説明

表面検査装置およびその方法

【課題】表面検査ツールおよび方法を提供する。
【解決手段】検査ツールの実施形態は、光ビームをワークピース上に導くことによって、前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンにしたがって散乱された光を含む、散乱された光を発生する照射源を含む。この実施形態は、前記ワークピースから散乱された光を受け取り、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光を、この光を電気信号に変換する前記フォトセンサに選択的に導くプログラム可能な光選択アレイを含む。処理回路は、前記光検出要素からの電気信号を受け取り、ワークピースの欠陥の特徴付けを含みえる前記ワークピースの表面分析を行う。プログラム可能な光選択アレイは、以下に限定されないが、反射器アレイおよびフィルタアレイを含みえる。本発明はまた関連付けられた表面検査方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年7月23日に出願された「Darkfield Inspection System Having Programmable Light Selection Array」と題された米国特許仮出願第60/489,621号(弁護士整理番号KLA1P123P/P1207)の優先権を主張する。上記出願はその全体が全ての目的のためにここで参照によって援用される。
ここに記載される本発明は、大きくは、表面検査および試験に関する。具体的には、本発明は、無パターン半導体ウェーハ表面の暗視野検査の装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長年、暗視野走査方法は、パターンあり表面を走査するのに用いられてきた。暗視野走査は、表面の特徴を特徴付け調べるために表面によって散乱または回折された光を利用する。ここで用いられるように、散乱された光とは、散乱された光および回折された光の両方を指す。図1は、暗視野走査の局面を図示するのに用いられる照射された表面の断面図である。照射源101は、光ビームI(ここでは入射ビームとも呼ばれる)を調べられている表面102上に投射する。入射ビームIの一部は表面によって反射され反射ビームRとなる。もし表面102が完全に反射するなら、入射ビームIの全体が反射されるだろう。しかし多くの表面は、入射ビームIからの一部の光を散乱させるさまざまな特性を持つ。暗視野走査はこの散乱された光を利用する。
【0003】
光散乱を生じるある特定の表面特徴は欠陥と呼ばれる。欠陥の検出、定量化、および分類はさまざまな領域で重要である。特に欠陥検出および分析は半導体プロセスにおいて重要である。欠陥には、これらに限定されないが、表面102を傷つけるピット、バンプ、スクラッチ、および多くの他の特徴が含まれる。よって入射ビームIの光は、しばしば、ある程度の散乱を受けることになる。図1は、表面欠陥108によって散乱される複数の散乱光103、104、105、および106によって概略的に図示される光散乱パターンを持つ典型的な入射ビームIを示す。図示された複数の光は、表面によって散乱および回折された光の連続的な角度分布を表現しえる。
【0004】
たいていの従来の暗視野検査ツールは、検査表面から散乱された光を検出するために単一の個別フォトセンサ要素(例えば光電子増倍管(PMT))を利用する。設計によっては、3または4つの別個の広く間隔が設けられた個別の光検出器要素が利用される。このような個別の光検出器要素(群)は、それらが反射する(反射された)ビームRのパス上にないように配置される。これにより背景(視野)が暗い検出視野が得られる。検出器によって受け取られた散乱された光は、表面102を代表するものを提供し、これにより欠陥が暗い背景つまり視野に対してより明るい領域として浮かび上がる。したがって暗視野走査という名前が付けられている。
【0005】
典型的な検査ツールでは、照射源は、入射光ビームを検査されている表面(すなわち、これに限られないが通常は半導体ウェーハであるワークピース)上に導く。もし表面が完全に反射するのであれば、全ての光は正反射方向(図1のR)に反射される。しかしたいていの場合、最も高い品質のウェーハ(または他の表面)でさえもある程度の表面の粗さを持ち、これが入射光ビームの散乱を生む。さらに表面の不完全性および他の欠陥はさらなる散乱を生む。欠陥検出のために用いられる従来の暗視野検査技術の基礎を形成するのは、表面欠陥によるこの光散乱の概念である。
【0006】
図2(a)および2(b)は、暗視野走査を用いて走査されている表面の断面図を描く。表面102は、入射ビームIによって照射され、その一部は反射ビームRとして反射される。入射ビームIの他の部分は散乱される。図2(a)は、欠陥がない場合の表面102からの散乱を描く。ふつうの表面は完全ではないので、入射光は多くの異なる角度において散乱される。これによって、それぞれのウェーハについて表面の特徴(例えば表面トポグラフィ、用いられた材料の厚さおよび種類、表面のレイヤ化された構造など)および他のファクタに依存して異なる第3次元的な角度光分布が得られる。この3次元的角度光分布は、ここでは、検査されている表面102の通常の散乱パターン200と呼ばれる。図2(a)は3次元の現実の2次元表現であるので、通常の散乱パターン200について単一の範囲の散乱角群しか描かれていない。実際には、通常の散乱パターン200の散乱角群は、紙面の中に、および紙面から外へ伸びる。
【0007】
図2(b)は、表面の上に形成された欠陥Dを有することを除いて図2(a)に描かれたのと同じ表面102を描いている。欠陥Dの存在によって散乱パターンは変化する。欠陥Dは、例えば散乱光線S1、S2、およびS3のようにいくらかの光を散乱させる。さらに多くの光は、通常の散乱パターン200’によって規定される散乱角群内にやはり入る。この散乱された光の測定によって、検査ツールは検査表面102内の欠陥を検出し特徴付けることができる。
【0008】
図3(a)の簡略化された概略図に描かれるように、従来の暗視野検査の実現例によっては、ウェーハ300がツールに置かれ、スパイラル状の検査パターン301が実行される。このような検査のあいだ、ウェーハ300の表面から散乱された光が検出される。散乱された光の強度(I)は、時間(t)にわたって図3(b)に描かれるようにプロットされえる。ふつうそうであるように、散乱の強度は入射ビームが欠陥を照射するときに強くなる。このような欠陥信号302が概略的に描かれる。またスパイラル状の検査パターンにおいては(多くの他の検査パターンと同様に)、時間は欠陥の位置と相関付けられるので、欠陥は位置特定され、識別されえる。しかし欠陥の小さなサイズのせいで、散乱光強度の増加は非常にわずかでありえる(欠陥信号302についてのわずかな振幅の増加によって示されるように)。よって、この種の従来の暗視野検査の困難のうちの1つは、このような検査についての信号対雑音比(SNR)を向上させ、このような検査の信頼性および感度を増すことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって必要とされるのは、検査プロセスにおいて散乱光を用いて発生された欠陥信号を受け取り、およびプロセスする改良された方法および装置である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の原理によれば、表面検査ツールおよび方法が開示される。大きくは、本発明の実施形態は、検査される表面の通常の散乱パターンによって発生された光学的信号を選択的に除外する検査ツールに関する。通常の散乱パターンが除外された後の光学信号は、一般に、検査される表面の欠陥によって発生される信号を含む。この残った信号は、選択的に検出され、検査される表面の欠陥を検出し分類するために分析される。このような実施形態および関連する方法は、従来の技術よりもより高い信号対雑音比を提供し、向上された欠陥検出および分析能力を提供する。
【0011】
ある実施形態において、検査ツールは、光ビームをワークピース上に導くことによって、前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンにしたがって散乱された光を含む、散乱された光を発生する照射源を含む。この実施形態は、前記ワークピースから散乱された光を受け取り、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光を、この光を電気信号に変換する前記フォトセンサに選択的に導くプログラム可能な光選択アレイを含む。処理回路は、前記光検出要素からの電気信号を受け取り、ワークピースの欠陥の特徴付けを含みえる前記ワークピースの表面分析を行う。プログラム可能な光選択アレイは、以下に限定されないが、反射器アレイおよびフィルタアレイを含みえる。
