説明

記憶装置及び記録領域管理方法

【課題】メモリカードと記憶ディスクの記憶領域を、一つの記憶領域としてあつかうことができるようにする。
【解決手段】ホスト装置と情報の送受信を行うためのホストインターフェース(104)と、ホスト装置からホストインターフェースを介して送られてくるコマンドに対応した処理を実行するコマンド処理部(105)と、情報が格納される記憶ディスク装置(107)と、メモリカードが装着されるスロット(109)と、メモリカードとディスク装置上の論理アドレスが一元化され格納される為の論理アドレス管理テーブル(106)とを有し、上記コマンド処理部は、ホスト装置からデータアクセスのコマンドが入力された場合、上記論理アドレス管理テーブルを参照し、メモリカード又はディスク装置にデータアクセスを行う手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記憶装置及び記録領域管理方法に関し、特に記憶媒体の認識方法と、記憶装置上でのデータ管理方法を改良したものである。
【背景技術】
【0002】
近年のメモリカードはデータ書き込み速度が早く、消費電力が小さくなっている。また、記憶容量は1ギガバイトを超えるものも登場している。またさらに、サイズが極めて小さい為、利用する端末装置の小型化及び軽量化を図ることができる。その為、パーソナルコンピューター(PC)にも、メモリーカードインターフェース(I/F)を有するものが増えている。
【0003】
しかし、現在メモリカードを使用する装置のデジタルデータは大容量になっており、一枚のメモリカードに保存できるデータの量はユーザの必要量を満たせていない。そこで、複数枚メモリカードを購入し、データの管理を行うこともできるが、現在容量あたりのメモリカードのコストは非常に高価なものである。
【0004】
上記した問題を解決する為、メモリカード、ハードディスクドライブ(HDD)の両方を搭載した装置が開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−55102公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の端末装置では、メモリカードのデータを、ハードディスクに転送・保存・バックアップする目的で使用している。またハードディスクの一部データを、メモリカードに転送することも可能である。しかしながら、この装置では、メモリカードとしては、一定の規格のものであると、いずれのメモリカードでも使用することが可能である。このために、ユーザの端末装置に対して、不要なアクセスや、不要なデータの入力、設定などが行われる可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、予め登録したメモリカードを装着した時のみ、正常に動作するセキュリティ機能を持たせることができ、またメモリ容量も拡張することができる記憶装置及び記録領域管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態における記憶装置は、情報が格納される記憶ディスク装置107と、メモリカードが装着されるスロット109と、前記メモリカードと前記ディスク装置上の論理アドレスを一元化して格納する為の論理アドレス管理テーブル106と、ホスト装置と情報の送受信を行うためのホストインターフェース104と、前記ホスト装置から前記ホストインターフェースを介して送られてくるコマンドに対応した処理を実行し、少なくとも上記記憶ディスク装置、メモリカード及び前記論理アドレス管理テーブルを制御するコマンド処理部105と、前記コマンド処理部の制御のもとで、前記スロットに装着されたメモリカードの識別を行い、予め登録されているメモリカードに対してのみ正常処理モードを前記コマンド処理部に通知するカード識別部115と、を有する。
【0008】
また本発明の他の実施形態における記憶装置はさらに、メモリカードの第1の識別情報を格納する識別情報格納部と、識別情報格納部に格納されている複数の第1の識別情報と、スロットに装着された記憶媒体の第2の識別情報とを照合し照合結果をコマンド処理部に通知する識別情報照合部とを有し、上記コマンド処理部は、上記識別情報照合部から通知される照合結果に基づいて、ホスト装置からのコマンドを実行するか否かを判断する手段を含む。
【発明の効果】
【0009】
上記した実施形態により、本発明に係わる記憶装置は、予め登録したメモリカードを装着した時のみ、正常に動作するセキュリティ機能を持つ。また、複数の記憶領域を一つの記憶領域としてあつかうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係わる記憶装置について説明する。図1は、本発明に係わる記憶装置101の全体構成例を示すブロック図である。
