説明

薬剤分包装置

【課題】 分包用シートとホッパーとの摩擦によって発生する静電気に起因する悪影響を抑制可能な薬剤分包装置を提供する。
【解決手段】 薬剤分包装置1は、薬剤供給部から払い出された散薬や錠剤を集めて分包紙15に供給するホッパー20を備えている。ホッパー20の薬剤投下部28には、分包紙15の移動に伴って分包紙15と擦れる摩擦部28bがある。また、ホッパー20に対して分包紙15の移動方向上流側に電極32が設けられている。薬剤分包装置1は、電極32に高電圧を印加することによって発生するイオンを薬剤投下部28の開口28a近傍に照射し、帯電を解消あるいは防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を分包する薬剤分包装置に関するものである。特に本発明の薬剤分包装置は、散薬等の粉状又は粒子状の薬剤を分包するものである。
【背景技術】
【0002】
散薬を処方に応じて一包づつ分包する薬剤分包装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載された薬剤分包装置は、薬剤を分割する薬剤分割部と、薬剤を分包する分包部を備えている。
そして例えば3日分の散薬を計量して薬剤分割部に投入する。薬剤分割部においては、投入された薬剤を服用回数に応じて分割される。分割された薬剤は、ホッパーに投入され、後段の分包部に送られる。そしてホッパーから排出された薬剤が、一包づつ分包される。
【0003】
また前記した特許文献1とは技術分野が相違するが、粉体を分包するものとして特許文献2に開示された装置が知られている。
特許文献2に開示された装置は、コーヒの粉を袋詰めする分包装置である。特許文献2に開示された装置は、コーヒの粉が静電気を帯びてファネルチューブに付着し、これが落下して熱シール部に噛み込むことがあるので、この対策を講じたものである。
即ちコーヒの粉を袋詰めする装置は、ホッパー内にコーヒを大量に充填し、これをアジテータでかき混ぜ、さらにオーガ軸でコーヒを下方に送って袋詰めするものである。そのためコーヒの粉は、ホッパーやアジテータ及びオーガ軸と接触し、帯電する。
そこで特許文献2に開示された装置では、イオンを吹きつけることによってコーヒの静電気を中和している。
特許文献2に開示された装置は、イオン発生装置と送風機と多数のノズルを備えている。そしてノズルをシートの外側に配し、イオン発生装置で発生させたイオンを送風機が発生する送風に乗せてノズルから噴射し、シート内にあるファネルチューブにイオンを供給する。
【特許文献1】特開2004−305721号公報
【特許文献2】特開2002−59904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
散薬を分包する薬剤分包装置は、ホッパーを持つが、ホッパーと薬剤が接触する機会はコーヒの袋詰め装置に比べると極めて短い。即ち前記した様に薬剤分包装置では、分割された薬剤がホッパーに投入されて後段の分包部に送られるが、ホッパーの役目は、単なるシューターに過ぎず、薬剤がホッパ内に滞留する時間は極めて短い。また薬剤分包装置では、ホッパーは単なるシューターに過ぎないから、ホッパー内で攪拌されたり、オーガ軸と接触することもない。従ってホッパーとの接触によって薬剤が帯電する現象は比較的少ない。
しかしながら、前記した薬剤分包装置は、薬剤を一包づつ分包するものであるから、各袋に充填される薬剤の量は僅かである。従って薬剤分包装置は、相対的に分包用シートの搬送量が多く、分包用シートとホッパとの接触機会が多い。そのため薬剤分包装置では、ホッパーが帯電し、適切な分包ができない場合があるという問題がある。
【0005】
また技術分野が異なるものの、特許文献2に開示された技術を応用することも考えられるが、特許文献2に開示された技術は、イオン発生装置の他に送風機と多数のノズルが必要であり、場所をとるという問題がある。即ち特許文献2に開示された技術は、コーヒの粉を袋詰めするための装置であり、工場内に設置されるものであるから、装置は多少大型となっても差し支えないのに対し、薬剤分包装置は、薬局や病院に設置されるものであるから、外形形状が小型であることが重要である。そのため特許文献2に開示された技術を採用することはできない。
また薬剤分包装置が設置される場所は、清浄な場所でなければならないが、多数のノズルがあると埃が立つ。この点からも特許文献2に開示された技術は採用しがたい。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、小型でありながら静電気による悪影響を除去することができる薬剤分包装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、ホッパーは、半袋状の分包用シートに挟まれて接触する位置に配されるものであり、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、前記イオン発生部は、分包用シートの半袋状部内にあることを特徴とする薬剤分包装置である。
【0007】
本発明の薬剤分包装置は、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置である。そして本発明の薬剤分包装置では、イオン発生部は、分包用シートの半袋状部内にある。そのため発生したイオンは、分包用シートの半袋状部内に入り、分包用シートとの摩擦によってホッパーに帯電した静電気を中和する。
イオン発生部の位置は、分包用シートの移動方向の上流側であることが望ましいが、下流側であってもよい。
本発明では、分包用シートがイオン導通路として機能し、イオンをホッパーに運ぶものであるとも言える。
【0008】
なお、本明細書において、「ホッパー」は、分包用シートで作られる半袋状部に薬剤を投下可能な装置を総称するものであり、従来公知のものと同様に漏斗状の形状を有するものや、管状のもの等、薬剤を投下可能なものであれば形状や形態は問わない。
【0009】
請求項2に記載の発明は、分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、ホッパーは、半袋状の分包用シートに挟まれて接触する位置に配されるものであり、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、前記イオン発生部において発生するイオンを分包用シートの半袋状部内に導くイオン導通路を備えていることを特徴とする薬剤分包装置である。
【0010】
本発明の薬剤分包装置は、イオン導通路を有するため、イオン発生部において発生したイオンを効率よく分包用シートの半袋状部内に導き、ホッパーに照射できる。そのため、本発明の薬剤分包装置では、ホッパーに帯電した静電気をスムーズに中和することができる。
【0011】
本発明において、イオン導通路の形状や素材等は特に限定されるものではないが、例えば樹脂で作られた筒や、樋状のもの、あるいは誘導壁状のものが推奨される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、ホッパーは、半袋状の分包用シートに挟まれて接触する位置に配されるものであり、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、前記イオン発生部は、ホッパーの近傍であって分包用シートの移動方向の上流側に設けられていることを特徴とする薬剤分包装置である。
【0013】
本発明の薬剤分包装置では、分包用シートを移動させるシート搬送手段を有し、分包用シートが絶え間なく送られる。そのため分包用シートの近傍には、僅かではあるが分包用シートの搬送方向に沿った空気流が生じる。
