説明

複合透水性レンガ及び複合透水性レンガの表面層製造用混合材料

本発明は、複合透水性レンガを公開し、透水性レンガは透水表面層と透水基層とを含み、透水表面層と透水基層は一体に緻密に結合される。透水表面層と透水基層の何れには、其々骨材と骨材を接着する接着剤とを含む。透水表面層の接着剤には少なくとも親水性接着剤を含む。透水性レンガは上記のように構成されているので、透水性レンガは優れる透水性を維持しながら、レンガの表面が緻密し透水し、且つ透水性レンガのコストを下げた。本発明は更に複合透水性レンガを製造する混合材料を公開し、骨材と骨材を接着する接着剤とを含む。接着剤には少なくとも親水性接着剤を含み、使用された接着剤と骨材との質量比は1〜20:100である。本発明の複合透水性レンガ及び混合材料は、路面敷設、水循環、水濾過及び水浄化に用いられ、且つ雨水資源の充分な利用を促進し、都市の水循環を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透水性建築材料に関し、特に、建築材、雨水収集、水濾過浄化等の分野において透水効果の良い透水性レンガ及びこのような透水部材を製造することに用いられる混合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、全世界でエネルギー源と水資源とが乏しい。それとともに、砂漠化面積の拡大及び風砂の頻発により、人類の生存環境がどんどん悪化されている。現在、都市居住者の住んでいる場所は、花こう岩、大理石、彩釉レンガ、セメント及びアスファルト等の不透水性材質で敷設されたシティプラザ、商店街、歩道、地域社会活動場、駐車場等の地面により囲まれ、硬化地面は都市の環境に対して非常に有害である。大雨の時、硬化地面は、雨水が直接に地下に浸透することを完全に阻止し、水たまりのため、人の外出が非常に不便になった。最後に貴重な水資源が排水管を経て無駄になり、都市の排水設備の負担も大きくなる。雨水が大量に流失することにより、地下水の水位回復が難しくなり、都市植被の健康に直接に影響を与えて、都市の地上植物が正常に成長することが難しくなり、都市緑化の負担が大きくなる。雨水が大量に流失することにより、都市の干ばつ、水不足等の問題も大きくなる。新しい環境保護型の建築材料を開発して、人類の生存環境を改善し美化することが求められるようになってきている。
【0003】
現在、市場の建築材分野における一部の透水性レンガ、透水路面等の透水性材料は、主原料としてセラミック又はコンクリートを採用する。しかし、セラミック型透水性レンガは、大量の鉱物資源を採用する必要があり、原料を採掘することにより、環境が破壊される。セラミック型透水性レンガはその生産工程が複雑で、且つセラミックベースレンガは、成形焼結される時、大量のエネルギー源を消費し、コストが高く、生産効率も低く、環境保護への投入が大きく、一括投資の規模が大きくなる。コンクリート型透水性レンガは、そのコストが低いものの、現在のコンクリート型透水性レンガは、表面の顆粒が粗く(一般的に骨材の顆粒粒径は3mm〜6mmである)、表面のマクロ孔により透水し、その空隙率が20%以上で、塵埃により閉塞され易い。従って、高い透水性を継続して保持することができない。それとともに、孔が大きいため、水濾過効果も低く、コンクリート型透水性レンガの色も単一で、表面も粗く、美観ではなく、その強度も低く、破損し易い。
【0004】
現在の高分子材料の透水性レンガは、樹脂等の原料のコストが高いため、幅広い範囲で普及することができない。従って、透水性材料分野において、エネルギー源を節約し、コストが低く、耐候性も良く、長い間の透水率も高く、強度も高い製品の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許2594297号
【特許文献2】中国特許1087614号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術に存在するコンクリート型透水性レンガの表面顆粒が粗く、孔により透水し、強度も悪い不足、及びセラミックのような透水性レンガの高分子材料型透水性レンガの高いコスト等の不足を解決するため、構造が簡単で、コストの低い、表面も緻密し、透水率も高い複合透水性レンガを提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、従来技術における透水材料の不足を克服して、環境保護型で、エネルギー源を節約することができ、透水率も高く、マクロ孔により透水することのない複合透水性レンガの表面層の混合材料を提供することをもう一つの目的とする。
【0008】
本発明は、上記複合透水性レンガを路面敷設、雨水濾過、水循環又は水浄化に用いることをもう一つの目的とする。
【0009】
上記目的を実現するために、本発明は複合透水性レンガを提供する。前記透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含んでなり、透水表面層と透水基層とは緻密に一体に結合され;透水表面層と透水基層の何れには、其々骨材と、骨材を被覆して骨材に接着作用を有する接着剤とを含み;前記透水表面層における接着剤には、少なくとも親水性接着剤を含む、即ち、当該透水表面層における接着剤は、その全部が親水性接着剤であっても良く、又はその一部が親水性接着剤であっても良い。
【0010】
前記透水表面層における接着剤と骨材との質量比は1〜20:100であることが好ましい。
前記透水表面層における親水性接着剤以外の接着剤は、樹脂接着剤であることが好ましい。前記親水性樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は複数のものである。上記エポキシ樹脂、ポリウレタン、及びアクリル樹脂において、その分子の側鎖には、親水性のカルボン酸塩、スルホン酸塩、アンモニウム塩、ヒドロキシル基を充分含有し、又は主鎖に非イオン性親水鎖セグメント(例えば、中/低分子量のポリオキシエチレン)を充分含有することが好ましい。
【0011】
前記透水表面層における親水性接着剤は、透水表面層における接着剤の1〜60%を占めることが好ましい。
前記透水表面層における親水性接着剤は、親水性樹脂接着剤であり、具体的に親水性エポキシ樹脂であることが好ましい。前記親水性エポキシ樹脂は、親水基を導入して、優れた親水性を有するエポキシ樹脂である。
【0012】
前記透水表面層における骨材の粒径は、0.05mm〜2mmであることが好ましい。前記骨材は、必要に応じて様々な色をつけることができる。透水表面層が非常に緻密して、表面が美観で、塵埃に閉塞し易くならないように、表面層における骨材は、0.05mm〜0.85mmであることが好ましい。より好ましくは0.07mm〜0.425mmである石英砂である。前記石英砂は、砂漠中の風成砂から選ばれたものが好ましい。
【0013】
前記透水表面層の接着剤に、例えばケイ酸塩、リン酸塩、及びセメント等の無機接着剤を少量に添加することができる。
前記透水表面層には、カップリング剤を添加することができ、骨材間の接着強度を増強するように、シリコン、チタニウム、又はリン等の元素を含むカップリング剤を添加することがより好ましい。表面層の耐候性を増強するために、前記透水表面層には、光安定剤及び/又は酸化防止剤を添加することができる。