【0012】
他の実施形態は、光ビームをワークピース上に導くことによって、前記ワークピースから散乱された光を発生する照射源を含む。プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された光を受け取り、前記光を第1光検出アレイ上に導くように配置される。回路は、電気信号を受け取り、前記ワークピースから散乱された前記光のうちのどの部分が前記ワークピースの前記通常の散乱パターンを含むかを判断する。この判断に基づいて、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光をフォトセンサ上にさらに選択的に導き、前記フォトセンサで前記光が関連付けられた欠陥信号に変換される。前記欠陥信号は、ワークピースの表面分析を行うために処理回路によって分析される。
【0013】
他の実施形態においては、表面検査装置は、光ビームをワークピース上に導く照射源、および前記ワークピースから散乱された光を受け取るよう配置されたプログラム可能な光選択アレイを含む。前記プログラム可能な光選択アレイは、前記光を光検出器要素上に導き、前記光のうちの選択された部分をフォトセンサ上に選択的に導くことができる。前記光検出器要素は、光を前記プログラム可能な光選択アレイから受け取り、前記受け取られた光を関連付けられた電気信号に変換し、この電気信号は、受け取られ、分析されることによって、前記ワークピースの通常の散乱パターンに関連付けられた前記ワークピースから散乱された前記光のうちの通常の散乱部分、および前記ワークピースの欠陥に関連付けられた前記ワークピースから散乱された前記光のうちの欠陥部分を決定する。制御回路は、前記ワークピースから散乱された前記光の前記欠陥部分を備える前記光の前記選択された部分が、前記欠陥部分を欠陥電気信号に変換する前記フォトセンサ上に選択的に導かれるように前記プログラム可能な光選択アレイの光選択要素を制御する。欠陥分析回路は、前記ワークピースの欠陥を特徴付けるために前記フォトセンサ要素からの前記欠陥電気信号を受け取り分析する。
【0014】
他の実施形態においては、表面検査を行う方法が開示される。この方法は、ワークピースを検査のために提供すること、前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンを発生する前記ワークピースの非欠陥部分から散乱された光を含む、散乱された光を発生するように前記ワークピースを照射することを含む。散乱された光は、検出され、散乱された光のどの部分がワークピースの通常の散乱パターンを構成するかが決定される。この情報は、前記選択的に検出された欠陥を分析することによって前記ワークピース表面を特徴付けることに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
これらおよび他の本発明の局面は、以下の図面の詳細な説明においてより詳細に記載される。
【図1】半導体ウェーハ表面から散乱される入射光ビームを示す簡略化された概略断面により示す説明図である。
【図2(a)】結果として生じる散乱パターンを示す欠陥を持たない半導体ウェーハ表面から散乱される入射光ビームを示す簡略化された概略断面により示す説明図である。
【図2(b)】結果として生じる散乱パターンを示す欠陥を持つ半導体ウェーハ表面から散乱される入射光ビームを示す簡略化された概略断面により示す説明図である。
【図3(a)】例示的な螺旋検査パターンを示すウェーハの概略上面図である。
【図3(b)】図3(a)に図示された検査プロセスから生じる時間の経過にしたがう散乱光強度のグラフである。
【図4(a)】表面からの散乱によって引き起こされた光分布を側面から簡略化して示す説明図である。
【図4(b)】表面からの散乱によって引き起こされた光分布を上面から簡略化して示す説明図である。
【図4(c)】図4(a)および4(b)に図示された散乱パターンに対応する簡略化された2次元マッピング画像を示す説明図である。
【図5】本発明の原理によって構成された一般化された装置の局面を示すブロック図である。
【図6(a)】選択的フィルタリング動作の局面を示す本発明のある装置実施形態の簡略化された概略断面図である。
【図6(b)】本発明の装置によって検出された表面から散乱された光の2次元画像の図である。
【図6(c)】選択的フィルタリング動作の局面を示す本発明のある装置実施形態の簡略化された概略断面図である。
【図6(d)】反射器アレイを用いる選択的光選択の局面を示す本発明の他の装置実施形態の簡略化された概略断面図である。
【図6(e)】本発明の装置によって検出された表面から散乱された光の2次元画像の図である。
【図6(f)】反射器アレイを用いる選択的光選択の局面を示す本発明の他の装置実施形態の簡略化された概略断面図である。
【図6(g)】反射器アレイを用いる選択的光選択の局面を示す本発明の他の装置実施形態の簡略化された概略断面図である。
【図7(a)】反射器アレイを用いる選択的光選択の局面を示す本発明の他の装置実施形態を、本発明の装置によって検出された表面から散乱された光の2次元画像と共に、簡略化して示す概略断面図である。
【図7(b)】反射器アレイを用いる選択的光選択の局面を示す本発明の他の装置実施形態の簡略化された概略断面図である。
【図8】本発明の原理による方法実施形態を図示するフローチャートである。
【図9(a)】エピタキシャル成長されたウェーハ表面を持つパターンなしウェーハの簡略化された概略図である。
【図9(b)】エピタキシャル成長されたウェーハ表面を持つパターンなしウェーハの簡略化された概略図である。
【図9(c)】エピタキシャル成長されたウェーハ表面を持つパターンなしウェーハを照射することから生じる通常の散乱パターンの簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明は、添付図面と併せれば容易に理解されよう。図面においては同様の参照符号は同様の構成要素を示すことがわかるだろう。また図面の図示は必ずしも実物と同じ比率ではないこともわかるだろう。
【0017】
本発明は、ある実施形態およびその特定の特徴について特に図示され説明されている。ここで以下に説明される実施形態は、限定的にではなく、例示的として理解されるべきである。当業者には、形態および詳細についてさまざまな変更および改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえることが容易に理解されよう。
【0018】
以下の詳細な説明は、表面検査ツールおよびその使用方法のさまざまな実施形態を説明する。特に、本発明の実施形態は、散乱光を発生させるためにパターンなしの表面の一部を照射する。散乱された光は選択的に検出される。このような選択的検出は、表面の欠陥によって生じた検出する散乱光に集中され、一方で、通常の散乱パターンから検出された光の量を実質的に低減する。多くの実施形態において、このような選択的検出は、以下に詳述される光選択アレイの使用を通じて可能にされる。
【0019】
パターンなしのウェーハは、表面の欠陥を含まない部分のほとんどの照射から一般に起こる通常の散乱パターンを持つことが発明者らによって発見された。通常の散乱パターンは、角度光散乱分布(angular light scattering distribution)によって特徴付けされえる。さらに発明者らは、一般に、欠陥によって引き起こされた散乱は、通常の散乱パターンとは異なる角度分布において散乱することを発見した。つまり欠陥によって散乱された光は、ある範囲の角度で散乱され、通常の散乱パターンの光は異なる範囲の角度で散乱される。さらに欠陥は、このようなウェーハ表面の小さな部分だけを占めるので、表面の照射によって発生された散乱光のほとんど大部分は通常の散乱パターンに対応する。よってウェーハ全体(またはその一部分)を走査することによって、ウェーハを一般化する光散乱パターンが決定されえる。さらに通常の散乱パターンは、欠陥検出に用いられえる多くの情報を一般に提供せず、欠陥信号中のノイズに大きく寄与するので、検査者が欠陥によって散乱された光だけを検出することは有利である。このような検出はSNRを低減しえ、欠陥検出および特徴付けの感度を増す。
