状態を示す平面図。
【図6】図6は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の正面略図。
【図7】図7は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の側面略図。
【図8】図8は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の平面略図。
【図9】図9は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の組み付けユニットの一部を示す側面略図。
【図10】図10は同組み付けユニットの他の部分を示す拡大略図。
【図11】図11は同自動組立装置に設けられる搬送治具を示す平面略図。
【図12】図12は同自動組立装置に設けられる搬送治具を示す側面略図。
【図13】図13は同自動組立装置に設けられる搬送治具を示す正面略図。
【図14】図14は同自動組立装置に設けられる位置決めユニットの平面略図。
【図15】図15は同自動組立装置に設けられる位置決めユニットの側面略図。
【図16】図16は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の他の例を示す構成略図。
【図17】図17Aは薄肉部品の受け渡し方式の他の例を示す構成図、図17Bは薄肉部品の搬送治具の他の例の構造を示す構成図。
【図18】図18は樹脂成形品の荷姿構造の一例を示す構成図。
【図19】図19は本発明に係る荷姿構造を樹脂成型品に適用した場合の装置構成を示す構成図。
【図20】図20は本発明に係る荷姿構造をプレス成型品に適用した場合の装置構成を示す部分構成図。
【図21】図21は本発明に係る荷姿構造をプレス成型品に適用した場合の装置構成を示す全体構成図。
【図22】図22は本発明に係る自動組立装置の他の構造例に適用される荷姿構造の一例を示す構成略図。
【図23】図23は本発明に係る自動組立装置の他の構造例に適用される荷姿構造の一例を示す構成略図。
【図24】図24は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の一例を示す構成略図。
【図25】図25は同構造例の部分構成図。
【図26】図26は同構造例の部分構成図。
【図27】図27は別の例のシート荷姿構造を示す平面図。
【図28】図28は同シート荷姿構造の積層状態を示す側面図。
【図29】図29は同シート荷姿構造の更に別の例を示す平面図。
【図30】図30は従来の荷姿構造の一例を示す平面図である。
【図31】図31は従来の荷姿構造の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…本体ベース、2…供給ローダー、3…第1の搬送機構、5…受部、6…搬送治具、7…搬送路、8…組み付けユニット、9…検査装置、10…キャリアテープ、13、14…カバーテープ、12…薄肉部品、15…供給リール、16…パレット、18…支持部材、21…把持ハンド、23…ガイドレール、30…把持爪、35…導入案内部、36…支持基台(剥離ベース)、38…位置決めユニット、39…回収リール、40…巻取リール、65…吸着部、66…搬送ハンド、67…搬送アーム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散シート、レンズシート、反射シートなどの薄肉部品を支持部材に積層して組み立てられるバックライトユニットなどの薄肉部品積層体の自動組立装置および薄肉部品を備えた荷姿構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯用の小型機器などにおける表示装置としてバックライトを備えた液晶パネルが多用されている。この種の液晶パネルに備えられるバックライトユニットは一般に、拡散シート、下レンズシート、上レンズシート、リムシート、反射シートなどのフィルム状の各種薄肉部品を複数枚積層して全体をモールドケースなどの枠状の支持部材に装着してなる薄肉部品の積層構造とされている。
以上説明のバックライトユニットにあっては、種々多様の薄肉部品の積層体構造とされるので、これら薄肉部品を組み付けて積層体構造とするには、従来、作業者の手組により1枚1枚の薄肉部品をモールドケースなどの支持部材に位置決めしながら正確に嵌め込み装着するなどの積層組み立て作業を必要としていた。
【0003】
従来、この種のバックライトを備えた液晶パネルの組み立て方法として、電気光学パネルとバックライトの間に額縁形状を有するシートを設け、シート、電気光学パネル、バックライトにより閉空間を形成することにより、この閉空間にゴミなどの異物を侵入させるおそれを少なくした構造と組み立て方法が知られている。(特許文献1参照)
【0004】
次に、基材をセットしたパレットを連続供給する搬入コンベアを設け、搬入コンベアの前方にパレット通路を有する固定ステージを配置し、パレット通路の所定位置でパレットを一端停止させて該パレットの特定の基材に部品を組み立てる自動組み立て手段を設けたコンベア装置が知られている。(特許文献2参照)
【特許文献1】特開2003−50393号公報
【特許文献2】特開平5−84616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先に説明したバックライトユニットなどのような薄肉部品の積層体にあっては、従来、手組による組み付け方法が主体であり、組み付け作工程の更なる改善が要求されていた。特に画面サイズの小さい携帯用小型機器の液晶表示装置のバックライトユニットにあっては、枠体にフィルムやシートを嵌め込み固定する作業は作業者にとって容易な作業ではなく、大量生産の場合に大勢の人手が必要であり、また、人手に頼らずに大量に製造できる方法が望まれる工程であった。
ところで一般に、画面サイズの小さい携帯用小型機器の液晶表示装置のバックライトユニットを組み立てる際の拡散シート、レンズシート、反射シートなどの薄肉部品は従来の組み立て工程に対して図30、図31に示すような荷姿構造で搬入されている。
【0006】
即ち、平面視矩形状のキャリアシート200の上に粘着層201を形成しておき、その粘着層201上に複数の薄肉部品202を離間させて複数行、複数列、整列形成し、このキャリアシート200を多数積み重ねて現場に搬入し、これらのキャリアシート200から必要な数の薄肉部品202を剥離して積層組み立て作業に供給していたが、キャリアシート200の上に複数行、複数列の縦横並びに薄肉部品を配列すると、例えば自動機械を考案してキャリアシート200から薄肉部品202をピックアップして組み立てに供する際に、積層する薄肉部品を貼着したキャリアシート毎に必要な薄肉部品を順次ピックアップして取り出し、これらを順次組み付ける作業部分の機械構造が複雑になり、効率の高い自動化が極めて困難であった。
また、先の薄肉部品202の荷姿において図31に示すように薄肉部品202の方向を数10度傾けて取り出し易いように配列することもなされているが、キャリアシート200の上に複数行、複数列配置する従来の配列方式では、いずれの方式であってもピックアップと組み付け作業部分の機械化が複雑になり、複雑大型化、大型投資、低効率化等の理由から、自動機を設計することが困難となりやすい問題があった。
【0007】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、薄肉部品を支持部材に積層するタイプの組立の際に作業を自動化することができ、人力に頼っていた薄肉部品の組み立て作業における省力化をなし得た薄肉部品積層体の自動組立装置の提供を目的とする。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、薄肉部品を支持部材に積層するタイプの組立の際に作業を自動化する際に好都合であり、キャリアテープから薄肉部品を取り出すことを容易に機械化することができ、人力に頼っていた組み立て作業における省力化をなし得る際に望ましい薄肉部品の荷姿構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、支持部材に複数の薄肉部品を積層して薄肉部品積層体を組み立てるための自動組立装置であって、複数の支持材が整列配置されたパレットを支持する供給ローダーと、該供給ローダーに近接配置された本体ベースと、該本体ベース上に設けられた搬送路と、該搬送路に沿って移動自在に設けられた搬送治具と、前記供給ローダー上のパレットから前記整列配置された支持部材を個別に取り出して前記搬送路の治具に供給する第1の搬送機構と、前記搬送路の近傍に前記搬送路の長さ方向に沿って複数整列配置されて前記搬送路の移動途中において前記支持部材に個々に薄肉部品を積層する組み付けユニットとを具備してなることを特徴とする。