【0011】
<まず構成を説明する>
この記憶装置101は、ホストインターフェース1204を有する。このホストインターフェース104を通じて、記憶装置101は、外部のホスト装置(例えばパーソナルコンピュータ)102とホストバス103を介して情報の送受信を行うことができる。
【0012】
ホストインターフェース104にはコマンド処理部105が接続されている。コマンド処理部105は、メモリカード識別情報格納部113と、メモリカード識別情報照合部114、メモリカードインターフェース110と接続されている。さらにコマンド処理部105は、論理アドレス管理テーブル106、ディスク装置制御部108に接続されている。
【0013】
<次に各部の機能を説明する>
ここで、ディスク装置制御部108は、記憶ディスク装置107(例えばハードディスク)に対する情報記録、また、記憶装置107からの情報読出しを行う部分である。また前記メモリカードインターフェース110は、メモリカードスロット109の部分に設けられており、メモリカード111がスロットに挿入されたときに、メモリカード111と電気的に接続される。
【0014】
コマンド処理部105は、ホスト装置102からのコマンドセットに応じた処理を行う。論理アドレス管理テーブル106は、コマンド処理部105の管理化の下で、記憶媒体(メモリカード及びディスク)に含まれるデータのアドレスを管理するために利用される。
【0015】
メモリカード識別情報格納部113は、この装置で利用可能なメモリカードの識別情報を格納している。また、新たな識別情報の格納処理、識別情報のチェックなどはコマンド処理部105の制御の元で行われる。メモリカード識別情報照合部110は、識別情報格納部113に格納されている識別情報と装置に装着されたメモリカード111が所有するメモリカード識別情報112との照合を行い、コマンド処理部105にその結果を転送する。メモリカード識別情報格納部113、メモリカード識別情報照合部114、メモリカードインターフェース110は、カード識別部115を構成している。
【0016】
<次に全体の動作を説明する>
今、メモリカード111がメモリカードスロット109に装着されると、識別情報照合部114はメモリカード111に含まれているメモリカード識別情報112をメモリカードインターフェース110を介して取得する。同時に、識別情報照合部114は識別情報113に格納されている識別情報を読出し、メモリカード識別情報112と一致するものを検索する。一致する識別情報が検出された場合、メモリカード111及びディスク装置107の記憶領域へのデータアクセスが可能になる。即ち、メモリカード111は、記憶装置101にアクセスするためのキーとして機能したことになる。
【0017】
ホストインターフェース104は、ホスト装置102からのコマンド番号、セクタアドレス、セクタ数等を含んだコマンドセットの受信を行い、コマンド処理部105に伝える。コマンド処理部105に伝送されたコマンドセットがステータス情報の取得である場合は、現在の記憶装置101のステータスをホスト装置102に伝送する。コマンド処理部105に伝送されたコマンドセットがメモリカード111及びディスク装置107内の記憶領域に対するデータアクセスである場合は、論理アドレス管理テーブル106より当該データのアドレスを抽出し、抽出したアドレスを元にデータアクセスする。
【0018】
ここで、ホストバス103及びホストインターフェース104は、LAN、無線LAN、ATA、ISCE、赤外線通信、例えば、ブルーツース(登録商標)などが考えられるが、データ及び制御信号を送受信できるものであれば、如何なる通信方法であっても本発明の実施に影響はない。
【0019】
また、メモリカード111にはメモリカード識別情報112が含まれているとしたが、メモリカード固有の識別情報が含まれていない場合、メモリカードの記憶領域に任意でメモリカードの識別情報を作成するようにしてもよい。
【0020】
またさらに、メモリカードがセキュア機能を有する場合、記憶装置の識別情報をメモリカードに登録し、登録した装置でのみメモリカードの記憶領域にデータアクセスを行うことができるようにしてもよい。
【0021】
図2は、図1に示した識別情報照合部114の照合処理を示すフローチャートの例である。メモリカードの着脱検知、又は装置の電源投入に応答して処理が開始される(ステップSA1)。このとき、識別照合部114はメモリカード111の挿入の有無を判定する(ステップSA2)。メモリカード111がスロット109に挿入されている場合、必要に応じてメモリカード111の初期化を実行する(ステップSA3)。初期化が実行された場合、初期化が正常に実行されたかどうか判定する(ステップSA4)。初期化が正常に実行された場合、識別照合部114はメモリカードに含まれているメモリカード識別情報112を読み出す(ステップSA5)。