一方、本発明では、イオン発生部は、ホッパーの近傍であって分包用シートの移動方向の上流側に設けられている。そのため、イオンは、分包用シートの動きに沿って移動し、ホッパーに至り、ホッパーに帯電した静電気を中和する。従って、本発明の薬剤分包装置では、分包用シートとホッパーとが摩擦を起こしても、ホッパーに薬剤が付着したり、予期せぬ場所に薬剤が落下するといったような不具合の発生を防止できる。
【0014】
ここで、本発明は、分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーを備えたホッパーとを有し、分包用シートで作られる袋内にホッパーから投下された薬剤を導入する薬剤分包装置において、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、イオン発生装置はホッパーに対して直接的にイオンを照射可能な構成であってもよい。
【0015】
前記した特許文献2に開示された発明では、シートの外側からイオンを供給するものであったから、肝心の帯電部に至るイオン量が少ないものであった。これに対して上記したような構成とすれば、ホッパーに対して直接的にイオンを照射可能であるため、より効率よく帯電を防止することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、イオン発生部は電極であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薬剤分包装置である。
【0017】
イオン発生部は電極であるから形状が小さい。そのため薬剤分包装置の全体形状を小型化することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、電極を保持する電極保持部材を有し、電極保持部材は分包用シートの半袋状部内にあり、電極保持部材の側面に電極が保持されていることを特徴とする請求項4に記載の薬剤分包装置である。
【0019】
本発明の薬剤分包装置では、電極を保持する電極保持部材を有する。そして電極は、電極保持部材の側面に保持されている。
本発明では、電極保持部材は、分包用シートの半袋状部内にあるが、電極は、前記した様に電極保持部材の側面に保持されているから、電極保持部材が分包用シートに触れたとしても電極が分包用シートと触れるのを防止できる。そのため本発明の薬剤分包装置では、電極によって分包用シートを傷つけるのを防止できる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、電極が保持されるガイド部材を有し、分包用シートは予め複数のシートを重ね、その一辺側を接着するか、或いは一枚のシートを折り曲げることによって底部を形成し、前記シートの接着部分あるいは折り曲げ部分を除く他の辺に開放部を設けた半袋状となったものであり、前記電極は、ガイド部材の側面に保持されており、前記ガイド部材は、前記半袋状の分包用シートの開放部から挿入され、底部と接触可能であることを特徴とする請求項4に記載の薬剤分包装置である。
【0021】
本発明の薬剤分包装置では、電極保持部材の一部が半袋状となった分包用シートの底部と接触可能である。そのため本発明では、電極保持部材がシートの浮き上がり防止機能を兼ねている。
即ち薬剤分包装置では、各袋に充填される薬剤量はまちまちである。また機器によっては錠剤等の固形薬剤も同時に分包される場合もある。従って、時には相当に大量の薬剤が袋に充填される場合もある。
しかしながら、袋に大量の薬剤を充填すると、袋が膨らみ、袋の底が引っ張られて上方に移動する場合がある。
そこで本発明では、電極保持部材の一部が半袋状となった分包用シートの底部と接触しうる構成とし、底の上昇を抑えることとした。
【0022】
本発明では、電極が、ガイド部材の側面に取り付けられる。そのため、上記したようにガイド部材の先端によって分包用シートの底を押さえたとしても、電極が分包用シートに触れるのを防止できる。従って、本発明の薬剤分包装置においても、電極によって分包用シートが損傷するのを防止できる。
【0023】
なお、本発明および以下の記載において、「接着」とは、接着剤や糊等を用いてシートをくっつけたり、シートを重ね合わせて溶着する等の手法でシートをつなぎ合わせる概念を示すものである。
【0024】
請求項7に記載の発明は、イオン発生装置は分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷を帯びたイオンをより多く発生させるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤分包装置である。
【0025】
本発明は、前記した様に分包用シートを移動させるシート搬送手段を有するものであり、分包用シートとホッパーとの接触に起因する帯電を防止するものである。そこで本発明者らは、当初、分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷に対して反対極性の電荷を帯びたイオンをホッパーに照射し、ホッパーの帯電を中和しようとした。
しかしながら、この実験は失敗であり、ホッパーにはより大量の薬剤が付着してしまった。
この原因を追求したところ、次の通りであった。即ち分包用シートは、常時走行しており、ホッパーの脇の部分(側面部)と常時接触しているから、ホッパーの脇の部分は、分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷に帯電する。
しかしながら、ホッパーの突端部分は、分包用シートと接していない。そのためホッパーの大部分は、分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷に帯電しているが、突端部分だけは、逆の電荷が帯電している。
そのためホッパーが帯電するであろう電荷に対して反対極性の電荷を帯びたイオンをホッパーに照射すると、却って薬剤の付着量が増大するという予期しない結果を招いてしまったのであった。
そこで本発明は、この知見に基づいて完成されたものであり、イオン発生装置は分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷を帯びたイオンをより多く発生させることとした。その結果、ホッパーの突端部分の電荷が中和され、薬剤の付着が解消した。
【0026】
請求項8に記載の発明は、散薬を落下させる散薬用ホッパーと、固形薬剤を落下させる固形薬剤用ホッパーと、両者の外側を覆う集合ホッパーを備え、散薬用ホッパーを落下する散薬及び固形薬剤用ホッパーを落下する固形薬剤は、共に集合ホッパーに集積され、集合ホッパーを介して分包用シートで作られる袋内に薬剤が導入されるものであり、集合ホッパーには吸引装置が接続され、固形薬剤用ホッパーの投入側には開閉可能な蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤分包装置である。
【0027】
本発明の薬剤分包装置は、薬剤の混合をより完全に防止する機能を兼ね備えたものである。
即ち薬剤分包装置は個々の看者の処方に応じて薬剤を一包づつ分包するものであるから、毎回毎回、ホッパーを通過する薬剤が異なる。そのため、薬剤分包装置では、ホッパー内を清浄な状態に維持可能な構成であることが望ましい。
かかる知見に基づき、本発明の薬剤分包装置では、集合ホッパーに吸引装置を接続し、ホッパー内の清掃を可能にした。