搬送治具に供給された支持部材を搬送治具が搬送路に沿って移動している間に複数の組み付けユニットが薄肉部品を順次支持部材に装着し積層することで、支持部材に複数の薄肉部品を積層した薄肉部品積層体を組み立てることができる。搬送治具が支持部材を支持したまま移動する搬送路に沿って組み付けユニットを並べることで組み付けユニットをコンパクトに配置でき、支持部材に対して薄肉部品を順次積層できる。
【0009】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、先に記載の構成において、前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構が設けられ、前記部品供給機構に、個々に着脱自在に貼着して一列に整列載置された薄肉部品をキャリアテープ上に備え、該キャリアテープを巻き付け支持した供給リールが備えられ、前記搬送路の側部側から搬送路を移動する搬送治具上の支持部材に前記キャリアテープから取り出した薄肉部品を順次取り付け自在とされたことを特徴とする。
薄肉部品を一列に配列したキャリアテープから薄肉部品を取り出すようにすることで搬送路の所定の位置に移動した搬送治具上の支持部材にキャリアテープからの薄肉部品を供給することができる。薄肉部品を一列に配置したキャリアテープを供給リールに巻き付けておくならば、供給リールは薄型であり、狭い場所においても複数配置できるので、狭いスペースを利用して供給リールを複数並べることが可能となり、搬送路の側部側に複数の組み付けユニットを整列配置できる。
【0010】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、複数のキャリアテープ上に個々に着脱自在に貼着して整列載置された薄肉部品を前記各キャリアテープから取り出して支持部材に装着し、該支持部材に複数の薄肉部品を積層してなる薄肉部品積層体を組み立てる装置であって、本体ベースと、該本体ベースの一側に隣接して配置された供給ローダーと、該本体ベースの上面側に搬送路を形成する搬送機構と、該搬送路の一側に位置して前記供給ローダーから前記支持部材を前記搬送路に送る第1の搬送機構と、前記搬送路に沿って前記支持部材を移動させる搬送治具と、前記搬送路に沿って複数配列された組み付けユニットと、前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構と、前記各部品供給機構に接続して設けられ前記薄肉部品を複数整列配置させたキャリアテープを巻き付け収容してなる供給リールとが具備され、前記部品供給機構に、前記供給リールから引き出したキャリアテープ上に載置されている薄肉部品積層体を取り出して前記組み付けユニットに送る搬送機構が具備されてなることを特徴とする。
【0011】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、前記キャリアテープの一方の面に沿って複数の薄肉部品が着脱自在に貼着されて一列に整列載置され、前記キャリアテープの一面上に整列載置された複数の薄肉部品を覆うように前記キャリアテープの一面上にカバーテープが介装され、該カバーテープと前記キャリアテープが組になって供給リールに巻き付けられてなることを特徴とする。
供給リールに巻き付けられた場合にキャリアテープに貼着されている薄肉部品をカバーテープが覆うので薄肉部品の表面を保護できるとともに、供給リールから引き出した場合においてもカバーテープを剥がすまではカバーテープが薄肉部品を異物付着、傷、汚れ等から保護する。
【0012】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、前記部品供給機構に、前記供給リールのキャリアテープとカバーテープを共に引き出す引き出し機構と、前記キャリアテープから前記カバーテープを引き剥がして前記キャリアテープ上の各薄肉部品を順次露出させる引き剥がし機構と、前記露出させたキャリアテープ上の各薄肉部品を前記キャリアテープの長手方向の任意の位置で支持するための剥離ベースと、前記剥離ベース上に位置した前記薄肉部品を吸着して前記キャリアテープから個別に取り外す搬送ハンドと、該搬送ハンドが取り出した薄肉部品を前記組み付けユニットに搬送する搬送アームとを具備してなることを特徴とする。
供給リールから引き出したキャリアテープとカバーテープとに挟まれた状態の薄肉部品を取り出す際、カバーテープを剥がしてからキャリアテープ上の薄肉部品を剥離ベースに移動させ、剥離ベースに到達したキャリアテープ上の薄肉部品を搬送ハンドで取り出して薄肉部品を組み付けユニットに搬送することができる。これにより、搬送ハンドで薄肉部品を支持部材に装着する動作の直前までキャリアテープ上の薄肉部品をカバーテープで保護することができ、薄肉部品への異物の付着を防止できる。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、前記各部品供給機構の下部側に前記支持部材が取り出された後のキャリアテープを収容するための回収リールが設けられ、前記部品供給機構の上部側に前記支持部材が取り出された後のカバーテープを収容するための巻取リールが設けられ、前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールがいずれも縦向きに配置されて前記搬送路に沿って配置された複数の部品供給機構とそれらに付属する前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールが密に配置されてなることを特徴とする。
薄肉部品を備えたキャリアテープとそれに被さるカバーテープを供給リールに巻き付け、供給リールから取り出したキャリアテープを回収リールに回収し、カバーテープを巻き取りリールに回収する構成として、各リールを同一面に沿って個々に配置することで薄肉部品の供給系を薄型構造とすることができ、これにより複数の組み付けユニットを搬送路の側方に密に整列できる。従って装置全体を小型化することが可能となる。
【0014】
本発明の自動組み立て装置は前記事情に鑑みてなされたもので、前記各部品供給機構の下部側に前記支持部材が取り出された後のキャリアテープを収容するための回収リールが設けられ、前記部品供給機構の上部側に前記支持部材が取り出された後のカバーテープを収容するための巻取リールが設けられ、前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールがいずれも縦向きに配置されて前記搬送路に沿って配置された複数の部品供給機構とそれらに付属する前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールが密に配置されてなることを特徴とする。
キャリアテープは回収リールにより回収することができ、カバーテープは巻取リールに回収できるので、キャリアテープの供給系と回収系、カバーテープの供給系と回収系をいずれも薄型化することができ、テープ供給系と回収系を含めた全体を小型、薄型化することができ、装置全体のコンパクト化に寄与する。
【0015】
本発明の荷姿構造は前記事情に鑑みてなされたもので、長尺のキャリアテープの一方の面に該キャリアテープの長さ方向に沿って一定の間隔で一列に薄板状部品が着脱自在に貼着され、これら薄板状部品を覆ってカバーテープが前記キャリアテープに重ねられた状態で前記キャリアテープと前記カバーテープが供給リールに引き出し自在に巻回されてなることを特徴とする。
キャリアテープに一列に薄肉部品を貼着しておき、キャリアテープを供給リールから引き出して順次薄肉部品を取り出すことで自動組立機械などに薄肉部品を供給する場合にキャリアテープの幅に相当する幅の領域があれば薄肉部品を順次連続供給することができるので、薄肉部品の供給系を幅の狭い構造とすることができ、薄肉部品の供給系を複数備えた装置であっても薄型化することが可能となり、自動組み付け機械の設計を容易とすることができる荷姿構造を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、搬送治具に供給された支持部材を搬送治具が搬送路に沿って移動している間に複数の組み付けユニットが薄肉部品を順次支持部材に装着し積層することで、支持部材に複数の薄肉部品を積層した薄肉部品積層体を自動的に組み立てることができる。搬送治具が移動する搬送路に沿って組み付けユニットを並べることで組み付けユニットをコンパクトな狭いスペースに配置できる。