【0022】
また、識別照合部114は識別情報格納部113に格納されている識別情報を読出し(ステップSA6)、メモリカード識別情報112と一致するものを検索する(ステップSA7)。一致する識別情報が検出された場合、ホストコマンド正常処理モードであることをコマンド処理部105に通知し(ステップSA8)、識別処理を終了する(ステップSA9)。
【0023】
ステップSA7において、一致する識別情報が検出されなかった場合、ホストコマンド部分処理モードであることをコマンド処理部105に通知する(ステップSA10)。
【0024】
また、ステプSA2、ステップSA4においてメモリカードが挿入されていない場合、初期化が正常に実行されなかった場合は、ホストコマンド異常処理モードであることをコマンド処理部105に通知する(ステップSA11)。
【0025】
図3は、図1に示したコマンド処理部105が、ホスト装置10からコマンドセットを受け取った際の処理を示すフローチャートの例である。コマンド処理部105にコマンドセットが供給され、処理が開始される(ステップSB1)。識別情報照合部114より通知されたコマンド処理モードが、ホストコマンド異常処理モードであるかどうか判別する(ステップSB2)。コマンド処理モードが、ホストコマンド異常処理モードでない場合、受け取ったコマンドがメモリカード111の識別情報112を登録するというコマンド(メモリカード登録コマンド)であるかどうかを判定する(ステップSB3)。
【0026】
受け取ったコマンドがメモリカード登録コマンドである場合、コマンド処理部105は論理アドレス管理テーブルを初期化し(ステップSB4)、メモリカード識別情報112を識別情報格納部113に登録(格納)する(ステップSB5)。識別情報照合部114は、コマンド処理モードをホストコマンド正常処理モードであると認識し(ステップSB6)、ホストインターフェース104を介しホスト装置102にホストコマンドが正常に処理を実行したことを通知し(ステップSB7)、処理を終了する(ステップSB8)。
【0027】
また、ステップSB3においてメモリカード識別情報112のメモリカード登録コマンドが入力されなかった場合、コマンド処理部105はコマンド処理モードがホストコマンド部分処理モードであるかどうか判定する(SB9)。ホストコマンド部分処理モードでない場合、後述するホストコマンド処理を実行し、ステップSB7に移行する。
【0028】
また、ステップSB2においてホストコマンド異常処理モードであると判定した場合、若しくはステップSB9においてホストコマンド部分処理モードであると判定した場合、コマンド処理部105はホストコマンドエラー終了を通知し(ステップSB11)、処理を終了する(ステップSB8)。
【0029】
図4(A)、図4(B)は、論理アドレス管理テーブル106の構成例を示す図である。図4(A)は、メモリカード上の論理セクタアドレスと記憶ディスク上の論理セクタアドレスを記憶装置に対する論理セクタアドレスに関連付ける例を示す図である。400はホスト装置からみた記憶装置101に対する論理セクタである。斜線のかかったセルは、メモリカード上の論理セクタである。白抜きのセルは記憶ディスク上の論理セクタである。コマンド処理部105が論理アドレス管理テーブル106の初期化を行う場合、論理アドレス管理テーブル106は図4(B)に示すような構成となる。
【0030】
ここで論理アドレス管理テーブル情報401は、後述するホスト装置102から記憶装置101にデータアクセスを行う際に、インデックス402毎に参照されるものである。デバイス識別子は、0bがメモリカード、1bが記憶ディスクを意味する。
【0031】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。論理セクタアドレスに対するメモリマッピング方法は図4(A)に示したものには限定されなく、どのような方法であってもよい。
【0032】
また、メモリカード111から記憶ディスク装置107へデータを移動できるようにしてもよい。この際、論理アドレス管理テーブル106の変更も自動的に行われる。
【0033】
図5は、記憶装置101に供給されたコマンドセットがデータアクセスコマンドである場合の処理(例えば図3のステップSB10)を示すフローチャートの例である。ホスト装置102より、論理セクタアドレスXのデータにアクセスするようコマンドが入る(ステップSC1)。インデックスn(ここでは整数nとする)を初期化(例えば0に)し(ステップSC2)、上記インデックスnに対応する論理セクタアドレスを参照する。参照した論理セクタアドレスの中(ホスト論理スタートセクタアドレス403からホスト論理エンドセクタアドレス404の範囲)にアクセスすべき論理セクタアドレスXが含まれているか判断する(ステップSC3)。含まれていない場合、インデックスnに1を加算し(ステップSC4)、ステップSC3の判断に移行する。アクセスすべき論理セクタアドレスXが検出されるまでステップSC3−SC4はループする。
