説明

表面実装用の電気・電子部品の製造方法

【課題】特殊な金型や金属部品の表面処理が必ずしも必要でなく、作業工程が簡易であり、金属部品と液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂との密着性に優れる、「フラックス上がり」の抑制された表面実装用の電気・電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】射出成形により液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂と金属部品とを複合化して表面実装用の電気・電子部品を製造する際に、金型内表面の少なくとも金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層が形成された金型を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装用の電気・電子品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インサート成形、アウトサート成形、フープ成形等の成形方法により、熱可塑性樹脂を射出成形して、熱可塑性樹脂と金属部品とを複合化して製造した電気・電子部品が、家電製品、情報通信機器、自動車部品等に幅広く利用されている。
【0003】
近年、電気・電子部品を製品として組み立てる方法としては、自動化による省力化や製造コストダウンが図れる為、表面実装法により行われることが多い。そして、表面実装する際には電気・電子部品が高温にさらされる為、表面実装用の電気・電子部品の材料としては、耐熱性に優れる液晶性ポリマーやポリフェニレンスルフィド樹脂が好適に使用されている。
【0004】
しかし、液晶性ポリマーやポリフェニレンスルフィド樹脂の線膨張率は、他の樹脂と比較して小さいものの、金属と比較すると大きいことや、低温の金属と、非常に高い加工温度になっている樹脂とでは成形後の収縮率が大きく異なることから、金型内では金属部品と樹脂とが良好に密着していた成形品も、成形後には金属部品と樹脂との密着が低下してしまう。また、特に液晶性ポリマーでは、加工温度が非常に高く、融解潜熱が小さいため、溶融状態の熱可塑性樹脂と低温の金属部品とが金型内で接触することにより金属部品表面の熱可塑性樹脂が急速に固化してしまい、通常の金属複合成形品の製造方法では、金属部品と熱可塑性樹脂との密着性が優れた電気・電子部品の製造が難しい問題がある。
【0005】
このため、液晶性ポリマーやポリフェニレンスルフィド樹脂等を用いた表面実装用の電気・電子部品では、金属部品の抜け落ちや、界面からの気体、液体の漏洩等が生じやすい問題がある。また、金属部品と熱可塑性樹脂との界面での密着が不十分であるために、はんだに含まれるフラックスが毛細管現象により金属部品と熱可塑性樹脂との間に生じる僅かな隙間に浸透して金属部品を汚染し、接点不良、動作不良等を起す「フラックス上がり」と呼ばれる現象が生じやすい問題がある。
【0006】
このような事情から、熱可塑性樹脂として液晶性ポリマーやポリフェニレンスルフィド樹脂等を用いて製造した表面実装用の電気・電子部品の金属部品と熱可塑性樹脂との密着性を改善するともに、「フラックス上がり」の発生を抑制する方法の開発が強く望まれている。
【0007】
熱可塑性樹脂と金属部品とからなる金属複合成形品における、熱可塑性樹脂と金属との密着性を改良する方法としては、例えば、スチレン重合体、ABS樹脂、あるいはその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等オレフィン重合体、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、塩化ビニール重合体又はその共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール等の樹脂を用いるブロー成形法において、金型の金属部品と接触する部分の一部を特定の熱伝導率の耐熱性重合体により被覆する方法(特許文献1)が提案されている。
【0008】
しかし、特許文献1の実施例に記載の方法は、ABS樹脂を用いたブロー成型方法において、金型の、金型と金属部品(ボルト又はナット)との接触部分の一部を、特定の熱伝導率の耐熱性重合体で被覆することによりABS樹脂の充填不良を解消して、金属部品をABS樹脂から抜け難くする方法であって、ポリフェニレンスルフィド樹脂や液晶性ポリマー等の成形性に優れた樹脂を用いて射出成形する方法においては、そもそも充填不良の問題が生じにくいため、充填不良の解消による密着性の改良効果は望めないものであった。
【0009】
また、液晶性ポリマーやポリフェニレンスルフィド樹脂と金属部品との密着性の改善方法としては、例えば、特定の表面粗さとなるようにエッチング等の表面処理を施された金属部品とポリフェニレンスルフィド樹脂等の熱可塑性樹脂とを、射出成形等の方法により複合化する方法(特許文献2)や、金属部品を保持する、加熱装置及び冷却装置を備えた保持駒を用いて、保持駒の温度を熱可塑性樹脂の降温結晶化温度(Tc)以上の温度として金属部品を加熱した後に射出成形を行い、保持駒を150℃以下に急冷却した後に、金属部品と熱可塑性樹脂とを複合化した成形品を金型から取り出す方法(特許文献3)等が提案されている。
【0010】
しかし、特許文献2に記載の方法では、金属部品を前もってエッチング等の方法で表面処理しておく必要があり、必ずしも全ての金属に表面処理を適用できない点で問題がある。また、特許文献2に記載の方法では、得られる成形品の金属部品と熱可塑性樹脂との密着性についても改良の余地があり「フラックス上がり」の発生を十分に抑制できない問題がある。「フラックス上がり」は、金属と熱可塑性樹脂との密着強度に起因する問題というより、むしろ、金属と熱可塑性樹脂との間に生じる微小な隙間に起因する問題といえるからである。引用文献1に記載の方法では、成形品における金属部品と熱可塑性樹脂との密着強度は改善されるが、金属部品と熱可塑性樹脂との間に僅かな隙間が生じやすいため、毛細管現象によりフラックスが隙間から進入しやすく「フラックス上がり」の発生を十分に抑制できない。
