説明

表示装置、コンテンツデータ配信装置、およびコンテンツデータ配信システム

【課題】個別認証を確実に行うことができ、コンテンツデータを選択的に配信されることが可能な表示装置1を提供する。
【解決手段】表示装置1は、自装置に固有の、コンピュータによって読み出し可能なディスプレイIDを格納している、読み出し専用のID格納部4を備えている。表示装置1から読み取ったディスプレイIDに基づき、コンテンツデータ配信装置10のID判定部16が、表示装置1にコンテンツデータを配信すべきであるか否かを判定する。表示装置1を認証した場合、コンテンツデータ配信装置10の通信部14が、表示装置1に、コンテンツデータを配信する。これにより、コンテンツデータ配信装置10による表示装置1の個別認証、および表示装置1へのコンテンツデータの選択的配信が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別認証を確実に行うことができる表示装置、このような表示装置を認証してコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツデータ配信装置、およびこれらの表示装置およびコンテンツデータ配信装置を含んでいるコンテンツデータ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会では、様々な個人情報や映像情報が電子化され、インターネット等の広範囲な通信網によって、送受信可能となっている。したがって、このような情報の保守性を高め、個々人が使用している情報端末を特定することが、セキュリティ確保の面から重要になってくる。そこで、端末の使用者を確実に認証するシステムや、情報を選択的に配信したり受信したりするシステムや、個々人に適したコンテンツを特定の端末に配信するシステムが望まれている。
【0003】
このようなシステムに使用可能と考えられる技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1の開示の技術では、ディスプレイの表示を制御するパネルコントローラが、ディスプレイ側に搭載されたインターフェース回路から、ディスプレイのパラメータを読み取る。このパネルコントローラは、再コンフィギュレーション可能なフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などで構成されている。パラメータは、ディスプレイの解像度や色数など、ディスプレイの特性を表す情報である。
【0004】
特許文献1のパネルコントローラは、読み取ったパラメータに基づき、その動作特性を修正する。これにより、表示パネルに適した表示がなされるよう、パネルコントローラの動作が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−248451号公報(公開日:平成15年(2003年)9月5日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の装置では、インターフェース回路を通じて認識できるパラメータは、それぞれのディスプレイに固有ではなく、一般的なものである。したがって、解像度や色数等の、ディスプレイの特性が同一であれば、パラメータも同一となる。これにより、同一のパラメータを有するディスプレイが、複数、存在することになる。
【0007】
すなわち、このようなパラメータに基づいても、個々のディスプレイを確実に特定することはできない。したがって、ディスプレイの利用者を特定したり、ディスプレイに情報を選択的に配信したりすることもできない。
【0008】
なお、個々人が使用する端末を特定するために、IPアドレスを用いる手法も考えられる。現在、IPv4と呼ばれる、4バイトのIPアドレスが用いられている。しかし、インターネット利用者の爆発的な増加が原因となって、端末の使用者数に比べてIPアドレスが不足しているのが現状である。
【0009】
これにより、インターネットにアクセスするたびに、利用者には、プロバイダから異なるIPアドレスが割り当てられてしまう。これにより、IPアドレスを利用したとしても、個々人の使用する端末を確実に特定するには至らない。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、個別認証を確実に行うことができる表示装置、このような表示装置を認証してコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツデータ配信装置、およびこれらの表示装置およびコンテンツデータ配信装置を含んでいるコンテンツデータ配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の表示装置は、上記の課題を解決するために、自装置に固有の、コンピュータによって読み出し可能な表示装置識別データを格納している、読み出し専用の表示装置識別データ格納部を備えていることを特徴としている。
【0012】
ここでいう表示装置識別データとは、表示装置に割り当てられた、固有の、すなわち世界にただ一つの識別IDである。すなわち、本発明において、同一の表示装置識別データを有する表示装置は世界に二台となく、一台のみとなる。
【0013】
また、表示装置識別データは、コンピュータによって読み取り可能である。したがって、表示装置は、表示装置にアクセス可能なコンテンツデータ配信装置によって、表示装置識別データに基づくことにより、個別に認証を受けることができる。また、認証を受けたコンテンツデータ配信装置から、個別にコンテンツデータの配信を受けることができる。
【0014】
このように、上述した構成を取ることによって、本発明は、個別の認証、およびコンテンツの選択的配信が確実に行われる表示装置を提供できる効果を奏する。
