説明

薄膜作製方法及び薄膜作製装置

【課題】一つのチャンバで前処理と成膜とを連続して行うことができる薄膜作製装置を提供する。
【解決手段】成膜する金属を含む材料で形成してチャンバ1の内部に配設した被エッチング部材11に、ハロゲンを含有する作用ガス21に基づき形成したハロゲンラジカルを作用させることにより前記金属とハロゲンとの化合物である前駆体24を基板3に吸着させた後、前記ハロゲンラジカルを作用させて還元することにより基板3に前記金属の薄膜を形成する薄膜作製装置において、基板3に対する成膜前の清浄化工程である所定の前処理の終了を検出する前処理終了検出部16と、処理終了検出部16の出力信号に基づき前記ハロゲンラジカルの量を制御してエッチングモードと成膜モードとの切替えを行う制御部20とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜作製方法及び薄膜作製装置に関し、特に薄膜作製の前処理として基板の清浄化を行う場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体等の製造においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いた成膜が汎用されている。プラズマCVD装置とは、チャンバ内に導入した膜の材料となる有機金属錯体等のガスを、高周波アンテナから入射する高周波電力によりプラズマ状態にし、プラズマ中の活性な励起原子によって基板表面の化学的な反応を促進して金属薄膜等を成膜する装置である。
【0003】
かかるプラズマCVD装置をはじめとする薄膜作製装置により基板であるウエハ上に所定の薄膜を形成する場合には、成膜に先立ち基板表面を清浄化する前処理が要求されている。
【0004】
そこで、通常の成膜プロセスでは基板に前処理を施し、基板表面の酸化膜や汚染物質を取り除き、清浄な表面に調整した後、成膜を行っている(例えば下記特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−039826号公報
【特許文献2】特開2003−147534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来技術における前処理は成膜チャンバとは別に前処理専用のチャンバを用意して別チャンバで行うようになっていた。そこで、その分設備費の高騰を招来するばかりでなく、据え付け面積等も大きなものとなってしまう。
【0007】
さらに、基板の前処理の終了後、前処理チャンバから成膜チャンバへ前記基板を搬送する際に前処理後の活性な基板の表面が再度汚染される可能性もある。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑み、一つのチャンバで前処理と成膜とを連続して行うことができる薄膜作製方法及び薄膜作製装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
現在、半導体の製造等において基板に金属膜を作成する方法として、ハロゲンラジカルを利用し、金属をハロゲン化して再び還元し堆積させる技術(以下、MCR−CVD法(塩化金属還元気相成長法)という。)が本発明者等によって提案されている(例えば、上記特許文献2参照)。具体的には、金属(M)製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンガスを供給し、誘導プラズマを発生させてハロゲンガスプラズマを発生させ、ハロゲンラジカルを生成する。その後、ハロゲンラジカルで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガス成分との前駆体を生成し、被エッチング部材よりも低い温度の基板上において、前駆体をハロゲンラジカルにより還元し、金属成分を基板表面に吸着させる方法である。
【0010】
かかる一連の反応はハロゲンを塩素とした場合、次式の様に示される。
(1)プラズマの解離反応;Cl2→2Cl*
(2)エッチング反応;M+Cl*→MCl(g)
(3)基板への吸着反応;MCl(g)→MCl(ad)
(4)成膜反応;MCl(ad)+Cl*→M+Cl2
式中のCl*は塩素ラジカル、(g)はガス状態、(ad)は吸着状態を示す。金属Mには高蒸気圧ハロゲン化物を作る物質(銅など)が使用される。
【0011】
かかるMCR−CVD法によれば上式(4)の反応式でハロゲンラジカル(Cl*)が過多であればハロゲンラジカル(Cl*)によるエッチング作用が強くなり、エッチングモードとなる。そして、このエッチングモードでは基板表面の異物を除去し得る。そこで、MCR−CVD法においてエッチングモードと成膜モードとを連続的に切替えることにより前処理と成膜を一つのチャンバで連続して行うことに思い至った。
【0012】
上記目的を達成する本発明は、上述の如き知見を基礎とするもので、その第1の態様は、
成膜する金属を含む材料で形成してチャンバの内部に配設した被エッチング部材に、ハロゲンを含有する作用ガスに基づき形成したハロゲンラジカルを作用させることにより前記金属とハロゲンとの化合物である前駆体を形成する一方、基板を前記チャンバ内に収納した状態でその温度を前記被エッチング部材よりも低温に保持することにより前記前駆体を前記基板の表面に吸着させ、その後前記基板に吸着させた前記前駆体に前記ハロゲンガスのラジカルを作用させてこの前駆体を還元して前記基板に前記金属の薄膜を形成する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンラジカルの相対的な量を調整し、一定時間エッチングモードとして基板の表面をエッチングすることによりこの基板の表面を清浄化する前処理工程と、この前処理工程に続き成膜モードとして前記基板の表面に所定の金属膜を成膜する成膜工程とを有することを特徴とする薄膜作製方法にある。
