説明

表示装置及びその制御方法

【課題】表示手段を備える第1の筐体と操作手段を備える第2の筐体とが連結され、複数の異なる位置関係とることができる表示装置において、表示手段と操作手段が同時に視認しづらいまたはできにないことがある。
【解決手段】表示装置は、位置関係を検出する検出手段と、検出された第1の筐体と第2の筐体との位置関係に基づいて、検出された位置関係における操作手段の機能と位置を示す表示アイテムを、表示手段のうち、操作手段の位置に対応する位置に表示するように制御する表示制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部と操作部とが可動するように互いに連結した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示部を備える第1の筐体と、操作部を備えた第2の筐体とを、連結部材を介して回動やスライド等の移動ができるように連結した表示装置が普及している。このような表示装置は、例えば折り畳みやスライド可能な携帯電話端末やゲーム機、PDA、ノートパソコン、バリアングル液晶パネルを備えたデジタルカメラやデジタルビデオカメラとして利用されている。このような表示装置として、特許文献1には、二つの回転軸によって筐体を縦開きにも横開きにもできる携帯電話端末が提案されている。また特許文献2には、上側ユニットに設けた表示部を視聴し易い角度に設定して、操作部を設けた下側ユニットを台座として、携帯端末を机上等に配置することが出来るようにすることが提案されている。
このような表示装置の筐体の構成によっては、表示部と操作部が同時に視認しづらい、もしくは視認できない位置関係に配置される場合がある。表示装置で表示を確認しながら操作を行うことを容易にするために、表示部に操作部の位置や状態を表す表示を行うことがある(特許文献3)。あるいは、装置の状態によって操作部の機能割り当てが変わる場合に、その時々で操作部にどの機能が割り当てられているかを、操作部の位置や状態とともに表示部に示すことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-286425号公報
【特許文献2】特開2007-113686号公報
【特許文献3】特開2008−70817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献3では、連結部を介して表示部に対して操作部が可動するように互いの位置関係が変更可能であるような装置は想定されていなかった。このような装置では、表示部と操作部の位置関係の変化に応じて操作部の位置や状態を表す情報の表示が適切に変更されなければ、表示部の表示を確認しながら操作部の操作を容易に行うことは困難となる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本件発明によれば、表示装置は、表示手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体と、第1の筐体と第2の筐体とを連結し、第1の筐体と第2の筐体とを複数の異なる位置関係とすることが可能な連結部と、位置関係を検出する検出手段と、検出手段によって検出した第1の筐体と第2の筐体との位置関係に基づいて、検出された位置関係における操作手段の機能と位置を示す表示アイテムを、表示手段のうち、操作手段の位置に対応する位置に表示するように制御する表示制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
上記本件発明の表示装置によれば、表示部と操作部の位置関係の変化に応じて、操作部の位置や状態を表す情報の表示を適切に変更することができる。これにより、表示部と、連結部を介して表示部に対して可動である操作部とからなる装置において、表示部の表示を確認しながら操作部の操作を行うことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例に係る表示装置を有するデジタルビデオカメラの外形と表示内容を示す図。
【図2】第1の実施例に係る表示装置を有するデジタルビデオカメラのブロック図。
【図3】第1の実施例に係る表示装置を有するデジタルビデオカメラの制御動作のフローチャートを示す図。
【図4】第2の実施例に係る表示装置を有する携帯電話の外形と表示内容を示す図。
【図5】第2の実施例に係る表示装置を有する携帯電話のブロック図。
【図6】第2の実施例に係る表示装置を有する携帯電話の制御動作のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の実施形態
