記録装置、記録方法
【課題】ディスクにおいてユーザデータゾーンを使用してテスト記録などの調整を行うことを可能とし、調整精度の向上を図れる記録装置を提供する。
【解決手段】ユーザデータゾーンで記録テストを行うことを可能にするために、ユーザデータゾーンの一部を交替領域で交替して調整用領域である記録テスト用の領域として設定する。ユーザデータゾーンに設定される記録テスト用の領域としては、例えば光ディスクの領域が4倍速、6倍速、8倍速の記録速度で記録可能な3つのエリアに区分されている場合、4倍速と6倍速の速度変化点を含むエリアと、6倍速と8倍速の速度変化点を含むエリアに設定すればよい。これにより、4倍速、6倍速、8倍速の最適記録条件をそれぞれ記録テストで得られた実測値をもとに決めることが可能になる。
【解決手段】ユーザデータゾーンで記録テストを行うことを可能にするために、ユーザデータゾーンの一部を交替領域で交替して調整用領域である記録テスト用の領域として設定する。ユーザデータゾーンに設定される記録テスト用の領域としては、例えば光ディスクの領域が4倍速、6倍速、8倍速の記録速度で記録可能な3つのエリアに区分されている場合、4倍速と6倍速の速度変化点を含むエリアと、6倍速と8倍速の速度変化点を含むエリアに設定すればよい。これにより、4倍速、6倍速、8倍速の最適記録条件をそれぞれ記録テストで得られた実測値をもとに決めることが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の記録媒体に信号を記録する記録装置、記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータを記録・再生するための技術として、例えば、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)などの、光ディスクを記録メディアに用いたデータ記録技術がある。光ディスクには、例えばCD、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc−Read Only Memory)などとして知られているように再生専用タイプのものと、ミニディスク、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)、DVD−RW(Digital Versatile Disc−Rewritable)、DVD+RW(Digital Versatile Disc+Rewritable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc−Random Access Memory)などで知られているようにユーザデータが記録可能なタイプがある。
【0003】
記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
【0004】
更に近年、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:ソニー株式会社の登録商標)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、著しい大容量化が図られている。例えばこの高密度ディスクでは、波長405nmのレーザ(いわゆる青色レーザ)とNAが0.85の対物レンズの組み合わせという条件下でデータ記録再生を行うとし、トラックピッチ0.32μm 、線密度0.12μm/bitで、64KB(キロバイト)のデータブロックを1つの記録再生単位として、フォーマット効率約82%としたとき、直径12cmのディスクに23.3GB(ギガバイト)程度の容量を記録再生できる。
【0005】
また、同様のフォーマットで、線密度を0.112μm/bitの密度とすると、25GBの容量を記録再生できる。さらに、記録層を2層とすることにより、容量は上記の2倍の46.6GB、或いは50GBの大容量のディスクとすることができる。もちろん記録層を3,4,・・・,n層とすることにより、23.3GB、或いは25GBのn倍の大容量のディスクを実現できる。このような高密度ディスクにおいても、BD−R(Blu−ray Disc−Recordable)とよばれるライトワンス型やBD−RE(Blu−ray Disc−Rewritable)と呼ばれる書換可能型が開発されている。
【0006】
なお、本明細書ではユーザデータ記録可能なディスクにおいて、CD−R、DVD−R、BD−R等のライトワンス型のディスクを総称して「ライトワンスディスク」、CD−R W、DVD−RW、BD−RE等の書換可能型のディスクを総称して「リライタブルディスク」と呼ぶこととする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−280864号公報
【特許文献2】特開2007−272988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、データ記録可能な記録メディアでは、記録したRF信号を利用した調整や、試し書き記録の品質の確認は、ディスクの内外周の領域に用意されたテスト領域で行われる。また、ユーザエリアである中周領域で記録テストやチルト調整を行う方法としては、未記録のメディアにおいても信号を得られるトラッキングエラー信号(DPP信号)の振幅をみて行う方法がある。しかし、DPP信号の振幅をもとに得られた調整の最適点が実際のリード最適点と一致するとは限らないため、適宜補正した値を用いる必要がある。例えば、DPP信号の振幅をもとに得られた調整の最適点とRF信号のジッタ成分をもとに得られた最適点との相関を予め求めておき、この相関をもとにDPP最適点を補正する必要があり、調整に長い時間がかかるという問題がある。
【0009】
また、再生または記録しながら各種パラメータを追従させていく方法が考えられているが、収束迄に時間を要するため、その間の再生品質や記録品質が損なわれてしまう。再生ではリトライによるリカバリーが可能であるが、ライトワンスメディアへの記録の場合は、致命的となる。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、記録媒体においてユーザデータの記録が行われる領域を使用して良好な精度で調整を行うことのできる記録装置および記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る記録装置は、ユーザデータの記録が可能な記録領域と、前記記録領域における欠陥領域に交替される交替領域とを有するディスク状の記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記記録領域の一部を前記交替領域で交替して調整用領域として設定する設定手段と、前記調整用領域を用いて調整を行う調整手段とを具備する。本発明では、ユーザデータの記録が可能な記録領域を使用して調整を行うことができる。
【0012】
前記設定手段は、前記調整用領域として最適記録条件を求めるための記録テスト領域を設定する。これにより、記録媒体の中周部での記録テスト(試し書き)を行うことができ、記録媒体の全域に対して記録テストを行うことができる。
前記記録媒体の記録領域は記録速度が異なる複数の領域に区分され、前記設定手段は、前記記録速度が変化する点を含む領域に前記記録テスト領域を設定する。これにより、異なる記録速度に対する最適記録条件を求めることができる。
【0013】
また、前記設定手段は、前記調整用領域としてチルト調整のためのチルト調整用領域を設定することとしてもよい。これにより、記録媒体の中周部でのチルト調整のための情報が得られ、記録媒体の全域に対して良好な精度でチルト調整を行うことができる。
この場合、前記設定手段は、前記記録領域を均等に区分する間隔で前記チルト調整用領域を設定することがさらに望ましい。
前記調整手段は、より具体的には、前記チルト調整用領域に信号を記録し、これを再生した信号をもとにチルト調整のための情報を算出する。
【0014】
さらに、本発明の記録装置は、前記記録媒体からデータを再生する光ピックアップを含む再生手段をさらに有し、前記設定手段は、前記調整用領域として、再生中に前記光ピックアップを待機させる位置に相当するトレース領域を設定するものであってもよい。これにより、記録媒体に記録されたデータへの実質的なダメージを与えることなく、光ピックアップを記録領域上で待機させることが可能になる。光ピックアップを記録領域上で待機させることによって、平均的なシーク量を低減させることが可能になる。
また、平均的なシーク量をより一層低減するために、前記設定手段は、前記トレース領域を前記記録領域の中央部または略中央部に設定することとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、記録媒体においてユーザデータの記録が行われる領域を使用して調整を行うことができ、調整精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】記録テストの概要を説明する図である。
【図2】実施の形態のディスクドライブ装置の構成を示す図である。
【図3】ディスク1の領域構造を示す図である。
【図4】図3のディスク1の領域構造におけるプリレコーデッド情報領域PRと記録可能エリアの構造を示す図である。
【図5】DMAの構造を示す図である。
【図6】DMAの先頭に記録されるDDSの構成を示す図である。
【図7】ディフェクトリストDFLの構成を示す図である。
【図8】交替アドレス情報atiの構成を示す図である。
【図9】記録テストの動作手順を示すフローチャートである。
【図10】チルト調整の概要を説明する図である。
【図11】チルト角測定の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】トレース領域の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態としての記録装置であるディスクドライブ装置について説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
[1.交替システムを用いた記録テスト方式の概要]
本実施形態のディスクドライブ装置のディフェクト用の交替システムを用いた記録テスト方式の概要から説明する。
図1において、横軸はディスクの半径方向を示しており、左側はディスクの内周側、右側はディスクの外周側である。ディスクドライブ装置の回転数の制限により、記録速度は、ディスクの半径上の位置によって区分される複数のエリア毎に設定されているものとする。しかし、この点は必須の事項ではなく、記録速度がすべての領域において一定である場合にも、本実施形態の交替システムを用いた記録テスト方式は適用可能である。本実施形態では、ディスクの領域が基準の記録速度に対して4倍速、6倍速、8倍速の記録速度で記録可能な3つのエリアに区分されている場合を例とする。
【0019】
通常、記録テストは、ディスクの内周側と外周側に設けられたリードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0(図4参照)を使って行われる。したがって、図1の例では4倍速エリアを使った4倍速の記録テストと、8倍速エリアを使った6倍速と8倍速の記録テストを行うことが可能である。しかしながら、リードアウトゾーン内のテストライトエリアでの記録テストは、ディスクの内周側と外周側との往復シーク時間、反りの影響(チルト調整の採り残り分)、ディスクの表面状態(汚れ等)等の影響を受けやすいという難点がある。このため、リードインゾーン内のテストライトエリアOPCを使って4倍速の記録テストを実行し、その結果から6倍速、8倍速の調整結果を演算により求めることが多々行われる。
【0020】
本実施の形態のディスクドライブ装置では、リードインゾーンとリードアウトゾーンとの間のユーザデータゾーンで記録テストを行うことを可能にするために、ユーザデータゾーンの一部を交替領域で交替して調整用領域である記録テスト用の領域として設定する。ユーザデータゾーンに設定される記録テスト用の領域としては、例えばディスクの領域が4倍速、6倍速、8倍速の記録速度で記録可能な3つのエリアに区分されている場合、4倍速と6倍速の速度変化点を含むエリアと、6倍速と8倍速の速度変化点を含むエリアに設定すればよい。これにより、4倍速、6倍速、8倍速の最適記録条件をそれぞれ記録テストで得られた実測値をもとに決めることが可能になる。また、シーク時間の短縮、反りの影響の低減が可能となり、さらにディスクの表面状態による影響も解消される。
【0021】
以下、本実施形態のディスクドライブ装置と交替システムを用いた記録テスト方式について、より詳細に説明する。
【0022】
[2.ディスクドライブ装置]
まず、本実施の形態のディスクドライブ装置10の構成を説明する。
図2は、実施の形態のディスクドライブ装置10の構成を示す図である。
記録メディアであるディスク1は、例えばBD−R、BD−RE等のライトワンスディスクやリライタブルディスクを想定している。ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって例えば一定線速度(CLV:Constant Linear Velocity)で回転駆動される。
【0023】
そしてデータ記録時には光学ピックアップ(光学ヘッド)51によって、ディスク1上に形成されたトラックにデータが色素変化ピットマーク又はフェイズチェンジマークとして記録され、再生時にはピックアップ51によって記録マークの読出が行われる。
【0024】
またディスク1上ではスパイラル状に形成されたグルーブ(溝)によって記録トラックが形成されるが、このグルーブが情報の変調信号に基づいてウォブリング(蛇行)された状態に形成されていることで再生専用のADIP(Address in Pregroove)情報が記録されている。そして、このADIP情報も光学ピックアップ51によって読み出される。さらに、ディスク1上には、再生専用の管理情報として例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報も光学ピックアップ51によって読み出される。
【0025】
光学ピックアップ51内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系(図示せず)が設けられている。レーザダイオードは、例えば波長405nmのいわゆる青色レーザを出力する。また光学系によるNAは0.85である。
【0026】
光学ピックアップ51内において対物レンズは、3軸アクチュエータにより光軸方向(フォーカス方向)、ディスク半径方向(トラッキング方向)、およびチルト方向へ移動可能に保持されている。ここで、チルト方向とは、ディスク1のラジアル方向のチルト方向であり、換言すれば、フォーカス方向及びトラッキング方向に直交するタンジェンシャル方向を軸とする軸回り方向である。また、光学ピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0027】
光学ピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
【0028】
ディスク1からの反射光情報は、光学ピックアップ51内のフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路54に供給される。マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば、再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
【0029】
ところで、上記の3軸アクチュエータは、例えば、複数のトラッキングコイルと4つのフォーカスコイルなどで構成される。フォーカスコイルは、対物レンズの光軸の位置からトラッキングの+方向と−方向にそれぞれ均等な距離だけずれた2つの位置で、対物レンズをタンジェンシャル方向で挟んで互いに対向するように配置されている。ここで、対物レンズをタンジェンシャル方向で挟んで互いに対向する関係にある2つのフォーカスコイルどうしを「駆動フォーカスコイルペア」と呼ぶ。すなわち、光ピックアップ51には、駆動フォーカスコイルペアが2つ設けられている。これら2つの駆動フォーカスコイルペアによって発生される2つのフォーカス方向の駆動力により、対物レンズはフォーカス方向に駆動される。そして、これら2つの駆動フォーカスコイルペアによって発生される2つのフォーカス方向の駆動力に差分を設けることによって、対物レンズに対してチルト方向への駆動力が付与されて、チルト角の調整が行われる。
