説明

表示装置

【課題】表示素子にメモリ性が無い、若しくはく表示素子のメモリ性が弱いことにより、電源供給が途切れた際に表示が消えたとしても、表示する画像のデータが消えない、すなわち、再び電源が供給されれば元の画像を表示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】不揮発性メモリを有する画素を用いることによって、無線通信装置との無線通信範囲外まで移動させることで電力の供給が絶たれても、表示画像が消えてしまうと共に画像データも失われることを防ぐ。具体的には、画素を有する表示部と、該表示部の駆動を制御する駆動回路とを有し、さらに該画素は、無線通信装置から無線で送られてくる画像信号を記憶することができる不揮発性メモリと、該画像信号に従って表示を行う表示素子とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によって駆動の制御が可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁界又は電波等の無線通信を利用した個体識別技術が注目を集めている。特に、無線通信によりデータの更新を行う半導体装置として、RFID(Radio Frequency Identification)タグを利用した個体識別技術が注目を集めている。RFIDタグ(以下、単にRFIDという)は、IC(Integrated Circuit)タグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグとも呼ばれる。RFIDを用いた個体識別技術は、個々の対象物の生産、管理等に役立てられ始めており、個体認証への応用も期待されている。
【0003】
RFIDには、情報を含んだ電磁波を送信することが可能な外部からの電磁波(搬送波)の電力を利用して駆動するパッシブタイプ(受動タイプ)がある(特許文献1を参照)。パッシブタイプにおいては、RFIDを駆動するための電源を外部からの電磁波(搬送波)の電力を利用して作り出し、電池を備えることのない構成を実現している。
【0004】
また、パッシブタイプのRFIDの応用として、無線通信によって画像信号を直接表示装置に送信する表示装置も注目を集めている(特許文献2を参照)。上記表示装置は、無線通信装置との無線通信が可能な距離にあることが前提であり、無線通信装置との距離によっては電力を受信することができなくなるため、常に無線通信可能な距離を保つという制限がある。
【0005】
一方、表示装置は、紙の代替を狙ったペーパーライクディスプレイなどの開発が活発に進められている。これらでは、消費する電力を極力抑えることが望ましい。
【0006】
ペーパーライクディスプレイには、メモリ性のある材料のものも存在するが、中にはメモリ性が比較的弱いものがある場合や、双安定性を持ったものでも電圧を印加していない場合にはその2状態の間のエネルギーギャップが小さい場合が多いので環境によっては表示の安定性が低いという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特表2006−503376号公報
【特許文献2】特開2006−018132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
RFIDタグは、無線通信装置から送信される電磁波(搬送波)を受信する距離が遠くなるほど供給される電力が少なくなり、無線通信範囲外では電力が供給されなくなる。また、用途によっては、RFIDタグと無線通信装置の無線通信距離が長距離であるものが求められる場合もあり、長距離無線通信を行う場合の受信電力問題を無視することはできない。
【0009】
一方、表示装置は、トランジスタによって形成された駆動回路とコントローラIC等が、FPC等を介して初めて動作を制御できるようになるため、FPC等の有線ケーブルの形状によって、その自由度が制限される。
【0010】
無線通信によって画像信号の受信及び、電力の供給が行われる表示装置は、表示画像を維持するには常に無線通信が可能な距離を保つ必要がある。表示装置を無線通信装置との無線通信範囲外の距離まで移動させると、電力の供給が絶たれ、表示画像が消えてしまうと共に画像データも失われる。表示素子にメモリ性がある場合には表示は保持されるが、メモリ性が弱かったり、使う環境によっては表示画像が崩れ画像データが失われたりすることがある。
【0011】
本発明は、FPC等の有線ケーブルを介さずに駆動させることができ、なおかつその表示画像を無線通信装置との無線通信範囲外でも維持できる表示装置の提供を課題とする。
【0012】
さらに本発明は、表示素子にメモリ性が無い、若しくは表示素子のメモリ性が弱いことにより、電源供給が途切れた際に表示が消えたとしても、表示する画像のデータが消えない、すなわち、再び電源が供給されれば元の画像を表示することができる表示装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
無線通信によって画像信号の受信及び電力の供給が行われる表示装置は、表示画像を維持するには常に無線通信が可能な距離を保つ必要があるが、本発明の表示装置は、不揮発性メモリを有する画素を用いることによって、無線通信装置との無線通信範囲外まで移動させることで電力の供給が絶たれても、表示画像が消えてしまうと共に画像データも失われることを防ぐ。具体的に本発明の表示装置は、画素を有する表示部と、該表示部の駆動を制御する駆動回路とを有し、さらに該画素は、無線通信装置から無線で送られてくる画像信号を記憶することができる不揮発性メモリと、該画像信号に従って表示を行う表示素子とを有する。
【0014】
また本発明の表示装置は、無線通信装置から無線で送られてくる電力を用いて電気エネルギーを蓄えることができる無線充電装置を有する。具体的に無線充電装置は、電波を受信して交流電圧を生成するアンテナ回路と、該交流電圧を整流することで直流電圧を生成する整流回路と、生成された余剰電力を蓄積する充電回路と、生成された電力を駆動回路や表示部に供給するか、充電回路に供給するかを決める電源制御回路とを有する。無線充電装置に蓄えられた電気エネルギーは、駆動回路または表示部に供給することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、表示装置の画素に不揮発性メモリを用いることで、無線通信装置から受信した画像信号を保持することができる。このとき、必ずしも表示装置と無線通信装置の間で無線通信を行う必要はなく、一度画像信号を受信しておけば、電源が供給されていれば表示素子にメモリ性がなくても画像表示を維持することができ、たとえ電源が切れたとしても画像信号に対応した表示データを維持することができる。
【0016】
本発明は、無線通信装置から無線信号を受信し、無線充電装置への充電を行うことができる。また、充電が完了した無線充電装置は、放電動作により電源として振る舞い、表示装置を駆動させることができる。このとき、必ずしも表示装置と無線通信装置の間で無線通信を行う必要はない。
【0017】
本発明の表示装置は、画素に不揮発性メモリを用い、無線充電装置を有することで、無線通信装置から受信した画像信号データを不揮発性メモリで保持し、同時に無線充電装置の充電を行う。充電された無線充電装置は、放電動作により電源として振る舞い、表示装置を駆動させることができる。このとき、必ずしも表示装置と無線通信装置の間で無線通信を行う必要はなく、表示装置が無線通信装置との無線通信範囲外にあっても、不揮発性メモリで保持している画像信号データと、無線充電装置からの電力供給によって、独立して表示装置を駆動させることができる。また、たとえ無線充電装置からの電力供給が無くなったとしても不揮発性メモリで保持している画像信号データは消えないので、電力さえ供給されれば、保持されたデータの表示を行うことができる。
【0018】
本発明は、表示装置の画素に不揮発性メモリを用いているので電源供給が途切れ表示素子にメモリ性が無くて表示が消えたとしても、表示する画像のデータが消えないこと、すなわち、再び電源が供給されれば元の画像を表示することができる。
【0019】
本発明は、表示装置の画素に不揮発性メモリを用いているので電源供給が途切れ、かつ、表示素子のメモリ性が弱いことによって表示が崩れたとしても、表示する画像のデータを保持すること、すなわち、再び電源が供給されれば元の画像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0021】
アンテナと無線通信装置間で送受信される搬送波の周波数は、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、それぞれISO規格などで設定される。勿論、アンテナと無線通信装置間で送受信される搬送波の周波数はこれに限定されず、例えばサブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3MHz、長波である30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれの周波数も用いることができる。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってもよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。好ましくは、振幅変調又は周波数変調にするとよい。
【0022】
また、本発明に用いることのできるアンテナの形状については特に限定されない。そのため、伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又は電波方式、光方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さ及び形状を有するアンテナを設ければよい。本発明では信号の伝送方式として、電波方式を用いることができ、更にはマイクロ波方式を用いることができる。
【0023】