本実施例では、本件発明に係る表示装置の例としてのデジタルビデオカメラの構成と、該デジタルビデオカメラのカメラモードにおける表示動作について説明する。図1を用いて、デジタルビデオカメラにおける第1の筐体(表示手段としてEVFを有する表示部)と第2の筐体(操作手段としてタッチパネルを有する操作部)との位置関係と、その位置関係における表示手段(EVF)の表示内容の例を説明する。図から明らかなように、本実施例に係わるデジタルビデオカメラは、カメラの本体部101とそれに回動可能に連結された操作部105を有する構成を有し、本体部101と操作部105との位置関係に応じて、EVF102とLCDパネル107(タッチパネル108を備える)に図1に示すような表示が行われる。
【0009】
最初に、図1に示されている各要素を説明する。
本体部101はデジタルビデオカメラの本体部である。本体部101は、操作部105に関する表示を行うEVF102(第1の表示手段)を備えた筐体(表示部)である。
EVF102は本体部101に配置された表示手段としての電子ビューファインダー(以下「EVF」と記す。)であり、小型LCDパネルとバックライトで構成することが可能である。EVFパネル102は接眼部より覗き込んで利用される。
EVFボタン103はEVF102の点灯および消灯を切り替えるボタンである。
録画ボタン104はデジタルビデオカメラでの撮影の開始および終了を指示するためのボタンである。
操作部105はタッチパネル108(タッチセンサー)を備えたLCDパネルが配置された筐体であり、本体部に対してはヒンジ部106を介して回動可能に取り付けられている。本実施の形態では、タッチパネル105に対するユーザからの各種操作を受付可能であるため、本体部101(表示部)に対して操作部105と称する。
ヒンジ部106は操作部105を二軸で可動させる連結部であり、操作部105の回転状態を検出するスイッチ(不図示)を備えている。このスイッチにより、筐体である操作部105の本体部101に対する相対的な位置が検出される。
LCDパネル107は操作部105に配置されたLCDパネル(第2の表示手段)である。タッチパネル108はLCDパネル107に重ねられた(一体化された)タッチパネルである。タッチパネル108に対する接触入力(タッチ操作)によって、恰もLCDパネル107に表示された表示アイテムに対して直接操作しているかのようなユーザーインターフェースを提供することができる。
ボタンアイコン109b〜112bはそれぞれ、LCDパネル107に表示されるボタンアイコンである。タッチパネル108のうち、各ボタンアイコンが表示されている位置をタッチすることで、各ボタンアイコンが表す機能を実行することが可能である。ボタンアイコン109bは設定メニューを開くためのボタンを、ボタンアイコン110bはフォーカス調整画面を開くためのボタンを、ボタンアイコン111bは露出調整画面を開くためのボタンを、ボタンアイコン112bは再生モードに遷移するためのボタンをそれぞれ示している。
表示アイテム109a〜112aは、タッチパネル108においてボタンアイコン109b〜112bが表示されている位置を示すガイドをするための表示アイテムである。これによって、ユーザはEVF102を覗いている場合でも、EVF102を見るだけでタッチパネル108のどの位置をタッチすれば目的とする操作を行えるのかを大まかに把握することができる。
ポインタ113はタッチパネル108への入力が検出された位置を示す表示アイテムである。タッチパネルにタッチするとEVF102に現在タッチしている位置を示すポインタ113を表示するので、ユーザはEVF102を覗いている場合でもタッチパネル108のどの位置にタッチしているのかを把握することができる。
立体ガイダンス114は、タッチパネル108全体とその中のボタンアイコンの配置を、本体部101と操作部105との相対位置を鑑みて3次元的な斜視画像によって模式的に表した表示アイテムである。立体ガイダンス114は実際は2次元表示される表示アイテムであるが、ボタンアイコンの奥行き方向の位置関係までわかるように、遠近法を用いて表された斜視図であり、本体部101と操作部105との位置関係に応じて遠近感が変わるように変形して表示される。
【0010】
次に、図1に示されるデジタルビデオカメラの4つの状態とそれぞれにおける表示内容とその表示形態の変更について説明する。図1(a)〜(d)は、それぞれヒンジ部106のスイッチ(不図示)によって判定される4つの状態の例である。本ビデオカメラは図1(a)〜(d)のいずれの状態であっても使用することができるが、図1(a)のときはタッチパネル108を操作することはできない。EVF102は図1(a)〜(d)の4つの状態に関わらず、EVFボタン103によって独立して点灯または消灯を切り替えることができる。
【0011】