【0030】
さらに、マトリクス回路54は、グルーブのウォブリングに係る信号、すなわちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。なお、マトリクス回路54は、光学ピックアップ51内に一体的に構成される場合もある。マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、プッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
【0031】
リーダ/ライタ回路55は、再生データ信号に対して2値化処理、PLLによる再生クロックの生成処理等を行い、光学ピックアップ51により読み出されたデータを再生して、変復調回路56に供給する。変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。変復調回路56は、再生時のデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードを復調する処理を行う。また、ECCエンコーダ/デコーダ57は、記録時には、エラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理とを行う。再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。ECCエンコーダ/デコーダ57で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ60の指示に基づいて、読み出され、接続された機器、例えばAV(Audio−Visual)システム120に転送される。
【0032】
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号は、ウォブル回路58において処理される。ADIP情報としてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ59に供給される。アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ60に供給する。
また、アドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
【0033】
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号として、プリレコーデッド情報PICとしてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてバンドパスフィルタ処理が行われてリーダ/ライタ回路55に供給される。そして2値化され、データビットストリームとされた後、ECCエンコーダ/デコーダ57でECCデコード、デインターリーブされて、プリレコーデッド情報としてのデータが抽出される。抽出されたプリレコーデッド情報はシステムコントローラ60に供給される。システムコントローラ60は、読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、各種動作設定処理やコピープロテクト処理等を行うことができる。
【0034】
記録時には、AVシステム120から記録データが転送されてくる。記録データはECCエンコーダ/デコーダ57内のメモリに送られてバッファリングされる。この場合ECCエンコーダ/デコーダ57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。ECCエンコードされたデータは、変復調回路56において例えばRLL(1−7)PP方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity Preserve/Prohibitrmtr(repeated minimum transition runlength))の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックとして、上述したようにウォブル信号から生成したクロックが用いられる。
【0035】
エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路55で記録補償処理として、記録層の特性、レーザ光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われた後、レーザドライブパルスとしてレーザドライバ63に送られる。レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスを光学ピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピットが形成されることになる。
【0036】
なお、レーザドライバ63は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、光学ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニタしながらレーザの出力が温度などによらず一定になるように制御される。記録時及び再生時のレーザ出力の目標値はシステムコントローラ60から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御される。
【0037】
サーボ回路61は、マトリクス回路54からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。すなわち、サーボ回路61は、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、光学ピックアップ51内の3軸アクチュエータのフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動する。これによって光学ピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、トラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0038】
また、サーボ回路61にはチルト補正演算部が設けられている。サーボ回路61内のチルト補正演算部は、2つの駆動フォーカスコイルペアにそれぞれ供給されるフォーカス制御信号に対して、システムコントローラ60から与えられたチルト設定値に対応する差分を付与する。これにより、チルト設定値に相当する差分が付与された2つのフォーカス制御信号が3軸アクチュエータ内の2つの駆動フォーカスコイルペアに供給され、対物レンズがチルト方向に駆動されてチルト調整が行われる。
【0039】
また、サーボ回路61は、システムコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
【0040】
また、サーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53は、光学ピックアップ51を保持し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで光学ピックアップ51をディスクの半径方向に移動させる。
【0041】
スピンドルサーボ回路62はスピンドルモータ52をCLV回転させる制御を行う。スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。また、データ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ52のCLV回転を実行させる。また、スピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ52の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0042】
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はシステムコントローラ60により制御される。システムコントローラ60は、AVシステム120からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
【0043】
例えば、AVシステム120から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ60は、まず書き込むべきアドレスに光学ピックアップ51を移動させる。そしてECCエンコーダ/デコーダ57、変復調回路56により、AVシステム120から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにリーダ/ライタ回路55からのレーザドライブパルスがレーザドライバ63に供給されることで、記録が実行される。
【0044】
また、例えばAVシステム120から、ディスク1に記録されている或るデータ(MPEG2ビデオデータ等)の転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。すなわちサーボ回路61に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光学ピックアップ51のアクセス動作を実行させる。その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。すなわちディスク1からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECCエンコーダ/デコーダ57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
【0045】
ところで、この図2のディスクドライブ装置の構成例は、AVシステム120に接続されるディスクドライブ装置の例としたが、本発明のディスクドライブ装置としては例えばパーソナルコンピュータ等と接続されるものとしてもよい。さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられた形態や、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
【0046】
[3.ディスクの管理情報]
次に、ディスク1の領域構造及び管理情報について説明する。ここではブルーレイディスクとしてのライトワンスディスクやリライタブルディスクの例を挙げる。
ディスク1の直径は120mm、ディスク厚は1.2mmである。すなわち、外形的に見ればCD方式のディスクや、DVD方式のディスクと同様である。そして記録/再生のためのレーザとして、いわゆる青色レーザが用いられ、また光学系が高NA(例えばNA=0.85)とされること、さらには狭トラックピッチ(例えばトラックピッチ=0.32μm)、高線密度(例えば記録線密度0.12μm)を実現することなどで、直径12cmのディスクにおいて、ユーザデータ容量として1つの記録層で23G−25Gバイト程度を実現している。本例のディスク1には、記録層が1層の1層ディスクと、記録層が2層、3層・・・の多層ディスクがある。
【0047】
図3はディスク1の領域構造を示す図である。ディスク1上の領域は、内周側よりリードインゾーン、ユーザデータゾーン、リードアウトゾーンからなる。リードインゾーンは、内周側よりBCA(Burst Cutting Area)、プリレコーデッド情報領域PR、管理/制御情報領域からなる。ここで、BCAおよびプリレコーデッド情報領域PRは再生専用エリアであり、リードインゾーン内の管理/制御情報領域からリードアウトゾーンまでが、ディスクドライブ装置10によって情報記録可能な記録可能エリアである。
【0048】
リードインゾーンの最内周のBCAは、例えば高出力のレーザで記録層を焼ききる記録方式により、半径方向にバーコード上の信号を記録する。これによりディスク1枚1枚にユニークなIDが記録される。そしてこのユニークIDにより、ディスク1へのコンテンツのコピーを管理するようにしている。
【0049】
BCAを除いた再生エリア、つまりプリレコーデッド情報領域PRと、記録可能エリアの全域には、ウォブリンググルーブ(蛇行された溝)による記録トラックがスパイラル状に形成されている。グルーブはレーザスポットによるトレースの際のトラッキングのガイドである。このグルーブを記録トラックとしてデータの記録再生が行われる。
なお本例では、グルーブにデータ記録が行われる光ディスクを想定しているが、本発明はこのようなグルーブ記録の光ディスクに限らず、グルーブとグルーブの間のランドにデータを記録するランド記録方式の光ディスクに適用してもよいし、また、グルーブ及びランドにデータを記録するランドグルーブ記録方式の光ディスクにも適用することも可能である。
【0050】
また記録トラックとされるグルーブは、ウォブル信号に応じた蛇行形状となっている。ディスクドライブ装置は、レーザスポットを記録トラックに沿って移動させる際にグルーブに照射したレーザスポットの反射光からそのグルーブの両エッジ位置を検出し、その両エッジ位置のディスク半径方向に対する変動成分を抽出することによりウォブル信号を再生する。このウォブル信号には、その記録位置における記録トラックのアドレス情報(物理アドレスやその他の付加情報等:ADIP情報)が変調されている。ディスクドライブ装置は、このウォブル信号から上記のアドレス情報等を復調することによって、データの記録や再生の際のアドレス制御等を行う。さらに、ADIP情報には、ディスクの物理フォーマット情報が含まれる。ディスクの物理フォーマット情報としては、ディスクの種別、サイズなどがある。これによりディスクドライブ装置10は、装填されたディスクの種別、サイズの判別を行う。
【0051】
データゾーンは、実際にユーザデータが記録される再生されるエリアである。データゾーンには、パーソナルコンピュータユース等において、ディフェクト等により記録再生できない部分が存在した場合にその記録再生できない部分(セクタ、クラスタ)を交替する交替領域が設定される。また、ライトワンスメディアは物理的にデータ書換を行うことができないが、交替処理を利用してデータ書換を行うことが可能である。交替領域は、データエリアの最内周側にISA(Inner Spare Area)として設けられ、またデータエリアの最外周側にOSA(Outer Spare Area)として設けられる。
【0052】
データゾーンの外周側には、リードアウトゾーンが設けられている。このリードアウトゾーンは、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとして使われる。なお、リードアウトゾーンには、リードインゾーンと同様に後述するDMA(Disc Management Area)の情報が記録されるようにしてもよい。
【0053】
このような1層ディスクに対するディスクドライブ装置による記録再生は、内周から外周の方向に行われる。記録再生密度は、たとえば、トラックピッチ0.32μm、線密度0.12μm/bitとされる。そしてユーザデータ64KBを1クラスタとし、このユーザデータの1クラスタを単位て記録再生が行われる。ユーザデータを記録再生するデータゾーンは355603クラスタからなる。従ってユーザデータの記録容量は、64KB× 355603=約23.3GBである。
【0054】
図4は、図3のディスク1の領域構造におけるプリレコーデッド情報領域PRと記録可能エリアの構造を示す図である。同図に示すように、再生エリアにおけるプリレコーデッド情報領域PRには、PIC(Permanent Information & Calibration)情報として、あらかじめ記録再生レーザパワー条件やレーザ駆動パルス波形条件等のディスク記録条件の推奨情報や、コピープロテクションにつかう情報等がウォブリンググルーブによって記録されている。なお、これらのPIC情報はエンボスピット等により記録されてもよい。
【0055】
管理/制御情報領域には、内周から順に、インフォメーションエリアInfo2、テストライトエリアOPC0、TDMA0、インフォメーションエリアInfo1が配置される。テストライトエリアOPC0は記録/再生時のレーザパワー等、記録マークの記録再生条件を設定する際の試し書きなどに使われる。
【0056】
インフォメーションエリアInfo2は、リザーブ領域、DMA2、コントロールデータ(Control Data2)、バッファからなる。
【0057】
インフォメーションエリアInfo1は、プリライトエリア(Pre−Write Area)、ドライブエリア(Drive Area)、DMA1、コントロールデータ(Control Data1)、バッファからなる。ドライブエリアには、データゾーンに交替領域として設定された領域をテストライトエリアとして使用することが可能である。その詳細については後で説明する。