【0015】
また、本発明の表示装置では、上記表示装置識別データ格納部を表示パネル内に備えていることが好ましい。
【0016】
この構成を取ることにより、表示装置識別データ格納部は、表示パネル内の例えばガラス基板に、例えば半導体製造技術を用いて作り込まれている。これにより、表示装置識別データ格納部と表示パネルとが、一体化して表示装置に形成されていることになる。したがって、表示装置識別データ格納部が表示パネルから独立した構成に比べて、部品点数をより減少できる効果を奏する。また、チップ面積が縮小することにより、表示装置全体をより小型化できる。さらに、表示装置を製造する際のコストを削減できる効果も奏する。
【0017】
本発明のコンテンツデータ配信装置は、上記の課題を解決するために、上述した表示装置に備えられている上記表示装置識別データ格納部から、上記表示装置識別データを読み出す表示装置識別データ読出手段と、上記表示装置識別データ読出手段が読み出した上記表示装置識別データに基づき、上記表示装置識別データを有する上記表示装置に対して、コンテンツデータを配信すべきであるか否かを判定するコンテンツデータ配信判定手段と、上記コンテンツデータを配信すべきであると上記コンテンツデータ配信判定手段によって判定された上記表示装置に、上記コンテンツデータを配信するコンテンツデータ配信手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
この構成により、コンピュータ読み取り可能な、固有の表示装置識別データが割り当てられている表示装置から、コンテンツデータ配信装置の表示装置識別データ読出手段が、表示装置識別データを読み出す。この表示装置識別データに基づき、コンテンツデータ配信判定手段が、表示装置に対して、テキスト、画像、動画等のコンテンツを表すコンテンツデータを配信すべきであるか否かを判定する。
【0019】
したがって、コンテンツデータ配信判定手段が、表示装置に対してコンテンツデータを配信すべきであると判断した場合、コンテンツデータ配信装置は、表示装置を認証することになる。そして、このとき、コンテンツデータ配信装置のコンテンツデータ配信手段が、表示装置にコンテンツデータを配信する。
【0020】
このように、上述した構成をとることによって、本発明は、固有の表示装置識別データを有する表示装置を確実に認証し、コンテンツデータを選択的に配信できるコンテンツデータ配信装置を提供できる効果を奏する。そのため、このコンテンツデータ配信装置から、保守性、機密性の高いコンテンツデータの配信が行われる。
【0021】
また、本発明のコンテンツデータ配信装置では、自装置に固有の、コンピュータによって読み出し可能な配信装置識別データを格納している読み出し専用の配信装置識別データ格納部と、上記配信装置識別データ格納部から上記配信装置識別データを読み出す配信装置識別データ読出手段とをさらに備えており、上記コンテンツデータ配信判定手段は、上記表示装置識別データ読出手段が読み出した上記表示装置識別データと、上記配信装置識別データ読出手段が読み出した上記配信装置識別データとに基づき、上記表示装置識別データを有する表示装置に対して上記コンテンツデータを配信すべきであるか否かを判定することが好ましい。
【0022】
この構成を取ることにより、コンテンツデータ配信装置は、表示装置識別データおよび配信装置識別データに基づいた、表示装置の個別認証、およびコンテンツデータの選択的配信を行う。すなわち、コンテンツデータ配信装置は、表示装置に対して、1対1の個別認証に基づいたコンテンツデータの配信を行うことができる。これにより、この構成のコンテンツデータ配信装置は、保守性、機密性をさらに高めたコンテンツデータを表示装置に配信することができる効果を奏する。
【0023】
また、本発明のコンテンツデータ配信装置では、上記表示装置の表示装置識別データと、上記表示装置の使用者に関する個人データとを関連づけて格納している個人データ格納部と、上記表示装置識別データ読出手段が読み出した表示装置識別データに基づき、上記個人データを読み出す個人データ読出手段とをさらに備えており、上記コンテンツデータ配信手段は、上記個人データ読出手段が読み出した上記個人データに基づき、上記利用者に適したコンテンツデータを選択して上記表示装置に配信することが好ましい。
【0024】
この構成を取ることにより、コンテンツデータ配信装置から表示装置へ、表示装置の利用者の個人データに基づいた、コンテンツデータの選択的配信が行われる。これにより、利用者は自己の個人情報(年齢、性別、コンテンツの嗜好)に適したコンテンツの配信を受けることができる。すなわち、利用者が求めるコンテンツデータを利用者に対して効果的に配信するコンテンツデータ配信装置を提供できる効果を奏する。
【0025】
また、本発明のコンテンツデータ配信装置では、上記表示装置の表示装置識別データと、上記コンテンツデータ配信手段が過去に上記表示装置に配信した配信済データとを関連づけて格納する配信済データ格納部と、上記表示装置識別データ読出手段が読み出した表示装置識別データに基づき、上記配信済データ格納部から上記配信済データを読み出す配信済データ読出手段とをさらに備えており、上記コンテンツデータ配信手段は、上記配信済データ読出手段が読み出した上記配信済データに基づき、上記利用者に適したコンテンツデータを選択して上記表示装置に配信することが好ましい。
【0026】
この構成を取ることにより、コンテンツデータ配信装置から表示装置へ、過去に配信した配信済データに基づいた、利用者に適したコンテンツデータが配信される。これにより、利用者は、過去に閲覧したコンテンツに関連するコンテンツデータの配信を受けることができる。すなわち、本発明は、利用者が求めるコンテンツデータを利用者に対して効果的に配信するコンテンツデータ配信装置を提供できる効果を奏する。