【0020】
図4(a)、4(b)、および4(c)は、パターンなしの表面の照射によって発生された光散乱パターンのさまざまな局面の概略図である。図4(a)は、入射光ビームIが用いられてパターンなしウェーハ401を照射する点で図2(b)と同様である。光は散乱され(402、403、404)、ウェーハ401の周りに半球状に設けられた(405)複数の検出器dによって検出される。示された図において、ウェーハ401は散乱を引き起こす欠陥Dを持つ。散乱の多くはやはり、欠陥がない場合のウェーハ401の表面によって発生される通常の散乱パターン402に従う。しかし欠陥はまた、散乱光ビーム403および404を結果として生じる散乱を生む。図4(b)は、散乱光がウェーハ401の周りに半球状にマウントされた(405)複数の検出器に入射するときの、光散乱パターンの簡略化された概略的な上から下を見た図である。この図は、通常の散乱パターン402および欠陥によって引き起こされた散乱光ビーム403および404を示す3次元散乱パターンの概念をある程度伝える。この光散乱分布は、さまざまなセンサを用いて2次元画像にマッピングされえる。図4(c)は、そのような2次元マッピング画像410のある例を示す。マッピングの部分は、通常の散乱パターンに関連付けられた光クラスタ402’および欠陥散乱403および404に関連付けられた他の部分の光403’および404’を含む。よって通常の散乱パターンは特定されえる。もし通常の散乱パターン402と関連付けられた光クラスタ402’を画像410から取り除くことができるなら、SNRは大きく改善され、表面検査ツールに関連付けられた感度は改善される。
【0021】
本発明の原理にしたがって一般化された装置のある簡略化された概略図は、図5に描かれる。図5の装置500は、照射源501、プログラマブル光選択要素503、光検出要素504、および装置内での分析、処理、および制御のための電子回路505を含む。照射源501は、ワークピース520(例えばパターンなしウェーハ)上に導かれる入射光ビーム502を作るためのものである。通常、照射源501はレーザである。しかし他のコヒーレントソースが優位に用いられえ、例えばフィルタ付きランプが用いられえる。フィルタ付きHg(水銀)およびXe(キセノン)ランプは、特に満足のいく照射源を提供する。ワークピースは、表面の所望の部分が検査されえるように走査される。ふつうはワークピースは、走査されえるようにワークピース520を動かす可動支持台上に置かれる。ある実施形態において、ワークピース520は、螺旋検査パターンを実現するために回転され平行移動される。当業者に知られた他の走査手法およびアプローチも用いられえる。300mmウェーハ全体が約15秒で走査されえるので、螺旋走査は好ましい。走査のあいだ、光はワークピース520の表面から散乱される。ここで図示されるように、光は、ワークピース520上の欠陥Dによって散乱される。結果として生じる光の分布は、表面の通常の散乱パターン(512の多くの矢印によって表現される)および欠陥513、514によって生じる散乱を含む。プログラム可能な光選択要素503は、欠陥513、514によって生じる散乱が選択的に光検出要素504に導かれ、(とりわけ)欠陥を検出し分類するために、この要素504で検出され、処理され、分析されるよう構成される。さらに通常の散乱パターン512中の光は実質的に光検出要素504に到達することが阻止される(光選択要素503内の斜線によって抽象的に図示される)。よって光検出要素504は、通常の散乱パターンからの光のうちの実質的に全てがない状態で散乱された光を測定することとなる。この光学信号は、それから欠陥を特定し分類するために、電子回路505によって処理される。発明者は、本発明の原理にしたがって、広い範囲の光検出装置が光検出要素504として利用されえることを想定する。好ましくは、光検出要素504は、受け取られた光の2次元画像を形成できる光感光性アレイ型検出器(例えば電荷結合素子(CCD))である。これらに限定されないがCMOSアレイ、マルチカソードPMT、フォトダイオードアレイ、および他のアレイ光検出器を含む当業者に知られた多くの他のタイプのデバイスが用いられえる。さらに個別の光検出器群のクラスタ(つまり分布したもの)も所望であれば用いられえる。さらに発明者は、単一の個別の光検出器要素が光検出器要素504として利用されえる実施形態も想定する。このような単一の個別の光感光性検出器デバイスの例は、これらに限定されないが、光倍増管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオードなどの他の同様のデバイスも含む。
【0022】
このようなデバイスの機能は、以下の例示的な実施形態および例を参照して最もよく説明される。図6(a)および6(c)は、本発明の原理にしたがって構成されたある実施形態の簡略化された図である。図6(b)は、走査のあいだに検出器によって検出されたサンプル光分布パターンを描く。ここで図6(a)を参照して、装置600は、光ビーム602を検査される表面603上に放射する照射源601を含む。光は、分布パターン604で表面から散乱される。光は光学要素605(例えばレンズ要素)を通ってプログラム可能な光選択アレイに達する。この実施形態において、プログラム可能な光選択アレイは、散乱された光を受け取るように配置されたプログラム可能なフィルタアレイ606である。プログラム可能なフィルタアレイ606は、フィルタアレイ606の選択された部分を通して散乱された光を選択的に阻止したり透過させたりするように選択的にアクティベートされたり非アクティベートされたりできる個別のフィルタ要素のアレイを含む。そのようなフィルタアレイは、これらに限定されないが、LCDフィルタアレイ、および受け取られた光の偏光に基づいて光を阻止または透過させる選択的に偏光可能なフィルタアレイ(偏光子)を含みえる。さらに当業者にしられた多くの他のタイプのフィルタアレイも用いられえる。制御要素(電子回路608の一部を任意選択的に形成しえる)は、フィルタ要素の選択的アクティベート化および非アクティベート化を制御する。図6(a)に描かれるように、制御要素は、散乱された光604の全てがフィルタアレイ606を通して透過されるようにフィルタアレイ606のフィルタ要素をアクティベート(または非アクティベート)し、光は光検出要素607によって受け取られる。好ましくは光検出要素607は、受け取られた光の2次元画像を形成できる光感光性アレイ型検出器(例えば電荷結合素子(CCD))である。これらに限定されないがCMOSアレイ、マルチカソードPMT、フォトダイオードアレイ、および他のアレイ光検出器を含む当業者に知られた多くの他のタイプのデバイスが用いられえる。さらに個別の光検出器群のクラスタ(つまり分布したもの)も所望であれば用いられえる。さらに発明者は、単一の個別の光検出器要素が光検出器要素607として利用されえる実施形態も想定する。表面603の所望の部分は、その表面についての全体的な光分布パターンを得るためにそれから走査される。表面のうちの大部分(少なくとも99.9%)が欠陥がないとすると、光分布パターンのうちのほとんどは、表面603についての通常の散乱パターンと関連付けられる。例示的な光分布は、図6(b)に示される、光検出要素607によって作りだされた画像610によって示される。光の大部分(例えば99.9%より大きい部分)は、通常の散乱パターン611内にかたまって存在する。残りの散乱光のほとんどは、欠陥から散乱される。この画像データはそれから、電子回路608のプロセッサ要素によって処理される。回路608はそれから、通常の散乱パターン611をフィルタリングして取り除くためにどのフィルタ要素がアクティベートされるべきか(非アクティベートされるべきか)を判断する。このフィルタリングを行うためには多くの異なるタイプのマイクロ電子デバイスが用いられえる。このようなデバイスは、これらに限定されないが、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(特定用途向けIC)や、他のマイクロプロセッサデバイスを含む。さらに、画像のどの部分が通常の散乱パターンに関連付けられているかを判断するためには、当業者に知られた多くの異なるタイプのアルゴリズムまたは信号処理手法が用いられえる。その結果、通常の散乱パターンが光検出要素607上に透過することを阻止するために、フィルタアレイ606の選択された個別のフィルタ要素がアクティベート/非アクティベートされる。
【0023】