図1(a)は、タッチパネル108が内側になるように操作部105が畳まれた状態を示す。EVF表示画面121は図1(a)におけるEVF102の表示内容を示している。このときタッチパネル108は操作部105と本体部101に挟まれており操作できないので、EVF表示画面121にもボタンの位置を表すガイド表示はされない。図において、参照番号が付されていないが、その他の表示要素として、バッテリーの残量を表すアイコンおよび分表記と、撮影時間を表わすタイムコードが表示されている。しかし、これらの表示要素に限られるわけではなく、他の表示要素を表示していてもよい。
【0012】
図1(b)は、図1(a)の状態から操作部105を90度開いた状態であり、EVF102およびLCDパネル107(タッチパネル108)の表示面が同じ方向を向いている。EVF表示画面131は図1(b)におけるEVF102の表示内容を、LCD表示画面132は図1(b)におけるLCDパネル107の表示内容をそれぞれ示している。LCD表示画面132に示すように、LCDパネル107にはボタンアイコン109b〜112bが表示され、このボタンアイコン109b〜112bのいずれかをタッチすることで夫々に割り当てられた機能が発動する。このとき、EVF102にはEVF表示画面131に示すように、LCDパネル107に表示されたボタンアイコン109b〜112bの位置を示す表示アイテム109a〜112aと、バッテリー残量およびタイムコードが表示される。図1(b)の位置関係においては、タッチパネル108とEVF102の表示面が同じ方向を向いているため、タッチパネル108(LCD107)に表示されたボタンアイコン109b〜112bと、EVF102に表示された表示アイテム109a〜112aとの配置順と配置位置関係は同一としている。また、配置位置もタッチパネル108中での相対的な位置とEVF102中の相対的な位置が同じになるようにしている。これにより、ユーザはEVF102を覗き込んでタッチパネル108を視認していない場合でもタッチパネル108に対するタッチ操作を行うことができる。
【0013】
図1(c)は、図1(b)の状態から操作部105をヒンジ部106の周りに180度回転した状態を示し、EVF102およびLCDパネル107(タッチパネル108)の表示面が互いに反対側を向いている。EVF表示画面141は図1(c)におけるEVF102の表示内容を、LCD表示画面142は図1(c)におけるLCDパネル107の表示内容をそれぞれ示している。EVF表示画面141とLCD表示画面142とでは、各ボタンアイコン109b〜112bをLCDパネル107の表示面側から見た表示位置と、各ボタンアイコンに夫々対応する表示アイテム109a〜112aをEVF102の表示面側から見た表示位置とが、左右対称となるように表示されている。すなわち、タッチパネル108(LCD107)の背面から見たボタンアイコン109b〜112bの配置位置と、EVF102を正面から見た表示アイテム109a〜112aとの配置位置の関係(配置順と画面内の相対位置)が同一となるように表示している。したがって、EVF102を覗きながらタッチパネル108を操作する際にも、反対側を向いているタッチパネル108上の各ボタンアイコンと、EVF102に表示された表示アイテムとの配置位置の関係が一致する。よってユーザはEVF102を覗きながらタッチパネル108への操作を行うことができる。なお、タッチパネル108が指やスタイラス等の接触を検出したら、EVF102にはEVF表示画面143のように、接触位置を表すアイコン113が表示される。タッチパネル108はEVF102を覗いている操作者からは直接見えないが、このアイコン113によって操作された位置を分かりやすく示すことができる。すなわち操作者がタッチパネルを見られないことによる手探り感を軽減することが可能となる。また、図1(a)、4(b)と同様に、他の表示要素として、バッテリー残量およびタイムコードも表示される。
【0014】
図1(d)は図1(c)の状態から操作部105を90度畳んだ状態であり、畳まれた操作部105に備えられたLCDパネル107の表示面が外側を向いている。EVF表示画面151は図1(d)におけるEVF102の表示内容を示している。EVF102の表示面とタッチパネル108(LCDパネル107)の表示面は互いに垂直な位置関係となっている。そのため、EVF表示画面151に立体ガイダンス114を表示し、タッチパネル108全体とその中のボタンアイコンの配置を3次元的な画像で表現している。このため、ユーザはEVF102を覗いていてもタッチパネル上のボタンの位置がイメージしやすい。なお、タッチパネル108はEVF102を覗く方向から見て左側に位置しているため、その案内表示である立体ガイダンス114もEVF102の画面内の左側に位置している。一方、LCDパネル107に表示されたボタンアイコンはタッチしてもすぐには機能が発動しない状態とし、LCD表示画面152に示すようにグレーアウトした表示状態となっている。