【0011】
また、特許文献3に記載の方法では、加熱装置及び冷却装置を備えた特殊な金属部品の保持駒を使用する必要があり金属部品の保持駒の改造等にコストがかかること、保持駒の複雑な温度制御が必要であり金属部品と熱可塑性樹脂とを複合した成形品の製造工程が煩雑になること、及び、金型及び保持駒が繰り返し急激な温度変化を受けることとなり金型寿命が短くなること等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平07−178765号公報
【特許文献2】国際公開第2004/041533号パンフレット
【特許文献3】特開2008−132756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、特殊な金型や金属部品の表面処理が必ずしも必要でなく、作業工程が簡易であり、金属部品と液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂との密着性に優れる、「フラックス上がり」の抑制された表面実装用の電気・電子部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、射出成形により液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂と金属部品とを複合化して表面実装用の電気・電子部品を製造する際に、金型内表面に断熱層が形成された金型を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には本発明は以下のものを提供する。
【0015】
(1) 金型内表面の少なくとも金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層が形成された金型を用いて、射出成形により液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂と金属部品とを複合化する表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【0016】
(2) 前記熱可塑性樹脂が液晶性ポリマーからなる(1)記載の表面実装用電気・電子部品の製造方法。
【0017】
(3) 前記断熱層は、熱伝導率が5W/m・K以下である(1)又は(2)記載の表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【0018】
(4) 前記断熱層は、ポリイミド樹脂を含む(1)から(3)いずれか記載の表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【0019】
(5) 前記表面実装用の電気・電子部品が、コネクター、スイッチ、リレー、コンデンサ、トランス、コイルボビン、抵抗器、集積回路、又は、発光ダイオード(LED)である(1)から(4)いずれか記載の表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明の製造方法により得られる、液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を熱可塑性樹脂として用いた表面実装用の電気・電子部品は、金属部品と熱可塑性樹脂との界面の密着性に優れる。このため、金属部品の抜け落ちや、界面からの気体、液体の漏洩等が生じ難い高品質の電気・電子部品や自動車部品等を提供することができる。
【0021】
また、本発明の製造方法によれば、加熱装置及び冷却装置を備える保持駒等を備える金型を必ずしも用いる必要が無い。このため、金型の改造や、保持駒の複雑な温度制御が不要であり、簡易な工程によって低コストで表面実装用の電気・電子部品を製造することが可能となる。
【0022】
さらに、本発明の製造方法により得られる表面実装用の電気・電子部品である場合は、表面実装時の「フラックス上がり」が起こり難い。このため、本発明の方法により製造された表面実装用の電気・電子部品を用いることにより、表面実装工程を含む工程により家電製品、情報通信機器、自動車部品等を製造する際の不良品の発生を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0024】
本発明は、射出成形により、液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂と金属部品とを複合化する表面実装用の電気・電子部品の製造方法において、金型内表面に断熱層が形成された金型を用いることを特徴とする。以下、本発明について、熱可塑性樹脂、金属部品、断熱層、成形方法、表面実装用の電気・電子部品の順で説明する。
【0025】
[熱可塑性樹脂]
本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「熱可塑性樹脂」とは、熱可塑性樹脂単独の材料のみならず、熱可塑性樹脂に各種の充填材、及び/又は、各種の添加剤を配合した熱可塑性樹脂組成物も意味する。
【0026】