【0014】
前記透水性レンガの表面層には、親水性無機材料を添加することができ、前記親水性無機材料は、珪藻土、ベントナイト、又は真珠岩からなる群から選ばれた一つ又は複数である。
前記樹脂系接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せである。上記樹脂は、耐候性の良いエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる方が好ましい。
【0015】
前記樹脂系接着剤はエポキシ樹脂であり、前記エポキシ樹脂の硬化剤は脂肪族ポリアミン又は脂環式ポリアミン系硬化剤であり、その使用量とエポキシ樹脂との質量比は5〜60:100である。
【0016】
前記エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、有機シリコン改質ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ヘテロ環型及び混合型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた一つ又はそれらの何れの組合せである。
【0017】
前記樹脂系接着剤は、ポリウレタン樹脂であり、前記ポリウレタン樹脂は、ポリエステル脂肪族又は脂環式ポリオールと脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートとからなり、且つ前記ポリウレタン樹脂には、更にアミドエステル系溶媒、鎖延長剤、及び架橋剤を添加することができる。
【0018】
前記透水基層における接着剤には、セメントが含まれ、セメントはそのコストが低く、レンガのコストを下げることができる。透水基層の透水性能を増強するように、前記透水基層における骨材の顆粒粒径は、2mm〜10mmであることが好ましい。
【0019】
上記本発明に係る複合透水性レンガは、製造する際に、透水表面層と透水基層とを同時に複合成形することができ、別々に透水表面層と透水基層とを製造した後、例えば接着により両方を複合することもでき、先ず透水表面層又は透水基層の何れの一つを製造した後、その上に他の一つの層を成形することもできる。
【0020】
尚、本発明は、前記複合透水性レンガを、路面敷設、雨水濾過、水循環又は水浄化に用いることを提供する。
【0021】
更に、上記目的を実現するために、本発明は上記複合透水性レンガの表面層の混合材料を提供した。前記混合材料は、骨材と、骨材を被覆して骨材に接着作用を有する接着剤とを含み;前記接着剤には、少なくとも親水性接着剤を含む。
前記接着剤と骨材との質量比は、1〜20:100であることが好ましい。
【0022】
前記親水性接着剤は、接着剤総量の1〜60%を占めることが好ましい。前記親水性接着剤は親水性樹脂接着剤であることが好ましい。前記親水性樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は複数であって、上記エポキシ樹脂、ポリウレタン、及びアクリル樹脂において、分子側鎖にカルボン酸塩基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩、又はヒドロキシル基を含有し、又は主鎖に非イオン性親水鎖セグメントを含有する樹脂系接着剤である。
【0023】
前記接着剤は、親水性接着剤の他に、樹脂接着剤である。前記樹脂接着剤は、耐候性樹脂である。前記樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せである。
【0024】
前記エポキシ樹脂には、更に脂肪族ポリアミン又は脂環式ポリアミン系硬化剤が添加され、その使用量がエポキシ樹脂総質量の5〜60%である。前記エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、有機シリコン改質ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ヘテロ環型及び混合型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せである。
【0025】
前記ポリウレタン樹脂は、ポリエステル脂肪族又は脂環式ポリオールと脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートとからなる。前記ポリウレタン樹脂には、アミドエステル系溶媒、鎖延長剤及び架橋剤が添加されても良い。前記ポリウレタン樹脂には、更にポリウレタン硬化反応の触媒が添加されても良い。前記ポリウレタン硬化反応の触媒は、ナフテン酸鉛、ジラウリン酸ジブチル錫である。
【0026】
前記接着剤には、耐候性添加剤が添加される。前記耐候性添加剤には、光安定剤、酸化防止剤の中の一つ又は二つが含まれる。
【0027】
前記接着剤には、少量の無機接着剤を添加することができる。前記無機接着剤は、ケイ酸塩、リン酸塩又はセメントである。
前記混合材料には、更にシリコン、チタニウム、又はリン等の元素を含有するカップリング剤を添加することができる。
前記混合材料に、親水性無機材料が添加され、前記親水性無機材料は、珪藻土、ベントナイト、真珠岩からなる群から選ばれた一つ又は複数である。
【0028】
前記骨材は石英砂であり、前記石英砂は、砂漠から選ばれた風成砂であり、前記骨材の顆粒粒径は、0.05mm〜0.85mmであることが好ましい、0.07mm〜0.425mmであることがより好ましい。
【0029】
更に、本発明により提供された上記混合材料は、本発明に係る複合透水性レンガの表面層の製造に用いられることを除いて、路面敷設、雨水濾過又は水循環、水浄化用の透水部材の製造にも用いられることができる。
【0030】
前記透水部材は、透水性レンガ、透水板、透水プランター、透水カーブ、透水性マンホールのふた、又は透水溝である。
更に、本発明により提供された前記混合材料は、透水路面を形成するように、路面に直接敷設されることができる。
【0031】
本発明は、上記のような構成を採用したので、下記のような有益な効果を有する。
(1)透水性が良い:本発明に係る混合材料及びそれにより製造された複合透水性レンガは、透水性の良い親水性樹脂を選択して使用し、且つ骨材に親水性無機材料を添加することにより、レンガの表面が緻密し透水できることを確保することができ、透水性を有効に向上した。マクロ孔により透水することがなく、閉塞されることが少なく、且つ0.05mm〜0.85mmの細い骨材を使用して形成されたので、毛細管により水を浸透し、塵埃により閉塞し難くなる。
【0032】
(2)耐候性が良い:本発明に係る混合材料及びそれにより製造された複合透水性レンガは、耐候性の良い接着剤を選択して使用し、酸化防止剤、光安定剤を添加することにより、酸化防止性能と耐紫外線性能とを向上させ、耐候性を大幅に向上させた。
【0033】
(3)コストが低い:本発明は、骨材として石英砂を使用し、特に砂漠における風成砂を利用し、且つ複合透水性レンガの透水基層は、コストの低い接着剤(例えばセメント)を使用することができるので、混合材料及び透水性レンガのコストを有効に下げることができる。
