説明

衛星DMB受信装置及び方法

【課題】 使用者が効率よく衛星信号を受信できるようにするため衛星の位置を追跡して端末機で表示する上、付加的に障害物による受信不能状態も把握できるようにする衛星DMB受信装置及び方法を提供する。
【解決手段】 衛星からデジタル放送信号を受信するデジタル放送信号受信部と、衛星DMB受信端末の位置データを測定する地磁気センサ部と、デジタル放送信号を衛星から直接受信する場合、地磁気センサが収集した位置データを利用して放送受信環境情報データを生成する制御部と、制御部から提供される放送受信環境情報データを表示する表示部とを含み、衛星の位置を表示して使用者が移動中にも継続して衛星受信が可能であるように道しるべの役ができるようにし、衛星方向を探知したものの障害物に遮られた状況では障害物があると表示することで、使用者に障害物をよけるように通知して使用者親和的な機能の提供が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衛星DMB(Digital Multimedia Broadcasting)受信装置及び方法に関し、特に使用者が効率よく衛星信号を受信できるようにするため衛星の位置を追跡して端末機で表示するだけでなく、付加的に障害物による受信不能状態も把握できるようにする衛星DMB受信装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常デジタル放送とは従来のアナログ放送を代替して高画質と高音質、そしてより高品質のサービスを使用者に提供する放送サービスを意味する。最近はデジタル放送技術及び移動通信技術の発達に伴って移動中にもデジタル放送が視聴できるデジタル放送サービスに対する関心が高まっている。このようなデジタル放送サービスをDMBサービスと称する。DMBサービスはアンテナを装着した個人携帯用受信機または車両用受信機などのデジタル放送受信用端末機を介して移動中にも多様なマルチメディア放送が視聴できるサービスである。
【0003】
特に衛星DMBサービスは地上の放送センターで放送しようとするデジタル放送データを衛星で送出し、衛星が前記デジタル放送データを地上の端末に直接送信したりギャップフィラー(gap filler)を介して端末が受信するように伝送する方式から行われる。ここで、前記地上ギャップフィラーは高層建物などによる陰影地域や地下などの衛星信号が到達しない所に設けられ衛星から受信された前記デジタル放送データを送出する装置である。
【0004】
前記デジタル放送受信端末機は前記地上ギャップフィラーを介して前記デジタル放送データを受信する場合には衛星の方向及び衛星から直接到達する衛星信号とは関係なく前記衛星信号が到達しない所でもデジタル放送データを受信できる。
【0005】
図1は通常のDMB放送システムを示す図面である。
前記図1に示したように、DMB放送センター20はデジタルマルチメディア放送データ(例えば、画像、音声及びデータ信号など)を圧縮してから変調してDMB衛星10へ送出する。前記DMB衛星10はDMB放送センター20から放送データを受信して増幅してから周波数を変換して個別セルへ再伝送する。通常、個別セルは多数のギャップフィラー30を含む。前記ギャップフィラー30は前記DMB衛星10から放送を受信してデジタル放送センター受信端末機40に提供する。従ってギャップフィラー領域(Gap Filler Coverage)内に位置する前記デジタル放送データ受信端末機40は直接前記DMB衛星10から放送を受信するのではなく、前記ギャップフィラー30を介して放送を受信することで良好な放送品質が保障される。
【0006】
しかしながら、前記デジタル放送データ受信端末機40が前記ギャップフィラー領域から外れた場合または特定セルに属しない場合には持続的に衛星DMBサービスを提供されるために前記DMB衛星10から前記衛星信号を直接受信する。即ち、山、川、海或いは郊外のように前記ギャップフィラー30がない地域ではDMB放送を受信するために前記DMB衛星10から直接信号を受信しなければならない。しかし、衛星から地上に到達する信号は−90dBm以下の非常に弱い信号で、衛星アンテナを部着しなければ受信ができない。
【0007】
もし前記使用者端末が衛星アンテナを部着したとしても、前記DMB衛星から来る2.6GHzのDMB信号は直進性が非常に強くて、回折による受信ができないので、前記デジタル放送受信端末機のアンテナ方向を衛星方向と一致させるため、即ち、前記受信端末機のアンテナ領域を前記DMB信号の受信有効領域に含めるために前記衛星受信用アンテナの方向をあちらこちら変えながら信号受信に適合する方向を探す必要がある。
【0008】