伝送方式として電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)又はらせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
【0024】
伝送方式として電波方式の一種であるマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)又は2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよい。アンテナとして機能する導電膜を例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状又はこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
【0025】
本明細書において、TFTのソース及びドレインは、TFTの構成上、ゲート以外の電極を便宜上区別するために採用されている名称である。本発明において、TFTの極性に限定されない構成の場合、その極性を考慮すると、ソース及びドレインの名称は変化する。そのため、ソース又は、ドレインを一方の電極及びもう一方の電極のいずれかとして記載することがある。
【0026】
また本発明に用いることのできる表示素子についても特に限定されない。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の表示装置の構成と動作について説明する。
【0028】
図1に本発明の表示装置A10のブロック図の一例と、無線通信装置A01とを示す。なお無線通信装置A01は、表示装置に映像信号及び電気エネルギーを供給する機能を有するものであれば良く、その機能のみを有するものの他、その機能を有するハードウエア及び、又はソフトウエアを搭載したコンピュータや携帯電話機に代表される携帯情報端末などであっても良い。
【0029】
本発明の表示装置A10は、少なくとも表示部A02、駆動回路A17、無線充電装置A16を有する。さらに本発明の表示装置A10は、アンテナ回路A05、信号処理回路A09、電源選択回路A13を有していても良い。
【0030】
信号処理回路A09は、復調回路A07、整流回路A06、制御部A08を有する。また無線充電装置A16は、整流回路A06と、電源制御回路A15と、充電回路A11と、電源回路A12とを有している。また、電源生成部A14は、電源回路A12、電源制御回路A15、充電回路A11、電源選択回路A13を有する。
【0031】
無線通信装置A01から送信される変調された搬送波(以下、無線信号ともいう)をアンテナ回路A05が受信する。通常、無線信号は13.56MHz、915MHzなどのキャリアを振幅変調、位相変調などの処理をおこなって送られてくる。充電のための信号と、通信のための信号とを同一の周波数帯にすることでアンテナ回路A05を共有にすることができる。アンテナ回路A05を共有化することにより、表示装置A10の小型化を達成することができる。
【0032】
アンテナ回路A05で受信した無線信号は、整流回路A06、電源制御回路A15、電源回路A12を経て、定電圧を生成する。生成された定電圧は電源選択回路A13に供給される。
【0033】
無線通信装置A01から送信される無線信号から生成された電力は、表示装置A10の中の回路で消費されるが、余剰電力は、生成された電力を駆動回路や表示部に供給するか、充電回路に供給するかを決める電源制御回路A15を経て、生成された余剰電力を蓄積する充電回路A11に供給される。また、表示装置A10の中の回路での電力が不足している場合には、充電回路A11から、電力を補給することもできる。
【0034】
電源回路A12は、必要な電源をレギュレータやDC−DCコンバータなどを用いて生成する。
【0035】
電源選択回路A13は、制御部A08からの信号に従って、電源回路A12から供給された電源を信号線制御回路A04、走査線制御回路A03に分配する。
【0036】
走査線制御回路A03、信号線制御回路A04は、制御部A08からの信号と電源選択回路A13から供給された電源を用いて表示部A02に適切な電位を供給する。
【0037】
表示部A02に所望の画像のデータを表示する際には、所定の電圧が、走査線制御回路A03、信号線制御回路A04を介して画素に供給される。
【0038】
次に、この表示装置に用いる画素に用いられる不揮発性メモリの特性について図2を用いて説明する。2つの曲線はそれぞれデータ1が格納されている場合とデータ0が格納されている場合を表している。データ0が格納されている場合の特性曲線201から浮遊ゲートに電子を注入しデータ1が格納されている場合の特性曲線202に遷移させることを書き込みといい、逆にデータ1が格納されている場合の特性曲線202から浮遊ゲートから電子を引き抜きデータ0が格納されている場合の特性曲線201に遷移させることを消去するという。以下では、コントロールゲート電極とソース電極、ドレイン電極に2VH(>0)の電位をかけるとデータ1が書き込まれ、逆に−2VHがかけられるとデータ0が格納されるとする。
【0039】
次に、この表示装置に用いる画素の一例について図3を用いて説明する。
【0040】
画素は、第1のカラム線2001、第2のカラム線2002、第1の走査線2003、第2の走査線2004、対向電極2005、表示素子2006、メモリ素子2007、第1のトランジスタ2008、第2のトランジスタ2009、インバータ2010を有する。またインバータ2010は、第3のトランジスタ2011、第4のトランジスタ2012、第1の高電位電源線2013、第1の低電位電源線2014を有する。
【0041】
メモリ素子2007のコントロールゲート電極には第1の走査線2003が電気的に接続され、一方の電極には、第2のカラム線2002が電気的に接続されている。第1のトランジスタ2008と第2のトランジスタ2009は直列に接続されている。具体的には、トランジスタ2008のゲート電極にはインバータ2010の出力端子が電気的に接続され、一方の電極には第1のカラム線2001が電気的に接続され、もう一方の電極にはトランジスタ2009の一方の電極が接続されている。トランジスタ2009のゲート電極には第2の走査線2004が電気的に接続されもう一方の電極にはメモリ素子2007のもう一方の電極と表示素子の第2の端子とインバータ2010の入力端子が接続されている。表示素子2006の第1の端子には、対向電極2005が電気的に接続されている。また、トランジスタ2011のゲート電極はトランジスタ2012のゲート電極と電気的に接続され、一方の電極は高電位電源線2013と電気的に接続されている。トランジスタ2012の一方の電極は低電位電源線2014と電気的に接続され、もう一方の電極は、トランジスタ2011のもう一方の電極と電気的に接続されている。
【0042】
次に、画素の動作について、図4から図7を用いて説明する。ここでは、対向電極の電位が表示素子の第2の端子の電位よりも低い時に白、逆に高いときに黒が表示されるとする。また高電位電源の電位をVDD、低電位電源線の電位をVSS、対向電極の電位をVCOMとし、VCOM=(VDD−VSS)/2 (>0)とする。またメモリ素子の特性は、図2に示されたようなものとする。さらにここでは簡単のため、VSSの電位を0とする。
【0043】
図4は、画素に白を表示させる場合の電位の関係を表している。第1のカラム線2001の電位はVDD、第2のカラム線2002の電位はVSS、第1の走査線2003の電位はVGMである。第2の走査線2004の電位は、一旦VDDとしその後VSSとすることが望ましい。また、メモリ素子2007はデータが0である、つまり消去された状態である。このとき、メモリ素子2007はオンし、表示素子の第2の端子の電位はVSSとなる。また、トランジスタ2008のゲート電極の電位はVDDとなるのでトランジスタ2008はオフとなる。この結果、表示素子の第1の端子と第2の素子の間には(VDD−VSS)/2の電位がかかり、白が表示される。
【0044】
図5は、画素に黒を表示させる場合の電位の関係を表している。第1のカラム線2001の電位はVDD、第2のカラム線2002の電位はVSS、第1の走査線2003の電位はVGMである。第2の走査線2004の電位は、一旦VDDとしその後VSSとすることが望ましい。また、メモリ素子2007はデータが1である、つまり書き込みされた状態である。このとき、メモリ素子2007はオフし、表示素子の第2の端子の電位はVDDとなる。また、トランジスタ2008のゲート電極の電位はVSSとなるのでトランジスタ2008はオンとなる。この結果、表示素子の第1の端子と第2の素子の間には(VSS−VDD)/2の電位がかかり、黒が表示される。
【0045】
図6は、画素にデータ1を書き込む場合の電位の関係を表している。第1のカラム線2001の電位は−VH(またはVSS)、第2のカラム線2002の電位は−VH、第1の走査線2003の電位はVH、第2の走査線2004の電位はVSSである。このときメモリ素子2007のコントロールゲートとソース、ドレイン端子間には2VHの電位がかかりデータ1が格納される。
【0046】
図7は、画素にデータ0を書き込む場合の電位の関係を表している。第1のカラム線2001の電位はVH、第2のカラム線2002の電位はVH、第1の走査線2003の電位は−VH、第2の走査線2004の電位はVSSである。このときトランジスタ2008、トランジスタ2009は共にオンになりメモリ素子2007のソース、ドレイン端子は共にVHとなる。この結果メモリ素子2007のコントロールゲートとソース、ドレイン端子間には−2VHの電位がかかりデータ0が格納される。
【0047】
画素は、この構成に限定されない。例えば、トランジスタ2008とトランジスタ2009の位置は逆でもよい。
【0048】
また、表示素子、表示装置も、様々な形態を用い、様々な素子を有することが出来る。例えば、表示素子、表示装置、発光素子または発光装置としては、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブ、など、電気磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を用いることができる。
