説明

表面状態測定方法及び装置

【課題】赤外多重内部反射法による基板の表面状態の測定において、表面に物質が付着している物質を確実に検出することができ、簡便に表面状態を測定しうる表面状態測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】ウェハ14に赤外線を入射する入射光学系18と、ウェハ14内部で多重反射した後にウェハ14より放出される赤外線を検出し、検出された赤外線に基づきウェハ14の表面の状態を測定する赤外線分析装置20とを有し、赤外線分析装置20は、ウェハ14の内部で多重反射する回数の異なる第1の赤外線と第2の赤外線とをそれぞれ検出し、赤外線分析装置20は、第1の赤外線及び第2の赤外線の検出結果に基づき、ウェハ14上に付着した化学物質の種類を同定し、化学物質の付着量を定量化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外多重内部反射法により被測定基板の表面状態を測定する表面状態測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の基板の有機汚染等の表面状態を知ることは、それらの基板を用いて製造されるデバイスの歩留まり、品質の信頼性を確保する上で非常に重要なことである。例えば、半導体ウェハ表面の有機汚染は、製造プロセスにおける成膜異常や界面抵抗の増加を引き起こす原因となることが知られている。
【0003】
このような基板表面の有機汚染を検出する測定方法としては、加熱脱離GC/MS(Gas Chromatography/Mass Spectroscopy)、APIMS(Atmospheric Pressure Ionization Mass Spectroscopy)、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)などが知られている。しかしながら、これらの測定方法は、今後展開される直径300mmを越えるようなウェハのような大型基板を直接観察することができないこと、真空雰囲気が必要なこと、スループットが悪いこと、加熱により測定対象分子の性質が変わること、などの理由により製造現場におけるその場測定に使用するには適していなかった。
【0004】
また、半導体ウェハ等の被測定基板を透過する赤外線をフーリエ分光することにより有機汚染を測定する装置が、米国ニコレー社などから発売されている。しかしながら、この装置では、被測定基板を一回のみ透過する赤外線の基板表面に付着した有機物質による吸収を分析することにより有機汚染を検出するため、装置の検出系の信号対雑音比(S/N比)が悪く、有機汚染の検出感度は低くなってしまっていた。
【0005】
かかる観点から、本願発明者等は、赤外多重内部反射法によって半導体ウェハ等の基板の表面状態を測定する方法を提案している(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
赤外多重内部反射法による汚染物質の検出について図5を用いて説明する。図5(a)は従来の赤外多重内部反射法による表面状態測定方法の原理を説明する図、図5(b)乃至5(d)は、それぞれ従来の赤外多重内部反射法におけるリファレンススペクトル、サンプルスペクトル、吸光度スペクトルの例を示す概略図である。
【0007】
図5(a)に示すように、ウェハ100の一端に赤外線を特定の入射角度で入射すると、赤外線はウェハ100内部を両表面で内部反射を繰り返しながら伝搬する。このとき、半導体ウェハ100表面で赤外線が反射するときに滲み出る光(エバネッセント光)の周波数成分がウェハ100表面に付着した有機汚染物質の分子振動周波数と一致していると共鳴吸収される。したがって、測定された多重内部反射スペクトルを分析することにより、ウェハ100表面に付着した有機汚染物質の種類と量を特定することができる。この方法では、ウェハ100内部を繰り返し多重反射した赤外線、すなわち表面に付着した有機汚染物質の情報を累積した赤外線を分光分析するため、S/N比が向上され、検出感度を高くすることができる。また、ウェハ100表面に付着した有機汚染物質を非接触・非破壊で測定することが可能である。
【0008】
赤外多重内部反射法によりウェハ表面の汚染物質の付着量を定量化するためには、吸光度スペクトルを求める必要がある。吸光度スペクトルは次の手順により求めることができる。
【0009】
まず、表面が清浄なウェハ等の基準となるウェハについて多重内部反射スペクトルを測定し、リファレンススペクトルS(ν)とする。
【0010】
次いで、表面状態を測定すべきウェハについて多重内部反射スペクトルを測定し、サンプルスペクトルS(ν)とする。
【0011】
次いで、リファレンススペクトルS(ν)とサンプルスペクトルS(ν)とから、吸光度スペクトルA(ν)=−log10{S(ν)/S(ν)}を求める。
【0012】
こうして得られた吸光度スペクトルA(ν)において観察される吸収ピークのバックグラウンドレベルからの大きさにより、汚染物質の付着量を定量化することができる。
