被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法
【課題】被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得するための被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法を提供する。
【解決手段】超音波発生部2は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に超音波を発生し、照明光発生部3は、超音波が伝達される被検体内における検査対象部位に到達するように照明光を発生する。検査対象部位において周波数変調された光を反射光受光部4で受光し、その受光信号から周波数情報抽出部5による周波数情報の抽出、散乱情報抽出部6による検査対象部位に対する光の散乱情報の抽出等を経て、被検体の検査対象部位に対応する被検体の特性情報を生成する。
【解決手段】超音波発生部2は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に超音波を発生し、照明光発生部3は、超音波が伝達される被検体内における検査対象部位に到達するように照明光を発生する。検査対象部位において周波数変調された光を反射光受光部4で受光し、その受光信号から周波数情報抽出部5による周波数情報の抽出、散乱情報抽出部6による検査対象部位に対する光の散乱情報の抽出等を経て、被検体の検査対象部位に対応する被検体の特性情報を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して被検体を光学的に分析する被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体の光断層イメージングを実現するものとして、光CTや光コヒーレンス断層影像法(Optical Coherence Tomography:以下OCT)、光音響断層影像法等、様々な技術が提案されている。
光CTは生体内部での光散乱の影響が比較的弱い波長域700nm〜1200nmの近赤外光を利用するため、粘膜下数cmまでの生体深部の断層像を得ることができる。
また、干渉を利用したOCTは2mm程度の深さまでの生体断層イメージを高分解能(μm〜十数μm)かつ短時間で取得することが可能である。OCTは眼科領域での網膜疾患診断において既に実用化されている技術であり、その医学的関心度は非常に高い。
【0003】
光CTは深部の情報は得られるが、空間分解能は数mm程度と非常に低い。一方、OCTは生体粘膜下約2mm以深を観察すること、更に、癌等の腫瘍組織に対して良好な画質を得ることは難しい。
これは、生体深部及び腫瘍組織における、血液の吸収や強い散乱の影響により、光のコヒーレンス性が著しく乱れるためである。
一方、日坂らによる非特許文献1において、超音波と光を生体へ照射し、生体内にてパルス超音波により変調された照射光を検出することにより、粘膜表層以下1cm程度の吸収の光イメージングを試みた例が報告されている。
また、特許文献1の特開2005−224399号公報においても、超音波パルスと光を生体に照射し、生体内にてパルス超音波により変調された照射光を検出することにより、粘膜表層以下の吸収光イメージングを得る装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−224399号公報
【特許文献2】特開2000−197635号公報
【特許文献3】特開2000−88743号公報
【非特許文献1】日坂真樹、杉浦忠男、河田聡、“パルス超音波と光の相互作用を利用した散乱体深部の光断層像観察”、光学29、pp631−634、2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1、特許文献3や非特許文献1の先行例は、あくまで吸収の光イメージングに特化されたものであり、組織の構成や構造の変化から生起される散乱情報を得ようとする技術ではない。
一方、生体組織における腫瘍の癌化に伴う核内クロマチンの濃縮状態や核の空間分布変化といった組織の構造的変化は、特に光散乱特性の変化を引き起こす。このため、癌組織等に関連する組織の構造変化に相関性が高い散乱情報が得られることが望まれる。
なお、組織の構造変化に相関性が高い光散乱情報は、その組織部位における複素屈折率の実部に由来し、一方複素屈折率の虚部は吸収に関連するため、複素屈折率の実部と虚部の変化を捉えることにより、散乱特性及び吸収特性に関する2次元、若しくは3次元情報が得られることになる。
【0005】
一方、特許文献2の特開2000−197635号公報には、生体に超音波を集束するように照射し、かつレーザ等複数の光源から様々な方向から光を照射して、超音波が集束された領域で散乱された光を生体の周囲に配置された複数の検出器で検出することにより、散乱係数と吸収係数を記録する方法が拡散型の波動方程式に基づいて開示されている。
この特許文献2の従来例は、光源及び検出器を複数用いるようにしているので、これらを測定できる状態に設置するための作業に時間がかかる点や、検出器以後での信号処理系において検出器の配置に対応した調整が必要になることが予想される点がある等、ユーザに負担をかける欠点がある。
【0006】
また、この従来例は、光源若しくは検査対象部位を走査してその位置を変更した場合における検出器で適切に受光するように制御する制御手段が設けていないため、画像化された情報等を取得することが簡単に行えない欠点がある。
このため、被検体としての生体内の深部側となる検査対象部位の場合にも高い空間分解能を確保して複素屈折率の実部の情報を含む被検体の特性情報を生成することができる装置及び方法が望まれる。
【0007】
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得するための被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る被検体情報分析装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光手段と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る内視鏡装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される周波数変調された光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
前記反射光受光部で受光された受光信号に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部と、
前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る被検体情報分析方法は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
前記超音波発生工程によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光工程と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出工程と、
前記周波数情報抽出工程で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
前記散乱情報抽出工程によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1から図4を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は本発明の被検体情報分析装置における代表的な構成例をブロック図で示し、図2は検体情報分析装置の実施例1の光イメージング装置の全体構成を示し、図3は超音波の収束点近傍でドップラシフトする様子を示し、図4は本実施例の動作内容のフローチャートを示す。
図1に示すように本発明に係る検体情報分析装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体内に対して超音波を伝達させるように超音波を発生可能とする超音波発生部2と、前記超音波発生部2から発生される前記超音波が伝達される被検体内における検査対象部位に到達するような照明光を発生可能とする照明光発生部3とを有する。
【0014】
また、この検体情報分析装置は、照明光発生部3により発生された照明光が前記検査対象部位で反射されたドップラシフトした周波数変調光を受光可能とするように、例えば照明光発生部3(或いは超音波発生部2)側に配置された反射光受光部4と、この反射光受光部4で受光された受光信号からドップラシフト量を抽出する周波数情報抽出部5とを有する。
なお、図1においては、ドップラシフトした反射光を受光する反射光受光部4の場合でその構成を示しているが、後述する実施例3の第2変形例(図14参照)のように被検体を透過した光を受光する構成にしても良い。この場合には、図1中の反射光受光部4は、単なる受光部として機能する。
【0015】
また、図1の場合には受光信号から電気的に周波数情報を抽出する構成の場合で示しているが、後述する実施例3のようにドップラシフトした光を光学的な周波数情報抽出部となる液晶チューナブルフィルタ等の分光装置で抽出しても良い。
この場合には、光学的な周波数情報抽出部は、反射光受光部4で受光される前のドップラシフトした光からその周波数情報(ドップラシフトした周波数成分)を抽出することになる。
また、図1においては、反射光受光部4により受光された受光信号から周波数情報抽出部5が周波数情報を抽出する例を示しているが、反射光受光部4により受光される光を分光部で分光する構成にすることもできる(後述する例えば実施例3参照)。この場合には、反射光受光部4により受光された受光信号は、既に周波数情報を含む信号となり、散乱情報抽出部6に入力される。
【0016】
また、この検体情報分析装置は、抽出された周波数情報から前記検査対象部位の複素屈折率における少なくとも実部に相当する光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部6と、この散乱情報から前記検査対象部位に対応する被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部6′とを有する。なお、図1の場合、反射光受光部4は、光分離部13を介して反射光を受光する構成にしている。
上記被検体情報生成部6′は、被検体の検査対象部位を例えば2次元或いは3次元的に走査した各位置における散乱情報等を画像化して表示するための画像形成部を有する。
本被検体情報分析装置は、ドップラシフトした周波数情報を抽出することにより、検査対象部位に対する複素屈折率の実部の情報を含む被検体情報を比較的容易に得られるようにしている。
【0017】
図2に示す光イメージング装置1Eは、収納容器となるユニット11内に照明光発生部3としての光源装置3bを有する。この光源装置3bにより発生された光は、光分離部13としてのハーフミラー13aに入射され、透過する光と、反射する光に分かれる。
このハーフミラー13aを透過した光は、レンズ枠37に取り付けられたコリメートレンズ(若しくは集光レンズ)38を経て収束されて、被検体としての生体組織7に照射される。
また、このコリメートレンズ38の光軸Oと例えば角度θ(>0)なす方向が超音波送信軸Ouとなるように、ユニット11の端面等に超音波発生部2となる超音波トランスジューサ2aが取り付けられている。
なお、この超音波トランスジューサ2aには、超音波収束手段としての音響レンズ16が設けてある。
【0018】
そして、この図2に示すように収束点Fの近傍領域R1付近において光軸O方向に散乱され、その際ドップラーシフトした光(周波数変調光)となり、(この散乱後においては)収束された超音波の影響を殆ど受けることなくコリメートレンズ38側に戻る。
このコリメートレンズ38側に戻った光は、ハーフミラー13aで一部が反射され、反射光受光部4となる光検出器4aにて受光される。
また、上記ハーフミラー13aで反射された光は、参照光となり、この参照光路上に対向するように配置された参照ミラー14で反射されて再びハーフミラー13aに入射される。そして、入射された光の一部がハーフミラー13aを透過する。
この際、ドップラーシフトした戻り光と混合(干渉)された状態で光検出器4aで受光されることになる。
【0019】
また、本実施例においては、上記のように、光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向となるように設定することにより、収束点Fの近傍領域R1で散乱された散乱光を超音波による近傍領域R1以外での影響を殆ど受けることなく検出できるようにしている。
このため、本実施例では例えば連続波の超音波駆動信号を発生する信号発生器39を採用している。
この信号発生器39で発生された超音波駆動信号は、パワーアンプ22により増幅された後、超音波トランスジューサ2aに印加される。
なお、コリメートレンズ38が取り付けられたレンズ枠37は、ユニット11側に設けた図示しない筒体と嵌合し、光軸O方向に移動することにより、超音波を収束する音響レンズ16による収束点Fの位置に光をフォーカスするように調整することができる。つまり、コリメートレンズ38及びレンズ枠37は、照明光が照射される照射位置調整部を形成している。
【0020】
また、超音波トランスジューサ2aは、可動枠体40に取り付けてあり、この可動枠体40を超音波送信軸Ou方向に移動することにより、超音波の収束点Fの位置を調整できるようにして超音波焦点調整部を形成している。
そして、コリメートレンズ38により光がフォーカスした位置に、超音波が焦点を結ぶように超音波の焦点調整を行うことができる。
また、ユニット11には、このユニット11を例えば2次元的にスキャニング(走査)する走査部としてのスキャニングユニット12が取り付けられており、このスキャニングユニット12は、スキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号で動作する。
このスキャニング信号発生回路24は、後述するPC6aにより制御される。
【0021】
本実施例においては、光検出器4aの出力信号は、ドップラーシフト成分を抽出する周波数情報抽出部5としてのスペクトルアナライザ等の信号処理回路5cに入力される。
また、この信号処理回路5cにより抽出された周波数情報は、散乱情報抽出部6及び被検体情報生成部6′としての機能を持つパーソナルコンピュ−タ(以下、PCと略記)6aに入力される。このPC6aにより、周波数情報から散乱情報として、生体組織7の収束点Fの近傍領域R1での複素屈折率における実部に相当する情報を抽出する。
また、信号発生器39からの信号は、信号処理回路5cに入力され、この信号に同期して信号処理回路5cは、抽出した周波数情報をPC6aに出力する。
図3は、収束点近傍領域R1において光が超音波によりドップラーシフトする様子の説明図を示す。
【0022】
上述したように光軸Oと超音波送信軸Ouとは、例えば角θなし、光の周波数をfs、音波の波長をλ、生体組織7内部での超音波の伝達速度をV、生体組織7の屈折率n1、超音波による近傍領域R1での屈折率変化をΔnとする。
なお、生体組織7は、より厳密にはその複素屈折率m(=mr+imi :ここで、mr:複素屈折率の実部、mi:複素屈折率の虚部)が超音波の照射によって、その実部と虚部が変化するが、本実施例のように光の周波数に対して、その一次の変化分(ドップラーシフト周波数分)を検出する場合にはその実部の変化分を検出することになる。つまり、上記屈折率変化Δnは、複素屈折率を用いて表した場合における実部mrの変化分Δmrに相当する。
【0023】
このため、ドップラーシフトに関係する本実施例等においては、屈折率としてより広く用いられている符号nを用いた表記法を採用する。
近傍領域R1で散乱されて入射側に戻る光の周波数は、図3に示すように
fs−Δf=fs−2Vcosθ(n1+Δn)/λ (1)
となる。そして、この(1)式の第2項のドップラーシフト量Δfを検出することになる。
【0024】
次に本実施例の動作を説明する。まず、光検出器4aによる信号検出の説明を行う。超音波トランスジューサ2aから出射される超音波は、周期的に振動する粗密波として生体組織7の内部を伝播する。図3に示すように音圧が高くなる超音波収束領域では、音圧による生体構成物質(散乱体、吸収体)の空間的な密度変化により、音圧が密な部分では屈折率変化Δnが大きく誘起されると考えられる。逆に、粗な部分では、物質の密度変化が小さい。
一方、音圧が密な部分に光が照射されると、屈折率変化部において強いフレネル反射が起こる。つまり、音圧が密な部分はミラーとしての機能を持つ。この場合、屈折率変化部は、時間と共に超音波の伝搬方向に移動するため、反射光の周波数はΔfだけ、ドップラーシフトする。
【0025】
図2に示したようにマイケルソン干渉計を形成した光イメージング装置1Eの場合には、光検出器4aに入射される参照ミラー14側の電場Er(t)と観測光側の電場Eo(t)は、それぞれ(2)及び(3)式で表される。
Er(t)=Erexpi{2πfst-ko(D1+2L1+D2)} (2)
Eo(t)=Eoexpi{2π(fs-Δf)t-ko(D1+2L2+2n0L4+2n1z+D2)} (3)
ここで、図2に示すようにD1は光源装置3bとハーフミラー13a間の距離、D2はハーフミラー13aと光検出器4a間の距離、L1はハーフミラー13aと参照ミラー14間の距離、L2+L4は、ハーフミラー13a光が入射される生体組織7の表面間の距離、L4はコリメートレンズ38から生体組織7の表面間の距離を表す。また、n0は水36の屈折率を表す。
【0026】
この場合、ドップラーシフト量Δfは、(1)式で表される。(1)式によれば、ドップラーシフト量Δfの中に、超音波により誘起される屈折率変化Δnが含まれていることが分かる。
つまり、屈折率は、光散乱現象の主パラメータであることから(例えばMie theory)、検出光のドップラーシフト周波数を計測することにより、局所的な散乱特性を取得できる可能性がある。
光検出器4aで検出される光強度I(t)は、以下の(4)式となる。
【0027】
I(t)=〈|Er+Eo|2〉
=〈|Er|2+|Eo|2〉+2〈|Er||Eo|〉cos{2π(2Vcosθ(n1+Δn1)/λ)t+2n1koz} (4)
ここで、(L2+n0L4)≒L1と仮定した。
(4)式中の第3項のAC成分をスペクトルアナライザ等により、その周波数成分を検出することにより、ドップラーシフト周波数の取得、即ち局所領域での散乱計測を行うことが可能となる。
【0028】
次に本実施例の光イメージング装置1Eの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS41において光源装置3bは光を発生する。また、ステップS42に示すように超音波トランスジューサ2aも超音波を発生する。そして、ステップS43に示すように生体組織7の収束点Fの近傍領域R1において光源装置3bの光は超音波によりドップラー周波数シフトを引き起こす。つまり、上述した(1)式のようにドップラーシフト量Δfを伴った光は、ハーフミラー13aにおいて、参照光と干渉して、干渉光となり、ステップS44に示すように光検出器4aにて検出される。
【0029】
この干渉信号は、ステップS45に示すようにスペクトルアナライザ等の信号処理回路5cにより、ドップラーシフト量Δfが検出される。
ステップS46に示すように信号処理回路5cの出力信号は、PC6aに入力され、デジタル信号に変換され、PC6a内のメモリ等にΔf又はV(n1+Δn)等が光散乱情報として、スキャニング位置の情報と関連付けてストックされる。なお、超音波の伝達速度V、波長λ、角θ等は既知となる。
そして、次のステップS47においてPC6aは、スキャニングが終端かを判定し、これに該当しない場合にはステップS48に示すように超音波の収束点Fを移動させるようにスキャニングを行い、ステップS42又はS43に戻る。
【0030】
このようにして、スキャニングを2次元或いは3次元的に行い、スキャニングの終端になると、ステップS47からステップS49に進み、画像生成が完了する。そして、画像表示が行われる。
ステップS50に示すように術者は、表示される画像を観察して、癌等の病変部のスクリーニング等に有効利用できる。
また、上述の説明ではステップS45においてドップラーシフト量Δfの検出をスペクトルアナライザを用いた場合で説明した。この他にフーリエ変換でドップラーシフト量Δfを検出することもできる。以下、フーリエ変換を用いた場合を説明する。
【0031】
上述したように光検出器4aは、(4)式の光強度I(t)を検出する。この(4)式は、第1及び第2項をIdcと、第3項を振幅Iac及びφを用いて以下の(5)式のように表わすことができる。
I(t)=Idc+Iaccos(2πΔft+φ)
=Idc+Iaccos(Δωt+φ) (5)
ここで、φ=2n1k0zである。
【0032】
(5)式は信号処理回路5cにおいてフーリエ変換され、(6)式のようになる。
【0033】
F(ω)=∫{Idc+Iaccos(Δωt+φ)}e-jωtdt
=∫{Idc+Iaccos(Δωt+φ)}e-jωtdt (−T≦t≦T)
=2IdcsinωT/ω+Iac{ejφsin(Δω-ω)T/(Δω-ω)+e-jφsin(Δω+ω)T/(Δω+ω)