【0049】
なお、EL素子を用いた表示装置としてはELディスプレイ、電子放出素子を用いた表示装置としてはフィールドエミッションディスプレイ(FED)やSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Disply)など、液晶素子を用いた表示装置としては液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)、電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置としては電子ペーパーがある。
【0050】
また、充電回路も、様々な形態を用い、様々な素子を有することが出来る。例えば、電気二重層キャパシタ、アルカリイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池を用いることができる。
【0051】
また、上記の例では、モノクロ、2階調表示の場合であるが、カラーフィルタなどを用いてカラー表示にしても良いし、面積階調表示などによって多階調を表示しても良い。
【0052】
(実施の形態2)
本実施形態では、本発明の表示装置に搭載可能な不揮発性メモリの一構成例について図面を用いて説明する。図8に本実施形態における不揮発性メモリの断面図について示す。この不揮発性メモリは、絶縁表面を有する基板10を用いて作製されている。絶縁表面を有する基板10としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。
【0053】
この絶縁表面を有する基板10上に半導体膜14が形成されている。基板10と半導体膜14の間には、下地絶縁膜12を設けても良い。この下地絶縁膜12は、基板10から半導体膜14へアルカリ金属などの不純物が拡散して汚染することを防ぐものである。また下地絶縁膜12は、ブロッキング層として適宜設けてもよい。
【0054】
下地絶縁膜12としては、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、下地絶縁膜12を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。
【0055】
半導体膜14は、単結晶半導体又は多結晶半導体で形成されたものを用いることが好ましい。例えば、基板10上にスパッタリング法、プラズマCVD法若しくは減圧CVD法によって基板10の全面に形成された半導体膜を結晶化させた後、選択的にエッチングして半導体膜14を形成することができる。すなわち、素子分離の目的から、絶縁表面に島状の半導体膜を形成し、該半導体膜に一又は複数の不揮発性メモリを形成することが好ましい。半導体材料としては、シリコンが好ましく、その他にシリコンゲルマニウム半導体を用いることもできる。半導体膜の結晶化法としては、レーザー結晶化法、瞬間熱アニール(RTA)又はファーネスアニール炉を用いた熱処理による結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる結晶化法又はこれら方法を組み合わせて行う方法を採用することができる。また、このような薄膜プロセスに換えて、絶縁表面に単結晶半導体膜を形成した所謂SOI(Silicon on Insulator)基板を用いても良い。
【0056】
このように、絶縁表面に形成された半導体膜を島状に分離形成することで、同一基板上にメモリ素子アレイと周辺回路を形成した場合にも、有効に素子分離をすることができる。すなわち、10V〜20V程度の電圧で書き込みや消去を行う必要のあるメモリ素子アレイと、3V〜7V程度の電圧で動作してデータの入出力や命令の制御を主として行う周辺回路を同一基板上に形成した場合でも、各素子に印加する電圧の違いによる相互の干渉を防ぐことができる。
【0057】
また、基板として単結晶シリコン基板(シリコンウエハー)を用いてもよく、その場合基板がn型で有る場合にはp型の不純物が注入されたpウェルを形成する。このように形成されたウェルの上層を上述した半導体層として利用しても良い。
【0058】
半導体膜14にはp型不純物が注入されていても良い。p型不純物として、例えばホウ素が用いられ、5×1015atoms/cm〜1×1016atoms/cm程度の濃度で添加されていても良い。これは、トランジスタのしきい値電圧を制御するためのものであり、チャネル形成領域に添加されることで有効に作用する。チャネル形成領域は、後述するゲート26の下方と略一致する領域に形成されるものであり、半導体膜14の一対の不純物領域18の間に位置するものである。
【0059】
一対の不純物領域18は不揮発性メモリにおいてソース領域及びドレイン領域として機能する領域である。一対の不純物領域18はn型不純物であるリン若しくはヒ素をピーク濃度で約1021atoms/cmで添加することで形成される。
【0060】
半導体膜14上には第1の絶縁膜16、浮遊ゲート電極20、第2の絶縁膜22、制御ゲート電極24が形成されるが、本明細書では、第1の絶縁膜12から制御ゲート電極24まで積層構造をゲート26と呼ぶことがある。
【0061】
第1の絶縁膜16は酸化シリコン若しくは酸化シリコンと窒化シリコンの積層構造で形成する。第1の絶縁膜16は、プラズマCVD法や減圧CVD法により絶縁膜を堆積することで形成しても良いが、好ましくはプラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化で形成すると良い。半導体膜(例えばシリコン層)を、プラズマ処理により酸化又は窒化することにより形成した絶縁膜は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れているためである。第1の絶縁膜16は、浮遊ゲート電極20に電荷を注入するためのトンネル絶縁膜として用いるので、このように丈夫であることが好ましい。この第1の絶縁膜16は1nm〜20nm、好ましくは3nm〜6nmの厚さに形成することが好ましい。例えば、ゲート長を600nmとする場合、第1の絶縁膜16は3nm〜6nmの厚さに形成することができる。
【0062】
プラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理として、マイクロ波(例えば2.45GHz)で励起され、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下、且つ電子温度が0.5eV以上1.5eV以下のプラズマを利用することが好ましい。500℃以下の温度における固相酸化処理若しくは固相窒化処理において、緻密な絶縁膜を形成すると共に実用的な反応速度を得るためである。
【0063】
このプラズマ処理により半導体膜14の表面を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O)又は一酸化二窒素(NO)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、若しくは酸素又は一酸化二窒素と水素(H)と希ガス雰囲気下)で行う。また、プラズマ処理により窒化をする場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、窒素と水素と希ガス雰囲気下、若しくはNHと希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。
【0064】
図9にプラズマ処理を行うための装置の構成例を示す。このプラズマ処理装置は、基板10を配置するための支持台88と、ガスを導入するためのガス供給部84、ガスを排気するために真空ポンプに接続する排気口86、アンテナ80、誘電体板82、プラズマ発生用のマイクロ波を供給するマイクロ波供給部92を有している。また、支持台88に温度制御部90を設けることによって、基板10の温度を制御することも可能である。
【0065】
以下に、プラズマ処理について説明する。なお、プラズマ処理とは、半導体膜、絶縁膜、導電層に対する酸化処理、窒化処理、酸窒化処理、水素化処理、表面改質処理を含んでいる。これらの処理は、その目的に応じて、ガス供給部84から供給するガスを選択すれば良い。
【0066】
酸化処理若しくは窒化処理を行うには以下のようにすれば良い。まず、処理室内を真空にし、ガス供給部84から酸素又は窒素を含むプラズマ処理用ガスを導入する。基板10は室温若しくは温度制御部90により100℃〜550℃に加熱する。なお、基板10と誘電体板82との間隔は、20nm〜80mm(好ましくは20nmから60mm)程度である。次に、マイクロ波供給部92からアンテナ80にマイクロ波を供給する。そしてマイクロ波をアンテナ80から誘電体板82を通して処理室内に導入することによって、プラズマ94を生成する。マイクロ波の導入によりプラズマの励起を行うと、低電子温度(3eV以下、好ましくは1.5eV以下)で高電子密度(1×1011cm−3以上)のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)及び/又は窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。プラズマ処理用ガスにアルゴンなどの希ガスを混合させると、希ガスの励起種により酸素ラジカルや窒素ラジカルを効率良く生成することができる。この方法は、プラズマで励起した活性なラジカルを有効に使うことにより、500℃以下の低温で固相反応による酸化、窒化若しくは酸化窒化を行うことができる。
【0067】