たとえ使用者が衛星の方向を見付けて初期に衛星受信をしたとしても、移動中には継続して前述の過程が繰り返され得る。なお、衛星信号が木や建物に遮られる場合のように衛星信号のない状況で、前記使用者は衛星信号の正常受信が可能か否かも分からないまま、持続的に前記衛星信号を探索しなければならないので電力が浪費される問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記の問題点を解決するための本発明の目的は、端末機の画面上に衛星の位置を表示して移動中にも継続して衛星受信ができるようにするデジタル放送受信端末機及び方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、衛星方向探知にもかかわらず障害物に遮られた状況で、画面上に障害物があると表示することで、使用者が障害物をよけて衛星受信ができるようにするデジタル放送受信端末機及び方法を提供することにある。
【0011】
本発明のまた他の目的は、衛星から直接デジタル放送データ受信時に、前記デジタル放送データの受信感度が高い方向が分かるように衛星の方向及び衛星デジタル放送データの受信強度を表示するデジタル放送受信端末機及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するための本発明の一実施例において、デジタル放送受信端末機は、衛星から前記デジタル放送信号を受信するデジタル放送信号受信部と、前記端末の位置データを測定する地磁気センサ部と、前記衛星の方位と前記地磁気センサが測定した前記位置データを利用して放送受信環境情報を生成する制御部と、前記制御部から提供される前記放送受信環境情報を表示する表示部と、を含むことを特徴とする。
【0013】
前記の目的を達成するための本発明の一実施例において、前記放送受信環境情報は、前記衛星DMB受信端末アンテナの方向、衛星の方向、受信有効領域を含むことを特徴とする。前記の目的を達成するための本発明の一実施例において、前記表示部は前記放送受信環境情報をグラフィックで表示することを特徴とする。なお、前記表示部は前記放送受信環境情報を文字で表示することを特徴とする。
【0014】
前記の目的を達成するための本発明の一実施例において、前記表示部は前記衛星DMB受信端末の方向が受信有効領域内で現在受信状態が基準値以下でも受信状態が不良である場合、障害物警告メッセージを表示することを特徴とする。前記の目的を達成するための本発明の一実施例において、前記制御部は前記衛星DMB受信端末がアンテナを駆動する場合、衛星モードに転換することを特徴とする。
【0015】
前記の目的を達成するための本発明の他の実施例において、デジタル放送受信端末機に衛星の方向を表示する方法は、衛星またはギャップフィラーからデジタル放送信号を受信するかを確認する過程と、端末の位置データを測定する過程と、前記衛星の方位と地磁気センサが測定した位置データを利用してデジタル放送受信環境情報を測定する過程と、前記測定された放送受信環境情報を表示部に表示する過程と、含むことを特徴とする。
【0016】
前記の目的を達成するための本発明の他の実施例において、デジタル放送受信端末機に衛星の方向を表示する方法は、衛星からデジタル放送信号を受信する場合、前記デジタル放送信号が前記衛星から直接受信されるかを確認する過程と、前記デジタル放送信号が衛星から直接受信される信号だったら、前記衛星の方向を決めて表示部に表示する過程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、端末機窓に衛星の位置を表示して使用者が移動中にも継続して衛星受信ができるように道しるべの役をして、衛星デジタル放送信号を短時間内に効果的に受信できるようにし、衛星方向を探知したものの障害物に遮られた状況で障害物があると表示することで、使用者が障害物をよけるように通知できる長所がある。
【0018】
なお、前記衛星デジタル放送信号を短時間内に効果的に受信できるようにすることで衛星信号の探索時間を低減してデジタル放送受信装置の電力消耗を低減できる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。本発明を説明するにおいて、関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を必要なく濁す余地があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。そして後術する用語は本発明での機能を考慮して定義された用語で、これは使用者の意図または慣例などにより異なることがあるので、本明細書の全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0020】
以下、衛星DMBシステムで効率よく衛星信号を受信できるように、DMB衛星の位置を追跡して端末機に表示するための技術に対して説明する。なお、以下本発明は2.6GHz帯域の衛星DMBシステムのみならず、停止軌道上で行われる全ての衛星通信で同一に適用できる。
【0021】
図2は本発明に係るデジタル衛星放送受信端末機のブロック構成を示す図面である。
図2に示したように、前記デジタル衛星放送受信端末機はDMB制御部202、DMB受信部204、DMB受信強度測定部206、地磁気センサ部208、メモリ部210、表示部212、スピーカー214を含む。
【0022】