また本発明では、固形薬剤用ホッパーの投入側に開閉可能な蓋部材を設けた。そのため本発明では、散薬用ホッパーの清掃をより完全に行うことができる。即ち、散薬用ホッパーと、固形薬剤用ホッパーとを有し、散薬と固形薬剤の双方を取り扱うことができる構成である場合は、一般的に固形薬剤よりも散薬の方がホッパー(散薬用ホッパー)に付着しやすく、掃除を行わねばならない蓋然性が高い。しかしながら、従来技術においては、固形薬剤用ホッパーの投入側は、常時開放であり、これを閉じる機能を持つものは知られていない。そのため集合ホッパーには吸引装置を接続し、集合ホッパー内を吸引すると、固形薬剤用ホッパーの投入側から大量の空気が吸入されてしまい、肝心の散薬用ホッパーを通過する空気量が減少してしまうという問題があった。そこで本発明では、固形薬剤用ホッパーの投入側には開閉可能な蓋部材が設け、必要に応じて固形薬剤用ホッパーの投入側を閉じ、散薬用ホッパーを通過する空気量の減少を阻止した。
【0028】
請求項9に記載の発明は、分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーを備えたホッパーとを有し、分包用シートで作られる袋内にホッパーから投下された薬剤を導入する薬剤分包装置において、ホッパーは、前記分包用シートに接触する位置に配されるものであり、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置は分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づき、ホッパーが帯電するであろうと想定される電荷を帯びたイオンをより多く発生させるものであることを特徴とする薬剤分包装置である。
【0029】
本発明の薬剤分包装置は、イオン発生装置は分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷を帯びたイオンをより多く発生させることとし、ホッパーの突端部分の電荷を中和して、薬剤の付着を解消させるものである。
【0030】
本発明の薬剤分包装置は、分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、分包用シートは予め複数のシートが重ねられてその一辺側が接着されて半袋状となったものであるか、或いは一枚のシートを折り曲げて半袋状を構成するものであり、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置は分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷を帯びたイオンをより多く発生させるものであり、前記イオン発生装置はイオン発生電極を有し、さらにイオン発生電極を保持する電極保持部材を有し、電極保持部材は分包用シートの半袋状部内であって分包用シートの移動方向の上流側に設けられており、電極保持部材の中間部にイオン発生電極が保持され、電極保持部材の一部が半袋状となった分包用シートの底部と接触可能な構成であってもよい。
【0031】
かかる構成の薬剤分包装置は、前述した各発明の主要な機能を兼ね備えたものであり、ホッパーへの薬剤の付着が少ない。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、小型でありながら、分包用シートとホッパーとの摩擦によって発生する静電気に起因する悪影響を抑制可能な薬剤分包装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
続いて、本発明の一実施形態である薬剤分包装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、1は本実施形態の薬剤分包装置である。薬剤分包装置1は、錠剤や散薬を処方に基づいて所定量ずつ取り分け、袋詰め(分包)する装置である。薬剤分包装置1は、図1に示すように、本体4の天面側に薬剤供給部2の一部が露出しており、本体4の内部に分包紙供給部3および分包部5が内蔵された構成となっている。
【0034】
薬剤供給部2は、錠剤や散薬(以下、必要に応じて薬剤と総称する)を取り分けて分包部5に供給するために設けられたものである。薬剤供給部2は、従来公知の薬剤分包装置において採用されているのと同様の構成とされている。本実施形態の薬剤分包装置1では、薬剤供給部2は、錠剤を処方に基づいて取り分けて供給するための錠剤供給部6と、散薬を取り分けて供給するための散薬供給部7とを有する。
【0035】
錠剤供給部6は、図1に示すように格子状の仕切りで区切られ、天面側が開放した複数の錠剤収容部8を有する。錠剤収容部8は、天面側から錠剤を手撒きにより収容することができる。錠剤供給部6は、必要に応じて錠剤収容部8毎に底板(図示せず)を開閉し、後述する容器34を介して分包部5側に落とし込むことができる構成とされている。
【0036】
散薬供給部7は、図4に示すように、桝10と分割容器11とを有する。桝10は、図1に示すように本体4の天面側に露出している。桝10は、断面形状が略「V」字形で樋状の部材である。また、分割容器11は、図1や図4に示すように、本体4の内側に配置されている。分割容器11は、図4に示すように、桝10に対して下方側の所定の平面上に複数(本実施例では4つ)並べて配置されており、桝10からの散薬の払い出しや後述するホッパー20への散薬の払い出しにあわせて前記平面上で適宜位置を入れ替えることができる。
【0037】
分割容器11は、それぞれ長手方向に複数の散薬収容部12に仕切られた構成とされている。散薬収容部12は、錠剤収容部8と同様に天面側が開放されている。散薬供給部7は、桝10に散薬を投入し、これを平坦になるように均して下方に待機している分割容器11に落下させることにより、散薬を待機中の分割容器11の各散薬収容部12に均等に分けることができる構成となっている。分割容器11は、それぞれ後述する分包部5のホッパー20の位置まで移動することができる。そのため、分割容器11をホッパー20の位置まで移動させ、その後に散薬収容部12毎に開閉自在な底板を開閉すれば、散薬をホッパー20に落とし込むことができる。
【0038】
分包紙供給部3は、分包紙15(分包用シート)を分包部5に対して供給するためのものであり、従来公知の薬剤分包装置において採用されているものと同様の構成とされている。本実施形態の薬剤分包装置1では、分包紙供給部3は、分包紙15をロール状に巻回した分包紙ロール17をセットするためのロールホルダー16と、分包紙ロール17から引き出された分包紙15に分包部5で分包される薬剤の説明や、薬剤の処方を受ける患者の氏名のような所定の情報を印刷するための印刷ユニット18とを備えた構成とされている。
【0039】
分包紙15には、図5に示すように帯状で長尺のシート13を短手方向略中央部で折り畳んだものや、2枚のシート13a,13bを重ね合わせ、短手方向一端側の端部を長手方向に沿って貼り合わせてシールしたもの等を採用することができる。すなわち、分包紙15は、短手方向一端側に閉塞された部分(閉塞部15a)があり、他端側に開放された部分(開放部15b)を有する半袋状の状態とされている。
【0040】
分包部5は、本実施形態の薬剤分包装置1に特有の構造を有する部分であり、ホッパー20、ガイド部材30および分包ユニット40を備えた構成とされている。分包部5は、ホッパー20によって回収された薬剤を分包紙供給部3から供給されてきた分包紙15によって分包する部分である。
【0041】
ここで、分包紙15は、図2や図3に破線で示すように、分包紙供給部3の印刷ユニット18側に固定されている支持軸19に懸架される。また、分包紙15の先端側は、後述する分包ユニット40内に設けられたローラ50,51に挟まれた状態でセットされる。これにより、分包紙15は、支持軸19と分包ユニット40との間で一定の張力で引っ張られた状態で支持される。また、分包紙15は、ローラ50,51を作動させることにより、支持軸19側から分包ユニット40側に進行させることができる。すなわち、ローラ50,51は、分包紙15を移動させるための搬送手段(シート搬送手段)としての機能を発揮する。分包紙15は、図6に示すように、閉塞部15aが下方に向き、後述するホッパー20の薬剤投下部28が開放部15bから分包紙15の内側に差し込まれている。