図8において、プラズマ処理により形成される好適な第1の絶縁膜16の一例は、酸化雰囲気下のプラズマ処理により半導体膜14上に3nm〜6nmの厚さで酸化シリコン層16aを形成し、その後窒素雰囲気下でその酸化シリコン層16aの表面を窒化プラズマで処理した窒素プラズマ処理層16bを形成する。具体的には、まず、酸素雰囲気下でのプラズマ処理により半導体膜14上に3nm〜6nmの厚さで酸化シリコン層16aを形成する。その後、続けて窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより酸化シリコン層の表面又は表面近傍に窒素濃度の高い窒素プラズマ処理層を設ける。なお、表面近傍とは、酸化シリコン層の表面から概略0.5nm〜1.5nmの深さをいう。例えば、窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって、酸化シリコン層16aの表面から概略1nmの深さに窒素を20〜50原子%の割合で含有させた構造とする。
【0068】
いずれにしても、上記のようなプラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理を用いることで、耐熱温度が700℃以下のガラス基板を用いても、950℃〜1050℃で形成される熱酸化膜と同等な絶縁膜を得ることができる。すなわち、不揮発性メモリのトンネル絶縁膜として信頼性の高いトンネル絶縁膜を形成することができる。
【0069】
浮遊ゲート電極20は第1の絶縁膜16上に形成される。浮遊ゲート電極20は半導体材料で形成することが好ましく、次に示す一又は複数の条件を満たすものを選択することができる。
【0070】
浮遊ゲート電極20を形成する半導体材料のバンドギャップが、半導体膜14のバンドギャップより小さいことが好ましい。例えば、浮遊ゲートを形成する半導体材料のバンドギャップと、半導体膜のバンドギャップは、0.1eV以上の差があって、前者の方が小さいことが好ましい。半導体膜14の伝導帯の底のエネルギーレベルより、浮遊ゲート電極20の伝導帯の底のエネルギーレベルを低くすることにより、電荷(電子)の注入性を向上させ、電荷保持特性を向上させるためである。
【0071】
また、浮遊ゲート電極20を形成する半導体材料は、第1の絶縁膜16により形成される半導体膜14の電子に対する障壁エネルギーに対し、第1の絶縁膜16により形成される浮遊ゲート電極20の電子に対する障壁エネルギーが高くなるものであることが好ましい。半導体膜14から浮遊ゲートへの電荷(電子)を注入しやすくし、浮遊ゲート電極20から電荷が消失することを防ぐためである。
【0072】
また、浮遊ゲート電極20は、図10に示すように、第1の浮遊ゲート電極層20aと第2の浮遊ゲート電極層20bにより形成されていてもよい。勿論、この二層構造に限定されず、複数の層を積層して設ければ良い。しかしながら、第1の絶縁膜16に接して形成される第1の浮遊ゲート電極層20aは半導体材料で形成することが好ましく、次に示す一又は複数の条件を満たすものを選択することができる。
【0073】
第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料のバンドギャップが、半導体膜14のバンドギャップより小さいことが好ましい。例えば、第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料のバンドギャップと、半導体膜14のバンドギャップは、0.1eV以上の差があって、前者の方が小さいことが好ましい。半導体膜14の伝導帯の底のエネルギーレベルより、浮遊ゲート電極層20aの伝導帯の底のエネルギーレベルを低くすることにより、電荷(電子)の注入性を向上させ、電荷保持特性を向上させるためである。
【0074】
また、第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料は、第1の絶縁膜16により形成される半導体膜14の電子に対する障壁エネルギーに対し、第1の絶縁膜16により形成される第1の浮遊ゲート電極層20aの電子に対する障壁エネルギーが高くなるものであることが好ましい。半導体膜14から第1の浮遊ゲート電極層20aへの電荷(電子)を注入しやすくし、第1の浮遊ゲート電極層20aから電荷が消失することを防ぐためである。
【0075】
図8における浮遊ゲート電極20または図10における第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料の条件を満たすものとして、例えばゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物で浮遊ゲート電極20または第1の浮遊ゲート電極層20aを形成することができる。ゲルマニウム化合物の代表例としては、シリコンゲルマニウムであり、この場合シリコンに対してゲルマニウムが10原子%以上含まれていることが好ましい。ゲルマニウムの濃度が10原子%以下であると、構成元素としての効果が薄れ、バンドギャップが有効に小さくならないためである。
【0076】
浮遊ゲート(以下、電荷蓄積層ともいう)は電荷を蓄積する目的で、本発明の表示装置に用いられる不揮発性メモリに適用されるが、同様の機能を備えるものであれば他の半導体材料を適用することもできる。例えば、ゲルマニウムを含む三元系の半導体であっても良い。また、当該半導体材料が水素化されていても良い。また、不揮発性メモリの電荷蓄積層としての機能を持つものとして、当該ゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物の酸化物若しくは窒化物、又は当該ゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物を含む酸化物若しくは窒化物の層で置き換えることもできる。
【0077】
なお、図10における第1の浮遊ゲート電極層20aに接して、第2の絶縁膜22側に設けられた第2の浮遊ゲート電極層20bは、シリコン若しくはシリコン化合物で形成される層を適用することが好ましい。シリコン化合物としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、炭化シリコン、ゲルマニウムを10原子%未満の濃度で含むシリコンゲルマニウム、金属窒化物、金属酸化物などを適用することができる。このように第2の浮遊ゲート電極層20bを、第1の浮遊ゲート電極層20aよりもバンドギャップの大きな材料で形成することにより、浮遊ゲートに蓄積する電荷が第2の絶縁膜22側にリークするのを防ぐことができる。また、第2の浮遊ゲート電極層20bを形成するものとして、金属窒化物又は金属酸化物等を用いることもできる。金属窒化物としては、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化モリブデン、窒化チタンなどを用いることができる。金属酸化物としては、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズなどを用いることができる。
【0078】
いずれにしても、図10における上記したシリコン若しくはシリコン化合物、金属窒化物又は金属酸化物の第2の浮遊ゲート電極層20bは、ゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物で形成される第1の浮遊ゲート電極層20aの上層側に設けることにより、製造工程においては、耐水性や耐薬品性を目的としたバリア層として用いることができる。それにより、フォトリソ工程、エッチング工程、洗浄工程における基板の扱いが容易となり、生産性を向上させることができる。すなわち、浮遊ゲートの加工を容易なものとすることができる。
【0079】
第2の浮遊ゲート電極層20b上に設けられた第2の絶縁膜22は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化シリコン(SiNx)又は窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)、酸化アルミニウム(AlxOy)などの一層若しくは複数層を、減圧CVD法やプラズマCVD法などで形成する。第2の絶縁膜22の厚さは1nm〜20nm、好ましくは5〜10nmで形成する。例えば、窒化シリコン層22aを3nmの厚さに堆積し、酸化シリコン層22bの厚さを5nmの厚さに堆積したものを用いることができる。また、浮遊ゲート電極20にプラズマ処理を行い、浮遊ゲート電極20の表面を窒化処理した窒化膜(例えば、浮遊ゲート電極20としてゲルマニウムを用いた場合には窒化ゲルマニウム)を形成してもよい。いずれにしても、第1の絶縁膜16と第2の絶縁膜22が、浮遊ゲート電極20と接する側の一方又は双方を窒化膜若しくは窒化処理された層とすることで、浮遊ゲート電極20の酸化を防ぐことができる。
【0080】
制御ゲート電極24はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された金属、又はこれらの金属を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することが好ましい。また、リン等の不純物元素を添加した多結晶シリコンを用いることができる。また、一層又は複数層の金属窒化物層24aと上記の金属層24bの積層構造で制御ゲート電極24を形成しても良い。金属窒化物としては、窒化タングステン、窒化モリブデン、窒化チタンを用いることができる。金属窒化物層24aを設けることにより、金属層24bの密着性を向上させることができ、剥離を防止することができる。また、窒化タンタルなどの金属窒化物は仕事関数が高いので、第1の絶縁膜16の厚さを厚くすることができる。
【0081】
ところで、浮遊ゲート電極20に電子を注入するには、熱電子を利用する方法と、F−N型トンネル電流を利用する方法がある。本実施の形態においてはF−N型トンネル電流を利用して浮遊ゲート電極20に電子を注入する。F−N型トンネル電流を利用する場合、正の電圧を制御ゲート電極24に印加して半導体膜14からF−N型トンネル電流により浮遊ゲート電極20に注入する。
【0082】
図11(A)はF−N型トンネル電流により浮遊ゲート電極20に注入するときの印加電圧を示している。制御ゲート電極24に正の高電圧(10V〜20V)を印加すると共に、ソース領域18aとドレイン領域18bは0Vとしておく。高電界により半導体膜14の電子は第1の絶縁膜16に注入され、F−N型トンネル電流が流れる。