本発明において使用する熱可塑性樹脂は、表面実装用の電気・電子部品として必要な高耐熱性が必要であることから、荷重たわみ温度が250℃以上であることが好ましく、280℃以上がより好ましい。荷重たわみ温度を前述の範囲とすることで、電気・電子部品を表面実装する際の、金属部品と熱可塑性樹脂との界面の隙間の発生の一因として考えられる熱による変形等が生じ難く、より「フラックス上がり」を抑制することができる。このため、本発明において使用する熱可塑性樹脂は、液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる。また、液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂を用いることにより、機械的性質、電気的性質、寸法精度に優れる表面実装用の電気・電子部品を、成形性よく製造することが可能となる。
【0027】
液晶性ポリマー及びポリフェニレンスルフィド樹脂の中では、より精密成形性に優れ、成形時にバリが発生し難いことから、液晶性ポリマーを用いるのがより好ましい。
【0028】
本発明において、液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で、1種又は2種以上の他の熱可塑性樹脂と組み合わせて用いることができる。液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂と組み合わせることができる熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、弗素樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
〔液晶性ポリマー〕
本発明において熱可塑性樹脂として使用する液晶性ポリマーは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーである。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明に適用できる液晶性ポリマーは直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
【0030】
上記の液晶性ポリマーは特に限定されず、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであるのが好ましく、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルもその範囲にある。これらは60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1重量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.0dl/g、さらに好ましくは2.0〜1.0dl/gの対数粘度(I.V.)を有するものが使用される。
【0031】
本発明に適用できる液晶性ポリマーとしての芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドとしては、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物に由来する繰返し単位を有する芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドが特に好ましい。
【0032】
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上に由来する繰り返し単位からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上、及び、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、に由来する繰り返し単位からなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及びその誘導体の1種又は2種以上、及び、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上、に由来する繰り返し単位からなるポリエステルアミド;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及びその誘導体の1種又は2種以上、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上、及び、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、に由来する繰り返し単位からなるポリエステルアミド等が挙げられる。さらに上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
【0033】
本発明に適用できる液晶性ポリマーを構成する繰り返し単位を与える具体的な化合物の好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、下記一般式(A)及び下記一般式(B)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、下記一般式(C)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
【0034】
【化1】

(X:アルキレン(C1−C4)、アルキリデン、−O−、−SO−、−SO−、−S−、−CO−より選ばれる基である。)
【化2】

【化3】

(Y:−(CH−(n=1〜4)、−O(CHO−(n=1〜4)より選ばれる基である。)
【0035】
〔ポリフェニレンスルフィド樹脂〕
本発明において熱可塑性樹脂として使用できるポリフェニレンスルフィド樹脂(ポリフェニレンチオエーテル系樹脂)としては、ポリフェニレンスルフィド骨格−(Ar−S−)−[式中、Arはフェニレン基を示す]を有する単独重合体及び共重合体が含まれる。
【0036】