【0058】
インフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのコントロールデータ(Control Data1、Control Data2)には、ディスクタイプ、ディスクサイズ、ディスクバージョン、層構造、チャンネルビット長、BCA情報、転送レート、データゾーン位置情報、記録線速度、記録/再生レーザパワー情報などが、各エリアに同一に記録される。ここで、記録線速度の情報は、記録可能エリア内で半径位置によって区分されるゾーン毎の最適値である。従って、記録線速度の情報は、各ゾーンの位置を示す情報と対応付けて複数記録されている。例えば、4倍速で記録可能なゾーン、6倍速で記録可能なゾーン、8倍速で記録可能なゾーンが存在する場合に、各々のゾーンの位置と記録線速度の情報とが対応付けて記録される。
【0059】
インフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのDMA(DMA1,DMA2)には、欠陥交替や論理的な書換等を管理する交替管理情報、さらには記録に伴う領域の使用状況、各エリアのアドレスなどを管理する情報が記録される。2つのDMA(DMA1,DMA2)には同一内容の情報が記録される。
【0060】
なお、DMAは欠陥箇所の交替管理のみではなく、このライトワンス型ディスクにおいて論理的にデータ書換を実現するための管理情報も記録できる。このためDMAを「Disc Management Area」として呼ぶこととしている。
【0061】
ライトワンスディスクにおいて交替処理を利用して欠陥管理やデータ書換を可能にするためには、データ書換等に応じてDMAの内容も更新される。このためライトワンスディスクには、TDMA0(テンポラリディスクマネジメントエリア:Temporary Disc Management Area)が設けられる。
【0062】
すなわち、DMAに記録すべき交替管理情報は、当初はTDMA0を用いて記録され、またデータ書換や欠陥による交替処理が発生することに応じて、交替管理情報がTDMAに追加記録されていく形で更新されていく。従って、例えばディスクをクローズ(=ファイナライズ)するまでは、DMAは使用されず、TDMAにおいて交替管理が行われる。ライトワンスディスクは、最終的にクローズ処理が行われ、それ以降は記録ができないものとなるが、このクローズの時点においてTDMAに記録されている最新の交替管理情報が、DMAに記録され、DMAによる交替管理が可能となる。一方、リライタブルディスクの場合は、記録に応じてDMAが書き換えられればよいため、TDMAとしての領域は用意されない。なお、DMAに記録すべき交替管理情報の詳細については後で説明する。
【0063】
インフォメーションエリアInfo2におけるバッファは、コントロールデータ(Control Data2)とテストライトエリアOPC0を物理的に離すためのバッファ領域である。インフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアには、ディスクの最適な記録再生条件が記録される。光ディスクドライブ装置は、ディスクの最適な記録再生条件を決定してインフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアに記録する。そして以後、光ディスクドライブ装置は、記録再生前にインフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアから記録再生条件を読み込み、その条件に従って記録再生を行うことが可能とされている。
【0064】
また、ワイトワンスディスクの場合、インフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアにはドライブIDが記録される。ドライブIDは、ディスクドライブ装置の機種毎の識別情報である。すなわちディスク1に対して記録を行ったディスクドライブ装置は、自己のメーカ名や機種名を示すコードをドライブIDとして記録する。より具体的にはドライブIDは、製造者名、機種名、ファームウエアバージョンなどを含む記録装置識別情報であり、過去に記録が行われたディスク1のドライブエリア内には、ドライブIDとして、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の履歴が残されることになる。つまりドライブIDを確認すれば、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の機種を判別できる。
【0065】
なお、リライタブルディスクの場合、インフォメーションエリアInfo1におけるPACに、ドライブIDと同様のレコーダIDを記録する領域が用意されている。すなわち、リライタブルディスクとしてのディスク1に対して記録を行ったディスクドライブ装置は、自己のメーカ名や機種名を示すコードをレコーダIDとして記録する。
より具体的にはレコーダIDは、製造者名、機種名、追加識別情報を含む記録装置識別情報であり、過去に記録が行われたディスク1内には、このレコーダIDとして、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の履歴が残されることになる。つまりレコーダIDを確認すれば、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の機種を判別できる。
【0066】
次に、DMAの構成を説明する。
図5は、DMAの構造を示す図である。
DMAにおいて、クラスタ番号1−4の4クラスタの区間にはDDS(Disc Definition Structure)としてディスクの詳細情報が記録される。
【0067】
クラスタナンバ5−32の28クラスタ区間は4クラスタ毎に分けられ、それぞれディフェクトリストDFLの記録領域(DFL#1−#7)として設定される。ディフェクトリストDFLとは、ディスク欠陥位置と交替領域内の位置とのペアからなる一連のリストである。本例のように、ライトワンスディスクであるディスク1に対して記録が行われる場合、ファイナライズ時に、クラスタナンバ5−32の7つのディフェクトリストDFLの記録領域(DFL#1−#7)に全て同じリストが記述される。
【0068】
図6は、DMAの先頭に記録されるDDSの構成を示す図である。
図6ではDDSの先頭バイトをバイト0として示している。バイト数は各データ内容のバイト数を示す。
【0069】
バイト位置0−1の2バイトは、DDSのクラスタであることを認識するためのDDS識別子(DDS Identifier)=「DS」である。バイト位置2の1バイトは、DDS型式番号(フォーマットのバージョン)である。バイト位置4−7の4バイトは、DDSの更新回数を示す。なお、本例ではDMA自体はファイナライズ時に交替管理情報が書き込まれるものであった更新されるものではなく、交替管理情報の更新はTDMAにおいて行われる。したがって、最終的にファイナライズされる際に、TDMAにおいて行われたDDS(TDDS:テンポラリDDS)の更新回数が当該バイト位置4−7に記録される。
【0070】
バイト位置16−19の4バイトは、DMA内のドライブエリアの先頭物理セクタアドレス(AD−DRV)である。バイト位置24−27の4バイトは、DMA内のディフェクトリストDFLの先頭物理セクタアドレス(AD−DFL)である。バイト位置32−35の4バイトは、データゾーンにおけるユーザデータ領域の先頭位置、つまりLSN(Logical Sector Number:論理セクタアドレス)"0"の位置をPSN(Phisical Sector Number:物理セクタアドレス)によって示したものである。
【0071】
バイト位置36−39の4バイトは、データゾーンにおけるユーザデータゾーンの終了位置をLSN(論理セクタアドレス)によって示したものである。バイト位置40−43の4バイトは、データゾーンにおける交替領域のサイズである。バイト位置44−47の4バイトは、データゾーンにおける第2の交替領域のサイズである。バイト位置48−51の4バイトは、データゾーンにおけるISAのサイズである。
【0072】
バイト位置52の1バイトは、交替領域Aを使用してデータ書換が可能であるか否かを示す交替領域使用可能フラグである。交替領域使用可能フラグは、ISA又はOSAが全て使用された際に、それを示すものとされる。これら以外のバイト位置はリザーブ(未定義)とされ、全て00hとされる。
【0073】
このように、DDSはユーザデータ領域のアドレスとISA、OSAのサイズ、及び交替領域使用可能フラグを含む。つまりDDSは、データゾーンにおけるISA、OSAの領域管理を行う管理/制御情報である。
【0074】
図7は、ディフェクトリストDFLの構成を示す図である。ここではバイト位置として、4クラスタのディフェクトリストDFLにおける各データ内容のデータ位置を示している。なお、1クラスタ=32セクタ=65536バイトであり、1セクタ=2048バイトである。バイト数は各データ内容のサイズとしてのバイト数を示す。
【0075】
ディフェクトリストDFLの先頭の64バイトはディフェクトリスト管理情報である。このディフェクトリスト管理情報には、ディフェクトリストのクラスタであることを認識する情報、バージョン、ディフェクトリスト更新回数、ディフェクトリストのエントリ数などの情報が記録される。バイト位置64以降は、ディフェクトリストのエントリ内容として、各8バイトの交替アドレス情報atiが記録される。そして有効な最後の交替アドレス情報ati#Nの直後には、交替アドレス情報終端としてのターミネータ情報が8バイト記録される。このディフェクトリストDFLでは、交替アドレス情報終端以降、そのクラスタの最後までが00hで埋められる。
【0076】
図8は、交替アドレス情報atiの構成を示す図である。交替アドレス情報atiは8バイト(64ビット)で構成される。各ビットをビットb63−b0として示す。ビットb63−b60には、エントリのステータス情報(status 1)が記録される。ここで、ステータス情報「0000」は、ディフェクト用の交替処理エントリを示す。また、本実施形態では、ディフェクト用の交替領域が記録テスト用としても使用されるため、記録テスト用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報が記録される場合もある。ビットb59−b32には、交替元クラスタの最初の物理セクタアドレスPSNが記録される。ビットb31−b28はリザーブである。ビットb27−b0には、交替先クラスタの先頭の物理セクタアドレスPSNが記録される。
【0077】
以上のような構造の交替アドレス情報atiが1つのエントリとして、図6に示したディフェクトリストDFLに登録される。
【0078】
[4.動作の説明]
次に、本実施形態のディスクドライブ装置において、ディスクのユーザデータゾーンを使用して記録テストを行う時の動作を説明する。
図9は、かかる記録テストの動作手順を示すフローチャートである。
【0079】
ディスク1が装填されたら、まずシステムコントローラ60はディスク記録再生のための立ち上げ処理を行う。即ちスピンドルモータ52の起動及び整定、レッド位置制御、ピックアップにおけるフォーカスサーチ、フォーカスサーボオン、トラッキングサーボオン等の動作を実行させ、ウォブル信号に変調されたADIP情報からディスク1の物理フォーマット情報を復調することによって、装填されたディスク1の種別を判別する(ステップS101)。
【0080】
ここで、判定されたディスクの種別が、本方式の記録テストに対応可能なディスク、例えばBD−R、BD−RE等のライトワンスディスクやリライタブルディスクである場合、システムコントローラ60は、記録テストのための次の処理へ移行する。また、判定されたディスクの種別が、その他の種別のディスク(読み取り専用BDなどの記録不可ディスク)である場合には記録テストを終了し、例えば、ディスクを排出するなどの処理を実行する。
【0081】
記録テストに進む場合、システムコントローラ60は、続いて当該ディスクがフォーマット済みであるかどうかを判定する(ステップS102)。この判定は、図3に示したディスクの領域構造の有無を調べることなどによって行われる。ここで、リードインゾーンにおけるBCAおよびプリレコーデッド情報領域PRは再生専用エリアであり、フォーマットされていないディスクには再生専用エリアしか設けられていない。ディスクがフォーマット済みでない場合、システムコントローラ60は、AVシステム120からのフォーマット命令の発行を待つ(ステップS112)。AVシステム120からのフォーマット命令を受けたなら、システムコントローラ60は、図3に示したディスクの領域構造を形成するフォーマット処理を行う(ステップS112)。
【0082】
システムコントローラ60は、ステップS102で、装填されたディスク1がフォーマット済みであることを判定した場合、当該ディスク1の管理/制御情報領域内の2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのDMA(DMA1,DMA2)のいずれかと、インフォメーションエリアInfo2内のドライブエリアの情報を確認する(ステップS103)。そして、システムコントローラ60は、この確認した結果をもとに次のように判定を行う。
【0083】
まず、2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2におけるDMA(DMA1,DMA2)の有無を判定する(ステップS104)。ディフェクト領域の交替処理を禁止する条件でフォーマットされたディスクの場合、インフォメーションエリアInfo1、Info2にDMAが設定されない。したがって、この場合にはステップS104で"DMA無し"が判定される。この場合、システムコントローラ60は、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0を使った通常の記録テストを行うように制御する(ステップS111)。ステップS104で"DMA有り"が判定された場合、システムコントローラ60は、テスト記録のための次のステップS105に移行する。
【0084】
ステップS105では、システムコントローラ60は、インフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDをもとに、当該ディスク1が本ディスクドライブ装置10によって記録が行われたディスク1かどうかを判定する。今回はじめて本ディスクドライブ装置10に装填されたディスク1である場合、ドライブエリアのドライブIDは本ディスクドライブ装置10に割り当てられたドライブIDと一致しない。この場合、当該ディスク1に対して以前に本ディスクドライブ装置10以外の装置によって記録が行われたことを示し、システムコントローラ60はステップS109へ移行する。
【0085】
ステップS109では、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLに空きがあるかどうかを判定する。空きが無ければ、システムコントローラ60はユーザデータゾーン内の領域を記録テスト用に使用することは不可であるとして、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0を使った通常の記録テストを行うように制御する(ステップS111)。ディフェクトリストDFLに空きがある場合、システムコントローラ60(設定手段)はディフェクトリストDFLに、記録テスト用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内の記録テスト用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、記録テスト用のエントリとして登録する(ステップS110)。この後、システムコントローラ60はステップS107へ移行する。
【0086】