【0042】
ホッパー20は、上記した薬剤供給部2から供給された薬剤を集めて落下させ、半袋状に成形された分包紙15内に充填するものである。ホッパー20は、図7に示すように、漏斗状の回収部21と、供給部22(集合ホッパー)とを組み合わせて構成されている。
【0043】
回収部21は、薬剤供給部2のうち、錠剤供給部6の錠剤収容部8から落下した錠剤が通る錠剤通路23(固形薬剤用ホッパー)と、散薬供給部7の散薬供給部12から落下して散薬が通る散薬通路25(散薬用ホッパー)とを有する。散薬通路25の下方側に設けられた開口部には開閉板26が取り付けられており、これを開閉することによって散薬を排出可能な構成とされている。開閉板26は、散薬供給部12から散薬通路25に落とし込まれた散薬が一度に供給部22側に落下するのを防止するストッパーとしての機能を有する。回収部21は、開閉板26を閉止した状態としておくことにより、散薬通路25に落下した散薬が周辺に飛散するのを防止できる。
【0044】
供給部22は、樹脂製であり、ホルダー部27と薬剤投下部28とを有する。本実施形態では、供給部22は、ポリスチレン樹脂によって構成されている。ホルダー部27は、供給部22を図7に示すような姿勢で設置した場合に、上方側から下方側に向けて貫通した略筒状の部材である。ホルダー部27の側面27aには、排気口27bが設けられている。
【0045】
図10に示すように、排気口27bには、集塵装置29が接続されている。これにより、供給部22に落下して舞い上がった散薬や、供給部22に残存している散薬を吸引して回収することができる。
【0046】
薬剤投下部28は、ホルダー部27に連通した筒状の部位である。薬剤投下部28は、断面形状が略楕円形となっており、この長尺方向が分包部5に供給される分包紙15の進行方向に向くように設置されている。また、薬剤投下部28は、図6に示すように、先端部分が前記した楕円の長軸方向中間部分において二股に分かれたような形状とされている。これにより、薬剤投下部28から分包紙15側に落下する散薬の飛散が防止されている。
【0047】
ホッパー20に対して分包紙15の流れ方向上流側、すなわち支持軸19側に隣接する位置には、ガイド部材30が設置されている。ガイド部材30は、図6に示すように、分包紙15の開放部15b側から差し込まれる部材である。ガイド部材30は、分包紙15を案内すると共に、分包紙15を構成するシート13(13a,13b)を薬剤投下部28が納まるように開く部材である。
【0048】
ガイド部材30は、図6に示すように、分包紙15を支持軸19と分包ユニット40との間にまっすぐに張った状態に設置した際に、先端部31が閉塞部15aの近傍に到達する位置に固定されている。そのため、半袋状の分包紙15に薬剤を大量に充填して膨らんだり、後述する分包ユニット40内のローラ50,51の動作の具合等によって、分包紙15の底(閉塞部15a)がホッパー20の薬剤投下部28側に移動しようとしても、ガイド部材30の端部が分包紙15の内側から底(閉塞部15a)に当たり、分包紙15が持ち上がるのを防止できる。
【0049】
図8に示すように、ガイド部材30には、電極32(イオン発生部)が取り付けられている。さらに具体的には、ガイド部材30は、図8(b)に示すように、ガイド部材本体30aと、電極保持部材30bとを有する。ガイド部材本体30aの側面、すなわちガイド部材30を本体4内に取り付けた際に、上記したホッパー20に対向する部位には、電極保持部材30bを差し込み可能なスリット30cが設けられている。また、電極保持部材30bには、電極32と、電極32を後述する高圧電源71に接続するための端子33とが取り付けられる。ガイド部材30は、電極保持部材30bに電極32と端子33とを取り付けた状態で、これをスリット30cに差し込んで固定した構造となっている。
【0050】
電極32は、針状であり、ホッパー20の薬剤投下部28側に向くように取り付けられている。図6に示すように、電極32の延長線上には、薬剤投下部28が位置している。また、上記したように、ガイド部材30は、薬剤分包装置1の駆動時に、ホッパー20の薬剤投下部28の先端と共に、シート13(シート13a,13b)によって半袋状に成形された分包紙15の内側に配置される。そのため、電極32は、分包部5に固定されると、図6に示すように半袋状の分包紙15の内側に位置することとなる。
【0051】
電極32は、図9に示すように電気的に接続されてイオン発生装置70を構成するものである。すなわち、イオン発生装置70は、高圧電源71とアースGNDと電極32とを電気的に接続して構成されるものである。イオン発生装置70は、高圧電源71を作動させて空中に設置された電極32に高電圧を印加することにより、気中放電(コロナ放電)を生じさせることができる。
【0052】
イオン発生装置70により気中放電を発生させると、電極32の周辺に存在している空気を電気的に分解し、イオン化することができる。さらに具体的には、イオン発生装置70は、高圧電源71により電極32に正の高電圧を印加することにより、電極32の周辺に正のイオンを発生させることができる。また、イオン発生装置70は、高圧電源71により電極32に負の高電圧を印加することにより、電極32の周辺に負のイオンを発生させることができる。本実施形態の薬剤分包装置1では、高圧電源71により電極32に正の高電圧を印加し、電極32の周辺に正のイオンを発生させる構成とされている。
【0053】
さらに詳細に説明すると、本実施形態の薬剤分包装置1は、分包紙15の内側にホッパー20の薬剤投下部28が差し込まれた状態で、分包紙15が順次シール部45側に送り込まれて分包されるものである。この時、薬剤投下部28の先端側にある薬剤投下用の開口部(以下、必要に応じて開口28aと称す)近傍は、分包紙15から離れているが、図6にハッチングで示す前記開口部分よりも上方側にずれた位置(以下、必要に応じて摩擦部28bと称す)が分包紙15と摩擦して帯電する。
【0054】
ここで、上記したように、薬剤投下部28はポリスチレン樹脂製である。また、分包紙15は、ポリエチレン樹脂によって表面がコーティングされたグラシン紙によって形成されている。そのため、下記の表1に示す帯電列(帯電系列)を参照すると、薬剤投下部28の摩擦部28bと分包紙15とが摩擦すると、摩擦部28b近傍に正電荷が集中し、正に帯電した状態になる。摩擦部28b近傍に正電荷が集中すると、これに伴って開口28a近傍に負電荷が偏在した状態になり、開口28a近傍が負に帯電した状態になる。これにより、薬剤投下部28を通過する散薬が負に帯電した開口28a近傍に吸い寄せられて付着してしまい、薬剤の処方上の問題を生じる可能性が高い。
【0055】
【表1】

【0056】
そこで、かかる知見に基づき、本実施形態では、イオン発生装置70の電極32から正のイオンを発生させ、これを薬剤投下部28の開口28a近傍に照射して開口28a近傍の帯電を解消し、開口28a近傍における散薬の付着を防止する構成としている。
【0057】