図6(c)は、フィルタアレイ606のフィルタ要素の動作の簡略化された概略図である。電子回路608の制御要素は、通常の散乱パターン604’(フィルタアレイ606上の斜線によって描かれる)の透過を選択的に阻止するために、フィルタアレイ606のフィルタ要素群と選択的に連動する。その結果、欠陥によって生じた散乱光だけが光検出要素607に到達し、ここで検出され欠陥信号に変換され、この欠陥信号は欠陥分析回路(任意選択で電子回路608の一部を形成しえる)によって受け取られ、表面603の欠陥を特定し分類するために処理される。通常の散乱パターンを検出するこの処理は、検査されるそれぞれのウェーハについて行われえる。また通常の散乱パターンは、同様のウェーハ群(例えば、製造プロセス中の同じステップにおける一連のウェーハ群)からなるグループについて決定されえる。あるいは、通常の散乱パターンは、ある表面について予想される光散乱分布を計算できる光学的モデリングプログラムを用いて表面を特徴付けるデータベースから数学的に決定されえる。多くのこのようなモデリングプログラムは、当業者にはよく知られている。レンズ要素605の代わりに多くの他の光ビーム形成デバイスが用いられえることに注意されたい。これらに限定されないが、例としては、放物面および楕円面反射器がある。さらに図示された実施形態は、簡略化された実現例であって、本発明の原理を実施するためには、多くの他の光学的要素、または光学要素群の組み合わせが用いられえることに読者は注意されたい。
【0024】
図6(d)〜6(g)は、さらなる例示的な実施形態である。図6(d)および6(f)は、本発明の原理にしたがって構成される他の実施形態の動作モードを図示する。図6(e)は、走査のあいだに検出器によって検出された光分布パターンのサンプルを示す。今度は図6(d)を参照して、装置620は、光ビーム602を検査される表面603上に投射する照射源601を含む。光は、分布パターン624で表面から散乱される。光は、光学要素625(例えば反射器要素)を透過し、プログラム可能な光選択アレイに到達する。この実施形態において、プログラム可能な光選択アレイは、光分布パターン624を受け取るように配置されたプログラム可能な反射器アレイ626である。プログラム可能なフィルタアレイ626は、光検出要素623上に散乱光の選択された部分を選択的に導くために、選択的にアクティベートされたり非アクティベートされたりできる個別の反射器要素のアレイを含む。そのような反射器アレイは、これに限定されないが、選択的に入射光ビームを異なる向きに導くよう駆動されえるMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)ミラーアレイのようなミラーアレイを含みえる。特に不要な光は、光検出要素623から離れるように導かれえる。制御要素(任意選択で電子回路608の一部を形成しえる)は、反射器要素の選択的なアクティベートおよび非アクティベートを制御する。図6(d)に示されるように、制御要素は、散乱光624の全てが光検出要素623上に反射されるようプログラム可能な反射器アレイ626の反射器要素をアクティベートする(または非アクティベートする)。前述の光検出要素(例えば図6(a)〜6(c)の607)のように、光検出要素623は、受け取られた光の2次元画像を形成しえる光感光性アレイ型検出器(例えば電荷結合素子(CCD))である。また前述のように、これらに限定されないが、個別の光検出器デバイス群を分布させたもの、CMOSアレイ、マルチカソードPMT、フォトダイオードアレイ、および当業者に知られた他のアレイ光検出器を含む多くの他のタイプのデバイスが用いられえる。表面603の所望の部分は、それから、表面の全体的な光分布パターンを得るために走査される。図6(e)は、光検出要素623(大きくは図6(b)に図示されたものと同様)によって作られ、画像630として示される光分布の例を図示する。以前のように、光の大部分(例えば99.9%)は、通常の散乱パターン631内にかたまって存在する。残りの散乱された光のほとんどは、欠陥から散乱され、光の点632によってここでは概略的に図示される。この画像データはそれからプロセッサ要素(電子回路608の一部として、または個別の要素として任意選択的に含まれえる)によって処理される。
【0025】
図6(f)に図示されるように、回路608は、通常の散乱パターン641(円で囲まれた矢印群によって図示される)の光を選択的に光検出要素623から離れるように導くために、どの反射器要素が選択的にアクティベート/非アクティベートされるべきかをそれから判断する。通常の散乱パターン641は、光検出要素623から離れるように導かれるので、欠陥に関連付けられた光642(破線の円で囲まれた矢印群によって図示される)は選択的に光検出要素623上に導かれ、ここで表面分析のために検出され利用される。回路608はそれから、通常の散乱パターン641の光を光検出要素623から離して導くために、どの反射器要素が選択的にアクティベート/非アクティベートされるべきかを判断する。前に開示されたように、選択的に光を適切な検出デバイス上に導くことを促進するために、多くの異なるタイプの電気および電子デバイスが用いられえる。また開示されたように、画像のどの部分が通常の散乱パターンと関連付けられているかを判断するために、当業者に知られた多くの異なるタイプのアルゴリズムまたは信号処理手法が利用されえる。その結果、反射器アレイ626の選択された個別の反射器要素が、散乱光のうちの選択された部分を光検出要素623上に導くために、アクティベート/非アクティベートされる。
【0026】
図6(g)に図示されるように、ある代替のアプローチにおいて、光検出要素623’は、光検出器623dおよび光センサ623sの両方を含む。光検出器623dは、検出された散乱パターンの2次元画像を発生できる検出器である。典型的には、このような光検出器623dは、光検出器アレイ(上で前述されたような)を備える。発明者は、ワークピースからの散乱された光を集光する構成で分散された複数の光感光性デバイスを備える光検出器623dを想定する。光検出要素623’は光検出器623sも含む。光検出器623sは、ふつうは(これには限られないが)個別の光検出器デバイスである。前述のように、回路608は、散乱された光のうちのどの部分が通常の散乱パターン651(円でラベルが付けられてここでは図示される)と関連付けられているかを判断する。反射器要素は、通常の散乱パターン651を光検出器623sから離して導くために、選択的にアクティベート/非アクティベートされる。さらに回路608は、光652を選択的に光検出器623s上に導くために反射器アレイ626の反射器要素を選択的にアクティベート/非アクティベートし、この光検出器623sにおいて光が検出され、表面603を特徴付けるために利用される。光検出器623sは、検査表面から散乱された光を検出するために個別光検出器要素(例えば光倍増管(PMT))を備える。あるいは光検出器632sは、受け取られた光の2次元画像を発生できる他のデバイスを含みえる。
【0027】
他の関連する実施形態において、図6(g)で図示されたデバイスは、通常の散乱パターン651の光を光検出器623d上に導くために利用されえる。よってもし所望であれば、通常の散乱パターン651は、走査のあいだ連続的にモニタされえる。
【0028】
さらに他の実施形態において、より多くの検出器が利用されえる。例えば図7(a)および7(b)に図示されるように、KLA-Tencor Model SP1暗視野検査ツール(カリフォルニア州、サンノゼのKLA-Tencor Corporationによって製造される)が本発明の原理を実現するように改変されえる。
【0029】
図7(a)は、本発明の原理にしたがった暗視野検査装置700を図示する。装置700は、光ビーム702を検査される表面603上に投射する照射源701を含む。前述のように、本発明は、散乱分布パターンで表面から散乱される。
【0030】
散乱された光は、第1光学要素704(例えばレンズまたはレンズ群のグループ)を通って、または第2光学要素705(例えば反射器要素)上に到達する。第1プログラム可能光選択アレイは、第1光学要素704を透過する光を受け取り、この光を光検出器要素721に導く。この実施形態において、第1プログラム可能光選択アレイは、これに限定されないが、第1プログラム可能反射器アレイ711を含み、これは散乱された光712(破線の楕円内の光)を第1光検出器アレイ721上に導く。前述の実施形態のように、第1光検出器アレイ721(例えば電荷結合素子(CCD))は、受け取られた光の2次元画像を形成できるよう構成される。また前述のように、多くの他のタイプのデバイスおよび検出器の構成が用いられえ、これらに限定されないが、個別光検出器デバイス群の分布されたもの、CMOSアレイ、マルチカソードPMT、フォトダイオードアレイ、および当業者に知られた他のアレイフォトダイオードが含まれる。