【特許文献1】特許第3261362号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の赤外多重内部反射法による表面状態測定方法では、吸光度スペクトルに基づいて汚染物質を検出するには、リファレンススペクトルとサンプルスペクトルとで汚染物質の付着量が変化している必要がある。すなわち、リファレンススペクトルを測定した基板と表面状態を測定すべき基板との間に、汚染物質の付着量の変化がない場合には、吸光度スペクトルにも変化が現れない。このため、基板表面に付着しているにもかかわらず、検出できない汚染物質が存在してしまう場合があった。
【0014】
例えば、図5(c)に示すサンプルスペクトルS(ν)の測定時に吸収を示す汚染2は、図5(b)に示すリファレンススペクトルS(ν)の測定時には吸収を示していない。したがって、この汚染2は、図5(d)に示す吸光度スペクトルA(ν)において検出することができる。
【0015】
これに対し、汚染1は、図5(b)に示すリファレンススペクトルS(ν)の測定時においても同じ赤外線の吸収量を示している。この場合には、吸光度スペクトルA(ν)において汚染1による吸光度が見かけ上ゼロとなる。したがって、図5(d)に示すように、吸光度スペクトルA(ν)においては、汚染1を検出することができない。
【0016】
このように、従来の赤外多重内部反射法による表面状態測定方法では、ウェハ表面上に汚染物質が付着しているにもかかわらず、吸光度スペクトルから検出できない汚染物質が存在する場合があった。
【0017】
また、従来の赤外多重内部反射法による表面状態測定方法では、リファレンススペクトルの測定を、表面状態を測定すべき基板とは別個の基板或いは表面状態の異なる状態について行う必要があった。この結果、基板の表面状態の測定が煩雑なものとなっていた。
【0018】
かかる背景から、赤外多重内部反射法による表面状態測定方法に対しては、リファレンススペクトルを別個の基板等について測定することなく表面に付着した物質を検出し、その付着量を定量化しうる方法の確立が要請されている。
【0019】
本発明の目的は、赤外多重内部反射法による基板の表面状態の測定において、基板の表面に付着している物質を確実に検出することができ、簡便に表面状態を測定することができる表面状態測定方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的は、被測定基板内部に赤外線を入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線を分析することにより前記被測定基板の表面の状態を測定する表面状態測定方法において、前記被測定基板の内部で多重反射する回数の異なる第1の赤外線と第2の赤外線とをそれぞれ検出し、前記第1の赤外線及び前記第2の赤外線の分析結果に基づき、前記被測定基板上に付着した化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化することを特徴とする表面状態測定方法により達成される。
【0021】
また、上記の表面状態測定方法において、前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜を有する位置から赤外線を所定の入射角度で入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して前記第1の傾斜よりも大きい第2の傾斜を有する位置から赤外線を前記所定の入射角度で入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出するようにしてもよい。
【0022】
また、上記の表面状態測定方法において、前記被測定基板の外周部には、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜角を有する第1の傾斜面と、前記第1の傾斜角よりも小さな第2の傾斜角を有する第2の傾斜面とが形成されており、前記第1の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、前記第2の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出するようにしてもよい。
【0023】
また、上記の表面状態測定方法において、前記第1の赤外線を分光分析することにより、リファレンススペクトルを測定し、前記第2の赤外線を分光分析することにより、サンプルスペクトルを測定し、前記リファレンススペクトルと前記サンプルスペクトルとに基づき、前記被測定基板上に付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化するようにしてもよい。
【0024】