【0083】
浮遊ゲート電極20に電子が保持されている間は、不揮発性メモリのしきい値電圧は正の方向にシフトする。この状態を、データ”0”が書き込まれた状態とすることができる。
【0084】
このデータ”0”の検出は、浮遊ゲート電極20に電荷が保持されていない状態で不揮発性メモリがオンとなるゲート電圧を印加したとき、トランジスタがオンしないことをセンス回路によって検出することで可能である。又は、図11(B)に示すようにソース領域18aとドレイン領域18b間にバイアスを印加して、制御ゲート電極24を0Vとしたときに不揮発性メモリが導通するか否かで判断することができる。
【0085】
図12(A)は浮遊ゲート電極20から電荷を放出させ、不揮発性メモリからデータを消去する状態を示している。この場合、制御ゲート電極24に負のバイアスを印加して、半導体膜14と浮遊ゲート電極20の間にF−N型トンネル電流を流すことにより行う。或いは、図12(B)に示すように、制御ゲート電極24に負のバイアスを印加し、ソース領域18aに正の高電圧を印加することにより、F−N型トンネル電流を発生させ、ソース領域18a側に電子を引き抜いても良い。
【0086】
本実施形態は、実施の形態1以外の実施の形態及び実施例と組み合わせることが可能である。
【0087】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の表示装置に用いられる不揮発性メモリの一例に関して図面を参照して説明する。なお、ここでは、不揮発性メモリにおいて、メモリ部を構成する不揮発性メモリと、当該メモリ部と同一の基板上に設けられメモリ部の制御等を行うロジック部を構成するトランジスタ等の素子とを同時に形成する場合を示す。
【0088】
本実施形態で示すメモリ部の等価回路図は、上記実施形態において示した図13に示すように、選択トランジスタS1とビット線BLの間に複数の不揮発性メモリM0、、、M30、M31を有するNANDセルNS1が設けられている。図13において、選択トランジスタS1とNANDセルNS1により一つのメモリセルが形成されている。
【0089】
選択トランジスタS1のゲート電極は信号線S1に接続され、ソース又はドレインの一方はソビット線BLに接続され、他方は不揮発性メモリM31のソース又はドレインに接続されている。また、不揮発性メモリM0〜M31のゲート電極はそれぞれワード線WL0〜WL31に接続される。不揮発性メモリM0のソース又はドレインの一方はソース線SLに接続され、他方は不揮発性メモリM1のソース又はドレインに接続されている。
【0090】
なお、第1の選択ゲート線S1は、各メモリセルにおけるビット線との接続を選択する配線である。
【0091】
なお、メモリ部に設けられる選択トランジスタは、ロジック部に設けられるトランジスタと比較して駆動電圧が高いため、メモリ部に設けるトランジスタとロジック部に設けるトランジスタのゲート絶縁膜等を異なる厚さで形成することが好ましい。例えば、駆動電圧が小さくしきい値電圧のばらつきを小さくしたい場合にはゲート絶縁膜が薄い薄膜トランジスタを設けることが好ましく、駆動電圧が大きくゲート絶縁膜の耐圧性が求められる場合にはゲート絶縁膜が厚い薄膜トランジスタを設けることが好ましい。
【0092】
従って、本実施形態では、駆動電圧が小さくしきい値電圧のばらつきを小さくしたいロジック部のトランジスタに対しては膜厚が小さい絶縁膜を形成し、駆動電圧が大きくゲート絶縁膜の耐圧性が求められるメモリ部のトランジスタに対しては膜厚が大きい絶縁膜を形成する場合に関して以下に図面を参照して説明する。なお、図13〜図15は上面図を示し、図16〜図19は図13〜図15におけるA−B間、C−D間、E−F間及びG−H間の断面図を示している。また、A−B間及びC−D間はロジック部に設けられるトランジスタを示し、E−F間はメモリ部に設けられる不揮発性メモリ及びトランジスタについてビット線の伸張する方向を示し、G−H間はメモリ部に設けられる不揮発性メモリについてワード線の伸張する方向を示している。また、本実施の形態では、A−B間に設ける薄膜トランジスタをpチャネル型、C−D間、E−F間に設ける薄膜トランジスタをnチャネル型である場合に関して説明するが、本発明の表示装置に用いられる不揮発性メモリはこれに限られるものでない。
【0093】
まず、基板1000上に絶縁膜1002を介して島状の半導体膜1004、1006、1008を形成し、当該島状の半導体膜1004、1006、1008を覆うように第1の絶縁膜1012、1014、1016をそれぞれ形成する。そして、第1の絶縁膜1012、1014、1016を覆うように不揮発性メモリにおいて浮遊ゲートとして機能する電荷蓄積層1020を形成する(図16(A)参照)。島状の半導体膜1004、1006、1008は、基板1000上にあらかじめ形成された絶縁膜1002上にスパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSiGe1−x等)等を用いて非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜を結晶化させた後に選択的にエッチングすることにより設けることができる。なお、非晶質半導体膜の結晶化は、レーザー結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法またはこれら方法を組み合わせた方法等により行うことができる。
【0094】
また、レーザー光の照射によって半導体膜の結晶化若しくは再結晶化を行う場合には、レーザー光の光源としてLD励起の連続発振(CW)レーザー(YVO、第2高調波(波長532nm))を用いることができる。特に第2高調波に限定する必要はないが、第2高調波はエネルギー効率の点で、さらに高次の高調波より優れている。CWレーザーを半導体膜に照射すると、連続的に半導体膜にエネルギーが与えられるため、一旦半導体膜を溶融状態にすると、溶融状態を継続させることができる。さらに、CWレーザーを走査することによって半導体膜の固液界面を移動させ、この移動の方向に沿って一方向に長い結晶粒を形成することができる。また、固体レーザーを用いるのは、気体レーザー等と比較して、出力の安定性が高く、安定した処理が見込まれるためである。なお、CWレーザーに限らず、繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを用いることも可能である。繰り返し周波数が高いパルスレーザを用いると、半導体膜が溶融してから固化するまでの時間よりもレーザーのパルス間隔が短ければ、常に半導体膜を溶融状態にとどめることができ、固液界面の移動により一方向に長い結晶粒で構成される半導体膜を形成することができる。その他のCWレーザー及び繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを使用することもできる。例えば、気体レーザーとしては、Arレーザー、Krレーザー、COレーザー等がある。固体レーザーとして、YAGレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、GdVOレーザー、KGWレーザー、KYWレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、Yレーザー、YVOレーザー等がある。また、YAGレーザー、Yレーザー、GdVOレーザー、YVOレーザーなどのセラミックスレーザがある。金属蒸気レーザーとしてはヘリウムカドミウムレーザ等が挙げられる。また、レーザー発振器において、レーザー光をTEM00(シングル横モード)で発振して射出すると、被照射面において得られる線状のビームスポットのエネルギー均一性を上げることができるので好ましい。その他にも、パルス発振のエキシマレーザーを用いても良い。
【0095】
基板1000は、ガラス基板、石英基板、金属基板(例えばセラミック基板またはステンレス基板など)、Si基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。
【0096】
絶縁膜1002は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜1002を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。このように、ブロッキング層として機能する絶縁膜1002を形成することによって、基板1000からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、この上に形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板1000として石英を用いるような場合には絶縁膜1002を省略してもよい。
【0097】
なお、本実施形態における基板1000上の島状の半導体膜を用いて形成するトランジスタは、薄膜トランジスタを形成するものとして説明するが本発明はこれに限定されない。例えば基板1000は、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基板、化合物半導体基板(GaAs板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイア基板、ZnSe基板等)、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulator)基板等を用いることができる。そのため島状の半導体膜においても、単結晶シリコンを用いたトランジスタを形成することができる。
【0098】
なお単結晶Si基板、化合物半導体基板、及びSOI基板を用いる際には、素子分離領域は、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法等を適宜用いることができる。また、半導体基板に形成されたpウェルは、半導体基板にp型の導電型を有する不純物元素を選択的に導入することによって形成することができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。