一方、ステップS105の判定でインフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDと本ディスクドライブ装置10のドライブIDとが一致することが判定された場合、以前に本ディスクドライブ装置10によって記録(テスト記録を含む)が行われたディスク1であることを示す。この場合、以前に記録テストが行われたかどうかを知るために、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLに記録テスト用のエントリが登録されているかどうかを、各エントリのステータス情報を参照して調べる(ステップS106)。記録テスト用のエントリが登録されていないなら、まだ、当該ディスクに対して記録テストが行われていないことを示す。したがって、この場合、システムコントローラ60は、ディフェクトリストDFLに、記録テスト用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内の記録テスト用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、記録テスト用のエントリとして登録する(ステップS110)。この後、システムコントローラ60はステップS107へ移行する。
【0087】
ステップS107で、システムコントローラ60(調整手段)は、ディフェクトリストDFLに記録テスト用のエントリとして登録された内容(ユーザデータゾーン内の記録テスト用の領域の位置)をもとに、その記録テスト用の領域を使用して記録テストを実行するように制御する(ステップS107)。そして、システムコントローラ60は、この記録テストで得たデータをもとに、記録再生レーザパワー条件やレーザ駆動パルス波形条件等の最適記録条件を演算し、その結果をインフォメーションエリアInfo1のドライブエリアに記録する(ステップS108)。
【0088】
以上により、ユーザデータゾーンでの記録テストを行うことを可能になる。すなわち、例えば、図1においてディスクの中周部での記録テストを行うことができ、ディスクの半径上の全域に対してテスト記録を行うことができる。
【0089】
<第2の実施形態>
[1.交替システムを用いたチルト調整方式の概要]
次に、本発明に係る第2の実施形態として、ディフェクト用の交替システムを用いてチルト調整を行う方式を説明する。
図10は、そのチルト調整の概要を説明する図である。同図において、横軸は光ディスクの半径方向を示しており、左側はディスクの内周側、右側はディスクの外周側である。同図に示すディスクの場合、内周部と中周部には顕著な反りがないにも拘わらず外周部が大きく反っている。通常、チルト調整は、ディスクの内周側と外周側に設けられたリードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0にチルト角測定用の信号を記録し、それを再生した信号(RF信号など)に含まれるジッタ量などを測定することによって行われる。その際、ディスクの中周部でのチルト角は内周部と外周部で得られたチルト角から直線補間により求められていた。したがって、図10のように、外周部でのみ大きく反ったディスクの場合、ディスク全体の正確なチルト角が得られない。
【0090】
本実施の形態のディスクドライブ装置では、リードインゾーンとリードアウトゾーンとの間のユーザデータゾーンを使用してチルト角の測定を行うことを可能にするために、ディフェクト用の交替領域をチルト調整用としても使用することを可能としている。ユーザデータゾーンに設定されるチルト調整用の領域は1以上であればよいが、図10の例では、A,B,Cの3箇所に設定する場合を示している。また、ユーザデータゾーンに設定されるチルト調整用の領域A,B,Cはリードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0と合わせて、ディスクの半径を均等に区分するような位置に設定されることが、チルト調整の精度上望ましい。さらに、チルト調整用の領域の数は多いほどチルト調整の精度上望ましい。
なお、ディスクの半径方向の全域のチルト角を測定するために、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0もこれまで通りチルト角測定に使用することが望ましい。
【0091】
本実施形態のディスクドライブ装置の構成は図2に示した第1の実施形態のディスクドライブ装置と同じであるため説明を省略する。
【0092】
ディスクの管理情報については、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
ディフェクトリストDFLにおいて、エントリのステータス情報としては、チルト角測定用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報の記録が可能である。
また、インフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアには、チルト角測定結果をもとに演算されたチルト調整情報を記録することが可能とされている。光ディスクドライブ装置は、記録再生前にインフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアからチルト調整情報を読み込み、これに従ってチルト調整を行いながら記録再生を行うことが可能である。
【0093】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態のディスクドライブ装置において、ディスクのユーザデータゾーンを使用してチルト角測定を行う時の動作を説明する。
図11は、かかるチルト角測定の動作手順を示すフローチャートである。
【0094】
ディスク1が装填されたら、まずシステムコントローラ60はディスク記録再生のための立ち上げ処理を行う。即ちスピンドルモータ52の起動及び整定、レッド位置制御、ピックアップにおけるフォーカスサーチ、フォーカスサーボオン、トラッキングサーボオン等の動作を実行させ、ウォブル信号に変調されたADIP情報からディスクの物理フォーマット情報を復調することによって、装填されたディスクの種別を判別する(ステップS201)。
【0095】
ここで、判定されたディスクの種別が、本方式のチルト角測定に対応可能なディスク1、例えばBD−R、BD−RE等のライトワンスディスクやリライタブルディスクである場合、システムコントローラ60は、チルト角測定のための次の処理へ移行する。また、判定されたディスクの種別が、その他の種別のディスク(読み取り専用BDなどの記録不可ディスク)である場合にはチルト角測定を終了し、例えば、ディスクを排出するなどの処理を実行する。
【0096】
チルト角測定に進む場合、システムコントローラ60は、続いて当該ディスク1がフォーマット済みであるかどうかを判定する(ステップS202)。ディスクがフォーマット済みでない場合、システムコントローラ60は、AVシステム120からのフォーマット命令の発行を待つ(ステップS202)。AVシステム120からのフォーマット命令を受けたなら、システムコントローラ60は、図3に示したディスクの領域構造を形成するフォーマット処理を行う(ステップS214)。
【0097】
システムコントローラ60は、ステップS202で、装填されたディスクがフォーマット済みであることを判定した場合、当該ディスクの管理/制御情報領域内の2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのDMA(DMA1,DMA2)のいずれかと、インフォメーションエリアInfo2内のドライブエリアの情報を確認する(ステップS203)。そして、システムコントローラ60は、この確認した結果をもとに次のように判定を行う。
【0098】
まず、2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2におけるDMA(DMA1,DMA2)の有無を判定する(ステップS204)。ディフェクト領域の交替処理を禁止する条件でフォーマットされたディスク1の場合、インフォメーションエリアInfo1、Info2にDMAが設定されない。したがって、この場合にはステップS204で"DMA無し"が判定される。この場合、システムコントローラ60は、本方式以外のチルト調整を行うように制御する(ステップS213)。ステップS204で"DMA有り"が判定された場合、システムコントローラ60は、本方式のチルト角測定のための次のステップS205に移行する。
【0099】
ステップS205では、システムコントローラ60は、インフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDをもとに、当該ディスクが本ディスクドライブ装置10によって記録が行われたディスク1かどうかを判定する。今回はじめて本ディスクドライブ装置10に装填されたディスク1である場合、ドライブエリアのドライブIDは本ディスクドライブ装置10に割り当てられたドライブIDと一致しない。この場合、当該ディスク1に対して以前に本ディスクドライブ装置10以外の装置によって記録が行われたことを示し、システムコントローラ60はステップS210へ移行する。
【0100】
ステップS210では、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLに空きがあるかどうかを判定する。空きが無ければ、システムコントローラ60はユーザデータゾーン内の領域をチルト角測定用に使用することは不可であるとして、本方式以外のチルト調整を行うように制御する(ステップS213)。ディフェクトリストDFLに空きがある場合、システムコントローラ60(設定手段)はディフェクトリストDFLに、本方式のチルト角測定用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、チルト角測定用のエントリとして登録する(ステップS211)。ここで、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域はディスクの少なくとも一周分確保されるものとする。この後、システムコントローラ60は、設定されたユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域にチルト調整用の信号を記録し(ステップS212)、ステップS208へ移行する。
【0101】
一方、ステップS205の判定でインフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDと本ディスクドライブ装置10のドライブIDとが一致することが判定された場合、以前に本ディスクドライブ装置10によって記録(チルト角測定用の信号記録を含む)が行われたディスク1であることを示す。この場合、以前にチルト角測定用が行われたかどうかを知るために、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLにチルト角測定用のエントリが登録されているかどうかを、各エントリのステータス情報を参照して調べる(ステップS206)。チルト角測定用のエントリが登録されていないなら、まだ、当該ディスク1に対してチルト角測定用の信号記録が行われていないことを示す。したがって、この場合、システムコントローラ60は、ディフェクトリストDFLに、本方式のチルト角測定用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、チルト角測定用のエントリとして登録する(ステップS211)。
【0102】
また、ステップS206で、ディフェクトリストDFLにチルト角測定用のエントリが登録されていることが判定された場合、システムコントローラ60は、そのチルト角測定用の領域にチルト角測定用の信号が記録されているかどうかを調べる(ステップS207)。この結果、記録されていなければ、システムコントローラ60は、そのチルト角測定用の領域にチルト角測定用の信号を記録し(ステップS212)、ステップS208へ移行する。チルト角測定用の信号が記録されているなら、システムコントローラ60はそのままステップS208へ移行する。
【0103】
ステップS208では、システムコントローラ60(調整手段)は、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域に記録された信号を再生し、この再生信号(RF信号など)に含まれるジッタ量などをもとにしてチルト角を測定するように制御を行う。そしてシステムコントローラ60は、チルト角の測定結果をもとにチルト調整量を演算する(ステップS208)。この際、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0を使用して得られた、ディスク内外周部それぞれのチルト角の測定結果と、本フローに従ってユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域で得られたディスク中周部のチルト角の測定結果とから、ディスク1の半径位置にそれぞれ対応したチルト調整量を算出することで、ディスク1の半径上の全域に対して良好な精度のチルト調整量が得られる。最後に、システムコントローラ60は、得られたチルト調整量をインフォメーションエリアInfo1のドライブエリアに記録する(ステップS209)。
【0104】
<変形例1>
以上、調整用記録領域が記録テスト領域、チルト調整用領域である場合の実施形態について説明したが、調整用記録領域をトレース領域として用いるようにしてもよい。トレース領域とは、再生中に次のシーク命令が発生するまで光学ピックアップ51を待機させるための場所である。再生モードにおいては光学ピックアップ51からディスクに対して読み取り用のレーザが照射されており、待機中に長時間ディスク上の同じ位置を照射することによって記録層の状態が変化するおそれがある。そこで、ユーザデータゾーンの一部を交替領域で交替してトレース領域として設定することで、ディスクに記録されたデータへの実質的なダメージを与えることなく、光学ピックアップ51を待機させることが可能になる。
【0105】
図12に示すように、ユーザデータゾーンにおけるトレース領域70の位置としては、平均的なシーク量が最小となるように、ユーザデータゾーンの中央部か中央付近であることが望ましい。また、トレース領域は、ユーザデータゾーンを半径上の位置で区分する複数のエリア毎に設けるようにしてよい。
【0106】
以上、実施の形態のディスク1及びそれに対応するディスクドライブ装置10について説明してきたが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、要旨の範囲内で各種変形例が考えられるものである。
【符号の説明】
【0107】
1 ディスク、51 ピックアップ、52 スピンドルモータ、53 スレッド機構、54マトリクス回路、55リーダ/ライタ回路、56 変復調回路、57 ECCエンコーダ/デコーダ、58 ウォブル回路、59 アドレスデコーダ、60システムコントローラ、60a キャッシュメモリ、61 サーボ回路、62 スピンドルサーボ回路、63 レーザドライバ、120 AVシステム
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の記録媒体に信号を記録する記録装置、記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータを記録・再生するための技術として、例えば、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)などの、光ディスクを記録メディアに用いたデータ記録技術がある。光ディスクには、例えばCD、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc−Read Only Memory)などとして知られているように再生専用タイプのものと、ミニディスク、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)、DVD−RW(Digital Versatile Disc−Rewritable)、DVD+RW(Digital Versatile Disc+Rewritable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc−Random Access Memory)などで知られているようにユーザデータが記録可能なタイプがある。
【0003】
記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
【0004】