また、上記目的は、被測定基板に赤外線を入射する赤外線入射手段と、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を検出する赤外線検出手段と、前記赤外線検出手段により検出された赤外線に基づき、前記被測定基板の表面の状態を測定する表面状態測定手段とを有する表面状態測定装置であって、前記赤外線検出手段は、前記被測定基板の内部で多重反射する回数の異なる第1の赤外線と第2の赤外線とをそれぞれ検出し、前記表面状態測定手段は、前記第1の赤外線及び前記第2の赤外線の検出結果に基づき、前記被測定基板上に付着した化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化することを特徴とする表面状態測定装置により達成される。
【0025】
また、上記の表面状態測定装置において、前記第1の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜を有する位置から赤外線を所定の入射角度で入射し、前記赤外線検出手段は、前記第1の傾斜を有する位置から入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、前記第2の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して前記第1の傾斜よりも大きい第2の傾斜を有する位置から赤外線を前記所定の入射角度で入射し、前記赤外線検出手段は、前記第2の傾斜を有する位置から入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出するようにしてもよい。
【0026】
また、上記の表面状態測定装置において、前記被測定基板の外周部には、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜角を有する第1の傾斜面と、前記第1の傾斜角よりも小さな第2の傾斜角を有する第2の傾斜面とが形成されており、前記第1の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記第1の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記赤外線検出手段は、前記第1の傾斜面に対して略垂直に入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、前記第2の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記第2の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記赤外線検出手段は、前記第2の傾斜面に対して略垂直に入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、被測定基板内部に赤外線を入射し、被測定基板内部で多重反射した後に被測定基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線を分析することにより被測定基板の表面の状態を測定する表面状態測定方法において、被測定基板の内部で多重反射する回数の異なる第1の赤外線と第2の赤外線とをそれぞれ検出し、第1の赤外線及び第2の赤外線の分析結果に基づき、被測定基板上に付着した化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化するので、被測定基板の表面に付着している物質を確実に検出し、簡便に表面状態を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
[本発明の原理]
本発明による表面状態測定方法は、内部反射回数が異なる条件で表面状態を測定すべきウェハ等の基板に赤外線を入射し、それぞれの条件について多重内部反射スペクトルを測定し、内部反射回数が少ない内部多重反射スペクトルをリファレンススペクトルとし、内部反射回数が多いものをサンプルスペクトルとして吸光度スペクトルを求めることに主たる特徴がある。これにより、プローブ光として用いた赤外線の波長域に吸収を有する汚染物質をすべて検出し、その付着量を定量化することができる。
【0029】
以下、本発明による表面状態測定方法の原理について図1を用いて説明する。図1(a)は本発明による表面状態測定方法の測定原理を説明する図、図1(b)乃至1(d)は、それぞれ本発明による表面状態測定方法におけるリファレンススペクトル、サンプルスペクトル、吸光度スペクトルの例を示す概略図である。
【0030】
厚さd、単位長さ当たりの吸光係数を有する物質に強度Iの光を入射した場合、物質を透過して放出される透過光強度Iは、ランバート(Lambert)の法則により次式で表される。
【0031】
I=Iexp(−αd) ……(1)
ウェハ内部を赤外線が多重反射する場合も、一回の反射によりある光路長に相当する吸収を受けたとして、上記の式を拡張して適用することができる。ウェハ表面に付着した汚染物質の吸収係数をα、この等価的な光路長をdとすると、一回の内部反射での赤外線の減衰は次式で表される。
【0032】
I=Iexp(−αd) ……(2)
したがって、赤外線の内部反射率Rは、
R=I/I=exp(−αd) ……(3)
となる。
【0033】