分包紙15は、帯状のシート13(シート13a,13b)の下端部に当たる閉塞部15aが接合された樋状の形状の半袋状物である。電極32は、分包紙15の内側に位置しており、ホッパー20の薬剤投下部28の先端部分の延長線上に位置している。そのため、分包紙15の移動中に電極32において気中放電を発生させると、これにより発生したイオンが分包紙15の移動に伴って発生する僅かな気流に乗って流れ、薬剤投下部28に到達する。すなわち、本実施形態の薬剤分包装置1では、分包紙15が、気中放電によって発生するイオンを薬剤投下部28に案内するイオン導通路として機能し、薬剤投下部28の開口28aやこの近傍にイオンが集中的に照射される。これにより、開口28a近傍の帯電状態がスムーズに解消され、散薬の付着が防止される。
【0058】
図10(a)に示すように、ホッパー20の錠剤通路23に対して隣接する位置には、駆動装置35が設けられている。駆動装置35は、上下に平行に配されたラック36,37と、これらに噛み合うピニオン38とによって主要部が構成されている。ラック36,37は、それぞれ歯部36a,37aをピニオン38側に向けて設置されており、ピニオン38の回転に伴って水平状態を維持してホッパー20に対して近接離反する。
【0059】
ラック36は、ピニオン38に対して上方に位置している。ラック36の上方には、錠剤供給部6から払い出される錠剤を受け止め、ホッパー20に払い出すための容器34が取り付けられている。
【0060】
また、ラック37は、ピニオン38に対して下方に位置している。ラック37には、図10に示すようにシャッター板39が取り付けられている。シャッター板39は、ラック37の底面側から上方に立ち上がる立ち上がり部分(立ち上がり部39a)と、ホッパー20側に突出した部分(閉塞部39b)とを有する。
【0061】
駆動装置35は、ピニオン38を回転させることによってラック37をホッパー20に対して近接離反させると、これに連動して閉塞部39bがホッパー20に設けられた錠剤通路23の天面側の開口部分に沿って摺動する。そのため、駆動装置35は、図10(b)に示すように、ピニオン38を作動させてラック37をホッパー20側に突出させることにより、閉塞部39bによって錠剤通路23を閉塞することができる。また、駆動装置35は、図10(c)に示すように、ピニオン38を作動させてラック36をホッパー20側に突出させることにより、容器34をホッパー20の上方に移動させることができる。
【0062】
分包ユニット40は、上記したホッパー20において薬剤が充填された半袋状の分包紙15をシールして、密閉された袋状にするためのものである。分包ユニット40は、図11に示すように、箱体41の内部に、分包紙搬送部43と、シール部45とを設けた構成とされている。
【0063】
箱体41は、ホッパー20に隣接する位置に分包紙15の入口46aを有し、この反対側に出口47bを有する。分包紙搬送部43は、箱体41の入口46a側に設けられている。分包紙搬送部43は、支持部47と駆動部48とを有する。
【0064】
支持部47は、薬剤が充填された分包紙15を下方(閉塞部15a側)から支持し、箱体41の内側に向けて案内する部分である。また、駆動部48は、ローラ50,51と、モータ52とを有する。図11(a)では図示の都合でローラ51を省略しているが、ローラ50,51は、図11(b)に示すように入口46a側から入ってくる分包紙15のシート13(シート13a,13b)の重ね合わせ部分の上端(開放部15b)側の端部近傍を挟むことが可能な位置に設置されている。ローラ50はモータ52の動力を受けて回転する駆動用のローラである。分包ユニット40は、モータ52を作動させることにより、ローラ50,51によって分包紙15を挟んだ状態で、シール部45側に向けて送ることができる。
【0065】
モータ52には、いわゆるステッピングモータが採用されており、所定の電気信号(パルス信号)を入力することにより回転軸が一定の角度だけ回転する。そのため、分包ユニット40は、モータ52に入力する電気信号のパルス数を調整することにより、分包紙15の進行量を調整することができる。
【0066】
シール部45は、図11に示すように第1シールブロック53と第2シールブロック55とを有する。第1シールブロック53は、図11(b)に示すように融着片53a,53bが対向し、融着片53a,53bが互いに近接離反可能なように設置されている。また、第2シールブロック55についても、融着片55a,55bが互いに対向するように設置されており、これらが近接離反可能なように設置されている。融着片53a,53bおよび融着片55a,55bは、それぞれ通電により発熱するものである。融着片53a,53bおよび融着片55a,55bは、互いに離反した状態において分包紙15が通過可能な程度の間隔を開けて配されている。
【0067】
融着片53aは、図11(a)に示すように、略「L」字形の形状を有し、上端融着部56と下流端融着部57とに大別される。上端融着部56は、分包ユニット40の箱体41内に分包紙15が侵入して来た際に、分包紙15が進行する方向に延びる部分である。上端融着部56は、分包紙15の上端側、すなわちシート13(シート13a,13b)が未だシールされていない開放部15b側の端部近傍が通過する位置に配されている。また、下流端融着部57は、上端融着部56に対して分包紙15の進行方向下流側(図12(a),(b)において右側)の位置に隣接しており、上端融着部56に対して下方に向けて延出している。融着片53bは、融着片53aと同一の形状、大きさの部材である。融着片53a,53bは、上端融着部56,56同士、下流端融着部57,57同士が平行となるように配されている。
【0068】
融着片55aは、図11(a)に示すように、略「L」字形の形状を有し、上端融着部58と上流端融着部59とに大別される。上端融着部58は、上記した融着片53aの上端融着部56の延長線上に位置している。上流端融着部59は、上端融着部56に対して分包紙15の進行方向上流側(図12(a),(b)において左側)の位置に隣接しており、上端融着部58に対して下方に向けて延出している。また、上流端融着部59は、上記した融着片53aの下流端融着部57に対してスリット状の隙間を空けて配されている。融着片55bは、融着片55aと同一の形状、大きさの部材であり、上端融着部58,58同士、下流端融着部59,59同士が平行となるように配されている。
【0069】
上記したように、シール部45は、入口46aから入ってくる分包紙15の進行方向に第1シールブロック53と第2シールブロック55とを並べて配した構成となっている。そのため、モータ52を作動させて分包紙15をシール部45に送り込んで第1シールブロック53および第2シールブロック55を作動させると、図12(a)にハッチングで示すように先ず第1シールブロック53の融着片53a,53bによって分包紙15の上端側(開放部15b側)の端部と、分包紙15の進行方向下流側の端部とがシールされる。
【0070】
その後、モータ52を作動させて、分包紙15を融着片53a,53bの上端融着部56に相当する距離だけ送り、第2シールブロック55の融着片55a,55bを近接させると、図12(b)にハッチングで示すように、分包紙15の上端側(開放部15b側)の端部と、分包紙15の進行方向上流側の端部とがシールされ、密封された薬包60が形成される。さらにモータ52を作動させると、薬剤が1包分ずつ分包紙15によって密封された状態でシール部45の出口46から排出される。
【0071】
続いて、本実施形態の薬剤分包装置1の動作について、図13に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。薬剤分包装置1は、錠剤や散薬を錠剤供給部6や散薬供給部7にセットした後、図示しない起動スイッチをオン状態にすると、ステップ1およびステップ2において分包紙15を構成するシート13(シート13a,13b)の一部を接着して半袋状にする接着動作と、錠剤供給部6や散薬供給部7から錠剤や散薬をホッパー20を介して分包紙15内に払い出す払い出し動作が行われる。