更に近年、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:ソニー株式会社の登録商標)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、著しい大容量化が図られている。例えばこの高密度ディスクでは、波長405nmのレーザ(いわゆる青色レーザ)とNAが0.85の対物レンズの組み合わせという条件下でデータ記録再生を行うとし、トラックピッチ0.32μm 、線密度0.12μm/bitで、64KB(キロバイト)のデータブロックを1つの記録再生単位として、フォーマット効率約82%としたとき、直径12cmのディスクに23.3GB(ギガバイト)程度の容量を記録再生できる。
【0005】
また、同様のフォーマットで、線密度を0.112μm/bitの密度とすると、25GBの容量を記録再生できる。さらに、記録層を2層とすることにより、容量は上記の2倍の46.6GB、或いは50GBの大容量のディスクとすることができる。もちろん記録層を3,4,・・・,n層とすることにより、23.3GB、或いは25GBのn倍の大容量のディスクを実現できる。このような高密度ディスクにおいても、BD−R(Blu−ray Disc−Recordable)とよばれるライトワンス型やBD−RE(Blu−ray Disc−Rewritable)と呼ばれる書換可能型が開発されている。
【0006】
なお、本明細書ではユーザデータ記録可能なディスクにおいて、CD−R、DVD−R、BD−R等のライトワンス型のディスクを総称して「ライトワンスディスク」、CD−R W、DVD−RW、BD−RE等の書換可能型のディスクを総称して「リライタブルディスク」と呼ぶこととする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−280864号公報
【特許文献2】特開2007−272988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、データ記録可能な記録メディアでは、記録したRF信号を利用した調整や、試し書き記録の品質の確認は、ディスクの内外周の領域に用意されたテスト領域で行われる。また、ユーザエリアである中周領域で記録テストやチルト調整を行う方法としては、未記録のメディアにおいても信号を得られるトラッキングエラー信号(DPP信号)の振幅をみて行う方法がある。しかし、DPP信号の振幅をもとに得られた調整の最適点が実際のリード最適点と一致するとは限らないため、適宜補正した値を用いる必要がある。例えば、DPP信号の振幅をもとに得られた調整の最適点とRF信号のジッタ成分をもとに得られた最適点との相関を予め求めておき、この相関をもとにDPP最適点を補正する必要があり、調整に長い時間がかかるという問題がある。
【0009】
また、再生または記録しながら各種パラメータを追従させていく方法が考えられているが、収束迄に時間を要するため、その間の再生品質や記録品質が損なわれてしまう。再生ではリトライによるリカバリーが可能であるが、ライトワンスメディアへの記録の場合は、致命的となる。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、記録媒体においてユーザデータの記録が行われる領域を使用して良好な精度で調整を行うことのできる記録装置および記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る記録装置は、ユーザデータの記録が可能な記録領域と、前記記録領域における欠陥領域に交替される交替領域とを有するディスク状の記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記記録領域の一部を前記交替領域で交替して調整用領域として設定する設定手段と、前記調整用領域を用いて調整を行う調整手段とを具備する。本発明では、ユーザデータの記録が可能な記録領域を使用して調整を行うことができる。
【0012】
前記設定手段は、前記調整用領域として最適記録条件を求めるための記録テスト領域を設定する。これにより、記録媒体の中周部での記録テスト(試し書き)を行うことができ、記録媒体の全域に対して記録テストを行うことができる。
前記記録媒体の記録領域は記録速度が異なる複数の領域に区分され、前記設定手段は、前記記録速度が変化する点を含む領域に前記記録テスト領域を設定する。これにより、異なる記録速度に対する最適記録条件を求めることができる。
【0013】
また、前記設定手段は、前記調整用領域としてチルト調整のためのチルト調整用領域を設定することとしてもよい。これにより、記録媒体の中周部でのチルト調整のための情報が得られ、記録媒体の全域に対して良好な精度でチルト調整を行うことができる。
この場合、前記設定手段は、前記記録領域を均等に区分する間隔で前記チルト調整用領域を設定することがさらに望ましい。
前記調整手段は、より具体的には、前記チルト調整用領域に信号を記録し、これを再生した信号をもとにチルト調整のための情報を算出する。
【0014】
さらに、本発明の記録装置は、前記記録媒体からデータを再生する光ピックアップを含む再生手段をさらに有し、前記設定手段は、前記調整用領域として、再生中に前記光ピックアップを待機させる位置に相当するトレース領域を設定するものであってもよい。これにより、記録媒体に記録されたデータへの実質的なダメージを与えることなく、光ピックアップを記録領域上で待機させることが可能になる。光ピックアップを記録領域上で待機させることによって、平均的なシーク量を低減させることが可能になる。
また、平均的なシーク量をより一層低減するために、前記設定手段は、前記トレース領域を前記記録領域の中央部または略中央部に設定することとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、記録媒体においてユーザデータの記録が行われる領域を使用して調整を行うことができ、調整精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】記録テストの概要を説明する図である。
【図2】実施の形態のディスクドライブ装置の構成を示す図である。
【図3】ディスク1の領域構造を示す図である。
【図4】図3のディスク1の領域構造におけるプリレコーデッド情報領域PRと記録可能エリアの構造を示す図である。
【図5】DMAの構造を示す図である。
【図6】DMAの先頭に記録されるDDSの構成を示す図である。
【図7】ディフェクトリストDFLの構成を示す図である。
【図8】交替アドレス情報atiの構成を示す図である。
【図9】記録テストの動作手順を示すフローチャートである。
【図10】チルト調整の概要を説明する図である。
【図11】チルト角測定の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】トレース領域の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態としての記録装置であるディスクドライブ装置について説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
[1.交替システムを用いた記録テスト方式の概要]
本実施形態のディスクドライブ装置のディフェクト用の交替システムを用いた記録テスト方式の概要から説明する。
図1において、横軸はディスクの半径方向を示しており、左側はディスクの内周側、右側はディスクの外周側である。ディスクドライブ装置の回転数の制限により、記録速度は、ディスクの半径上の位置によって区分される複数のエリア毎に設定されているものとする。しかし、この点は必須の事項ではなく、記録速度がすべての領域において一定である場合にも、本実施形態の交替システムを用いた記録テスト方式は適用可能である。本実施形態では、ディスクの領域が基準の記録速度に対して4倍速、6倍速、8倍速の記録速度で記録可能な3つのエリアに区分されている場合を例とする。
【0019】
通常、記録テストは、ディスクの内周側と外周側に設けられたリードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0(図4参照)を使って行われる。したがって、図1の例では4倍速エリアを使った4倍速の記録テストと、8倍速エリアを使った6倍速と8倍速の記録テストを行うことが可能である。しかしながら、リードアウトゾーン内のテストライトエリアでの記録テストは、ディスクの内周側と外周側との往復シーク時間、反りの影響(チルト調整の採り残り分)、ディスクの表面状態(汚れ等)等の影響を受けやすいという難点がある。このため、リードインゾーン内のテストライトエリアOPCを使って4倍速の記録テストを実行し、その結果から6倍速、8倍速の調整結果を演算により求めることが多々行われる。
【0020】
本実施の形態のディスクドライブ装置では、リードインゾーンとリードアウトゾーンとの間のユーザデータゾーンで記録テストを行うことを可能にするために、ユーザデータゾーンの一部を交替領域で交替して調整用領域である記録テスト用の領域として設定する。ユーザデータゾーンに設定される記録テスト用の領域としては、例えばディスクの領域が4倍速、6倍速、8倍速の記録速度で記録可能な3つのエリアに区分されている場合、4倍速と6倍速の速度変化点を含むエリアと、6倍速と8倍速の速度変化点を含むエリアに設定すればよい。これにより、4倍速、6倍速、8倍速の最適記録条件をそれぞれ記録テストで得られた実測値をもとに決めることが可能になる。また、シーク時間の短縮、反りの影響の低減が可能となり、さらにディスクの表面状態による影響も解消される。
【0021】
以下、本実施形態のディスクドライブ装置と交替システムを用いた記録テスト方式について、より詳細に説明する。
【0022】
[2.ディスクドライブ装置]
まず、本実施の形態のディスクドライブ装置10の構成を説明する。
図2は、実施の形態のディスクドライブ装置10の構成を示す図である。
記録メディアであるディスク1は、例えばBD−R、BD−RE等のライトワンスディスクやリライタブルディスクを想定している。ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって例えば一定線速度(CLV:Constant Linear Velocity)で回転駆動される。
【0023】
そしてデータ記録時には光学ピックアップ(光学ヘッド)51によって、ディスク1上に形成されたトラックにデータが色素変化ピットマーク又はフェイズチェンジマークとして記録され、再生時にはピックアップ51によって記録マークの読出が行われる。
【0024】
またディスク1上ではスパイラル状に形成されたグルーブ(溝)によって記録トラックが形成されるが、このグルーブが情報の変調信号に基づいてウォブリング(蛇行)された状態に形成されていることで再生専用のADIP(Address in Pregroove)情報が記録されている。そして、このADIP情報も光学ピックアップ51によって読み出される。さらに、ディスク1上には、再生専用の管理情報として例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報も光学ピックアップ51によって読み出される。
【0025】
光学ピックアップ51内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系(図示せず)が設けられている。レーザダイオードは、例えば波長405nmのいわゆる青色レーザを出力する。また光学系によるNAは0.85である。
【0026】
光学ピックアップ51内において対物レンズは、3軸アクチュエータにより光軸方向(フォーカス方向)、ディスク半径方向(トラッキング方向)、およびチルト方向へ移動可能に保持されている。ここで、チルト方向とは、ディスク1のラジアル方向のチルト方向であり、換言すれば、フォーカス方向及びトラッキング方向に直交するタンジェンシャル方向を軸とする軸回り方向である。また、光学ピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0027】
光学ピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
【0028】
ディスク1からの反射光情報は、光学ピックアップ51内のフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路54に供給される。マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば、再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
【0029】
ところで、上記の3軸アクチュエータは、例えば、複数のトラッキングコイルと4つのフォーカスコイルなどで構成される。フォーカスコイルは、対物レンズの光軸の位置からトラッキングの+方向と−方向にそれぞれ均等な距離だけずれた2つの位置で、対物レンズをタンジェンシャル方向で挟んで互いに対向するように配置されている。ここで、対物レンズをタンジェンシャル方向で挟んで互いに対向する関係にある2つのフォーカスコイルどうしを「駆動フォーカスコイルペア」と呼ぶ。すなわち、光ピックアップ51には、駆動フォーカスコイルペアが2つ設けられている。これら2つの駆動フォーカスコイルペアによって発生される2つのフォーカス方向の駆動力により、対物レンズはフォーカス方向に駆動される。そして、これら2つの駆動フォーカスコイルペアによって発生される2つのフォーカス方向の駆動力に差分を設けることによって、対物レンズに対してチルト方向への駆動力が付与されて、チルト角の調整が行われる。
【0030】
さらに、マトリクス回路54は、グルーブのウォブリングに係る信号、すなわちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。なお、マトリクス回路54は、光学ピックアップ51内に一体的に構成される場合もある。マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、プッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
【0031】
リーダ/ライタ回路55は、再生データ信号に対して2値化処理、PLLによる再生クロックの生成処理等を行い、光学ピックアップ51により読み出されたデータを再生して、変復調回路56に供給する。変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。変復調回路56は、再生時のデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードを復調する処理を行う。また、ECCエンコーダ/デコーダ57は、記録時には、エラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理とを行う。再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。ECCエンコーダ/デコーダ57で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ60の指示に基づいて、読み出され、接続された機器、例えばAV(Audio−Visual)システム120に転送される。
【0032】
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号は、ウォブル回路58において処理される。ADIP情報としてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ59に供給される。アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ60に供給する。
また、アドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
【0033】
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号として、プリレコーデッド情報PICとしてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてバンドパスフィルタ処理が行われてリーダ/ライタ回路55に供給される。そして2値化され、データビットストリームとされた後、ECCエンコーダ/デコーダ57でECCデコード、デインターリーブされて、プリレコーデッド情報としてのデータが抽出される。抽出されたプリレコーデッド情報はシステムコントローラ60に供給される。システムコントローラ60は、読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、各種動作設定処理やコピープロテクト処理等を行うことができる。
【0034】