=2IdcsinωT/ω+Iaccosφ{sin(Δω-ω)T/(Δω-ω)+sin(Δω+ω)T/(Δω+ω)}+jIacsinφ{sin(Δω-ω)T/(Δω-ω)+sin(Δω+ω)T/(Δω+ω)} (6)
ここで、(6)式の一番上の右辺の積分範囲は−∞から+∞であり、二番目の右辺の積分範囲はその右側に記載されているように有限の時間−Tから+Tで近似できる。
【0034】
(6)式に示したフーリエ変換された信号の実数成分は、図5に示すようになる。そして、この図5に示すように大きなピークとなるドップラーシフト角周波数Δωを検出する。
本実施例によれば、ドップラーシフト量Δfを抽出することにより、生体組織7の散乱情報、つまり、生体組織7の細胞や細胞構成物の形態学的な情報を観測可能とする分析装置を実現できる。また、この場合ドップラーシフト量Δfを抽出することにより、従来例に比較して容易に複素屈折率の実部の情報を抽出できる。従って、被検体の形態学的特性情報を容易に得られることになる。
なお、上述のようにフーリエ変換を用いて周波数成分の抽出(算出)を行う代わりに、ウエーブレット変換を用いて周波数成分の抽出を行うようにしても良い。
【0035】
図6は、第1変形例の光イメージング装置における照明光軸保持部としてのレンズ保持部26と、超音波送信軸保持部としてのトランスジューサ保持部27周辺部を示す。
レンズ保持部26は、コリメートレンズ38が取り付けられたレンズ枠37が嵌合する透孔により摺動可能に保持する可動保持体26aと、この可動保持体26aの一方の端部側を嵌合して回転的にスライド移動可能に保持する固定側保持体26bとを有する。
また、可動保持体26aの他方の端部側には、ラック部26cが設けてあり、このラック部26cは摘み26eの端部に設けたギヤ26dが噛合する。そして、ユーザは、この摘み26eを回動する操作を行うことにより、図6中の符号Cで示すように可動保持体26aを移動することができる。そして、コリメートレンズ38の光軸Oを移動してその光軸Oを調整することができる。
【0036】
また、同様にトランスジューサ保持部27は、超音波トランスジューサ2aが取り付けられた可動枠体40が嵌合する透孔により摺動可能に保持する可動保持体27aと、この可動保持体27aの一方の端部側を嵌合して回動的なスライド移動可能に保持する固定側保持体27bとからなる。
また、可動保持体27aの他方の端部側には、ラック部27cが設けてあり、このラック部27cは摘み27eの端部に設けたギヤ27dが噛合する。
そして、ユーザは、この摘み27eを回動する操作を行うことにより、図6中の符号Dで示すように可動保持体27aを移動することができる。そして、超音波トランスジューサ2aの超音波送信軸Ouを移動してその超音波送信軸Ouの方向を調整することができる。
【0037】
また、図6において、レンズ枠37を光軸Oの方向に調整することにより、光の焦点位置Foを調整できる。同様に可動枠体40を調整することにより超音波の収束点Fを調整することができる。
そして、例えば収束点Fに焦点位置Foが一致するように調整することができる照明光調整部が設けてある。また、焦点位置Foに収束点Fが一致するように調整することができる超音波の焦点調整部も設けてある。
本変形例では、固定側保持体26b、27bにより可動保持体26aと可動保持体27aとを共通の平面(光軸Oと超音波送信軸Ouを含め面)内で回動的に移動自在に保持し、光と超音波の送信軸の方向が異なる場合にも、検査対象とする部位に光及び超音波をフォーカスし易くしている。
【0038】
なお、図6においては、光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向に設定した場合におけるフォーカス調整及び方向調整機構を示しているが、光軸Oと超音波送信軸Ouとを一致させる場合には、レンズ保持部26とトランスジューサ保持部27とを同軸的に或いは積層的に配置することにより実現できる。この構成に関しては、後述する(図9参照)。
図7は第2変形例における超音波の収束点Fの近傍領域を示す。図2或いは図3においては、超音波トランスジューサ2aは、光軸Oと角θを成す1つの方向にのみ配置された構成であったが、図7に示すように光軸Oに関してθを成す2つの方向に配置された構成にしても良い。
このようにすると、後方散乱光の強度をより大きくすることができ、S/Nを向上することができる。なお、光軸Oの回りに回転対称的に2つ以上の超音波トランスジューサ2aを配置するようにしても良い。
【実施例2】
【0039】
図8は本発明の実施例2の光イメージング装置1Fの構成を示す。実施例1では光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向に設定されていたが、本実施例は、光軸Oと超音波送信軸Ouとを一致させる構成にしたものである。これにより、生体組織7側に光及び超音波を照射する部分をコンパクトにできる。
本実施例においては、超音波の収束点Fの近傍領域R1でのドップラーシフト量Δfのみを有効に検出するため、パルス状の超音波を照射する。このため、図2の信号発生器39の代わりにパルス発生器21が採用される。
また信号処理回路5cにはディレイ回路23で遅延されたパルスが入力され、信号処理回路5cは、この遅延された短い期間にドップラーシフト量Δfの周波数検出或いは周波数抽出を行う。
【0040】
その他、図2で示したものと同じ構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。なお、図8においては、超音波を収束させ、光は収束させない構成例で示しているが、光も収束させる構成にしても良い。この場合には、検出される信号のS/Nを向上できる。
本実施例においては、光軸Oと超音波送信軸Ouとの成す角θが0(cosθ=1)となるため、周波数シフトが最大となる状態でドップラーシフト量Δfを検出することができるメリットがある。
また、上述したように生体組織に光と超音波を照射する部分をよりコンパクトにできる効果がある。
【0041】
なお、パルス発生器21からパルス形状の電気信号でなく、連続形状の電気信号をパワーアンプ22へ与えることで、超音波トランスジューサ2aより連続超音波を生体組織7へ照射しても良い。またこの際、パルス発生器21より超音波の波長に相当する時間間隔でパルス状のリファレンス信号を信号処理回路5cへ入力して、同期検波をすることでパルス状の超音波を照射した場合と同様の効果を得ることも可能である。
【0042】
図9は、図8の構成に適用された第1変形例におけるレンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′周辺部を示す。光源装置3bからハーフミラー13aと透過した光は、光軸O上に設けたレンズ保持部26′のコリメートレンズ38を通り、この光軸Oと略一致するように隣接して設けられたトランスジューサ保持部27′における開口15を通って生体組織7側に集光されて照射される。
レンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′は、図6におけるレンズ保持部26とトランスジューサ保持部27における回動的な移動の代わりに光軸O及び超音波送信軸Ouに直交する方向にそれぞれ移動可能とした違いがあるのみである。
【0043】
そして、例えばレンズ保持部26′側を調整することにより、矢印Cで示す方向に移動して光軸Oが超音波送信軸Ouに一致するように調整することを可能とする照明光軸調整部を形成している。
また、トランスジューサ保持部27′側を調整することにより、超音波送信軸Ouが矢印Dで示すように移動でき、光軸Oに一致するように調整することを可能とする送信軸調整部を形成している。なお、例えばレンズ枠37を光軸O方向に移動可能として、収束点Fと焦点位置Foとが一致するように調整することができる構成にしても良い。
本変形例によれば、レンズ保持部26′やトランスジューサ保持部27′がバラツキがある場合においても、調整することにより収束点Fと焦点位置Foとが一致するように調整することができる。そしてS/Nや分解能が高い状態で光イメージング情報を得ることができる。
また、照明光を集光しているので、S/Nや分解能が高い状態で周波数情報を抽出できる。
【0044】
なお、上記の各実施例において、超音波としてパルス波と連続波のいずれを用いても良く、更に上述の各実施例においては光検出器4aとしてCCD等の2次元検出器や、1次元ラインセンサ、更にPhotodetector、光電子倍増管等の点検出器を使用しても良い。更に上記の実施例1,2においては、フーリエ変換によりドップラーシフト量を検出しても良い。
【実施例3】
【0045】
次に図10及び図11を参照して本発明の実施例3を説明する。実施例1及び実施例2においてはマイケルソン型干渉計を備えた構成の場合で説明したのに対して、本実施例は干渉計を設けないで、例えば液晶チューナブルフィルタのような分光手段を設けた構成にしたものである。
図10は実施例3の光イメージング装置1Gを示す。ユニット11内に設けられた光源装置3bの光は、ハーフミラー13aに入射され、このハーフミラー13aで反射された光は、水36に浸された生体組織7に照射される。ユニット11はスキャニングユニット12により、2次元若しくは3次元的に移動される。なお、ここでは 水36に浸された生体組織7に対して適用する例で示しているが、水を入れたバルーンを採用することもできるし、音響レンズ16を直接接触させても良い。
【0046】
また、ユニット11の端面に取り付けられた超音波トランスジューサ2aから出射される超音波は、音響レンズ16により収束され、光軸Oと角θなす超音波送信軸Ouに沿って、超音波を伝達する水36を経て生体組織7内部に照射される。
超音波の収束点Fの近傍領域R1でドップラーシフトし、後方側に散乱された光は、ハーフミラー13aに入射し、その一部が透過する。このハーフミラー13aを透過した光は、さらにミラー41で反射された後、分光手段としての液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
この液晶チューナブルフィルタ42は、ドライバ43から印加される駆動信号に応じて、この液晶チューナブルフィルタ42の透過波長の帯域が変化する。なお、ドライバ43は、例えばスキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号に同期して液晶チューナブルフィルタ42を駆動する。
この液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は、光検出器4aにより受光される。この光検出器4aの出力信号は、信号処理回路5dを経てPC6aに入力される。
【0047】
信号処理回路5d及びPC6aは、光検出器4aの出力信号から散乱情報抽出と、被検体情報生成、より具体的には画像形成処理を行う。この場合、信号処理回路5dで散乱情報抽出、PC6aで画像形成処理を行うようにしても良い。
そして、光検出器4aにより光電変換された信号は、透過波長をスイープさせる駆動信号と共に、PC6a内のメモリ等に一時格納される。そして、例えば以下のようにして、ドップラーシフトした信号検出時の透過波長(或いはドップラーシフト量Δf)を算出する。
光検出器4aの出力信号からドップラーシフトした信号を検出する場合、例えばPC6a(内のCPU)は、図示しない比較等により、閾値以上で検出され、ピークとなる信号をドップラーシフトした信号として抽出する。
【0048】
また、そのピークとなる信号検出時における駆動信号の情報から、透過波長を算出して、その算出した透過波長の情報と共に、メモリにストックする。なお、駆動信号を周期的に変化させることにより、そのタイミングから透過波長の値が算出できるようにしても良い。
なお、後述するように例えばPC6a内においてフーリエ変換することにより、光検出器4aの出力信号からドップラーシフトした信号を検出するようにしても良い。
また、超音波トランスジューサ2aにはパルス発生器21で発生したパルスがパワーアンプ22で増幅されたパルス状超音波駆動信号が印加される。また、パルス発生器21のパルスは、ディレイ回路若しくはトリガ回路44を介して例えば信号処理回路5dに入力され、信号処理回路5dは、パルスに応じて抽出した散乱情報をPC6aに出力する。
なお、本実施例においては、超音波トランスジューサ2aをパルス的(間欠的)に駆動する構成で示しているが、連続波で駆動する構成にしても良い。
【0049】
本実施例の動作を図11のフローチャートを参照して説明する。なお、前述した実施例1における図4の場合のフローチャートを参照しその説明を簡略化する。
図4の場合と同様に最初にステップS41及びS42において光と超音波を発生する。上述のように超音波はパルスの場合に限らず連続波でも良い。
そして、ステップS43に示すように収束点Fの近傍領域R1においてドップラーシフト現象が発生する。この場合には、その光強度I(t)は(2)及び(3)式を2乗したものとなり、以下の(7)式のように表される。
I(t)=Idc+Iaccos{2π(fs+Δf)t+φ}
=Idc+Iaccos{(ωs+Δω)t+φ) (7)
そして、ステップS44′に示すように液晶チューナブルフィルタ42により透過波長を変化して、ステップS45′に示すようにこの液晶チューナブルフィルタ42を透過した光を光検出器4aで検出する。
【0050】
この光検出器4aの出力信号は、信号処理回路5dを経てPC6aに入力される。信号処理回路5d或いはPC6aは、入力された信号から、実際にドップラーシフトした信号の抽出を行う。そして、PC6aは、ステップS46に示すようにΔf等の情報を光イメージング情報としてメモリにストックする。
その後のステップS47からS50の処理は図4にて説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
本実施例は、干渉計を必要としないので、装置構成を簡便にできるメリットがある。また、装置を小規模で実現できるメリットがある。
上述の説明では、比較器等を用いて光検出器4aの出力信号からドップラーシフトした信号を検出する場合で説明したが、以下のようにフーリエ変換を用いて、ドップラーシフトした信号を検出するようにしても良い。
【0051】
(7)式はPC6a(或いは信号処理回路5dでも良い)においてフーリエ変換され、(8)式のようになる。
F(ω)=∫{Idc+Iaccos(Δωt+φ)}e-jωtdt
=∫{Idc+Iaccos(ωst+Δωt+φ)}e-jωtdt (−T≦t≦T)
=2IdcsinωT/ω+Iaccosφ{sin(Δω+ωs-ω)T/(Δω+ωs-ω)+sin(Δω+ωs+ω)T/(Δω+ωs+ω)}+jIacsinφ{sin(Δω+ωs-ω)T/(Δω+ωs-ω)+sin(Δω+ωs+ω)T/(Δω+ωs+ω)} (8)
ここで、(8)式の一番上の右辺の積分範囲は−∞から+∞であり、二番目の右辺の積分範囲はその右側に記載されているように表される。
【0052】
(8)式に示したフーリエ変換された信号の実数成分は、図12に示すようになる。そして、この図12に示すように大きなピークとなる角周波数ωs+Δωを検出し、既知の角周波数ωsを減算してドップラーシフトの角周波数Δωを検出する。
図13は第1変形例の光イメージング装置1Hを示す。この光イメージング装置1Hは、図10の構成において、液晶チューナブルフィルタ42の代わりに音響光学回折格子45a及び圧電素子45bが採用されている。
この音響光学回折格子45a及び圧電素子45bは、ドライバ43からの駆動信号が圧電素子45bに印加されることにより、回折格子の格子間隔が変化して、入射された光の波長に対する1次の回折角が変化する。つまり、この音響光学回折格子45aは、分光器のように分光(波長分解)した光を(異なる方向に)出す。
【0053】
この音響光学回折格子45aにより波長分解された光は光検出器4aにて検出される。
その他は、図10と同様の構成である。本変形例の作用効果は、図10の装置の場合と同様である。
図14は第2変形例の光イメージング装置1Iを示す。この光イメージング装置1Iは、図10の装置を透過型に適用したものである。
ユニット11a側の光源装置3bからの光は、光軸Oに沿って進行し、水36を透過して生体組織7内部に照射される。
この光は、超音波収束領域においてドップラーシフトし、その一部は光軸O上をさらに進行し、生体組織7を透過する。そして、ユニット11bにおける光軸O上に配置された遮光板19の開口19aを経てミラー41に入射され、このミラー41で反射されて液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
【0054】
この液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は光検出器4aで検出される。なお、ユニット11a、11bは、それぞれスキャニングユニット12a、12bで2次元或いは3次元的に移動される。その他、図10等で説明した構成要素と同じものには同じ符号を付け、その説明を省略する。
本変形例は、図10の装置における反射光(戻り光)を検出する代わりに透過光を検出する相違があるが、これを除けば図10の装置の場合と同様の作用効果を有する。なお、液晶チューナブルフィルタ42の代わりに、分光器や音響光学素子といった分光デバイスにしても良い。
なお、図示しないが、図13に示した装置も透過光の検出タイプの構成にすることもできる。
【0055】
上記の各実施例における光検出器4aは、Photodiodeや光電子倍増管といった点検出器でも良いし、1次元ラインセンサやCCD等の2次元検出器を用いても良い。
【0056】
更に、図13、図14の実施例に関しては、パルス発生器21の駆動波形を調整することにより、連続超音波やパルス超音波のいずれを用いても良い。更に上記各実施例は分光的手段を用いずにフーリエ変換によりドップラーシフト量を検出しても良い。
【実施例4】
【0057】
次に図15及び図16を参照して本発明の実施例4を説明する。本実施例は、例えば図8の実施例2の場合と同様に超音波送信軸Ouと光軸Oとを略同軸となるように配置してコンパクトな構成を実現にしている。但し、本実施例は、参照光と干渉させることなくドップラーシフト量を検出する点が実施例2とは異なる。
図15に示す光イメージング装置1Jは、例えば図8に示した光イメージング装置1Fに類似した構成である。
図8の場合においては、参照光と干渉させる構成であったが、本実施例は、参照光と干渉させないで、例えば実施例3の場合のように光学的に分光してドップラーシフト量を検出する構成にしている。
連続光を発生する光源装置3bからの光は、ハーフミラー13aで一部が反射されてコリメートレンズ38により集光されて生体組織7側に照射される。また、生体組織7の超音波収束領域R1で反射されたドップラーシフトした光は、ハーフミラー13aに入射し、一部が透過し、光学的な分光手段としての例えば液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
【0058】
この液晶チューナブルフィルタ42は、ドライバ43からの駆動信号の印加により、透過波長が変化する。そして、この液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は、光検出器4aにて受光され、光電変換される。
この光検出器4aの出力信号は、メモリ装置58に入力され、メモリ装置58内のA/D変換器によりデジタル信号に変換された後、メモリにスキャニング情報と共に、ストックされる。このメモリ装置58にストックされた情報は、例えば1フレーム分の情報が生成されると、出力装置表示装置10に出力され、被検体の特性情報が画像として表示される。
【0059】
また、パルス発生器21で発生されるパルスは、パワーアンプ22を介してパルス状超音波駆動信号となり、超音波トランスジューサ2aに印加され、超音波トランスジューサ2aはパルス超音波を発生する。
このパルス発生器21によるパルスは制御装置46に入力され、制御装置46はパルス超音波に同期してスキャニング装置49のスキャニングの動作を制御する。また、この制御装置46は、パルス超音波に同期して、ドライバ43の駆動信号の発生を制御する。また、メモリ装置48もパルス超音波に同期して、光検出器4aからの出力信号のストックを行う。
なお、本実施例においては、例えば図9で説明したレンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′とを備えた構成にしている。
【0060】
そして、光源装置3bの光はコリメートレンズ38により集光され、その光軸O上を進行し、超音波トランスジューサ2aの開口15を通り、さらに、水36を経て生体組織7内部に照射される。
収束点近傍領域R1で、その周波数がドップラーシフトした反射光の一部は、コリメートレンズ38、ハーフミラー13aを経て液晶チューナブルフィルタ42に入射される。そして、この液晶チューナブルフィルタ42によりドップラーシフトした光を信号光として抽出できるようにしている。
また、超音波トランスジューサ2aから出射されるパルス超音波は音響レンズ16により収束されて生体組織7側に照射される。また、コリメートレンズ38の光軸Oと超音波送信軸Ouとが一致するように調整できるようにしている。
【0061】
そして、例えばレンズ保持部26′側を調整することにより、光軸Oが超音波送信軸Ouに一致するように調整することを可能とする照明光軸調整部を形成している。