【0027】
また、本発明のコンテンツデータ配信システムは、上述した表示装置およびコンテンツデータ配信装置からなることを特徴としている。
【0028】
この構成を取ることにより、コンテンツデータ配信装置が表示装置の個別認証を行い、表示装置に対してコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツデータ配信システムを提供できる効果を奏する。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明に係る表示装置では、固有の表示装置識別データを格納している表示装置識別データ格納部を備えているため、この表示装置識別データを利用して確実に認証され、コンテンツデータの選択的な配信を受けることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置1およびコンテンツデータ配信装置10からなるコンテンツ配信システム50の構成を示すブロック図である。
【図3】ID格納部4が表示制御部6と一体化されている表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】ID格納部4が表示部2に形成されている表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図5】複数のコンテンツデータ配信装置10がID認証サーバ20を用いてディスプレイIDの認証を行うコンテンツ配信システム52の構成を示すブロック図である。
【図6】ディスプレイIDと個人データとを関連づけて格納している許可IDデータベース32を用いてコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツ配信システム54の構成を示すブロック図である。
【図7】ディスプレイIDと配信済データとを関連づけて格納している許可IDデータベース34を用いてコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツ配信システム56の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。この図によると、表示装置1は、表示部2、ID格納部4(表示装置識別データ格納部)、表示制御部6、通信部8、および無線アンテナ9を備えている構成である。
【0033】
表示部2は、TFT(Thin Film Transistor)素子等が形成されている、一般的な表示手段である。本実施形態では、この表示部2は液晶表示パネルである。
【0034】
ID格納部4は、読み出し専用のデバイスであり、例えば、ROM(Read Only Memory)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)等からなる。
【0035】
ID格納部4は、表示装置1(自装置)に固有の、コンピュータによって読み出し可能なディスプレイID(表示装置識別データ)を格納している。ここでいう「固有の」とは、世界に一つだけという意味である。したがって、各表示装置1には、世界にただ一つだけの固有のディスプレイIDが割り当てられる。
【0036】
表示制御部6は、表示部2におけるコンテンツ(テキスト、画像、動画等)の表示を制御する。すなわち、表示制御部6は、通信部8が受信したコンテンツデータを受け取り、このコンテンツデータが表すコンテンツを表示部2に表示させる。
【0037】
通信部8は、無線によってデータを送受信する。具体的に説明すると、通信部8は、後述するコンテンツデータ配信装置10から送信されるコンテンツデータを受信する。また、受け取ったコンテンツデータを、表示制御部6に出力する。さらに、コンテンツデータ配信装置10からのリクエストに応じて、ID格納部4からディスプレイIDを読み出し、コンテンツデータ配信装置10に送信する。
【0038】
無線アンテナ9は、無線信号を送受信するためのアンテナである。
【0039】
図1に示す表示装置1は、表示装置として最小限の構成要素を備えたものである。ここでいう最小限の構成とは、受信したコンテンツデータが表すコンテンツを表示するために必要充分な構成を意味する。すなわち、表示装置1は単にコンテンツデータを受け取って、データが表すコンテンツを表示するという、表示機能に特化した構成となっている。その意味では、表示装置1は、表示するコンテンツを、他の装置から提供される必要がある。
【0040】
本実施形態では、この提供する役割を、図2に示すコンテンツデータ配信装置10が果たしている。すなわち、表示装置1とコンテンツデータ配信装置10とは、コンテンツデータを選択的に配信して表示するコンテンツ配信システム50を構成する。
【0041】
コンテンツ配信システム50では、表示装置1とコンテンツデータ配信装置10とは、クライアント・サーバ型システムを構成する。すなわち、表示装置1は、図示しない入力手段によって、利用者の操作を受け付ける。そして、利用者の指示をコンテンツデータ配信装置10に伝え、コンテンツデータ配信装置10がその指示に応じた処理を行い、結果を表示装置1に返すようになっている。これにより、表示装置1は、複雑な画像処理等を行う回路やプロセッサを有することなく、コンテンツを表示できる。
【0042】
以下に、コンテンツ配信システム50について、図2を参照して説明する。
【0043】