【0034】
ステップSC3においてアクセスすべき論理セクタアドレスXが検出された場合、論理セクタアドレスXと、インデックスnで参照可能なホスト論理スタートセクタアドレス403(Yと仮定する)と、デバイス論理スタートセクタアドレス406(Zと仮定する)より、実際にアクセスを実行する際の記憶媒体上の論理セクタアドレスAを次の式1より算出する(ステップSC5)。
【0035】
A=(X−Y)+Z …式(1)
インデックスnに対応するデバイス識別子情報405より、アクセスすべき論理セクタアドレスAがメモリカード111と記憶ディスク107のどちらに含まれているか判別する(ステップSC6)。メモリカード111内に含まれている場合、メモリカードインターフェース109を介してメモリカード111上の論理セクタアドレスAにアクセスし(ステップSC7)、処理を終了する(ステップSC9)。
【0036】
アクセスすべき論理セクタアドレスが記憶ディスク107内に含まれている場合、ディスク装置制御部108を介して記憶ディスク107上の論理セクタアドレスAにアクセスし(ステップSC8)、処理を終了する(ステップSC9)。
【0037】
上記した実施例により、メモリカード111と記憶ディスク107の二つの記憶領域を、論理アドレス管理テーブル106で一元管理することにより、一つの記憶領域であると仮定し使用することができる。
【0038】
ここで示した処理フローは、論理セクタアドレス単位で行うものであり、上記したコマンドセットが複数の論理セクタアドレスにアクセスするものであれば、必要な回数だけ、本処理フローを実行する。
【0039】
また、記憶媒体が装着される際に実行する処理を記憶媒体の識別情報とリンクさせておき、識別情報が一致した場合自動的にリンクさせた処理が実行されるような構成でもよい。
【0040】
またさらに、デバイス識別子405によって使用されていないと判断された装置を停止状態にするように設定できるようにしてもよい。これによって低消費電力化を図ることが出来る。また、データ書き込みに好適な記憶デバイスを選択することによって高速なデータ転送処理を実現できる。
【0041】
また、メモリカード111と記憶ディスク107の二つの記憶領域を、一つの記憶領域として使用するか否かを設定できるようにしてもよい。
【0042】
またさらに、メモリカード111に記憶装置101の制御用のプログラムを格納しておくようにしてもよい。これにより、メモリカードは記憶ディスクに比べ起動が早いため、セットアップ用のプログラムを含むことにより、記憶装置101の動作を高速化することができる。
【0043】
図6は、この発明の装置における、コマンド処理部105に含まれる機能をブロック化した一例を示す図であるが、かならずしもこのようなブロックに限定されるものではない。
【0044】
コマンド処理部105はコマンドセット判別部105aを有する。このコマンドセット判別部105aは、ホストインターフェース104で受信したホスト装置102からのコマンドセットがどのような処理を行うためのものであるかを判別し、当該部へ制御信号を送るものである。
【0045】
また、コマンド処理部105は接続状況調査部105b1を有する。この接続状況調査部105b1は、ホスト装置102のステータス(電源状態、スペック等)を取得する。また、現在装着されているメモリカード111や記憶ディスク107内の容量の残量の情報を取得する。また、データライトを実行する際に、書き込むデータの容量の情報を取得する。さらに、コマンド処理部105は、使用デバイス選択部105b2を有する。使用デバイス選択部105b2は、接続状況調査部105b1で取得した情報を元に、使用するデバイスを自動的に選択することができる。若しくは、ユーザからの設定によって、選択できるようにしてもよい。
【0046】
さらに、コマンド処理部105は処理モード切替部105cを有する。処理モード切替部105cは、識別情報照合部114から通知される照合結果に応じてコマンド処理部105の処理モードの切替を実行することができる。
【0047】