【0034】
(4)省エネルギー:本発明に係る複合透水性レンガは、表面層材料が主に樹脂と石英砂とを採用し、基層材料が主にセメント、石ころ、及び石英砂から非焼結成形し、骨材が主に砂漠における砂を原料として使用して、再生循環利用が可能であり、砂漠をどんどん消耗し、廃物を有益なものに変更に、有害なものを有利なものにすることができる科学的砂処理の新しいルートを開拓した。
【0035】
(5)応用範囲が幅広い:透水性の建築材を製造して、園林、通り、住宅建築に大幅に使用されることができ;美観で耐久性もあり、都市環境を最適化し、保温断熱することができ、エネルギー源を節約することもできる。雨水収集システムに用いられて、雨水を収集し、濾過し、浄化して、雨水資源の充分な利用を促進し、且つ塵埃を吸収し砂を固定して、空気の品質を改善することができる。その中で、路面の敷設に用いられる透水材料は、自然降雨と人工降雨で何れも素速く地表に浸入することができ、降雨資源を充分に利用することができ、都市の水循環を改善することができ、地下の水資源を補充することができる。且つ、河川、湖水の水浄化にも用いられる。
(6)本発明により提供された透水材料の混合材料は、環境を保護し、省エネルギーで、無毒、無味、無汚染の材料である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
原料の選択
(1)骨材
前記骨材は、天然石英砂、人造石英砂、飛散灰、製錬スラグからなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せで、石英砂であることが好ましく、特に砂漠における石英砂であることがより好ましい。粒径の異なる骨材に対して、粒径分布係数が狭いほど、かさ密度が小さくなり、骨材の透水性が向上される。単分散の骨材は、多分散の骨材より透水性が良いため、本発明で選択した骨材の顆粒粒径は0.05mm〜2mmであり、0.05mm〜0.85mmであることがこのましく、0.07mm〜0.425mmであることがより好ましい。且つ、前記骨材は、各種類の色に染色されることができる。
【0037】
水を浸透する材料の透水性を向上するために、本発明の骨材に、親水性無機材料を添加することができ、その使用量が骨材総質量の1〜20%である。前記親水性無機材料は、珪藻土、ベントナイト、真珠岩からなる群から選ばれた一つ又は複数である。
【0038】
(2)接着剤
本発明において、接着剤により骨材を一緒に接着し硬化成形することにより、骨材間でお互いに貫通する数多くの親水性毛細管が形成される。雨水が親水性透水材料の表面にふり落とされる場合、雨滴はすぐ毛細管の壁を湿潤させ、毛細管中の液面が凹形になり、形成された湾曲液面により下向きの附加圧力を生成し、前記附加圧力と液体自身の重力との合力作用により、雨水はこれらの貫通する毛細管に従ってすぐ地下に浸入する。
【0039】
同じ粒径の骨材は、接着剤の使用量の増加に従って、骨材間の結合力を増加することができるので、透水部材の耐圧強度を向上することができるが、接着剤の使用量が多すぎると、骨材間の隙間に充填されて、透水部材の透水性能を低下させる。従って、同じ粒径の骨材の透水部材に対して、最良の接着剤の使用量があり、本発明で使用された接着剤と骨材との質量比は1〜20:100であることが好ましく、2〜10:100であることがより好ましい。
【0040】
本発明は、親水性樹脂接着剤を選択し、その分子の側鎖に親水性のカルボン酸塩基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩、ヒドロキシル基を含有し、又は主鎖に非イオン性親水鎖セグメントを含有する樹脂系接着剤を選択する。本発明において、親水性接着剤以外の接着剤は、樹脂接着剤であり、前記樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せである。
【0041】
また、エポキシ樹脂は、その自身が熱可塑性線形構造であり、使用する時硬化剤を加入し、且つ一定の条件でエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、立体メッシュ状構造の生成物を生成することで、各種の優れる性能を表して、実際の使用価値のあるエポキシ材料になる。硬化剤の使用量はできる限り精確する必要がある。これは使用のコストに影響を与えるだけではなく、製品の最終の性能にも影響を与えるためである。使用量が少な過ぎると硬化が不充分で、接着剤の硬化物の性能が悪くなり、使用量が多すぎると、接着剤層の脆性が増加され、強度が低下され、残った硬化剤が接着剤の性能を損害する。硬化物の性能は、最良の使用量の時、最高のレベルを実現し、これは硬化剤自身の構造とメッシュ状構造を形成する反応過程により決められる。通常、この最良の使用量は、まずアミノ基とエポキシ基との厳格な定量関係により理論値を算出し、その後試験により最後に確定することができる。使用量は、アミン値(Amine Value)の大きさにより選択することができ、通常、アミン値の高い硬化剤は、その使用量が少なく、アミン値の低い硬化剤は、その使用量が多い。
【0042】
従って、本発明は、前記エポキシ樹脂に更に脂肪族ポリアミン又は脂環式ポリアミン系硬化剤が添加され、通常その使用量とエポキシ樹脂との質量比が5〜60:100である。使用されたエポキシ樹脂は、脂環式型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、有機シリコン改質ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ヘテロ環型及び混合型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せである。
【0043】
本発明で使用されたポリウレタン樹脂は、耐候性の良いポリエステル脂肪族又は脂環式ポリオールと脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートからなり、前記ポリイソシアネートは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートHDI、イソホロンジイソシアネートIPDI、キシリレンジイソシアネートXDI、メチルシクロヘキサンジイソシアネートHTDI、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートHMDI、テトラメチルキシリレンジイソシアネートTMXDI、HDIビウレット、HDI三量体、IPDI三量体、TDI-HDI混合三量体又はプレポリマーからなる群から選ばれた一つ又は複数であり、前記脂肪族ポリオールは、ポリエステルポリオール、テトラヒドロフランを基礎とするポリエーテル・ポリオール、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂又は有機シリコン樹脂からなる群から選ばれた一つ又は複数である。
【0044】