このようにすることで、EVF102の表示面とタッチパネル108の表示面とが異なる方向を向いていることに起因する不用意なタッチでのご操作を防止する。この状態で指やスタイラス等のタッチパネル108に対する接触を検出したら、EVF102の表示内容はEVF表示画面153に、LCDパネル107の表示内容はLCD表示画面154にそれぞれ変化する。そして、タッチパネル108はボタンアイコン109b〜112bに対する操作を受け付ける状態となる。すなわち、LCD表示画面152でグレーアウトしていた各ボタンアイコンを、LCD表示画面154ではグレーアウトせずに表示する。また、EVF表示画面151では立体ガイダンス114で立体的にボタンアイコンの位置を示していたが、EVF表示画面153では図1(b)と同じ表示内容とし、平面的に各ボタンアイコンの位置を示す。アイコン113はこのときタッチパネル108が接触を検出した位置を表しており、引き続き操作されればその都度表示位置が更新される。操作されないまま所定時間が経過すると、EVF102の表示内容はEVF表示画面153からEVF表示画面151へ、LCDパネル107の表示内容はLCD表示画面154からLCD表示画面152へそれぞれ戻る。いずれの画面においても、図1(a)、(b)、(c)と同様に、他の表示要素としてバッテリー残量およびタイムコードが表示されている。
【0015】
ところで、図1(d)のときはタッチパネル108さえ機能していれば、必ずしもLCDパネル107のバックライトは点灯していなくてもよい。点灯していない場合は、EVFボタン103が押下されEVF102が消灯されたら、LCDパネル107は直ちに点灯し、LCD表示画面154が表示される構成としてもよい。
【0016】
続いて、図2に、本実施形態におけるデジタルビデオカメラの構成要素を表すブロック図を示す。なお、図1に示されている構成要素と同じ構成要素には同一の番号を付し、その説明は省略する。
レンズ201はレンズであり、撮像センサ202はレンズで集めた光を電気的な映像信号に変換する撮像センサである。
映像処理部203は、撮像センサ202からの映像信号を最適に加工する映像処理部である。
CPU204は、本ビデオカメラ全体の動作を司るCPUである。特に、EVFボタン103の押下やヒンジ部106内のLCD位置検出スイッチの状態を取得することはCPU204による制御によって行われる。また、タッチパネルの入力の取得、取得情報に応じたEVF102やLCDパネル107の点灯/消灯の切り替え、ボタン等の画面表示指示を後述の表示制御部に与えることもCPU204による制御によって行われる。
エンコーダ・デコーダ部205は、映像処理部203から出力された映像信号をエンコードしたり、エンコードされた映像データをデコードしたりするためのエンコーダ・デコーダ部である。
動画記憶部206は、エンコードされた映像データを記憶するための記憶媒体である。動画のほかに静止画等も記憶される。
一時記憶部207は、映像処理部203、CPU204および後述する表示制御部209のワーク領域として利用される一時記憶部である。
プログラム・データ記憶部208は、CPUの使用するプログラムやデータが記憶されたプログラム・データ記憶部である。
表示制御部209は、EVF102およびLCDパネル107に表示する映像信号をそれぞれ生成するための表示制御部である。
【0017】
図2においては、上記で説明した201〜209の構成要素およびEVF102およびEVFボタン103および録画ボタン104が本体部101に含まれる。LCDパネル107およびタッチパネル108は操作部105に含まれ、本体部101と操作部105の間にヒンジ部106が存在している。しかし、EVF102およびヒンジ部106およびLCDパネル107およびタッチパネル108を除く構成要素は、本体部101あるいは操作部105のいずれに存在してもかまわない。例えば、録画ボタン104は本体部102ではなく操作部105内に取り付けられてもかまわない。あるいは、表示制御部209が2つ存在し、一方が本体部101内でEVF102を制御し、もう一方が操作部105内でLCDパネル107を制御するような構成であってもかまわない。
【0018】
次に、図3について説明する。図3は、本実施例においてCPU204が各構成要素を制御する動作を示したフローチャートである。CPU204はこのフローで表されたプログラムおよびデータをプログラム・データ記憶部208から読み出し、一時記憶部207に展開して実行する。また、このフロー内に含まれる表示命令はいずれも次のような過程を経て成立する。CPU204が一時記憶部207内に定義された表示フレームメモリ領域にボタン等の画面要素を表すデータを書き込み、それを表示制御部209が読み出す。次いで、読み出したデータに基づいてEVF102およびLCDパネル107に適切な映像信号を出力する過程である。
【0019】