【0031】
さらに、散乱された光は、第2光学要素705(ここでは反射器要素として図示される)とも相互作用する。この光は、第2光学要素705によって反射され、第2プログラム可能光選択アレイに達する。この実施形態において、第2プログラム可能光選択アレイは、第2プログラム可能反射器アレイ712である。図示されたプログラム可能な光選択アレイは、これに限定されないが、第2プログラム可能反射器アレイ713を含み、これが散乱光714(一点鎖線で囲まれた領域内の光)を第2光検出器アレイ732上に導く。前述の実施形態のように、第2光検出器アレイ732(例えば電荷結合素子(CCD))は、受け取られた光の2次元画像を形成できるように構成される。また前述のように、多くの他のタイプのデバイスおよび検出器の構成が用いられえ、これらに限定はされないが、個別光検出器デバイス群の分布されたもの、CMOSアレイ、マルチカソードPMT、フォトダイオードアレイ、および当業者に知られた他のアレイフォトダイオードが含まれる。
【0032】
よって、走査のあいだ、第1光検出器アレイ721は、表面603によって生じた散乱パターンの画像群の第1セット740を形成する。また、第2光検出器アレイ732は、表面603によって生じた散乱パターンの画像群の第2セット750を形成する。画像の第1セット740の通常の散乱パターン741は、画像の第1セット740を用いて経験的に決定されえる。さらに、画像の第2セット750についての通常の散乱パターン751は、画像の第2セット750を用いられて決定されえる。前述の本発明の原理を用いて、それぞれの通常の散乱パターン741、751は、表面603内の欠陥によって生じた散乱された光を選択的に特定するために利用されえる。第1プログラム可能反射器アレイ711および第2プログラム可能反射器アレイ712をそれぞれ用いて、関連付けられた欠陥信号が検出のための適切な光検出器に導かれる(例えば図7(b)を参照)。また前述のように、電子回路725は、光検出器721、732からのデータを受け取り、このデータを用いて選択的にプログラム可能な光選択アレイ711、713の光選択要素をアクティベートする。このようなプログラム可能な光選択アレイの光選択要素の例は、以下に限定されないが、プログラム可能なフィルタアレイのフィルタ要素およびプログラム可能な反射器アレイの反射器要素を含む。
【0033】
図7(b)をさらに参照して、装置700は、表面603の欠陥によって生じた散乱された光760、770を関連付けられたフォトセンサ723、733に選択的に導く。例えば、第1光学要素704を透過する散乱された光760は、第1反射器アレイ711によって第1フォトセンサ723上に導かれる。同様に、第2光学要素705を透過する散乱された光770は、第2反射器アレイ713によって第2フォトセンサ733上に導かれる。また通常の散乱パターン761、771は、関連付けられた光検出器721、732にそれぞれ導かれた状態にある。よって欠陥を含む信号760、770は、フォトセンサ721、733上に導かれ、これらがそれぞれ、電子回路725によって受け取られ、表面603内の欠陥を特定し、分類するのに用いられる電気信号を作りだす。さらに、このような信号は、その他の点において表面603を特徴付けるのに用いられえる。
【0034】
本発明の原理にしたがった装置を実現するためには他の構成および実現例が用いられえることは当業者には明らかだろう。例えば、異なるタイプのプログラム可能な光選択アレイ(例えばフィルタアレイ)を組み込むように構成および光学要素が改変されえる。このような変更および改変は、発明者によって想定されており、ここで記載された教示内容を用いれば使用のために当業者には不当な試行を課さない。前述のように構成および光学要素は、異なるタイプのプログラム可能な光選択アレイ(例えばフィルタアレイ)を組み込むように改変されえる。このような変更および改変は、発明者によって想定されており、ここで記載された教示内容を用いれば使用のために当業者には不当な試行を課さない。
【0035】
図8は、本発明の原理にしたがったワークピースの表面を検査するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。このような表面検査方法は、ワークピースを検査のために準備することから始まる(ステップ801)。ふつう、このようなワークピースは、半導体ウェーハを備える。このような方法は、パターンありウェーハに適用されえるが、この特許の教示は、パターンなしウェーハおよびパターンなしの表面レイヤを持つウェーハに適用されるとき(いずれの場合も一般にここではパターンなしウェーハと言及される)特定の効果を持つ。このようなパターンなしウェーハは、半導体製造スキームに基づいてその上に形成された定義された半導体デバイスパターンを持たないウェーハとして定義される。このようなウェーハは、シリコン(Si)ウェーハを含みえ、また以下に限定されないが、シリコンゲルマニウム(SiGe)ウェーハまたはガリウムヒ素(GaAs)ウェーハを含む他のタイプのウェーハも含みえる。さらに、その上に形成された材料のパターンなしレイヤを持つパターンなしウェーハは、ここで開示された方法を用いた検査に非常に適する。例えば、パターンなしシリコンウェーハは、その上に形成されたパターンなしメタライゼーションレイヤを持ちえる。このようなレイヤは、例えば、アルミニウムおよび銅とともに他の金属または化合物から形成されえる。このようなパターンなしレイヤは、多くの他の材料から形成されえ、ここで開示された特定の材料に限定されるべきだと意図されるものではない。発明者は、表面の非欠陥部分によって発生された通常の散乱パターンは、これらの前に示された構成から実質的に変化しえることを指摘する。このような変化の顕著な例は、エピタキシャル成長されたシリコンウェーハおよびシリコンゲルマニウムウェーハによって示される。また、ひずみのある(strained)シリコン表面レイヤを持つ表面について異なる散乱パターンが観察されている。さらに、パターンなしの金属表面フィルム、パターンなしのポリシリコンフィルム、パターンなしの銅フィルムを持つ表面について異なる散乱パターンが観察されている。さらに、粗い、または表面模様付きの表面を生むように研磨された、または他の方法でプロセスがなされた表面は、図示された「通常の」散乱パターンからははずれた偏差を作りえる。このようなウェーハが、適切な機械にロードされ、それから検査される。検査は、このワークピースを照射して、散乱光を作ることから始まる(ステップ803)。ウェーハは、散乱された光を作るために走査されえる(例えば螺旋または他の検査パターンを用いて)。散乱された光は、ワークピース内の欠陥から散乱された光(欠陥散乱とも呼ばれる)を含み、ワークピースの非欠陥部分から散乱された光を含む。ワークピースの非欠陥部分から散乱された光は、そのワークピースの通常の散乱パターンを発生する。このような散乱パターンは、ここですでにじゅうぶんに説明されている。図6(b)および6(e)は、シリコンウェーハの散乱パターンの典型的な例を図示する。
【0036】
例えば、図9(a)は、パターンなしエピタキシャルシリコンの300mmウェーハ900の簡略化された概略図である。ウェーハ900は、エピタキシャル成長された表面を持つ。部分301は、図9(b)に拡大図が示される。図示されたパターンなしのウェーハ表面は、エピタキシャル成長されたシリコン結晶構造の特徴である細かい交差斜線パターンを持つ。シリコンゲルマニウムウェーハもまたもともと結晶構造を持つ。これらのもともと存在する結晶構造は、欠陥が存在しないウェーハの通常の散乱パターンに影響を与える。例えば図6(b)および6(e)に示されるような固まった光の代わりに、異なる特徴的な散乱パターンが観察される。このような特徴的な散乱パターンは当業者によってよく知られるので、これらも本発明の原理とともに利用されえる。概略が図9(c)に図示されるようなある例は、照射されたエピタキシャル成長されたシリコンウェーハ表面から取られた通常の散乱パターン911の簡略化された画像910を含む。このようなウェーハの通常の散乱パターンはまた、ウェーハ表面の特徴を表す明るい領域および暗い領域のパターンを含む。明るいスポット912は、通常の散乱パターンを定義する。このような散乱パターンは、アルゴリズム、コンピュータプログラム、およびこのような目的のために作られた関連する方法を用いてモデル化されえる。多くのこのような方法は、当業者に知られており、このような目的のために実現されえる。いったんウェーハの通常の散乱パターンが特定されると、装置(ここで開示されたもののような)は、一般にここで開示されたようなプログラム可能な光選択デバイス(あるいは同様のデバイス)を用いることによって通常の散乱パターンを測定された信号から選択的に除外するように利用されえる。