ここで、シリコンウェハの有機汚染のような極めて微量な汚染による吸収の場合は、一回の内部反射で起こる吸収も極めて小さいと考えられる。したがって、(3)式は次のように近似することができる。
【0034】
R=1−αd ……(4)
ウェハ内部で反射がR回繰り返されると、
=(1−αd ……(5)
と表される。(5)式も、吸収が小さい場合、すなわちαd≪1の場合には、次のように近似することができる。
【0035】
=1−Nαd ……(6)
ウェハ内部を多重反射する赤外線の吸収は反射回数に比例し、N回の内部反射によって減衰した透過光Iは次式で表される。
【0036】
I=(1−R)I=Nαd ……(7)
したがって、多重内部反射した赤外線の吸光度Aは、入射光強度I、透過光強度Iを用いて次式により定義することができる。
【0037】
A=−log10(I/I
=−log10(Nαd) ……(8)
こうして得られた(7)式によれば、多重内部反射による吸光度は、内部反射の回数Nの増加に従って増加することがわかる。
【0038】
したがって、同一の基板について内部反射回数の異なる多重内部反射スペクトルを測定し、内部反射回数の少ないスペクトルをリファレンススペクトルとし、内部反射回数の多いスペクトルをサンプルスペクトルとすれば、リファレンススペクトルとサンプルスペクトルとで、同一の汚染物質による赤外吸収量が同じになることはない。したがって、両スペクトルから吸光度スペクトルを求めれば、見かけ上の吸光度がゼロとなる汚染物質は存在しない。これにより、吸光度スペクトルに基づいて汚染物質を確実に検出することができる。
【0039】
本発明による表面状態測定方法は、上述した知見に基づき、プローブ光として用いた赤外線の波長域に吸収を有する汚染物質をすべて検出することを可能とするものである。
【0040】
本発明による表面状態測定方法では、表面状態を測定すべきウェハについて、内部反射回数が異なる2つの多重内部反射スペクトルを測定する。このために、表面状態を測定すべきウェハについて、入射角度の異なる赤外線を傾斜角度の異なるウェハ端面から入射する。
【0041】
内部反射回数の少ない多重反射スペクトルを測定する場合には、例えば、図1(a)に示すように、ウェハ10平面に対する傾斜の大きい傾斜角1の端面から光線1を端面に対して略垂直に入射する。
【0042】
一方、内部反射回数の多い多重内部反射スペクトルを測定する場合には、ウェハ10平面に対する傾斜が傾斜角1よりも小さな傾斜角2の端面から光線2を端面に対して略垂直に入射する。
【0043】
こうして、ウェハ10に入射する赤外線のうち、光線1が内部反射回数が少なく、光線2が内部反射回数が多くなるように設定することができる。
【0044】
図1(a)に示す光線1、光線2について得られた多重内部反射スペクトルは、ともに同一のウェハ10について測定されたものである。したがって、両スペクトル上には、同様の波数域に同一の汚染物質による吸収が観察される。しかしながら、内部反射回数が異なっているため、同一の汚染物質による赤外吸収量が同じとなることはない。
【0045】
図1(b)は光線1について測定された多重内部反射スペクトル、図1(c)は光線2について測定された多重内部反射スペクトルを示す概略図である。図示するように、光線1について得られたスペクトルと光線2について得られたスペクトルには、ともに汚染1、汚染2による吸収が観察される。しかしながら、光線2について得られたスペクトルの方が、光線1について得られたスペクトルとよりも赤外線の内部反射回数が多くなっている。このため、汚染1、汚染2による赤外吸収量は、光線2について得られたスペクトルで観察される場合の方が大きい。
【0046】
そこで、内部反射回数の少ない多重反射スペクトルをリファレンススペクトルとし、内反射回数の多い多重反射スペクトルをサンプルスペクトルとして吸光度スペクトルを求める。これにより、従来のようにリファレンススペクトル測定時とサンプルスペクトル測定時とで同一の汚染物質による赤外吸収量が同じとなることはない。したがって、吸光度スペクトルにより、プローブ光として用いた赤外線の波長域に吸収を有する汚染物質のすべてを検出することができる。
【0047】
図1(c)は、図1(b)に示すスペクトルをリファレンススペクトルS(ν)とし、図1(c)に示すスペクトルをサンプルスペクトルS(ν)として求めた吸光度スペクトルA(ν)を示す概略図である。図示するように、吸光度スペクトルA(ν)において汚染1、汚染2をともに検出することができる。
【0048】
また、汚染物質の付着量を定量化するには、既知濃度の特定の汚染物質を付着させたウェハについて、上述のようにして内部反射回数が異なる多重反射スペクトルから吸光度スペクトルを求める。そして、既知濃度の汚染物質について得られた吸光度スペクトルにおいて観察される吸収ピークから、汚染物質の濃度と吸光度との関係を検量線として予め作成しておく。この検量線に基づき、表面状態を測定すべきウェハについて得られた吸光度スペクトルから、汚染物質の付着量を定量化することができる。