前記DMB制御部202は本発明の実施例に係る前記DMB用移動通信端末機の全般的な制御動作を行う。このような前記DMB制御部202は、デジタル放送信号が受信されると同デジタル放送信号を圧縮解除して、本来の信号にそれぞれ変換し、変換された放送データを出力する。そして前記DMB制御部202は受信されたデジタル放送信号が図1のDMB衛星10から直接受信された信号か、図1の地上ギャップフィラー30を介して受信された信号かを判断して、前記DMB衛星10から直接受信された信号の場合アンテナが衛星と一直線になるようにするための衛星の方向を決め、その受信強度を測定するように制御する。
【0023】
前記DMB受信部204は前記DMB衛星10または前記地上ギャップフィラー30から送出されたデジタル放送信号を受信する。前記DMB受信強度測定部206は前記DMB受信部204を介して受信されるデジタル放送信号受信強度を測定する。
【0024】
前記地磁気センサ部208は地球で発生する磁気場の流れを把握して羅針盤のように方位を探知できるセンサで、移動体、即ち移動するデジタル放送受信端末機の方位に対する絶対角を測定する。
【0025】
前記メモリ部210は受信されたデジタル放送データを格納する。前記表示部212は受信されたデジタル放送データに対する映像を表示し、前期DMB制御部202の制御下で衛星の方向とデジタル放送データ受信強度を表示する。このとき、前記表示部210は衛星の方向とデジタル放送信号受信強度を別々に表示することもでき、デジタル放送データ表示画面上に衛星の方向とデジタル放送信号受信強度を共に表示することもできる。そして前記スピーカー214は受信されたデジタル放送データに対する音響を出力する。
【0026】
前述のデジタル衛星放送受信端末機のブロック構成は前記DMB制御部202で全てのデータ処理を行う場合を過程する。即ち、前記DMB制御部202は前記地磁気センサ部208から端末の位置データを伝達され前記端末の方位角などを計算し、前記端末の現在の受信位置が受信有効領域内か否かを判断する機能をする。
【0027】
図3は本発明によるパイロットチャンネルの構造を示す図面である。
以下本発明は放送受信者が提供された放送受信環境情報によって良質の放送受信を可能としている。即ち、使用者端末は衛星から使用者が属するセルの放送受信環境情報を提供される。
【0028】
ここで、前記放送受信環境情報は前記衛星DMB受信アンテナの方向、前記衛星の方向、受信有効領域を意味し、前記セルの放送受信環境情報は前記衛星の方向と前記受信有効領域を計算するための使用者が属するセルアイディー(Cell ID)または衛星の意味する。使用者は前記セルアイディーまたは衛星の方位角などを衛星から提供され前記衛星の受信有効範囲を計算し前記端末の衛星信号の受信方向を比較して衛星信号の受信状態が良好か否かを確認することができる。
【0029】
このとき、セルの放送受信環境情報は図3に示したようにシステムスペック(system spec)上で余分として準備された(reserved)4バイト(byte)のD51(301)サブフレーム(sub-frame)を利用して伝送できる。現在前記D51(301)はギャップフィラーIDにとして使用しているが、本発明では前記D51(301)をセルの放送受信環境情報に代替できるようにした。
【0030】
さらに本発明は前記のように前記D51(301)サブフレームの全体を放送受信環境情報に代替せず、ギャップフィラーIDの一定のビット(bit)だけをセルID、或いはセルの衛星方位値を示すように設定できる。
【0031】
DMB衛星は一定の位置に浮かんでいる停止衛星で、停止衛星の特性上赤道上空に固定されている。なお、衛星DMB信号は幾つのビーム(セル)に分けられて地上に到達し、それぞれのカバレッジ(coverage)は局地的領域に限定される。従って、一つのセル内で衛星を見たとき、衛星の方向はセル内の全ての地域で殆ど同一に見えるようになって同一のセルでは殆ど同一の方位角を示すようになる。
【0032】
従って、使用者がどのセルに属しているかを示すセルIDだけで使用者の方位角が分かるように設定することが可能である。たとえ、使用者端末はセルID別方位値テーブルをデータベースに格納して、DMB衛星が使用者が属するセルIDを伝送する場合これに該当する衛星の方位角の値をデータベースから読むことができる。
【0033】
例外として、使用者が端末を一度もつけていない状態でセルの範囲を超えた場合は以前格納されたセルIDによる方位角の値を現在の値として判断できる。このような場合は衛星の位置の判断を間違えるようになる。これを防止するためには最初の衛星受信時、受信状態が一番良好な時の方位角を端末に内臓された地磁気センサを利用してデータベースに格納し、それを衛星の方位値に代替することもできる。
【0034】
前述のように前記パイロットチャンネルは本発明により前記D51(301)にセルの放送受信環境情報を含め、なお、受信される前記デジタル放送データを伝送する衛星10IDまたはギャップフィラー30のIDも含む。
【0035】