【0037】
図8のフローチャートに戻って、照射されたあと、欠陥によって散乱された光(欠陥散乱)は、選択的に検出されえる(ステップ805)。上述のように、欠陥散乱は、通常の散乱パターンを決定することによって特定されえる。すなわちこの散乱された光を検出し、そのあと、散乱された光のうちのどれがウェーハの通常の散乱パターンかをなすかを判断する。通常の散乱パターンを特定した後で、通常の散乱パターンが選択的に検出結果から取り除かれる。よって残りの光は、欠陥によって散乱された光を構成し、それによって選択的に欠陥散乱を検出できる。この選択的に検出された欠陥散乱は、それから分析されてワークピース表面を特徴付ける(ステップ807)。信号処理回路および表面分析ソフトウェアは、検出された散乱光を分析するために利用されえる。欠陥は、識別され、位置が特定され、または他のやりかたで特徴付けられえる。さらに一般に表面は、検出された散乱光を用いて特徴付けられる。
【0038】
通常の散乱パターンは、あるウェーハを走査し、それから、全ての同様に構成されたウェーハについての「ベースライン」光学的シグナチャ(“baseline” optical signature)としてその走査から決定されたその通常の散乱パターンを用いることによって生成されえることが特筆に値する。さらに、走査は素早いプロセスである(例えば約20秒のオーダー)ので、その独自のベースライン光学的シグナチャ(例えばその独自の通常の散乱パターン)を提供するためにそれぞれのウェーハが個別に走査されて、それから、欠陥検出分析が行われてもよい。それぞれのアプローチは、それ自身の優位性を持ち、検査者によって異なる目的を達成するために用いられる。さらに、前述のように、通常の散乱パターンは、光学的モデリングプログラムを検査されるウェーハのデータベースモデルに適用することによって決定されえる。このような光学的モデリングプログラムは、そのウェーハについての理論的な光散乱プロファイルを決定するために、ウェーハについてのデータベース情報を処理するのに利用されえる。この光散乱プロファイルは、そのウェーハについての通常の散乱パターンも含む。よって通常の散乱パターンは、表面だけのデータベースモデリングを用いて決定されえる。
【0039】
本発明は、ある好ましい実施形態およびその特定の特徴を参照して特に示され説明されてきた。しかし上述の実施形態は、本発明の原理を記載するよう意図されており、その範囲を限定するよう意図はされていない。したがって当業者には容易にわかるように、形態および詳細における変更および改変は、添付の特許請求の範囲で規定された本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえる。他の実施形態および示された実施形態に対する改変は、当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲で規定された本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえる。特に、本発明の光選択アレイは、具体的には開示されたフィルタおよび反射器アレイ以外の、多くの異なるタイプの光選択アレイを含みえることは発明者によって想定されている。本発明の原理による光検出器およびフォトセンサは、多様な形態を持ちえ、湾曲された表面を持つ光検出器アレイを含みえる。発明者はまた、さまざまな種類の反射器の形状(例えば放物表面および楕円表面に限定されない)を想定する。さらに特許請求の範囲における単数形である要素への言及は、明示的に表現されない限り「1つだけ」を意味せず、むしろ「1つ以上」を意味する。さらに、ここで例示的に開示された実施形態は、ここで具体的には開示されていない任意の要素とともに実施されえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面検査装置であって、全体として、
光ビームをワークピース上に導くことによって、前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンにしたがって散乱された光を含む、散乱された光を発生する照射源、
光を受け取り、前記光の2次元画像を捕捉し、前記2次元画像を電気信号に変換する光検出要素、
前記ワークピースから散乱された光を受け取り、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光を前記フォトセンサに選択的に導くプログラム可能な光選択アレイ、および
前記光検出要素からの電気信号を受け取り、前記ワークピースの表面分析を行う処理回路
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、選択的にアクティベートされることによって、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光を前記光検出要素に導く反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光を前記光検出要素に導き、前記ワークピースの前記通常の散乱パターンが前記光検出要素に到達することを実質的に阻止するように、選択的にアクティベートされるフィルタ要素のアレイを備える装置。
【請求項4】
表面検査装置であって、
光ビームをワークピース上に導くことによって、前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンにしたがって散乱された光を含む、散乱された光を発生する照射源、
前記ワークピースから散乱された光を受け取り、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光を光検出要素に選択的に導くプログラム可能な光選択アレイ、
前記光検出要素は、前記プログラム可能な光選択アレイからの前記光を受け取るように配置され、前記光を関連付けられた電気信号に変換でき、および
前記電気信号を受け取り、それを利用して前記ワークピースの表面分析を行う処理回路
を備える装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記電気信号を受け取る前記処理回路は、前記ワークピースの欠陥を特定し分類するために用いられる装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置であって、前記装置は暗視野検査ツールを備える装置。
【請求項7】
請求項4に記載の装置であって、前記ワークピースはパターンなし表面を備える装置。
【請求項8】
請求項4に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された前記光の選択された部分を前記光検出要素上に導くように選択的にイネーブルされる反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項9】
請求項4に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、選択的に駆動されることによって、前記ワークピースから散乱された前記光のうちの前記選択された部分がフィルタ要素の前記アレイを透過できるようにし、それによって前記光の前記選択された部分を前記光検出要素上に導くフィルタ要素のアレイを備える装置。
【請求項10】
請求項4に記載の装置であって、前記光検出要素は、少なくとも2つの光感光性検出器要素を備える装置。
【請求項11】
表面検査装置であって、
光ビームをワークピース上に導くことによって、前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンにしたがって散乱された光を含む、散乱された光を発生する照射源、
前記ワークピースから散乱された光を受け取り、前記光を第1光検出アレイ上に導くように配置されたプログラム可能な光選択アレイ、
前記第1光検出器アレイは、前記プログラム可能な光選択アレイからの前記光を受け取るように配置され、前記光を関連付けられた電気信号に変換でき、