【0049】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による表面状態測定方法及び装置について図2及び図3を用いて説明する。図2は本実施形態による表面状態測定装置の構造を示す概略図、図3は本実施形態による表面状態測定方法における測定対象ウェハの上面図である。
【0050】
〔1〕表面状態測定装置
まず、本実施形態による表面状態測定装置について図1及び図2を用いて説明する。
【0051】
図2に示すように、基板搭載台10上に、所定の傾斜角を有する複数の端面が形成された表面状態を測定すべきウェハ14が載置されている。
【0052】
ウェハ14の外周部近傍には、所定の傾斜角を有する端面からウェハ14内部に赤外線を所定の入射角度で入射する入射光学系18が設けられている。
【0053】
入射光学系18は、プローブ光となる赤外線を発する赤外光源と、赤外光源から発せられた赤外線を集光して、ウェハ端面からウェハ内部に赤外線を入射する反射鏡及び凹面鏡とから構成されている。なお、図1では、赤外光源、反射鏡、凹面鏡を省略している。
【0054】
入射光学系18が近傍に設けられたウェハ14外周部に対向するウェハ14外周部近傍には、ウェハ14内部を多重反射した後に赤外線が入射された端面に対向する端面から放出される赤外線を検出して分光分析する赤外線分析装置20が設けられている。
【0055】
赤外線分析装置20には、分析結果に基づきウェハ14表面に付着した化学物質の種類の同定や濃度の算出を行う演算装置(図示せず)が接続されている。
【0056】
次に、本実施形態による表面状態測定装置の各構成部分及び表面状態を測定すべきウェハ14について詳細に説明する。
【0057】
(a)ウェハ14
表面状態を測定すべきウェハ14には、図3に示すように、対向する外周部にウェハ14平面に対して同一の傾斜角を有する端面が形成されている。このような端面の組が複数組形成されており、ウェハ14の外周部に設けられた各端面の組の傾斜角はそれぞれ異なっている。図3では、例えば、傾斜角1>傾斜角2>傾斜角3>傾斜角4となるように設定されている。
【0058】
この傾斜角の異なる端面からウェハ14内部に所定の入射角度で赤外線を入射することにより、同一のウェハ14について、赤外線の内部反射回数が異なる多重内部反射スペクトルを測定することができる。
【0059】
(b)基板搭載台12
基板搭載台12は、ウェハ14を搭載し、表面状態の測定に供するものである。基板搭載台12は、搭載したウェハ14を水平面内で移動或いは回転する位置調整機構を備えている。これにより、ウェハ14に形成された任意の端面から入射光学系18により赤外線をウェハ14内部に入射することができる。
【0060】
(c)入射光学系18(赤外光源、反射鏡、凹面鏡)
赤外光源としては、有機分子の分子振動に対応する2〜25μm帯域の赤外線を発する光源を適用することができる。例えば、フィラメントとしてのシリコンカーバイド(SiC)やニクロム線に電流を印加して発する熱線を光源として用いることができる。SiCグローバ灯などのSiCを用いた光源は、1.1〜25μm帯域の赤外線を発し、且つ、空気中でむき出しで使用しても焼損がないという特徴がある。
【0061】
反射鏡及び凹面鏡は、赤外光源より放出された赤外線を集光してウェハ14内部で多重反射するように、ウェハ14端面から導入するためのものである。
【0062】
また、入射光学系18は、赤外線をウェハ14端面に導入する角度を調整する角度調整機構を備えている。これにより、ウェハ14の所定の傾斜角を有する端面からその内部に所定の入射角度で赤外線を入射することができる。
【0063】
(d)赤外線分析装置20
赤外線分析装置20としては、例えば、窒素冷却型InSbなどの赤外線検出器を内包したFTIR装置を用いることができる。この赤外線分析装置20は、ウェハ14端面より放出された赤外線を検出し、検出した赤外線をフーリエ分光することにより、多重内部反射スペクトルを生成する。
【0064】
赤外線分析装置20として用いるFTIR装置は、例えば、二光束干渉計(マイケルソン光干渉計)を基にしたフーリエ変換分光のメカニズムにより、赤外線を分光分析するものである。或いは、FTIR装置の代わりに、回折格子(グレーティング)による赤外分光計を用いてもよい。
【0065】
なお、赤外線分析装置20は、ウェハ14端面から放出される赤外線の放出角度に応じて赤外線を検出することが可能である。
【0066】
(e)演算装置
赤外線分析装置20により得られた多重内部反射スペクトルの測定データは、演算装置に送られ、ウェハ14表面に付着している化学物質の同定や量の算出が行われる。
【0067】
演算装置は、同一ウェハ14について測定された内部反射回数の異なる多重内部反射スペクトルから吸光度スペクトルを求める。
【0068】
ウェハ14表面に付着している化学物質の種類と検量線は別途データベースとして演算装置の記憶部に蓄えられており、測定データはそれらのデータベースを参照して定量化される。
【0069】