S300は初期化処理である。変数counterに初期値0を代入している。
S301では、EVFボタン103が押されたか否かを判定する。(点灯検出手段)。EVFボタン103が押されていればS302に進み、EVFボタン103が押下されていなければS305に進む。
S302では、EVF102が点灯中であるか否かを判定する。点灯していないと判定した場合はS303に進んでEVF102を点灯し、S302で点灯していないと判定した場合はS304に進み、EVF102を消灯する。
S305、S307、S310では、操作部105と本体部101との位置関係がどうなっているかを判定する。
S305では、操作部105が図1(a)の状態であるか否かを判定し、図1(a)の状態であればS306に進んで、EVF102に図1(a)のEVF表示画面121の表示内容を表示する。
S307では、操作部105が図1(b)の状態であるか否かを判定し図1(b)の状態であればS308に進んでEVF102に図1(b)のEVF表示画面131の表示内容を表示し、さらにS309でLCDパネル107に図1(b)のLCD表示画面132の表示内容を表示する。
【0020】
S310では、操作部105が図1(c)の状態であるか否かを判定し、図1(c)の状態であればS311に進み、そうでなければS315に進む。
S311では、タッチパネル108に対する指やスタイラス等の接触入力を受け付けたか否かを判定する。接触入力を受けていれば、S313に進み、EVF102に図1(c)のEVF表示画面143の表示内容を表示し、接触入力を受けていなければS312に進み、図1(c)のEVF表示画面141の表示内容をEVF102に表示する。いずれの場合も、続くS314でLCDパネル107に図1のLCD表示画面142の表示内容を表示する。
【0021】
S310の分岐判断結果が「no」である場合、操作部105は図1(d)の状態であると判断できる。その場合、まずS315でEVF102が点灯中であるか否かを判定し、点灯していなければS316でLCDパネル107に図1(d)のLCD表示画面154の表示内容を表示する。
【0022】
S315でEVF102が点灯中と判定した場合は、S317でタッチパネル108が指やスタイラス等の接触による入力を受け付けたか否かを判定する。接触入力があると判定した場合はS318で変数counterに所定時間の値xを代入する。値xは、EVF102とLCDパネル107の表示切替期間を判断するためのカウンタ値として適宜設定される値であり、後述するようにS322でデクリメントされてタッチパネルへの入力の受付なしの期間の計測を実現する。
【0023】
S319では変数counterの値が0であるか否かを判定する。値が0でないと判定するとS320に進み、値が0であると判定するとS323に進む。
S320では、EVF102に図1(d)のEVF表示画面153の表示内容を表示し、さらにS321でLCDパネル107に図1(d)のLCD表示画面154の表示内容を表示する。その後、S322で変数counterをデクリメントする。
S323では、EVF102に図1(d)のEVF表示画面151の表示内容を表示し、さらにS324でLCDパネル107に図1(d)のLCD表示画面152の表示内容を表示する。
【0024】
以上の処理により、デシタルビデオカメラの操作部と本体部がいずれの位置関係であっても、EVF102の表示を見てタッチパネル108に配置されたボタンアイコンの位置を把握することができる。また、EVF102が消灯していても、LCDパネル107が露出していればその表示を確認することができるので、操作部の操作を容易に行うことができる。
【0025】
第2の実施形態
本実施例では、本発明に係る表示装置を携帯電話に適用した例を説明する。特にEメール作成時の動作について説明する。なお、本実施例の携帯電話は、本体部に対してLCDパネル部が2つの方向に開くヒンジ部を備えている構成を有している。
【0026】
図4は、携帯電話のLCDパネル部が開いた状態のときの外形と、それぞれの状態における表示内容の例を表している。
まず、図4に示される各要素について説明する。表示部401は、第1の表示手段としてのLCDパネル402を備える第1の筐体であり、第1の実施形態の本体部101に相当する。操作部403は各種操作ボタンを備える第2の筐体であり、第1の実施形態の操作部105に相当する。表示部401と操作部403はヒンジ部404によって回動可能に連結されている。ヒンジ部404は表示部401と操作部403とを2軸で回動可能に連結している。これによって表示部401と操作部403とは図4(a)と図4(b)の位置関係とすることが可能であるが、いずれの位置関係となっているかを検出する位置検出スイッチを備えており、いずれの位置関係となっているかは検出可能である。記号Aと記号BはLCDパネル402における固定点を示している。図4(a)における記号Aの位置と図4(b)における記号Aの位置はLCDパネル402における同一の位置である。同様に、図4(a)における記号Bの位置と図4(b)における記号Bの位置はLCDパネル402における同一の位置である。