本発明のポリウレタン樹脂には、更にポリウレタン硬化反応の触媒を添加することができる。前記ポリウレタン硬化反応の触媒は、有機錫類、亜鉛類触媒の一つ又はその組合せであることが好ましい。前記有機錫類触媒は、ジラウリン酸ジブチル錫、オクタン酸錫、イソカプリル酸錫であり、前記亜鉛類触媒は、ナフテン酸鉛又はイソカプリル酸鉛である。
【0045】
本発明のポリウレタン樹脂に、更に鎖延長剤と架橋剤を添加することができる。前記鎖延長剤と架橋剤は、アルコール系及びアミン系である。
そして、本発明のポリウレタン樹脂に、更にアミドエステル系溶媒を添加することができる。前記アミドエステル系溶媒は、酢酸エチル、酢酸メチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチルからなる群から選ばれた一つ又は複数であるのが好ましい。前記ポリウレタン樹脂に、更に鎖延長剤と架橋剤を添加することができる。前記鎖延長剤と架橋剤は、アルコール系とアミン系であることが好ましい。前記アルコール系とアミン系は、1,4−ブチレン・グリコール、1,6−ヘキシレン・グリコール、トリヒドロキシメチルプロパン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−ジフェニルメタンMOCAからなる群から選ばれた一つ又は複数である。
【0046】
また、本発明の樹脂接着剤に、更に耐候性添加剤を添加することができる。前記耐候性添加剤には、光安定剤、酸化防止剤からなる群から選ばれた一つ又は複数を含む。本発明において、光安定剤の使用量が樹脂総質量の0.1〜5%である。前記光安定剤は、ジフェニル・ケトン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、光安定剤HPT、及び光安定剤EPUからなる群から選ばれた一つ又は複数である。具体的に、本発明の接着剤に適する光安定剤として、ジフェニル・ケトン(UV−207、UV−9、UV−531、UV−A、MA、D49と光安定剤−50等)、サリチル酸エステル(光安定剤TBS、光安定剤BAD等)、ベンゾトリアゾール(UV−P、UV−320、UV−326、UV−327、UV−328及びUV−5411等)、ヒンダードアミン(光安定剤744、光安定剤144、ヒンダードアミン770、光安定剤292等)、光安定剤HPT及び光安定剤EPU等を挙げることができる。本発明において酸化防止剤の使用量が樹脂総質量の0.1−4%である時、その効果が最適である。前記酸化防止剤は、酸化防止剤1222、AT−76、酸化防止剤2246−S、AT−59、酸化防止剤1035、酸化防止剤1098、酸化防止剤3125、TPP、TNPP、AT−168、酸化防止剤245、GA−80、酸化防止剤858、酸化防止剤1010からなる群から選ばれた一つ又は複数である。
【0047】
その中で、本発明の光安定剤は、高分子材料の光安定性を向上する助剤である。この光安定剤は、紫外線を遮断し、又は紫外線を吸収して、無害の熱エネルギーに転化し、又は基礎状態に回復するように、紫外線により励起された分子又は基の励起状態を消滅し、又は光酸化により生じた遊離基を捕獲して、光酸化反応が継続して行うことを避けて、高分子材料が紫外線により破壊されないようにすることができる。酸化防止剤は、前記透水材料の酸化防止性能を増加するためのものであり、透水性レンガが自身と環境の要素の作用により酸化されて、透水性レンガ性能の低下又は損失を起させることを防止することができる。
【0048】
そして、難燃性を向上させるために、本発明に更に難燃性エポキシ樹脂又は難燃剤を添加することができる。前記難燃性エポキシ樹脂として、例えば臭素含有エポキシ樹脂、塩素含有エポキシ樹脂、及びリン及び窒素含有エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0049】
本発明の混合材料に、更にカップリング剤が添加されている。その使用量が樹脂総質量の0〜10%であり、前記カップリング剤の使用量が樹脂総質量の0.5〜5%である時、その効果が最適である。前記カップリング剤は、シリコン、チタニウム、リン等の元素を含むカップリング剤であることが好ましい。
【0050】
具体的な実施例
本発明の有益な効果を更に実証するために、発明者が数多くの実験を行なった。下記のような最良な実施例を挙げて、本発明の有益な効果について更に説明する。
以下は、本発明の複合透水性レンガの具体的な実施例である。
【0051】
実施例1:
複合透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含む。透水表面層の原料は、青色に染色された0.4〜0.2mmの石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4.6g、親水性エポキシ樹脂0.5g、脂肪族ポリアミン硬化剤1.4g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.12g、光安定剤UV−320:0.012g、及び酸化防止剤1010:0.006g、真珠岩粉1gである。透水基層の原料は粒径が2mm〜3mmの石英砂であり、接着剤はセメントである。製造された製品である透水性レンガの表面層と基層の厚さの比は2:3である。測定された性能指標及び普通の透水性レンガとの対比結果が表1に示されている。
【0052】
実施例2:
複合透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含む。透水表面層の原料は、緑色に染色された0.07〜0.2mm石英砂10Kg、接着剤であるヒドロキシル基を含有するアクリル樹脂600gと75%のHDIビウレット200g、親水性エポキシ樹脂6g、セメント1g、ケイ酸塩5g、シランカップリング剤550:3g、光安定剤UV−326:0.6gと酸化防止剤1010:0.9g、硬化反応触媒であるジラウリン酸ジブチル錫0.9gである。透水基層の原料は粒径が2mm〜4mmの石英砂であり、接着剤はセメントである。製造された製品である透水性レンガの表面層と基層の厚さの比は1:3である。測定された性能指標及び普通の透水性レンガとの対比結果が表2に示されている。
【0053】
実施例3:
複合透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含む。透水表面層の原料は、黒色に染色された0.2〜0.4mm石英砂15Kg、接着剤である70%の650ポリエステル溶液600gと75%のHDIビウレット溶液560g、珪藻土10g、親水性エポキシ樹脂360g、セメント10g、シランカップリング剤550:5g、光安定剤UV−327:0.6g、酸化防止剤1222:0.9g、ナフテン酸亜鉛1.8g、鎖延長剤と架橋剤であるトリヒドロキシメチルプロパン20g、アミドエステル系溶媒とするメチルエチルケトン15gである。透水基層の原料は粒径が2〜4mmの石英砂であり、接着剤はセメントである。製造された製品である透水性レンガの表面層と基層の厚さの比は2:7である。測定された性能指標及び普通の透水性レンガとの対比結果が表3に示されている。
【0054】
実施例4:
実施例1−3の透水表面層の何れにおいて、其々親水性エポキシ樹脂のみを使用する。即ち、透水表面層の接着剤の全部が親水性エポキシ樹脂であり、他の成分は同じである。得られた複合レンガの測定結果は実施例1−3と一致し、耐圧、引っ張り、耐摩耗、保水を保障する前提で、何れも透水性(透水係数)を大幅に向上することができる。