図2は、表示装置1およびコンテンツデータ配信装置10からなるコンテンツ配信システム50の構成を示すブロック図である。この図によると、コンテンツ配信システム50は、表示装置1およびコンテンツデータ配信装置10を含んでいる構成である。ここで、コンテンツデータ配信装置10は、図2に示すように、許可IDデータベース12、通信部14(コンテンツデータ配信手段、表示装置識別データ読出手段)、ID判定部16(コンテンツデータ配信判定手段、配信装置識別データ読出手段)、ID格納部18(配信装置識別データ格納部)、および無線アンテナ19を備えている構成である。
【0044】
許可IDデータベース12は、コンテンツデータを配信する対象となる表示装置1に割り当てられたディスプレイIDを格納している、データベースである。この許可IDデータベース12を参照することによって、後述するID判定部16は、表示装置1の認証を行う。
【0045】
通信部14は、無線によってデータを送受信する。具体的に説明すると、通信部14は、表示装置1に、コンテンツデータを送信する。また、表示装置1に対して、表示装置1が有するディスプレイID(表示装置1のID格納部4に格納されているディスプレイID)の送信をリクエストする制御信号を送信する。さらに、表示装置1が送信してきたディスプレイIDを受信する。この一連の処理により、通信部14は、表示装置1のID格納部4から、ディスプレイIDを読み出す。なお、通信部14は、受信したディスプレイIDを、ID判定部16に出力する。
【0046】
ID判定部16は、通信部14が受信した、表示装置1のディスプレイIDが、許可IDデータベース12に格納されているか否かを判定する。このとき、ID判定部16は、上述した許可IDデータベース12に基づき判定を下す。すなわち、ディスプレイIDが許可IDデータベース12に格納されている場合、ID判定部16は、表示装置1へのコンテンツデータの送信を許可することを、通信部14に通知する。一方、ディスプレイIDが許可IDデータベース12に格納されていないと判定した場合、表示装置1へのコンテンツデータの送信を許可しないことを、通信部14に通知する。
【0047】
ID格納部18は、ID格納部4と同様に読み出し専用のデバイスである。このID格納部18は、コンテンツデータ配信装置10(配信装置側)に固有の、コンピュータによって読み出し可能な配信装置ID(配信装置識別データ)を格納している。ここでいう「固有の」とは、世界に一つだけという意味である。したがって、各コンテンツデータ配信装置10には、それぞれ、世界にただ一つだけの固有の配信装置IDが割り当てられる。
【0048】
これらのディスプレイIDおよび配信装置IDを用いることによって、コンテンツデータ配信装置10と表示装置1との間において、一対一(ピアツーピア)のコンテンツデータ配信が保証される。
【0049】
無線アンテナ19は、無線アンテナ9と同様に、無線信号を送受信するためのアンテナである。
【0050】
コンテンツ配信システム50では、コンテンツデータ配信装置10が、表示装置1を認証し、かつ、表示装置1へコンテンツデータを選択的に配信する。そこで以下に、この処理の流れを説明する。
【0051】
まず、表示装置1を所持している利用者が、コンテンツデータ配信装置10との間で通信可能な範囲内に入る。すると、コンテンツデータ配信装置10の通信部14が、無線アンテナ19を介して、表示装置1に、ディスプレイIDの送信をリクエストする信号を送信する。このリクエスト信号は、表示装置1の通信部8が受信する。リクエスト信号の受信後、通信部8は、ID格納部4にアクセスして、ディスプレイIDを読み出す。そして通信部8は、無線アンテナ9を通じて、読み出したディスプレイIDをコンテンツデータ配信装置10に送信する。
【0052】
通信部8から送信されたディスプレイIDは、コンテンツデータ配信装置10の通信部14が受信する。受信したディスプレイIDを、通信部14は、ID判定部16に出力する。ID判定部16は、ディスプレイIDを受け取ると、許可IDデータベース12にアクセスして、表示装置1から送信されたディスプレイIDが、許可IDデータベース12内に格納されているか否かを判定する。
【0053】
ここで、ディスプレイIDが許可IDデータベース12内に格納されていると判定した場合、ID判定部16は、通信部14に、コンテンツデータ配信許可信号を出力する。この信号を受信すると、通信部14は、表示装置1に対するコンテンツデータの配信を開始する。
【0054】
表示装置1では、通信部8が、配信されたコンテンツデータを受信する。通信部8は、受信したコンテンツデータを、表示制御部6に出力する。表示制御部6は、受け取ったコンテンツデータに基づき、このコンテンツデータが表す、テキスト、画像、および映像等のコンテンツを、表示部2に表示させる。
【0055】
以上の処理によって、コンテンツ配信システム50では、コンテンツデータ配信装置10の許可IDデータベース12に登録(格納)されているディスプレイIDを有する表示装置1は、このディスプレイIDに基づき、コンテンツデータ配信装置10によって個別に認証される。そして、認証を受けた表示装置1に対して、コンテンツデータ配信装置10から、コンテンツデータが選択的に配信される。これにより、コンテンツデータ配信装置10によって認証される表示装置1には、コンテンツが表示される。
【0056】
一方、表示装置1が、コンテンツデータ配信装置10の許可IDデータベース12に登録(格納)されていないディスプレイIDを有する場合、コンテンツデータ配信装置10によって認証されない。したがって、このような表示装置1には、コンテンツデータ配信装置10からコンテンツデータが配信されることがない。これにより、コンテンツデータ配信装置10によって認証されない表示装置1では、コンテンツの表示が行われない。
【0057】