ウェハ14表面に付着している化学物質を同定するために、様々な物質の各種分子振動による赤外吸収の波数がデータベースとして演算装置に蓄えられている。例えば、各化学物質について、CH対称伸縮振動や、CH非対称伸縮振動、CH対称伸縮振動、CH非対称伸縮振動等による吸収波数のデータが蓄えられている。化学物質の同定の際には、各種分子振動による吸収波数のデータベースの中から、ある特定の分子振動による吸収波数のデータが参照される。
【0070】
このように、本実施形態による表面状態測定装置は、所定の傾斜角を有するウェハ14端面から所定の入射角度で赤外線を入射することにより、内部反射回数が異なる赤外多重反射スペクトルを測定できる構成となっていることに主たる特徴がある。これにより、同一のウェハ14について測定された内部反射回数の少ない多重内部反射スペクトルをリファレンススペクトルとして吸光度スペクトルを求めることができるので、プローブ光として用いた赤外線の波長域に赤外吸収を有する汚染物質のすべてを検出し、その付着量を定量化することができる。
【0071】
さらに、リファレンススペクトルを測定するために、別途表面状態の異なるウェハについて多重内部反射スペクトルを測定する必要がないので、測定を簡便なものとすることができる。
【0072】
〔2〕表面状態測定方法
次に、本実施形態による表面状態測定方法について図2を用いて説明する。
【0073】
本実施形態による表面状態測定方法では、同一のウェハ14について内部反射回数の異なる多重内部反射スペクトルを測定する。測定された内部反射回数の少ない多重反射スペクトルをリファレンススペクトルとし、内部反射回数の多い多重反射スペクトルをサンプルスペクトルとして吸光度スペクトルを求め、これを分析することによりウェハ14に付着した化学物質の同定、付着量の定量化を行う。
【0074】
まず、表面状態を測定すべきウェハ14を基板搭載台10に載置する。
【0075】
次いで、はじめに、内部反射回数の少ない多重反射スペクトル、すなわちリファレンススペクトルの測定を以下のようにして行う。
【0076】
まず、赤外線を入射する端面として、例えば図3に示すように、ウェハ14に形成された端面のうちウェハ14平面に対する傾斜角の大きな傾斜角1の端面を選択する。また、赤外線がウェハ14端面に対して略垂直に入射できるように、入射光学系18による赤外線の入射角度を設定する。これにより、ウェハ14への入射赤外線が、ウェハ14内部で少ない回数で多重反射できるように入射角を設定することができる。また、赤外線を入射する端面に対向する傾斜角1の端面から放出される赤外線を検出できるように、基板搭載台10と赤外線分析装置20との位置関係を設定する。
【0077】
次いで、入射光学系18により、傾斜角1の端面からウェハ14内部に赤外線を入射する。
【0078】
ウェハ14内部に導入した赤外線は、ウェハ14内部を多重反射しながら伝搬し、その後赤外線が入射した端面に対向する傾斜角1の端面より放出される。
【0079】
次いで、ウェハ14内部で多重反射した後に端面より放出された赤外線を赤外線分析装置20によって検出し、フーリエ変換分光の原理に基づき、多重内部反射スペクトルを求める。
【0080】
こうして、傾斜角1の端面から入射した赤外線により測定された多重内部反射スペクトルをリファレンススペクトルとして演算装置に記憶する。
【0081】
次に、上述のようにしてウェハ14について取得したリファレンススペクトルの測定時よりも内部反射回数が多い条件で赤外線をウェハ14内部に入射して多重内部反射スペクトルの測定を行う。
【0082】
まず、図3に示すように、傾斜角1よりも小さい傾斜角2の端面からウェハ14内部に赤外線を入射できるように、基板搭載台10と入射光学系18との位置関係を設定する。また、赤外線を入射する端面に対向する傾斜角2の端面から放出される赤外線を検出できるように、基板搭載台10と赤外線分析装置20との位置関係を設定する。
【0083】
こうして、リファレンススペクトルを測定した場合よりも赤外線の内部反射回数が多くなるように測定系を設定する。
【0084】
次いで、入射光学系18により、傾斜角2の端面から赤外線をウェハ14内部に入射する。
【0085】
次いで、ウェハ14内部で多重反射した後に端面より放出された赤外線を赤外線分析装置20によって検出し、同様にして内部多重反射スペクトルを測定する。
【0086】
こうして測定された内部多重反射スペクトルをサンプルスペクトルとして演算装置に記憶する。
【0087】
次いで、演算装置により、測定されたリファレンススペクトルとサンプルスペクトルとから吸光度スペクトルを求める。
【0088】
得られた吸光度スペクトルに基づき、記憶演算装置30に蓄えられているデータベース及び検量線を参照し、ウェハ14表面に付着した汚染物質の構造、或いは種類を同定し、その付着量を算出する。
【0089】
こうして、ウェハ14の表面状態の測定を終了する。
【0090】
このように、本実施形態によれば、表面状態を測定すべきウェハ14について測定された内部反射回数の少ない多重内部反射スペクトルをリファレンススペクトルとし、内部反射回数の多い多重内部反射スペクトルをサンプルスペクトルとして吸光度スペクトルを求めるので、プローブ光として用いた赤外線の波長域に吸収を有する汚染物質をすべて検出することができ、その付着量を定量化することができる。