【0055】
実施例5:
実施例1−4の何れにおいて、透水表面層の対応する親水性エポキシ樹脂の代わりに、其々親水性ポリウレタン樹脂と親水性アクリル樹脂を使用し、得られた複合透水性レンガの透水性能も大幅に向上させることができる。
【0056】
以上の実施例から分かるように、本発明の前記の技術案を応用することにより、透水性レンガの透水性を顕著に向上し、且つ透水性レンガのコストを有効に下げることができる。
【表1】

【表2】

【表3】

【0057】
上記表は、耐圧強度、耐摩耗性、保水性及び透水係数等の面から、本発明の複合透水性レンガの性能パラメーターについて説明した。上記表から分かるように、本発明の複合透水性レンガは、その耐圧強度が何れもレベルCc35の平均値を超えて、35MPA以上になり、その透水係数も標準指標である1.0×10−2cm/sを大幅に超えて、6.8×10−2cm/sに達する。従って、優れる耐圧強度、透水性を有するともに、優れる耐摩耗性と保水性とを有する。
【0058】
上記本発明の複合透水性レンガは、製造する時、透水表面層と透水基層とを同時に複合成形することができ、先ず別々に透水表面層と透水基層とを製造した後、例えば接着により両方を複合することもでき、先ず透水表面層又は透水基層の何れの一つを製造した後、その上に他の一つの層を成形することもできる。
【0059】
本発明に係る上記複合透水性レンガの表面層の混合材料には、上記配合材料の他に、様々な異なる配合材料を挙げることができる。以下、実施例6乃至実施例15に基づいて、本発明に係る複合透水性レンガの表面層を製造する混合材料の異なる実施例を説明し、それをプレス成形し、その各方面の性能パラメーターは、下記の表4乃至表13に示されている。
【0060】
実施例6:
青色に染色された0.2〜0.4mm石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4.6g(その中、0.92gの水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性カルボン酸塩を含有する)、脂肪族ポリアミン硬化剤1.4g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.12g、光安定剤UV−320:0.012gと酸化防止剤1010:0.006gを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は42.3MPAである。(詳しくは表4を参照)。
【0061】
実施例7:
青色に染色された0.1〜0.2mm石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4.6g(その中、0.46gの水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性カルボン酸塩を含有する)、脂肪族ポリアミン硬化剤1.4g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.12g、光安定剤UV−320:0.012gと酸化防止剤1010:0.006gを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は39.7MPAである。(詳しくは表5を参照)。
【0062】
実施例8:
青色に染色された0.15〜0.3mm石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4.6g(その中、0.46gの水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性的カルボン酸塩を含有する)、脂肪族ポリアミン硬化剤1.4g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.12g、光安定剤UV−320:0.012gと酸化防止剤1010:0.006gを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は45.4MPAである。(詳しくは表6を参照)。
【0063】
実施例9:
青色に染色された0.4〜0.85mm石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4.6g(その中、0.46gの水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性カルボン酸塩を含有する)、脂肪族ポリアミン硬化剤1.4g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.12g、光安定剤UV−320:0.012gと酸化防止剤1010:0.006gを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は46.4MPAである。(詳しくは表7を参照)。
【0064】
実施例10:
0.07〜0.4mm石英砂10Kg、真珠岩粉1Kg、接着剤である親水性ポリウレタン1.2Kg、光安定剤HPT:6g、酸化防止剤1035:6g、シリコンを含有するカップリング剤12gを取り、上記原料を充分に混合して、厚さ20cmの雨水濾過層を製造し、雨水を濾過して得られた水には、固体不純物が無く、澄みきって、洗車に用いられる(詳しくは表8を参照)。
【0065】
以上の実施例から分かるように、本発明に係る透水材料の製品において、骨材は粒度の小さい顆粒を使用し、合成後の製品は微小な毛細管作用により水を浸透し、良い透水率を維持して、レンガの表面が細かくて、美観で且つ滑り止め、耐摩耗効果が優れると同時に、塵埃により閉塞し難く、透水効果の時間が長い。使用した砂を、本発明の前記透水性材料に用いることにより、透水製品の透水性と耐候性を顕著に向上した。
【0066】
実施例11:使用された接着剤と骨材との質量比は8:100である透水性レンガの実施例
青色に染色された0.2〜0.4mm石英砂100kg、ビスフェノールA型エポキシ樹脂6kg(その中、0.9gのビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性カルボン酸塩を含有する)、ポリアミン硬化剤2kgを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は53MpAである。(詳しくは表9を参照)。
【0067】
実施例12:使用された接着剤と骨材との質量比が5:100である透水性レンガの実施例
青色に染色された0.2〜0.4mm石英砂100kg、ビスフェノールA型エポキシ樹脂3.76kg(その中、0.56kgのビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性カルボン酸塩を含有する)、ポリアミン硬化剤1.24gを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は35.6MpAである。(詳しくは表10を参照)。