フェニレン基(−Ar−)としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基(例えば、C1−5アルキル基等の置換基を有するアルキルフェニレン基や、フェニル基等の置換基を有するアリールフェニル基)、p,p’−ジフェニレンスルホン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基等が例示できる。ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、このようなフェニレン基で構成されるフェニレンスルフィド基のうち、同一の繰返し単位を用いたホモポリマーであってもよく、組成物の加工性の点から、異種繰返し単位を含むコポリマーであってもよい。
【0037】
ホモポリマーとしては、p−フェニレンスルフィド基を繰返し単位とする線状のものが好ましく用いられる。コポリマーとしては、p−フェニレンスルフィド基を主繰返し単位とし、m−フェニレンスルフィド基を含む組み合わせが好ましい。p−フェニレンスルフィド基を主繰返し単位とし、m−フェニレンスルフィド基を含むコポリマーの中では、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から、p−フェニレンスルフィド基を60モル%以上含む線上のコポリマーがより好ましく、p−フェニレンスルフィド基を70モル%以上含む線上のコポリマーが特に好ましい。
【0038】
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、比較的低分子量の線状ポリマーを酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーであってもよく、2官能性モノマーを主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に線状構造の高分子量ポリマーであってもよい。得られる成形物の物性の点からは、縮重合によって得られる実質的に線状構造ポリマーの方が好ましい。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、3個以上の官能基を有するモノマーを組み合わせて重合した分岐又は架橋ポリフェニレンスルフィド樹脂や、この樹脂を前記の線状ポリマーにブレンドした樹脂組成物も用いることができる。
【0039】
ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、ポリフェニレンスルフィドやポリビフェニレンスルフィド(PBPS)の他、ポリフェニレンスルフィドケトン(PPSK)、ポリビフェニレンスルフィドスルホン(PPSS)等も使用できる。ポリフェニレンスルフィド樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0040】
〔充填材〕
熱可塑性樹脂に配合する充填剤の好適な例としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、金属の繊維状物等の繊維状充填材、カーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイト、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末等の分粒状充填材、及び、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔等の板状充填材等が挙げられる。これらの充填材は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
充填剤の熱可塑性樹脂への配合量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。典型的には、充填材は、熱可塑性樹脂100質量部に対して200質量部以下、より好ましくは100質量部以下となるように配合される。
【0042】
〔添加剤〕
熱可塑性樹脂に配合する添加剤としては、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、及び、難燃剤等が挙げられる。これらの添加剤は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
[金属部品]
本発明で使用する金属部品の材料は特に制限されず、例えば、銅、アルミ、鉄等の金属、燐青銅、ステンレス等の合金、異種の金属の貼合わせ体、これらのメッキ処理品等が挙げられる。材料がステンレスである場合の具体例としては、マルテンサイト系、オーステナイト系等のステンレス鋼が挙げられる。
【0044】
金属部品の形状は、射出成形により熱可塑性樹脂との複合化が可能である限り特に制限されない。金属部品は、熱可塑性樹脂と接触する箇所の表面を予め粗化処理して熱可塑性樹脂との密着を良くしてもよい。粗化処理の程度は、十点平均粗さ(Rz)で表して、8μm以上、好ましくは8〜15μm、特に10μm以上である。粗化処理は、研磨、メッキ、又はエッチング等の方法により行うことができる。
【0045】
[断熱層]
本発明の表面実装用の電気・電子部品の製造方法では、金型内表面の少なくとも金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層が形成された金型を用いる。少なくとも金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層を形成することにより、射出成形時に金型内に高温の溶融樹脂が流入することによって金属部品の温度が瞬時に上昇した後に、金属部品及び金属部品と接触する熱可塑性樹脂の温度が、低下し難くなる。その結果、熱可塑性樹脂の固化が熱可塑性樹脂と金属部品の表面とが十分に馴染んだ状態でゆっくりと進行すること、及び、金属部品の温度低下が少なく、金属と樹脂の収縮量の差が小さくなることにより、金属部品と熱可塑性樹脂とが十分に密着した金属複合積層部品が得られる。金型内表面に、金属部品と接触するにもかかわらず断熱層がない部分が存在すると、その部分において金属部品が金型により急速に冷却され、本発明の効果が十分に得られない。