【0072】
さらに具体的には、起動スイッチがオン状態になると、ステップ1においてシール部45の内部に設けられた第1シールブロック53の融着片53a、53bによって分包紙15を構成するシート13(シート13a,13b)の下流端側の部位がシール(接着)される。これにより、分包紙15が、図12(a)のように進行方向上流端側の部位を除く部位が閉塞された半袋状の状態とされる。
【0073】
また、ステップ1において分包紙15の接着動作が実施されると、これとほぼ同時に払い出し動作が実施される。すなわち、薬剤分包装置1は、起動スイッチがオン状態になると、ホッパー20に隣接する位置に設けられた駆動装置35のピニオン38が作動し、錠剤供給部6に複数の設けられた錠剤収容部8の下方に容器34が移動する。容器34が処方すべき錠剤が収容されている錠剤収容部8の下方に到達すると、当該錠剤収容部8の底板が開き、これに収容されている錠剤が容器34内に払い出される。このようにして処方すべき錠剤が容器34内に収容されると、ピニオン38が再度作動し、図10(c)のように容器34がホッパー20の錠剤通路23の真上に移される。その後、容器34の底板が開かれ、容器34内に溜まっている錠剤が錠剤通路23に払い出される。錠剤通路23に払い出された錠剤は、薬剤投下部28を通って、上記した接着動作で半袋状とされた分包紙15内に払い出される。
【0074】
また、ステップ2では、桝10に充填した散薬がこの下方に配された分割容器11に投入され、分割容器11に複数設けられた散薬収容部12に略均等に投入される。その後、複数の散薬収容部12のうちの一つの底板が開放され、散薬収容部12に収容されている散薬が散薬通路25に払い出される。
【0075】
ここで、上記したように、散薬通路25の下方側の開口部は、常時は開閉板26によって閉塞されている。そのため、散薬収容部12から払い出された散薬は、一旦散薬通路25に溜まる。散薬は、散薬通路25に溜め置かれた後、所定のタイミングで散薬通路25に設けられた開閉板26が開くことにより、薬剤投下部28に落とし込まれ、分包紙15内に払い出される。
【0076】
説明を制御フローに戻すと、上記したようにしてステップ2において半袋状の分包紙15への薬剤の払い出しが行われると、制御フローがステップ3に移行し、分包動作が開始され、ステップ2においてホッパー20から払い出された薬剤が分包される。
【0077】
さらに具体的に説明すると、分包動作が開始されると、シール部45のローラ50,51が作動し、分包紙15が進行方向下流側(出口46b側)に第1シールブロック53の上端融着部56に相当する長さだけ進められる。
【0078】
その後、第1シールブロック53の融着片53a,53bおよび第2シールブロック55の融着片55a,55bが互いに近接する方向に作動する。そして、図12(b)に示すように、第2シールブロックの上端融着部58,58によって先の制御フローにおいてシールされているシート13(シート13a,13b)の開放部15b側の部位に対して分包紙15の進行方向下流側に隣接する位置がシールされると共に、上流端融着部59,59によって上流端側の開口部分がシールされる。これにより、分包紙15によって薬剤を分包した薬包60が完成する。
【0079】
また、これと同時に第1シールブロック53の融着片53a,53bが近接する方向に移動する。これにより、図12に破線で示すように、薬包60に対して分包紙15の進行方向下流側に隣接する位置において分包紙15がシールされ、次の処方のための薬包60の一部が形成される。
【0080】
上記したようにして薬包60が完成すると、融着片53a,53bの下流端融着部57,57によってシールされた部位と、融着片55a,55bの上流端融着部59,59によってシールされた部位との境界部分61が図示しないカッターによって切断され、薬包60が分包紙15から分割される。分包紙15から分割された薬包60は、シール部45の箱体41に設けられた出口46bから排出される。
【0081】
上記したようにして薬包60が作製されると、制御フローがステップ4に進み、薬剤分包装置1の起動後、作製された薬包60がn包(nは自然数)に達したか否かが確認される。ここで、起動スイッチをオン状態にした後に作製された薬包60がn包に達していない場合は、薬包60の作製が大して進んでおらず、次の薬包60の作製時に上記したような分包紙15と薬剤投下部28との摩擦に起因する散薬の付着が起こる可能性が低い。そこで、この場合は、制御フローが後述するステップ5に進められる。
【0082】
一方、ステップ4において、起動スイッチをオン状態にした後に作製された薬包60がn包に達している場合は、薬包60の作製がある程度進んでおり、さらに薬包60の作製を継続すると、分包紙15と薬剤投下部28との摩擦に起因する静電気が発生し、開口28a近傍が負の電荷に帯電して散薬が付着する可能性が高い。そこで、この場合、制御フローは、ステップ8に進んで照射フラグがオン状態となり、薬剤投下部28へのイオン照射が開始される。
【0083】
さらに詳細に説明すると、制御フローがステップ8に移行すると、イオン発生装置70の高圧電源71により電極32に正の高電圧が印加され、電極32の近辺で気中放電が起こる。
【0084】
ここで、上記したように、電極32を保持しているガイド部材30と、薬剤投下部28の先端部分は、半袋状の分包紙15の開放部15b側から差し込まれている。また、分包紙15は、図5(a)に示すように下端側の閉塞部15aが閉塞された樋状の形状となっている。そのため、本実施形態では、分包紙15によって、電極32と薬剤投下部28とを繋ぐ通路(イオン導通路)が形成されている。そのため、電極32において気中放電を起こすと、これにより発生した正のイオンが分包紙15によって薬剤投下部28の開口28a近傍に照射される。ここで発生した正のイオンは、分包紙15がシール部45側に向けて進行するのに伴って発生する僅かな気流に巻き込まれ、スムーズに開口28a側に流れる。これにより、分包紙15と薬剤投下部28との摩擦によって開口28a近傍の帯電状態が解消され、開口28aやこの近傍における散薬の付着を防止することができる。
【0085】
上記したようにして薬剤投下部28へのイオン照射が行われると、制御フローがステップ5に進む。
【0086】
制御フローがステップ5に移行すると、分包動作を終了すべきか否かが確認される。ステップ5において分包動作を継続すべきと判断された場合は、制御フローがステップ2に戻され、上記した一連の動作が繰り返される。一方、ステップ5において、分包動作によって作製すべき薬包60の数が所定数N(Nは自然数)に達している場合や、分包動作を強制的に終了する場合は、制御フローが後述するステップ6に進められ、集塵動作が実施される。
【0087】
さらに具体的には、制御フローがステップ6に移行すると、駆動装置35のピニオン38が作動し、ラック37がホッパー20側に移動する。これに伴って、ラック37に取り付けられたシャッター板39の閉塞部39bによってホッパー20の錠剤通路23の入口部分が閉塞される。この後、集塵装置29が起動し、ホッパー20内に残存している散薬が捕集される。
【0088】
上記した集塵動作の実施中あるいは集塵動作が完了した後の所定のタイミングで、制御フローがステップ7に移行して照射フラグがオフ状態とされる。これにより、電極32における気中放電が中止され、薬剤投下部28へのイオン照射が終了し、一連の制御フローが完了する。
【0089】