本発明において、薄肉部品を一列に備えたキャリアテープを供給リールに収容し、この供給リールからキャリアテープを引き出しつつキャリアテープ上の薄肉部品を取り出して搬送治具側の支持部材に装着することができる。このように供給リールからキャリアテープを引き出して組立に使用するならば、キャリアテープの幅に相当する領域を有することでキャリアテープから薄肉部品を受け取って支持部材への積層に供することができるので、供給リールを並べて配置できるスペースがあれば供給リールの数に合わせた数の薄肉部品を支持部材に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、各図に示す構成は見やすいように縮尺を適宜異ならせて示している。
本実施形態の薄板状部品積層体の自動組立装置Aは、図1の概略構成に示すようにボックス型の横長の本体ベース1と、この本体ベース1の右端部側に設置されたボックス型の供給ローダー2と、前記供給ローダー2から本体ベース1側に部品を搬送するための2軸ロボット型の第1の搬送機構3と、本体ベース1の右端部上に設けられて前記供給ローダー2からの部品を受けるための受部5と、この受部5において部品を支持するための搬送治具6と、前記本体ベース1の上に設けられて先の搬送治具6を搬送するための直線状の搬送路7と、該搬送路7に沿って本体ベース1の背後側に整列接続された7台の薄肉部品の組み付けユニット8とを主体として構成されている。
【0018】
図2および図3は本実施形態に係る薄肉部品積層体の自動組立装置Aに提供するための荷姿構造の一例を示すもので、長尺のキャリアテープ10の一面側に粘着層11が形成され、その粘着層11の上にキャリアテープ10の長さ方向に沿って所定の間隔で平面視矩形状の薄肉部品12が一列に複数貼着されている。これらの薄肉部品12を図2に示すようにキャリアテープ10の表面において幅方向中央部に位置決めして配置していることが後の行程において薄肉部品12を取り出す上では望ましい。
図3に示すようにこのキャリアテープ10は供給リール15に必要長さ巻き付けられ、供給リール15からこれらのキャリアテープ10を図3に示すように矢印Rの送り方向に引き出すことができるようになっている。なお、図3に符号16で示すものは供給リール15から最初のキャリアテープ10を巻き出す際に使用するライナーテープである。
【0019】
なお、図2と図3に示す薄肉部品の荷姿構造は一例であって、例えば図4と図5に示す荷姿構造の如くキャリアテープ10に対して透明フィルム状のカバーテープ13をキャリアテープ10に重ねるようにして供給リール15に巻き付け、キャリアテープ10とカバーテープ13の先端側に薄肉部品12を設けていない領域を設定してこれらの部分を巻き出し初めのライナーテープ17として用いる構造としても良い。図4と図5に示す荷姿構成においてもキャリアテープ10の上の粘着層11に薄肉部品12…を所定間隔で一列に間欠配置した構成は同等とする。前記のカバーテープ13を略する場合は、薄肉部品12が外部から影響を受け難い部品の場合、あるいは搬送コストなどを削減する場合などに適用することとなる。
【0020】
この実施形態の薄肉部品積層体の自動組立装置Aにあっては、先に説明した如く本体ベース1に7台の組み付けユニット8が設けられているので、これら各組み付けユニット8の各々に供給リール15が設けられ、合計7台の供給リール15が設けられていることになる。これら7台の供給リール15にはそれぞれ図2、図3に示す荷姿構造、あるいは、図4、図5に示す荷姿構造を利用してそれぞれ個別の薄肉部品が収容されている。
この形態の自動組立装置Aをバックライトユニットの製造に適用する場合、例えば支持枠となる矩形状のモールドケース(支持部材)に対して拡散シート、下レンズシート、上レンズシート、リムシート、反射シート、両面テープなどの6種類の薄肉部品を装着する工程に適用するので、7台の組み付けユニット8の供給リール15のうち、6台に先の順番で別々の各シート(薄肉部品)を備えたキャリアテープ10を装着して使用する。
例えば、図1に示す供給ローダー2に近い側から順に、第1番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として拡散シートを、第2番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として下レンズシートを、第3番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として上レンズシートを、第4番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12としてリムシートを、第5番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として反射シートを、第6番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として両面テープをそれぞれ設ける。
先の積層構造で6種類の薄肉部品を積層する際に用いるこの実施形態の自動組立装置Aにおいては第7番目の組み付けユニット8は使用しないので空にしておいて良いが、薄肉部材の種類として更に別のものを追加する必要がある場合は空の組み付けユニット8に追加して必要な薄肉部品をキャリアテープ10とカバーテープ13とともに他のリールと同様に収容すれば良い。また、組み付けユニット8の設置個数はこの形態の如く7台に限らず、積層するべき薄肉部品の積層枚数に合わせた必要数の組み付けユニット8を設けると良い。
【0021】
なお、この形態におけるこれら薄肉部品(各種シート)の装着例は一例であって、他の構成のバックライトユニットあるいは他の積層構造の液晶表示装置を組み立てる場合などは別の種類の各シートを必要な順番で各供給リール15に装着すれば良い。
また、例えば液晶表示装置は、先のバックライトユニットの他に、位相差板、偏光板、液晶パネル本体、各種光学補償フィルムなどの種々のシート状(薄肉)部品の積層体であるので、これらの薄肉部品を必要に応じて各供給リール15のキャリアテープ10に設けることで積層体構造の液晶パネルを含む薄肉部品の積層構造の組立にも本発明の自動組立装置Aを適用することも可能となる。
【0022】
次に、本実施形態に係る薄肉部品積層体の自動組立装置Aについてその詳細構造を図面を基に以下に説明する。
この形態の自動組立装置Aにおいて先に図1を基に説明したように横長の本体ベース1の手前側に直線状の搬送路7が本体ベース1の長さ方向に(横方向に)設置され、その奥側に7台の組み付けユニット8が本体ベース1の長さ方向に(横方向に)順次整列配置されるとともに、先の供給ローダー2の上面にはその手前側とその奥側に皿状のパレット16が隣接設置されている。先の搬送路7はその一端を供給ローダー2の手前側のパレット16に近接させて配置され、搬送路7の一端部側が部品の受部5とされ、この受部5の背後側に、検査部9が供給ローダー2の奥側のパレット16に隣接するように形成されている。
【0023】
前記供給ローダー2の上面には、矩形枠状の支持部材18を5行×5列(合計25個程度)所定間隔で縦横に配置できる程度の大きさのパレット16が2つ並んで設置されている。そして、供給ローダー2の上方には供給ローダー2の上面側から本体ベース1側にかけて十字型に延在する支持フレーム20が支柱部19に支持されて水平に架設され、これらの支持フレーム20、20に沿って水平方向に移動自在にかつ上下方向に昇降自在に設けられた複数の把持ハンド21が設けられており、これらの把持ハンド21によって前記供給ローダー2の手前側のパレット16上に整列配置されている支持部材18を1つずつ把持して持ち上げて取り出し、本体ベース1の搬送路7側の受部5側に移送することができるように構成されている。
また、これらの把持ハンド21は前記検査部9において検査終了した後述の肉薄部品積層体を前記供給ローダー2の手前側のパレット16側に戻すように移送してパレット16上に配列し直すことができるように構成されている。