図4は本発明の実施例に係る放送受信環境情報を表示する過程を示しし、図6は本発明の実施例に係るDMB放送を受信するための衛星の方向及びデジタル放送データの受信強度を表示する画面を示す。以下説明でデジタル衛星放送受信端末機は衛星から直接デジタル放送データを受信できる衛星アンテナを具備すると仮定して説明する。
【0036】
図4と図6を参照すると、まずデジタル放送受信端末機40は400段階でDMB受信部204を介して放送データを受信する。以降前記デジタル放送受信端末機40は402段階へと進行して前記受信されたデジタル放送信号が前記衛星20から直接受信された信号であるか、地上ギャップフィラー30を介して受信された信号であるかを判断する。例えば、前記図3のパイロットチャンネルを介して受信されたデジタル放送信号に含まれた衛星のIDまたはギャップフィラー30IDを読んで、その信号が衛星からの信号であるかギャップフィラーからの信号であるかを判断する。
【0037】
もし前記受信された信号が前記地上ギャップフィラー30を介して受信された信号だったら、前記デジタル放送受信端末機40は410段階へと進行して前記受信された信号に対応する放送データを出力する。
【0038】
前記受信された信号が前記衛星20から直接受信された信号だったら、前記デジタル放送受信端末機40は404段階へと進行して現在位置で衛星20の方向を決める。例えば、前記デジタル放送受信端末機40は前記地磁気センサ部208を介して自分の位置に対する方位を測定し、前記端末の方位と前記衛星20が位置する方位を利用して現在デジタル放送受信端末機40のアンテナが衛星と一直線になるように衛星の方向を計算し前記計算の結果によって衛星の方向を決める。このとき前記衛星20の方位は前記デジタル放送受信端末機40のデータベースに予め格納でき、なお、前記衛星20の方位は前記衛星から前記図3のパイロットチャンネルの特定フレームを介して直接受信できる。
【0039】
このように衛星の方向を決めてから、前記デジタル放送受信端末機40は406段階へと進行して前記DMB受信強度測定部206を介してDMB受信部204に受信されるデジタル放送信号受信強度を測定する。
【0040】
以降、前記デジタル放送受信端末機40は408段階へと進行して決まった衛星の方向と測定されたデジタル放送信号受信強度を前記表示部212に表示する。このとき衛星の方向はどの方向へアンテナを移動するべきかを通知するためのもので、デジタル放送信号受信強度はアンテナ方向移動による受信強度の変化を通知するためのものである。例えば、図6に示したように前記DMB衛星と前記端末が一直線になるようにして受信率を高めるために前記端末が移動する方向601と受信強度を示す603。なお、図示されていないが、前記DMB放送の受信中前記DMB衛星の方向と衛星信号の受信強度が一定の数値以下になる場合には、前記表示部212に出力された放送データの最後の画面と重なって、或いは画面転換後前記端末が移動する方向601及び前記衛星信号の受信強度603を示すことができる。
【0041】
このように衛星の方向と測定されたデジタル放送信号受信強度を表示した後、前記デジタル放送受信端末機40は前記410段階で受信された信号に対応する放送データを出力する。即ち、前記デジタル放送受信端末機40は受信されたデジタル放送信号を圧縮解除して本来の信号にそれぞれ変換し、変換されたデジタル放送データの中で映像データを前記表示部212を介して出力し、音声データをスピーカー214を介して出力する。
【0042】
図5は本発明の実施例に係る放送受信環境情報処理過程を示し、図7は本発明の実施例に係るDMB放送受信環境情報を表示する画面を示す。
【0043】
以下本発明は使用者が都心地などのギャップフィラーがある地域から離れた場合に適用される。なお、以下説明でデジタル衛星放送受信端末機は衛星アンテナの脱付着が可能だと仮定して説明する。
【0044】
前記図5及び図7を参照すると、前記デジタル衛星放送受信端末機40がギャップフィラー30領域から離れた場合、前記端末40は500段階で衛星信号を受信するために衛星受信モードに転換する。ここで、前記端末40の前記衛星受信モード転換は、前記端末40に衛星受信アンテナを付着することでモード転換行われる。端末40は使用者が衛星受信を試みる時点である衛星受信アンテナ付着時点をインタラプト或いはポーリング方式により探知する。
【0045】
前記端末40が衛星受信モードに転換すると、前記端末40は502段階へと進行して前記図3のパイロットチャンネルのD51(301)に含まれるセルIDまたはセルの衛星方位値を利用して衛星の方向と前記地磁気センサ部208で測定した現在端末機の方向と同一の放送受信環境情報を表示窓に表示する。
【0046】
例えば、図7aと図7bに示したように前記放送受信環境情報が前記表示窓に表示される。ここで、図7aを参照すると、まず前記端末40は衛星信号の受信方向を感知して、前記DMB衛星の方向705を感知する。以降、前記端末40の方向701と受信有効領域703を考慮して前記表示窓にグラフィックで表現し、図7bは前記図7aのグラフィック表現をテキストの形で提供している。ここで、前記図7bに示した内容は前記衛星から前記放送データを受信できる有効領域である北西側30°(NW30°)−北東側30°(NE30°)を示し、現在受信方向は北西側15°(NW15°)示す。