ボタン405〜407はそれぞれ操作部403に備えられた操作部材であり、ボタン405には入力の文字種を切り替える機能、ボタン406には入力を確定する機能、ボタン407にはサブメニューを開く機能がそれぞれ割り当てられている。
表示アイテム408〜410はそれぞれLCDパネル402上に表示される表示アイテムであり、ボタン405〜407の機能と位置をそれぞれ示しているガイド表示である。
【0027】
次に、図4で表された携帯電話の2つの状態とそれぞれの表示内容とその表示形態の変更について説明する。
【0028】
図4(a)は表示部401と操作部403が、短辺を接するようにして開かれた状態である。表示画面4aは図4(a)の状態におけるLCDパネル402の表示内容を示している。ここで、ボタンの位置を示すガイド表示は、ボタン操作の補助情報となるために、できるだけそのボタンの近傍に表示されることが望ましい。そのため本実施の形態では、LCDパネル402上の表示アイテム408〜410は、LCDパネル402の表示面のうちボタン405〜407に最も近い位置に表示され、それぞれの機能と配置位置関係を示している。すなわち、ボタン405に最も近い位置にボタン405の機能を示す表示アイテム408を、ボタン406に最も近い位置にボタン406の機能を示す表示アイテム409を、ボタン407に最も近い位置にボタン407の機能を示す表示アイテム410を表示する。従って記号Aの位置から記号Bの位置に向かう方向においては、表示アイテム408、409、410の順で配置される。なお、図では参照番号を付していないが、表示内容のその他の要素として、画面の内容を表すタイトル文字列、編集中のメール文書、編集位置を表すカーソルが表示されている。しかし、これらに限るものではなく、他の表示要素を表示することも可能である。
【0029】
図4(b)は表示部401と操作部403が、長辺を接するようにして開かれた状態である。表示画面4bは図4(b)におけるLCDパネル402の表示内容を示している。LCDパネル402上の表示アイテム408〜410は、図4(a)の状態と同様にボタン405〜407の機能と位置をそれぞれ示しており、表示アイテム408〜410はボタン405〜407に近い位置に表示されている。また、配置順がボタン405〜ボタン407の配置順に対応した配置順となっており、位置Aから位置Bに向かう方向では、表示アイテム410、409、408の順に配置して表示される。すなわち図4(a)とは異なる配置順である。表示内容のその他の要素として、図4(a)と同じく、タイトル文字列、メール文書、カーソルが表示されている。この場合も、これらの表示要素に限るものではなく、他の表示要素を表示することも可能である。
【0030】
続いて、図5に本実施形態における携帯電話の構成要素を表すブロック図を示す。図4に示されている構成要素と同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
アンテナ501は無線通信(電話通信を含む)のためのアンテナである。
無線制御部502はアンテナ501で送受信するアナログ波をデジタルデータに変換する無線制御部である。
CPU503は、本携帯電話全体の動作を司るCPUである。特に、ボタン405〜407を含むボタン群の押下やヒンジ部404内の位置検出スイッチの状態を検出したり、表示アイテム408〜410として前述したボタンガイド等の画面表示指示を後述の表示制御部509に与えたりするのは、いずれもCPU503の制御による。
一時記憶部504は、無線制御部502やCPU503、後述する音声制御部506および表示制御部509の作業領域として利用される一時記憶部である。
プログラム・データ記憶部505は、CPU503の使用するプログラムやデータが記憶されたプログラム・データ記憶部である。
音声制御部506は、音声通話や着信音などの機能において音声データと音声波形を相互変換するための音声制御部であり、マイク507とスピーカ508が接続されている。
表示制御部509は、LCDパネル402に表示する映像信号をそれぞれ生成するための表示制御部である。
【0031】
図5においては、上記で説明した501〜509の構成要素およびボタン405〜407が操作部403に含まれ、LCDパネル402が表示部401に含まれ、操作部403と表示部401の間にヒンジ部404が介在している。しかし、LCDパネル402、ヒンジ部404およびボタン群のうちのボタン405〜407を除く構成要素は、操作部403あるいは表示部401のいずれに存在してもかまわない。例えば、アンテナ501および無線制御部502は操作部403ではなく表示部401内に取り付けられてもかまわない。あるいは、表示制御部509が表示部401内に含めてもかまわない。