また、トランスジューサ保持部27′側を調整することにより、超音波送信軸Ouが光軸Oに一致するように調整することを可能とする送信軸調整部を形成している。
なお、ユニット11は、制御装置46の制御下でスキャニング装置49により2次元或いは3次元的に駆動される。このスキャニング装置49は、図8におけるスキャニング信号発生回路24とスキャニングユニット12の両機能を兼ねる。
【0062】
本実施例の動作を図16を参照して説明する。
最初のステップS51において、光源装置3bは連続の光を発生する。そして、この光は、生体組織7側に照射される。次のステップS52に示すようにパルス発生器21は、パルスを発生し、パワーアンプ22を経て生成されたパルス状超音波駆動信号が超音波トランスジューサ2aに印加され、超音波トランスジューサ2aはパルス超音波を発生する。このパルス超音波は、音響レンズ16で収束されながら生体組織7に照射される。
ステップS53に示すようにパルス超音波が超音波収束点近傍領域に達した場合の屈折率変化に伴い、この領域に達した光は、最もドップラーシフトし、その反射光は、液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
【0063】
ステップS54に示すようにドップラーシフトした反射光が液晶チューナブルフィルタ42に入射されるタイミングでドライバ43は、液晶チューナブルフィルタ42の透過波長を変化させる。このようにドライバ43は、パルス超音波が収束点Fに達する時間内において液晶チューナブルフィルタ42の透過波長を変化させるように制御装置46により制御される。
そして、ステップS55に示すように液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は、光検出器4aにより受光される。
次のステップS56に示すように、光検出器4aにより受光され、ドップラーシフトした電気信号はメモリ装置48内のメモリに光イメージング情報として、スキャニング位置情報と共にストックされる。この場合、液晶チューナブルフィルタ42の透過波長の情報もメモリ装置58のメモリにストックされる。これにより、ドップラーシフト量Δfや屈折率変化を反映した物理量の算出が可能になる。
【0064】
次のステップS57において制御装置46は、スキャニングが終端かの判定を行う。そして、終端に該当しない場合には、制御装置46は、ステップS58に示すように超音波の収束点を移動する制御を行う。
つまり、制御装置46は、スキャニング装置49の動作を制御し、ユニット11を移動させる。そして、ステップS52に戻り、上述した処理を繰り返す。
このようにして、スキャニングがスキャニング範囲の終端まで行われると、ステップS57からステップS59に移る。このステップS59において、1フレーム分の画像生成が完了する。そして、この1フレーム分の画像は、出力信号表示装置10に送られ、この出力信号表示装置10において、例えば屈折率変化Δnを反映した画像が表示される。
【0065】
本実施例によれば、超音波と光を同軸状に照射すると共に、ドッパラーシフト光を照射光と同じ光路を経て受光するようにしているので、コンパクトな装置で実現できる。
なお、本実施例は、光学的な分光手段を採用しているが、参照光と干渉させ、光検出器4aの干渉信号からスペクトルアナライザ等を用いてドップラーシフト量Δfや屈折率変化(屈折率の実部の変化量)を反映した物理量を算出することもできる。
図17は実施例4の変形例の光イメージング装置1Kを示す。本変形例は、図15において液晶チューナブルフィルタ42の代わりに分光装置50′を採用している。
【0066】
この分光装置50′により波長分離された光は、光検出器4aに入力され、電気信号に変換される。
そして、光検出器4aの出力信号は、分光装置50′による波長分離に用いた情報及びスキャニング位置の情報と共に、メモリ装置58内のメモリに格納される。その他は、図15と同様の構成である。
本変形例は、実施例4の場合と同様に装置をコンパクトにできる等のメリットがある。
【実施例5】
【0067】
図18は実施例5の光イメージング装置1Lを示す。
この光イメージング装置1Lは、図15の光イメージング装置1Jにおいて、超音波トランスジューサ2aの超音波送信軸Ouを光軸Oの方向と異なる方向(例えば超音波送信軸Ouを光軸Oとが角θなす方向)に設定したものである。また、この実施例は、光源装置3bの光をハーフミラー13aにて参照ミラー14側への参照光と生体組織7側への観測光とに分岐させ、生体組織7側から戻るドップラーシフトした光を参照光と干渉させる構成にしている。本変形例においても、連続波の光を採用している。
なお、本実施例においては、制御装置46は、ディレイ回路47を介して信号処理装置48における検出のタイミングを制御している。この信号処理装置48は、光検出器4aからの出力信号が入力されるスペクトルアナライザ48aと、例えばPCの一部、例えばA/D変換器、、CPU、メモリからなるA/D変換器・CPU・メモリ48bとからなる。そして、このA/D変換器・CPU・メモリ48bにストックされた情報は、出力信号表示装置10に出力される。
【0068】
また、本実施例では、例えばレンズ保持部26′のみ設けた構成にしている。
本実施例のタイミングチャートは、図19に示すようになる。光源装置3bは図19(A)に示すように連続光を発生する。
超音波トランスジューサ2aは図19(B)に示すように例えば一定間隔のパルス超音波を発生する。このパルス超音波は、例えば図19(C)に示すように超音波トランスジューサ2aによるパルス超音波の発生から例えば時間Tfの後、収束点Fに到達する。
制御装置46は、パルス超音波の発生からこの時間Tf遅れたタイミングで、光検出器4aがドップラーシフトした光を検出させるように例えばゲートパスルを印加して制御する。この動作を図19(D)においては、ドップラーシフトした光の検出で示している。
【0069】
光検出器4aは、光検出した信号を常時出力している場合には、A/D変換器・CPU・メモリ48b側を制御して、上記のタイミングにおいて光検出器4aの出力信号を取り込むように制御する。
また、このドップラーシフトした光の検出の後、スキャニング信号により、収束点Fを移動する。このようにして、検査対象領域に対するドップラーシフト量Δfの検出、そして屈折率変化Δnを反映した画像を得ることができる。
図20は実施例5の第1変形例の光イメージング装置IMを示す。
この光イメージング装置IMは、図18の光イメージング装置ILにおいて超音波を収束させない構成にしたものである。つまり、この光イメージング装置IMは、図18の光イメージング装置ILにおいて超音波を収束する音響レンズ16を設けない構成にしている。また、レンズ保持部26′を設けない構成にしている。
【0070】
本変形例は超音波を収束させないため、簡便な構成で実現できる。なお、このように超音波を収束させない場合には、超音波トランスジューサ2a側を固定する構成にしても良い。つまり、超音波が広がって照射されるため、コリメートレンズ38によりフォーカスする光側をスキャンする構成にすることもできる。
また、図21は、実施例5の第2変形例の光イメージング装置INを示す。この光イメージング装置INは、図20の光イメージング装置IMにおいて、光源装置3bとハーフミラー13aとの間にビームイクスパンダ50を設けたものである。このようにすることにより、ビーム径を増大でき、変調光検出強度を増幅させることが可能である。
図22は、実施例5の第3変形例の光イメージング装置IPを示す。この光イメージング装置IPは、図20の光イメージング装置IMにおいて干渉計を形成しない構成にしたものである。
【0071】
本変形例の装置の構成としては例えば図10に類似した構成を採用している。この光イメージング装置IPは、図10の装置においてハーフミラー13aで反射された光をコリメートレンズ38で集光して生体組織7に照射する。
また、生体組織7側で反射され、ハーフミラー13aを透過した光は、ミラー41で反射されて分光装置5O′に入射され、分光された光を光検出器4aで検出する。
また、超音波トランスジューサ2aにはパルス状超音波駆動信号を印加する構成にしている。この場合、音響レンズ16は設けてなく、超音波トランスジューサ2aは収束されないパルス超音波を生体組織7に照射することになる。
なお、本変形例は、光源装置3bの光をビームイクスパンダ5Oによりビーム径を増大して、ハーフミラー13aに出射する構成にしている。このビームイクスパンダ5Oを用いない構成にしても良い。
本変形例も簡便な構成で実現できる効果がある。また、さらに簡略化するため、図22におけるコリメートレンズ38を採用しない構成にしても良い。図23はコリメートレンズ38を採用しないで、集光されない光を生体組織7側に照射する光イメージング装置IQの一部を示している。
【0072】
なお、上記の各実施例においても、超音波はパルスでも良いし、連続波でも良い。また、上記の各実施例の構成中の光検出器4aは、点検出器でも、1次元のライン状検出器でも、CCD等の2次元検出器でも良い。更に、フーリエ変換によりドッパラーシフト量を検出しても良い。
【実施例6】
【0073】
次に図24から図26を参照して本発明の実施例6を説明する。図24に示す実施例6の光イメージング装置1Uは、ドツプラーシフト量を検出するタイプである。
この光イメージング装置1Uは、生体組織7に照射するレーザ光等の光を発生する光源装置3bを有する。
この光源装置3bの光は、この光を導光する光ファイバ52aの端面に入射され、この光ファイバ52aを介してその途中に設けられた光カプラ53において、2つの光に分岐される。そして、一方は光ファイバ52bを介して光照射と受光を行う光照射・受光部54b側に導光され、他方は光ファイバ52cを介して参照光生成部55側に導光される。
【0074】
また、光ファイバ52bにより、超音波を伝達する水36を介して生体組織7側に照射され、生体組織7側からドップラーシフトして戻る光は、観測光としてこの光ファイバ52bに入射され、光カプラ53において参照光側の光と干渉した干渉光となる。
そして、この干渉光は、光ファイバ52dを経てその端面に配置された光検出器4aにより受光され、光電変換される。
上記参照光生成部は、光ファイバ52cの端面から出射される光をコリメートレンズ56により平行な光束の光にして、固定された参照ミラー14に入射させ、この参照ミラー14で反射された光をコリメートレンズ56により再び光ファイバ52cの端面に入射させる。
また、上記光照射・受光部54bは、光照射(或いは光射出)及び受光を行う光ファイバ52bの端面付近に、超音波トランスジューサ57bとスキャニングデバイス58と音響レンズ59が設けられている。
【0075】
超音波トランスジューサ57bは、超音波送信面側が例えば凹面形状に加工されており、パルス発生器21からパワーアンプ22で増幅されたパルス状の超音波駆動信号が印加されることにより、パルス超音波を発生し、このパルス超音波は収束されて生体組織7側に照射される。
また、スキャニングデバイス58は、パルス状超音波駆動信号と同期して、スキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号が印加されることにより、光照射・受光部54bを2次元的にスキャンする。例えば、生体組織7の深さ方向、つまりz方向と、このz方向と直交する例えばx方向等にスキャンする。
この光ファイバ52bの端面の拡大図を図25に示す。本実施例においては、光ファイバ52bは、中央部に配置した1本或いは複数本の光ファイバからなる第1の光ファイバ部60aと、この第1の光ファイバ部60aの周囲に配置した複数のファイバ、つまりファイババンドルからなる第2の光ファイバ部60bとにより構成されている。
【0076】
そして、例えば図26の光カプラ53の拡大図に示すように光源装置3bによる光を光ファイバ52aに入射させ、光カプラ53を構成する第1カプラ部53aにおいて例えば2本に分岐させて光ファイバ52bの第2の光ファイバ部60bと光ファイパ52cにおける第2の光ファイバ部60bと導光させるようにしている。
そして、第2の光ファイバ部60bの端面から、導光されたレーザ光を生体組織7側に照射する。また、生体組織7側からのドップラーシフトした戻り光を中央の第1の光ファイバ部60aで受光するようにしている。この第1の光ファイバ部60aで受光された光は、第2のカプラ部53bにおいて参照光側の光を導光する第1の光ファイバ部60aと光混合され、ドップラーシフトした干渉光が生成される。そして、この干渉光は、光ファイバ52dにより導光されて光検出器4aで受光される。
【0077】
この光検出器4aで検出された信号は、スペクトルアナライザ等の信号処理回路5cに入力され、ドップラーシフト量△fが検出される。
また、この信号処理回路5cは、パルス発生器21からディレイ回路23によりディレイされたタイミングに同期して、信号抽出の動作を行う。
この信号処理回路5cで検出された信号は、PC6aのPC本体6c内のA/D変換回路に入力される。なお、PC本体6cは、内部にCPU、メモリ、A/D変換回路等を備えている。そして、PC本体6cから出力される画像表示用信号はモニタ35に入力され、このモニタ35の表示面に光イメージング情報の画像が表示される。
また、このPC本体6c内のA/D変換回路には、スキャニング信号発生回路24からスキャニング信号が入力され、このスキャニング信号を取り込むことにより、スキャニング位置情報を算出する。
【0078】
また制御回路25は、パルス発生器21、スキャニング信号発生回路24及びディレイ回路23の各動作を制御する。また、この制御回路25は、例えばPC本体6c内のCPUと制御信号などの送受を行うことができる。そして、制御回路25によりパルス発生器21等を制御することができると共に、PC6a側から制御回路25を介して或いは制御回路25をスルーしてパルス発生器21等を制御することもできるようにしている。
このような構成による本実施例によれば、光ファイバ52bの先端付近をスキャニングすることにより、実施例1と同様に複素屈折率の実部に相当する光イメージング情報を得ることができる。さらに、スキャニングデバイス58としてサイズが小さくかつ駆動力が小さなもので済む。その他、実施例1と同様の効果を有する。
【0079】
図27は実施例6の第1変形例の光イメージング装置1Vの構成を示す。この光イメージング装置1Vは、干渉計を形成しない構成にしたものである。この光イメージング装置1Vは、図24の光イメージング装置1Uにおいて、光の分離や結合を行う光カプラ53を用いない構成にしている。
また、本変形例は、連続の光を発生する光源装置3cを採用し、超音波については連続波の超音波を発生する構成にしている。なお、図24の場合と同様に連続の光とパルス超音波とを採用する構成にしても良い。
光源装置3cからの光は、光ファイババンドル52a′により、その先端面に導光され、光照射と受光を行う光照射・受光部54bにおける先端面から導光された光が生体組織7側に照射される。
【0080】
また、この光ファイババンドル52a′は、途中で光ファイバ52d′と例えば一体化された光ファイババンドル部52b′が形成されている。
この光ファイババンドル部52b′は、例えば図25と類似の構成である。具体的には、図27中の端面拡大図に示すように、中心位置に受光用の光ファイバ52d′が配置され、その周囲に光ファイババンドル52a′を構成する光ファイバが配置された同心の構造になっている。
また、光ファイババンドル52a′の先端付近の外側には凹面形状の超音波トランスジューサ57bとスキャニングデバイス58と音響レンズ59が設けられている。
【0081】
そして、中心位置に配置した光ファイバ52d′により、生体組織7側からのドップラーシフトした光を受光し、その基端面側に導光する。この基端面には、例えば分光装置50′が配置されており、ドップラーシフトした光を光学的に分離抽出する。抽出された光は、光検出器4aに入力され、光電変換された電気信号となり、PC本体6cに入力され、内部のメモリにスキャニング位置の情報や分光装置50′による周波数分離の情報と共にストックされる。
本変形例は、図24の構成の場合における電気的にドップラーシフトした周波数成分の信号を分離抽出することを行わない構成のため、図24における光検出器4aの出力信号は、信号処理回路5cを経由しないで、PC本体6cに入力される。
【0082】
光源装置3cによる光の発生のタイミングは、制御回路25により制御される。また、制御回路25は、光の発生のタイミングに同期して、生体組織7側の収束点Fで反射されたドップラーシフトした光が分光装置50′、光検出器4aを経てPC本体6cに入力されるタイミングにおいて、光検出器4aの出力信号を取り込むようにPC本体6cに制御信号を送る。
なお、超音波トランスジューサ57bは、図2の場合と同様に信号発生器39、パワーアンプ22を経た超音波駆動信号により駆動される。
その他は、図24の構成と同様である。本変形例は、図24の場合と同様の効果を有する。また、図24における光カプラ53や干渉させるための参照光生成部55等が不要となり、よりコンパクトな装置を実現できる。
【0083】
なお、本変形例における分光装置50′の代わりに、他の光学的な分光手段(若しくは波長分離抽出手段)、具体的には液晶チューナブルフィルタ、音響光学素子、回折格子等を用いることもできる。
図28は実施例6の第2変形例で、光イメージング装置を備えた内視鏡装置1Wの構成を示す。
本変形例は、例えば実施例6における光照射・受光部54bに相当する構成を内視鏡71に設けている。
この内視鏡71は、挿入部72の先端に設けられた硬質の先端部73には、照明光を出射する照明窓と観察(撮像)を行う観察窓とが設けてある。照明窓にはライトガイド74の先端側が取り付けてあり、その先端面から照明光を出射する。なお、ライトガイド74の図示しない手元側の端面には、図示しない内視鏡光源装置から照明光が入射される。
【0084】
また、観察窓には対物レンズ75が取り付けてあり、その結像位置には撮像素子として例えばCCD76が配置されている。このCCD76は、図示しないビデオプロセッサ等の信号処理装置と接続され、この信号処理装置は、CCD76により撮像された画像信号に対する信号処理を行って映像信号を生成し、図示しないモニタに映像信号を出力する。
また、この挿入部72にはその長手方向に処置具類を挿通可能とするチャンネル77が設けてあり、このチャンネル77内に光ファイバ52bが挿通される。
また、本変形例における内視鏡71においては、例えば先端部73の先端面にスキャニングデバイス79が取り付けられ、このスキャニングデバイス79の駆動面に超音波トランスジューサ78が取り付けられている。
【0085】
そして、スキャニング信号発生回路24のスキャニング信号をスキャニングデバイス79に印加することにより、超音波トランスジューサ78を2次元的にスキャンすることができるようにしている。
なお、本変形例における超音波トランスジューサ78は例えば電子走査型の超音波トランスジューサにより構成され、この超音波トランスジューサは例えば図28におけるx方向に沿って複数配置されたトランスジューサエレメントにより構成され、図示しない遅延素子等を介して遅延時間を制御して駆動することにより超音波を収束させるように出射させ、収束点Fで収束させることができるようにしている。
そして、図28に示すように光ファイバ52bの先端面から出射される光の照射部位内の領域において、超音波の収束点Fを設定し、この状態でスキャニングデバイス79をスキャニング信号で駆動することにより収束点Fを2次元的にスキャンする。
【0086】
その他の構成は図24と同様であり、その説明を省略する。本変形例によれば、内視鏡71により体腔内の生体組織7を内視鏡検査することができる。そして、病変部等、より詳しく観察或いは診断したい部位に対しては図28に示すようにチャンネル77内に光ファイパ52bを挿通して、その先端面を観察対象部位に対向させる。
そして、パルス発生器21からパワーアンプ22を介してパルス状超音波駆動信号を発生させると共に、スキャニング信号も発生させて、観察対象部位の周辺部に対する2次元イメージング情報を取得し、モニタ35の表示面に表示する。
本変形例においては、内視鏡71に光を照射する光照射部と、超音波を収束させるように照射する超音波照射手段と、超音波の収束領域を2次元的にスキャンするスキャニング手段とを設けているので、体腔内における所望とする部位の生体組織7に対する光イメージング情報を得ることができる。
【0087】
従って、体腔内の患部等の生体組織7を光学的に内視鏡検査し、その場合に病変部のように、より詳しく診断したい部位に対して、光イメージング情報を取得し、モニタ35に表示させるようにすることができる。このようにすることにより、内視鏡検査のみの場合よりも、病変部をより的確に診断するのに有益な情報を得ることができる。
なお、本変形例を変形した第3変形例として以下に説明するように、例えばチャンネル77の先端開口部分に、実施例4における超音波を収束して照射する機能と、スキャニング手段の機能も備えた光照射・受光部54bを設けるようにしても良い。
図29は、実施例6の第3変形例の内視鏡装置1×における内視鏡71の先暗部付近の構成を示す。本変形例は、図24の光照射・受光部54bをチャンネル77の先端開口に着脱自在に取り付けた構成にしたものである。このような構成にすることにより、既存の内視鏡のチャンネルに光照射・受光部54bを取り付けて光イメージング情報を得ることができる。なお、図27の構成のものを同様に内視鏡に適用しても良い。この場合にも同様の効果を得ることができる。