【0047】
以降、前記端末40は504段階へと進行して表示窓に表示された放送受信環境情報を通して受信方向が有効半径内か否かを判断する。前記受信方向が有効半径内に属しない場合、前記端末40の使用者は506段階へと進行して前記端末40の受信方向が衛星方向と一致するように変更する。
【0048】
前記受信方向を変更してから、前記端末40は508段階へと進行して受信方向が有効半径以内で、現在受信状態が基準値以下であれば、障害物があると判断できる。ここで、前記現在受信状態はBER(Bit Error Rate)、RSSI(Received Signal Strength Indication/indicator)を通して決定される。
【0049】
もし、前記障害物があると判断されたら、前記端末40は510段階へと進行して図5cのように前記表示窓に障害物警告メッセージを表示する。例えば、障害物が衛星受信を妨害しているので位置を変更してくださいという警告メッセージを伝送することができる。これによって、使用者は現在自分の位置が障害物に遮られていることが分かって自分の位置を変更するようになる。なお、一時的な障害物の場合には障害物が過ぎて行くまで待機することで必要ない努力を防止できる。
【0050】
これは衛星信号の直進性に起因するもので、使用者自身によっても信号受信が妨害され得る。地上に到達する衛星の信号強度は−90dBm以下で非常に弱い。なお、衛星信号の場合円偏波(circular polarized)信号であるので、ヘリカルアンテナ(helical antenna)使う必要があるが、その体積が大きくて使用ができない。
【0051】
従って外装用衛星アンテナを使用する必要があるが、2.6GHz帯域の衛星信号は直進性が非常に強いので、回折による受信ができない。即ち、使用者が衛星に背を向けている場合や、障害物により遮られた場合、使用者は衛星の方向を探し回ったり、或いはすぐ衛星受信を諦めてしまう可能性もある。
【0052】
たとえ使用者が衛星の方向を見付けて初期に衛星受信をしたとしても、移動中継続して前記のような過程が繰り返され得る。なお、衛星信号が木や建物に遮られた場合のように衛星信号がない状況で使用者は衛星信号の正常受信の可否も知らないまま衛星信号を探すために努力するはずである。
【0053】
前記本発明の実施例は使用者端末の表示窓に表示された放送受信環境情報を通して受信方向が有効半径内か否かを判断できるようにし、これにより使用者の位置を変更することで適切な衛星受信が行われるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】通常のDMB放送システムを示す図面。
【図2】本発明に係るデジタル衛星放送受信端末機のブロック構成を示す図面。
【図3】本発明に対するパイロットチャンネルの構造を示す図面。
【図4】本発明の実施例に係る放送受信環境情報を表示する過程を示す図面。
【図5】本発明の実施例に係る放送受信環境情報処理過程を示す図面。
【図6】本発明の実施例に係るDMB放送を受信するための衛星の方向及びデジタル放送データの受信強度を表示する画面。
【図7】本発明の実施例に係るDMB放送受信環境情報を表示する画面。
【符号の説明】
【0055】
202 DMB制御部
204 DMB受信部
206 DMB受信強度測定部
208 地磁気センサ部
210 メモリ部
212 表示部
214 スピーカー






【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送受信端末機において、
衛星から前記デジタル放送信号を受信するデジタル放送信号受信部と、
前記端末の位置データを測定する地磁気センサ部と、
前記衛星の方位と前記地磁気センサが測定した前記位置データを利用して放送受信環境情報を生成する制御部と、
前記制御部から提供される前記放送受信環境情報を表示する表示部と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記放送受信環境情報は、前記衛星DMB受信端末アンテナの方向、衛星の方向、受信有効領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記デジタル放送信号を前記衛星から直接受信する場合、前記放送受信環境情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記放送受信環境情報をグラフィックまたは文字を利用して表示することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記デジタル放送信号の受信強度を測定するデジタル放送受信信号強度測定部を更に含み、