このように、コンテンツ配信システム50では、コンテンツデータ配信装置10によって認証された表示装置1にのみ、コンテンツデータが配信される。すなわち、コンテンツデータ配信装置10からコンテンツデータを受け取る資格のない表示装置1には、コンテンツデータが配信されない。これにより、配信されるコンテンツデータの保守性を高めることができる。
【0058】
なお、コンテンツデータ配信装置10では、ID格納部18に格納されている配信装置IDを利用して、表示装置1とコンテンツデータ配信装置10との間における1対1の認証を行ってもよい。この場合、コンテンツデータ配信装置10のID判定部16は、ID格納部18から配信装置IDを読み出す。そして、表示装置1から送られてきたディスプレイIDと、ID格納部18から読み出した配信装置IDとに基づき、コンテンツデータ配信装置10が、表示装置1にコンテンツデータを配信することが妥当であるか否かを判定する。
【0059】
その際、ID判定部16は、図示しない他のID認証データベースにおいて、ディスプレイIDと配信装置IDとが関連づけられていることに基づき、表示装置1にコンテンツデータを配信することが妥当であると判定して、通信部14に、コンテンツデータ配信許可信号を出力すればよい。
【0060】
この場合、固有の表示装置1と固有のコンテンツデータ配信装置10との間で1対1の認証が行われる。したがって、配信装置IDが割り当てられているコンテンツデータ配信装置10は、保守性、機密性をさらに高めたコンテンツデータを、表示装置1に配信することができる。
【0061】
コンテンツ配信システム50を構成する表示装置1は、図1に示す構成に限定されず、ハードウェア構成によりいっそうの工夫を施したものとしてもよい。その第1の例について、図3を参照して説明する。
【0062】
図3は、ID格納部4が表示制御部6と一体化されている表示装置1の構成を示すブロック図である。この図に示す表示装置1では、ID格納部4が、表示制御部6とが一体化された構成となっている。ここで、ID格納部4と一体化された表示制御部6は、上述したFPGAやPLD等の、読み出し専用、換言すれば書き込み不可能なデバイスとして表示装置1に形成されている。
【0063】
この構成では、ID格納部4が表示装置1と一体化されている。したがって、ID格納部4が表示制御部6から独立した構成に比べて、部品点数が減少する。また、チップ面積が縮小するため、表示装置1全体をより小型化できる。さらに、表示装置1を製造する際のコストを削減できる。
【0064】
なお、図3に示す構成の表示装置1をコンテンツ配信システム50において用いても、上述したディスプレイIDを用いた利用者認証(表示装置1の個別認証)およびコンテンツデータの選択的配信を実現できることはいうまでもない。
【0065】
表示装置1のハードウェア構成により一層の工夫を施した第2の例について、図4を参照して説明する。
【0066】
図4は、ID格納部4が表示部2に形成されている表示装置1の構成を示すブロック図である。図4に示す表示装置1では、ID格納部4が、表示部2と一体化された形で形成されている。すなわち、ID格納部4は表示部2内に含有されている。ここで、ID格納部4は、表示部2の構成部品のいずれかに、何らかの形で形成されていればよい。例えば、ID格納部4は、表示部2のガラス基板上に、連続結晶粒シリコン(CGシリコン、CGS)を用いた半導体技術によって、直接的に作り込まれればよい。また、このような直接的な作り込みは、LPS(Low Temperature Poly Silicon TFT、低温ポリシリコンTFT)を用いても実現できる。
【0067】
いずれにせよ、このような構成では、表示部2内にID格納部4が直接的に作り込まれている。したがって、ID格納部4が表示部2から独立している構成や、ID格納部4が表示制御部6と一体化されている構成に比べて、さらに部品点数を削減することができる。また、チップ面積もさらに縮小できる。さらに、表示装置1全体をよりいっそう小型化することができ、表示装置1を製造する際のコスト削減の効果もよりいっそう大きくなる。
【0068】
なお、図4に示す構成の表示装置1をコンテンツ配信システム50において用いても、上述したディスプレイIDを用いた利用者認証(表示装置1の個別認証)およびコンテンツデータの選択的配信を実現できることはいうまでもない。
【0069】
表示装置1およびコンテンツデータ配信装置10を含むコンテンツデータ配信システムは、図2に示す1対1の構成のコンテンツ配信システム50に限らない。例えば、コンテンツデータ配信システムを、1対多、あるいは多対多の構成としてもよい。そこで、1台の表示装置1に対して、複数台のコンテンツデータ配信装置10がコンテンツデータを配信する構成のコンテンツ配信システム52について、図5を参照して説明する。
【0070】
図5は、複数のコンテンツデータ配信装置10がID認証サーバ20を用いてディスプレイIDの認証を行うコンテンツ配信システム52の構成を示すブロック図である。この図によると、コンテンツ配信システム52は、1台の表示装置1と、3台のコンテンツデータ配信装置10と、1台のID認証サーバ20とを含む構成である。表示装置1は、上述した図1、図3、または図4に示すいずれかの構成を取っている。コンテンツデータ配信装置10は、図2に示す構成とは異なり、ディスプレイIDの認証を行うために必要なID判定部16および許可IDデータベース12を備えていない構成となっている。すなわち、ディスプレイIDの認証は、各コンテンツデータ配信装置10において行われないようになっている。
【0071】
コンテンツ配信システム52では、コンテンツデータ配信装置10の代わりに、ID認証サーバ20がディスプレイIDの認証を行う。このID認証サーバ20は、図5に示すように、許可IDデータベース22、通信部24、ID判定部26、および無線アンテナ29を備えている構成となっている。