【0013】
本発明の第2の態様は、
上記第1の態様に記載する薄膜作製方法において、
前記エッチングモードでは前記チャンバ内の前記作用ガスの圧力が相対的に低くなるように調整するとともに、前記成膜モードでは前記圧力が相対的に高くなるように調整してエッチングモードと成膜モードとの切替えを前記作用ガスの圧力を調整することにより行うことを特徴とする薄膜作製方法にある。
【0014】
本発明の第3の態様は、
上記第1の態様に記載する薄膜作製方法において、
前記エッチングモードでは前記チャンバ内に供給する前記作用ガスの量が相対的に多くなるように調整するとともに、前記成膜モードでは前記作用ガスの量が相対的に少なくなるように調整してエッチングモードと成膜モードとの切替えを前記チャンバ内の供給する作用ガスの量を調整することにより行うことを特徴とする薄膜作製方法にある。
【0015】
本発明の第4の態様は、
真空の容器であるチャンバと、成膜する金属を含む材料で形成して前記チャンバの内部に配設した被エッチング部材と、前記チャンバの内部にハロゲンを含有する作用ガスを供給する作用ガス供給手段と、前記チャンバの内部に前記作用ガスに基づくハロゲンラジカルを形成して前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記金属成分とハロゲンとからなる前駆体を形成するプラズマ発生手段と、前記前駆体が吸着されるよう温度を前記被エッチング部材の温度よりも低く保持した状態で前記チャンバ内に収納してある基板とを備えた薄膜作製装置において、
基板に対する成膜前の清浄化工程である所定の前処理の終了を検出する前処理終了検出手段と、
前記チャンバ内のハロゲンラジカルの量を制御することによりエッチングモードと成膜モードとの何れかを選択するとともに、前処理終了検出手段の出力信号に基づき前記エッチングモードから前記成膜モードへの切替えを行う制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置にある。
【0016】
本発明の第5の態様は、
上記第4の態様に記載する薄膜作製装置において、
前記制御手段は、前記チャンバ内の前記作用ガスの圧力を制御することにより前記エッチングモードと前記成膜モードとの切替えを行うように構成したことを特徴とする薄膜作製装置にある。
【0017】
本発明の第6の態様は、
上記第4の態様に記載する薄膜作製装置において、
前記制御手段は、前記チャンバ内に供給する作用ガスの量を制御することにより前記エッチングモードと前記成膜モードとの切替えを行うように構成したことを特徴とする薄膜作製装置にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、チャンバ内のハロゲンラジカルの量を調整するだけでエッチングモードと成膜モードとを連続的に変えることができる。この結果、一つのチャンバにおいて、エッチングモードで所定の前処理を行うとともに、前処理の終了後、成膜モードに切替えることにより連続して成膜を行うことができる。
【0019】
かくして、前処理後に基板に異物が再付着する等の不都合を除去できるばかりでなく、一つのチャンバを前処理及び成膜処理の二種類の処理に兼用できるので、設備費等もその分低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係る薄膜作製装置(MCR−CVD装置)を示す概略側面図である。同図に示すように、円筒状の絶縁材で形成されたチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2にはウエハである基板3が載置されている。成膜工程では前記基板3の表面に所定の金属薄膜が成膜される。
【0022】
支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられている。ここで、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が250℃乃至300℃に維持される温度)に制御される。
【0023】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波電流が供給される。これら、プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10により誘導プラズマを発生させるプラズマ発生手段が構成されている。
【0024】
チャンバ1内には成膜する金属成分を含む材料で形成した被エッチング部材11が保持され、この被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電流に対して基板3と天井板7との間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、棒状の突起部12とリング部13とからなり、突起部12がチャンバ1の中心側に延びるようにリング部13が設けられている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電流方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
【0025】
なお、プラズマアンテナ8の電流に対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材を格子状に形成したり、網目状に形成する等の態様が考えられる。