【0068】
実施例13:
緑色に染色された0.07〜0.2mm石英砂10Kg、接着剤であるヒドロキシル基を含有するアクリル樹脂600g(その中、120gのアクリル樹脂が分子側鎖に親水性スルホン酸塩を含有する)と75%のHDIビウレット200g、シランカップリング剤550:3g、光安定剤UV−326:0.6gと酸化防止剤1010:0.9g、硬化反応触媒であるジラウリン酸ジブチル錫0.9gを取り、それらを混合した後、金型で成形して透水性レンガを製造し、測定された耐圧強度は38MPAである。(詳しくは表11を参照)。
【0069】
実施例14:
黒色に染色された0.2〜0.4mm石英砂10Kg、接着剤である70%の650ポリウレタン溶液600g(その中、200gのポリウレタン溶液におけるポリウレタン樹脂の分子側鎖に親水性アンモニウム塩を含有する)と75%のHDIビウレット溶液560gを取り、それにシランカップリング剤550:5g、光安定剤UV−327:0.6g、酸化防止剤1222:0.9g、ナフテン酸亜鉛1.8g、鎖延長剤と架橋剤であるトリヒドロキシメチルプロパン20g、アミドエステル系溶媒とするメチルエチルケトン15gを添加して、それらを混合した後、サンプルブロックを製造し、測定された耐圧強度は40.3MpAである。(詳しくは表12を参照)。
【0070】
実施例15:
赤色に染色された0.42〜0.8mm石英砂10Kg、珪藻土100g、接着剤である水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂1Kg(その中、1Kgの水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子側鎖に親水性スルホン酸塩基を含有する)、脂肪族ポリアミン硬化剤400g、光安定剤EPU:1.98g、酸化防止剤1035:1.98gを取り、1m2の路面を選択して、路面に20cmの石ころ基層を敷設して突き固め、上記使用された透水材料を充分に混合した後、石ころ基層に敷設し圧密し水平にして、厚さ15cmの透水層を形成する。5日後に測定する。(詳しくは表13を参照)。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【0071】
同じように、上記表は、耐圧強度、耐摩耗性、保水性及び透水係数等の面から、本発明の上記混合材料からプレス成形されたレンガの性能パラメーターを説明する。上記表から分かるように、本発明の混合材料からプレス成形されたレンガは、その耐圧強度が何れもレベルの平均値を超えて、58MPA以上になり、耐摩耗性指標において、摩耗長さ(WeAr Length)が25mm程度で、平均値35mmより大幅に小さく、その透水係数も標準指標1.0×10−2cm/sを大幅に超えて、7.1×10−2cm/sに達する。従って、優れる透水性能を有する。
【0072】
また、本発明の複合透水性レンガの基層には、骨材と、骨材を結合する接着剤とを含む。その中で、基層の接着剤として、表面層と同じ親水性接着剤を使用することができ、且つ上記表面層の各種類の樹脂接着剤と同様なものを使用することができる。
以下は、本発明の複合透水性レンガの基層に、表面層と同じ種類の接着剤を使用した実施例である。
【0073】
実施例16:
複合透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含む。透水表面層の原料は、青色に染色した0.4〜0.2mm石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4.6g、親水性エポキシ樹脂0.5g、脂肪族ポリアミン硬化剤1.4g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.12g、光安定剤UV−320:0.012gと酸化防止剤1010:0.006g、真珠岩粉1gである。透水基層の原料は、粒径が2mm〜3mmの石英砂100g、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂4g、親水性エポキシ樹脂0.3g、脂肪族ポリアミン硬化剤1.2g、カップリング剤であるエポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン560:0.10g、光安定剤UV−320:0.01gと酸化防止剤1010:0.004g、真珠岩粉1gである。製造された製品である透水性レンガの表面層と基層との厚さの比は2:3である。測定された性能指標及び普通の透水性レンガとの対比結果が表14に示されている。
【0074】
実施例17:
複合透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含む。透水表面層の原料は、黒色に染色された0.2〜0.4mm石英砂15Kg、接着剤である70%の650ポリエステル溶液600gと75%のHDIビウレット溶液560g、珪藻土10g、親水性エポキシ樹脂360gを取り、それにシランカップリング剤550:5g、光安定剤UV−327:0.6g、酸化防止剤1222:0.9g、ナフテン酸亜鉛1.8g、鎖延長剤と架橋剤であるトリヒドロキシメチルプロパン20g、アミドエステル系溶媒とするメチルエチルケトン15gを添加する。透水基層の原料は、粒径が2〜4mmの石英砂12Kgであり、接着剤は、ヒドロキシル基を含有するアクリル樹脂500gと75%のHDIビウレット250g、親水性エポキシ樹脂5g、シランカップリング剤550:2.5g、光安定剤UV−326:0.5gと酸化防止剤1010:0.8g、硬化反応触媒であるジラウリン酸ジブチル錫0.8gである。製造された製品である透水性レンガの表面層と基層との厚さの比は2:7である。測定された性能指標及び普通の透水性レンガとの対比結果が表15に示されている。
【表14】

【表15】

【0075】
本発明により提供された複合透水性レンガは、必要に応じて異なる形状に形成することができ、例えば、立方体、直方体、円筒形、角柱形に形成することができ、更に各種、不規則なパターン形状に形成することもできる。また、本発明の複合透水性レンガは、異なるサイズに形成することができ、且つ必要に応じて、中実体レンガ又は中空体の複合透水性レンガにすることができる。
【0076】
また、本発明により提供された混合材料は、本発明の複合透水性レンガの製造に用いられることの他、路面敷設、雨水濾過、又は水循環、水浄化用の各種の透水部材の製造にも用いられることができる。透水部材として、例えば透水性レンガ、透水板、透水プランター、透水カーブ、透水マンホールのふた又は透水溝等を挙げることができる。また、本発明の混合材料は、直接に路面に敷設されて透水路面を形成することもできる。
【0077】