【0072】
許可IDデータベース22、ID判定部26、および無線アンテナ29は、それぞれ上述した許可IDデータベース12、ID判定部16、および無線アンテナ19と同様に機能するものであり、その説明を省略する。通信部24は、コンテンツデータ配信装置10から送られてきた表示装置1のディスプレイIDを受信する。また、コンテンツデータ配信許可信号を、コンテンツデータ配信装置10に送信する。
【0073】
コンテンツ配信システム52における表示装置1の認証処理の流れについて、以下に説明する。
【0074】
コンテンツデータ配信装置10が、表示装置1に対してディスプレイIDを要求するリクエスト信号を送信し、表示装置1から送信されてきたディスプレイIDを受信する所までは、図2に示すコンテンツ配信システム50と、処理の流れが同一である。
【0075】
このあと、コンテンツデータ配信装置10の通信部14は、受信したディスプレイIDを、ID認証サーバ20に送信する。ID認証サーバ20では、通信部14から送信されてきたディスプレイIDを、通信部24が受信する。ディスプレイIDを受信すると、通信部24は、これをID判定部26に出力する。ID判定部26は、ディスプレイIDの入力を受け付けると、許可IDデータベース22にアクセスして、通信部14から送信されたディスプレイID、すなわち表示装置1から送信されたディスプレイIDが、許可IDデータベース22内に格納されているか否かを判定する。
【0076】
ここで、ディスプレイIDが許可IDデータベース22内に格納されていると判定した場合、ID判定部26は、通信部24に、コンテンツデータ配信許可信号を出力する。受け取ったコンテンツデータ配信許可信号を、通信部24は、コンテンツデータ配信装置10に送信する。
【0077】
コンテンツデータ配信装置10では、通信部14が、コンテンツデータ配信許可信号を受信する。すると、通信部14は表示装置1に対するコンテンツデータの配信を開始する。このあと、上述した図2に示すコンテンツ配信システム50と同様に、表示装置1の表示部2において配信されたコンテンツが表示される。
【0078】
以上の処理によって、コンテンツ配信システム52では、ID認証サーバ20の許可IDデータベース22に登録(格納)されているディスプレイIDを有する表示装置1は、このディスプレイIDに基づき、ID認証サーバ20によって個別に認証される。そして、認証を受けた表示装置1に対して、コンテンツデータ配信装置10から、コンテンツデータが選択的に配信される。これにより、ID認証サーバ20によって認証される表示装置1には、コンテンツが表示される。
【0079】
一方、表示装置1が、ID認証サーバ20の許可IDデータベース22に登録(格納)されていないディスプレイIDを有する場合、ID認証サーバ20によって認証されない。したがって、このような表示装置1には、コンテンツデータ配信装置10からコンテンツデータが配信されることがない。これにより、ID認証サーバ20によって認証されない表示装置1では、コンテンツの表示が行われない。
【0080】
このように、コンテンツ配信システム52では、ID認証サーバ20によって認証された表示装置1にのみ、コンテンツデータが配信される。すなわち、コンテンツデータ配信装置10からコンテンツデータを受け取る資格のない表示装置1には、コンテンツデータが配信されない。これにより、配信される情報の保守性を高めることができる。
【0081】
また、このコンテンツ配信システム52では、3台ある各コンテンツデータ配信装置10は、独自の許可IDデータベース12を備えなくてもよい。これにより、各コンテンツデータ配信装置10を、より部品点数の少ないハードウェア構成とすることができる。したがって、多数のコンテンツデータ配信装置10を用意した場合に、コストダウンの効果をより大きくできる。さらに、許可ディスプレイIDをID認証サーバ20において一括して管理でき、許可すべきディスプレイIDのリストをより素早く確実に更新できる。
【0082】
本発明のシステムは、許可したディスプレイIDを有する表示装置1を所持する利用者の個人データに基づき、表示装置1を所持する利用者の趣味や嗜好に合わせた、最適なコンテンツデータを配信する構成としてもよい。そこで、このような構成のコンテンツ配信システム54について、図6を参照して説明する。
【0083】
図6は、ディスプレイIDと個人データとを関連づけて格納している許可IDデータベース32を用いてコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツ配信システム54の構成を示すブロック図である。この図に示すコンテンツ配信システム54を構成するコンテンツデータ配信装置10は、許可IDデータベース12の代わりに、コンテンツデータベース30、および許可IDデータベース32を備えている。
【0084】
コンテンツデータベース30は、表示装置1に配信するコンテンツデータが格納されているデータベースである。
【0085】
許可IDデータベース32は、コンテンツデータの配信を許可する表示装置1のディスプレイIDと、このディスプレイIDを有する表示装置1の利用者の個人情報とを関連づけて格納するデータベースである。許可IDデータベース32には、図6に示すように、n個のディスプレイID1〜ディスプレイIDnと、これらのディスプレイIDにそれぞれ関連づけられている、n個の個人データd1〜dnが格納されている。
【0086】
ここでいう「個人情報」とは、利用者の性別、職業、年齢、コンテンツの好みなど、個々の利用者に固有の情報である。これらの情報は、表示装置1に対してコンテンツデータの配信を希望する利用者が、利用者登録等によって事前にコンテンツデータ配信装置10において登録する。