前記関連付けられた電気信号を受け取り、前記ワークピースから散乱された前記光のうちのどの部分が前記ワークピースの前記通常の散乱パターンを含むかを判断する回路、
前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースの欠陥から散乱された前記光をフォトセンサ上にさらに選択的に導き、前記フォトセンサで前記光が関連付けられた欠陥信号に変換される、前記プログラム可能な光選択アレイ、および
前記欠陥信号を受け取り、それを用いて前記ワークピースの表面分析を行う処理回路
を備える装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された前記光を前記フォトセンサ上に導くように選択的にイネーブルされる反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、反射器要素のアレイは、MEMS反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項14】
請求項12に記載の装置であって、前記反射器要素のアレイのうちの選択された反射器要素は、前記ワークピース内の欠陥から散乱された光が選択的に前記フォトセンサ上に導かれ、前記ワークピースの前記欠陥を含まない部分によって散乱された前記光は前記フォトセンサ上に導かれないように駆動される装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置であって、前記第1光検出器アレイは、少なくとも2つの光検出器アレイを備え、前記光検出器は少なくとも2つのフォトセンサを備える装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置であって、前記ワークピースはパターンなし表面を備える装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記パターンなし表面は、半導体ウェーハを備える装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、前記パターンなし表面は、その上に形成された材料の少なくとも1つのパターンなしレイヤを持つ半導体ウェーハを備える装置。
【請求項19】
請求項16に記載の装置であって、前記ワークピースは、エピタキシャル製造プロセスによって形成された表面を持つ半導体ウェーハを備える装置。
【請求項20】
請求項16に記載の装置であって、前記ワークピースは、シリコンゲルマニウム材料を用いて形成された半導体ウェーハを備える装置。
【請求項21】
請求項11に記載の装置であって、前記装置は、暗視野検査ツールを備える装置。
【請求項22】
請求項11に記載の装置であって、前記フォトセンサは、個別のフォトセンサ要素を備える装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、前記フォトセンサ上は、複数の個別のフォトセンサ要素を備える装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された前記光を前記フォトセンサ上に導くように選択的にイネーブルされる反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置であって、反射器要素のアレイは、MEMS反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置であって、前記反射器要素のアレイの選択された反射器要素は、前記ワークピース内の前記欠陥から散乱された前記光が前記フォトセンサ上に選択的に導かれ、前記ワークピースの前記欠陥を含まない部分によって散乱された前記光は前記フォトセンサ上に導かれないように駆動される装置。
【請求項27】
請求項11に記載の装置であって、前記フォトセンサは、第2光検出器アレイを備える装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された前記光を前記フォトセンサ上に導くように選択的にイネーブルされる反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、反射器要素のアレイは、MEMS反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項30】
請求項28に記載の装置であって、前記反射器要素のアレイのうちの選択された反射器要素は、前記ワークピース内の欠陥から散乱された光が選択的に前記フォトセンサ上に導かれ、前記ワークピースの前記欠陥を含まない部分によって散乱された前記光は前記フォトセンサ上に導かれないように駆動される装置。
【請求項31】
請求項11に記載の装置であって、前記第1光検出器アレイは、前記フォトセンサとしても機能する装置。
【請求項32】
請求項11に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された前記光を前記フォトセンサ上に導くように選択的にイネーブルされる反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、反射器要素のアレイは、MEMS反射器要素のアレイを備える装置。
【請求項34】
請求項32に記載の装置であって、前記反射器要素のアレイのうちの選択された反射器要素は、前記ワークピース内の欠陥から散乱された光が選択的に前記フォトセンサ上に導かれ、前記ワークピースの前記欠陥を含まない部分によって散乱された前記光は前記フォトセンサ上に導かれないように駆動される装置。
【請求項35】
請求項31に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記ワークピースから散乱された前記光が前記フィルタ要素のアレイを透過し、それにより前記ワークピースの前記欠陥から散乱された前記光を前記フォトセンサ上に導くように選択的にアクティベートおよび非アクティベートされるフィルタ要素のアレイを備える装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置であって、フィルタ要素のアレイは、LCDフィルタ要素のアレイを備える装置。
【請求項37】
請求項35に記載の装置であって、フィルタ要素のアレイは、偏光によってフィルタリングできる選択的にアクティベート可能な偏光要素のアレイを備える装置。
【請求項38】
表面検査装置であって、
光ビームをワークピース上に導く照射源、
前記ワークピースから散乱された光を受け取るよう配置されたプログラム可能な光選択アレイであって、前記プログラム可能な光選択アレイは、前記光を光検出器要素上に導き、前記光のうちの選択された部分をフォトセンサ上に選択的に導くことができる、プログラム可能な光選択アレイ、
前記光検出器要素は、光を前記プログラム可能な光選択アレイから受け取り、前記受け取られた光を関連付けられた電気信号に変換するように配置され、
前記第1光検出器要素からの前記関連付けられた電気信号を受け取り、分析することによって、前記ワークピースの通常の散乱パターンに関連付けられた前記ワークピースから散乱された前記光のうちの通常の散乱部分を決定し、前記ワークピースの欠陥に関連付けられた前記ワークピースから散乱された前記光のうちの欠陥部分を決定する処理回路、
前記ワークピースから散乱された前記光の前記欠陥部分を備える前記光の前記選択された部分が、前記欠陥部分を欠陥電気信号に変換する前記フォトセンサ上に選択的に導かれるように前記プログラム可能な光選択アレイの光選択要素をアクティベートおよび非アクティベートする制御回路、
前記ワークピースの欠陥を特徴付けるために前記フォトセンサ要素からの前記欠陥電気信号を受け取り分析する欠陥分析回路
を備える装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記ワークピースはパターンなし表面を備える装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置であって、前記パターンなし表面は半導体ウェーハを備える装置。
【請求項41】
請求項39に記載の装置であって、前記パターンなし表面は、その上に形成された材料の少なくとも1つのパターンなしレイヤを持つ半導体ウェーハを備える装置。
【請求項42】
請求項39に記載の装置であって、前記ワークピースは、エピタキシャル製造プロセスによって形成された表面を持つ半導体ウェーハを備える装置。