前記搬送路7の受部5に移送された支持部材18は受部5に設けられている位置決めテーブル22の上に設置され、この位置決めテーブル22の位置に搬送治具6が移動し、搬送治具6に設けられている後述の把持チャック29が支持部材18を把持して位置決めテーブル22上から支持部材18を取り出すようになっている。
【0024】
前記搬送治具6は搬送路7に設けられているガイドレール23に沿ってスライド移動自在に設けられた図10〜図13に詳細を示すスライダ25を備えている。このスライダ25の両側には取付壁部26、27が立設され、これらの取付壁部26、27間に水平に架設された支持軸28により把持チャック29が回動自在に支持されている。この把持チャック29は鍵型の開閉自在の把持爪30、30を有し、把持爪30、30の開閉により矩形状のモールドケースなどの支持部材18を把持するか離すかを選択できるように構成され、該把持爪30、30が枠状の支持部材18を把持したまま先のスライダ25の移動に伴って搬送路7に沿って移動自在に構成されている。前記把持爪30、30は先の支持軸28を中心とする回動操作により、把持爪30、30により把持している支持部材18の表側を上側にするか、あるいは、支持部材18の裏側を上側にするか、自在に方向変換できるように構成されている。この方向転換は前記支持軸28の軸支部分に設けられているギア機構28Aとそれに接続される図示略のモータの作動による。
【0025】
位置決めテーブル32上において把持爪30、30に把持された状態の支持部材18は搬送治具6の移動と共に搬送路7に沿って移動し、搬送路7における第1の組み付けユニット8の前方位置、第2の組み付けユニット8の前方位置、第3の組み付けユニット8の前方位置、第4の組み付けユニット8の前方位置、第5の組み付けユニット8の前方位置、第6の組み付けユニット8の前方位置、第7の組み付けユニット8の前方位置のぞれぞれの位置に順次移動し、それらの各位置で停止して支持部材18を規定の位置に位置決めできるように構成されている。
【0026】
前記組み付けユニット8は、図6〜図9に示すように、本体ベース1の背後側に設置された供給リール15と、この供給リール15から引き出したキャリアテープ10及びカバーテープ13を引き込む導入案内部35と、この導入案内部35においてキャリアテープ10からの薄肉部品12を受ける支持基台(剥離ベース)36と、支持基台36から薄肉部品12を吸着してガードレール23側に向けて搬送する対になる搬送ユニット37、37と、これらの搬送ユニット37、37が搬送している途中の薄肉部品12の位置決めを行う位置決めユニット70と、先の支持部材18が取り出された後のキャリアテープ10を回収するための回収用リール39と、先の支持部材18が取り出された後のカバーテープ13を回収するための巻取リール40とを具備して構成されている。
前記キャリアテープ回収用リール39は前記供給リール15の下方側に設置され、前記カバーテープ回収用の巻取リール40は前記導入案内部35の上方に設置され、これら3つのリール15、39、40は同一鉛直面に沿って起立した状態で個々に回転自在に支持され、各組み付けユニット8はこれらのリール15、39、40と前記導入案内部35を含めて全体が薄型に構成されているので、本体ベース1の搬送路7の背後側の少ないスペースに対して同一構成の組み付けユニット8が7台、密に隣接配置できるように構成されている。なお、以上の構成において、供給リール15と導入案内部35と搬送ユニット37と位置決めユニット70とから部品搬送機構が構成されている。
【0027】
前記導入案内部35には、供給リール15から引き出したキャリアテープ10とカバーテープ13とを引き込むための第1ローラ41、第2ローラ42、第3ローラ43、第4ローラ44、第5ローラ45が前記搬送路7側に向かって順次設けられ、先の第5ローラ45の前方側に支持基台36が所定水平距離前後移動自在に設けられ、支持基台36の下方側から順に、供給リール15側に戻るように、キャリアテープ10を案内するための第6ローラ46、第7ローラ47、第8ローラ48、第9ローラ49、第10ローラ50、第11ローラ51、第12ローラ52、第13ローラ53、第14ローラ54、第15ローラ55が順次設けられ、これらのローラ46〜55を介してキャリアテープ10は回収用ロール39に巻き取られるようになっている。前記支持基台36は支持架台62に支持されるとともに、それらの下方側に設けられた案内レール部材63に沿って所定水平距離前後移動自在に設けられている。
また、先の支持基台36の手前側の上方には、カバーテープ剥離用の爪部材64と第16ローラ56、第17ローラ57、第18ローラ58、第19ローラ59、第20ローラ60が設けられ、これらのローラ56〜60を介してカバーテープ13は回収用リール40に巻き取られるようになっている。
【0028】
前記支持基台36の形成位置と搬送路7との間には、吸着部65を備えた搬送ハンド66を搬送アーム67を介して2台支持するとともに、水平に配置された案内ロッド68、68に沿って移動自在に支持された移動盤69が設けられ、この移動盤69が案内ロッド68に沿って水平方向に前後移動することにより、2台の吸着部65を水平方向に前後移動できるように構成されている。
前記支持基台36の形成位置と搬送路7との間には、前記吸着部65、65よりも下方に位置して薄肉部品の位置を補正する位置決めユニット70が設けられ、先の移動盤69が支持基台36側に移動した場合の位置において一方の(図10の右側の)搬送ハンド66の吸着部65が前述の支持基台36上の薄肉部品を吸着して取り上げることができ、他方の(図10の左側の)搬送ハンド66の吸着部65が既に吸着している薄肉部品を位置決めユニット70に設置することができる。なお、前記搬送ハンド66とその吸着部65の上下動作は、それを支持するアーム65Aとアーム65Aの上端部に装着された上下昇降用のシリンダ65Bとによってなされる。
一方、先の移動盤69が搬送路7側に移動した場合の位置において、一方の(図10の右側の)搬送ハンド66の吸着部65に吸着している薄肉部品を位置決めユニット70に対して吸着部65の昇降により設置することができ、他方の(図10の左側の)搬送ハンド66の吸着部65に吸着している薄肉部品を搬送路7の規定位置上に移動されてきている把持爪30、30に把持された状態の支持部材18に対して吸着部65の昇降により被せて据え付けることができるように構成されている。
【0029】
前記位置決めユニット70は、図14と図15に詳細に示すように、直角に交わる基準面71、72を有するガイドベース73を上面に備えたテーブル75と、このテーブル75の一側部側に形成されて前記ガイドベース73上に設置された薄肉部品の一側辺を押圧して薄肉部品を前記一方の基準面71に押し付ける第1の位置規制ロッド76と、前記テーブル75の他の側部側に形成されて前記ガイドベース73上に設置された薄肉部品の他側辺を押圧して薄肉部品を前記他方の基準面72に押し付ける第2の位置規制ロッド77とを具備して構成されている。
【0030】
前記第1の位置規制ロッド76は、細長い板状とされ、その長さ方向中央部にスリット76aが形成され、その一端部にローラ部材76bが取り付けられてガイドベース73上において水平に支持されるとともに、前記スリット76aの一部に係合する支持ピン76dがガイドベース73側に立設され、前記スリット76aの他の一部に係合する支持ピン76eを備えた板状の案内ロッド76fがガイドベース73に設けられた支点軸76gによりその一端部を軸支されて水平に支持されている。この第1の位置規制ロッド76は先の支点軸76gの操作により案内ロッド76fの回動軸76eを介して移動され、更に第1の位置規制ロッド76は回動軸76d、76eに規制されてその先端部のローラ部材76bを前後移動できるように構成されており、支点軸76gの操作によってローラ部材76bを移動させて基準面71に対して接近移動するか、基準面71から離れる方向に離間移動できるように構成されている。
【0031】
前記第2の位置規制ロッド77は、細長い板状とされ、その長さ方向中央部にスリット77aが形成され、その一端部にローラ部材77bが取り付けられてガイドベース73上において水平に支持されるとともに、前記スリット77aの一部に係合する回動軸77dがガイドベース73側に立設され、前記スリット77aの他の一部に係合する支持ピン77eを備えた板状の案内ロッド77fがガイドベース73に設けられた支点軸77gによりその一端部を軸支されて水平に支持されている。この第2の位置規制ロッド77は先の支点軸77gの操作により案内ロッド77fの支持ピン77eを介して移動され、更に第2の位置規制ロッド77は回動軸77d、77eに規制されてその先端部のローラ部材77bを左右移動できるように構成されており、支点軸77gの操作によってローラ部材77bを移動させて基準面72に対して接近移動するか、基準面72から離れる方向に離間移動できるように構成されている。