【0046】
本発明において、「金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層が形成された」とは、金属部品と金型内表面とが接触する部分が完全に断熱層により被覆されている場合のみならず、金属部品を金型内に載置する際の僅かな位置のずれ等により、不可避的に金属部品と金型内表面とが接触する部分に僅かに断熱層が形成されていない箇所が生じている場合も含む。具体的な断熱層の面積としては、金型内表面と金属部品とが接触する部分の面積の90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上が特に好ましい。
【0047】
断熱層は、金型内の金属部品と熱可塑性樹脂層との界面での温度低下を抑制できるものであれば材料等は特に限定されない。また、本発明において、金型は、金型内表面の少なくとも金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層が形成されていればよいが、金属部品と熱可塑性樹脂との密着性の改良効果の点で、金型内表面全面に断熱層を形成することが好ましい。
【0048】
本発明において、金型内表面に形成される断熱層の熱伝導率は、5W/m・K以下であることが特に好ましい。断熱層の熱伝導率を上記の範囲に調整することで、金属部品及び金属部品と接触する熱可塑性樹脂の温度の低下を十分に抑制することができ、金属部品と熱可塑性樹脂との密着性をより高めることができる。なお、断熱層の材料の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法により熱拡散率、アルキメデス法により比重、示差走査熱量計(DSC)により比熱を測定することにより算出することができる。
【0049】
また、射出成形の際に金型内には高温の熱可塑性樹脂が流れ込むため、断熱層は成形の際の高温に耐えられるような耐熱性を備えることが必要になる。
【0050】
本発明の表面実装用の電気・電子部品の製造方法において用いる断熱層の材料としては、ポリイミド樹脂を含むものがより好ましい。ポリイミド樹脂は上記熱伝導率が5W/m・K以下であり、射出成形の際の高温にも十分に耐える耐熱性を有するからである。
【0051】
本発明において好適に使用可能なポリイミド樹脂の具体例としては、ピロメリット酸(PMDA)系ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミド、トリメリット酸を用いたポリアミドイミド、ビスマレイミド系樹脂(ビスマレイミド/トリアジン系等)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系ポリイミド、アセチレン末端ポリイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。これらのポリイミド樹脂は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0052】
ポリイミド樹脂以外に、断熱層として好適に使用できる材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等が挙げられる。
【0053】
金型の内表面に断熱層を形成する方法は特に限定されず、例えば、高分子断熱層を形成しうるポリイミド前駆体等のポリマー前駆体の溶液を金型表面に塗布し、加熱して溶媒を蒸発させ、さらに加熱してポリマー化することによりポリイミド膜等の断熱層を形成する方法、又は、耐熱性高分子のモノマー、例えばピロメリット酸無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテルを蒸着重合させる方法等が挙げられる。平面形状の金型に関しては、高分子断熱フィルムを用い適切な接着方法により接着する方法、又は、粘着テープ状の高分子断熱フィルムを金型の所望の部分に貼付けて断熱層を形成する方法等で断熱層を形成することもできる。また、断熱層を形成した後に、さらにその表面にクローム(Cr)膜や窒化チタン(TiN)膜を形成することも可能である。
【0054】
[成形方法]
本発明において、表面実装用の電気・電子部品を製造する際の成形方法は、金属部品と熱可塑性樹脂とを射出成形により複合化する方法であれば特に制限されず、インサート成形、アウトサート成形、フープ成形等の種々の方法を用いることができる。
【0055】
本発明の方法において表面実装用の電気・電子部品を成形する際に、金属部品は予め加熱したものを用いてもよい。金属部品が予め加熱されている場合、金属部品の温度は、100〜300℃であるのが好ましく、140〜250℃であるのがより好ましい。金属部品を予め加熱しておくことにより、より金属部品と熱可塑性樹脂との密着性を高めることができる。
【0056】
本発明において、表面実装用の電気・電子部品を製造する際の射出成形条件は、本発明の目的を阻害しない範囲で制限されず、使用する熱可塑性樹脂の種類、表面実装用の電気・電子部品の形状等を考慮し、一般的な射出成形条件から適宜選択することができる。
【0057】
本発明において、表面実装用の電気・電子部品を製造する際の金型温度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されないが、50〜160℃であるのが好ましく、110〜150℃であるのがより好ましく、130〜150℃であるのが特に好ましい。金型温度を上記の範囲で設定することにより、より金属部品と熱可塑性樹脂との密着性を高めることができる。