【請求項43】
請求項39に記載の装置であって、前記ワークピースは、シリコンゲルマニウム材料を用いて形成された半導体ウェーハを備える装置。
【請求項44】
請求項38に記載の装置であって、前記光検出器要素は、フォトセンサ要素として機能する装置。
【請求項45】
請求項44に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、複数のフィルタ要素を備えるフィルタアレイを備え、
前記制御回路は、前記光の前記欠陥部分が選択的に前記フォトセンサ上に導かれ、前記光の前記通常の散乱部分が前記フォトセンサ要素から実質的に阻止されるように、前記フィルタ要素を選択的にアクティベートおよび非アクティベートする
装置。
【請求項46】
請求項44に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、複数の反射器要素を備える反射器アレイを備え、
前記制御回路は、前記光の前記欠陥部分が選択的に前記フォトセンサ上に導かれ、前記光の前記通常の散乱部分のうちの実質的に全てが前記フォトセンサ要素によって検出されないよう、前記ワークピースから散乱された前記光のうちの通常の散乱部分が選択的に前記フォトセンサ要素から離れるように反射されるように、前記反射器要素を選択的に駆動する
装置。
【請求項47】
請求項38に記載の装置であって、前記光検出器要素および前記フォトセンサ要素は、それぞれ異なる検出器要素で構成される装置。
【請求項48】
請求項47に記載の装置であって、前記光検出器要素は、複数の光感光性検出器要素を備える光検出器アレイを備え、前記フォトセンサ要素は、単一の個別の光感光性検出器デバイスを備える装置。
【請求項49】
請求項48に記載の装置であって、前記フォトセンサ要素を備える前記単一の個別の光感光性検出器デバイスは、光倍増管、フォトダイオード、およびアバランシェフォトダイオードからなるグループから選ばれる装置。
【請求項50】
請求項48に記載の装置であって、前記プログラム可能な光選択アレイは、複数の反射器要素を備える反射器アレイを備え、
前記制御回路は、前記ワークピースから散乱された前記光の前記欠陥部分を前記フォトセンサ要素上に選択的に導くように前記反射器要素を選択的に駆動する
装置。
【請求項51】
請求項50に記載の装置であって、前記制御回路は、前記ワークピースから散乱された前記光のうちの前記通常の散乱パターンを前記光検出器アレイ上に選択的に導くよう前記反射器要素を選択的に駆動する装置。
【請求項52】
請求項38に記載の装置であって、前記処理回路、前記制御回路、および前記欠陥分析回路は、単一の電子回路要素内に組み込まれる装置。
【請求項53】
表面検査を行う方法であって、
ワークピースを検査のために提供し、
前記ワークピースの欠陥から散乱された光、および前記ワークピースの通常の散乱パターンを発生する前記ワークピースの非欠陥部分から散乱された光を含む散乱された光を発生するように前記ワークピースを照射し、
前記欠陥散乱を選択的に検出し、
前記選択的に検出された欠陥を分析することによって前記ワークピース表面を特徴付ける
ことを含む方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法であって、
前記欠陥散乱の選択的な検出は、
前記散乱された光の検出、
前記散乱された光のうちのどれが前記ワークピースの前記通常の散乱パターンを構成するかの決定、および
前記通常の散乱パターンを特定した後に、前記通常の散乱パターンを検出から選択的に取り除き、それによって前記欠陥散乱を選択的に検出すること
を含む方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法であって、前記選択的に検出された欠陥散乱を分析することは、前記欠陥散乱を分析して前記ワークピース表面の欠陥を特徴付けることを含む方法。
【請求項56】
請求項54に記載の方法であって、
前記散乱された光の検出は、前記散乱された光の2次元画像が生成されるように前記散乱された光の検出を含み、
前記散乱された光のうちのどの部分が前記通常の散乱パターンを構成するかの決定は、前記2次元画像を分析することによって前記ワークピースの前記通常の散乱パターンに対応する空間光分布の決定を含み、
前記欠陥散乱の選択的な検出は、前記ワークピースの前記通常の散乱パターンの一部を形成しない散乱された光の選択的な検出を含む
方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、前記散乱された光のうちのどの部分が前記通常の散乱パターンを構成するかを決定することは、前記2次元画像を分析することで、前記光の大部分に対応する空間光分布を決定すること、および前記分布を前記ワークピースの前記通常の散乱パターンとして定義することを含む方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法であって、前記光の大部分に対応する前記空間光分布は、前記検出された散乱光のうちの少なくとも約80%を含む空間光分布パターンとして規定される方法。
【請求項59】
請求項57に記載の方法であって、前記光の大部分に対応する前記空間光分布は、前記検出された散乱光のうちの少なくとも約99%を含む空間光分布パターンとして規定される方法。
【請求項60】
請求項57に記載の方法であって、前記欠陥散乱を選択的に検出することは、最適な信号対雑音比が欠陥検出のために得られるように、散乱された光を選択的に検出することを含む方法。
【請求項61】
請求項56に記載の方法であって、前記欠陥散乱を選択的に検出することは、前記通常の散乱パターンを、前記欠陥散乱を検出するのに用いられる検出器から離して前記光を選択的に反射することで、前記検出器が欠陥散乱を検出し、前記通常の散乱パターンのうちの実質的に全てを検出しないようにすることによって達成される方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法であって、前記通常の散乱パターンを含む前記光を検出器から離して選択的に反射することは、反射器アレイの個別の反射器を選択的に駆動して、前記通常の散乱パターンを含む前記光を、前記欠陥散乱を検出するのに用いられる検出器から離して反射することによって達成される方法。
【請求項63】
請求項56に記載の方法であって、前記欠陥散乱を選択的に検出することは、前記通常の散乱パターンを含む光のうちの実質的に全てが前記欠陥散乱を検出するのに用いられる検出器に到達することを阻止するように、前記散乱された光を選択的にフィルタリングすることによって達成される方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法であって、前記散乱された光を選択的にフィルタリングすることは、LEDフィルタアレイの個別のフィルタ要素を選択的に駆動し、それによって前記欠陥散乱に対応する前記光を透過させ、前記通常の散乱パターンを含む前記光をフィルタリングすることで、前記通常の散乱パターンを含む前記光のうちの実質的に全てが前記検出器に到達しないようにすることを含む方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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【図6(e)】
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【図6(f)】
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【図6(g)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図9(c)】
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【公開番号】特開2011−221041(P2011−221041A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−162369(P2011−162369)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【分割の表示】特願2004−569998(P2004−569998)の分割
【原出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】