【0088】
また、図30は第4変形例における光ファイバ52bの端部の構成例を示す。図25で示したようにこの光ファイバ52bは、その中央部に第1の光ファイバ部60aが配置され、その周囲に複数のファイバからなる第2の光ファイバ部60bが配置されている。
図30の光ファイバ52bにおいては、第2の光ファイバ部60bの端面が中央部の第1の光ファイバ部60aの軸に関して回転対称となる放物面等の凹面を形成するように加工されており、さらにその端面には集光するコリメートレンズ(或いは集光レンズ)60cが取り付けられている。
そして、各第2の光ファイバ部60bの端面から出射される光を焦点位置Foにフォーカスすることができるようにしている。このようにすることにより、S/Nが良い光イメージング情報を取得できる。
【0089】
上記各実施例においては、超音波としてパルス又は連続波のいずれでも良く、さらに光検出器4aは、点検出器であるPhotodiodeや光電子倍増管、1次元ライン型検出器やCCD等の2次元検出器のいずれを用いても良い。
【0090】
また、上記各実施例においては、フーリエ変換にてドップラーシフト量を検出する構成にしても良い。
【実施例7】
【0091】
次に図31から図34を参照して本発明の実施例7を説明する。図31は本発明の実施例7の光イメージング装置1Zの構成を示す。本実施例は、超音波出射部と、光照射及び光検出部とが一体的に形成された超音波出射・光照射・検出部がラインに沿って複数個、1次元的に配列された超音波出射・光照射・検出アレイ95を採用した構成である。この構成により、1つの超音波出射・光照射・検出アレイ95を用いてスキャニングを行うこと無しで1次元の光イメージング情報を得られるようにしたものである。これにより、1次元の光イメージング情報を時間短縮して得られる効果を有する。
【0092】
また、この超音波出射・光照射・検出アレイ95を1次元的にスキャニングすることにより、2次元の光イメージング情報が得られる。
なお、後述するように複数の超音波出射・光照射・検出部が2次元的に配置された超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを採用することにより、超音波トランスジューサ等のスキャニングを行わないでも2次元のイメージング情報を得ることもできる。
【0093】
なお、本実施例は、ドップラーシフト量Δfを抽出することにより、散乱情報を算出するタイプの構成となっている。
光源装置91から出射される可視或いは近赤外の波長領域の光は、複数本(例えばp本)の光ファイバを配列して構成された光ファイバアレイ92aを構成する各光ファイバに入射される。各光ファイバに入射された光は、光カプラ部93で光ファイバアレイ92cの光ファイバ側と光ファイバアレイ92b側の光ファイバ92bi(iは1〜pの1つを代表)とに分岐される。
【0094】
光ファイバアレイ92cの光ファイバに導光された光は、参照光生成部55において、図24の場合と同様に参照光が生成され、光カプラ部93側に戻る。
また、光ファイバアレイ92b側の光ファイバ92biに導光された光は、(超音波出射・光照射・検出アレイ95を構成する)超音波出射・光照射・検出部の超音波トランスジューサ57−iに設けた開口部を通って生体組織7側に照射される。
超音波出射・光照射・検出アレイ95は、図31の右下部分の拡大図に示すように例えばx方向に複数の超音波出射・光照射・検出部が配置されている。そして、各超音波出射・光照射・検出部は、その構成要素となる超音波トランスジューサ57−iによりそれぞれ収束点Fで超音波を収束する。
【0095】
かつその収束点Fには、光ファイバアレイ92bを構成する光ファイバ92biの端面による光照射・検出部から光が照射されると共に、その収束点Fの近傍領域R1を経たドップラーシフトした戻り光を受光する。
光ファイバアレイ92bの光ファイバ92biにより受光された光は、観測光として、光カプラ部93において光ファイバアレイ92c側の光ファイバによる参照光と光混合されてドップラーシフトした干渉光が生成される。
各干渉光は、光ファイバアレイ92dの光ファイバにより導光され、その端面から光検出器アレイ96を構成する各光検出器4aにて受光され、光電変換される。光検出器アレイ96を構成する光検出器4aでそれぞれ光電変換された出力信号は、例えば複数チャンネルのスペクトルアナライザ5eに入力される。
【0096】
そして、このスペクトルアナライザ5eにより各光検出器4aから出力されるドップラシフト量Δfの干渉信号を殆ど同時に抽出する。
このスペクトルアナライザ5eから出力される複数の干渉信号は、PC6aにおける複数の入力チャンネルからPC6a内のメモリなどにストックされる。
また、本実施例におけるスキャニング信号発生回路24Bは、例えば超音波出射・光照射・検出アレイ95が取り付けられたスキャニングデバイス98を例えばy方向にスキャンさせるように駆動する。そして、2次元の光イメージング情報を得られるようにしている。なお、ここではパルス発生器21′は、図24のパルス発生器21とパワーアンプ22の機能を備えたものである。
【0097】
図32は、超音波出射・光照射・検出アレイ95を、例えばy方向にスキャンさせることにより、2次元(2D)光イメージング情報が得られる様子を示す。ライン状に配置された超音波出射・光照射・検出部により、x方向の1次元(1D)光イメージング情報が得られ、超音波出射・光照射・検出部をy方向にスキャンすることにより2次元光イメージング情報が得られる。
なお、スキャニング信号発生回路24Bにより、超音波出射・光照射・検出アレイ95をy方向及びz方向に2次元スキャンを行うように駆動して、3次元光イメージング情報を得られるようにしても良い。
本実施例によれば、高速に2次元或いは3次元の光イメージング情報が得られる。
【0098】
なお、得られる光イメージング情報のx方向の解像度は、光ファイバアレイ92bの本数に依存するため、x方向にもスキャンさせることにより、その解像度を飛躍的に向上させるようにしても良い。
図33は第1変形例の光イメージング装置における超音波出射・光照射・検出アレイ95Bの概略の構成を示す。本変形例は、図31の光イメージング装置1Zにおいて、光ファイバアレイ92a、92bなどを構成する光ファイバの本数をより多くしている(例えば図31の場合の整数倍以上)。これに対応して、超音波出射・光照射・検出部の数も増大する。
そして、本変形例では、光ファイバアレイ92bにおける端部側の超音波出射・光照射・検出部をx、y方向に2次元的に配置して超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを構成している。
【0099】
図33に示すように光ファイバアレイ92bは、例えばp本づつの光ファイバ92b1〜92bpがm組、例えば帯状に設けられたものであり、これらの各光ファイバ92biは、スキャニングデバイス98に2次元的に設けた開口部にそれぞれ取り付けられている。
なお、このスキャニングデバイス98の底面側には、図31で示したような超音波トランスジューサ(図33では図示せず)が取り付けられている。そして、この超音波出射・光照射・検出アレイ95Bをスキャンしない状態において、2次元光イメージング情報(図34参照)を得ることができるようにしている。
なお本変形例においては、PC6aもスペクトルアナライザ5eから出力される出力信号を超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを構成する超音波出射・光照射・検出部の2次元配列に対応したアドレスのメモリにストックする。
【0100】
また、本変形例では、スキャニング信号により、スキャニングデバイス98をz方向に駆動することにより図34に示すように3次元光イメージング情報を得られるようにしている。
なお、本変形例に対しても、実施例4で説明したようにx、y方向にもスキャンすることにより、より高解像度の光イメージング情報を得るようにしても良い。本変形例においても高速に2次元或いは3次元の光イメージング情報を得ることができる。
なお、本変形例におけるさらに変形例として、スキャニングを行わないで2次元の光イメージング情報を得るようにしても良い。
【0101】
なお、上述した各実施例において、光を収束させる構成にしても良い。上記の各実施例では、パルス超音波、又は連続超音波のいずれを用いてもよい。また、スペクトラルアナライザなどの信号処理回路を用いずにフーリエ変換によりドップラーシフト量を検出しても良い。
なお、上記の各実施例においては、複素屈折率の実部に基づく光散乱情報を検出するものであるが、例えば、蛍光、りん光等の非弾性散乱情報に基づいて生体組織の情報を取得しても良い。
また、上述した各実施例を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
【産業上の利用可能性】
【0102】
生体組織に超音波が照射された検査対象部位に光を照射し、超音波が照射された部位でドップラーシフトした光を観測光として検出し、複素屈折率の実部に相当する光散乱情報を検出して画像化できるようにすることにより、病変組織の構造変化に相関性が高い情報を得ることができ、病変組織の診断等に有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は本発明の被検体情報分析装置の代表的な構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図3】図3は超音波収束領域付近においてドップラーシフトする様子の説明図。
【図4】図4は実施例1の動作説明用のフローチャート。
【図5】図5はフーリエ変換された信号の実数成分の角周波数に対する波形例を示す図。
【図6】図6は第1変形例におけるレンズ保持部及びトランスジューサ保持部の構造を示す図。
【図7】図7は第2変形例における超音波の収束点近傍領域でのドップラーシフトする様子の説明図。
【図8】図8は本発明の実施例2に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図9】図9は実施例2の変形例におけるレンズ保持部及びトランスジューサ保持部の構造を示す図。
【図10】図10は本発明の実施例3に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図11】図11は実施例3の動作説明用のフローチャート。
【図12】図12はフーリエ変換された信号の実数成分の角周波数に対する波形例を示す図。
【図13】図13は第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図14】図14は第2変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図15】図15は本発明の実施例4に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図16】図16は実施例4の動作説明用のフローチャート。
【図17】図17は実施例4の変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図18】図18は実施例5に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図19】図19は実施例5の動作説明用のタイミングチャート。
【図20】図20は実施例5の第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図21】図21は実施例5の第2変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図22】図22は実施例5の第3変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図23】図23は実施例5の第4変形例における一部の構成を示す図。
【図24】図24は本発明の実施例6に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図25】図25は光ファイバの端面の構造を示す図。
【図26】図26は光カプラの構成例を示す図。
【図27】図27は実施例6の第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図28】図28は光イメージング装置を備えた第2変形例に係る内視鏡装置の構成を示すブロック図。
【図29】図29は第3変形例の光イメージング装置における内視鏡の先端側の構成を示す図。
【図30】図30は第4変形例における光ファイバの構成を示す斜視図。
【図31】図31は本発明の実施例7に係る光イメージング装置の構成を示すブロック図。
【図32】図32は実施例7における1次元走査により2次元光イメージング情報が得られる動作の説明図。
【図33】図33は第1変形例における超音波・光照射・検出アレイ部の概略の構成を示す図。
【図34】図34は図33の超音波・光照射・検出アレイ部による動作の説明図。
【符号の説明】
【0104】
1E、1F…光イメージング装置
2…超音波発生部
2a…超音波トランスジューサ
3…照明光発生部
3b…光源装置
4…反射光受光部
4a…光検出器
5…周波数情報抽出部
5c…信号処理回路
6…散乱情報抽出部
6′…被検体情報生成部
6a…PC
7…生体組織
11…ユニット
12…スキャニングユニット
13a…ハーフミラー
16…音響レンズ
24…スキャニング信号発生回路
33…CPU
35…モニタ
38…コリメートレンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して被検体を光学的に分析する被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体の光断層イメージングを実現するものとして、光CTや光コヒーレンス断層影像法(Optical Coherence Tomography:以下OCT)、光音響断層影像法等、様々な技術が提案されている。
光CTは生体内部での光散乱の影響が比較的弱い波長域700nm〜1200nmの近赤外光を利用するため、粘膜下数cmまでの生体深部の断層像を得ることができる。
また、干渉を利用したOCTは2mm程度の深さまでの生体断層イメージを高分解能(μm〜十数μm)かつ短時間で取得することが可能である。OCTは眼科領域での網膜疾患診断において既に実用化されている技術であり、その医学的関心度は非常に高い。
【0003】
光CTは深部の情報は得られるが、空間分解能は数mm程度と非常に低い。一方、OCTは生体粘膜下約2mm以深を観察すること、更に、癌等の腫瘍組織に対して良好な画質を得ることは難しい。
これは、生体深部及び腫瘍組織における、血液の吸収や強い散乱の影響により、光のコヒーレンス性が著しく乱れるためである。
一方、日坂らによる非特許文献1において、超音波と光を生体へ照射し、生体内にてパルス超音波により変調された照射光を検出することにより、粘膜表層以下1cm程度の吸収の光イメージングを試みた例が報告されている。
また、特許文献1の特開2005−224399号公報においても、超音波パルスと光を生体に照射し、生体内にてパルス超音波により変調された照射光を検出することにより、粘膜表層以下の吸収光イメージングを得る装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−224399号公報
【特許文献2】特開2000−197635号公報
【特許文献3】特開2000−88743号公報
【非特許文献1】日坂真樹、杉浦忠男、河田聡、“パルス超音波と光の相互作用を利用した散乱体深部の光断層像観察”、光学29、pp631−634、2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1、特許文献3や非特許文献1の先行例は、あくまで吸収の光イメージングに特化されたものであり、組織の構成や構造の変化から生起される散乱情報を得ようとする技術ではない。
一方、生体組織における腫瘍の癌化に伴う核内クロマチンの濃縮状態や核の空間分布変化といった組織の構造的変化は、特に光散乱特性の変化を引き起こす。このため、癌組織等に関連する組織の構造変化に相関性が高い散乱情報が得られることが望まれる。
なお、組織の構造変化に相関性が高い光散乱情報は、その組織部位における複素屈折率の実部に由来し、一方複素屈折率の虚部は吸収に関連するため、複素屈折率の実部と虚部の変化を捉えることにより、散乱特性及び吸収特性に関する2次元、若しくは3次元情報が得られることになる。
【0005】
一方、特許文献2の特開2000−197635号公報には、生体に超音波を集束するように照射し、かつレーザ等複数の光源から様々な方向から光を照射して、超音波が集束された領域で散乱された光を生体の周囲に配置された複数の検出器で検出することにより、散乱係数と吸収係数を記録する方法が拡散型の波動方程式に基づいて開示されている。
この特許文献2の従来例は、光源及び検出器を複数用いるようにしているので、これらを測定できる状態に設置するための作業に時間がかかる点や、検出器以後での信号処理系において検出器の配置に対応した調整が必要になることが予想される点がある等、ユーザに負担をかける欠点がある。
【0006】
また、この従来例は、光源若しくは検査対象部位を走査してその位置を変更した場合における検出器で適切に受光するように制御する制御手段が設けていないため、画像化された情報等を取得することが簡単に行えない欠点がある。
このため、被検体としての生体内の深部側となる検査対象部位の場合にも高い空間分解能を確保して複素屈折率の実部の情報を含む被検体の特性情報を生成することができる装置及び方法が望まれる。
【0007】
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得するための被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る被検体情報分析装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光手段と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る内視鏡装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される周波数変調された光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
前記反射光受光部で受光された受光信号に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部と、
前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る被検体情報分析方法は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
前記超音波発生工程によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光工程と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出工程と、
前記周波数情報抽出工程で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
前記散乱情報抽出工程によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1から図4を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は本発明の被検体情報分析装置における代表的な構成例をブロック図で示し、図2は検体情報分析装置の実施例1の光イメージング装置の全体構成を示し、図3は超音波の収束点近傍でドップラシフトする様子を示し、図4は本実施例の動作内容のフローチャートを示す。
図1に示すように本発明に係る検体情報分析装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体内に対して超音波を伝達させるように超音波を発生可能とする超音波発生部2と、前記超音波発生部2から発生される前記超音波が伝達される被検体内における検査対象部位に到達するような照明光を発生可能とする照明光発生部3とを有する。
【0014】
また、この検体情報分析装置は、照明光発生部3により発生された照明光が前記検査対象部位で反射されたドップラシフトした周波数変調光を受光可能とするように、例えば照明光発生部3(或いは超音波発生部2)側に配置された反射光受光部4と、この反射光受光部4で受光された受光信号からドップラシフト量を抽出する周波数情報抽出部5とを有する。
なお、図1においては、ドップラシフトした反射光を受光する反射光受光部4の場合でその構成を示しているが、後述する実施例3の第2変形例(図14参照)のように被検体を透過した光を受光する構成にしても良い。この場合には、図1中の反射光受光部4は、単なる受光部として機能する。
【0015】
また、図1の場合には受光信号から電気的に周波数情報を抽出する構成の場合で示しているが、後述する実施例3のようにドップラシフトした光を光学的な周波数情報抽出部となる液晶チューナブルフィルタ等の分光装置で抽出しても良い。
この場合には、光学的な周波数情報抽出部は、反射光受光部4で受光される前のドップラシフトした光からその周波数情報(ドップラシフトした周波数成分)を抽出することになる。