【0032】
次に、図6について説明する。図6は、本実施例においてCPU503が図5に示す各構成要素を制御する動作を示したフローチャートである。CPU503はこのフローが表されたプログラムおよびデータをプログラム・データ記憶部505から読み出し、一時記憶部504に展開して実行する。また、このフロー内に含まれる表示命令はいずれも次の過程により成立する。CPU503が一時記憶部504内に定義された表示フレームメモリ領域にボタンガイド等の表示内容要素を表すデータを書き込み、それを表示制御部509が読み出す。そして、読み出したデータに基づいてLCDパネル402に適切な映像信号を出力する過程である。
【0033】
S601、S603はいずれも表示部401と操作部403との位置関係を、ヒンジ部404に含まれる位置検出スイッチからの信号により判定する。
S601では表示部401と操作部403との位置関係が図4(a)の状態であるか否かを判定し、図4(a)の状態であればS602でLCDパネル402に図4の表示画面4aの表示内容を表示する。
S603は表示部401と操作部403との位置関係が図4(b)の状態であるかを判断し、図4(b)の状態であればS604でLCDパネル402に図4の表示画面4bの表示内容を表示する。すなわち、位置検出手段によって検出された表示部の表示面と筐体表面との位置関係に基づいて、操作部のガイドとして表示する表示アイテムの表示位置を決定している。
S603で図4(b)の状態でないと判断したときは、表示部401の表示面が操作部403の操作面と対面して重なるように折りたたまれた状態(不図示)であるとみなしている。そのような状態のときLCDパネル402は外側に露出しないので、表示制御は行わない。
【0034】
以上説明した処理によって、表示部401と操作部403の位置関係が図4のいずれの状態であっても、ボタン405〜407のガイド表示である表示アイテム408〜410が、LCDパネル402のうちボタン405〜407に近い位置に表示される。また、表示アイテムの配置順は、ボタンの配置順に対応した順となっている。このためユーザは、表示アイテム408〜410を確認することで、ボタン405〜407に割り当てられた機能と各ボタンの位置を、より容易に、より確実に認識することができる。
【0035】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。特に、CPUによる装置全体の制御は、1つのハードウェアで行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することでおこなっていてもよい。
【0036】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルビデオカメラおよび携帯電話に適用した場合を例にして説明したが、本件発明はこれらの例に限定されない。すなわち、本発明は、表示部と操作部とが可動するように互いに連結される表示装置であれば適用可能である。例えば、バリアングルモニタを有するデジタルスチルカメラ、携帯型の画像ビューワ、ゲーム機、デジタルフォトフレーム等の表示装置にも本発明は適用可能である。連結の仕方は上述の各実施形態で説明した回動可能に連結されたものとスライドするように連結されるものに限らず、他の連結の仕方でもよい。例えば、一旦操作部と表示部とを取り外してから位置関係を変更して連結する着脱自在なものでも良い。
【0037】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能な表示装置を有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。従って、本発明の機能処理を装置で実現するために、該装置に供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあった装置がコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を備える第1の筐体と、
操作手段を備える第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを複数の異なる位置関係とすることが可能な連結部と、
前記位置関係を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出した前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係に基づいて、該位置関係における前記操作手段の機能と位置を示す表示アイテムを、前記表示手段のうち、前記操作手段の位置に対応する位置に表示するように制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