【0099】
第1の絶縁膜1012、1014、1016は、半導体膜1004、1006、1008に熱処理又はプラズマ処理等を行うことによって形成することができる。例えば、高密度プラズマ処理により当該半導体膜1004、1006、1008に酸化処理、窒化処理又は酸窒化処理を行うことによって、当該半導体膜1004、1006、1008上にそれぞれ酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜となる第1の絶縁膜1012、1014、1016を形成する。なお、プラズマCVD法やスパッタ法により形成してもよい。
【0100】
例えば、半導体膜1004、1006、1008としてSiを主成分とする半導体膜を用いて高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行った場合、第1の絶縁膜1012、1014、1016として酸化シリコン(SiOx)膜又は窒化シリコン(SiNx)膜が形成される。また、高密度プラズマ処理により半導体膜1004、1006、1008に酸化処理を行った後に、再度高密度プラズマ処理を行うことによって窒化処理を行ってもよい。この場合、半導体膜1004、1006、1008に接して酸化シリコン膜が形成され、当該酸化シリコン膜上に酸素と窒素を有する膜(以下、「酸窒化シリコン膜」と記す)が形成され、第1の絶縁膜1012、1014、1016は酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜とが積層された膜となる。
【0101】
ここでは、第1の絶縁膜1012、1014、1016を1〜10nm、好ましくは1〜5nmで形成する。例えば、高密度プラズマ処理により半導体膜1004、1006、1008に酸化処理を行い当該半導体膜1004、1006、1008の表面に概略5nmの酸化シリコン膜を形成した後、高密度プラズマ処理により窒化処理を行い酸化シリコン膜の表面又は表面の近傍に窒素プラズマ処理層を形成することで、第1の絶縁膜1012、1014、1016を形成することができる。具体的には、まず、酸素雰囲気下のプラズマ処理により半導体膜1004、1006、1008上に3nm〜6nmの厚さで酸化シリコン層を形成する。その後、続けて窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより酸化シリコン層の表面又は表面近傍に窒素濃度の高い窒素プラズマ処理層を設ける。ここでは、窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって、酸化シリコン層の表面から概略1nmの深さに窒素を20〜50原子%の割合で含有させた構造とする。窒素プラズマ処理層には、酸素と窒素を含有したシリコン(酸窒化シリコン)が形成されている。また、このとき、高密度プラズマ処理による酸化処理と窒化処理は大気に一度も曝されることなく連続して行うことが好ましい。高密度プラズマ処理を連続して行うことによって、汚染物の混入の防止や生産効率の向上を実現することができる。
【0102】
なお、高密度プラズマ処理により半導体膜を酸化する場合には、酸素を含む雰囲気下(例えば、酸素(O)又は一酸化二窒素(NO)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、若しくは酸素又は一酸化二窒素と水素(H)と希ガス雰囲気下)で行う。一方、高密度プラズマ処理により半導体膜を窒化する場合には、窒素を含む雰囲気下(例えば、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、窒素と水素と希ガス雰囲気下、若しくはNHと希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。
【0103】
希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。高密度プラズマ処理を希ガス雰囲気中で行った場合、第1の絶縁膜1012、1014、1016は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる場合があり、Arを用いた場合には第1の絶縁膜1012、1014、1016にArが含まれている場合がある。
【0104】
また、高密度プラズマ処理は、上記ガスの雰囲気中において、電子密度が1×1011cm−3以上であり、プラズマの電子温度が1.5eV以下で行う。より詳しくは、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下で、プラズマの電子温度が0.5eV以上1.5eV以下で行う。プラズマの電子密度が高密度であり、基板1000上に形成された被処理物(ここでは、半導体膜1004、1006、1008)付近での電子温度が低いため、被処理物に対するプラズマによる損傷を防止することができる。また、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上と高密度であるため、プラズマ処理を用いて、被照射物を酸化または窒化することよって形成される酸化物または窒化膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された膜と比較して膜厚等が均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。また、プラズマの電子温度が1.5eV以下と低いため、従来のプラズマ処理や熱酸化法と比較して低温度で酸化または窒化処理を行うことができる。例えば、ガラス基板の歪点よりも100度以上低い温度でプラズマ処理を行っても十分に酸化または窒化処理を行うことができる。プラズマを形成するための周波数としては、マイクロ波(例えば、2.45GHz)等の高周波を用いることができる。
【0105】
本実施形態では、高密度プラズマ処理により被処理物の酸化処理を行う場合、酸素(O)、水素(H)とアルゴン(Ar)との混合ガスを導入する。ここで用いる混合ガスは、酸素を0.1〜100sccm、水素を0.1〜100sccm、アルゴンを100〜5000sccmとして導入すればよい。なお、酸素:水素:アルゴン=1:1:100の比率で混合ガスを導入することが好ましい。例えば、酸素を5sccm、水素を5sccm、アルゴンを500sccmとして導入すればよい。
【0106】
また、高密度プラズマ処理により窒化処理を行う場合、窒素(N)とアルゴン(Ar)との混合ガスを導入する。ここで用いる混合ガスは、窒素を20〜2000sccm、アルゴンを100〜10000sccmとして導入すればよい。例えば、窒素を200sccm、アルゴンを1000sccmとして導入すればよい。
【0107】
本実施形態において、メモリ部に設けられた半導体膜1008上に形成される第1の絶縁膜1016は、後に完成する不揮発性メモリにおいて、トンネル酸化膜として機能する。従って、第1の絶縁膜1016の膜厚が薄いほど、トンネル電流が流れやすく、メモリとして高速動作が可能となる。また、第1の絶縁膜1016の膜厚が薄いほど、後に形成される浮遊ゲートに低電圧で電荷を蓄積させることが可能となるため、不揮発性メモリの消費電力を低減することができる。そのため、第1の絶縁膜1012、1014、1016は、膜厚を薄く形成することが好ましい。
【0108】
一般的に、半導体膜上に絶縁膜を薄く形成する方法として熱酸化法があるが、基板1000としてガラス基板等の融点が十分に高くない基板を用いる場合には、熱酸化法により第1の絶縁膜1012、1014、1016を形成することは非常に困難である。また、CVD法やスパッタ法により形成した絶縁膜は、膜の内部に欠陥を含んでいるため膜質が十分でなく、膜厚を薄く形成した場合にはピンホール等の欠陥が生じる問題がある。また、CVD法やスパッタ法により絶縁膜を形成した場合には、半導体膜の端部の被覆が十分でなく、後に第1の絶縁膜1016上に形成される導電膜等と半導体膜とがリークする場合がある。従って、本実施形態で示すように、高密度プラズマ処理により第1の絶縁膜1012、1014、1016を形成することによって、CVD法やスパッタ法等により形成した絶縁膜より緻密な絶縁膜を形成することができ、また、半導体膜1004、1006、1008の端部を第1の絶縁膜1012、1014、1016で十分に被覆することができる。その結果、メモリとして高速動作や電荷保持特性を向上させることができる。なお、CVD法やスパッタ法により第1の絶縁膜1012、1014、1016を形成した場合には、絶縁膜を形成した後に高密度プラズマ処理を行い当該絶縁膜の表面に酸化処理、窒化処理又は酸窒化処理を行うことが好ましい。
【0109】
電荷蓄積層1020は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム合金等の膜で形成することができる。なお、本実施形態においては特に、電荷蓄積層1020をゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム合金等のゲルマニウムを含む膜で形成することが好ましい。ここでは、電荷蓄積層1020として、ゲルマニウム元素を含む雰囲気中(例えば、GeH)でプラズマCVD法を行うことにより、ゲルマニウムを主成分とする膜を1〜20nm、好ましくは5〜10nmで形成する。なお、メモリ部に設けられた半導体膜1008上に形成される電荷蓄積層1020は、後に完成する不揮発性メモリにおいて、浮遊ゲートとして機能する。上述したように、半導体膜としてSiを主成分とする材料を用いて形成し、当該半導体膜上にトンネル酸化膜として機能する第1の絶縁膜を介してSiよりエネルギーギャップの小さいゲルマニウムを含む膜を電荷蓄積層として設けた場合、半導体膜の電荷に対する絶縁膜により形成される第1の障壁に対して電荷蓄積層の電荷に対する絶縁膜により形成される第2の障壁がエネルギー的に高くなる。その結果、半導体膜から電荷蓄積層へ電荷を注入しやすくすることができ、電荷蓄積層から電荷が消失することを防ぐことができる。つまり、メモリとして動作する場合に、低電圧で高効率な書き込みをすることが出来、且つ電荷保持特性を向上させることができる。