【0091】
また、リファレンススペクトルとなる多重反射スペクトルを表面状態の異なるウェハについて別途測定する必要がない。これにより、赤外多重内部反射法による表面状態の測定を簡便なものとすることができる。
【0092】
[変形実施形態]
本発明の上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0093】
例えば、上記実施形態では、ウェハについての表面状態の測定について述べているが、表面状態の測定はウェハに限定されるものではない。例えば、液晶装置を構成するガラス基板のように赤外域の光に対して透過性を有する基板の表面状態を測定することが可能である。
【0094】
また、上記実施形態では表面状態の測定として汚染物質を測定しているが、基板の弗酸による水素終端状態や、ドライ洗浄状態、ウェット洗浄状態等の化学的状態を測定することも可能である。
【0095】
また、上記実施形態では、所定の傾斜角の傾斜面が形成されたウェハを測定する場合について説明したが、所定の傾斜角の傾斜面が形成されていないウェハについても本発明による表面状態測定方法を適用することができる。
【0096】
例えば、端面が曲面となっているウェハについても本発明を適用することができる。本発明による表面状態測定方法により端面が曲面となっているウェハの表面状態を測定する場合について図4を用いて説明する。図4は端面が曲面となっているウェハに対する赤外線の入射方法を説明する図であり、ウェハ外周部近傍の断面を示している。
【0097】
図4に示すウェハ24の端面に赤外線を入射した場合、光線1のように曲面のウェハ24平面に対する傾斜が小さい位置から入射した赤外線ほど、ウェハ24内部での多重反射の回数が多くなる。これに対し、同じ入射角度で光線2のように曲面のウェハ24平面に対する傾斜が大きい位置から入射した赤外線ほど、ウェハ24内部での多重反射の回数が少なくなる。
【0098】
したがって、図4に示すように端面が曲面となっているウェハ24の場合には、曲面のウェハ24平面に対する傾斜の大きい位置から赤外線を入射して測定した多重反射スペクトルをリファレンススペクトルとする。また、同じ入射角度で傾斜の小さい位置から赤外線を入射して測定した多重内部反射スペクトルをサンプルスペクトルとする。図4に示す場合では、光線2について測定された多重内部反射スペクトルをリファレンススペクトルとし、光線1について測定された多重内部反射スペクトルをサンプルスペクトルとして吸光度スペクトルを求める。
【0099】
こうして、内部反射回数の異なる2つの多重内部反射スペクトルから吸光度スペクトルを求めることができる。これにより、端面が曲面となっているウェハ24についても、上記実施形態による場合と同様に、プローブ光として用いた赤外線の波長域に吸収を有する汚染物質をすべて検出することができ、その付着量を定量化することができる。また、赤外多重内部反射法による表面状態測定方法を簡便なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明による表面状態測定方法の測定原理を説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態による表面状態測定装置の構造を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による表面状態測定方法における測定対象ウェハを示す上面図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例による表面状態測定方法における赤外線の入射方法を説明する図である。
【図5】従来の赤外多重内部反射法による表面状態測定方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0101】
10…ウェハ
12…基板搭載台
14…ウェハ
18…入射光学系
20…赤外線分析装置
24…ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定基板内部に赤外線を入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線を分析することにより前記被測定基板の表面の状態を測定する表面状態測定方法において、
前記被測定基板の内部で多重反射する回数の異なる第1の赤外線と第2の赤外線とをそれぞれ検出し、前記第1の赤外線及び前記第2の赤外線の分析結果に基づき、前記被測定基板上に付着した化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化する
ことを特徴とする表面状態測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の表面状態測定方法において、
前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜を有する位置から赤外線を所定の入射角度で入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、