【0058】
[表面実装用の電気・電子部品]
本発明の方法により製造される表面実装用の電気・電子部品は、金属部品と熱可塑性樹脂とが複合化されたものであって、表面実装されるものであれば特に制限されない。本発明の方法により製造される好適な表面実装用の電気・電子部品の例としては、コネクター、スイッチ、リレー、コンデンサ、トランス、コイルボビン、抵抗器、集積回路、トランス、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
【0059】
本発明の方法により製造された、表面実装用の電気・電子部品は金属部品と熱可塑性樹脂との密着性に優れるため、金属部品の抜け落ちや、金属部品と熱可塑性樹脂との界面の隙間からの気体や液体の漏洩が生じ難い。また、本発明の方法により製造された、表面実装用の電気・電子部品を用いて表面実装を行うことにより、「フラックス上がり」の発生を十分に抑制することができる。
【0060】
本発明の方法により製造された表面実装用の電気・電子部品を表面実装する方法は特に制限されず、従来知られる種々の方法を用いることができる。表面実装方法としては、多数箇所のはんだ付けが行えるばかりでなく、不要箇所にはんだが付着しないことからリフロー法が特に好適に用いられる。
【0061】
リフロー法では、はんだ付けに、はんだ粉末及びフラックスを含有するソルダーペーストを用いる。フラックスに含まれる成分としては、(a)樹脂成分、(b)溶剤、(c)活性剤、(d)チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。フラックスはその他に、酸化防止剤、キレート化剤等の従来使用される種々の添加剤を含んでいてもよい。
【0062】
(a)樹脂成分の具体例としては、天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、天然ロジン類の変性物等、ロジンエステル、ポリアミド、ポリエステル、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂等が挙げられる。
【0063】
(b)溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシルグリコール、オクタンジオール、エチルヘキシルグリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、テルピネオール等のアルコール類;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。溶剤の種類は、ソルダーペーストの溶融温度に応じて適宜選択することができる。
【0064】
(c)活性剤の具体例としては、アミン類(ジフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジフェニルアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等)、アミン塩類(エチレンジアミン等のポリアミンや、シクロヘキシルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン等のアミンの有機酸塩や無機酸(塩酸、硫酸等の鉱酸)塩等)、有機酸類(コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸、マレイン酸等のジカルボン酸;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;乳酸、ジメチロールプロピオン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等)、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリン等)等が挙げられる。
【0065】
ソルダーペーストに含まるはんだ粉末の具体例としては、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi系、Sn−Ag−Cu−Bi系、Sn−Ag−Cu−In系、Sn−Ag−Cu−S系、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge系、Sn系、Sn−Pb系、Sn−Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、In−Pb系、Pb−Ag系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Zn系、Sn−Sb系等が挙げられる。
【0066】
本発明の方法により製造された表面実装用の電気・電子部品をリフロー法により表面実装する際の、昇温時間、ピーク温度等の条件は特に制限されず、用いるソルダーペーストの種類、表面実装用の電気・電子部品の形状等に応じて適宜選択すればよい。
【0067】
以上のように、表面実装用の電気・電子部品として本発明の方法により製造される金属複合成形品を用いることにより、表面実装時の「フラックス上がり」の発生を抑制でき、表面実装工程を含む工程により家電製品、情報通信機器、自動車部品等を製造する際の不良品の発生を低減することができる。
【実施例】
【0068】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0069】
<材料>
液晶性ポリマー:ポリプラスチックス(株)製 ベクトラE130i
金属インサート:銅製リードフレーム
【0070】
<実施例1>
(断熱層形成)