【0110】
また、電荷蓄積層1020として、窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウムのうち、いずれか一層もしくは多層で形成してもよい。電荷蓄積層1020を窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウムで形成することにより、絶縁膜でありながらも窒化膜内における複数のトラップ順位で半導体膜よりトンネル酸化膜を介して注入される電荷をトラップ(捕獲するともいう)することができる。すなわち、電荷蓄積層1020を窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウムで形成することにより、複数のトラップ順位で電荷をトラップすることができ、たとえトンネル絶縁膜の一部に欠陥があったとしても一部の蓄積電荷が消失するのみで電荷をトラップし続けることができる。そのため、トンネル酸化膜の膜厚をさらに薄く形成することができ、また電荷の保持という点においても信頼性の高い不揮発性メモリを得ることができるため好適である。さらには、電荷蓄積層1020を窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウムで形成することにより、トンネル酸化膜の膜厚を薄くすることができるため、不揮発性メモリ自体の微細化を容易にすることができるため好適である。
【0111】
次に、半導体膜1004、1006上に形成された、第1の絶縁膜1012、1014と電荷蓄積層1020を選択的に除去し、半導体膜1008上に形成された第1の絶縁膜1016及び電荷蓄積層1020を残存させる。ここでは、メモリ部に設けられた半導体膜1008、第1の絶縁膜1016、電荷蓄積層1020を選択的にレジストで覆い、半導体膜1004、1006上に形成された、第1の絶縁膜1012、1014と電荷蓄積層1020をエッチングすることによって選択的に除去する(図16(B)参照)。
【0112】
次に、半導体膜1004、1006と、半導体膜1008の上方に形成された電荷蓄積層1020の一部を選択的に覆うようにレジスト1022を形成し、当該レジスト1022に覆われていない電荷蓄積層1020をエッチングして選択的に除去することによって、電荷蓄積層1020の一部を残存させ、電荷蓄積層1021を形成する(図16(C)、図15参照)。
【0113】
次に、半導体膜1004、1006と、半導体膜1008の上方に形成された第1の絶縁膜1016と電荷蓄積層1021を覆うように第2の絶縁膜1028を形成する(図17(A)参照)。
【0114】
第2の絶縁膜1028は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて単層又は積層して形成する。例えば、第2の絶縁膜1028を単層で設ける場合には、CVD法により酸化窒化シリコン膜又は窒化酸化シリコン膜を5〜50nmの膜厚で形成する。また、第2の絶縁膜1028を3層構造で設ける場合には、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第3層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成する。また、他にも第2の絶縁膜1028として、ゲルマニウムの酸化物又は窒化物を用いてもよい。
【0115】
なお、半導体膜1008の上方に形成された第2の絶縁膜1028は、後に完成する不揮発性メモリにおいてコントロール絶縁膜として機能する。
【0116】
次に、半導体膜1008の上方に形成された第2の絶縁膜1028を覆うようにレジスト1030を選択的に形成し、半導体膜1004、1006上に形成された第2の絶縁膜1028を選択的に除去する(図17(B)参照)。
【0117】
次に、半導体膜1004、1006を覆うように第3の絶縁膜1032、1034をそれぞれ形成する(図18(A)参照)。
【0118】
第3の絶縁膜1032、1034は、上記第1の絶縁膜1012、1014、1016の形成方法で示したいずれかの方法を用いて形成する。例えば、高密度プラズマ処理により半導体膜1004、1006に酸化処理、窒化処理又は酸窒化処理を行うことによって、当該半導体膜1004、1006上にそれぞれシリコンの酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜となる第3の絶縁膜1032、1034を形成する。
【0119】
ここでは、第3の絶縁膜1032、1034を1〜20nm、好ましくは1〜10nmで形成する。例えば、高密度プラズマ処理により半導体膜1004、1006に酸化処理を行い当該半導体膜1004、1006の表面に酸化シリコン膜を形成した後、高密度プラズマ処理により窒化処理を行い酸化シリコン膜の表面又は表面の近傍に窒素プラズマ処理層を形成する。また、この場合、半導体膜1008の上方に形成された第2の絶縁膜1028の表面にも酸化処理又は窒化処理が行われ、酸化膜又は酸窒化膜が形成される。半導体膜1004、1006の上方に形成された第3の絶縁膜1032、1034は、後に完成するトランジスタにおいてゲート絶縁膜として機能する。
【0120】
次に、半導体膜1004、1006の上方に形成された第3の絶縁膜1032、1034、半導体膜1008の上方に形成された第2の絶縁膜1028を覆うように導電膜を形成する(図18(B)参照)。ここでは、導電膜として、導電膜1036と導電膜1038を順に積層して形成した例を示している。もちろん、導電膜は、単層又は3層以上の積層構造で形成してもよい。
【0121】
導電膜1036、1038としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することができる。また、これらの元素を窒化した金属窒化膜で形成することもできる。他にも、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体材料により形成することもできる。
【0122】
ここでは、導電膜1036として窒化タンタルを用いて形成し、その上に導電膜1038としてタングステンを用いて積層構造で設ける。また、他にも、導電膜1036として、窒化タングステン、窒化モリブデン又は窒化チタンから選ばれた単層又は積層膜を用い、導電膜1038として、タンタル、モリブデン、チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いることができる。
【0123】
次に、積層して設けられた導電膜1036、1038を選択的にエッチングして除去することによって、半導体膜1004、1006、1008の上方の一部に導電膜1036、1038を残存させ、それぞれゲート電極として機能する導電膜1040、1042、1046を形成する(図18(C)、図14参照)。なお、メモリ部に設けられた半導体膜1008の上方に形成される導電膜1044は、後に完成する不揮発性メモリにおいて制御ゲートとして機能する。また、導電膜1040、1042、1046は、後に完成するトランジスタにおいてゲート電極として機能する。
【0124】
次に、半導体膜1004を覆うようにレジスト1048を選択的に形成し、当該レジスト1048、導電膜1042、1044、1046をマスクとして半導体膜1006、1008に不純物元素を導入することによって不純物領域を形成する(図19(A)参照)。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。
【0125】
図19(A)においては、不純物元素を導入することによって、半導体膜1006にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1052とチャネル形成領域1050が形成される。また、半導体膜1008には、ソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1056とLDD領域を形成する低濃度不純物領域1058とチャネル形成領域1054が形成される。また、半導体膜1008には、ソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1062とチャネル形成領域1060が形成される。
【0126】
また、半導体膜1008に形成される低濃度不純物領域1058は、図19(A)において導入された不純物元素が浮遊ゲートとして機能する電荷蓄積層1021を突き抜けることによって形成される。従って、半導体膜1008において、導電膜1044及び電荷蓄積層1021の双方と重なる領域にチャネル形成領域1054が形成され、電荷蓄積層1021と重なり導電膜1044と重ならない領域に低濃度不純物領域1058が形成される。なお、電荷蓄積層1021及び導電膜1044の双方と重ならない領域に高濃度不純物領域1056が形成される。
【0127】
また、電荷蓄積層1021と導電膜1044の双方の大きさを異ならせること及び電荷蓄積層1021と導電膜1044の双方の設ける位置をずらして形成することも可能である。そのため、不揮発性メモリにおけるn型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素の半導体膜への導入及び不純物元素の濃度を選択的に行うことができるため好適である。
【0128】
次に、半導体膜1006、1008を覆うようにレジスト1066を選択的に形成し、当該レジスト1066、導電膜1040をマスクとして半導体膜1004に不純物元素を導入することによって不純物領域を形成する(図19(B)参照)。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、図19(A)で半導体膜1006、1008に導入した不純物元素と異なる導電型を有する不純物元素(例えば、ボロン(B))を導入する。その結果、半導体膜1004にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1070とチャネル形成領域1068が形成される。