記録時には、AVシステム120から記録データが転送されてくる。記録データはECCエンコーダ/デコーダ57内のメモリに送られてバッファリングされる。この場合ECCエンコーダ/デコーダ57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。ECCエンコードされたデータは、変復調回路56において例えばRLL(1−7)PP方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity Preserve/Prohibitrmtr(repeated minimum transition runlength))の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックとして、上述したようにウォブル信号から生成したクロックが用いられる。
【0035】
エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路55で記録補償処理として、記録層の特性、レーザ光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われた後、レーザドライブパルスとしてレーザドライバ63に送られる。レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスを光学ピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピットが形成されることになる。
【0036】
なお、レーザドライバ63は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、光学ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニタしながらレーザの出力が温度などによらず一定になるように制御される。記録時及び再生時のレーザ出力の目標値はシステムコントローラ60から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御される。
【0037】
サーボ回路61は、マトリクス回路54からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。すなわち、サーボ回路61は、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、光学ピックアップ51内の3軸アクチュエータのフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動する。これによって光学ピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、トラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0038】
また、サーボ回路61にはチルト補正演算部が設けられている。サーボ回路61内のチルト補正演算部は、2つの駆動フォーカスコイルペアにそれぞれ供給されるフォーカス制御信号に対して、システムコントローラ60から与えられたチルト設定値に対応する差分を付与する。これにより、チルト設定値に相当する差分が付与された2つのフォーカス制御信号が3軸アクチュエータ内の2つの駆動フォーカスコイルペアに供給され、対物レンズがチルト方向に駆動されてチルト調整が行われる。
【0039】
また、サーボ回路61は、システムコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
【0040】
また、サーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53は、光学ピックアップ51を保持し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで光学ピックアップ51をディスクの半径方向に移動させる。
【0041】
スピンドルサーボ回路62はスピンドルモータ52をCLV回転させる制御を行う。スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。また、データ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ52のCLV回転を実行させる。また、スピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ52の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0042】
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はシステムコントローラ60により制御される。システムコントローラ60は、AVシステム120からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
【0043】
例えば、AVシステム120から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ60は、まず書き込むべきアドレスに光学ピックアップ51を移動させる。そしてECCエンコーダ/デコーダ57、変復調回路56により、AVシステム120から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにリーダ/ライタ回路55からのレーザドライブパルスがレーザドライバ63に供給されることで、記録が実行される。
【0044】
また、例えばAVシステム120から、ディスク1に記録されている或るデータ(MPEG2ビデオデータ等)の転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。すなわちサーボ回路61に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光学ピックアップ51のアクセス動作を実行させる。その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。すなわちディスク1からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECCエンコーダ/デコーダ57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
【0045】
ところで、この図2のディスクドライブ装置の構成例は、AVシステム120に接続されるディスクドライブ装置の例としたが、本発明のディスクドライブ装置としては例えばパーソナルコンピュータ等と接続されるものとしてもよい。さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられた形態や、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
【0046】
[3.ディスクの管理情報]
次に、ディスク1の領域構造及び管理情報について説明する。ここではブルーレイディスクとしてのライトワンスディスクやリライタブルディスクの例を挙げる。
ディスク1の直径は120mm、ディスク厚は1.2mmである。すなわち、外形的に見ればCD方式のディスクや、DVD方式のディスクと同様である。そして記録/再生のためのレーザとして、いわゆる青色レーザが用いられ、また光学系が高NA(例えばNA=0.85)とされること、さらには狭トラックピッチ(例えばトラックピッチ=0.32μm)、高線密度(例えば記録線密度0.12μm)を実現することなどで、直径12cmのディスクにおいて、ユーザデータ容量として1つの記録層で23G−25Gバイト程度を実現している。本例のディスク1には、記録層が1層の1層ディスクと、記録層が2層、3層・・・の多層ディスクがある。
【0047】
図3はディスク1の領域構造を示す図である。ディスク1上の領域は、内周側よりリードインゾーン、ユーザデータゾーン、リードアウトゾーンからなる。リードインゾーンは、内周側よりBCA(Burst Cutting Area)、プリレコーデッド情報領域PR、管理/制御情報領域からなる。ここで、BCAおよびプリレコーデッド情報領域PRは再生専用エリアであり、リードインゾーン内の管理/制御情報領域からリードアウトゾーンまでが、ディスクドライブ装置10によって情報記録可能な記録可能エリアである。
【0048】
リードインゾーンの最内周のBCAは、例えば高出力のレーザで記録層を焼ききる記録方式により、半径方向にバーコード上の信号を記録する。これによりディスク1枚1枚にユニークなIDが記録される。そしてこのユニークIDにより、ディスク1へのコンテンツのコピーを管理するようにしている。
【0049】
BCAを除いた再生エリア、つまりプリレコーデッド情報領域PRと、記録可能エリアの全域には、ウォブリンググルーブ(蛇行された溝)による記録トラックがスパイラル状に形成されている。グルーブはレーザスポットによるトレースの際のトラッキングのガイドである。このグルーブを記録トラックとしてデータの記録再生が行われる。
なお本例では、グルーブにデータ記録が行われる光ディスクを想定しているが、本発明はこのようなグルーブ記録の光ディスクに限らず、グルーブとグルーブの間のランドにデータを記録するランド記録方式の光ディスクに適用してもよいし、また、グルーブ及びランドにデータを記録するランドグルーブ記録方式の光ディスクにも適用することも可能である。
【0050】
また記録トラックとされるグルーブは、ウォブル信号に応じた蛇行形状となっている。ディスクドライブ装置は、レーザスポットを記録トラックに沿って移動させる際にグルーブに照射したレーザスポットの反射光からそのグルーブの両エッジ位置を検出し、その両エッジ位置のディスク半径方向に対する変動成分を抽出することによりウォブル信号を再生する。このウォブル信号には、その記録位置における記録トラックのアドレス情報(物理アドレスやその他の付加情報等:ADIP情報)が変調されている。ディスクドライブ装置は、このウォブル信号から上記のアドレス情報等を復調することによって、データの記録や再生の際のアドレス制御等を行う。さらに、ADIP情報には、ディスクの物理フォーマット情報が含まれる。ディスクの物理フォーマット情報としては、ディスクの種別、サイズなどがある。これによりディスクドライブ装置10は、装填されたディスクの種別、サイズの判別を行う。
【0051】
データゾーンは、実際にユーザデータが記録される再生されるエリアである。データゾーンには、パーソナルコンピュータユース等において、ディフェクト等により記録再生できない部分が存在した場合にその記録再生できない部分(セクタ、クラスタ)を交替する交替領域が設定される。また、ライトワンスメディアは物理的にデータ書換を行うことができないが、交替処理を利用してデータ書換を行うことが可能である。交替領域は、データエリアの最内周側にISA(Inner Spare Area)として設けられ、またデータエリアの最外周側にOSA(Outer Spare Area)として設けられる。
【0052】
データゾーンの外周側には、リードアウトゾーンが設けられている。このリードアウトゾーンは、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとして使われる。なお、リードアウトゾーンには、リードインゾーンと同様に後述するDMA(Disc Management Area)の情報が記録されるようにしてもよい。
【0053】
このような1層ディスクに対するディスクドライブ装置による記録再生は、内周から外周の方向に行われる。記録再生密度は、たとえば、トラックピッチ0.32μm、線密度0.12μm/bitとされる。そしてユーザデータ64KBを1クラスタとし、このユーザデータの1クラスタを単位て記録再生が行われる。ユーザデータを記録再生するデータゾーンは355603クラスタからなる。従ってユーザデータの記録容量は、64KB× 355603=約23.3GBである。
【0054】
図4は、図3のディスク1の領域構造におけるプリレコーデッド情報領域PRと記録可能エリアの構造を示す図である。同図に示すように、再生エリアにおけるプリレコーデッド情報領域PRには、PIC(Permanent Information & Calibration)情報として、あらかじめ記録再生レーザパワー条件やレーザ駆動パルス波形条件等のディスク記録条件の推奨情報や、コピープロテクションにつかう情報等がウォブリンググルーブによって記録されている。なお、これらのPIC情報はエンボスピット等により記録されてもよい。
【0055】
管理/制御情報領域には、内周から順に、インフォメーションエリアInfo2、テストライトエリアOPC0、TDMA0、インフォメーションエリアInfo1が配置される。テストライトエリアOPC0は記録/再生時のレーザパワー等、記録マークの記録再生条件を設定する際の試し書きなどに使われる。
【0056】
インフォメーションエリアInfo2は、リザーブ領域、DMA2、コントロールデータ(Control Data2)、バッファからなる。
【0057】
インフォメーションエリアInfo1は、プリライトエリア(Pre−Write Area)、ドライブエリア(Drive Area)、DMA1、コントロールデータ(Control Data1)、バッファからなる。ドライブエリアには、データゾーンに交替領域として設定された領域をテストライトエリアとして使用することが可能である。その詳細については後で説明する。
【0058】
インフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのコントロールデータ(Control Data1、Control Data2)には、ディスクタイプ、ディスクサイズ、ディスクバージョン、層構造、チャンネルビット長、BCA情報、転送レート、データゾーン位置情報、記録線速度、記録/再生レーザパワー情報などが、各エリアに同一に記録される。ここで、記録線速度の情報は、記録可能エリア内で半径位置によって区分されるゾーン毎の最適値である。従って、記録線速度の情報は、各ゾーンの位置を示す情報と対応付けて複数記録されている。例えば、4倍速で記録可能なゾーン、6倍速で記録可能なゾーン、8倍速で記録可能なゾーンが存在する場合に、各々のゾーンの位置と記録線速度の情報とが対応付けて記録される。
【0059】
インフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのDMA(DMA1,DMA2)には、欠陥交替や論理的な書換等を管理する交替管理情報、さらには記録に伴う領域の使用状況、各エリアのアドレスなどを管理する情報が記録される。2つのDMA(DMA1,DMA2)には同一内容の情報が記録される。
【0060】
なお、DMAは欠陥箇所の交替管理のみではなく、このライトワンス型ディスクにおいて論理的にデータ書換を実現するための管理情報も記録できる。このためDMAを「Disc Management Area」として呼ぶこととしている。
【0061】
ライトワンスディスクにおいて交替処理を利用して欠陥管理やデータ書換を可能にするためには、データ書換等に応じてDMAの内容も更新される。このためライトワンスディスクには、TDMA0(テンポラリディスクマネジメントエリア:Temporary Disc Management Area)が設けられる。
【0062】
すなわち、DMAに記録すべき交替管理情報は、当初はTDMA0を用いて記録され、またデータ書換や欠陥による交替処理が発生することに応じて、交替管理情報がTDMAに追加記録されていく形で更新されていく。従って、例えばディスクをクローズ(=ファイナライズ)するまでは、DMAは使用されず、TDMAにおいて交替管理が行われる。ライトワンスディスクは、最終的にクローズ処理が行われ、それ以降は記録ができないものとなるが、このクローズの時点においてTDMAに記録されている最新の交替管理情報が、DMAに記録され、DMAによる交替管理が可能となる。一方、リライタブルディスクの場合は、記録に応じてDMAが書き換えられればよいため、TDMAとしての領域は用意されない。なお、DMAに記録すべき交替管理情報の詳細については後で説明する。
【0063】