金型としては、金属インサートを保持する保持駒を備えるものを使用した。金型のキャビティー全面にポリイミド樹脂ワニスを均一に塗布した後、金型を250℃で60分処理して断熱層を形成した。断熱層形成前と断熱層形成後の保持駒の寸法を測定し、断熱層を形成することにより生じた寸法差を断熱層の膜厚とした。
【0071】
(金属複合成形品の成形)
表1に記載の射出成形条件により、射出成形機((株)ソディック製、TR−40VR)により、金型温度120℃で金属複合成形品を射出成形した。得られた金属複合成形品の金属インサートへの樹脂付着面積を以下の方法に従い測定した。樹脂付着面積を表2に記す。
【0072】
〔樹脂付着面積測定方法〕
金属複合成形品から金属インサートを取り外し、デジタルカメラにて樹脂付着部分を撮影し、写真編集ソフト(Adobe(登録商標) Photoshop(登録商標) Elements)を用い金属面と樹脂付着部を二値化処理した後、樹脂付着部のピクセル数を測定し、1mm辺りのピクセル数と比較し面積を算出した。
【0073】
【表1】

【0074】
(リフロー処理)
金属複合成形品に、ソルダーペースト(千住金属工業(株)製、M705−GRN360−K2−V)を塗布後、IRリフロー装置((株)日本パルス研究所製、RF−330)を用い、プレヒート温度200℃、リフロー温度270℃の条件でリフロー処理して、基板上に表面実装した。リフロー処理後のリードフレーム上のフラックス浸透面積を以下の方法に従い測定した。フラックス浸透面積を表2に記す。
【0075】
〔フラックス浸透面積測定方法〕
金属複合成形品から金属インサートを取り外し、デジタルカメラにてフラックス付着部分を撮影し、写真編集ソフト(Adobe(登録商標) Photoshop(登録商標) Elements)を用い金属面とフラックス付着部を二値化処理した後、フラックス付着部のピクセル数を測定し、1mm辺りのピクセル数と比較し面積を算出した。
【0076】
<実施例2>
金型に装着した金属インサートに熱風を20秒間吹きつけ、金属インサートを約200℃に加熱した後に射出成形を行うことの他は、実施例1と同様にして金属複合成形品の成形、及び、リフロー処理を行った。実施例2で得られた金属複合成形品の樹脂付着面積及びフラックス浸透面積を表2に記す。
【0077】
<実施例3>
金型温度を150℃とすることの他は、実施例1と同様にして金属複合成形品の成形及びリフロー処理を行った。実施例3で得られた金属複合成形品の樹脂付着面積及びフラックス浸透面積を表2に記す。
【0078】
<実施例4>
金型温度を150℃とすること、及び、金型に装着した金属インサートに熱風を20秒間吹きつけ、金属インサートを約200℃に加熱した後に射出成形を行うことの他は、実施例1と同様にして金属複合成形品の成形及びリフロー処理を行った。実施例4で得られた金属複合成形品の樹脂付着面積及びフラックス浸透面積を表2に記す。
【0079】
<比較例1及び2>
金型に断熱層を設けないこと、及び、金型温度を表2に記載の温度とすることの他は、実施例1と同様に金属複合成形品の成形、及び、リフロー処理を行った。比較例1及び2で得られた金属複合成形品の樹脂付着面積及びフラックス浸透面積を表1に記す。
【0080】
【表2】

【0081】
実施例1〜4と、比較例1及び2との比較により、金型に断熱層としてポリイミド膜を形成することにより、金属インサートへの樹脂付着面積が広がる、即ち、金属複合成形品における金属インサートと熱可塑性樹脂との密着性が大幅に改善したことが分かる。さらに、断熱層を形成した金型を用いて製造した実施例1〜4の金属複合成形品では、比較例1及び2の金属複合成形品と比べ、リフロー処理後のフラックス浸透面積が狭まり、表面実装時の「フラックス上がり」の問題が大きく改善されることが分かる。
【0082】
また、実施例1と、実施例3〜4との比較により、射出成形する前に金属インサートを加熱すること、及び/又は、金型温度を高めの設定(150℃)とすることにより、金属複合成形品の密着性をより高め、表面実装時の「フラックス上がり」の問題をより改善できることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型内表面の少なくとも金属部品と金型内表面とが接触する部分全面に断熱層が形成された金型を用いて、射出成形により液晶性ポリマー及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂からなる熱可塑性樹脂と金属部品とを複合化する表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が液晶性ポリマーからなる、請求項1に記載の表面実装用電気・電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記断熱層は、熱伝導率が5W/m・K以下である請求項1又は2記載の表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記断熱層は、ポリイミド樹脂を含む請求項1から3いずれか記載の表面実装用の電気・電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記表面実装用の電気・電子部品が、コネクター、スイッチ、リレー、コンデンサ、トランス、コイルボビン、抵抗器、集積回路、又は、発光ダイオード(LED)である請求項1から4いずれか記載の表面実装用の電気・電子部品の製造方法。

【公開番号】特開2011−104787(P2011−104787A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259169(P2009−259169)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(390006323)ポリプラスチックス株式会社 (302)
【Fターム(参考)】