以上の構成から、第1の位置規制ロッド76を支点軸76gで操作して第1の位置規制ロッド76のローラ部材76bの前後移動により基準面71に後述の薄肉部品を押し付けて位置決めする操作と、第2の位置規制ロッド77を支点軸77gで操作して第2の位置規制ロッド77のローラ部材77bの左右移動により基準面72に後述の薄肉部品を押し付けて位置決めする操作とを行うことにより、薄肉部品の水平面上での位置決めをX方向とY方向でいずれの方向にでも正確に行うことができる。
【0032】
ところで、前記搬送路7の受部5に隣接する位置であって、供給ローダー2とそれに近い第1番目の組み付けユニット8との間の位置に検査装置9が備えられ、薄肉部品の積層組立が終了した支持部材18をCCDカメラなどを備えた検査装置9を利用して検査し、後述する積層組み立て工程において欠陥を生じたか否かを検査できるように構成されている。
【0033】
次に以上の如く構成された薄肉部品積層体の自動組立装置Aの動作について説明する。
この形態の自動組立装置Aには7台の組み付けユニット8が設けられ、これら7台の組み付けユニット8の各供給リール15には、キャリアテープ10及びカバーテープ13が個々に巻き付け収容されているが、先にも説明した通り、例えば、図1に示す供給ローダー2に近い側から順に、第1番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として拡散シートを、第2番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として下レンズシートを、第3番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として上レンズシートを、第4番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12としてリムシートを、第5番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として反射シートを、第6番目の組み付けユニット8の供給リール15には薄肉部品12として両面テープをそれぞれ供給しておく。また、供給ローダー2のパレット16に必要個数の支持部材18を収容しておく。
【0034】
自動組立装置Aにおいてはまず供給ローダ2のパレット16に収容されている枠状の支持部材18…を把持ハンド21が把持して取り上げ、受部5の位置決めテーブル22に移送する。
位置決めテーブル22に設置された支持部材18は搬送路7に沿って移動してきた搬送治具6の把持チャック29の把持爪30、30により挟まれた後、搬送治具6の移動と共に第1番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで拡散シートが装着され、次に第2番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで下レンズシートが積層され、第3番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで上レンズシートが積層され、第4番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここでリムシートが積層され、第5番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで反射シートが積層され、第6番目の組み付けユニット8の前方位置へ移動され、ここで両面テープが積層されるようになっている。
【0035】
搬送治具6の移動と共に第1番目の組み付けユニット8の設置位置へ移動された支持部材18にあっては、把持チャック29の把持爪30、30により搬送路7の付近において水平に支持された状態とされており、この状態の支持部材18に対して第1番目の組み付けユニット8から薄肉部品としての拡散シートが装着される。
第1番目の組み付けユニット8においては、その対応する供給リール15に巻き付けられているキャリアテープ10の表面に薄肉部品としての拡散シートが所定の間隔で複数粘着層11を介して貼着されているが、図2あるいは図3に示すように供給リール15からキャリアテープ10の先端のライナーテープ16を引き出し、最初はこのライナーテープ16をそれに引き続いてキャリアテープ10を順次導入案内部35に供給する。
より具体的には、図9に示す如く第1ローラ41、第2ローラ42、第3ローラ43、第4ローラ44、第5ローラ45を介してこれらのテープを支持基台36に到達させ、支持基台36で折り返して第6ローラ46、第7ローラ47、第8ローラ48、第9ローラ49、第10ローラ50、第11ローラ51、第12ローラ52、第13ローラ53、第14ローラ54、第15ローラ55を介して図7に示すように回収用リール39にキャリアテープ10を巻き取るようなループを形成する。
【0036】
また、第5ローラ45をキャリアテープ10とカバーテープ13が通過した後でカバーテープ13は爪部材64を介して上方に引き上げられ第16ローラ56、第17ローラ57、第18ローラ58、第19ローラ59、第20ローラ60を介して図7に示すように回収用リール40に巻き取られるようにする。以上の如くキャリアテープ10とカバーテープ13とを導入案内部35に巻き掛け、順次供給リール15からキャリアテープ10とカバーテープ13とを間欠的に引き出してゆけば、支持基台36上に順次間欠的に新規の薄肉部品としての拡散シートを供給することができる。
支持基台36の上までキャリアテープ10とともに到達した薄肉部品としての拡散シートを搬送ハンド66の吸着部65にて支持基台36から吸着して吸い上げ、移動盤69の移動により位置決めユニット38まで移送して搬送ハンド66の吸着部65から位置決めユニット38のテーブル75上に薄肉部品を移動する。
ここでテーブル75上の薄肉部品の2辺を位置規制ロッド76、77の各操作でテーブル75上の基準面71、72に押し付けて位置修正し、テーブル75上にて薄肉部品を正確に位置決めする。
【0037】
この位置決め調整の間に移動盤69を移動させて一方の搬送ハンド66を支持基台36側に戻し、再度支持基台36に送られている新規の薄肉部品を吸着し、搬送路7側にあった他方の搬送ハンド66をテーブル75側に移動させ、位置が修正された薄肉部品を他方の搬送ハンド66の吸着部65で吸着して取り上げる。そして移動盤69を再度搬送路7側に移動させることで搬送路7側にて把持爪30、30に把持されて水平に位置決めされている支持部材18に搬送ハンド66の吸着部65に吸着されている薄肉部品を積層して装着することができる。以上の移動盤29による搬送ハンド66を左右移動させる操作と吸着部65による吸着動作の繰り返し操作と、供給リール15からキャリアテープ10を介して支持基台36に順次薄肉部品を供給する操作の繰り返し、並びに、搬送治具26の把持爪30、30により把持した支持部材18の組み付けユニット8への移送の繰り返しにより、大量の支持部材18に対して薄肉部品としての拡散シートを順次装着することができる。
【0038】
搬送路7における第1番目の組み付けユニット8の前方の規定位置において支持部材18に薄肉部品としての拡散シートを装着すると、搬送治具26は支持部材18を第2番目の組み付けユニット8の位置に移送し、第2番目の組み付けユニット8の供給リール15から下レンズシートをキャリアテープ10とともに引き出して先に説明した第1番目の組み付けユニット8の操作と同じような操作により支持部材18に下レンズシートを装着する。
以上の説明と同等の操作を繰り返し行い、第3番目〜第6番目の組み付けユニット8の前方側の規定の位置へ順次移動させて支持部材に各種の薄肉部品を積層してゆく。
なお、搬送治具6の把持チャック29の把持爪30、30で把持した支持部材については把持チャック29を回転させて、把持チャック29の向きを変えるならば、支持部材の表裏を変えることができるので、薄肉部品の積層順序を変更することを容易に行うことができる。
【0039】