さらに、コマンド処理部105は論理アドレス管理テーブル作成部105d1を有する。論理アドレス管理テーブル作成部105d1は、ホスト装置102から供給されるホスト論理アドレスと、記憶媒体上でのデバイス論理アドレスとをリンクさせインデックスnを作成し、論理アドレス管理テーブル106に保存することができる。新しいメモリカードが装着され、記憶装置101の専用メモリカードとして登録する場合、論理アドレス管理テーブル106を初期化し、再度作成する。またさらに、論理アドレス管理テーブル参照部105d2を有する。論理アドレス管理テーブル参照部105d2は、ホスト装置102から、記憶媒体の記憶領域にアクセスするコマンドセットが供給された場合、供給されたコマンドセットに含まれているアクセスすべきデータのホスト論理アドレスXを、論理アドレス管理テーブル106内より検出する。さらに検出したホスト論理アドレスX、同じインデックスのホスト論理スタートセクタアドレスY、デバイス論理スタートセクタアドレスZから、実際の記憶媒体内の論理アドレスAを算出し、データアクセスを実行することができる。
【0048】
さらに、コマンド処理部105は報告処理部105eを有する。報告処理部105eは、記憶装置101で行った処理結果(例えば識別情報照合部114からの識別結果、接続状況調査部からのステータス)をホスト装置102の表示手段に表示させることができる。また、各種設定をユーザによって選択させるための設定メニューを作成し、表示させることができる。
【0049】
図7(a)−(e)は、報告処理部105eによって表示された設定メニューの表示例である。図7(a)はメモリカードが挿入されていない場合の警告の表示例である。701は報告処理部105eによってホスト装置102の表示手段に表示されたウィンドウである。ここには設定メニュー及び警告メッセージが表示される。702は、キーとなるメモリカードが装着されていない為に、ホスト装置102から記憶装置101へアクセスを行うことができないロック状態となっていることを示す。703のアイコンは、メモリカードが装着されていないことを示すものである。
【0050】
図7(b)は、登録をしていないメモリカードを装着した場合に表示されるメッセージである。704は、装着されたメモリカードが登録されていないことを示すアイコンである。ここで、ホスト装置102からの操作によって、装着されたメモリカードを記憶ディスク107のキーとして登録することができる。この際、図7(c)に示すように、メモリカードをフォーマットするかどうかを選択することができる。メモリカードのフォーマットを実行した場合、図7(d)に示すようなメッセージが表示される。
【0051】
図7(e)は、メモリカードの登録が完了した際に表示されるメッセージである。メモリカードにはID001が付与されている。705は、登録されているメモリカード001が装着されていることを示すアイコンである。
【0052】
ここで、上記したメモリカードによるセキュリティ機能は、登録されているメモリカードが装着されている場合、設定メニューにてオン/オフを選択することができる。ここで、セキュリティ機能をオフにした場合、論理アドレス管理テーブル106のデバイス識別子405で記憶ディスク上の論理セクタを示すものを判別し、それだけをピックアップして読むようにしてもよい。
【0053】
この発明は、上記した実施形態にそのままに限定されるものではない。メモリカードに付与するIDについては、ユーザによって任意の番号が付けられるようにしてもよいし、自動的に付与されるようにしてもよい。また、ホスト装置102からの操作によってメモリカードを登録するようにしたが、記憶装置101に表示手段、操作手段を設置し、それによって登録するようにしてもよい。
【0054】
この発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。複数のメモリカードを使用する場合、使用するディスク装置の記憶領域に、メモリカード毎にセキュリティを設けるようにしてもよい。例えば、メモリカード001で作成した記憶ディスク107内のデータに、他のメモリカード使用時にはアクセスできないようにしてもよい。
【0055】
図8(a)−(c)は、本発明の他の実施例における設定メニューの表示例である。図8(a)は、記憶装置101の設定メニューの例である。アイコンによって登録済みのメモリカード001が装着されていることが示されている。この場合、メモリカード001に対応する記憶ディスク107の記憶領域のセキュリティ機能のオン/オフを選択することができる。またさらに詳細についても設定することができる。
【0056】
図8(b)は、メモリカード001に関する詳細設定の表示例である。メモリカード001のID、販売社、種類、容量が表示される。さらにメモリカード001の使用領域及び空き領域が表示される。またさらに、メモリカード001によってセキュリティがかけられている記憶ディスク107の容量及び空き領域が表示される。またさらに、メモリカード001と記憶ディスク107の記憶領域を、1つの記憶領域として使用するか否かを選択するデバイス選択設定が表示される。またさらに、使用されていないと判断された装置を停止状態にするように設定する節電モードのオン/オフを選択することができる。また、メモリカードをフォーマットすることができる初期化実行の項目が表示される。