前記表示部は、前記放送受信環境情報と前記デジタル放送受信信号強度測定部で測定した受信信号の強度を表示することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記放送受信環境情報は、前記衛星が位置する方位と前記端末のアンテナが一直線になるようにするための衛星の方向を示すことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記デジタル放送受信端末機の方向が受信有効領域内で、現在受信状態が基準値以下の場合、障害物があることを通知し、警告メッセージを前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記現在受信状態は、BER(Bit Error Rate)、RSSI(Received Signal Strength Indication/Indicator)で判断することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
デジタル放送受信端末機で衛星の方向を表示する方法において、
衛星またはギャップフィラーからデジタル放送信号を受信するかを確認する過程と、
端末の位置データを測定する過程と、
前記衛星の方位と地磁気センサが測定した位置データを利用してデジタル放送受信環境情報を測定する過程と、
前記測定された放送受信環境情報を表示部に表示する過程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記放送受信環境情報は、
前記衛星DMB受信端末アンテナの方向、衛星の方向、受信有効領域を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記受信方向の有効半径範囲は、
前記衛星から提供されるパイロットチャンネルでセルID(identification)により決定されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記放送受信環境情報は、
前記デジタル放送信号を前記衛星から直接受信する場合表示部に表示することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記放送受信環境情報は、
グラフィックまたは文字を利用して表示することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタル放送信号受信方向が前記有効半径範囲内の場合、
前記デジタル放送信号の現在受信状態と基準値を比較する過程と、
前記デジタル放送信号の現在受信状態が基準値以下の場合、警告メッセージを表示したり警告音を発生させる過程と、を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記現在受信状態は、
BER(Bit Error Rate)、RSSI(Received Signal Strength Indication/Indicator)で判断することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
デジタル放送受信端末機に衛星の方向を表示する方法において、
衛星からデジタル放送信号を受信する場合、
前記デジタル放送信号が前記衛星から直接受信されるかを確認する過程と、
前記デジタル放送信号が衛星から直接受信される信号であれば、前記衛星の方向を決定して表示部に表示する過程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記デジタル放送信号の受信強度を測定して、前記測定されたデジタル放送受信強度を前記表示部に表示する過程を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記受信されたデジタル放送信号が衛星から直接受信された信号であるかを確認する過程は、
前記衛星から受信されるパイロットチャンネルに含まれた衛星のID(identification)またはギャップフィラーのIDを利用して確認することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記デジタル放送信号がギャップフィラーを介して受信された衛星信号であれば、
前記デジタル放送信号に対応するデジタル放送を出力する過程を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記衛星の方向を決定して表示部に表示する過程は、
前記デジタル放送受信端末機の方位を測定する過程と、
前記デジタル放送受信端末機の方位と前記衛星の方位と利用してアンテナが前記衛星と一直線になるようにするための衛星の方向を決定する過程と、
前記決定された方向を表示部に表示する過程と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−87066(P2006−87066A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−125732(P2005−125732)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】