また、図1においては、反射光受光部4により受光された受光信号から周波数情報抽出部5が周波数情報を抽出する例を示しているが、反射光受光部4により受光される光を分光部で分光する構成にすることもできる(後述する例えば実施例3参照)。この場合には、反射光受光部4により受光された受光信号は、既に周波数情報を含む信号となり、散乱情報抽出部6に入力される。
【0016】
また、この検体情報分析装置は、抽出された周波数情報から前記検査対象部位の複素屈折率における少なくとも実部に相当する光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部6と、この散乱情報から前記検査対象部位に対応する被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部6′とを有する。なお、図1の場合、反射光受光部4は、光分離部13を介して反射光を受光する構成にしている。
上記被検体情報生成部6′は、被検体の検査対象部位を例えば2次元或いは3次元的に走査した各位置における散乱情報等を画像化して表示するための画像形成部を有する。
本被検体情報分析装置は、ドップラシフトした周波数情報を抽出することにより、検査対象部位に対する複素屈折率の実部の情報を含む被検体情報を比較的容易に得られるようにしている。
【0017】
図2に示す光イメージング装置1Eは、収納容器となるユニット11内に照明光発生部3としての光源装置3bを有する。この光源装置3bにより発生された光は、光分離部13としてのハーフミラー13aに入射され、透過する光と、反射する光に分かれる。
このハーフミラー13aを透過した光は、レンズ枠37に取り付けられたコリメートレンズ(若しくは集光レンズ)38を経て収束されて、被検体としての生体組織7に照射される。
また、このコリメートレンズ38の光軸Oと例えば角度θ(>0)なす方向が超音波送信軸Ouとなるように、ユニット11の端面等に超音波発生部2となる超音波トランスジューサ2aが取り付けられている。
なお、この超音波トランスジューサ2aには、超音波収束手段としての音響レンズ16が設けてある。
【0018】
そして、この図2に示すように収束点Fの近傍領域R1付近において光軸O方向に散乱され、その際ドップラーシフトした光(周波数変調光)となり、(この散乱後においては)収束された超音波の影響を殆ど受けることなくコリメートレンズ38側に戻る。
このコリメートレンズ38側に戻った光は、ハーフミラー13aで一部が反射され、反射光受光部4となる光検出器4aにて受光される。
また、上記ハーフミラー13aで反射された光は、参照光となり、この参照光路上に対向するように配置された参照ミラー14で反射されて再びハーフミラー13aに入射される。そして、入射された光の一部がハーフミラー13aを透過する。
この際、ドップラーシフトした戻り光と混合(干渉)された状態で光検出器4aで受光されることになる。
【0019】
また、本実施例においては、上記のように、光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向となるように設定することにより、収束点Fの近傍領域R1で散乱された散乱光を超音波による近傍領域R1以外での影響を殆ど受けることなく検出できるようにしている。
このため、本実施例では例えば連続波の超音波駆動信号を発生する信号発生器39を採用している。
この信号発生器39で発生された超音波駆動信号は、パワーアンプ22により増幅された後、超音波トランスジューサ2aに印加される。
なお、コリメートレンズ38が取り付けられたレンズ枠37は、ユニット11側に設けた図示しない筒体と嵌合し、光軸O方向に移動することにより、超音波を収束する音響レンズ16による収束点Fの位置に光をフォーカスするように調整することができる。つまり、コリメートレンズ38及びレンズ枠37は、照明光が照射される照射位置調整部を形成している。
【0020】
また、超音波トランスジューサ2aは、可動枠体40に取り付けてあり、この可動枠体40を超音波送信軸Ou方向に移動することにより、超音波の収束点Fの位置を調整できるようにして超音波焦点調整部を形成している。
そして、コリメートレンズ38により光がフォーカスした位置に、超音波が焦点を結ぶように超音波の焦点調整を行うことができる。
また、ユニット11には、このユニット11を例えば2次元的にスキャニング(走査)する走査部としてのスキャニングユニット12が取り付けられており、このスキャニングユニット12は、スキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号で動作する。
このスキャニング信号発生回路24は、後述するPC6aにより制御される。
【0021】
本実施例においては、光検出器4aの出力信号は、ドップラーシフト成分を抽出する周波数情報抽出部5としてのスペクトルアナライザ等の信号処理回路5cに入力される。
また、この信号処理回路5cにより抽出された周波数情報は、散乱情報抽出部6及び被検体情報生成部6′としての機能を持つパーソナルコンピュ−タ(以下、PCと略記)6aに入力される。このPC6aにより、周波数情報から散乱情報として、生体組織7の収束点Fの近傍領域R1での複素屈折率における実部に相当する情報を抽出する。
また、信号発生器39からの信号は、信号処理回路5cに入力され、この信号に同期して信号処理回路5cは、抽出した周波数情報をPC6aに出力する。
図3は、収束点近傍領域R1において光が超音波によりドップラーシフトする様子の説明図を示す。
【0022】
上述したように光軸Oと超音波送信軸Ouとは、例えば角θなし、光の周波数をfs、音波の波長をλ、生体組織7内部での超音波の伝達速度をV、生体組織7の屈折率n1、超音波による近傍領域R1での屈折率変化をΔnとする。
なお、生体組織7は、より厳密にはその複素屈折率m(=mr+imi :ここで、mr:複素屈折率の実部、mi:複素屈折率の虚部)が超音波の照射によって、その実部と虚部が変化するが、本実施例のように光の周波数に対して、その一次の変化分(ドップラーシフト周波数分)を検出する場合にはその実部の変化分を検出することになる。つまり、上記屈折率変化Δnは、複素屈折率を用いて表した場合における実部mrの変化分Δmrに相当する。
【0023】
このため、ドップラーシフトに関係する本実施例等においては、屈折率としてより広く用いられている符号nを用いた表記法を採用する。
近傍領域R1で散乱されて入射側に戻る光の周波数は、図3に示すように
fs−Δf=fs−2Vcosθ(n1+Δn)/λ (1)
となる。そして、この(1)式の第2項のドップラーシフト量Δfを検出することになる。
【0024】
次に本実施例の動作を説明する。まず、光検出器4aによる信号検出の説明を行う。超音波トランスジューサ2aから出射される超音波は、周期的に振動する粗密波として生体組織7の内部を伝播する。図3に示すように音圧が高くなる超音波収束領域では、音圧による生体構成物質(散乱体、吸収体)の空間的な密度変化により、音圧が密な部分では屈折率変化Δnが大きく誘起されると考えられる。逆に、粗な部分では、物質の密度変化が小さい。
一方、音圧が密な部分に光が照射されると、屈折率変化部において強いフレネル反射が起こる。つまり、音圧が密な部分はミラーとしての機能を持つ。この場合、屈折率変化部は、時間と共に超音波の伝搬方向に移動するため、反射光の周波数はΔfだけ、ドップラーシフトする。
【0025】
図2に示したようにマイケルソン干渉計を形成した光イメージング装置1Eの場合には、光検出器4aに入射される参照ミラー14側の電場Er(t)と観測光側の電場Eo(t)は、それぞれ(2)及び(3)式で表される。
Er(t)=Erexpi{2πfst-ko(D1+2L1+D2)} (2)
Eo(t)=Eoexpi{2π(fs-Δf)t-ko(D1+2L2+2n0L4+2n1z+D2)} (3)
ここで、図2に示すようにD1は光源装置3bとハーフミラー13a間の距離、D2はハーフミラー13aと光検出器4a間の距離、L1はハーフミラー13aと参照ミラー14間の距離、L2+L4は、ハーフミラー13a光が入射される生体組織7の表面間の距離、L4はコリメートレンズ38から生体組織7の表面間の距離を表す。また、n0は水36の屈折率を表す。
【0026】
この場合、ドップラーシフト量Δfは、(1)式で表される。(1)式によれば、ドップラーシフト量Δfの中に、超音波により誘起される屈折率変化Δnが含まれていることが分かる。
つまり、屈折率は、光散乱現象の主パラメータであることから(例えばMie theory)、検出光のドップラーシフト周波数を計測することにより、局所的な散乱特性を取得できる可能性がある。
光検出器4aで検出される光強度I(t)は、以下の(4)式となる。
【0027】
I(t)=〈|Er+Eo|2〉
=〈|Er|2+|Eo|2〉+2〈|Er||Eo|〉cos{2π(2Vcosθ(n1+Δn1)/λ)t+2n1koz} (4)
ここで、(L2+n0L4)≒L1と仮定した。
(4)式中の第3項のAC成分をスペクトルアナライザ等により、その周波数成分を検出することにより、ドップラーシフト周波数の取得、即ち局所領域での散乱計測を行うことが可能となる。
【0028】
次に本実施例の光イメージング装置1Eの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS41において光源装置3bは光を発生する。また、ステップS42に示すように超音波トランスジューサ2aも超音波を発生する。そして、ステップS43に示すように生体組織7の収束点Fの近傍領域R1において光源装置3bの光は超音波によりドップラー周波数シフトを引き起こす。つまり、上述した(1)式のようにドップラーシフト量Δfを伴った光は、ハーフミラー13aにおいて、参照光と干渉して、干渉光となり、ステップS44に示すように光検出器4aにて検出される。
【0029】
この干渉信号は、ステップS45に示すようにスペクトルアナライザ等の信号処理回路5cにより、ドップラーシフト量Δfが検出される。
ステップS46に示すように信号処理回路5cの出力信号は、PC6aに入力され、デジタル信号に変換され、PC6a内のメモリ等にΔf又はV(n1+Δn)等が光散乱情報として、スキャニング位置の情報と関連付けてストックされる。なお、超音波の伝達速度V、波長λ、角θ等は既知となる。
そして、次のステップS47においてPC6aは、スキャニングが終端かを判定し、これに該当しない場合にはステップS48に示すように超音波の収束点Fを移動させるようにスキャニングを行い、ステップS42又はS43に戻る。
【0030】
このようにして、スキャニングを2次元或いは3次元的に行い、スキャニングの終端になると、ステップS47からステップS49に進み、画像生成が完了する。そして、画像表示が行われる。
ステップS50に示すように術者は、表示される画像を観察して、癌等の病変部のスクリーニング等に有効利用できる。
また、上述の説明ではステップS45においてドップラーシフト量Δfの検出をスペクトルアナライザを用いた場合で説明した。この他にフーリエ変換でドップラーシフト量Δfを検出することもできる。以下、フーリエ変換を用いた場合を説明する。
【0031】
上述したように光検出器4aは、(4)式の光強度I(t)を検出する。この(4)式は、第1及び第2項をIdcと、第3項を振幅Iac及びφを用いて以下の(5)式のように表わすことができる。
I(t)=Idc+Iaccos(2πΔft+φ)
=Idc+Iaccos(Δωt+φ) (5)
ここで、φ=2n1k0zである。
【0032】
(5)式は信号処理回路5cにおいてフーリエ変換され、(6)式のようになる。
【0033】
F(ω)=∫{Idc+Iaccos(Δωt+φ)}e-jωtdt
=∫{Idc+Iaccos(Δωt+φ)}e-jωtdt (−T≦t≦T)
=2IdcsinωT/ω+Iac{ejφsin(Δω-ω)T/(Δω-ω)+e-jφsin(Δω+ω)T/(Δω+ω)
=2IdcsinωT/ω+Iaccosφ{sin(Δω-ω)T/(Δω-ω)+sin(Δω+ω)T/(Δω+ω)}+jIacsinφ{sin(Δω-ω)T/(Δω-ω)+sin(Δω+ω)T/(Δω+ω)} (6)
ここで、(6)式の一番上の右辺の積分範囲は−∞から+∞であり、二番目の右辺の積分範囲はその右側に記載されているように有限の時間−Tから+Tで近似できる。
【0034】
(6)式に示したフーリエ変換された信号の実数成分は、図5に示すようになる。そして、この図5に示すように大きなピークとなるドップラーシフト角周波数Δωを検出する。
本実施例によれば、ドップラーシフト量Δfを抽出することにより、生体組織7の散乱情報、つまり、生体組織7の細胞や細胞構成物の形態学的な情報を観測可能とする分析装置を実現できる。また、この場合ドップラーシフト量Δfを抽出することにより、従来例に比較して容易に複素屈折率の実部の情報を抽出できる。従って、被検体の形態学的特性情報を容易に得られることになる。
なお、上述のようにフーリエ変換を用いて周波数成分の抽出(算出)を行う代わりに、ウエーブレット変換を用いて周波数成分の抽出を行うようにしても良い。
【0035】
図6は、第1変形例の光イメージング装置における照明光軸保持部としてのレンズ保持部26と、超音波送信軸保持部としてのトランスジューサ保持部27周辺部を示す。
レンズ保持部26は、コリメートレンズ38が取り付けられたレンズ枠37が嵌合する透孔により摺動可能に保持する可動保持体26aと、この可動保持体26aの一方の端部側を嵌合して回転的にスライド移動可能に保持する固定側保持体26bとを有する。
また、可動保持体26aの他方の端部側には、ラック部26cが設けてあり、このラック部26cは摘み26eの端部に設けたギヤ26dが噛合する。そして、ユーザは、この摘み26eを回動する操作を行うことにより、図6中の符号Cで示すように可動保持体26aを移動することができる。そして、コリメートレンズ38の光軸Oを移動してその光軸Oを調整することができる。
【0036】
また、同様にトランスジューサ保持部27は、超音波トランスジューサ2aが取り付けられた可動枠体40が嵌合する透孔により摺動可能に保持する可動保持体27aと、この可動保持体27aの一方の端部側を嵌合して回動的なスライド移動可能に保持する固定側保持体27bとからなる。
また、可動保持体27aの他方の端部側には、ラック部27cが設けてあり、このラック部27cは摘み27eの端部に設けたギヤ27dが噛合する。
そして、ユーザは、この摘み27eを回動する操作を行うことにより、図6中の符号Dで示すように可動保持体27aを移動することができる。そして、超音波トランスジューサ2aの超音波送信軸Ouを移動してその超音波送信軸Ouの方向を調整することができる。
【0037】
また、図6において、レンズ枠37を光軸Oの方向に調整することにより、光の焦点位置Foを調整できる。同様に可動枠体40を調整することにより超音波の収束点Fを調整することができる。
そして、例えば収束点Fに焦点位置Foが一致するように調整することができる照明光調整部が設けてある。また、焦点位置Foに収束点Fが一致するように調整することができる超音波の焦点調整部も設けてある。
本変形例では、固定側保持体26b、27bにより可動保持体26aと可動保持体27aとを共通の平面(光軸Oと超音波送信軸Ouを含め面)内で回動的に移動自在に保持し、光と超音波の送信軸の方向が異なる場合にも、検査対象とする部位に光及び超音波をフォーカスし易くしている。
【0038】
なお、図6においては、光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向に設定した場合におけるフォーカス調整及び方向調整機構を示しているが、光軸Oと超音波送信軸Ouとを一致させる場合には、レンズ保持部26とトランスジューサ保持部27とを同軸的に或いは積層的に配置することにより実現できる。この構成に関しては、後述する(図9参照)。
図7は第2変形例における超音波の収束点Fの近傍領域を示す。図2或いは図3においては、超音波トランスジューサ2aは、光軸Oと角θを成す1つの方向にのみ配置された構成であったが、図7に示すように光軸Oに関してθを成す2つの方向に配置された構成にしても良い。
このようにすると、後方散乱光の強度をより大きくすることができ、S/Nを向上することができる。なお、光軸Oの回りに回転対称的に2つ以上の超音波トランスジューサ2aを配置するようにしても良い。
【実施例2】
【0039】
図8は本発明の実施例2の光イメージング装置1Fの構成を示す。実施例1では光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向に設定されていたが、本実施例は、光軸Oと超音波送信軸Ouとを一致させる構成にしたものである。これにより、生体組織7側に光及び超音波を照射する部分をコンパクトにできる。
本実施例においては、超音波の収束点Fの近傍領域R1でのドップラーシフト量Δfのみを有効に検出するため、パルス状の超音波を照射する。このため、図2の信号発生器39の代わりにパルス発生器21が採用される。
また信号処理回路5cにはディレイ回路23で遅延されたパルスが入力され、信号処理回路5cは、この遅延された短い期間にドップラーシフト量Δfの周波数検出或いは周波数抽出を行う。
【0040】
その他、図2で示したものと同じ構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。なお、図8においては、超音波を収束させ、光は収束させない構成例で示しているが、光も収束させる構成にしても良い。この場合には、検出される信号のS/Nを向上できる。
本実施例においては、光軸Oと超音波送信軸Ouとの成す角θが0(cosθ=1)となるため、周波数シフトが最大となる状態でドップラーシフト量Δfを検出することができるメリットがある。
また、上述したように生体組織に光と超音波を照射する部分をよりコンパクトにできる効果がある。
【0041】
なお、パルス発生器21からパルス形状の電気信号でなく、連続形状の電気信号をパワーアンプ22へ与えることで、超音波トランスジューサ2aより連続超音波を生体組織7へ照射しても良い。またこの際、パルス発生器21より超音波の波長に相当する時間間隔でパルス状のリファレンス信号を信号処理回路5cへ入力して、同期検波をすることでパルス状の超音波を照射した場合と同様の効果を得ることも可能である。
【0042】
図9は、図8の構成に適用された第1変形例におけるレンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′周辺部を示す。光源装置3bからハーフミラー13aと透過した光は、光軸O上に設けたレンズ保持部26′のコリメートレンズ38を通り、この光軸Oと略一致するように隣接して設けられたトランスジューサ保持部27′における開口15を通って生体組織7側に集光されて照射される。
レンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′は、図6におけるレンズ保持部26とトランスジューサ保持部27における回動的な移動の代わりに光軸O及び超音波送信軸Ouに直交する方向にそれぞれ移動可能とした違いがあるのみである。
【0043】
そして、例えばレンズ保持部26′側を調整することにより、矢印Cで示す方向に移動して光軸Oが超音波送信軸Ouに一致するように調整することを可能とする照明光軸調整部を形成している。
また、トランスジューサ保持部27′側を調整することにより、超音波送信軸Ouが矢印Dで示すように移動でき、光軸Oに一致するように調整することを可能とする送信軸調整部を形成している。なお、例えばレンズ枠37を光軸O方向に移動可能として、収束点Fと焦点位置Foとが一致するように調整することができる構成にしても良い。
本変形例によれば、レンズ保持部26′やトランスジューサ保持部27′がバラツキがある場合においても、調整することにより収束点Fと焦点位置Foとが一致するように調整することができる。そしてS/Nや分解能が高い状態で光イメージング情報を得ることができる。
また、照明光を集光しているので、S/Nや分解能が高い状態で周波数情報を抽出できる。
【0044】
なお、上記の各実施例において、超音波としてパルス波と連続波のいずれを用いても良く、更に上述の各実施例においては光検出器4aとしてCCD等の2次元検出器や、1次元ラインセンサ、更にPhotodetector、光電子倍増管等の点検出器を使用しても良い。更に上記の実施例1,2においては、フーリエ変換によりドップラーシフト量を検出しても良い。
【実施例3】
【0045】
次に図10及び図11を参照して本発明の実施例3を説明する。実施例1及び実施例2においてはマイケルソン型干渉計を備えた構成の場合で説明したのに対して、本実施例は干渉計を設けないで、例えば液晶チューナブルフィルタのような分光手段を設けた構成にしたものである。
図10は実施例3の光イメージング装置1Gを示す。ユニット11内に設けられた光源装置3bの光は、ハーフミラー13aに入射され、このハーフミラー13aで反射された光は、水36に浸された生体組織7に照射される。ユニット11はスキャニングユニット12により、2次元若しくは3次元的に移動される。なお、ここでは 水36に浸された生体組織7に対して適用する例で示しているが、水を入れたバルーンを採用することもできるし、音響レンズ16を直接接触させても良い。
【0046】