インフォメーションエリアInfo2におけるバッファは、コントロールデータ(Control Data2)とテストライトエリアOPC0を物理的に離すためのバッファ領域である。インフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアには、ディスクの最適な記録再生条件が記録される。光ディスクドライブ装置は、ディスクの最適な記録再生条件を決定してインフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアに記録する。そして以後、光ディスクドライブ装置は、記録再生前にインフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアから記録再生条件を読み込み、その条件に従って記録再生を行うことが可能とされている。
【0064】
また、ワイトワンスディスクの場合、インフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアにはドライブIDが記録される。ドライブIDは、ディスクドライブ装置の機種毎の識別情報である。すなわちディスク1に対して記録を行ったディスクドライブ装置は、自己のメーカ名や機種名を示すコードをドライブIDとして記録する。より具体的にはドライブIDは、製造者名、機種名、ファームウエアバージョンなどを含む記録装置識別情報であり、過去に記録が行われたディスク1のドライブエリア内には、ドライブIDとして、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の履歴が残されることになる。つまりドライブIDを確認すれば、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の機種を判別できる。
【0065】
なお、リライタブルディスクの場合、インフォメーションエリアInfo1におけるPACに、ドライブIDと同様のレコーダIDを記録する領域が用意されている。すなわち、リライタブルディスクとしてのディスク1に対して記録を行ったディスクドライブ装置は、自己のメーカ名や機種名を示すコードをレコーダIDとして記録する。
より具体的にはレコーダIDは、製造者名、機種名、追加識別情報を含む記録装置識別情報であり、過去に記録が行われたディスク1内には、このレコーダIDとして、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の履歴が残されることになる。つまりレコーダIDを確認すれば、過去にそのディスク1に記録を行ったディスクドライブ装置の機種を判別できる。
【0066】
次に、DMAの構成を説明する。
図5は、DMAの構造を示す図である。
DMAにおいて、クラスタ番号1−4の4クラスタの区間にはDDS(Disc Definition Structure)としてディスクの詳細情報が記録される。
【0067】
クラスタナンバ5−32の28クラスタ区間は4クラスタ毎に分けられ、それぞれディフェクトリストDFLの記録領域(DFL#1−#7)として設定される。ディフェクトリストDFLとは、ディスク欠陥位置と交替領域内の位置とのペアからなる一連のリストである。本例のように、ライトワンスディスクであるディスク1に対して記録が行われる場合、ファイナライズ時に、クラスタナンバ5−32の7つのディフェクトリストDFLの記録領域(DFL#1−#7)に全て同じリストが記述される。
【0068】
図6は、DMAの先頭に記録されるDDSの構成を示す図である。
図6ではDDSの先頭バイトをバイト0として示している。バイト数は各データ内容のバイト数を示す。
【0069】
バイト位置0−1の2バイトは、DDSのクラスタであることを認識するためのDDS識別子(DDS Identifier)=「DS」である。バイト位置2の1バイトは、DDS型式番号(フォーマットのバージョン)である。バイト位置4−7の4バイトは、DDSの更新回数を示す。なお、本例ではDMA自体はファイナライズ時に交替管理情報が書き込まれるものであった更新されるものではなく、交替管理情報の更新はTDMAにおいて行われる。したがって、最終的にファイナライズされる際に、TDMAにおいて行われたDDS(TDDS:テンポラリDDS)の更新回数が当該バイト位置4−7に記録される。
【0070】
バイト位置16−19の4バイトは、DMA内のドライブエリアの先頭物理セクタアドレス(AD−DRV)である。バイト位置24−27の4バイトは、DMA内のディフェクトリストDFLの先頭物理セクタアドレス(AD−DFL)である。バイト位置32−35の4バイトは、データゾーンにおけるユーザデータ領域の先頭位置、つまりLSN(Logical Sector Number:論理セクタアドレス)"0"の位置をPSN(Phisical Sector Number:物理セクタアドレス)によって示したものである。
【0071】
バイト位置36−39の4バイトは、データゾーンにおけるユーザデータゾーンの終了位置をLSN(論理セクタアドレス)によって示したものである。バイト位置40−43の4バイトは、データゾーンにおける交替領域のサイズである。バイト位置44−47の4バイトは、データゾーンにおける第2の交替領域のサイズである。バイト位置48−51の4バイトは、データゾーンにおけるISAのサイズである。
【0072】
バイト位置52の1バイトは、交替領域Aを使用してデータ書換が可能であるか否かを示す交替領域使用可能フラグである。交替領域使用可能フラグは、ISA又はOSAが全て使用された際に、それを示すものとされる。これら以外のバイト位置はリザーブ(未定義)とされ、全て00hとされる。
【0073】
このように、DDSはユーザデータ領域のアドレスとISA、OSAのサイズ、及び交替領域使用可能フラグを含む。つまりDDSは、データゾーンにおけるISA、OSAの領域管理を行う管理/制御情報である。
【0074】
図7は、ディフェクトリストDFLの構成を示す図である。ここではバイト位置として、4クラスタのディフェクトリストDFLにおける各データ内容のデータ位置を示している。なお、1クラスタ=32セクタ=65536バイトであり、1セクタ=2048バイトである。バイト数は各データ内容のサイズとしてのバイト数を示す。
【0075】
ディフェクトリストDFLの先頭の64バイトはディフェクトリスト管理情報である。このディフェクトリスト管理情報には、ディフェクトリストのクラスタであることを認識する情報、バージョン、ディフェクトリスト更新回数、ディフェクトリストのエントリ数などの情報が記録される。バイト位置64以降は、ディフェクトリストのエントリ内容として、各8バイトの交替アドレス情報atiが記録される。そして有効な最後の交替アドレス情報ati#Nの直後には、交替アドレス情報終端としてのターミネータ情報が8バイト記録される。このディフェクトリストDFLでは、交替アドレス情報終端以降、そのクラスタの最後までが00hで埋められる。
【0076】
図8は、交替アドレス情報atiの構成を示す図である。交替アドレス情報atiは8バイト(64ビット)で構成される。各ビットをビットb63−b0として示す。ビットb63−b60には、エントリのステータス情報(status 1)が記録される。ここで、ステータス情報「0000」は、ディフェクト用の交替処理エントリを示す。また、本実施形態では、ディフェクト用の交替領域が記録テスト用としても使用されるため、記録テスト用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報が記録される場合もある。ビットb59−b32には、交替元クラスタの最初の物理セクタアドレスPSNが記録される。ビットb31−b28はリザーブである。ビットb27−b0には、交替先クラスタの先頭の物理セクタアドレスPSNが記録される。
【0077】
以上のような構造の交替アドレス情報atiが1つのエントリとして、図6に示したディフェクトリストDFLに登録される。
【0078】
[4.動作の説明]
次に、本実施形態のディスクドライブ装置において、ディスクのユーザデータゾーンを使用して記録テストを行う時の動作を説明する。
図9は、かかる記録テストの動作手順を示すフローチャートである。
【0079】
ディスク1が装填されたら、まずシステムコントローラ60はディスク記録再生のための立ち上げ処理を行う。即ちスピンドルモータ52の起動及び整定、レッド位置制御、ピックアップにおけるフォーカスサーチ、フォーカスサーボオン、トラッキングサーボオン等の動作を実行させ、ウォブル信号に変調されたADIP情報からディスク1の物理フォーマット情報を復調することによって、装填されたディスク1の種別を判別する(ステップS101)。
【0080】
ここで、判定されたディスクの種別が、本方式の記録テストに対応可能なディスク、例えばBD−R、BD−RE等のライトワンスディスクやリライタブルディスクである場合、システムコントローラ60は、記録テストのための次の処理へ移行する。また、判定されたディスクの種別が、その他の種別のディスク(読み取り専用BDなどの記録不可ディスク)である場合には記録テストを終了し、例えば、ディスクを排出するなどの処理を実行する。
【0081】
記録テストに進む場合、システムコントローラ60は、続いて当該ディスクがフォーマット済みであるかどうかを判定する(ステップS102)。この判定は、図3に示したディスクの領域構造の有無を調べることなどによって行われる。ここで、リードインゾーンにおけるBCAおよびプリレコーデッド情報領域PRは再生専用エリアであり、フォーマットされていないディスクには再生専用エリアしか設けられていない。ディスクがフォーマット済みでない場合、システムコントローラ60は、AVシステム120からのフォーマット命令の発行を待つ(ステップS112)。AVシステム120からのフォーマット命令を受けたなら、システムコントローラ60は、図3に示したディスクの領域構造を形成するフォーマット処理を行う(ステップS112)。
【0082】
システムコントローラ60は、ステップS102で、装填されたディスク1がフォーマット済みであることを判定した場合、当該ディスク1の管理/制御情報領域内の2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのDMA(DMA1,DMA2)のいずれかと、インフォメーションエリアInfo2内のドライブエリアの情報を確認する(ステップS103)。そして、システムコントローラ60は、この確認した結果をもとに次のように判定を行う。
【0083】
まず、2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2におけるDMA(DMA1,DMA2)の有無を判定する(ステップS104)。ディフェクト領域の交替処理を禁止する条件でフォーマットされたディスクの場合、インフォメーションエリアInfo1、Info2にDMAが設定されない。したがって、この場合にはステップS104で"DMA無し"が判定される。この場合、システムコントローラ60は、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0を使った通常の記録テストを行うように制御する(ステップS111)。ステップS104で"DMA有り"が判定された場合、システムコントローラ60は、テスト記録のための次のステップS105に移行する。
【0084】
ステップS105では、システムコントローラ60は、インフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDをもとに、当該ディスク1が本ディスクドライブ装置10によって記録が行われたディスク1かどうかを判定する。今回はじめて本ディスクドライブ装置10に装填されたディスク1である場合、ドライブエリアのドライブIDは本ディスクドライブ装置10に割り当てられたドライブIDと一致しない。この場合、当該ディスク1に対して以前に本ディスクドライブ装置10以外の装置によって記録が行われたことを示し、システムコントローラ60はステップS109へ移行する。
【0085】
ステップS109では、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLに空きがあるかどうかを判定する。空きが無ければ、システムコントローラ60はユーザデータゾーン内の領域を記録テスト用に使用することは不可であるとして、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0を使った通常の記録テストを行うように制御する(ステップS111)。ディフェクトリストDFLに空きがある場合、システムコントローラ60(設定手段)はディフェクトリストDFLに、記録テスト用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内の記録テスト用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、記録テスト用のエントリとして登録する(ステップS110)。この後、システムコントローラ60はステップS107へ移行する。
【0086】
一方、ステップS105の判定でインフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDと本ディスクドライブ装置10のドライブIDとが一致することが判定された場合、以前に本ディスクドライブ装置10によって記録(テスト記録を含む)が行われたディスク1であることを示す。この場合、以前に記録テストが行われたかどうかを知るために、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLに記録テスト用のエントリが登録されているかどうかを、各エントリのステータス情報を参照して調べる(ステップS106)。記録テスト用のエントリが登録されていないなら、まだ、当該ディスクに対して記録テストが行われていないことを示す。したがって、この場合、システムコントローラ60は、ディフェクトリストDFLに、記録テスト用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内の記録テスト用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、記録テスト用のエントリとして登録する(ステップS110)。この後、システムコントローラ60はステップS107へ移行する。
【0087】
ステップS107で、システムコントローラ60(調整手段)は、ディフェクトリストDFLに記録テスト用のエントリとして登録された内容(ユーザデータゾーン内の記録テスト用の領域の位置)をもとに、その記録テスト用の領域を使用して記録テストを実行するように制御する(ステップS107)。そして、システムコントローラ60は、この記録テストで得たデータをもとに、記録再生レーザパワー条件やレーザ駆動パルス波形条件等の最適記録条件を演算し、その結果をインフォメーションエリアInfo1のドライブエリアに記録する(ステップS108)。
【0088】
以上により、ユーザデータゾーンでの記録テストを行うことを可能になる。すなわち、例えば、図1においてディスクの中周部での記録テストを行うことができ、ディスクの半径上の全域に対してテスト記録を行うことができる。
【0089】
<第2の実施形態>
[1.交替システムを用いたチルト調整方式の概要]
次に、本発明に係る第2の実施形態として、ディフェクト用の交替システムを用いてチルト調整を行う方式を説明する。
図10は、そのチルト調整の概要を説明する図である。同図において、横軸は光ディスクの半径方向を示しており、左側はディスクの内周側、右側はディスクの外周側である。同図に示すディスクの場合、内周部と中周部には顕著な反りがないにも拘わらず外周部が大きく反っている。通常、チルト調整は、ディスクの内周側と外周側に設けられたリードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0にチルト角測定用の信号を記録し、それを再生した信号(RF信号など)に含まれるジッタ量などを測定することによって行われる。その際、ディスクの中周部でのチルト角は内周部と外周部で得られたチルト角から直線補間により求められていた。したがって、図10のように、外周部でのみ大きく反ったディスクの場合、ディスク全体の正確なチルト角が得られない。
【0090】
本実施の形態のディスクドライブ装置では、リードインゾーンとリードアウトゾーンとの間のユーザデータゾーンを使用してチルト角の測定を行うことを可能にするために、ディフェクト用の交替領域をチルト調整用としても使用することを可能としている。ユーザデータゾーンに設定されるチルト調整用の領域は1以上であればよいが、図10の例では、A,B,Cの3箇所に設定する場合を示している。また、ユーザデータゾーンに設定されるチルト調整用の領域A,B,Cはリードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0と合わせて、ディスクの半径を均等に区分するような位置に設定されることが、チルト調整の精度上望ましい。さらに、チルト調整用の領域の数は多いほどチルト調整の精度上望ましい。