さらに、本発明の複合透水性レンガ及び混合材料は、幅広い範囲に応用されることができる。それは路面敷設、水循環システム、水濾過システム、水浄化システム等に用いられる。例えば、本発明の複合透水性レンガ又は混合材料を、庭園、通り、都市路面に敷設すると、雨の降る時、雨水が透水性レンガを通じて直接に地下に浸入されて、路面に貯まる雨水により、人に与えられた不便を避けることができ、地下の水資源を補充して、水資源を充分に利用できることになる。本発明の複合透水性レンガ又は混合材料を用いて、必要に応じて各種の水循環、水濾過、水浄化ユニットを製造して、各種の水循環、濾過及び浄化システムに使用されて、都市の水循環、水濾過、水浄化等を促進する。例えば、本発明の複合透水性レンガを異なるサイズのパターン形状に形成し、それは中実体又は中空体構造にすることができる。且つそれらの異なる形状、構造の複合透水性レンガ又は本発明の混合材料を用いて、水濾過ユニットを製造し、それを用いて、異なる形状の庭石又は各種の異なる模擬建物等に製造されて、河川、湖水に応用することができる。本発明の複合透水性レンガ及び混合材料の高い透水特性を利用して、河川、湖水の水を濾過、浄化、再循環して利用し、美観を増加し、河川、湖水の水汚染を処理することができる。更に、河川、湖水における生物の生態系の平衡を促進することができる。
【0078】
もちろん、本発明は、他の様々な実施例を有し、本発明の精神と実質的な範囲内で、当業者は、本発明の説明に基づいて様々な変更と変形を行うことができるが、これらの対応する変更と変形は、本発明の添付した特許請求の保護範囲に属すべきである。
【0079】
工業的利用可能性
本発明により製造された透水性建築材は、庭園、通り、住宅建築に大幅に応用することができ、雨水収集システムにも用いられて、雨水を收集し、濾過し、浄化して、雨水資源の充分な利用を促進し、且つ塵埃を吸収し砂を固定して、空気の品質を改善することができる。その中で、路面の敷設に用いられる透水材料は、自然降雨と人工降雨で何れも素早く地表に浸入することができ、降雨資源を充分に利用することができ、都市の水循環を改善することができ、地下の水資源を補充することができる。且つ、河川、湖水の水浄化にも用いられる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合透水性レンガであって、
前記透水性レンガは、透水表面層と透水基層とを含み、透水表面層と透水基層とは、一体に緻密に結合され、
透水表面層と透水基層の何れには、其々骨材と、骨材を接着する接着剤とを含み、
前記透水表面層における接着剤に、少なくとも親水性接着剤を含む、ことを特徴とする複合透水性レンガ。
【請求項2】
前記透水表面層における接着剤と骨材との質量比が1〜20:100であることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項3】
前記透水表面層における親水性接着剤以外の接着剤は、樹脂接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項4】
前記透水表面層における親水性接着剤は、透水表面層における接着剤の1〜60%を占めることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項5】
前記透水表面層における親水性接着剤は、親水性樹脂接着剤であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の複合透水性レンガ。
【請求項6】
前記親水性樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は複数であり、
前記エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂の分子側鎖に親水性カルボン酸塩、スルホン酸塩、アンモニウム塩、ヒドロキシル基を含有し、又は主鎖に非イオン性親水鎖セグメントを含有することを特徴とする請求項5に記載の複合透水性レンガ。
【請求項7】
前記透水表面層における骨材の粒径は0.05mm〜2mmであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の複合透水性レンガ。
【請求項8】
前記透水基層における接着剤にセメントが含まれ、
前記透水基層における骨材の顆粒粒径は2mm〜10mmであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の複合透水性レンガ。
【請求項9】
前記透水基層における接着剤は、親水性接着剤を含む樹脂系接着剤であり、
前記透水基層における骨材の顆粒粒径は2mm〜10mmであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の複合透水性レンガ。
【請求項10】
前記透水基層における接着剤にセメントが含まれ、
前記透水基層における骨材の顆粒粒径が2mm〜10mmであることを特徴とする請求項7に記載の複合透水性レンガ。
【請求項11】
前記樹脂系接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せであることを特徴とする請求項3に記載の複合透水性レンガ。
【請求項12】
前記樹脂系接着剤は、エポキシ樹脂であり、前記エポキシ樹脂は、脂肪族ポリアミン又は脂環式ポリアミン系硬化剤により硬化されたエポキシ樹脂であり、その使用量とエポキシ樹脂との質量比は5〜60:100であることを特徴とする請求項11に記載の複合透水性レンガ。
【請求項13】
前記エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、有機シリコン改質ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ヘテロ環型及び混合型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せであることを特徴とする請求項12に記載の複合透水性レンガ。
【請求項14】
前記樹脂系接着剤は、ポリウレタン樹脂であり、
前記ポリウレタン樹脂には、脂肪族ポリオールとポリイソシアネートが含まれ、且つ前記ポリウレタン樹脂には、更にアミドエステル系溶媒、鎖延長剤及び架橋剤を添加されていることを特徴とする請求項11に記載の複合透水性レンガ。
【請求項15】
前記ポリウレタン樹脂には、ポリウレタン硬化反応の触媒が添加されていることを特徴とする請求項11又は請求項14に記載の複合透水性レンガ。
【請求項16】
前記透水表面層の接着剤に、少量の無機接着剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項17】
前記無機接着剤はケイ酸塩、リン酸塩、又はセメントであることを特徴とする請求項16に記載の複合透水性レンガ。
【請求項18】
前記透水表面層に、シリコン、チタニウム、又はリン元素を含むカップリング剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項19】
前記透水表面層に、光安定剤及び/又は酸化防止剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項20】
前記透水性レンガに、親水性無機材料が添加され、
前記親水性無機材料は、珪藻土、ベントナイト、真珠岩からなる群から選ばれた一つ又は複数であることを特徴とする請求項1に記載の複合透水性レンガ。
【請求項21】