支持部材18に必要な薄肉部品を積層終了したならば、搬送治具26は搬送路7に沿って供給ローダー2側に戻るので、供給ローダー2側に最も近い位置まで戻った位置の把持爪30、30から把持ハンド21が支持枠を取り上げ、検査装置9側に移送して検査を行い、検査後に把持ハンド21が供給ローダー2上のパレット16上に支持部材を戻すことで1つの支持枠に対する積層工程が終了する。この後、パレット16から把持ハンド21が次の空の支持枠を取り出して位置決めテーブル22に移送し、これまで説明した工程と同様の工程を繰り返すことによりパレット16上の支持枠に順次薄肉部品を積層することができる。
以上説明の如く本実施形態の自動組立装置Aによれば、パレット16から取り出した空の支持部材に対して複数の組み付けユニット8を用いて薄肉部品を必要枚数積層した後にパレット16に戻す処理を繰り返すことにより、手作業を行うことなく自動的にパレット16に搭載した支持枠全てに薄肉部品を積層して装着することができる。
【0040】
また、この実施形態の自動組立装置Aであるならば、供給リール15、回収リール39、巻取リール40を同一垂直面に沿って起立させて配置し、大量の薄肉部品の供給と、それに伴うキャリアテープ10やカバーテープ13のための設置スペース幅をできる限り狭くして、組み付けユニット8の幅を少なくできる構成としているので、狭いスペースに設置できるコンパクトな構成の自動組立装置Aを供給できる。
【0041】
図16は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の他の例を示す構成略図であり、この例では供給リールに備えた薄肉部品を組み付け装置に提供するのではなく、短冊状のキャリアシート85に複数枚、図面では5枚ずつ薄肉部品86を装着しており、このキャリアシート85を複数枚用意して積層し、キャリアシート85ごとキャリアテープ10に貼着しておき、先に説明した自動組立装置に供すればよい。
この図16に示す荷姿構造であっても、先の自動組立装置に適用することができるので、本発明に係る自動組立装置はリールで供給するタイプの荷姿構造でなくとも適用することができる。
【0042】
図17Aは本願発明に係る自動組立装置に適用できる薄肉部品の受け渡し構造の他の例であり、この例の如く搬送路7を2本直線状に並べて配置し、これらに沿う形で組み付けユニット8A、8B、8C、8Dを並列配置した構造として自動組立装置を構成しても良い。ここで記載した組み付けユニット8A〜8Dは先の実施形態の組み付けユニット8と同等の構成を採用すれば良い。
図17Bは本発明に係る自動組立装置に適用する搬送治具の循環方式を採用した場合の自動組立装置の一構造例であり、組み付けユニット8a、8b、8c、8d、8e、8fを1本の搬送路7に沿って直列配置し、この搬送路7に沿って搬送治具6をベルト駆動方式などにより往復移動自在に設けてこれらの組み付けユニット8a、8b、8c、8d、8e、8fで順次、あるいは必要な順番で組み付けユニット間を往復前後移動しながら薄肉部品を組み付けるように構成しても良い。
【0043】
図18と図19は本発明に係る荷姿構造を成形加工に適用した例を示すもので、この例の装置では、キャリアテープ10とカバーテープ13との間に樹脂成形品88が挟まれた状態の荷姿構造を利用することができる。
キャリアテープ10を巻き付けた供給リール90からキャリアテープ10を引き出して搬送テーブル91上に供給し、搬送テーブル91の途中に左右分割自在の金型92、93を有する成型機95を配置し、金型92、93の上方に製品搬出用のロボット型の搬送機96を設け、金型92、93で成形した後に型を分離して樹脂成形品88を搬送機96で取り出してからキャリアテープ10上に移送し、その表面の粘着層に貼着させ、次いで金型93の側方に設けた供給リール97からカバーテープ13を繰り出して送給ローラ98によりカバーテープ13で樹脂成形品88を覆うようにキャリアテープ10上に被せてから回収用リール99によりカバーテープ13と樹脂成形品88とカバーテープ13とを巻き込んで収容するようにした荷姿構造として採用することができる。
【0044】
この例の荷姿構造を採用すると、従来一般の樹脂成形では製品をバラで収納するか、もしくはトレイで回収することが一般的であるが、これらに対して先の荷姿構造では成型後に直ちにキャリアテープ10とカバーテープ13によるテーピングを完了させて製品としての樹脂成形品88を回収することができる。これによって得られた製品を整列状態で傷や汚れなどの欠陥を与えることなく回収でき、雰囲気に暴露することなく回収できるので、品質の保全、次工程への製品搬送時の安全性向上を図ることができる。
また、キャリアテープ10とカバーテープ13の幅に応じて規定の位置に製品を収容できるので、得られた樹脂成形品88を次の工程に搬送して次の加工を行う場合などの場合においてその搬送と取り扱いが容易にできる。
【0045】
図20と図21は本発明に係る荷姿構造をプレス加工に適用した例を示すもので、この例の装置では、キャリアテープ10とカバーテープ13との間にプレス成形品100が挟まれた状態の荷姿構造を採用することができる。
図21に示すようにキャリアテープ10を巻き付けた供給リール90からキャリアテープ10を引き出してプレス装置101のプレステーブル102上に供給し、プレステーブル102の上に受け台103を介して上下分割自在の金型104、105を配置し、金型104、105の上方にプレス押圧機106を設け、受け台103の側方から原材料の条帯103aを供給し、金型104、105で条帯103aからプレス成形品100を得た後に製品を受け台103を介してその下方のキャリアテープ10上に直接落下させてキャリアテープ10上に搭載し、キャリアテープ10の表面の粘着層に貼着させ、次いで金型104、105の側方に設けた供給リール97からカバーテープ13を繰り出して送給ローラ98によりカバーテープ13でプレス成形品100を覆うようにキャリアテープ10上に被せてから回収用リール99によりカバーテープ13とプレス成形品100とカバーテープ13とを巻き込んで収容するようにした荷姿構造として利用することができる。
【0046】
この例の荷姿構造を採用すると、従来一般のプレス成形では製品をバラで収納するか、もしくはトレイで回収することが一般的であるが、これらに対して先の荷姿構造ではプレス成型後に直ちにキャリアテープ10とカバーテープ13によるテーピングを完了させて製品としてのプレス成形品100を回収することができる。これによって得られた製品を整列状態で傷や汚れなどの欠陥を与えることなく回収でき、雰囲気に暴露することなく回収できるので、品質の保全、次工程への製品搬送時の安全性向上を図ることができる。
また、キャリアテープ10とカバーテープ13の幅に応じて規定の位置に製品を収容できるので、得られたプレス成形品100を次の工程に搬送して次の加工を行う場合などの場合においてその搬送と取り扱いが容易にできる。
【0047】
図22と図23は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の他の例を示す構成略図であり、この例では供給リールに備えた薄肉部品を組み付け装置に提供するのではなく、短冊状のキャリアシート110に複数枚、図面では6枚ずつ薄肉部品111を装着しており、このキャリアシート110を複数枚用意し、以下に説明する荷姿構造の変換装置を用いて荷姿を変換して先に説明した自動組立装置に適用することができる。
図24〜図26は本発明に係る自動組立装置Aに適用される荷姿構造の変換装置の一例を示す構成略図であり、この例では支持フレーム120に案内ロッド121、121とシリンダ装置122により移動自在に取り付けられた移送フレーム125を有し、移送フレーム125の側部に直角に案内フレーム126を一体形成し、この案内フレーム126に対して案内ロッド127、127とシリンダ装置128を設け、シリンダ装置128の伸縮ロッド129の先端部に吸着ハンド130を設け、この吸着ハンド130により短尺荷姿のキャリアシート110を移送できるように構成されている。
【0048】
前記支持フレーム120の端部に支持フレーム120と直角に保持フレーム135が設けられ、この保持フレーム135に前記キャリアシート110を積層状態で複数収容したフィルムカセット136が装着され、先のシリンダ装置122、128の動作によりフィルムカセット136から吸着ハンド130により図26に示すように取り出した薄肉部品111を図24に示すようにキャリアテープ140に順次定間隔の整列状態で一列に配列することができるようになっている。
【0049】