前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して前記第1の傾斜よりも大きい第2の傾斜を有する位置から赤外線を前記所定の入射角度で入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出する
ことを特徴とする表面状態測定方法。
【請求項3】
請求項1記載の表面状態測定方法において、
前記被測定基板の外周部には、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜角を有する第1の傾斜面と、前記第1の傾斜角よりも小さな第2の傾斜角を有する第2の傾斜面とが形成されており、
前記第1の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、
前記第2の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出する
ことを特徴とする表面状態測定方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表面状態測定方法において、
前記第1の赤外線を分光分析することにより、リファレンススペクトルを測定し、
前記第2の赤外線を分光分析することにより、サンプルスペクトルを測定し、
前記リファレンススペクトルと前記サンプルスペクトルとに基づき、前記被測定基板上に付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化する
ことを特徴とする表面状態測定方法。
【請求項5】
被測定基板に赤外線を入射する赤外線入射手段と、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を検出する赤外線検出手段と、前記赤外線検出手段により検出された赤外線に基づき、前記被測定基板の表面の状態を測定する表面状態測定手段とを有する表面状態測定装置であって、
前記赤外線検出手段は、前記被測定基板の内部で多重反射する回数の異なる第1の赤外線と第2の赤外線とをそれぞれ検出し、
前記表面状態測定手段は、前記第1の赤外線及び前記第2の赤外線の検出結果に基づき、前記被測定基板上に付着した化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を定量化する
ことを特徴とする表面状態測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の表面状態測定装置において、
前記第1の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜を有する位置から赤外線を所定の入射角度で入射し、前記赤外線検出手段は、前記第1の傾斜を有する位置から入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、
前記第2の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記被測定基板の端面において、前記被測定基板平面に対して前記第1の傾斜よりも大きい第2の傾斜を有する位置から赤外線を前記所定の入射角度で入射し、前記赤外線検出手段は、前記第2の傾斜を有する位置から入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出する
ことを特徴とする表面状態測定装置。
【請求項7】
請求項5記載の表面状態測定装置において、
前記被測定基板の外周部には、前記被測定基板平面に対して第1の傾斜角を有する第1の傾斜面と、前記第1の傾斜角よりも小さな第2の傾斜角を有する第2の傾斜面とが形成されており、
前記第1の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記第1の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記赤外線検出手段は、前記第1の傾斜面に対して略垂直に入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第1の赤外線として検出し、
前記第2の赤外線を検出するときには、前記赤外線入射手段は、前記第2の傾斜面に対して略垂直に赤外線を入射し、前記赤外線検出手段は、前記第2の傾斜面に対して略垂直に入射され、前記被測定基板内部で多重反射した後に前記被測定基板より放出される赤外線を前記第2の赤外線として検出する
ことを特徴とする表面状態測定装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−88133(P2007−88133A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273544(P2005−273544)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【出願人】(597171963)
【Fターム(参考)】