上記した薬剤分包装置1では、薬剤の分包が始まると、ローラ50,51がほぼ連続的に作動し、分包紙15が絶え間なく送られることとなる。そのため、分包紙15の近傍には、分包紙15の搬送方向に沿って僅かな気流が発生する。また、薬剤分包装置1は、電極32が薬剤投下部28に対して分包紙15の流れ方向上流側に設けられている。そのため、薬剤の分包のために分包紙15をシール部45側に順次送っていくと、電極32における気中放電により発生したイオンが分包紙15と共に薬剤投下部28側に流れて開口28a近傍に至り、開口28aに帯電した静電気を中和することができる。従って、薬剤分包装置1によれば、分包紙15と薬剤投下部28との摩擦が発生しても、薬剤投下部28の開口28a近傍に散薬が付着するのを防止できる。
【0090】
また、上記したように、薬剤分包装置1では、電極32および薬剤投下部28が共に樋状の分包紙15の内側に存在している。そのため、薬剤分包装置1では、分包紙15が気中放電によって発生するイオンが通るイオン導通路となり、イオンを薬剤投下部28の開口28aやこの近傍に集中的に照射させることができる。従って、薬剤分包装置1は、開口28aやこの近傍が帯電し、散薬が付着して汚れたり、予期せぬ位置に散薬が落下して薬包60のシール不良が起こるのを防止できる。
【0091】
本実施形態の薬剤分包装置1は、電極32が薬剤投下部28から分包紙15の進行方向上流側に配された構成であり、薬剤投下部28に対してイオンを直接的に照射することができる。そのため、薬剤分包装置1は、気中放電で発生したイオンの大部分を薬剤投下部28に対して照射することができ、薬剤投下部28の帯電を効率よく解消あるいは防止することができる。
【0092】
なお、上記実施形態では、電極32を薬剤投下部28に対して、分包紙15の進行方向上流側に配した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電極32が薬剤投下部28の下流側に配されていてもよい。この場合、電極32は、先端が分包紙15の進行方向下流側から上流側、すなわちシール部45側から支持軸19側に向かう方向に延伸するように取り付けられることが望ましい。また、薬剤投下部28の下流側に電極32を取り付ける場合についても、電極32は、上記実施形態と同様に延長線上に薬剤投下部28の先端部分(開口28a近傍の部位)が位置するように取り付けられることが望ましい。
【0093】
上記実施形態では、電極32を樋状の分包紙15の内側に配し、分包紙15をイオン導通路として利用する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図14に示すように分包紙15の外側に電極32を配すると共に、電極32近傍から薬剤投下部28の開口28a近傍に向けて筒状や樋状のイオン導通路75を設けた構成としてもよい。かかる構成とした場合についても、電極32に高電圧を印加して気中放電を起こすことにより発生するイオンを開口28a近傍に集中的に照射することができる。なお、上記したようにしてイオン導通路75を設ける場合、電極32は、イオン導通路75の内側にあっても外側にあってもよい。
【0094】
薬剤分包装置1は、電極32がガイド部材30に保持された状態で設置されている。また、電極32は、ガイド部材30の下端部よりもやや上方の位置(中間部)に保持されている。そのため、ガイド部材30が分包紙15に直接触れても、電極32が分包紙15に触れたり引っかかったりしない。従って、薬剤分包装置1では、電極32による分包紙15の破損が起こらない。
【0095】
また、ガイド部材30は、下端部が半袋状となった分包紙15の底部(閉塞部15a)を開放部15b側から押さえることができる。そのため、本実施形態の薬剤分包装置1では、分包紙15に大量の薬剤が充填されて分包紙15が膨らむなどして、分包紙15の底部が引っ張られて持ち上がろうとするのをガイド部材30で阻止することができる。
【0096】
本実施形態の薬剤分包装置1では、薬剤投下部28がポリスチレン樹脂で作製されており、分包紙15がポリエチレン樹脂によってコーティングされたものであるため、両者が摩擦すると、帯電列に基づいて摩擦部28bに正の電荷が集中した状態になり、開口28a近傍が負の電荷が集中した状態になるものと想定される。そこで、本実施形態では、電極32に正の高電圧を印加し、正のイオンを発生させる構成としている。そのため、薬剤分包装置1では、薬剤投下部28の開口28aやこの近傍(突端部分)の電荷を中和し、薬剤の付着を解消することができる。
【0097】
なお、上記実施形態では、薬剤投下部28がポリスチレン樹脂製であり、分包紙15がポリエチレン樹脂によってコーティングされていることに鑑み、正の高電圧を電極32に印加する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、表1に示す帯電列を参照すると、例えば分包紙15として上記実施形態と同一のものを採用した場合であっても、薬剤投下部28の素材を塩化ビニール樹脂とした場合、上記実施形態の場合とは電荷の極性が逆転する。すなわち、薬剤投下部28の摩擦部28bが負の電荷で帯電し、開口28aやこの近傍が正の電荷で帯電することとなる。従って、この場合は、開口28aやこの近傍の帯電を解消するためには、電極32に負の高電圧を印加する必要がある。
【0098】
上記したように、本実施形態では、ホッパー20に隣接する位置に駆動装置35を設け、ピニオン38を作動させることによりホッパー20の錠剤通路23の入口を閉塞可能な構成とされている。そのため、薬剤分包装置1は、集塵動作を実施する際に錠剤(固形薬剤)用の錠剤通路23側から空気が吸入されることによる集塵能力の低下を抑制することができる。
【0099】
なお、上記実施形態では、駆動装置35によって錠剤供給部6から払い出された錠剤を受け止めるための容器34と、錠剤通路23の閉塞用のシャッター板39の双方を作動させる構成であったが、本発明はこれに限定されず、両者の駆動源を別々に設けた構成としてもよい。また、駆動装置35は、ラック36,37とピニオン38を組み合わせて構成される、いらゆるラック・ピニオン機構を利用したものであったが、これに限らず他の機構を利用して容器34やシャッター板39を作動させる構成としてもよい。
【0100】
薬剤分包装置1は、シャッター板39を備えたものであったが、本発明はこれに限定されず、シャッター板39を設けない構成としてもよい。また、シャッター板39は、錠剤通路23の入口の開口部分に沿って摺動して閉塞するものであったが、例えば錠剤通路23の中途にスリットを設け、このスリットを介してシャッター板39を出入りさせる構成としてもよい。
【0101】
上記実施形態では、図13に示すように、分包動作が一通り完了した後に集塵動作を実施する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、分包動作と集塵動作とを同時に実施する構成としてもよい。かかる構成とした場合、分包動作中に薬剤投下部28に照射されているイオンが開口28aからホッパー20の内側に取り込まれ、ホッパー20の内面における帯電を予防したり解消したりすることができる。
【0102】
なお、上記したように分包動作と並行して集塵動作を実施する場合、分包紙15に払い出すべき散薬が集塵装置29に吸い込まれる等の不具合が予測される場合は、分包動作中における集塵装置29の集塵能力を制限してもよい。
【0103】