【0087】
このような構成のコンテンツ配信システム54では、利用者に個人情報に基づいた、利用者に適したコンテンツを表すコンテンツデータが、表示装置1に配信される。そこで、コンテンツ配信システム54における、個人データに基づいたコンテンツデータの選択的配信について、以下に説明する。
【0088】
コンテンツデータ配信装置10が、表示装置1に対してディスプレイIDを要求するリクエスト信号を送信し、表示装置1から送信されてきたディスプレイIDを受信するプロセスまでは、図2に示すコンテンツ配信システム50と、処理の流れが同一である。
【0089】
このあと、コンテンツデータ配信装置10の通信部14は、受信したディスプレイIDを、ID判定部16に出力する。ID判定部16は、受け取ったディスプレイIDが、許可IDデータベース32に登録(格納)されているか否かを判定する。ディスプレイIDが許可IDデータベース32に格納されていると判定した場合、ID判定部16は、コンテンツデータ配信許可信号を通信部14に出力すると共に、許可IDデータベース32にアクセスして、許可したディスプレイIDに関連づけられている個人情報を読み出し、通信部14に出力する。
【0090】
通信部14は、受け取った個人データに基づき、コンテンツデータベース30から、ディスプレイIDを有する表示装置1に配信すべきコンテンツデータを選択して読み出す。例えば、許可したディスプレイIDの表示装置1を所持する利用者が、映画好きであるとの情報を、このディスプレイIDに関連づけられている個人データから判別した場合、コンテンツデータベース30から映画コンテンツに関するコンテンツデータを読み出し、表示装置1に送信する。
【0091】
これにより、映画好きの利用者の表示装置1には、特に利用者が指定しなくても、映画コンテンツが配信され、表示される。
【0092】
このように、コンテンツ配信システム54では、利用者の好みに応じたコンテンツデータを、表示装置1へと選択的に配信できる。
【0093】
また、コンテンツ配信システム54では、利用者は表示装置1を持ち歩き、各所に設置されているコンテンツデータ配信装置10から、コンテンツデータの配信を受けることになる。すなわち、コンテンツ配信システム50では、利用者と表示装置1とが一対一の関係を保つ一方で、利用者とコンテンツデータ配信装置10とは、必ずしも一対一の関係を保つわけではない。そこで、コンテンツ配信システム54では、表示装置1のディスプレイIDと、利用者の個人データとを関連づけておく。これにより、個人データに基づき、表示装置1に配信するコンテンツデータを決定すれば、利用者に適したコンテンツデータを送信できることになる。
【0094】
また、本発明のシステムは、利用者に対して過去に配信したコンテンツデータに基づき、この配信済データに関連する新たなコンテンツデータを選択して配信する構成としてもよい。そこで、このような構成のコンテンツ配信システム56について、図7を参照して説明する。
【0095】
図7は、ディスプレイIDと配信済データとを関連づけて格納している許可IDデータベース34を用いてコンテンツデータを選択的に配信するコンテンツ配信システム56の構成を示すブロック図である。この図に示すコンテンツ配信システム56を構成するコンテンツデータ配信装置10は、許可IDデータベース12の代わりに、許可IDデータベース34を備えている。さらに、コンテンツデータベース30を備えている点では、図6に示すコンテンツ配信システム54と同様である。
【0096】
許可IDデータベース34は、コンテンツデータの配信を許可するディスプレイIDと、登録されているディスプレイIDを有する表示装置1に対して過去に配信した配信済データ(アニメーション、映画、スポーツ番組等)とを関連づけて格納しているデータベースである。すなわち、許可IDデータベース34は、図7に示すように、n個の許可ディスプレイID1〜ディスプレイIDnと、これらのディスプレイIDにそれぞれ関連づけられているn個の配信済データe1〜enとを格納している。これらの配信済データは、通信部14が、表示装置1に配信すると同時に、ディスプレイIDと関連づけて許可IDデータベース34に格納する。
【0097】
このような構成のコンテンツ配信システム56では、利用者に過去に配信したコンテンツに関連する、利用者が求める可能性が高いコンテンツを表すコンテンツデータが、表示装置1に配信される。そこで、コンテンツ配信システム56における、配信済データに基づいたコンテンツデータの選択的配信について、以下に説明する。
【0098】
コンテンツデータ配信装置10が、表示装置1に対してディスプレイIDを要求するリクエスト信号を送信し、表示装置1から送信されてきたディスプレイIDを受信するところまでは、図2に示すコンテンツ配信システム50と、処理の流れが同一である。
【0099】
このあと、コンテンツデータ配信装置10の通信部14は、受信したディスプレイIDを、ID判定部16に出力する。ID判定部16は、受け取ったディスプレイIDが、許可IDデータベース34に登録(格納)されているか否かを判定する。ディスプレイIDが許可IDデータベース34に格納されていると判定した場合、ID判定部16は、コンテンツデータ配信許可信号を通信部14に出力すると共に、許可IDデータベース34にアクセスして、許可したディスプレイIDに関連づけられている配信済データを読み出し、通信部14に出力する。この時点で、表示装置1から送信されたディスプレイIDは認証される。
【0100】