【0057】
またここで、共有設定を行うことができる。ここでは、メモリカード001を記憶装置101に装着した場合に、メモリカード002及びメモリカード004によってセキュリティがかけられている記憶ディスク107の記憶領域にアクセスできることが示されている。共有設定の項目を選択すると、図8(c)のように表示がかわる。
【0058】
図8(c)は、共有設定メニューの表示例である。記憶装置101の識別情報格納部113内の、登録されているメモリカードの一覧が表示される。即ち、共有させたいIDの共有設定のセルを選択し、選択したIDのメモリカードに入れ替え認証を行うことによって、共有の設定が行なわれる。
【0059】
上記した実施例により、記憶ディスク107内の記憶領域に、使用しているメモリカード毎に個別にセキュリティ機能を設けることができ、極めて高い安全性が確保される。またアクセス可能なデータをIDによって共有設定することにより、安全で且つ容易にデータの共有を実現することが出来る。
【0060】
また、本発明において使用されるメモリカードは、固有の識別情報を持つものもしくは、任意で設定される識別情報を格納するための記憶領域を有するものであれば如何なるメモリを用いても、本発明には差し支えない。その為、ユーザは必要な容量とコストを考え、安いメモリ、高いメモリを選択することができる。
【0061】
また、本実施例は上記した構成に限定されない。マスターのメモリカードを設定し、全ての設定を自由に行うことが出来るようにしてもよい。また記憶ディスク装置で用いる媒体は、リムーバブルな光ディスク、磁気ディスクであってもよく、この場合メモリカードのIDと対応したIDの整合が得られるようにしてもよい。
【0062】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明に係わる記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した識別情報照合部の照合処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図1に示したコマンド処理部の、コマンドセットを受け取った際の処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、論理アドレス管理テーブルの初期化を実行する際の処理を説明する説明図である。
【図5】図5は、記憶装置に供給されたコマンドセットがデータアクセスコマンドである場合の処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、この発明に係る特徴部の基本的要素を取り出して示すブロック図である。
【図7】図7は、この発明の実施の形態における、メモリカードを登録する際のメッセージ表示例である。
【図8】図8は、この発明の他の実施の形態における、記憶装置の設定メニューの表示例である。
【符号の説明】
【0064】
101…記憶装置、102…ホスト装置、103…ホストバス、104…ホストインターフェース、105…コマンド処理部、106…論理アドレス管理テーブル、107…記憶ディスク装置、108…ディスク制御装置、109…メモリカードスロット、110…メモリカードインターフェース、111…メモリカード、112…メモリカード識別情報、113…識別情報格納部、114…識別情報照合部、400…論理セクタアドレス、401…論理アドレス管理テーブル情報、402…インデックス、403…ホスト論理スタートセクタアドレス、404…ホスト論理エンドセクタアドレス、405…デバイス識別子、406…デバイス論理スタートセクタアドレス、701…メッセージウィンドウ、702…ロックアイコン、703…未装着アイコン、704…未登録アイコン、705…認証済みアイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が格納される記憶ディスク装置と、
メモリカードが装着されるスロットと、
前記メモリカードと前記ディスク装置上の論理アドレスを一元化して格納する為の論理アドレス管理テーブルと、
ホスト装置と情報の送受信を行うためのホストインターフェースと、
前記ホスト装置から前記ホストインターフェースを介して送られてくるコマンドに対応した処理を実行し、少なくとも上記記憶ディスク装置、メモリカード及び前記論理アドレス管理テーブルを制御するコマンド処理部と、