なお、ディスクの半径方向の全域のチルト角を測定するために、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0もこれまで通りチルト角測定に使用することが望ましい。
【0091】
本実施形態のディスクドライブ装置の構成は図2に示した第1の実施形態のディスクドライブ装置と同じであるため説明を省略する。
【0092】
ディスクの管理情報については、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
ディフェクトリストDFLにおいて、エントリのステータス情報としては、チルト角測定用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報の記録が可能である。
また、インフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアには、チルト角測定結果をもとに演算されたチルト調整情報を記録することが可能とされている。光ディスクドライブ装置は、記録再生前にインフォメーションエリアInfo1におけるドライブエリアからチルト調整情報を読み込み、これに従ってチルト調整を行いながら記録再生を行うことが可能である。
【0093】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態のディスクドライブ装置において、ディスクのユーザデータゾーンを使用してチルト角測定を行う時の動作を説明する。
図11は、かかるチルト角測定の動作手順を示すフローチャートである。
【0094】
ディスク1が装填されたら、まずシステムコントローラ60はディスク記録再生のための立ち上げ処理を行う。即ちスピンドルモータ52の起動及び整定、レッド位置制御、ピックアップにおけるフォーカスサーチ、フォーカスサーボオン、トラッキングサーボオン等の動作を実行させ、ウォブル信号に変調されたADIP情報からディスクの物理フォーマット情報を復調することによって、装填されたディスクの種別を判別する(ステップS201)。
【0095】
ここで、判定されたディスクの種別が、本方式のチルト角測定に対応可能なディスク1、例えばBD−R、BD−RE等のライトワンスディスクやリライタブルディスクである場合、システムコントローラ60は、チルト角測定のための次の処理へ移行する。また、判定されたディスクの種別が、その他の種別のディスク(読み取り専用BDなどの記録不可ディスク)である場合にはチルト角測定を終了し、例えば、ディスクを排出するなどの処理を実行する。
【0096】
チルト角測定に進む場合、システムコントローラ60は、続いて当該ディスク1がフォーマット済みであるかどうかを判定する(ステップS202)。ディスクがフォーマット済みでない場合、システムコントローラ60は、AVシステム120からのフォーマット命令の発行を待つ(ステップS202)。AVシステム120からのフォーマット命令を受けたなら、システムコントローラ60は、図3に示したディスクの領域構造を形成するフォーマット処理を行う(ステップS214)。
【0097】
システムコントローラ60は、ステップS202で、装填されたディスクがフォーマット済みであることを判定した場合、当該ディスクの管理/制御情報領域内の2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2における2つのDMA(DMA1,DMA2)のいずれかと、インフォメーションエリアInfo2内のドライブエリアの情報を確認する(ステップS203)。そして、システムコントローラ60は、この確認した結果をもとに次のように判定を行う。
【0098】
まず、2つのインフォメーションエリアInfo1、Info2におけるDMA(DMA1,DMA2)の有無を判定する(ステップS204)。ディフェクト領域の交替処理を禁止する条件でフォーマットされたディスク1の場合、インフォメーションエリアInfo1、Info2にDMAが設定されない。したがって、この場合にはステップS204で"DMA無し"が判定される。この場合、システムコントローラ60は、本方式以外のチルト調整を行うように制御する(ステップS213)。ステップS204で"DMA有り"が判定された場合、システムコントローラ60は、本方式のチルト角測定のための次のステップS205に移行する。
【0099】
ステップS205では、システムコントローラ60は、インフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDをもとに、当該ディスクが本ディスクドライブ装置10によって記録が行われたディスク1かどうかを判定する。今回はじめて本ディスクドライブ装置10に装填されたディスク1である場合、ドライブエリアのドライブIDは本ディスクドライブ装置10に割り当てられたドライブIDと一致しない。この場合、当該ディスク1に対して以前に本ディスクドライブ装置10以外の装置によって記録が行われたことを示し、システムコントローラ60はステップS210へ移行する。
【0100】
ステップS210では、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLに空きがあるかどうかを判定する。空きが無ければ、システムコントローラ60はユーザデータゾーン内の領域をチルト角測定用に使用することは不可であるとして、本方式以外のチルト調整を行うように制御する(ステップS213)。ディフェクトリストDFLに空きがある場合、システムコントローラ60(設定手段)はディフェクトリストDFLに、本方式のチルト角測定用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、チルト角測定用のエントリとして登録する(ステップS211)。ここで、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域はディスクの少なくとも一周分確保されるものとする。この後、システムコントローラ60は、設定されたユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域にチルト調整用の信号を記録し(ステップS212)、ステップS208へ移行する。
【0101】
一方、ステップS205の判定でインフォメーションエリアInfo2のドライブエリアに記録されたドライブIDと本ディスクドライブ装置10のドライブIDとが一致することが判定された場合、以前に本ディスクドライブ装置10によって記録(チルト角測定用の信号記録を含む)が行われたディスク1であることを示す。この場合、以前にチルト角測定用が行われたかどうかを知るために、システムコントローラ60はDMA内のディフェクトリストDFLにチルト角測定用のエントリが登録されているかどうかを、各エントリのステータス情報を参照して調べる(ステップS206)。チルト角測定用のエントリが登録されていないなら、まだ、当該ディスク1に対してチルト角測定用の信号記録が行われていないことを示す。したがって、この場合、システムコントローラ60は、ディフェクトリストDFLに、本方式のチルト角測定用の交替処理エントリであることを示す4ビットのステータス情報とともに、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域の位置と交替領域内の位置とのペアを、チルト角測定用のエントリとして登録する(ステップS211)。
【0102】
また、ステップS206で、ディフェクトリストDFLにチルト角測定用のエントリが登録されていることが判定された場合、システムコントローラ60は、そのチルト角測定用の領域にチルト角測定用の信号が記録されているかどうかを調べる(ステップS207)。この結果、記録されていなければ、システムコントローラ60は、そのチルト角測定用の領域にチルト角測定用の信号を記録し(ステップS212)、ステップS208へ移行する。チルト角測定用の信号が記録されているなら、システムコントローラ60はそのままステップS208へ移行する。
【0103】
ステップS208では、システムコントローラ60(調整手段)は、ユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域に記録された信号を再生し、この再生信号(RF信号など)に含まれるジッタ量などをもとにしてチルト角を測定するように制御を行う。そしてシステムコントローラ60は、チルト角の測定結果をもとにチルト調整量を演算する(ステップS208)。この際、リードインゾーン内およびリードアウトゾーン内のテストライトエリアOPC0を使用して得られた、ディスク内外周部それぞれのチルト角の測定結果と、本フローに従ってユーザデータゾーン内のチルト角測定用の領域で得られたディスク中周部のチルト角の測定結果とから、ディスク1の半径位置にそれぞれ対応したチルト調整量を算出することで、ディスク1の半径上の全域に対して良好な精度のチルト調整量が得られる。最後に、システムコントローラ60は、得られたチルト調整量をインフォメーションエリアInfo1のドライブエリアに記録する(ステップS209)。
【0104】
<変形例1>
以上、調整用記録領域が記録テスト領域、チルト調整用領域である場合の実施形態について説明したが、調整用記録領域をトレース領域として用いるようにしてもよい。トレース領域とは、再生中に次のシーク命令が発生するまで光学ピックアップ51を待機させるための場所である。再生モードにおいては光学ピックアップ51からディスクに対して読み取り用のレーザが照射されており、待機中に長時間ディスク上の同じ位置を照射することによって記録層の状態が変化するおそれがある。そこで、ユーザデータゾーンの一部を交替領域で交替してトレース領域として設定することで、ディスクに記録されたデータへの実質的なダメージを与えることなく、光学ピックアップ51を待機させることが可能になる。
【0105】
図12に示すように、ユーザデータゾーンにおけるトレース領域70の位置としては、平均的なシーク量が最小となるように、ユーザデータゾーンの中央部か中央付近であることが望ましい。また、トレース領域は、ユーザデータゾーンを半径上の位置で区分する複数のエリア毎に設けるようにしてよい。
【0106】
以上、実施の形態のディスク1及びそれに対応するディスクドライブ装置10について説明してきたが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、要旨の範囲内で各種変形例が考えられるものである。
【符号の説明】
【0107】
1 ディスク、51 ピックアップ、52 スピンドルモータ、53 スレッド機構、54マトリクス回路、55リーダ/ライタ回路、56 変復調回路、57 ECCエンコーダ/デコーダ、58 ウォブル回路、59 アドレスデコーダ、60システムコントローラ、60a キャッシュメモリ、61 サーボ回路、62 スピンドルサーボ回路、63 レーザドライバ、120 AVシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデータの記録が可能な記録領域と、前記記録領域における欠陥領域に交替される交替領域とを有するディスク状の記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記記録領域の一部を前記交替領域で交替して調整用領域として設定する設定手段と、
前記調整用領域を用いて調整を行う調整手段と
を具備する記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記調整用領域として最適記録条件を求めるための記録テスト領域を設定する
記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置であって、
前記記録媒体の記録領域は記録速度が異なる複数の領域に区分され、
前記設定手段は、前記記録速度が変化する点を含む領域に前記記録テスト領域を設定する
記録装置。
【請求項4】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記調整用領域としてチルト調整のためのチルト調整用領域を設定する
記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記記録領域を均等に区分する間隔で前記チルト調整用領域を設定する
記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置であって、
前記調整手段は、前記チルト調整用領域に信号を記録し、これを再生した信号をもとにチルト調整のための情報を算出する
記録装置。
【請求項7】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記記録媒体からデータを再生する光ピックアップを含む再生手段をさらに有し、
前記設定手段は、前記調整用領域として、再生中に前記光ピックアップを待機させる位置に相当するトレース領域を設定する
記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記トレース領域を前記記録領域の中央部または略中央部に設定する
記録装置。
【請求項9】
ユーザデータの記録が可能な記録領域と、前記記録領域における欠陥領域に交替される交替領域とを有するディスク状の記録媒体に記録を行う方法であって、
前記記録領域の一部を前記交替領域で交替して調整用領域として設定し、
前記調整用領域を用いて調整を行う
記録方法。
【請求項1】
ユーザデータの記録が可能な記録領域と、前記記録領域における欠陥領域に交替される交替領域とを有するディスク状の記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記記録領域の一部を前記交替領域で交替して調整用領域として設定する設定手段と、
前記調整用領域を用いて調整を行う調整手段と
を具備する記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記調整用領域として最適記録条件を求めるための記録テスト領域を設定する
記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置であって、
前記記録媒体の記録領域は記録速度が異なる複数の領域に区分され、
前記設定手段は、前記記録速度が変化する点を含む領域に前記記録テスト領域を設定する
記録装置。
【請求項4】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記調整用領域としてチルト調整のためのチルト調整用領域を設定する
記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記記録領域を均等に区分する間隔で前記チルト調整用領域を設定する
記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置であって、
前記調整手段は、前記チルト調整用領域に信号を記録し、これを再生した信号をもとにチルト調整のための情報を算出する
記録装置。
【請求項7】
請求項1に記載の記録装置であって、
前記記録媒体からデータを再生する光ピックアップを含む再生手段をさらに有し、
前記設定手段は、前記調整用領域として、再生中に前記光ピックアップを待機させる位置に相当するトレース領域を設定する
記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記録装置であって、
前記設定手段は、前記トレース領域を前記記録領域の中央部または略中央部に設定する
記録装置。
【請求項9】
ユーザデータの記録が可能な記録領域と、前記記録領域における欠陥領域に交替される交替領域とを有するディスク状の記録媒体に記録を行う方法であって、
前記記録領域の一部を前記交替領域で交替して調整用領域として設定し、
前記調整用領域を用いて調整を行う
記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−70732(P2011−70732A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221447(P2009−221447)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]