通信部14は、受け取った配信済データに基づき、コンテンツデータベース30から、認証されたディスプレイIDを有する表示装置1に配信すべきコンテンツデータを選択して読み出す。例えば、認証されたディスプレイIDを有している表示装置1を所持する利用者に対して、過去に、映画コンテンツを頻繁に配信していたことを、認証ディスプレイIDに関連づけられている配信済データから判別した場合、コンテンツデータベース30から新作映画のパンフレットに関するコンテンツデータを読み出し、表示装置1に送信する。
【0101】
この場合、過去に頻繁に映画を見ていた利用者に対して、新作映画のパンフレットに関するコンテンツデータを配信できる。すなわち、特に利用者が指定しなくても、利用者が過去に閲覧したコンテンツデータに関する情報が配信され、表示装置1に表示される。したがって、コンテンツデータ配信装置10を利用するコンテンツ配信業者は、利用者の好みに応じたコンテンツデータを、選択的に配信できる。
【0102】
また、利用者が興味を持つ可能性が高いコンテンツが配信されるため、配信したコンテンツを利用者が閲覧する可能性が高い。例えば、配信するコンテンツデータが広告情報である場合、利用者のニーズにマッチした広告を配信することになるため、高いレスポンス率を期待できる。
【0103】
また、コンテンツ配信システム56では、コンテンツ配信システム54と異なり、利用者の個人データを利用しない。したがって、個人データの漏洩の危険性が生じない。
【0104】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0105】
例えば、表示部2は、液晶表示装置に限らず、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイなど、様々な表示装置とすることができる。
【0106】
また、ID格納部4には、外部と通信するためのインターフェースが備えられていてもよい。この場合、コンテンツデータ配信装置10は、通信部8を介さず、ID格納部4のインターフェースを通じて、直接、ディスプレイIDを読み出せばよい。
【0107】
また、コンテンツ配信システム50では、まず表示装置1にコンテンツデータを送信しておき、その後、ディスプレイIDに基づく表示装置1の認証が完了してから、コンテンツデータが表すコンテンツを表示部2に表示させてもよい。他のシステムでも同様である。
【0108】
また、本発明では、表示装置1が、コンテンツデータ配信装置10からの認証を待つのではなく、己の認証を求める信号を、積極的にコンテンツデータ配信装置10に対して発する構成であってもよい。また、表示装置1は、コンテンツデータ配信装置10からのディスプレイID要求信号を受けていない状態では、電源をオフにし、ディスプレイID要求信号を受けてから、自動的に電源をオンにする構成であってもよい。
【0109】
また、コンテンツデータ配信装置10と表示装置1との間の通信は、任意の無線または有線によるものであればよい。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線手段、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線手段によって、コンテンツデータ配信装置10と表示装置1との間における通信を行えばよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、または有機ELディスプレイなどの様々な表示装置として利用可能である。また、これらの表示装置を認証し、選択的にコンテンツデータを配信するコンテンツ配信装置としても利用可能である。さらに、これらの表示装置およびコンテンツ配信装置からなるコンテンツ配信システムとしても利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 表示装置
2 表示部(表示パネル)
4 ID格納部(表示装置識別データ格納部)
6 表示制御部
8 通信部(コンテンツデータ配信手段)
9 無線アンテナ
10 コンテンツデータ配信装置
12 許可IDデータベース
14 通信部(コンテンツデータ配信手段、表示装置識別データ読出手段)
16 ID判定部(コンテンツデータ配信判定手段、配信装置識別データ読出手段)
18 ID格納部(配信装置識別データ格納部)
19 無線アンテナ
20 ID認証サーバ
22 許可IDデータベース
24 通信部
26 ID判定部(コンテンツデータ配信判定手段)
29 無線アンテナ
30 コンテンツデータベース
32 許可IDデータベース(個人データ格納部)
34 許可IDデータベース(配信済データ格納部)
50 コンテンツデータ配信システム
52 コンテンツデータ配信システム
54 コンテンツデータ配信システム
56 コンテンツデータ配信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に固有の、コンピュータによって読み出し可能な表示装置識別データを格納している、読み出し専用の表示装置識別データ格納部を備えており、
上記表示装置識別データ格納部は表示パネル内に直接的に作り込まれていることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−134947(P2010−134947A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4433(P2010−4433)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【分割の表示】特願2004−273913(P2004−273913)の分割
【原出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】