前記コマンド処理部の制御のもとで、前記スロットに装着されたメモリカードの識別を行い、予め登録されているメモリカードに対してのみ正常処理モードを前記コマンド処理部に通知するカード識別部と、
を有することを特徴とする記憶装置。
【請求項2】
前記カード識別部は、
前記メモリカードの第1の識別情報を格納する識別情報格納部と、
前記識別情報格納部に格納されている複数の第1の識別情報と前記スロットに装着された前記メモリカードの第2の識別情報とを照合し、照合結果を前記コマンド処理部に通知する識別情報照合部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
【請求項3】
前記コマンド処理部は、前記識別情報照合部から通知される前記照合結果に基づいて、前記ホスト装置からのコマンドを実行するか否かを判断する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
【請求項4】
前記コマンド処理部は、前記ホスト装置上での論理アドレスに対して、前記記憶ディスク装置と前記メモリカード上の論理アドレスとを結び付け一元化した論理アドレスを生成し、前記一元化した論理アドレスを論理アドレス管理テーブルに格納する論理アドレス管理テーブル作成部を有することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
【請求項5】
前記コマンド処理部は、前記ホスト装置上での論理アドレスに対して、前記記憶ディスク装置と前記メモリカード上の論理アドレスとを結び付け一元化した論理アドレスを生成し、前記一元化した論理アドレスにデバイス識別子を付けて前記論理アドレス管理テーブルに格納する手段を有することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
【請求項6】
情報が格納される記憶ディスク装置と、メモリカードが装着されるスロットと、前記メモリカードと前記ディスク装置上の論理アドレスを一元化して格納する為の論理アドレス管理テーブルと、ホスト装置と情報の送受信を行うためのホストインターフェースと、
前記ホスト装置から前記ホストインターフェースを介して送られてくるコマンドに対応した処理を実行し、少なくとも上記記憶ディスク装置、メモリカード及び前記論理アドレス管理テーブルを制御するコマンド処理部と、前記スロットに装着されたメモリカードの識別を行うカード識別部を有し、前記記憶ディスク装置及びメモリカードの記憶領域を管理する記憶領域管理方法において、
前記コマンド処理部及び前記カード識別部は、
前記予めメモリカードの第1の識別情報を格納し、
前記スロットに装着された前記メモリカードの第2の識別情報を読み取り、
前記第2の識別情報と第1の識別情報とを照合し、
前記照合結果を前記コマンド処理部へ通知し、
前記照合結果が一致した場合、前記ホスト装置から前記メモリカード及び前記記憶ディスク装置へのデータアクセスを許可し、
データを読み込む場合、前記ホスト装置より前記ホストインターフェースを介して送られてくる再生すべきデータの論理アドレスを、前記論理アドレス管理テーブルより検出し、
前記検出された論理アドレスより、実際にデータが記録されているデバイス上の論理アドレスを算出し、
前記算出された論理アドレスを含むデバイスにデータアクセスを行う、
ことを特徴とする記録領域管理方法。
【請求項7】
前記第1の識別情報格納する処理では、
前記メモリカードに識別情報が含まれていない場合、任意の識別情報を前記メモリカードの記憶領域に作成することを特徴とする請求項6記載の記録領域管理方法。
【請求項8】
前記データアクセスの許可処理では、
前記記憶ディスク上の記憶領域を前記メモリカードの識別情報と関連付け、前記メモリカードを装着した時のみ、前記関連付けられた記憶領域にアクセスできるようにすることを特徴とする請求項6記載の記録領域管理方法。
【請求項9】
前記データアクセスの許可処理では、
前記記憶領域と関連付けた識別情報は、他のメモリカードの識別情報と、アクセス可能な記憶領域を共有できることを特徴とする請求項6記載の記録領域管理方法。
【請求項10】
前記第1の識別情報格納処理では、
全ての識別情報の設定変更、及び記憶領域のアクセスを行うことができる主メモリカードを登録することができることを特徴とする請求項6記載の記録領域管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−156533(P2007−156533A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346772(P2005−346772)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】