該検出手段が該操作手段が露出した状態で該第2の筐体が該第1の筐体へ畳まれたことを検出したことに応じて、該表示制御手段は該操作手段の機能と位置を示す表示アイテムの表示形態を該第2の筐体の畳まれた状態を示す表示形態に変更することを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
該検出手段が該第1の筐体と該第2の筐体が互いに対面して配置されていることを検出したときは、該表示制御手段は該表示手段における該表示アイテムの表示形態の制御を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
該表示制御手段が、該第2の筐体が畳まれた状態を示す表示形態で該表示アイテムを該表示手段に表示させているときに該操作手段が操作されたことに応じて、該表示制御手段は該第2の筐体が畳まれた状態を示す表示形態を該検出手段によって検出された該第1の筐体と該第2の筐体の位置関係に基づく表示形態に変更することを特徴とする、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
タッチセンサーと、
該操作手段を該タッチセンサーに設定する設定手段をさらに備え、
該タッチセンサーが該タッチセンサーへの操作を検出したとき、該表示制御手段は、操作されたことを示す情報を操作が検出された位置に対応する該表示手段における位置に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表示装置と、
タッチセンサーと、
該操作手段を該タッチセンサーに設定する設定手段と、
該タッチセンサーと一体化した第2の表示手段と、
撮像手段を備え、
該表示制御手段は、該操作手段の位置を示す情報を第2の表示手段に表示し、
該タッチセンサーと該第2の表示部が該第2の筐体に配置されていること
を特徴とする撮像装置。
【請求項7】
該表示手段が点灯しているかどうかを検出する点灯検出手段を備え、
該点灯検出手段が、該表示手段が点灯していないことを検出したときは、該表示制御手段は該操作手段の機能と位置を示す該表示アイテムを該第2の表示手段に表示させ、該表示手段が点灯していることを検出したときは、該表示手段の表示形態とは異なる表示形態で、該操作手段の機能と位置を示す該表示アイテムを該第2の表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
該第2の表示手段が該表示手段とは異なる表示形態で該操作手段の機能と位置を示す該表示アイテムを表示しているときに該操作手段が操作されたことに応じて、該表示制御手段は、該表示手段および該第2の表示手段に、該操作手段の機能と位置を示す該表示アイテムを同じ表示形態で表示することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
表示手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを複数の異なる位置関係とすることが可能な連結部と、前記位置関係を検出する検出手段とを有する表示装置の制御方法であって、
前記検出手段によって検出した前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係に基づいて、該位置関係における前記操作手段の機能と位置を示す表示アイテムを、前記表示手段のうち、前記操作手段の位置に対応する位置に表示するように制御する表示制御ステップ
を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項10】
表示手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを複数の異なる位置関係とすることが可能な連結部と、前記位置関係を検出する検出手段とを有するコンピュータを、
前記検出手段によって検出した前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係に基づいて、該位置関係における前記操作手段の機能と位置を示す表示アイテムを、前記表示手段のうち、前記操作手段の位置に対応する位置に表示するように制御する表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−221221(P2011−221221A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89309(P2010−89309)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】