図24に示す構成では貼着テープ141を巻き付けたロール142を用意し、このロール142から繰り出した貼着テープ141を1次ローラ151、2次ローラ152、3次ローラ153、153を介して引き出し、2次ローラ152を図示略の移動機構により所定幅移動自在に構成して1次ローラ151と2次ローラ152の間隔を図24の矢印に示す如く広げることでこれらの間に張り渡した貼着テープ141に先の吸着ハンド130で吸着した薄肉部品111を必要枚数(図24では6枚)ずつ貼り付け移送し、薄肉部品111を搭載したキャリアシート110を張り渡した貼着テープ141に貼着して薄肉部品111からキャリアシート110を分離し、キャリアシート110は貼着テープ141に貼り付けたまま除き、吸着ハンド130に吸着した薄肉部品111をテーブル155上に載置されているキャリアテープ10上に移し取ることで、図3あるいは図5に示す構造のキャリアテープ10上に複数の薄肉部品を所定間隔で一列整列させた状態の荷姿構造とすることができる。
【0050】
この荷姿構造の薄肉部品として先に説明した自動組立装置Aに供給することにより、薄肉部品を支持部材に積層装着することができる。
以上のことから、図22、図23に示す荷姿構造であっても、先の自動組立装置Aに適用することができるので、本発明に係る自動組立装置Aは最初の荷姿構造がリールで供給するタイプの荷姿構造でなくとも、短冊状のキャリアシートからのスタートであっても自動組立に適用することができる。
【0051】
ところで、図27に示すキャリアシート160に薄肉部品161が複数、縦横に(図27では3行4列)整列されて貼着された荷姿構造であって、図28に示すようにキャリアシート160が複数枚積層されて現場に搬送されてきた場合、図29に示す如くキャリアシート160を鎖線位置162で切断して短尺荷姿の構造として短冊状のキャリアシート163に薄肉部品161を一列に複数貼着した荷姿構造とした後、図24〜図26に示す先に説明した構成の装置によりキャリアテープ10に貼着した荷姿構造に変換して先の自動組立装置Aに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】図2は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の一例を示す平面図。
【図3】図3は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の一例をリールから引き出した状態を示す平面図。
【図4】図4は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の他の例を示す平面図。
【図5】図5は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置に提供するための荷姿構造の他の例をリールから引き出した状態を示す平面図。
【図6】図6は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の正面略図。
【図7】図7は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の側面略図。
【図8】図8は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の平面略図。
【図9】図9は本発明に係る薄肉部品の自動組立装置の組み付けユニットの一部を示す側面略図。
【図10】図10は同組み付けユニットの他の部分を示す拡大略図。
【図11】図11は同自動組立装置に設けられる搬送治具を示す平面略図。
【図12】図12は同自動組立装置に設けられる搬送治具を示す側面略図。
【図13】図13は同自動組立装置に設けられる搬送治具を示す正面略図。
【図14】図14は同自動組立装置に設けられる位置決めユニットの平面略図。
【図15】図15は同自動組立装置に設けられる位置決めユニットの側面略図。
【図16】図16は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の他の例を示す構成略図。
【図17】図17Aは薄肉部品の受け渡し方式の他の例を示す構成図、図17Bは薄肉部品の搬送治具の他の例の構造を示す構成図。
【図18】図18は樹脂成形品の荷姿構造の一例を示す構成図。
【図19】図19は本発明に係る荷姿構造を樹脂成型品に適用した場合の装置構成を示す構成図。
【図20】図20は本発明に係る荷姿構造をプレス成型品に適用した場合の装置構成を示す部分構成図。
【図21】図21は本発明に係る荷姿構造をプレス成型品に適用した場合の装置構成を示す全体構成図。
【図22】図22は本発明に係る自動組立装置の他の構造例に適用される荷姿構造の一例を示す構成略図。
【図23】図23は本発明に係る自動組立装置の他の構造例に適用される荷姿構造の一例を示す構成略図。
【図24】図24は本発明に係る自動組立装置の他の構造例とそれに適用される荷姿構造の一例を示す構成略図。
【図25】図25は同構造例の部分構成図。
【図26】図26は同構造例の部分構成図。
【図27】図27は別の例のシート荷姿構造を示す平面図。
【図28】図28は同シート荷姿構造の積層状態を示す側面図。
【図29】図29は同シート荷姿構造の更に別の例を示す平面図。
【図30】図30は従来の荷姿構造の一例を示す平面図である。
【図31】図31は従来の荷姿構造の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…本体ベース、2…供給ローダー、3…第1の搬送機構、5…受部、6…搬送治具、7…搬送路、8…組み付けユニット、9…検査装置、10…キャリアテープ、13、14…カバーテープ、12…薄肉部品、15…供給リール、16…パレット、18…支持部材、21…把持ハンド、23…ガイドレール、30…把持爪、35…導入案内部、36…支持基台(剥離ベース)、38…位置決めユニット、39…回収リール、40…巻取リール、65…吸着部、66…搬送ハンド、67…搬送アーム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材に複数の薄肉部品を積層して薄肉部品積層体を組み立てるための自動組立装置であって、
複数の支持部材が整列配置されたパレットを支持する供給ローダーと、
該供給ローダーに近接配置された本体ベースと、該本体ベース上に設けられた搬送路と、該搬送路に沿って移動自在に設けられた搬送治具と、前記供給ローダー上のパレットから前記整列配置された支持部材を個別に取り出して前記搬送路の治具に供給する第1の搬送機構と、前記搬送路の近傍に前記搬送路の長さ方向に沿って複数整列配置されて前記搬送路の移動途中において前記支持部材に個々に薄肉部品を積層する組み付けユニットとを具備してなることを特徴とする薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項2】
前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構が設けられ、前記部品供給機構に、個々に着脱自在に貼着して一列に整列載置された薄肉部品をキャリアテープ上に備え、該キャリアテープを巻き付け支持した供給リールが備えられ、前記搬送路の側部側から搬送路を移動する搬送治具上の支持部材に前記キャリアテープから取り出した薄肉部品を順次取り付け自在とされたことを特徴とする請求項1に記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項3】
複数のキャリアテープ上に個々に着脱自在に貼着して整列載置された薄肉部品を前記各キャリアテープから取り出して支持部材に装着し、該支持部材に複数の薄肉部品を積層してなる薄肉部品積層体を組み立てる装置であって、
本体ベースと、該本体ベースの一側に隣接して配置された供給ローダーと、該本体ベースの上面側に搬送路を形成する搬送機構と、該搬送路の一側に位置して前記供給ローダーから前記支持部材を前記搬送路に送る第1の搬送機構と、前記搬送路に沿って前記支持部材を移動させる搬送治具と、前記搬送路に沿って複数配列された組み付けユニットと、前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構と、前記各部品供給機構に接続して設けられ前記薄肉部品を複数整列配置させたキャリアテープを巻き付け収容してなる供給リールとが具備され、