上記したように、本実施形態の薬剤分包装置1では、電極32に高電圧が印加される。そのため、薬剤分包装置1は、予期せぬ事故等を防止すべく、電極32に高電圧が印加されていることを示すランプ等の警告手段を設けた構成としてもよい。また、メンテナンス時等の安全性を確保すべく、薬剤分包装置1は、何らかのエラー等が発生した時に電極32への通電を強制的に停止し、イオンの発生を停止させる構成としてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、図13のフローチャート等に示すように一旦イオン照射が開始されると分包動作が完了するまで電極32への通電が継続される構成であったが、例えば薬包60を一つ作製するたびに電極32への通電を一旦停止する構成としてもよい。かかる構成によれば、電極32における電力消費を最小限に抑制することができる。
【0105】
上記実施形態では、分包紙15として予め帯状のシート13を短手方向の略中央部で折り畳んだものや、予めシート13a,13bの一端をシールしてつなぎ合わせたものを採用する例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、例えば、薬剤分包装置1を帯状のシート13を折り畳む機構や、2枚のシート13a,13bの一端部分をシールする機構を内蔵した構成とすれば、分包紙15として単なる帯状のシート13を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態にかかる薬剤分包装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す薬剤分包装置の本体の内部構造を示す正面図である。
【図3】図1に示す薬剤分包装置の本体の内部構造を示す斜視図である。
【図4】散薬供給部の構造を模式的に示す斜視図である。
【図5】分包紙の構成を示す斜視図である。
【図6】分包部の構成を模式的に示す概念図である。
【図7】ホッパーの構造を示す分解斜視図である。
【図8】(a)はガイド部材を示す斜視図であり、(b)は(a)の分解斜視図である。
【図9】イオン発生装置の構成を模式的に示す概念図である。
【図10】(a)〜(c)はそれぞれ駆動装置の構成および駆動装置の駆動状態を模式的に示す概念図である。
【図11】(a)は分包ユニットの内部構造を示す斜視図であり、(b)は分包ユニットの内部構造を示す模式図である。
【図12】(a)は薬包の作製の第1段階を示す模式図であり、(b)は薬包の作製の第2段階を示す模式図である。
【図13】図1に示す薬剤分包装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】分包部の構成の変形例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0107】
1 薬剤分包装置
5 分包部
13,13a,13b シート
15 分包紙(分包用シート)
15a 閉塞部
15b 開放部
20 ホッパー
22 供給部(集合ホッパー)
23 錠剤通路(固形薬剤用ホッパー)
25 散薬通路(散薬用ホッパー)
27 ホルダー部
27b 排気口
28 薬剤投下部
28b 摩擦部
30 ガイド部材
30b 電極保持部材
31 先端部
32 電極(イオン発生部)
39b 閉塞部
40 分包ユニット
50,51 ローラ(シート搬送手段)
60 薬包
70 イオン発生装置
75 イオン導通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、
ホッパーは、半袋状の分包用シートに挟まれて接触する位置に配されるものであり、
イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、前記イオン発生部は、分包用シートの半袋状部内にあることを特徴とする薬剤分包装置。
【請求項2】
分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、
ホッパーは、半袋状の分包用シートに挟まれて接触する位置に配されるものであり、
イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、
前記イオン発生部において発生するイオンを分包用シートの半袋状部内に導くイオン導通路を備えていることを特徴とする薬剤分包装置。
【請求項3】
分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーとを有し、分包用シートで作られる半袋状部内にホッパーから薬剤を投下し、その後分包用シートを完全な袋に仕上げる薬剤分包装置において、
ホッパーは、半袋状の分包用シートに挟まれて接触する位置に配されるものであり、
イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置はイオン発生部を有し、前記イオン発生部は、ホッパーの近傍であって分包用シートの移動方向の上流側に設けられていることを特徴とする薬剤分包装置。
【請求項4】
イオン発生部は電極であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薬剤分包装置。
【請求項5】
電極を保持する電極保持部材を有し、電極保持部材は分包用シートの半袋状部内にあり、電極保持部材の側面に電極が保持されていることを特徴とする請求項4に記載の薬剤分包装置。
【請求項6】
電極が保持されるガイド部材を有し、
分包用シートは予め複数のシートを重ね、その一辺側を接着するか、或いは一枚のシートを折り曲げることによって底部を形成し、前記シートの接着部分あるいは折り曲げ部分を除く他の辺に開放部を設けた半袋状となったものであり、
前記電極は、ガイド部材の側面に保持されており、
前記ガイド部材は、前記半袋状の分包用シートの開放部から挿入され、底部と接触可能であることを特徴とする請求項4に記載の薬剤分包装置。
【請求項7】
イオン発生装置は、分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づいてホッパーが帯電するであろう電荷を帯びたイオンをより多く発生させるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤分包装置。
【請求項8】
散薬を落下させる散薬用ホッパーと、固形薬剤を落下させる固形薬剤用ホッパーと、両者の外側を覆う集合ホッパーを備え、散薬用ホッパーを落下する散薬及び固形薬剤用ホッパーを落下する固形薬剤は、共に集合ホッパーに集積され、集合ホッパーを介して分包用シートで作られる袋内に薬剤が導入されるものであり、
集合ホッパーには吸引装置が接続され、
固形薬剤用ホッパーの投入側には開閉可能な蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤分包装置。
【請求項9】
分包用シートを移動させるシート搬送手段と、薬剤を投下するホッパーを備えたホッパーとを有し、分包用シートで作られる袋内にホッパーから投下された薬剤を導入する薬剤分包装置において、
ホッパーは、前記分包用シートに接触する位置に配されるものであり、
イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置は分包用シートを構成する素材とホッパーを構成する素材の帯電列に基づき、ホッパーが帯電するであろうと想定される電荷を帯びたイオンをより多く発生させるものであることを特徴とする薬剤分包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−39111(P2007−39111A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227304(P2005−227304)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】