【0129】
次に、第2の絶縁膜1028、第3の絶縁膜1032、1034、導電膜1040、1042、1044、1046を覆うように絶縁膜1072を形成し、当該絶縁膜1072上に半導体膜1004、1006、1008にそれぞれ形成された不純物領域1052、1062、1070と電気的に接続する導電膜1074を形成する(図19(C)、図13参照)。なお、不純物領域1062と電気的に接続された導電膜1074はビット線BL0として機能する。
【0130】
絶縁膜1072は、CVD法やスパッタ法等により、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0131】
導電膜1074は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素とシリコンの一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜1074は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン(TiN)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜1074を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
【0132】
以上のようにして、ロジック部のトランジスタ、メモリ部に設けられるトランジスタ(ここでは選択トランジスタS1)及び不揮発性メモリM30、M31が形成される。
【0133】
なお、本実施形態は、他の実施の形態及び実施例の記載と組み合わせることができる。
【実施例1】
【0134】
本発明の表示装置は、不揮発性メモリと無線通信手段を具備したあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、本発明の表示装置を適用した電子機器として、電子ペーパーで作られたポスター、電車などの乗り物の車内広告などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図20に示す。
【0135】
図20(A)は、電子ペーパーで作られたポスター2601を示している。広告媒体が紙の印刷物である場合には、広告の交換は人手によって行われるが、本発明の表示装置を用いれば短時間で広告の表示を変えることができる。また表示も崩れることなく安定した画像が得られる。
【0136】
また、図20(B)は、電車などの乗り物の車内広告2602を示している。広告媒体が紙の印刷物である場合には、広告の交換は人手によって行われるが、本発明の表示装置を用いれば人手を多くかけることなく短時間で広告の表示を変えることができる。また表示も崩れることなく安定した画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】不揮発性メモリの特性を示す図。
【図3】本発明の表示装置に用いられる画素の構成を示す図。
【図4】本発明の表示装置に用いられる画素の動作を説明する図。
【図5】本発明の表示装置に用いられる画素の動作を説明する図。
【図6】本発明の表示装置に用いられる画素の動作を説明する図。
【図7】本発明の表示装置に用いられる画素の動作を説明する図。
【図8】不揮発性メモリの断面図。
【図9】プラズマ処理を行うための装置の図。
【図10】不揮発性メモリの断面図。
【図11】不揮発性メモリの動作時における印加電圧を示す図。
【図12】不揮発性メモリの動作時における印加電圧を示す図。
【図13】不揮発性メモリの作製方法を示す上面図。
【図14】不揮発性メモリの作製方法を示す上面図。
【図15】不揮発性メモリの作製方法を示す上面図。
【図16】不揮発性メモリの作製方法を示す断面図。
【図17】不揮発性メモリの作製方法を示す断面図。
【図18】不揮発性メモリの作製方法を示す断面図。
【図19】不揮発性メモリの作製方法を示す断面図。
【図20】本発明の表示装置を適用した電子機器の利用形態を示す図。
【符号の説明】
【0138】
A01 無線通信装置
A02 表示部
A03 走査線制御回路
A04 信号線制御回路
A05 アンテナ回路
A06 整流回路
A07 復調回路
A08 制御部
A09 信号処理回路
A10 表示装置
A11 充電回路
A12 電源回路
A13 電源選択回路
A14 電源生成部
A15 電源制御回路
A16 無線充電装置
01 半導体膜
02 絶縁膜
03 浮遊ゲート電極
04 絶縁膜
05 制御ゲート電極
10 基板
12 下地絶縁膜
12 絶縁膜
14 半導体膜
16 絶縁膜
18 不純物領域
20 浮遊ゲート電極
22 絶縁膜
24 制御ゲート電極
26 ゲート
M30 不揮発性メモリ
M31 不揮発性メモリ
80 アンテナ
82 誘電体板
84 ガス供給部
86 排気口
88 支持台
90 温度制御部
92 マイクロ波供給部
94 プラズマ
16a 酸化シリコン層
16b 窒素プラズマ処理層
18a ソース領域
18b ドレイン領域
201 特性曲線
202 特性曲線
20a 浮遊ゲート電極層
20b 浮遊ゲート電極層
22a 窒化シリコン層
22b 酸化シリコン層
24a 金属窒化物層
24b 金属層
1000 基板
1002 絶縁膜
1004 半導体膜
1006 半導体膜
1008 半導体膜
1012 絶縁膜
1016 絶縁膜
1020 電荷蓄積層
1021 電荷蓄積層
1022 レジスト
1028 絶縁膜
1030 レジスト
1032 絶縁膜
1036 導電膜
1038 導電膜
1040 導電膜
1042 導電膜
1044 導電膜
1048 レジスト
1050 チャネル形成領域
1052 不純物領域
1054 チャネル形成領域
1056 不純物領域
1058 不純物領域
1060 チャネル形成領域
1062 不純物領域
1066 レジスト
1068 チャネル形成領域
1070 不純物領域
1072 絶縁膜
1074 導電膜
2001 カラム線
2002 カラム線
2003 走査線
2004 走査線
2005 対向電極
2006 表示素子
2007 メモリ素子
2008 トランジスタ
2009 トランジスタ
2010 インバータ
2011 トランジスタ
2012 トランジスタ
2013 高電位電源線
2014 低電位電源線
2601 ポスター
2602 車内広告

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置から無線で送られてくる画像信号を記憶する不揮発性メモリ、及び該画像信号に従って表示を行う表示素子を有する表示部と、
該表示部の駆動を制御する駆動回路と、
前記無線通信装置からの電波を用いて電力を蓄える無線充電装置と、
を有し、
前記無線充電装置は、前記電力を前記駆動回路及び前記表示部に供給することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
無線通信装置から無線で送られてくる画像信号を記憶する不揮発性メモリ、及び該画像信号に従って表示を行う表示素子を有する表示部と、
該表示部の駆動を制御する駆動回路と、
無線充電装置と、
を有し、
前記無線充電装置は、前記無線通信装置から発せられる電波を受信して交流電圧を生成するアンテナ回路と、該交流電圧を整流することで直流電圧を生成する整流回路と、前記直流電圧の供給により電力を蓄積する充電回路と、前記直流電圧を前記駆動回路または前記表示部に供給するか、前記充電回路に供給するかを選択する電源制御回路とを有し、
前記充電回路から、前記駆動回路または前記表示部に前記電力が供給されることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
表示部と、該表示部の駆動を制御する駆動回路と、無線充電装置と、復調回路とを有し、
前記無線充電装置は、無線通信装置から発せられる電波を受信して交流電圧を生成するアンテナ回路と、該交流電圧を整流することで直流電圧を生成する整流回路と、前記直流電圧の供給により電力を蓄積する充電回路と、前記直流電圧を前記駆動回路または前記表示部に供給するか、前記充電回路に供給するかを選択する電源制御回路とを有し、
前記復調回路は前記交流電圧に含まれる前記画像信号を復調し、
前記表示部は、前記復調された前記画像信号を記憶する不揮発性メモリと、該画像信号に従って表示を行う表示素子とを有し、
前記充電回路は、前記駆動回路または前記表示部に前記電力を供給することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
表示部と、該表示部の駆動を制御する駆動回路と、無線通信装置から無線で送られてくる電波を用いて電力を蓄える無線充電装置とを有し、
前記表示部は、インバータと、不揮発性メモリと、表示素子と、直列に接続されている第1トランジスタ及び第2トランジスタとを有し、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタによって前記表示素子及び前記不揮発性メモリへの、無線通信装置から無線で送られてくる画像信号の入力が制御され、
前記インバータの入力端子は前記表示素子の一方の電極に接続され、前記インバータの出力端子は前記第1トランジスタのゲート電極に接続され、
前記不揮発性メモリが有する一対の電極のうち、一方は前記表示素子の一方の電極に接続され、
前記無線充電装置は、前記駆動回路または前記表示部に前記電力を供給することを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2008−191602(P2008−191602A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28657(P2007−28657)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】