前記部品供給機構に、前記供給リールから引き出したキャリアテープ上に載置されている薄肉部品積層体を取り出して前記組み付けユニットに送る搬送機構が具備されてなることを特徴とする薄肉部品積層体の自動組立装置。
【請求項4】
前記キャリアテープの一方の面に沿って複数の薄肉部品が着脱自在に貼着されて一列に整列載置され、前記キャリアテープの一面上に整列載置された複数の薄肉部品を覆うように前記キャリアテープの一面上にカバーテープが介装され、該カバーテープと前記キャリアテープが組になって供給リールに巻き付けられてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄肉部品積層体の自動組立装置。
【請求項5】
前記部品供給機構に、前記供給リールのキャリアテープとカバーテープを共に引き出す引き出し機構と、前記キャリアテープから前記カバーテープを引き剥がして前記キャリアテープ上の各薄肉部品を順次露出させる引き剥がし機構と、前記露出させたキャリアテープ上の各薄肉部品を前記キャリアテープの長手方向の任意の位置で支持するための剥離ベースと、前記剥離ベース上に位置した前記薄肉部品を吸着して前記キャリアテープから個別に取り外す搬送ハンドと、該搬送ハンドが取り出した薄肉部品を前記組み付けユニットに搬送する搬送アームとを具備してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項6】
前記搬送路に沿って整列された各組み付けユニットに、前記搬送路上を前記搬送治具とともに移動する前記支持部材に対して順次各薄肉部品を装着する搬送ハンドが備えられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項7】
前記各部品供給機構の下部側に前記支持部材が取り出された後のキャリアテープを収容するための回収リールが設けられ、前記部品供給機構の上部側に前記支持部材が取り出された後のカバーテープを収容するための巻取リールが設けられ、前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールがいずれも縦向きに配置されて前記搬送路に沿って配置された複数の部品供給機構とそれらに付属する前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールが密に配置されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項8】
長尺のキャリアテープの一方の面に該キャリアテープの長さ方向に沿って一定の間隔で一列に薄肉部品が着脱自在に貼着され、これら薄肉部品を覆ってカバーテープが前記キャリアテープに重ねられた状態で前記キャリアテープと前記カバーテープが供給リールに引き出し自在に巻回されてなることを特徴とする薄肉部品を備えた荷姿構造。
【請求項1】
支持部材に複数の薄肉部品を積層して薄肉部品積層体を組み立てるための自動組立装置であって、
複数の支持部材が整列配置されたパレットを支持する供給ローダーと、
該供給ローダーに近接配置された本体ベースと、該本体ベース上に設けられた搬送路と、該搬送路に沿って移動自在に設けられた搬送治具と、前記供給ローダー上のパレットから前記整列配置された支持部材を個別に取り出して前記搬送路の治具に供給する第1の搬送機構と、前記搬送路の近傍に前記搬送路の長さ方向に沿って複数整列配置されて前記搬送路の移動途中において前記支持部材に個々に薄肉部品を積層する組み付けユニットとを具備してなることを特徴とする薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項2】
前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構が設けられ、前記部品供給機構に、個々に着脱自在に貼着して一列に整列載置された薄肉部品をキャリアテープ上に備え、該キャリアテープを巻き付け支持した供給リールが備えられ、前記搬送路の側部側から搬送路を移動する搬送治具上の支持部材に前記キャリアテープから取り出した薄肉部品を順次取り付け自在とされたことを特徴とする請求項1に記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項3】
複数のキャリアテープ上に個々に着脱自在に貼着して整列載置された薄肉部品を前記各キャリアテープから取り出して支持部材に装着し、該支持部材に複数の薄肉部品を積層してなる薄肉部品積層体を組み立てる装置であって、
本体ベースと、該本体ベースの一側に隣接して配置された供給ローダーと、該本体ベースの上面側に搬送路を形成する搬送機構と、該搬送路の一側に位置して前記供給ローダーから前記支持部材を前記搬送路に送る第1の搬送機構と、前記搬送路に沿って前記支持部材を移動させる搬送治具と、前記搬送路に沿って複数配列された組み付けユニットと、前記各組み付けユニットに対応するように設けられて各組み付けユニットに薄肉部品を供給する部品供給機構と、前記各部品供給機構に接続して設けられ前記薄肉部品を複数整列配置させたキャリアテープを巻き付け収容してなる供給リールとが具備され、
前記部品供給機構に、前記供給リールから引き出したキャリアテープ上に載置されている薄肉部品積層体を取り出して前記組み付けユニットに送る搬送機構が具備されてなることを特徴とする薄肉部品積層体の自動組立装置。
【請求項4】
前記キャリアテープの一方の面に沿って複数の薄肉部品が着脱自在に貼着されて一列に整列載置され、前記キャリアテープの一面上に整列載置された複数の薄肉部品を覆うように前記キャリアテープの一面上にカバーテープが介装され、該カバーテープと前記キャリアテープが組になって供給リールに巻き付けられてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄肉部品積層体の自動組立装置。
【請求項5】
前記部品供給機構に、前記供給リールのキャリアテープとカバーテープを共に引き出す引き出し機構と、前記キャリアテープから前記カバーテープを引き剥がして前記キャリアテープ上の各薄肉部品を順次露出させる引き剥がし機構と、前記露出させたキャリアテープ上の各薄肉部品を前記キャリアテープの長手方向の任意の位置で支持するための剥離ベースと、前記剥離ベース上に位置した前記薄肉部品を吸着して前記キャリアテープから個別に取り外す搬送ハンドと、該搬送ハンドが取り出した薄肉部品を前記組み付けユニットに搬送する搬送アームとを具備してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項6】
前記搬送路に沿って整列された各組み付けユニットに、前記搬送路上を前記搬送治具とともに移動する前記支持部材に対して順次各薄肉部品を装着する搬送ハンドが備えられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項7】
前記各部品供給機構の下部側に前記支持部材が取り出された後のキャリアテープを収容するための回収リールが設けられ、前記部品供給機構の上部側に前記支持部材が取り出された後のカバーテープを収容するための巻取リールが設けられ、前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールがいずれも縦向きに配置されて前記搬送路に沿って配置された複数の部品供給機構とそれらに付属する前記供給リールと前記回収リールと前記巻取リールが密に配置されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄板状部品積層体の自動組立装置。
【請求項8】
長尺のキャリアテープの一方の面に該キャリアテープの長さ方向に沿って一定の間隔で一列に薄肉部品が着脱自在に貼着され、これら薄肉部品を覆ってカバーテープが前記キャリアテープに重ねられた状態で前記キャリアテープと前記カバーテープが供給リールに引き出し自在に巻回されてなることを特徴とする薄肉部品を備えた荷姿構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2006−326813(P2006−326813A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157875(P2005−157875)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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