前記透水表面層における骨材は石英砂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は10に記載の複合透水性レンガ。
【請求項22】
前記石英砂は砂漠から選ばれた風成砂であることを特徴とする請求項21に記載の複合透水性レンガ。
【請求項23】
請求項1から請求項22の何れか一項に記載の複合透水性レンガが、路面敷設、雨水濾過、水循環、又は水浄化における応用。
【請求項24】
請求項1から請求項22の何れか一項に記載の複合透水性レンガにより敷設された透水路面。
【請求項25】
雨水濾過システムであって、
請求項1から請求項22の何れか一項に記載の複合透水性レンガにより製造された雨水濾過ユニットを含むことを特徴とする雨水濾過システム。
【請求項26】
水循環システムであって、
請求項1から請求項22の何れか一項に記載の複合透水性レンガにより製造された水循環ユニットを含むことを特徴とする水循環システム。
【請求項27】
水浄化システムであって、
請求項1から請求項22の何れか一項に記載の複合透水性レンガにより製造された水浄化ユニットを含むことを特徴とする水浄化システム。
【請求項28】
複合透水性レンガの表面層を製造する混合材料であって、
骨材と、骨材を接着する接着剤とを含み、
前記接着剤に、少なくとも親水性接着剤が含まれることを特徴とする混合材料。
【請求項29】
前記接着剤と骨材との質量比は1〜20:100であることを特徴とする請求項28に記載の混合材料。
【請求項30】
前記接着剤は、親水性接着剤を除いて、樹脂接着剤であることを特徴とする請求項28に記載の混合材料。
【請求項31】
前記親水性接着剤は、接着剤総量の1〜60%を占めることを特徴とする請求項28に記載の混合材料。
【請求項32】
前記親水性接着剤は親水性樹脂接着剤であることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項33】
前記親水性樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれた一つまたは複数であり、上記エポキシ樹脂、ポリウレタン、及びアクリル樹脂の分子側鎖にカルボン酸塩基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩、ヒドロキシル基を含有し、又は主鎖に非イオン性親水鎖セグメントを含有する樹脂系接着剤であることを特徴とする請求項32に記載の混合材料。
【請求項34】
前記樹脂接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せであることを特徴とする請求項30に記載の混合材料。
【請求項35】
前記エポキシ樹脂に、更に脂肪族ポリアミン又は脂環式ポリアミン系硬化剤が添加され、その使用量がエポキシ樹脂総質量の5〜60%であることを特徴とする請求項34に記載の混合材料。
【請求項36】
前記エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、有機シリコン改質ビスフェノールA型エポキシ樹脂、飽和グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ヘテロ環型及び混合型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた一つ又は何れの組合せであることを特徴とする請求項35に記載の混合材料。
【請求項37】
前記ポリウレタン樹脂には、脂肪族ポリオールとポリイソシアネートとが含まれることを特徴とする請求項34に記載の混合材料。
【請求項38】
前記ポリウレタン樹脂に、ポリウレタン硬化反応の触媒が添加されていることを特徴とする請求項34又は請求項37に記載の混合材料。
【請求項39】
前記ポリウレタン硬化反応の触媒は、ナフテン酸鉛、ジラウリン酸ジブチル錫であることを特徴とする請求項38に記載の混合材料。
【請求項40】
前記ポリウレタン樹脂に、アミドエステル系溶媒、鎖延長剤、及び架橋剤が添加されていることを特徴とする請求項34又は請求項37に記載の混合材料。
【請求項41】
前記接着剤に、耐候性添加剤が添加されていることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項42】
前記耐候性添加剤に、光安定剤、酸化防止剤の中の一つ又は二つが含まれることを特徴とする請求項41に記載の混合材料。
【請求項43】
前記接着剤に、少量の無機接着剤が添加されていることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項44】
前記無機接着剤は、ケイ酸塩、リン酸塩又はセメントであることを特徴とする請求項43に記載の混合材料。
【請求項45】
前記混合材料に、シリコン、チタニウム又はリン元素を含有するカップリング剤が添加されていることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項46】
前記混合材料に親水性無機材料が添加され、
前記親水性無機材料は、珪藻土、ベントナイト、真珠岩からなる群から選ばれた一つ又は複数であることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項47】
前記骨材は、石英砂であることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項48】
前記石英砂は砂漠から選ばれた風成砂であることを特徴とする請求項47に記載の混合材料。
【請求項49】
前記骨材の顆粒粒径が0.07mm〜1.5mmであることを特徴とする請求項28から請求項31の何れか一項に記載の混合材料。
【請求項50】
請求項28から請求項49の何れか一項に記載の混合材料が、路面敷設、雨水濾過、水循環循又は水浄化における応用。
【請求項51】
請求項28から請求項49の何れか一項に記載の混合材料により敷設してなる透水路面。
【請求項52】
雨水濾過システムであって、
請求項28から請求項49の何れか一項に記載の混合材料により製造された雨水濾過ユニットを含むことを特徴とする雨水濾過システム。
【請求項53】
水循環システムであって、
請求項28から請求項49の何れか一項に記載の混合材料により製造された水循環ユニットを含むことを特徴とする水循環システム。
【請求項54】
水浄化システムであって、
請求項28から請求項49の何れか一項に記載の混合材料により製造された水浄化ユニットを含むことを特徴とする水浄化システム。



【公表番号】特表2010−505719(P2010−505719A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529499(P2009−529499)
【出願日】平成19年9月29日(2007.9.29)
【国際出願番号】PCT/CN2007/002868
【国際公開番号】WO2008/043271
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(509088192)北京仁▲創▼科技集▲団▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】