また、ユニット11の端面に取り付けられた超音波トランスジューサ2aから出射される超音波は、音響レンズ16により収束され、光軸Oと角θなす超音波送信軸Ouに沿って、超音波を伝達する水36を経て生体組織7内部に照射される。
超音波の収束点Fの近傍領域R1でドップラーシフトし、後方側に散乱された光は、ハーフミラー13aに入射し、その一部が透過する。このハーフミラー13aを透過した光は、さらにミラー41で反射された後、分光手段としての液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
この液晶チューナブルフィルタ42は、ドライバ43から印加される駆動信号に応じて、この液晶チューナブルフィルタ42の透過波長の帯域が変化する。なお、ドライバ43は、例えばスキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号に同期して液晶チューナブルフィルタ42を駆動する。
この液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は、光検出器4aにより受光される。この光検出器4aの出力信号は、信号処理回路5dを経てPC6aに入力される。
【0047】
信号処理回路5d及びPC6aは、光検出器4aの出力信号から散乱情報抽出と、被検体情報生成、より具体的には画像形成処理を行う。この場合、信号処理回路5dで散乱情報抽出、PC6aで画像形成処理を行うようにしても良い。
そして、光検出器4aにより光電変換された信号は、透過波長をスイープさせる駆動信号と共に、PC6a内のメモリ等に一時格納される。そして、例えば以下のようにして、ドップラーシフトした信号検出時の透過波長(或いはドップラーシフト量Δf)を算出する。
光検出器4aの出力信号からドップラーシフトした信号を検出する場合、例えばPC6a(内のCPU)は、図示しない比較等により、閾値以上で検出され、ピークとなる信号をドップラーシフトした信号として抽出する。
【0048】
また、そのピークとなる信号検出時における駆動信号の情報から、透過波長を算出して、その算出した透過波長の情報と共に、メモリにストックする。なお、駆動信号を周期的に変化させることにより、そのタイミングから透過波長の値が算出できるようにしても良い。
なお、後述するように例えばPC6a内においてフーリエ変換することにより、光検出器4aの出力信号からドップラーシフトした信号を検出するようにしても良い。
また、超音波トランスジューサ2aにはパルス発生器21で発生したパルスがパワーアンプ22で増幅されたパルス状超音波駆動信号が印加される。また、パルス発生器21のパルスは、ディレイ回路若しくはトリガ回路44を介して例えば信号処理回路5dに入力され、信号処理回路5dは、パルスに応じて抽出した散乱情報をPC6aに出力する。
なお、本実施例においては、超音波トランスジューサ2aをパルス的(間欠的)に駆動する構成で示しているが、連続波で駆動する構成にしても良い。
【0049】
本実施例の動作を図11のフローチャートを参照して説明する。なお、前述した実施例1における図4の場合のフローチャートを参照しその説明を簡略化する。
図4の場合と同様に最初にステップS41及びS42において光と超音波を発生する。上述のように超音波はパルスの場合に限らず連続波でも良い。
そして、ステップS43に示すように収束点Fの近傍領域R1においてドップラーシフト現象が発生する。この場合には、その光強度I(t)は(2)及び(3)式を2乗したものとなり、以下の(7)式のように表される。
I(t)=Idc+Iaccos{2π(fs+Δf)t+φ}
=Idc+Iaccos{(ωs+Δω)t+φ) (7)
そして、ステップS44′に示すように液晶チューナブルフィルタ42により透過波長を変化して、ステップS45′に示すようにこの液晶チューナブルフィルタ42を透過した光を光検出器4aで検出する。
【0050】
この光検出器4aの出力信号は、信号処理回路5dを経てPC6aに入力される。信号処理回路5d或いはPC6aは、入力された信号から、実際にドップラーシフトした信号の抽出を行う。そして、PC6aは、ステップS46に示すようにΔf等の情報を光イメージング情報としてメモリにストックする。
その後のステップS47からS50の処理は図4にて説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
本実施例は、干渉計を必要としないので、装置構成を簡便にできるメリットがある。また、装置を小規模で実現できるメリットがある。
上述の説明では、比較器等を用いて光検出器4aの出力信号からドップラーシフトした信号を検出する場合で説明したが、以下のようにフーリエ変換を用いて、ドップラーシフトした信号を検出するようにしても良い。
【0051】
(7)式はPC6a(或いは信号処理回路5dでも良い)においてフーリエ変換され、(8)式のようになる。
F(ω)=∫{Idc+Iaccos(Δωt+φ)}e-jωtdt
=∫{Idc+Iaccos(ωst+Δωt+φ)}e-jωtdt (−T≦t≦T)
=2IdcsinωT/ω+Iaccosφ{sin(Δω+ωs-ω)T/(Δω+ωs-ω)+sin(Δω+ωs+ω)T/(Δω+ωs+ω)}+jIacsinφ{sin(Δω+ωs-ω)T/(Δω+ωs-ω)+sin(Δω+ωs+ω)T/(Δω+ωs+ω)} (8)
ここで、(8)式の一番上の右辺の積分範囲は−∞から+∞であり、二番目の右辺の積分範囲はその右側に記載されているように表される。
【0052】
(8)式に示したフーリエ変換された信号の実数成分は、図12に示すようになる。そして、この図12に示すように大きなピークとなる角周波数ωs+Δωを検出し、既知の角周波数ωsを減算してドップラーシフトの角周波数Δωを検出する。
図13は第1変形例の光イメージング装置1Hを示す。この光イメージング装置1Hは、図10の構成において、液晶チューナブルフィルタ42の代わりに音響光学回折格子45a及び圧電素子45bが採用されている。
この音響光学回折格子45a及び圧電素子45bは、ドライバ43からの駆動信号が圧電素子45bに印加されることにより、回折格子の格子間隔が変化して、入射された光の波長に対する1次の回折角が変化する。つまり、この音響光学回折格子45aは、分光器のように分光(波長分解)した光を(異なる方向に)出す。
【0053】
この音響光学回折格子45aにより波長分解された光は光検出器4aにて検出される。
その他は、図10と同様の構成である。本変形例の作用効果は、図10の装置の場合と同様である。
図14は第2変形例の光イメージング装置1Iを示す。この光イメージング装置1Iは、図10の装置を透過型に適用したものである。
ユニット11a側の光源装置3bからの光は、光軸Oに沿って進行し、水36を透過して生体組織7内部に照射される。
この光は、超音波収束領域においてドップラーシフトし、その一部は光軸O上をさらに進行し、生体組織7を透過する。そして、ユニット11bにおける光軸O上に配置された遮光板19の開口19aを経てミラー41に入射され、このミラー41で反射されて液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
【0054】
この液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は光検出器4aで検出される。なお、ユニット11a、11bは、それぞれスキャニングユニット12a、12bで2次元或いは3次元的に移動される。その他、図10等で説明した構成要素と同じものには同じ符号を付け、その説明を省略する。
本変形例は、図10の装置における反射光(戻り光)を検出する代わりに透過光を検出する相違があるが、これを除けば図10の装置の場合と同様の作用効果を有する。なお、液晶チューナブルフィルタ42の代わりに、分光器や音響光学素子といった分光デバイスにしても良い。
なお、図示しないが、図13に示した装置も透過光の検出タイプの構成にすることもできる。
【0055】
上記の各実施例における光検出器4aは、Photodiodeや光電子倍増管といった点検出器でも良いし、1次元ラインセンサやCCD等の2次元検出器を用いても良い。
【0056】
更に、図13、図14の実施例に関しては、パルス発生器21の駆動波形を調整することにより、連続超音波やパルス超音波のいずれを用いても良い。更に上記各実施例は分光的手段を用いずにフーリエ変換によりドップラーシフト量を検出しても良い。
【実施例4】
【0057】
次に図15及び図16を参照して本発明の実施例4を説明する。本実施例は、例えば図8の実施例2の場合と同様に超音波送信軸Ouと光軸Oとを略同軸となるように配置してコンパクトな構成を実現にしている。但し、本実施例は、参照光と干渉させることなくドップラーシフト量を検出する点が実施例2とは異なる。
図15に示す光イメージング装置1Jは、例えば図8に示した光イメージング装置1Fに類似した構成である。
図8の場合においては、参照光と干渉させる構成であったが、本実施例は、参照光と干渉させないで、例えば実施例3の場合のように光学的に分光してドップラーシフト量を検出する構成にしている。
連続光を発生する光源装置3bからの光は、ハーフミラー13aで一部が反射されてコリメートレンズ38により集光されて生体組織7側に照射される。また、生体組織7の超音波収束領域R1で反射されたドップラーシフトした光は、ハーフミラー13aに入射し、一部が透過し、光学的な分光手段としての例えば液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
【0058】
この液晶チューナブルフィルタ42は、ドライバ43からの駆動信号の印加により、透過波長が変化する。そして、この液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は、光検出器4aにて受光され、光電変換される。
この光検出器4aの出力信号は、メモリ装置58に入力され、メモリ装置58内のA/D変換器によりデジタル信号に変換された後、メモリにスキャニング情報と共に、ストックされる。このメモリ装置58にストックされた情報は、例えば1フレーム分の情報が生成されると、出力装置表示装置10に出力され、被検体の特性情報が画像として表示される。
【0059】
また、パルス発生器21で発生されるパルスは、パワーアンプ22を介してパルス状超音波駆動信号となり、超音波トランスジューサ2aに印加され、超音波トランスジューサ2aはパルス超音波を発生する。
このパルス発生器21によるパルスは制御装置46に入力され、制御装置46はパルス超音波に同期してスキャニング装置49のスキャニングの動作を制御する。また、この制御装置46は、パルス超音波に同期して、ドライバ43の駆動信号の発生を制御する。また、メモリ装置48もパルス超音波に同期して、光検出器4aからの出力信号のストックを行う。
なお、本実施例においては、例えば図9で説明したレンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′とを備えた構成にしている。
【0060】
そして、光源装置3bの光はコリメートレンズ38により集光され、その光軸O上を進行し、超音波トランスジューサ2aの開口15を通り、さらに、水36を経て生体組織7内部に照射される。
収束点近傍領域R1で、その周波数がドップラーシフトした反射光の一部は、コリメートレンズ38、ハーフミラー13aを経て液晶チューナブルフィルタ42に入射される。そして、この液晶チューナブルフィルタ42によりドップラーシフトした光を信号光として抽出できるようにしている。
また、超音波トランスジューサ2aから出射されるパルス超音波は音響レンズ16により収束されて生体組織7側に照射される。また、コリメートレンズ38の光軸Oと超音波送信軸Ouとが一致するように調整できるようにしている。
【0061】
そして、例えばレンズ保持部26′側を調整することにより、光軸Oが超音波送信軸Ouに一致するように調整することを可能とする照明光軸調整部を形成している。
また、トランスジューサ保持部27′側を調整することにより、超音波送信軸Ouが光軸Oに一致するように調整することを可能とする送信軸調整部を形成している。
なお、ユニット11は、制御装置46の制御下でスキャニング装置49により2次元或いは3次元的に駆動される。このスキャニング装置49は、図8におけるスキャニング信号発生回路24とスキャニングユニット12の両機能を兼ねる。
【0062】
本実施例の動作を図16を参照して説明する。
最初のステップS51において、光源装置3bは連続の光を発生する。そして、この光は、生体組織7側に照射される。次のステップS52に示すようにパルス発生器21は、パルスを発生し、パワーアンプ22を経て生成されたパルス状超音波駆動信号が超音波トランスジューサ2aに印加され、超音波トランスジューサ2aはパルス超音波を発生する。このパルス超音波は、音響レンズ16で収束されながら生体組織7に照射される。
ステップS53に示すようにパルス超音波が超音波収束点近傍領域に達した場合の屈折率変化に伴い、この領域に達した光は、最もドップラーシフトし、その反射光は、液晶チューナブルフィルタ42に入射される。
【0063】
ステップS54に示すようにドップラーシフトした反射光が液晶チューナブルフィルタ42に入射されるタイミングでドライバ43は、液晶チューナブルフィルタ42の透過波長を変化させる。このようにドライバ43は、パルス超音波が収束点Fに達する時間内において液晶チューナブルフィルタ42の透過波長を変化させるように制御装置46により制御される。
そして、ステップS55に示すように液晶チューナブルフィルタ42を透過した光は、光検出器4aにより受光される。
次のステップS56に示すように、光検出器4aにより受光され、ドップラーシフトした電気信号はメモリ装置48内のメモリに光イメージング情報として、スキャニング位置情報と共にストックされる。この場合、液晶チューナブルフィルタ42の透過波長の情報もメモリ装置58のメモリにストックされる。これにより、ドップラーシフト量Δfや屈折率変化を反映した物理量の算出が可能になる。
【0064】
次のステップS57において制御装置46は、スキャニングが終端かの判定を行う。そして、終端に該当しない場合には、制御装置46は、ステップS58に示すように超音波の収束点を移動する制御を行う。
つまり、制御装置46は、スキャニング装置49の動作を制御し、ユニット11を移動させる。そして、ステップS52に戻り、上述した処理を繰り返す。
このようにして、スキャニングがスキャニング範囲の終端まで行われると、ステップS57からステップS59に移る。このステップS59において、1フレーム分の画像生成が完了する。そして、この1フレーム分の画像は、出力信号表示装置10に送られ、この出力信号表示装置10において、例えば屈折率変化Δnを反映した画像が表示される。
【0065】
本実施例によれば、超音波と光を同軸状に照射すると共に、ドッパラーシフト光を照射光と同じ光路を経て受光するようにしているので、コンパクトな装置で実現できる。
なお、本実施例は、光学的な分光手段を採用しているが、参照光と干渉させ、光検出器4aの干渉信号からスペクトルアナライザ等を用いてドップラーシフト量Δfや屈折率変化(屈折率の実部の変化量)を反映した物理量を算出することもできる。
図17は実施例4の変形例の光イメージング装置1Kを示す。本変形例は、図15において液晶チューナブルフィルタ42の代わりに分光装置50′を採用している。
【0066】
この分光装置50′により波長分離された光は、光検出器4aに入力され、電気信号に変換される。
そして、光検出器4aの出力信号は、分光装置50′による波長分離に用いた情報及びスキャニング位置の情報と共に、メモリ装置58内のメモリに格納される。その他は、図15と同様の構成である。
本変形例は、実施例4の場合と同様に装置をコンパクトにできる等のメリットがある。
【実施例5】
【0067】
図18は実施例5の光イメージング装置1Lを示す。
この光イメージング装置1Lは、図15の光イメージング装置1Jにおいて、超音波トランスジューサ2aの超音波送信軸Ouを光軸Oの方向と異なる方向(例えば超音波送信軸Ouを光軸Oとが角θなす方向)に設定したものである。また、この実施例は、光源装置3bの光をハーフミラー13aにて参照ミラー14側への参照光と生体組織7側への観測光とに分岐させ、生体組織7側から戻るドップラーシフトした光を参照光と干渉させる構成にしている。本変形例においても、連続波の光を採用している。
なお、本実施例においては、制御装置46は、ディレイ回路47を介して信号処理装置48における検出のタイミングを制御している。この信号処理装置48は、光検出器4aからの出力信号が入力されるスペクトルアナライザ48aと、例えばPCの一部、例えばA/D変換器、、CPU、メモリからなるA/D変換器・CPU・メモリ48bとからなる。そして、このA/D変換器・CPU・メモリ48bにストックされた情報は、出力信号表示装置10に出力される。
【0068】
また、本実施例では、例えばレンズ保持部26′のみ設けた構成にしている。
本実施例のタイミングチャートは、図19に示すようになる。光源装置3bは図19(A)に示すように連続光を発生する。
超音波トランスジューサ2aは図19(B)に示すように例えば一定間隔のパルス超音波を発生する。このパルス超音波は、例えば図19(C)に示すように超音波トランスジューサ2aによるパルス超音波の発生から例えば時間Tfの後、収束点Fに到達する。
制御装置46は、パルス超音波の発生からこの時間Tf遅れたタイミングで、光検出器4aがドップラーシフトした光を検出させるように例えばゲートパスルを印加して制御する。この動作を図19(D)においては、ドップラーシフトした光の検出で示している。
【0069】
光検出器4aは、光検出した信号を常時出力している場合には、A/D変換器・CPU・メモリ48b側を制御して、上記のタイミングにおいて光検出器4aの出力信号を取り込むように制御する。
また、このドップラーシフトした光の検出の後、スキャニング信号により、収束点Fを移動する。このようにして、検査対象領域に対するドップラーシフト量Δfの検出、そして屈折率変化Δnを反映した画像を得ることができる。
図20は実施例5の第1変形例の光イメージング装置IMを示す。
この光イメージング装置IMは、図18の光イメージング装置ILにおいて超音波を収束させない構成にしたものである。つまり、この光イメージング装置IMは、図18の光イメージング装置ILにおいて超音波を収束する音響レンズ16を設けない構成にしている。また、レンズ保持部26′を設けない構成にしている。
【0070】
本変形例は超音波を収束させないため、簡便な構成で実現できる。なお、このように超音波を収束させない場合には、超音波トランスジューサ2a側を固定する構成にしても良い。つまり、超音波が広がって照射されるため、コリメートレンズ38によりフォーカスする光側をスキャンする構成にすることもできる。
また、図21は、実施例5の第2変形例の光イメージング装置INを示す。この光イメージング装置INは、図20の光イメージング装置IMにおいて、光源装置3bとハーフミラー13aとの間にビームイクスパンダ50を設けたものである。このようにすることにより、ビーム径を増大でき、変調光検出強度を増幅させることが可能である。
図22は、実施例5の第3変形例の光イメージング装置IPを示す。この光イメージング装置IPは、図20の光イメージング装置IMにおいて干渉計を形成しない構成にしたものである。
【0071】
本変形例の装置の構成としては例えば図10に類似した構成を採用している。この光イメージング装置IPは、図10の装置においてハーフミラー13aで反射された光をコリメートレンズ38で集光して生体組織7に照射する。
また、生体組織7側で反射され、ハーフミラー13aを透過した光は、ミラー41で反射されて分光装置5O′に入射され、分光された光を光検出器4aで検出する。
また、超音波トランスジューサ2aにはパルス状超音波駆動信号を印加する構成にしている。この場合、音響レンズ16は設けてなく、超音波トランスジューサ2aは収束されないパルス超音波を生体組織7に照射することになる。
なお、本変形例は、光源装置3bの光をビームイクスパンダ5Oによりビーム径を増大して、ハーフミラー13aに出射する構成にしている。このビームイクスパンダ5Oを用いない構成にしても良い。
本変形例も簡便な構成で実現できる効果がある。また、さらに簡略化するため、図22におけるコリメートレンズ38を採用しない構成にしても良い。図23はコリメートレンズ38を採用しないで、集光されない光を生体組織7側に照射する光イメージング装置IQの一部を示している。
【0072】
なお、上記の各実施例においても、超音波はパルスでも良いし、連続波でも良い。また、上記の各実施例の構成中の光検出器4aは、点検出器でも、1次元のライン状検出器でも、CCD等の2次元検出器でも良い。更に、フーリエ変換によりドッパラーシフト量を検出しても良い。
【実施例6】
【0073】
次に図24から図26を参照して本発明の実施例6を説明する。図24に示す実施例6の光イメージング装置1Uは、ドツプラーシフト量を検出するタイプである。
この光イメージング装置1Uは、生体組織7に照射するレーザ光等の光を発生する光源装置3bを有する。
この光源装置3bの光は、この光を導光する光ファイバ52aの端面に入射され、この光ファイバ52aを介してその途中に設けられた光カプラ53において、2つの光に分岐される。そして、一方は光ファイバ52bを介して光照射と受光を行う光照射・受光部54b側に導光され、他方は光ファイバ52cを介して参照光生成部55側に導光される。