【0026】
被エッチング部材11の上方におけるチャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンである塩素を含有する作用ガス(Clガス)21を供給するノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル14には流量を制御する流量制御器15を介して作用ガス(Clガス)21が供給される。流量制御器15によりチャンバ1内に供給される作用ガス(Clガス)21の量を制御することで、チャンバ1内のハロゲンラジカルの量を制御することができる。すなわち、作用ガス(Clガス)21の量を増大させれば、その分ハロゲンラジカルの量も増大する。すなわち、エッチングモードとすることができる。
【0027】
一方、反応に関与しないガス等は排気口18から真空ポンプ19により流量調整弁17を介してチャンバ1の外に排気され、天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部を所定の真空度に維持するようになっている。ここで、真空ポンプ19は常に一定回転数で駆動されており、流量調整弁17の開度を調整することにより排ガスの流速を制御してチャンバ1内の作用ガス(Clガス)21の圧力、ひいてはハロゲンラジカルの量を制御し得るようになっている。ちなみに、流量調整弁17の開度を大きくして排気量を増大させ、チャンバ1内の圧力を低下させた場合には、エッチングモードとなる。チャンバ1内に供給された作用ガス(Clガス)21の流速が増大することで作用ガス(Clガス)21が被エッチング部材11と接触する時間が短くなり、その分生成される前駆体24の量が少なくなる反面、基板3に達するハロゲンラジカルの量が増大するからである。
【0028】
ここで、作用ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。ただ、本形態ではハロゲンとして安価なClガスを用いたことによりランニングコストの低減を図っている。
【0029】
本形態に係る薄膜作製装置では前処理工程におけるエッチングモードと、成膜工程における成膜モードとの切替えを行うことで両モードの何れかを選択するようになっている。このため、前処理工程(エッチングモード)の終了を検出する前処理終了検出部16を有している。ここで、前処理工程は、基板3の表面から異物が除去され、所定の清浄度に調整された時点で終了する。そこで、チャンバ1内の基板3の上部の異物の状態を把握することにより前処理工程の終了時点を検出する。具体的には、前処理で酸化膜を除去する場合には、基板3の表面のエッチングにより発生する酸素の濃度を検出すれば良いし、また有機物を除去する場合には、基板3の表面のエッチングにより発生する炭素の濃度を検出すれば良い。そこで、前記前処理終了検出部16は基板3の上方空間の異物(酸素乃至炭素)の濃度を検出し得るよう基板3の斜め上方の位置でチャンバ1に配設してある。前処理終了検出部16は、所定の異物の濃度を検出し得るものであれば特に制限はないが、質量分析計,X線光電子分光測定器(XPS)、オージェ電子分光器(AES)等を好適に適用し得、異物の濃度が所定値以下になったときを前処理の終了時点であると判断して、このことを表す前処理終了信号を送出する。
【0030】
制御部20は当該薄膜作製装置の全体的な制御、すなわちプロセス制御を行うものであり、本形態では特に前処理終了検出部16から送出される前処理終了信号を処理して前処理モードから成膜モードへの切替制御を行う。すなわち、前処理終了信号が送出されるまでは、チャンバ1内の圧力を相対的に低圧とするか、チャンバ1内に供給する作用ガス21の流量を相対的に多くしてエッチングモードとし、前処理終了信号が送出された後は、チャンバ1内の圧力を相対的に高圧とするか、チャンバ1内に供給する作用ガス21の流量を相対的に少なくして成膜モードとする。
【0031】
かかる薄膜作製装置を使用して、所定の前処理を行い、これに連続させて成膜を行う場合の具体的な方法について図2及び図3に基づき説明する。図2は圧力制御により実施する場合のタイムチャート、図3は流量制御により実施する場合のタイムチャートである。
【0032】
<圧力の制御によるモードの切替え>
図2に示すように、チャンバ1内を圧力P0に保持した状態で、時刻tまでの間に前処理を行う基板3をチャンバ1内に搬入する。時刻tで作用ガス21をチャンバ1内に供給するとともに、制御部20の制御により流量調整弁17の開度を大きくしてチャンバ1内を圧力P1に低下させる。このことによりチャンバ1内はエッチングモードとなり、基板3の表面のエッチングにより異物が除去される。
【0033】
時刻tで前処理終了検出部16により前処理の終了が検知されると制御部20で流量調整弁17の開度を小さくしてチャンバ1内を圧力P0に戻す。このことにより、時刻t以降は成膜モードとなり前述の反応式で示した反応により、前処理で清浄化された基板3の表面に所定の金属薄膜が形成される。
【0034】
<流量の制御によるモードの切替え>
図3に示すように、チャンバ1内に作用ガス21を供給する前の時刻tまでの間に前処理を行う基板3をチャンバ1内に搬入する。時刻tで制御部20により流量制御器15を制御して流量Q1の作用ガス21をチャンバ1内に供給する。ここで、流量Q1の作用ガス21をチャンバ1内に供給すればこのチャンバ1内をエッチングモードとするのに十分なハロゲンラジカルが得られる。この結果、チャンバ1内はエッチングモードとなり、基板3の表面のエッチングにより異物が除去される。
【0035】