【0074】
また、光ファイバ52bにより、超音波を伝達する水36を介して生体組織7側に照射され、生体組織7側からドップラーシフトして戻る光は、観測光としてこの光ファイバ52bに入射され、光カプラ53において参照光側の光と干渉した干渉光となる。
そして、この干渉光は、光ファイバ52dを経てその端面に配置された光検出器4aにより受光され、光電変換される。
上記参照光生成部は、光ファイバ52cの端面から出射される光をコリメートレンズ56により平行な光束の光にして、固定された参照ミラー14に入射させ、この参照ミラー14で反射された光をコリメートレンズ56により再び光ファイバ52cの端面に入射させる。
また、上記光照射・受光部54bは、光照射(或いは光射出)及び受光を行う光ファイバ52bの端面付近に、超音波トランスジューサ57bとスキャニングデバイス58と音響レンズ59が設けられている。
【0075】
超音波トランスジューサ57bは、超音波送信面側が例えば凹面形状に加工されており、パルス発生器21からパワーアンプ22で増幅されたパルス状の超音波駆動信号が印加されることにより、パルス超音波を発生し、このパルス超音波は収束されて生体組織7側に照射される。
また、スキャニングデバイス58は、パルス状超音波駆動信号と同期して、スキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号が印加されることにより、光照射・受光部54bを2次元的にスキャンする。例えば、生体組織7の深さ方向、つまりz方向と、このz方向と直交する例えばx方向等にスキャンする。
この光ファイバ52bの端面の拡大図を図25に示す。本実施例においては、光ファイバ52bは、中央部に配置した1本或いは複数本の光ファイバからなる第1の光ファイバ部60aと、この第1の光ファイバ部60aの周囲に配置した複数のファイバ、つまりファイババンドルからなる第2の光ファイバ部60bとにより構成されている。
【0076】
そして、例えば図26の光カプラ53の拡大図に示すように光源装置3bによる光を光ファイバ52aに入射させ、光カプラ53を構成する第1カプラ部53aにおいて例えば2本に分岐させて光ファイバ52bの第2の光ファイバ部60bと光ファイパ52cにおける第2の光ファイバ部60bと導光させるようにしている。
そして、第2の光ファイバ部60bの端面から、導光されたレーザ光を生体組織7側に照射する。また、生体組織7側からのドップラーシフトした戻り光を中央の第1の光ファイバ部60aで受光するようにしている。この第1の光ファイバ部60aで受光された光は、第2のカプラ部53bにおいて参照光側の光を導光する第1の光ファイバ部60aと光混合され、ドップラーシフトした干渉光が生成される。そして、この干渉光は、光ファイバ52dにより導光されて光検出器4aで受光される。
【0077】
この光検出器4aで検出された信号は、スペクトルアナライザ等の信号処理回路5cに入力され、ドップラーシフト量△fが検出される。
また、この信号処理回路5cは、パルス発生器21からディレイ回路23によりディレイされたタイミングに同期して、信号抽出の動作を行う。
この信号処理回路5cで検出された信号は、PC6aのPC本体6c内のA/D変換回路に入力される。なお、PC本体6cは、内部にCPU、メモリ、A/D変換回路等を備えている。そして、PC本体6cから出力される画像表示用信号はモニタ35に入力され、このモニタ35の表示面に光イメージング情報の画像が表示される。
また、このPC本体6c内のA/D変換回路には、スキャニング信号発生回路24からスキャニング信号が入力され、このスキャニング信号を取り込むことにより、スキャニング位置情報を算出する。
【0078】
また制御回路25は、パルス発生器21、スキャニング信号発生回路24及びディレイ回路23の各動作を制御する。また、この制御回路25は、例えばPC本体6c内のCPUと制御信号などの送受を行うことができる。そして、制御回路25によりパルス発生器21等を制御することができると共に、PC6a側から制御回路25を介して或いは制御回路25をスルーしてパルス発生器21等を制御することもできるようにしている。
このような構成による本実施例によれば、光ファイバ52bの先端付近をスキャニングすることにより、実施例1と同様に複素屈折率の実部に相当する光イメージング情報を得ることができる。さらに、スキャニングデバイス58としてサイズが小さくかつ駆動力が小さなもので済む。その他、実施例1と同様の効果を有する。
【0079】
図27は実施例6の第1変形例の光イメージング装置1Vの構成を示す。この光イメージング装置1Vは、干渉計を形成しない構成にしたものである。この光イメージング装置1Vは、図24の光イメージング装置1Uにおいて、光の分離や結合を行う光カプラ53を用いない構成にしている。
また、本変形例は、連続の光を発生する光源装置3cを採用し、超音波については連続波の超音波を発生する構成にしている。なお、図24の場合と同様に連続の光とパルス超音波とを採用する構成にしても良い。
光源装置3cからの光は、光ファイババンドル52a′により、その先端面に導光され、光照射と受光を行う光照射・受光部54bにおける先端面から導光された光が生体組織7側に照射される。
【0080】
また、この光ファイババンドル52a′は、途中で光ファイバ52d′と例えば一体化された光ファイババンドル部52b′が形成されている。
この光ファイババンドル部52b′は、例えば図25と類似の構成である。具体的には、図27中の端面拡大図に示すように、中心位置に受光用の光ファイバ52d′が配置され、その周囲に光ファイババンドル52a′を構成する光ファイバが配置された同心の構造になっている。
また、光ファイババンドル52a′の先端付近の外側には凹面形状の超音波トランスジューサ57bとスキャニングデバイス58と音響レンズ59が設けられている。
【0081】
そして、中心位置に配置した光ファイバ52d′により、生体組織7側からのドップラーシフトした光を受光し、その基端面側に導光する。この基端面には、例えば分光装置50′が配置されており、ドップラーシフトした光を光学的に分離抽出する。抽出された光は、光検出器4aに入力され、光電変換された電気信号となり、PC本体6cに入力され、内部のメモリにスキャニング位置の情報や分光装置50′による周波数分離の情報と共にストックされる。
本変形例は、図24の構成の場合における電気的にドップラーシフトした周波数成分の信号を分離抽出することを行わない構成のため、図24における光検出器4aの出力信号は、信号処理回路5cを経由しないで、PC本体6cに入力される。
【0082】
光源装置3cによる光の発生のタイミングは、制御回路25により制御される。また、制御回路25は、光の発生のタイミングに同期して、生体組織7側の収束点Fで反射されたドップラーシフトした光が分光装置50′、光検出器4aを経てPC本体6cに入力されるタイミングにおいて、光検出器4aの出力信号を取り込むようにPC本体6cに制御信号を送る。
なお、超音波トランスジューサ57bは、図2の場合と同様に信号発生器39、パワーアンプ22を経た超音波駆動信号により駆動される。
その他は、図24の構成と同様である。本変形例は、図24の場合と同様の効果を有する。また、図24における光カプラ53や干渉させるための参照光生成部55等が不要となり、よりコンパクトな装置を実現できる。
【0083】
なお、本変形例における分光装置50′の代わりに、他の光学的な分光手段(若しくは波長分離抽出手段)、具体的には液晶チューナブルフィルタ、音響光学素子、回折格子等を用いることもできる。
図28は実施例6の第2変形例で、光イメージング装置を備えた内視鏡装置1Wの構成を示す。
本変形例は、例えば実施例6における光照射・受光部54bに相当する構成を内視鏡71に設けている。
この内視鏡71は、挿入部72の先端に設けられた硬質の先端部73には、照明光を出射する照明窓と観察(撮像)を行う観察窓とが設けてある。照明窓にはライトガイド74の先端側が取り付けてあり、その先端面から照明光を出射する。なお、ライトガイド74の図示しない手元側の端面には、図示しない内視鏡光源装置から照明光が入射される。
【0084】
また、観察窓には対物レンズ75が取り付けてあり、その結像位置には撮像素子として例えばCCD76が配置されている。このCCD76は、図示しないビデオプロセッサ等の信号処理装置と接続され、この信号処理装置は、CCD76により撮像された画像信号に対する信号処理を行って映像信号を生成し、図示しないモニタに映像信号を出力する。
また、この挿入部72にはその長手方向に処置具類を挿通可能とするチャンネル77が設けてあり、このチャンネル77内に光ファイバ52bが挿通される。
また、本変形例における内視鏡71においては、例えば先端部73の先端面にスキャニングデバイス79が取り付けられ、このスキャニングデバイス79の駆動面に超音波トランスジューサ78が取り付けられている。
【0085】
そして、スキャニング信号発生回路24のスキャニング信号をスキャニングデバイス79に印加することにより、超音波トランスジューサ78を2次元的にスキャンすることができるようにしている。
なお、本変形例における超音波トランスジューサ78は例えば電子走査型の超音波トランスジューサにより構成され、この超音波トランスジューサは例えば図28におけるx方向に沿って複数配置されたトランスジューサエレメントにより構成され、図示しない遅延素子等を介して遅延時間を制御して駆動することにより超音波を収束させるように出射させ、収束点Fで収束させることができるようにしている。
そして、図28に示すように光ファイバ52bの先端面から出射される光の照射部位内の領域において、超音波の収束点Fを設定し、この状態でスキャニングデバイス79をスキャニング信号で駆動することにより収束点Fを2次元的にスキャンする。
【0086】
その他の構成は図24と同様であり、その説明を省略する。本変形例によれば、内視鏡71により体腔内の生体組織7を内視鏡検査することができる。そして、病変部等、より詳しく観察或いは診断したい部位に対しては図28に示すようにチャンネル77内に光ファイパ52bを挿通して、その先端面を観察対象部位に対向させる。
そして、パルス発生器21からパワーアンプ22を介してパルス状超音波駆動信号を発生させると共に、スキャニング信号も発生させて、観察対象部位の周辺部に対する2次元イメージング情報を取得し、モニタ35の表示面に表示する。
本変形例においては、内視鏡71に光を照射する光照射部と、超音波を収束させるように照射する超音波照射手段と、超音波の収束領域を2次元的にスキャンするスキャニング手段とを設けているので、体腔内における所望とする部位の生体組織7に対する光イメージング情報を得ることができる。
【0087】
従って、体腔内の患部等の生体組織7を光学的に内視鏡検査し、その場合に病変部のように、より詳しく診断したい部位に対して、光イメージング情報を取得し、モニタ35に表示させるようにすることができる。このようにすることにより、内視鏡検査のみの場合よりも、病変部をより的確に診断するのに有益な情報を得ることができる。
なお、本変形例を変形した第3変形例として以下に説明するように、例えばチャンネル77の先端開口部分に、実施例4における超音波を収束して照射する機能と、スキャニング手段の機能も備えた光照射・受光部54bを設けるようにしても良い。
図29は、実施例6の第3変形例の内視鏡装置1×における内視鏡71の先暗部付近の構成を示す。本変形例は、図24の光照射・受光部54bをチャンネル77の先端開口に着脱自在に取り付けた構成にしたものである。このような構成にすることにより、既存の内視鏡のチャンネルに光照射・受光部54bを取り付けて光イメージング情報を得ることができる。なお、図27の構成のものを同様に内視鏡に適用しても良い。この場合にも同様の効果を得ることができる。
【0088】
また、図30は第4変形例における光ファイバ52bの端部の構成例を示す。図25で示したようにこの光ファイバ52bは、その中央部に第1の光ファイバ部60aが配置され、その周囲に複数のファイバからなる第2の光ファイバ部60bが配置されている。
図30の光ファイバ52bにおいては、第2の光ファイバ部60bの端面が中央部の第1の光ファイバ部60aの軸に関して回転対称となる放物面等の凹面を形成するように加工されており、さらにその端面には集光するコリメートレンズ(或いは集光レンズ)60cが取り付けられている。
そして、各第2の光ファイバ部60bの端面から出射される光を焦点位置Foにフォーカスすることができるようにしている。このようにすることにより、S/Nが良い光イメージング情報を取得できる。
【0089】
上記各実施例においては、超音波としてパルス又は連続波のいずれでも良く、さらに光検出器4aは、点検出器であるPhotodiodeや光電子倍増管、1次元ライン型検出器やCCD等の2次元検出器のいずれを用いても良い。
【0090】
また、上記各実施例においては、フーリエ変換にてドップラーシフト量を検出する構成にしても良い。
【実施例7】
【0091】
次に図31から図34を参照して本発明の実施例7を説明する。図31は本発明の実施例7の光イメージング装置1Zの構成を示す。本実施例は、超音波出射部と、光照射及び光検出部とが一体的に形成された超音波出射・光照射・検出部がラインに沿って複数個、1次元的に配列された超音波出射・光照射・検出アレイ95を採用した構成である。この構成により、1つの超音波出射・光照射・検出アレイ95を用いてスキャニングを行うこと無しで1次元の光イメージング情報を得られるようにしたものである。これにより、1次元の光イメージング情報を時間短縮して得られる効果を有する。
【0092】
また、この超音波出射・光照射・検出アレイ95を1次元的にスキャニングすることにより、2次元の光イメージング情報が得られる。
なお、後述するように複数の超音波出射・光照射・検出部が2次元的に配置された超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを採用することにより、超音波トランスジューサ等のスキャニングを行わないでも2次元のイメージング情報を得ることもできる。
【0093】
なお、本実施例は、ドップラーシフト量Δfを抽出することにより、散乱情報を算出するタイプの構成となっている。
光源装置91から出射される可視或いは近赤外の波長領域の光は、複数本(例えばp本)の光ファイバを配列して構成された光ファイバアレイ92aを構成する各光ファイバに入射される。各光ファイバに入射された光は、光カプラ部93で光ファイバアレイ92cの光ファイバ側と光ファイバアレイ92b側の光ファイバ92bi(iは1〜pの1つを代表)とに分岐される。
【0094】
光ファイバアレイ92cの光ファイバに導光された光は、参照光生成部55において、図24の場合と同様に参照光が生成され、光カプラ部93側に戻る。
また、光ファイバアレイ92b側の光ファイバ92biに導光された光は、(超音波出射・光照射・検出アレイ95を構成する)超音波出射・光照射・検出部の超音波トランスジューサ57−iに設けた開口部を通って生体組織7側に照射される。
超音波出射・光照射・検出アレイ95は、図31の右下部分の拡大図に示すように例えばx方向に複数の超音波出射・光照射・検出部が配置されている。そして、各超音波出射・光照射・検出部は、その構成要素となる超音波トランスジューサ57−iによりそれぞれ収束点Fで超音波を収束する。
【0095】
かつその収束点Fには、光ファイバアレイ92bを構成する光ファイバ92biの端面による光照射・検出部から光が照射されると共に、その収束点Fの近傍領域R1を経たドップラーシフトした戻り光を受光する。
光ファイバアレイ92bの光ファイバ92biにより受光された光は、観測光として、光カプラ部93において光ファイバアレイ92c側の光ファイバによる参照光と光混合されてドップラーシフトした干渉光が生成される。
各干渉光は、光ファイバアレイ92dの光ファイバにより導光され、その端面から光検出器アレイ96を構成する各光検出器4aにて受光され、光電変換される。光検出器アレイ96を構成する光検出器4aでそれぞれ光電変換された出力信号は、例えば複数チャンネルのスペクトルアナライザ5eに入力される。
【0096】
そして、このスペクトルアナライザ5eにより各光検出器4aから出力されるドップラシフト量Δfの干渉信号を殆ど同時に抽出する。
このスペクトルアナライザ5eから出力される複数の干渉信号は、PC6aにおける複数の入力チャンネルからPC6a内のメモリなどにストックされる。
また、本実施例におけるスキャニング信号発生回路24Bは、例えば超音波出射・光照射・検出アレイ95が取り付けられたスキャニングデバイス98を例えばy方向にスキャンさせるように駆動する。そして、2次元の光イメージング情報を得られるようにしている。なお、ここではパルス発生器21′は、図24のパルス発生器21とパワーアンプ22の機能を備えたものである。
【0097】
図32は、超音波出射・光照射・検出アレイ95を、例えばy方向にスキャンさせることにより、2次元(2D)光イメージング情報が得られる様子を示す。ライン状に配置された超音波出射・光照射・検出部により、x方向の1次元(1D)光イメージング情報が得られ、超音波出射・光照射・検出部をy方向にスキャンすることにより2次元光イメージング情報が得られる。
なお、スキャニング信号発生回路24Bにより、超音波出射・光照射・検出アレイ95をy方向及びz方向に2次元スキャンを行うように駆動して、3次元光イメージング情報を得られるようにしても良い。
本実施例によれば、高速に2次元或いは3次元の光イメージング情報が得られる。
【0098】
なお、得られる光イメージング情報のx方向の解像度は、光ファイバアレイ92bの本数に依存するため、x方向にもスキャンさせることにより、その解像度を飛躍的に向上させるようにしても良い。
図33は第1変形例の光イメージング装置における超音波出射・光照射・検出アレイ95Bの概略の構成を示す。本変形例は、図31の光イメージング装置1Zにおいて、光ファイバアレイ92a、92bなどを構成する光ファイバの本数をより多くしている(例えば図31の場合の整数倍以上)。これに対応して、超音波出射・光照射・検出部の数も増大する。
そして、本変形例では、光ファイバアレイ92bにおける端部側の超音波出射・光照射・検出部をx、y方向に2次元的に配置して超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを構成している。
【0099】
図33に示すように光ファイバアレイ92bは、例えばp本づつの光ファイバ92b1〜92bpがm組、例えば帯状に設けられたものであり、これらの各光ファイバ92biは、スキャニングデバイス98に2次元的に設けた開口部にそれぞれ取り付けられている。
なお、このスキャニングデバイス98の底面側には、図31で示したような超音波トランスジューサ(図33では図示せず)が取り付けられている。そして、この超音波出射・光照射・検出アレイ95Bをスキャンしない状態において、2次元光イメージング情報(図34参照)を得ることができるようにしている。
なお本変形例においては、PC6aもスペクトルアナライザ5eから出力される出力信号を超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを構成する超音波出射・光照射・検出部の2次元配列に対応したアドレスのメモリにストックする。
【0100】
また、本変形例では、スキャニング信号により、スキャニングデバイス98をz方向に駆動することにより図34に示すように3次元光イメージング情報を得られるようにしている。
なお、本変形例に対しても、実施例4で説明したようにx、y方向にもスキャンすることにより、より高解像度の光イメージング情報を得るようにしても良い。本変形例においても高速に2次元或いは3次元の光イメージング情報を得ることができる。
なお、本変形例におけるさらに変形例として、スキャニングを行わないで2次元の光イメージング情報を得るようにしても良い。
【0101】
なお、上述した各実施例において、光を収束させる構成にしても良い。上記の各実施例では、パルス超音波、又は連続超音波のいずれを用いてもよい。また、スペクトラルアナライザなどの信号処理回路を用いずにフーリエ変換によりドップラーシフト量を検出しても良い。
なお、上記の各実施例においては、複素屈折率の実部に基づく光散乱情報を検出するものであるが、例えば、蛍光、りん光等の非弾性散乱情報に基づいて生体組織の情報を取得しても良い。
また、上述した各実施例を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
【産業上の利用可能性】
【0102】
生体組織に超音波が照射された検査対象部位に光を照射し、超音波が照射された部位でドップラーシフトした光を観測光として検出し、複素屈折率の実部に相当する光散乱情報を検出して画像化できるようにすることにより、病変組織の構造変化に相関性が高い情報を得ることができ、病変組織の診断等に有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は本発明の被検体情報分析装置の代表的な構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図3】図3は超音波収束領域付近においてドップラーシフトする様子の説明図。
【図4】図4は実施例1の動作説明用のフローチャート。
【図5】図5はフーリエ変換された信号の実数成分の角周波数に対する波形例を示す図。