時刻tで前処理終了検出部16により前処理の終了が検知されると制御部20で流量制御器15を制御して相対的に少ない流量Q0の作用ガス21をチャンバ1内に供給する。ここで、流量Q0の作用ガス21ではハロゲンラジカルの量が減少する結果チャンバ1は成膜モードとなる。したがって、時刻t以降は成膜モードとなり前述の反応式で示した反応により、前処理で清浄化された基板3の表面に所定の金属薄膜が形成される。
【0036】
なお、上記実施の形態では圧力制御乃至流量制御によりエッチングモードと成膜モードとの何れかを選択するようにしたが、これに限るものではない。要はチャンバ1内のハロゲンラジカルの量を制御するようにすれば、前処理に連続させて所望の金属薄膜をMCR−CVD法により成膜し得る。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は半導体デバイスを製造するための装置等の製造、販売に関する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄膜作製装置を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る薄膜作製方法(圧力制御方式)を説明するためのタイムチャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る薄膜作製方法(流量制御方式)を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 チャンバ
3 基板
8 プラズマアンテナ
11 被エッチング部材
15 流量制御器
16 前処理終了検出部
17 流量調整弁
19 真空ポンプ
20 制御部
21 作用ガス
24 前駆体
P0、P1 圧力
Q1、Q0 流量
、t時刻

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜する金属を含む材料で形成してチャンバの内部に配設した被エッチング部材に、ハロゲンを含有する作用ガスに基づき形成したハロゲンラジカルを作用させることにより前記金属とハロゲンとの化合物である前駆体を形成する一方、基板を前記チャンバ内に収納した状態でその温度を前記被エッチング部材よりも低温に保持することにより前記前駆体を前記基板の表面に吸着させ、その後前記基板に吸着させた前記前駆体に前記ハロゲンガスのラジカルを作用させてこの前駆体を還元して前記基板に前記金属の薄膜を形成する薄膜作製方法において、
前記ハロゲンラジカルの相対的な量を調整し、一定時間エッチングモードとして基板の表面をエッチングすることによりこの基板の表面を清浄化する前処理工程と、この前処理工程に続き成膜モードとして前記基板の表面に所定の金属膜を成膜する成膜工程とを有することを特徴とする薄膜作製方法。
【請求項2】
請求項1に記載する薄膜作製方法において、
前記エッチングモードでは前記チャンバ内の前記作用ガスの圧力が相対的に低くなるように調整するとともに、前記成膜モードでは前記圧力が相対的に高くなるように調整してエッチングモードと成膜モードとの切替えを前記作用ガスの圧力を調整することにより行うことを特徴とする薄膜作製方法。
【請求項3】
請求項1に記載する薄膜作製方法において、
前記エッチングモードでは前記チャンバ内に供給する前記作用ガスの量が相対的に多くなるように調整するとともに、前記成膜モードでは前記作用ガスの量が相対的に少なくなるように調整してエッチングモードと成膜モードとの切替えを前記チャンバ内の供給する作用ガスの量を調整することにより行うことを特徴とする薄膜作製方法。
【請求項4】
真空の容器であるチャンバと、成膜する金属を含む材料で形成して前記チャンバの内部に配設した被エッチング部材と、前記チャンバの内部にハロゲンを含有する作用ガスを供給する作用ガス供給手段と、前記チャンバの内部に前記作用ガスに基づくハロゲンラジカルを形成して前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記金属成分とハロゲンとからなる前駆体を形成するプラズマ発生手段と、前記前駆体が吸着されるよう温度を前記被エッチング部材の温度よりも低く保持した状態で前記チャンバ内に収納してある基板とを備えた薄膜作製装置において、
基板に対する成膜前の清浄化工程である所定の前処理の終了を検出する前処理終了検出手段と、
前記チャンバ内のハロゲンラジカルの量を制御することによりエッチングモードと成膜モードとの何れかを選択するとともに、前処理終了検出手段の出力信号に基づき前記エッチングモードから前記成膜モードへの切替えを行う制御手段とを有することを特徴とする薄膜作製装置。
【請求項5】
請求項4に記載する薄膜作製装置において、
前記制御手段は、前記チャンバ内の前記作用ガスの圧力を制御することにより前記エッチングモードと前記成膜モードとの切替えを行うように構成したことを特徴とする薄膜作製装置。
【請求項6】
請求項4に記載する薄膜作製装置において、
前記制御手段は、前記チャンバ内に供給する作用ガスの量を制御することにより前記エッチングモードと前記成膜モードとの切替えを行うように構成したことを特徴とする薄膜作製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−127658(P2008−127658A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316174(P2006−316174)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(506239658)株式会社フィズケミックス (37)
【Fターム(参考)】