【図6】図6は第1変形例におけるレンズ保持部及びトランスジューサ保持部の構造を示す図。
【図7】図7は第2変形例における超音波の収束点近傍領域でのドップラーシフトする様子の説明図。
【図8】図8は本発明の実施例2に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図9】図9は実施例2の変形例におけるレンズ保持部及びトランスジューサ保持部の構造を示す図。
【図10】図10は本発明の実施例3に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図11】図11は実施例3の動作説明用のフローチャート。
【図12】図12はフーリエ変換された信号の実数成分の角周波数に対する波形例を示す図。
【図13】図13は第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図14】図14は第2変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図15】図15は本発明の実施例4に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図16】図16は実施例4の動作説明用のフローチャート。
【図17】図17は実施例4の変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図18】図18は実施例5に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図19】図19は実施例5の動作説明用のタイミングチャート。
【図20】図20は実施例5の第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図21】図21は実施例5の第2変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図22】図22は実施例5の第3変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図23】図23は実施例5の第4変形例における一部の構成を示す図。
【図24】図24は本発明の実施例6に係る光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図25】図25は光ファイバの端面の構造を示す図。
【図26】図26は光カプラの構成例を示す図。
【図27】図27は実施例6の第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。
【図28】図28は光イメージング装置を備えた第2変形例に係る内視鏡装置の構成を示すブロック図。
【図29】図29は第3変形例の光イメージング装置における内視鏡の先端側の構成を示す図。
【図30】図30は第4変形例における光ファイバの構成を示す斜視図。
【図31】図31は本発明の実施例7に係る光イメージング装置の構成を示すブロック図。
【図32】図32は実施例7における1次元走査により2次元光イメージング情報が得られる動作の説明図。
【図33】図33は第1変形例における超音波・光照射・検出アレイ部の概略の構成を示す図。
【図34】図34は図33の超音波・光照射・検出アレイ部による動作の説明図。
【符号の説明】
【0104】
1E、1F…光イメージング装置
2…超音波発生部
2a…超音波トランスジューサ
3…照明光発生部
3b…光源装置
4…反射光受光部
4a…光検出器
5…周波数情報抽出部
5c…信号処理回路
6…散乱情報抽出部
6′…被検体情報生成部
6a…PC
7…生体組織
11…ユニット
12…スキャニングユニット
13a…ハーフミラー
16…音響レンズ
24…スキャニング信号発生回路
33…CPU
35…モニタ
38…コリメートレンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光手段と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項2】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記反射光受光手段で受光された受光信号から得られる周波数情報を抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項3】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記照明光発生手段によって発生される照明光と前記反射光受光手段によって受光された反射光とを干渉させて周波数情報を抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項4】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記反射光受光手段で受光された反射光を分光する分光手段と、
前記分光手段で分光された分光結果に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項5】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記反射光受光手段で受光した受光信号を周波数変換して周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
前記周波数成分抽出手段で抽出された周波数成分に基づき前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項6】
前記周波数成分抽出手段は、フーリエ変換により周波数成分を抽出するフーリエ変換手段を有することを特徴とする請求項5記載の被検体情報分析装置。
【請求項7】
前記周波数成分抽出手段は、ウェーブレツト変換により周波数成分を抽出するウェーブレツト変換手段を有することを特徴とする請求項5記載の被検体情報分析装置。
【請求項8】
前記超音波発生手段は、前記被検体の所定の位置に焦点を結ぶ焦点調整部を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項9】
前記照明光発生手段は、照明光を前記超音波の照射される位置内の所定の位置に収束させる照明光収束部を有することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項10】
前記被検体情報生成手段によって生成された前記被検体の特性情報に基づいて画像を形成する画像形成手段を有することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項11】
前記超音波発生手段は、前記超音波をパルス波として発生させるパルス超音波発生部を有することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項12】
前記照明光発生手段は、前記照明光をパルス光として照射させるパルス光発生部を有することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項13】
前記照明光発生手段による照明光の照射位置が少なくとも一次元的に変化するよう走査させる走査手段を有することを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項14】
前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項15】
前記光の散乱情報は、非弾性散乱情報であることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項16】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される周波数変調された光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
前記反射光受光部で受光された受光信号に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部と、
前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項17】
前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
前記情報抽出部は、前記反射光受光部で受光された受光信号から得られる周波数情報を抽出する周波数情報抽出部と、前記周波数情報抽出部で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項16に記載の内視鏡装置。
【請求項18】
前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
前記情報抽出部は、前記照明光発生部によって発生される照明光と前記反射光受光部によって受光された反射光とを干渉させて周波数情報を抽出する周波数情報抽出部と、前記周波数情報抽出部で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部と、
前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項16に記載の内視鏡装置。
【請求項19】
前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
前記情報抽出部は、前記反射光受光部で受光した受光信号を周波数変換して周波数成分を抽出する周波数成分抽出部と、前記周波数成分抽出部で抽出された周波数成分に基づき前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項14に記載の内視鏡装置。
【請求項20】
前記周波数成分抽出部は、フーリエ変換により周波数成分を抽出するフーリエ変換部を有することを特徴とする請求項17記載の内視鏡装置。
【請求項21】
前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項16ないし20の何れかに記載の内視鏡装置。
【請求項22】
前記光の散乱情報は、非弾性散乱情報であることを特徴とする請求項16ないし20の何れかに記載の内視鏡装置。
【請求項23】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
前記超音波発生工程によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光工程と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出工程と、
前記周波数情報抽出工程で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
前記散乱情報抽出工程によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析方法。
【請求項24】
超音波発生部により所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
照明光発生部により前記超音波の照射される位置内の所定の位置に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
反射光受光部によって前記照明光が到達した位置に対応する部位から反射される光を受光する反射光受光工程と、
前記反射工程受光工程で受光された受光信号から得られる周波数情報を抽出する周波数情報抽出工程と、
前記周波数情報抽出工程で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
前記散乱情報抽出工程で抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
を有することを特徴とする被検体情報分析方法。
【請求項25】
前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項23または24に記載の被検体情報分析方法。
【請求項26】
前記光の散乱情報は、非弾性散乱情報であることを特徴とする請求項23または24に記載の被検体情報分析方法。
【請求項1】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光手段と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項2】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記反射光受光手段で受光された受光信号から得られる周波数情報を抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項3】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記照明光発生手段によって発生される照明光と前記反射光受光手段によって受光された反射光とを干渉させて周波数情報を抽出する周波数情報抽出手段と、
前記周波数情報抽出手段で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項4】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記反射光受光手段で受光された反射光を分光する分光手段と、
前記分光手段で分光された分光結果に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項5】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
前記反射光受光手段で受光した受光信号を周波数変換して周波数成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
前記周波数成分抽出手段で抽出された周波数成分に基づき前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
【請求項6】
前記周波数成分抽出手段は、フーリエ変換により周波数成分を抽出するフーリエ変換手段を有することを特徴とする請求項5記載の被検体情報分析装置。
【請求項7】
前記周波数成分抽出手段は、ウェーブレツト変換により周波数成分を抽出するウェーブレツト変換手段を有することを特徴とする請求項5記載の被検体情報分析装置。
【請求項8】
前記超音波発生手段は、前記被検体の所定の位置に焦点を結ぶ焦点調整部を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項9】
前記照明光発生手段は、照明光を前記超音波の照射される位置内の所定の位置に収束させる照明光収束部を有することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項10】
前記被検体情報生成手段によって生成された前記被検体の特性情報に基づいて画像を形成する画像形成手段を有することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項11】
前記超音波発生手段は、前記超音波をパルス波として発生させるパルス超音波発生部を有することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項12】
前記照明光発生手段は、前記照明光をパルス光として照射させるパルス光発生部を有することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項13】
前記照明光発生手段による照明光の照射位置が少なくとも一次元的に変化するよう走査させる走査手段を有することを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項14】
前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項15】
前記光の散乱情報は、非弾性散乱情報であることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の被検体情報分析装置。
【請求項16】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される周波数変調された光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
前記反射光受光部で受光された受光信号に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部と、
前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項17】
前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
前記情報抽出部は、前記反射光受光部で受光された受光信号から得られる周波数情報を抽出する周波数情報抽出部と、前記周波数情報抽出部で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項16に記載の内視鏡装置。
【請求項18】
前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
前記情報抽出部は、前記照明光発生部によって発生される照明光と前記反射光受光部によって受光された反射光とを干渉させて周波数情報を抽出する周波数情報抽出部と、前記周波数情報抽出部で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部と、
前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項16に記載の内視鏡装置。
【請求項19】
前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
前記情報抽出部は、前記反射光受光部で受光した受光信号を周波数変換して周波数成分を抽出する周波数成分抽出部と、前記周波数成分抽出部で抽出された周波数成分に基づき前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項14に記載の内視鏡装置。
【請求項20】
前記周波数成分抽出部は、フーリエ変換により周波数成分を抽出するフーリエ変換部を有することを特徴とする請求項17記載の内視鏡装置。
【請求項21】
前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項16ないし20の何れかに記載の内視鏡装置。
【請求項22】
前記光の散乱情報は、非弾性散乱情報であることを特徴とする請求項16ないし20の何れかに記載の内視鏡装置。
【請求項23】
所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
前記超音波発生工程によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
前記照明光が到達した前記検査対象部位からの周波数変調された光を受光する受光工程と、
前記周波数変調された光の周波数情報を光学的又は電気的に抽出する周波数情報抽出工程と、
前記周波数情報抽出工程で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
前記散乱情報抽出工程によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
を具備したことを特徴とする被検体情報分析方法。
【請求項24】
超音波発生部により所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
照明光発生部により前記超音波の照射される位置内の所定の位置に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
反射光受光部によって前記照明光が到達した位置に対応する部位から反射される光を受光する反射光受光工程と、
前記反射工程受光工程で受光された受光信号から得られる周波数情報を抽出する周波数情報抽出工程と、
前記周波数情報抽出工程で抽出された周波数情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
前記散乱情報抽出工程で抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
を有することを特徴とする被検体情報分析方法。
【請求項25】
前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項23または24に記載の被検体情報分析方法。
【請求項26】
前記光の散乱情報は、非弾性散乱情報であることを特徴とする請求項23または24に記載の被検体情報分析方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2008−170363(P2008−170363A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5678(P2007−5678)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]